(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5903432
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】減衰メータコンポーネントを備える振動メータ
(51)【国際特許分類】
G01F 1/84 20060101AFI20160331BHJP
【FI】
G01F1/84
【請求項の数】16
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-518362(P2013-518362)
(86)(22)【出願日】2010年7月9日
(65)【公表番号】特表2013-532291(P2013-532291A)
(43)【公表日】2013年8月15日
(86)【国際出願番号】US2010041472
(87)【国際公開番号】WO2012005734
(87)【国際公開日】20120112
【審査請求日】2013年3月6日
【審判番号】不服2015-3526(P2015-3526/J1)
【審判請求日】2015年2月24日
(73)【特許権者】
【識別番号】500205770
【氏名又は名称】マイクロ モーション インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ランハム, グレゴリー トリート
(72)【発明者】
【氏名】ワーバック, クリストファー エー.
【合議体】
【審判長】
酒井 伸芳
【審判官】
中塚 直樹
【審判官】
清水 稔
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2006/0107758(US,A1)
【文献】
特開平7−174601(JP,A)
【文献】
実開平4−24020(JP,U)
【文献】
実開平2−128524(JP,U)
【文献】
特開平5−268698(JP,A)
【文献】
特開平10−122150(JP,A)
【文献】
特開平9−10673(JP,A)
【文献】
特開2004−294419(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01F 1/84
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動メータ(5)であって、
振動部(471)および非振動部(472)を有する1つ以上の導管(103A、103B)と、
前記1つ以上の導管(103A、103B)のうちの1つの導管と結合され、該導管の前記振動部(471)を1つ以上のドライブ周波数で振動させるように構成されるドライバ(104)と、
前記1つ以上の導管(103A、103B)のうちの1つの導管と結合され、該導管の前記振動部(471)の運動を検出するように構成される1つ以上のピックオフ(105、105’)と、
前記1つ以上の導管(103A、103B)の前記振動部(471)、前記ドライバ(104)および前記1つ以上のピックオフ(105、105’)を除く1つ以上のメータコンポーネントと、
前記1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントの表面の少なくとも一部にメータコンポーネントの一体部分となるように被膜され、前記メータコンポーネントの1つ以上の振動共振周波数を前記1つ以上のドライブ周波数未満まで低下させる減衰材料(310)とを備え、
前記減衰材料は、メータコンポーネントの形状及びテクスチャと実質的に合致している、振動メータ(5)。
【請求項2】
前記メータコンポーネントが第一の厚みT1を有し、前記減衰材料(310)が前記第一の厚みT1よりも小さな第二の厚みT2を有してなる、請求項1に記載の振動メータ(5)。
【請求項3】
前記1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントが、前記1つ以上の導管(103A、103B)、前記ドライバ(104)および前記1つ以上のピックオフ(105、105’)を実質的に覆うケース(200)である、請求項1に記載の振動メータ(5)。
【請求項4】
前記ケース(200)と結合される基礎(440)と、前記ケース(200)と前記基礎(440)との間に実質的に流体密封性のシールを提供するシール部材(450)とをさらに備えてなる、請求項3に記載の振動メータ(5)。
【請求項5】
前記ケース(200)に形成され、メカニカルファスナーを受けるように構成される1つ以上のもどり止(460)をさらに備えてなる、請求項3に記載の振動メータ(5)。
【請求項6】
前記1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントが、前記1つ以上の導管(103A、103B)と結合される基礎(440)である、請求項1に記載の振動メータ(5)。
【請求項7】
前記1つ以上のメータコンポーネントのうちの他のメータコンポーネントが、前記基礎(440)と結合されるマウント用のブロック(441A、441B)である、請求項6に記載の振動メータ(5)。
【請求項8】
前記1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントが、前記1つ以上の導管(103A、103B)のうちの1つの導管の非振動部である、請求項1に記載の振動メータ(5)。
【請求項9】
振動部および非振動部を有する1つ以上の導管を備える振動メータを形成する方法であって、
前記1つ以上の導管のうちの1つの導管とドライバを結合するステップであって、前記ドライバが前記導管の前記振動部を1つ以上のドライブ周波数で振動させるように構成されるステップと、
前記1つ以上の導管のうちの1つ導管と1つ以上のピックオフを結合するステップであって、前記1つ以上のピックオフが前記導管の前記振動部の運動を検出するように構成されるステップと、
前記1つ以上の導管の前記非振動部、前記ドライバおよび前記1つ以上のピックオフを除く1つ以上のメータコンポーネントを提供するステップと、
前記1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントの表面の少なくとも一部に、前記メータコンポーネントの1つ以上の振動共振周波数を前記1つ以上のドライブ周波数未満まで低下させる減衰材料をメータコンポーネントと一体部分となるように被膜するステップと
を有し、
前記減衰材料は、メータコンポーネントの形状及びテクスチャと実質的に合致している、
方法。
【請求項10】
前記メータコンポーネントが第一の厚みT1を有し、前記減衰材料を被膜するステップが、前記第一の厚みよりも小さな第二の厚みT2を有する前記減衰材料を被膜するステップを含む、請求項9に記載の方法、
【請求項11】
前記1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントがケースであり、前記方法が、前記ケースで前記1つ以上の導管、前記ドライバおよび前記1つ以上のピックオフを実質的に覆うステップをさらに含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ケースと基礎を結合させるステップと、前記ケースと前記基礎との間に実質的に流体密封性のシールを設けるステップとをさらに有する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ケースに、メカニカルファスナーを受けるように構成される1つ以上のもどり止を形成するステップをさらに有する、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントが基礎であり、前記方法が、前記1つ以上の導管と前記基礎を結合させるステップをさらに有する、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記1つ以上のメータコンポーネントのうちの他のメータコンポーネントがマウント用のブロックであり、前記方法が、前記基礎と前記マウント用のブロックを結合させるステップをさらに有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントが前記1つ以上の導管のうちの1つの導管の前記非振動部である、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動メータに関するものであり、さらに詳細にはメータコンポーネントの表面に減衰材料が被膜された振動メータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
たとえばデンシトメータ、体積流量メータおよびコリオリフローメータの如き振動メータは、たとえば密度、質量流量、体積流量、総合質量流量、温度、他の情報などの如き物質の1つ以上の特性を測定するために用いられる。振動メータは1つ以上の導管を備えている。1つ以上の導管は、たとえば直線形状、U字形状または異形形状の如きさまざまな形状を有することが可能である。
【0003】
1つ以上の導管は、たとえば単純曲げモード、ねじれモード、ラジアルモードおよび結合モードを含む一組の固有の振動モードを有している。物質の特性を求めるために、1つ以上の導管は、これらのモードのうちの1つのモードで少なくとも1つのドライバにより共振周波数で振動させられる。このモードのことを以下ドライブモードと呼ぶ。1つ以上のメータ電子機器は、正弦波ドライバ信号を少なくとも1つのドライバへ送信するようになっている。このドライバは、通常マグネット/コイルを組み合わせたものであり、マグネットは導管に固定され、コイルはマウント用の構造体または他の導管に固定されている。このドライブ信号により、ドライバは、ドライブモードでかつドライブ周波数で1つ以上の導管を振動させる。たとえば、ドライバ信号はコイルに送信される周期的な電流であってもよい。
【0004】
1つ以上のピックオフが、導管の振動を検出し、振動する導管の運動を表す正弦波ピックオフ信号を生成する。通常、ピックオフはマグネット/コイルを組み合わせたものである。通常、このマグネットは導管に固定され、コイルはマウント用の構造体または他の導管に固定されている。このピックオフ信号は1つ以上のメータ電子機器へ送信される。周知の原理によれば、ピックオフ信号は、必要ならば、物質の特性を求めるためまたはドライバ信号を調節するために1つ以上の電子機器によって用いられてもよい。
【0005】
通常、振動メータには、導管に加えて、ケース、基礎、フランジなどの如き1つ以上のメータコンポーネントがさらに設けられている。実質的にこれらすべてのさらなるメータコンポーネントがさまざまな振動特性に起因する測定問題を引き起こす恐れがあるが、ケースの振動特性は、もっとも広範囲でありかつ最も大きな影響を与える測定問題を引き起こす。したがって、ケースが下記の議論の焦点となるものの、同様の振動問題および解決策が他のメータコンポーネントに対しても適用可能である。さまざまなメータコンポーネントによって引き起こされる測定問題は、ケースの如きメータコンポーネントの振動から導管の振動を区別するのが困難であることに起因している。この困難性の1つの理由は、導管の場合と同様に、ケースも、たとえば単純曲げモード、ねじれモード、ラジアルモードおよび側面モードなどを含む1つ以上の固有の振動モードを有しているからである。あるモードの振動を誘発する周波数は一般的に、ケースの形成に用いられる材料、ケースの厚み、温度、圧力などの如き複数の要因に依存して異なっている。ドライバにより生成される、またはポンプの如き材料処理システムの他の供給源から来る振動力によって、ケースは複数の固有モードのうちの1つのモードで振動する恐れがある。1つ以上の導管を振動させるために用いられる周波数がケースを固有の振動モードのうちの1つのモードで振動させる周波数に一致しているような場合、物質の特性を正確に測定するのは困難なことである。とういのは、ケースの当該モードの振動が導管の振動と干渉して測定誤差をもたらす恐れがあるからである。
【0006】
このようなモードの振動をケースに誘発する周波数を導管の振動モードから分離する試みが先行技術において数多くなされてきた。これらの周波数には、ケースおよび流体を充填した導管のさまざまな振動モードの固有共鳴周波数が含まれる。たとえば、予測される導管のドライブモードから離し、さまざまなモードの振動を誘発する周波数を低減させるため、ケースを非常に堅く(高剛性)および/または重く形成することができる。これらの選択肢は両方とも重大な欠点を有している。ケースの質量および/または剛性を大きくすると製造が複雑でかつ困難なものとなり、このことにより、コストが増大し、振動メータの搭載が困難なものとなる。ケースの質量を増大させる従来の1つの特定のアプローチは、既存のケースに金属製の重りを溶接することである。このアプローチでは、ケースの共振周波数を低減させるための振動エネルギーの消散が十分でない。さらに、このアプローチでは、ほとんどの場合、コストが高く、ケースの見栄えも悪い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
他の従来のアプローチはケースの形状を変更することである。このような従来技術の試みはPCT公開公報/2009/078880に記載されており、その内容は、ここで参照することによって本明細書に援用されるものとする。’880公開公報には、楕円形状の断面を有するおおむねU字型のケースが開示されている。楕円形状の断面によって、あるモードの振動を引き起こすのに必要な周波数がドライブモード周波数を超えて増大させられる。’880公開公報に示されている構成によって限られた状況においては十分な結果をもたらすことができるものの、このプロセスは高価でありかつ時間がかかる。さらに、この解決策は既存の振動メータにとって実用的ではない。もっと正確にいえば、’880公開公報は、完全に新しいケースを必要とし、既存のケースに関する問題には対処していない。それに加えて、多くのメータケースは、たとえば顧客または既存のチューブ構成によって必要とされる特定の形状およびサイズを必要とする。’880公開公報により示唆されるアプローチに関する他の問題は、ケースにあるモードの振動を引き起こすのに必要となる周波数が予期されるドライブ周波数より高いということである。したがって、ドライブモードに利用可能な周波数範囲が厳しく制限されることとなる。
【0008】
本発明は、これらおよび他の課題を克服し、当該技術分野の進歩を実現するものである。本発明は、減衰用のメータコンポーネントを備えた振動メータを提供している。減衰用のメータコンポーネントの共振周波数が、低減され、導管の共振周波数から分離される。したがって、振動メータのドライブモードは、あるモードの振動を減衰されたメータコンポーネントに誘発しない。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のある実施形態にかかる振動メータが提供されている。かかる振動メータは、振動部および非振動部を有する1つ以上の導管と、1つ以上の導管のうちの1つの導管と結合され、当該導管の振動部を1つ以上のドライブ周波数で振動させるように構成されるドライバとを備えている。本発明のある実施形態によれば、1つ以上のピックオフは、1つ以上の導管のうちの1つの導管と結合され、当該導管の振動部の運動を検出するように構成される。振動メータは、1つ以上の導管の振動部、ドライバおよび一つ以上のピックオフを除く一つ以上のメータコンポーネントを有している。減衰材料は、1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントの表面の少なくとも1部に被膜され、メータコンポーネントの1つ以上の振動共振周波数を1つ以上のドライブ周波数未満まで低下させる。
【0010】
本発明のある実施形態に従って、振動部および非振動部を有する1つ以上の導管を備える振動メータを形成する方法が提供されている。かかる方法は、1つ以上の導管のうちの1つの導管とドライバを結合させるステップであって、ドライバが導管の振動部を1つ以上のドライブ周波数で振動させるように構成されるステップと、1つ以上の導管のうちの1つの導管と1つ以上のピックオフを結合させるステップであって、1つ以上のピックオフが導管の振動部の運動を検出するように構成されるステップとを有する。本発明のある実施形態によれば、かかる方法は、1つ以上の導管の振動部、ドライバおよび1つ以上のピックオフを除く1つ以上のメータコンポーネントを提供するステップをさらに有する。本発明のある実施形態によれば、かかる方法は、1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントの表面の少なくとも一部に、当該メータコンポーネントの1つ以上の振動共振周波数を1つ以上のドライブ周波数未満まで低下させる減衰材料を被膜するステップを有する。
態様
本発明の1つの態様によれば、振動メータは、振動部および非振動部を有する1つ以上の導管と、1つ以上の導管のうちの1つの導管と結合され、当該導管の振動部を1つ以上のドライブ周波数で振動させるように構成されるドライバと、 1つ以上の導管のうちの1つの導管と結合され、当該導管の振動部の運動を検出するように構成される1つ以上のピックオフと、1つ以上の導管の振動部、ドライバおよび1つ以上のピックオフを除く1つ以上のメータコンポーネントと、 1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントの表面の少なくとも一部に被膜され、当該メータコンポーネントの1つ以上の振動共振周波数を1つ以上のドライブ周波数未満まで低下させる減衰材料とを備えている。
【0011】
好ましくは、メータコンポーネントが第一の厚みT1を有し、減衰材料が第一の厚みT1よりも小さな第二の厚みT2を有している。
【0012】
好ましくは、1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントは、1つ以上の導管、ドライバおよび1つ以上のピックオフを実質的に覆うケースである。
【0013】
好ましくは、かかる振動メータは、ケースと結合される基礎と、ケースと基礎との間に実質的に流体密封性のシールを提供するシール部材をさらに備えている。
【0014】
好ましくは、かかる振動メータは、ケースに形成され、メカニカルファスナーを受けるように構成される1つ以上のもどり止をさらに備えている。
【0015】
好ましくは、1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントは、1つ以上の導管と結合される基礎である。
【0016】
好ましくは、1つ以上のメータコンポーネントのうちの他のメータコンポーネントは、基礎と結合されるマウント用のブロックである。
【0017】
好ましくは、1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントは、1つ以上の導管の非振動部である。
【0018】
本発明の他の態様によれば、振動部および非振動部を有する1つ以上の導管を備える振動メータを形成する方法であって、1つ以上の導管のうちの1つの導管とドライバを結合させるステップであって、ドライバが導管の振動部を1つ以上のドライブ周波数で振動させるように構成されるステップと、1つ以上の導管のうちの1つの導管と1つ以上のピックオフを結合させるステップであって、1つ以上のピックオフが導管の振動部の運動を検出するように構成されるステップと、1つ以上の導管の振動部、ドライバおよび1つ以上のピックオフを除く1つ以上のメータコンポーネントを提供するステップと、1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントの表面の少なくとも一部に、当該メータコンポーネントの1つ以上の振動共振周波数を1つ以上のドライブ周波数未満まで低下させる減衰材料を被膜するステップとを有する。
【0019】
好ましくは、メータコンポーネントが第一の厚みT1を有し、減衰材料を被膜するステップが、第一の厚みよりも小さな第二の厚みT2を有する減衰材料を被膜するステップを含む。
【0020】
好ましくは、1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントがケースであり、かかる方法が、ケースで1つ以上の導管、ドライバおよび1つ以上のピックオフを実質的に覆うステップをさらに有する。
【0021】
好ましくは、かかる方法は、ケースと基礎を結合させるステップと、ケースと基礎との間に実質的に流体密封性のシールを設けるステップとをさらに有する。
【0022】
好ましくは、かかる方法は、メカニカルファスナーを受けるように構成される1つ以上のもどり止をケースに形成するステップをさらに有する。
【0023】
好ましくは、1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントが基礎であり、かかる方法が、1つ以上の導管と基礎を結合させるステップをさらに有する。
【0024】
好ましくは、1つ以上のメータコンポーネントのうちの他のメータコンポーネントがマウント用のブロックであり、かかる方法が、基礎とマウント用のブロックを結合させるステップをさらに有する。
【0025】
好ましくは、1つ以上のメータコンポーネントのうちの1つのメータコンポーネントが1つ以上の導管のうちの1つの導管の非振動部である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明のある実施形態にかかる振動メータを示す図である。
【
図2】本発明のある実施形態にかかるケースを有する振動メータを示す図である。
【
図3】本発明のある実施形態にかかる減衰材料をケースの表面に被膜した振動メータを示す断面図である。
【
図4】本発明の他の実施形態にかかる振動メータを示す図である。
【
図5】本発明の他の実施形態にかかる振動メータを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1〜
図5および下記の記載には、本発明を最良のモードで作成および利用する方法を当業者に教示するための具体的な実施形態が示されている。本発明の原理を教示するために、従来技術の一部が単純化または省略されている場合もある。当業者にとって明らかなように、これらの実施形態の変形例もまた本発明の技術範囲内に含まれる。また、当業者にとって明らかなように、下記に記載の構成要素をさまざまな方法で組み合わせて本発明の複数の変形例を形成することもできる。したがって、本発明は、下記に記載の特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲およびその均等物によってのみ限定されるものである。
【0028】
図1には、センサー組立体10と1つ以上のメータ電子機器20とを有しているメータの形態をとる振動メータ5が示されている。振動メータ5は、コリオリフローメータ、超音波フローメータ、容積フローメータ、デンシトメータなどであってもよい。メータ電子機器20は、リード線100を介してセンサー組立体10へ接続され、たとえば流体密度、質量流量、体積流量、総合質量流量、温度および他の情報の如き物質の特性を測定するようになっており、経路26にも接続されている。
【0029】
本実施形態にかかるセンサー組立体10は、一対のフランジ101、101’と、マニホールド102、102’と、ドライバ104と、ピックオフ105、105’と、導管103A、103Bとを備えている。ドライバ104およびピックオフ105、105’は導管103Aおよび103Bと結合されている。ドライバ104は、当該ドライバ104が導管103A、103Bの1部をドライブモードで振動させることができる位置で導管103A、103Bに固定されている。いうまでもなく、導管103A、103Bにおいて、振動しない部分または振動することが望ましくない部分は他にも存在しうる。ピックオフ105、105’は、導管103A、103Bの運動を検出するように、当該導管103A、103Bに固定されている。したがって、振動メータでは、導管103A、103Bの振動部の振動が重要となる。下記の説明の都合上、導管103A、103Bの振動部、ドライバ104およびピックオフ105、105’を除く振動メータ5のコンポーネントは、振動することが望ましくなく、かつ導管103A、103Bの振動を干渉する恐れのあるメータコンポーネントとしてグループ化することができる。
【0030】
当業者にとって明らかなように、コリオリフローメータの測定機能を欠いている振動メータを含むいかなるタイプの振動メータと本明細書に記載の原理を組み合わせることも、本発明の技術範囲内である。このようなデバイスには、振動式デンシトメータ、容積流量計などが含まれる。
【0031】
本実施形態にかかるフランジ101、101’はマニホールド102、102’と結合されている。また、本実施形態にかかるマニホールド102、102’はスペーサ106の両側の端部に固定されている。スペーサ106は、フロー導管103A、103B内の不必要な振動を防止するためにマニホールド102とマニホールド102’との間の間隔を維持するようになっている。物質を移送している配管システム(図示せず)の中にセンサー組立体10が挿入されると、物質がフランジ101を通ってセンサー組立体10の中に流入し、流入口側マニホールド102を通り、ここで物質の全量が導管103A、103Bの中に流され、導管103A、103Bを流れ、流出口側マニホールド102’の中へ流れ込み、ここでフランジ101’からセンサー組立体10の外へと流出する。
【0032】
本発明のある実施形態では、ドライブモードとは、たとえば第一の逆位相曲げモードであってもよい。また、導管103A、103Bは、曲げ軸線XおよびX’に対して実質的に同一の質量分布、慣性モーメントおよび弾性モジュールをそれぞれ有するように、選択され、流入口側マニホールド102および流出口側マニホールド102’に適切に取り付けられるようになっていてもよい。図示されているように、導管103A、103Bは、マニホールド102、102’から外側に向けてほぼ並列に延びている。導管103A、103BはおおむねU字形を有したものとして図示されているが、当該導管103A、103Bはたとえば真っ直ぐな形状または異形形状を備える構成であっても本発明の技術範囲内に含まれる。さらに、ドライブモードとして第一の逆位相曲げモード以外のモードを用いることも本発明の技術範囲内に含まれる。
【0033】
ドライブモードが第一の逆位相曲げモードである本実施形態では、導管103Aおよび導管103Bは、振動部で、それぞれの対応する曲げ軸線Xおよび曲げ軸線X’を中心として、互に逆方向に向けてドライバ104によって振動させられるようになっている。ドライバ104は、マグネットが導管103Aに取り付けられかつ反対側のコイルが導管103Bに取り付けられる構成のような複数の周知の構成のうちの1つの構成を有していてもよい。反対側のコイルに交流電流を流して両方の導管103A、103Bを振動させることができる。1つ以上のメータ電子機器20により、適切なドライブ信号をリード線110を通じてドライバ104へ加えることができる。いうまでもなく2つの導管103A、103Bの方に説明が向けられているが、他の実施形態では、1つの導管だけが設けられるようになっていてもよい。
【0034】
本発明のある実施形態では、1つ以上の電子機器20が、ドライブ信号を生成し、このドライブ信号をリード線110を通じてドライバ104に伝送することにより、ドライバ104に導管103Aおよび導管103Bの振動部を振動させるようになっている。複数のドライバに向けて複数のドライブ信号を生成することも本発明の技術範囲内に含まれる。1つ以上の電子機器20は、ピックオフ105、105’からの左側速度信号および右側速度信号を処理してたとえば質量流量の如き物質の特徴を計算するようになっている。経路26は、当該技術分野において一般的に知られている、1つ以上の電子機器20にオペレータと通信させることを可能とする入力手段および出力手段を提供している。1つ以上の電子機器20の回路の説明は、本発明の理解に必要ではないので、本明細書を簡潔にするために省略する。いうまでもなく、
図1の記載は、1つの可能な振動メータの動作の一例として提供しているに過ぎず、本発明の教示を限定することを意図したものではない。
【0035】
図2には、本発明の他の実施形態にかかる振動メータ5が示されている。
図2に示されている実施形態によれば、振動メータ5はケース200を備えている。ケース200は、2つ以上の部分からなって、溶接または他の方法で適切に結合することにより形成されるようになっていてもよい。ケース200は、導管103A、103B、ドライバ104、ピックオフ105、105’の少なくとも1部を覆うように設けることができる。いうまでもなく、当該技術分野において一般的に知られているように、ケース200は、導管103A、103B、ドライバ104、ピックオフ105、105’を保護することができる。ケース200は防爆バリアを提供するようになっていてもよい。本発明のある実施形態によれば、ケース200は、爆発破断ポイントを有するようになっていてもよい。爆発破断ポイントは、指定の方向に向かってケース200を安全に排気させるように前もって決められた圧力で破断するように設計されている。
【0036】
従来のケースがドライブモードとケースの共振周波数との間のオーバーラップに起因して1つ以上の振動モードで振動しやすかったものの、本発明にかかるケース200は、ケース200のさまざまなモードの振動を誘発するのに必要とされる共振周波数が、ドライブモード周波数よりも非常に低くかつドライブモード周波数から実質的に分離されているよう減衰されるようになっている。
【0037】
図3は、本発明のある実施形態にかかるケース200を有する振動メータ5を示す断面図である。
図3に示されているように、マニホールド102、102’と、それぞれに対応するプレート303、304を介してケース200を結合させることができる。マニホールド102、102’がさらに導管103A、103Bと結合されているので、ケース200の振動は、導管103A、103Bへ容易に伝達され、メータの測定結果に影響を与えてしまう場合もある。ケース200は、たとえば溶接、ろう付け、ボンディング、接着剤、メカニカルファスナーなどを含む公知の方法でプレート303、304と結合されるようになっていてもよい。ケース200をプレート303、304と結合するためにどのような方法を用いるかは、本発明の目的にとって重要なことではない。さらに、
図3には、ドライバ104およびピックオフ105、105’からのリード線100であってメータ電子機器20に接続されるリード線を受けるように構成された開口部305、305’が示されている。あるいは、リード線100用の開口部がケース200に直接形成されるようになっていてもよい。図面を単純化するため、
図3にはリード線100が省略されている。
【0038】
簡潔に先に記載されているように、ケース200の如きメータコンポーネントの振動に関する1つの問題は、流体に満たされている導管103A、103Bの共振周波数にケース200の共振周波数が非常に近い場合があるということである。したがって、導管103A、103Bの振動部を振動させるのに用いられるドライブモードが、あるモードの振動をメータコンポーネントのうちの1つ以上に引き起こしてしまう恐れがあり、この振動が、導管103A、103Bの振動部の必要な振動(重要な振動)を干渉してしまう恐れがある。ケース200によって引き起こされる振動の干渉は、ケース200の表面積が比較的大きいため、他のメータコンポーネントによって引き起こされる干渉より通常大きい。オーバーラップが生じてしまう理由は、たとえば導管103A、103Bとケース200とが同様の材料から一般的に製造されているからである。たとえば、導管103A、103Bは、チタンまたはステンレス鋼の如き金属製の材料から通常製造され、ケース200は同様の金属製の材料から通常製造される。ケース200の各振動モードはある周波数範囲により生成される。さらに、当該技術分野において公知になっているように、導管103A、103Bのドライブモード周波数は、たとえば流体の温度または密度の変化により時間の経過とともに変わりうる。したがって、ドライブモードは、ある流体密度においてのみケース200にあるモードの振動を引き起こすことが可能である。
【0039】
本発明のある実施形態によれば、ドライブモード周波数と 導管103A、103Bの振動部を除くメータコンポーネントにあるモードの振動を引き起こしうる周波数との間にオーバーラップが生じる可能性は著しく削減される。本発明は、メータコンポーネントの表面の少なくとも1部に被膜される減衰材料310を有することができる。
図3に記載の実施形態では、減衰材料310はケース200にのみ被膜されているが、いうまでもなく、減衰材料310は同様の技術を用いて他のメータコンポーネントに被膜されてもよい。(
図4、
図5およびそれに対応する記載を参照)減衰材料310がケース200の外面および内面の両方に被膜されているように示されているが、いうまでもなく、減衰材料310がケース200の外面および内面のうちの一方にのみ被膜されてもよい。さらに、減衰材料310がケース200の表面の一部にのみ被膜されるようになっていてもよい。なお、減衰材料310の厚さが明瞭さのための図中において非常に誇張されたものになっているが、通常減衰材料310は、薄層であって、減衰材料310が被膜されるメータコンポーネントから容易に区別できない場合もある。たとえば、ケース200は厚さT1を有し、減衰材料310は厚さT2を有している。図面が同一スケールで記載されていないものの、ほとんどの実施形態では、厚さT1は厚さT2より大きくなっている。しかしながらいうまでもなく、他の実施形態では、ケース200の厚さT1は減衰材料310の厚さT2よりも小さくなっていてもよい。本発明のある実施形態によれば、減衰材料310は、当該減衰材料310がメータコンポーネントの一体部分となるようにメータコンポーネントに被膜されていてもよい。減衰材料310は、限定するわけではないがたとえばスプレー、ブラシング、接着剤、焼結、粉体コーティング、蒸着、メカニカルファスナーまたは弾力性を有する表皮の如き摩擦嵌めを含むさまざまな技術を用いてケース200へ被膜されうる。弾力性を有する減衰材料からなる表皮は、あらかじめモールド成型され、ケース200の少なくとも1部を覆うように被膜されるようになっていてもよい。減衰材料310は、当該減衰材料310の被膜に用いられる方法にかかわらず、メータコンポーネントの形状およびテクスチャと実質的に合致していることが好ましい。
【0040】
他の実施形態では、減衰材料310は、ケース200の外面に被膜されるラミネートまたはコーティングであってもよい。ラミネートされる減衰材料310はプラスチック材料からなる1つ以上の層であってもよく、プラスチック材料からなる1つ以上の層は、接着剤を用いてケース200に固定されてもよいしまたは互いに固定されるようになっていてもよい。従来技術を用いた試みと比べて本発明が有する1つの利点は、既に組み立てられた振動メータ5の既存のケース200に対して減衰材料310を被覆しうるということである。あるいは、減衰材料310は、ケース200をプレート303、304と結合させる前に当該ケース200に被膜されるようになっていてもよい。このことにより、
図3に示されるように、ケース200の内面に減衰材料310を被膜することが可能となる。かさばった重りをケースに溶接するという従来技術の解決策のようにかなりの量のスペースを占めるということなく、減衰材料310を薄層としてメータコンポーネントにも被膜することができる。
【0041】
本発明のある実施形態によれば、減衰材料310は、ケース200を形成するために用いられる材料とは異なる材料である。本発明のある実施形態によれば、減衰材料310は、導管103A、103Bを形成するために用いられる材料とは異なる材料である。好ましくは、減衰材料310は、ケース200よりも大きな振動減衰特性を有する材料である。たとえば、ケース200は金属製であり、減衰材料310はプラスチック、ゴム、炭素繊維、繊維ガラス、グラファイト、ガラス、木材などであってもよい。当該技術分野において公知になっているように、振動を減衰させるということは、機械エネルギー(振動)を熱エネルギーに変換することである。減衰により生じた熱は、機械システムから周囲の環境へと放出される。さまざまな複数の方法でこの減衰というものを特徴づけることができるものの、1つの特定の振動減衰特性はいわゆる減衰損失係数ηである。コンポーネントの減衰損失係数ηは次の式で表される:
η=D/2πW (1)
この式で、ηは減衰損失係数であり、Dは1サイクル中に単位体積当たり消散されるエネルギーであり、 Wは1サイクル中に蓄積される最大歪みエネルギーである。
【0042】
いうまでもなく、1サイクル中の単位体積当たりの消散エネルギーが大きな材料または1サイクル中に蓄積される最大歪みエネルギーが小さな材料には、より大きな減衰損失係数が想定される。さまざまな材料用の減衰損失係数は、参照テーブル、参照チャート、参照グラフなどから入手可能である。あるいは、特定物質の減衰損失係数を実験的に求めることが可能である。したがって、本発明の1つの実施形態によれば、減衰材料310は、当該減衰材料310がたとえば導管103A、103Bおよび/またはケース200を形成するのに用いられる材料よりも小さな減衰損失係数を有するように選択されうる。上述のように、ほとんどの場合、ケース200および導管103A、103Bは金属から形成される。したがって、減衰材料310として1つの適切な材料はプラスチック/ポリマーであってもよい。一般的いえば、ほとんどの金属は約0.001程度の減衰損失係数を有している。それに対して、プラスチック/ポリマーは0.01〜2.0の範囲の減衰損失係数を有している。したがって、ケース200の少なくとも1部に減衰材料310を被膜することによって、振動減衰特性がケース200だけの場合よりも10倍および2000倍となる。有利には、ケース200の表面の少なくとも1部に減衰材料310が被膜される場合、ドライブモード周波数が実質的に影響されないままで、ケース200にあるモードの振動を引き起こすのに必要なさまざまな周波数が非常に小さくなる。このことにより、ケース200にあるモードの振動を引き起こす周波数と、導管103A、103Bにドライブモードの振動を引き起こすドライブ周波数とが分離(周波数分離)されることになる。
【0043】
本発明のある実施形態によれば、ケース200は、メータコンポーネントにあるモードの振動を誘発する周波数とドライブモード周波数との間の周波数分離が1ヘルツを超えるように、減衰材料310がケース200の如き1つ以上のメータコンポーネントに被膜される。さらに好ましくは、この周波数分離は予測される流体密度に基づいて3〜5ヘルツを超えるものである。実施形態によっては、減衰材料310は、ある範囲の流体密度に対して十分な周波数分離を維持するようにケース200に被膜されるようになっていてもよい。たとえば、減衰材料310は、複数の相の流体が流れている際にでさえドライブモード周波数未満を維持するレベルまでケース200の共振周波数を低下させるようにケース200の表面に被膜されるようになっていてもよい。周波数分離の程度は、減衰材料310として用いられる厚みおよび/または特定材料に基づいて調節可能となっている。
【0044】
図4には、本発明の他の実施形態にかかる振動メータ5の部分分解図が示されている。
図4に示されている実施形態では、導管103A、103Bは基礎440と結合されている。
図5は、
図4の振動メータ5の組立て後を示す断面図である。
【0045】
本発明のある実施形態によれば、振動メータ5は1つ以上のブレースバー470を有するようになっていてもよい。1つ以上のブレースバー470は、上述のような曲げ軸を規定する補助をするように提供されている。1つ以上のブレースバー470を適所に設けることにより、導管103A、103Bは、振動部471と非振動部472とにはっきりと分離される。上述のように、導管103A、103Bの振動部471とは、導管103A、103Bにおいて、ドライバ104により必要な振動がさせられる部分のことである。それとは対照的に、非振動部472とは、導管103A、103Bの振動部471の振動に引き起こされてしまう振動のことであって、不必要な振動のことである。すなわち、導管103A、103Bの非振動部472の振動は意図された振動のことではない。基礎440は、先に記載の実施形態において用いられたスペーサ106と交換されてもよい。本発明のある実施形態によれば、基礎440は、マウント用のブロック441A、441Bとさらに結合されている。マウント用のブロック441A、441Bは、基礎440をプロセス配管(図示せず)またはマニホールド(図示せず)に取り付けるための手段を提供するようになっていてもよい。本発明のある実施形態によれば、減衰材料310は、
図5に示されているように、基礎440、マウント用のブロック441A、441B、導管103A、103Bの非振動部472、または、メータコンポーネントの全ての部分に被膜されてもよい。したがって、減衰材料310は、基礎440、導管103A、103Bの非振動部472、および/またはマウント用のブロック441A、441Bの固有共振周波数を低下させることが可能であるので、ドライブモードは、基礎440、導管103A、103Bの非振動部472、またはマウント用のブロック441A、441Bに応答振動を誘発してしまうことはない。
【0046】
本発明のある実施形態によれば、ケース200は基礎440と結合するようになっていてもよい。
図4および
図5の実施形態によれば、減衰材料310はケース200を実質的に完全に覆っている。したがって、先の実施形態において可能であったケース200の溶接をすることができなくなってしまう。したがって、
図4および
図5に記載のケース200は複数のもどり止460を有している。もどり止460は、メカニカルファスナー(図示せず)を収容するために設けられている。メカニカルファスナーは、もどり止460内に嵌合し、基礎440に形成されているアパーチャ461およびマウント用のブロック441A、441Bに形成されているアパーチャ462と係合することができる。本発明のある実施形態によれば、メカニカルファスナーは たとえばケース200を跨って嵌合するUボルトであってもよい。
【0047】
本発明のある実施形態によれば、振動メータ5は、ケース200と基礎440との間に位置するシール部材450をさらに有することができる。シール部材450はたとえばゴム製のO−リングであってもよい。本発明のある実施形態によれば、導管103A、103Bからケース200の不必要な振動をさらに隔離するためにシール部材450を提供することができる。さらに、シール部材450は、ケース200と基礎440との間に実質的に流体密封性のシールを提供することができる。
【0048】
上述の発明は、1つ以上のメータコンポーネントであって、この表面の少なくとも1部に減衰材料310を有する1つ以上のメータコンポーネントを備えている振動メータ5と、このような振動メータ5を製造する方法を提供している。ほとんどの説明がケース200に向けられているが、いうまでもなく、ケース200は、減衰材料310を被膜することにより利益を得ることができるメータコンポーネントの一例として用いられているに過ぎない。したがって、当業者にとって明らかなように、導管103A、103Bの振動部471、ドライバ104、ピックオフ105、105’を除くさまざまな他のメータコンポーネントが減衰材料310の被膜により利益を得ることができる。上述のように、ケースに溶接されるかさばった重りとは異なり、本発明の減衰材料310は、上述のように、メータコンポーネントの厚さよりも小さな厚みを有する薄層として被膜することができる。さらに、減衰材料310は、当該減衰材料310を被膜することによりメータコンポーネントの1つ以上の共振周波数を低下させるように選択されるのが好ましい。有利には、減衰材料310は、導管103A、103Bの振動部のドライブモード周波数から、メータコンポーネントにあるモードの振動を引き起こす1つ以上の周波数を分離することができる。したがって、周波数のオーバーラップによって引き起こされる測定誤差を著しく減らすまたは排除することができる。
【0049】
上述の実施形態の詳細な記載は、本発明の技術範囲内に含まれるものとして本発明者が考えているすべての実施形態を完全に網羅するものではない。さらに正確にいえば、当業者にとって明らかなように、上述の実施形態のうちの一部の構成部材をさまざまに組み合わせてまたは除去してさらなる実施形態を作成してもよいし、また、このようなさらなる実施形態も本発明の技術範囲内および教示範囲内に含まれる。また、当業者にとって明らかなように、本発明の技術および教示の範囲に含まれるさらなる実施形態を作成するために、上述の実施形態を全体的にまたは部分的に組み合わせてもよい。
【0050】
以上のように、本発明の特定の実施形態または実施形態が例示の目的で記載されているが、当業者にとって明らかなように、本発明の技術範囲内において、さまざまな変更が可能である。本明細書に記載の教示を上述のかつそれに対応する図に記載の実施形態のみでなく他の振動システムにも適用することができる。したがって、本発明の技術範囲は添付の請求項によって決まるものである。