特許第5903145号(P5903145)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5903145間接活線工具用保護カバーおよび間接活線工具
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5903145
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】間接活線工具用保護カバーおよび間接活線工具
(51)【国際特許分類】
   H02G 1/02 20060101AFI20160331BHJP
【FI】
   H02G1/02
【請求項の数】6
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-214823(P2014-214823)
(22)【出願日】2014年10月21日
【審査請求日】2015年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000211307
【氏名又は名称】中国電力株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126561
【弁理士】
【氏名又は名称】原嶋 成時郎
(72)【発明者】
【氏名】日野 慎也
(72)【発明者】
【氏名】横長 寛
(72)【発明者】
【氏名】松本 繁
(72)【発明者】
【氏名】藤岡 岳志
(72)【発明者】
【氏名】小松 寛俊
(72)【発明者】
【氏名】藤谷 修治
【審査官】 甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−208155(JP,A)
【文献】 特開2014−128151(JP,A)
【文献】 特開2009−268213(JP,A)
【文献】 特開平02−194369(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 1/02
H02G 7/00−7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁操作棒の先端部に金属製の先端工具が取り付けられた間接活線工具を保護するための間接活線工具用保護カバーであって、
前記絶縁操作棒に取り付けられる取付部と、
前記取付部に連結され、電気絶縁性の筒状で、前記絶縁操作棒と前記先端工具との接続部を覆い前記先端工具側に延びる保護部と、
を備えることを特徴とする間接活線工具用保護カバー。
【請求項2】
前記先端工具に対する前記保護部の位置を調整自在となっている、
ことを特徴とする請求項1に記載の間接活線工具用保護カバー。
【請求項3】
前記保護部は、透明または半透明となっている、
ことを特徴とする請求項1または2のいずれか1項に記載の間接活線工具用保護カバー。
【請求項4】
絶縁操作棒の先端部に金属製の先端工具が取り付けられた間接活線工具であって、
前記絶縁操作棒に配設された取付部と、
前記取付部に連結され、電気絶縁性の筒状で、前記絶縁操作棒と前記先端工具との接続部を覆い前記先端工具側に延びる保護部と、
を備えることを特徴とする間接活線工具。
【請求項5】
前記先端工具に対する前記保護部の位置を調整自在となっている、
ことを特徴とする請求項4に記載の間接活線工具。
【請求項6】
前記保護部は、透明または半透明となっている、
ことを特徴とする請求項4または5のいずれか1項に記載の間接活線工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、間接活線工具に取り付けられる間接活線工具用保護カバーおよび、保護カバーを備えた間接活線工具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、安全性をより確保するために、間接活線工具を用いて通電状態のままで作業を行う間接活線工法が、多く採用されている。この間接活線工具は、絶縁操作棒(ホットスティック)の先端部に用途、目的に適した先端工具を取り付けて作業を行うものであり、例えば、電線にバインド打ちを行うためにフック状の先端工具を使用する(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−221918号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、先端工具は、強度や耐久性などを確保するために、金属製で通電性を有している。このため、先端工具自体が、高圧充電部に接触することで受電状態となり、外部部材や人が先端工具に接することによる、地絡事故(停電)や感電などを引き起こすおそれがあった。殊に、複数の間接活線工具を使用する場合に、先端工具同士が接触して地絡事故などを引き起こすおそれがあった。このため、先端工具の周辺に絶縁シートなどの防具を配設しているが、地絡事故や感電などを効果的に防止、抑制することが困難であるばかりでなく、作業性が低下するおそれがあった。
【0005】
そこでこの発明は、地絡事故や感電などを防止、抑制することが可能な、間接活線工具用保護カバーおよび間接活線工具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、絶縁操作棒の先端部に金属製の先端工具が取り付けられた間接活線工具を保護するための間接活線工具用保護カバーであって、前記絶縁操作棒に取り付けられる取付部と、前記取付部に連結され、電気絶縁性の筒状で、前記絶縁操作棒と前記先端工具との接続部を覆い前記先端工具側に延びる保護部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
この発明によれば、間接活線工具用保護カバーの取付部を絶縁操作棒に取り付けると、絶縁操作棒と先端工具との接続部が保護部で覆われ、さらに、保護部が先端工具側に延びる。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載の間接活線工具用保護カバーにおいて、前記先端工具に対する前記保護部の位置を調整自在となっている、ことを特徴とする。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の間接活線工具用保護カバーにおいて、前記保護部は、透明または半透明となっている、ことを特徴とする。
【0010】
請求項4の発明は、絶縁操作棒の先端部に金属製の先端工具が取り付けられた間接活線工具であって、前記絶縁操作棒に配設された取付部と、前記取付部に連結され、電気絶縁性の筒状で、前記絶縁操作棒と前記先端工具との接続部を覆い前記先端工具側に延びる保護部と、を備えることを特徴とする。
【0011】
請求項5の発明は、請求項4に記載の間接活線工具において、前記先端工具に対する前記保護部の位置を調整自在となっている、ことを特徴とする。
【0012】
請求項6の発明は、請求項4または5に記載の間接活線工具において、前記保護部は、透明または半透明となっている、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1および請求項4の発明によれば、電気絶縁性の保護部で絶縁操作棒と先端工具との接続部が覆われ、さらに、保護部が先端工具側に延びるため、先端工具の根元(絶縁操作棒側)が保護部で覆われる。このため、外部部材や人が受電状態の先端工具に接することによる地絡事故や感電などを防止、抑制することが可能となる。また、取付部(保護カバー)を絶縁操作棒(間接活線工具)に取り付けるだけであるため、絶縁シートなどの配設に要する時間や労力を削減することができ、しかも、作業性が低下しない。
【0014】
請求項2および請求項5の発明によれば、先端工具に対する保護部の位置が調整自在なため、先端工具の種類や形状などに応じて保護部の位置を調整することで、先端工具の機能を損なわない範囲で先端工具を適正(十分)に覆って、地絡事故や感電などをより効果的に防止、抑制することが可能となる。
【0015】
請求項3および請求項6の発明によれば、保護部が透明または半透明であるため、保護部を介して先端工具や作業対象などを目視することができる。この結果、地絡事故や感電などを防止、抑制しつつ、適正に作業を行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の実施の形態1に係る間接活線工具用保護カバーを間接活線工具に取り付けた状態を示す正面図である。
図2図1の間接活線工具用保護カバーを示す正面図(a)と底面図(b)である。
図3図2の間接活線工具用保護カバーを展開した状態を示す図である。
図4】この発明の実施の形態2に係る間接活線工具用保護カバーを示す正面図である。
図5図4のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、この実施の形態に係る間接活線工具用保護カバー1を間接活線工具100に取り付けた状態を示す正面図である。この間接活線工具用保護カバー1は、絶縁操作棒101の先端部に金属製の先端工具110が取り付けられた(接続された)間接活線工具100を保護するための保護カバーであり、主として、取付部2と保護部3とを備えている。
【0019】
間接活線工具100は、既存、既製の間接活線工具と同等の構成となっている。すなわち、絶縁操作棒101は、電気絶縁製で丸棒状の操作棒本体102の先端に金属製の第1の接続部材103が配設され、操作棒本体102の中央部の数箇所に円錐台状の雨切りツバ104が配設されている。また、先端工具110は、この実施の形態では、電線へのバインド打ちなどを行うための工具を図示、例示しており、先端にフック部111が設けられ、中央部に水平に延びる横棒部112が設けられ、さらに、下端には第2の接続部材113が設けられている。そして、第1の接続部材103と第2の接続部材113とが接離自在となっており、これにより、絶縁操作棒101の先端部に種々の先端工具110を着脱自在に取り付けられるようになっている。
【0020】
ここで、絶縁操作棒101に先端工具110を直接取り付ける場合について示しているが、アダプタを介して先端工具110を取り付けるものであってもよい。また、絶縁操作棒101に先端工具110が取り付けられた状態における第1の接続部材103と第2の接続部材113とを、絶縁操作棒101と先端工具110との接続部120とする。
【0021】
間接活線工具用保護カバー1は、このような間接活線工具100を操作することによる地絡事故や感電などの事故を防止、抑制するための防具であり、全体が透明(または半透明)な電気絶縁材(例えば、強化プラスチック)で構成され、図2図3に示すように、取付部2と保護部3とが一体的に形成されている。
【0022】
取付部2は、絶縁操作棒101に取り付けられるものであり、操作棒本体102の外径とほぼ同径の内径を有する略円筒体である。保護部3は、取付部2に連結され、電気絶縁性の筒状で、絶縁操作棒101と先端工具110との接続部120を覆い先端工具110側に延びるものである。すなわち、保護部3は、図2に示すように、取付部2よりも大径の略円筒体で、取付部2と同心に配設され、下端部の全周縁と取付部2の上端部の全周縁とが、平たいリング状の連結部4で隙間なく連結されている。
【0023】
そして、取付部2、保護部3および連結部4が、軸心を通る面で縦に半割りされて、図3に示すように、第1の取付部21と第2の取付部22、第1の保護部31と第2の保護部32、第1の連結部41と第2の連結部42が構成されている。
【0024】
第1の取付部21の軸心方向に延びる両側縁には、第1のツバ部21aが形成され、この第1のツバ部21aの中央部にネジ孔21bが形成されている。同様に、第2の取付部22の軸心方向に延びる両側縁には、第2のツバ部22aが形成され、この第2のツバ部22aの中央部にボルト挿入孔22bが形成されている。
【0025】
そして、図2に示すように、第1の取付部21と第2の取付部22とで操作棒本体102を挟んだ状態で、ボルト23をボルト挿入孔22bに挿入してネジ孔21bに締め込むことで、第1の取付部21と第2の取付部22とが操作棒本体102を強固に挟持する。これにより、取付部2つまり間接活線工具用保護カバー1が縁操作棒101に取り付けられる。また、ボルト23を外して第1の取付部21と第2の取付部22とを離す(開く)ことで、操作棒本体102の挟持が解除され、間接活線工具用保護カバー1が縁操作棒101から取り外れる。このようにして、間接活線工具用保護カバー1が縁操作棒101に着脱自在となっている。
【0026】
第1の保護部31の軸心方向に延びる一側縁と、第2の保護部32の軸心方向に延びる一側縁とは、ヒンジ33によって開閉自在に接続され、閉じた際に円筒状の保護部3が形成されるようになっている。また、第1の保護部31の他側縁の上下部には、半円板状の第1のツメ部31aが形成され、この第1のツメ部31aの中央部に係止孔31bが形成されている。同様に、第2の保護部32の他側縁の上下部には、半円板状の第2のツメ部32aが形成され、この第2のツメ部32aの中央部に係止ピン32bが形成されている。
【0027】
そして、第1の保護部31と第2の保護部32とを閉じて、係止ピン32bを係止孔31bに係止することで、第1の保護部31と第2の保護部32とが接続されて、円筒状の保護部3が形状維持される。また、係止ピン32bと係止孔31bとの係止を解除することで、第1の保護部31と第2の保護部32とが開くようになっている。このような第1の保護部31と第2の保護部32の開閉に伴って、第1の取付部21と第2の取付部22および第1の連結部41と第2の連結部42も開閉するものである。
【0028】
このような保護部3の内径は、種々の先端工具110を筒内に収容できる範囲で、できるだけ小さく設定されている。また、保護部3の軸方向の長さは、取付部2を操作棒本体102の第1の接続部材103側に取り付けた状態で、保護部3で接続部120を完全に覆い、かつ、できるだけ広く先端工具110を覆うように設定されている。すなわち、先端工具110を用いた作業に支障がない範囲で、できるだけ広く先端工具110の接続部120側をカバーできるように設定されている。
【0029】
さらに、先端工具110に対する保護部3の位置が調整自在となっている。すなわち、この実施の形態では、操作棒本体102に対する取付部2の取付位置を変えることで、保護部3の配設位置が移動し、先端工具110に対する保護部3の位置が調整できるものである。このように、間接活線工具用保護カバー1は、既存、既製の間接活線工具100に着脱自在で、しかも、先端工具110に対する保護部3の位置を調整できるようになっている。
【0030】
次に、このような構成の間接活線工具用保護カバー1および、間接活線工具用保護カバー1を備えた間接活線工具100の作用などについて説明する。
【0031】
まず、間接活線工具用保護カバー1を間接活線工具100に取り付けるには、第1の保護部31と第2の保護部32を開き、第1の取付部21と第2の取付部22とで操作棒本体102の第1の接続部材103側を挟むようにして、第1の保護部31と第2の保護部32を閉じ、係止ピン32bを係止孔31bに係止する。次に、間接活線工具用保護カバー1を操作棒本体102に沿って移動させて、保護部3で接続部120を完全に覆い、かつ、できるだけ広く先端工具110を覆うように、先端工具110に対する保護部3の位置を調整する。そして、ボルト23をネジ孔21bに締め込んで、間接活線工具用保護カバー1を縁操作棒101に固定する。
【0032】
このようにして間接活線工具用保護カバー1を取り付けた状態で、絶縁操作棒101を手で持って、先端工具110を操作して作業を行う。この際、透明な間接活線工具用保護カバー1を介して先端工具110や作業対象などを目視で確認しながら、先端工具110を操作する。また、接続部120および先端工具110の根元側(反先端側)が保護部3で覆われているため、接続部120や先端工具110が他の間接活線工具や人などに接触するのが防止、抑制される。
【0033】
また、先端工具110を取り替える場合には、まず、ボルト23を緩めて間接活線工具用保護カバー1を下方(反先端工具110)に移動させ、接続部120の周囲を解放する。次に、先端工具110を絶縁操作棒101から外して、新たな先端工具110を絶縁操作棒101に取り付ける。そして、上記と同様に、間接活線工具用保護カバー1を移動させて保護部3の位置を調整した後に、間接活線工具用保護カバー1を縁操作棒101に固定するものである。
【0034】
以上のように、間接活線工具用保護カバー1および、間接活線工具用保護カバー1を備えた間接活線工具100によれば、電気絶縁性の保護部3で絶縁操作棒101と先端工具110との接続部120が覆われ、さらに、保護部3が先端工具110側に延びて、先端工具110ができるだけ広く保護部3で覆われる。このため、外部部材や人が受電状態の先端工具110に接することによる地絡事故や感電などを効果的に防止、抑制することが可能となり、安全性や作業の信頼性が高まる。また、間接活線工具用保護カバー1(取付部2)を間接活線工具100(絶縁操作棒101)に取り付けるだけであるため、絶縁シートなどの配設に要する時間や労力を削減することができ、しかも、絶縁シートなどを配設する場合に比べて作業性が低下しない。
【0035】
また、先端工具110に対する保護部3の位置が調整自在なため、先端工具110の種類や形状、大きさなどに応じて保護部3の位置を調整することで、先端工具110の機能や操作性を損なわない範囲で先端工具110を適正(十分)に覆って、地絡事故や感電などをより効果的に防止、抑制することが可能となる。
【0036】
さらに、保護部3を含む間接活線工具用保護カバー1全体が透明(または半透明)であるため、間接活線工具用保護カバー1を介して先端工具110の動きや作業対象などを目視で確認することができる。この結果、地絡事故や感電などを防止、抑制しつつ、適正に作業を行うことが可能となる。また、間接活線工具用保護カバー1を既存、既製の間接活線工具100に着脱自在なため、従来の間接活線工具100をそのまま使用することができ、設備費用を軽減することができる。
【0037】
(実施の形態2)
図4は、この実施の形態に係る間接活線工具用保護カバー1を示す正面図である。この実施の形態では、取付部2つまり間接活線工具用保護カバー1を操作棒本体102に対して、ワンタッチで移動したり固定したりできる点で、実施の形態1と構成が異なり、実施の形態1と同等の構成については同一符号を付することで、その説明を省略する。
【0038】
この実施の形態では、取付部2が一体の円筒状で、この取付部2に板バネ体24が装着されている。この板バネ体24は、板バネで構成され、図5に示すように、円筒部24aの左右に凸部24bを有する環状体で、外力がかからない状態での円筒部24aの内径は、操作棒本体102の外径よりもやや小さく設定されている。また、少なくとも凸部24bには、電気絶縁処理が施されている。
【0039】
一方、取付部2の側壁には、対向する2つの挿入窓25が形成され、円筒部24aが取付部2内に位置し、各凸部24bが各挿入窓25に挿入されて取付部2の外周面から突出した状態で、板バネ体24が取付部2に装着されている。また、このような装着状態において、円筒部24a内に操作棒本体102が挿入されている。
【0040】
そして、外力を加えない状態では、板バネ体24の円筒部24aが操作棒本体102を挟持して、取付部2つまり間接活線工具用保護カバー1が操作棒本体102に固定される。また、ヤットコなどが取り付けられた別の間接活線工具で、凸部24bを操作棒本体102側に押すと、円筒部24aの径が大きくなって操作棒本体102の挟持が解除され、間接活線工具用保護カバー1を操作棒本体102に対してスライド・移動させることが可能となる。続いて、凸部24bを離すと、円筒部24aの径が再び小さくなって操作棒本体102を挟持し、間接活線工具用保護カバー1が操作棒本体102に固定されるものである。
【0041】
このように、この実施の形態によれば、凸部24bを押したり離したりすることで、ワンタッチで間接活線工具用保護カバー1を移動したり固定したりすることができ、保護部3つまり間接活線工具用保護カバー1の位置を容易かつ迅速に調整することが可能となる。
【0042】
以上、この発明の実施の形態について説明したが、具体的な構成は、上記の実施の形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、この発明に含まれる。例えば、間接活線工具用保護カバー1を既存、既製の間接活線工具100に取り付けているが、間接活線工具100に間接活線工具用保護カバー1(取付部2と保護部3)を一体的に備えた間接活線工具としてもよい。
【0043】
また、操作棒本体102に対する取付部2の取付位置を変えることで、先端工具110に対する保護部3の位置を調整できるようにしているが、取付部2に対して保護部3を移動可能にすることで、先端工具110に対する保護部3の位置を調整できるようにしてもよい。さらに、種々の先端工具110に対して1つの間接活線工具用保護カバー1で対応するようにしているが、各先端工具110に適合した形状、大きさの間接活線工具用保護カバー1(取付部2と保護部3)を設けるようにしてもよい。また、ボルト23や板バネ体24で取付部2を取り付けているが、クランプ機構やクリップなどによってワンタッチで、取付部2を取り付けたり取り外したりできるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0044】
1 間接活線工具用保護カバー
2 取付部
21 第1の取付部
22 第2の取付部
23 ボルト
24 板バネ体
3 保護部
31 第1の保護部
32 第2の保護部
33 ヒンジ
4 連結部
100 間接活線工具
101 絶縁操作棒
102 操作棒本体
103 第1の接続部材
110 先端工具
113 第2の接続部材
120 接続部
【要約】
【課題】 地絡事故や感電などを防止、抑制することが可能な間接活線工具用保護カバーを提供する。
【解決手段】 絶縁操作棒101の先端部に金属製の先端工具110が取り付けられた間接活線工具100を保護するための保護カバーであり、絶縁操作棒101に取り付けられる取付部2と、取付部2に連結され、電気絶縁性の筒状で、絶縁操作棒101と先端工具110との接続部120を覆い先端工具110側に延びる保護部3と、を備える。
【選択図】 図1
図1
図2
図3
図4
図5