(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
遮光膜とカラーフィルタと保護膜とスペーサとが形成されたカラーフィルタ基板と、薄膜トランジスタが形成され、前記カラ―フィルタ基板から露出した領域に端子部が形成されている薄膜トランジスタ基板と重複しない領域に前記薄膜トランジスタに映像信号、走査信号を供給するための端子部が形成されている薄膜トランジスタ基板と、を有する液晶パネルの前記カラーフィルタ基板が1または複数形成されたマザーカラーフィルタ基板であって、
前記液晶パネルの表示領域外であり、かつ前記薄膜トランジスタ基板の前記端子部に向かい合う端子対向領域には、複数の前記スペーサと前記マザーカラーフィルタ基板との間に、前記遮光膜のベタパターンと前記着色膜のベタパターンとが積層されたベタパターン積層部が形成されていることを特徴とするマザーカラーフィルタ基板。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の液晶表示装置は、
図14に示すように、CF基板300の表示領域外の領域AR10に、遮光膜BMと着色膜CFの積層部301を形成し、遮光膜BMおよび着色膜CFが形成された面上に保護膜OCが形成され、積層部301の上方位置に柱状スペーサSPが設けられ、CF基板300の厚みを表示領域内AR1と表示領域外AR10とで等しくして段差を平坦化するようにしている。
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の液晶表示装置では、表示領域外AR10で、遮光膜BMおよび着色膜CFの積層部分301が柱状スペーサSPの下に局所的に形成されているため、保護膜OCがこの積層部分301間の凹部302を埋めるように形成され、積層部分301の上に形成される保護膜OCが表示領域AR1内の保護膜OCに比して薄くなり、表示領域AR1と表示領域外AR10とで段差Sが生じるため、CF基板とTFT基板との貼り合せの際に表示領域AR1と表示領域外AR10との境界近傍で液晶パネルのゆがみが発生し、結果的に表示ムラの発生を抑えることができなかった。
【0008】
ここで、領域を区分して保護膜OCの厚みを調整することも考えられるが、領域を区分して保護膜OCの厚みを調整することは工程上難しく現実的でない。
【0009】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、液晶パネルの表示領域内と表示領域外との境界近傍で発生する表示ムラの発生を低減することができるマザーカラーフィルタ基板および、該マザーカラーフィルタ基板を用いる液晶パネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるマザーカラーフィルタ基板は、遮光膜とカラーフィルタと保護膜とスペーサとが形成されたカラーフィルタ基板と、薄膜トランジスタが形成され、前記カラ―フィルタ基板から露出した領域に端子部が形成されている薄膜トランジスタ基板と
重複しない領域に
前記薄膜トランジスタに映像信号、走査信号を供給するための端子部が形成されている薄膜トランジスタ基板と、を
有する液晶パネルの前記カラーフィルタ基板が1または複数形成されたマザーカラーフィルタ基板であって、
前記液晶パネルの表示領域外であり、かつ前記薄膜トランジスタ基板の前記端子部に向かい合う
端子対向領域には、複数の前記スペーサと前記マザーカラーフィルタ基板との間に、前記遮光膜のベタパターンと前記着色膜のベタパターンとが積層されたベタパターン積層部が形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明にかかるマザーカラーフィルタ基板は、上記の発明において、前記ベタパターン積層部は、さらに、前記液晶パネルの表示領域外であり、かつ前記マザーカラーフィルタ基板の端部近傍の領域である、端部近傍領域にも形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、本発明にかかるマザーカラーフィルタ基板は、上記の発明において
、前記ベタパターン積層部は、
前記着色膜のベタパターンの積層数が一層であることを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかるマザーカラーフィルタ基板は、上記の発明において、前記ベタパターン積層部は、
前記着色膜のベタパターンの積層数が一層であり、前記端部近傍領域に形成された単層積層部と、
前記着色膜のベタパターンの積層数が複数層であり、前記端子部に向かい合う領域に形成された複数層積層部と、
を有することを特徴とする。
【0014】
また、本発明にかかるマザーカラーフィルタ基板は、上記の発明において
、前記ベタパターン積層部は、
前記着色膜のベタパターンの積層数が多層であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明にかかるマザーカラーフィルタ基板は、前記液晶パネルの表示領域外に形成された前記遮光膜および前記着色膜のベタパターンの積層部分であるベタパターン積層部の上に形成される前記保護膜が凹み等に樹脂をとられないので表示領域内の保護膜と等しい厚さになり、前記液晶パネルの表示領域内と表示領域外とで段差が平坦化されるので、CF基板とTFT基板との貼り合せの際に表示領域と表示領域外との境界近傍で液晶パネルのゆがみが発生することを抑え、結果的に、液晶パネルの表示ムラの発生を低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面を参照して、本発明にかかるマザー基板と、該マザー基板を用いて製造される液晶パネルの製造方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかるマザー基板を用いて製造された液晶パネル10を有する液晶表示装置1の構成を示す模式図である。本発明の実施の形態1の液晶表示装置1は、携帯電話機あるいはデジタルカメラ等に使用される小型の液晶表示装置である。また、この液晶表示装置1は、アクティブマトリクス方式である。液晶表示装置1は、液晶パネル10と、端子部20と、バックライト30と、制御部40とを有する。
【0024】
液晶パネル10は、TFT基板50およびCF基板60を有する。TFT基板50と、CF基板60とは液晶材LCを間に挟持して対向配置されている。TFT基板50は、CF基板60に比して広い面積を有しており、CF基板60から露出した領域には端子部20が設けられている。
【0025】
端子部20は、液晶パネル10に電源、映像信号、走査信号等を供給するものである。また、端子部20は、後述するゲート信号線GL、ドレイン信号線DL等を駆動するための駆動回路が設置されている。
【0026】
CF基板60には、シール部SL1が形成されている。シール部SL1は、熱硬化性の樹脂からなり、CF基板60の端部近傍に額縁状に形成される。このシール部SL1には、液晶材LCの注入口11が形成されている。シール部SL1は、注入口11から注入された液晶材LCをTFT基板50とCF基板60との間に封入するとともに、TFT基板50とCF基板60とを接着するものである。
【0027】
液晶材LCは、シール部SL1の注入口11から注入され、樹脂等からなる封止材ESLによって注入口11が塞がれることによって、TFT基板50とCF基板60との間に封入される。なお、シール部SL1は、注入口11を有しないものであってもよい。シール部SL1が注入口11を有しない場合、TFT基板50とCF基板60とを貼りあわせる前に、CF基板60のシール部SL1によって囲われた領域内に液晶材LCを滴下する方法が行われる。
【0028】
また、液晶パネル10は、複数のゲート信号線GLおよび複数のドレイン信号線DLを有する。ゲート信号線GLは、TFT基板50の表示領域AR1における液晶材LC側の面に図中X方向に延在し、Y方向に並設されている。ドレイン信号線DLは、ゲート信号線GLと絶縁されて図中Y方向に延在し、X方向に並設されている。これら各信号線GL,DLによって囲まれた各領域がそれぞれ画素領域となる。各ゲート信号線GLおよび各ドレイン信号線DLは、その一端がシール部SL1を超えて延在され、端子部20に接続されている。
【0029】
バックライト30は、発光ダイオード等によって実現される。バックライト30は、液晶パネル10の背面側に配置され、液晶パネル10に向けて光を照射する。
【0030】
制御部40は、CPU等によって実現され、液晶表示装置1の各部と電気的に接続され、液晶表示装置1全体の動作を制御する。また、制御部40は、外部システムから入力された映像データを一時的に保持する図示しないメモリ等を有する。
【0031】
次に、
図2を用いて液晶パネル10の断面構成について説明する。
図2は、
図1に示した液晶パネル10の要部断面図である。
まず、TFT基板50の断面について説明する。TFT基板50は、ガラス等からなる透明な基板である基板SUB1の液晶材LC側の面に、ゲート信号線GLが形成されている。基板SUB1の表面には、ゲート信号線GLを含めて基板SUB1の表面を被う絶縁膜GIが形成される。この絶縁膜GIは、窒化シリコン等の無機材料からなり、薄膜トランジスタTFTの形成領域においてゲート絶縁膜として機能するものである。
【0032】
絶縁膜GIの液晶材LC側の面であってゲート信号線GLの一部に重畳する薄膜トランジスタTFTの形成領域には、たとえばアモルファスシリコンからなる半導体層ASが形成されている。薄膜トランジスタTFTは、半導体層ASの表面に、互いに対向配置されたドレイン電極DT、ソース電極STが形成されることによって、ゲート信号線GLの一部をゲート電極とする逆スタガ構造のトランジスタが構成されるようになっている。
【0033】
ドレイン電極DTは、ドレイン信号線DLの一部を半導体層ASの表面に延在させることにより形成される。すなわち、絶縁膜GIの液晶材LC側の面にはドレイン信号線DLが形成されている。また、ソース電極STは、ドレイン信号線DLの形成の際に形成される。ソース電極STは、半導体層ASの形成領域を超えて画素領域に延在するパッド部PDを有する。このパッド部PDは画素電極PXと電気的に接続される部分である。
【0034】
また、ドレイン電極DT(ドレイン信号線DL)等の上面には有機材料からなる絶縁膜PASが形成されている。この絶縁膜PASが形成されることによって、TFT基板50の液晶材LC側の表面が平坦化される。
【0035】
絶縁膜PASの表面には、コモン信号線CLが形成されている。このコモン信号線CLは、対向電極CTを兼備した構成となっている。コモン信号線CL(対向電極CT)は、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性導電膜からなる。コモン信号線CL(対向電極CT)等の上部には、無機材料からなる絶縁膜LIが形成されている。
【0036】
絶縁膜LIの上面の各画素領域には、画素電極PXが形成されている。絶縁膜LIは、画素電極PXと対向電極CTとの間の絶縁膜として機能する。画素電極PXは、例えばITO(Indium Tin Oxide)等の透光性導電膜からなる。画素電極PXは、絶縁膜LIおよび絶縁膜PASを貫通して形成されたスルーホールTHを介してソース電極STのパッド部PDに電気的に接続されている。画素電極PX等の上部には、配向膜ORI1が形成されている。配向膜ORI1は、液晶材LCの初期配向方向を決定するものである。
【0037】
次に、CF基板60について説明する。CF基板60は、ガラス等からなる透明な基板である基板SUB2の液晶材LC側の面に、遮光膜BM、着色膜CF、保護膜OC、配向膜ORI2が順次形成されている基板である。遮光膜BMは、黒色の樹脂からなり、着色膜CFの間に配置される遮光膜である。
【0038】
着色膜CFは、R(赤色)、G(緑色)、B(青色)の三原色をもつ染料あるいは顔料を含んだ樹脂膜である。着色膜CFは、遮光膜BMの開口領域に、R(赤色)の表示を担う赤色の着色膜RCF、G(緑色)の表示を担う緑色の着色膜GCF、B(青色)の表示を担う青色の着色膜BCFが周期配列するように形成されている。
【0039】
保護膜OCは、樹脂からなり、着色膜CFの表面を保護するとともに表面を平坦化するための膜である。配向膜ORI2は、液晶材LCの初期配向方向を決定するものである。
【0040】
次に、
図3〜
図6を用いて液晶パネル10の製造工程の概要について説明する。
図3は、マザーCF基板MCBとマザーTFT基板MTBとの貼り合わせ基板MBの正面図である。
図4は、
図3に示した貼り合わせ基板MBの要部拡大図である。
図5は、
図4に示した貼り合わせ基板MBのA−A’線における断面図である。
図6は、
図3に示した貼り合わせ基板MBを液晶パネルサイズに分割した場合の端子部側の端部周辺を示した図である。
まず、TFT基板50のマザー基板(以下、マザーTFT基板MTBという。)と、CF基板60のマザー基板(以下、マザーCF基板MCBという。)とを製造する。マザーTFT基板MTBは、液晶パネルサイズへの分割前の複数のTFT基板50が整列して形成されている。また、マザーCF基板MCBは、液晶パネルサイズへの分割前の複数のCF基板60が整列して形成されている。
【0041】
マザーTFT基板MTBとマザーCF基板MCBとを製造した後、シール部SL1およびシール部SL2をマザーCF基板MCBに塗布し、シール部SL1およびシール部SL2を介してマザーTFT基板MTBとマザーCF基板MCBとをそれぞれの外表面側から加圧して貼り合わせる。この貼り合せの際に用いる加圧手段としては、例えば、真空加圧がある。なお、シール部SL2は、熱硬化性の樹脂からなり、マザーCF基板MCBの端部近傍に額縁状に形成される。
その後、貼り合わせ基板MBの厚さを薄くするために研磨等の加工を行う。なお、マザーCF基板MCBにシール部SL2が形成されるものを例示したが、シール部SL1が注入口11を有しない場合、シール部SL1でシールされた部分に研磨液等の染み込みの心配がないためシール部SL2を形成しなくてもよい。また、シール部SL1およびシール部SL2は、マザーTFT基板MTBに形成するようにしてもよい。
【0042】
ここで、マザーCF基板MCBについて具体的に説明する。マザーCF基板MCBは、ベタパターン積層部100を有する。ベタパターン積層部100は、
図5に示すように、遮光膜BMのベタパターンである遮光膜ベタパターンBM1と、青色の着色膜BCFのベタパターンである青色着色膜ベタパターンBCF1とを積層した部分である。遮光膜ベタパターンBM1および青色着色膜ベタパターンBCF1は、表示領域外であり端子部20に対向する領域である端子対向領域AR2およびマザーCF基板MCBの端部近傍領域AR3に一面に広がって形成されたパターンである。
【0043】
このようなベタパターン積層部100が形成されることにより、端子対向領域AR2および端部近傍領域AR3における遮光膜ベタパターンBM1と青色着色膜ベタパターンBCF1とを合わせた膜高さは、表示領域AR1における遮光膜BMと着色膜CFとを合わせた膜高さに等しくなる。しかも、ベタパターン積層部100の上に形成される保護膜OCが、凹み等に樹脂をとられないので表示領域AR1内の保護膜OCと等しい厚さになる。すなわち、マザーCF基板MCBは、端子対向領域AR2と端部近傍領域AR3とで厚みが、表示領域AR1の厚みに等しくなり、表示領域AR1と表示領域外との段差が平坦化されている。
【0044】
貼り合わせ基板MBの研磨等の加工を行った後、
図3に示すように、スクライビング等によって、貼り合わせ基板MBを切断線L1,L2に沿って液晶パネルサイズごとに分割する。ここで、切断線L1は、マザーTFT基板MTBおよびマザーCF基板MCBの両基板を切断する切断線であり、切断線L2は、マザーCF基板MCBのみを切断する切断線を示している。切断線L2に沿ってマザーCF基板MCBが切断されることによって、マザーCF基板MCBの端子対向領域AR2は除去され、
図6に示すように、有機膜PASに覆われた端子部20が表出される。
【0045】
貼り合わせ基板MBが液晶パネルサイズに分割された後、液晶パネルサイズとなった各貼り合わせ基板の注入口11から液晶材LCが注入され、液晶パネル10が完成される。
【0046】
次に、
図7および
図8を用いてマザーCF基板MCBの製造方法について説明する。
図7および
図8は、
図3に示したマザーCF基板MCBの製造工程を示した図である。
まず、基板SUB2の液晶パネルサイズへの分割前のマザー基板MSUB2の液晶材LC側の面に遮光膜BMが形成される(
図7(a)参照)。遮光膜BMは、フォトリソグラフィー法により表示領域AR1、さらに端子対向領域AR2および端部近傍領域AR3に形成される。なお、端子対向領域AR2および端部近傍領域AR3に形成される遮光膜BMはベタパターンの遮光膜ベタパターンBM1である。
【0047】
その後、遮光膜BM上に着色膜CFが形成される(
図7(b)参照)。表示領域AR1では、赤色の着色膜RCF、緑色の着色膜GCFおよび青色の着色膜BCFが形成される。この表示領域AR1への青色の着色膜BCFの形成の際、端子対向領域AR2および端部近傍領域AR3では、青色着色膜ベタパターンBCF1が遮光膜ベタパターンBM1上に形成される。
【0048】
その後、遮光膜BMおよび着色膜CFが形成された面に保護膜OCが形成される(
図8(c)参照)。端子対向領域AR2および端部近傍領域AR3では、一面に広がったパターンが積層されたベタパターン積層部100を有するため、凹み等に保護膜OCの樹脂がとられないため、ベタパターン積層部100の上に形成される保護膜OCは、表示領域AR1の保護膜OCと同じ厚さを確保している。その後、保護膜OC上に柱状スペーサSPを形成してマザーCF基板MCBが完成される(
図8(d)参照)。
【0049】
本発明の実施の形態1では、液晶パネル10の表示領域AR1外の端子対向領域AR2および端部近傍領域AR3に形成された遮光膜ベタパターンBM1と青色着色膜ベタパターンBCF1との積層部分であるベタパターン積層部100の上に形成される保護膜OCが、凹み等に樹脂をとられないので表示領域AR1内の保護膜OCと等しい厚さになり、液晶パネル10の表示領域AR1内と、表示領域外である端子対向領域AR2と、表示領域外である端部近傍領域AR3とで段差が平坦化されるので、CF基板60とTFT基板50との貼り合せの際に表示領域AR1と表示領域外との境界近傍で液晶パネル10のゆがみが発生することを抑え、結果的に、液晶パネル10の表示ムラの発生を低減することができる。
【0050】
なお、本発明の実施の形態1では、端子対向領域AR2および端部近傍領域AR3にベタパターン積層部100が形成されるものを例示したが、これに限らない。すなわち、表示領域AR1外にベタパターン積層部100を形成すればよい。例えば、端子対向領域AR2には形成せず、端部近傍領域AR3にのみベタパターン積層部100を形成するようにしてもよい。
【0051】
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。
図9は、本発明の実施の形態2のマザーCF基板MCB2とマザーTFT基板MTB2との貼り合わせ基板MB2の要部拡大図である。
図10は、
図9に示した貼り合わせ基板MB2のB−B’線における断面図である。
図11は、
図10に示した貼り合わせ基板MB2を液晶パネルサイズに分割した場合の端子部側の端部周辺を示した図である。
本発明の実施の形態1では、マザーTFT基板MTBの端子部20上に有機膜PASが形成されているものを例示したが、本発明の実施の形態2では、マザーTFT基板MTBに代わってマザーTFT基板MTB2を有し、このマザーTFT基板MTB2は、端子部20上に有機膜PASを形成していない。また、本発明の実施の形態2では、マザーCF基板MCBに代わってマザーCF基板MCB2を有する。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
【0052】
マザーTFT基板MTB2は、端子部20上に有機膜PASを形成していないので、端子部20に不具合があったとしても、
図11に示すように、端子部20が有機膜PASに覆われていないため、端子部20を容易に修復することができる。
【0053】
マザーCF基板MCB2は、ベタパターン積層部200を有する。このベタパターン積層部200は、
図9および
図10に示すように、単層積層部201および複数層積層部202を有する。
単層積層部201は、端部近傍領域AR3に一面に広がったパターンである遮光膜ベタパターンBM1、およびこの遮光膜ベタパターンBM1の上に青色着色膜ベタパターンBCF1が積層されている部分である。すなわち、端部近傍領域AR3のベタパターン積層部100と同様のものである。
【0054】
複数層積層部202は、端子対向領域AR2に一面に広がったパターンである遮光膜ベタパターンBM1、およびこの遮光膜ベタパターンBM1の上に青色着色膜ベタパターンBCF1が積層され、青色着色膜ベタパターンBCF1の上に緑色の着色膜のベタパターンである緑色着色膜ベタパターンGCF1をさらに重ねた部分である。端子対向領域AR2では、青色着色膜ベタパターンBCF1の上に緑色着色膜ベタパターンGCF1をさらに重ねた分だけ端子部20にむけて凸となるので、有機膜PASが無いことによってマザーTFT基板MTB2側に生じた凹部を緑色着色膜ベタパターンGCF1によって埋めている。
【0055】
ここで、
図12および
図13を用いて本発明の実施の形態2のマザーCF基板MCB2の製造方法について説明する。
図12および
図13は、
図10に示したマザーCF基板MCB2の製造工程を示した図である。
まず、基板SUB2の液晶パネルサイズへの分割前のマザー基板MSUB2の液晶材LC側の面に遮光膜BMを形成する(
図12(a)参照)。遮光膜BMは、フォトリソグラフィー法により表示領域AR1、さらに端子対向領域AR2および端部近傍領域AR3に形成される。なお、端子対向領域AR2および端部近傍領域AR3に形成される遮光膜BMはベタパターンの遮光膜ベタパターンBM1である。
【0056】
その後、遮光膜BM上に着色膜CFが形成される(
図12(b)参照)。表示領域AR1では、赤色の着色膜RCF、緑色の着色膜GCFおよび青色の着色膜BCFが形成される。この表示領域AR1への青色の着色膜BCFの形成の際、端子対向領域AR2および端部近傍領域AR3では、青色着色膜ベタパターンBCF1が遮光膜ベタパターンBM1上に形成される。
【0057】
また、遮光膜BM上に着色膜CFが形成される際、端子対向領域AR2の青色着色膜ベタパターンBCF1上にさらにベタパターンの緑色着色膜ベタパターンGCF1が形成される。(
図12(c)参照)。
【0058】
その後、遮光膜BMおよび着色膜CFが形成された面に保護膜OCが形成される(
図13(d)参照)。端部近傍領域AR3では、一面に広がったパターンが積層された単層積層部201を有するため、凹み等に保護膜OCの樹脂がとられないため、単層積層部201の上に形成される保護膜OCは、表示領域AR1の保護膜OCと同じ厚さを確保している。また、端子対向領域AR2では、緑色着色膜ベタパターンGCF1を青色着色膜ベタパターンBCF1の上にさらに重ねた分だけ端子部20にむけて凸となる。その後、保護膜OC上に柱状スペーサSPを形成してマザーCF基板MCB2が完成される。(
図13(e)参照)。
【0059】
本発明の実施の形態2では、液晶パネル10の表示領域AR1外の端子対向領域AR2に形成された遮光膜ベタパターンBM1と青色着色膜ベタパターンBCF1との積層部分であるベタパターン積層部200の上に形成される保護膜OCが、凹み等に樹脂をとられないので表示領域AR1内の保護膜OCと等しい厚さになり、液晶パネル10の表示領域AR1内と、表示領域外である端部近傍領域AR3とで段差が平坦化されるので、実施の形態1と同様の効果を奏するとともに、TFT基板50の端子部20上に有機膜PASが形成されていない場合においても、CF基板60の複数層積層部202によって、TFT基板50の厚みの減少を補うようにしているので、CF基板60とTFT基板50との貼り合せの際に表示領域AR1と表示領域外との境界近傍で液晶パネル10のゆがみが発生することを抑え、結果的に、液晶パネル10の表示ムラの発生を低減することができる。
【0060】
なお、本発明の実施の形態1および2では、マザーTFT基板MTB,MTB2は、液晶パネルサイズへの分割前の複数のTFT基板50が整列して形成され、マザーCF基板MCB,MCB2は、液晶パネルサイズへの分割前の複数のCF基板60が整列して形成されているものを例示したが、これに限らず、マザーTFT基板MTBは、液晶パネルサイズへの分割前の一つのTFT基板50が形成され、マザーCF基板MCBは、液晶パネルサイズへの分割前の一つのCF基板60が形成されているものであってもよい。すなわち、マザーCF基板MCB,MCB2は、携帯電話機に用いられるような小型のものに限定されず、例えば、大型のテレビ等に用いられるものであってもよい。
【0061】
また、本発明の実施の形態1および2では、端子対向領域AR2および端部近傍領域AR3にベタパターンで形成する着色膜CFが青色の着色膜BCF、あるいは緑色の着色膜GCFであるものを例示したが、これに限定されない。すなわち、液晶表示装置の着色膜CFとして使用する色であればその他の色を用いても構わない。例えば、赤色の着色膜RCFを端子対向領域AR2および端部近傍領域AR3にベタパターンで形成するようにしてもよい。
【0062】
また、本発明の実施の形態1および2では、端子対向領域AR2あるいは端部近傍領域AR3に一色の着色膜CFを用いてベタパターンを形成していたが、これに限らない。すなわち、複数の色を混在させてベタパターンを形成してもよい。例えば、表示領域AR1と同様に赤色の着色膜RCF、緑色の着色膜GCF、青色の着色膜BCFを混在させたベタパターンを形成してもよい。
【0063】
なお、この実施の形態1および2によってこの発明が限定されるものではない。