(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも上面、底面、および周辺端部を有するパネルの形態で、セル弾性率値、セル極限伸び値、セル熱膨張率値、およびセル降伏強度値を有する、三次元多層光起電力セルアセンブリと、
本体部弾性率値、本体部極限伸び値、本体部熱膨張率値、および本体部降伏強度値を有する、本体部アセンブリであって、前記三次元多層光起電力セルアセンブリの前記上面および周辺端部の一部分を、少なくとも部分的に囲んでおり、ポリマー又はポリマーブレンドを含み、前記多層光起電力セルアセンブリの周辺部に形成されている、本体部アセンブリと、
層材料から成り、層弾性率値、層極限伸び値、層熱膨張率値、および層降伏強度値を有する、中間層であって、前記中間層は、前記三次元多層光起電力セルアセンブリと、前記本体部アセンブリとの間に少なくとも部分的に配置され、前記層弾性率は、前記本体部弾性率または前記セル弾性率よりも、少なくとも5%小さい、中間層と、
を含んでなる、光起電力装置であって、
前記三次元多層光起電力セルアセンブリは、
少なくとも、バリア線熱膨張率を有するバリア層と、バリア層周辺端部の内側に配置された光起電力セル層とから構成され、前記バリア層は、バリア下面部と、バリア上面部と、前記上下面部間に延在して前記上下面部間のバリア外形を有するバリア側面部とを含み、そしてバリア層周辺端部を形成するバリア層の周囲に及ぶバリア周辺部を含んでおり、
前記本体部は、
本体線熱膨張率を有する本体材料で構成され、前記本体部は、本体下面部と、本体上面部と、前記上下面部間に延在して本体周辺端部を形成する本体側面部とを備え、前記本体部の少なくとも一部分は界面領域において前記バリア層周辺端部の区域に隣接するものである、
光起電力装置。
前記層材料は、ブチルゴム、イオノマー、シリコーンゴム、ポリウレタンエラストマー、およびポリオレフィンエラストマー、またはそれらの複合材から成る群より選択される、請求項1に記載の光起電力装置。
前記三次元多層光起電力セルアセンブリは、筺体を有する少なくとも1つの電気コネクタアセンブリを含み、前記筺体は外面を有し、前記電気コネクタアセンブリは、コネクタ弾性率値、コネクタ極限伸び値、コネクタ熱膨張率値、およびコネクタ降伏強度値を有し、前記中間層は、前記コネクタ筺体の前記外面と前記本体部アセンブリとの間に少なくとも部分的に配置され、さらに、前記層弾性率は、前記本体部弾性率、前記コネクタ弾性率、または両方より、少なくとも5パーセント小さい、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光起電力装置。
前記中間層は、前記三次元多層光起電力セルアセンブリと一体化されており、封止材層とつながっていて、前記封止材層に用いられているものと同じ材料で形成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光起電力装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、
図1に図示する通りの改良された光起電力装置10(以後、「PV装置」)に関し、太陽放射(例えば、日光)にさらされるときに、電気エネルギーを提供するように機能する、多くの構成要素および構成要素アセンブリとして概して記載することができる。特に興味深く、本開示の主な焦点でもあるのが、本体部200に接合する、少なくとも1つの多層光起電力セルアセンブリ100(以後、「MPCA」)を含む、改良されたPV装置10である。好ましい実施形態では、PV装置は、MPCA(ならびに潜在的に、コネクタ構成要素等の他の構成要素およびアセンブリ)を取り、MPCAの少なくとも複数部分の周辺部に、本体部を形成する(例えば、射出成形によって)ことによって形成される。構成要素と構成要素アセンブリとの間の関係(例えば、少なくとも幾何学的特性および材料特性)が、上記の背景技術セクションで議論した問題のうちの1つ以上を解決する上で、非常に重要であると考えられる。本発明において特に興味深いのは、PV装置10が、建物一体型太陽光発電(Building−Integrated Photovoltaics)またはBIPVとしてよく知られるものに対して利用されることである。構成要素および構成要素アセンブリの各々、ならびにそれらの関係は、以下の段落でより詳細にかつ特異的に開示する。
【0014】
多層光起電力セルアセンブリ(MPCA)100
MPCA100は、例えば、参照することにより明細書に組み込まれる、現在係属中の国際特許出願第PCT/US09/042496号に記載する通り、数々の層および構成要素/アセンブリの寄せ集めであってもよいと考えられる。MPCAは、少なくともバリア層122および光起電力セル層110(バリア層122の周辺端部の内側に概して設置される)を含有する。MPCA100はまた、封止材層および他の保護層等、他の層を含有してもよいと考えられる。図示的例が図面に示され、下で議論される。例示的MPCA100の分解図を、
図2Aおよび2Bに示す。全体のMPCA100の厚さM
Tは、約1mmから12mm、好ましくは、約2mmから9mm、および最も好ましくは、約9.0mmより小さくてもよいと考えられる。
【0015】
機能的には、これらの封止材層および他の保護層は、各々、MCPA100を保護する、および/または共にMCPA100を接続する働きをする、多くの個別の層を含んでいてもよい。各好ましい層については、下にさらに詳細に記載し、「上」(例えば、要素に最も曝露する層)から、「底」(例えば、建物または構造に最も密接に接続する層)へ移動する。概して、各好ましい層またはシートは、単一の層であってもよいか、またはそれ自体で副層を含んでいてもよい。
【0016】
バリア層122
バリア層122は、概して、MPCA100用の環境シールドとして、より具体的には、光起電力セル層110の少なくとも一部分のための環境シールドとして機能してもよい。バリア層122は、好ましくは、光エネルギーが、光起電力セル層110の光活性部分へと通過することを可能にする、透明または半透明材料から構築される。この材料は可撓性(例えば、ポリマー薄膜、多層膜、ガラス、またはガラス複合材)か、または剛性(例えば、厚いガラスまたはポリカーボネート等のプレキシグラス)があってもよい。材料はまた、水分/粒子透過または集結への耐性によって特徴付けられてもよい。バリア層122はまた、好ましくない波長が、光起電力セルに到達できないように、一定の光の波長をフィルターするように機能してもよい。好ましい実施形態では、バリア層122の材料はまた、厚さが、約0.05mmから10.0mm、より好ましくは、約0.1mmから4.0mm、および最も好ましくは、2.5mmから3.5mmに渡るであろう。他の物理的特徴は、少なくとも膜の場合、20MPaより大きい引張強度(JIS K7127によって測定)、1%以上の引張伸び(JIS K7127によって測定)、および/もしくは0.05%以下の吸水(23℃、24時間)(ASTM D570ごとに測定)、ならびに/または約5×10−6mm/mm℃から100×10−6mm/mm℃、より好ましくは、約10×10−6mm/mm℃から80×10−6mm/mm℃、および最も好ましくは、約20×10−6mm/mm℃から50×10−6mm/mm℃の線膨張率(「CLTE」)を有してもよい。他の物理的特徴は、少なくとも厚いガラスの場合、約5×10−6mm/mm℃から約140×10−6mm/mm℃、好ましくは、約7×10−6mm/mm℃から約50×10−6mm/mm℃、より好ましくは、約8×10−6mm/mm℃から約30×10−6mm/mm℃、最も好ましくは、約9×10−6mm/mm℃から約15×10−6mm/mm℃の線膨張率(「CLTE」)を有してもよい。他の物理的特徴は、少なくとも厚いガラスの場合、約2.42g/cm
3から約2.52g/cm
3の密度、約75から200N/sq.mmの間の引張強度、500から1200N/sq.mmの間の圧縮強度、60〜80GPaの間の弾性率、約9×10−6mm/mm℃のCLTE、および少なくとも約85%、好ましくは、少なくとも約87%、より好ましくは、少なくとも約90%の可視光線透過率を有してもよい。
【0017】
第1の封止材層124
封止材層の一例では、第1の封止材層124は、バリア層122の下方、および概して光起電力セル層110の上方に配置されてもよい。第1の封止材層124は、結合機構として働き、隣接する層を共に担持するのを助けてもよいと考えられる。また、それによって、所望の量およびタイプの光エネルギーの透過が、光起電力セル110に到達することを可能にするはずである。第1の封止材層124はまた、隣接する層の形状における凹凸を補正するか、またはそれらの層を通して変換される(例えば、厚さの変更)ように機能してもよい。また、温度変化ならびに物理的移動および曲がりによって、層の間の屈曲および移送が可能となる働きをしてもよい。好ましい実施形態では、第1の封止材層124は、接着膜またはメッシュ、好ましくは、EVA(エチレン酢酸ビニル)、熱可塑性ポリオレフィン、ポリウレタン、イオノマー、ケイ素系ポリマー、または類似の材料から基本的に成ってもよい。この層の好ましい厚さは、約0.1mmから1.0mm、より好ましくは、約0.2mmから0.8mm、および最も好ましくは、約0.25mmから0.5mmに渡る。
【0018】
光起電力セル層110
本発明で熟慮する光起電力セル層110は、いかなる数の既知の市販されている光起電力セルから構築されてもよいか、または幾つかの将来開発される光起電力セルより選択されてもよい。これらのセルは、光エネルギーを電気に変換するように機能する。光起電力セルの光活性部分は、光エネルギーを電気エネルギーに転換するする材料である。結晶シリコン、非晶質シリコン、CdTe、GaAs、色素増感太陽電池(いわゆる、グレッツェルセル)、有機/ポリマー太陽電池、または光電効果により日光を電気に転換する、任意の他の材料を含む、その機能を提供することで知られるいかなる材料が使用されてもよい。しかしながら、光活性層は、好ましくは、IB−IIIA−セレニド、IB−IIIA−スルフィド、またはIB−IIIA−セレニドスルフィド等、IB‐IIIA‐カルコゲニドの層である。より具体的な例には、銅インジウムセレニド、銅インジウムガリウムセレニド、銅ガリウムセレニド、銅インジウムスルフィド、銅インジウムガリウムスルフィド、銅ガリウムセレニド、銅インジウムスルフィドセレニド、銅ガリウムスルフィドセレニド、および銅インジウムガリウムスルフィドセレニド(これら全てを本明細書ではCIGSSと呼ぶ)を含む。これらはまた、式CuIn(1−x)GaxSe(2−y)Syで表すことができ、式中、xは0から1であり、yは0から2である。銅インジウムセレニドおよび銅インジウムガリウムセレニドが好ましい。CIGSS系セルにおいて有用であることが当該分野で公知である、1つ以上のエミッタ(バッファ)層、導電層(例えば透明導電層)等の、追加の電気活性層もまた、本明細書で熟慮される。これらのセルは可撓性または剛性があり、種々の形およびサイズとされてもよいが、概して脆く、環境劣化にさらされる。好ましい実施形態では、光起電力セルアセンブリ110は、実質的に亀裂を生じさせることなしに、および/または機能性の顕著な損失なしに曲げることができるセルである。例示的光起電力セルは、米国特許第3767471号、米国特許第4465575号、米国特許第20050011550 A1号、欧州特許第841706 A2号、米国特許第20070256734 a1号、欧州特許第1032051A2号、日本国特許第2216874号、日本国特許第2143468号、および日本国特許第10189924a号を含む、多くの米国特許および公開公報に教示および記載されており、全ての目的で参照することにより本出願に組み込まれる。
【0019】
光起電力セル層110はまた、例えば、
図2Bに図示する通り、セル、コネクタアセンブリ構成要素300に電気的に連通し、概して、PV装置10の左右に走る、バスバー(buss bar)111等の電気回路を含んでもよい。このエリアは、バスバー領域311として知られる場合がある。
【0020】
第2の封止材層126
封止材層の別の例では、第2の封止材層126は、幾つかの例では、上層122および/または第1の封止材層124に直接接触してもよいが、概して、光起電力セル層110の下方に接続して設置される。第2の封止材層126は、電磁放射線または光エネルギーを伝達する必要が必ずしもないが、第1の封止材層と類似の機能の働きをしてもよいと考えられる。
【0021】
バックシート128
保護層の例では、第2の封止材層126の下方に接続して設置される、バックシート128があってもよい。バックシート128は、環境保護層(例えば、上の層から水分および/またはある特定の物質を入らせない)として働いてもよい。好ましくは、可堯性のある材料(例えば、ポリマー薄膜、金属箔、多層膜、またはゴムシート)から構築される。好ましい実施形態では、バックシート128の材料は、不透水性であり、また厚さが、約0.05mmから10.0mm、より好ましくは、約0.1mmから4.0mm、および最も好ましくは、約0.2mmから0.8mmに渡ってもよい。他の物理的特徴は、約20%以上の破断点伸び(ASTM D882によって測定)、約25MPa以上の引張強度(ASTM D882によって測定)、および約70kN/m以上の引裂強度(Graves法で測定)を有してもよい。好ましい材料の例には、ガラス板、アルミ箔、ポリフッ化ビニル(例えば、Tedlar(登録商標)(DuPontの登録商標)として市販)、ポリテレフタル酸エチレン、テトラフルオロエチレンおよびヘキサフルオロエチレンの共重合体(「FEP」としても知られる)、ポリエチレンテトラフルオロエチレン、ポリエチレンナフタレート、ポリメタクリル酸メチル、およびポリカーボネート、またはそれらの組み合わせを含む。
【0022】
補足的バリアシート130
保護層の別の例では、バックシート128の下方に接続して設置される、補足的バリアシート130があってもよい。補足的バリアシート130は障壁として作用し、環境条件から、およびPV装置10がさらされる構造の任意の機構(例えば、ルールデッキの凹凸、突起物等)によって引き起こされる場合がある物理的損傷から、上の層を保護してもよい。これは任意選択の層であり、必要とされない場合があると考えられる。また、この層は、本体部200と同じ機能の働きをしてもよいと考えられる。好ましい実施形態では、補足的バリアシート130の材料は、少なくとも部分的に不透水性で、また厚さが約0.25mmから10.0mm、より好ましくは、約0.5mmから2.0mm、および最も好ましくは、0.8mmから1.2mmに渡ってもよい。この層が、約20%以上の破断点伸び(ASTM D882によって測定)、約10MPa以上の引張強度(ASTM D882によって測定)、および約35kN/m以上の引裂強度(Graves法で測定)を呈することが好ましい。好ましい材料の例には、熱可塑性ポリオレフィン(「TPO」)、熱可塑性エラストマー、オレフィンブロックコポリマー(「OBC」)、天然ゴム、合成ゴム、ポリ塩化ビニル、ならびに他のエラストマーおよびプラストマー材料を含む。代替として、保護層は、構造的および環境的(例えば、風)な負荷の下で追加の屋根機能を提供するために、より剛性のある材料から成り得る。PV装置10の熱膨張率を改善し、温度変動中に所望の寸法を維持するために、さらに剛性があることが望ましい場合もある。構造特性のための保護層材料の例には、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエステルアミド、ポリスルホン、アセタール、アクリル、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリカーボネート、フェノール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレンテレフタレート、ガラスおよび鉱物質充填複合材を含むエポキシ、またはそれらの任意の組み合わせを含む。
【0023】
上記の層は、多くの組み合わせで構成または積層されてもよいが、バリア層122が最上層であることが好ましい。加えて、これらの層は、接着接合、加熱または振動溶接、オーバーモールド、または機械的締結具を含むが、これらに限定されない、いかなる数の方法で一体的に共に接合されてもよいと考えられる。
【0024】
下記で議論する実施形態のうちの幾つかを考慮して明確にするために、MCPA100はさらに、別の様式では、2つの一部から成るアセンブリとして記載することができる。第1の一部、MPCAサブアセンブリ101は、MPCA100(バリア層122を除く)の全ての層を含んでなり、第2の一部はバリア層122である。バリア層122はまた、例えば、
図2Aに表示される通り、長さ「L
BL」および幅「W
BL」を有するとして記載される場合がある。好ましくは、L
BLは、下記で議論するL
BLの約0.75から約1.25倍に渡り、より好ましくは、長さは、互いの約5〜10%以内である。また、MPCAサブアセンブリ101は、約30×10−6mm/mm℃から150×10−6mm/mm℃、より好ましくは、約50×10−6mm/mm℃から100×10−6mm/mm℃に渡る、全体のCLTE(「サブアセンブリCLTE」)を有してもよいと考えられる。
【0025】
本体部200
本体部200は、構成要素/アセンブリの寄せ集めであってもよいが、好ましくは、例えば、現在係属中の国際特許出願第PCT/US09/042496号に記載する通り、概して、ポリマー(またはポリマーブレンド)を型に注入する(MPCA100または他の構成要素(例えば、コネクタ構成要素)等の挿入有りまたは無しで。これについては本出願において後に議論する)ことによって、形成されるポリマー物品であると考えられ、当該特許は、参照することによって本明細書に組み込まれる。本体部200は、PV装置10に対する主要な構造担体として機能し、これと一致するように構築されるべきである。例えば、基本的に、プラスチック骨組み材料として機能することができる。本体部200は、熱膨張のため、応力に劣らない接着強度で、MPCA100に接着すべきであると考えられる。
【0026】
本体部200を構成する組成物はまた、約0.5×10−6mm/mm℃から約140×10−6mm/mm℃、好ましくは、約3×10−6mm/mm℃から約50×10−6mm/mm℃、より好ましくは、約5×10−6mm/mm℃から約30×10−6mm/mm℃、および最も好ましくは、約7×10−6mm/mm℃から約15×10−6mm/mm℃の線熱膨張率(「CLTE」)を呈すると考えられる。最も望ましくは、本体部200を構成する組成物のCLTEが、バリア層122のCLTEに厳密に合致するべきである。また、好ましくは、本明細書に開示する本体部200を構成する組成物のCLTEは、バリア層122のCLTEの係数20以内、より好ましくは、係数15以内、なおもより好ましくは、係数10以内、さらにより好ましくは、係数5以内、および最も好ましくは、係数2以内の線熱膨張率(CLTE)によっても特徴付けられる。例えば、バリア層122が、9×10−6mm/mm℃のCLTEを有する場合、成形組成物のCLTEは、好ましくは、180×10−6mm/mm℃から0.45×10−6mm/mm℃の間(係数20)、より好ましくは、135×10−6mm/mm℃から0.6×10−6mm/mm℃の間(係数15)、なおもより好ましくは、90×10−6mm/mm℃から0.9×10−6mm/mm℃の間(係数10)、さらにより好ましくは、45×10−6mm/mm℃から1.8×10−6mm/mm℃の間(係数5)、および最も好ましくは、18×10−6mm/mm℃から4.5×10−6mm/mm℃の間(係数2)である。本体部200含んでなる組成物とバリア層122との間のCLTEを合致させることは、温度変化の間、PVセルに亀裂を生じ破壊する結果をもたらし得る可能性がある、BIPV装置への熱誘起応力を最小化するために重要である。
【0027】
本明細書に開示する光起電物品の幾つかの実施形態に対して、バリア層122はガラスバリア層を含む。バリア層122がガラス層を含む場合、成形組成物のCLTEは、好ましくは、80×10−6mm/mm℃より小さく、より好ましくは、70×10−6mm/mm℃より小さく、なおもより好ましくは、50×10−6mm/mm℃より小さく、および最も好ましくは、30×10−6mm/mm℃より小さい。好ましくは、新規組成物のCLTEは、5×10−6mm/mm℃より大きい。
【0028】
ガラスが(バリア層122として)使用されるとき、本体材料の組成物は、好ましくは、少なくとも3%だが、通常200%より大きくはない破断点伸びを有する。また、ガラスが使用されないとき、本体材料は、好ましくは、少なくとも100%、より好ましくは、少なくとも200%、なおもより好ましくは、少なくとも300%、および好ましくは、500%以下の破断点伸びを有すると考えられる。組成物の引張破断点伸びは、50mm/minの試験速度を使用する、23℃での試験方法ASTM D638‐08(2008)によって判定された。
【0029】
好ましい実施形態では、本体支持部分200は、本体材料を含んでいてもよい(実質的には本体材料から構築されてもよい)。この本体材料は、充填または無充填の成形可能なプラスチック(例えば、ポリオレフィン、アクリロニトリルブタジエンスチレン(SAN)、水素化スチレンブタジエンゴム、ポリエステル、ポリアミド、ポリエステルアミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリスルホン、アセタール、アクリル、ポリ塩化ビニル、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、熱可塑性および熱硬化性ポリウレタン、合成および天然ゴム、エポキシ、SAN、アクリル、ポリスチレン、またはそれらの任意の組合せ)であってもよい。充填剤(好ましくは、重さで最大約50%)は、以下のうちの1つ以上を含んでもよい:着色剤、難燃(FR)または耐火(IR)材料、ガラスまたはミネラル繊維等の補強材料、表面改質剤。また、プラスチックは、酸化防止剤、離型剤、発泡剤、および他の一般的なプラスチック添加剤を含んでもよい。好ましい実施形態では、ガラス繊維充填剤が使用される。ガラス繊維は、好ましくは、約0.7mmから1.2mmに渡る平均的なガラスの長さで、約0.1mmから約2.5mmに渡る繊維の長さ(成形後)を有する。
【0030】
好ましい実施形態では、本体材料(組成物)は、少なくとも5g/10分、より好ましくは、少なくとも10g/10分のメルトフローレートを有する。メルトフローレートは、好ましくは、100g/10分より小さく、より好ましくは、50g/10分より小さく、および最も好ましくは、30g/10分より小さい。組成物のメルトフローレートは、試験方法ASTM D1238‐04「REV C Standard Method for Melt Flow Rates of Thermoplastics by Extrusion Plastometer」、2004 Condition L(230℃/2.16Kg)によって判定された。本出願に使用するポリプロピレン樹脂はまた、この同じ試験および方法を使用する。本発明におけるポリエチレンおよびエチレン‐α‐オレフィン共重合体のメルトフローレートは、一般的にメルトインデックスと呼ばれるCondition E(190℃/2.16Kg)を使用して測定される。
【0031】
全ての実施形態では、組成物は、少なくとも200MPa、より好ましくは、少なくとも400MPa、および最も好ましくは、少なくとも700MPaの曲げ弾性率を有する。MPCA100がガラス層を含む好ましい実施形態に従い、曲げ弾性率は、好ましくは、少なくとも1000MPa、および7000MPa未満である。第2の実施形態に従い、曲げ弾性率は、1500MPa未満、より好ましくは、1200MPa未満、最も好ましくは、1000MPa未満である。組成物の曲げ弾性率は、2mm/minの試験速度を使用して、試験方法ASTM D790‐07(2007)によって判定された。本体部200を構成する組成物はまた、約25×10−6mm/mm℃から70×10−6mm/mm℃、より好ましくは、約27×10−6mm/mm℃から60×10−6mm/mm℃、および最も好ましくは、約30×10−6mm/mm℃から40×10−6mm/mm℃の線熱膨張率(「本体CLTE」)を呈すると考えられる。
【0032】
好ましくは、新規組成物は、RTI電気およびRTI機械的強度を有するとして特徴付けられ、RTI電気およびRTI機械的強度の各々は、少なくとも85℃、好ましくは、少なくとも90℃、より好ましくは、少なくとも95℃、なおもより好ましくは、少なくとも100℃、および最も好ましくは、少なくとも105℃である。
【0033】
RTI(Relative Thermal Index:相対温度指数)は、UL 746B(2000年11月29日)に詳述される試験手順によって判定される。基本的に、プラスチックの主な特徴は、試験の最初に測定され(例えば、引張強度)、その後、試料を少なくとも4つの昇温(例えば、130度、140度、150度、160度)の中に置き、数か月を通して周期的に試験する。次いで、主な特性の減少が試験され、現場使用で証明された既知の材料の比較結果から、実用基準が確立される。その後、知られていない試料の効果的な耐用年限が、既知の材料と比較して判定される。RTIは、度(℃)で表示される。試験は、完了するまでに最低5000時間かかり、時間も費用も両方かかり得る。
【0034】
RTIが、高価で時間のかかる試験であるため、有用な組成物を選択する際に当業者を先導する有用な代用物は、示差走査熱量測定(DSC)によって特定される融点である。本明細書に有用として記載する組成物に対して、組成物の顕著な部分に対する示差走査熱量測定において、160℃未満の温度で融点は見られず、好ましくは、全体の組成物に対して160℃未満で融点が見られないのが好ましい。示差走査熱量測定統計データは、10℃/minの加熱速度で、試験方法ASTM D7426‐08(2008)によって判定された。射出成形組成物のかなりの割合が、160℃より下の温度で融解する場合、組成物は、PV装置10の中で使用するとき(特に、BIPVとして使用するとき)に、十分適切に機能するほど高い定格では、電気、機械的強度、可燃性、および機械的衝撃のUL RTI試験746Bに合格しそうもない。
【0035】
本体部200は、いかなる数の形およびサイズであってもよいと考えられる。例えば、正方形、長方形、三角形、楕円形、円形、またはそれらの任意の組み合わせであってもよい。本体部200はまた、
図2Aに表示される通り、長さ「L
BP」および幅「W
BP」を有するとして記載されてもよく、それぞれ最低10cm、および最高500cm以上である場合がある。最低約1mmから最高20mm以上に及んでもよい、厚さ(t)を有する場合があり、本体部200の異なるエリアで違っていてもよい。好ましくは、本体部200は、本体下面部202、本体上面部204、および上下面部の間に及び、本体周辺端部208を形成する、本体側面部206を有すると記載することができる。
【0036】
コネクタアセンブリ
コネクタアセンブリは、PV装置10からおよび/またはPV装置10へ電気的に連通することを可能にするように機能する。この連通は、光起電力セル層110に接続する回路と連動してもよいか、または他の回路を介してPV装置10を通り、かつPV装置10に渡る連通を促進するのみであってもよい。コネクタアセンブリは、種々の構成要素およびアセンブリから構築されてもよく、本発明の主な焦点は、PV装置と一体化された(PV装置内に埋め込まれた)、コネクタアセンブリ構成要素300に関係する。概して、
図3に示す通り、この構成要素300は、他の構成も熟慮されるが、ポリマー筺体310およびPV装置10の中へ突出する導線320を含んでなる。筺体310を構成する好ましい材料の例には、PBT(ポリブチレンテレフタレート)、PPO(ポリプロピレンオキシド)、PPE(ポリフェニレンエーテル)、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PA(ポリアミド)、およびPEI(ポリエーテルイミド)のポリマー化合物またはブレンドを含み、これらは、重さで最大65%の充填剤有しまたは無しであり得る。筺体310を構成する組成物もまた、約12×10−6mm/mm℃から100×10−6mm/mm℃、より好ましくは、約15×10−6mm/mm℃から80×10−6mm/mm℃、および最も好ましくは、約20×10−6mm/mm℃から60×10−6mm/mm℃の流れの方向における線熱膨張率(「CLTE」)を呈すると考えられる。
【0037】
筺体310は、いかなる数の材料(上記に示す通り)から構築されてもよいが、好ましくは、少なくとも約0.1GPa、より好ましくは、約1GPa、および最も好ましくは、約10GPa以上である引張率、約1パーセント、より好ましくは、約1.5パーセント、および最も好ましくは、約2.5パーセント以上の極限伸び値、約50×10−6mm/mm℃、より好ましくは、約30×10−6mm/mm℃、および最も好ましくは、約20×10−6mm/mm℃の熱膨張率値等の材料の特徴を有すると考えられる。
【0038】
この図示的コネクタ筺体310において、筺体はさらに、コネクタアセンブリ下面部312、コネクタアセンブリ上面部314、および上下面部の間に渡るコネクタアセンブリ側面部316を有するとして、定義されてもよい。側面部316は、コネクタアセンブリ周辺端部316´を形成する。また、側面部316上に設置されるのは、フランジまたは突起部318であってもよい。
【0039】
一実施形態では、据え付けられるとき、雌雄コネクタ部分を確実に係止するように機能する場合がある、係止機構(図示せず)を含んでもよいと考えられる。これは、中間層500、相互接続構造部材1500、緩和機構2500、またはそれらの任意の組み合わせが、コネクタ筺体310の周辺部に配置される場合に、好ましい構成である場合がある。
【0040】
また、上記の「コネクタアセンブリ」または「コネクタ筺体310」は、PV装置10の中の同じ場所に設置される、ある他の構成要素または物体であり得るとも考えられる。次のセクションで議論する関係もまた、この他の構成要素または物体に当てはまる。
【0041】
中間層500
1つまたは複数の中間層が、装置10の中に提供されてもよい。中間層は、MPCA100、本体部、および/またはコネクタ筺体310の間のCLTE不一致による、応力/歪みを制御するのに役立つように機能してもよい。中間層はまた、所望の温度範囲(例えば、約−40℃から90℃)に渡って、コネクタ筺体310の移動に特に関係して、装置の全体的な寸法の安定性に役立つ追加的利点を有してもよい。加えて、好ましくは、38℃で1日50g/m
2未満の水蒸気透過速度等の、水分遮断性を呈してもよい。装置10が、比較的隆起のある多角形バリア層122および少なくとも1つの筺体310を含む場合に、中間層は、2つの構成要素間の橋として機能してもよい。
【0042】
中間層500は、中間層材料を含んで(実質的には中間層材料から構築されて)いてもよいと考えられる。この中間層材料は、好ましくは、ブチルゴム、イオノマー、シリコーンゴム、ポリウレタンエラストマー、この目的に役立つことができるポリオレフィンエラストマー、またはそれらの複合材等の材料から成る群より選択されてもよい。1つの好ましい実施形態では、層材料は、上記のような封止材層から形成される。
【0043】
層500が、実質的に応力を吸収するように設計される一実施形態では、中間層500は、いかなる数の材料(上記に示した通り)から構築されてもよいが、好ましくは、約300MPaより小さく、より好ましくは、約50MPaより小さく、および最も好ましくは、約1MPa以下である引張率、約200パーセント、より好ましくは、約500パーセント、および最も好ましくは、約1200パーセント以上の極限伸び値等の材料の特徴を有すると考えられる。
【0044】
層500が、応力の吸収および伝達の両方をする場合がある、別の実施形態では、中間層500は、本体部200、MPCA100、およびコネクタ筺体310のうちのいずれか(または全て)の弾性(引張またはヤング)率が少なくとも(プラスまたはマイナス)約15パーセント以内、より好ましくは、約10パーセント以内、および最も好ましくは、約5パーセント以内である、弾性(引張またはヤング)率を有する材料であってもよいと考えられる。好ましい実施形態では、層弾性(引張またはヤング)率は、本体部弾性(引張またはヤング)率またはセル弾性(引張またはヤング)率より、少なくとも5パーセント小さい。また、好ましい実施形態では、層材料は、本体部極限伸び値、セル極限伸び値、または両方より、少なくとも100パーセント大きい層極限伸び値を有すると考えられる。また、好ましい実施形態では、層材料は、本体降伏強度値およびセル降伏強度値より、少なくとも5パーセント低い層降伏強度値を有すると考えられる。層500を定義する代替の手段では、好ましくは、約50から5000MPa、より好ましくは、約100から700MPa、および最も好ましくは、約150から400MPaに渡る、ヤング率値を有するとして特徴付けられてもよい。
【0045】
中間層500は、MPCA100と少なくとも1つのコネクタ300との間に配置される、別個の構成要素であってもよいか、またはコネクタ300および/または上層122の部分を囲んでもよいと考えられる。層500はまた、MPCA100と一体化された場合がある。図示的例を以下に提供する。
【0046】
相互接続構造部材1500
1つまたは複数の相互接続構造部材が、装置10の中に提供されてもよい。相互接続構造部材1500は、MPCA100、本体部、および/またはコネクタ筺体310の間のCLTE不一致による、応力/歪みを制御するのに役立つように機能してもよい。相互接続構造部材1500はまた、所望の温度範囲(例えば、約−40℃から90℃)に渡って、コネクタ筺体310の移動に特に関係して、装置の全体的な寸法の安定性に役立つ追加的利点を有してもよい。装置10が、比較的隆起のあるバリア層122および少なくとも1つの筺体310を含む場合に、相互接続構造部材1500はまた、2つの構成要素間の橋として機能してもよい。
【0047】
構造部材1500は、いかなる数の材料から構築されてもよいが、好ましくは、本体部の引張率の少なくとも約1.25X、より好ましくは、約1.5X、および最も好ましくは、約2X以上である、引張率を有する材料から構築されてもよいと考えられる。例えば、無機材料(約206GPaの率を有してもよいスチール補強部材等)を使用すると、この範囲は最大200Xとなり得る。また、相互接続構造部材は、上層の引張率に事実上等しいか、またはその約4Xと同じくらいである、引張率を有する材料であってもよいと考えられる。1つの好ましい実施形態では、構造部材1500の引張率は、上層122の引張率の少なくとも約5から30パーセント以内、より好ましくは、約7から20パーセント、および最も好ましくは、約10から15パーセントである。好ましい実施形態では、相互接続構造部材1500は、相互接続構造部材材料を含んでいてもよい(実質的には相互接続構造部材材料から構築されてもよい)。相互接続構造部材材料は、好ましくは、ガラス、金属、セラミック、アルミニウム、スチール、炭素繊維、充填または無充填ポリマー、またはそれらの複合材から成る群より選択されてもよい。
【0048】
構造部材1500は、本体の中に統合されていてもよく、またはMPCA100と少なくとも1つのコネクタ300とも間に配置される、別個の構成要素であってもよいか、もしくはコネクタ300と一体化された場合があると考えられる。構造部材1500は、局部的な歪みが、歪みを最小化するように存在する場所にならどこでも(例えば、MPCA100とコネクタとの間だけではなく)使用されてもよい。また、構造部材1500は、それ自体、または装置10の追加の構成要素の位置調整に役立つ場合がある、位置決め機構を含んでもよいと考えられる。
【0049】
幾何学的特性および材料特性の関係
PV装置10およびそれを構成する構成要素の構築に使用される材料の選択、ならびに幾何学的特性および材料特性両方の関係は、システムの全体的な性能に影響する(例えば、複数のPV装置を合わせたアセンブリの耐久性および緩和)と考えられる。製造、費用、および/または製品性能要件緩和の必要性の平衡を保つことで、特有の材料選択および構成要素設計を促進する場合がある(例えば、以下に記載する少なくとも1つの相互接続部材の使用、以下に記載する少なくとも1つの相互接続構造部材の使用、および/またはその中にある緩和機構2500)。本発明では、これらの要素を熟慮し、望ましい結果を達成するように、特有の解決法を提供する。
【0050】
完全なシステムが、協調性を持って動くことができるように、実現可能であるだけ種々の構成要素の物理的特性に合致することが所望される場合があると考えられる(例えば、全てまたは大部分の構成要素が、類似の材料または材料の仲間から構築される)。これが完全に達成できない場合、特有の幾何学的設計の特徴/構成要素(例えば、相互接続部材、相互接続構造部材、緩和機構、および/または個々の構成要素の幾何学的設計)が必要な場合があると考えられる。特に興味深いのは、本体部200、全体としてのMPCA100(および幾つかの場合には、特にバリア層122)、およびコネクタ300の材料特性選択の関係、ならびに互いに対する幾何学的関係である。
【0051】
MPCA、本体、および/またはコネクタ関係
本セクションは、MPCA100、本体部200、および/またはコネクタ筺体310と、その中の相互接続中間層500との間の関係の一定の側面に注意を向ける。中間層は、温度範囲に渡って、光起電力装置10の制御された弾性変形を可能にするように適合した、パネルまたは本体部の中に配置されてもよい(通常、本体部200の外面の近くまたは真下)。通常、温度範囲は、約−40℃から90℃までである。この変形は、主に、本体部200(および存在する場合には、コネクタ)と、MPCA100との間のCLTE差によると考えられる。言い換えると、中間層は、CLTE差によって引き起こされる応力を、消散するおよび/または方向付けるためのメカニズムを提供する。また、それぞれの構成要素間のCLTE差が小さければ小さいほど、中間層500を必要とする場合があるエリアが、より小さく(例えば、寸法的に)またはより少なくなると考えられる。例えば、それぞれの構成要素間のCLTE差が、5パーセントより大きいとき、少なくとも1つの中間層形成エリアが必要とされると考えられる。
【0052】
本セクションはまた、MPCA100、本体部200、および/またはコネクタ筺体310と、その中にある相互接続構造部材1500との間の関係の一定の側面に注意を向ける。相互接続構造部材は、温度範囲に渡って、光起電力装置10の制御された弾性変形を可能にするように適合した、パネルまたは本体部に配置される(通常、本体部200の外面の近くまたは真下)。通常、温度範囲は、約−40℃から90℃までである。この変形は、主に、本体部200(および存在する場合には、コネクタ)と、MPCA100との間のCLTE差によると考えられる。言い換えると、相互接続構造部材は、CLTE差によって引き起こされる応力を、消散するおよび/または方向付けるためのメカニズムを提供する。
【0053】
本セクションは、MPCA100と、MPCAサブアセンブリ101と、本体部200との間の関係の一定の側面に注意を向ける。幾つかの図示的例および好ましい実施形態は、本明細書の中に詳述する。当業者は、これらの例が限定であるはずはなく、本発明が他の潜在的な構成を熟慮していることを理解するはずである。
【0054】
PV装置10の全体的な形を制御する、特に、その幅W
BPに沿って、本体部200の斜面(またはカッピング)を制御することが望ましい場合があると考えられる。カッピングまたは斜面は、1つのPV装置10が、
図21、24、および25に示す通り、表面(例えば、建物構造451)上で、別のPV装置10上に置かれる(またはその上方に据え付けられる)ときに、考慮すべき重要事項である場合がある。
【0055】
図25は、カップ状ではない、望ましくないであろうPV装置10の図示的例である。
図24は、望ましい様式にあるカップ状のPV装置10を示す。カッピング454の量(例えば、次の下部構造451または別のPV装置10の平面からの距離、すなわち、カッピング値)は、好ましくは、約3.0mmから約30mm、より好ましくは、約5.0mmから25.0mm、および最も好ましくは、約7.0mmから15mmに渡る。
【0056】
上記で議論した必要性の幾つかまたは全てに合致する、PV装置10の製造を有効化するためには、考慮すべき追加の設計が必要である場合があると考えられる。本発明では、前のセクションで議論した、材料および幾何学的関係を考えれば、曲げ領域210を含むことが有益である場合があると考える。顕著であるのは、サブアセンブリのCLTEのパーセント差異が、本体部材料のCLTEのパーセント差異に対して増加するにつれて、曲げ領域に対する必要性も増加することである。これらの比率および構成要素の応力への影響は、応力負荷の分離において顕著である。製造および据え付け負荷が、材料の熱負荷および関係するCLTEの負荷によって、応力と結び付かないように、これらの領域を設置することが有利である場合がある。また、これは、不利な厚さおよび長さへの一部に影響する、重大な電気構成要素(コネクタ、バスバー等)を含む、装置の重大な領域で発生する場合がある。曲げ領域210の場所および/または構成の例を以下に表す。そのように所望される場合には、各例からの側面のいずれかまたは全ての組み合わせが、成されてもよいと考えられる。
【0057】
この曲げ領域は、載置面(例えば、建物構造451)に留められる(例えば、釘452、ねじ等の機械式締結具で)ときに、最上下縁部が、載置面または他の装置と完全に接触するように、装置10の締結場所(または締結ゾーン450)の非常に近くに設置されることが好ましい。これは、屋根装置および光起電力装置の多くの側面にとって重要である場合があると考えられる。例には、止水性、風荷重に対する耐性、風および振動の中での安定性、ならびに環境およびサービス状況を通じて、載置面上に均一な位置を維持することを含む。それゆえ、縁部に、これらの必要性に合致するように、適切に事前に付加をかけるような、曲げ領域を有することが非常に望ましい。曲げ領域がない場合、装置を載置構造に留めるために、過剰な力が必要とされる場合がある。代替として、一部が、不十分な曲げ耐性または不適切な曲げ(または斜面)を有する場合には、十分な縁部の接触を維持することはできない。
【0058】
少なくとも1つのコネクタ300が、装置10の中に存在する場合、コネクタ筺体310とそれぞれの構成要素の残りとの間の材料特性の関係が熟慮される。1つの好ましい実施形態では、層弾性(引張またはヤング)率は、フレーム(本体部)弾性(引張またはヤング)率、コネクタ弾性(引張またはヤング)率、または両方に少なくともおおよそ等しく、より好ましくは、それより小さく、および最も好ましくは、それより約5パーセント小さくてもよい。また、別の好ましい実施形態では、層弾性(引張またはヤング)率値は、フレーム(本体部)弾性(引張またはヤング)率値と、セル弾性(引張またはヤング)率値との間であり得ると考えられる。また別の好ましい実施形態では、層熱膨張率値は、フレーム(本体部)熱膨張率値およびコネクタ熱膨張率値に少なくとも等しく、より好ましくは、それらより高く、および最も好ましくは、それらより約10パーセント高い。また別の好ましい実施形態では、層極限伸び値は、本体部極限伸び値、コネクタ極限伸び値、または両方よりも少なくとも約50パーセント、より好ましくは、約80パーセント、および最も好ましくは、約100パーセント大きい。
【0059】
層材料は、三次元多層光起電力セルアセンブリ、本体部、またはコネクタ筺体に接着するように、少なくとも約0.5ジュール/m
2、より好ましくは、約1ジュール/m
2、および最も好ましくは、約2ジュール/m
2の好ましい最小接着値で接触するようになる、種々の構成要素に接着すると考えられる。また、層材料が、1つの構成要素に対する別の構成要素へのより大きい接着(例えば、5パーセント以上)を有することが望ましい場合があると考えられる。例えば、中間層の材料が、フレーム(本体部)アセンブリによりも多くコネクタ筺体に接着する、および/またはフレーム(本体部)アセンブリによりも多く光起電力セルアセンブリに接着することが好ましい場合がある。フレームアセンブリ(本体部)以外の構成要素への接着が、装置10の中の電気構成要素への水蒸気の浸透を、より低くする重要性のために好ましい場合があると考えられる。
【0060】
また、それぞれの構成要素間のCLTE差が小さければ小さいほど、必要とされる場合がある相互接続構造部材1500が、より小さく(例えば、寸法的に)またはその数がより少なくなると考えられる。例えば、それぞれの構成要素間のCLTE差が、5パーセントより大きいとき、少なくとも1つの相互接続構造部材および/または少なくとも1つの緩和機構が必要とされると考えられる。
【0061】
構造部材1500は、装置10の中へ直接機械的に連結してもよく(例えば、
図9Bに示す通り)、接着システムを介して連結してもよく、またはその組み合わせであってもよいと考えられる。接着システムの場合、選ばれる接着剤は、コネクタ300の引張降伏強度および本体200の引張降伏強度よりも大きい、引張降伏強度を有する等の特徴を有するべきである。他の所望の特徴は、接着剤が、熱膨張による応力に劣らない接着強度を有するように選ばれた、接着システムを含んでもよい。接着剤が配置される場合には、構成要素間の継ぎは、少なくとも一重または二重の重ね継ぎ、または界面応力を最小化するように設計されるような、いかなる継ぎでもあるべきと考えられる。
【0062】
幾つかの図示的例および好ましい実施形態については、本明細書の中で詳述する。当業者は、これらの例が限定であるはずはなく、本発明が他の潜在的な構成を熟慮していることを理解するはずである。
【0063】
中間層500の第1の例では、
図4A〜Bに示す通り、中間層500は、本体部200の外面204と、MPCA100との間に配置され、コネクタ300の周辺部およびバリア層122の縁部へ延在する。好ましくは、層500は、コネクタ300および層122それぞれの厚さ(C
t、B
t)の少なくとも約50パーセントである、コネクタ300および層122の少なくともすぐ近く(例えば、5.0mm以内)に、厚さl
tを有する。
【0064】
第2の例では、
図5A〜Bに示す通り、第1の中間層部分500は、本体部200の外面204と、層122の上部縁の近くにあるMPCA100との間に配置される。第2および第3の中間層部分500は、コネクタ300の周辺部に延在する。好ましくは、層500は、コネクタ300および層122それぞれの厚さ(C
t、B
t)の少なくとも約50パーセントである、コネクタ300および層122の少なくともすぐ近く(例えば、5.0mm以内)に、厚さl
tを有する。
【0065】
第3の例では、
図6A〜Cに示す通り、第1の中間層部分500は、本体部200と、層122の上部縁付近のMPCA100との間に配置され、本体上面部204と同一の外延を持つ。6Bでは、層部分500は、封止材層124から形成されるように示される。6Cでは、層500は、層124とは別個の構成要素および/または材料である。この例では、装置10はコネクタ300なしで示されており、所望の場合、コネクタ300が含まれてもよいと考えられる。
【0066】
第4の例では、
図7A〜Cに示す通り、第1の中間層部分500は、本体部200とMPCA100との間に配置され、本体下面部202と同一の外延を持つ2つの構成要素、および本体上面部204を完全に分離する。7Bでは、層部分500は、封止材層124および/または126から形成されるように示されている。7Cでは、層500は、層124および/または126とは別個の構成要素および/または材料である。この例では、装置10はコネクタ300なしで示されており、所望の場合、コネクタ300が含まれてもよいと考えられる。
【0067】
図8に示す、相互接続構造部材1500の第1の図示的例では、本体部200およびバリア層122の一部分は、バリア層周辺端部222に沿って接合される(例えば、接触する)。この例では、バリア層は、本明細書の前のセクションに開示する通り、ガラスに対する物理的特性を有するガラスから成る。この例では、バリア層の周辺端部222は、丸いバリア周辺部コーナー部420を有する。1セットの正対するコネクタ筺体310は、本体部200の外縁部に沿って配置される。また、本体部200の中に配置される1つだけの相互接続構造部材1500も含まれる。
【0068】
第1の好ましい実施形態では、この相互接続構造部材1500は、コーナー部420間の周辺端部222の少なくとも約50パーセント(好ましくは、少なくとも約70から90パーセント)に沿って、三次元多層光起電力セルアセンブリのバリア層の少なくとも距離D
R以内に設置される。好ましくは、距離D
Rは、約0から12.0mm、より好ましくは、約0.5mmから7.0mm、および最も好ましくは、約1.0から5.0mmである。この図示的例では、相互接続構造部材1500はまた、コネクタ筺体310の少なくとも1つ以上の側面に沿って配置される。好ましくは、コネクタ筺体の周辺端部の約0.5から5.0mm以内に配置されるものの、筺体310(または周辺端部222)に直接隣接してもよいと考えられる。
【0069】
本実施形態では、相互接続構造部材1500は、約1.0mmから6.0mmの一般的な厚さM
Tを有する構造のような板から成る。厚さが、筺体310および/または周辺端部222の近くでより大きくなる(例えば、筺体310および/もしくは周辺端部222それぞれと同じ、または少なくとも約75パーセントの厚さ)ことは、有利である場合があるが、厚さは、構造部材1500に渡って均一であってもよいと考えられる。
【0070】
図9A〜Bに示す、第2の図示的例では、装置10は、相互接続構造部材1500の数および場所以外は、第1の例のものと類似に構成される。この図示的実施形態には、2つの相互接続構造部材500がある。それらは、コネクタ筺体310と一体化されており、バリア層122の方に下方に突出する。構造部材1500は、正対する側面上でバリア層に重なる係止部分510を含む。この例では、係止領域510のエリアの中で、接着剤が、構造部材1500とバリア層122との間に少なくとも部分的に配置されてもよいと考えられる。好ましくは、係止部分は、いずれの方向における横に向かう力によっても取り除かれないように、少なくとも2つの平面上に設置される。
【0071】
図10に示す第3の図示的例では、相互接続構造部材は、バリア層122およびコネクタ筺体310と機械的に連結する。本実施形態では、相互接続構造部材は、バリア係止機構123およびコネクタ係止機構311と嵌合するように適合する、係止機構520を有する。これは、線の間の嵌合、圧入であってもよいか、または中間に配置される中間接着層を有してもよいと考えられる。いかなる数の形も、係止機構520を提供するように利用され得ると考えられ、本例は限定を意図するものではない。
【0072】
図12に示す、緩和機構2500の第1の図示的例では、本体部200およびバリア層122の一部分は、バリア層周辺端部222に沿って接合される(例えば、接触する)。この例では、バリア層は、本明細書の前のセクションに開示する通り、ガラスに対する物理的特性を有するガラスから成る。この例では、バリア層周辺端部222は、丸いバリア周辺部コーナー部420を有する。1セットの正対するコネクタ筺体310は、本体部200の外縁部に沿って配置される。また、本体部200の中に配置される1つだけの緩和機構2500も含まれる。
【0073】
第1の好ましい実施形態では、この緩和機構2500は、コーナー部420間の周辺端部222の少なくとも約50パーセント(好ましくは、少なくとも約70から90パーセント)に沿って、三次元多層光起電力セルアセンブリのバリア層の少なくとも距離D
R以内に設置される。好ましくは、距離D
Rは、約10.0から30.0mm、より好ましくは、約12.5から25.0mm、および最も好ましくは、約15.0から20.0mmである。この図示的例では、緩和機構2500はまた、コネクタ筺体310の上方に配置される。好ましくは、コネクタ筺体の上周辺端部の約5.0から15.0mm以内に配置されるものの、筺体310に直接隣接してもよいと考えられる。
【0074】
本実施形態では、緩和機構は、本体部200の局部的な薄化(thinning)から成る。好ましくは、局部的な薄化は、本体部200の深さの少なくとも50パーセントの深さを有し、外形C
Pおよび幅C
Wを有する溝510を構成する。好ましい実施形態では、幅C
Wは、少なくとも約1.0mmおよび最大約15.0mm、より好ましくは、約2.5mmから12.5mm、および最も好ましくは、約3.5から8.0mmである。緩和機構2500の場所およびその幅C
Wの両方は、最適化することができると考えられる。
図11A〜Fに示す例は、説明のためであり、限定としてみなされるべきではない。
【0075】
図13に示す、第2の図示的例では、装置10は、緩和機構2500の数および場所以外は、第1の例のものと類似に構成される。この図示的実施形態には、4つの緩和機構2500がある。それらは、本体部200の中に配置され、コネクタ筺体の内側コーナー部430、432から、バリア層122の方へ及ぶ。本実施形態では、コネクタ筺体310の低部内側コーナー部に隣接する機構2500は、丸いバリア周辺部コーナー部420の方に向けられる(曲線弧の中のどこか)ことが好ましい。また、コネクタ筺体310の上部内側コーナー部に隣接する機構2500は、装置10の中心の方に向けられることが好ましい。約15から85度の間、さらにより好ましくは、約30から45度の間の値を有する角度αで向けられるのが、より好ましい。機構の遠位端(コネクタ筺体310に正対する)は、好ましくは、周辺端部222から約10.0から30.0mm、より好ましくは、約12.5mmから25.0mm、および最も好ましくは、約15.0から20.0mmである。
【0076】
図14に示す第3の図示的例では、緩和機構は、バリア層122の中に配置される。本実施形態では、緩和機構は、バリア層122の厚さに少なくとも等しい深さを有し、幅W
BLの少なくとも25%に渡って(好ましくは、約100%に渡って)及ぶ。また、溝は、
図11Eに示すものと類似の外形を有するのが好ましい。本実施形態では、緩和機構溝の少なくとも底部は、少なくともある環境バリア保護(低率、高接着、および高い伸び材料)を提供するように、エラストマーバリア材料で充填されるのが好ましい。例えば、ブチルゴム、イオノマー、シリコーンゴム、ポリウレタンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー等の材料が、この目的に役立つことができる。そのような充填剤の使用もまた、他の実施形態または例のうちのいずれかに対して考えられる。
【0077】
図15に示す、第4の図示的例では、装置10は、緩和機構2500の数および場所以外は、第1の例のものと類似に構成される。この図示的実施形態には、6つの緩和機構2500がある。それらは、本体部200の中に配置され、周辺端部222からコネクタ筺体310の最上部付近の点へ、周辺端部222と垂直に走る溝である。それらは、装置10に渡りおおよそ等しく間隙を介してもよいが、他の間隙の場所も考えられる。
【0078】
図16に示す、第5の図示的例では、装置10は、再び緩和機構2500の数および場所以外は、第1の例のものと類似に構成される。この図示的実施形態には、2つの緩和機構2500がある。それらは、本体部200の中に配置され、周辺端部222(好ましくは、丸いバリア周辺部コーナー部420の中にある)から、コネクタ筺体310の低部外側コーナー部(好ましくは、装置10の外側周辺縁にある)へ延在する溝である。
【0079】
図17、18、および19に示す、個々の構成要素形状の第1の図示的例では、本体部200および一部分のバリア層122は、バリア層周辺端部222の区域400(バリア縁部の周辺部の区域400)に沿って接合する(例えば、接触する)。2つの一部が一緒になるこのエリアは、界面領域410として知られている場合がある。この界面は、全体のバリア外形230、もしくはバリア外形230の一部分のみに渡って、またはバリア下面部224、バリア上面部226、もしくは両方の一部分上に及んでもよいと考えられる。この例では、バリア層は、本明細書の前のセクションに開示する通り、ガラスに対する物理的特性を有するガラスから成る。この例では、バリア層周辺端部222は、区域400内に丸いバリア周辺部コーナー部420を有する。L
BLはL
BPと等しくてもよく、バリア層周辺端部222は、区域400内に丸いバリア周辺部コーナー部420を有する必要はないと考えられる。
【0080】
第1の好ましい実施形態では、これらの丸いコーナー部420は、図の中に明確に見ることができる、本体部200の最大部分に面する、区域400のエリアに少なくとも設置される。好ましくは、丸いバリア周辺部コーナー部420は、約2.0から50.0mm、より好ましくは、約12.5mmから30.0mm、および最も好ましくは、約17.0から27.0mmの半径422を有する。
【0081】
第2の好ましい実施形態では、丸いバリア周辺部コーナー部420の半径422は、(L
BL/L
BP)として計算される、L
BP(界面領域410の約25.0mm以内で少なくとも測定される)対L
BLの比率として判定される。好ましくは、比率は、約0.00345から0.0862、より好ましくは、約0.01000から0.0500、および最も好ましくは、約0.0400から0.0450である。
【0082】
この例における通り、ガラスが(バリア層122として)使用されるとき、本体材料の組成物は、好ましくは、少なくとも3%だが、通常50%より大きい破断点伸びを有する。また、ガラスが使用されないとき、本体材料は、好ましくは、少なくとも100%、より好ましくは、少なくとも200%、なおもより好ましくは、少なくとも300%、および好ましくは、500%以下の破断点伸びを有すると考えられる。組成物の引張破断点伸びは、50mm/minの試験速度を使用する、23℃での試験方法ASTM D638‐08(2008)によって判定された。
【0083】
図3および20に示す、第2の図示的例では、本体部200およびバリア層122の幾何学的関係は維持される。この例には、コネクタ筺体310が存在する。界面領域に最も近いコネクタアセンブリ周辺端部は、半径432を有する、少なくとも1つの丸いコネクタコーナー部430を有すると考えられ、それが好ましい。概して、丸いコネクタコーナー部430は、約0.1mmから15.0mm、より好ましくは、約0.5mmから5.0mm、および最も好ましくは、約1.0mmから4.0mmの半径432を有してもよい。この例では、コネクタアセンブリの少なくとも1つの構成要素(例えば、コネクタ筺体310)は、処理距離440(例えば、それらの間で最も近い地点)分界面領域から離れて配置される。
【0084】
第1の好ましい実施形態では、望ましい処理距離440(単位mm)は、構成要素材料のうちの幾つかの種々の物理的特性間の関係として計算することができる。好ましくは、処理距離440は、X
*(本体CLTE/バリアCLTE)+C以上である。好ましい実施形態では、Xは、約1.0から4.0、より好ましくは、約2.5から3.8、および最も好ましくは、約3.0から3.75までに及ぶ定数である。好ましい実施形態では、Cは、約0.5から10.0、より好ましくは、約1.0から5.0、および最も好ましくは約1.25から3.0までに及ぶ定数である。
【0085】
第2の好ましい実施形態では、望ましい処理距離440は、L
BP(約25.0mmの丸いコネクタコーナー部430以内に少なくとも測定される)対処理距離440の比率(処理距離440/L
BP=比率)として計算することができる。好ましくは、比率は、約0.02から0.1、より好ましくは、約0.03から0.08、および最も好ましくは、約0.035から0.044である。
【0086】
第3の好ましい実施形態では、半径432(少なくとも1つの丸いコネクタコーナー部430の半径)は、半径432対L
BP(約25.0mmの丸いバリア周辺部コーナー部420以内に少なくとも測定される)の比率(半径432/L
BP=比率)として判定される。好ましくは、比率は、約0.000172から0.0259、より好ましくは、約0.001000から0.015000、および最も好ましくは、約0.001724から0.00517である。
【0087】
本発明において熟慮する他の関係には、以下を含む。本体部200の長さ(L
BP、特に、約25.0mmの領域410以内)に対する、界面領域410とバスバー領域311との間の距離は、比率として表すことができる。好ましくは、この比率は、約0.00348から0.0438、より好ましくは、約0.01000から0.03000、および最も好ましくは、約0.01500から0.02500までに及ぶ。さらに、長さ(L
BP、特に、約25.0mmの領域410以内)に対する、本体部の厚さ(T)の関係は、比率(T/L
BP)として考えられる。好ましくは、この利率は、約0.0017から0.035、より好ましくは、約0.0150から0.030、および最も好ましくは、約0.0100から0.0200までに及ぶ。
【0088】
図22に示す曲げ/斜面の第1の図示的例では、曲げ領域210は、本体部200の厚さ(少なくとも局所的に)を減少させることによって、PV装置10で作成され、MPCAサブアセンブリ101は、本体部200の上面への方向に進む。この曲げ領域210は、好ましくは、界面領域から少なくとも約5.0mm離れたところから開始し、さらに本体部200の上へ続き得るが、MPCAサブアセンブリ101の少なくともおおよそ上部へと続くと考えられる。
【0089】
第1の好ましい実施形態では、曲げ領域210は、概して、コネクタ筺体310がある、および/またはバスバー領域311が設置されるエリアの中に、PV装置10の長さの少なくとも約70%に渡って広がる。曲げ領域210において、本体セクション200は、約2.5mmから4.0mmの厚さ(「T
BR」)を有する。
【0090】
第2の好ましい実施形態では、曲げ領域210に対する出発点211は、界面領域からの距離(単位mm)に設置され、X´
*(本体CLTE/バリアCLTE)+C´以上である。この好ましい実施形態では、X´は、約1.0から5.0、より好ましくは、約2.5から4.8にまで及び、および最も好ましくは、3.75の値を有する、定数である。この好ましい実施形態では、C´は、約1.0から8.0、より好ましくは、約2.0から6.0、および最も好ましくは、約3.0から5.0にまで及ぶ定数である。
【0091】
第3の好ましい実施形態では、好ましい厚さ(「T
BR」)は、サブアセンブリCLTE対本体CLTEの比率(サブアセンブリCLTE/本体CLTE)に関係する。厚さ(「T
BR」)は、この比率の約0.3から1.9倍である。好ましくは、比率は、約1.0から5.0、より好ましくは、約1.5から3.5、および最も好ましくは、約1.8から2.1である。
【0092】
図23に示す第2の図示的例では、曲げ領域210は、第1の例のものに類似するが、曲げ領域は、MPCAサブアセンブリ101の最上部には続かない。曲げ領域のみが、MPCAサブアセンブリ101の最上部へ(例えば、幅W
BPの方向に)の進路の約50から75%に延在する。
【0093】
上記の実施形態または例は、相互排他的でなくともよく、互いと組み合わせて使用されてもよいと考えられる。
【0094】
特に指定のない限り、本明細書に描写する種々の構造の寸法および形状は、本発明を限定することを意図せず、他の寸法および形状も可能である。複数の構造上の構成要素は、単一の統合構造によって提供することができる。代替として、単一の統合構造は、別個の複数の構成要素に分かれてもよい。加えて、本発明の機構が、図示する実施形態のうちの1つのみの文脈の中に記載されていてもよい一方、そのような機構は、いかなる所与の用途に対しても、他の実施形態の1つ以上の他の機構と組み合わされてもよい。また、本明細書における特有の構造の製作、およびその作業もまた、本発明に従う方法を構成すると理解されるであろう。
【0095】
特に指定のない限り、本明細書に開示する、材料およびアセンブリに対する線膨張率(「CLTE」)は、TA Instruments TMA Model 2940に関して、試験方法ASTM E1824‐08(2008)によって、器具と共に提供される標準ソフトウェアを使用して、1分間ごとに5℃、温度範囲−40℃および90℃において判定される。当業者は、組成物が、材料が温度遷移を経るにつれて、CLTEが他の領域から変化する、温度範囲を呈してもよいことを理解するであろう。そのような場合、上記CLTEに対する好ましい範囲は、組成物、アセンブリ、および/またはバリア層122に対して測定される最大CLTEを指す。光起電力装置は、非常に異なるCLTEを有する材料を含む、多くの異なる材料を含んでもよい。例えば、PVアセンブリは、太陽電池、金属導体、ポリマー封止材、ガラス等のバリア材料、または他の異種材料を、全て異なるCLTEを伴って含んでもよい。PVアセンブリのCLTEは、−40℃から90℃の間の多くの温度で、アセンブリの寸法を測定することによって判定されてもよい。この温度範囲はまた、特に指定のない限り、全ての他の物理的特性(試験)に対して想定される。
【0096】
本発明の好ましい実施形態を開示してきた。しかしながら、当業者は、一定の修正が、本発明の教授内に入るであろうことに気付くであろう。したがって、以下の請求項の範囲は、本発明の真の範囲および内容を判定するように検討されるべきである。
【0097】
上記の出願の中に列挙したいかなる数的値も、1つの構成単位ずつ、より下の値からより上の値まで全ての値を含むが、ただし、任意のより低い値から任意のより高い値の間の少なくとも2つの構成単位の分離がある。例として、例えば、温度、圧力、時間等、可変の構成要素の量またはプロセスの値が、例えば、1から90、好ましくは、20から80、より好ましくは、30から70であると言及される場合、15から85、22から68、43から51、30から32等の値を、本明細書において明示的に列挙することを意図している。1より少ない値に対して、1つの構成単位は、必要に応じて、0.0001、0.001、0.01、または0.1と見なす。これらは、特に意図されるものの例のみであり、列挙される最低値と最高値の間の数値の全ての可能な組み合わせが、類似の様式で本出願において明示的に言及されているとみなされるべきである。
【0098】
特に指定のない限り、全ての範囲は、端点、および端点間の全ての数の両方を含む。範囲と関係する「約」または「おおよそ」の使用は、範囲の両方の端点に適用される。それゆえ、「約20から30」は、少なくとも指定される端点を含めて、「約20から約30」をカバーするように意図される。
【0099】
特許出願および刊行物を含む、全ての論文および参考文献の開示は、全ての目的のため、参照することによって組み込まれる。
【0100】
組み合わせについて記載する、用語「から基本的に成る」は、特定される要素、含有物、構成要素、またはステップ、ならびに組み合わせの基本および新規特徴に物質的に影響を与えないような、他の要素、含有物、構成要素、またはステップを含むものとする。
【0101】
本明細書において要素、含有物、構成要素、またはステップの組み合わせについて記載する、用語「含んでなる」または「含む」の使用もまた、要素、含有物、構成要素、またはステップから基本的に成る実施形態を熟慮している。
【0102】
複数の要素、含有物、構成要素、またはステップは、単一の統合された要素、含有物、構成要素、またはステップによって提供することができる。あるいは、単一の統合された要素、含有物、構成要素、またはステップは、別個の複数の要素、含有物、構成要素、またはステップに分割されてもよい。要素、含有物、構成要素、またはステップについて記載する「1つの」または「ある」の開示は、追加の要素、含有物、構成要素、またはステップを除外することを意図していない。一定の族に属する元素または金属についての本明細書における全ての言及は、CRC Press,Inc.,1989が出版し版権を持つ、元素周期表(Periodic Table of the Elements)を参照している。1つまたは複数の族についての言及は、IUPACシステムの族番号表記を使用してこの元素周期表(Periodic Table of the Elements)に示された、1つまたは複数の族についてのものとする。