(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記底面緩衝材(32)は、前記ユニット本体(2)の底面(2b)に対向する底壁部(33)と、前記ユニット本体の前記第1側面(2c)に対向する第1側壁部(34)と、前記第1側面の側縁から長手方向に沿って延びる側面である前記ユニット本体の第2側面(2d、2e)に対向する第2側壁部(35、36)とを有しており、
前記第1側壁部の前記掴み開口形成部(41a)に対応する部分である掴み壁部(37)の肉厚(t1a、t1b)は、前記第2側壁部の肉厚(t2)よりも大きい、
請求項1に記載の空調ユニットの梱包材(10)。
前記底面緩衝材(32)は、前記ユニット本体(2)の底面(2b)に対向する底壁部(33)と、前記ユニット本体の前記第1側面(2c)に対向する第1側壁部(34)と、前記第1側面の側縁から長手方向に沿って延びる側面である前記ユニット本体の第2側面(2d、2e)に対向する第2側壁部(35、36)とを有しており、
前記第1側壁部の前記掴み開口形成部(41a)に対応する部分である掴み壁部(37)の下部(37b)の肉厚(t1b)は、前記掴み壁部の上部(37a)の肉厚(t1a)よりも大きい、
請求項1に記載の空調ユニットの梱包材(10)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1の空調ユニットでは図示が省略されているが、ユニット本体の第1側面からは、内部に収容された熱交換器等に接続される配管が突出している。
【0004】
しかし、上記従来の梱包材では、この配管が側面保護部材から突出してしまい、この配管を保護することができない。
【0005】
また、梱包状態の空調ユニットをコンテナ内に段積みする場合には、互いに隣接する梱包状態の空調ユニットと梱包状態の空調ユニットとの間、又は、梱包状態の空調ユニットと隣接するコンテナの内壁との間に隙間がなくなる。そして、このような段積み状態において上段側(例えば、作業者の肩高さよりも上側)に積まれた梱包状態の空調ユニットを荷下ろしする場合には、まず、梱包状態の空調ユニットを引き出す必要がある。
【0006】
しかし、上記従来の梱包材では、側面保護部材のユニット本体の長手方向に沿って延びる側面に対向して形成された把手孔を掴むことができないため、上段側に積まれた梱包状態の空調ユニットを引き出すことが困難であり、梱包状態の空調ユニットの荷下ろし作業をスムーズに行うことができない。仮に、底面トレーの端部を掴んで、梱包状態の空調ユニットを強引に引き出そうとすると、底面トレーが破損するおそれがあり、空調ユニットの梱包状態を正常に保つことができなくなってしまう。
【0007】
本発明の課題は、略直方体形状のユニット本体の長手方向側の側面である第1側面から配管が突出する空調ユニットの梱包材において、配管の保護を図るとともに、上段側に積まれた梱包状態の空調ユニットを梱包材の破損を抑えつつスムーズに引き出せるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の観点にかかる空調ユニットの梱包材は、略直方体形状のユニット本体の長手方向側の側面である第1側面から配管が突出する空調ユニットの梱包材であって、ユニット本体の天面を覆う天面保護部材と、ユニット本体の底面を覆う底面保護部材と、ユニット本体の第1側面を配管とともに覆う側面保護部材とを有している。底面保護部材は、略直方体箱形状の底面トレーと、底面トレーとユニット本体の底面との間に配置される底面緩衝材と、を有している。側面保護部材には、底面トレー及び底面緩衝材の第1側面側の端部を掴むための掴み開口部を構成する掴み開口形成部がユニット本体の第1側面に対向して形成されている。
【0009】
ここでは、まず、上記のように、側面保護部材によって、ユニット本体の第1側面を配管とともに覆うようにしている。しかも、ここでは、底面保護部材が底面トレーとともに底面緩衝材を有し、かつ、側面保護部材に底面トレー及び底面緩衝材の第1側面側の端部を掴むための掴み開口部を構成する掴み開口形成部をユニット本体の第1側面に対向して形成することによって、作業者が梱包状態の空調ユニットを底面トレーだけでなく底面緩衝材も介して第1側面側から掴めるようにしている。
【0010】
これにより、ここでは、第1側面よりも外側に突出した配管の保護を図るとともに、上段側に積まれた梱包状態の空調ユニットを梱包材(底面トレーなど)の破損を抑えつつスムーズに引き出すことができる。
【0011】
第2の観点にかかる空調ユニットの梱包材は、第1の観点にかかる空調ユニットの梱包材において、底面緩衝材が、ユニット本体の底面に対向する底壁部と、ユニット本体の第1側面に対向する第1側壁部と、第1側面の側縁から長手方向に沿って延びる側面であるユニット本体の第2側面に対向する第2側壁部とを有している。ここで、第1側壁部の掴み開口形成部に対応する部分である掴み壁部の肉厚は、第2側壁部の肉厚よりも大きい。
【0012】
ここでは、上記のように、底面緩衝材の壁部のうち掴み開口形成部に対応する掴み壁部の肉厚を大きくするようにしている。具体的には、掴み壁部の肉厚を第2側壁部の肉厚よりも大きくするようにしている。
【0013】
これにより、ここでは、作業者が掴み開口部を通じて底面トレー及び底面緩衝材の第1側面側の端部を掴む際に、底面緩衝材の掴み壁部が破損することを抑えることができる。
【0014】
第3の観点にかかる空調ユニットの梱包材は、第2の観点にかかる空調ユニットの梱包材において、掴み壁部の下部の肉厚が、掴み壁部の上部の肉厚よりも大きい。
【0015】
第4の観点にかかる空調ユニットの梱包材は、第1の観点にかかる空調ユニットの梱包材において、底面緩衝材が、ユニット本体の底面に対向する底壁部と、ユニット本体の第1側面に対向する第1側壁部と、第1側面の側縁から長手方向に沿って延びる側面であるユニット本体の第2側面に対向する第2側壁部とを有している。ここで、第1側壁部の掴み開口形成部に対応する部分である掴み壁部の下部の肉厚が、掴み壁部の上部の肉厚よりも大きい。
【0016】
ここでは、上記のように、底面緩衝材の壁部のうち掴み開口形成部に対応する掴み壁部の下部の肉厚を大きくすることによって、掴み壁部と底壁部との付け根部分を補強するようにしている。具体的には、掴み壁部の下部の肉厚を掴み壁部の上部の肉厚よりも大きくするようにしている。
【0017】
これにより、ここでは、作業者が掴み開口部を通じて底面トレー及び底面緩衝材の第1側面側の端部を掴む際に、底面緩衝材の掴み壁部と底壁部との付け根部分が破損することを抑えることができる。
【0018】
第5の観点にかかる空調ユニットの梱包材は、第3又は第4の観点にかかる空調ユニットの梱包材において、掴み壁部の下部には、ユニット本体の第1側面が近接しており、掴み壁部の上部の肉厚及び掴み壁部の下部の肉厚が、掴み壁部の上部とユニット本体の第1側面との間に作業者の指先を入れる隙間が確保されるように設定されている。
【0019】
ここでは、上記のように、掴み壁部の下部の肉厚を掴み壁部の上部の肉厚よりも大きくするのに際して、掴み壁部の下部の肉厚及び掴み壁部の上部の肉厚を適切に設定して、掴み壁部の上部とユニット本体の第1側面との間に作業者の指先を入れる隙間が確保されるようにしている。
【0020】
これにより、ここでは、指先とユニット本体の第1側面との干渉を抑えつつ、作業者が掴み開口部を通じて底面トレー及び底面緩衝材の第1側面側の端部を掴むことができる。
【発明の効果】
【0021】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0022】
第1の観点にかかる空調ユニットの梱包材では、第1側面よりも外側に突出した配管の保護を図るとともに、上段側に積まれた梱包状態の空調ユニットを梱包材の破損を抑えつつスムーズに引き出すことができる。
【0023】
第2の観点にかかる空調ユニットの梱包材では、作業者が掴み開口部を通じて底面トレー及び底面緩衝材の第1側面側の端部を掴む際に、底面緩衝材の掴み壁部が破損することを抑えることができる。
【0024】
第3及び第4の観点にかかる空調ユニットの梱包材では、作業者が掴み開口部を通じて底面トレー及び底面緩衝材の第1側面側の端部を掴む際に、底面緩衝材の掴み壁部と底壁部との付け根部分が破損することを抑えることができる。
【0025】
第5の観点にかかる空調ユニットの梱包材では、指先とユニット本体の第1側面との干渉を抑えつつ、作業者が掴み開口部を通じて底面トレー及び底面緩衝材の第1側面側の端部を掴むことができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明にかかる空調ユニットの梱包材の実施形態及びその変形例について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる空調ユニットの梱包材の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0028】
(1)空調ユニットの概略構成
まず、空調ユニット1について、
図1を用いて説明する。ここで、
図1は、本発明の一実施形態にかかる空調ユニット1の梱包材10を示す分解斜視図である。
【0029】
空調ユニット1は、ここでは、天井から吊り下げ設置されるダクト型空調ユニットである。空調ユニット1は、主として、略直方体形状のユニット本体2を有している。ユニット本体2には、ファン3や熱交換器4等の各種機器が収容されている。ここでは、3つのファン3や傾斜形状の熱交換器4がユニット本体2に収容されている。ユニット本体2には、吊り金具5が設けられており、空調ユニット1は、吊り金具5の位置で、空調室の天井に吊りボルト(図示せず)を介して吊り下げ設置さている。この場合、
図1中におけるユニット本体2の左側面2dが上方を向くように吊り下げられる。ここでは、吊り金具5は、
図1中におけるユニット本体2の左側面である第2側面2dが上方向を向いた状態で吊り下げるために、
図1中におけるユニット本体2の長手方向側の前側面である第1側面2cの上部及び下部と、
図1中におけるユニット本体2の長手方向側の後側面である第3側面2fの上部及び下部(図示せず)とに設けられている。また、ユニット本体2には、天井から吊り下げ設置された状態で側方を向く第2側面2d、2eに空気吸入口2g及び空気吹出口2hが形成されている。さらに、ユニット本体2には、第1側面2cから熱交換器4等に接続される配管6が突出している
(2)梱包材の構成
次に、上記のような略直方体形状のユニット本体2の長手方向側の側面である第1側面2cから配管6が突出する空調ユニット1を梱包する梱包材10について、
図1〜
図4を用いて説明する。ここで、
図2は、梱包状態の空調ユニット1を示す斜視図であり、
図3は、底面緩衝材32の平面図であり、
図4は、
図3のI−I断面図である。
【0030】
梱包材10は、主として、天面保護部材20と、底面保護部材30と、側面保護部材40とを有している。
【0031】
天面保護部材20は、ユニット本体2の天面2aを覆う部材であり、主として、略直方体箱形状の天面トレー21と、天面トレー21とユニット本体2の天面2aとの間に配置される天面緩衝材22、27、28と、を有している。ここで、ユニット本体2の天面2aは、空調ユニット1が天井から吊り下げ設置された状態では側方を向くように設置されるが、梱包状態では上方を向くため、説明の便宜上、「天面」としている。天面トレー21は、その下面が開口した段ボール製の部材である。第1側面側天面緩衝材22は、天面トレー21の長手方向側の前側面部分に嵌め込まれる発泡スチロール製の部材である。第3側面側天面緩衝材28は、天面トレー21の長手方向側の後側面部分に嵌め込まれる発泡スチロール製の部材である。中央側天面緩衝材29は、天面トレー21の長手方向側の中央部分に嵌め込まれる発泡スチロール製の部材である。
【0032】
底面保護部材30は、ユニット本体2の底面2bを覆う部材であり、主として、略直方体箱形状の底面トレー31と、底面トレー31とユニット本体2の底面2bとの間に配置される天面緩衝材32、38、39と、を有している。ここで、ユニット本体2の底面2bは、空調ユニット1が天井から吊り下げ設置された状態では側方を向くように設置されるが、梱包状態では下方を向くため、説明の便宜上、「底面」としている。底面トレー31は、その上面が開口した段ボール製の部材である。第1側面側底面緩衝材32は、底面トレー31の長手方向側の前側面部分に嵌め込まれる発泡スチロール製の部材である。第3側面側底面緩衝材38は、底面トレー31の長手方向側の後側面部分に嵌め込まれる発泡スチロール製の部材である。中央側底面緩衝材39は、底面トレー31の長手方向側の中央部分に嵌め込まれる発泡スチロール製の部材である。
【0033】
側面保護部材40は、ユニット本体2の第1側面2cを配管6とともに覆う部材である。側面保護部材40は、主として、ユニット本体2の第1側面2cに対向する主側面部41を有する段ボール製の部材である。そして、側面保護部材40(ここでは、主側面部41)には、底面トレー31及び第1側面側底面緩衝材32の第1側面2c側の端部を掴むための掴み開口部11を構成する掴み開口形成部41aが形成されている。ここで、掴み開口形成部41aは、側面保護部材40の主側面部41の下縁部に形成された切り欠きであり、この掴み開口形成部41aと底面トレー31の上縁部とによって、掴み開口部11が構成されている。尚、ここでは、掴み開口形成部41a(すなわち、掴み開口部11)は、側面保護部材40の左右方向の略中央に位置するように形成されている。また、側面保護部材40は、主側面部41の側縁からユニット本体2の第2側面2d、2eに対向する副側面部42、43が形成されている。そして、主側面部41及び副側面部42、43との付け根部分の上端から天面トレー21及び第1側面側天面緩衝材22のコーナー部に向かって延びる上端差し込み部44、45が形成されている。上端差し込み部44、45は、天面トレー21のコーナー部と第1側面側天面緩衝材22のコーナー部との間に差し込まれるようになっている。主側面部41及び副側面部42、43との付け根部分の下端から底面トレー31及び第1側面側底面緩衝材32のコーナー部に向かって延びる下端差し込み部46、47が形成されている。下端差し込み部46、47は、底面トレー31のコーナー部と第1側面側底面緩衝材32のコーナー部との間に差し込まれるようになっている。さらに、ここでは、側面保護部材40(ここでは、主側面部41)に、天面トレー21及び第1側面側天面緩衝材22の第1側面2c側の端部を掴むための掴み開口部12を構成する掴み開口形成部41bも形成されている。ここで、掴み開口形成部41bは、側面保護部材40の主側面部41の上縁部に形成された切り欠きであり、この掴み開口形成部41bと天面トレー21の下縁部とによって、掴み開口部12が構成されている。尚、ここでは、掴み開口形成部41b(すなわち、掴み開口部12)は、側面保護部材40の左右方向の略中央に位置するように形成されている。
【0034】
このように、ここでは、まず、側面保護部材40によって、ユニット本体2の第1側面2cを配管6とともに覆うようにしている。しかも、ここでは、底面保護部材30が底面トレー31とともに第1側面側底面緩衝材32を有し、かつ、側面保護部材40に底面トレー31及び第1側面側底面緩衝材32の第1側面2c側の端部を掴むための掴み開口部11を構成する掴み開口形成部41aをユニット本体2の第1側面2cに対向して形成することによって、作業者が梱包状態の空調ユニット1を底面トレー31だけでなく第1側面側底面緩衝材32も介して第1側面2c側から掴めるようにしている。
【0035】
また、ここでは、第1側面側底面緩衝材32が、ユニット本体2の底面2bに対向する底壁部33と、ユニット本体2の第1側面2cに対向する第1側壁部34と、第1側面2cの側縁から長手方向に沿って延びる左側面及び右側面であるユニット本体の第2側面2d、2eに対向する第2側壁部35、36とを有している。そして、第1側面側底面緩衝材32の壁部34、35、36のうち掴み開口形成部11に対応する掴み壁部37の肉厚を大きくするようにしている。具体的には、掴み壁部37の肉厚t1a、t1bを、第2側壁部35、36の肉厚t2よりも大きくするようにしている。例えば、第2側壁部35、36の肉厚t2が5〜20mmであるのに対して、掴み壁部37の肉厚t1a、t1bを40mm以上にしている。尚、ここでは、ユニット本体2の第1側面2cから吊り金具5が突出しているため、この吊り金具5と第1側壁部34との干渉を避けるために、第1側壁部34の右寄りの部分が切り欠かれている。このため、掴み壁部37は、吊り金具5との干渉を避けるための切り欠き部分33aを除いた部分を指している。また、側面保護部材40に形成された掴み開口形成部41aについても、吊り金具5との干渉を避けるための切り欠き部分33aまでは達しないように、側面保護部材40の左右方向の略中央に形成されている。
【0036】
また、ここでは、掴み壁部37の下部37bの肉厚t1bを、掴み壁部37の上部37aの肉厚t1aよりも大きくしている。すなわち、ここでは、第1側面側底面緩衝材32の壁部34、35、36のうち掴み開口形成部11に対応する掴み壁部37の下部37b の肉厚t1bを大きくすることによって、掴み壁部37と底壁部33との付け根部分を補強するようにしている。
【0037】
また、ここでは、掴み壁部37の下部37bには、ユニット本体2の第1側面2cが近接しており、掴み壁部37の上部37aの肉厚t1a及び掴み壁部37の下部37bの肉厚t1bが、掴み壁部37の上部37aとユニット本体2の第1側面2cとの間に作業者の指先を入れる隙間Δtが確保されるように設定されている。すなわち、ここでは、掴み壁部37の下部37bの肉厚t1bを掴み壁部37の上部37aの肉厚t1aよりも大きくするのに際して、掴み壁部37の下部37bの肉厚t1b及び掴み壁部37の上部37aの肉厚t1aを適切に設定して、掴み壁部37の上部37aとユニット本体2の第1側面2cとの間に作業者の指先を入れる隙間Δtが確保されるようにしている。具体的には、隙間Δtが15mm以上確保されるように、例えば、掴み壁部37の上部37aの肉厚t1aを40mm以上にする場合には、掴み壁部37の下部37bの肉厚t1bを肉厚t1aよりも15mm以上大きくするようにしている。
【0038】
さらに、ここでは、第1側面側底面緩衝材32だけでなく、第1及び第3側面側天面緩衝材22、28や第1側面2cとは反対側の第3側面2f側の端部に対応する第3側面側底面緩衝材38についても、第1側面側底面緩衝材32と同様に、掴み壁部37に対応する壁部の肉厚を大きくしたものを使用している。
【0039】
そして、空調ユニット1を梱包する際には、まず、底面トレー31に底面緩衝材32、38、39を嵌め込んで構成した底面保護部材30上に空調ユニット1を載置する。そして、側面保護部材40をユニット本体2の配管6が突出した第1側面2cを覆うように配置する。ここでは、側面保護部材40の下端差し込み部46、47を底面トレー31のコーナー部と第1側面側底面緩衝材32のコーナー部との間に差し込む。次に、天面トレー21に天面緩衝材22、28、29を嵌め込んで構成した天面保護部材20で空調ユニット1を覆う。このとき、ここでは、側面保護部材40の上端差し込み部44、45を天面トレー21のコーナー部と第1側面側天面緩衝材22のコーナー部との間に差し込む。最後に、保護部材20、30、40と空調ユニット1とを、ユニット本体2の長手方向側の第1側面2c寄りの位置、第1側面2cとは反対側の第3側面2f寄りの位置、及び、長手方向側の中央位置で結束バンド50によって結束することで、空調ユニット1の梱包が行われる。
【0040】
(3)梱包状態の空調ユニットの段積み及び荷下ろし作業
次に、上記のような梱包材10によって梱包された空調ユニット1の段積み及び荷下ろし作業について、
図1〜
図6を用いて説明する。ここで、
図5は、梱包状態の空調ユニット1を段積みした状態を示す斜視図であり、
図6は、上段側に積まれた梱包状態の空調ユニット1を作業者が引き出す様子を示す斜視図である。
【0041】
梱包状態の空調ユニット1をコンテナ60内に段積みする場合には、互いに隣接する梱包状態の空調ユニット1と梱包状態の空調ユニット1との間、又は、梱包状態の空調ユニット1と隣接するコンテナ60の内壁との間に隙間がない状態で段積みされる。ここでは、梱包状態の空調ユニット1を6列に横に並べ、かつ、3段に段積みしている。
【0042】
このような段積み状態において上段側(ここでは、作業者の肩高さよりも上側の3段目)に積まれた梱包状態の空調ユニット1を荷下ろしする場合には、まず、梱包状態の空調ユニット1を引き出す必要がある。
【0043】
ここで、ユニット本体2の第1側面2cを配管6とともに覆っている側面保護部材40に梱包状態の空調ユニット1を引き出すための手がかりがなければ、上段側に積まれた梱包状態の空調ユニット1を引き出すことができない。
【0044】
しかし、ここでは、上記のように、底面保護部材30が底面トレー31とともに底面緩衝材32を有し、かつ、側面保護部材40に底面トレー31及び底面緩衝材32の第1側面2c側の端部を掴むための掴み開口部11を構成する掴み開口形成部41aをユニット本体2の第1側面2cに対向して形成することによって、作業者が梱包状態の空調ユニット1を底面トレー31だけでなく底面緩衝材32も介して第1側面2c側から掴めるようにしている。
【0045】
これにより、ここでは、第1側面2cよりも外側に突出した配管6の保護を図るとともに、上段側に積まれた梱包状態の空調ユニット1を梱包材10(底面トレー31など)の破損を抑えつつスムーズに引き出すことができる。
【0046】
また、ここでは、上記のように、底面緩衝材32が、ユニット本体2の底面2bに対向する底壁部33と、ユニット本体2の第1側面2cに対向する第1側壁部34と、第1側面2cの側縁から長手方向に沿って延びる側面であるユニット本体2の第2側面2d、2eに対向する第2側壁部35、36とを有しており、底面緩衝材32の壁部34、35、36のうち掴み開口形成部41aに対応する掴み壁部37の肉厚t1a、t1bを大きくするようにしている。具体的には、掴み壁部37の肉厚t1a、t1bを第2側壁部35、36の肉厚t2よりも大きくするようにしている。
【0047】
これにより、ここでは、作業者が掴み開口部11を通じて底面トレー31及び底面緩衝材32の第1側面2c側の端部を掴む際に、底面緩衝材32の掴み壁部37が破損することを抑えることができる。
【0048】
また、ここでは、上記のように、底面緩衝材32の壁部34、35、36のうち掴み開口形成部41aに対応する掴み壁部37の下部37bの肉厚t1bを大きくすることによって、掴み壁部37と底壁部33との付け根部分を補強するようにしている。具体的には、掴み壁部37の下部37bの肉厚t1bを掴み壁部37の上部37aの肉厚t1aよりも大きくするようにしている。
【0049】
これにより、ここでは、作業者が掴み開口部11を通じて底面トレー31及び底面緩衝材32の第1側面2c側の端部を掴む際に、底面緩衝材32の掴み壁部37と底壁部33との付け根部分が破損することを抑えることができる。
【0050】
また、ここでは、上記のように、掴み壁部37の下部37bの肉厚t1bを掴み壁部37の上部37aの肉厚t1aよりも大きくするのに際して、掴み壁部37の下部37bの肉厚t1b及び掴み壁部37の上部37aの肉厚t1aを適切に設定して、掴み壁部37の上部37aとユニット本体2の第1側面2cとの間に作業者の指先を入れる隙間Δtが確保されるようにしている。
【0051】
これにより、ここでは、指先とユニット本体2の第1側面2cとの干渉を抑えつつ、作業者が掴み開口部11を通じて底面トレー31及び底面緩衝材32の第1側面2c側の端部を掴むことができる。
【0052】
また、ここでは、底面保護部材30に対応する側面保護部材40の下部だけでなく、天面保護部材20に対応する側面保護部材40の上部にも、掴み開口形成部41bを形成するようにしているため、掴み開口形成部41bによって形成される掴み開口部12を荷下ろし後の梱包状態の空調ユニット1を手で運ぶ際の手がかりとして使用することができる。
【0053】
(4)変形例
<A>
上記実施形態では、掴み開口形成部が底面保護部材30に対応する側面保護部材40の下部だけでなく、天面保護部材20に対応する側面保護部材40の上部にも形成されているが、これに限定されるものではなく、側面保護部材40の上部には形成されていなくてもよい。
【0054】
<B>
上記実施形態では、天面緩衝材22や第1側面2cとは反対側のユニット本体2の長手方向の側面2f側の端部に対応する底面緩衝材38についても、第1側面2c側の端部に対応する底面緩衝材32と同様に、掴み壁部に対応する壁部の肉厚を大きくしたものを使用しているが、これに限定されるものではなく、掴み壁部に対応する壁部の肉厚を大きくしなくてもよい。
【0055】
<C>
上記実施形態では、掴み開口形成部41aが側面保護部材40の下縁部を切り欠くことによって形成されているが、これに限定されるものではなく、掴み開口形成部41aが側面保護部材40の下部に孔を開けることによって形成されていてもよい。この場合には、掴み開口形成部41a自体が掴み開口部11を形成することになる。
【0056】
<D>
上記実施形態では、側面保護部材40が1枚であるが、これに限定されるものではなく、例えば、2枚重ねて使用してもよい。この場合には、側面保護部材40による保護性能を高めることができる。
【0057】
<E>
上記実施形態の空調ユニット1では、ファン3の個数が3個であるが、これに限定されるものではなく、ファン3の個数が2個以下や4個以上であってもよい。この場合には、ユニット本体2の長手方向の寸法が、上記実施形態の空調ユニット1のユニット本体2よりも小さくなったり大きくなったりすることになる。また、ユニット本体2の長手方向の寸法が小さい場合には、ユニット本体2の長手方向の中央位置に配置される中央側底面緩衝材39及び結束バンド50を省略してもよい。
【0058】
<F>
上記実施形態の空調ユニット1は、天井から吊り下げ設置されるダクト型空調ユニットであるが、これに限定されるものではなく、例えば、空調室内に向かって空気を直接吹き出すカセット型空調ユニットなどの他の型式の空調ユニットであってもよい。