(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表示面は、単一若しくは複数のディスプレイ、又は、投影装置により画像が投影される単一若しくは複数の投影面からなり、前記物品の搬送方向に沿って延びるように形成されかつ前記搬送経路に対する位置が固定されている請求項1に記載の物品情報の表示装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、搬送装置の使用目的によっては、搬送経路に沿って移動している物品に対して、搬送経路に沿った任意の位置で作業者が作業を行う場合があり、このような場合において作業者が表示用位置から離れた位置で作業をするときには、作業対象の物品に関する物品情報表示を視認し難い。また、従来の技術では、複数の物品が搬送経路に沿って並んだ状態で搬送される場合に、表示面に表示される物品情報表示が複数の物品のうちのいずれの物品に関する物品情報を示しているのかを特定し辛くなるおそれがある。さらに、表示用位置に対応した位置に位置している物品の物品情報だけでなく、当該物品の搬送方向で上手側や下手側に位置する他の物品の物品情報も一覧して同時に把握して作業効率を向上させたい場合、従来の技術では、表示面に表示する複数の物品に関する複数の物品情報表示と複数の物品のそれぞれとの対応関係が明確に把握できなくなるおそれがある。
【0005】
そこで、搬送装置により搬送経路に沿って搬送されている物品と、表示面に表示される物品情報との対応関係が、搬送経路に沿った任意の位置で容易に認識できる物品情報の表示装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る物品情報の表示装置の第1特徴構成は、搬送経路に沿って物品を搬送する搬送装置によって、搬送されている物品に関する物品情報を表示面に表示するものであって、その特徴構成は、前記搬送経路における搬送方向に沿った前記物品の位置である搬送方向物品位置を検出する物品位置検出部と、複数の前記物品の夫々に付与されて複数の前記物品を相互に識別するための個体識別情報を検出する物品識別情報検出部と、前記物品識別情報検出部が検出した前記個体識別情報に基づいて、当該個体識別情報に対応する前記物品に関する前記物品情報を表す物品情報表示を生成する物品情報表示生成部と、前記物品情報表示を前記表示面に表示させる表示部と、を備え、前記表示面は、前記物品の搬送方向に沿って延びるように設定され、前記表示部は、前記搬送装置により前記搬送経路に沿って搬送される前記物品の移動速度に応じた速度で、前記表示面における前記物品情報表示の位置が移動するように、前記物品位置検出部が検出した前記搬送方向物品位置に基づいて、前記物品情報表示を、前記搬送方向物品位置に対応する前記表示面における搬送方向の位置に表示させ
、前記物品識別情報検出部は、前記搬送装置により搬送されている前記物品を撮像する撮像装置により、前記物品に付された識別表示を画像認識することにより当該物品の前記個体識別情報を検出し、前記物品位置検出部は、前記撮像装置により画像認識した前記識別表示の位置によって、前記搬送方向物品位置を検出する点にある。
【0007】
この特徴構成によれば、搬送方向物品位置に対応する表示面における搬送方向の位置に、物品情報表示が表示されるので、作業者に、搬送経路に沿った任意の位置で、物品との対応関係が直感的に認識できるような状態で、物品情報を表示させることができる。この際、搬送経路に沿って搬送される物品の移動速度に応じた速度で、表示面における物品情報表示の位置が移動するように表示されるので、物品が搬送経路に沿って連続的に移動している場合でも、作業者に、物品と物品情報表示との対応関係を容易に認識させることができる。特に、複数の物品が搬送経路に沿って互いに近接して搬送されているような場合において、複数の物品と当該複数の物品についての物品情報表示とを、それぞれ対応する搬送方向の位置、及び対応する速度で移動させることができる。このため、複数の物品が互いに近接して搬送されている場合でも、作業者に物品と物品情報表示との対応関係を誤認させることを抑制して、正しく認識させることができる。
また、表示面は、搬送方向に沿って延びるように設定されているので、搬送方向に沿って移動している物品に追従させて物品情報表示を表示させることが容易になる。また、作業者に、搬送経路に沿って移動している物品の物品情報を、搬送経路に沿って一覧して把握させることが容易になる。特に、複数の物品が互いに近接して搬送されている場合において、作業者に、複数の物品情報を、各物品との対応関係を明確にした状態で搬送経路に沿って一覧して把握させることが容易になる。
また、この構成によれば、物品識別情報検出部は、物品に付された識別表示を撮像装置により画像認識することにより、個体識別情報を適切に検出することができる。したがって、個体識別情報を送信する送信部を物品に備える必要がない等、物品の構成の複雑化を防止できる。
さらに、この構成によれば、識別表示を画像認識して個体識別情報を検出する際に、画像認識した識別表示の位置により、搬送方向物品位置を効率的に検出することができる。この場合、識別表示の位置としては、撮像装置にて撮像した画像における位置を採用することが好ましい。この構成によれば、個体識別情報と、当該個体識別情報に係る物品の搬送方向物品位置とを容易に対応させることができる。
【0008】
本発明に係る物品情報の表示装置の第2特徴構成は、前記表示面は、単一若しくは複数のディスプレイ、又は、投影装置により画像が投影される単一若しくは複数の投影面からなり、前記物品の搬送方向に沿って延びるように形成されかつ前記搬送経路に対する位置が固定されている点にある。
【0009】
この構成によれば、物品の搬送方向に沿って延びるように形成された、単一若しくは複数のディスプレイ、又は、投影装置により画像が投影される単一若しくは複数の投影面により、表示面を構成することができる。したがって、搬送経路に対する位置が固定されて搬送方向に沿って延びる形態の表示面に、搬送方向に沿って移動している物品に追従させて物品情報表示を表示させることができ、表示面の好適な実施形態を得ることができる。
【0010】
本発明に係る物品情報の表示装置の第3特徴構成は、前記表示面は、投影装置により画像が投影される、前記物品と一体的に移動する投影面からなる点にある。
【0011】
この構成によれば、投影装置により画像が投影される、物品と一体的に移動する投影面により、搬送方向に沿って延びる表示面を適切に設定することができる。また、この構成によれば、表示面を物品と一体的に設定することができるので、物品及び搬送装置とは別に、表示面を設定するための空間を用意せずに済ますことも可能であり、装置が大型化することを抑制できる。また、投影装置により投影させるので、各物品に投影面を設定することができ、表示面が物品と一体的に移動するように構成した場合でも、物品側の構成を簡易なもの、低コストなものとすることができる。
【0016】
本発明に係る物品情報の表示装置の第
4特徴構成は、前記物品は、コンテナと当該コンテナに収容される収容物からなり、前記物品情報は、前記収容物に関する情報である点にある。
【0017】
この構成によれば、物品が、コンテナとその収容物からなるような場合において、収容物に関する情報を、物品情報として効率的に表示させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る物品情報の表示装置の実施形態について説明する。
図1に示すように、物品情報の表示装置1(以下、単に表示装置1とも称す)は、搬送装置3によって搬送されている物品4に関する物品情報を表示面2に表示させる表示装置である。
物品情報の表示装置1は、物品位置検出部30、物品識別情報検出部31、物品情報表示生成部32、及び表示部33などの機能部を備えている。
【0020】
図2に示すように、物品位置検出部30は、搬送経路8における搬送方向Xに沿った物品4の位置である搬送方向物品位置Lを検出する。物品識別情報検出部31は、複数の物品4の夫々に付与されて複数の物品4を相互に識別するための個体識別情報を検出する。物品情報表示生成部32は、物品識別情報検出部31が検出した個体識別情報に基づいて、当該個体識別情報に対応する物品4に関する物品情報を表す物品情報表示5を生成する。表示部33は、物品情報表示5を表示面2に表示させる。
このような構成において、表示面2は、物品4の搬送方向Xに沿って延びるように設定される。そして、表示部33は、搬送装置3により搬送経路8に沿って搬送される物品4の移動速度に応じた速度で、表示面2における物品情報表示5の位置が移動するように、物品位置検出部30が検出した搬送方向物品位置Lに基づいて、物品情報表示5を、搬送方向物品位置Lに対応する表示面2における搬送方向の位置R(以下、搬送方向表示位置Rと称す)に表示させるように構成されている。
【0021】
1.搬送装置3
搬送装置3は、搬送経路8に沿って物品4を搬送する装置である。本実施形態では、
図2に示すように、搬送装置3は、複数の物品4a、4b、・・・を、搬送経路8における搬送方向Xに並べて同時に搬送可能とされている。なお、搬送装置3は、
図3に示すように、複数の物品4a1、4a2、・・・、4b1、4b2、・・・を搬送方向Xに加えて、搬送方向Xに直交する搬送直交方向Yにも並べて同時に搬送可能とされてもよい。
図2に示す例では、搬送方向Xは、直線状の方向とされているが、曲線状の方向とされても良く、直線および曲線の組み合わせからなる方向とされてもよい。
図2に示す例では、搬送装置3は、ベルトコンベアとされている。なお、ローラ式のコンベアやガイドレール式のコンベヤやクレーン式のコンベアなどの様々な種類の搬送装置を用いることができる。
【0022】
2.物品情報の表示装置1
表示装置1は、搬送装置3によって搬送されている物品4に関する物品情報を表示面2に表示させる装置である。
表示装置1は、CPU等の演算処理装置を中核部材として備えるとともに、当該演算処理装置からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)や、演算処理装置からデータを読み出し可能に構成されたROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶装置等を有して構成されている。そして、表示装置1のROM等に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、表示装置1の各機能部30〜33などが構成されている。
【0023】
3.物品識別情報検出部31
物品識別情報検出部31は、複数の物品4の夫々に付与されて複数の物品4を相互に識別するための個体識別情報を検出する機能部である。
本実施形態では、識別子検出装置6が、搬送経路8に沿って搬送されている物品4に付された識別子7を、光学的、磁気的、又は電波的に検出する検出手段を用いて検出し、検出した識別子7の情報を出力するように構成されている。物品識別情報検出部31は、識別子検出装置6から取得した識別子7の情報に基づいて、搬送されている物品4の個体識別情報を認識するように構成されている。識別子7は、光学的、磁気的、又は電波的に情報を読み取り可能なものとされている。
【0024】
本実施形態では、識別子検出装置6は、
図2に示すように、搬送装置3により搬送されている物品4を撮像する撮像装置6とされている。物品4に付される識別子として、本実施形態では、光学的に情報を読み取り可能な識別表示7とされている。撮像装置6によって撮像された画像情報は、物品識別情報検出部31などに出力される。なお、
図2に示す例では、1つの撮像装置6が備えられているが、搬送方向Xの表示区間が長い場合などでは、複数の撮像装置6が搬送方向Xに並べられてもよい。
識別表示7には、バーコードなどの一次元コードや、QRコード(登録商標)などの2次元コードや、文字、数字、記号の列などの様々な種類があり、単一の種類から構成されてもよいし、複数の種類から構成されてもよい。
【0025】
物品識別情報検出部31は、撮像装置6により撮像された、物品4に付された識別表示7を画像認識することにより当該物品4の個体識別情報を検出するように構成されている。具体的には、物品識別情報検出部31は、撮像装置6により撮像された画像から、画像認識処理により識別表示7を抽出し、識別表示7が表す情報を読み取るための規格、仕様などに従った処理により、識別表示7が表す情報を読み取って個体識別情報を取得する。
【0026】
4.物品位置検出部30
物品位置検出部30は、搬送経路8における搬送方向Xに沿った物品4の位置である搬送方向物品位置Lを検出する機能部である。
本実施形態では、物品位置検出部30は、識別子検出装置6により検出された識別子の位置によって、当該識別子7が付された物品4の搬送方向物品位置Lを検出するように構成されている。
本実施形態では、物品位置検出部30は、撮像装置6による撮像画像を画像認識して検出された識別表示7の位置によって、搬送方向物品位置Lを検出するように構成されている。具体的には、物品位置検出部30は、撮像装置6により撮像される搬送方向Xの位置範囲と、撮像画像内における識別表示7の位置に基づいて、搬送方向物品位置Lを算出する。また、
図2に示す例では、識別表示7又は物品4の搬送方向Xの幅の中心が、物品4の代表位置とされ、搬送方向物品位置Lに設定されている。
本実施形態では、物品位置検出部30は、
図2に示すように、各物品4a、4b、・・・の基準位置L0からの搬送方向Xに沿った距離La、Lb、・・・を、搬送方向物品位置La、Lb、・・・として検出するように構成されている。
【0028】
5.物品情報表示生成部32
物品情報表示生成部32は、物品識別情報検出部31が検出した個体識別情報に基づいて、当該個体識別情報に対応する物品4に関する物品情報を表す物品情報表示5を生成する機能部である。
本実施形態では、複数の物品4のそれぞれについて、付与された個体識別情報と、物品情報と、を関連付けて管理、記憶している物品情報管理部34が備えられている(
図1参照)。本実施形態では、物品情報管理部34は、表示装置1とは異なる装置又はシステムに備えられているが、表示装置1に備えられてもよい。
そして、物品情報表示生成部32は、物品情報管理部34から、物品識別情報検出部31が検出した個体識別情報に対応する物品4の物品情報を取得するように構成されている。
【0029】
<物品情報>
物品情報には、物品4に関する様々な情報を設定することができる。例えば、物品情報に、物品4の個体情報や、物品4の状態情報や、物品4に対する作業指示の情報などの単数又は複数の種類を設定することができる。
物品4の個体情報には、物品4の種類、名称、分類、ランク、仕様、構成、搬送先などが含まれる。物品4の状態の情報には、物品4の異常の有無、異常の内容、物品4に対する注意の有無、注意の内容、物品4に対する作業の状態、物品4の組み立ての状態、物品4に収容する収容物などの過不足の状態などが含まれる。物品4に対する作業指示の情報には、物品4に対する部品の取り付け又は取り外し指示、物品4に収容する収容物の種類、数量又は取り出す収容物の種類、数量の指示、物品4に対する操作内容、確認内容などが含まれる。
【0030】
<コンテナ41、収容物42の例>
本実施形態では、物品4は、
図2に示すように、コンテナ(容器)41と当該コンテナ41に収容される収容物42からなり、物品情報は、収容物42に関する情報とされている。このような物品4は、例えば、作業者が、収容物42の種類、数量などを指示する作業指示に従って、部品などの収容物42を収集してコンテナ41に収容する工程(ピッキング工程と称す)などによって、用意される。物品情報は、例えば、作業ミスによる収容物42の過不足の有無、過不足の生じた収容物42の種類、数量の情報(収容物42の過不足の状態)や、過不足の生じた収容物42の収容又は取り出しの指示などの情報に設定される。このような物品情報は、ピッキング工程において、カメラなどを用いた、監視システムにより生成される。また、各コンテナ41には、個体識別情報が付与されている。本実施形態では、後述するように、各コンテナ41には、各コンテナ41を相互に識別するための個体識別情報に対応する識別表示7が付されている。
物品情報管理部34は、各コンテナ41に対して付与した個体識別情報と、当該各コンテナ41について取得した物品情報と、を関連付けて管理、記憶するように構成されている。
【0031】
<物品情報表示5>
物品情報表示5には、物品情報を表す様々な種類の表示を設定することができる。例えば、物品情報表示5に、物品情報を表す文字、数字及び記号や、マークや、色などの単数又は複数の種類を設定することができる。物品情報が物品4の個体情報である場合は、個体情報を表す文字、数字及び記号や、マークや、色などが設定される。例えば、物品4の名称を表す文字や数字であったり、物品4のランクを表すマークや色であったりする。物品情報が物品4の状態の情報である場合は、状態の情報を表す文字、数字及び記号や、マークや、色などが設定される。例えば、異常の内容を表す文字や数字や記号であったり、異常の有無を表すマークや色であったりする。物品情報が物品4に対する作業指示の情報である場合は、作業指示の情報を表す文字、数字及び記号や、マークや、色などが設定される。例えば、部品の取り付け又は取り外し指示を表す文字や数字や記号であったり、物品4に収容する収容物の種類、数量を表すマークや色であったりする。
図2に示すコンテナ41及び収容物42の例では、過不足の生じた収容物42の種類、数量の情報を表す文字、数字及び記号や、マークや、色などが設定される。
【0032】
また、異常がない、過不足がない場合など表示させるべき物品情報がない場合は、その物品4について物品情報表示5が生成されず、表示面2に表示されないように構成されてもよい。もっとも、この場合に、表示させるべき物品情報がないことがわかるような物品情報表示5(例えば、枠だけの表示)が生成されて、表示面2に表示されるように構成さてもよい。
【0033】
6.表示面2
表示面2は、搬送装置3によって搬送されている物品4の物品情報が表示される面である。表示面2は、物品4の搬送方向X(搬送経路8)に沿って延びるように設定されている。
表示面2は、
図2の例に示すように、搬送方向Xに連続する、1つの表示面からなることが望ましいが、
図4の例に示すように、複数の表示面2a、2b、・・・を、搬送方向Xに並べて、表示面2が全体として搬送方向Xに延びるように設定されてもよい。
【0034】
表示面2の搬送方向Xの幅は、少なくとも、物品4の搬送方向Xの幅より長く(好ましくは物品4の幅の2倍より長く)なるように設定される。なお、表示面2が複数の表示面2a、2b、・・・からなる場合は、各表示面2a、2b、・・・の搬送方向Xの幅は、少なくとも、物品4の搬送方向Xの幅より長く(好ましくは物品4の幅の2倍より長く)なるように設定される。また、表示面2の搬送方向Xの幅は、少なくとも、物品情報表示5の搬送方向Xの幅より長く(好ましくは物品情報表示5の幅の2倍より長く)なるように設定される。このように設定することで、物品4の移動速度に応じた速度で、物品情報表示5を移動させた場合に、1つの表示面2において物品情報表示5の全体が表示されている期間を確保することができるため、作業者が物品情報表示5から物品情報を読み取り易くなる。
【0035】
また、表示面2が、複数の表示面2a、2b、・・・からなる場合は、表示された物品情報表示5からの物品情報の読み取り易さを向上させるため、
図4の例に示すように、隣り合う表示面の間の搬送方向Xの隙間をできるだけ短くすることが望ましい。この表示面間の隙間は、少なくとも、物品4の搬送方向Xの幅より短く(好ましくは物品4の幅の半分より短く)なるように設定される。また、表示面間の隙間は、少なくとも、物品情報表示5の搬送方向Xの幅より短く(好ましくは物品情報表示5の幅の半分より短く)なるように設定される。このように設定することで、物品4の移動速度に応じた速度で、物品情報表示5を移動させた場合に、表示面間の隙間により物品情報表示5が全く表示されていない期間が生じることを抑制できるため、作業者が物品情報表示5から物品情報を読み取り易くなる。
【0036】
図2に示す例のように、表示面2は、物品情報表示5を表示させたい搬送経路8の表示区間において、物品情報表示5を物品4の搬送方向物品位置Lに対応する搬送方向表示位置Rに表示できるように、配置される。すなわち、表示面2は、搬送経路8の表示区間に沿って延びるように配置される。
図2に示す例では、表示面2は、搬送経路8に対して、搬送直交方向Yに所定間隔だけ離間した位置に、表示面2が鉛直方向に対して平行な角度になるように配置されている。なお、表示面2は、搬送経路8に沿って延びるように配置されれば、作業者が視認しやすいように、搬送経路8に対する位置、及び表示面2の角度は任意に設定することができる。例えば、表示面2は、搬送経路8に対して上方の位置に、表示面2が鉛直方向に対して斜めの角度になるように配置されてもよい。
また、
図2に示す例では、表示面2は、搬送方向Xに沿って一列に延びるように設定されているが、表示面2は、搬送方向Xに沿って二列に延びるように設定されてもよい。すなわち、
図2に示すような表示面2が、別の位置に更に1つ以上設定されてもよい。
【0037】
本実施形態では、
図2の例に示すように、表示面2は、投影装置40により画像が投影される1つの投影面2からなり、物品4の搬送方向X(搬送経路8)に沿って延びるように、搬送経路8に対する位置が固定されて配置されている。投影面2は、幕、壁、衝立など、投影装置40により画像が投影可能な面を有していればどのような面であってもよい。なお、表示面2は、
図4に示すように、複数の投影面2a、2b、・・・からなり、複数の投影面2a、2b、・・・が、搬送方向Xに並べられて、表示面2が全体として搬送方向Xに延びるように配置されてもよい。
【0038】
投影装置40は、画像を投影面2などに投影することにより表示する表示装置である。投影装置40には、液晶やCRTを使い、画像を拡大して投影する種類などがある。
図2に示す例では、1つの投影装置40から構成されているが、搬送方向Xの表示区間が長い場合などでは、複数の投影装置40が、搬送方向Xに並べられてもよい。
【0039】
或いは、表示面2は、単一若しくは複数のディスプレイからなるように構成されてもよい。
図4に示す例では、複数のディスプレイ2a、2b、・・・が、搬送方向Xに並べられて、表示面2が全体として搬送方向Xに延びるように配置されている。ディスプレイ2には、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイなどがある。
【0040】
7.表示部33
表示部33は、物品情報表示5を表示面2に表示させる機能部である。
表示部33は、搬送装置3により搬送経路8に沿って搬送される物品4の移動速度に応じた速度で、表示面2における物品情報表示5の位置が移動するように、物品位置検出部30が検出した搬送方向物品位置Lに基づいて、物品情報表示5を、搬送方向物品位置Lに対応する表示面2における搬送方向Xの位置である搬送方向表示位置Rに表示させるように構成されている。
すなわち、表示部33は、物品4の搬送方向Xに沿った移動に応じて(同期して)、連続的に物品情報表示5が移動するように、物品4の搬送方向物品位置Lに対応する搬送方向Xの位置に物品情報表示5を表示させる。
表示部33で生成された画像信号は、単数又は複数のディスプレイや投影装置40などに出力されて、物品情報表示5が表示面2に表示される。
【0041】
図2に示す例では、物品情報表示5の搬送方向Xの幅の中心が、物品情報表示5の代表位置とされ、搬送方向表示位置Rとされている。
表示部33は、各物品情報表示5a、5b、・・・の基準位置R0からの搬送方向Xに沿った距離Ra、Rb、・・・を、搬送方向表示位置Ra、Rb、・・・として、各搬送方向物品位置La、Lb、・・・に基づいて設定するように構成されている。
図2に示す例では、搬送方向物品位置Lの基準位置L0と搬送方向表示位置Rの基準位置R0との搬送方向Xの位置が同じになるように設定されている。そして、各搬送方向表示位置Ra、Rb、・・・に、各搬送方向物品位置La、Lb、・・・の値が設定されるように構成されている。
【0042】
このように、表示部33は、各物品情報表示5a、5b、・・・が、各搬送方向物品位置La、Lb、・・・から搬送直交方向Y及び鉛直方向に延びる鉛直面に交わるように、各物品情報表示5a、5b、・・・の搬送方向表示位置Ra、Rb、・・・を設定する。
【0043】
物品情報表示5の表示更新周期は、作業者が、物品情報表示5の移動が滑らかであると感じるように、できるだけ短く設定されることが望ましい。よって、演算処理装置の処理速度の許容範囲内で、表示更新周期が短く設定されることが望ましい。画像処理速度の制約などから、物品4の搬送方向物品位置Lの検出周期が長い場合は、検出周期の間の搬送方向物品位置Lを、物品4の搬送速度に基づき推定して、推定した搬送方向物品位置Lを、物品情報表示5の搬送方向表示位置Rに反映させるように構成されるとよい。なお、物品4の搬送速度は、過去に検出した搬送方向物品位置Lと、検出周期とに基づいて算出することができる。
【0044】
なお、物品情報表示5の表示更新周期は、少なくとも、各物品情報表示5a、5b、・・・が、各搬送方向物品位置La、Lb、・・・(識別表示7又は物品4の搬送方向Xの幅の中心位置)から搬送直交方向Y及び鉛直方向に延びる鉛直面に交わる状態を維持できるような間隔に設定される。これにより、作業者が、物品4と物品情報表示5との対応関係を誤認することを抑制できる。
【0045】
表示面2が、
図4の例に示すように、複数の表示面2a、2b、・・・から構成される場合について説明する。各物品情報表示5a、5b、・・・を、その全体が表示された状態で、1つの表示面内で搬送方向Xに移動させることができるように、各物品情報表示5a、5b、・・・の搬送方向の幅が、1つの表示面の搬送方向Xの幅より短く(好ましくは、1つの表示面の搬送方向Xの幅の半分より短く)なるように設定される。
【0046】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0047】
(1)上記の実施形態において、表示面2は、単一若しくは複数のディスプレイ2、又は投影装置40により画像が投影される単一若しくは複数の投影面2からなり、物品4の搬送方向Xに沿って延びるように、搬送経路8に対する位置が固定されて配置されている場合を例として説明した。しかし、本発明の実施形態はこれに限定されない。すなわち、表示面2は、物品4の搬送方向X(搬送経路8)に沿って延びるように設定されていればどのような表示面であってもよい。例えば、
図5に示すように、表示面2は、投影装置40により画像が投影される、物品4と一体的に移動する投影面2からなるように構成されてもよい。
図5に示す例では、各物品4a、4b、・・・の側面に、投影面2a、2b、・・・が設定されている。そして、表示部33は、各物品4a、4b、・・・と一体的に移動する投影面2a、2b、・・・に、各物品4a、4b、・・・に対応する物品情報表示5a、5b、・・・を表示させる。具体的には、表示部33は、搬送方向物品位置Lに基づいて、物品情報表示5を、搬送方向物品位置Lに対応する搬送方向表示位置Rに表示させる。なお、投影面2は、物品4のいずれの面に設定されてもよく、或いは、投影面2は、物品4に取り付けられた板状の部材の面であってもよい。