【実施例1】
【0018】
本発明の実施例1を
図1乃至
図3に基づいて説明する。
まず、
図1に基づいてチャック装置10を着脱可能に保持する部品実装機の装着ヘッド11側の構成を説明する。
【0019】
装着ヘッド11を支持する移動機構12は、X方向(基板搬送方向)及びY方向(基板搬送方向と直角な方向)に移動するXY方向移動機構13と、Z方向(上下方向)に移動するZ方向移動機構14とから構成されている。
【0020】
XY方向移動機構13は、X方向に移動するXスライド(図示せず)上に、Y方向に移動するYスライド15を設けた構成であり、Yスライド15に支持部材16を介して筒状回転部材17がZ軸部18(後述するエアー供給パイプ25の中心)の回りを回転可能に支持されている。筒状回転部材17内には、中空のZ軸部18がZ方向に移動可能にスプライン嵌合され、該Z軸部18の下端に装着ヘッド11が同心状に設けられている。
【0021】
Z軸部18は、筒状回転部材17から上方に突出し、該Z軸部18の上端部がZ方向移動機構14の昇降部材21に回転可能に支持されている。Z方向移動機構14は、Z軸モータ(図示せず)により回転駆動されるボールねじ22と、該ボールねじ22の回転によりZ方向に移動するナット部材23とから構成され、該ナット部材23に昇降部材21が固定されている。
【0022】
中空のZ軸部18の内部には、エアー供給パイプ25が同心状に設けられ、該エアー供給パイプ25の内部空間が正圧/負圧兼用のエアー供給路26として使用され、該エアー供給パイプ25の外周面とZ軸部18の内周面との間に形成された円環状の隙間が負圧専用のエアー供給路27として使用されるようになっている。エアー供給パイプ25の上端部がZ方向移動機構14の昇降部材21に回転可能に支持され、昇降部材21のZ方向の移動によりエアー供給パイプ25とZ軸部18とが一体的にZ方向に移動するようになっている。
【0023】
筒状回転部材17の外周部には、ヘッド回転装置28の歯車29が設けられ、この歯車29をモータ(図示せず)により回転させることで、筒状回転部材17が回転し、これと一体的にZ軸部18、エアー供給パイプ25及び装着ヘッド11が回転するようになっている。
【0024】
昇降部材21には、エアー供給パイプ25の外周面に沿って円環状のエアー導入溝31が形成されていると共に、該昇降部材21の外周面からエアー導入溝31に延びるエアー導入ポート32が形成され、該エアー導入ポート32には、流路切換弁33を介して正圧源34と負圧源35とが選択的に接続されるように構成されている。エアー供給パイプ25のうちの円環状のエアー導入溝31に対向する部分には、径方向に貫通する連通孔36が形成され、正圧源34又は負圧源35から流路切換弁33を介してエアー導入ポート32に導入された正圧又は負圧のエアーがエアー導入溝31から連通孔36を通してエアー供給パイプ25内の正圧/負圧兼用のエアー供給路26に供給されるようになっている。尚、正圧源34は、ブロワー又はコンプレッサ等により構成され、負圧源35は、負圧ポンプ等により構成されている。
【0025】
また、昇降部材21には、Z軸部18の外周面に沿って円環状のエアー導入溝39が形成されていると共に、該昇降部材21の外周面からエアー導入溝39に延びるエアー導入ポート40が形成され、該エアー導入ポート40には、電磁弁41を介して負圧源35に接続されている。Z軸部18のうちの円環状のエアー導入溝39に露出する部分には、径方向に貫通する連通孔42が形成され、負圧源35から電磁弁41を介してエアー導入ポート40に導入された負圧がエアー導入溝39から連通孔42を通してZ軸部18内の負圧専用のエアー供給路27に供給されるようになっている。
【0026】
Z軸部18の下端に支持された装着ヘッド11には、負圧専用のエアー供給路27と連通路44を介して連通する吸着用負圧室45が下面側に開口するように形成され、該吸着用負圧室45に供給される負圧によってチャック装置10の上端面(又は吸着ノズルの上端面)を吸着して保持するようになっている。
【0027】
一方、エアー供給パイプ25内の正圧/負圧兼用のエアー供給路26の下端は、装着ヘッド11の下面に開口し、該エアー供給路26の下端からチャック装置10(又は吸着ノズル)の上面壁のエアー供給口78(
図3参照)に正圧/負圧のエアーが供給されるようになっている。
【0028】
次に、
図2及び
図3を用いてチャック装置10の構成を説明する。
チャック装置10は、部品50をクランプする一対のクランプ爪51(クランプ部)と
、該部品50のピン52(突起部)を基板53(対象物)の孔54に押し込むプッシャ部55と、クランプ爪51を駆動するクランプ用エアーシリンダ部57と、プッシャ部55を駆動するプッシャ用エアーシリンダ部58を備えた構成となっている。
【0029】
一対のクランプ爪51は、軸60を支点にして下向きの状態で開閉回動可能に支持され、各クランプ爪51の上部には、互いに相手側に突出するアーム部61が一体に形成されている。これにより、アーム部61を下方に回動させると、クランプ爪51が開き方向(クランプ解除方向)に回動するようになっている。
【0030】
各クランプ爪51のアーム部61の先端部は、それぞれリンク部材62を介して昇降部材63が上下動するようになっている。昇降部材63のロッド部の上端部に対して、クランプ用エアーシリンダ部57のピストン67のみが所定量Hだけ上下動できるように連結されている。この所定量Hを調整することで、後述するように、実際のクランプ爪51のクランプ解除動作開始タイミングを、プッシャ部55が部品50の押込みを開始するタイミングとほぼ一致させるようにしている。
【0031】
具体的には、ピストン67には、昇降部材63のロッド部の上端部が所定量Hだけ上下動できるようにロッド可動連結室68が形成され、該ロッド可動連結室68内に該ロッド部の上端部が収容されている。ロッド部の上端面には、スペーサ部材73がねじ74により固定され、該スペーサ部材73を厚みの異なるスペーサ部材に付け替えることで、ロッド部に対するピストン67の上下動量Hを調整して、実際のクランプ爪51のクランプ解除動作開始タイミングを調整できるようになっている。
【0032】
クランプ用エアーシリンダ部57のピストン67の上方には、圧力室76が形成され、該圧力室76には、該ピストン67を下方(クランプ解除方向)に付勢するスプリング77が収容されている。クランプ用エアーシリンダ部57の圧力室76の天井壁には、装着ヘッド11側の正圧/負圧兼用のエアー供給路26と連通するエアー供給口78(
図3参照)が形成され、装着ヘッド11側の正圧/負圧兼用のエアー供給路26から正圧/負圧のエアーがエアー供給口78を通して圧力室76に供給されるようになっている。
【0033】
図3に示すように、一対のクランプ爪51の爪先部51aは、それぞれL字状に屈曲するように形成され、2つの爪先部51aでクランプした部品50の上方にプッシャ部55が位置するように配置されている。
【0034】
次に、
図3を用いて、プッシャ部55を駆動するプッシャ用エアーシリンダ部58の構成を説明する。
【0035】
プッシャ用エアーシリンダ部58のピストン81は、その下側に配置されたスプリング82のばね力によって上方(押込み解除方向)に付勢されている。ピストン81の下部には、ロッド83が下方に突出するように一体に形成され、該ロッド83にプッシャ部55が固定されている。
【0036】
プッシャ用エアーシリンダ部58のピストン81の上方には、圧力室84が形成されている。チャック装置10の上端面のエアー供給口78と、圧力室84の天井壁のエアー導入口85との間を連通させる連通路87が設けられ、装着ヘッド11側の正圧/負圧兼用のエアー供給路26を通して供給される正圧/負圧のエアーがエアー供給口78から連通路87を通して圧力室84に供給されるようになっている。チャック装置10の上端面のエアー供給口78は、クランプ用エアーシリンダ部57とプッシャ用エアーシリンダ部58の両方の圧力室76,84にエアーを供給する共通のエアー供給口となっている。
【0037】
以上のように構成したチャック装置10を装着ヘッド11に保持させる場合は、部品実装機の移動機構12により装着ヘッド11をチャック装置10の上方に移動させると共に、負圧源35の電磁弁41を開弁して、負圧源35から負圧専用のエアー供給路27を通して装着ヘッド11の吸着用負圧室45に負圧を供給しながら、装着ヘッド11の下面をチャック装置10の上面に当接させる。これにより、装着ヘッド11の下面にチャック装置10が負圧により吸着保持された状態となる。
【0038】
この後、一対のクランプ爪51で部品50を挟むクランプ動作を行う場合は、流路切換弁33を負圧源35側に切り換えて、装着ヘッド11側の正圧/負圧兼用のエアー供給路26を通してエアー供給口78からクランプ用エアーシリンダ部57の圧力室76に負圧を供給する。これにより、
図2(b)に示すように、ピストン67がスプリング77のばね力に抗して吸い上げられ、ピストン67下面の抜止めプレート69で昇降部材63のロッド部の上端部のフランジ部72が引っ掛けられて該ロッド部が引き上げられ、これと一体的に昇降部材63が引き上げられる。この昇降部材63の引き上げ動作により、リンク部材62を介して一対のクランプ爪51のアーム部61が軸60を支点にして引き上げられることで、一対のクランプ爪51が軸60を支点にして閉じ方向(クランプ方向)に回動される。
【0039】
クランプ動作中は、装着ヘッド11側の正圧/負圧兼用のエアー供給路26を通して供給される負圧がエアー供給口78から連通路87を通してプッシャ用エアーシリンダ部58の圧力室84にも供給される。これにより、
図3(a)に示すように、プッシャ用エアーシリンダ部58のピストン81が吸い上げられ、プッシャ部55が上昇位置(押込み解除位置)に上昇する。この状態は、圧力室84に供給される負圧とスプリング82のばね力によって保持される。
【0040】
以上のようにしてチャック装置10のクランプ爪51で部品50をクランプし、且つ、プッシャ部55を押込み解除位置に待機させた状態で、部品実装機の移動機構12により該チャック装置10を装着ヘッド11と共に基板53の上方へ移動させて、該チャック装置10のクランプ爪51でクランプした部品50のピン52を基板53の孔54に位置合わせして、
図3(a)に示すように、部品50のピン52を基板53の孔54に挿入する。
【0041】
この後、クランプ解除動作とプッシャ部55の押込み動作を次のようにして行う。
流路切換弁33を正圧源34側に切り換えて、装着ヘッド11側の正圧/負圧兼用のエアー供給路26に供給するエアー圧力を負圧から正圧に切り換える。これにより、エアー供給口78からクランプ用エアーシリンダ部57とプッシャ用エアーシリンダ部58の両方の圧力室76,84に正圧のエアーが供給される。
【0042】
クランプ用エアーシリンダ部57の圧力室76に正圧のエアーが供給されると、
図2(a)に示すように、圧力室76に供給される正圧とスプリング77のばね力によりピストン67が押し下げられる。この際、最初は、
図2(b)に示すように、昇降部材63のロッド部上端のスペーサ部材73とピストン67のロッド可動連結室68の天井壁との間に所定量Hの隙間があけられているため、スプリング77によるピストン67の押し下げ量が所定量Hを越えるまでは、昇降部材63のロッド部が動かずにピストン67のみが押し下げられ、その後、ピストン67の押し下げ量が所定量Hに達した時点で、ロッド可動連結室68の天井壁が昇降部材63のロッド部上端のスペーサ部材73に突き当たった状態となり、以後、ピストン67とロッド部とが一体的に押し下げられて、昇降部材63が押し下げられる。この昇降部材63の押し下げ動作により、リンク部材62を介して一対のクランプ爪51のアーム部61が軸60を支点にして押し下げられ、これと一体的に一対のクランプ爪51が軸60を支点にして開き方向(クランプ解除方向)に回動される。
【0043】
以上のようにして、クランプ用エアーシリンダ部57の圧力室76への正圧のエアーの供給開始(ピストン67の押し下げ動作開始)からピストン67の押し下げ量が所定量Hを越えるまでクランプ解除動作の開始タイミングが遅らされる。
【0044】
装着ヘッド11側の正圧/負圧兼用のエアー供給路26から供給される正圧のエアーは、エアー供給口78からクランプ用エアーシリンダ部57とプッシャ用エアーシリンダ部58の両方の圧力室76,84に同時に供給される。プッシャ用エアーシリンダ部58の圧力室84に正圧のエアーが供給されると、
図3(b)に示すように、プッシャ用エアーシリンダ部58のピストン81がスプリング82のばね力に抗して押し下げられ、それによって、プッシャ部55が下降して、該プッシャ部55で部品50のピン52が基板53の孔54に押し込まれる。
【0045】
以上説明した本実施例1では、部品実装機の移動機構12に設けられた装着ヘッド11に対してチャック装置10を着脱可能に保持する構成であるため、クランプする部品50のサイズに合ったクランプ爪51を持つチャック装置10に自由に交換できる。しかも、クランプ爪51とプッシャ部55をそれぞれ別のエアーシリンダ部57,58で駆動する構成であるため、クランプ動作と押込み動作の両方の動作特性を比較的自由に設定できると共に、2つのエアーシリンダ部57,58に対して装着ヘッド11のエアー供給路26を通してエアー圧力を供給する構成であるため、チャック装置10の構成の複雑化も回避できる。
【0046】
しかも、本実施例1では、部品実装機の装着ヘッド11に対してチャック装置10を吸着ノズルと付け替え可能に保持するように構成したので、チャック装置10が必要になる生産でのみ、部品実装機の装着ヘッド11にチャック装置10を保持させて使用し、一方、チャック装置10を必要としない生産では、部品実装機の装着ヘッド11からチャック装置10を取り外して吸着ノズルに付け替えて使用することができ、共通の装着ヘッド11をチャック装置10と吸着ノズルとで効率良く使用できる。しかも、吸着ノズルの部品吸着動作と解放動作を切り換えるために部品実装機の装着ヘッド11側に設けられたエアー圧力の正圧/負圧切換機能(流路切換弁33と電磁弁41)を使用して、チャック装置10の2つのエアーシリンダ部57,58に供給するエアー圧力を切り換えてクランプ爪51とプッシャ部55の両方を駆動できるため、チャック装置10自体には、エアー圧力の正圧/負圧切換機能を設ける必要がなく、チャック装置10の構成を簡単化できる利点もある。
【0047】
更に、本実施例1では、装着ヘッド11のエアー供給路26を通して2つのエアーシリンダ部57,58に対して、負圧を供給したときにプッシャ部55が押込み解除位置に待機した状態でクランプ爪51がクランプ方向に駆動され、正圧を供給したときにクランプ爪51がクランプ解除方向に駆動され且つプッシャ部55が押込み方向に駆動されるように構成したので、吸着ノズルの部品吸着動作/解放動作を行う場合と同じエアー圧力の切り換えによってクランプ爪51のクランプ動作/解除動作及びプッシャ部44の押込み動作を実行することが可能となり、チャック装置10の各動作の制御も容易である。
【0048】
ところで、
図3(a)に示すように、チャック装置10のクランプ爪51で部品50をクランプした状態では、プッシャ部55が部品50から上方に離れて待機した状態となっているため、プッシャ部55を下降させても、該プッシャ部55が部品50に到達するまでは、該プッシャ部55で部品50のピン52を基板53の孔54に押し込むことができない。このため、プッシャ部55で部品50を押し込む動作には、遅れが生じる。クランプ解除直後の部品50は、該部品50のピン52が基板53の孔54に十分に嵌まり込んでいないため、クランプ解除した部品50に対するプッシャ部55の押し込み動作のタイ
ミングが遅れると、プッシャ部55が部品50に到達する前に、該部品50が倒れてしまう可能性がある。
【0049】
この対策として、本実施例1では、クランプ用エアーシリンダ部57は、クランプ爪51をクランプ解除方向に駆動するときに、クランプ用エアーシリンダ部57のピストン67の押し下げ量が所定量Hを越えてからクランプ爪51がクランプ解除方向に駆動されるように構成されているため、クランプ爪51をクランプ解除方向に駆動するときに、クランプ用エアーシリンダ部57のピストン67の押し下げ量が所定量Hを越えるまでクランプ爪51のクランプ解除動作開始タイミングを遅らせることができる。従って、上記所定量Hを調整することで、実際のクランプ爪51のクランプ解除動作開始タイミングをプッシャ部55が部品50の押込みを開始するタイミングにほぼ一致させることが可能となり、プッシャ部55が部品50のピン52を基板53の孔54に押し込む前に該部品50が倒れてしまうことを防止できる。
【実施例2】
【0050】
次に、本発明の実施例2を
図4乃至
図6を用いて説明する。但し、上記実施例1と実質的に同じ機能の部分は同一符号を付して説明を省略又は簡略化し、主として異なる部分について説明する。
【0051】
上記実施例1では、実際のクランプ爪51のクランプ解除動作開始タイミングをプッシャ部55が部品50の押込みを開始するタイミングに近付ける手段として、クランプ用エアーシリンダ部57のピストン67の押し下げ量が所定量Hを越えてからクランプ爪51がクランプ解除方向に駆動されるように構成したが、本実施例2では、クランプ爪51を駆動するクランプ用エアーシリンダ部90のピストン91の下側には、該ピストン91の下降(クランプ解除方向への移動)によってエアーが押し出されるエアークッション室92が設けられ、該ピストン91の下降量が増加するに従って該エアークッション室92内のエアーの押出し流量が増加してピストン91の下降速度が増加するように構成されている。
【0052】
以下、この構成を具体的に説明する。
クランプ用エアーシリンダ部90のエアークッション室92の側壁部には、オリフィス93が形成され、ピストン91の下降時に該エアークッション室92内のエアーをオリフィス93から流量を絞って流出させるようにしている。
【0053】
ピストン91には、ロッド65を固定する筒状スリーブ94が下向きに突出するように形成され、該筒状スリーブ94内にロッド65が挿通固定されている。筒状スリーブ94は、エアークッション室92の底壁部92aに形成された貫通孔95に上下動自在に挿通されている。
図6に示すように、ピストン91の下降量が増加するに従って筒状スリーブ94の外周面とエアークッション室92の貫通孔95の内周面との間の隙間(流路断面積)が増加するように、筒状スリーブ94の外周面のうち貫通孔95の内周面と対向する部分には、下側に向かって径が大きくなるテーパ面96が形成されている。
【0054】
この構成では、クランプ爪51をクランプ解除方向に駆動する際に、ピストン91の下降量が増加するに従って、筒状スリーブ94の外周面とエアークッション室92の貫通孔95の内周面との間の隙間(流路断面積)が増加して、エアークッション室92内のエアーが押し出されやすくなり、エアークッション室92のエアーからピストン91の下面に作用する圧力が小さくなる。これにより、ピストン91の下降量が増加するに従って、ピストン91の下降速度が速くなる。
【0055】
このようにすれば、クランプ爪51のクランプ解除動作の速度特性を、初期速度は遅く
設定して、ピストン91が下降するに従ってクランプ解除動作の速度が速くなるという速度特性に設定することができる。これにより、部品50のクランプ解除動作と押し込み動作を行う際に、プッシャ部55が部品50に到達して部品50の押し込みを開始するまで、クランプ解除動作の速度を遅くしてクランプ爪51で部品50の倒れを防止することが可能となり、プッシャ部55が部品50のピン52を基板53の孔54に押し込む前に該部品50が倒れてしまうことを防止できる。
【0056】
その他、本実施例2でも、前記実施例1と同様の効果を得ることができる。
本実施例2では、ピストン91の下降量が増加するに従ってエアークッション室92から押し出されるエアーの流路断面積が連続的に増加するように構成したが、ピストン91の下降量が増加するに従ってエアークッション室92から押し出されるエアーの流路断面積が段階的(2段階以上)に増加するように構成しても良い。
【0057】
尚、本発明の適用範囲は、部品実装機に限定されず、部品挿入機、組立機等にも適用可能である。
【0058】
その他、本発明は、上記各実施例1,2に限定されず、例えば、クランプ爪51の形状やプッシャ部55の形状を適宜変更しても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。