【実施例1】
【0013】
以下、図面に示す実施例により本発明を説明する。この実施例に係る物品搬送装置は、供給コンベヤ2(第1コンベヤ)から搬送コンベヤ4(第2コンベヤ)へ物品6(この実施例では、
図2に示すように背の高いやや不安定な容器)の受け渡しを行って搬送する容器搬送装置であり、上流側の供給コンベヤ2と下流側の搬送コンベヤ4との接続部に容器受け渡し手段8が設けられている。なお、この実施例では、
図2に示すように背の高い不安定な形状の容器6の搬送について説明するが、このような容器6に限定されるものではなく、その他各種物品の搬送に適用可能である。
【0014】
この容器搬送装置の上流部には、容器6を複数列(この実施例では6列)で搬送する供給コンベヤ2が配置されている。この供給コンベヤ2は、上流側と下流側のプーリ10(上流側のプーリは図示を省略)に掛け回された幅広の無端状搬送体12を有している。この無端状搬送体12上の、6列の搬送経路2A、2B、2C、2D、2E、2Fの両側にそれぞれガイド14が配置されており、各列の容器6は両側のガイド14に案内されて搬送される。この供給コンベヤ2の各搬送経路2A〜2Fの上方に、容器6の有無を検出する容器検出センサ16(物品検出センサ)がそれぞれ設けられている。この供給コンベヤ2は、図示しない制御装置によって搬送速度が制御されるようになっており、低速搬送と高速搬送に切り換えることができる。
【0015】
供給コンベヤ2の下流側に、供給コンベヤ2と同一の搬送方向を向けて搬送コンベヤ4が直列に配置されている。この搬送コンベヤ4は、供給コンベヤ2の6列の搬送経路2A〜2Fによって搬送されてきた容器6をそのまま受け渡されて搬送するように、6列の独立したコンベヤ部(搬送経路)4A、4B、4C、4D、4E、4Fを有している。搬送コンベヤ4は、上流側のプーリ18と図示しない下流側のプーリに掛け回された6本の無端状搬送体20を有しており、各無端状搬送体20の上方にそれぞれ配置された両側ガイド22によって容器6を案内しつつ搬送する。各無端状搬送体20と両側ガイド22によって前記各コンベヤ部4A〜4Fが形成されている。この搬送コンベヤ4も制御装置によって搬送速度を制御されており、高速、低速の切換が可能である。この実施例では、搬送コンベヤ4の運転速度は、前記供給コンベヤ2および後に説明する受け渡しコンベヤの運転速度よりも僅かに速い速度に設定される。
【0016】
前記供給コンベヤ2と搬送コンベヤ4との接続部に、供給コンベヤ2によって搬送されてきた容器6を搬送コンベヤ4に受け渡す容器受け渡し手段8が設けられている。この容器受け渡し手段8は、供給コンベヤ2の下流端に近接して設けられた渡り板23の下流側に、供給コンベヤ2の各搬送経路2A〜2Fに対応して配置された昇降プレート24と、各昇降プレート24の両側から搬送コンベヤ4の各無端状搬送体20の上流部の両側に亘って配置された受け渡しコンベヤ26を備えている。
【0017】
昇降プレート24と受け渡しコンベヤ26の上流端の位置はほぼ一致している。受け渡しコンベヤ26は、複数のプーリ28、30、32、34、36に掛け回された無端状搬送体38を有している。この受け渡しコンベヤ26は、各列の昇降プレート24および搬送コンベヤ4の各無端状搬送体20の上流部の両側に配置されており、各搬送経路がそれぞれ2本の幅の狭い無端状搬送体38から構成されている。この受け渡しコンベヤ26も、前記供給コンベヤ2および搬送コンベヤ4と同様に、制御装置によって速度を制御されており、高速と低速に切り換え可能である。この実施例では、受け渡しコンベヤ26は前記供給コンベヤ2と同速で運転される。
【0018】
また、前記供給コンベヤ2の下流端とこの受け渡しコンベヤ26の上流端との接続部分の、両者の間隙をできるだけ小さくするために、プーリを配置せず、曲面を有する固定のガイドブロック40、42を配置している。これら両コンベヤ2、26の僅かの隙間に、幅の狭い固定の渡り板23を配置している。この渡り板23は、前記供給コンベヤ2、受け渡しコンベヤ26および搬送コンベヤ4の搬送面2a、4a、26aの高さよりも僅かに低い高さに設定されている。この実施例では、搬送面2a、4a、26aの高さより0.5mm低く設定されている。
【0019】
昇降プレート24は、下方に直立して設置されたシリンダ46のピストンロッド46aに取り付けられており、運転時の状況(特に生産運転の開始時と終了時)に応じて高さを調節できるようになっている。
【0020】
各列の昇降プレート24と下流側の搬送コンベヤ4との間には間隙が設けられており、これら各昇降プレート24と搬送コンベヤ4との間にそれぞれ固定プレート48が配置されている。この実施例では、固定プレート48は各コンベヤ2、4、26の搬送面2a、4a、26aの高さより僅かに低く設定されている。例えば、搬送面2a、4a、26aの高さより0.5mm〜1mm程度低く設定されている。
【0021】
以上の構成に係る容器搬送装置の作動について説明する。先ず、生産開始時には、昇降プレート24を上昇させ、その上面を、各コンベヤ2、4、26の搬送面2a、4a、26aの高さよりも0.5mm高い位置に設定する。また、供給コンベヤ2および受け渡しコンベヤ26は低速で駆動し、搬送コンベヤ4はこれら両コンベヤ2、26よりも僅かに速い速度で駆動する。供給コンベヤ2によって低速で搬送されてくる容器6は、昇降プレート24上に乗り移って停止する。続けて上流側から容器6が供給されてくると、昇降プレート26の上流側に次第に容器6が溜まり、各列2A〜2Fに設けられている容器検出センサ16の位置まで容器6が滞留すると、供給コンベヤ2、受け渡しコンベヤ26および搬送コンベヤ4を高速運転に切り換える。なお、この実施例では、昇降プレート24は容器6が2本または3本載置される搬送方向の長さを有している。但しこのサイズに限定されるものではない。
【0022】
供給コンベヤ2が高速運転になると、昇降プレート24上の容器6は後続の容器6に押されて固定プレート48の上方へ移動するが、固定プレート48は受け渡しコンベヤ26の搬送面26aよりもやや低い位置にセットされているので、容器6はこの受け渡しコンベヤ26によって搬送され、下流側の搬送コンベヤ4上に移動する。受け渡しコンベヤ26と搬送コンベヤ4は、搬送面26a、4aの高さが同一であり、容器6は、これら両コンベヤ26、4によって搬送され、その後、受け渡しコンベヤ26の下流端を通過して搬送コンベヤ4単独で搬送される。この実施例に係る容器搬送装置では、渡り板23は供給コンベヤ2の搬送面2aよりも僅かに低く、また、運転開始時には昇降プレート24を搬送面2aよりも僅かに高く設定するとともに、供給コンベヤ2および受け渡しコンベヤ26の速度を低速にしているので、容器6を一旦昇降プレート24上に載せて停止させ、後続の容器6が滞留した状態にしてから高速運転を開始して容器6を前進させることにより、供給コンベヤ2と搬送コンベヤ4との容器6の受け渡し部で容器6が引っ掛かって転倒してしまうおそれがない。
【0023】
また、生産の終了時には、供給コンベヤ2の各列(搬送経路2A〜2F)に設けられている各容器検出センサ16が容器6を検出しなくなってから所定時間経過後に、容器6の供給が停止したと判断して、供給コンベヤ2、受け渡しコンベヤ26および搬送コンベヤ4をすべて低速運転に切り換えるとともに、昇降プレート24を下降させる。すると、昇降プレート24上に停止していた容器6は、昇降プレート24との接触が無くなり、受け渡しコンベヤ26によって搬送され、下流側の搬送コンベヤ4に受け渡される。このように運転終了時に、昇降プレート24を下降させて受け渡しコンベヤ26によって搬送させるので、昇降プレート24上に容器6が残留してしまうことが無く、すべての容器6を確実に払い出すことができる。なお、この実施例で設定した渡り板23、昇降プレート24および固定プレート48の高さは、前記数値に限定されるものではなく、容器6等の物品の形状やサイズあるいは各コンベヤ2、26、4の搬送速度等に応じて適宜変更することができる。また、前記実施例では、昇降プレート24を生産終了時に下降させるようにしたが、必ずしも生産終了時だけに限るものではなく、生産中でも、容器6が密集して搬送されていれば転倒の危険性が少なくなるので、昇降プレート24を下降させるようにしても良い。また、容器6の状態を検出して、密集した状態であれば昇降プレート24を下降させ、容器6が途切れたことを検出したら昇降プレート24を上昇させる制御を行っても良い。