(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ピボットアームに連結された第1の端部、および支持構造体に連結された第2の端部を有する弾性負荷デバイスを有することを特徴とする請求項3に記載のエクササイズマシン。
1つまたはそれ以上のユーザ当接パッドは、これがユーザに対して回転し、ユーザの上半身に当接可能にするピボットを有することを特徴とする請求項3に記載のエクササイズマシン。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下の詳細な説明において、本発明をより十分に記述するために、数多くの特定の詳細内容について記載するが、当業者なら理解されるように、これらの特定の詳細内容を適用することなく、本発明を実施できることは明らかである。別の実施例では、発明の内容が明瞭となるように、広く知られた特徴(構成)については詳細に説明していない。
【0021】
一般に、方向可変マシンは、スクワット運動の有効性を改善する抗力を与えるものである。この抗力は、従来式のスクワット運動で用いられていたウェイトと同様に、ユーザの上半身に加わるものであってもよい。方向可変マシンの負荷は、特有のものであり、スクワット運動をしているユーザの体とともに変化する。このように、方向可変マシンは、ユーザの体の動きに適合するものである。これにより、怪我のリスクを低減しつつ、効率的なトレーニングを行うことができる。
【0022】
従来式のスクワット運動とは異なり、方向可変マシンのユーザは、トレーニングの効用を最大限に引き出すために、完全な姿勢を保つ必要はない。ユーザがトレーニングにより疲れた場合に、適正な、あるいは完璧な姿勢を維持することはきわめて困難であるときにきわめて有利である。これは、とりわけ従来式のスクワット運動の場合に当てはまる。さらにユーザが疲れた場合、適正な姿勢を維持する力を失うので、怪我のリスクが高まる。完璧な姿勢は要求されないので、この方向可変マシンを用いて、より簡単に結果が得られ、ユーザはマシンでより長い期間トレーニングを行うことができる。
【0023】
この方向可変マシンによれば、1つまたはそれ以上の実施形態において、両手を自由にしておくことができる。つまり従来式のスクワット運動とは異なり、ユーザは1つまたはそれ以上のウェィトを保持する必要がない。こうしてユーザは、下半身のトレーニングにエネルギを集中することができる。またウェィトを落としたり、落下させたりすることによるリスクを排除することができるので、この方向可変マシンはより安全である。さらに、ユーザは、介助者や補助者を必要とすることなく、スクワット運動を行うことができるので、より便利である。
【0024】
これらの理由およびその他の理由(以下詳述する)から、方向可変マシンは、ユーザにとっての人間工学的な快適性および利便性を改善するとともに、トレーニングの質を向上させ、より良好な結果を与える「人間工学的運動力学(ergomechanics)」を提供するものである。
【0025】
1つまたはそれ以上の実施形態において、方向可変マシンは、1つまたはそれ以上の改善されたスクワット運動の実現を可能にするように構成することができる。一般に、改善されたスクワット運動は、従来式のスクワット運動より遙かに広い範囲で行うことができ、怪我のリスクを大幅に低減することができる。たとえば以下詳述するように、方向可変マシンが与える負荷により、広範な水平方向の動作を含む1つまたはそれ以上の改善されたスクワット運動を実施することができる。これらの動作を迅速に力強く行わせる機能は、中でもテニスやバスケットボール等のスポーツにおいて、下半身の筋肉を強化するとともに、スピードおよび敏しょう性を改善する上できわめて有用である。
【0026】
図1Aを参照して、方向可変マシンについて説明する。図示のように、方向可変マシンは、方向可変マシンは、支持アセンブリ104およびアームアセンブリ108を有する。支持アセンブリ104は、通常、方向可変マシンの1つまたはそれ以上の構成部品を支持または保持するように構成されている。1つまたはそれ以上の実施形態において、支持アセンブリ104は、方向可変マシンの安定したベース部を提供し、アームアセンブリ108を使用される所定の高さ位置に配置するように構成されている。
【0027】
1つの実施形態において、支持アセンブリ104は、方向可変マシンの構成部品を支持する構造を有していてもよい。たとえば
図1Aから明らかなように、支持アセンブリ104は、アームアセンブリ108および方向可変マシンのその他の構成部品を保持するフレーム116として構成されている。同様に図示されているように、アームアセンブリがベース部の固定部から外側に延び、すなわち片持ち梁のようにアームアセンブリの一端が外側に飛び出すものであっても、支持アセンブリ104は、アームアセンブリ108を安定的に保持するベース部を提供するように構成されている。支持アセンブリ104は、必要ならば、安定性を改善するために床面、壁面、またはその他の構造物に固定してもよい。
【0028】
アームアセンブリ108は、さまざまな高さ位置で保持または支持されるものであってもよい。図示のように、アームアセンブリ108は、たとえば床面から5〜6フィートの高さに配置される。当然に、その他の高さ位置も実現可能である。1つの実施形態では、アームアセンブリ108は、ユーザの身長の3/4倍またはその程度に配置してもよい。別の実施形態では、アームアセンブリ108は、ユーザの肩のレベルまたはその付近に配置してもよい。アームアセンブリ108は、所定の高さ位置に固定してもよいし、後述するように、さまざまな高さ位置に固定できるように調整してもよい。
【0029】
支持アセンブリ104は、1つまたはそれ以上の実施形態において、方向可変マシンが特に、使用時に倒れたり、不安定にならないようにしつつ、アームアセンブリ108が支持アセンブリから延びることができるように低い重心を有していてもよい。さらに支持アセンブリは、1つまたはそれ以上の実施形態において、比較的に小型のものであってもよい。その結果、方向可変マシンの周囲にスペースが形成され、ユーザは自由に移動することができる。たとえば、ユーザは、トレーニングをしている間、アームアセンブリ108に当接し(体を当てて)、かつ支持アセンブリ104に接触するリスクを回避しつつ、支持アセンブリの周囲で動くことができる。
【0030】
アームアセンブリ108は、さまざまな方法で構成することができる。1つの実施形態では、アームアセンブリ108は、ピボット120を介してピボット端部136で支持アセンブリ104に固定されたカンチレバ部(片持ち梁)124を有する。ユーザはアームアセンブリ108の当接端部(係合端部)140に体を当ててもよい。ユーザが快適にアームアセンブリに体を当てることができるように、1つまたはそれ以上のパッド128をアームアセンブリ108の第2の端部に設けてもよい。
【0031】
アームアセンブリ108の当接端部140がさまざまな方向に動くことができるように、ピボット120を構成してもよい。1つまたはそれ以上の実施形態においては、アームアセンブリ108は、たとえば水平方向、垂直方向、またはその両方向に移動できるものであってもよい。これにより、さまざまなトレーニングを方向可変マシンで実施することができるので、きわめて有利である。たとえば従来式のスクワット運動は、アームアセンブリ108を垂直方向に上下させることにより行う。この方向可変マシンによれば、改善されたスクワット運動を行うことができる。たとえば改善スクワット運動とは、以下説明するように、アームアセンブリ108を垂直方向に上下させながら、水平方向にも移動することができる運動である。
【0032】
ピボット120は、アームアセンブリ108の当接端部140が移動できるようにするためのさまざまな構成を有することができる。1つまたはそれ以上の実施形態において、ピボット120は、複数の、すなわち任意の軸に沿って移動できるように構成することができる。たとえば図示のように、ピボット120は、アームアセンブリ108が任意の軸に沿って移動できるようなボール・ジョイント(玉継ぎ手)として構成することができる。択一的には、ユニバーサル・ジョイント(自在継ぎ手)を用いてもよい。当然に、他の結合手段を用いてもよい。いくつかの実施形態においては、たとえばヒンジ・ジョイント等の単一軸を用いてもよい。1つ以上の軸に沿って移動できるように、ヒンジ・ジョイントを回転可能に取り付けてもよい。1つ以上の軸に沿って移動できるように、たとえばヒンジ・ジョイントを別のヒンジ・ジョイントに連結してもよい。
【0033】
明らかに、支持アセンブリ104上のピボット120の配置位置により、アームアセンブリ108の上下位置すなわち高さ位置が決定される。図示のように、ピボット120は支持アセンブリ104の上面に配置されている。方向可変マシンのさまざまな実施形態に応じて、支持アセンブリ104上のピボット120の配置位置は、固定的なものであってもよいし、調整可能なものであってもよい。たとえばピボット120支持アセンブリ104の上面に固定して、アームアセンブリ108の高さ位置を固定してもよい。
【0034】
択一的には、アームアセンブリ108を上下移動させることにより、ピボット120の配置位置を上下移動させるように構成してもよい。
図1Aに示すように、ピボット120は、支持アセンブリ104のピボット支持部148に取り付けてもよい。1つまたはそれ以上の実施形態において、ピボット支持部148の配置位置を上下移動させることができる。理解されることであるが、これはさまざまな方法により実現することができる。たとえば
図1Bにおいて、ピボット支持部148は、外側スリーブ152および内側チューブ156とからなる構造体を有し、外側スリーブ152および内側チューブ156は、互いに対して滑動または移動して、ピボット支持部を長く伸ばしたり(位置を高くしたり)、短くしたり(位置を低くしたり)することができる。所望の位置に設定された後、外側スリーブ152および内側チューブ156は、互いに対する位置が固定される。たとえば、
図1Bにおいて、ピン160を外側スリーブ152および内側チューブ156に設けた孔の中に挿入して、これらを固定してもよい。当然に、ピン160に加えて、またはピン160に代えて、1つまたはそれ以上のクリップ、クランプ、ねじ等の他の手段により外側スリーブ152および内側チューブ156を固定してもよい。
【0035】
アームアセンブリ108を上下移動する機能により、異なる身長のユーザが方向可変マシンを利用できるという利点が得られる。こうして、短身のユーザだけでなく、長身およびのユーザにも方向可変マシンを適合させることができる。さらに、ユーザの肩であれ、何であれ、その高さレベルに、またはその付近にアームアセンブリ108を配置することができるので、ユーザは方向可変マシンに体を当てやすくなる。
【0036】
アームアセンブリ108は、1つまたはそれ以上の実施形態において、固定機構を有していてもよい。一般に、使用しないとき、固定機構を用いて、アームアセンブリ108を所定位置に固定することができる。固定機構がなければ、アームアセンブリ108がそのピボット120によりさまざまな方向に移動してしまうので、固定機構は有益なものである。
図1Aで示すように、アームアセンブリ108は、実質的に水平方向に固定される。この配置位置は、固定機構を用いて実現することができる。
【0037】
固定機構は、アームアセンブリ108の配置位置を便利な位置に配置する点において有益である。
図1Aから明らかなようにユーザは、固定位置にあるアームアセンブリ108の当接端部140に対して容易に体を当てることができる。当然に、固定機構は、アームアセンブリ108をさまざまな位置に保持することができる。典型的には、アームアセンブリ108は、実質的に水平方向に保持され、ユーザがパッド128の内部および/または下方に踏み入ることにより、アームアセンブリに容易に体を当てることができる。このようにして、ユーザは、アームアセンブリ108をまず持ち上げる必要なく、アームアセンブリに体を当てることができる。
【0038】
固定機構は、さまざまな手法により構成することができる。1つの実施形態では、アームアセンブリ108を所定位置に固定するために、固定機構の第1の部分が固定機構の第2の部分に係合するものであってもよい。一旦係合した後は、第1の部分、第2の部分、または両方の部分は、アームアセンブリ108を所定位置に物理的に保持し、アームアセンブリの特定の動きを阻止することができる。
【0039】
例示的な固定機構を
図2A〜
図2Eに示す。
図2Aは、アームアセンブリ108の斜視図であり、固定機構を示すものである。1つまたはそれ以上の実施形態において、固定機構は、連結部(カプラ)224を有するものであってもよい。当然に、複数の連結部を用いてもよい。説明のため、この実施形態は、アームアセンブリ108の両端にそれぞれ配置された2つの連結部224を有する。連結部224は、アームアセンブリ108を所定位置に固定するように係合する2つの独立した構成部品を有していてもよい。たとえば連結部224は、アームアセンブリ108を所定位置に固定するために、固定部材204が係合する係止部220を有していてもよい。一旦係合すると、係止部220と固定部材204との間の物理的接触により、アームアセンブリ108の不要な動きを制止することができる。
【0040】
1つまたはそれ以上の実施形態において、固定部材204は、アームアセンブリ108に取り付けられ、タイヤ係止部220は、支持アセンブリ104に取り付けられる。こうして、係合したとき、連結部224は、アームアセンブリ108を支持アセンブリ104に対して所定位置に固定する。明らかなように、固定部材204はアームアセンブリ108に取り付けられ、係止部220は支持アセンブリ104に取り付けられる。
【0041】
図2Bを参照すると、明らかなように、いくつかの実施形態では、固定部材204の端部212は成形された端部を有していてもよい。たとえば、
図2Bにおいて、端部212は、一方の端部において正方形形状を有する。これにより、固定部材204は、平坦な係止部220と係合することができる。固定部材204の平坦な形状は、係合したとき、密接な物理的接触を可能にする。これにより、固定部材204および係止部220の互いに対する動きを制限し、ひいてはアームアセンブリ108の動きを制限することができる。
【0042】
当然に、端部212または固定部材204の他の部分をさまざまな形状に成形してもよい。端部は、たとえば、円形、平坦、矩形、多角形、またはその他の形状を有していてもよい。係止部220は、固定部材204を受容または係合するような対応する形状を有していてもよい。係止部220は、たとえば、湾曲した形状を有していてもよく、または
アームアセンブリ108を所定位置に保持するために円形形状の固定部材を受容または係合するような円形開口部を有していてもよい。
【0043】
連結部224は、係合した後であっても、アームアセンブリ108が多少とも上方向に移動することを許容するものであってもよい。これは、ユーザがアームアセンブリ108の当接端部140に体を当てて、連結部224の係合を解除することによりアームアセンブリ108を解放する必要なく、まっすぐに立ち上がることができるので、有益である。
図2Bで説明すると、係止部220は棚状構造体として構成され、上方に開口領域を有する。このように係止部220により、アームアセンブリ108は(固定されたとき)下方に移動せず、少なくとも多少は上方向に移動することができる。この結果、ユーザは、アームアセンブリ108の固定を解除する前に、まっすぐに立ち上がって、アームアセンブリ108を保持する準備をすることができる。
【0044】
連結部224の固定部材204が係止部220と係合し、その係合を解除することができるように、固定部材204は移動可能なものであってもよい。これは、固定部材204が係止部220と係合し、その係合を解除することを可能にする1つまたはそれ以上の取付具216により実現することができる。
図2Bに示すように、取付具216は開口構造体からなり、開口構造体は、固定部材204が取付具内で滑動または移動して、係止部220と係合し、その係合を解除することを可能にするものである。
図2Bでは、固定部材204および係止部220は係合している。
図2Cに示すように、係止部との係合を解除するためには、固定部材204を滑動させるか、係止部から遠ざかる方向に移動させて、アームアセンブリ108を解除することができる。理解されるように、固定部材204が係止部220と係合し、その係合を解除することを可能にするために、取付具216は、さまざまなガイドおよびトラック等として構成してもよい。
【0045】
再び
図2Aを参照すると、ユーザが容易に固定機構をより簡便に利用できるように、固定機構は1つまたはそれ以上のハンドル208を有していてもよい。ユーザは固定機構を直接的に係合させることができるので、ハンドル208は、必ずしもすべての実施形態で配設されるものではない。ハンドル208は、設けられている場合、ユーザが容易にハンドルを操作できるように、アームアセンブリ108の端部に、または端部付近に配設されるように固定部材204に取り付けられてもよい。固定部材204は、1つまたはそれ以上の実施形態において、ハンドル208をユーザの近くに配設できるように、細長く形成してもよい。
【0046】
操作に際して、ユーザは、(
図2Cに示すように)ハンドル208を握って、固定部材204を移動させ、係止部220に係合させて、アームアセンブリ108を所定位置に固定することができる。アームアセンブリ108の係合を解除するためには、ユーザは、(
図2Cに示すように)ハンドル208を握って、固定部材204を移動させ、係止部220を解放することができる。たとえば、図示した実施形態では、ユーザは、ハンドル208を握って、固定部材204を前方へスライド移動させて係止部220に係合させ、固定部材204を後方へスライド移動させて係止部220との係合を解除することができる。その後、ハンドル208は、その他の目的のために用いてもよい。たとえば以下詳細に説明するように、ユーザはアームアセンブリ108をさらに係合させるために、トレーニング中にハンドルを把持してもよい。
【0047】
固定機構は、いくつかの実施形態では、共通端部212を共有する固定部材204を有していてもよい。固定部材204は、たとえば
図2Dに示すように、共有端部212で連結させる。端部212は、アームアセンブリ108を所定位置に固定するために上述のように構成してもよい。択一的には、端部212は、アームアセンブリ108を所定位置に固定するために、係止部220に係合する回転可能な部分を有していてもよい。
【0048】
こうした実施形態を
図2Dに示す。明らかなように、端部212は、回転して係止部220に係合するローラ228を有していてもよい。
図2Dに示す実施形態において、固定部材204がアームアセンブリ108を所定位置に固定するように移動するとき、ローラ228は、係止部220とアームアセンブリ108との間に割り込んで配置される。ローラ228は、円形形状を有し、車軸の周りを回転することができる。任意であるが、ローラ228は、図示したような1つまたはそれ以上の溝部を有し、アームアセンブリ108と係止部220との間に密接に適合するものであってもよい。1つまたはそれ以上の実施形態において、ローラ228は、ゴム、プラスティック、木、金属、またはその他の剛体材料または半剛体材料で形成してもよい。たとえば
図2Dにおいて、ローラ228の溝部232により、ローラは係止部220付近でアームアセンブリ108の円形部分を収容することができる
【0049】
1つまたはそれ以上の実施形態において、
図2Dに示すように、係止部220はフランジ236または傾斜部分を有していてもよい。これは、ローラ228を広い領域で受容できる点において有益である。図面から明らかなように、アームアセンブリ108と係止部220との間の距離を大きくするために、フランジ236は、下方にそして/またはアームアセンブリ108から遠ざかるように傾斜していてもよい。こうして、ローラ228は、係止部220とアームアセンブリ108との間のより窮屈または狭小な領域の「中に」案内することができる。フランジ236がなくてもローラ228を係止部220に係合させることができるとき、すべての実施形態において、フランジ236が必要であるとは限らない。択一的な実施形態において、フランジ236を追加するのではなく、係止部自体をアームアセンブリ108から遠ざかるように傾斜させてもよい。
【0050】
ローラ228は、
図2Dに示すように、ローラを係止部から遠ざかる方向に移動させることにより、係止部220との係合を解除することができる。上述のように、これは、固定部材204のハンドルを用いて行ってもよい。一旦、係合が解除されると、アームアセンブリ108は、1つまたはそれ以上のエクササイズを実施するために移動させることができる。
【0051】
一般に、アームアセンブリ108は、トレーニング中のユーザの運動に負荷を与える。これは、トレーニング中のユーザの筋肉を強化し、鍛錬する点においてきわめて有益なことである。この負荷は、アームアセンブリ108によりユーザに与えられる力を含むものであってもよい。この負荷は、さまざま力ベクトルに沿って向けられるものであってもよい。一般的には、この負荷は、下向きの力ベクトルに沿ったもので、あらゆる角度を有し得る。このようにアームアセンブリ108により、下向きの力ベクトルに沿った負荷をユーザに与えることができる。
【0052】
さまざまな負荷デバイスを用いて、この負荷を得ることができる。実際、アームアセンブリ108を用いて、下向きの力を提供するように構成された任意のデバイスを実現することができる。たとえば
図7A〜
図7Bに示すように、1つまたはそれ以上のウェイトをアームアセンブリ108に連結または固定して、下向きの力を得るようにしてもよい。図示のように、1つまたはそれ以上のウェイト708のための支持部または実装部を用いて、アームアセンブリ108の一部分にウェイトを取り付けてもよい。たとえば、1つまたはそれ以上のバー704またはこれと同等のものがアームアセンブリ108から延び、1つまたはそれ以上のウェイト708を保持するようにしてもよい。図示のように、ウェイト708は、アームアセンブリ108の当接端部140に固定されているが、アームアセンブリに沿ったさまざまな位置に固定してもよい。所望する力の負荷を得るために、ウェイト708を取り外し、必要なウェイトと交換できるようにしてもよい。
【0053】
別の具体例では、ウェイトスタック(ウェイトを積み重ねたもの)をアームアセンブリ108に連結してもよい。たとえば1つまたはそれ以上プーリーを用いて、ウェイトスタックのケーブルをアームアセンブリ108に案内して、下向きの力が得られるようにしてもよい(たとえば、ケーブルがアームアセンブリの下方からアームアセンブリに接近する。)。通常、負荷デバイスは、カンチレバ部124においてアームアセンブリ108に連結されている。
【0054】
図1Aから明らかなように、負荷デバイスは、1つまたはそれ以上のスプリング(ばね)112であってもよい。図示のように、スプリング112は、アームアセンブリ108および支持アセンブリ104の間に取り付けられていてもよい。スプリング112の第1の端部はカンチレバ部124に取り付けられ、スプリング112の第2の端部は支持アセンブリ104に取り付けられ、スプリング112の第2の端部は第1の端部より下方に配置されている。このようにスプリング112は伸縮し、アームアセンブリ108を上方に移動させたとき負荷を与える。言い換えると、スプリング112は、アームアセンブリ108を介して下向きの力を与えるものである。本願明細書では1つまたはそれ以上のスプリング112を参照して説明するが、他の同様の負荷デバイスをこのように用いることができる。たとえばスプリングに代わって、またはスプリングに追加して、1つまたはそれ以上の弾性バンドを用いてもよい。
【0055】
スプリング112(または弾性バンド)は、さまざまな負荷を与えるために用いられる点において有益である。スプリング108は、1つまたはそれ以上の実施形態において、さまざまな負荷を与えることができるので有利である。一般に、移動または伸縮するとき、さまざまな負荷を増大または減少させることができる。たとえばスプリング112が伸びるとき、負荷の大きさは増大する。これとは逆に、ウェイト等の一定の負荷は、移動したときでもその負荷の大きさは一定に維持される。
【0056】
ユーザの力は、強度曲線に沿って変化し得る。たとえば筋肉の力は、収縮するとき増大する。さらに体の骨格構造は、数大きくの梃子の支点および梃子棒の構造体(腕、脚および関節)を有するため、これらの構造体の配置位置に依存してより大きい負荷、すなわち移動させにくい負荷を与える。一定の負荷とは対照的に、1つまたはそれ以上の実施形態において、さまざまな負荷を体の強度曲線にとともに増大させることができる。これは有効ではあるが、上述のウェイトのように一定の負荷デバイスとともに、方向可変マシンを用いることができる。
【0057】
1つまたはそれ以上の実施形態において、負荷の大きさを調整できるようにしてもよい。負荷の大きさは、さまざまな方法で調整することができる。たとえば、いくつの実施形態では、ユーザはアームアセンブリに連結するウェイト量を増やしてもよい。別の実施形態ではユーザは、1つまたはそれ以上のスプリング112または弾性バンドを、他のスプリングまたは弾性バンドと置換してもよい。択一的には、または追加的には、スプリング112または弾性バンドを、負荷増大のために増やし、負荷減少のために減らしてもよい。
【0058】
スプリング112等を用いる実施形態において、方向可変マシンは、与える負荷を調整するための構成部品を有していてもよい。たとえばアームアセンブリ108、支持アセンブリ104、またはその両方は、負荷を調整するように構成してもよい。これはさまざまな手法で実現することができる。アームアセンブリ108、支持アセンブリ104、またはその両方は、方向可変マシンのスプリング112の張力を増大する構成部品または構造体を有していてもよい。このように、スプリング112によって得られる負荷の大きさは増大する。同様に、アームアセンブリ108、支持アセンブリ104、またはその両方を用いて、得られるスプリングの張力を低減させ、これに応じて得られる負荷の大きさを低減することができる。
【0059】
たとえば、
図1Aの実施形態は、張力調整部144を有する例示的なアームアセンブリ108を示し、張力調整部を用いて1つまたはそれ以上のスプリング112の張力を増減させることができる。一般に、張力調整部144は、スプリング112を伸張させることにより張力を増大させ、スプリング112を収縮させることにより張力を低減することができる。トレーニング中は直ちに、ユーザに負荷を与えることができるように、常に、多少の張力をスプリング112に発生させておいてもよい。
【0060】
1つまたはそれ以上の実施形態において、スプリング112は、実質的な力を与えることができる。いくつかの実施形態では、(別の力の大きさも同様に実現できるが)数百ポンドの力を実現することができる。これらの実施形態では、不可能でなければ、スプリング112の張力を手動で調整してもよい。さらに、スプリング112により得られる力によっては、張力を調整することは危険であることもある。したがって、ユーザが張力を調整することを支援するように、張力調整部144を構成してもよい。これは、張力を簡便かつ安全に調整できる点において、きわめて有益である。さらに、いくつかの実施形態では、張力調整部144は、1つまたはそれ以上の設定配置すなわち設定位置を有していてもよい。これによりユーザは、一連のレベルの負荷に連続的に設定することができる。張力調整部144は、特定の位置まで移動させたとき、方向可変マシンが与える張力または力の大きさを示す一連の位置に応じた1つまたはそれ以上の指標(たとえばラベル)を有していてもよい。これは、スプリング112または弾性バンド等を用いた場合、張力の大きさが直ちに明らかでないときに有益である。
【0061】
1つまたはそれ以上の実施形態において、張力調整部144は、アームアセンブリ108に沿って移動可能であり、スプリング112の張力を調整し、所望の張力が得られた後は、所定の位置に固定するようにしてもよい。
図3A〜
図3Dに示すように、張力調整部144は、張力を増減するために、一方の位置から他方の位置に移動させることができる。
図3Aおよび
図3Cでは第1の張力が得られ、
図3Bおよび
図3Dでは、張力調整部144を移動させて、スプリング112に生じる張力を増大させ、増大した張力が得られる。図示したように、張力調整部144をアームアセンブリ108に沿ったさまざまな位置に配置することにより、さまざまな張力を得ることができる。
【0062】
張力調整部144は、さまざまな構成を有していてもよい。1つまたはそれ以上の実施形態において、張力調整部144は、アームアセンブリ108、たとえばアームアセンブリのトラック(軌道)に沿って移動できるように構成された本体部と、所望の大きさの張力が得られた後に張力調整部を所定位置に固定するための制動部とを有する。張力調整部144を移動させやすくするために、1つまたはそれ以上の実施形態において、張力調整部は、ラチェット機構を有していてもよい。これらの実施形態では、同様に、ラチェット機構は張力調整部144を所定位置に保持するため制動機能または固定機能を有していてもよい。
【0063】
1つまたはそれ以上の実施形態において、アームアセンブリ108はトラック304を有していてもよい。トラック304は、張力調整部144が移動するとき、張力調整部を案内するように構成してもよい。たとえばトラック304は、アームアセンブリ108のピボット端部136と当接端部140との間で伸張した構造体であってもよい。このように、トラック304により、張力調整部144は、張力調整部144がアームアセンブリ108に沿ってピボット端部136と当接端部140との間で移動することができる。トラック304は、別体の構造体であってもよいし、またはアームアセンブリ108の別の構成部品と一体に成形してもよい。たとえば
図3Eに示すように、トラック304は、アームアセンブリ108のカンチレバ部124と一体に成形してもよい。
【0064】
トラック304は、張力調整部144がトラック304に沿って移動し、および/または所定位置で固定することを可能にする1つまたはそれ以上の特徴的構造物を有していてもよい。たとえば
図3Eにおいて、トラックは、以下詳細に説明するように、張力調整部144を移動させ、張力調整部を固定すること支援する一連の刻み目308を有する。当然に、すべての実施形態において、刻み目308は必ずしも必要ではない。いくつかの実施形態では、張力調整部144は、滑らかなトラック304の上を作動するものであってもよい。択一的には、刻み目308は別のさまざまな構造を有するものであってもよい。たとえばトラック304は一連の開口部を有していてもよい。同様に、または択一的には、トラック304は、張力調整部144との間の摩擦力を大きくするように、荒い表面を有するものであってもよい。これにより、スプリング112を引き延ばし、所定位置に固定するため十分な静止摩擦力を張力調整部に与えることができる。
【0065】
図3Eは、ラチェット機構を有する本体部312を含む張力調整部144の実施形態を示すものである。図示のように、本体部312は、アームアセンブリ108のカンチレバ部124内に一体に成形されたトラック304に沿って移動するように構成されている。張力調整部144は、ユーザが張力調整部を移動させるために用いられるハンドル316を有していてもよい。1つまたはそれ以上の実施形態において、ハンドル316は、ラチェット機構に連結され、ハンドルを操作することにより、張力調整部144を移動させるように構成してもよい。
【0066】
たとえば
図3Eにおいて、ハンドル316はピボット軸324の周りで操作することができる。これにより、ラチェット機構のギアまたはフィンガがトラック304の少なくとも1つの刻み目308と係合する。ハンドル316に加えられた力を、ギアまたはフィンガを介してトラック304に伝えることができ、張力調整部144を移動させることができる。ハンドル316は梃子のように機能するので、ユーザによる力は増幅され、ラチェット機構をより簡便に(そしてより安全に)移動させ、スプリング112の張力を調整することができる。
【0067】
1つまたはそれ以上の実施形態において、張力調整部144を所望の位置に達したとき、ハンドル316を固定位置に移動させることができる。1つまたはそれ以上の実施形態において、ハンドル316を固定位置に配置すると、ギアまたはフィンガがトラックに対して所定位置に固定され、張力調整部144が所定位置に固定される。
図3Eは、固定位置にあるハンドル316が図示されている。図示のように、係止部328に係合するように、ハンドル316が前方へ押されて(または引かれて)いる。ラチェット機構に解除部320を連結して、ハンドル316を固定位置から解除することができる。たとえば解除部320を操作すると、ハンドル316を解除して、ハンドル316を再度操作し、張力調整部144を移動させることができる。
【0068】
ラチェット機構は、張力調整部144を一方向に移動させるように構成してもよい。たとえばラチェット機構は、1つまたはそれ以上の実施形態において、アームアセンブリ108のピボット端部136から遠ざかる方向に張力調整部144を移動させるように構成してもよい。またラチェット機構は、張力調整部144を複数の方向に移動させるように構成してもよい。たとえばハンドル316をアームアセンブリ108のピボット端部136に向かって作動させることにより、張力調整部144を当接端部に向かって移動させ、ハンドルをアームアセンブリのピボット端部に向かって移動させ、張力調整部をピボット端部に向かって移動させてもよく、逆の方法でもよい。
【0069】
張力調整部144をトラックに沿って一方向に移動させるようにラチェット機構を構成した実施形態において、(反対方向に向いた)追加的なラチェット機構を設けて、反対方向に移動させるようにしてもよい。このように第1のハンドル316を操作して張力調整部144を一方向に移動させ、第2のハンドルを操作して張力調整部を逆方向に移動させてもよい。一方または両方のハンドルをそれぞれの固定位置に移動させて、張力調整部144を所定位置に固定してもよい。
【0070】
いくつかの実施形態では、張力調整部144は一方向においては自由に移動させてもよい。たとえば、いくつかの実施形態では、アームアセンブリ108の当接端部136に向かって張力調整部144を「歯止めで移動(ratchet)」させ、所望の張力に達するときの所定位置に固定してもよい。張力調整部144は、この位置から解除したとき、アームアセンブリのピボット端部136に向かって逆方向に自由に移動させてもよい。ラチェット機構を用いて、スプリング112の張力を増大させる方向に張力調整部144を移動させることができる。
【0071】
上述のラチェット機構に加え、さまざまな他の機構を用いて、アームアセンブリ108のピボット端部136に向かって張力調整部144を移動させ、または移動させやすくしてもよい。こうして、張力調整部144の張力を低減された、すなわち小さいものに戻すことができる。このような復帰機構は、ピボット端部136に向かって、張力調整部144を押し、または引っ張る力を与えるものであってもよい。理解されるように、1つまたはそれ以上の実施形態では、復帰機構は電動式またはモータ駆動式であってもよい。たとえば張力調整部144に連結されたギア機構またはその他の駆動機構により、張力調整部144を移動させてもよい。たとえばエネルギまたは電源が供給されたとき、張力調整部144に連結されたギア機構またはその他の駆動機構により張力調整部を移動させてもよい。
【0072】
復帰機構は、張力調整部144とアームアセンブリのトラック304またはその他の部分との間の摩擦力に打ち克つ上で有益である。たとえばスプリング112により下方向の力が加わるとき、張力調整部144をピボット端部136に向かって移動させることは困難である場合がある。復帰機構により加えられる力により、張力調整部144はピボット端部136により近い位置に移動または復帰し、方向可変マシンで得られる負荷をより小さくすることができる。
【0073】
図3C〜
図3Dは、張力調整部144をピボット端部136に向かって移動させるために用いられる例示的な復帰機構を示すものである。図示のように、復帰機構は、コネクタ312を介して張力調整部144に取り付けられた1つまたはそれ以上の弾性部304を有していてもよい。弾性部304は、張力調整部144の頂部、底部、あるいはいずれか一方、またはその両方に取り付けてもよい。弾性部304と張力調整部144を固定または接続することにより、弾性部から張力調整部に付勢力を与え、張力調整部を移動させ、移動させやすくできる。この弾性部304は、スプリング(ばね)または弾性バンド等の弾性的に伸縮可能なデバイスまたは材料であってもよい。
【0074】
1つまたはそれ以上の実施形態において、弾性部304は、ケーブル308またはその他の接続構造体を介して張力調整部144に取り付けてもよい。ケーブル308を用いた場合、プーリー312またはその他のケーブルガイド(たとえばチャンネル、孔、通路)を用いて、張力調整部144から弾性部304までケーブルを案内するようにしてもよい。張力調整部144および弾性部304は、互いに対して所定の角度をなしている。たとえば
図3C〜
図3Dから明らかなように、プーリー312は、張力調整部144から所定の角度で弾性部304へケーブル308の向きを変えている。
【0075】
図3Dに示すように、張力調整部144がピボット端部136から離れ、当接端部140に向かう方向に移動するとき、弾性部304は、伸び、引っ張られるものであってもよい。これにより弾性部304は、
図3Cに示すように、張力調整部144をピボット端部136により近い位置に戻す逆向きの力を与える。
【0076】
上記のように、張力調整部144は、方向可変マシンにより得られる負荷の大きさを調整することができるさまざまな構造体またはデバイスであってもよい。すなわち張力調整部144は、必ずしもすべての実施形態においてラチェット機構を用いる必要はない。たとえば張力調整部144は、張力調整部トラックのねじ山付ロッドを受容するように構成された本体部を有するものであってもよい。このように張力調整部144は、ねじ山付ロッドを回転させることにより移動させるものであってもよい。ねじ山付ロッドのねじ山は、通常、張力調整部を所定位置に保持し、張力調整部は、必ずしも別の操作または構造体により所定位置に固定する必要はない。当然に、張力調整部144は、必要ならば、1つまたはそれ以上のクリップ、クランプ、ピン等を用いて、所定位置に固定されるものであってもよい。択一的に、または追加的に、ねじ山付ロッドを所定位置に固定して、張力調整部144の位置を固定してもよい。理解されるところであるが、1つまたはそれ以上の実施形態において、ねじ山付ロッドを手動またはモータ駆動により回転させてもよい。
【0077】
アームアセンブリ108の一部分として図示され、理解されるところであるが、張力調整部は、支持アセンブリ104の一部、または方向可変マシンのその他の一部であってもよい。方向可変マシンは、たとえば張力調整部および支持アセンブリ104上の関連トラックを有していてもよい。1つの実施形態では、この張力調整部は、スプリングの一方の端部を下方へ移動させることにより、スプリングを伸長させるものである。
【0078】
図4Aを参照して、アームアセンブリ108の当接端部140について以下説明する。アームアセンブリ108の当接端部140は、一般に、トレーニング中、ユーザの肩の上に載せるように構成されている。1つまたはそれ以上の実施形態において、アームアセンブリ108は、ユーザの肩に当たる1つまたはそれ以上のパッド128を有していてもよい。パッド128は、さまざまな構造体を用いて、アームアセンブリ108の当接端部140に取り付けられている。たとえばパッド128は、支持部408を用いて取り付けてもよい。通常、支持部408は、パッド128がユーザの左肩および右肩に当たるように互いに対して離間して保持されるような十分な幅を有する。パッド128は、支持部408にしっかりと強く取り付けられてもよいし、1つまたはそれ以上の実施形態では、回転可能に取り付けられてもよい。たとえば
図4Aに示すパッド128は、支持部408に強固に取り付けられている。
【0079】
図4Bは、パッド128が回転可能な支持部またはピボット回転可能な支持部に取り付けられた実施形態を図示するものである。これによりパッド128は、ユーザの肩の動きに順応させることができる。さらにパッド128を回転させることにより、アームアセンブリ108の下方へ移動するとき、パッド128がユーザを内側に引っ張ることを抑制することができる。これは、図示のようにパッド128がユーザの肩の周りで湾曲した形状を有する場合に、特に有益である。さらに、この特徴は、パッド128により、ユーザの肩および上半身を所定位置に保持し、ユーザの上半身が前方または後方に動くことによる潜在的な怪我を防止することができる。このようにユーザは、怪我のリスクを大幅に低減して、実質的に垂直方向の上半身の上下運動のトレーニングを行うことができる。さらに、アームアセンブリ108の強固な構造により、ユーザの上半身から支持アセンブリ104までの一定の距離を維持しやすくなり、同様に、ユーザの上半身が前方および後方に動くことを規制するものである。
【0080】
パッド128は、さまざまな手法により回転させることができる。たとえば、パッド128は、1つまたはそれ以上の実施形態において、ヒンジまたはピボット404に取り付けてもよい。理解されるように、いくつかの実施形態では、特定の方向に限定して回転するようにしてもよい。たとえばヒンジに取り付けた場合、一方向の回転に限定される。当然に、パッド128は、その他の実施形態では任意の方向に回転するものであってもよい。たとえば自在継ぎ手(universal joint)またはボール・ソケット継ぎ手(ball and socket joint)を有するピボット404を用いて、さまざまな方向に回転できるようにしてもよい。
【0081】
図4Bの実施形態は、ピボット404により回転可能に取り付けられたパッド128と、回転リミッタ412とを示すものである。一般に、ピボット404はパッド128に取り付けられ、回転リミッタ412はパッド128の特定の動作を防止するものである。図示された実施形態では、回転リミッタ412は水平方向の回転を規制するように構成されている。
【0082】
図示のピボット404は、ボール416とソケット420とを有する。ボール416をパッド128に固定し、ソケット420を支持部408に固定してもよい。支持部材424を用いて、ソケット420を支持部408に固定してもよい。支持部材424は、図示のように伸長部材であってもよい。
【0083】
回転リミッタ412は、一般に、パッド128の特定の動きを物理的に阻止するように機能する。たとえば
図4Bに示すように、回転リミッタ412は、パッド128の水平方向または側方から側方への動きを規制するバーを有し、このバーは、パッドが水平方向に回転するとき、支持部材424と接触させることにより水平方向の動きを規制するものである。1つまたはそれ以上の実施形態では、回転リミッタ412は、図示のように、支持部材424の周りで輪を形成するものであってもよい。
【0084】
図面から明らかなように、回転リミッタ412は、パッド128の水平方向の動きは規制されるが、前方向または後方向の回転を許容するものである。このように、回転リミッタ412は、パッド128が前方向または後方向に回転するためのガイドとして考えられる。回転リミッタ412のバーは、パッド128の前方向および後方向の回転を抑制しないように構成することができる。たとえば、図示された実施形態では、回転リミッタ412は、パッド128から上方に延びて、支持部材424が回転リミッタ内で自由に上下運動できるように構成されている。
【0085】
1つまたはそれ以上の実施形態では、支持部408に対する2つのパッド128の位置を調整することができる。
図4Cは、各パッド128の水平方向の位置を調整することができる実施形態を示すものである。このように必要に応じて、各パッド128を互いに対して接近させ、離間させるように移動させることができる。これは、パッド128をさまざまなユーザに適合させることができるという点において有益である。たとえば、より広い肩幅のユーザに対しては、各パッドを互いに離す方向に移動させ、より狭い肩幅のユーザに対しては、各パッドを互いに向かう方向に移動させることができる。
【0086】
パッド128の間隔はさまざま手法により調整することができる。たとえば図示された実施形態では、調整可能な支持部材424を用いて、パッド128を支持部408に取り付けることができる。調整可能な支持部材424は、支持部408の水平部品に沿って移動可能なスリーブ428を有していてもよい。
図4Cに示すスリーブ428は、支持部408の水平部品に沿って移動可能である。この水平部品は、一般に、ユーザの肩部に対してほぼ垂直で、必要に応じて、ユーザの肩幅に合わせるようにパッド128を移動させることができる。
【0087】
理解されるように、パッド128は、所望の位置に配置された後、所定位置に固定することができる。たとえば、1つまたはそれ以上のピン432をスリーブ428および支持部408の水平部品の貫通孔内に挿入して、パッド128を固定してもよい。図示のようにピン432は、水平部品に向かって付勢するように、ばねで荷重を加えるものである。このようにピン432は、水平部品の貫通孔に配置されると、貫通孔内に自動的に挿入される。たとえば、スリーブ428、支持部材424、またはこれらの両方は、1つまたはそれ以上のクリップ、クランプ、ねじ等を用いて固定してもよい。
【0088】
理解されるように、1つまたはそれ以上の実施形態では、アームアセンブリ108の当接端部140を調整可能としてもよい。たとえば
図4Dに示すように、当接端部140は上方向または下方向にピボット回転して、ユーザのさまざまな好み、およびユーザのさまざまな体型に適合するように、当接端部140は上方向または下方向にピボット回転するようにしてもよい。所望の位置まで移動させた後、当接端部140の支持部408を所定の使用位置に固定し、再調整のために固定を解除するようにしてもよい。
【0089】
ピボット回転式に取り付けることにより、こうしたピボット回転を実現することができる。ピボット回転式の固定部はさまざまな構成を有し得る。たとえば
図4Dでは、支持部408の円形部分をスリーブ436内に保持することにより、支持部408はスリーブ436内で回転することができる。その他の構成を用いて、こうしたピボット回転を実現することができる。たとえばヒンジのようなものを用いることができる。
【0090】
所望の位置までピボット回転させた後、1つまたはそれ以上のクリップ、クランプ、ねじ、ピン等を用いて、支持部408を固定してもよい。支持部408を再配置するために、これらの部品の固定を解除してもよい。理解されるように、別の保持機構も同様に用いることができる。たとえば
図4Dは、支持部408のためのピボット固定部を示し、ピボット固定部は、支持部408および当接端部140を所望の位置に保持するためのピン440を受容するように構成されたプレート444を含む。
【0091】
明らかなように、プレート444はピン440を受容するための1つまたはそれ以上の開口部448を有していてもよい。支持部408を解除して、支持部408を配置することができるように、ピン440は伸縮可能で、ばね付勢され、または移動可能なものであってもよい。ピン440は、所望の位置に支持部を保持するための複数の開口部448のうちの1つに挿入することができる。図示のように、支持部408がピボット回転するとき、各開口部をピン440に位置合わせできるように、開口部448を円形状の位置に配置してもよい。支持部408がピボット回転するとき、他の構造物との衝突を回避するために、プレート444自体は湾曲した形状または部分を有していてもよい。
【0092】
ピン440を支持部408の部分に取り付けて、プレート444をスリーブ436に固定してもよい(逆も同様)。このように、支持部408がピボット回転するとき、ピン440およびプレート444は互いに対して移動する。これにより、プレート444の1つまたはそれ以上の開口部のさまざまな位置にピン440を配置することができる。こうして、ピンを位置合わせした開口部に挿入することにより、ピン440を用いて支持部408をさまざまなに位置に固定することができる。
図4Eに示すように、ピンがプレート444の1つまたはそれ以上の開口部に挿入されるようにピンを配置(位置合わせ)して、ピン440を取付部452に固定してもよい。当然に、取付部を用いることなく、プレート444およびピン440を互いに対して適切に配置することができる場合には、取付部452は必要ではない。
【0093】
ピボット回転に加え、またはピボット回転に代えて、当接端部140の高さを調整することができるようにしてもよい。たとえば支持部408を所望するように上下移動させた後、所定位置にロックまたは固定できるように、当接端部140を構成してもよい。ピボット機能に加え、またはピボット機能に代えて、方向可変マシンの高さ調整機能により、ユーザの異なる身長に合わせることができる。さらに高さ調整機能により、ユーザの好みに応じて支持部408の高さを設定することができる。
【0094】
図4Fおよび
図4Gは高さ調整機能を示すものである。高さ調整アセンブリは、一般に、支持部408をさまざまな高さに保持することができる構成部品を有する。たとえば、高さ調整アセンブリは、昇降シャフト456、または支持部408がスライド移動可能に取り付けられたその他の部品を有していてもよい。このように、支持部408を所望の位置に昇降させた後、所定位置に固定することができる。典型的には、昇降シャフト456は、実質的に垂直に、すなわち垂直方向に配置されている。
【0095】
図4Fおよび
図4Gに示すように、当接端部140の高さにおいて、昇降シャフト456をアームアセンブリに取り付けてもよい。昇降シャフト456は、さまざまな手法でアームアセンブリに取り付けることができる。1つの実施形態では、昇降シャフト456は、直接的にアームアセンブリに取り付けてもよい。択一的には、昇降シャフト456は、1つまたはそれ以上の支持構造体を介して取り付けてもよい。たとえば図示のように、昇降シャフト456は、当接端部140の高さでブレース(留め具)460を用いて取り付けられる。昇降シャフト456は、1つまたはそれ以上の実施形態においてブレース460の端部に取り付けてもよい。これにより、ブレース460から負荷がかかることなく、スライド実装部は昇降シャフト456の長さに沿って移動することができる。図示のように、ブレース460は昇降シャフト456と実質的に同じ長さを有していてもよい。昇降シャフト456が支持部408の重量を支持するのを支援するために、ブレース460は、昇降シャフト456を構造的に強化するものであってもよい。
【0096】
支持部408は、さまざまな手法を用いて昇降シャフト456に取り付けることができる。図示した実施形態では、ピボットを支持できるようにピボット実装部に、支持部408を取り付けてもよい。しかし支持部408は、高さ調整アセンブリに直接取り付けてもよい。こうした実施形態では、支持部408は、高さを調整することができるが、ピボット回転させることはできない。
【0097】
支持部408が昇降シャフト456に対して垂直方向に移動できるように、スライド実装部を設けて、支持部を昇降シャフトに接続してもよい。1つの実施形態では、昇降シャフト456は、スライド実装部のトラック(軌道)として機能し、スライド実装部を案内し、支持するものであってもよい。
図4Fおよび
図4Gに示すスライド実装部は、昇降シャフト456に沿って移動するスリーブ464を有する。
【0098】
理解されるように、昇降シャフト456は、スライド実装部、またはこれらの両方は、ユーザが支持部408を昇降しやすくする構成部品を有していてもよい。たとえば昇降シャフト456は、その表面上に刻み目、突起部、リッジ部(隆起部)等を有し、これらはギアと係合するものであってもよい。このように、ギアを一方向または別方向に回転させると、昇降シャフト456および支持部408を昇降させることができる。ギアは手動で回転させるものであってもよい。たとえば図示のように、スリーブ464は、ユーザがギアを回転させて、支持部408を昇降させることができるハンドル468を有する。ハンドル468は昇降ギアに接続され、そのギアと駆動機構のギアまたは連結部等と連結してもよい。いくつかの実施形態では、昇降ギアはモータを用いて回転させてもよい。
【0099】
支持部408は、所望の高さまたは昇降位置に達した後、所定位置に固定してもよい。たとえば昇降ギアは、さらに回転するのを防ぐように固定してもよい。こうして、スリーブ464および支持部408は、特定の高さに固定される。ギアを固定する手法は数多くある。たとえばギアに連結された部品がギアのさらなる回転を阻止するものであってもよい。ハンドルまたは駆動機構を所定位置に固定して、ギアが回転することを防止してもよい。
【0100】
支持部408は、別の手法でも同様に所定位置に固定することができる。たとえば
図4Fおよび
図4Gにおいて、ピンを用いてスリーブ464および支持部408を所定位置に「把持(クランプ)」または保持することができる。1つまたはそれ以上の実施形態では、ピンをスリーブ464に取り付けてもよい。1つの実施形態において、ピンはねじ山を有し、スリーブ464のねじ山付き開口部内に保持されるものであってもよい。そしてピンを回転させて、スリーブ内に移動させ、最後には昇降シャフト456の部分に接触させるようにしてもよい。ピンは昇降シャフト456に締め付けられ、スリーブ464および支持部408を所定位置に保持する。その後、ピンを緩めて支持部を解放し、さらに高さを調整することもできる。
【0101】
ピンは必ずしもすべての実施形態でねじ山を有する必要はない点に留意されたい。理解されるように、支持部408を所定位置に保持するために昇降シャフト456の構成部品内に挿入し、または係合させるようにしてもよい。たとえば、昇降シャフト456の一連の開口部のうちの1つに中にピンを挿入してもよい。択一的には、ピンを刻み目、リッジ部、昇降シャフト456のその他の構成部品に係合させて、支持部408を所定位置に保持してもよい。昇降シャフト456からピンを取り外し、係合を解除することにより、支持部408の高さをさらに調整することもできる。
【0102】
図5A〜
図5Cを参照して、方向可変マシンの操作について以下説明する。トレーニングを始める前に、ユーザは、自らの肩がパッド128に当接するように方向可変マシンに「取り掛かる(step into)」ようにしてもよい。
図5Aに示すように、アームアセンブリ108はパッド128を所定の高さ位置に保持する。1つまたはそれ以上の実施形態において、パッド128をユーザの肩の高さレベルまたはその付近に保持してもよい。このようにユーザは、パッド128に肩を当てるために肩を上下に移動させるだけでよい。そのため、ユーザが過剰に腰を屈め、折り曲げる必要がないので、パッド128に肩を当てることがユーザにとってより容易となる。さらにユーザは、アームアセンブリをユーザの肩の上に載せるために、アームアセンブリ108を持ち上げる必要がない。これは、ユーザの肩の上に持ち上げる必要のあるアームアセンブリ108から負荷を受ける場合に極めて有益である。
【0103】
同様に理解されるように、ユーザは方向可変マシンに肩を当てるために肩を下げる必要がない。たとえばユーザが方向可変マシンに「取り掛かかった」後、アームアセンブリ108を解除して、ユーザの肩まで下方に移動させることにより、アームアセンブリをユーザの肩まで引き下げることができる。
【0104】
図5Bにおいて、ユーザは、方向可変マシンに「取り掛かかった」後、アームアセンブリ108に肩を当てる。これは、ユーザが自らの肩を持ち上げることにより、アームアセンブリ108の1つまたはそれ以上のパッド128に肩を当てることにより行うことができる。図示のように、たとえばユーザは、立ち上がることにより、1つまたはそれ以上のバッド128に肩を当ててもよい。明らかなように、ユーザは、この状態で、アームアセンブリ108を少なくとも若干でも持ち上げてもよい。同様に、この状態でアームアセンブリ108は、スプリング112を伸長させて、アームアセンブリおよびパッド128を介してユーザに負荷を与えることができる。こうして、ユーザにすぐさま負荷をかけ、ユーザは、トレーニング中、負荷を受け続けることができる。
【0105】
アームアセンブリ108に肩が当たると、ユーザは、アームアセンブリ108の固定を解除して、アームアセンブリを自由に移動できるようにしてもよい。当然に、アームアセンブリ108が固定されていない場合や、ロック機構を有しない場合には、固定を解除する必要はない。アームアセンブリ108は、上述のように、連結部による係合を解除することにより固定を解除してもよい。たとえば
図2Aおよび
図2Bを参照すると、ユーザは、アームアセンブリ108の固定を解除し、アームアセンブリが自由に移動できるように、固定部材204を引っ張り、または固定部材を係止部220から遠ざかる方向に移動させることができる。ハンドル208を設けた場合、ユーザはハンドルを用いて固定部材204を移動させることができる。
【0106】
係止部220は、開口した頂部を有していてもよいことに留意されたい。これにより、アームアセンブリ108は、固定されたときでも、上方に移動することができる。すなわち、
図5Bに示すように、ユーザがまっすぐに立ち上がり、パッド128に肩を当てたときに、アームアセンブリ108は、固定されているにも拘わらず、上方に移動させることができる。これにより、ユーザは、アームアセンブリの固定を解除する前に、アームアセンブリ108に肩を当てて、まっすぐに立ち上がり、トレーニングの準備を行うことができる。
【0107】
そしてユーザは1つまたはそれ以上のエクササイズを行う。たとえばユーザは、以下説明するように、1回または複数回のスクワット運動や、1回または複数回の改良スクワット運動を行うことができる。さらに理解されるように、ユーザは、1つまたはそれ以上のその他のエクササイズを行うことができる。たとえばユーザは、一方または両方のユーザの踵を上下させる、ふくらはぎ屈伸運動(calf extension)を行うことができる。
【0108】
スクワット運動を行うためには、ユーザは、
図5Bに示すように、直立または起立した状態から始める。ユーザは、
図5Cに示すように、膝および腰を曲げて体を低くする。図示のように、アームアセンブリ108からの負荷は、ユーザの肩を介してユーザに下方向の力を与える。すなわち、ユーザの体を低くしたとき、アームアセンブリ108からの力に対抗する必要がある。これにより、ユーザの筋肉、特にユーザの脚部および臀部の筋肉の増強および調整を支援される。さらに、別の周辺の体組織(骨、腱、靭帯等)、またはユーザの体を低くすることに関連して、体組織を増強し、調整することができる。
【0109】
スクワット運動を完了するために、ユーザは、
図5Bに示すように、自らの体を直立した状態に持ち上げることができる。ユーザは、直立状態に移動するとき、アームアセンブリ108から肩を介して加わる負荷に対抗する必要がある。このような負荷により、上方向への運動時のユーザの筋肉の訓練を改善する。上述のように、上方向への運動により、ユーザの筋肉およびユーザの体組織を増強し、調整することができる。
【0110】
明らかなように、ユーザは、トレーニング中、アームアセンブリ108を把持しておく必要はない。それは、ユーザの肩が傾いた場合であっても、1つまたはそれ以上のバッド128、ピボット120、およびアームアセンブリ108の下向きの力により、アームアセンブリがユーザの肩に当接した状態を維持するためである。これは、ユーザの手を別の目的のために自由に用いることができるので有益である。ユーザは、手および腕を用いて、たとえば両手を腰に、または腰の付近に置くことにより、自らの胴体を安定させることができる。ユーザは、アームアセンブリの1つまたはそれ以上のハンドルがあれば、上述のように当然に、必要に応じてハンドルを握ってトレーニングすることができる。
【0111】
ユーザの手で保持し、またはユーザの肩(ユーザの背中の僧帽筋全体など)でバランスを取る必要のあるウェイトとは異なり、アームアセンブリ108は、ユーザの手を用いることや、バランスを取ることは必要がなく、ユーザの肩に当接した状態で維持される。これは、怪我や事故等のリスクを低減する点において、従来のウェイトに比して、きわめて有益である。ユーザは、ウェイトの負荷を受けて、体を上下運動しながら、支持し、バランスを取る必要がある。これは、特にウェイトが実質的なものである場合、ユーザがトレーニングにより疲労したとき、ますます困難となり、危険になる。さらに、この方向可変マシンを用いると、ユーザは、ウェイトを保持し、またはバランスを取るためのエネルギを消費する必要がない。したがって、ユーザのエネルギを、ウェイトまたはバランスの保持のためではなく、所望のトレーニングのために集中させることができる。
【0112】
さらにアームアセンブリ108は、ユーザの上半身が前方または後方に移動しないように維持しつつ、トレーニング中の上下運動および水平運動を可能にする強固な構造体を提供する。たとえばアームアセンブリ108およびパッド128(または当接端部140の他の部分)により、上半身が前方または後方に移動または回転しないようにユーザの上半身を所定位置に固定することができる。その結果、ウェイトおよびユーザの上半身が自由に前方または後方に移動して怪我のリスクがある従来式のスクワット運動とは異なり、こうした動きに起因して怪我することを防止することができる。
【0113】
理解されることであるが、アームアセンブリ108は、特定のポイントより下方に移動することを防止することができる。すなわちユーザは、アームアセンブリ108を保持できない場合、自らの肩/体をアームアセンブリの可動範囲の最低位置まで下ろしてもよい。アームアセンブリのウェイトは方向可変マシンの構造体により固定され、ユーザは安全にアームアセンブリから離脱することができる。これは、怪我のリスクを低減するという点において、きわめて有益である。ウェイトを用いるとき、ユーザがウェイトを落下させて、自分自身および/またはすく近くにいる人を怪我させる可能性がある。実際、ユーザが崩れた場合でも、アームアセンブリ108はユーザの上に落下することはなく、怪我する可能性はない。
【0114】
1つまたはそれ以上のクロスバー、または支持アセンブリに固定されるその他の部材を設けて、アームアセンブリ108が特定のポイントより下方に移動することを防止してもよい。1つの実施形態では、安全バーは、スプリングの内側部分を貫通して延びるものであってよい。アームアセンブリ108は、下方に移動するときに、安全バーに接触すると、それ以上下方へ移動することが防止できる。
【0115】
上述のように、アームアセンブリ108は、この方向可変マシンを用いた、さまざまなトレーニングを可能にする広範な動作範囲を有する。アームアセンブリ108は、
図5A〜
図5Cに示すような垂直方向の移動に加え、または垂直方向の移動に代えて、
図6A〜
図6Cの平面図で示すように水平方向に移動することができる。理解されるように、ユーザは、アームアセンブリ108に体を当てて水平方向に動くことによる運動を行うことができる。
図6A〜
図6Cから明らかなように、アームアセンブリ108が水平方向に移動する場合であっても、アームアセンブリ108からの負荷をユーザに対して継続して加わえることができる。すなわち理解されるように、ユーザは、アームアセンブリ108に肩を当てた状態で、単に水平方向にステップを踏み、または移動するだけで、自らの下半身および胴体の筋肉を強化し、調整することができる。これは、ユーザが移動中にアームアセンブリ108の負荷を支えなければならないためである。
【0116】
この方向可変マシンを用いて、1つまたはそれ以上の改良スクワット運動を行うことができる。1つまたはそれ以上の実施形態において、改良スクワット運動は、ユーザの体が行う垂直方向および水平方向の動きからなるものである。たとえばユーザは、水平方向に移動しながら、自らの体を上下に移動させて、改良スクワット運動を行うことができる。この複合的な動きは、ユーザの体の移動方向を変える際に用いられる筋肉その他の体構造を強化し、調整することができるので、きわめて有益である。アスリートやその他のユーザにとって、素早く、かつ力強く体の動きを止め、および/または体の動きの方向を変える能力は、きわめて有用である。たとえばテニスプレーヤは、リターン時に一方向に素早く移動し、別のリターン時に別の方向に移動する必要がある。バスケットボールのプレーヤは、ディフェンスをかわし、その中に割って入るためだけでなく、俊敏なプレーヤが得点することを阻止するためにも、素早く方向転換する必要がある。
【0117】
当然に、すべてのユーザにとって、こうしたトレーニングは有益である。方向を変えるために用いられる筋肉および体組織(たとえば筋肉およびユーザの体の側部および脚部内部に沿った体組織)は、トレーニングすることが困難である。従来式の運動デバイスは、このようなタイプのトレーニングを可能にするピボット回転式アームアセンブリ108またはその均等物を有していなかった。このような自由なウェイトを用いると、きわめて危険であり、ユーザはウェイトの保持および/またはバランスにエネルギを消費する必要がある。この方向可変マシンによれば、方向の変化を伴う運動を許容し、ユーザに負荷を与えることにより、こうした運動の効果を改善することができる。
【0118】
ピボット回転式アームアセンブリ108によれば、
図6A〜
図6Cから明らかなように、ユーザはアームアセンブリに体を当てながら、広範囲に移動することができる。これにより、ユーザは方向可変マシンからの負荷を受けながら、方向可変マシンの周囲の広い領域で移動することができる。同様に、アームアセンブリ108に対抗するユーザの対抗力により、トレーニングを改善することができる。すなわちユーザは、この方向可変マシンを用いて、より迅速に相当の成果を得ることができる。
【0119】
実際に、ユーザは、従前不可能であった結果を得ることができる。これは、アームアセンブリ108が方向可変マシンの周りの広範な動きに対して負荷を与えることができるためである。換言すると、方向可変マシンおよびピボット回転式アームアセンブリ108により、ユーザが従前得られなかった複合的な負荷および広範な動きを実現することができる。さらに上述のように、アームアセンブリ108が与える負荷を実質的な大きさまで増大させることができ、この方向可変マシンを用いてユーザのトレーニングを改善することができる。
【0120】
図5A〜
図5Cおよび
図6A〜
図6Cを参照して、改良スクワット運動について以下説明する。ユーザは、
図5Aに示す方向可変マシンに「取り掛かり(step into)」、
図5Bに示すようにアームアセンブリ108に肩を当てる。1つの実施形態において、
図6Aに示すようにアームアセンブリ108を支持アセンブリ104に対して垂直に配置してもよい。当然に、さまざまな傾斜角をもってアームアセンブリ108を配置してもよい。
【0121】
アームアセンブリ108は、通常、所定位置に固定されている。すなわちユーザは、トレーニング前に利用可能である場合、アームアセンブリ108の固定を解除することができる。これは、上述のように、アームアセンブリの固定機構である連結部の固定を解除することにより行うことができる。固定が解除されると、アームアセンブリ108は、垂直方向のみならず、水平方向にも自由に移動することができる。
【0122】
改良スクワット運動を始めるには、ユーザは、一方の脚を水平方向に踏み込んでもよい。これと同時にユーザは、
図5Cに示すように、膝および腰を折り曲げて自らの体を低くしてもよい。たとえばユーザは、左側の脚とともに左足を踏み込み、自らの体を低くして、スクワット運動の姿勢を取ってもよい。ユーザが自らの体を低くしたとき、アームアセンブリ108は、
図5Cに示すように下方に移動し、
図6Bに示すように左側に移動してもよい。この「左側」の位置において、ユーザは、
図5Bに示すように、自らの体およびアームアセンブリ108を持ち上げるようにしてもよい。そしてユーザは、自らの一方の脚を他方の脚に向けて移動させて、水平方向の移動を完了させる。この具体例では、ユーザは、左右の脚の間隔が肩幅と同程度になるように、自らの右脚を左脚に向かって移動させる。
【0123】
明らかなように、アームアセンブリ108の構造体は、ユーザの上半身を所定位置に固定し、上半身の前方向および後方向の動きを抑制するものである。上記説明したように、これにより、とりわけ従来式の装置および方法と比較して、トレーニング中の怪我のリスクを大幅に低減することができる。アームアセンブリ構造体は、ユーザの上半身を支持構造体104から一定の距離を隔てた位置に配置することができる。すなわちユーザは、自らの上半身の上下方向もしくは水平方向の運動、またはその両方の運動を行うことができるが、ユーザの上半身の前方向および後方向の動きを規制し、ユーザの安全性を増大させることができる。
【0124】
そしてユーザは、1つまたはそれ以上のスクワット運動、または1つまたはそれ以上の追加的な改良スクワット運動を行うことができる。たとえばユーザは、
図6Bの矢印で示すように左側に運動し続け、追加的な改良スクワット運動を行う必要がある場合には、右側に運動してもよい。ユーザは、同じ場所にいて、スクワット運動を続けてもよい。ユーザは、左側に運動したい場合、上述の運動を反復してもよい。理解されるように、1つまたはそれ以上の実施形態において、ユーザは、アームアセンブリ108が支持アセンブリに対して平行になる(または支持アセンブリを超える)まで、一方向に運動し続けることができる。これにより、同一方向の運動を数回反復して、別の方向の運動を行うことができ、これは、これらの運動によりユーザの体の強化および調整の点において有益である。
【0125】
ユーザは、右側へ移動するためには、
図5Cに示すように、自らの足を肩幅と同程度に接近させ、右足を右方向に移動させながら、上半身を低くしてもよい。こうするとアームアセンブリ108は右方向に移動する。ユーザがたとえば
図6Bに示す位置にあるとき、右方向への動きにより、アームアセンブリ108を元の
図6Aに示す位置に移動させることができる。そしてユーザは、自らの上半身を
図5Bに示す位置に持ち上げることができる。ユーザは、
図6Cに示すように、引き続き右側へ移動して、同じ位置を維持してもよいし、方向を変えて、
図6Bに示す位置まで左側に移動してもよい。これを所望するまで反復してよい。すなわち明らかなように、ユーザは、右方向および左方向への交互運動を素早く行うことにより、方向転換に関連する筋肉および体構造をトレーニングすることができる。同様にユーザは、一方向において、1回またはそれ以上、反復して運動し、別の方向に変えて、これらの筋肉および体構造をトレーニングすることができる。
【0126】
理解されるように、アームアセンブリ108は、1つまたはそれ以上の実施形態において、支持アセンブリ104の周囲を360度回転できるように構成してもよい。たとえばスプリングや弾性バンド等の付勢デバイスは、支持アセンブリ104上の回転実装部に取り付けてもよい。このようにアームアセンブリ108は、ユーザに対する負荷を与え続けながら、支持アセンブリ104の周囲を360度回転できるようにしてもよい。ユーザは、必要に応じて、左方向または右方向への数多くの改良スクワット運動を行うことかできる。
【0127】
スクワット式の運動により鍛錬される脚部および臀部の筋肉に加え、この方向可変マシンは、方向変換の際に用いられる特定の筋肉に対するトレーニングに焦点を置いている。たとえばユーザの右側および左側の筋肉および体組織を強化し、調整することができる。ユーザの内側および外側の大腿筋とともに、側方腹筋を強化し、調整することができる。これは、通常、こうした筋肉および関連する体組織は強化し、調整することが困難であるので有益である。さらに、水平方向に運動しながら、アームアセンブリ108からの負荷を受けて、ユーザの胴体すなわちコア筋肉および体構造も同様に強化し、調整することができる。
【0128】
本発明に係る数多くの実施形態について説明してきたが、当業者ならば明らかなように、本発明の範疇に含まれる、より数多くの実施形態および実施例を想到することができる。さらに、本願に記載されたさまざまな特徴物、構成部品、および実施形態は、任意の組み合わせまたは構成により組み合わせることができる。