特許第5903077号(P5903077)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5903077
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】ケーブルガイド、及びシールド材
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20160331BHJP
   H02G 11/00 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
   H05K9/00 L
   H02G11/00 060
【請求項の数】11
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-129967(P2013-129967)
(22)【出願日】2013年6月20日
(65)【公開番号】特開2015-5617(P2015-5617A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2015年6月12日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237639
【氏名又は名称】富士通フロンテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(72)【発明者】
【氏名】江上 博之
【審査官】 飯星 潤耶
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−179824(JP,A)
【文献】 特開2004−332820(JP,A)
【文献】 特開2008−025775(JP,A)
【文献】 実開昭62−074424(JP,U)
【文献】 特開2008−251892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/00
H05K 9/00
F16G 13/16
H02G 3/00−3/04
H02G 3/22−3/40
H02G 11/00−11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転可能に連結されることで、湾曲するケーブルを保持する複数の保持具と、
前記複数の保持具に亘って延び、該複数の保持具の内側に湾曲可能に配置されたシールド材と、を備え、
前記シールド材は、前記ケーブルを囲うように屈曲するとともに、前記複数の保持具が連結される方向である連結方向に延びるように屈曲
前記シールド材は、前記連結方向に延びる帯状の中央部分と、該中央部分から前記連結方向に交差する幅方向の両側に突出する突出部分と、前記中央部分及び両側の前記突出部分に亘って形成された開口部と、を含み、
前記両側の突出部分は、前記中央部分側の端部に位置する第1の屈曲部において互いに対向するように屈曲する、
ことを特徴とするケーブルガイド。
【請求項2】
前記両側の突出部分は、前記開口部の前記幅方向の両端に位置する第2の屈曲部において互いに接近するように屈曲することを特徴とする請求項記載のケーブルガイド。
【請求項3】
前記両側の突出部分は、前記複数の保持具が連結される間隔で設けられていることを特徴とする請求項又は請求項記載のケーブルガイド。
【請求項4】
回転可能に連結されることで、湾曲するケーブルを保持する複数の保持具と、
前記複数の保持具に亘って延び、該複数の保持具の内側に湾曲可能に配置されたシールド材と、を備え、
前記シールド材は、前記ケーブルを囲うように屈曲するとともに、前記複数の保持具が連結される方向である連結方向に延びるように屈曲し、
前記シールド材は、複数屈曲して前記ケーブルを囲う囲繞部分と、隣接する2つの前記囲繞部分を連結する連結部分と、が交互に連続して形成されている
ことを特徴とするケーブルガイド。
【請求項5】
前記囲繞部分は、前記ケーブルが前記連結方向に交差する方向に挿入される挿入口を有することを特徴とする請求項記載のケーブルガイド。
【請求項6】
回転可能に連結されることで、湾曲するケーブルを保持する複数の保持具と、
前記複数の保持具に亘って延び、該複数の保持具の内側に湾曲可能に配置されたシールド材と、を備え、
前記シールド材は、前記ケーブルを囲うように屈曲するとともに、前記複数の保持具が連結される方向である連結方向に延びるように屈曲し、
前記シールド材は、前記連結方向に延びる第1の面と、前記連結方向に交差する第2の面とが交互に連続して形成され、
前記第2の面には、前記ケーブルを貫通させるケーブル貫通孔が形成されている、
ことを特徴とするケーブルガイド。
【請求項7】
前記シールド材は、シート状を呈することを特徴とする請求項1から請求項、及び請求項のいずれか1項記載のケーブルガイド。
【請求項8】
前記シールド材は、線状を呈することを特徴とする請求項1、請求項、又は請求項記載のケーブルガイド。
【請求項9】
回転可能に連結されることで湾曲するケーブルを保持する複数の保持具に亘って延び、該複数の保持具の内側に湾曲可能に配置され、
前記ケーブルを囲うように屈曲するとともに、前記複数の保持具が連結される方向である連結方向に延びるように屈曲
前記連結方向に延びる帯状の中央部分と、該中央部分から前記連結方向に交差する幅方向の両側に突出する突出部分と、前記中央部分及び両側の前記突出部分に亘って形成された開口部と、を含み、
前記両側の突出部分は、前記中央部分側の端部に位置する第1の屈曲部において互いに対向するように屈曲する、
ことを特徴とするシールド材。
【請求項10】
回転可能に連結されることで湾曲するケーブルを保持する複数の保持具に亘って延び、該複数の保持具の内側に湾曲可能に配置され、
前記ケーブルを囲うように屈曲するとともに、前記複数の保持具が連結される方向である連結方向に延びるように屈曲し、
複数屈曲して前記ケーブルを囲う囲繞部分と、隣接する2つの前記囲繞部分を連結する連結部分と、が交互に連続して形成されている、
ことを特徴とするシールド材。
【請求項11】
回転可能に連結されることで湾曲するケーブルを保持する複数の保持具に亘って延び、該複数の保持具の内側に湾曲可能に配置され、
前記ケーブルを囲うように屈曲するとともに、前記複数の保持具が連結される方向である連結方向に延びるように屈曲し、
前記連結方向に延びる第1の面と、前記連結方向に交差する第2の面とが交互に連続して形成され、
前記第2の面には、前記ケーブルを貫通させるケーブル貫通孔が形成されている、
ことを特徴とするシールド材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルをガイドするケーブルガイドと、ケーブルガイドに用いられるシールド材とに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、現金自動預け払い機(ATM:Automatic Teller Machine)などの自動取引装置のユニット引き出し構造では、ユニット収納時は、装置の筐体に設けたバネ等による接触構造にてユニットのFG(Frame Ground:フレームグランド)を強化している。これにより、ユニットへの静電気や放射電波の影響を軽減している。しかしながら、ユニットのメンテナンスなどのために、ユニットを大きく引き出す構造を使用する場合、筐体とユニットが離れてしまうため、静電気等の影響を受けやすく、電磁シールド性への対策が必要となっている。
【0003】
そのため、ケーブル(通線ケーブル)のシールド化や、筐体とユニットとを接続するFGケーブルの追加や、ノイズ対策のフィルター部品の追加などが実施されている(例えば、特許文献1又は2参照)。
【0004】
また、ケーブルを保持する複数の保持具の内部に導電性材料からなる薄板を挿入し、この薄板をケーブルガイドの湾曲に合わせて湾曲させる技術も知られている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2006−135173号公報
【特許文献2】特開2003−123554号公報
【特許文献3】特開2003−244831号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、ケーブルのシールド化や、筐体とユニットとを接続するFGケーブルの追加や、ノイズ対策のフィルター部品の追加などの電磁シールド性への対策は、ケーブルの径やケーブルの本数の増加を招く。
【0007】
また、上記のように複数の保持具の内部に導電性の薄板を挿入するだけでは、ケーブルに対して電磁シールド性を発揮するができない。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、簡素な構成で電磁シールド性を発揮することができるケーブルガイド、及びシールド材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
開示のケーブルガイドは、回転可能に連結されることで、湾曲するケーブルを保持する複数の保持具と、前記複数の保持具に亘って延び、該複数の保持具の内側に湾曲可能に配置されたシールド材と、を備え、前記シールド材は、前記ケーブルを囲うように屈曲するとともに、前記複数の保持具が連結される方向である連結方向に延びるように屈曲する。
【0010】
開示のシールド材は、回転可能に連結されることで湾曲するケーブルを保持する複数の保持具に亘って延び、該複数の保持具の内側に湾曲可能に配置され、前記ケーブルを囲うように屈曲するとともに、前記複数の保持具が連結される方向である連結方向に延びるように屈曲する。
【発明の効果】
【0011】
開示のケーブルガイド及びシールド材によれば、簡素な構成で電磁シールド性を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】第1実施形態に係るケーブルガイドを示す斜視図である。
図1B】第1実施形態に係るケーブルガイドを示す平面図である。
図1C】第1実施形態に係るケーブルガイドを示す正面図である。
図2図1AのA部拡大図である。
図3図2のIII−III断面図である。
図4A】第1実施形態に係るシールド材を示す斜視図である。
図4B】第1実施形態に係るシールド材を示す平面図である。
図4C】第1実施形態に係るシールド材を示す正面図である。
図5】第1実施形態に係るシールド材を示す展開図である。
図6図4AのB部拡大図である。
図7図4AのC部拡大図である。
図8A】第2実施形態に係るシールド材を示す斜視図である。
図8B】第2実施形態に係るシールド材を示す平面図である。
図8C】第2実施形態に係るシールド材を示す正面図である。
図8D】第2実施形態に係るシールド材を示す左側面図である。
図9図8AのE部拡大図である。
図10A】第3実施形態に係るシールド材を示す斜視図である。
図10B】第3実施形態に係るシールド材を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、実施の形態に係る、ケーブルガイド10及びシールド材12,22,32について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
<第1実施形態>
図1Aは、第1実施形態に係るケーブルガイド10を示す斜視図である。図1Bは、ケーブルガイド10を示す平面図である。図1Cは、ケーブルガイド10を示す正面図である。
【0015】
図2は、図1AのA部拡大図である。図3は、図2のIII−III断面図である。
図4Aは、本実施形態に係るシールド材12を示す斜視図である。図4Bは、シールド材12を示す平面図である。図4Cは、シールド材12を示す正面図である。
【0016】
図5は、シールド材12を示す展開図である。
図6は、図4AのB部拡大図である。図7は、図4AのC部拡大図である。
【0017】
図1A図1B、及び図1Cに示すケーブルガイド10は、複数の保持具11と、シールド材12と、を備える。
【0018】
詳しくは後述するが、複数の保持具11は、回転可能に連結されることで、湾曲するケーブル100を保持する。例えば、保持具11は、四角筒状を呈する。保持具11は、ケーブル100を挿入可能なように開放可能であるとよい。
【0019】
例えば、ケーブル100は、現金自動預け払い機などの自動取引装置の筐体と筐体から引き出されるユニットとの間に配置される。しかしながら、ケーブルガイド10は、自動取引装置以外の用途や、筐体と筐体から引き出されるユニットとの間以外の配置場所においても、当然に使用可能である。
【0020】
図2及び図3に示すように、保持具11は、回転軸部11aと、回転軸挿入孔11bと、を含む。例えば、保持具11は、プラスチックなどの非導電性材料から形成されるが、導電性材料から形成されるようにしてもよい。
【0021】
回転軸部11aは、保持具11の連結方向(矢印D)における一端側において、上下に計2つ設けられている。保持具11の上部に設けられた回転軸部11aは、上方に突出する。保持具11の下部に設けられた回転軸部11aは、下方に突出する。
【0022】
回転軸挿入孔11bは、保持具11の連結方向(矢印D)における他端側において、上下に計2つ設けられている。
【0023】
図2に示すように、回転軸部11aが回転軸挿入孔11bに対し回転可能(矢印R)に挿入されることで、複数の保持具11は、互いに回転可能に一直線状に連結されている。これにより、複数の保持具11は、湾曲するケーブル100に沿って湾曲可能となっている。
【0024】
図4A図4B、及び図4Cに示すシールド材12は、複数の保持具11に亘って延び、複数の保持具11の内側に湾曲可能に配置される。なお、シールド材12は、1つのみ配置されるが、複数の保持具11に亘って延びるシールド材12が複数分離して配置されていてもよい。
【0025】
図5図6、及び図7に示すように、シールド材12は、中央部分12aと、突出部分12bと、開口部12cと、を含む。例えば、シールド材12は、金属材料などの電磁シールド性を発揮する材料から形成される。シールド材12は、シート状を呈する。シールド材12は、保持具11の内周面に沿うことが望ましい。シールド材12は、保持具11が連結される数(長さ)に合わせて切り出すことで必要な長さだけ使用するとよい。シールド材12は、他の部材に取り付けられていてもよい。
【0026】
図5に示すように、中央部分12aは、連結方向(矢印D)に延び、帯状を呈する。
突出部分12bは、中央部分12aからシールド材12の幅方向(連結方向Dに交差する方向)の両側に突出する。例えば、突出部分12bは、四角形状を呈する。両側の突出部分12bは、複数の保持具11が連結される間隔で設けられるとよい。
【0027】
開口部12cは、中央部分12a及び両側の突出部分12bに亘って形成されている。
両側の突出部分12bは、中央部分12a側の端部に位置する第1の屈曲部F11において互いに対向するように屈曲する。例えば、本実施形態及び後述する第2及び第3実施形態において、屈曲角度は90度である。しかし、屈曲角度が90度以外の角度であってもよいし、屈曲部分が丸みを帯びていてもよい。
【0028】
第1の屈曲部F11は、突出部分12bのうち中央部分12aとの境界部分であることが望ましい。しかし、第1の屈曲部F11が位置する部分である、突出部分12bの中央部分12a側の端部には、中央部分12aから少し間隔(例えば、シールド材12の幅方向における突出部分12bの一部(例えば、突出部分12bの長さの10分の1以下))をおいた部分も含まれることとする。
【0029】
また、両側の突出部分12bは、開口部12cにおけるシールド材12の幅方向の両端に位置する第2の屈曲部F12において互いに接近するように屈曲する。この第2の屈曲部F12は、開口部12cにおけるシールド材12の幅方向の両端に位置することが望ましいが、開口部12c内に位置してもよいし、開口部12cから少し間隔をおいた部分に位置していてもよい。
【0030】
以上の構造によって、シールド材12は、ケーブル100を囲うように屈曲するとともに、複数の保持具11が連結される方向である連結方向(矢印D)に延びるように屈曲する。また、シールド材12は、開口部12cが連結方向(矢印D)に開く方向(図7参照)にも閉じる方向にも湾曲する。そのため、シールド材12は、保持具11と同様に、ケーブル100とともに湾曲することができる。なお、シールド材12がケーブル100を囲うのは、ケーブル100の周囲の180°以上であり、360°に近づくほど望ましい。
【0031】
なお、開口部12cは、例えば、隣接する保持具11の間に位置する。また、シールド材12の中央部分12aには、突出部分12bの近傍に取付け孔12a−1が形成されている。この取付け孔12a−1において、シールド材12は、ケーブル100が設けられた装置のフレーム、或いは保持具11に固定されるとよい。
【0032】
以上説明した第1実施形態では、複数の保持具11は、回転可能に連結されることで、湾曲するケーブル100を保持する。シールド材12は、複数の保持具11に亘って延び、複数の保持具11の内側に湾曲可能に配置されている。また、シールド材12は、ケーブル100を囲うように屈曲するとともに、複数の保持具11が連結される方向である連結方向(矢印D)に延びるように屈曲する。
【0033】
そのため、ケーブル100自体のシールド化や、FGケーブルの追加や、ノイズ対策のフィルター部品の追加などを省略した場合であっても、電磁シールド性を発揮することができる。
【0034】
よって、本実施形態のケーブルガイド10及びシールド材12によれば、簡素な構成で電磁シールド性を発揮することができる。更には、シールド材12を保持具11に対して着脱自在とすることで、求められる電磁シールド性やケーブルガイド10の構造に応じてシールド材12を追加することもできる。また、シールド材12が屈曲することで、シールド材12が薄板である場合と比較して、繰り返しの湾曲に対する耐久性を向上させることもできる。
【0035】
また、本実施形態では、シールド材12は、保持具11の連結方向(矢印D)に延びる帯状の中央部分12aと、この中央部分12aから、連結方向(矢印D)に交差する幅方向の両側に突出する突出部分12bと、中央部分12a及び両側の突出部分12bに亘って形成された開口部12cと、を含む。また、両側の突出部分12bは、中央部分12a側の端部に位置する第1の屈曲部F11において互いに対向するように屈曲する。そのため、簡素な構成で、シールド材12が湾曲し且つ電磁シールド性を発揮することができる。また、ケーブル100を連結方向(矢印D)に交差する方向からシールド材12内に挿入することができる。
【0036】
更には、本実施形態では、両側の突出部分12bは、開口部12cにおけるシールド材12の幅方向の両端に位置する第2の屈曲部F12において互いに接近するように屈曲する。そのため、シールド材12は、第1の屈曲部F11のみを設ける場合よりもケーブル100を囲んだ状態となり、電磁シールド性を更に発揮することができる。
【0037】
また、本実施形態では、両側の突出部分12bは、複数の保持具11が連結される間隔で設けられている。そのため、保持具11と同様に湾曲することができる。
【0038】
また、本実施形態では、シールド材12は、シート状を呈する。そのため、簡素な構成で電磁シールド性を発揮することができる。また、シールド材12を1枚のシート状で製造可能であるため、容易に製造でき、製造コストを安く抑えることができる。更に、シールド材12を保持具11と別パーツにすることで、既存の保持具11にも容易に着脱が可能となり、使用用途の範囲が広がる。
【0039】
<第2実施形態>
図8Aは、第2実施形態に係るシールド材22を示す斜視図である。図8Bは、シールド材22を示す平面図である。図8Cは、シールド材22を示す正面図である。図8Dは、シールド材22を示す左側面図である。
図9は、図8AのE部拡大図である。
【0040】
本実施形態では、保持具11については第1実施形態と同様にすることができるため、シールド材22のみについて説明する。また、シールド材22については、第1実施形態のシールド材12と同様である事項については説明を省略する。
【0041】
シールド材22は、囲繞部分22aと連結部分22bとが交互に連続して形成されている。本実施形態のシールド材22は、線状を呈する。シールド材22は、図1A図3に示す保持具11の内周面に沿うことが望ましい。
【0042】
図8D及び図9に示すように、囲繞部分22aは、複数屈曲してケーブルを囲う。例えば、囲繞部分22aは、囲繞部内屈曲部F22,F23,F24,F25において同一平面上で屈曲することで、略四角形状を呈する。また、囲繞部分22aには、図1A図3に示すケーブル100が保持具11の連結方向(矢印D)に交差する方向(図8D及び図9における上下方向)に挿入される挿入口22a−1が形成されている。例えば、挿入口22a−1は、囲繞部分22aの上面に形成されている。
【0043】
連結部分22bは、隣接する2つの囲繞部分22aを連結する。連結部分22bは、一方の囲繞部分22aから屈曲(連結部屈曲部F21)して連結方向(矢印D)に延び、他方の囲繞部分22aに向けて屈曲(連結部屈曲部F26)する。
【0044】
以上の構造によって、シールド材22は、ケーブル100を囲うように屈曲するとともに、複数の保持具11が連結される方向である連結方向(矢印D)に延びるように屈曲する。よって、第2実施形態によっても、第1実施形態と同様に、簡素な構成で電磁シールド性を発揮することができる。
【0045】
また、本実施形態では、シールド材22は、複数屈曲(囲繞部内屈曲部F22,F23,F24,F25)してケーブル100を囲う囲繞部分22aと、隣接する2つの囲繞部分22aを連結する連結部分22bと、が交互に連続して形成されている。そのため、簡素な構成で、シールド材22が湾曲し且つ電磁シールド性を発揮することができる。
【0046】
また、本実施形態では、囲繞部分22aは、ケーブル100が連結方向(矢印D)に交差する方向に挿入される挿入口22a−1を有する。そのため、簡素な構成で、ケーブル100をシールド材22内に挿入することができる。
【0047】
また、本実施形態では、シールド材22は、線状を呈する。そのため、シールド材22を屈曲させるのを容易にすることができる。また、シールド材22を1枚の線状で製造可能であるため、容易に製造でき、製造コストを安く抑えることができる。更に、シールド材22を保持具11と別パーツにすることで、既存の保持具11にも容易に着脱が可能となり、使用用途の範囲が広がる。
【0048】
<第3実施形態>
図10Aは、第3実施形態に係るシールド材32を示す斜視図である。図10Bは、シールド材32を示す平面図である。
【0049】
本実施形態では、保持具11については第1実施形態と同様にすることができるため、シールド材32のみについて説明する。また、シールド材32については、第1実施形態のシールド材12と同様である事項については説明を省略する。
【0050】
シールド材32は、図1A図3に示す保持具11の連結方向(矢印D)に延びる第1の面32aと、連結方向(矢印D)に交差する第2の面32bとが交互に連続して形成されている。本実施形態のシールド材32は、シート状を呈する。シールド材32は、図1A図3に示す保持具11の内周面に沿うことが望ましい。
【0051】
第2の面32bには、図1A図3に示すケーブル100を貫通させるケーブル貫通孔32b−1が形成されている。
【0052】
第1の面32aから第2の面32bに向けて屈曲する屈曲部F31は、直角をなすとよい。また、第2の面32bから第1の面32aに向けて屈曲する屈曲部F32も、直角をなすとよい。
【0053】
例えば、第1の面32a及び第2の面32bは、四角形状を呈する。また、例えば、ケーブル貫通孔32b−1も、四角形状を呈する。
【0054】
以上の構造によって、シールド材32は、ケーブル100を囲うように屈曲するとともに、複数の保持具11が連結される方向である連結方向(矢印D)に延びるように屈曲する。よって、第3実施形態によっても、第1実施形態と同様に、簡素な構成で電磁シールド性を発揮することができる。
【0055】
また、本実施形態では、シールド材32は、連結方向(矢印D)に延びる第1の面32aと、連結方向(矢印D)に交差する第2の面32bとが交互に連続して形成されている。第2の面32bには、ケーブル100を貫通させるケーブル貫通孔32b−1が形成されている。そのため、簡素な構成で、シールド材32が湾曲し且つ電磁シールド性を発揮することができる。
【0056】
また、本実施形態では、シールド材32は、シート状を呈する。そのため、簡素な構成で電磁シールド性を発揮することができる。また、シールド材32を1枚のシート状で製造可能であるため、容易に製造でき、製造コストを安く抑えることができる。更に、シールド材32を保持具11と別パーツにすることで、既存の保持具11にも容易に着脱が可能となり、使用用途の範囲が広がる。
【0057】
なお、上述の第1〜第3実施形態におけるシールド材12,22,32の形状はあくまで一例であって、シールド材としては、ケーブル100を囲うように屈曲するとともに、複数の保持具11が連結される方向である連結方向(矢印D)に延びるように屈曲するものであればよい。
【符号の説明】
【0058】
10 ケーブルガイド
11 保持具
11a 回転軸部
11b 回転軸挿入孔
12 シールド材
12a 中央部分
12a−1 取付け孔
12b 突出部分
12c 開口部
22 シールド材
22a 囲繞部分
22a−1 挿入口
22b 連結部分
32 シールド材
32a 第1の面
32b 第2の面
32b−1 ケーブル貫通孔
100 ケーブル
F11 第1の屈曲部
F12 第2の屈曲部
F21 連結部屈曲部
F22 囲繞部内屈曲部
F23 囲繞部内屈曲部
F24 囲繞部内屈曲部
F25 囲繞部内屈曲部
F26 連結部屈曲部
F31 屈曲部
F32 屈曲部
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10A
図10B