(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1基本レールのレール幅方向の外側には、前記第1基本レール上に乗り上げた脱線車輪を落下させるとともに、該脱線車輪を前記第1基本レールの長さ方向に沿って誘導する案内凹溝が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置。
前記分岐器の手前の位置には、前記第1基本レール及び前記第2基本レールに沿ってそれぞれの両側に配置され、且つ前記分岐器の配置方向側に向けて上面が上方に傾斜するように設けられて、脱線した車輪がその上面に案内されるスロープ板が設けられ、
前記第1基本レールの内側の前記スロープ板は、分岐器側の上面が前記第1隙間に連設していることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置。
前記第1基本レールには、前記第1トングレール側に向けて突出し、前記第1トングレールから受ける横方向からの押圧力に対して抵抗するとともに、車輪にかかる車重によって下方向に座屈する止め金具が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の衝突転倒防止装置では、以下のような問題があった。
すなわち、地震発生時などに分岐器であるポイントの直前で脱線した場合には、凹状に形成された案内部材がレール頭部に嵌合していたとしても、脱線した車輪が該車輪の直進方向に対して交差した位置関係にある分岐器のレール(リードレールやトングレール)が障害となって衝突し、さらにレールに乗り上げてしまい、車両全体が軌道から大きく逸脱するか、若しくは転倒するおそれがあった。そのため、このような事象を対処するための構造を分岐器に設置することが求められており、その点で改良の余地があった。
【0005】
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、脱線した車輪を分岐器内で直線側に誘導することで、分岐器内で車両が軌道を大きく逸脱するのを防止することができる分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置
は、直線方向に延びるメインレールと、このメインレールに交差する分岐レールとを備えた分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置であって、前記分岐レールが交差しない直線方向側の第1トングレールと第1基本レールとの間の第1隙間の離間寸法が前記脱線車両の車輪幅よりも大きくなるように設定され、交差方向側の第2トングレールと第2基本レールとの間の第2隙間の離間寸法が前記車輪幅よりも小さくなるように設定され、交差方向側のメインレールの外側及び内側には、それらレール頭部とほぼ同じ高さの路面板がレール長さ方向に沿って配設され、該路面板は、床板上に前記長さ方向に沿って間隔をあけて配置される複数の台座上に着脱可能に固定され、前記路面板は、頭部の幅寸法が大きくされた路面板用トングレールであって、該路面板用トングレールの底部と前記台座とがレールクリップによって係止されていることを特徴としている。
また、本発明に係る分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置は、直線方向に延びるメインレールと、このメインレールに交差する分岐レールとを備えた分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置であって、前記分岐レールが交差しない直線方向側の第1トングレールと第1基本レールとの間の第1隙間の離間寸法が前記脱線車両の車輪幅よりも大きくなるように設定され、交差方向側の第2トングレールと第2基本レールとの間の第2隙間の離間寸法が前記車輪幅よりも小さくなるように設定され、交差方向側のメインレールの外側及び内側には、それらレール頭部とほぼ同じ高さの路面板がレール長さ方向に沿って配設され、該路面板は、床板上に前記長さ方向に沿って間隔をあけて配置される複数の台座上に着脱可能に固定され、前記路面板は、頭部の幅寸法が大きくされた路面板用トングレールであって、該路面板用トングレールの底部と前記台座とがレールクリップに固定される座金によって係止されていることを特徴としている。
【0007】
本発明では、地震時に分岐器、あるいは分岐器の手前で交差方向側に車両が脱線した場合(例えば左片開き分岐器で左側脱線の場合)に、直線方向側の車輪が直線側の第1トングレールと第1基本レールとの間の車輪幅より大きな第1隙間に落下し、その第1隙間に沿って脱落車輪が案内されて走行する。つまり、前記第1隙間が第1基本レールに沿って設けられているので、第1隙間内に落下している脱線車輪を第1基本レール(メインレール)に沿って直進させることができ、車輪が直線側の軌道から大きく逸脱するのを防止することができる。
一方、交差方向側とは反対側に車両が脱線した場合(例えば左片開き分岐器で右側脱線の場合)には、交差方向側の第2トングレールと第2基本レールとの間の車輪幅より小さな第2隙間に交差方向側の車輪が落下することがないことから、その車輪が分岐レールに沿って交差方向に走行するのを防ぐことができる。そのため、脱線した車輪をメインレールに沿って直進させることができ、車輪が直線側の軌道から大きく逸脱するのを防止することができる。
【0009】
本発明では、脱線時における車両の交差方向側の車輪についても、分岐器を構成する各種レールに関係なく、直線方向側のメインレールに沿って車両を直進させることができる。つまり、車両が交差方向側に脱線した場合には、交差方向側の車輪がメインレールの外側の路面板上に乗り上げられ、メインレールに沿って直進させることができる。また、車両が交差方向側とは反対側に脱線した場合には、交差方向側の車輪がメインレールの内側の路面板上に乗り上げられ、メインレールに沿って直進させることができる。
そして、路面板は、長さ方向に沿って間隔をあけて配置された複数の台座上に設けられているので、隣接する台座同士の間には、台座の外側からレールに連通する隙間が設けられ、この隙間を利用して通常時のレールの点検を行うことができ、さらにこの隙間を利用して例えば融雪器等の付加機器を設置することが可能となる。
また、路面板が台座に対して着脱可能に設けられているので、路面板の取り外しを簡単に行うことができ、レールのメンテナンスが容易になる利点がある。
【0012】
この場合、コンクリート製の部材から製造される路面板を設置することができないような幅の狭い箇所であっても、トングレール用材料を用いて頭部の幅寸法を大きくして路面板とすることが可能となる。そして、鋼製のトングレール用材料を用いることで、厚さ寸法を薄くすることができ、しかも高い強度を確保することができる。
また、レールクリップで台座と路面板用トングレールの底部とを直接固定するので、部品点数の削減することが可能となり、例えば路面板を取り外してレールの点検を行う場合において、メンテナンスが容易になるとともに、レールの交換もし易くなるという利点がある。
【0013】
また、レールクリップに固定される座金によって台座と路面板用トングレールの底部及び腹部を直接固定するので、レールクリップのみで固定する場合、すなわち底部のみを押さえる場合に比べて、いわゆる「子返り現象」(路面板用トングレールが横倒しになる現象)を防止することができ、締結力を確保することができる。さらに、レールクリップと同様に部品点数の削減することが可能となり、例えば路面板を取り外してレールの点検を行う場合において、メンテナンスが容易になるとともに、レールの交換もし易くなるという利点がある。
さらにまた、レールクリップと座金とを配列される台座に対して交互に設けることも可能である。
【0016】
また、本発明に係る分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置では、第1基本レールのレール幅方向の外側には、第1基本レール上に乗り上げた脱線車輪を落下させるとともに、脱線車輪を第1基本レールの長さ方向に沿って誘導する案内凹溝が設けられていることが好ましい。
【0017】
本発明では、交差方向側とは反対側に車両が脱線した場合において、レール幅方向で外側に移動した直線方向側の車輪が案内凹溝内に落下し、その案内凹溝に脱落車輪が案内されて第1基本レールに沿って直進させることができる。
【0018】
また、本発明に係る分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置では、案内凹溝には、第1基本レール側の上縁端から第1基本レールの頭部へ向けて延びる乗上げ部が設けられていることが好ましい。
【0019】
本発明では、交差方向側とは反対側に車両が脱線した場合において、レール幅方向で外側に移動した直線方向側の車輪を乗上げ部を介して案内凹溝に落下させることができる。この場合、第1基本レールと案内凹溝との間に所定の間隔をもたせることができ、且つ第1基本レールの外側に脱線した車輪をスムーズに案内凹溝内に落下させることが可能である。
【0020】
また、本発明に係る分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置では、車両には、直線方向側の車輪の外側の位置において、下方に向けて延びるガイド部材が支持され、第1基本レールの頭部内側面と、案内凹溝の第1基本レール側の内側面との離間寸法は、案内凹溝内にガイド部材が進入した状態で、ガイド部材と車輪の外側の側面との離間寸法よりも小さいことが好ましい。
【0021】
本発明では、交差方向側に車両が脱線したときの直線側の車輪が前記第1隙間に落下した場合、車両の直線方向側の車輪の外側に設けられているガイド部材が案内凹溝内に進入する。つまり、ガイド部材が案内凹溝によってレール幅方向への移動が規制されるので、第1隙間に沿って案内されて走行する車輪がさらにその第1隙間から交差方向側に向けて抜け出すのを防ぐことができ、車輪が直線側の軌道から大きく逸脱するのを防止することができる。
【0022】
また、本発明に係る分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置では、分岐器の手前の位置には、第1基本レール及び第2基本レールに沿ってそれぞれの両側に配置され、且つ分岐器の配置方向側に向けて上面が上方に傾斜するように設けられて、脱線した車輪がその上面に案内されるスロープ板が設けられ、第1基本レールの内側のスロープ板は、分岐器側の上面が第1隙間に連設していることが好ましい。
【0023】
この場合、分岐器の手前で脱線した車輪をスロープ板に沿ってこう上させることができる。第1基本レールの内側のスロープ板を、第1基本レールと第1トングレールとの間の第1隙間に連設させることで、脱線車輪を前記直線側の第1隙間に誘導するための横誘導機能をもたせることができる。
【0024】
また、本発明に係る分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置では、第1基本レールの両側のスロープ板には、それぞれ逸脱防止用ガイドレールが設けられていることが好ましい。
【0025】
本発明では、直線側の第1基本レールの両側のスロープ板のそれぞれには逸脱防止用ガイドレールが設けられ、第1基本レールの両側のスロープ板を走行する直線側の脱落車輪が逸脱防止用ガイドレールに沿って誘導されるので、レール幅方向に外れることが防止することができる。
【0026】
また、本発明に係る分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置では、第1基本レールには、第1トングレール側に向けて突出し、第1トングレールから受ける横方向からの押圧力に対して抵抗するとともに、車輪にかかる車重によって下方向に座屈する止め金具が設けられていることが好ましい。
【0027】
この場合、通常時において、第1トングレール上を通過する車輪の横方向からの押圧力に対して止め金具がその軸力で抵抗し、その押圧力を第1基本レール側に逃すことができる。そして、交差方向側に車両が脱線し、第1基本レールと第1トングレールとの間の第1隙間に直線側の車輪が走行する場合において、その脱線車輪の重量によって止め金具が下方向に座屈する。そのため、止め金具が前記第1隙間を通過する脱線車輪の走行の妨げになることがなく、脱線車輪を第1基本レールに沿って直進させることができる。
【0028】
また、本発明に係る分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置では、止め金具は、第1基本レールの腹部にボルト締結され、第1トングレールに対向する側の側面に凹部が形成された受け板と、凹部に嵌合した状態で受け板の側面に直交する方向に向けて突出する突起部材と、を備え、受け板と突起部材とが部分的に溶接されていることが好ましい。
【0029】
本発明では、第1トングレールから受ける前記押圧力に対しては突起部材の軸力によって対応する。そして、突起部材が第1基本レールの腹部に固定されている受け板に対して部分的に溶接されただけの接合構造であるので、脱線車輪の重量によって突起部材を受け板との溶接部で容易に破断させて下方向に座屈させることができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置によれば、脱線した車輪を分岐器内で直線側に誘導することで、分岐器内で車両が軌道を大きく逸脱するのを防止することができるため、脱線した車両の対向車線へのはみ出しを確実に防止することができる効果を奏する。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明による分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
【0033】
図1及び
図2に示すように、本実施の形態による逸脱防止装置1は、例えば300km/hの高速で通過する新幹線の軌道を対象とし、大規模地震時に車両が左片開き分岐器(以下、単に分岐器Sという)で脱線した場合において、分岐器Sで直進させて直線側から車輪が逸脱するのを防止するためのものである。
なお、分岐器Sとして、左片開き分岐器を採用しているが、右片開き分岐器についても以下に説明する構成を適用することができる。
【0034】
ここで、以下の説明において、分岐器S付近のレールの直線部分をメインレール1Aとし、このメインレール1Aに対して進行方向で斜め左に向けて交差している部分を分岐レール1Bとする。また、メインレール1Aの延在する直線方向をレール長さ方向Xとし、メインレール1A、及び分岐レール1Bのそれぞれのレール幅方向Yにおいて、レールセンタ側を内側、その反対方向を外側として、以下統一して用いる。
【0035】
逸脱防止装置1は、メインレール1Aと分岐レール1Bとが交差する交差部を含む分岐器Sを備えた分岐区間Bと、分岐区間Bよりも進行方向手前に配置されるスロープ区間Tとを有している。
【0036】
図1及び
図2の逸脱防止装置1において、符号R1は基本レール、符号R2はトングレール、符号R3はリードレール、符号R4はウィングレール、をそれぞれ示している。そして、基本レールR1、トングレールR2、リードレールR3、ウィングレールR4のそれぞれにおいて、右側(交差方向側とは反対側の直線方向側)に位置するレールには「符号a」を付し、左側(交差方向側)に位置するレールには「符号b」を付す。なお、
図3及び
図4に示す車輪Wにおいも、必要に応じて右側車輪を符号Waとし、左側車輪を符号Wbとして区別して用いる。
【0037】
分岐区間Bでは、左側のメインレール1A(図では、左側基本レールR1b、左側トングレールR2b、左側リードレールR3b、右側ウィングレールR4a)の両側に路面板2が設けられている。この路面板2は、その上面が水平に、且つメインレール1Aの頭部とほぼ同じ高さに設けられているものであって、脱線時にスロープ区間Tを通過した左側車輪Wbが路面板2に乗り上げて走行する。
また、分岐区間Bには、右側のメインレール1A(右側基本レールR1a)に沿って逸脱防止ガイド3が設けられている。この逸脱防止ガイド3は、右側基本レールR1aの外側で、且つ右側基本レールR1aに沿い部分的に配置されるものであって、後述する案内凹溝31に右側車輪Wa、或いは車両10のL型ガイド11(ガイド部材)が案内されることにより、車輪W(Wa、Wb)が軌道から大きく逸脱することを防止するものである。
【0038】
スロープ区間Tでは、分岐区間Bの直前で左右の基本レールR1a、R1bのそれぞれを挟むようにしてスロープ板4が設けられている。スロープ板4は、
図2に示すように、車輪Wが走行する上面が分岐器Sの配置方向(レール長さ方向Xで前進方向)に向けて上方に傾斜するように設けられている。
【0039】
トングレールR2は、右側トングレールR2a(第1トングレール)と左側トングレールR2b(第2トングレール)とからなり、新幹線で用いられる12番分岐器、16番分岐器、及び18番分岐器用のそれぞれに採用することが可能とされる。
【0040】
図3乃至
図6に示すように、右側トングレールR2aは、右側基本レールR1a(第1基本レール)との間(これを右側隙間Haという)の第1離間寸法D1が脱線車両の車輪幅よりも大きくなるように設定され、例えば140mm(新幹線車両の車輪幅(125mm)以上)に設定されている。これにより、左側脱線時の右側車輪Waを右側隙間Haに積極的に落下させることができ、この右側隙間Haに沿って(案内されて)右側車輪Waを通過させることが可能となっている。
つまり、左側脱線した右側車輪Waは、右側トングレールR2aを乗り越えて床板5上に落ちるのを防ぐことができ、右側トングレールR2aよりもさらに左側へ向けて車両10が逸脱するのを防ぐことができる。
【0041】
また、
図3、
図4、
図7及び
図8に示すように、左側トングレールR2bは、左側基本レールR1b(第2基本レール)との間(これを左側隙間Hbという)の第2離間寸法D2が脱線車両の車輪幅よりも小さくなるように設定され、例えば75mm〜85mmに設定されている。第2離間寸法D2で85mmに設定した根拠は、規定されている上限75mmに余裕10mmを加えた寸法に設定したものである。つまり、この左側隙間Hbの第2離間寸法D2は、車輪幅(120mm)より小さいので、
図4に示す右側脱線時の左側車輪Wbが左側隙間Hbに落下することがない構成となっている。このように第2離間寸法D2を狭くすることにより、右側脱線時の左側車輪Wbが左側隙間Hbに落下せずに、左側トングレールR2bの内側に設けられる路面板2上に乗り上げた状態となる。
【0042】
次に、右側基本レールR1aに設けられる止め金具6の構成について、図面に基づいて詳細に説明する。
図9に示すように、右側に延在する右側基本レールR1aには、その腹部の内側面1aにレール長さ方向Xに沿って所定間隔をあけて複数の止め金具6、6、…が固定されている。これら止め金具6は、右側基本レールR1aにおける右側トングレールR2aに沿う範囲(右側トングレールR2aに対向する範囲)に配置され、腹部の内側面1aからレール長さ方向Xに対して直交する水平方向に突出し、車両の走行方向に向かうに従って漸次その突出長が長くなるように配置されている。つまり、右側トングレールR2aと右側基本レールR1aとの離間寸法に合わせて、その離間が広くなるに従って突出長が大きくなっている。
【0043】
止め金具6は、
図10乃至
図12に示すように、右側基本レールR1aの腹部(内側面1a)にボルト(図示省略)により締結され、右側トングレールR1aに対向する側の側面62aに凹部62bが形成された受け板62と、凹部61bに嵌合した状態で受け板62の側面62aに直交する方向に向けて突出する突起部材63とを備え、受け板62と突起部材63とが部分的に溶接されて固定された構成となっている。凹部62bは、受け板62の長さ方向中央に上下方向に延びる形状をなしている。突起部材63は、基端側に凹部62bに嵌合可能な凸部63aを有し、中間部分から先端部に向かって漸次幅寸法が小さくなっている。
ここで、
図10〜
図12に示す符号gは、受け板62と突起部材63とを接合する溶接部を示している。
【0044】
この止め金具6の突起部材63は、
図13に示すように、右側トングレールR1aから受ける横方向からの押圧力F1に対しては軸力によって抵抗し、右側隙間Haを通過する左側脱線時の右側車輪Waにかかる車重F2に対しては下方向に座屈するように構成されている。つまり、溶接部gが部分的であるので、上方からの荷重に対しては容易に突起部材63の基端の溶接部gが破壊されるようになっている。
【0045】
次に、路面板2の具体的な構成について、図面に基づいて詳細に説明する。
図14に示すように、本逸脱防止装置1に用いられる路面板2は、分岐区間Bにおいて、左側メインレール1Abの外側でレール長さ方向Xに沿って延在する外側路面板2Aと、左側メインレール1Abの内側でレール長さ方向Xに沿って延在する内側路面板2Bと、フランジウェイ部分に設けられる狭隘部路面板2Cと、からなる。
これら、外側路面板2A、内側路面板2B、及び狭隘部路面板2Cの板面高さは、左側メインレール1Abのレール頭部とほぼ同じ高さに位置している。そして、
図14及び
図15に示すように、外側路面板2A及び内側路面板2Bは、それぞれ床板5上に長さ方向Xに沿って間隔をあけて配置される外側台座20、内側台座21(
図19参照)上に着脱可能に固定されている。
【0046】
図16及び
図17に示すように、外側路面板2A(路面板用トングレール)は、トングレール用材料(例えば、NE70Sレール)を用い、頭部2bの幅寸法を大きくした形状に形成されたものであり、その底部2aと外側台座20とがレールクリップ22(
図16)によって係止され、または底部2aと外側台座20とがレールクリップ22によって固定される座金23(
図17)によって係止されている。そして、レールクリップ22による固定と、座金23による固定とが、レール長さ方向Xに配列される外側台座20に対して交互に配置されている。
図18に示すように、外側路面板2Aの内側端面は、外側台座20上に固定された係止凸部20bに当接し、これによりレール幅方向Yに位置決めされている。
【0047】
このように座金23とレールクリップ22による固定を交互に配置することで、レールクリップ22のみで固定する場合、すなわち底板のみを押さえる場合に比べて、いわゆる「子返り現象」(外側路面板2Aが倒れる現象)を防止することができ、締結力を確保することができる。
そして、外側台座20が間隔をもって配置されるので、その外側台座20、20間同士の隙間を利用して、例えば融雪器等の付加機器を設置することが容易になる利点がある。
【0048】
内側路面板2Bは、
図19に示すように、薄さと強度を有する超高強度繊維補強コンクリート(ダクタイルコンクリート)から形成され、左側トングレールR2bに対して車輪Wが脱落しない間隔をもって配置され、レール長さ方向Xに間隔をもって床板5に固定されている複数の内側台座21、21、…に対して
図20に示す通しボルト26で固定されている。
【0049】
図20及び
図21に示すように、内側台座21は、外側上部が張り出した段部21aを有し、その段部21aを左側トングレールR2bが載置され左側基本レールR1bの底部を押さえ付ける支持板24の内側部分に係止させた状態で床板5に固定されている。内側台座21には、上下方向に貫通する一対の挿通孔21bが形成されている。なお、床板5には、固定位置にある内側台座21の挿通孔21bと同軸線上に雌ねじ孔(図示省略)が設けられている。
そして、内側路面板2Bには、上下方向に貫通する挿通孔2aが設けられ、その挿通孔2aの上端部にはナット25Bを収容するナット収容部2bが形成されている。
【0050】
内側路面板2Bは、床板5の前記雌ねじ孔に螺合された通しボルト26に内側台座21を挿通孔21bにより貫通させ、この通しボルト26に第1ナット25Aを締め付ける。複数の内側台座21のみを先に床板5に取り付けておき、さらに第1ナット25Aの上側部分の通しボルト26に対して内側路面板2Bをその挿通孔2aにより貫通させ、ナット収容部2b内で通しボルト26に第2ナット25Bを締め付けて、内側路面板2Bが複数の内側台座21、21、…上に固定されることになる。
【0051】
図22及び
図23に示すように、狭隘部路面板2Cは、左側基本レールR1bと左側トングレールR2b(左側メインレール1Ab)との間の狭隘部(フランジウェイ)に配置され、鋼材の座金構造により構成されている。この狭隘部路面板2Cは、内側面及び外側側面に雌ねじ孔2cが設けられており、左側基本レールR1b及び左側トングレールR2bに対してボルト27で固定されている。このように、鋼材により構成することにより、狭隘部の形状と強度を両立することができる。
【0052】
また、
図14及び
図24に示すように、クロッシング部の路面板(クロッシング部用路面板2D)は、左側メインレール1Ab(右側ウィングレールR4a)の頭部をレール幅方向Yで外側(
図24で紙面左側)に延出させて頭部幅寸法を大きくした形状となっている。つまり、クロッシング部を幅広に伸ばした形状とすることで、路面板2Dを構成している。
【0053】
次に、右側基本レールR1aの外側に設けられる逸脱防止ガイド3の構成について、図面に基づいて詳細に説明する。
図25及び
図26に示すように、右側基本レールR1aのレール幅方向Yで外側には、右側基本レールR1a上に乗り上げた右側車輪Waを落下させるとともに、この右側車輪Waを右側基本レールR1aのレール長さ方向Xに沿って誘導する案内凹溝31を構成した逸脱防止ガイド3が設けられている。
【0054】
ここで、車両10には、右側車輪Waのレール幅方向Yの外側の位置で、下方に向けて延びていて幅方向Yの移動を規制するL型ガイド11(ガイド部材)が支持されている。このL型ガイド11は、例えば正面視でL字状に配置され、案内凹溝31内に進入される箇所は軌道面に対して直立するように配置されている。
【0055】
逸脱防止ガイド3は、前記案内凹溝31を有し、その溝開口を上側に向けた逆ハット形状の鋼材から形成され、床板5上に固定されている。逸脱防止ガイド3には、案内凹溝31の内側上縁端31aから右側基本レールR1aの頭部に対して近接する位置へ向けて延びる乗上げ部32が設けられ、外側上縁端31bから外側に向けて水平方向に張り出すガイド係止部33が設けられている。
【0056】
右側基本レールR1aの頭部内側面と、案内凹溝31の内側面31c(右側基本レールR1a側の内側面)との離間寸法d1は、案内凹溝31内にL型ガイド11が進入した状態で、L型ガイド11と右側車輪Waの右側面との離間寸法d2よりも小さくなるように設定されている。また、ガイド係止部33のレール幅方向Yの寸法d3も、L型ガイド11と右側車輪Waの右側面と離間寸法d2よりも僅かに小さくなるように設定されている。
【0057】
そして、L型ガイド11の上下方向の長さ寸法、すなわちガイド下端11aの位置は、
図26に示すように右側車輪Waが左側脱線し、右側隙間Haに落下した状態で、案内凹溝31の内側上端縁31aよりも低くなるように設定されている。つまり、L型ガイド11が案内凹溝31内に進入した状態において、そのL型ガイド11が案内凹溝31によってレール幅方向Yの移動が規制されることになる。
【0058】
乗上げ部32を設けることで、
図25に示す右側脱線した場合において、レール幅方向Yで外側に移動した右側車輪Waを乗上げ部32を介して案内凹溝31に落下させることができる。つまり、乗上げ部32によって右側基本レールR1aと案内凹溝31との間に所定の間隔をもたせることができ、且つ右側基本レールR1aの外側に脱線した右側車輪Waをスムーズに案内凹溝31内に落下させることが可能である。
【0059】
このように逸脱防止ガイド3は、右側脱線した車両10に対しては、隣接線への逸脱防止と、車両10のL型ガイド11の直進誘導を行って分岐側への逸脱を防止する機能を有し、左側脱線した車両に対しては、車両のL型ガイド11の直進誘導を行って分岐側への逸脱を防止する機能を有している。
この逸脱防止ガイド3が鋼製であるので、施工性、メンテナンス性を向上することができる。また、逸脱防止ガイド3の固定が分岐器Sの床板5に対して締結する構造とすることで、メンテナンス性が良好となる利点がある。
【0060】
次に、スロープ区間Tに配設されるスロープ板4の構成について、図面に基づいて詳細に説明する。
スロープ板4は、
図2に示すように、分岐器Sの直前の右側基本レールR1a及び左側基本レールR1bに沿ってそれぞれの両側に配置され、且つ分岐器Sの配置方向に向けて上面が上方に傾斜するように設けられて、脱線した車輪Wがその上面に沿って案内される構成となっている。スロープ板4は、傾斜面に合わせて高さの異なる複数の傾斜部材を前記傾斜面に沿って床板5上に固定させている。
【0061】
図27及び
図28(a)〜(c)に示すように、右側基本レールR1aに設けられるスロープ部4Aには、右側基本レールR1aの両側のスロープ板4Aのそれぞれに逸脱防止用のガイドレール7(7A〜7C)が設けられている。ガイドレール7は、L字形鋼が用いられ、その一面を使ってスロープ板4の側壁を構成し、床板5に対して高さ調整ブロックを介して固定されている。
【0062】
右側基本レールR1aの内側に配置されるガイドレール7Aは、
図2に示す右側トングレールR2aの手前の位置まで延び、内側のスロープ板4Aaを走行する右側車輪Waが右側トングレールR2aと右側基本レールR1aとの間の右側隙間Haへ誘導されるように配置されている。一方、右側基本レールR1aの外側に配置されるガイドレール7Bは、外側スロープ板4Abを走行する右側車輪Waが上述した逸脱防止ガイド3の案内凹溝31内(
図2)に誘導されるように配置されている。
【0063】
右側の外側スロープ板4Abには、案内凹溝31の位置が右側基本レールR1aから離れた位置となる乗上げ部32に擦り寄るように外側スロープ板4Abと右側基本レールR1aとの間にもガイドレール7Cが設けられている。このガイドレール7Cは、右側基本レールR1aの腹部に連結されている。このように右側スロープ板4Aは、高さを上げる機能と、左右方向に誘導する2つの機能を有している。
【0064】
また、
図27及び
図29(a)〜(c)に示すように、左側基本レールR1bに設けられる左側のスロープ板4Bには、左側基本レールR1bの両側のスロープ板4Ba、4Bbのそれぞれが外側路面板2A、内側路面板2Bと同じ高さとなるように傾斜面が形成されている。なお、左側のスロープ板4Bでは、左側脱線時および右側脱線時ともに、右側車輪Waが右側隙間Ha或いは案内凹溝31によって横方向への移動が規制されているので、上述した右側のスロープ板4Aで設けたようなガイドレール7は設けられていない。
【0065】
次に、上述した実施の形態による分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置の作用について以下説明する。
【0066】
先ず、地震時に分岐器S、あるいは分岐器Sの手前で車輪W(Wa、Wb)が左側に脱線した場合の作用について説明する。
図3に示すように、左側脱線した場合、直線方向側の右側車輪Waが右側トングレールR2aと右側基本レールR1aとの間の第1車輪幅D1より大きな右側隙間Haに落下し、その右側隙間Haに沿って脱落車輪Waが案内されて走行する。しかも、右側車輪Waの外側に設けられているL型ガイド11が案内凹溝31内に進入する。つまり、L型ガイド11が案内凹溝31によってレール幅方向Yへの移動が規制されるので、右側隙間Haに沿って案内されて走行する右側車輪Waがさらにその右側隙間Haから交差方向側(左側)に向けて抜け出すのを防ぐことができ、車輪Wが直線側の軌道から大きく逸脱するのを防止することができる。
【0067】
また、左側脱線時の左側車輪Wbは、左側メインレール1Abの外側に外側路面板2Aが設けられているので、その外側路面板2A上に乗り上げられ、左側メインレール1Abに沿って直進させることができる。
このように右側隙間Haが右側基本レールR1aに沿って設けられているので、右側隙間Ha内に落下している脱線車輪Waを右側基本レールR1a(右側メインレール1Aa)に沿って直進させることができ、車輪Wa、Wbが直線側の軌道から大きく逸脱するのを防止することができる。
【0068】
次に、地震時に分岐器S、あるいは分岐器Sの手前で車輪W(Wa、Wb)が右側に脱線した場合の作用について説明する。
図4に示すように、右側脱線した場合、右側車輪Waが右側基本レールR1a上に乗り上げつつ、さらにレール幅方向Yで外側に移動して逸脱防止ガイド3の案内凹溝31内に落下し、その案内凹溝31に脱落車輪Waが案内されて右側基本レールR1aに沿って直進させることができる。
また、右側脱線時の左側車輪Wbは、左側トングレールR2bと左側基本レールR1bとの間の第2車輪幅D2より小さな左側隙間Hbに左側車輪Wbが落下することがなく、内側路面板2B上に乗り上げられ、左側メインレール1Abに沿って直進する。
このように右側脱線時においても、案内凹溝31が右側基本レールR1aに沿って設けられているので、案内凹溝31内に落下している右側車輪Waを右側基本レールR1a(右側メインレール1Aa)に沿って直進させることができ、車輪Wa、Wbが直線側の軌道から大きく逸脱するのを防止することができる。
【0069】
また、
図9に示すように、右側基本レールR1aには複数の止め金具6、6、…が設けられているので、通常時においては、
図13に示すように右側トングレールR2a上を通過する右側車輪Waの横方向からの押圧力F1に対して止め金具6の突起部材63の軸力によって抵抗し、その押圧力を右側基本レールR1a側に逃すことができる。
そして、左側脱線時で右側基本レールR1aと右側トングレールR2aとの間の右側隙間Haに右側車輪Waが走行する場合において、突起部材63が右側基本レールR1aの腹部に固定されている受け板62に対して部分的に溶接されただけの接合構造であるので、脱線車輪Waの重量によって突起部材63を受け板62との溶接部gで容易に破断させて下方向に座屈させることができる。そのため、それら止め金具6が右側隙間Haを通過する脱線車輪Waの走行の妨げになることがなく、脱線車輪Waを右側基本レールR1aに沿って直進させることができる。
【0070】
また、
図2に示す路面板2(外側路面板2A、内側路面板2B、狭隘部路面板2C、クロッシング部用路面板2D)は、
図15及び
図19に示すように、レール長さ方向Xに沿って間隔をあけて配置された複数の台座20、21上に設けられているので、隣接する台座20(21)同士の間には、台座20、21の外側からレールに連通する隙間nが設けられ、この隙間nを利用して通常時のレールの点検を行うことができ、さらにこの隙間nを利用して例えば融雪器等の付加機器を設置することが可能となる。
また、路面板2が台座20、21に対して着脱可能に設けられているので、路面板2の取り外しを簡単に行うことができ、レールのメンテナンスが容易になる利点がある。
【0071】
さらに、
図16及び
図17に示すように、外側路面板2Aのように、コンクリート製の部材から製造される路面板2を設置することができないような幅の狭い箇所であっても、トングレール用材料を用いて頭部の幅寸法を大きくして路面板とすることが可能となる。この場合、鋼製のトングレール用材料を用いることで、厚さ寸法を薄くすることができ、しかも高い強度を確保することができる。
そして、本実施の形態では、レールクリップ22と座金23とを配列される台座20に対して交互に設けられており、レールクリップ22で台座23と路面板用トングレールからなる外側路面板2Aの底部とを直接固定するので、部品点数の削減することが可能となり、路面板2を取り外してレールの点検を行う場合において、メンテナンスが容易になるとともに、レールの交換もし易くなるという利点がある。
【0072】
また、レールクリップ22に固定される座金23によって台座20と外側路面板2Aの底部及び腹部を直接固定するので、レールクリップ22のみで固定する場合、すなわち底部のみを押さえる場合に比べて、いわゆる「子返り現象」(路面板用トングレールが横倒しになる現象)を防止することができ、締結力を確保することができる。さらに、レールクリップ22による固定と同様に部品点数の削減することが可能となり、路面板2を取り外してレールの点検を行う場合において、メンテナンスが容易になるとともに、レールの交換もし易くなるという利点がある。
【0073】
さらにまた、
図14及び
図24に示すように、クロッシング部において、左側メインレール1Ab(右側ウィングレールR4a)の頭部の形状をレール幅方向Yの外側に張り出して頭部幅寸法を大きくした形状に製造し、そのメインレール1Ab自体に路面板の機能をもたせることができる。すなわち、鋼製或いはコンクリート製の路面板2を配置することが困難な分岐器Sのクロッシング部においても路面板2を設けることが可能となるため、左側脱線した場合の左側車輪Wbがクロッシング部の左側メインレール1Abから落下することなく、左側メインレール1Abの外側に張り出した頭部(路面板)上に乗り上げた状態で左側メインレール1Abに沿って直進させることができる。
【0074】
また、
図27に示すように、分岐器Sの手前の位置にスロープ板4が設けられているので、分岐器Sの手前で脱線した車輪Wをスロープ板4に沿ってこう上させることができる。右側基本レールR1aの内側のスロープ板4Aaを、右側基本レールR1aと右側トングレールR2aとの間の右側隙間Haに連設させることで、右側車輪Waを前記直線側の右側隙間Haに誘導するための横誘導機能をもたせることができる。
【0075】
また、右側基本レールR1aの両側のスロープ板4Aa、4Bbのそれぞれには逸脱防止用ガイドレール7A〜7Cが設けられ、それらスロープ板4Aa、4Bbを走行する直線方向側の右側車輪Waが逸脱防止用ガイドレール7A〜7Cに沿って誘導されるので、レール幅方向Yに外れることが防止できる。
【0076】
上述した実施の形態による分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置では、脱線した車輪Wを分岐器S内で直線側に誘導することで、分岐器S内で車両が軌道を大きく逸脱するのを防止することができるため、脱線した車両の対向車線へのはみ出しを確実に防止することができる効果を奏する。
【0077】
以上、本発明による分岐器における脱線車輌の逸脱防止装置の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施の形態では左片開き分岐器の分岐器Sを採用しているが、これに限定されることはなく、右片開き分岐器であっても良い。
そして、左側メインレール1Abに設けられる路面板2の設置長さ、部材の種類、固定方法などの構成は任意に設定することが可能である。また、スロープ板4についても、斜面の勾配、設置長さ、逸脱防止用ガイドレール7の有無などの構成は任意に設定することができる。
【0078】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。