(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5903419
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】ゲーム用サーバ装置、サーバ制御方法、及びサーバ制御プログラム
(51)【国際特許分類】
A63F 13/30 20140101AFI20160331BHJP
A63F 13/45 20140101ALI20160331BHJP
A63F 13/795 20140101ALI20160331BHJP
A63F 13/69 20140101ALI20160331BHJP
A63F 13/58 20140101ALI20160331BHJP
A63F 13/79 20140101ALI20160331BHJP
【FI】
A63F13/30
A63F13/45
A63F13/795
A63F13/69
A63F13/58
A63F13/79
【請求項の数】6
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-214116(P2013-214116)
(22)【出願日】2013年10月11日
(62)【分割の表示】特願2013-180558(P2013-180558)の分割
【原出願日】2011年10月28日
(65)【公開番号】特開2014-30759(P2014-30759A)
(43)【公開日】2014年2月20日
【審査請求日】2014年10月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】504437801
【氏名又は名称】グリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100119987
【弁理士】
【氏名又は名称】伊坪 公一
(74)【代理人】
【識別番号】100133835
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 努
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】梅原 健輔
【審査官】
櫻井 茂樹
(56)【参考文献】
【文献】
特開2013−094304(JP,A)
【文献】
特開2008−142352(JP,A)
【文献】
喧嘩番長 全国制覇,アプリSTYLE,株式会社イースト・プレス,2011年 1月 1日,VOL.1,P.100-101
【文献】
『クローズ×WORST〜最強伝説〜』 不朽の名作漫画が、ソーシャルゲームとなってGREEに登場,[online],2011年 5月17日,ファミ通.com、[2012年9月26日検索]、インターネット<URL:http://www.famitsu.com/news/201105/17043733.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F13/00〜13/98、9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末からの要求によりゲームを実行するサーバ装置であって、
所定のアクションを実行するための能力を表すパラメータを有するデータである複数の第1の特性データのうち、ユーザが利用可能な特性データを、ユーザ毎に関連付けて記憶し、かつ、前記所定のアクションを実行するための能力を表すパラメータを有するデータである第2の特性データを、前記複数の第1の特性データのうち、少なくとも二つの特性データが属するグループ毎に関連付けて記憶する記憶部と、
ゲームの実行中に前記所定のアクションの実行を要する所定のイベントが発生した場合、
前記端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザを他のユーザとして無作為に選択すること、
前記端末とデータを送受信する通信部を介して、前記端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザに係るユーザ名のみを前記端末に送信し、前記端末のユーザにより選択されたユーザ名を前記端末から受信し、当該ユーザ名に係るユーザを前記他のユーザとして選択すること、
前記端末のユーザに係るユーザ属性に基づいて前記端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザを他のユーザとして選択すること、又は、
前記通信部を介して、前記端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザに係るユーザ属性を前記端末に送信し、前記端末のユーザにより選択されたユーザ属性に係るユーザを他のユーザとして選択すること、の内の何れか一つを行う他ユーザ選択部と、
前記記憶部を参照して前記ユーザ及び前記他のユーザに関連付けられている前記第1の特性データを抽出し、当該第1の特性データの中に、前記グループに属する前記第1の特性データがすべて含まれているか否かを判定するグループ成立判定部と、
前記抽出した第1の特性データの中に、属する前記第1の特性データがすべて含まれているグループが存在する場合、当該グループに関連付けられている前記第2の特性データを抽出し、当該抽出した第2の特性データを用いて前記所定のアクションを実行し、前記抽出した第1の特性データの中に、属する前記第1の特性データがすべて含まれているグループが存在しない場合、前記ユーザ及び前記他のユーザに関連づけられている前記第1の特性データを用いて前記所定のアクションを実行するアクション実行部と、
を有することを特徴とするサーバ装置。
【請求項2】
前記アクション実行部は、前記抽出した第1の特性データの中に、属する前記第1の特性データがすべて含まれているグループが存在する場合、前記抽出した第1の特性データを用いずに、前記抽出した第2の特性データを用いて前記所定のアクションを実行し、
前記所定のアクションの実行に用いられる前記第2の特性データが有するパラメータの値は、前記第2の特性データに関連付けられたグループに属する前記第1の特性データのそれぞれが有するパラメータの値又は当該値の合計とは異なるように設定される、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記グループ成立判定部は、前記ユーザ及び前記他のユーザに関連付けられている前記第1の特性データのうち、それぞれ前記ユーザ及び前記他のユーザによって予め選択された前記第1の特性データを抽出する、請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記ユーザ属性には、前記ユーザの年齢、性別、居住地の情報が含まれる、請求項1〜3の何れか一項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
端末からの要求によりゲームを実行する、記憶部を有するサーバ装置を制御するサーバ制御方法であって、
前記サーバ装置が、
所定のアクションを実行するための能力を表すパラメータを有するデータである複数の第1の特性データのうち、ユーザが利用可能な特性データを、ユーザ毎に関連付けて記憶し、かつ、前記所定のアクションを実行するための能力を表すパラメータを有するデータである第2の特性データを、前記複数の第1の特性データのうち、少なくとも二つの特性データが属するグループ毎に関連付けて前記記憶部に記憶し、
ゲームの実行中に前記所定のアクションの実行を要する所定のイベントが発生した場合、
前記端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザを他のユーザとして無作為に選択すること、
前記端末とデータを送受信する通信部を介して、前記端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザに係るユーザ名のみを前記端末に送信し、前記端末のユーザにより選択されたユーザ名を前記端末から受信し、当該ユーザ名に係るユーザを前記他のユーザとして選択すること、
前記端末のユーザに係るユーザ属性に基づいて前記端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザを他のユーザとして選択すること、又は、
前記通信部を介して、前記端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザに係るユーザ属性を前記端末に送信し、前記端末のユーザにより選択されたユーザ属性に係るユーザを他のユーザとして選択すること、の内の何れか一つを行い、
前記記憶部を参照して前記ユーザ及び前記他のユーザに関連付けられている前記第1の特性データを抽出し、当該第1の特性データの中に、前記グループに属する前記第1の特性データがすべて含まれているか否かを判定し、
前記抽出した第1の特性データの中に、属する前記第1の特性データがすべて含まれているグループが存在する場合、当該グループに関連付けられている前記第2の特性データを抽出し、当該抽出した第2の特性データを用いて前記所定のアクションを実行し、前記抽出した第1の特性データの中に、属する前記第1の特性データがすべて含まれているグループが存在しない場合、前記ユーザ及び前記他のユーザに関連づけられている前記第1の特性データを用いて前記所定のアクションを実行する、
ことを含む、ことを特徴とするサーバ制御方法。
【請求項6】
端末からの要求によりゲームを実行する、記憶部を有するサーバ装置を制御するためのサーバ制御プログラムであって、
前記サーバ装置が、
所定のアクションを実行するための能力を表すパラメータを有するデータである複数の第1の特性データのうち、ユーザが利用可能な特性データを、ユーザ毎に関連付けて記憶し、かつ、前記所定のアクションを実行するための能力を表すパラメータを有するデータである第2の特性データを、前記複数の第1の特性データのうち、少なくとも二つの特性データが属するグループ毎に関連付けて前記記憶部に記憶し、
ゲームの実行中に前記所定のアクションの実行を要する所定のイベントが発生した場合、
前記端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザを他のユーザとして無作為に選択すること、
前記端末とデータを送受信する通信部を介して、前記端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザに係るユーザ名のみを前記端末に送信し、前記端末のユーザにより選択されたユーザ名を前記端末から受信し、当該ユーザ名に係るユーザを前記他のユーザとして選択すること、
前記端末のユーザに係るユーザ属性に基づいて前記端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザを他のユーザとして選択すること、又は、
前記通信部を介して、前記端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザに係るユーザ属性を前記端末に送信し、前記端末のユーザにより選択されたユーザ属性に係るユーザを他のユーザとして選択すること、の内の何れか一つを行い、
前記記憶部を参照して前記ユーザ及び前記他のユーザに関連付けられている前記第1の特性データを抽出し、当該第1の特性データの中に、前記グループに属する前記第1の特性データがすべて含まれているか否かを判定し、
前記抽出した第1の特性データの中に、属する前記第1の特性データがすべて含まれているグループが存在する場合、当該グループに関連付けられている前記第2の特性データを抽出し、当該抽出した第2の特性データを用いて前記所定のアクションを実行し、前記抽出した第1の特性データの中に、属する前記第1の特性データがすべて含まれているグループが存在しない場合、前記ユーザ及び前記他のユーザに関連づけられている前記第1の特性データを用いて前記所定のアクションを実行する、
ことを前記サーバ装置に実行させる、ことを特徴とするサーバ制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム用サーバ装置、サーバ制御方法、及びサーバ制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介してゲームを提供するサーバ装置が普及している。そのようなサーバ装置により提供されるゲームには、複数のユーザが参加可能なものもあり(所謂「ソーシャルゲーム」)、ユーザ同士が、対戦、協力のみならず、相互のコミュニケーションが可能なものも知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
しかしながら、ユーザ同士は、相互の協力等が可能なだけにすぎず、それにより期待される以上の相乗効果を発揮させ、ユーザの興趣を高めることを可能にするものはなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−034303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような従来の課題を解決すべくなされたものであり、ユーザ同士の相乗効果によりユーザの興趣を高めることを可能にするサーバ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一つの実施形態によれば、サーバ装置が提供される。このサーバ装置は、端末からの要求によりゲームを実行するサーバ装置であって、所定のアクションを実行するための能力を表すパラメータを有するデータである複数の第1の特性データのうち、ユーザが利用可能な特性データを、ユーザ毎に関連付けて記憶し、かつ、所定のアクションを実行するための能力を表すパラメータを有するデータである第2の特性データを、複数の第1の特性データのうち、少なくとも二つの特性データが属するグループ毎に関連付けて記憶する記憶部と、ゲームの実行中に所定のアクションの実行を要する所定のイベントが発生した場合、端末のユーザ以外の少なくとも一人のユーザを他のユーザとして選択する他ユーザ選択部と、記憶部を参照してユーザ及び他のユーザに関連付けられている第1の特性データを抽出し、その第1の特性データの中に、グループに属する第1の特性データがすべて含まれているか否かを判定するグループ成立判定部と、属する第1の特性データがすべて含まれていると判定されたグループに関連付けられている第2の特性データを抽出し、ユーザ及び他のユーザに関連付けられている第1の特性データに加えて、第2の特性データも用いて所定のアクションを実行するアクション実行部と、を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によるサーバ装置は、ユーザ同士の相乗効果によりユーザの興趣を高めることを可能とする。また、それに伴い、ユーザのゲームへの参加意欲が向上することが期待される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1の実施形態によるゲーム用システムの概略構成図である。
【
図3】グループテーブルの一例を示す模式図である。
【
図4】サーバ装置の処理部の機能ブロック図である。
【
図5】グループ成立判定処理の一例を示す模式図である。
【
図8】第2の実施形態によるゲーム端末の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下、図を参照しつつ、様々な実施形態について説明する。
本実施形態によるサーバ装置は、端末からの要求によりゲームを実行する。端末は、ユーザからの指示によりサーバ装置にゲームの実行を要求し、サーバ装置からゲームの実行結果を受け取る。
【0010】
本実施形態では、サーバ装置が実行するゲームは、所定のアクションを実行するための能力を表すパラメータを有する特性データの一例であるカードデータを用いる、所謂カードバトルゲームである。カードバトルゲームでは、ユーザは、ゲームの進行に応じて登場する、ゲームプログラム上で用意された敵と、カードデータを用いてバトルを行う。ユーザは、任意の数のカードデータを所持することができる。カードデータは、レベル、攻撃力、防御力等のパラメータを有しており、そのパラメータに応じて敵にダメージを与える。ユーザは、他のユーザ(以下「招待ユーザ」という。)に協力を求めることもできる。ユーザは、自身が所持しているカードデータと、招待ユーザが所持しているカードデータとを用いることができる。
【0011】
サーバ装置によるゲームの実行中、所定のタイミングで、所定のアクションの実行を要するイベントの一例として、敵が出現する。敵が出現した場合、サーバ装置はイベント処理を実行する。即ち、サーバ装置は、所定のアクションの一例であるバトル処理の実行に先立ち、招待ユーザを選択すると共に、ユーザ及び招待ユーザが所持しているカードデータを抽出する。各カードデータには、自身が属するグループが設定されている。そして、バトル処理に用いられる、ユーザ及び招待ユーザが所持しているカードデータの中に、所定のグループに属するカードデータがすべて含まれている場合、サーバ装置は、そのグループの限定カード(以下「ロボカード」という。)のカードデータも抽出し、バトル処理に用いることができるようにする。これにより、サーバ装置は、ユーザの興趣を高めることを図る。
【0012】
図1は、ゲーム用システムの概略構成図である。
図1に示されるように、このゲーム用システム1は、少なくとも一台の端末2と、サーバ装置3とを有する。端末2とサーバ装置3とは、例えば、公衆通信回線あるいは無線通信回線といった通信ネットワーク4を介して互いに接続される。
【0013】
端末2は、ユーザの(ボタンの押下等の)操作によりサーバ装置3にゲームの実行を要求する。また、サーバ装置3からゲームの実行結果を受け取る。端末2は、サーバ装置3との通信、並びにゲームの操作及び実行結果の表示が可能であれば、どのような端末でもよく、例えば、所謂スマートフォン、フィーチャーフォン等である。
【0014】
図6は、端末2の表示画面の一例を示す模式図である。
図6(a)は、ゲームの開始前の表示画面401を示す。表示画面401の上段にはユーザの画像が表示されており、同下段にはユーザが所持しているカードのパラメータが表示されている。また、同中段には4つのボタンが表示されており、「ストーリー」ボタン402の指示により、端末2はサーバ装置3にゲームの実行を要求する。
【0015】
サーバ装置3は、端末2からの要求によりゲームを実行する。また、ゲームの実行中に敵が出現した場合、イベント処理を実行する。そのために、サーバ装置3は、通信部31と、記憶部32と、処理部33とを有する。
【0016】
通信部31は、通信ネットワーク4にサーバ装置3を接続するための通信インターフェース回路を有する。通信部31は、端末2から通信ネットワーク4を介して受信したデータを処理部33に渡す。また、処理部33から受け取ったデータを、通信ネットワーク4を介して端末2に送信する。
【0017】
記憶部32は、例えば、半導体メモリ、磁気ディスク装置、又は光ディスク装置のうちの少なくとも何れか一つを有する。記憶部32は、サーバ装置3を制御するために用いられる各種のプログラム及びデータを記憶する。記憶部32は、例えば、ゲームを実行し、その結果を出力するためのプログラムを記憶する。また、記憶部32は、ゲームの実行中に敵が出現した場合、イベント処理を実行するためのプログラムも記憶する。また、記憶部32は、ユーザの識別番号(ID)と、そのユーザが所持しているカードデータの関連を表すテーブル(以下「ユーザテーブル」という。)、並びにグループのID、そのグループに属するカードデータ、及びロボカードデータの関連を表すテーブル(以下「グループテーブル」という。)も記憶する。さらに、記憶部32は、所定の処理に係る一時的なデータを、一時的に記憶してもよい。
【0018】
図2は、カードデータの一例を示す模式図である。
図2に示されるように、カードデータは、エネルギー、攻撃力、防御力等のパラメータ101、端末への表示等に利用される画像データ等を含む。また、ロボカードデータも同様のデータを含む。
【0019】
図3は、グループテーブルの一例を示す模式図である。
図3に示されるように、グループテーブル201の第1カラム202はグループIDを含み、第2カラム203はグループに属するカードの種類を含み、第3カラム204はグループのロボカードの種類を含む。例えば、グループ1に属するカードは{a,b,c,d,e}であり、そのロボカードはAであることが規定されている。
なお、一つのカードは複数のグループに属してもよい。また、グループに属するカードの数は、グループ毎に異なってもよい。
【0020】
処理部33は、1個または複数個のプロセッサ及びその周辺回路を有する。処理部33は、ゲームを実行し、その結果を出力する処理を実行する。また、ゲームの実行中に敵が出現した場合、イベント処理を実行する。
【0021】
図4は、サーバ装置3の処理部33の機能ブロック図である。処理部33は、制御部34と、招待ユーザ選択部35と、グループ成立判定部36と、アクション実行部37とを有する。処理部33が有するこれらの各部は、処理部33が有するプロセッサ上で実行されるコンピュータプログラムによって実装される機能モジュールである。あるいは、処理部33が有するこれらの各部は、ファームウェアとしてサーバ装置3に実装されてもよい。
【0022】
制御部34は、プログラムにしたがってゲームを進行させる。また、制御部34は、ゲームの進行に応じて敵を出現させる。敵が出現した場合、制御部34は、その旨を招待ユーザ選択部35に通知すると共に、ユーザのユーザIDをグループ成立判定部36に通知する。
【0023】
招待ユーザ選択部35は、少なくとも一人の招待ユーザを選択する。招待ユーザ選択部35は、例えば、サーバ装置3に登録されているユーザの中から、現在時刻等を種として発生させた擬似乱数を用いて、少なくとも一人のユーザを招待ユーザとして無作為に選択する。招待ユーザ選択部35は、選択した招待ユーザのユーザIDをグループ成立判定部36に通知する。
【0024】
図6(b)は、招待ユーザの選択後の表示画面403を示す。表示画面403の上段にはユーザ404が表示されており、同下段には選択された招待ユーザ405が表示されている。
【0025】
グループ成立判定部36は、記憶部32に記憶されているユーザテーブルを参照し、ユーザ及び招待ユーザ(通知されたユーザIDに対応するユーザ)に関連付けられているカードデータを抽出する。そして、グループ成立判定部36は、記憶部32に記憶されているグループテーブルを参照し、各グループについて、ユーザ及び招待ユーザに関連付けられているカードデータの中に、そのグループに属するカードデータがすべて含まれているか否かを判定する。あるグループに属するカードデータがすべて含まれていれば、グループ成立判定部36は、そのグループは成立したと判定し、そのグループに属するカードデータのいずれか一つでも含まれていなければ、そのグループは成立しなかったと判定する。グループ成立判定部36は、成立したグループのグループIDをアクション実行部37に通知する。
【0026】
図5は、グループ成立判定処理の一例を示す模式図である。ここで、簡単のために、招待ユーザは一人だけ選択されるとする。ユーザ301はカード{a,b,c,d,f}を所持している。また、招待ユーザ303はカード{a,e}を、招待ユーザ305はカード{a,h}を所持している。グループテーブル309には、グループ1〜3が規定されており、各グループに属するカードの組み合わせが{a,b,c,d,e}、{a,b,c,d,g}、{a,b,c,d,i}であることが規定されている。
【0027】
このような条件下で、招待ユーザとして招待ユーザ303が選択された場合、ユーザ301が所持しているカードは{a,b,c,d,f}であり、招待ユーザ303が所持しているカードは{a,e}であるから、カードの組み合わせは{a,b,c,d,e,f}となる。そして、この組み合わせの中に、グループ1のカードの組み合わせ{a,b,c,d,e}が含まれているから、グループ1は成立したと判定され、ロボカードAが特定されることになる。
【0028】
しかし、招待ユーザとして招待ユーザ305が選択された場合、招待ユーザ305が所持しているカードは{a,h}であるから、カードの組み合わせは{a,b,c,d,f,h}となり、この組み合わせの中に、いずれのグループについても、そのグループに属するカードがすべて揃っていない。このため、いずれのグループも成立しなかったと判定され、ロボカードも特定されることはない。
【0029】
アクション実行部37は、グループ成立判定部36によりいずれかのグループが成立したと判定されれば、記憶部32に記憶されているグループテーブルを参照し、そのグループ(通知されたグループIDに対応するグループ)のロボカードデータを抽出し、ユーザ及び招待ユーザに関連付けられているカードデータに加えて、そのロボカードデータも用いてバトル処理を実行する。例えば、各カードデータの攻撃力の合計に応じて敵にダメージを与える。
【0030】
図6(c)は、バトル処理の実行中の表示画面406を示す。表示画面406の上段には敵407が表示されており、同下段には抽出されたカード408が表示されている。また、ロボカードも抽出されていた場合、所定のタイミングで、表示画面406は
図6(d)に示される表示画面409に切り替わる。表示画面409の右段には敵407が表示されており、同左段には抽出されたロボカード410が表示されている。
【0031】
図7は、イベント処理の動作フローチャートである。イベント処理は、敵が出現する度に実行される。招待ユーザ選択部35は、少なくとも一人の招待ユーザを選択する(ステップS101)。
【0032】
グループ成立判定部36は、記憶部32に記憶されているユーザテーブルを参照し、ユーザ及び招待ユーザに関連付けられているカードデータを抽出する(ステップS102)。また、グループ成立判定部36は、記憶部32に記憶されているグループテーブルを参照し、各グループに属するカードデータを特定する(ステップS103)。グループ成立判定部36は、各グループについて、ユーザ及び招待ユーザに関連付けられているカードデータの中に、そのグループに属するカードデータがすべて含まれているか否かを判定する(ステップS104)。
【0033】
ユーザ及び招待ユーザに関連付けられているカードデータの中に、いずれかのグループに属するカードデータがすべて含まれていれば(ステップS104−Yes)、アクション実行部37は、記憶部32に記憶されているグループテーブルを参照し、属するカードデータがすべて含まれていると判定されたグループのロボカードデータを抽出し、ユーザ及び招待ユーザに関連付けられているカードデータに加えて、そのロボカードデータも用いてバトル処理を実行する(ステップS105)。
【0034】
一方、ユーザ及び招待ユーザに関連付けられているカードデータの中に、いずれのグループについても、そのグループに属するカードデータのいずれか一つでも含まれていなければ(ステップS104−No)、アクション実行部37は、ユーザ及び招待ユーザに関連付けられているカードデータだけを用いてバトル処理を実行する(ステップS106)。そして、バトル処理が終了した後、制御部34は、イベント処理を終了する。
【0035】
以上に説明してきたように、本実施形態によるサーバ装置は、ゲームの実行中に敵が出現した際に、ユーザ及び招待ユーザが所持しているカードの中に、所定のグループに属するカードがすべて含まれていれば、そのグループのロボカードを付与する。ユーザ及び招待ユーザがそれぞれ所持しているカードを持ち寄ることで、ロボカードの付与という相乗効果が発揮されると共に、敵が出現する度に招待ユーザが変わり、グループの成立/不成立が変わるので、ユーザの興趣を高めることを可能とする。また、それに伴い、ユーザのゲームへの参加意欲が向上することが期待される。
【0036】
なお、変形例によれば、招待ユーザ選択部35は、招待ユーザをユーザに選択させてもよい。サーバ装置3は、例えば、ユーザと交流関係のあるユーザのユーザ名を端末2に送信し、そのユーザ名を画面に表示させ、ユーザからユーザ名の選択を受け付けさせ、選択されたユーザ名を返信させればよい。この場合、サーバ装置3は、グループの成立/不成立を分からなくするために、ユーザ名だけを端末2に送信し、所持しているカードの種類までは送信しないことが好ましい。
【0037】
また、招待ユーザ選択部35は、招待ユーザの識別情報として、ユーザ名以外の識別情報を用いてもよい。そのような識別情報として、例えば、ユーザID、ユーザID及び属性(ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)で設定している年齢、性別、住んでいる地域(国)等)の組み合わせ等がある。
また、招待ユーザ選択部35は、招待ユーザを無作為に選択するのではなく、ユーザ属性(SNSで設定している年齢、性別、住んでいる地域(国)等)を条件として選択してもよい。
【0038】
また、本実施形態では、ユーザは、自身が所持しているカードデータと、招待ユーザが所持しているカードデータとを用いることができるとしたが、これには限定されない。
例えば、次の構成としてもよい。まず、各ユーザは、自身が所持しているカードデータの中から、バトルに使用するカードデータを予め選択しておく。記憶部32は、第2のユーザテーブルとして、ユーザIDと、ユーザが予め選択したカードデータとを関連付けて記憶する。そして、グループ成立判定部36は、第2のユーザテーブルを参照し、ユーザ及び招待ユーザによって予め選択されたカードデータの中に、各グループに属するカードデータが含まれているか否かを判定する。
このような構成によれば、招待ユーザとしていずれのユーザが選択されるかという要素に加え、各ユーザがいずれのカードデータを予め選択しておくかという要素が、グループの成立/不成立に対して影響を与えるため、ユーザの興趣をさらに高めることが可能となる。
【0039】
また、本実施形態では、ユーザ及び招待ユーザが所持しているカードデータの組み合わせに応じてロボカードデータが追加で付与されるとしたが、グループが成立したカードデータは消滅し、代わりにロボカードデータが付与されるとしてもよい。ただし、付与されるロボカードデータが有するパラメータは、成立した組み合わせに属する各カードデータが有するパラメータの合計又はそれとは異なった値とする。
【0040】
また、本実施形態では、カードデータは一つの属性、即ち種類を有するとしたが、二つ以上の属性を有するとしてもよい。そのような属性として、例えば、レンジャーの種類、色(色の代わりに職業でもよく、具体的には、例えば戦士、勇者、武道家、魔法使い、僧侶等がある)等でもよい。
この場合、グループテーブルは、例えば、表1のようになる。表1には、グループ1〜6が規定されており、グループ1〜5は、特定のレンジャー(イ〜ホのいずれか)のすべての色が揃う場合を、グループ6は、種々のレンジャー(イ〜ホ)の特定の色(赤)が揃う場合を規定している。このように、カードデータに備えられた複数の属性に基づいて、グループ成立判定部36はグループの成立を判断するようにしてもよい。
【0042】
(第2の実施形態)
第1の実施形態によるサーバ装置の機能は、スタンドアロン型のゲーム端末に実現させることも可能である。
図8は、そのようなゲーム端末の概略構成図である。ゲーム端末5は、通信部51と、記憶部52と、処理部53と、操作部54と、表示部55とを有する。
【0043】
通信部51は、他のゲーム端末5と通信するための、例えば、IrDA(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)等の通信規格に準拠した通信インターフェース回路を有する。通信部51は、例えば、他のゲーム端末5とカードデータを交換するために使用される。
【0044】
記憶部52及び処理部53は、第1の実施形態によるサーバ装置3の記憶部32及び処理部33にそれぞれ対応する。ただし、他のゲーム端末5のユーザを招待ユーザとして扱う点が異なる。
【0045】
操作部54はゲーム端末5の操作が可能であれば、どのようなデバイスでもよく、例えば、タッチパッド、キーボード等である。表示部55もゲーム画面の表示が可能であれば、どのようなデバイスでもよく、例えば、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等である。
【0046】
本実施形態によるゲーム端末は、第1の実施形態によるサーバ装置と同等の機能を有するものであり、同等の効果を奏させることを可能とする。
【0047】
なお、第1の実施形態によるサーバ装置及び第2の実施形態によるゲーム端末の処理部が有する各機能をコンピュータに実現させるコンピュータプログラムは、磁気記録媒体または光記録媒体といったコンピュータによって読み取り可能な記録媒体に記録された形で提供されてもよい。
【0048】
なお、本発明は、カードバトルゲーム及びカードデータへの適用に限定されるものではなく、他の同様な仕組みを有するゲーム及びデータにも適用が可能である。
【0049】
なお、当業者は、本発明の精神及び範囲から外れることなく、様々な変更、置換及び修正をこれに加えることが可能であることを理解されたい。
【符号の説明】
【0050】
1 ゲーム用システム
2 端末
3 サーバ
31 通信部
32 記憶部
33 処理部
34 制御部
35 招待ユーザ選択部
36 グループ成立判定部
37 アクション実行部
4 通信ネットワーク
5 ゲーム端末
51 通信部
52 記憶部
53 処理部
54 操作部
55 表示部