(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記モータの駆動状態、前記第1のセンサから出力される第1の検出信号、及び前記第2のセンサから出力される第2の検出信号に基づき、少なくとも前記ワイヤの断線の有無を判定する機能を有する制御部をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のセンターレス指針式表示装置。
前記制御部は、前記モータの回転方向と、前記第1の検出信号及び前記第2の検出信号に基づき算出される前記第2のプーリの回転方向と、を比較して前記ワイヤが前記第1のプーリ及び前記第2のプーリのいずれか一方に正しく巻き取られていると判別した場合、前記ワイヤの断線が無しと判定する、
ことを特徴とする請求項2記載のセンターレス指針式表示装置。
前記制御部は、前記モータの回転量と、前記第1の検出信号及び前記第2の検出信号に基づき算出される前記第2のプーリの回転量と、を比較して同程度の回転量と看做せる場合、前記ワイヤの断線が無しと判定する、
ことを特徴とする請求項2記載のセンターレス指針式表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上記のようなセンターレス指針式表示装置においては、ある基準状態から電気モータを所定量だけ駆動することにより、文字板上で所望の数値を指示するように指針の位置を制御することができる。
【0006】
基準状態の指針位置については、例えば特許文献2に開示されたフォトインタラプタを用いて検出することができる。電気モータの駆動量については、例えば駆動軸にロータリーエンコーダを連結することにより把握することができる。また、ステッピングモータを用いる場合には、このモータを駆動するパルスの数で駆動量を把握できる。
【0007】
しかしながら、場合によってはモータの駆動量と指針の移動量との関係が所定の比例関係と一致しなくなる可能性も考えられる。例えば、ワイヤが断線したり、ワイヤが伸びたり、ワイヤに加わる張力が低下したような場合には、指針がモータの駆動量とは異なる動きをすることになる。その結果、指針の指し示す目盛りの値が少しずれたり、指針が目盛りの最小値や最大値のように本来の指示値とは全く異なる値を指示したり、指針が全く動かなくなる可能性がある。
【0008】
しかし、センターレス指針式表示装置の制御装置は、指針の位置をモータの相対的な駆動量として把握しているので、指針が正常に動いていない場合でも、そのような異常を検知することができない。
【0009】
例えば、車両の走行速度(車速)を表示するスピードメータの場合には、指針の動きに異常が生じると、運転者に誤った車速情報を認識させることになる。従って、運転者が異常の発生を知らずに車両の運転を続けると、制限速度を大幅に超過したまま長距離を走行したり、運転者が一定の速度で走行しているつもりであっても異常に速度低下した状態で走行する可能性があり、運転に大きな支障が生じる。
【0010】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、駆動用のワイヤを介して指針の位置を移動するセンターレス指針式表示装置であって、ワイヤに何らかの問題が生じた場合であっても、指針の状態を正しく把握することができるセンターレス指針式表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述した目的を達成するために、本発明に係るセンターレス指針式表示装置は、下記(1)〜(7)を特徴としている。
(1) 所定範囲内を移動可能な状態で支持された指針と、
前記指針が取り付けられるワイヤと、
前記ワイヤの一端を巻き取る第1のプーリと、
前記ワイヤの他端を巻き取る第2のプーリと、
制御信号に基づいて前記第1のプーリを回動方向に駆動するモータと、
前記ワイヤの他端を巻き取る方向の力を発生し前記ワイヤに張力を与える弾性体と、
前記第2のプーリと共に回動し、前記第2のプーリの回動軸に対して垂直な平面である回動面に形成された光学検出パターンと、
前記回動面の光学検出パターンと対向する位置に配置され、前記光学検出パターンを検出する第1のセンサ及び第2のセンサと
を備え、
前記光学検出パターンは、前記回動面の回動中心から放射状に形成され、且つ円周方向に向かって周期的に繰り返し変化する縞模様であって、前記回動中心から所定半径の円の内側に位置する第1の領域と、前記円の外側に位置する第2の領域とを有し、前記第1の領域に属する縞模様と、前記第2の領域に属する縞模様との間で、縞模様の形成位置を円周方向に対して所定角度だけ相互にずらしてあり、
前記第1のセンサは前記第1の領域に属する縞模様を検出する位置に配置し、前記第2のセンサは前記第2の領域に属する縞模様を検出する位置に配置した
こと。
(2) 上記(1)の構成のセンターレス指針式表示装置であって、
前記モータの駆動状態、前記第1のセンサから出力される第1の検出信号、及び前記第2のセンサから出力される第2の検出信号に基づき、少なくとも前記ワイヤの断線の有無を判定する機能を有する制御部をさらに備えること。
(3) 上記(2)の構成のセンターレス指針式表示装置であって、
前記制御部は、前記モータの回転方向と、前記第1の検出信号及び前記第2の検出信号に基づき算出される前記第2のプーリの回転方向と、を比較して前記ワイヤが前記第1のプーリ及び前記第2のプーリのいずれか一方に正しく巻き取られていると判別した場合、前記ワイヤの断線が無しと判定する、
こと。
(4) 上記(3)の構成のセンターレス指針式表示装置であって、
前記第1の検出信号を二値化するために用いる第1の閾値と、前記第2の検出信号を二値化するために用いる第2の閾値とを個別に保持する閾値メモリを更に備え、
前記制御部は、前記第1の検出信号と前記第1の閾値との比較結果が変化した第1のタイミングと、前記第2の検出信号と前記第2の閾値との比較結果が変化した第2のタイミングとの順序に基づいて前記第2のプーリの回転方向を算出する、
こと。
(5) 上記(2)の構成のセンターレス指針式表示装置であって、
前記制御部は、前記モータの回転量と、前記第1の検出信号及び前記第2の検出信号に基づき算出される前記第2のプーリの回転量と、を比較して同程度の回転量と看做せる場合、前記ワイヤの断線が無しと判定する、
こと。
(6) 上記(5)の構成のセンターレス指針式表示装置であって、
前記第1の検出信号を二値化するために用いる第1の閾値と、前記第2の検出信号を二値化するために用いる第2の閾値とを個別に保持する閾値メモリを更に備え、
前記制御部は、前記第1の閾値により二値化した前記第1の検出信号の変化から求められる回転量と、前記第2の閾値により二値化した前記第2の検出信号の変化から求められる回転量との少なくとも一方に基づいて前記第2のプーリの回転量を把握する
こと。
(7) 上記(1)の構成のセンターレス指針式表示装置であって、
前記光学検出パターンについて、前記第1の領域に属する縞模様の1周期の角度を、前記第2の領域に属する縞模様の1周期の角度よりも大きく定めた
こと。
【0012】
上記(1)の構成のセンターレス指針式表示装置によれば、前記第1のセンサ及び第2のセンサが出力する信号は、前記第2のプーリの回動状態を反映する。また、前記第2のプーリの回動量及び回動方向の検出が可能である。前記指針の移動量は、前記ワイヤに異常がない限り、前記第1のプーリ及び第2のプーリの動きとほぼ一致する。また、前記ワイヤに異常がない限り、前記第1のプーリの動きと第2のプーリの動きとがほぼ一致する。従って、前記モータの駆動量と、前記第2のプーリの回動量とに基づいて、実際の指針の移動量を正しく把握することが可能になる。
上記(2)の構成のセンターレス指針式表示装置によれば、前記制御部が前記ワイヤの断線の有無を判定するので、ワイヤの断線により指針の指示値が異常になっている状態を容易に検出できる。
上記(3)の構成のセンターレス指針式表示装置によれば、前記モータの回転方向と前記第2のプーリの回転方向とを比較するので、前記ワイヤの断線を容易に判定できる。すなわち、ワイヤの断線がない状態では、前記モータの回転方向とワイヤの巻き取り方向とが一致する。一方、ワイヤが断線すると前記モータの回転方向と前記第2のプーリの回転方向とが逆になる場合があるので、前記比較によりワイヤの断線を正しく判定できる。
上記(4)の構成のセンターレス指針式表示装置によれば、前記第1の検出信号および前記第2の検出信号を個別に独立した閾値を用いて二値化するので、デューティが50%に近いパルス信号を出力することが可能になる。従って、前記前記第1の領域の縞模様と、第2の領域の縞模様との面積の違い等に起因する信号レベルのばらつきを補正することが可能になり、回転方向の誤判定を防止できる。
上記(5)の構成のセンターレス指針式表示装置によれば、前記モータの回転量と前記第2のプーリの回転量とを比較するので、前記ワイヤの断線を容易に判定できる。
上記(6)の構成のセンターレス指針式表示装置によれば、前記第1の検出信号および前記第2の検出信号を個別に独立した閾値を用いて二値化するので、デューティが50%に近いパルス信号を出力することが可能になる。従って、前記前記第1の領域の縞模様と、第2の領域の縞模様との面積の違い等に起因する信号レベルのばらつきを補正することが可能になり、回転量の誤検出を防止できる。
上記(7)の構成のセンターレス指針式表示装置によれば、前記第1のセンサと対向する縞模様の面積と、前記第2のセンサと対向する縞模様の面積の差を減らすことが可能である。その結果、前記第1の検出信号と第2の検出信号との特性の違いが減少し、回転量の検出精度が高まる。
【発明の効果】
【0013】
本発明のセンターレス指針式表示装置によれば、ワイヤに何らかの問題が生じた場合であっても、指針の状態を正しく把握可能になる。従って、指針の指示に誤りがある場合には、異常の発生を運転者に知らせることも可能になる。
【0014】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明のセンターレス指針式表示装置に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
【0017】
<機構部の構成>
<全体の説明>
本実施形態のセンターレス指針式表示装置10の全体の構成の概要が
図1に示してある。また、
図1中の指針移動機構20の構成を
図2に示してある。更に、ゼブラマーカ40の構成例を
図3に示してあり、ゼブラマーカ40及びその周辺の構造の詳細を
図4に分解斜視図として示してある。また、
図4に示した構造体の縦断面の構造を
図5に示してある。
【0018】
図1に示すように、センターレス指針式表示装置10は、外形が半円形の収納ケース30の中に収容される。収納ケース30は、ケース本体31及び目盛板32により構成されている。
【0019】
目盛板32は、半円状の開口部31Kを有し、この開口部31Kの周囲に円弧状に形成された目盛りを有している。本実施形態では、車両のスピードメータとして使用するセンターレス指針式表示装置10を想定しているので、目盛板32には車速を表す数値の目盛りの意匠が形成されている。
【0020】
この目盛板32の目盛りに沿って、円弧状の軌跡を描くように指針21aを移動させるために、指針移動機構20が設けてある。指針移動機構20は、
図1に示すように指針21aを有する指針部21と、指針部21を搬送するための搬送部22とを備えている。
【0021】
図2に示すように、搬送部22は、ガイドレール22R、ガイドプーリ22G、ワイヤ22W、駆動プーリ22P1、指針駆動モータ22M、巻き戻しプーリ22P2等を備えている。
【0022】
ガイドレール22Rは、半円の円弧形状に形成してあり、指針部21を目盛りに沿って円弧状に移動可能な状態で支持している。ガイドレール22R上の数カ所にガイドプーリ22Gが設けてある。
【0023】
円弧状のガイドレール22Rの一端側に駆動プーリ22P1が配置してあり、他端側に巻き戻しプーリ22P2が配置してある。駆動プーリ22P1は、指針駆動モータ22Mの駆動軸と連結されている。
【0024】
ワイヤ22Wは、複数のガイドプーリ22Gに支持されてガイドレール22Rに沿って円弧状の経路を通るように案内されている。ワイヤ22Wは、一端が駆動プーリ22P1と連結され、他端が巻き戻しプーリ22P2と連結されている。また、指針部21はワイヤ22Wと連結されている。
【0025】
従って、指針駆動モータ22Mを順方向に駆動して駆動プーリ22P1を回動すると、ワイヤ22Wの一端側を駆動プーリ22P1で巻き取ることができる。そして、ワイヤ22Wの移動に伴って、指針21aの位置がガイドレール22Rに沿って円弧状の経路を通って移動する。
【0026】
一方、巻き戻しプーリ22P2には後述するテンション部品22Sが連結されており、ワイヤ22Wを巻き戻す力を巻き戻しプーリ22P2に与えている。この力により、ワイヤ22Wに適度な張力がかかる。指針駆動モータ22Mを逆方向に駆動すると、前記テンション部品の力によりワイヤ22Wの他端が巻き戻しプーリ22P2に巻き戻される。
【0027】
つまり、指針駆動モータ22Mを順方向又は逆方向に駆動することにより、駆動量に応じてワイヤ22Wを移動することができる。そして、ワイヤ22Wの移動に伴って指針21aの位置が変化し、目盛りを指し示す位置が変化する。
【0028】
巻き戻しプーリ22P2は、テンション部品収容ケース22Cの中に収容されている。このテンション部品収容ケース22Cは、
図4、
図5に示すように上ケース22C1と下ケース22C2とで構成されている。また、渦巻き状ばねであるテンション部品22Sがテンション部品収容ケース22Cの中に収容されている。このようにユニット化されたテンション部品収容ケース22Cがガイドレール22Rの所定位置に嵌めこまれ、ガイドレール22Rに固定される。
【0029】
テンション部品22Sは、
図4に示す部品22Dによって巻き戻しプーリ22P2と連結されている。具体的には、テンション部品22Sの渦巻きの外周側が巻き戻しプーリ22P2の内周側と連結してある。また、テンション部品22Sの渦巻きの内周側は、上ケース22C1に形成された軸22C1aと連結してある。
【0030】
従って、巻き戻しプーリ22P2は、テンション部品22Sを介して軸22C1aと連結され、回動可能な状態で支持されている。テンション部品22Sは渦巻き状ばねであるので、巻き戻しプーリ22P2の回動方向に、ワイヤ22Wの巻き戻しのための力を常時与えることができる。
【0031】
また、テンション部品収容ケース22Cの近傍でガイドレール22Rと対向する所定の位置に、フォトインタラプタ35を固定してある。このフォトインタラプタ35は、所定の基準位置に指針部21が到達したことを検出することができる。
【0032】
<巻き戻しプーリ22P2の回動状態の検出>
巻き戻しプーリ22P2の回動状態の検出を可能にするために、
図2、
図4、
図5に示すように巻き戻しプーリ22P2の一端面にゼブラマーカ40が形成してある。このゼブラマーカ40は、
図3に示すように、可視情報である白/黒の縞模様として形成してある。
【0033】
具体的には、巻き戻しプーリ22P2のプーリ回動軸41の中心から周囲に向かって放射状に伸びる縞模様であって、円周方向に一定の間隔(一定の角度)で白の領域と黒の領域とが交互に並んでいる。
【0034】
また、ゼブラマーカ40は内側縞模様42及び外側縞模様43を有している。具体的には、プーリ回動軸41の中心から所定半径の円を境界として、前記円の内側に内側縞模様42が形成され、前記円の外側に外側縞模様43が形成されている。
【0035】
図3に示した例では、内側縞模様42及び外側縞模様43のそれぞれにおいて、円周方向の回転角度の20度毎に、白の領域と黒の領域とが交互に並んでいる。なお、
図3では見やすいように20度の角度にしてあるが、より現実的なゼブラマーカ40においては、
図4に示すようにもっと小さい角度に定めることが想定される。
【0036】
また、円周方向のパターン形成位置については、内側縞模様42と外側縞模様43との間に所定角度だけ相対的な位置ずれを形成してある。
図3に示した例では、内側縞模様42と外側縞模様43との相対的な位置ずれは回転角度の10度に定めてある。この位置ずれは、白/黒の繰り返し縞模様の繰り返し周期の4分の1、つまり信号周期の90度に相当する。
【0037】
ゼブラマーカ40の内側縞模様42及び外側縞模様43をそれぞれ検出するために、これらと対向する位置に、
図3に示すように反射型光学センサ51及び52を設けてある。
【0038】
実際には、
図4に示すように、反射型光学センサ51及び52が下ケース22C2に固定される。また、反射型光学センサ51は下ケース22C2の開口部61を介してゼブラマーカ40の外側縞模様43と対向し、反射型光学センサ52は下ケース22C2の開口部62を介して内側縞模様42と対向する。
【0039】
2つの反射型光学センサ51及び52を配置する位置については、
図3に示すようにプーリ回動軸41を中心として互いに回転方向にほぼ180度ずれている。2つの反射型光学センサ51、52の位置をずらすことにより、これらを配置する空間を容易に確保できるし、相互の干渉も防止できる。
【0040】
<センサが出力する信号の説明>
反射型光学センサ51、52は、それぞれが対向するゼブラマーカ40上の領域における光反射率の変化を検出することができる。従って、ゼブラマーカ40が回動する時に、反射型光学センサ51から出力される電気信号SG1及び反射型光学センサ52から出力される電気信号SG2の波形は、例えば
図7又は
図8のようになる。
【0041】
すなわち、電気信号SG1、SG2は正弦波状のアナログ信号であり、位相が相互に90度程度ずれた2相の信号である。これらの位相差は、内側縞模様42と外側縞模様43との間の円周方向の位置ずれの影響によって生じる。また、反射型光学センサ51、52の取り付け位置の影響も受ける。
【0042】
電気信号SG1、SG2のどちらの位相が先になるかは、ゼブラマーカ40の回転方向の違い(時計回り/反時計回り)に応じて変化する。従って、電気信号SG1、SG2の相互のレベルの変化に基づいて、ゼブラマーカ40を形成した巻き戻しプーリ22P2の回動方向を識別することが可能になる。また、電気信号SG1、SG2の発生サイクル数に基づいて、巻き戻しプーリ22P2の回動量を検出することが可能になる。
【0043】
<電気回路の構成>
図1のセンターレス指針式表示装置10の電気回路の構成例を
図6に示す。
図6に示すように、センターレス指針式表示装置10はマイクロコンピュータ(CPU)100を備えている。マイクロコンピュータ100は、予め組み込まれたプログラムを実行することにより、センターレス指針式表示装置10に必要とされる各種の制御を実現する。
【0044】
マイクロコンピュータ100の入出力には、前述の指針駆動モータ22M、フォトインタラプタ35、反射型光学センサ51、52が接続されている。反射型光学センサ51はインタフェース(I/F)53を介してマイクロコンピュータ100と接続され、反射型光学センサ52はインタフェース54を介してマイクロコンピュータ100と接続されている。
【0045】
図6に示すように、フォトインタラプタ35は、発光素子35a及び受光素子35bを備えている。また、図示しないが反射型光学センサ51及び52も、発光素子及び受光素子を備えている。
【0046】
インタフェース53、54は、反射型光学センサ51、52から出力されるアナログの電気信号SG1、SG2を所定の閾値で2値化して、マイクロコンピュータ100が処理可能なデジタル信号(
図9のSG11、SG21)を生成する。
【0047】
マイクロコンピュータ100の動作に必要な直流電力は、電源56の出力から供給される。車両のイグニッションスイッチIGNの状態を表す信号は、インタフェース55を介してマイクロコンピュータ100に入力される。
【0048】
センターレス指針式表示装置10が表示する車速などの情報は、インタフェース57を介して図示しない車両上の他の電子制御ユニット(ECU)から、あるいは所定のセンサからマイクロコンピュータ100に入力される。
【0049】
マイクロコンピュータ100にはメモリ58が接続されている。このメモリ58は、EEPROMのような不揮発性メモリである。メモリ58は、例えば反射型光学センサ51、52が出力する電気信号を2値化する際に必要な閾値などのデータを保持している。
【0050】
マイクロコンピュータ100には表示部150が接続されている。この表示部150は、例えば液晶表示器により構成され、数値やメッセージなどの様々な可視情報を表示することができる。表示部150については、センターレス指針式表示装置10に内蔵してもよいし、センターレス指針式表示装置10以外の外部の装置に搭載し、通信により表示すべき情報をマイクロコンピュータ100との間で受け渡ししても良い。
【0051】
<マイクロコンピュータの動作>
<信号のタイミング>
図6に示したマイクロコンピュータ100が処理する信号の具体例を
図9に示す。
図7に示したアナログの電気信号SG1、SG2を2値化することにより、デジタル信号SG11、SG21が得られる。前述のゼブラマーカ40が回転したり回転方向が変化すると、
図9に示すようにデジタル信号SG11、SG21が変化する。
【0052】
マイクロコンピュータ100は、
図9に示すように短い周期で定期的にデジタル信号SG11、SG21をサンプリングして、これらの状態を把握する。すなわち、デジタル信号SG11、SG21のオンオフの回数を周回数としてカウントし、巻き戻しプーリ22P2の回転角度(回動量:0、1、2、3、・・・)を把握する。
【0053】
また、デジタル信号SG11、SG21の相互のレベルの変化を検出し、回転方向が時計回り(CW)か反時計回り(CCW)かを識別する。回転方向の変化を検出すると、この変化を周回数のカウントにも反映する。従って、カウントの結果得られる周回数は、
図9に示すように「0、1、2、3、4、5、6、7、6、5、4、3、2、・・・」と変化する。
【0054】
<具体的な動作>
図示しないが、マイクロコンピュータ100は、イグニッションスイッチIGNがオンになったことを検出した後、所定の初期化を行ってから指針21aによるメータ指示動作を開始する。この初期化動作には、指針21aの原点復帰処理も含まれる。すなわち、指針駆動モータ22Mを逆方向に駆動し、フォトインタラプタ35が指針部21を検出する位置まで指針部21を移動する。
【0055】
そして、フォトインタラプタ35が指針部21を検出した状態を基準状態とし、この状態からの相対的な移動量、例えば指針駆動モータ22Mの駆動量を考慮して、指針21aの現在位置を把握することができる。従って、指針駆動モータ22Mを駆動することにより、指針21aが目盛板32の目盛り上の所望の位置を指し示すように、指針21aを位置決めすることができる。
【0056】
<指針の駆動に関する異常な状態>
しかし、
図2に示したセンターレス指針式表示装置10においては、ワイヤ22Wを介して指針部21を搬送しているので、ワイヤ22Wに断線やたるみなどの異常が発生する可能性がある。その場合、指針21aを正しい位置に移動できなくなる。
【0057】
例えば、駆動プーリ22P1と指針部21との間でワイヤ22Wが断線すると、指針駆動モータ22Mの駆動状態とは無関係に、巻き戻しプーリ22P2によりワイヤ22Wが巻き戻される。そして、指針21aはテンション部品収容ケース22Cの近傍まで移動して動かなくなる。従って、指針21aの指示値が異常になる。
また、巻き戻しプーリ22P2と指針部21との間でワイヤ22Wが断線すると、指針部21を巻き戻しプーリ22P2で巻き戻すことができなくなるし、ワイヤ22Wに張力を与えることもできなくなる。従って、指針21aの指示値が異常になる。
【0058】
<指針の駆動に関する異常検出動作>
図6に示したマイクロコンピュータ100における主要な動作を
図10に示す。
マイクロコンピュータ100が指針21aの原点復帰処理を行う時、又は目盛り上で所望の値を指針21aで指示するためのメータ指示動作を開始する時に、
図10のステップS11からS12に進む。
【0059】
また、ステップS12に進む時には、
図10に示す動作と併行して、マイクロコンピュータ100は
図9に示すような信号処理をほぼ同時に実行する。従って、巻き戻しプーリ22P2の回転方向と、回転量(周回カウント数)を把握できる。
【0060】
ステップS12では、マイクロコンピュータ100は、指針21aの駆動に関する異常を判定すべきタイミング(チェックポイント)か否かを識別する。具体的には、マイクロコンピュータ100が把握している指針駆動モータ22Mの駆動量が予め定めた値を超えた時、又はマイクロコンピュータ100が把握している指針21aの指示角度が予め定めた角度を通過した時、あるいは所定時間を経過する毎に、チェックポイントの通過とみなして次のステップS13に進む。
【0061】
ステップS13では、次のようにしてマイクロコンピュータ100が異常の有無を識別する。まず、マイクロコンピュータ100はそれ自身が把握している現在の指針駆動モータ22Mの駆動方向(D1)と、
図9に示す処理によって把握される巻き戻しプーリ22P2の回転方向(D2)とを比較する。方向D1、D2が一致する場合は正常とみなし、方向D1、D2が違う場合は異常とみなす。
【0062】
また、マイクロコンピュータ100はそれ自身が把握している駆動プーリ22P1の回転量(ある時点の状態に対する相対的な回転角度や回転数:指針駆動モータ22Mの回転量に相当)V1と、
図9に示す処理によって把握される巻き戻しプーリ22P2の回転量(周回カウント)V2とを比較する。回転量V1、V2の比率が1に近い場合、又は差分が0に近い場合は正常とみなす。回転量V1、V2の比率と1との差が所定以上の場合、又は回転量V1、V2の差分の絶対値が所定以上の場合は異常とみなす。
【0063】
なお、例えば指針駆動モータ22Mがステッピングモータである場合には、マイクロコンピュータ100が出力するパルスの数により指針駆動モータ22Mの回転量を把握することができる。指針駆動モータ22Mがサーボモータの場合には、その駆動軸に所定のロータリーエンコーダ等を連結すれば、回転量を把握できる。
【0064】
マイクロコンピュータ100の処理は、ステップS13における上記比較の結果、方向が正常で、回転量も正常であればステップS14に進み、方向及び回転量の少なくとも一方が異常である場合は、指針21aの動作不良や脱調である可能性が高いのでステップS15に進む。また、マイクロコンピュータ100が把握している指針21aの位置(指示値)に変化がないのに、巻き戻しプーリ22P2だけが所定以上回転した場合にも、同様に異常とみなしても良い。すなわち、ワイヤ22Wの断線により、指針21aが動いていないのに巻き戻しプーリ22P2が巻き戻しを行った状態を検出する。
【0065】
ステップS14では、マイクロコンピュータ100は通常の動作を継続する。すなわち、指示すべき目盛りの位置と指針21aの位置とが一致するように、指針駆動モータ22Mを駆動する。
【0066】
ステップS15では、指針21aの動作不良や脱調である可能性が高いので、マイクロコンピュータ100はセンターレス指針式表示装置10におけるメータ動作、すなわち指針21aの駆動を停止して、異常が生じていることを運転者に報知する。異常の報知については、指針21aの照明を消灯したり、センターレス指針式表示装置10の内外に備わっている警告灯や警告照明(図示せず)を用いて、異常であることを明示する。
【0067】
ステップS16では、使用不可能になった指針21aの代わりに同等の情報(車速等)を運転者に提示するために、マイクロコンピュータ100は表示部150を用いて代用表示を行う。具体的には、センターレス指針式表示装置10が表示すべき車速等の情報を、表示部150の画面上に、割り込み画面として表示する。また、異常発生時の表示部150上の表示については、通常動作時の表示とは異なる表現(例えば特別な表示色)を用い、更に異常が発生していることを示すメッセージを併記する。
【0068】
<反射型光学センサ51、52の電気信号の処理>
<電気信号の問題点>
反射型光学センサ51、52が出力する電気信号SG1、SG2については、理想的な信号として、
図7に示すように振幅、最小電圧、最大電圧が一定である場合を想定している。また、2相の電気信号SG1、SG2が同じ振幅、最小電圧、最大電圧である場合を想定している。
【0069】
しかし、現実の電気信号SG1、SG2は例えば
図8に示すような状態になる。すなわち、電気信号SG1における振幅、最小電圧、最大電圧と、電気信号SG2における振幅、最小電圧、最大電圧とは異なっている。このような差異は、反射型光学センサ51、52自体の特性のばらつきや、ゼブラマーカ40のばらつきや、取り付け時の物理的な寸法のばらつき等によって生じる。また、ゼブラマーカ40の回転速度の違いの影響を受けて電気信号SG1、SG2の各々の振幅、最小電圧、最大電圧が変化する。
【0070】
電気信号SG1、SG2が
図7に示すような理想的な特性の場合には、これらの波形の中央の電圧を閾値として利用し、2値化することにより、デューティが50%に近いデジタル信号(
図9のSG11,SG21に相当)を得ることができる。
【0071】
しかし、実際の電気信号SG1、SG2は
図8のように振幅、最小電圧、最大電圧が一定ではない。そのため、理想的な状態を基準として事前に決定した閾値を用いて電気信号SG1、SG2を2値化すると、デューティが50%から大きくずれる可能性が高い。その結果、
図9に示すような処理を行う際に、回転方向の判定に誤りが生じたり、回転量の検出に誤りが生じる可能性が高い。
【0072】
すなわち、
図8に示すように、閾値を超える時間T1、T2に差が生じるため、2相の電気信号SG1、SG2の間に十分な位相差を確保することができない。従って、例えば外部からのノイズの影響を受けたような場合には、回転方向の判定に誤りが生じる可能性がある。
【0073】
<個別の閾値の保持>
現実の電気信号SG1、SG2の特性のばらつきに対応し、デジタル信号のデューティを50%に近づけるために、
図6に示す電気回路においては、書き換え可能な不揮発性のメモリ58を用いている。すなわち、反射型光学センサ51が出力する電気信号SG1をインタフェース53が2値化する際に用いる閾値と、反射型光学センサ52が出力する電気信号SG2をインタフェース54が2値化する際に用いる閾値とを互いに独立したデータとしてメモリ58が保持している。
【0074】
メモリ58に保持する各閾値のデータについては、センターレス指針式表示装置10を工場から出荷する前に決定され、メモリ58に書き込まれる。これらの閾値をメモリ58に書き込むための機能がマイクロコンピュータ100に搭載されている。
【0075】
<閾値の決定および書き込み>
反射型光学センサ51、52の出力する電気信号SG1、SG2の閾値を決定するための処理を
図11に示す。すなわち、センターレス指針式表示装置10を工場から出荷する前の調整の工程において、マイクロコンピュータ100は所定の指示に従って、
図11に示す処理を実行する。この処理は、
図2のように指針移動機構20を組み付けた状態で実行する。
【0076】
ステップS21では、マイクロコンピュータ100は、指針駆動モータ22Mを駆動して、ゼブラマーカ40を予め定めた一定の速度で所定量だけ回転する。
【0077】
ステップS22では、マイクロコンピュータ100は、反射型光学センサ51、52が出力する電気信号SG1、SG2の電圧をアナログ入力ポートから取り込み、短い時間周期でサンプリングして、SG1、SG2の振幅、最小電圧、最大電圧を個別に計測する。
【0078】
マイクロコンピュータ100の処理は、ゼブラマーカ40の所定量の回転が終了したら、ステップS22の計測を終了し、ステップS23からS24に進む。
【0079】
ステップS24では、マイクロコンピュータ100は、ステップS22の計測で得られたデータに基づいて、最適な状態になるように、電気信号SG1の閾値および電気信号SG2の閾値を決定する。例えば、計測して得られた電気信号SG1の最小電圧と最大電圧との中間値を電気信号SG1の閾値として割り当てる。また、計測して得られた電気信号SG2の最小電圧と最大電圧との中間値を電気信号SG2の閾値として割り当てる。これにより、2値化後の信号レベルが閾値を超える時間(
図8中のT1,T2)のデューティが50%に近づく。なお、電気信号SG1、SG2の波形が正弦波から大きくずれているような場合には、実際の波形に基づいてデューティを50%に近づけるための閾値を算出しても良い。
【0080】
ステップS25では、マイクロコンピュータ100は、ステップS24で算出した電気信号SG1の閾値、および電気信号SG2の閾値を、個別のデータとしてメモリ58に書き込み保存する。
【0081】
なお、電気信号SG1、SG2のそれぞれについて、複数種類の閾値をメモリ58に保持しても良い。例えば、電気信号SG1、SG2の特性はゼブラマーカ40の回転速度に応じて変動するので、低速域に適した閾値と高速域に適した閾値とを個別にメモリ58上に保持しておけば、速度に応じて最適な閾値を選択的に利用できる。その場合は、
図11に示した処理を実行する際に、ステップS21で複数種類の回転速度を順次に選択し、ステップS22でそれぞれの回転速度のデータを計測し、ステップS24で低速域と高速域のそれぞれの閾値を算出すればよい。
【0082】
<変形例>
ゼブラマーカの変形例を
図12に示す。
図12に示すゼブラマーカ40Bにおいては、内側縞模様42のパターン周期と、外側縞模様43Bのパターン周期とが異なっている。具体的には、内側縞模様42における円周方向の白/黒の1周期の間隔は、外側縞模様43Bにおける間隔の2倍になっている。
【0083】
内側縞模様42及び外側縞模様43はプーリ回動軸41から放射状に形成されているため、
図3の例では、反射型光学センサ52と対向する内側縞模様42の白/黒の面積が、半径が小さい分だけ外側縞模様43よりも小さくなる。その影響により、
図8に示すように電気信号SG1、SG2の間に特性のばらつきが生じやすい。
【0084】
図12に示すように、内側縞模様42Bの白/黒の1周期の間隔を大きくすると、反射型光学センサ52と対向する内側縞模様42の白/黒の面積を大きくすることができる。そのため、
図8に示すような電気信号SG1、SG2の間の特性のばらつきを抑制することができる。
【0085】
<その他の変形の可能性>
図2に示した例では、ワイヤ22Wとして、一般的なワイヤと同様に、断面が円形の細いワイヤを想定している。しかし、巻き取りができるような柔軟性を有し、且つ十分な機械的強度を有するものであれば、様々な形状のワイヤを利用することができる。例えば、断面形状が扁平な帯状のワイヤであっても構わない。
【0086】
また、
図4に示した例では、テンション部品22Sとして渦巻き状ばねを用いているが、他の部品に置き換えても良い。すなわち、張力を発生するための弾性力を有し、巻き戻しプーリ22P2の巻き戻しの動きに対応できる部品であれば、渦巻き状の形状でなくても構わない。
また、ゼブラマーカ40に形成する縞模様については、白/黒の濃淡パターンに限らず、例えば特定の色で着色しても良い。
【0087】
<補足説明>
(1)
図2に示した指針移動機構20は、所定範囲内を移動可能な状態で支持された指針21aと、前記指針が取り付けられるワイヤ22Wと、前記ワイヤの一端を巻き取る第1のプーリ(22P1)と、前記ワイヤの他端を巻き取る第2のプーリ(22P2)と、制御信号に基づいて前記第1のプーリを回動方向に駆動するモータ(22M)と、前記ワイヤの他端を巻き取る方向の力を発生し前記ワイヤに張力を与える弾性体(22S)と、前記第2のプーリと共に回動し、前記第2のプーリの回動軸に対して垂直な平面である回動面に形成された光学検出パターン(40)と、前記回動面の光学検出パターンと対向する位置に配置され、前記光学検出パターンを検出する第1のセンサ(52)及び第2のセンサ(51)とを備える。
また、前記光学検出パターン(40)は、
図3に示すように前記回動面の回動中心から放射状に形成され、且つ円周方向に向かって周期的に繰り返し変化する縞模様であって、前記回動中心から所定半径の円の内側に位置する第1の領域と、前記円の外側に位置する第2の領域とを有し、前記第1の領域に属する縞模様(42)と、前記第2の領域に属する縞模様(43)との間で、縞模様の形成位置を円周方向に対して所定角度だけ相互にずらしてあり、前記第1のセンサは前記第1の領域に属する縞模様を検出する位置に配置し、前記第2のセンサは前記第2の領域に属する縞模様を検出する位置に配置してある。
【0088】
(2) 前述のセンターレス指針式表示装置10は、前記モータの駆動状態、前記第1のセンサから出力される第1の検出信号、及び前記第2のセンサから出力される第2の検出信号に基づき、少なくとも前記ワイヤの断線の有無を判定する機能(
図10のS13)を有する制御部(100)をさらに備える。
【0089】
(3) 前記制御部(100)は、前記モータの回転方向と、前記第1の検出信号及び前記第2の検出信号に基づき算出される前記第2のプーリの回転方向と、を比較して前記ワイヤが前記第1のプーリ及び前記第2のプーリのいずれか一方に正しく巻き取られていると判別した場合、前記ワイヤの断線が無しと判定する(
図10のS13)。
【0090】
(4) 前述のセンターレス指針式表示装置10は、前記第1の検出信号を二値化するために用いる第1の閾値と、前記第2の検出信号を二値化するために用いる第2の閾値とを個別に保持する閾値メモリ(58)を更に備え、前記制御部(100)は、
図9に示すように、前記第1の検出信号と前記第1の閾値との比較結果が変化した第1のタイミングと、前記第2の検出信号と前記第2の閾値との比較結果が変化した第2のタイミングとの順序に基づいて前記第2のプーリの回転方向を算出する。
【0091】
(5) 前記制御部(100)は、前記モータの回転量と、前記第1の検出信号及び前記第2の検出信号に基づき算出される前記第2のプーリの回転量と、を比較して同程度の回転量と看做せる場合、前記ワイヤの断線が無しと判定する(
図10のS13)。
【0092】
(6) 前述のセンターレス指針式表示装置10は、前記第1の検出信号を二値化するために用いる第1の閾値と、前記第2の検出信号を二値化するために用いる第2の閾値とを個別に保持する閾値メモリ(58)を更に備え、前記制御部(100)は、
図9に示すように、前記第1の閾値により二値化した前記第1の検出信号の変化から求められる回転量と、前記第2の閾値により二値化した前記第2の検出信号の変化から求められる回転量との少なくとも一方に基づいて前記第2のプーリの回転量を把握する。
【0093】
(7) 前記光学検出パターン(40)については、
図12に示す例では、前記第1の領域に属する縞模様(43B)の1周期の角度を、前記第2の領域に属する縞模様(42)の1周期の角度よりも大きく定めてある。