(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイドパイプの内周面には、前記フランジと前記一端との当接に合わせて前記溝と嵌合するように、内方に膨出する膨出部が形成されていることを特徴とする請求項10に記載のオイルレベルゲージ装置。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態のオイルレベルゲージ装置の斜視図である。
【
図2】ガイドパイプの一端部の詳細を示し、(A)は一端側から見た斜視図であり、(B)は(A)に示されたA−A線における断面図である。
【
図3】オイルレベルゲージの基端部における詳細を示す斜視図である。
【
図4】第1装着過程を示し(A)は平面図、(B)は軸方向の部分断面図である。
【
図5】第2装着過程を示し(A)は平面図、(B)は軸方向の部分断面図である。
【
図6】第3装着過程を示し(A)は平面図、(B)は軸方向の部分断面図である。
【
図7】第4装着過程を示し(A)は平面図、(B)は軸方向の部分断面図である。
【
図8】第2実施形態のオイルレベルゲージ装置の側面図である。
【
図9】凸部と一端とが当接した状態における軸方向の部分断面図である。
【
図10】フランジと一端とが当接した状態を示す側面図である。
【
図11】第2実施形態のオイルレベルゲージ装置の変形例を示し、(A)は
図9のB−B線における断面図であり、(B)は(A)においてプラグを回転させた場合における断面図である。
【
図12】第3実施形態のオイルレベルゲージ装置の軸方向の部分断面図である。
【
図13】プラグとガイドパイプとの螺合状態を示す軸方向の部分断面図である。
【
図14】フランジと一端とが当接した状態を示す軸方向の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付された図面を参照して本発明を詳述する。
図1は、車両に適用されるオイルレベルゲージ装置の第1実施形態を示している。
オイルレベルゲージ装置10は、ガイドパイプ12及びオイルレベルゲージ14を備えてなる。
【0010】
ガイドパイプ12は、一端12Aが開口12Bを有し、他端が、開口12Bの下方において、エンジンや変速機のための潤滑・冷却用オイルを貯留するオイルパン等の貯留槽15に連通する、例えば、合成樹脂又は鋼などで形成される円管である。
【0011】
オイルレベルゲージ14は、ガイドパイプ12の一端部(一端12A側の端部)に装着されることにより、開口12Bを介した貯留槽15の内外間の通気を遮断するキャップ16と、キャップ16からガイドパイプ12内を貯留槽15に向けて延びる棒状又は板状の長手部材17と、を備えてなる。長手部材17の先端には、キャップ16がガイドパイプ12の一端部に装着された状態において、貯留槽15内のオイル高さをオイルの付着により示すゲージ部(図示省略)が備えられている。
【0012】
キャップ16には、指を入れるための把手(例えば、環状)、あるいは指を引っ掛けるための把手(例えば、T字状)を構成する把手部18が設けられている。把手部18は、オイルレベルゲージ14の長手部材17が、キャップ16を貫通して延長されたものを曲げ加工することにより形成されてもよい。
【0013】
なお、本明細書において、「下」とは、基準となるものに対し、ガイドパイプ12に沿って、貯留槽15に近い方・位置を意味し、「上」とは、同様に、貯留槽15から遠い方・位置を意味するものとする。
【0014】
キャップ16は、ガイドパイプ12の一端部における内周面12Cに嵌入するプラグ160と、プラグ160の上部にプラグ160と一体成形されて、ガイドパイプ12の一端面12Aに当接する板状のフランジ161と、を備えてなり、例えば、硬質ゴムなどの弾性体で形成されている。プラグ160は、フランジ161側が内周面12Cと密着する円柱体ないし円筒体として形成され、また、内周面12Cへの嵌入を容易にするため、ゲージ部に向かうにつれて縮径する円錐体ないし截頭円錐体として形成されているが、このような形状に限らず、内周面12Cに嵌入するものであればよい。
【0015】
図2は、ガイドパイプ12の一端部の詳細を示し、
図3は、キャップ16の詳細を示している。
ガイドパイプ12の一端部における内周面12Cには、プラグ160が嵌入してフランジ161が一端12Aと当接した状態のプラグ160の下端より下方から、一端12Aのうちフランジ161と当接する当接面まで延びる溝12Dが形成されている。溝12Dは複数形成されてもよい。これにより、プラグ160がガイドパイプ12の一端部における内周面12Cに嵌入し、かつ、フランジ161と一端12Aとが当接していない場合、プラグ160とガイドパイプ12との間に、開口12Bを介して貯留槽15の内外を連通する通気経路を形成する。なお、溝12Dに加えて、プラグ160において、プラグ160の下端からフランジ161まで延びる溝をさらに形成してもよい。
【0016】
フランジ161のうち、一端12Aと当接する当接面161Aには、フランジ161と一端12Aとの当接に合わせて溝12Dと嵌合する凸部161Bが形成されている。凸部161Bが溝12Dに嵌合することにより、一機能として、オイルレベルゲージ14とガイドパイプ12との間の相対回転を抑止する。また、フランジ161には、プラグ160の半径方向へ突出する突出部161Cが設けられている。
【0017】
ガイドパイプ12には、一端12Aから離間した離間部材120が、ガイドパイプ12から延びる支持部120Aにより支持される。凸部161Bの位置と溝12Dの位置とが平面視で一致した状態でオイルレベルゲージ14をガイドパイプ12に挿入する場合、離間部材120は、突出部161Cと干渉して、凸部161Bと溝12Dとの嵌合を阻止する。離間部材120は、凸部161Bと溝12Dとの嵌合を阻止することに加えて、プラグ160のガイドパイプ12への嵌入を阻止できる程度に、一端12Aから離間していてもよい。一方、凸部161Bの位置と溝12Dの位置とが平面視で一致していない状態でオイルレベルゲージ14をガイドパイプ12に挿入する場合、離間部材120は、突出部161Cと干渉せず、凸部161Bと一端12Aとの当接が可能となるように形成されている。
【0018】
また、離間部材120は、プラグ160がガイドパイプ12に嵌入し、かつ、凸部161Bが一端12Aに当接している場合、フランジ161の回転とともに移動する突出部161Cを、離間部材120の下面120Bと一端12Aとの間で案内するように形成される。また、離間部材120には、フランジ161の回転に伴い、離間部材120の下面120Bと一端12Aとの間で移動する突出部161Cが突き当たる突き当て部材120Cが設けられている。突き当て部材120Cは、突出部161Cが突き当て部材120Cに突き当たったときに凸部161Bの位置と溝12Dの位置が一致するように位置している。このような離間部材120の構成により、突出部161Cは、凸部161Bの位置と溝12Dの位置とが一致するまで案内される。
【0019】
離間部材120の下面120Bと一端12Aとの間の距離Yは、突出部161Cが移動できるような距離、例えば、一端12Aに凸部161Bが当接した状態の突出部161Cの上面から一端12Aまでの距離Dに設定される。あるいは、距離Yは、突出部161Cの移動を容易にする、下面120Bと突出部161Cとの間のクリアランスαを、距離Dに加えた距離に設定される。しかし、距離Yは、突出部161Cが突き当て部材120Cに突き当たった場合に突出部161Cの上面と対向する下面120Bの少なくとも一部において、距離Yが距離D未満、例えば、突出部161Cの上下間の厚さに設定されてもよい。ただし、距離Yは、突出部161Cが離間部材120と一端12Aとの間で案内されて移動したときに、離間部材120や凸部161Bなどに破損を生じさせないような距離である。このように距離Yを設定することで、離間部材120の下面120Bにより突出部161Cひいてはフランジ161の上面が押さえ付けられるので、車両の走行などによりオイルレベルゲージ装置10が振動しても、オイルレベルゲージ14は、ガタが抑制されてガイドパイプ12から抜け難くなる。
【0020】
また、離間部材120の下面120Bは、フランジ161の回転により、突出部161Cが、離間部材120の下面120Bと一端12Aとの間に容易に進入できるように傾斜している。例えば、距離Yが、突出部161Cの進入口において、距離Dよりも大きく、突出部161Cが移動するにつれて、距離Dに向かって徐々に減少するように設定される。
【0021】
なお、離間部材120に代えて、BNC(Bayonet Neil Concelman)コネクタと同様の構造を用いて突出部161Cを案内してもよい。すなわち、プラグ160がガイドパイプ12に嵌入した状態で、突出部161Cが、ガイドパイプ12から外方かつ軸方向に延びる円筒の内面に螺旋状に形成された溝、孔又は切り欠きと嵌合して、円筒の先端から一端12Aまで案内されるようにしてもよい。
【0022】
また、ガイドパイプ12の一端部がフランジ状に形成されている場合には、ガイドパイプ12に離間部材120を設ける代わりに、突出部161Cと同様の突出部を設けて、この突出部を、ガイドパイプ12に代えてフランジ161に設けた離間部材120により、凸部161Bと溝12Dとが嵌合するまで案内するようにしてもよい。
【0023】
要するに、ガイドパイプ12及びキャップ16は、ガイドパイプ12の一端部における内周面12Cにプラグ160が嵌入した状態で相対回転することにより、一端12Aとフランジ161との当接面に設けられた凸部と凹部とが嵌合して一端12Aとフランジ161とが当接するように形成されていればよい。
【0024】
図4〜
図7は、キャップ16をガイドパイプ12の一端部に装着するまでの過程を示している。
まず、第1の装着過程として、
図4に示すように、オイルレベルゲージ14のゲージ部(図示省略)を、開口12Bを介してガイドパイプ12内に挿入する。そして、オイルレベルゲージ14をガイドパイプ12に沿って下方に移動(下降)させた場合に、フランジ161の突出部161Cが離間部材120と干渉しない角度位置まで、キャップ16を回転させる(
図4(A)の矢印α方向)。
【0025】
次に、第2の装着過程として、
図5に示すように、プラグ160がガイドパイプ12の一端部における内周面12Cに嵌入するようにオイルレベルゲージ14を下降させる。さらに、第3の装着過程として、
図6に示すように、フランジ161の凸部161Bが一端12Aに当接するまで、オイルレベルゲージ14を下降させる。ここで、プラグ160とガイドパイプ12との間には溝12Dにより前述の通気経路が形成されるため、この通気経路を介して、プラグ160の嵌入により押し除けられるガイドパイプ12内の空気が大気中に排出される(
図5及び
図6における白抜き矢印)。
【0026】
次に、
図6の状態から、凸部161Bと溝12Dとの位置合わせを行って、フランジ161と一端12Aとを当接させるべく、把手部18などによりキャップ16を回転させる(
図6(A)の矢印β方向)。回転方向は、ガイドパイプ12(例えば、開口端面12C)又はオイルレベルゲージ14(例えば、フランジ161)において、打刻、印刷、成形などにより、又は回転方向が印刷されたシールの貼付により明示されていてもよい。キャップ16の回転により、突出部161Cは、離間部材120と一端12Aとの間に進入する。
【0027】
そして、第4の装着過程では、
図7に示すように、突出部161Cが突き当て部材120Cに突き当たった位置で、キャップ16を一端12Aに向けて押し付ける。なお、前述のように、突出部161Cが突き当て部材120Cに突き当たったときに突出部161Cの上面と対向する下面120Bの少なくとも一部において、距離Yをフランジ161の上下間の厚さと略同一に設定している場合には、突出部161Cが突き当て部材120Cに突き当たった位置で、キャップ16は離間部材120により一端12Aへ自動的に押し付けられる。以上により、凸部161Bと溝12Dとが嵌合するとともに、フランジ161と一端12Aとが当接して、キャップ16のガイドパイプ12への装着が完了し、また、オイルレベルゲージ14のガイドパイプ12に対する抜け止めのためのロックが完了する。前述の溝12Dにより形成される通気経路は、凸部161Bと溝12Dとの嵌合、さらにはフランジ161と一端12Aとの当接により閉塞されて、開口12Bを介した貯留槽15の内外間の通気が遮断される。貯留槽15内に貯留されるオイルの油量は、キャップ16が装着された状態で検出される(以下、同様である)。
【0028】
このようなオイルレベルゲージ装置10によれば、溝12Dにより形成される通気経路は、キャップ16のガイドパイプ12への装着が完了するのに合わせて、すなわち、プラグ160の嵌入が完了するのに合わせて閉塞される。したがって、プラグ160の嵌入により押し除けられる空気が外部に排出されやすくなり、ガイドパイプ12内の空気が圧縮されにくくなる。このため、貯留槽15内に貯留されるオイルの油面が押し下げられにくくなるので、オイルの油量を正確に検出することができる。
【0029】
また、オイルレベルゲージ装置10によれば、フランジ161の当接面161Aには、フランジ161と一端12Aとの当接に合わせて溝12Dと嵌合する凸部161Bが形成され、溝12Dと凸部161Bとの位置合わせを行わなければフランジ161と一端12Aとが当接しないように構成されている。したがって、プラグ160がガイドパイプ12の内周面12Cに勢いよく嵌入されて、プラグ160により押し除けられるガイドパイプ12内の空気が通気経路を介して十分排出されないうちに、通気経路を閉塞してしまう可能性が少なくなる。
【0030】
なお、本実施形態において、凸部161Bと溝12Dとの嵌合によりフランジ161と一端12Aとを当接させる構成としたが、一端12Aに溝12Dとは別の凹部を設けて、この凹部と凸部161Bとの嵌合によりフランジ161と一端12Aとを当接させてもよい。この場合、通気経路は、一端12Aとフランジ161との当接だけで閉塞される。また、一端12Aに凸部を設け、フランジ161に凹部を設けて、これらの凸部及び凹部が嵌合することにより一端12Aとフランジ161とが当接するように構成してもよい。
【0031】
図8は、第2実施形態のオイルレベルゲージ装置20を示している。なお、第1実施形態と同一構成については、同一符号を付すことでその説明を省略又は簡潔にする。
プラグ162は、下部が截頭逆円錐状に形成された2つの円柱を同軸に結合してなる、例えば、硬質ゴムなどの弾性体である。このような形状のプラグ162をガイドパイプ12に嵌入すると、オイルレベルゲージ14がガイドパイプ12から抜け難くなるという効果がある。
【0032】
また、プラグ162の外周面には、プラグ162の下端からフランジ161まで延びる溝162Aが形成されている。溝162Aは複数形成されてもよい。
ガイドパイプ12の一端12Aがフランジ161と当接する当接面には、フランジ161と一端12Aとの当接に合わせて、フランジ161の凸部161Bと嵌合する凹部12Eが形成されている。凹部12Eは、ガイドパイプ12の外周面から内周面にわたって切り欠いたものであってもよい。
【0033】
なお、本実施形態では、第1実施形態と異なり、離間部材120による突出部161Cの案内機構は設けていない。
図9は、オイルレベルゲージ14がガイドパイプ12に挿入されて、フランジ161の凸部161Bが一端12Aに当接するまでキャップ16を下降させた状態を示している。
【0034】
プラグ162がガイドパイプ12の一端部における内周面12Cに嵌入し、かつ、フランジ161と一端12Aとが当接していない場合、プラグ162とガイドパイプ12との間には、溝162Aにより、開口12Bを介して貯留槽15の内外を連通する通気経路が形成される。この通気経路を介して、プラグ162の嵌入により押し除けられるガイドパイプ12内の空気が大気中に排出される(
図9における白抜き矢印)。
【0035】
そして、凸部161Bが一端12Aに当接した状態で、キャップ16を回転させると、
図10に示すように、凸部161Bと凹部12Eとが嵌合して、フランジ161と一端12Aとが当接する。これにより、キャップ16のガイドパイプ12への装着が完了する。前述の溝162Aにより形成される通気経路は、フランジ161と一端12Aとの当接により閉塞されて、貯留槽15の内外間の通気が遮断される。
【0036】
第2実施形態のオイルレベルゲージ装置20によれば、溝162Aにより形成される通気経路は、プラグ162のガイドパイプ12への嵌入が完了するのに合わせて閉塞される。したがって、第1実施形態と同様に、プラグ162の嵌入により押し除けられる空気は、通気経路が閉塞するまでに外部に排出されやすくなり、ガイドパイプ12内の空気が圧縮されにくくなる。このため、貯留槽15内に貯留されるオイルの油面を押し下げにくくなるので、オイルの油量を正確に検出することができる。
【0037】
また、オイルレベルゲージ装置20によれば、凸部161Bと凹部12Eとの位置合わせを行わなければフランジ161と一端12Aとが当接しないように構成されている。このため、オイルレベルゲージ14をガイドパイプ12に挿入する際に、キャップ16を一端12Aに向けて下降させた場合、通気経路が直ちに閉塞される確率は、第1実施形態ほどではないが、凸部161B及び凹部12Eを設けない場合よりも低くなる。したがって、第1実施形態における離間部材120を設けない簡易な構成であっても、プラグ162が勢いよくガイドパイプ12に嵌入されることにより、プラグ162により押し除けられるガイドパイプ12内の空気が通気経路を介して十分排出されないうちに、通気経路を閉塞してしまう可能性は少なくなる。
【0038】
なお、第2実施形態において、フランジ161と一端12Aとが当接している場合には、
図11(B)に示すようにガイドパイプ12の内周面に内方に膨出する膨出部12Fを形成して、溝162Aと嵌合させてもよい。これにより、オイルレベルゲージ14とガイドパイプ12との間の相対回転を抑止する効果が促進されるとともに、キャップ16の装着によるシール性を向上させることも可能である。フランジ161と一端12Aとが当接していない場合には、
図11(A)に示すように、プラグ162は膨出部12Fより押圧され弾性変形し、膨出部12F付近において、プラグ162とガイドパイプ12との間には隙間が生じる。この隙間を通気経路として用いることにより、プラグ162により押し除けられるガイドパイプ12内の空気をより速やかに外部に排出することができる。
【0039】
また、第2実施形態において、一端12Aに凸部を設け、フランジ161に凹部を設けて、これらの凸部及び凹部が嵌合することにより一端12Aとフランジ161とが当接するように構成してもよい。
【0040】
図12は、第3実施形態のオイルレベルゲージ装置30を示している。なお、第1の実施形態と同一構成については、同一符号を付すことでその説明を省略又は簡潔にする。
ガイドパイプ12及びプラグ163は、プラグ163がガイドパイプ12の一端部における内周面12Cに螺合して嵌入されるように形成されている。
【0041】
また、プラグ163とガイドパイプ12の一端部における内周面12Cとが螺合する螺合部のうち、プラグ163の外周面には、螺合方向へ全長にわたって延びる溝163Aが形成されている。溝163Aは複数形成してもよく、また、溝163Aは、プラグ163とガイドパイプ12との螺合精度が高い場合、通気経路を確保すべく、螺合部の谷より深く形成されていてもよい。さらに、溝163Aに代えて、あるいは、溝163Aに加えて、螺合部のうち内周面12Cに螺合方向へ全長にわたって延びる溝を形成してもよい。
【0042】
なお、本実施形態では、第1実施形態と異なり、離間部材120による突出部161Cの案内機構、及び凸部161Bは設けない。
図13は、プラグ163とガイドパイプ12とが螺合した状態を示している。
【0043】
把手部18を用いてキャップ16を回転させると、プラグ163が徐々にガイドパイプ12の内部へ嵌入していく。フランジ161と一端12Aとが当接していない場合、ガイドパイプ12とプラグ163との間には、溝163Aにより、開口12Bを介して貯留槽15の内外を連通する通気経路が形成される。この通気経路により、プラグ163の嵌入により押し除けられるガイドパイプ12内の空気が大気中に排出される(
図13における白抜き矢印)。
【0044】
そして、キャップ16をさらに回転させると、
図14に示すように、フランジ161と一端12Aとが当接する。これにより、キャップ16のガイドパイプ12への装着が完了する。溝163Aにより形成される通気経路は、フランジ161と一端12Aとの当接により閉塞されて、貯留槽15の内外間の通気が遮断される。
【0045】
第3実施形態のオイルレベルゲージ装置30によれば、溝163Aにより形成される通気経路は、プラグ163のガイドパイプ12への嵌入が完了するのに合わせて閉塞される。したがって、第1実施形態と同様に、プラグ163の嵌入により押し除けられる空気は、通気経路が閉塞するまでに外部に排出されやすくなり、ガイドパイプ12内の空気が圧縮されにくくなる。このため、貯留槽15内に貯留されるオイルの油面を押し下げにくくなるので、オイルの油量を正確に検出することができる。
【0046】
また、オイルレベルゲージ装置30によれば、プラグ163はガイドパイプ12に螺合して嵌入するので、プラグ163が勢いよくガイドパイプ12に嵌入されることは考えにくい。したがって、プラグ163により押し除けられるガイドパイプ12内の空気が通気経路を介して十分排出されないうちに、通気経路が閉塞されてしまうおそれがない。
【0047】
前述の第1実施形態及び第2実施形態において、オイルレベルゲージ装置10及び20に、プラグ160の嵌入により押し除けられる空気を、単に通気経路を介して外部に排出させる機能だけをもたせたい等、キャップ16をガイドパイプ12に対して相対回転させる必要がない場合には、ガイドパイプ12は円管でなく角筒状に形成されているものでもよい。
【0048】
また、第1実施形態において、ガイドパイプ12には、溝12Dを設けず、プラグ160の外周面に第2実施形態の溝162Aと同様、プラグ160の下端からフランジ161まで延びる溝が形成されてもよい。この場合、一端12Aには、凸部161Bと嵌合する凹部が形成され、凹部は、突出部161Cが離間部材120と一端12Aとの間で案内されて、突き当て部材120Cに突き当たったときに、凸部161Bの位置と一致するように位置する。このように構成しても、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0049】
さらに、本明細書における各実施形態の構成は、矛盾がない限りにおいて、適宜組み合わせ可能である。
なお、2012年12月19日に出願された日本国特許出願第2012−277470号に基づく優先権の主張により、その内容は全て参照により本明細書に組み込まれる。
【0050】
また、選択した実施形態は、本発明を図示・説明するために選択されたものにすぎないことに加え、添付の特許請求の範囲に定義されたように本発明の範囲から離れることなく、様々な変更及び修正が可能であることは、当業者にとれば、本開示から明白である。
【0051】
さらに、本発明による実施形態の前述の説明は例示のためにのみ提供され、本発明(添付した特許請求の範囲で請求されるような発明やそれらと均等な発明)を限定するためのものではない。