【実施例】
【0057】
以下の実施例は本発明を例証する目的で提示されるが、しかし本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1
成績係数(coefficient of performance:COP)は、一般に認められている冷媒性能の尺度であり、冷媒の蒸発または凝縮を含む特定の加熱または冷却のサイクルにおける冷媒の相対的な熱力学的効率を表わすのに特に有益である。冷却工学において、この用語は、蒸気を圧縮する際に圧縮機によって加えられたエネルギーに対する有用な冷却の比率を表わす。冷媒の能力(capacity)は冷媒が与える冷却または加熱の量を表わし、それは、冷媒の所定の容積流量に対して圧縮機が熱量を与える性能の尺度を与える。言い換えると、特定の圧縮機があるとき、冷媒の能力が大きいほど、その冷媒はより大きな冷却能力または加熱能力を伝えるだろう。特定の操作条件における冷媒のCOPを評価するための一つの手段は、標準冷却サイクル分析法を用いる冷媒の熱力学的特性からのものである(例えば、R.C. Downing, FLUOROCARBON REFRIGERANTS HANDBOOK(フルオロカーボン冷媒便覧), Chapter 3, Prentice-Hall, 1988を参照されたい)。
【0058】
冷却/空調サイクル装置が用意され、このとき、圧縮機の入口温度を約50°Fとする名目上の等エントロピー圧縮の下で、凝縮器の温度は約150°Fであり、蒸発器の温度は約−35°Fであった。1.00のCOP 値と1.00の能力値および175°Fの排出温度を有するHFC-134aを基にして、ある範囲の凝縮器温度と蒸発器温度にわたって、本発明の幾つかの組成物についてCOPが測定され、これを下の表Iに報告する。
【0059】
【表1】
【0060】
この実施例は、本組成物において用いるための好ましい化合物の特定のものはそれぞれ、HFC-134aよりも良好なエネルギー効率を有し(1.00と比較して1.02、1.04および1.13)、そして本冷媒組成物を用いる圧縮機は有利な排出温度をもたらすであろう(175と比較して158、165および155)、ということを示す。というのは、この排出温度の結果は、補修管理の問題の低減をもたらすと考えられるからである。
【0061】
実施例2
様々な冷却潤滑剤とのHFO-1225yeおよびHFO-1234zeの混和性が試験された。試験された潤滑剤は、鉱油(C3)、アルキルベンゼン(Zerol 150)、エステルオイル(Mobil EAL 22ccおよびSolest 120)、ポリアルキレングリコール(PAG)オイル(134a系のためのGoodwrench Refrigeration Oil)、およびポリ(アルファ-オレフィン)オイル(CP-6005-100)である。それぞれの冷媒/オイルの組み合わせについて、三つの組成物が試験された。すなわち、5、20および50重量パーセントの潤滑剤と、各々の残りは試験に供された本発明の化合物である。
【0062】
潤滑剤組成物は厚肉のガラス管の中に置かれた。ガラス管が排気され、本発明に従う冷媒化合物が添加され、次いで管は密封された。次いで、ガラス管は空気浴環境の容器内に置かれた。容器内の温度は約−50℃から70℃まで変えられた。およそ10℃の間隔で、一つ以上の液体相の存在について、管の内容物の目視観察が行なわれた。一つを越える液体相が観察された場合、混合物は不混和性であるとされる。一つだけの液体相が観察された場合、混合物は混和性であるとされる。二つの液体相が観察されたが、しかし液体相のうちの一つが非常に少ない容積だけを占めている場合、混合物は部分的に混和性であるとされる。
【0063】
ポリアルキレングリコールとエステルオイル潤滑剤は、試験された全ての割合において、全ての温度範囲にわたって混和性であると判定されたが、ただしポリアルキレングリコールとHFO-1225yeの混合物については、その冷媒混合物は−50℃から−30℃の温度範囲においては不混和性であると認められ、そして−20℃から50℃の範囲では部分的に混和性であった。60℃での冷媒中の50重量パーセントの濃度のPAGにおいて、その冷媒/PAG混合物は混和性であった。70℃において、冷媒中の5重量パーセントの潤滑剤から冷媒中の50重量パーセントの潤滑剤まで、それは混和性であった。
【0064】
実施例3
本発明の冷媒化合物および組成物のPAG潤滑オイルとの適合性が、冷却装置と空調装置において用いられる金属と接触している状態で、350°Fにおいて試験された。この温度は、多くの冷却や空調の適用において見出される条件よりもずっと厳しい条件を表わす。
【0065】
アルミニウム、銅および鋼の試験片(クーポン)が、厚肉のガラス管の中に置かれた。2グラムのオイルが管の中に添加された。次いで、ガラス管を排気し、そして1グラムの冷媒が添加された。ガラス管を炉の中に350°Fにおいて一週間入れ、そして目視観察が行なわれた。曝露期間の最後にガラス管を取り出した。
【0066】
この手順は、オイルと本発明の化合物の下記の組み合わせについて行なわれた:
a)HFO-1234zeとGM Goodwrench PAGオイル
b)HFO-1243zfとGM Goodwrench PAGオイル
c)HFO-1234zeとMOPAR-56 PAGオイル
d)HFO-1243zfとMOPAR-56 PAGオイル
e)HFO-1225yeとMOPAR-56 PAGオイル。
【0067】
全てのケースにおいて、ガラス管の内容物の外観に極少の変化があった。このことは、本発明の冷媒化合物と組成物は、冷却装置と空調装置およびこれらのタイプの装置においてその組成物の中に含まれるかあるいはその組成物とともに用いられることの多いタイプの潤滑オイルにおいて見出されるアルミニウム、鋼および銅と接触したときに安定である、ということを示す。
【0068】
比較例
アルミニウム、銅および鋼の試験片が、鉱油およびCFC-12とともに厚肉のガラス管の中に置かれ、実施例3におけると同様に、350°Fにおいて一週間加熱された。曝露期間の最後にガラス管を取り出し、そして目視観察が行なわれた。液体の内容物が黒色に変化したのが観察され、このことは、管の内容物が激しく分解したことを示す。
【0069】
CFC-12と鉱油はこれまで、多くの冷却系と冷却方法において組み合わせて選択されてきた。従って、本発明の冷媒化合物と組成物は、多くの一般的に用いられている潤滑オイルと一緒に用いるときに、広く用いられている先行技術の冷媒−潤滑オイルの組み合わせよりも、かなり良好な安定性を有する。
【0070】
実施例4−ポリオール気泡材料
本実施例は、本発明の好ましい態様のうちの一つに従う発泡剤の使用、すなわちHFO-1234zeの使用、および本発明に従うポリオール気泡材料の製造を例証する。ポリオール気泡材料配合物の成分は下記の表に従って調製された。
【0071】
【表2】
【0072】
(*)Voranol 490はスクロース系のポリオールであり、Voranol 391はトルエンジアミン系のポリオールであり、それぞれDow Chemicalから得られる。B-8462はDegussa-Goldschmidtから入手できる界面活性剤である。Polycat触媒は第三アミン系のものであり、Air Productsから入手できる。イソシアネートM-20SはBayer LLCの製品である。
【0073】
気泡材料は、発泡剤を添加せずに、成分を最初に混合することによって調製された。二つのフィッシャー・ポーター管のそれぞれに、約52.6グラムの(発泡剤を含まない)ポリオール混合物を充填し、密封し、次いで冷蔵庫の中に置いて冷却し、そしてわずかな真空を形成した。ガスビュレットを用いて、約17.4グラムのHFO-1234zeを各々の管に添加し、次いで温水中の超音波浴中に管を置き、そして30分間放置した。得られた溶液は曇っていて、室温において測定した蒸気圧は約70psigの蒸気圧を示し、このことは、発泡剤が溶液中に溶解していないことを示す。次いで、管を冷凍室の中に27°Fにおいて2時間置いた。蒸気圧を再び測定すると14psigであった。約87.9グラムのイソシアネート混合物を金属容器の中に入れ、そして冷蔵庫の中に置いて約50°Fまで冷却した。次いで、ポリオールの管を開け、金属の混合容器の中に秤量した(約100グラムのポリオールブレンドを用いた)。次いで、冷却した金属容器からイソシアネートをすぐにポリオールの中に注ぎ、そして二つのプロペラを有するエアミキサーを用いて3000RPM(回転/分)で10秒間混合した。この配合物は攪拌するとすぐに泡立ち始め、次いでこれを8x8x4インチの箱の中に注ぎ込み、そして発泡させた。泡立ちが起こったため、クリーム時間は測定することができなかった。気泡材料は4分間のゲル化時間と5分間の不粘着時間を有していた。次いで、気泡材料を室温において二日間硬化させた。次いで、気泡材料を、物理的特性を測定するのに適した試料に切断し、それは2.14pcfの密度を有していた。Kファクターが測定され、次の通りであった。
【0074】
【表3】
【0075】
実施例5−ポリスチレン気泡材料
本実施例は、本発明の二つの好ましい態様に従う発泡剤の使用、すなわちHFO-1234zeおよびHFO-1234yfの使用、およびポリスチレン気泡材料の製造を例証する。特定の発泡剤とポリマーで気泡材料を製造することができるか否か、およびその気泡材料の性質を決定するための手助けになるように、試験装置と試験手順が決定された。粉砕したポリマー(Dow Polystyrene 685D)と本質的にHFO-1234zeからなる発泡剤が、容器内で配合された。容器の略図を、あとの方に示す。容器の容積は200cm
3で、それは二つのパイプフランジと直径2インチで長さ4インチのスケジュール40ステンレス鋼パイプの部分から成っている(
図1を参照)。容器を炉中に置き、温度を約190°Fから約285°Fまで、好ましくはポリスチレンについて265°Fに設定し、そこで温度が平衡に達するまで放置した。
【0076】
次いで、容器内の圧力が開放され、発泡したポリマーが直ちに生成した。発泡剤は、それがポリマーに溶解したときにポリマーを可塑化する。この方法を用いてこのように製造された二つの気泡材料の得られた密度を、トランスHFO-1234zeおよびHFO-1234yfを用いて製造された気泡材料の密度として、表1に示す。データは、本発明に従って気泡材料のポリスチレンを得ることができることを示す。ポリスチレンを伴うR1234zeについてのダイ温度は約250°Fであった。
【0077】
【表4】
【0078】
発明の態様
[1]
熱伝達組成物であって、
(a)式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン:
XCF
zR
3−z (I)
(ここでXはC
2またはC
3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rは独立してCl、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含み、
約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、前記組成物。
[2]
前記少なくとも1つのフルオロアルケンは式IIで表わされる化合物であり、
【0079】
【化2】
【0080】
ここでRはそれぞれ独立してCl、F、Br、IまたはHであり、R’ は(CR
2)
nYであり、YはCRF
2であり、そしてnは0または1である、1に記載の熱伝達組成物。
[3]
前記少なくとも1つのフルオロアルケンは、少なくとも1つのテトラフルオロプロペン(HFO-1234)を含む、1に記載の熱伝達組成物。
[4]
前記少なくとも1つのHFO-1234はHFO-1234yfを含む、3に記載の熱伝達組成物。
[5]
前記少なくとも1つのHFO-1234はHFO-1234zeを含む、3に記載の熱伝達組成物。
[6]
式IIで表わされる前記組成物を少なくとも約50重量%含む、2に記載の熱伝達組成物。
[7]
前記少なくとも1つのフルオロアルケンは、少なくとも1つのテトラフルオロプロペン(HFO-1234)を含む、2に記載の熱伝達組成物。
[8]
前記少なくとも1つのHFO-1234はHFO-1234yfを含む、7に記載の熱伝達組成物。
[9]
前記少なくとも1つのHFO-1234は本質的にHFO-1234yfからなる、7に記載の熱伝達組成物。
[10]
前記少なくとも1つのHFO-1234はHFO-1234zeを含む、7に記載の熱伝達組成物。
[11]
HFO-1234を約5重量%から約99重量%まで含む、7に記載の熱伝達組成物。
[12]
HFO-1234を約5重量%から約95重量%まで含む、7に記載の熱伝達組成物。
[13]
前記HFO-1234は、HFO-1234yf、HFO-1234zeおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される、12に記載の熱伝達組成物。
[14]
前記HFO-1234は、トランスHFO-1234とシスHFO-1234zeを、シス:トランスの重量比率で約1:99から約10:99までの範囲で含む、13に記載の熱伝達組成物。
[15]
式Iで表わされる前記組成物を、ほぼ痕跡量よりも多い量から約100重量%未満まで含む、1に記載の熱伝達組成物。
[16]
HFO-1234yfを約5重量%から約95重量%まで含む、15に記載の熱伝達組成物。
[17]
HFO-1234zeを約5重量%から約95重量%まで含む、15に記載の熱伝達組成物。
[18]
前記HFO-1234zeは、少なくとも約90重量%のトランス-1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(トランスHFO-1234ze)を含む、17に記載の熱伝達組成物。
[19]
ジフルオロメタン(HFC-32)、ペンタフルオロエタン(HFC-125)、1,1,2,2-テトラフルオロエタン(HFC-134)、1,1,1,2-テトラフルオロエタン(HFC-134a)、ジフルオロエタン(HFC-152a)、1,1,1,2,3,3,3-ヘプタフルオロプロパン(HFC-227ea)、1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン(HFC-236fa)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロプロパン(HFC-245fa)、1,1,1,3,3-ペンタフルオロブタン(HFC-365mfc)、水、CO
2 、およびこれらの2以上の組み合わせからなる群から選択される1以上の化合物をさらに含む、1に記載の熱伝達組成物。
[20]
1以上の潤滑剤をさらに含む、1に記載の熱伝達組成物。
[21]
1以上の潤滑剤を、熱伝達組成物の約30重量%から約50重量%までの量でさらに含む、1に記載の熱伝達組成物。
[22]
1以上の鎮火剤をさらに含む、1に記載の熱伝達組成物。
[23]
1以上の鎮火剤を、熱伝達組成物の約0.5重量%から約5重量%までの量でさらに含む、1に記載の熱伝達組成物。
[24]
前記鎮火剤はCF
3Iを含む、1に記載の熱伝達組成物。
[25]
冷却装置に含まれる現行の冷媒を取り替える方法であって、
前記現行の冷媒の少なくとも一部を前記装置から取り替えることと、そして
式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン:
XCF
zR
3−z (I)
(ここでXはC
2またはC
3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rは独立してCl、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含む冷媒組成物を前記装置に導入することによって前記現行の冷媒の少なくとも一部を取り替えること、
を含む、前記方法。
[26]
前記現行の冷媒はHFC-134aを含む、25に記載の方法。
[27]
前記現行の冷媒はR-12を含む、25に記載の方法。
[28]
前記現行の冷媒はR-500を含む、25に記載の方法。
[29]
前記現行の冷却装置は、少なくとも1つの比較的大きな排気量の圧縮機を含む、25に記載の方法。
[30]
前記現行の冷却装置は、商業用の空調装置において用いられる冷却機である、25に記載の方法。
[31]
前記現行の冷却装置は、住宅用の空調装置において用いられる冷却機である、25に記載の方法。
[32]
前記冷媒は約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、25に記載の方法。
[33]
前記冷媒はHFO-1234zeを約5重量%から約95重量%まで含む、25に記載の方法。
[34]
前記冷媒はHFO-1234yfを約5重量%から約95重量%まで含む、25に記載の方法。
[35]
前記現行の冷却装置は、商業用の空調装置において用いられる冷却機である、34に記載の方法。
[36]
流体または物体へ、または流体または物体から熱を伝達する方法であって、
流体または物体を、式Iで表わされるフルオロアルケン:
XCF
zR
3−z (I)
(ここでXはC
2またはC
3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rはそれぞれ独立してCl、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含む組成物と接触させることを含み、
前記組成物は1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、前記方法。
[37]
前記組成物は約500以下のGWPを有する、36に記載の方法。
[38]
式Iで表わされる前記フルオロアルケンはHFO-1234yfを含む、36に記載の方法。
[39]
式Iで表わされる前記フルオロアルケンはHFO-1234zeを含む、36に記載の方法。
[40]
前記接触させる工程は、自動車の空調装置の中で前記組成物を循環させることを含む、36に記載の方法。
[41]
前記接触させる工程は、商業用の冷却装置の中で前記組成物を循環させることを含む、36に記載の方法。
[42]
前記接触させる工程は、冷却機の中で前記組成物を循環させることを含む、36に記載の方法。
[43]
前記接触させる工程は、住宅用の冷蔵庫と冷凍庫の中で前記組成物を循環させることを含む、36に記載の方法。
[44]
前記接触させる工程は、熱ポンプの中で前記組成物を循環させることを含む、36に記載の方法。
[45]
発泡性組成物であって、
発泡性ポリマーまたはプレポリマーと、式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン:
XCF
zR
3−z (I)
(ここでXはC
2またはC
3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rは独立してCl、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含む発泡剤とを含み、
前記発泡剤は約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、前記組成物。
[46]
45に記載の発泡性組成物から製造された気泡材料。
[47]
気泡材料のプレミックス組成物であって、
ポリマーまたはプレポリマーと、式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン:
XCF
zR
3−z (I)
(ここでXはC
2またはC
3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rはそれぞれ独立してCl、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含む発泡剤とを含む、前記組成物。
[48]
約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、47に記載の気泡材料のプレミックス組成物。
[49]
鎮火剤をさらに含む、48に記載の気泡材料のプレミックス組成物。
[50]
組成物であって、
(a)式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン:
XCF
zR
3−z (I)
(ここでXはC
2またはC
3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rはそれぞれ独立してCl、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)、および
(b)ポリオールプレミックス成分、香味剤、芳香剤、およびこれらの2以上の組み合わせからなる群から選択される少なくとも1つの補助剤、
を含む前記組成物。
[51]
約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、50に記載の組成物。
[52]
噴射剤組成物であって、
(a)式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン:
XCF
zR
3−z (I)
(ここでXはC
2またはC
3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rは独立してCl、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含み、
約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、前記組成物。
[53]
発泡剤であって、
(a)式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン:
XCF
zR
3−z (I)
(ここでXはC
2またはC
3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rは独立してCl、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含み、そして
約1000以下の地球温暖化係数(GWP)を有する、前記発泡剤。
[54]
鎮火剤をさらに含む、53に記載の発泡剤。
[55]
植物から香味化合物または芳香化合物を抽出する方法であって、
前記植物を、式Iで表わされる少なくとも1つのフルオロアルケン:
XCF
zR
3−z(I)
(ここでXはC
2またはC
3不飽和置換または非置換アルキル基であり、Rは独立してCl、F、Br、IまたはHであり、そしてZは1〜3である)を含む抽出剤と接触させることを含む、前記方法。
[56]
前記抽出剤はHFO-1234を含む、55に記載の方法。
[57]
前記抽出剤はHFO-1234zeを含む、55に記載の方法。
[58]
約0.05以下のオゾン破壊係数(ODP)を有する、1に記載の熱伝達組成物。
[59]
約0.02以下のオゾン破壊係数(ODP)を有する、1に記載の熱伝達組成物。
[60]
約0(ゼロ)のオゾン破壊係数(ODP)を有する、1に記載の熱伝達組成物。
[61]
相溶剤をさらに含む、1に記載の組成物。
[62]
前記相溶剤は、組成物の約0.5重量%から約5重量%までの量で存在する、62に記載の組成物。
[63]
洗浄すべき物品を1に記載の組成物と接触させることを含む、超臨界洗浄方法。
[64]
1に記載の前記組成物はさらにCO
2を含む、63に記載の超臨界洗浄方法。
【0081】
さらなる発明の態様
(1)1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)の発泡剤としての使用。
(2)前記発泡剤が少なくとも約5重量%のHFO-1234zeを含む、(1)に記載の使用。
(3)ポリオール、及び
1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)を含む発泡剤
を含む発泡性組成物。
(4)ポリウレタン気泡材料及びポリイソシアヌレート気泡材料から選ばれる気泡材料を形成するために発泡性である、(3)に記載の発泡性組成物。
(5)熱可塑性気泡材料を形成するために発泡性であり、発泡剤として1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)を含む発泡性組成物。
(6)熱可塑性気泡材料がポリスチレン気泡材料及びポリエチレン気泡材料から選ばれる、前記(5)に記載の発泡性組成物。
(7)発泡剤を含むポリマー気泡材料組成物を含む気泡材料であって、前記発泡剤が1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)を含む、気泡材料。
(8)独立気泡の気泡材料である(7)に記載の気泡材料。
(9)前記ポリマー気泡材料組成物がポリウレタン気泡材料、ポリイソシアヌレート気泡材料及び熱可塑性気泡材料から選ばれる、(7)に記載の気泡材料。
(10)(A)イソシアネートを含む第1の成分、及び
(B)ポリオールまたはポリオール混合物、及び1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)を含む発泡剤を含む第2の成分
を含むプレブレンド組成物。
(11)(1)1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)を含む発泡剤を提供し、
(2)前記発泡剤を発泡性組成物に加え、
(3)前記発泡性組成物を気泡材料または気泡構造を形成するのに有効な条件下で反応させる
ことを含む気泡材料を形成する方法。
(12)前記(10)に記載の第1の成分及び第2の成分を共に混合することによってポリウレタンまたはポリイソシアヌレート気泡材料を成形する方法。
(13)イソシアネート;ポリオールまたはポリオール混合物;1,3,3,3-テトラフルオロプロペン(HFO-1234ze)を含む発泡剤;並びに少なくとも1つの触媒及び/または少なくとも1つの界面活性剤を混合することを含むポリウレタンまたはポリイソシアヌレート気泡材料を形成する方法。
(14)前記気泡材料が少なくとも1つのブロック、スラブ、ラミネート、現場注入パネル、スプレーされたフォーム、及びフロスを形成するために使用される、(12)または(13)に記載の方法。
(15)前記(12)または(13)に記載の方法によって得られるブロック、スラブ、ラミネート、現場注入パネル、スプレーされたフォーム、またはフロス。
(16)前記発泡剤が少なくとも約15重量%のHFO-1234zeを含む、(1)に記載の使用。
(17)前記第2の成分が界面活性剤、触媒及び難燃剤からなる群から選ばれる少なくとも1つの成分をさらに含む、(10)に記載のプレブレンド組成物。