【文献】
安藤大地,"動画投稿サイトにおける音源トラックの共有を目的とした投げ銭システムの検討と提案",情報処理学会研究報告[CD−ROM],2009年 6月15日,Vol.2009-MUS-80,No.10,pp.1-6
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
投稿者が投稿したコンテンツに対して、視聴者が対価を入力する情報通信端末と、前記対価の情報に基づいて、前記コンテンツの広告が掲載される方法を決定する情報処理部と、がインターネットを介して相互に通信可能に接続されたコンテンツ配信システムであって、
前記情報通信端末は、前記コンテンツの情報を取得するコンテンツ情報取得手段と、前記コンテンツに対する対価を入力する対価入力手段と、前記広告の情報を取得する広告情報取得手段と、を備え、
前記情報処理部は、前記対価を受ける受金手段と、前記対価を送る送金手段と、前記コンテンツに前記対価を対応づけて記録する記録手段と、前記対価に基づいて前記コンテンツの広告条件を決定する広告条件決定手段と、
を備えていることを特徴とするコンテンツ配信システム。
【背景技術】
【0002】
一般に、視聴者がコンテンツの提供者(アーティスト等)を支援するには、前記コンテンツが記録された記録媒体やグッズ等を購入することで支援することができた。従来から、楽曲や映像などのコンテンツは、カセットテープやコンパクトディスク(CD)等の記録媒体に記録され販売されてきた。そこで、アーティストの応援をする視聴者は、この記録媒体を購入することでコンテンツを入手し、かつ、アーティストへの支援を行うことが可能であった。
【0003】
さらに、視聴者は、CD等の記録媒体を購入することで、アーティストの宣伝に寄与することができた。一般に、記録媒体の売上枚数や売上額等はランキング形式で発表され、ランキング上位のアーティストは人気のある質の高いアーティストとして認識される。このことは、多くの人々にとってコンテンツを購入する動機と成り得るため、極めて大きな宣伝効果を有している。そのため、アーティストを応援する視聴者は、記録媒体を購入することでアーティストの宣伝に貢献していた。
【0004】
しかしながら、近年のデジタル技術の進展により、CD等の記録媒体を購入せずともコンテンツの再生が可能となったことで、CD等の記録媒体を購入する動機が失われつつある。現代における視聴者のコンテンツを再生する方法は、フラッシュメモリに記録されたデジタルデータを再生する方法や、インターネットから配信されるコンテンツを各端末装置で再生する方法に移行しつつある。そのため、視聴者によっては、CD等の記録媒体を購入せずとも、アーティストを支援し宣伝に寄与したい、といった需要がある。
【0005】
そこで、CD等の記録媒体を購入せずとも、アーティスト等を直接支援することが可能な方法が提案されている。特許文献1には、視聴しているコンテンツに対して投げ銭を行うと同時に、その視聴画面をデコレーションすることが可能なシステムが記載されている。また、特許文献2には、コンテンツの提供者に対して、任意の金額を寄付することができるシステムが記載されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1や特許文献2のようにインターネット上でアーティストに直接投げ銭や寄付を行う方法は、日本において浸透していないという問題がある。
本発明者は、この問題に対して、視聴者がただ単にアーティストを支援できるだけでは、投げ銭を行う動機が不十分であるという考えに至った。
【0008】
一方で、視聴者には、「お気に入りのアーティストを有名にしてあげたい」、「もっとみんなに聴いてもらいたい」という思いがある。そのため、アーティストの宣伝に寄与することは視聴者の要望であったが、その思いを実現するようなコンテンツ配信システムは存在しなかった。そこで、本発明者は、投げ銭に対してアーティストを宣伝する効果という新たな付加価値を持たせることにより、視聴者に投げ銭を促す方法を見出した。
【0009】
本発明は、かかる実情に鑑み、楽曲などのコンテンツ配信サービスを提供するコンテンツ配信システムにおいて、視聴者がコンテンツの投稿者に対して投げ銭を行うことができる機能を提供し、さらに、その投げ銭に投じられた金額が宣伝効果を有するコンテンツ配信システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明に係るコンテンツ配信システムは、投稿者が投稿したコンテンツに対して、視聴者が対価を入力する情報通信端末と、前記対価の情報に基づいて、前記コンテンツの広告が掲載される方法を決定する情報処理部と、がインターネットを介して相互に通信可能に接続されたコンテンツ配信システムであって、
前記情報通信端末は、前記コンテンツの情報を取得するコンテンツ情報取得手段と、前記コンテンツに対する対価を入力する対価入力手段と、前記広告の情報を取得する広告情報取得手段と、を備え、
前記情報処理部は、前記対価を受ける受金手段と、前記対価を送る送金手段と、前記コンテンツに前記対価を対応づけて記録する記録手段と、前記対価に基づいて前記コンテンツの広告条件を決定する広告条件決定手段と、
を備えていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、情報処理部は、前記対価を受ける受金手段と前記対価を送る送金手段とを備えていることにより、視聴者は投稿者のコンテンツに対して投げ銭を行うことができる。
こうすることで、前記視聴者が、前記投稿者のコンテンツに対して感動や共感を覚えた場合や、コンテンツが優れていると感じた場合には、当該コンテンツの投稿者に対して容易に金銭的支援を送ることが可能となっている。
【0012】
また、本発明によれば、情報処理部は対価に基づいてコンテンツの広告条件を決定する広告条件決定手段を備えており、コンテンツに対して対価の支払いが行われることで、そのコンテンツ広告の宣伝効果を向上させることが出来る。
こうすることで、前記視聴者の「お気に入りのアーティストを有名にしてあげたい」、「もっとみんなに聴いてもらいたい」という思いを、前記視聴者自身の行為が宣伝に寄与するという形で反映させることができる。
【0013】
本発明の好ましい形態では、前記広告条件決定手段は、コンテンツ広告の掲載位置が、このコンテンツに対する対価の情報に基づいて決定されることを特徴とする。
このように、広告掲載位置を対価の金額に基づいて決定することで、コンテンツが受けた対価の金額が多いほど、宣伝効果の高い位置に広告を掲載することが可能である。そのため、視聴者がコンテンツに対して対価を支払うほどコンテンツ広告の宣伝効果を向上させることができる。
【0014】
本発明の好ましい形態では、前記広告条件決定手段は、コンテンツ広告の掲載時間が、このコンテンツに対する対価の情報に基づいて決定されることを特徴とする。
このように、広告掲載時間を対価の金額に基づいて決定することで、コンテンツが受けた対価の金額が多いほど、長い時間広告を掲載することが可能である。そのため、視聴者がコンテンツに対して対価を支払うほどコンテンツ広告の宣伝効果を向上させることができる。
【0015】
本発明の好ましい形態では、前記広告条件決定手段は、コンテンツ広告の掲載面積が、このコンテンツに対する対価の情報に基づいて決定されることを特徴とする。
このように、広告掲載面積を対価の金額に基づいて決定することで、コンテンツが受けた対価の金額が多いほど、大面積の広告を掲載することが可能である。そのため、視聴者がコンテンツに対して対価を支払うほどコンテンツ広告の宣伝効果を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、楽曲などのコンテンツを配信するサービスを実現するコンテンツ配信システムにおいて、コンテンツの投稿者に対して投げ銭を行うことができる機能を提供し、さらに、その投げ銭に投じられた金額が宣伝効果を有するコンテンツ配信システムを提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について、
図1〜
図9を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るコンテンツ配信システムの構成を示す概念図である。このシステムは、コンテンツの投稿者が使用する各端末装置11と、コンテンツに対する情報処理を行う情報処理部Uと、コンテンツの視聴者が使用する各端末装置12と、がインターネットNを介して相互に通信可能に接続されている。
【0019】
前記情報処理部Uは、
図1に示すように、制御サーバ2と、決済サーバ3と、を備えている。この情報処理部Uは、
図2に示すように、投稿者が投稿したコンテンツを視聴者に提供する機能と、前記視聴者が前記コンテンツに対して支払われた対価や投げ銭(寄付)を受け付けて前記投稿者に送金する機能と、前記対価や投げ銭の金額データに基づいて前記コンテンツの広告掲載方法を決定する機能と、を備えている。
【0020】
前記制御サーバ2は、
図3に示すように、制御部21と、データベース22と、を備えている。前記制御部21は、会員情報登録手段211と、コンテンツ情報登録手段212と、決済情報送受信手段213と、決済情報登録手段214と、広告条件決定手段215と、を備えている。また、前記データベース22は、会員情報221と、コンテンツ情報222と、決済情報223と、が記録される。
【0021】
前記会員情報登録手段211は、投稿者や視聴者が使用する各端末装置11、12の入力手段を利用して入力された会員情報を受け付けて、データベース22に会員情報221として登録する機能を備えている。前記各端末装置11、12は、例えば、パソコン、携帯電話、携帯用情報端末、等のインターネットに接続可能な端末を指す。また、前記会員情報221は、例えば、名前、ニックネーム、アーティスト名、性別、生年月日、パスワード、Eメールアドレス、決済手段、等を指す。
【0022】
前記コンテンツ情報登録手段212は、各端末装置11を利用して送信されるコンテンツ情報を受け付けて、データベース22にコンテンツ情報222として登録する機能を備えている。このコンテンツ情報222は、例えば、楽曲、映像、画像、電子書籍、情報商材、コンサートのチケット、グッズ、等のコンテンツと、そのコンテンツに対して付加される情報である、投稿者名、詳細な説明文、ダウンロードを行うための金額、視聴者からのレビュー、等の情報を指す。
【0023】
前記決済情報送受信手段213は、コンテンツの視聴者から投稿者に支払われる対価や投げ銭によって決済処理が行われる場合に、視聴者の各端末装置12に入力された入力金額を受信して、その入力金額に応じた金額を前記決済サーバ3に送信する機能を備えている。このとき、視聴者から受信する入力金額と投稿者に送信する金額は、必ずしも一致させる必要はなく、受信した入力金額に基づいて送信する金額を決定してもよい。
【0024】
前記決済情報登録手段214は、コンテンツに対して支払われた対価や投げ銭の情報を、データベース22に決済情報223として登録する機能を備えている。このとき、コンテンツ情報222と決済情報223とは互いに関連付けて登録される。
【0025】
前記広告条件決定手段215は、コンテンツに関連付けられた決済情報223に基づいて広告掲載条件を決定する機能を備えている。データベース22に登録されている当該コンテンツに対応付けられた決済情報223を呼びだし、その決済情報223に対して所定の演算処理を施すことで、当該コンテンツの広告掲載位置(P)と、広告掲載時間(T)とが決定される。この決定された条件に基づいて、前記コンテンツの画像やテキスト、音声、動画等の広告がインターネットサイト内に掲載される。
【0026】
次に、投稿者がコンテンツを登録するまでの処理の流れと、視聴者が行うコンテンツに対して対価を支払うまでの処理の流れと、その対価情報を基に広告条件を決定する処理の流れと、をそれぞれの図面を参照して詳細に説明する。
【0027】
<コンテンツ登録の流れ>
図4は、投稿されるコンテンツが、コンテンツ情報222として登録されるまでの処理の流れを説明したフローチャートであり、特に、前記コンテンツの金額を設定する処理について詳しく示している。コンテンツ登録の流れを
図4のフローチャートに基づいて詳しく説明する。
【0028】
まず、コンテンツの投稿を希望する者が、各端末装置11からコンテンツの配信を行うインターネットサイトにアクセスし、会員登録を行う(ステップS11)。
その後、投稿するコンテンツと、そのコンテンツに対する説明文等を各端末装置11から入力する(ステップS12)。
【0029】
次に、前記コンテンツに対して任意の金額を設定する(ステップS13)。この時、設定する金額は0円でも良く、コンテンツの投稿者が自由に設定することができる。
その後、商用での使用についての金額を設定するか否かの選択を行う(ステップS14)。商用での金額を設定する場合には、ステップS13と同様に、コンテンツの投稿者が任意の金額で設定し(ステップS15)、ステップS13で設定した金額と共に、コンテンツに対応付けて記憶する(ステップS16)。
【0030】
一方で、商用での金額を設定しない場合には、商用での使用を禁止するか否かの選択を行う(ステップS18)。商用での使用を禁止する場合には、ステップS13で入力された金額情報と、商用での使用を禁止する旨と、をコンテンツに対応付けて記録する(ステップS19)。一方で、商用での使用を禁止しない場合には、ステップS13で設定した金額と、商用での使用を許可する旨と、をコンテンツに対応付けて記憶する(ステップS16)。
【0031】
以上のようにして、投稿するコンテンツに対して金額や使用用途の制限情報を設定する。この設定された情報は、データベース22にコンテンツ情報222として格納される(ステップS17)。このとき、コンテンツを投稿した会員情報221とコンテンツ情報222とは互いに関連付けられる。
以上をもってコンテンツ登録の処理が完了する。
【0032】
<決済処理の流れ>
次に、本実施形態に係るコンテンツ配信システムにおいて、視聴者がコンテンツに対して対価を支払うまでの決済処理の流れを、
図5に示したフローチャートに基づいて詳しく説明する。
【0033】
まず、視聴者が各端末装置12を利用して、コンテンツの配信を行うインターネットサイトにアクセスし、公開されたコンテンツの一部を視聴する(ステップS21)。このステップS21の視聴画面においては、データベース22に格納されたコンテンツ情報222が参照され、当該コンテンツに金額が設定されているか否か、商用での利用は許可されているか否か、等の情報を取得しコンテンツ視聴画面4(
図6参照)に反映される(ステップS22)。
【0034】
図6は、コンテンツに対して金額が設定されている場合のコンテンツ視聴画面4の説明図である。コンテンツ視聴画面4は、視聴しているコンテンツを表示するコンテンツ表示41と、コンテンツに設定された金額を表示する購入金額表示42と、このコンテンツを購入することができる購入ボタン43と、が設置されている。
【0035】
また、
図6のコンテンツ表示41に示されたコンテンツにおいては、商用での利用金額が設定されているため、視聴者が利用目的に応じて購入ボタン43a、43bを選択する。視聴者が個人使用のためのダウンロードを希望する場合には、購入ボタン43aを選択する。一方で、商用利用のためのダウンロードを希望する場合には、別途設置された商用利用版の購入ボタン43bを選択する。前記購入ボタン43a、43bが選択された場合には、
図7に示す購入金額入力画面5に移動する。なお、商用利用が許可されたコンテンツにおいては、購入金額表示42bと購入ボタン43bは表示しなくても良い。
【0036】
図7は、購入金額入力画面5の説明図である。この購入金額入力画面5では、
図6において選択した条件のコンテンツに対して支払う購入金額を入力する(ステップS23)。このとき視聴者は、視聴したコンテンツに対して感動や共感を覚えた場合や、コンテンツが優れていると感じた場合には、当該コンテンツに対して設定された金額以上の金額を、金額入力部51に入力することができる。
視聴者が、コンテンツに設定された金額以上の金額を入力し、決定ボタン52を選択することで決済処理が行われ(ステップS25)、当該コンテンツのダウンロードが開始される(ステップS26)。一方、視聴者が入力した金額が、投稿者が設定した金額に満たない場合には、コンテンツのダウンロードは開始されない(ステップS24)。
【0037】
前記決済処理(ステップS25)は、コンテンツに対する評価として、視聴者が入力した任意の金額データを、この視聴者の情報通信端末12から受信すると共に、入力金額に応じた金額を投稿者に課金することにより、投稿者に対する受金処理と、視聴者に対する送金処理とを同時に実行する。
【0038】
また、コンテンツに金額が設定されておらず、無償でダウンロードできる場合であっても、視聴者はコンテンツに対して投げ銭(寄付)を行うことができる(ステップS28)。この投げ銭を行う場合には、投げ銭入力箇所に任意の金額を入力し(ステップS29)、決済処理を行うことで(ステップS25)、投稿者に対して支援を行うことが可能である(図示せず)。
【0039】
以上のようにして、視聴者はコンテンツを取得することができ、かつ、そのコンテンツに対して対価を支払うことができる。そして、投稿されたコンテンツに対して支払われた対価は、決済情報223としてコンテンツ情報221に対応づけてデータベース22に格納される(ステップS27)。
以上をもって、コンテンツに対して支払われる対価の決済の処理が完了する。
【0040】
<広告方法決定手段>
最後に、本実施形態に係るコンテンツ配信システムにおいて、視聴者がコンテンツに支払った金額に応じて、前記コンテンツの広告掲載条件を決定する処理の流れを、
図6に示したフローチャートに基づいて詳細に説明する。
まず、データベース22から決済情報223を取得し、コンテンツに対して今まで支払われた合計金額である取得金額(X)を算出する(ステップS31)。
【0041】
次に、その取得金額(X)に基づいて、コンテンツの広告掲載位置(P)を決定する(ステップS32)。
広告掲載位置(P)を決定する具体例として、コンテンツの順位を指標にする方法がある。この方法では、複数のコンテンツの取得金額(X)を算出して順位付けを行い、上位20%までのコンテンツ広告を一番宣伝効果の高い広告掲載位置に、次の20〜50%までを二番目に宣伝効果の高い広告掲載位置に掲載する。このように、広告掲載位置(P)ごとに、取得金額(X)の順位に対する割合を設定することで広告掲載位置(P)を決定する方法がある。
【0042】
その他の広告掲載位置(P)を決定する具体例としては、コンテンツの金額を指標にする方法がある。例えば、コンテンツの取得金額(X)が、1000000円以上のコンテンツ広告を一番広告効果の高い広告掲載位置に掲載するといったように、広告掲載位置(P)ごとに下限金額を設定することで広告位置を決定する方法がある。
このように広告掲載位置(P)を決定することで、取得金額(X)が多いコンテンツ程、宣伝効果の高い広告掲載位置に掲載される。
【0043】
図7に、広告掲載位置(P1、P2、P3)が設けられたインターネットサイトの説明図を示す。この広告掲載位置(P)はインターネットサイトの上方に位置するほど、視聴者の目につきやすく宣伝効果が高い。そのため、それぞれの広告掲載位置の宣伝効果はP1>P2>P3となる。すなわち、投げ銭取得金額が多いコンテンツ程、宣伝効果の高い広告掲載位置(P1)に掲載されることとなる。
【0044】
次に、取得金額(X)に基づいて、コンテンツの広告掲載時間(T)を決定する(ステップS33)。
広告掲載時間(T)を決定する具体例として、コンテンツの取得金額(X)に対して、所定の単位時間をかけあわせることで、そのコンテンツの広告掲載時間(T)を算出し決定する方法がある。この方法では、取得金額(X)が多いコンテンツである程、長時間広告が掲載されるため、広告の宣伝効果を向上させることができる。
【0045】
最後に、以上のように決定した、コンテンツの広告掲載位置(P)と広告掲載時間(T)の条件で、インターネットサイト内で、コンテンツ広告の掲載を行う(ステップS34)。
以上をもって、コンテンツに対して広告条件を決定する処理が完了する。
【0046】
本実施形態によれば、視聴者の各端末装置12と制御サーバ2と決済サーバ3とがインターネットNを介して接続されていることで、視聴者はコンテンツへの対価の支払いや投げ銭を行うことができる。
このように、対価の支払いや投げ銭が行うことができるため、視聴者がコンテンツを視聴した際に、コンテンツに対して感動や共感を覚えた場合や、コンテンツが優れていると感じた場合には、当該コンテンツの投稿者に対して直接支援することが可能である。また、投稿者と視聴者それぞれに、任意の価格設定が行える機能が設けられているので、両者ともに納得のいく金額で決済処理を行うことができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、コンテンツに対して成された対価の支払いや投げ銭の決済情報223に基づいて広告掲載条件(P、T)が決定される。前述したように、コンテンツの取得金額(X)が多いほど、そのコンテンツ広告は、宣伝効果の高い位置に掲載され、より長い時間掲載される。そのため、取得金額が多いコンテンツ程インターネットサイト内で宣伝され、視聴者は広告に掲載されたコンテンツが多くの対価を受けていることを感覚的に知ることができる。
このように、コンテンツへの支払いや投げ銭に対して宣伝効果という付加価値を与えることで、視聴者がコンテンツの宣伝に寄与していることを実感することができる。そのため、「お気に入りのアーティストを有名にしてあげたい」、「もっとみんなに聴いてもらいたい」という視聴者の要望を実現することが可能である。
【0048】
また、本実施形態によれば、コンテンツの受けた対価や投げ銭の金額を、コンテンツ表示画面に掲載しても良い。
このように、コンテンツに対して成された投げ銭の金額情報を表示することで、視聴者がコンテンツを支援する動機を高めることができる。例えば、ある一定の期間内に行われるアーティスト対抗イベント等のランキング戦においては、複数のコンテンツの取得金額が表示されることで、視聴者が応援するコンテンツの順位を上げるための金額を知ることができる。
【0049】
(実施形態2)
図10〜11は、本発明に係るコンテンツ配信システムの実施形態2の広告宣伝方法の一例を示す説明図である。なお、同実施形態において、先の実施形態と基本的に同一の構成要素においては、同一符号を付してその説明を簡略化する。
この実施形態においては、コンテンツが受けた取得金額に応じて、広告掲載面積(A)が決定するところに特徴がある。
【0050】
<広告方法決定手段>
本実施形態に係るコンテンツ配信システムにおいて、視聴者が支払った対価や投げ銭の金額に応じて、前記コンテンツの広告掲載面積(A)を決定する処理の流れを、
図10に示したフローチャートに基づいて詳細に説明する。
まず、データベース22から決済情報223を取得し、コンテンツに対して今まで支払われた合計金額である取得金額(X)を算出する(ステップS51)。
【0051】
次に、その取得金額(X)に基づいて、コンテンツの広告掲載面積(A)を決定する(ステップS52)。
広告掲載面積(A)を決定する具体例として、複数のコンテンツからなる一群のコンテンツが受けた取得金額の総額(Xall)に対する、一群のコンテンツ内の一コンテンツが受けた取得金額(X)の割合によって決定する方法がある(X/Xall)。この方法では、コンテンツの受けた金額の量が、広告面積にそのまま反映される。
【0052】
図11は、各端末装置12の広告画面6において、コンテンツが受けた取得金額(X)を広告掲載面積(A)として反映した一例を示す説明図である。この例においては、一群のコンテンツの広告(C1〜C5)の中で、一番取得金額(X)の多いコンテンツ広告(C1)が大面積で掲載されている。
また、広告画面6に掲載される一群のコンテンツは、視聴者が任意の範囲を選択することで決定することができる。例えば、全てのコンテンツ、デビュー年度別、楽曲のジャンル別、週間投げ銭取得額、月間投げ銭取得額、等である。
【0053】
最後に、以上のように決定した、コンテンツの広告掲載面積(A)の条件で、インターネットサイト内でのコンテンツ広告の掲載を行う(ステップS53)。
以上をもって、コンテンツに対して広告方法を決定する処理が完了する。
【0054】
本実施形態によれば、コンテンツの取得金額(X)が多ければ多いほど、大面積で広告が表示される。そのため、視聴者は、応援したいアーティストに対価の支払いや投げ銭を行うことで、当該アーティストの広告掲載面積(A)を拡大させることができるため、アーティストの宣伝に貢献することができる。
【0055】
また、本実施形態によれば、コンテンツ広告の面積で取得金額(X)のおおよそが一目で認識できるため、人気のある質の高いコンテンツを容易に見分けることができる。そのため、本実施形態では、取得金額(X)の多いコンテンツほど、高い宣伝効果を発揮することができる。