特許第5903463号(P5903463)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5903463カーボンナノチューブ複合膜、その製造方法、及びそれを利用した薄膜トランジスタ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5903463
(24)【登録日】2016年3月18日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】カーボンナノチューブ複合膜、その製造方法、及びそれを利用した薄膜トランジスタ
(51)【国際特許分類】
   C01B 31/02 20060101AFI20160331BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20160331BHJP
   H01B 5/14 20060101ALI20160331BHJP
【FI】
   C01B31/02 101F
   H01B13/00 503Z
   H01B5/14 Z
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-127058(P2014-127058)
(22)【出願日】2014年6月20日
(65)【公開番号】特開2015-209373(P2015-209373A)
(43)【公開日】2015年11月24日
【審査請求日】2014年6月20日
(31)【優先権主張番号】201410167805.5
(32)【優先日】2014年4月24日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】598098331
【氏名又は名称】ツィンファ ユニバーシティ
(73)【特許権者】
【識別番号】500080546
【氏名又は名称】鴻海精密工業股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100200528
【弁理士】
【氏名又は名称】水村 香穂里
(72)【発明者】
【氏名】金 元浩
(72)【発明者】
【氏名】李 群慶
(72)【発明者】
【氏名】▲ハン▼ 守善
【審査官】 廣野 知子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−298691(JP,A)
【文献】 特開2012−246209(JP,A)
【文献】 特開2009−184908(JP,A)
【文献】 特開2006−248888(JP,A)
【文献】 特開2013−016778(JP,A)
【文献】 特開2009−283945(JP,A)
【文献】 特開2009−278112(JP,A)
【文献】 特開2009−278113(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 31/00ー31/36
H01B 5/00−5/16
H01B 13/00
JSTPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の半導体片を含む第一懸濁液を提供する第一ステップと、
前記第一懸濁液の複数の前記半導体片を基板の表面に沈積させる第二ステップと、
複数のカーボンナノチューブを含む第二懸濁液を提供する第三ステップと、
前記第二懸濁液の複数の前記カーボンナノチューブを、複数の前記半導体片が沈積した前記基板の表面に沈積させて、カーボンナノチューブ複合膜を形成する第四ステップと、
を含むことを特徴とするカーボンナノチューブ複合膜の製造方法。
【請求項2】
複数のカーボンナノチューブと、複数の半導体片と、を含むカーボンナノチューブ複合膜であって、
複数の前記半導体片は複数の前記カーボンナノチューブに均一に分布していて、複数の前記半導体片及び複数の前記カーボンナノチューブは相互に連接して、導電ネットを形成して、
前記半導体片は複数の半導体分子層からなる層状構造体であり、且つ前記半導体分子層の層数は1〜20層であり、
前記半導体片の面積は0.1μm〜5μmであり、前記半導体片の厚さは2nm〜20nmであることを特徴とするカーボンナノチューブ複合膜。
【請求項3】
半導体層と、ソース電極と、ドレイン電極と、絶縁層と、ゲート電極と、を含む薄膜トランジスタにおいて、
前記半導体層、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記絶縁層の一つの表面に設置され、
前記ソース電極及び前記ドレイン電極は間隔をあけて設置され、且つ前記半導体層とそれぞれ電気的に接続され、
前記ゲート電極は前記絶縁層によって、前記半導体層、前記ソース電極及び前記ドレイン電極とそれぞれ間隔をあけて電気的に絶縁されて設置され、
前記半導体層はカーボンナノチューブ複合膜を含み、
前記カーボンナノチューブ複合膜は、複数のカーボンナノチューブと、複数の半導体片と、を含み、
複数の前記半導体片は複数の前記カーボンナノチューブに均一に分布して、複数の前記半導体片及び複数の前記カーボンナノチューブは相互に連接して、導電ネットを形成して、
前記半導体片は複数の半導体分子層からなる層状構造体であり、且つ前記半導体分子層の層数は1〜20層であり、
前記半導体片の面積は0.1μm〜5μmであり、前記半導体片の厚さは2nm〜20nmであることを特徴とする薄膜トランジスタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カーボンナノチューブ複合膜、その製造方法、及びそれを利用した薄膜トランジスタに関し、特に半導体型を呈するカーボンナノチューブ複合膜、その製造方法、及びそれを利用した薄膜トランジスタに関する。
【背景技術】
【0002】
カーボンナノチューブの研究が発展し続けており、カーボンナノチューブの応用が広く注目されている。例えば、カーボンナノチューブは半導体型を有するものもあるので、薄膜電子部品(例えば、薄膜トランジスタ)に応用できる。
【0003】
CVD(化学気相堆積)法によって形成されるカーボンナノチューブは混合型カーボンナノチューブである。混合型カーボンナノチューブ中において、1/3のカーボンナノチューブは金属型を呈するので、混合型カーボンナノチューブを半導体材料として直接に薄膜電子部品に応用できない。そのため、カーボンナノチューブを半導体材料として薄膜電子部品に応用するために、金属型カーボンナノチューブを化学分離法によって除去する必要がある。しかし、化学分離法の工程は複雑であり、且つ得られる薄膜電子部品の品質は化学分離の純度に大きく関係している。
ことを妨害する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−184908号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、前記課題を解決するために、本発明は半導体型を呈するカーボンナノチューブ複合膜及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のカーボンナノチューブ複合膜の製造方法は、複数の半導体片を含む第一懸濁液を提供する第一ステップと、前記第一懸濁液の複数の前記半導体片を基板の表面に沈積させる第二ステップと、複数のカーボンナノチューブを含む第二懸濁液を提供する第三ステップと、前記第二懸濁液の複数の前記カーボンナノチューブを、複数の前記半導体片が沈積した前記基板の表面に沈積させて、カーボンナノチューブ複合膜を形成する第四ステップと、を含むことを特徴とする。
【0007】
本発明のカーボンナノチューブ複合膜は、複数のカーボンナノチューブと、複数の半導体片と、を含み、複数の前記半導体片は複数の前記カーボンナノチューブに均一に分布して、複数の前記半導体片及び複数の前記カーボンナノチューブは相互に連接して、導電ネットを形成して、前記半導体片は複数の半導体分子層からなる層状構造体であり、且つ前記半導体分子層の層数は1〜20層であり、前記半導体片の面積は0.1μm〜5μmであり、前記半導体片の厚さは2nm〜20nmである。
【0008】
本発明の薄膜トランジスタは、半導体層と、ソース電極と、ドレイン電極と、絶縁層と、ゲート電極と、を含み、前記半導体層、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は前記絶縁層の一つの表面に設置され、前記ソース電極及び前記ドレイン電極は間隔をあけて設置され、且つ前記半導体層とそれぞれ電気的に接続され、前記ゲート電極は前記絶縁層によって、前記半導体層、前記ソース電極及び前記ドレイン電極とそれぞれ間隔をあけて電気的に絶縁されて設置され、前記半導体層はカーボンナノチューブ複合膜を含み、前記カーボンナノチューブ複合膜は、複数のカーボンナノチューブと、複数の半導体片と、を含み、複数の前記半導体片は複数の前記カーボンナノチューブに均一に分布して、複数の前記半導体片及び複数の前記カーボンナノチューブは相互に連接して、導電ネットを形成して、前記半導体片は複数の半導体分子層からなる層状構造体であり、且つ前記半導体分子層の層数は1〜20層であり、前記半導体片の面積は0.1μm〜5μmであり、前記半導体片の厚さは2nm〜20nmである。
【発明の効果】
【0009】
従来の技術と比べて、本発明のカーボンナノチューブ複合膜の製造方法は以下の優れた有利な効果を有する。第一に、半導体片を沈積させた後、カーボンナノチューブを沈積させる方法によって、カーボンナノチューブ複合膜を形成する。これにより、半導体片及びカーボンナノチューブは基板の表面にそれぞれ均一に分布して、導電ネットを形成できる。第一懸濁液及び第二懸濁液を混合した後において、半導体片及びカーボンナノチューブは凝集することを防止し、又は、半導体片及びカーボンナノチューブは同時に基板の表面に沈積させる場合に、半導体片及びカーボンナノチューブの質量が異なり、沈積の速度が異なるので、半導体片及びカーボンナノチューブが基板の表面に不均一に分布して、導電ネットを形成できないことを防止し、又は、カーボンナノチューブを沈積させた後、半導体片を沈積させる方法を採用する場合に、半導体片が導電プロセスに寄与しないことを防止する。第二に、カーボンナノチューブ及び半導体片の質量比率を制御することによって、異なる半導体型を呈するカーボンナノチューブ複合膜を獲得できる。第三に、素子の単極性によって、カーボンナノチューブに、P型或いはN型の半導体片をドーピングすることを選択できる。
【0010】
本発明のカーボンナノチューブ複合膜は以下の優れた有利な効果を有する。カーボンナノチューブ複合膜において、複数のカーボンナノチューブが複数の半導体片によって連接するので、複数のカーボンナノチューブは半導体片を介して導電ネットを形成し、キャリアが流れることができる。半導体片はカーボンナノチューブの金属型を抑え、カーボンナノチューブ複合膜に優れた半導体型を呈させる。
【0011】
本発明の薄膜トランジスタは以下の優れた有利な効果を有する。第一に、複数のカーボンナノチューブが複数の半導体片によって連接するので、複数のカーボンナノチューブは半導体片を介して導電ネットを形成し、半導体片はカーボンナノチューブの金属型を抑え、カーボンナノチューブ複合膜が優れた半導体型を呈させる。第二に、P型半導体片或いはN型の半導体片を採用することによって、P型薄膜トランジスタ或いはN型薄膜トランジスタを形成できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態1に係るカーボンナノチューブ複合膜の構造図である。
図2図1のカーボンナノチューブ複合膜の走査型電子顕微鏡写真である。
図3】本発明の実施形態1に係る半導体片の透過型電子顕微鏡写真である。
図4】本発明の実施形態2に係るカーボンナノチューブ複合膜製造方法の工程図である。
図5】本発明の実施形態3に係る薄膜トランジスタの構造の断面図である。
図6】半導体比率が95%であるカーボンナノチューブが形成されるカーボンナノチューブ複合膜を半導体層としての実施形態3の薄膜トランジスタの電子転移特性を示すテストパターンである。
図7】半導体比率が2/3であるカーボンナノチューブが形成されるカーボンナノチューブ複合膜を半導体層としての実施形態3の薄膜トランジスタの電子転移特性を示すテストパターンである。
図8】本発明の実施形態4に係る薄膜トランジスタの製造方法の工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
【0014】
(実施形態1)
図1を参照すると、本発明の実施形態1はカーボンナノチューブ複合膜10を提供する。カーボンナノチューブ複合膜10は複数のカーボンナノチューブ11及び複数の半導体片12を含む。複数の半導体片12は複数のカーボンナノチューブ11に均一に分布する。カーボンナノチューブ複合膜10は基板13に支持されることができる。
【0015】
図2を参照すると、複数のカーボンナノチューブ11は基板13の表面に乱雑に分布する。複数の半導体片12は、複数のカーボンナノチューブ11と接触する。具体的には、複数の半導体片12は一つのカーボンナノチューブの表面に存在し、或いは隣接する二つのカーボンナノチューブの間隙に存在してもよい。隣接する二つのカーボンナノチューブは半導体片12によって、電気的に接続される。複数のカーボンナノチューブ11及び複数の半導体片12は相互に連接され、導電ネットが形成される。
【0016】
複数のカーボンナノチューブ11は、相互に間隔をあけて設置されてもよく、相互に絡み合って設置されてもよく、或いは相互に重って設置されてもよい。隣接する二つのカーボンナノチューブが相互に間隔をあけて設置される場合、半導体片12は、相互に間隔のあいた隣接する二つのカーボンナノチューブの間に分散され、且つ隣接する二つのカーボンナノチューブと接触する。即ち、相互に間隔のあいたカーボンナノチューブは半導体片12によって、電気的に接続され導電ネットが形成される。カーボンナノチューブ複合膜10の両端に電圧を印加する場合、相互に間隔のあいたカーボンナノチューブは半導体片12によって、電気的に接続されるので、カーボンナノチューブ11及び半導体片12は同時に導電され、導電ネットが形成される。半導体片12がカーボンナノチューブ11と接触し、電気的に接続されることを実現しさせすれば、カーボンナノチューブ11が半導体片12と接触する面積については特に制限がない。
【0017】
半導体片12がカーボンナノチューブ11と接触することは、半導体片12がカーボンナノチューブ11の少なくともの一部と重なり、連続的な導電ネットを形成することを指す。カーボンナノチューブ複合膜10は複数の連続的な導電ネットを含むことができる。該複数の連続的な導電ネットは、複数の半導体片12が複数のカーボンナノチューブ11の一部に重って形成される。図2を示すように、複数の半導体片12が隣接するカーボンナノチューブ11と相互に重なり、曲線形或いは直線形を呈する複数の連続的な導電ネットが形成される。
【0018】
カーボンナノチューブ11の分布密度は、5本/μm〜15本/μmである。これにより、連続的な導電ネットを形成するのに十分な数量のカーボンナノチューブ11を保証できる。複数の半導体片12はカーボンナノチューブ複合膜10の面積の30%〜50%を占める。具体的には、半導体片12の分布密度は5個/μm〜10個/μmである。これにより、半導体片12の数量が少な過ぎて、半導体片12が隣接して間隔の空いたカーボンナノチューブを連接できなくなることを防止し、且つカーボンナノチューブ複合膜10において、カーボンナノチューブが導電の主体となることを保証する。本実施形態において、カーボンナノチューブ11の分布密度は5本/μm〜10本/μmであり、複数の半導体片12はカーボンナノチューブ複合膜10の面積の30%〜50%を占め、半導体片12の分布密度は5個/μm〜7個/μmである。
【0019】
半導体片12の材料は、遷移金属硫化物、遷移金属酸化物及び非金属窒化物の何れか一種である。例えば、MoS、WS、WSe、WTe、BN、MnO、ZnO、MoSe、MoTe、TaSe、NiTe、BiTeなどである。その中で、P型半導体材料は、WS、WSe、WTeの何れか一種であり、N型半導体材料は、MoS、BN、MnO、ZnO、MoTe、の何れか一種である。P型半導体材料がカーボンナノチューブ11に分布する場合、P型のカーボンナノチューブ複合膜10を形成でき、N型半導体材料がカーボンナノチューブ11に分布する場合、N型のカーボンナノチューブ複合膜10を形成できる。
【0020】
半導体片12の形状は制限されず、三角形、四角形に似た形状、多角形に似た形状或いは不規則な形状である。図3を参照すると、半導体片12は厚さが薄く、且つ面積が大きい半導体片である。半導体片12の面積は0.1μm〜5μmであり、好ましくは、0.1μm〜3μmである。半導体片12の厚さは2nm〜20nmであり、好ましくは、2mm〜10mmである。半導体片12は数百層の分子層を有する層状半導体材料を剥離して得る片状構造体である。半導体片12の面積及び厚さの比率が大きいので、薄片状構造体を呈する。好ましくは、半導体片12の面積及び厚さの比率は3×10nm〜4×10nmである。これにより、半導体片12は十分の厚さ及び広さを有し、相互に間隔のあいたカーボンナノチューブ11を連接できる。具体的には、半導体片12は少ない半導体分子層を有する層状構造体である。半導体分子層は一つの半導体分子の単層構造であり、その厚さは一つの分子の厚さである。半導体片12の半導体分子層の層数は1〜100層であり、好ましくは、1〜20層である。半導体片12の半導体分子層が少ないので、半導体片12の厚さがカーボンナノチューブ11の直径と基本的に同じであり、得られるカーボンナノチューブ複合膜10が、厚さの均一なナノスケールの薄膜構造体となる。カーボンナノチューブ複合膜10が薄膜トランジスタ10に応用される際、半導体片12が少ない半導体分子層を有するので、ゲート電極105が容易に制御され、優れた感度を有する。
【0021】
本実施形態において、半導体片12の材料はMoSであり、MoSはSigma会社が生産する純度90%以上の粉末である。半導体片12の形状は四角形に似た形状であり、半導体片12の面積は0.1μm〜3μmであり、半導体片12の半導体分子層の層数は約10層であり、半導体片12の半導体分子層の厚さは約7nmである。
【0022】
カーボンナノチューブ11は、純半導体型カーボンナノチューブ、或いは金属型カーボンナノチューブ、或いはそれらが組み合わさって形成される混合型カーボンナノチューブである。カーボンナノチューブ11が混合型カーボンナノチューブである場合、混合型カーボンナノチューブにおける半導体型カーボンナノチューブの比率はカーボンナノチューブ11が全体として半導体型を呈することを保証すれば良い。その中で、混合型カーボンナノチューブにおける半導体型カーボンナノチューブの比率は66.7%以上であり、例えば、66.7%、90%、95%、98%の何れか一種である。具体的には、CVD(化学気相堆積)法によって、半導体型カーボンナノチューブ及び金属型カーボンナノチューブを含む混合型カーボンナノチューブを直接成長させることができる。直接成長する混合型カーボンナノチューブにおいて、半導体型カーボンナノチューブ及び金属型カーボンナノチューブの比率は2:1であるので、混合型カーボンナノチューブにおいて、半導体型カーボンナノチューブの比率は約66.7%であり、該混合型カーボンナノチューブは全体として半導体型を呈する。或いは、化学分離法によって、全部の金属型カーボンナノチューブを除去し、純半導体型カーボンナノチューブを獲得できる。或いは、化学分離法によって、一部の金属型カーボンナノチューブを除去し、異なる比率の半導体型カーボンナノチューブを獲得できる。好ましくは、混合型カーボンナノチューブにおける半導体型カーボンナノチューブの比率は66.7%以上である。カーボンナノチューブは単層カーボンナノチューブであり、カーボンナノチューブの直径は5nmより小さく、好ましくは、2nmより小さい。
【0023】
カーボンナノチューブ複合膜10における複数のカーボンナノチューブ11は、基板13の表面と平行である。即ち、カーボンナノチューブ11は軸方向に沿って配列され、その軸方向が基板13の表面と平行である。カーボンナノチューブ11の長さは5μmより大きく、好ましくは、10μmより大きい。複数のカーボンナノチューブ11は不規則に分布する。一部のカーボンナノチューブ11は分子間力によって、相互に引き付けられて設置され、相互に絡み合って設置され、或いは相互に重ねって設置され、相互に間隔のあいたカーボンナノチューブ11は半導体片12によって連接されるので、カーボンナノチューブ複合膜10はネット構造を呈する。カーボンナノチューブ複合膜10は優れた強靭さを有し、複数の微孔を有する。微孔の孔径は50nmより小さい。カーボンナノチューブ複合膜10が複数の微孔を有するので、カーボンナノチューブ複合膜10の透光性が優れる。カーボンナノチューブ複合膜10の厚さは2nm〜10nmである。
【0024】
本実施形態において、カーボンナノチューブ11の直径は約3nmであり、カーボンナノチューブ複合膜10の厚さは5nmである。
【0025】
カーボンナノチューブ11が純半導体型カーボンナノチューブである場合、相互に間隔のあいたカーボンナノチューブ11が半導体片12によって連接されるので、複数のカーボンナノチューブ11は半導体片12を介して導電ネットを形成し、キャリアが流れることができる。カーボンナノチューブ11が混合型カーボンナノチューブである場合、半導体片12はカーボンナノチューブ11の金属型を抑え、カーボンナノチューブ複合膜10に優れた半導体型を呈させる。必要に応じて、異なる比率の半導体型カーボンナノチューブを採用して、半導体片12と複合し、異なる半導体型を呈するカーボンナノチューブ複合膜10を形成ことができ、或いは、カーボンナノチューブ11及び半導体片12の質量比率を制御して、異なる半導体型を呈するカーボンナノチューブ複合膜10を得ることができる。これにより、カーボンナノチューブ複合膜10を電子部品に応用することが有利になる。
【0026】
(実施形態2)
図4を参照すると、本発明の実施形態2はカーボンナノチューブ複合膜10の製造方法を提供する。カーボンナノチューブ複合膜10の製造方法は、複数の半導体片12を含む第一懸濁液を提供するステップ(S11)と、第一懸濁液における複数の半導体片12を基板13の表面に沈積させるステップ(S12)と、複数のカーボンナノチューブ11を含む第二懸濁液を提供するステップ(S13)と、第二懸濁液における複数のカーボンナノチューブ11を、複数の半導体片12が沈積した基板13の表面に沈積させて、カーボンナノチューブ複合膜10を形成するステップ(S14)と、含む。
【0027】
複数の半導体片12を含む第一懸濁液を提供する方法は、半導体材料を提供するステップであって、該半導体材料は層状構造体である、ステップ(S111)と、半導体材料を第一溶剤と混合し、且つ超音波によって処理し、複数の半導体片12を含む懸濁液を得るステップであって、各半導体片12は複数の半導体分子層からなる層状構造体であり、半導体分子層の層数は1〜20層である、ステップ(S112)と、含む。
【0028】
ステップ(S111)においては、半導体材料は数百層以上の複数の半導体分子層を含む層状構造体である。半導体材料は遷移金属化合物、遷移金属硫化物、遷移金属窒化物、及びそれらの組み合わせの何れかの一種である。半導体材料は、例えば、MoS、WS、WSe、WTe、BN、MnO、ZnO、MoSe、MoTe、TaSe、NiTe、BiTeなどである。本実施形態において、半導体材料はMoSである。
【0029】
ステップ(S112)においては、半導体材料を第一溶剤と混合して、超音波によって処理し、半導体分子層の層数が少ない半導体片12を得る。具体的には、超音波の作用によって、第一溶剤で微気泡を振動させ続け、音響強度が特定の値に達する際、気泡が迅速に膨張して、迅速につぶれる。この工程において、気泡がつぶれる瞬間に衝突波が発生し、気泡の周りに大きい圧力が発生し、衝突波の相互作用(reciprocal action)によって、半導体材料の分子層が剥離され、分子層の層数が少ない半導体片12が得られる。
【0030】
第一溶剤は、水酸基或いはカルボニル基などの極性基を含む溶剤であり、その極性は強く、誘電定数は大きい。第一溶剤は、例えば、水、エタノール、N−メチルピロリドン(N−methyl pyrrolidone)、アセトン、クロロホルム、テトラヒドロフランの中の何れか一種である。極性基を含む第一溶剤を採用するので、極性基の作用によって、半導体材料の分子層の間における作用力が弱くなり、隣接する分子層が容易に剥離される。半導体材料と第一溶剤との混合比の例は1g/200mL〜1g/40mLであり、例えば、1g/100mL、1g/50mL、1g/30mLである。超音波出力は300ワット〜600ワットであり、超音波によって処理する時間は5〜24時間である。本実施形態において、半導体材料と第一溶剤との混合比例は1g/30mLであり、第一溶剤はN−メチルピロリドンであり、超音波出力は300ワットであり、超音波によって処理する時間は8時間である。
【0031】
更に、複数の半導体片12を含む第一懸濁液を遠心ろ過できる。これにより、分子層の層数が多い半導体材料を除去し、分子層の層数が少ない半導体材料は、分子層の層数が少なく、重さが小さいので、懸濁液の中部或いは上部に存在する。
【0032】
ステップ(S12)においては、基板13はカーボンナノチューブ複合膜10を支持する表面を有する。基板12の材料は制限されず、例えば、ガラス、石英、セラミック、ダイヤモンド及びシリコンなどの硬性材料、又はプラスチック及び樹脂などの柔軟性材料である。本実施形態において、基板12の材料は、シリコンである。カーボンナノチューブ複合膜10が基板13の表面に良く貼り付くようにするために、基板13の表面を前処理し、基板13の表面に極性基を備えさせる。極性基は水酸基、アミノ基或いはカルボニル基の何れか一種である。
【0033】
本実施形態において、基板13の表面を前処理する方法は以下のステップを含む。まず、過酸化水素及び水酸化アンモニウムの混合液によって、基板13を親水化処理し、基板13の表面に水酸基を備えさせる。次いで、親水化処理した基板13を、有機溶剤によって処理する。有機溶剤はアミノプロピルトリエトキシシラン(APTES)溶液である。基板13の表面における水酸基はアミノプロピルトリエトキシシラン溶液と良く結合でき、アミノプロピルトリエトキシシランにおけるアミノ基はカーボンナノチューブ11と良く結合できるので、カーボンナノチューブ11は基板13の表面と迅速に且つ固く貼り付けられる。
【0034】
第一懸濁液における複数の半導体片12を基板13の表面に物理的に沈積する。具体的には、まず、基板13を容器の底部に置き、次いで、第一懸濁液を容器の内部に置き、最後に、特定の時間にわたって静置すると、半導体片12が重力の作用で、基板13の表面に徐々に沈積する。第一懸濁液の沈積する時間は5時間〜24時間である。本実施例において、第一懸濁液の沈積時間は10時間である。
【0035】
更に、半導体片12が沈積した基板13を、容器から取り出し、且つ乾燥し、分子間力によって半導体片12を基板13の表面と良く結合させる。
【0036】
ステップ(S13)においては、複数のカーボンナノチューブ11を含む第二懸濁液の形成方法は、複数のカーボンナノチューブ11が第二懸濁液に均一に分散することを保証できればよく、例えば、撹拌法、超音波分散法、或いはそれらの組み合わせである。具体的には、特定の質量のカーボンナノチューブ11が特定の体積の第二溶剤に入れた後、超音波によって特定の時間にわたって処理し、カーボンナノチューブ11を均一に分散させる。超音波出力は300ワット〜600ワットであり、超音波によって処理する時間は30分間〜3時間である。カーボンナノチューブ11はCVD(化学気相堆積)法によって混合型単層カーボンナノチューブを直接に成長でき、或いは、更に化学分離法によって混合型単層カーボンナノチューブを形成し、或いは化学分離法によって純単層カーボンナノチューブを形成する。前記方法から得られるカーボンナノチューブ11における半導体型カーボンナノチューブの比率は66.7%より大きければよい。これにより、カーボンナノチューブ11は全体として半導体型を呈する。
【0037】
第二溶剤は、カーボンナノチューブ11と反応しなく、懸濁液を形成できることを保証できればよい。好ましくは、第二溶剤は、水、エタノール、N−メチルピロリドン(N−methyl pyrrolidone)、アセトン、クロロホルム及びテトラヒドロフランの中の何れか一種である。第二溶剤が水酸基或いはカルボニル基などの極性基を含むので、その極性は強く、誘電定数は大きい。第二溶剤は第二溶剤と同じでもよいし、同じでなくてもよい。カーボンナノチューブ11が第二溶剤との混合比の例は1g/200mL〜1g/40mLであり、例えば、1g/100mL、1g/50mL。ステップ(S13)における第二懸濁液のおけるカーボンナノチューブ11の質量と、ステップ(S11)における第一懸濁液のおける半導体片12の質量との比の値は1:1000〜1:3000である。これにより、半導体片12の数量が小さい場合、半導体片12が隣接して間隔のあいたカーボンナノチューブを連接できないことを防止して、且つカーボンナノチューブ複合膜10において、カーボンナノチューブが導電の主体となることを保証する。
【0038】
本実施形態において、超音波によって、カーボンナノチューブ11をN−メチルピロリドンに均一に分散する。カーボンナノチューブ11はCVD(化学気相堆積)法によって直接に成長した単層カーボンナノチューブである。カーボンナノチューブ11がN−メチルピロリドンとの混合比率は1g/30mLである。第二懸濁液のおけるカーボンナノチューブ11と第一懸濁液のおける半導体片12の質量比値は1:1000である。
【0039】
ステップ(S14)においては、カーボンナノチューブ11を沈積させるステップは、具体的には、まず、半導体片12が沈積した基板13を容器の底部に置き、次いで、第二懸濁液を容器の内部に置き、最後に、特定の時間にわたって静置すると、カーボンナノチューブ11が重力の作用で、基板13の表面に存在している極性基の作用で、基板12の表面に徐々に沈積し、カーボンナノチューブ複合膜10を形成する。図2を参照すると、半導体片12が均一に第一懸濁液に分布して、カーボンナノチューブ11が均一に第二懸濁液に分布するので、カーボンナノチューブ複合膜10において、半導体片12はカーボンナノチューブ11に均一に分布する。隣接して間隔のあいた二つのカーボンナノチューブ11は半導体片12によって連接される。即ち、カーボンナノチューブ11は半導体片12と相互に連接し、カーボンナノチューブ11及び半導体片12は同時に導電プロセスに寄与する。第二懸濁液の沈積する時間は20分間〜2時間である。本実施形態において、第二懸濁液の沈積時間は3時間である。
【0040】
ステップ(S14)において、カーボンナノチューブ複合膜10を形成した後、更に、カーボンナノチューブ複合膜10を乾燥するステップを有してもよい。具体的には、カーボンナノチューブ複合膜10を基板13と共に容器から取り出した後、カーボンナノチューブ複合膜10の基板13と接触する表面の反対面における溶液、及びカーボンナノチューブ複合膜10と基板13との間における溶液を揮発させる。カーボンナノチューブ複合膜10と基板13との間における溶液が揮発した後、カーボンナノチューブ複合膜10は基板13の表面に緊密に貼り付く。
【0041】
カーボンナノチューブ複合膜10の製造方法は以下の優れる点を有する。第一に、半導体片12を沈積させた後、カーボンナノチューブ11を沈積させる方法によって、カーボンナノチューブ複合膜10を形成する。これにより、半導体片12及びカーボンナノチューブ11は基板13の表面にそれぞれ均一に分布して、導電ネットを形成できる。第一懸濁液及び第二懸濁液を混合した後、半導体片12及びカーボンナノチューブ11が凝集することを防止し、且つ半導体片12及びカーボンナノチューブ11が同時に基板13の表面に沈積させる場合に、半導体片12及びカーボンナノチューブ11の質量が異なり、沈積の速度が異なるので、半導体片12及びカーボンナノチューブ11が基板13の表面に不均一に分布して、導電ネットを形成できないことを防止し、カーボンナノチューブ11を沈積させた後、半導体片12を沈積する方法を採用する場合に、半導体片12が導電プロセスに寄与しないことを防止する。第二に、カーボンナノチューブ11及び半導体片12の質量比率を制御することによって、異なる半導体型を呈するカーボンナノチューブ複合膜10を獲得できる。第三に、素子の単極性によって、カーボンナノチューブ11に、P型或いはN型の半導体片12をドーピングすることを選択できる。
【0042】
(実施形態3)
図5を参照すると、本発明の実施形態3は薄膜トランジスタ100を提供する。本発明の薄膜トランジスタ100は、トップゲート型バイポーラ薄膜トランジスタである。薄膜トランジスタ100は、半導体層101と、ソース電極102と、ドレイン電極103と、絶縁層104と、ゲート電極105と、を含む。半導体層101、ソース電極102及びドレイン電極103は絶縁層104の一つの表面に設置される。ソース電極102及びドレイン電極103は間隔をあけて設置され、且つ半導体層101とそれぞれ電気的に接続される。ゲート電極105は絶縁層104によって、半導体層101、ソース電極102及びドレイン電極103とそれぞれ間隔をあけて電気的に絶縁されて設置される。薄膜トランジスタ10は、絶縁基板110の一つの表面に設置されることができる。
【0043】
ゲート電極105は絶縁基板110の表面に設置される。絶縁層104はゲート電極105の絶縁基板110と接触する表面の反対面に設置される。ソース電極102及びドレイン電極103は絶縁層104のゲート電極105と接触する表面の反対面に設置され、且つ絶縁層104によってゲート電極105と電気的に絶縁されて設置される。半導体層101は絶縁層104の表面に設置され、且つソース電極102及びドレイン電極103が被覆される。ソース電極102及びドレイン電極103の間における半導体層101はチャネル領域1010が形成される。
【0044】
半導体層101はカーボンナノチューブ複合膜10を含む。カーボンナノチューブ複合膜10は半導体層101の表面と平行である。半導体層101において、ソース電極102及びドレイン電極103の近くのカーボンナノチューブ複合膜は、ソース電極102及びドレイン電極103とそれぞれ接触し、ソース電極102とドレイン電極103との間に、導電通路を形成する。
【0045】
異なる半導体片12を採用する場合、異なるカーボンナノチューブ複合膜10が得られ、異なる薄膜トランジスタ100が得られる。具体的には、P型の半導体片12を採用する場合、カーボンナノチューブ複合膜10はP型であり、薄膜トランジスタ100はP型の単極性を呈し、N型の半導体片12を採用する場合、カーボンナノチューブ複合膜10はN型であり、薄膜トランジスタ100はN型の単極性を呈する。例えば、半導体片12がP型のWS、WSe、WTeの何れか一種である場合、空気に露出されるカーボンナノチューブはP型半導体を呈し、得られるカーボンナノチューブ複合膜10はP型半導体を呈する。半導体片12がN型のMoS、BN、MnO、ZnO、MoSeの何れか一種である場合、得られるカーボンナノチューブ複合膜10はN型半導体を呈するために、カーボンナノチューブ複合膜10の表面にHfO層を設置することでき、カーボンナノチューブが空気に露出されることを防止する。
【0046】
異なる半導体比率のカーボンナノチューブを採用する場合、得られるカーボンナノチューブ複合膜10は異なる半導体型を呈する。図6を参照すると、半導体比率が95%であるカーボンナノチューブを採用する場合、得られるカーボンナノチューブ複合膜10の電流オン・オフ比は10より大きく、論理素子に適する。半導体比率が2/3であるカーボンナノチューブを採用する場合、得られるカーボンナノチューブ複合膜10の飽和電流が10Aより大きく、通電容量が強く、パワー素子に適する。
【0047】
更に、カーボンナノチューブ11及び半導体片12の混合比率を制御し、異なる半導体型を呈するカーボンナノチューブ複合膜10を獲得できる。例えば、半導体片12としてMoSを採用し、カーボンナノチューブ11の質量比率が高い場合、得られるカーボンナノチューブ複合膜10の通電容量が強く、パワー素子に適する。MoSの質量比率が高い場合、得られるカーボンナノチューブ複合膜10の電流オン・オフ比は大きく、論理素子に適する。
【0048】
本実施形態において、カーボンナノチューブ11及び半導体片12の質量比率は1:1000であり、半導体片12がMoSからなり、半導体片12の形状は四角形に似た形状であり、半導体片12の面積は0.1μm〜3μmであり、半導体片12の半導体分子層の層数は約10層であり、半導体片12の半導体分子層の厚さは約7nmであり、カーボンナノチューブ11の直径は3nmであり、カーボンナノチューブ複合膜10の厚さは5nmである。
【0049】
絶縁層104の材料は、例えば、酸化アルミニウム、窒化ケイ素、及び酸化ケイ素などの硬性材料、又はベンゾシクロブテン(BCB)、ポリオキシエチレン、ポリエステル及びアクリル樹脂などの柔軟性材料である。絶縁層104の厚さは10nm〜100nmである。本実施形態において、絶縁層110の材料は、酸化アルミニウムであり、絶縁層104の厚さは40nmである。
【0050】
ソース電極102、ドレイン電極103及びゲート電極105は導電材料からなる。好ましくは、ソース電極102、ドレイン電極103及びゲート電極105は導電性フィルムである。導電性フィルムの厚さは0.5nm〜100μmである。導電性フィルムの材料は、金属であり、例えば、アルミニウム、銅、タングステン、モリブデン、金、チタン、ネオジム、パラジウム、またはセシウムである。更に、ソース電極102、ドレイン電極103及びゲート電極105はカーボンナノチューブ層からなることができる。本実施例において、ソース電極102、ドレイン電極103及びゲート電極105は金からなり、その厚さは50nmである。
【0051】
絶縁基板110の材料は、例えば、ガラス、石英、セラミック、ダイヤモンド及びシリコンなどの硬性材料、又はプラスチック及び樹脂などの柔軟性材料である。本実施形態において、絶縁基板110の材料はシリコンからなる。該絶縁基板110は、薄膜トランジスタ100を支持するために用いられる。更に、絶縁基板110は大面積の集積回路の基板を選択できる。且つ複数の薄膜トランジスタ100は、所定のルール又はパターンで絶縁基板110の表面に集積され、薄膜トランジスタパネル又は薄膜トランジスタ半導体素子を形成できる。
【0052】
薄膜トランジスタ100はトップゲート型バイポーラ薄膜トランジスタでもよい。
【0053】
薄膜トランジスタ100を使用する際、ソース電極102を接地して、ドレイン電極103に電圧Vdsを印加し、ゲート電極105に電圧Vgを印加する。ゲート電極105に特定の正電圧或いは負電圧を印加する際、ゲート電極105と対応するチャネル領域1010の部分に電場が生じ、ゲート電極105と隣接するチャネル領域1010の表面にはキャリアが生じる。カーボンナノチューブ11及び半導体片12が導電ネットを形成するので、キャリアは特定の値に蓄積すると、ソース電極102とドレイン電極103との間に、電流が流れることができる。
【0054】
(実施形態4)
図8を参照すると、本実施形態は薄膜トランジスタ100の製造方法を提供する。薄膜トランジスタ100の製造方法は、絶縁基板110を提供し、絶縁基板110の表面にカーボンナノチューブ複合膜10を沈積させるステップであって、該カーボンナノチューブ複合膜10が複数のカーボンナノチューブ11及び複数の半導体片12を含み、複数のカーボンナノチューブ11及び複数の半導体片12は相互に連接して導電ネットを形成する、ステップ(S21)と、カーボンナノチューブ複合膜10の表面に、相互に間隔のあいたソース電極102及びドレイン電極103を設置するステップ(S22)と、カーボンナノチューブ複合膜10、ソース電極102及びドレイン電極103が絶縁基板110と接触する表面の反対面に絶縁層104を設置するステップ(S23)と、絶縁層104のカーボンナノチューブ複合膜10と接触する表面の反対面にゲート電極105を設置するステップ(S24)と、含む。
【0055】
ステップ(S21)において、絶縁基板110の表面にカーボンナノチューブ複合膜10を沈積させる方法は、複数の半導体片12を含む第一懸濁液を提供するステップ(S211)と、第一懸濁液における複数の半導体片12を絶縁基板110の表面に沈積させるステップ(S212)と、複数のカーボンナノチューブ11を含む第二懸濁液を提供するステップ(S213)と、第二懸濁液における複数のカーボンナノチューブ11を、複数の半導体片12が沈積した絶縁基板110の表面に沈積し、カーボンナノチューブ複合膜10を形成するステップ(S214)と、含む。
【0056】
ステップ(S211)からステップ(S214)のステップは、第二実施形態におけるステップ(S11)からステップ(S14)のステップと同じである。
【0057】
本実施例において、超音波によって、半導体片12をN−メチルピロリドンに均一に分散する。半導体片12はMoSからなる。超音波出力は300ワットであり、超音波によって処理する時間は8時間であり、半導体片12を沈積させる時間は10時間である。超音波によって、カーボンナノチューブ11をN−メチルピロリドンに均一に分散する。カーボンナノチューブ11を沈積させる時間は30分間である。カーボンナノチューブ11はCVD(化学気相堆積)法によって直接に成長させた単層カーボンナノチューブであり、カーボンナノチューブ11と半導体片12の質量比の値は1:1000である。
【0058】
絶縁基板110はカーボンナノチューブ複合膜10を支持する表面を有する。本実施形態において、絶縁基板110はシリコンからなる。カーボンナノチューブ複合膜10が絶縁基板110の表面に良く貼り付くようにするために、絶縁基板110の表面を前処理することができる。絶縁基板110の表面を前処理する方法は第二実施形態のステップ(S12)における基板13の表面を前処理する方法と同じである。
【0059】
ステップ(S22)において、スクリーン印刷法、マグネトロン・スパッタ法、気相堆積法或いは原子層エピタキシーによって、ソース電極102及びドレイン電極103を形成する。具体的には、複数の孔を有するマスクによって、相互に間隔のあいたソース電極102及びドレイン電極103を一度に形成する。或いは、連続的な導電膜を形成した後、プラズマ・エッチング、レーザー・エッチング、ウェットエッチングによって、導電膜をパターン化し、相互に間隔をあけるソース電極102及びドレイン電極103を形成する。本実施形態において、気相堆積法によって、カーボンナノチューブ複合膜10の表面にクロムを堆積させて、ソース電極102及びドレイン電極103を形成する。
【0060】
ステップ(S23)において、マグネトロン・スパッタ法、気相堆積法或いは原子層エピタキシーによって、絶縁層104を形成する。本実施形態において、原子層エピタキシーによって、絶縁層104を形成する。絶縁層104の材料は酸化アルミニウムからなり、絶縁層104の厚さは100nmである。
【0061】
ステップ(S24)において、マグネトロン・スパッタ法、気相堆積法或いは原子層エピタキシー(Atomic layer deposition)によって、絶縁層104の半導体層101と接触する表面の反対面に、ゲート電極105を形成する。更に、シルクスクリーン印刷法によって、絶縁層104の半導体層101と接触する表面の反対面に、導電ペーストをコーティングして、ゲート電極105を形成する。本実施例において、気相堆積法によって、絶縁層104の半導体層101と接触する表面の反対面に、金属を堆積してゲート電極105を形成する。
【符号の説明】
【0062】
10 カーボンナノチューブ複合膜
11 カーボンナノチューブ
12 半導体片
13 基板
100 薄膜トランジスタ
101 半導体層
102 ソース電極
103 ドレイン電極
104 絶縁層
105 ゲート電極
110 絶縁基板
1010 チャネル領域
図1
図4
図5
図6
図7
図8
図2
図3