(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
クレジットカード決済における希望支払い額を算出するための、コンピュータにより実行される方法であって、前記コンピュータは、クレジットカード決済利用者のクレジットカード決済の決済額を含む決済履歴データを記憶した決済履歴データ記憶部と、前記クレジットカード決済利用者の毎月支払い額、リボルビング枠、およびリボルビング残高を含む利用者データを記憶した利用者データ記憶部とを備え、
前記方法は、
前記コンピュータに接続されたクライアントコンピュータから入力された利用者識別番号および希望支払い額を受信するステップと、
前記受信した利用者識別番号に基づいて、前記決済履歴データ記憶部から決済履歴データレコードを取得するステップと、
前記受信した利用者識別番号に基づいて、前記利用者データ記憶部から利用者データレコードを取得するステップと、
前記取得した決済履歴データレコードに含まれる決済額を加算することによって、合計決済額を算出するステップと、
前記算出した合計決済額を前記利用者データレコードに含まれるリボルビング残高に加算することによって、加算済みリボルビング残高を算出するステップと、
前記受信した希望支払い額、前記算出した加算済みリボルビング残高、ならびに、前記取得した利用者データレコードに含まれる毎月支払い額およびリボルビング枠に基づいて、リボルビング変更額を算出するステップと、
前記リボルビング変更額から、前記取得した各決済履歴データレコードに含まれる決済額を減算し、および、前記減算したリボルビング変更額が正の値になるか否かを判定することによって、前記算出したリボルビング変更額に基づいて、前記取得した決済履歴データレコードの中から、リボルビング払いに変更する決済履歴データレコードを判定するステップと
を備えたことを特徴とする方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態に係る返済シミュレーションシステムを詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明の一実施形態に係る返済シミュレーションシステムのネットワーク構成の例を示す図である。
【0015】
返済シミュレーションサーバ101は、リボルビング払いへの変更受付サービスなどを提供するコンピューティングデバイスであり、本発明に係る返済シミュレーションシステムの主要な機能を備えるコンピューティングデバイスである。返済シミュレーションサーバ101は、専用線などのネットワーク102を介して103a、103b、・・・、103n(以下、「クライアントコンピュータ103」)と通信を行うように構成されている。
【0016】
クライアントコンピュータ103は、本発明に係る返済シミュレーションシステムを提供する事業者に所属するオペレータ(以下、「オペレータ」)などが使用する端末であり、クライアントコンピュータから希望支払い額の入力を行い、その結果がクライアントコンピュータ103の表示部に表示される。なお、本実施形態では、クライアントコンピュータ103はオペレータによって使用されることを想定しているが、このような形式に限定されない。例えば、返済シミュレーションサーバ101とクライアントコンピュータ103とをインターネットなどのネットワークを介して接続して、クレジットカード利用者(以下、「利用者」)がクライアントコンピュータ103を使用して、WEB画面上で本システムを利用する構成にしてもよい。
【0017】
上述した返済シミュレーションサーバ101は、1つまたは複数のコンピューティングデバイスによって構成されてもよい。また、上述したクライアントコンピュータ103は、例えば、通信機能を備えるパーソナルコンピュータ、ワークステーション、PDAなどの情報端末機器であってもよい。コンピューティングデバイスおよび情報端末機器は、中央処理装置(CPU)、メモリ、記憶装置などを備えるコンピューティングデバイスであって、メモリまたは記憶装置に格納されたコンピュータプログラムをCPUが処理することによって統括的に制御され、本発明に係る処理を実行し、その機能を実現することができる。なお、上述したシステム構成は、例示のためのものであり、本発明を実行することができるシステム構成を限定するものではない。
【0018】
次に、
図2のブロック図を参照して、上述した返済シミュレーションシステムの構成を詳細に説明する。返済シミュレーションサーバ101は、制御部201、主記憶部203、補助記憶部204、入力部205、出力部206、ネットワークI/F207、およびデータベース208を備え、それら各要素がシステムバス202を介して接続される。
【0019】
制御部201は、中央処理装置(CPU)とも呼ばれ、上記各構成要素の制御やデータの演算を行い、また、補助記憶部204に格納されている各種プログラムを主記憶部203に読み出して実行する。
【0020】
主記憶部203は、メインメモリとも呼ばれ、返済シミュレーションサーバ101が受信した入力データ、コンピュータ実行可能な命令および当該命令による演算処理後のデータなどを記憶する。
【0021】
補助記憶部204は、ハードディスク(HDD)などに代表される記憶装置であり、データおよびプログラムを長期的に保存する際に使用される。主記憶部203は、補助記憶部204よりも記憶容量が相対的に小さいため、一時的なデータの記憶や演算処理などに使用されるのに対し、補助記憶部204は、必要なデータの長期的な記憶および保存のために使用される。つまり、制御部201がプログラムを実行してデータの演算を行う場合には、補助記憶部204から必要なデータやプログラムを主記憶部203に読み出し、演算結果のデータを長期的に記憶・保存するには制御部201が補助記憶部204に演算結果のデータを書き込む。
【0022】
入力部205は、クライアントコンピュータ103からの希望支払い額の入力などをネットワークI/F207を介して受信する。
【0023】
出力部206は、クライアントコンピュータ103からの希望支払い額の入力などを受信して、返済シミュレーション処理を実行した後に、その実行結果を出力する。実行結果はネットワークI/Fを介してクライアントコンピュータ103に送信される。
【0024】
データベース208は、後述する利用者データ記憶部400および決済履歴データ記憶部500などのデータテーブルを備える。
【0025】
クライアントコンピュータ103は、ネットワークI/F211および表示部212を備える。ネットワークI/F211は、返済シミュレーションサーバ101とクライアントコンピュータ103との間の通信に使用されるインタフェースである。表示部212は、返済シミュレーション入力インタフェースを表示する。
【0026】
次に、
図3のフローチャートを使用して、本発明の一実施形態に係る返済シミュレーションシステムが実行する一連の処理を説明する。
【0027】
利用者から、返済シミュレーションの依頼、すなわち、「毎月の支払い額をいくらにしたい」との依頼があったものとする。この利用者は、リボルビング支払い条件が「元利定額」、毎月支払い額が10000円、リボルビング残高が0円、リボルビング枠が500000円、および、合計が68000円となる未払い決済を有していることを前提とする。「元利定額」支払いとは、リボルビング払いにおいて、予め指定した一定額を支払い、その中から利息を差し引いた金額を元利返済に充当する方式をいう。その他に「元金定額」、「元利定率」または「元金定率」方式などの支払い方式が存在するが、これらの支払い方式はリボルビング払いにおいて公知な支払い方式であるので、本明細書での説明は省略する。毎月支払い額とは、リボルビング払いにおいて、毎月、最低限支払う必要がある支払い額である。リボルビング残高は、現在有している未払い決済のうち、リボルビング払いを利用した未払い決済額の合計額である。リボルビング枠は、リボルビング払いを利用することができる金額の合計であり、リボルビング残高がリボルビング枠を超えることはできない。
【0028】
オペレータは、クライアントコンピュータ103の表示部212に表示された返済シミュレーション入力インタフェースに、利用者の利用者番号を入力する(S301)。入力した利用者番号は、ネットワークI/F211を介して返済シミュレーションサーバ101に送信される。
【0029】
返済シミュレーションサーバ101の入力部205は、利用者番号をネットワークI/F207を介して受信する(S302)。そして、返済シミュレーションサーバ101の制御部201は、当該利用者番号をキーに利用者データ記憶部400から該当の利用者の利用者データレコードを取得する(S303)。
【0030】
利用者データ記憶部400は、
図4で示すように、利用者のデータを記憶したデータベーステーブルであり、各利用者を識別する「利用者番号」、「氏名」、「カード期限」、「リボルビング枠」(円)、「リボルビング残高」(円)、「リボルビング支払い条件」および「毎月支払い額」(円)を備える。項目「リボルビング支払い条件」は、例えば、「1」(元利定額)、「2」(元金定額)などの値を有してもよい。
【0031】
次に、制御部201は、S302で受信した利用者番号をキーに決済履歴データ記憶部500から該当の利用者の決済履歴データレコードを取得する(S304)。
【0032】
決済履歴データ記憶部500は、
図5で示すように、利用者のそれまでの決済履歴のデータを記憶したデータベーステーブルであり、「No.」(識別番号)、「利用者番号」、「利用日」(年月日)、「決済額」(円)、「利率」(%)、「支払い方法」、「業種コード」、「加盟店コード」および「払込フラグ」を備える。項目「支払い方法」は、例えば、「1」(1回払い)、「2」(2回払い)、「3」(毎月払い)、「9」(リボルビング払い)、などの値を有してもよい。項目「利率」は、各決済の支払いに適用される手数料率を示す。項目「業種コード」は、クレジットカード決済を利用した利用先店舗などの業種(例えば、百貨店、スーパー、サービス役務など)を識別するコードである。項目「加盟店コード」は、クレジットカード決済を利用した利用先店舗などの名称を識別するコードである。項目「払込フラグ」は、各決済履歴データレコードが、支払い済みであるか否かを示すフラグが設定され、本項目が空白の場合は、「未払い」であることを示す。
【0033】
次に、返済シミュレーションサーバ101の出力部206は、上記取得した利用者データレコードおよび決済履歴データレコードを、ネットワークI/F207を介してクライアントコンピュータ103に送信する(S305)。
【0034】
クライアントコンピュータ103は、上記送信された利用者データレコードおよび決済履歴データレコードを、ネットワークI/F211を介して受信する。そして、表示部212に表示した返済シミュレーション入力インタフェースに、上記受信した利用者データレコードおよび決済履歴データレコードを表示する(S306)。なお、この表示の際に、「利用場所・加盟店」を表示しているが、返済シミュレーションサーバ101またはクライアントコンピュータ103が、加盟店コードと対応する「加盟店名」を備えるデータベーステーブルを有してもよく(図示せず)、当該テーブルを参照して、該当の加盟店コードに対応する「加盟店名」を取得する構成にしてもよい。
【0035】
上述した利用者データレコードおよび決済履歴データレコードを表示した返済シミュレーション入力インタフェース600の例を、
図6を参照して説明する。
【0036】
返済シミュレーション入力インタフェース600に表示された各項目には、S306で受信した利用者データレコードおよび決済履歴データレコードのデータが表示されている。希望支払い額入力ボックス601は、利用者が毎月の支払い額として希望する希望支払い額を入力するための入力ボックスである。変更前支払い額表示602に表示された「変更前支払い額」は、現時点での未払い決済額の合計額を示している。
図6に示す、No.1乃至11の各決済レコードは、利用日の昇順で表示されているが、利率順、決済額順などで表示してもよい。支払い方法指定選択メニュー603は、「1回払い」、「2回払い」などの支払い方法を選択することができる選択メニューである。例えば、本選択メニューで「1回払い」が選択されると、後述の処理において、支払い方法が1回払いの決済履歴データのみがリボルビング変更対象になるか否かの判定がされる。利率順指定選択メニュー604は、「低額優先」または「高額優先」などの利率順にリボルビング変更対象となるか否かの判定がされるかを指定することができる選択メニューである。例えば、本選択メニューで「低額優先」が選択されると、利率が低い順に決済履歴データがリボルビング変更対象となるか否かの判定がされ、「高額から」が選択されるとその逆になる。決済額順指定選択メニュー605は、「高額から」または「低額から」などの決済額順にリボルビング変更対象となるか否かの判定がされるかを指定することができる選択メニューである。例えば、本選択メニューで「高額から」が選択されると、利用額が高い順に決済履歴データがリボルビング変更対象となるか否かの判定がされ、「低額から」が選択されるとその逆になる。利用日順指定選択メニュー606は、「古い優先」または「新しい優先」などの利用日順にリボルビング変更対象となるか否かの判定がされるかを指定することができる選択メニューである。本選択メニューで「古い優先」が選択されると、利用日が古い順に決済履歴データがリボルビング変更対象になるか否かの判定がされ、「新しい優先」が選択されるとその逆になる。上述した利率順指定選択メニュー604、決済額順指定選択メニュー605および利用日順指定選択メニュー606の選択は、それぞれ組み合わせて選択することができるようにしてもよく、この場合は、順序指定優先度選択メニュー607により上記各々の順序選択を優先度付けしてもよい。
図6の例では、利率が低利率順でかつ決済額が高額順にリボルビング変更対象として選択される。
【0037】
次に、オペレータは、クライアントコンピュータ103の表示部212に表示された返済シミュレーション入力インタフェースの希望支払い額入力ボックス601に、利用者の希望支払い額を入力する(S307)。入力した希望支払い額は、ネットワークI/F211を介して返済シミュレーションサーバ101に送信される。
【0038】
返済シミュレーションサーバ101の入力部205は、希望支払い額をネットワークI/F207を介して受信する(S308)。そして、返済シミュレーションサーバ101の制御部201は、S304で取得した決済履歴データレコードから、リボルビング変更対象となる決済履歴データレコード(以下、「リボルビング変更データ」)を選択する(S309)。リボルビング変更データの選択方法の詳細は、
図8のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
まず、制御部201は、S304で取得したすべての決済履歴データレコードの決済額を加算して、未払い合計決済額を算出する(S3091)。
図5の決済履歴データ記憶部500を例にすると、No.1乃至11のレコードの決済額を全て加算し、68000円として算出する。
未払い合計決済額=決済履歴データレコードの決済額の合計 式1
【0040】
次に、制御部201は、S304で取得したすべての決済履歴データレコードの中から、リボルビング変更をすることができない決済履歴データ(以下、「リボルビング変更不可データ」)を選択する(S3092)。ここで、リボルビング変更不可データとは、例えば、月払い指定したクレジットカード決済など、リボルビング払いが認められていないクレジットカード決済のレコードをいう。リボルビング変更不可データについては、項目「業種コード」にリボルビング変更不可として指定された業種コードが設定される。リボルビング変更不可データの選択は、例えば、「業種コード」および「リボルビング変更可否フラグ」を含むデータベーステーブルを設け(図示せず)、各決済履歴データレコードの業種コードをキーに上述したデータベーステーブルのリボルビング変更可否フラグの値を参照して、リボルビング変更不可データであるか否かを判定するような構成にしてもよい。
図5の決済履歴データ記憶部500を例にすると、No.11のレコードが該当するものとする(支払い方法が「3」(月払い)であり、業種コード「132」がリボルビング変更不可として指定されている)。
【0041】
次に、制御部201は、S303で取得した利用者データレコードの項目「リボルビング残高」の値に、S3091で算出した未払い合計決済額を加算して、加算済みリボルビング残高を算出する(S3093)。
加算済みリボルビング残高=リボルビング残高+未払い合計決済額 式2
【0042】
次に、制御部201は、加算済みリボルビング残高と、S303で取得した利用者データレコードの項目「リボルビング枠」の値を比較して、加算済みリボルビング残高が多い場合は、加算済みリボルビング残高とリボルビング枠との差分をリボルビング超過額として算出する(S3094)。リボルビング残高がリボルビング枠を超えると、その超えた額分はリボルビング変更できなくなる。
リボルビング超過額=加算済みリボルビング残高−リボルビング枠 式3
【0043】
次に、制御部201は、S308で受信した希望支払い額から、S3092で選択したリボルビング変更不可データの決済額(以下、リボルビング変更不可額)と、リボルビング超過額と、S303で取得した利用者データレコードの項目「毎月支払い額」の金額とを減算して、リボルビング非変更額を算出する(S3095)。
図5の決済履歴データ記憶部500および
図6の返済シミュレーション入力インタフェース600を例にすると、希望支払い額30000円から、リボルビング変更不可額10000円(決済履歴データレコードのNo.11の決済額10000円)とリボルビング超過額0円と毎月支払い額10000円とを減算し、10000円として算出する。
リボルビング非変更額=希望支払い額−(リボルビング変更不可額+リボルビング超過額+毎月支払い額) 式4
【0044】
次に、制御部201は、S3091で算出した未払い合計決済額から、リボルビング非変更額と、リボルビング変更不可額と、リボルビング超過額とを減算して、リボルビング変更額を算出する(S3096)。本実施形態では、未払い合計決済額68000円から、リボルビング非変更額10000円とリボルビング変更不可額10000円とリボルビング超過額0円とを減算し、48000円として算出する。
リボルビング変更額=未払い合計決済額−(リボルビング非変更額+リボルビング変更不可額+リボルビング超過額) 式5
【0045】
次に、制御部201は、S304で取得したすべての決済履歴データレコードから、S3092で選択したリボルビング変更不可データを除いたレコード(以下、リボルビング変更候補データ)から、所定の順番で、各レコードの決済額をリボルビング変更額から減算(各レコードの決済額をリボルビング変更額に充当する)する。そして、この減算を、リボルビング変更額がゼロ以下になるまで繰り返す。最終的に、リボルビング変更額を充当することができたすべてのリボルビング変更候補データがリボルビング変更データとして選択される。逆に、充当することができなかったリボルビング変更候補データが、リボルビング非変更データとして選択される(S3097)。ここで、所定の順番とは、1)利率が低い(高い)レコードから順番に充当(
図6の返済シミュレーション入力インタフェース600の利率順指定選択メニュー604で「低率優先」(「高率優先」)を選択した場合)、2)決済額が高い(低い)レコードから順番に充当(
図6の返済シミュレーション入力インタフェース600の決済額順指定選択メニュー605で「高額から」(「低額から」)を選択した場合、3)利用日が古い(新しい)レコードから順番に充当(
図6の返済シミュレーション入力インタフェース600の利用日順指定選択メニュー606で「古い優先」(「新しい優先」)を選択した場合)、のいずれかの順番で充当してもよい。上記利率順(低率)で充当していく場合は、利率の低い決済から順にリボルビング払いに変更されるので、利用者に対してより有利な利率となるような支払い額を算出することができる。
【0046】
図5の決済履歴データ記憶部500を例にすると、例えば、利率が低利率順でかつ決済額が高額順に充当していく場合、以下のように、リボルビング変更額48000円がゼロになるまで繰り返す。
【0048】
表1の例では、No.6、7、4、9、5、2、10および1のレコードについては充当可能となってリボルビング変更データとなる。一方、No.8および3については充当不可となってリボルビング非変更データとなる。なお、No.1のレコードについては、2000円分(以下、「超過充当額」)の充当ができておらず、このような場合は、No.1レコードの決済額すべてをリボルビング変更してもよく、または、No.1レコードの決済額すべてをリボルビング変更しなくてもよい。No.1のすべての決済額をリボルビング変更する場合は、リボルビング変更額が50000円となり、リボルビング非変更額から超過充当額2000円を減算して再計算される。一方、すべて変更しない場合は、リボルビング変更額が40000円となり、リボルビング非変更額に8000円(No.1の決済額−超過充当額)を加算して再計算される。本実施形態では、No.1のすべての決済額をリボルビング変更するものとする。
【0049】
なお、
図6の返済シミュレーション入力インタフェース600の支払い方法指定選択メニュー603で「1回払い」を選択した場合、支払い方法が「1回払い」の決済履歴データのみがリボルビング払いの対象となるので、上述した未払い合計決済額の算出(式1)において、支払い方法が「1回払い」以外の決済履歴データを加算対象から除外してもよい。同様に、その他の支払い方法(例えば、「2回払い」)が選択された場合、当該支払い方法以外の決済履歴データが式1における加算対象から除外される。このようにして、例えば、1回払いのみを対象にリボルビング変更することによって、様々な支払い方法での決済回数が多い(例えば、1回払い、2回払い、月払いなどの決済が混在)利用者にとって、リボルビング払いに変更した後も自身の支払いを把握することが容易になる。
【0050】
次に、制御部201は、リボルビング非変更額と、リボルビング変更不可額と、リボルビング超過額と、毎月支払い額とを加算して、変更後支払い額を算出する(S3098)
変更後支払い額=リボルビング非変更額+リボルビング変更不可額+リボルビング超過額+毎月支払い額) 式6
【0051】
以上のようにして、リボルビング変更データおよびリボルビング非変更データが選択されて、
図8のフローチャートを終了する。なお、変更後支払い額については、決済額に対して利率を乗じて算出されるが、説明を簡潔にするために利率を考慮しないで説明した。
【0052】
次に、
図3のフローチャートに戻り、返済シミュレーションサーバ101の出力部206は、上記選択したリボルビング変更データ、リボルビング非変更データ、リボルビング変更不可データおよび変更後算出額などを含む、返済シミュレーション結果データをネットワークI/F207を介してクライアントコンピュータ103に送信する(S310)。ここで、本実施形態では、返済シミュレーション結果データにはリボルビング変更データ、リボルビング非変更データおよびリボルビング変更不可データが含まれる構成になっているが、このような構成に限定されず、例えば、それらのレコードの項目「No.」(識別子)のみを含める構成にしてもよい。この場合は、クライアントコンピュータ103が、S306で受信した決済履歴データレコードから、上記識別子の値によって、リボルビング変更データ、リボルビング非変更データまたはリボルビング変更不可データであるかを判定してもよい。
【0053】
クライアントコンピュータ103は、上記送信された返済シミュレーション結果データを、ネットワークI/F211を介して受信する。そして、表示部212に表示した返済シミュレーション入力インタフェースに、上記受信した返済シミュレーション結果データを表示する(S311)。
【0054】
上述した返済シミュレーション結果データを表示した返済シミュレーション入力インタフェース700の例を、
図7を参照して説明する。
【0055】
返済シミュレーション結果データに含まれる変更後支払い額、リボルビング残高およびリボルビング変更額は、返済シミュレーション入力インタフェース700の変更後支払い額表示701、リボルビング残高表示702およびリボルビング変更額表示703にそれぞれ表示される。また、返済シミュレーション結果データに含まれるリボルビング変更データと、リボルビング非変更データと、リボルビング不可データとは、それぞれ識別可能に表示される。その識別として、本実施形態では、リボルビング変更データについては、リボルビング変更選択チェックボックス704がチェックされた状態で表示され(No.6、7、4、9、5、2、10および1のレコード)、リボルビング非変更データについては、リボルビング変更選択チェックボックス704がチェックされていない状態で表示され(No.8および3のレコード)、リボルビング不可データについては、リボルビング変更選択チェックボックス704が非表示の状態で表示される(No.11のレコード)。なお、No.11のレコードが示す決済は、リボルビング払いに変更することができないことを意味する。
【0056】
次に、オペレータは、返済シミュレーション入力インタフェース700に表示されたリボルビング変更データのレコードに対応するリボルビング変更選択チェックボックス704をすべてチェックして(本実施形態では、リボルビング取込データに対応するリボルビング変更選択チェックボックス704はすでにチェックされているのでそのままの状態で)、実行ボタン707を押下する(S312)。チェックしたリボルビング変更データは、ネットワークI/F211を介して返済シミュレーションサーバ101に送信されるが、必ずしも当該データを送信する必要はなく、当該データの識別子を送信する構成であってもよい。なお、リボルビング変更データのレコードに対応するリボルビング変更選択チェックボックス704のうちの一部のチェックボックスのチェックを外した場合は、そのチェックを外したリボルビング変更データについてはリボルビング変更がされなくなる。例えば、
図7において、No.10のレコードに対応するチェックボックスのチェックを外した場合は、そのレコードの決済額3000円が、リボルビング残高およびリボルビング変更額から減算され、逆に、その額が変更後支払い額に加算されて、それらの額が再計算される。このような場合は、再計算ボタン706を押下することによって、再計算されたリボルビング残高、リボルビング変更額および変更後支払い額が再表示される。このようにして、リボルビング払いへの変更を実行する前に、変更後の支払い額を表示することができるので、従来技術と比較して、予め変更後の支払い額を確認してから、リボルビング払いへの変更を実行することができる。
【0057】
最後に、オペレータが返済シミュレーション入力インタフェース700の実行ボタン706を押下したことに応答して、返済シミュレーションサーバ101の制御部201は、リボルビング変更データをリボルビング払いに変更する処理を実行する(S312)。リボルビング払いへの変更処理の例を、
図9を参照して説明する。
【0058】
図9は、
図5で示した決済履歴データ記憶部500を、リボルビング払いへの変更処理によって更新した決済履歴データ記憶部900を示すものである。上述したように、本実施形態では、No.6、7、4、9、5、2、10および1のレコードについての決済に対する支払い方法がリボルビング払いに変更されるので、それらに対応する決済履歴データ記憶部900のNo.6、7、4、9、5、2、10および1の項目「支払い方法」が「9」(リボルビング払い)に更新される。
【0059】
次に、上記説明したリボルビング変更選択の第2の例を説明する。第2の例では、希望支払い額を30000円、リボルビング残高を470000円として、その他の前提条件は、上述した
図8のフローチャートの例と同一とする。この条件で、上記説明した式にあてはめる。
式1 未払い合計決済額:68000円
式2 加算済みリボルビング残高:528000円
式3 リボルビング超過額:28000円
式4 リボルビング非変更額:0円(マイナス値は0円とする)
式5 リボルビング変更額:30000円
式6 変更後支払い額:48000円
【0060】
上記算出した値を基に、決済履歴データレコードから、リボルビング変更額を減算(充当)する。
【0062】
表2から理解できるように、第2の例では、リボルビング変更額が30000円なので、No.6、7、4および9のレコードのみがリボルビング変更データとして選択され、その他のレコードはすべてリボルビング非変更データとして選択される。このような場合は、リボルビング枠を超過しているので、返済シミュレーション結果データを返済シミュレーション入力インタフェース700に表示する際に、警告メッセージを表示してもよい(例えば、「一部リボルビング限度超過あり。限度超過分はリボルビング変更できません」)。
【0063】
次に、上記説明したリボルビング変更選択の第3の例を説明する。第3の例では、希望支払い額を90000円として、その他の前提条件は、上述した
図8のフローチャートの例と同一とする。この条件で、上記説明した式にあてはめる。
式1 未払い合計決済額:68000円
式2 加算済みリボルビング残高:58000円
式3 リボルビング超過額:0円
式4 リボルビング非変更額:70000円
式5 リボルビング変更額:0円(マイナス値は0円とする)
式6 変更後支払い額:68000円
【0064】
第3の例では、現在の未払い合計決済額が希望支払い額未満であるので、リボルビング払いに変更する必要がないことを意味する。このように、利用者が自身の決済の詳細を把握しておらず、リボルビング払いに変更する必要がないにも関わらず、勘違いでリボルビング払いに変更しようとした場合に、変更の必要がないことを即座に把握することができる。このような場合は、返済シミュレーション結果データを返済シミュレーション入力インタフェース700に表示する際に、警告メッセージを表示してもよい(例えば、「毎月支払い額以下のためリボルビング変更されません。確認のうえ実行してください」)。
【0065】
以上のように、本発明に係る返済シミュレーションシステムの説明を詳述したが、実施形態で説明した、利用者データ記憶部400および決済履歴データ記憶部500などの具体的なデータ構造は例示的なものにすぎず、特許請求する事項から逸脱しない範囲で変更がされてもよい。