【文献】
守口 剛,会員組織化を通じた顧客ロイヤルティの形成〜千葉ロッテマリーンズによるCRMの実践とその効果〜,販促会議,株式会社宣伝会議,2009年 6月 1日,No.134,pp.98-100
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態の例について図面に基づき詳細に説明する。
【0021】
[権利付与システム]
図1は、本発明の実施形態に係る権利付与システム1の構成を例示する図である。同図に示すように、権利付与システム1は、試合を観戦する権利である観戦チケットを販売する観戦チケット販売サーバ2と、複数のクライアント端末4と、決済サーバ6と、を含む。これら観戦チケット販売サーバ2、クライアント端末4及び決済サーバ6は、ネットワークを介して互いにデータ授受可能に接続されている。なお、これら観戦チケット販売サーバ2と決済サーバ6とは別体となっているが、これら両者が一体でもよい。例えば観戦チケット販売サーバ2が決済サーバ6を兼ねてもよい。
【0022】
[観戦チケット販売サーバ]
観戦チケット販売サーバ2は、例えばプロ野球チーム「X」のオーナー企業が所有するサーバコンピュータである。観戦チケット販売サーバ2は、プロ野球チーム「X」が主催する試合の観戦チケットを販売するために用いられ、制御部2a、主記憶2b、ハードディスク2c、ディスプレイ2d、ネットワークインタフェース2e、及び操作入力部2f等を備える。
【0023】
制御部2aは、マイクロプロセッサであり、主記憶2bに記憶されるプログラムに従って各種情報処理を実行する。また、主記憶2bは、RAM及びROMであり、主記憶2bには、上記プログラムの他、各種情報処理に必要なデータが格納される。上記プログラムは、DVD(登録商標)−ROM等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体から読み出されて主記憶2bに格納される。また、ハードディスク2cには、各種データが記憶される。ハードディスク2cに記憶される情報については後述する。また、ディスプレイ2dは、制御部2aにより入力された情報を出力する。また、ネットワークインタフェース2eは、観戦チケット販売サーバ2をネットワークに接続するためのインタフェースである。また、操作入力部2fは、ユーザの操作内容を示す信号を制御部2aに出力する。
【0024】
[クライアント端末]
クライアント端末4は、例えば観戦チケット販売サーバ2に登録されたユーザのコンピュータである。クライアント端末4は、ユーザが観戦チケット販売サーバ2にアクセスし、チーム「X」が主催する試合の観戦チケットを購入するために用いられる。ここで、観戦チケットは、試合を観戦する権利(以下、観戦権と表記する)を証する権利証書であり、観戦チケットを購入することは、観戦権を購入することを意味する。なお、観戦チケットは、紙の証書ではなく、携帯電話や携帯端末等に記憶される電子証書であってもよい。
【0025】
[決済サーバ]
決済サーバ6は、例えばクレジットカード会社が所有するサーバコンピュータである。決済サーバ6は、いわゆるクレジットカード決済のために用いられる。決済サーバ6が実行する処理については後述する。
【0026】
[チーム「X」]
上記プロ野球チーム「X」は、6つのチームが所属するプロ野球リーグに所属しており、他の5つのプロ野球チーム(チーム「A」、チーム「B」、チーム「C」、チーム「D」、及びチーム「E」)との間でリーグ戦(以下、ペナントレースと表記する)を行う。ペナントレースでは、予め定められた日程で試合が行われる。試合はいずれか一方のチームがホームチームとなって主催し、ホームチームの本拠地の球場で行われる。
【0027】
[クライアント端末の利用形態]
次に、クライアント端末4の利用形態について説明する。ここでは、チーム「X」のファンであるユーザXが観戦チケットを購入する場合を例に取り上げる。まず、観戦チケット販売サーバ2にログインしたユーザXは、所定の試合日程表示操作を行うことにより、クライアント端末4のディスプレイに、チーム「X」の主催試合の日程を示す試合日程カレンダーを表示させる。
図2に試合日程カレンダーを示す。試合日程カレンダーには、チーム「X」が主催する試合の日程がカレンダー形式で表示されている。
【0028】
試合日程カレンダーを表示させたユーザXは、次に試合選択操作を行うことにより、観戦を希望する試合を選択する。試合はその開催日によって区別されるため、ユーザXは、観戦を希望する試合の開催日に対応するセルをクリックする。こうすることにより、クライアント端末4のディスプレイに、観戦チケット選択画面を表示させる。
図3に観戦チケット選択画面を示す。観戦チケット選択画面は、各種観戦チケットの定価及び残券状況を示す。
図3では、各観戦チケットが、座席種別として表されている。「売り切れ」は、観戦チケットが売り切れていることを表す。例えば、
図3によれば、座席Aの観戦チケットが売り切れている。また、「残りあり」は、観戦チケットがまだ売れ残っていることを表す。
図3によれば、座席A以外の座席の観戦チケットがまだ売れ残っている。
【0029】
観戦チケット選択画面には、チェックボックス8が用意されている。ユーザXは、チェックボックス8にチェックを入力することにより、購入を希望する観戦チケットを選択する。こうした上で、ユーザXは、決済選択画面表示ボタン10をクリックすることにより、クライアント端末4のディスプレイに決済選択画面を表示させる。
図4に決済選択画面を示す。
【0030】
図4に示すように、決済選択画面には、選択可能な決済方法の候補が2つ表示される。具体的には、通常決済と、ポイント決済と、が候補として表示される。通常決済では、クレジットカード決済が行われる。一方、ポイント決済ではポイントによって決済が行われる。決済選択画面には、チェックボックス9が用意されている。ユーザXは、チェックボックス9にチェックを入力することで、所望の決済方法を選択する。こうした上で、ユーザXは、注文確認画面表示ボタン11をクリックすることにより、クライアント端末4のディスプレイに注文確認画面を表示させる。
【0031】
図5は、ポイント決済が選択された場合に表示される注文確認画面を示す。同図に示すように、注文確認画面には、ユーザXが選択した試合の内容13が表示される。また、注文確認画面には、ユーザXが選択した観戦チケットの種別15が表示される。また、注文確認画面には、消費されるポイント数である消費ポイント17、及びユーザXが所持しているポイント数19(以下、所持ポイントと表記する)も表示される。本実施形態では、1円が1ポイントに相当する。従って、
図3に示したように、座席Bの定価は1000円なので、座席Bのポイント定価は、1000ポイントとなる。そのため、消費ポイントとして1000ポイントが表示されている。
【0032】
本実施形態の場合、ユーザは、コンビニエンスストア等の小売店舗でポイントを事前に購入する。ユーザは、1円で1ポイントを購入することができる。
【0033】
図6は、通常決済が選択された場合に表示される注文確認画面を示す。注文確認画面には、ユーザXが選択した試合の内容13と、観戦チケットの種別15と、また、購入金額21(ユーザXが選択した観戦チケットの定価)と、が表示される。前述のように座席Bの定価は1000円なので、購入金額21として1000円が表示されている。
【0034】
この観戦チケット販売サーバ2では、通常決済が行われた場合、購入金額に応じた数のポイントがユーザに付与される。このユーザXに付与されるポイント数23(以下、付与ポイントと表記する)も注文確認画面に表示される。通常、定価の一割の数が付与ポイント23となる。座席Bの定価が1000円なので100ポイントが付与ポイント23として表示されている。
【0035】
注文内容を確認したユーザXは、購入ボタン12をクリックすることにより、注文を確定する。ユーザXによってポイント決済が選択された場合には、観戦チケット販売サーバ2がポイント決済を行うこととなる。一方、ユーザXによって通常決済が選択された場合、決済サーバ6が決済を行うとともに、観戦チケット販売サーバ2が付与ポイント分のポイントをユーザXに付与することとなる。
【0036】
ところで、上記ユーザXが観戦した試合でチーム「X」が負けた場合、チーム「X」のファンであるユーザXは、チーム「X」のファンであるが故に悔しい気分になり、次回の観戦になかなか足を運ぶ気にならないことがある。
【0037】
そこで、この権利付与システム1では、ユーザXが観戦した試合でチーム「X」が負けた場合、その後、通常決済でユーザXが観戦チケットを購入する際に、通常より多くの付与ポイントがユーザXに付与されるようになっている。例えば、ユーザXがチーム「X」の負け試合を観戦している場合、その後、通常決済で観戦チケットを購入する際に、
図7に示す注文確認画面が表示される。
図7に示す注文確認画面では、ユーザXに付与する付与ポイント23が通常の2倍となっている。このように通常よりも多くのポイントをユーザXに付与することより、過去に観戦した試合の内容による悪い影響を軽減し、チーム「X」の負け試合を観戦したユーザXに対して、次回の観戦への動機付けを行うようになっている。
【0038】
以下、チーム「X」の負け試合を観戦した、チーム「X」のファンであるユーザに対して、次回の観戦への動機付けを行うための技術について説明する。
【0039】
[データ]
まず、ハードディスク2cに予め格納されるデータについて説明する。ハードディスク2cには、
図8に示すユーザデータベースと、
図9に示す試合日程表と、
図10に示す価格表と、
図11に示す観戦データベースと、が予め格納される。
【0040】
図8に示すユーザデータベースは、観戦チケット販売サーバ2に登録されている各ユーザの、メールアドレス、クレジットカード情報、及び所持ポイントを保持している。具体的には、ユーザデータベースは、観戦チケット販売サーバ2に登録されている各ユーザのユーザIDに関連づけて、該ユーザの、メールアドレス、クレジットカード情報、及び所持ポイントを記憶している。ユーザIDは、例えば、ユーザの認証に用いられる情報である。クレジットカート情報は、クレジットカード番号と有効期限とを含む。メールアドレス及びクレジットカード情報はユーザにより予め登録される。所持ポイントは、ユーザが所持しているポイント数である。上述のように、ユーザは、コンビニエンスストア等の小売店舗でポイントを事前に購入する。
【0041】
図9に示す試合日程表は、チーム「X」が主催する試合の日程を示し、チーム「X」が主催する試合ごとに、その試合での対戦相手チーム、及びその試合の結果を保持している。同図に示すように、各試合は、その開催日として表される。また、本実施形態の場合、試合の結果は、チーム「X」の得点を対戦相手チームの得点で減算した差として表される。そのため、正の数を示す試合の結果はチーム「X」が勝利したことを示し、「0」を示す試合の結果はチーム「X」が引き分けたことを示し、負の数を示す試合の結果はチーム「X」が敗北したことを示す。なお、ペナントレースの開幕前は、全試合の試合結果が「null」に設定される。試合が終了する度に、終了した試合の結果がチーム「X」の関係者により入力される。
【0042】
図10に示す価格表は、各種観戦チケットの定価を保持している。上述のように、各観戦チケットは座席種別として表される。そのため、
図10に示すように、座席の種別ごとに定価が保持されている。座席の種類はA〜Fの6種類あり、座席A、座席B、及び座席Cは、主にホームチームであるチーム「X」を応援するユーザに利用される。以下、これらの座席のことを、チーム「X」サイドの座席と表記する。一方、座席D、座席E、及び座席Fは、主に、対戦相手チームを応援するユーザに利用される。以下、これらの座席のことを、対戦相手チームサイドの座席と表記する。
【0043】
図11に示す観戦データベースは、各ユーザが観戦した試合の履歴を表し、観戦チケット販売サーバ2に登録されているユーザごとに、そのユーザが観戦した試合の履歴を表す観戦履歴(付与履歴情報)を保持している。具体的には、観戦データベースは、観戦チケット販売サーバ2に登録されているユーザそれぞれのユーザIDに関連づけて、そのユーザが観戦チケットを購入した試合を示す情報を記憶している。つまり、観戦履歴は、ユーザにより観戦チケットが購入された試合の履歴にもなっているし、ユーザに対して観戦チケットが付与された試合の履歴にもなっている。また、観戦履歴は、さらに、ユーザにより観戦チケットが購入された試合に関連づけてその試合における観戦チケットの種類を示す情報も含む。そのため、観戦履歴は、ユーザにより購入された観戦チケット、すなわち、ユーザに付与された観戦チケットの履歴にもなっている。なお、
図11では、ユーザが観戦した試合がその開催日で表されている。また、
図11では、観戦チケットが、座席種別として表されている。括弧内に座席種別が記載されている。なお、観戦履歴には、ユーザにより購入された観戦チケットの枚数が記憶されてもよい。
【0044】
[処理−1]
次に、権利付与システム1にて実行される処理について
図12乃至
図14に示すシーケンス図を参照しながら説明する。なお、ここでは、ユーザYが上述した試合日程表示操作を行った場合について説明する。
【0045】
まず、ユーザYのクライアント端末4から試合日程カレンダー提供要求が、観戦チケット販売サーバ2に送信される(S101)。試合日程カレンダー提供要求を受信した観戦チケット販売サーバ2は、試合日程カレンダーを表示させるためのデータをユーザYのクライアント端末4に返信する(S102)。このデータを受信したユーザYのクライアント端末4では、試合日程カレンダー(
図2参照)が表示される(S103)。
【0046】
ユーザYが、上記試合選択操作を行って観戦を希望する試合を選択すると、選択された試合の試合開催日を示す情報が、ユーザYのクライアント端末4から観戦チケット販売サーバ2に送信され(S104)、この情報を受信した観戦チケット販売サーバ2は、観戦チケット選択画面(
図3参照)を表示させるためのデータをユーザYのクライアント端末4に返信する(S105)。このデータを受信したユーザYのクライアント端末4では、観戦チケット選択画面が表示される(S106)。
【0047】
ユーザYが、観戦チケット選択画面を参照しながら、購入を希望する観戦チケットを選択すると、ユーザYが選択した観戦チケット(以下、観戦チケットXと表記する)の座席種別が、ユーザYのクライアント端末4から観戦チケット販売サーバ4に送信される(S107)。座席種別を受信した観戦チケット販売サーバ2は、決済選択画面(
図4参照)を表示させるためのデータをユーザYのクライアント端末4に返信する(S108)。このデータを受信したユーザYのクライアント端末4では、決済選択画面が表示される(S109)。
【0048】
決済選択画面で、ユーザYが所望の決済方法を選択すると、ユーザYが選択した決済方法を示す情報が、ユーザYのクライアント端末4から観戦チケット販売サーバ4に送信される(S110)。この情報を受信した観戦チケット販売サーバ2は、この情報からユーザYが選択した決済方法を判別する。
【0049】
ユーザYがポイント決済を選択した場合、
図13に示す処理が権利付与システム1において実行される。すなわち、観戦チケット販売サーバ2において、制御部2aは、価格表(
図8参照)を参照して観戦チケットXの定価をポイント定価として読み出し、読み出したポイント定価を消費ポイント17として含む注文確認画面(
図5参照)、を示すデータを生成する(S111a)。
【0050】
また、制御部2aは、生成したデータをユーザYのクライアント端末4に送信する(S112a)。ユーザYのクライアント端末4では、
図5に示すような注文確認画面が表示される(S113a)。
【0051】
注文内容を確認したユーザYは、購入ボタン12をクリックすることにより、注文を確定する。購入ボタン12がクリックされると、決済指示が、ユーザYのクライアント端末4から観戦チケット販売サーバ2へと送信される(S114a)。決済指示を受信した観戦チケットサーバ2では、制御部2aが、ユーザYの観戦履歴(
図11参照)を更新する(S115a)。すなわち、制御部2aは、ユーザYの観戦履歴に、ユーザYのクライアント端末4から事前に受信した、試合開催日及び座席種別を追加する。こうして、制御部2aは、上記試合選択操作で選択された試合の観戦権を、ユーザYに付与する。
【0052】
また、制御部2aは、ユーザデータベース(
図8参照)に保持されるユーザYの所持ポイントを更新する(S116a)。具体的には、制御部2aは、ユーザYの所持ポイントを、観戦チケットXのポイント定価の分、デクリメントする。こうすることにより、S116aで制御部2aは、ポイント決済を行う。
【0053】
このように、ユーザYがポイント決済を選択した場合、
図13に示すS111a〜S116aが実行される。
【0054】
一方、ユーザYが通常決済を選択した場合、
図14に示す処理が権利付与システム1において実行される。
【0055】
すなわち、観戦チケット販売サーバ2において、制御部2aは、まず
図15に示す処理を実行することによって、ユーザYに付与するポイント数(以下、ポイント数Xと記載する)を決定する(S111b)。以下、このポイント数Xを決定する処理(S111b)を、
図15を参照しつつ説明する。
【0056】
S111bでは、制御部2aは、観戦チケットXの座席種別に基づいて、ユーザYがチーム「X」のファンであるか否かを判定する(S201)。具体的には、制御部2aは、観戦チケットXの座席種別がチーム「X」サイドの座席(
図10参照)であるか否かを判定し、観戦チケットXの座席種別がチーム「X」サイドの座席であるとき、ユーザYがチーム「X」のファンであると判定する。こうすれば、そのため、ユーザYが応援するチームを事前に登録するといった作業を行わなくても、ユーザYがチーム「X」のファンであるか否かが判別可能になる。
【0057】
ユーザYがチーム「X」のファンである場合(S201のYES)、S202で制御部2aは、ユーザYの観戦履歴(
図11参照)と試合日程表(
図9参照)とをハードディスク2cから読み出すとともに、これらを参照して、ユーザYが観戦した試合におけるチーム「X」の勝敗(結果)を特定し、ユーザYが観戦した試合におけるチーム「X」の勝敗状況を判定する。ここで、ユーザYが観戦した試合とは、ユーザYの観戦履歴(
図11参照)に記憶される試合のうちの過去の試合のことである。なお、ユーザYが観戦したか否かの情報は、ユーザYが観戦チケットを購入した試合であるか否かで特定する。
【0058】
ここでは、S202で制御部2aは、ユーザYが最後に観戦した試合をユーザYの観戦履歴から特定し、試合日程表に保持される該試合の試合結果を読み出す。そして、制御部2aは、読み出した試合結果が負の数を示すか否か、すなわち、ユーザYが最後に観戦した試合でチーム「X」が敗北したか否か、を判定する(S202)。なお、ここでは、ユーザYが最後に観戦した試合の勝敗を制御部2aが特定しているが、ユーザYが観戦した試合であればどの試合の勝敗を制御部2aが特定してよい。例えば、制御部2aは、ユーザYが前々回に観戦した試合の勝敗を特定してもよい。但、ユーザYが前々回に観戦した試合でチーム「X」が負けていても、ユーザYが前回観戦した試合すなわちユーザYが最後に観戦した試合でチーム「X」が勝利した場合、前々回の試合による悔しい気分が前回の試合でのチーム「X」の勝利により解消されている可能性が高い。そのため、以上のように、ユーザYが最後に観戦した勝敗を特定することが好適である。
【0059】
ユーザYがチーム「X」のファンでない場合(S201のNO)、又は、ユーザYが最後に観戦した試合においてチーム「X」が敗北しなかった場合(S202のNO)、制御部2aは、価格表(
図10参照)を参照して観戦チケットXの定価を読み出し、読み出した定価の一割の数をポイント数Xとして決定する(S204)。
【0060】
一方、ユーザYがチーム「X」のファンであり(S201のYES)、且つ、ユーザYが最後に観戦した試合においてチーム「X」が敗北した場合(S202のYES)、S203で制御部2aは、観戦チケットXの定価の一割の数より大きい数をポイント数Xとして決定する。すなわち、S203で制御部2aは、定価の二割の数をポイント数Xとして決定する。
【0061】
こうして、S111bにおいて、制御部2aは、ユーザYに付与するポイント数Xを決定する。
【0062】
図14のS111bの処理においてポイント数Xを決定すると、制御部2aは、観戦チケットXの定価を購入金額21として含み、且つ、ポイント数Xを付与ポイント23として含む注文確認画面を示すデータを生成する(S112b)。また、制御部2aは、生成したデータをユーザYのクライアント端末4に送信する(S113b)。ユーザYのクライアント端末4では、
図6又は
図7に示す注文確認画面が表示される(S114b)。例えば、ユーザYがチーム「X」のファンでない場合、又は、ユーザYが最後に観戦した試合でチーム「X」が敗北していない場合、
図6に示す注文確認画面が表示される。一方、ユーザYがチーム「X」のファンであり、且つ、ユーザYが最後に観戦した試合でチーム「X」が負けた場合、
図7に示す注文確認画面が表示される。
【0063】
注文内容を確認したユーザYは、購入ボタン12をクリックすることにより、注文を確定する。購入ボタン12がクリックされると、決済指示が、ユーザYのクライアント端末4から観戦チケット販売サーバ2へと送信される(S115b)。決済指示を受信した観戦チケットサーバ2では、制御部2aが、ユーザデータベース(
図8参照)に保持されるユーザYのクレジットカード情報と、観戦チケットXの定価である決済額と、を含む決済情報を、決済サーバ6に送信する(S116b)。
【0064】
決済情報を受信した決済サーバ6は、決済情報中のクレジットカード情報から与信枠を特定し、特定した与信枠と決済情報中の決済額とに基づいて公知の与信判定を実行する(S117b)。そして、与信判定で肯定的な判定結果が得られた場合、決済サーバ6は、決済情報中の決済額で決済処理を行い、ユーザYに決済額分の債務を発生させる(S118b)。すなわち、S118bでは、金銭での決済が行われる。また、与信判定で肯定的な判定結果が得られた場合、決済サーバ6は、決済処理が行われたことを通知する決済通知を観戦チケット販売サーバ2に返信する(S119b)。なお、与信判定で否定的な判定結果が得られた場合、決済処理は行われず、所定の警告情報が観戦チケット販売サーバ2へと送信される。
【0065】
観戦チケット販売サーバ2は、決済通知の受信を監視している。観戦チケット販売サーバ2が決済通知を受信すると、制御部2aは、
図13のS115aと同様にして、ユーザデータベースに保持されるユーザYの観戦履歴を更新する(S120b)。つまり、制御部2aは、上記試合選択操作で選択された試合の観戦権をユーザYに付与する。
【0066】
また、制御部2aは、ユーザデータベースに保持されるユーザYの所持ポイントを更新する(S121b)。具体的には、制御部2aは、ユーザYの所持ポイントを、ポイント数Xだけ(すなわち、付与ポイントの分)、インクリメントする。こうすることにより、S121bで制御部2aは、付与ポイント分のポイントを、ユーザYに付与する。
【0067】
以上のように、この権利付与システム1では、
図15に示す処理が実行されるので、チーム「X」の負け試合を観戦したチーム「X」のファンが観戦チケットを購入する際、通常より多くのポイントが付与される。そのため、チーム「X」のファンであるユーザに対して、次回の観戦への動機付けを行うことができる。
【0068】
また、この権利付与システム1では、ユーザが選択した観戦チケットの種別に基づいて該ユーザがチーム「X」のファンであるか否かが判別される(S201参照)。そのため、上述のように、ユーザが応援するチームを事前に登録するといった作業を行わなくても、該ユーザがチーム「X」のファンであるか否かが判別可能にもなる。なお、例えば、観戦チケット販売サーバ2にアクセス可能なユーザが、チーム「X」のファンクラブ会員に限定されている場合、S201のステップが省略されてもよい。
【0069】
[処理−2]
この権限付与システム1では、チーム「X」の負け試合を観戦したユーザに対して次回の観戦への動機付けを行うために、チーム「X」の負け試合を観戦したユーザに次回の観戦を促すメッセージが届けられるようにもなっている。
【0070】
図16は、チーム「X」の負け試合を観戦したユーザに次回の観戦を促すための処理を例示するフロー図である。この処理は観戦チケット販売サーバ2にて実行され、本実施形態の場合、試合の終了後、該終了した試合(以下、「最後の試合G」と表記する)の試合結果が
図9に示す試合日程表に入力されることを契機に実行される。
【0071】
試合日程表に最後の試合Gの結果が入力されると、制御部2aは、試合日程表(
図9参照)を参照して、最後の試合Gにおけるチーム「X」の勝敗を特定し、該最後の試合Gにおけるチーム「X」の勝敗状況を判定する(S301)。具体的には、S301で制御部2aは、試合日程表に保持される、最後の試合Gの試合結果を読み出し、読み出した試合結果が負の数を示すか否か、すなわち、最後の試合Gでチーム「X」が敗北したか否かを判定する。
【0072】
最後の試合Gにおいてチーム「X」が敗北した場合(S301のYES)、制御部2aは、観戦データベース(
図11参照)を参照して、最後の試合Gを観戦したユーザである観戦ユーザを特定する(S302)。
【0073】
そして、制御部2aは、観戦ユーザの一人一人について、S303及びS304のステップに示す処理を実行する。すなわち、制御部2aは、観戦ユーザの観戦履歴(
図11参照)を参照することによって観戦ユーザが購入した最後の試合Gの観戦チケットの座席種別を特定し、特定した座席種別に基づいて観戦ユーザがチーム「X」のファンであるか否かをS201と同様にして判定する(S303)。そして、観戦ユーザがチーム「X」のファンである場合(S303のYES)、制御部2aは、観戦ユーザを案内対象ユーザとして主記憶2bに登録する(S304)。S303及びS304のステップにより、チーム「X」のファンである観戦ユーザが案内対象ユーザとして登録される。
【0074】
そして、制御部2aは、案内対象ユーザ一人一人のメールアドレスをユーザデータベース(
図8参照)を参照して特定し、この特定したメールアドレス宛てに、次回の観戦を促す電子メールである案内メールを送信する(S305)。この案内メールには、次回の観戦を促すメッセージが含まれる。例えば、案内メールには、通常より多くのポイントが付与される旨の記載を含むメッセージが含まれる。
【0075】
図16に示す処理により、チーム「X」の負け試合を観戦したユーザに対して案内メールが届けられる。従って、チーム「X」の負け試合を観戦したユーザに対して次回の観戦への動機付けがなされるようになる。
【0076】
[機能ブロック]
図17は、権利付与システム1で実現される機能群を例示する機能ブロック図である。同図に示すように、権利付与システム1では、観戦権付与部14、試合結果特定部16、ファン判定部18、ポイント付与部20、及び再観戦勧奨部22が実現される。本実施形態では、これらの機能は、上記プログラムに従って動作する制御部2aによって実現される。そのため、これらの機能は、観戦チケット販売サーバ2でも実現されている。
【0077】
観戦権付与部14は、チーム「X」が主催する試合の観戦チケットを、その観戦チケットの定価に相当する額の対価と引き換えに、ユーザに付与する。本実施形態の場合、観戦権付与部14は、チーム「X」が主催する試合の観戦チケットを、その定価に相当する金額と引き換えに、ユーザに付与する(
図14のS120b参照)。なお、観戦権付与部14は、チーム「X」が主催する試合の観戦チケットの付与を、その定価に相当するポイント額と引き換えに行ってもよい。
【0078】
試合結果特定部16は、試合日程表(
図9参照)と、ユーザの観戦履歴(
図11参照)と、に基づき、チーム「X」の試合のうちの、ユーザにより観戦されたチーム「X」の試合少なくとも1つ、におけるチーム「X」の勝敗(試合結果)を特定する。ここで、ユーザにより観戦された試合とは、チーム「X」が行った試合のうちのユーザにより観戦チケットが購入された試合、のことであり、より詳しくは、ユーザの観戦履歴に記憶される試合のうちの過去の試合のことである。
【0079】
具体的には、試合結果特定部16は、第1試合結果特定部16aと第2試合結果特定部16bとを含む。第1試合結果特定部16aは、観戦データベースに保持されるユーザの観戦履歴を読み出し、読み出した観戦履歴と、試合日程表と、に基づいて、ユーザにより観戦された試合におけるチーム「X」の勝敗を特定する。本実施形態の場合、第1試合結果特定部16aは、ユーザにより最後に観戦された試合におけるチーム「X」の勝敗を特定する(
図15のS202参照)。ここで、ユーザにより最後に観戦された試合とは、ユーザにより観戦された試合のうちの最後の試合のことである。第1試合結果特定部16aによる勝敗の特定は、ユーザが、観戦チケットを注文するときに行われる。
【0080】
一方、第2試合結果特定部16bは、ユーザが観戦した試合が終了したときに、試合日程表に基づいて、該終了した試合におけるチーム「X」の勝敗を特定する(
図15のS301参照)。
【0081】
ファン判定部18は、第1ファン判定部18aと第2ファン判定部18bとを含む。ファン判定部18は、ユーザがチーム「X」のファンであるか否かを判定する。すなわち、第1ファン判定部18aは、ユーザに付与される観戦チケットの種別に基づいて、ユーザがチーム「X」のファンであるか否かを判定する。ここでは、第1ファン判定部18aは、複数種の観戦チケットのうちから注文する観戦チケットをユーザが選択したときに、ユーザがチーム「X」のファンであるか否かを、ユーザにより選択された観戦チケットの座席種別に基づいて判定する(
図15のS201参照)。また、第2ファン判定部18bは、ユーザが観戦した試合が終了したときに、ユーザにより購入された該終了した試合の観戦チケットの座席種別に基づいて、ユーザがチーム「X」のファンであるか否かを判定する(
図16のS303参照)。
【0082】
再観戦勧奨部22は、第2試合結果特定部16bにより特定された、上記終了した試合におけるチーム「X」の勝敗がチーム「X」の敗北である場合に、チーム「X」が主催する試合の次回の観戦をユーザに促す。本実施形態の場合、再観戦勧奨部22は、上記終了した試合におけるチーム「X」の勝敗がチーム「X」の敗北であり、且つ、第2ファン判定部16bにより上記終了した試合を観戦したユーザがチーム「X」のファンであると判定された場合に、チーム「X」が主催する試合の次回の観戦をユーザに促す(S305参照)。
【0083】
ポイント付与部20は、観戦権付与部14がユーザに観戦チケットを付与する際、ユーザにポイントを付与する(
図14のS121b参照)。但し、ポイント付与部20は、第1試合結果特定部16aにより特定されたチーム「X」の勝敗と、第1ファン判定部18aの判定結果と、に基づいて、付与するポイントの数(すなわち、上記ポイント数X)を制御する(
図14のS111b及び
図15参照)。具体的には、ポイント付与部20は、第1試合結果特定部16aにより特定されたチーム「X」の勝敗がチーム「X」の敗北であり、且つ、第1ファン判定部18aによりユーザがチーム「X」のファンであると判定された場合、通常のポイント数より大きいポイント数のポイントをユーザに付与する(
図15のS203及びS204参照)。
【0084】
ここで、「通常のポイント数」(基準ポイント量)は、「0」ポイント又は正のポイント数分のポイントである。本実施形態では、ユーザに付与される観戦チケットの定価の一割相当のポイント数を、通常のポイント数としている。
【0085】
[変形例]
なお、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。以下、本発明の他の態様(変形例1〜4)について説明する。
【0086】
例えば、ユーザが観戦した試合におけるチーム「X」の成績によって、ユーザの観戦への意欲の減退度合いが変化すると考えられる。そのため、チーム「X」の負け試合を観戦したユーザを、チーム「X」の試合の観戦に足を運ぶ気にさせるためには、ユーザが観戦した試合におけるチーム「X」の成績に応じて、ユーザに対して行う動機付けの強弱を変化させる必要があると考えられる。そこで、変形例1及び変形例2では、ポイント付与部20が、ユーザが観戦した試合におけるチーム「X」の成績を示す成績データ「N」を取得する。また、ポイント付与部20は、取得した成績データ「N」に基づいて、付与するポイント数Xを制御する。こうすることで、ポイント付与部20は、実際に付与するポイント数の、通常のポイント数(観戦チケットの定価の一割)からの増分量を変化させる。
【0087】
[変形例1]
変形例1では、第1試合結果特定部16aが、ユーザが観戦した試合一つだけに関しチーム「X」の勝敗を特定するのではなく、ユーザが観戦した複数の試合におけるチーム「X」の勝敗を特定する。また、ポイント付与部20は、第1試合結果特定部16aが上記複数の試合に関して特定した勝敗に基づき、ユーザが観戦した試合におけるチーム「X」の連敗数を、成績データ「N」として取得する。これには以下の意図がある。
【0088】
例えば、チーム「X」の負け試合を観戦し続けるにつれ、ユーザの観戦への意欲が減退していくと考えられる。そのため、チーム「X」の負け試合を観戦し続けているユーザを、チーム「X」の試合の観戦に足を運ぶ気にさせるためには、ユーザがチーム「X」の負け試合を何回連続して観戦し続けているかによって、該ユーザに対して行う動機付けの強弱を変化させる必要があると考えられる。そこで、変形例1では、ユーザがチーム「X」の負け試合を何回連続して観戦しているかによって、上述した増分量を変化させるために、連敗数が成績データ「N」として取得される。
【0089】
具体的には、制御部2aは、
図14に示すS111bにおいて、
図15に示す処理の代わりに
図18に示す処理を実行する。すなわち、制御部2aは、S201のステップと同様にして、ユーザYがチーム「X」のファンであるか否かを判定する(S401)。
【0090】
ユーザYがチーム「X」のファンでない場合(S401のNO)、制御部2aは、S204のステップと同様にして、観戦チケットXの定価の一割のポイント数をポイント数Xとして決定する(S404)。
【0091】
一方、ユーザYがチーム「X」のファンである場合(S401のYES)、制御部2aは、ユーザYの観戦履歴と試合日程表とを参照して、ユーザYが観戦した試合においてチーム「X」が何連敗中であるかを示す上記連敗数を成績データ「N」として取得する(S402)。具体的には、S402で制御部2aは、所定の連敗数パラメータ「n」の値を「0」に初期化した後、ユーザYが観戦した試合の一つ一つを注目試合として試合開催日の降順に選択し、注目試合を選択するごとに、注目試合におけるチーム「X」の勝敗を試合日程表を参照して特定する。また、制御部2aは、注目試合でチーム「X」が敗北した場合は、連敗数パラメータ「n」の値を「1」だけインクリメントして次の試合を選択し、注目試合でチーム「X」が敗北していない場合、次の試合の選択を行わず、連敗数パラメータ「n」の値を成績データ「N」として取得する。従って、ユーザYが最後に観戦した試合においてチーム「X」が敗北していない場合、成績データ「N」は「0」となる。
【0092】
そして、制御部2a(増分量制御手段)は、価格表(
図10参照)から、観戦チケットXの定価を読み出し、以下の数式(1)によって算出された値をポイント数Xとして決定する(S403)。
【0093】
ポイント数X=定価×(0.1×N) ・・・数式(1)
【0094】
「定価×(0.1×(N−1))」が増分量を示す。このように、変形例1では、ユーザがチーム「X」の負け試合を何回連続して観戦し続けているかによって、実際に付与されるポイント数の、通常のポイント数からの増分量が変化する。そのため、ユーザがチーム「X」の負け試合を何回連続して観戦し続けているかによって、該ユーザに対して行う動機付けの強弱を変化させることができる。
【0095】
なお、成績データ「N」に関する条件と、増分量の候補と、を関連づけたテーブルがハードディスク2cに予め記憶されていてもよい。この場合、S403で制御部2aは、ハードディスク2cに記憶される条件ごとに、その条件をS402で取得した成績データ「N」が満足するか否かを判定するとともに、成績データ「N」が満足する条件に関連づけられた候補に基づいて、増分量を決定すればよい。
【0096】
また、変形例1において、ポイント付与部20は、第1試合結果特定部16aが上記複数の試合に関して特定した勝敗に基づき上記連敗数を成績データ「N」として取得しているが、他の情報を成績データ「N」として取得してもよい。例えば、第1試合結果特定部16aが、最近5試合におけるチーム「X」の勝敗を特定し、ポイント付与部20が、第1試合結果特定部16aが最近5試合に関して特定した勝敗に基づき、最近5試合におけるチーム「X」の勝率又は敗北率を成績データ「N」として取得してもよい。この場合、成績データ「N」として用いられる情報に応じて、適宜、上記数式(1)を定義すればよい。
【0097】
[変形例2]
変形例2では、ポイント付与部20が、ユーザが最後に観戦した試合におけるチーム「X」の負け具合を示す数値を、成績データ「N」として取得する。これには以下の意図がある。
【0098】
例えば、チーム「X」が大差で負けた試合を観戦したユーザは、次回の観戦への意欲を大きく失うと考えられる。そのため、チーム「X」が大差で負けた試合を観戦したユーザをチーム「X」の試合の観戦に足を運ぶ気にさせるためには、ユーザが最後に観戦した試合でのチーム「X」の負け具合によって、該ユーザに対して行う動機付けの強弱を変化させる必要があると考えられる。そこで、変形例2では、ユーザが最後に観戦した試合でのチーム「X」の負け具合によって、上述した増分量を変化させるために、チーム「X」の負け具合を示す数値が成績データ「N」として取得される。
【0099】
具体的には、制御部2aは、
図15に示す処理の代わりに
図19に示す処理を実行する。すなわち、制御部2aは、S201のステップと同様にして、ユーザYがチーム「X」のファンであるか否かを判定する(S501)。
【0100】
ユーザYがチーム「X」のファンである場合(S501のYES)、制御部2aは、S202のステップと同様にして、ユーザYが最後に観戦した試合におけるチーム「X」の勝敗を特定し、ユーザYが最後に観戦した試合においてチーム「X」が敗北したか否かを判定する(S502)。すなわち、制御部2aは、ユーザYが最後に観戦した試合をユーザYの観戦履歴から特定し、試合日程表に保持される該試合の試合結果を読み出す。そして、制御部2aは、読み出した試合結果が負の数を示すか否かを判定する。
【0101】
ユーザYがチーム「X」のファンでない場合(S501のNO)、又は、ユーザYが最後に観戦した試合においてチーム「X」が敗北しなかった場合(S502のNO)、制御部2aは、S204のステップと同様にして、観戦チケットXの定価の一割のポイント数をポイント数Xとして決定する(S505)。
【0102】
一方、ユーザYがチーム「X」のファンであり(S501のYES)、且つ、ユーザYが最後に観戦した試合においてチーム「X」が敗北した場合(S502のYES)、制御部2aは、ユーザYが最後に観戦した試合での得点差を成績データ「N」として取得する(S503)。具体的には、制御部2aは、ユーザYが最後に観戦した試合の試合結果が示す負の数値の絶対値を成績データ「N」として取得する。そして、制御部2a(増分量制御手段)は、上述した数式(1)によって算出された値をポイント数Xとして決定する(S504)。
【0103】
変形例2でも「定価×(0.1×(N−1))」が増分量を示す。このように、変形例2では、ユーザが最後に観戦した試合でのチーム「X」の負け具合によって、実際に付与されるポイント数の、通常のポイント数からの増分量が変化する。そのため、ユーザが最後に観戦した試合でのチーム「X」の負け具合によって、ユーザに対して行う動機付けの強弱を変化させることができる。
【0104】
なお、変形例2においても、成績データ「N」に関する条件と、定価からの増分量の候補と、を関連づけたテーブルがハードディスク2cに予め記憶されていてもよい。この場合、S504で制御部2aが、ハードディスク2cに記憶される条件ごとに、その条件をS503で取得した成績データ「N」が満足するか否かを判定するとともに、成績データ「N」が満足する条件に関連づけられた候補に基づいて、増分量を決定すればよい。
【0105】
[変形例3]
また、例えば、チーム「X」の負け試合を観戦したユーザは、その後、チーム「X」に勝利したチームとの試合の観戦を控えるようになることが考えられる。そのため、対戦相手チームに関わらず、チーム「X」の負け試合を観戦したユーザを、チーム「X」の試合の観戦に足を運ぶ気にさせるためには、チーム「X」の対戦相手チームが、ユーザが最後に観戦した試合でチーム「X」に勝利したチームであるか否かによって、該ユーザに対して行う動機付けの強弱を変化させる必要があると考えられる。そこで、変形例3では、チーム「X」の対戦相手チームが、ユーザが最後に観戦した試合でチーム「X」に勝利したチームであるか否かによって、上述した増分量を変化させる。
【0106】
具体的には、制御部2aは、
図15示す処理の代わりに
図20に示す処理を実行する。すなわち、制御部2aは、S201のステップと同様にして、ユーザYがチーム「X」のファンであるか否かを判定する(S601)。
【0107】
ユーザYがチーム「X」のファンである場合(S601のYES)、制御部2aは、S202のステップと同様にして、ユーザYが最後に観戦した試合におけるチーム「X」の勝敗を特定し、ユーザYが最後に観戦した試合においてチーム「X」が敗北したか否かを判定する(S602)。
【0108】
ユーザYがチーム「X」のファンでない場合(S601のNO)、又は、ユーザYが最後に観戦した試合においてチーム「X」が敗北しなかった場合(S602のNO)、制御部2aは、S204のステップと同様にして、観戦チケットXの定価の一割のポイント数をポイント数Xとして決定する(S608)。
【0109】
一方、ユーザYがチーム「X」のファンであり(S601のYES)、且つ、ユーザYが最後に観戦した試合においてチーム「X」が敗北した場合(S602のYES)、制御部2aは、ユーザYが最後に観戦した試合での勝利チームを試合日程表を参照して特定する(S603)。また、制御部2aは、ユーザYに付与される観戦チケットに係る試合、すなわち試合日程カレンダーでユーザYが選択した試合、におけるチーム「X」の対戦相手チームを試合日程表を参照して特定する(S604)。そして、制御部2aは、勝利チームと対戦相手チームとが同じであるか否かを判定する(S605)。
【0110】
そして、制御部2aは、勝利チームと対戦相手チームとが同じであるか否かに基づいて、上述した増分量を制御する。本実施形態の場合、制御部2aは、勝利チームと対戦相手チームとが同じである場合(S605のYES)、観戦チケットXの定価の二割のポイント数をポイント数Xとして決定する(S606)。一方、勝利チームと対戦相手チームとが異なる場合(S605のNO)、制御部2aは、観戦チケットXの定価の一割五分のポイント数をポイント数Xとして決定する(S607)。
【0111】
このように、変形例3では、チーム「X」の対戦相手チームが、ユーザが観戦した試合でチーム「X」に勝利したチームであるか否かによって、実際に付与されるポイント数の、通常のポイント数からの増分量が変化する。そのため、チーム「X」の対戦相手チームが、ユーザが観戦した試合でチーム「X」に勝利したチームであるか否かによって、該ユーザに対して行う動機付けの強弱を変化させることができる。
【0112】
[変形例4]
また、例えば、チーム「X」の負け試合を観戦したユーザは、チーム「X」の負け試合を再度観戦することになる可能性が高いため、強豪チームとの試合の観戦を避けがちになる。よって、対戦相手チームに関わらず、チーム「X」の負け試合を観戦したユーザを、チーム「X」の試合の観戦に足を運ぶ気にさせるためには、対戦相手チームのチーム「X」に対する優劣によって、ユーザに対して行う動機付けの強弱を変化させる必要があると考えられる。そこで、変形例4では、対戦相手チームのチーム「X」に対する優劣によって、上述した増分量を変化させる。
【0113】
すなわち、変形例4では、ペナントレース実行中における各チームの暫定順位を示す順位表が、ハードディスク2cに予め記憶される。
図21に順位表を例示した。また、変形例4では、制御部2aは、
図15に示す処理の代わりに
図22に示す処理を実行する。
【0114】
すなわち、制御部2aは、まず、順位表を読み出す(S701)。そして、制御部2aは、S201のステップと同様にして、ユーザYがチーム「X」のファンであるか否かを判定する(S702)。
【0115】
ユーザYがチーム「X」のファンである場合(S702のYES)、制御部2aは、S202のステップと同様にして、ユーザYが最後に観戦した試合におけるチーム「X」の勝敗を特定し、ユーザYが最後に観戦した試合においてチーム「X」が敗北したか否かを判定する(S703)。
【0116】
ユーザYがチーム「X」のファンでない場合(S702のNO)、又は、ユーザYが最後に観戦した試合においてチーム「X」が敗北しなかった場合(S703のNO)、制御部2aは、S204のステップと同様にして、観戦チケットXの定価の一割のポイント数をポイント数Xとして決定する(S708)。
【0117】
一方、ユーザYがチーム「X」のファンであり(S702のYES)、且つ、ユーザYが最後に観戦した試合においてチーム「X」が敗北した場合(S703のYES)、制御部2aは、S604の同様にして、ユーザYに付与される観戦チケットに係る試合、すなわち試合日程カレンダーでユーザYが選択した試合、におけるチーム「X」の対戦相手チームを試合日程表を参照して特定する(S704)。そして、制御部2aは、順位表により示されるチーム「X」の暫定順位と順位表により示される対戦相手チームの暫定順位とを比較することにより、対戦相手チームの暫定順位がチーム「X」の暫定順位より上位であるか否かを判定する(S705)。
【0118】
そして、制御部2aは、対戦相手チームの暫定順位がチーム「X」の暫定順位より上位であるか否かに基づいて、上述した増分量を制御する。本実施形態の場合、制御部2aは、対戦相手チームの暫定順位がチーム「X」の暫定順位より上位である場合(S705のYES)、観戦チケットXの定価の二割のポイント数をポイント数Xとして決定する(S706)。一方、対戦相手チームの暫定順位がチーム「X」の暫定順位より上位でない場合(S705のNO)、制御部2aは、観戦チケットXの定価の一割五分のポイント数をポイント数Xとして決定する(S707)。
【0119】
このように、変形例4では、チーム「X」の対戦相手チームの暫定順位がチーム「X」の暫定順位より上位であるか否かによって、実際に付与されるポイント数の、通常のポイント数からの増分量が変化する。そのため、チーム「X」の対戦相手チームの暫定順位がチーム「X」の暫定順位より上位であるか否かによって、ユーザに対して行う動機付けの強弱を変化させることができる。
【0120】
[その他]
これまでに説明した実施形態および変形例おいては、過去の試合を観戦したユーザが、チーム「X」のファンであるか否かを判断しているが(
図15のS210、及び
図16のS303参照)、上述したように、この判断は省略してもよい。すなわち、過去の試合を観戦したユーザに対して一律に所定のポイントを付与するようにしてもよい。また、第2試合結果特定部16b、第2ファン判定部18b、及び再観戦勧奨部22が省略されてもよい。
【0121】
また、上述の付与ポイントは、観戦チケットを購入するために用いられるポイントではなく、他の商品を購入するために用いられるポイントであってもよい。
【0122】
また、成績データは、ユーザが観戦した試合におけるチーム「X」の成績を示す情報であれば、どのような情報であってもよい。
【0123】
また、本発明は、野球以外のスポーツ(サッカー、バスケットボール、バレーボール、ラグビーフットボール、アメリカンフットボール、及びアイスホッケーなど)の試合の観戦チケットを販売する場合にも適用可能である。