(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内部に電子回路が形成され、かつそれぞれ前記電子回路と電気的に接続される少なくとも1つの第1の端子が主面に露出した半導体装置の該主面に第1の粗面加工を施す主面側粗化工程と、
前記半導体装置の裏面を研削することにより該半導体装置を薄型化する薄型化工程と、
前記半導体装置の裏面に第2の粗面加工を施す裏面側粗化工程と、
前記半導体装置を樹脂基板に載置する載置工程と、
前記半導体装置を覆う絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層の内部に、それぞれ前記半導体装置の前記少なくとも1つの第1の端子のいずれかと電気的に接続される少なくとも1つのビア導体を形成するビア導体形成工程と、
前記絶縁層の表面に、それぞれ前記少なくとも1つのビア導体のいずれかと電気的に接続される少なくとも1つの配線パターンを形成する配線パターン形成工程と
を備えることを特徴とする電子部品内蔵基板の製造方法。
内部に電子回路が形成され、かつそれぞれ前記電子回路と電気的に接続される少なくとも1つの第1の端子が主面に露出した半導体装置の裏面を研削することにより、該半導体装置を薄型化する薄型化工程と、
前記半導体装置の裏面に第2の粗面加工を施す裏面側粗化工程と、
前記裏面側粗化工程を経た前記半導体装置を樹脂基板の主面に載置する載置工程と、
前記半導体装置を載置した後の前記樹脂基板の前記主面に第1の粗面加工を施す主面側粗化工程と、
前記主面側粗化工程の後、前記半導体装置を覆う絶縁層を形成する工程と、
前記絶縁層の内部に、それぞれ前記少なくとも1つの第1の端子のいずれかと電気的に接続される少なくとも1つのビア導体を形成する工程と、
前記絶縁層の表面に、それぞれ前記少なくとも1つのビア導体のいずれかと電気的に接続される少なくとも1つの配線パターンを形成する工程と
を備えることを特徴とする電子部品内蔵基板の製造方法。
内部に形成された電子回路、それぞれ前記電子回路と電気的に接続され、かつ主面に露出した少なくとも1つの第1の端子、及び該主面のうち前記少なくとも1つの第1の端子が露出していない領域に露出した保護膜を有する半導体装置の該主面に、前記保護膜の膜厚を減少させる膜厚低減加工を施す膜厚低減工程と、
前記半導体装置の裏面を研削することにより該半導体装置を薄型化する薄型化工程と、
前記半導体装置を樹脂基板に載置する載置工程と、
前記半導体装置を覆う絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
前記絶縁層の内部に、それぞれ前記半導体装置の前記少なくとも1つの第1の端子のいずれかと電気的に接続される少なくとも1つのビア導体を形成するビア導体形成工程と、
前記絶縁層の表面に、それぞれ前記少なくとも1つのビア導体のいずれかと電気的に接続される少なくとも1つの配線パターンを形成する配線パターン形成工程と
を備えることを特徴とする電子部品内蔵基板の製造方法。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子部品内蔵基板をできるだけ薄型化するために、内部に埋め込まれる電子部品の表面をグラインダー等で研削する技術がある。この技術の対象となる電子部品は、いわゆる半導体装置である。半導体装置では、半導体基板の主面側に、各種の電子回路と、この電子回路を外部と接続するための端子とが集積されていることから、半導体基板の裏面を多少削っても機能的には支障がない。そこで、半導体基板の裏面にグラインダーをかけて半導体装置を薄くすることで、電子部品内蔵基板を薄型化することが可能になる。特許文献1には、このような薄型化技術の一例が開示されている。
【0006】
しかしながら、実験の結果、半導体基板の裏面を削ると、半導体装置に反りが発生する場合があることが判明した。これは、半導体基板内には各種の曲げ応力が発生するが、薄くしたことによって、半導体基板がこれらの曲げ応力に抗しきれなくなっているためであると考えられる。以下、反りの原因となる曲げ応力について、3種類を挙げて詳しく説明する。
【0007】
1つ目は、半導体装置の主面と裏面とで表面粗さが異なることに起因する曲げ応力である。半導体装置の裏面は通常、樹脂基板との接着性をよくするために、薄型化のための研削の後、ブラスト等によって粗化される。一方、端子のある主面側が粗化されることはない。このため、主面と裏面とで表面粗さが異なることになり、その結果として半導体基板には、より細かな表面となっている主面側に向かってたわもうとする曲げ応力が発生する。
【0008】
2つ目は、構成材料の線膨張係数の差に起因する曲げ応力である。半導体装置は、半導体基板の表面に保護膜が形成された構造を有しており、これらの線膨張係数は一般に半導体基板の線膨張係数と異なっている。この線膨張係数の違いのため、外気温が形成時の比較的高温な状態から常温の状態に変化したとき、半導体基板内に上記同様の曲げ応力が発生する。
【0009】
なお、この2つ目の曲げ応力による反りは、いわゆるウエハーレベルCSP(Chip Size Package)において顕著である。これは、ウエハーレベルCSPでは、半導体基板の表面に再配線層が形成されており、この再配線層の線膨張係数も、半導体基板の線膨張係数と異なっているためである。
【0010】
3つ目は、上記保護膜を形成する際の硬化収縮に起因する曲げ応力である。上記保護膜としては、例えばエポキシ樹脂などの硬化反応によって硬化する樹脂が用いられる。この硬化反応の過程で上記保護膜に硬化収縮が生じ、これにより半導体基板内には上記同様の曲げ応力が発生する。
【0011】
以上のような原因によって反りが発生した半導体装置を電子部品内蔵基板内に埋め込んだ場合、半導体装置の上にある絶縁層の膜厚に不均一が生ずる。その結果、上述したビアホールが半導体装置の一部の端子に到達せず、ビア導体と半導体装置の端子との間に接触不良が発生してしまうおそれが生ずる。
【0012】
したがって、本発明の目的の一つは、裏面を削ることで薄型化しながらも、反りが発生しにくい半導体装置、そのような半導体装置を内蔵する電子部品内蔵基板、及びこれらの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するための本発明による半導体装置は、主面と裏面とを有する半導体装置であって、電子回路と、前記主面に露出し、かつそれぞれ前記電子回路と電気的に接続された少なくとも1つの第1の端子とを備え、前記主面のうち前記少なくとも1つの第1の端子が露出していない非端子領域と前記裏面とがともに粗化されていることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、半導体装置の両面が粗化されているため、半導体装置を構成する半導体基板内に発生する曲げ応力が軽減される。したがって、裏面を削ることで薄型化しながらも、半導体装置の反りの発生を抑制することが可能になる。
【0015】
上記半導体装置において、前記半導体チップは、前記非端子領域に露出した保護膜をさらに備え、前記保護膜の表面が粗化されていることとしてもよい。
【0016】
また、上記半導体装置において、前記電子回路を内蔵する半導体基板と、前記半導体基板の主面に形成され、かつそれぞれ前記電子回路の電極を構成する少なくとも1つの第2の端子と、前記半導体基板の主面に形成され、かつそれぞれ前記少なくとも1つの第2の端子のいずれかと接続する少なくとも1つの配線パターンを含む再配線層とを備え、前記保護膜は、前記再配線層の表面を覆うように形成されることとしてもよい。これによれば、いわゆるウエハーレベルCSPにおいても、反りの発生を抑制することが可能になる。
【0017】
また、本発明による半導体装置の製造方法は、内部に電子回路が形成され、かつそれぞれ前記電子回路と電気的に接続される少なくとも1つの第1の端子が主面に露出したシリコンウエハの該主面に第1の粗面加工を施す主面側粗化工程と、前記シリコンウエハの裏面を研削することにより該シリコンウエハを薄型化する薄型化工程と、前記シリコンウエハの裏面に第2の粗面加工を施す裏面側粗化工程と、前記シリコンウエハを個片化することにより複数の半導体装置を得る個片化工程とを備えることを特徴とする。本発明によれば、両面が粗化されるので、製造された半導体装置の反りを抑制することが可能になる。
【0018】
上記半導体装置の製造方法において、前記シリコンウエハは、前記主面のうち前記少なくとも1つの第1の端子が露出していない領域に露出した保護膜を有し、前記第1の粗面加工により前記保護膜の表面が粗化されることとしてもよい。この場合、前記第1の粗面加工により前記保護膜の膜厚を減少させることとしてもよい。さらに、前記第1の粗面加工はウエットブラスト加工であることとしてもよく、前記複数の第1の端子はそれぞれ金属材料によって構成され、前記保護膜は樹脂材料によって構成されることとしてもよい。
【0019】
また、本発明による電子部品内蔵基板は、樹脂基板と、裏面を前記樹脂基板に向けて該樹脂基板の表面に載置された半導体装置と、前記半導体装置を覆う絶縁層と、前記絶縁層の内部に埋め込まれた少なくとも1つのビア導体と、それぞれ前記少なくとも1つのビア導体のいずれかと電気的に接続するよう前記絶縁層の表面に形成された少なくとも1つの配線パターンとを備え、前記半導体装置は、電子回路と、主面に露出し、かつそれぞれ前記電子回路と電気的に接続された少なくとも1つの第1の端子とを有し、前記主面のうち前記少なくとも1つの第1の端子が露出していない非端子領域と前記裏面とがともに粗化されていることを特徴とする。これによれば、半導体装置の反りが抑制されるので、ビア導体と端子との接続性を良好に保つことが可能になる。
【0020】
また、本発明による電子部品内蔵基板の製造方法は、内部に電子回路が形成され、かつそれぞれ前記電子回路と電気的に接続される少なくとも1つの第1の端子が主面に露出した半導体装置の該主面に第1の粗面加工を施す主面側粗化工程と、前記半導体装置の裏面を研削することにより該半導体装置を薄型化する薄型化工程と、前記半導体装置の裏面に第2の粗面加工を施す裏面側粗化工程と、前記半導体装置を樹脂基板に載置する載置工程と、前記半導体装置を覆う絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記絶縁層の内部に、それぞれ前記半導体装置の前記少なくとも1つの第1の端子のいずれかと電気的に接続される少なくとも1つのビア導体を形成するビア導体形成工程と、前記絶縁層の表面に、それぞれ前記少なくとも1つのビア導体のいずれかと電気的に接続される少なくとも1つの配線パターンを形成する配線パターン形成工程とを備えることを特徴とする。これによれば、半導体装置の反りが抑制されるので、ビア導体と端子との接続性のよい電子部品内蔵基板を製造することが可能になる。
【0021】
また、本発明の他の一側面による電子部品内蔵基板の製造方法は、内部に電子回路が形成され、かつそれぞれ前記電子回路と電気的に接続される少なくとも1つの第1の端子が主面に露出した半導体装置の裏面を研削することにより、該半導体装置を薄型化する薄型化工程と、前記半導体装置の裏面に第2の粗面加工を施す裏面側粗化工程と、前記裏面側粗化工程を経た前記半導体装置を樹脂基板の主面に載置する載置工程と、前記半導体装置を載置した後の前記樹脂基板の前記主面に第1の粗面加工を施す主面側粗化工程と、前記主面側粗化工程の後、前記半導体装置を覆う絶縁層を形成する工程と、前記絶縁層の内部に、それぞれ前記少なくとも1つの第1の端子のいずれかと電気的に接続される少なくとも1つのビア導体を形成する工程と、前記絶縁層の表面に、それぞれ前記少なくとも1つのビア導体のいずれかと電気的に接続される少なくとも1つの配線パターンを形成する工程とを備えることを特徴とする。このようにしても、半導体装置の反りが抑制されるので、ビア導体と端子との接続性のよい電子部品内蔵基板を製造することが可能になる。
【0022】
上記各電子部品内蔵基板の製造方法において、前記半導体装置は、前記主面のうち前記少なくとも1つの第1の端子が露出していない領域に露出した保護膜を有し、前記第1の粗面加工により、少なくとも前記保護膜の表面が粗化されることとしてもよい。この場合、前記第1の粗面加工により前記保護膜の膜厚を減少させることとしてもよい。さらに、前記第1の粗面加工はウエットブラスト加工であることとしてもよく、前記複数の第1の端子はそれぞれ金属材料によって構成され、前記保護膜は樹脂材料によって構成されることとしてもよい。
【0023】
また、上記各電子部品内蔵基板の製造方法において、前記主面側粗化工程、前記薄型化工程、及び前記裏面側粗化工程は、前記半導体装置がウエハ状態であるときに行われ、前記載置工程の前に、ウエハ状態の前記半導体装置を個片化することにより複数の前記半導体装置を得る個片化工程をさらに備えることとしてもよい。
【0024】
また、本発明のさらに他の一側面による電子部品内蔵基板の製造方法は、内部に形成された電子回路、それぞれ前記電子回路と電気的に接続され、かつ主面に露出した少なくとも1つの第1の端子、及び該主面のうち前記少なくとも1つの第1の端子が露出していない領域に露出した保護膜を有する半導体装置の該主面に、前記保護膜の膜厚を減少させる膜厚低減加工を施す膜厚低減工程と、前記半導体装置の裏面を研削することにより該半導体装置を薄型化する薄型化工程と、前記半導体装置を樹脂基板に載置する載置工程と、前記半導体装置を覆う絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、前記絶縁層の内部に、それぞれ前記半導体装置の前記少なくとも1つの第1の端子のいずれかと電気的に接続される少なくとも1つのビア導体を形成するビア導体形成工程と、前記絶縁層の表面に、それぞれ前記少なくとも1つのビア導体のいずれかと電気的に接続される少なくとも1つの配線パターンを形成する配線パターン形成工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、裏面を削ることで薄型化しながらも、反りが発生しにくい半導体装置を得ることが可能になる。また、製造された半導体装置の反りを抑制することが可能になる。また、ビア導体と端子との接続性が良好に保たれた電子部品内蔵基板を得ることが可能になる。また、ビア導体と端子との接続性のよい電子部品内蔵基板を製造することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本実施の形態による半導体装置1の断面図である。なお、同図及び後掲の各図は模式図であり、寸法の比率並びに各構成要素の個数及び配置などは、必ずしも実際のものとは一致しない。
【0029】
図1に示すように、半導体装置1は、主面1aと裏面1bとを有している。半導体装置1の内部には電子回路8が形成されており、主面1aには、この電子回路8と電気的に接続された少なくとも1つの端子15(第1の端子)が露出している。また、主面1aのうち端子15が露出していない領域(非端子領域)には、保護膜6が露出している。なお、
図1には端子15を2つだけ描いているが、これは図面を簡単にするためであり、実際の半導体装置1はより多くの端子15を有している。この点は、後述する各構成についても同様である。
【0030】
半導体装置1はいわゆるウエハーレベルCSPであり、電子回路8を内蔵する半導体基板2の主面2aに、少なくとも1つの端子10(第2の端子)と、パッシベーション膜11と、再配線層4とが形成された構造を有している。これらの構成のうち半導体基板2、端子10、及びパッシベーション膜11は、半導体チップ3を構成する。
【0031】
電子回路8は、
図1に示すように、半導体基板2の内部に形成される。電子回路8の具体的な例としては、CPU(Central Processing Unit),DSP(Digital Signal Processor)のような動作周波数が非常に高いデジタルIC、フラッシュメモリ,SDRAMといったメモリ系IC、高周波増幅器,アンテナスイッチ,高周波発振回路といったアナログIC、バリスタ,抵抗,コンデンサなどの受動素子などが挙げられる。
【0032】
半導体基板2の厚みは、例えば200μm以下、好ましくは50μm以上100μm以下に設定される。詳しくは後述するが、この200μm以下又は50μm以上100μm以下という厚みは、半導体装置1の裏面1b(半導体基板2の裏面)を研削した結果であり、研削前の半導体基板2は概ね700μm程度の厚みを有している。半導体基板2内の電子回路8はすべて半導体基板2の主面2aに近い位置に形成されているため、裏面1bを最大で650μm程度研削しても、機能的に支障が出ることはない。
【0033】
なお、
図1では半導体装置1の裏面1bを波線で描いているが、これは裏面1bが粗化されていることを示している。この描画方法は、他の表面についても同様である。裏面1bの具体的な表面粗さは、0.1μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。裏面1bをこのように粗化しているのは、後述する樹脂基板30(
図2)に半導体装置1を載置する際に、樹脂基板30と裏面1bとの接着性をよくするためである。詳しくは後述する。
【0034】
端子10は、半導体基板2の内部に形成された電子回路8の電極(チップ取り出し電極)である。端子10は、例えばAlを用いて構成することが好適である。
【0035】
パッシベーション膜11は、半導体基板2の主面2aを保護するための絶縁膜であり、主面2aのうち端子10が形成されていない領域のほぼ全面に形成される。パッシベーション膜11は、端子10の厚みに依存するが、例えば厚さ3μm程度のポリイミド、ポリベンゾオキサゾール(PBO)、シリコーン系の樹脂材料によって構成することが好適である。
【0036】
再配線層4は、少なくとも1つの配線パターン12と、少なくとも1つのビア導体13とを含み、これらが絶縁膜14で覆われた構成を有している。再配線層4の厚み(半導体基板2の主面2aから再配線層4の表面4aまでの距離)は、概ね4〜25μmである。絶縁膜14は、例えばポリベンゾオキサゾール(PBO)等、液状の有機絶縁材料を固化した材料を用いて構成することが好適である。
【0037】
配線パターン12は、端子10及びパッシベーション膜11の上側に設けられる導電膜であり、対応する端子10と接触するように形成される。配線パターン12は、例えば0.3μm程度の厚みを有するバリア金属膜の上にCu膜を積層した積層膜によって構成することが好ましい。バリア金属膜は、配線パターン12を形成する際の端子10の腐食を防ぐとともに、端子10と配線パターン12との密着性を高めるために設けられるもので、Ti、Cr、Ta、Pd、Niなどの単層膜、CuもしくはAlを含む合金膜、又はそれらを含む積層膜などで構成される。
【0038】
ビア導体13は、絶縁膜14に設けられたスルーホール内に埋め込まれた導電膜であり、下端で対応する配線パターン12と接触し、上端で対応する端子15と接触する。ビア導体13も、配線パターン12と同様に、0.3μm程度の厚みを有するバリア金属膜の上にCu膜を積層した積層膜によって構成することが好ましい。この場合のバリア金属膜は配線パターン12とビア導体13との密着性を高めるために設けられ、上記同様、Ti、Cr、Ta、Pd、Niなどの単層膜、CuもしくはAlを含む合金膜、又はそれらを含む積層膜などで構成される。
【0039】
次に、半導体装置1の主面1aに露出する端子15は、端子10を外部に引き出すための外部端子である。具体的には、各端子15は、上述したビア導体13及び配線パターン12を介して、対応する端子10と電気的に接続される。端子15の材料としては、Cu又はAl若しくはそれらを主成分とする合金が好適に用いられる。
【0040】
保護膜6は、再配線層4の表面4aを保護するために設けられる絶縁膜であり、表面4aを覆うように形成されている。保護膜6の材料としては、例えばポリベンゾオキサゾール(PBO)を用いることが好適である。
【0041】
保護膜6の表面(主面1aのうちの上述した非端子領域)は、半導体装置1の裏面1bと同様、粗化されている。保護膜6の表面の具体的な表面粗さは、0.1μm以上4.0μm以下とすることが好ましい。こうすることで、半導体基板2内に発生する曲げ応力が緩和され、半導体装置1の反りの発生が抑制される。また、保護膜6の膜厚は、その表面を粗化する過程で、粗化前に比べて減少している。具体的には、粗化前に比べて5μm程度減少させ、2μm程度の膜厚とすることが好ましい。この膜厚の減少によっても半導体基板2内に発生する曲げ応力が緩和され、半導体装置1の反りの発生がさらに抑制される。詳しくは後述する。
【0042】
なお、本実施の形態では保護膜6の表面が粗化されるとしているが、表面を粗化する過程で保護膜6を完全に除去してしまってもよい。これは、半導体装置1を電子部品内蔵基板内に内蔵した後には、後述する絶縁層24が保護膜6の代わりを果たすためである。この場合、再配線層4の表面4aが、半導体装置1の反りの発生を抑制するために粗化されることになる。
【0043】
次に、
図2は、半導体装置1を内蔵する電子部品内蔵基板31の断面図である。同図に示すように、電子部品内蔵基板31は、半導体装置1の他に、絶縁層20,21を含む樹脂基板30と、絶縁層24と、絶縁層20の内部に埋め込まれたビア導体22と、配線パターン23,27と、絶縁層24の内部に埋め込まれた複数のビア導体25と、絶縁層24,21の内部に埋め込まれたビア導体26とを有している。
【0044】
絶縁層20及び配線パターン23は、両面CCL(Copper Clad Laminate)を加工したものである。つまり、両面CCLは、ガラスエポキシなどの樹脂材料から形成された絶縁層20の両面に、Cu箔である金属膜が貼り合わされた構造を有している。配線パターン23は、この金属膜をパターニングすることによって形成される。また、絶縁層20には、両面の配線パターン23を接続するビア導体22が設けられる。
【0045】
ビア導体22及び配線パターン23の材料としては、Cu、Au、Ag、Ni、Pd、Sn、Cr、Al、W、Fe、Ti、SUS材等の金属導電材料が好適に用いられる。特に、導電率やコストの観点からCuを用いることが好ましい。この点は、ビア導体25,26及び配線パターン27についても同様である。
【0046】
また、絶縁層20を構成する樹脂材料としては、シート状又はフィルム状に成形可能なものであれば、どのようなものでも利用可能である。具体的な例を列挙すると、上述したガラスエポキシの他、ビニルベンジル樹脂、ポリビニルベンジルエーテル化合物樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BTレジン)、ポリフェニレエーテル(ポリフェニレンエーテルオキサイド)樹脂(PPE,PPO)、シアネートエステル樹脂、エポキシ+活性エステル硬化樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂(ポリフェニレンオキサオド樹脂)、硬化性ポリオレフィン樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリイミド樹脂、芳香族ポリエステル樹脂、芳香族液晶ポリエステル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、又はベンゾオキサジン樹脂の単体、若しくは、これらの樹脂に、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸アルミウイスカ、チタン酸カリウム繊維、アルミナ、ガラスフレーク、ガラス繊維、窒化タンタル、窒化アルミニウムなどを添加した材料、さらに、これらの樹脂に、マグネシウム、ケイ素、チタン、亜鉛、カルシウム、ストロンチウム、ジルコニウム、錫、ネオジウム、サマリウム、アルミニウム、ビスマス、鉛、ランタン、リチウム、及びタンタルのうち少なくとも1種の金属を含む金属酸化物粉末を添加した材料、またさらには、これらの樹脂に、ガラス繊維、アラミド繊維等の樹脂繊維等を配合した材料、或いは、これらの樹脂をガラスクロス、アラミド繊維、不織布等に含浸させた材料などを、絶縁層20として利用可能である。実際に絶縁層20を構成する際には、以上の各種材料の中から、電気特性、機械特性、吸水性、リフロー耐性などの特性を考慮して、最適なものを選択することが好適である。
【0047】
絶縁層21は樹脂材料からなり、絶縁層20の上面20aの全面に形成される。絶縁層21を構成する具体的な樹脂材料としては、絶縁層20と同様、シート状又はフィルム状に成形可能なものであれば、どのようなものでも利用可能である。絶縁層21を形成することにより得られる樹脂基板30は、いわゆるRCC(Resin Coated Copper)構造となる。
【0048】
樹脂基板30の上面30aには、半導体装置1の裏面1bを上面30a側に向けて、半導体装置1が載置される。これにより、上面30aと裏面1bとが接触することになるが、上述したように、裏面1bが粗化され、かつ本実施の形態では半導体装置1の反りが抑制されていることから、上面30aと裏面1bとの接着性は十分に確保される。
【0049】
絶縁層24は樹脂材料からなり、樹脂基板30の上面30aの全面に形成される。絶縁層24を構成する具体的な樹脂材料としては、熱硬化性樹脂材料を用いることが好適である。この点については、後ほど詳しく説明する。絶縁層24の膜厚は、半導体装置1を十分に覆う程度に厚く設定される。配線パターン27は、絶縁層24の上面24aに形成される。配線パターン27は、ビア導体25によって端子15に接続されるとともに、ビア導体26によって、絶縁層20の上面20aに形成された配線パターン23に接続される。
【0050】
以上が電子部品内蔵基板31の構造であるが、
図2にも示されるように、本実施の形態では、半導体装置1に反りは発生していない。これは、上述したように、半導体装置1を構成する半導体装置1の主面1aに露出した保護膜6の表面を粗化するとともに、粗化の過程で保護膜6の膜厚を減少させていることによる効果である。
【0051】
図3は、本発明の比較例を示している。同図に示す例は、保護膜6の表面に本実施の形態による粗面加工(後述する主面側粗化工程での粗面加工)が施されていない点で異なる他は、
図2に示した例と同一である。ただし、
図3には、
図2に示した各構成のうちの一部のみを抜き出して描いている。また、
図3では、一直線に並んだ5個の端子15(端子15a〜15e)を描いている。本実施の形態による粗面加工が施されていないことで、
図3の例では、保護膜6の表面は平坦であり、また、保護膜6の膜厚は
図2の例に比べて厚くなっている。
【0052】
保護膜6の表面に本実施の形態による粗面加工を施さない場合、
図3に示すように、半導体装置1には反りが発生する。これは、半導体装置1の内部に、上述した3種類の曲げ応力が発生するためである。なお、半導体基板2が十分に厚ければ、これらの曲げ応力が発生しても半導体装置1に反りが発生することはないが、本実施の形態による半導体装置1では、上述したように半導体装置1の裏面1bを研削して半導体基板2を薄くしているので、半導体基板2がこれらの曲げ応力に抗しきれず、半導体装置1に反りが発生してしまう。
【0053】
半導体装置1に反りが発生すると、端子15ごとに、絶縁層24の上面24aとの間の距離(端子15の上にある絶縁層24の膜厚)が異なることになる。
図3の例では、中央付近にある端子15cが上面24aから最も遠く、縁部付近にある端子15a,15eが上面24aに最も近くなっている。このような距離の違いのため、
図3に示すように、端子15によっては、ビア導体25との接続不良が発生してしまう。
【0054】
このような比較例に対し、本実施の形態による半導体装置1及び電子部品内蔵基板31では、
図2に示したように、保護膜6の表面を粗化するとともに、粗化の過程で保護膜6の膜厚を減少させている。したがって、
図3に示したような半導体装置1の反りは発生せず、ビア導体25と端子15の接続不良の発生も抑制される。
【0055】
表1は、半導体装置1の反り量と、保護膜6の膜厚との関係を実際に測定した結果を示している。また、
図4(a)(b)は、表1をグラフ化したものである。この測定では、No.1〜No.8までの8サンプルについて、それぞれ表1に示した加工回数にわたって表面1aにウエットブラスト加工を施し、加工前と加工後の反り量を測定した結果を示した。なお、表1には示していないが、表面1aの表面粗さは、1回目のウエットブラスト加工を行う前の段階では測定限界を下回っており(数十nm以下)、1回目のウエットブラスト加工の後、約1.0μmに変化した。この値は、その後ウエットブラスト加工の回数を重ねても概ね維持された。
【0057】
図4(a)から理解されるように、半導体装置1の反り量は、1回目のウエットブラスト加工の後に急激に小さくなり、2回目のウエットブラスト加工以降は、加工回数に概ね比例して減少する。1回目のウエットブラスト加工後の急激な反り量の減少は、
図4(a)にも示したように、粗化の効果を示している。つまり、1回目のウエットブラスト加工後、保護膜6の表面が粗化されたことによって反り量が急激に小さくなるが、その後に加工回数を重ねても表面粗さは変わらないため、粗化の効果が現れるのは1回目のウエットブラスト加工後のみである。一方、反り量がウエットブラスト加工の回数に概ね比例して減少するのは、保護膜6の膜厚減少の効果を示している。保護膜6の膜厚と反り量とは、
図4(b)から明らかなように、比例する。
【0058】
このように、保護膜6の表面の粗化及び保護膜6の膜厚低減とは、それぞれ半導体装置1の反り量を抑制する効果を有している。したがって、各膜の材料や半導体基板2の大きさ(厚さ、面積)などによっては、例えば保護膜6の表面の粗化だけを行い、膜厚については殊更に低減しなくとも十分に反りの発生が抑制できる場合も考えられる。逆に、保護膜6の表面の粗化を行わず、保護膜6の膜厚の低減のみを行ってもよい。
【0059】
以上説明したように、本実施の形態による半導体装置1及び電子部品内蔵基板31では、半導体装置1の裏面1bだけでなく保護膜6の表面も粗化していることから、裏面1bを削ることで薄型化しながらも、反りが発生しにくい半導体装置1を得ることが可能になる。また、粗化の過程で保護膜6の膜厚を減少させていることから、半導体基板の反りの発生をさらに抑制できる。また、ビア導体25と端子15との接続性が良好に保たれた電子部品内蔵基板31を得ることが可能になる。
【0060】
次に、以上説明した半導体装置1及び電子部品内蔵基板31の製造方法について説明する。
【0061】
図5〜
図7は、本実施の形態による半導体装置1の製造方法の各工程を示す図である。また、
図8〜
図17は、本実施の形態による電子部品内蔵基板31の製造方法の各工程を示す図である。なお、以下で説明する各工程は、電子部品内蔵基板31の製造工場における工程である。半導体装置1については、ウエハ状態(個片化前の状態)で納入されるものとして説明する。
【0062】
図5は、ウエハ状態で納入された半導体装置の断面図である。同図に示す一点鎖線Aはダイシングの目安となるスクライブラインであり、後の工程でこのスクライブラインに沿ってダイシングを実施することにより、ウェハ状態の半導体装置が個々の半導体装置1に分離される。
【0063】
ウェハ状態の半導体装置は、
図5に示すように、一枚のシリコンウエハ50に複数の半導体装置1が形成された構造を有している。シリコンウエハ50は上述した半導体基板2となる構成であり、内部に、半導体装置1ごとの電子回路8(
図1)を含んでいる。納入段階では、シリコンウエハ50の裏面1bは粗化されておらず、その表面粗さは0.1μm以下の限りなくゼロに近いもの(数十nm以下)である。また、シリコンウエハ50の膜厚は約700μmに設定されている。
【0064】
シリコンウエハ50の表面には、端子10、パッシベーション膜11、及び再配線層51が形成される。端子10及びパッシベーション膜11の詳細は上述した通りである。再配線層51は上述した再配線層4となる構成である。再配線層51の表面51aには、上述した端子15及び保護膜6が形成される。納入段階では、保護膜6の表面6aは粗化されていない。また、保護膜6の膜厚は、主面1aを十分に保護するための観点から、例えば7μm以上8μm以下に設定されている。
【0065】
本実施の形態による製造方法では、
図5の状態で納入された半導体装置に対し、
図6に示すように、まず主面1a側から粗面加工(第1の粗面加工)を行う(主面側粗化工程)。この粗面加工の手段として具体的には、ブラスト加工(ウエット,ドライ)、エッチング、プラズマ処理、レーザー処理、グラインダーによる研磨、バフによる研磨、薬品処理などが考えられるが、端子15が金属材料によって構成され、保護膜6が樹脂材料によって構成されることを考慮すると、ウエットブラスト加工を用いることが最適である。ウエットブラスト加工は、樹脂材料の加工レートが金属材料の加工レートに対して大きいという特徴を有していることから、ウエットブラスト加工を用いることで、端子15に対するダメージを最小限に抑えつつ、保護膜6の膜厚を減少させることが可能になる。また、ウエットブラスト加工は、帯電の防止及びコストという観点からも、他の種類の粗面加工に比して有利である。この粗面加工により、上述したように、保護膜6の表面粗さを0.1μm以上4μm以下とし、また、保護膜6の膜厚を減少させることが好ましい。なお、保護膜6の膜厚は、端子15間の絶縁及び表面の保護ができる限り、できるだけ薄くすることが好ましい。具体的には、約2μm程度まで薄くすることが好ましい。表面の保護は、上述したように絶縁層24によって代替できることから、端子15間の距離が大きいなど端子15間の絶縁が十分に取れる場合には、保護膜6を完全に除去してしまってもよい。
【0066】
なお、上述したように、保護膜6の表面の粗化を行わず、保護膜6の膜厚の低減のみを行ってもよい。この場合には、粗化効果を伴わずに保護膜6の膜厚を減少させる膜厚低減加工(例えば、溶剤等を用いて化学的に処理を行う方法)を、第1の粗面加工に代えて主面1aに施すことになる(膜厚低減工程)。
【0067】
次に、
図7に示すように、ウエハ状態の半導体チップを裏面1b側から研削し、シリコンウエハ50を薄型化する(薄型化工程)。これにより、シリコンウエハ50の厚みを、200μm以下、好ましくは50μm以上100μm以下とすることが好ましい。さらに、シリコンウエハ50の裏面1bに対して粗面加工(第2の粗面加工)を行う(裏面側粗化工程)。これにより、上述したように、裏面1bの表面粗さを0.1μm以上2.0μm以下とすることが好ましい。
【0068】
なお、裏面側粗化工程は、上記のように薄型化工程の終了後に薄型化工程とは別に実施してもよいが、薄型化工程で用いる研削処理が粗面加工の効果を含んでいる場合には、薄型化工程と同時に裏面側粗化工程を行うこととしてもよい。
【0069】
ここまでの処理が終了したら、一点鎖線Aにより示されるスクライブラインに沿って、半導体装置のダイシングを行う(個片化工程)。これにより、シリコンウエハ50が個片化され、複数の半導体装置1が得られる。
【0070】
なお、以上の説明では、主面側粗化工程、薄型化工程及び裏面側粗化工程、個片化工程の順に実施することとしたが、これは、ウエハ状態で多数の半導体装置1を一括処理することがコスト的に見て好ましいこと、及び、クラックの発生を防止する観点から選択された順序である。これらの観点を考慮する必要がない場合には、異なる順序でこれらの工程を実施することとしてもよい。例えば、初めに個片化工程を実施し、個々の半導体装置1に対して、主面側粗化工程並びに薄型化工程及び裏面側粗化工程を実施してもよい。また、薄型化工程及び裏面側粗化工程を実施した後、主面側粗化工程を実施することとしてもよい。また、薄型化工程を実施する前にウエハ状態の半導体装置を主面1aの側から半分だけカットし、薄型化工程により自然に個々の半導体装置1に分かれるようにしてもよい。
【0071】
次に、電子部品内蔵基板31の製造工程では、
図8に示すように、まず上述した両面CCLを用意する。この両面CCLは、上述したように、樹脂材料から形成された絶縁層20の両面に、Cu箔である金属膜が貼り合わされた構造を有している。この金属膜をパターニングすることによって配線パターン23を形成するとともに、絶縁層20を貫通するビア導体22を形成することによって両面の配線パターン23を相互に接続する。
【0072】
次に、
図9に示すように、絶縁層20の上面20aの全面に、樹脂材料からなる絶縁層21を形成する。これにより、RCC構造を有する樹脂基板30が完成する。
【0073】
次いで、
図10に示すように、絶縁層21の上面(樹脂基板30の上面30a)に、上述した個片化工程で得た半導体装置1を載置する(載置工程)。そして、
図11に示すように、上面30aの全面に半導体装置1を完全に覆う膜厚の絶縁層24を形成し(絶縁層形成工程)、さらにその上面24aの全面に導体層60を形成する。具体的には、未硬化の熱硬化性樹脂を塗布した後、それを加熱して半硬化させ、さらに導体膜を成膜した後、プレス手段を用いてこれらをまとめて硬化成形することにより、絶縁層24及び導体層60を形成することが好ましい。このような形成方法を採ることで、導体層60、絶縁層24、及び半導体装置1の間の密着性を向上させることができる。なお、塗布する熱硬化性樹脂としては、初めから半硬化状態のものを用いてもよい。
【0074】
次に、
図12に示すように、導体層60に開口部60aを設ける。開口部60aの形成はエッチングにより行うことが好ましい。開口部60aを形成する位置は、
図2に示したビア導体25に相当する位置とする。なお、開口部60aを設ける工程から、後述する無電解メッキ及び電解メッキを行うことによってビアホール25a内にビア導体25を形成する工程までが、本発明におけるビア導体形成工程に相当する。
【0075】
開口部60aを形成したら、次に導体層60を導体マスクとして用いて、
図13に示すように、絶縁層24にビアホール25aを形成する。ビアホール25aの形成は、ブラスト加工やレーザー加工を用いる切削処理によって行うことが好ましい。ブラスト加工の種類としては、絶縁層24にビアホール25aを穿孔する際に発生し得る静電気に起因する帯電を防止して半導体装置1を保護する観点から、ウェットブラスト加工が好ましい。ビアホール25aの深さは、底部に端子15が露出する程度とする。
【0076】
本実施の形態では、半導体装置1の反りが抑制されていることから、
図13に示すように、すべてのビアホール25aの底部に対応する端子15が露出する。これに対し、仮に半導体装置1に大きな反りが発生しているとすると、一部のビアホール25aの底部には対応する端子15が露出せず、
図3に示したように、ビア導体25と端子15の接触不良が発生することになる。本実施の形態では、このような接触不良はほぼ発生しない。
【0077】
ビアホール25aを形成したら、次に無電解メッキ及び電解メッキを行うことにより、
図14に示すように、ビアホール25a内にビア導体25を形成する。こうして形成したビア導体25の下端は、ビアホール25aの底部に露出した端子15と接触し導通する。
【0078】
次に、無電解メッキ及び電解メッキによって絶縁層24の上面24aに形成された導電層61に、
図15に示すように、開口部61aを設ける。開口部61aの形成もエッチングにより行うことが好ましい。開口部61aを形成する位置は、
図2に示したビア導体26に相当する位置とする。
【0079】
開口部61aを形成したら、次に導体層61を導体マスクとして用いて、
図16に示すように、絶縁層24及び絶縁層21を貫通するビアホール26aを形成する。ビアホール26aの形成も、ビアホール25aと同様に、ブラスト加工やレーザー加工を用いる切削処理によって行うことが好ましい。この処理により、ビアホール26aの底部には、絶縁層20の上面20aに形成された配線パターン23が露出する。
【0080】
ビアホール26aを形成したら、次に無電解メッキ及び電解メッキを行うことにより、
図17に示すように、ビアホール26a内にビア導体26を形成する。こうして形成したビア導体26の下端は、ビアホール26aの底部に露出した配線パターン23と接触し導通する。これにより、ビア導体26は、絶縁層20を貫通しているビア導体22とともに、電子部品内蔵基板31の両面に形成された配線パターンを短絡するインナービアホールとして機能することになる。
【0081】
最後に、無電解メッキ及び電解メッキによって絶縁層24の上面24aに形成された導電層62を、
図2に示したようにパターニングする(配線パターン形成工程)。これにより配線パターン27が形成され、以上の工程により、半導体装置1を内蔵する電子部品内蔵基板31が完成する。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態による半導体装置1の製造方法によれば、両面が粗化されるので、製造された半導体装置1の反りを抑制することが可能になる。また、本実施の形態による電子部品内蔵基板31の製造方法によれば、半導体装置1の反りが抑制されることから、ビア導体25と端子15との接続性のよい電子部品内蔵基板31を製造することが可能になる。
【0083】
図18及び
図19は、本実施の形態の変形例による半導体装置1及び電子部品内蔵基板31の製造方法の各工程を示す図である。本変形例は、主面側粗化工程を、半導体装置1を樹脂基板30の上面30aに載置した後に行う点で、上述した実施の形態と異なっている。以下、詳しく説明する。
【0084】
図18に示すように、樹脂基板30の上面30aには、薄型化工程、裏面側粗化工程、及び個片化工程を経た一方、主面側粗化工程を経ていない状態の半導体装置1が載置される。なお、この時点で、上面30aに露出している絶縁層21は半硬化状態である。また、
図18には現していないが、この時点では半導体装置1に反りが発生している。これは、保護膜6の表面が粗化されておらず、また、保護膜6の膜厚も厚いままであるからである。
【0085】
図18の状態において、次に主面1aに対して粗面加工(第1の粗面加工)を行う。これにより、
図19に示すように、保護膜6の表面が粗化されるとともに、保護膜6の膜厚が減少する。具体的な粗面加工の手段としては、帯電の防止及びコストという観点から、上記と同様にウエットブラスト加工を用いることが最適であるが、他の手段を用いてもよい。この粗面加工により内部の曲げ応力が緩和されることから、半導体装置1に生じていた反りが解消される。この後、本変形例においても、上述した
図11以降の工程(絶縁層24形成以降の工程)が実施される。
【0086】
ここで、上記粗面加工においては、
図19にも示すように、絶縁層21の主面21aのうち半導体装置1に覆われていない部分にも粗化及び膜厚減少の効果が波及し、また、半導体装置1の側面も粗化される。このうち絶縁層21の粗化については、この後絶縁層21の主面21aの全面に絶縁層24を形成することから、絶縁層21と絶縁層24との密着性が向上するという効果が得られる。また、半導体装置1の側面の粗化については、半導体装置1と絶縁層24との接着性がよくなるという効果が得られる。
【0087】
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明が、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
【0088】
例えば、上記実施の形態ではウエハーレベルCSPである半導体装置に本発明を適用した例について説明したが、本発明は、再配線層を有しない通常の半導体装置にも好適に適用可能である。具体的な例を挙げると、本発明は
図1に示した半導体チップ3(再配線層4が形成されていない状態の半導体チップ)にも適用可能であり、この場合、パッシベーション膜11の表面を粗化することになる。