(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の好適な実施の形態を、遊技機としてスロットマシンを例に、図面に基づき説明する。
(スロットマシンS)
スロットマシンSは、
図1に示すように、正面側(遊技者と対向する前面側)に開口部を有する方形の筐体Bと、この筐体Bの開口部を塞ぐ前扉Dを備えている。
筺体Bの内部には、スロットマシンSの作動を制御するための制御装置1、外周面に複数の図柄が付された3個の回転リール61,62,63を有するリールユニット2、メダルを貯留するとともに貯留されているメダルを払い出すためのホッパーユニット3、スロットマシンSに備えられた各種装置に電力を供給するための電源装置4等が設置されている。
【0013】
前扉Dには、
図1に示すように、3個の回転リール61〜63の図柄を視認可能な図柄表示窓Wが形成されている。そして、この図柄表示窓Wの下方であってスロットマシンSの高さ方向略中央部は、スロットマシンSを作動させるための操作スイッチが設けられたカウンター状の操作部Cとなっている。操作部Cの上面右端にはメダル投入口5が設けられ、操作部Cの上面左側には、スロットマシンSに電子的に貯留されているメダルであるクレジットメダルを、遊技を開始するためのベットメダルに代えるための投入操作手段としてのベットスイッチ10が設けられている。
【0014】
また、操作部Cの正面左側には、回転リール61〜63を回転開始させるためのスタートスイッチ20が設けられ、操作部Cの正面中央部には、3個の回転リール61〜63を個々に停止させるための3個の停止スイッチ31,32,33が設けられている。具体的には、左側に位置する停止スイッチ31は左側に位置する回転リール61を停止させるものであり、中央に位置する停止スイッチ32は中央に位置する回転リール62を停止させるものであり、右側に位置する停止スイッチ33は右側に位置する回転リール63を停止させるものである。操作部Cの正面左端には、クレジットを払い戻すための精算スイッチ40が設けられている。
【0015】
前記ベットスイッチ10は、上下方向に移動可能なボタンスイッチであって、ベットスイッチ10の筐体内部側には、ボタンの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がベットスイッチ10の操作信号として扱われるようになっている。
スタートスイッチ20は、上下方向に揺動可能なレバースイッチであって、スタートスイッチ20の筐体内部側には、押下操作によるレバーの位置移動を検出する検知部が設けられており、検知部の検出信号がスタートスイッチ20の操作信号として扱われるようになっている。
停止スイッチ31〜33は、前後方向に移動可能なボタンスイッチであって、各停止スイッチ31〜33の筐体内部側には、特に図示しないが、押圧操作によるボタンの位置移動を検出する検知部がそれぞれ設けられており、検知部の検出信号が各停止スイッチ31〜33の操作信号として扱われるようになっている。
【0016】
前扉Dにおいて図柄表示窓Wの上方には、液晶表示装置を備えた画像表示部70が設けられ、画像表示部70の両側に位置する前扉Dの側部及び前扉Dの上端部には、電飾ランプ80が設けられている。また、前扉Dの下部には、メダルを貯留可能な下皿6が設けられているとともに、下皿6の奥壁には、ホッパーユニット3から払い出されたメダルを下皿6に排出するためのメダル排出口8と、メダル排出口8の両側に配置されたスピーカ90が設けられている。そして、メダル投入口5の下方であって前扉Dの裏側には、投入メダルを検知しメダルを判別するためのメダルセレクター7が設けられている。
【0017】
リールユニット2は、図示しない枠体に固定された3個のリールモータM1,M2,M3(
図2参照)と、各リールモータM1〜M3の駆動軸にそれぞれ固定された3個の回転リール61〜63(
図1参照)とを備えている。なお、図示しないが、リールモータM1には回転リール61が固定され、リールモータM2には回転リール62が固定され、リールモータM3には回転リール63が固定されている。
【0018】
リールモータM1〜M3は、ステッピングモータであって、図示しないが、駆動軸に連結されたロータと4相のコイルを備えており、コイルが順次励磁されることにより、ロータが回転して駆動軸が回転し、駆動軸に固定された回転リール61〜63が回転するようになっている。4相のコイルは、所定の駆動パルスが供給されることにより励磁し、駆動パルスのパルス数やパルス幅などが制御されることによって、回転リール61〜63に付されている図柄が図柄表示窓Wを上側から下側へ向けて通過するように回転リール61〜63を回転(正回転)させることができるとともに、回転リール61〜63を図柄単位で停止させることができるようになっている。
【0019】
各回転リール61〜63の外周面には、
図3に示すように、ベル、プラム、札、スイカ、花、雲、BAR、チェリーなどの図柄が、1つの回転リールにつき16個ずつ付されている。ここで、回転リールに表示されている1図柄分の領域を1コマと称し、回転リール61〜63はそれぞれ、16個の図柄に対応して等分割された16コマを有している。そして、各回転リール61〜63の外周面に連続して配置されている3つの図柄が、図柄表示窓Wから視認可能となっている。
【0020】
ここで、図柄表示窓Wを通して図柄を視認するための表示位置として、各回転リール61〜63について上段、中段、下段が設けられており、各回転リール61〜63の表示位置の組合せによって有効ラインが設定される。有効ラインとは、3個の回転リール61〜63の各表示位置にある縦3個横3個合計9個の図柄を1個ずつ繋いでできるライン(入賞ライン)のうち、入賞するために有効となる図柄組合せの並びを規定したラインである。入賞ラインは、規定数のメダルをベットすることにより有効ラインになる。ここで、規定数とは、1回の遊技に掛ける(ベットする)ことができるメダル数であって、本実施の形態においては、規定数が2又は3に設定されており、2枚掛け遊技と3枚掛け遊技を行うことができるようになっている。また、本実施の形態においては、
図1に示すように、左側の回転リール61の上段に位置する図柄、中央の回転リール62の上段に位置する図柄、右側の回転リール63の中段に位置する図柄を繋いでできる上上中ラインLが入賞ラインとして設定されている。そして、2枚掛け遊技においても、3枚掛け遊技においても、上上中ラインLが有効ラインとなる。
そして、スロットマシンSは、スタートスイッチ20の操作によって回転開始し停止スイッチ31〜33の操作によって回転停止した回転リール61〜63の停止図柄により、役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示される(以下、このことを入賞という)と、役に応じた利益が付与されるようになっている。
【0021】
(制御装置1)
制御装置1は、図示しないメイン基板ケースにメイン基板を収納したメイン基板ユニットと、図示しないサブ基板ケースにサブ基板を収納したサブ基板ユニットとから構成される。メイン基板及びサブ基板は、IC等の各種電子部品を搭載した制御基板であり、メイン基板はスロットマシンSの遊技に関する制御を行うメイン制御装置100(
図2参照)を構成し、サブ基板は演出や報知に関する制御を行うサブ制御装置200(
図2参照)を構成する。また、メイン制御装置100とサブ制御装置200との間では、メイン制御装置100からサブ制御装置200への一方へ向けてのみコマンドやデータが出力され、サブ制御装置200からメイン制御装置100へ向けてはコマンドやデータが出力されないようになっている。
【0022】
(メイン制御装置100)
メイン制御装置100は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作に基づき、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するものである。
メイン制御装置100の入力側には、
図2に示すように、メダルセンサ7A、リールセンサ2A、払い出しセンサ3A、ベットスイッチ10、スタートスイッチ20、停止スイッチ31〜33及び精算スイッチ40が接続されている。ここで、メダルセンサ7Aは、
図1に示すように、メダルセレクター7に設けられた検知部であって、メダル投入口5から投入されホッパーユニット3に移送されるメダルを検出するためのものである。リールセンサ2Aは、図示しないが、リールユニット2の枠体に設けられた検知部であって、回転リール61〜63に設けられたスタートインデックスを検出して回転リール61〜63の回転を検知するためのものである。払い出しセンサ3Aは、図示しないが、ホッパーユニット3に設けられた検知部であって、メダル払出装置から払い出されるメダルを検出するためのものである。
【0023】
一方、メイン制御装置100の出力側には、
図2に示すように、リールモータM1〜M3、ホッパーモータ3B、ブロッカー7B、ベット表示部11及びクレジット表示部12が接続されている。ホッパーモータ3Bは、図示しないが、ホッパーユニット3に貯留されているメダルを1枚ずつ排出するメダル払出装置を駆動させるためのものである。ブロッカー7Bは、図示しないが、メダルセレクター7の内部を通過するメダルを、メダルセンサ7Aで検出される前にメダルセレクター7の外部に排出するためのメダルキャンセル装置である。排出されたメダルは、下皿6に払い戻される。ベット表示部11は、
図1に示すように、図柄表示窓Wの右側に設けられた発光表示部であって、発光する発光領域の数により1回の遊技を行うために掛けた(ベットした)メダル数を表示するものである。クレジット表示部12は、同じく図柄表示窓Wの左側に設けられた7セグメント表示器であり、クレジットされているメダル数を数字で表示するものである。
【0024】
メイン制御装置100を構成するメイン基板には、図示しないが、遊技に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて遊技の進行に関する制御を行うメインCPU、読み書き可能であって遊技の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRAM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、
図2に示すように、投入制御手段110、役抽選手段120、リール制御手段130、入賞判定手段140、払出制御手段150、遊技状態移行手段160、AT制御手段170、フリーズ制御手段180の各手段として機能する。
【0025】
(投入制御手段110)
投入制御手段110は、メダル投入口5からのメダルの投入又はベットスイッチ10の操作(以下投入操作という)と、入賞判定手段140の判定結果に基づいて、遊技を行うためにメダルが掛けられた(ベットされた)状態を設定するベット処理を行うためのものである。
具体的には、投入制御手段110は、メダル投入口5からメダルが投入されメダルセンサ7Aがメダルを検出した場合には、最大規定数(3)の範囲内で、メダルがベットされた状態を設定する。すなわち、メダルの検出数をベット数として記憶する。ベット数はベット表示部11の発光領域の点灯数によって表示される。規定数(2又は3)のメダルがベットされた状態が設定されることにより、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の回転開始が許容される(スタートスイッチ20の操作が有効化される)。
【0026】
また、投入制御手段110は、最大規定数を超えて(4以上)メダルが投入された場合には、最大貯留可能数(50)を限度として、投入されたメダルがスロットマシンSに電子的に貯留(クレジット)されたものとして取り扱う。すなわち、最大規定数を超えて投入されたメダルの検出数をクレジット数として記憶する。クレジット数はクレジット表示部12に数字で表示される。なお、クレジット数が最大貯留可能数に達した場合には、ブロッカー7Bが作動してメダル投入口5から投入されたメダルがキャンセルされるようになっている。
【0027】
また、投入制御手段110は、クレジットがされている状態でベットスイッチ10が操作された(ベットスイッチ10の操作信号を入力した)場合には、クレジットされたメダルをベットされたメダルとして取り扱い、所定数のメダルがベットされた状態を設定する。具体的には、ベットスイッチ10の操作信号の入力に基づいて、クレジット数として記憶されている数値から所定数を減算するとともに、ベット数として記憶している数値に所定数を加える。これにより、クレジット表示部12の数字が所定数減じられ、ベット表示部11にクレジット表示部から減じられた数のベット表示が行われる。本実施の形態では、ベットスイッチ10は、基本的に、1回操作するごとに最大規定数である3枚のメダルがベットされるマックスベットスイッチとして機能するものとなっている。
【0028】
ここで、本実施の形態では、投入制御手段110は、ベットスイッチ10が操作された場合において、クレジット数が、最大規定数(3)からすでにベットされているベット数を減じた数に満たない場合には、ベットスイッチ10の操作に基づくベット処理を行わないようになっている。
例えば、ベット数が0の状態でベットスイッチ10が操作された場合において、クレジットが3以上である場合にはベット処理を行い、クレジット数を3だけ減算するとともに、ベット数に3を加算して3とする。これにより、3枚掛け遊技を行うことができる。一方、クレジットが3未満(2又は1又は0)である場合には、ベット処理を行わず、クレジット数もベット数も変化させない。この場合には、ベットが全くされていない状態でスタートスイッチ20が有効化されないので、遊技を開始させることができない。ただし、投入制御手段110は、メダルセンサ7Aの検出信号を入力した場合には、クレジット数に関わりなくベット処理を行うので、メダル投入口5からのメダルの投入によりベット数が2以上になるとスタートスイッチ20の操作が有効化される。
【0029】
また、ベット数が1(メダル投入口5からメダルを1枚投入した後)の状態でベットスイッチ10が操作された場合において、クレジット数が2以上である場合には、ベット処理を行い、クレジット数を2だけ減算するとともに、ベット数に2を加算して3とする。これにより、3枚掛け遊技を行うことができる。一方、クレジット数が2未満(1又は0)である場合にはベット処理を行わない。この場合にも、メダル投入口5からメダルが投入されることに伴ってベット処理を行い、ベット数が2以上になるとスタートスイッチ20の操作が有効化される。
そして、ベット数が2の状態でベットスイッチ10が操作された場合において、クレジットが1以上である場合にはベット処理を行うが、クレジットが0である場合には当然であるがベット処理を行わない。
このように、本実施の形態では、ベットスイッチ10の操作によっては、2枚掛け遊技を行うことができないようになっている。2枚掛け遊技を行うためには、メダル投入口5にメダルを投入し、ベット数を2としてスタートスイッチ20を操作する必要がある。
【0030】
さらに、投入制御手段110は、入賞判定手段140が後述するリプレイの入賞を判定した場合には、前回の遊技のベット数と同一のベット数で自動的にベット状態を設定する。自動的にベット状態を設定する処理を自動ベット処理といい、投入制御手段110によって自動ベット処理が行われることを、再遊技の作動という。
なお、再遊技の作動中にメダル投入口5からメダルが投入された場合には、クレジットが最大貯留可能数未満であることを条件として、投入されたメダルをクレジットに移行させるようにしてもよい。
【0031】
(役抽選手段120)
役抽選手段120は、回転リール61〜63に付されている図柄による所定の図柄組合せが対応付けられた複数種類の役を対象として行う役抽選により、1又は複数の役の当選又は不当選のいずれかの抽選結果を導出するものである。役抽選手段120は、図示しないが、乱数発生手段、乱数抽出手段、役抽選テーブル、判定手段及び当選状態設定手段を備えている。乱数発生手段は、一定時間に所定(例えば0から65535)の数字を繰り返してカウントするループカウンタであり、乱数抽出手段は、スタートスイッチ20の操作信号を入力したタイミングで、ループカウンタのカウント値を読み取って記憶するものである。ループカウンタは乱数を発生しているわけではないが、ループカウンタのカウント値を乱数抽出手段が読み取ることにより、ランダムな数値を抽出できるので、便宜上乱数発生手段というものとする。役抽選テーブルは、ループカウンタがカウントする数値(乱数発生手段の発生可能な全乱数値)を全領域として所定の当選領域を規定したものである。判定手段は、カウント値抽出手段の読み取ったカウント値と役抽選テーブルの当選領域とを照合し、カウント値が所定の当選領域に属する場合には当該当選領域に対応する当選を決定し、カウント値がいずれの不当選の領域に属する場合には、「ハズレ」の決定をするものである。当選状態設定手段は、判定手段が当選を決定した場合に、当該当選に対応する当選フラグを成立させることにより当選状態を設定するものである。
【0032】
前記役としては、入賞すると所定枚数のメダルが払い出される小役と、入賞すると次遊技において投入操作を行うことなく再度の遊技を行えるリプレイと、入賞すると次遊技から特別遊技が行われるボーナスとを備えている。
本実施の形態においては、
図4に示すように、ボーナスとして、「BAR・BAR・スイカ」の図柄組合せが対応付けられたBB1(ビッグボーナス1)と、「BAR・スイカ・BAR」の図柄組合せが対応付けられたBB2(ビッグボーナス2)が設けられている。ボーナスが入賞すると、次の遊技から、小役の当選確率を高くすることにより小役を入賞し易くした特別遊技が、特別遊技を開始させるための図柄組合せの表示なしに連続して行われるようになっている。ボーナスの入賞に基づく特別遊技は、払い出しメダルの総数があらかじめ定められた一定枚数を超えた場合に終了する。例えば、BB1の入賞に基づく特別遊技は、払い出しメダルの総数が30枚を超えた場合に終了し、BB2の入賞に基づく特別遊技は、払い出しメダルの総数が8枚を超えた場合に終了する。
また、本実施の形態では、BB1は、3枚掛け遊技専用のボーナスであり、3枚掛け遊技においてのみ当選するとともに3枚掛け遊技においてのみ入賞するようになっている。また、BB2は、2枚掛け遊技専用のボーナスであり、2枚掛け遊技においてのみ当選するとともに2枚掛け遊技においてのみ入賞するようになっている。ただし、BB1の入賞に基づく特別遊技も、BB2の入賞に基づく特別遊技も、3枚掛け遊技のみ実行可能な設定となっている(2枚掛け遊技は行えない)。
なお、上述のように、BB1は3枚掛け遊技においてのみ当選し、BB2は2枚掛け遊技においてのみ当選するように設定するのではなく、3枚掛け遊技及び2枚掛け遊技のいずれにおいても、BB1及びBB2が当選可能となるように設定するとともに、3枚掛け遊技(最大規定数の遊技媒体の投入により行われる遊技)ではBB1がBB2よりも高確率で当選し、2枚掛け遊技(最大規定数未満の遊技媒体の投入により行われる遊技)ではBB2がBB1よりも高確率で当選するように設定してもよい。
【0033】
前記小役としては、ベル1〜ベル5までの5個のベル役と、3枚ベル1〜3枚ベル3までの3個の3枚ベル役と、特殊1〜特殊13までの13個の特殊役とが設けられている。
図4に示すように、ベル1には、「プラム・スイカ・スイカ」「プラム・札・札」など4個の図柄組合せが対応付けられており、ベル2には、「ベル・ベル・ベル」の図柄組合せが対応付けられており、ベル3には、「ベル・札・プラム」「ベル・スイカ・プラム」の2個の図柄組合せが対応付けられている。また、ベル4には、「プラム・札・プラム」「プラム・スイカ・プラム」の2個の図柄組合せが対応付けられており、ベル5には「札・ベル・ベル」「スイカ・ベル・ベル」の2個の図柄組合せが対応付けられている。そして、ベル1〜ベル5は、3枚掛け遊技においては入賞により8枚のメダルが払い出され、2枚掛け遊技においては入賞により4枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0034】
また、3枚ベル1には、「ベル・プラム・BAR」「ベル・プラム・チェリー」など4個の図柄組合せが対応付けられており、3枚ベル2には、「ベル・BAR・ベル」「ベル・チェリー・ベル」など4個の図柄組合せが対応付けられており、3枚ベル3には、「BAR・プラム・ベル」「チェリー・プラム・ベル」など4個の図柄組合せが対応付けられている。そして、3枚ベル1〜3枚ベル3は、3枚掛け遊技でも2枚掛け遊技でも入賞により3枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0035】
特殊1〜特殊4及び特殊9〜特殊12には、プラム図柄、花図柄、雲図柄、BAR図柄、チェリー図柄のいずれかを組み合わせて構成される図柄組合せが対応付けられている。特殊5〜特殊8には、ベル図柄、花図柄、雲図柄、BAR図柄、チェリー図柄のいずれかを組み合わせて構成される図柄組合せが対応付けられている。特殊13には「BAR・BAR・BAR」「BAR・花・花」など4個の図柄組合せが対応付けられている。特殊1〜特殊13は、3枚掛け遊技でも2枚掛け遊技でも入賞により1枚のメダルが払い出されるようになっている。
【0036】
前記リプレイとしては、リプレイ1〜リプレイ3の3個が設けられている。リプレイ1には、「札・ベル・プラム」「スイカ・ベル・プラム」の2個の図柄組合せが対応付けられており、リプレイ2には、「BAR・ベル・札」「チェリー・ベル・スイカ」など8個の図柄組合せが対応付けられており、リプレイ3には、「ベル・札・BAR」「ベル・スイカ・ベル」など4個の図柄組合せが対応付けられている。リプレイ1に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に揃うと、有効ラインではない無効ラインのうち、回転リール61〜63の中段に位置する図柄を繋いでできる中段ラインD1(
図5(A)参照)にプラム図柄が揃うようになっている。また、リプレイ2に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に揃うと、無効ラインのうち、回転リール61の下段に位置する図柄、回転リール62の中段に位置する図柄、回転リール63の上段に位置する図柄を繋いでできる右上がり段ラインD2(
図5(B)参照)にプラム図柄が揃うようになっている。そして、リプレイ3に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に揃うと、中段ラインD1にBAR図柄が揃う場合があるようになっている(
図5(C)参照)。
【0037】
上記した当選状態設定手段は、役抽選の結果、小役が当選した場合には小役フラグ(ベル1フラグ、3枚ベル2フラグ、特殊3フラグなど)を成立させ、BBが当選した場合にはボーナスフラグ(BB1フラグ、BB2フラグ)を成立させ、リプレイが当選した場合にはリプレイフラグ(リプレイ1フラグ、リプレイ2フラグなど)を成立させる。また、複数の役が同時に当選する重複当選領域が当選した場合には、当該領域に含まれる全ての役に対応する当選フラグを成立させる。小役フラグ及びリプレイフラグは1回の遊技限りでリセットされるが、ボーナスフラグは、当該ボーナスが入賞するまでリセットされない。すなわち、小役、リプレイが当選した場合には当選状態が次遊技に持ち越されないが、BB1又はBB2が当選した場合には、当選状態が次遊技以降に持ち越されるようになっている。
【0038】
本実施の形態における役抽選テーブルの概念図を
図6及び
図7に示す。
図6は3枚掛け遊技に用いられる役抽選テーブルを示し、
図7は2枚掛け遊技に用いられる役抽選テーブルを示している。
図示した各役抽選テーブルは、0〜65535の数値を全領域として、複数の当選項目の占める領域(当選領域)を規定したものであり、各当選領域の全領域に対する割合が、当該当選項目の当選確率を表すものとなっている。
役抽選テーブルとしては、通常状態において行われる通常遊技で用いられる通常テーブル(
図6(A)、
図7(D)参照)、ボーナス成立状態において行われるボーナス成立遊技で用いられるボーナス内部中テーブル(
図6(B)、
図7(E)参照)、及びボーナス作動状態において行われる特別遊技で用いられるボーナステーブル(
図6(C)参照)が設けられている。
ここで、通常状態、ボーナス成立状態(以下ボーナス内部中という)及びボーナス作動状態(以下ボーナス作動中という)は、それぞれ、役抽選手段120の抽選態様の違いに基づく遊技状態を示すものである。通常状態は、スロットマシンSの初期状態(工場出荷時又は設定変更時)の遊技状態であり、ボーナス内部中は、BB1又はBB2の当選状態が持ち越されている遊技状態であり、ボーナス作動中は、BB1又はBB2の入賞に基づく特別遊技が行われる遊技状態である。
【0039】
当選領域には、不当選(ハズレ)も含まれる。また、当選領域には、単独の役のみから構成される当選領域と、複数の役から構成される当選領域がある。具体的には、「BB1」「BB2」「リプレイ」「特殊13」の当選領域は、それぞれ、BB1、BB2、複数のリプレイ(リプレイ1〜3)、特殊13役の単独当選領域である。なお、図示していないが、「リプレイ」の当選領域は、リプレイ1の当選領域が最も大きく、リプレイ2及びリプレイ3の各当選領域は極めて少なく(例えば33/65536)設定されている。
一方、「打順ベル」「打順3枚役」「3枚役」「全1枚役」及び「全小役」の当選領域は、複数の小役の重複当選領域となっている。「打順ベル」の当選領域は、
図8(A)に示すように、「左中1」〜「右中4」の24個の当選領域から構成されている。そして、これらの各当選領域は、複数の特殊役(特殊1〜12のいずれか複数)と1つのベル役(ベル1〜ベル5のいずれか1つ)の重複当選領域となっている。「打順3枚役」の当選領域は、
図8(B)に示すように、「左1」〜「中右8」の8個の当選領域から構成されている。そして、これらの各当選領域は、1又は複数の特殊役(特殊1〜12のいずれか1又は複数)と1つの3枚ベル役(3枚ベル1又は3枚ベル2のいずれか1つ)の重複当選領域となっている。「3枚役」は、3つの3枚ベル役(3枚ベル1〜3枚ベル3)の重複当選領域であり、「全1枚役」は13の特殊役(特殊1〜特殊13)の重複当選領域であり、「全小役」は、全ての小役の重複当選領域である。
【0040】
ここで、上記した「打順ベル」の24個の重複当選領域に対しては、3個の停止スイッチ31〜33に基づく6通りの操作順(打順)が割り当てられている。
具体的には、「打順ベル」のうち、「左中1」〜「左中4」の各当選領域に対しては、停止スイッチ31、32、33の順で操作する打順「左中右」が割り当てられており、「左右1」〜「左右4」の各当選領域に対しては、停止スイッチ31、33、32の順で操作する打順「左右中」が割り当てられている。また、「中左1」〜「中左4」の各当選領域に対しては、停止スイッチ32、31、33の順で操作する打順「中左右」が割り当てられており、「中右1」〜「中右4」の各当選領域に対しては、停止スイッチ32、33、31の順で操作する打順「中右左」が割り当てられている。また、「右左1」〜「右左4」の各当選領域に対しては、停止スイッチ33、31、32の順で操作する打順「右左中」が割り当てられており、「右中1」〜「右中4」の各当選領域に対しては、停止スイッチ33、32、31の順で操作する打順「右中左」が割り当てられている。
そして、割り当てられている打順が、各当選領域の当選に対する正解の打順となっており、「打順ベル」のいずれかが当選した場合、正解の打順で停止スイッチ31〜33が操作されたか否かによって、入賞し得る役が変化するようになっている(
図9(A)参照)。
【0041】
また、上記した「打順3枚役」の8個の重複当選領域に対しては、前記した6通りの打順のうち、左停止スイッチ31を最初に操作する打順(「左中右」「左右中」、以下左押しという)と、左押し以外の打順(「中左右」「中右左」「右左中」「右中左」、以下中右押しという)が割り当てられている。具体的には、「打順3枚役」のうちの「左1」〜「左4」の各当選領域に対しては左押しが割り当てられており、「中右5」〜「中右8」の各当選領域に対しては中右押しが割り当てられている。割り当てられている打順が、各当選領域の当選に対する正解の打順となっており、「打順3枚役」のいずれかが当選した場合、正解の打順で停止スイッチ31〜33が操作されたか否かによって、入賞し得る役が変化するようになっている(
図9(B)参照)。
【0042】
図6及び
図7に示す各役抽選テーブルの括弧内の数値は、分母を65536とした場合の各領域の当選確率を示す値数を示している。
図6に示すように、3枚掛け通常テーブルは、「不当選」が10/65536(1/6553.6)、「BB1」が6446/65536(約1/10.2)、「リプレイ」が8978/65536(約1/7.3)、「打順3枚役」が8000/65536(約1/8.2)、「打順ベル」が37080/65536(約1/1.7)、「3枚役」が4000/65536(約1/16.4)「特殊13」が1022/65536(約1/64.1)の確率で、それぞれ当選するように設定されている。なお、「打順ベル」「打順3枚役」に含まれる個々の当選領域の値数は、
図8に示している。また、図示していないが「リプレイ」のうちわけは、全ての役抽選テーブルにおいて、「リプレイ2」「リプレイ3」がそれぞれ33/65536、残りが「リプレイ1」となっている。3枚掛けボーナス内部中テーブルは、小役の当選項目の種類及び小役の当選確率が3枚掛け通常テーブルと同等に設定されているとともに、「リプレイ」が15434/65536(約1/4.2)の確率で当選するように設定されている。ボーナステーブルは、「不当選」が約1/4.2の確率で当選し、全ての小役の当選確率(合算値)が通常テーブルよりも高くなるように設定されているとともに、個々の小役の当選確率が、通常テーブルにおける個々の小役の当選確率以上となるように設定されている。ボーナステーブルには「リプレイ」の領域が無く、ボーナス内部中テーブルには「不当選」の領域が無い(不当選の確率が0である)。
【0043】
また、
図7に示すように、2枚掛け通常テーブルは、「不当選」「リプレイ」「打順3枚役」「打順ベル」「特殊13」については3枚掛け通常テーブルと同等に設定されているとともに、「BB2」が10442/65536(約1/6.3)、「3枚役」が4/65536(1/16384)の確率で、それぞれ当選するように設定されている。2枚掛けボーナス内部中テーブルは、小役の当選項目の種類及び小役の当選確率が2枚掛け通常テーブルと同等に設定されているとともに、「リプレイ」が19430/65536(約1/3.4)の確率で当選するように設定されている。このように形成されているので、通常状態において2枚掛け遊技を行った場合には、3枚掛け遊技を行った場合よりもボーナス(BB2)が当選しやすく、ボーナス内部中において2枚掛け遊技を行った場合には、3枚掛け遊技を行った場合よりもリプレイが当選しやすくなる。なお、ボーナス作動中は規定数が「3」に設定されているので、2枚掛けのボーナステーブルはない。
【0044】
ここで、ボーナステーブルの小役の当選確率について説明する。ボーナステーブルにおける「全小役」の値数は10741、「全1枚役」の値数は39362であり、ボーナステーブルにおける小役の値数の合算値は50103である。一方、3枚掛け通常テーブル及び3枚掛けボーナス内部中テーブル(以下3枚掛けボーナス非作動中テーブルという)における小役の値数の合算値は50102であり、2枚掛け通常テーブル及び2枚掛けボーナス内部中テーブル(以下2枚掛けボーナス非作動中テーブルという)における小役の値数の合算値は46106である。すなわち、ボーナステーブルは、3枚掛けボーナス非作動中テーブル及び2枚掛けボーナス非作動中テーブル(以下ボーナス非作動中テーブルという)よりも小役の当選確率(合算値)が高くなるように形成されている。
【0045】
また、ボーナス非作動中テーブルにおけるベル1、ベル3、ベル4のそれぞれの値数は8240(2060×4又は1030×8)であり、ベル2、ベル5のそれぞれの値数は6180(1545×4)である。また、ボーナス非作動中テーブルにおける3枚ベル1、3枚ベル2の値数は8000(4000+4000)であり、3枚ベル3の値数は4000である。また、ボーナス非作動中テーブルにおける特殊13の値数は1022である。そして、ボーナス非作動中テーブルにおける特殊1〜特殊12のそれぞれの値数は19540{(2060×4)+(1030×4)+(1545×4)+1000}である。一方、ボーナステーブルにおいては、1枚役である特殊1〜特殊13の値数が50103(39362+10741)となっているので、これらの役の当選確率はいずれもボーナス非作動中テーブルよりも高くなっている。また、ボーナステーブルにおいては、入賞により3枚のメダルが払い出される3枚ベル1〜3枚ベル3、入賞により8枚又は4枚のメダルが払い出されるベル1〜ベル5の値数が10741となっているので、これらの役の当選確率はいずれもボーナス非作動中テーブルよりも高くなっている。すなわち、ボーナステーブルにおいては、全ての小役のそれぞれの当選確率が、ボーナス非作動中テーブルにおける各小役の当選確率を下回らないように設定されている。
【0046】
ただし、ボーナス非作動中テーブルでは、ベル1〜ベル5が同時に当選することはないのに対して、ボーナステーブルでは、ベル1〜ベル5が同時に当選するようになっている(当選領域「全小役」)。このため、ボーナス非作動中テーブルでは、ベル1、ベル3、ベル4のうちのいずれかが当選する確率が24720/65536(約1/2.7)、ベル2、ベル5のうちのいずれかが当選する確率が12360/65536(約1/5.3)であるのに対し、ボーナステーブルでは、ベル1〜ベル5のそれぞれの当選する確率が10741/65536(約1/6.1)となっている。すなわち、通常状態又はボーナス内部中(以下ボーナス非作動中という)において3枚掛け遊技で「打順ベル」が当選した場合、及びボーナス作動中において3枚掛け遊技で「全小役」が当選した場合に必ず8枚払い出しのベル役(ベル1〜ベル5のいずれか)が入賞したとすると、ボーナステーブルでは、小役の入賞により8枚のメダルが払い出される確率が、ボーナス非作動中テーブルよりも低くなる。
【0047】
そして、ボーナス内部中の特定時(後述するAT作動状態)においては、「打順ベル」の当選時に、ベル1〜ベル5のいずれかを入賞させるための打順が報知され、報知に従って停止操作すれば、必ずベル1〜ベル5のいずれかが入賞して、3枚掛け遊技であれば8枚のメダルが払い出されるようになっている。これにより、ボーナス作動中は、小役全体の当選確率がボーナス非作動中よりも高く、かつ個々の小役の当選確率はボーナス非作動中を下回らないようになっているものの、ボーナス内部中の特定時(AT作動状態)と比べると、遊技者の手持ちのメダルを増やしにくい状態となる。
【0048】
また、本実施の形態では、ボーナス作動中は、投入メダル数と入賞による払い出しメダル数の差枚数が、0以下となるように設定されている。すなわち、ボーナステーブルに規定されている当選確率通りに小役が当選したと仮定して、終了条件となる数(30枚又は8枚)のメダルが払い出されるまでに、払い出されるメダル数よりも多くのメダルを投入しなければならないようになっており、ボーナス作動中は手持ちのメダルが目減りするものとなっている。
また、3枚掛けボーナス非作動中テーブルと、2枚掛けボーナス非作動中テーブルを比較すると、2枚掛けボーナス内部中テーブルでは、打順にかかわらず入賞により3枚のメダルが払い出される「3枚役」の当選確率が極めて低く設定されている。また、2枚掛け遊技では、「打順3枚役」の当選時に3枚ベル1、3枚ベル2のいずれかが入賞した場合の当該遊技でのメダルの純増数が、3枚掛け遊技よりも多いものの、「打順ベル」の当選時にベル1〜ベル5のいずれかが入賞した場合の当該遊技でのメダルの純増数が、3枚掛け遊技では5枚、2枚掛け遊技では2枚となっている。全体としては、2枚掛け遊技は、3枚掛け遊技よりも遊技者の手持ちのメダルを増やしにくい(遊技者に不利な)状態となっている。
なお、本実施の形態では、上述の如く、ボーナステーブルにおいては、全ての小役のそれぞれの当選確率がボーナス非作動中テーブルにおける各小役の当選確率よりも高く設定されているが、これに限定されるものではなく、一部の小役について、ボーナステーブルにおける当選確率がボーナス非作動中テーブルにおける当選確率よりも高くなるように設定し、他の小役については、ボーナステーブルにおける当選確率とボーナス非作動中テーブルにおける当選確率とが同一となるように設定してもよい。例えば、ボーナステーブルにおいては、ベル1〜ベル5のいずれか一又は複数のベルの当選確率がボーナス非作動中テーブルにおける当該ベルの当選確率よりも高くなるように設定し、これ以外の小役の当選確率はボーナス非作動中テーブルにおける当該小役の当選確率と同一となるように設定してもよい。また、ボーナステーブルにおいては、特殊13の当選確率がボーナス非作動中テーブルにおける当該小役の当選確率よりも高くなるように設定し、特殊13以外の小役の当選確率はボーナス非作動中テーブルにおける当該小役の当選確率と同一となるように設定してもよい。このように設定した場合にも、ボーナステーブルにおいては、全ての小役のそれぞれの当選確率が、ボーナス非作動中テーブルにおける各小役の当選確率を下回らないこととなる。
【0049】
(リール制御手段130)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20及び停止スイッチ31〜33の操作信号に基づいて、回転リール61〜63の回転及び停止を制御するためのものである。以下、リール制御手段130による回転リール61〜63の回転制御及び停止制御について説明する。
(回転制御)
リール制御手段130は、スタートスイッチ20の有効な操作信号を入力した場合に、リールユニット2のモータ駆動回路に、所定の間隔で駆動パルス(駆動信号)を出力することにより、リールモータM1〜M3を駆動させて回転リール61〜63を回転させるものである。すなわち、規定数のメダルがベットされている状態でスタートスイッチ20の操作信号を入力した場合には、前遊技における回転リール61〜63の回転開始から一定時間(4.1秒、いわゆるウエイト時間)が経過していることを条件に、全ての回転リール61〜63を一斉に、あるいは所定の順番で回転開始させる。そして、全ての回転リール61〜63の回転速度が、停止操作を可能とするためにあらかじめ設定された定常回転速度(例えば80rpm)に達すると、この定常回転速度を維持する定常回転を行わせるものとなっている。
【0050】
ここで、リール制御手段130は、リールモータM1〜M3の駆動速度を制御するための制御データ(加速度データ)に基づいて、回転リール61〜63の回転を制御する。加速度データは、リールモータM1〜M3を励磁させるための駆動パルス(駆動信号)の出力態様をテーブル上に規定したものであり、加速度データに基づいて所定の駆動信号がモータ駆動回路に出力されることにより、回転リール61〜63を回転開始させ、回転速度を加速又は減速させ、あるいは一定速度(定常回転速度)を保って回転させることができるようになっている。
【0051】
(停止制御)
リール制御手段130は、リールセンサ2A(
図2参照)の検出信号に基づき回転リール61〜63の回転角度を把握し、回転リール61〜63の回転角度から、所定位置(例えば上段位置)にある図柄を特定すること(図柄参照)ができるようになっている。そして、リール制御手段130は、停止スイッチ31〜33の作動時点(停止スイッチ31〜33の操作が検出された時点=停止操作のタイミング)において所定位置にある回転リール61〜63の図柄を基準図柄として、回転リール61〜63の回転角度が前記基準図柄をあらかじめ定められたコマ数(最大スベリコマ数、例えば3コマ)だけ回転方向に移動させたコマ数(引き込み可能コマ数、例えば4コマ)の範囲内となるように、回転リール61〜63を停止させることができる。
【0052】
具体的には、前記基準図柄を所定位置(例えば上段位置)に停止させてもよい場合には、停止操作のタイミングで、停止信号を出力してそのまま回転リール61〜63を停止させる。また、基準図柄を所定位置に停止させることによって有効ライン上に停止させてはいけない図柄が停止することとなる場合には、リールモータM1〜M3の駆動を停止させるための駆動パルス(停止信号)を出力するタイミングを遅らせて、有効ライン上からその図柄を蹴飛ばす蹴飛ばし処理を行う。また、前記引き込み可能コマ数の範囲内に、当選した役に対応付けられた図柄組合せを構成する図柄(当選図柄)が含まれている場合には、停止信号を出力するタイミングを遅らせて、有効ライン上にその当選図柄を引き込む引き込み処理を行う。
【0053】
リール制御手段130は、これらの処理を、回転リール61〜63の停止位置候補を特定するためのあらかじめ定められた優先順位に基づいて、基準図柄から何コマ分回転させて回転リール61〜63を停止させるかを役抽選の結果及び停止操作のタイミングに応じて図柄ごとにテーブル上に規定した停止テーブルを用いて行う。
本実施の形態では、役についての優先順位が「リプレイ>小役>ボーナス」の順序で定められており、停止テーブルでは、ボーナス(BB1、BB2)と小役が同時に当選している場合(ボーナスフラグが持ち越されている状態において小役が当選した場合)には小役に対応付けられた図柄を優先的に有効ライン上に引き込み、ボーナスとリプレイが同時に当選している場合(ボーナスフラグが持ち越されている状態においてリプレイが当選した場合)にはリプレイに対応付けられた図柄を優先的に有効ライン上に引き込むように形成されている。したがって、ボーナス内部中において、ボーナスに対応付けられた図柄が優先的に引き込まれるのは、役抽選の結果が不当選の場合のみとなる。しかし、本実施の形態においては、ボーナス内部中テーブルには不当選の領域が無いので、ボーナスが当選したその遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、ボーナスが入賞する場合はない。
【0054】
また、停止テーブルとしては、引き込み可能コマ数の範囲内で当選図柄を有効ライン上に引き込み、当選図柄以外の図柄を有効ライン上から蹴飛ばすように、回転リール61〜63の停止位置が規定された当選図柄引き込みテーブルと、引き込み可能コマ数の範囲内で、いかなる役に対応する図柄組合せも有効ライン上に揃わないように、回転リール61〜63の停止位置が規定されたハズレテーブルとが設けられている。停止テーブルは、3個の回転リール61〜63にそれぞれ対応して設けられており、先に停止した回転リールの停止図柄に応じて、未停止の回転リールの停止テーブルが選択されるようになっている。
【0055】
(打順が割り当てられた当選領域の当選時の停止制御)
次に、「打順ベル」のいずれか、すなわち
図8(A)に示す「左中1」〜「右中4」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について、
図9(A)に基づき説明する。
まず、リール制御手段130は、役抽選により「左中1」「左中2」「左右1」「左右2」が当選した場合において、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の打順で停止操作された場合には、ベル1の図柄組合せを構成する図柄(ベル1に対応する図柄)を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、停止操作のタイミングにかかわらずベル1が入賞し、8枚(2枚掛け遊技では4枚)のメダルが払い出される。また、「左中3」「左中4」「左右3」「左右4」が当選した場合において正解の打順で停止操作された場合には、ベル4に対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行い、この場合には停止操作のタイミングにかかわらずベル4が入賞し、8枚のメダルが払い出される。同様にして、「中左1」「中左2」「中右1」「中右2」が当選した場合において正解の打順で停止操作された場合にはベル2に対応する図柄、「中左3」「中左4」「中右3」「中右4」が当選した場合において正解の打順で停止操作された場合にはベル5に対応する図柄を、それぞれ有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行い、これにより、停止操作のタイミングにかかわらずベル2又はベル5が入賞する。また、「右左1」「右左2」「右中1」「右中2」が当選した場合において正解の打順で停止操作された場合にはベル3に対応する図柄、「右左3」「右左4」「右中3」「右中4」が当選した場合において正解の打順で停止操作された場合にはベル4に対応する図柄を、それぞれ有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行い、これにより、停止操作のタイミングにかかわらずベル3又はベル4が入賞し、いずれも8枚のメダルが払い出される。
【0056】
一方、「左中1」〜「右中4」のいずれかの当選時に、各当選領域に対応する正解の打順以外の不正解の打順で停止操作された場合には、各当選領域に含まれる特殊1〜特殊12のいずれかの特殊役に対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。例えば、「左中1」の当選時には特殊1、特殊4、特殊5、特殊8、特殊9、特殊12のうちのいずれかに対応する図柄を、有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。停止操作のタイミングが、いずれかの特殊役の図柄組合せを有効ライン上に引き込み可能なタイミングであった場合には、いずれかの特殊役が入賞し、1枚のメダルが払い出される。一方、停止操作のタイミングが、いずれかの特殊役の図柄組合せを有効ライン上に引き込み可能なタイミングでない場合には、何の役も入賞しない。
以上のように、「打順ベル」の当選時において、正解の打順で停止操作すると必ず8枚(2枚掛け遊技では4枚)のメダルが払い出され、不正解の打順で停止操作すると1枚のメダルが払い出される場合があるようになっている。正解の打順で停止操作した場合に入賞するベル1、ベル2、ベル3、ベル4及びベル5をあわせて正解ベルというものとする。
【0057】
続いて、「打順3枚役」のいずれか、すなわち
図8(B)に示す「左1」〜「中右8」のいずれかの当選領域が当選した場合の停止制御について、
図9(B)に基づき説明する。
まず、リール制御手段130は、役抽選により「左1」〜「左4」が当選した場合において、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の打順(左押し)で停止操作された場合には、3枚ベル1に対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、停止操作のタイミングにかかわらず3枚ベル1が入賞し、3枚のメダルが払い出される。また、役抽選により「中右5」〜「中右8」が当選した場合において、当選した当選領域に対して割り当てられている正解の打順(中右押し)で停止操作された場合には、3枚ベル2に対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。これにより、停止操作のタイミングにかかわらず3枚ベル2が入賞し、3枚のメダルが払い出される。
【0058】
一方、「左1」〜「中右8」のいずれかの当選時に、各当選領域に対応する正解の打順以外の不正解の打順で停止操作された場合には、各当選領域に含まれる特殊1〜特殊12のいずれかの特殊役に対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。例えば、「左1」の当選時には特殊5、特殊12のうちのいずれかに対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行い、「中右5」当選時には特殊1に対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。停止操作のタイミングが、いずれかの特殊役の図柄組合せを有効ライン上に引き込み可能なタイミングであった場合には、いずれかの特殊役が入賞し、1枚のメダルが払い出される。一方、停止操作のタイミングが、いずれかの特殊役の図柄組合せを有効ライン上に引き込み可能なタイミングでない場合には、何の役も入賞しない。正解の打順で停止操作した場合に入賞する3枚ベル1及び3枚ベル2をあわせて正解3枚ベルというものとする。
【0059】
なお、リール制御手段130は、「全1枚役」の当選時には、打順に関わらず、特殊1〜特殊13のいずれかに対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。いずれの図柄を有効ライン上に引き込むかは、停止スイッチ31〜33の操作タイミングに応じて停止テーブルに規定されている。また、リール制御手段130は、「3枚役」の当選時には、打順及び停止操作のタイミングにかかわらず、3枚ベル1〜3枚ベル3のいずれかに対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。いずれの図柄を有効ライン上に引き込むかは、停止スイッチ31〜33の操作タイミングに応じて停止テーブルに規定されている。さらに、リール制御手段130は、「全小役」の当選時には、打順及び停止操作のタイミングに関わらず、ベル1〜ベル5のいずれかに対応する図柄を有効ライン上に引き込んで停止させる制御を行う。いずれの図柄を有効ライン上に引き込むかは、停止スイッチ31〜33の操作タイミングに応じて停止テーブルに規定されている。
【0060】
(入賞判定手段140)
入賞判定手段140は、停止スイッチ31〜33の操作によって回転リール61〜63が全て停止したときに、当該遊技の結果を判定するためのものである。
具体的には、回転リール61〜63が停止したときに所定の記憶部に記憶される停止図柄の情報に基づき、有効ライン上に揃った図柄の組合せが、所定の役に対応付けられたものか否かを判断する。そして、所定の役に対応付けられた図柄組合せが有効ライン上に表示されたと判断した場合には入賞と判定し、その判定結果情報を、払出制御手段150及び遊技状態移行手段160に送信する。
【0061】
(払出制御手段150)
払出制御手段150は、入賞判定手段140の判定結果及び精算スイッチ40の操作に基づいて、ホッパーモータ3Bを作動させてホッパーユニット3からメダルを払い出させるものである。すなわち、入賞判定手段140が小役の入賞を判定した場合には、当該小役の入賞に応じたメダルを払い出させ、クレジットが1以上ある場合に精算スイッチ40の操作信号を入力したときには、クレジットとして貯留されているメダルを払い出させるようになっている。
なお、入賞により払い出されるメダルを、クレジットに電子的に貯留し、クレジットを超過する払い出し分をホッパーユニット3から払い出させるようにしてもよい。
【0062】
(遊技状態移行手段160)
遊技状態移行手段160は、遊技状態の移行を制御するものである。本実施の形態では、前述したように、遊技状態として、通常状態と、ボーナス内部中と、ボーナス作動中とが設けられている(
図10参照)。ボーナス内部中には、BB1の当選状態が持ち越されているBB1内部中と、BB2の当選状態が持ち越されているBB2内部中とが含まれる。ボーナス作動中には、BB1の入賞に基づく特別遊技が行われるBB1作動中と、BB2の入賞に基づく特別遊技が行われるBB2作動中とが含まれる。スロットマシンSの遊技状態は、初期状態(工場出荷時又は設定変更時)において通常状態に設定されており、遊技状態移行手段160は、通常状態において行われる通常遊技でボーナスが当選し当該遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、遊技状態をボーナス内部中に移行させる。また、ボーナスが当選し当該遊技でボーナスが入賞した場合には、遊技状態をボーナス作動中に移行させる。ボーナスが入賞した場合には、次遊技から特別遊技が開始される。そして、所定のボーナス終了条件(所定枚数を超える払い出し)に該当した場合には、遊技状態を通常状態に移行させる。そして、役抽選手段120が遊技状態に応じた役抽選テーブルを取得し役抽選を行うことにより、通常状態、ボーナス内部中、ボーナス作動中の各遊技状態が発動する。
ここで、既述したように、本実施の形態においては、ボーナス内部中にボーナスを入賞させることができない仕様となっている。したがって、本実施の形態における遊技状態は、一旦BBが当選し当該遊技でボーナスが入賞しなかった場合には、常にボーナス内部中に滞在することとなる。
なお、本実施の形態では、いずれかのボーナスのボーナス内部中において、このボーナスが当選及び入賞しない規定数で遊技が行われた場合であっても、遊技状態はこのボーナスのボーナス内部中のままであり、他のボーナスが当選することは無いようになっている。具体的には、BB1は、上述の如く、3枚掛け遊技においてのみ当選及び入賞するようになっているが、BB1のボーナス内部中に2枚掛け遊技が行われた場合であっても、遊技状態は、通常状態に移行するようなことはなくBB1のボーナス内部中のままであり、BB2が新たに当選することは無い。同様に、BB2は、2枚掛け遊技においてのみ当選及び入賞するようになっているが、BB2のボーナス内部中に3枚掛け遊技が行われた場合であっても、遊技状態は、通常状態に移行するようなことはなくBB2のボーナス内部中のままであり、BB1が新たに当選することは無い。
【0063】
(AT制御手段170)
AT制御手段170は、当選役に関する情報が報知されるAT(アシストタイム)の開始及び終了を制御する手段であり、図示しないが、演出状態決定手段、AT抽選手段及び遊技回数管理手段を備えている。
【0064】
(演出状態決定手段)
演出状態決定手段は、サブ制御装置200の制御に基づく演出状態を、正解ベルの入賞を補助する補助演出(打順ナビ)が行われるAT状態と、それ以外の通常演出状態との間で移行させる決定を行うものである。演出状態決定手段の決定は所定の記憶部に記憶されるとともに、当該決定に関する情報がサブ制御装置200に出力される。そして、演出状態決定手段の決定に基づき、サブ制御装置200が演出状態に応じた演出実行制御を行うことにより、所定の演出状態が発動する。
【0065】
スロットマシンSの演出状態は、初期状態においては、通常演出状態となっている。演出状態決定手段は、通常演出状態中において、後述するAT移行抽選に当選した場合には、演出状態をAT状態に移行させる決定を行う。
AT状態中(以下AT中という)においては、サブ制御装置200により、「打順ベル」及び「打順3枚役」の当選時に正解ベル及び正解3枚ベルを入賞させるための打順ナビ(ベルナビ)が行われる。AT中に行われる遊技をAT遊技という。そして、AT作動状態において、所定回数のAT遊技が終了した場合には、後述する継続抽選に当選しなかったことを条件に、演出状態を通常演出状態に移行させる決定を行う。継続抽選に当選した場合には、通常演出状態に移行させる決定を行わず、AT状態が維持される。
【0066】
(AT抽選手段)
AT抽選手段は、ATに関する抽選を行うものである。本実施の形態においては、AT抽選手段は、AT移行抽選、上乗せ抽選及び継続抽選を行う。AT抽選は、AT抽選用の乱数と、AT抽選用の抽選テーブル(AT移行抽選テーブル、上乗せ抽選テーブル、継続抽選テーブル)を用いて、役抽選と同様の手法で行われる。
AT移行抽選は、ボーナス内部中の通常演出状態中において、AT状態に移行させるか否かを抽選により決定するものである。本実施の形態では、AT抽選手段は、AT移行抽選の契機となる特定抽選結果が発生した場合に、AT移行抽選を行う。例えば、役抽選で「リプレイ2」「リプレイ3」「特殊13」「3枚役」などが当選した場合に、AT移行抽選を行う。AT移行抽選の当選確率(AT当選確率)は、発生した特定抽選結果の種類に応じて定められている。
【0067】
ここで、AT当選確率(合算値)は、スロットマシンSの出玉の設定によって異なるものとなっている。スロットマシンSの出玉の設定は、1〜6の6段階に分かれており、設定を示す数値(設定値)が大きいほど、出玉率が高くなるように形成されている。すなわち、本実施の形態においては、設定値が高いほど、AT当選確率が高くなるように形成されており、AT当選確率の違いに基づいて、出玉率が異なるようになっている。また、本実施の形態では、役抽選における抽選確率及び抽選対象となる役の種類は、設定値にかかわらず同一に設定されている。なお、「リプレイ2」又は「リプレイ3」が当選した場合には、設定値にかかわらず100%の確率でAT移行抽選に当選する。
【0068】
上乗せ抽選は、AT中において、設定されているAT遊技回数を増加させるか否か及び増加させる回数を、抽選により決定するものである。本実施の形態では、AT抽選手段は、上乗せ抽選の契機となる特定抽選結果が発生した場合に、上乗せ抽選を行う。例えば、役抽選で「リプレイ2」「リプレイ3」「特殊13」「3枚役」などが当選した場合に、上乗せ抽選を行う。上乗せ抽選の当選確率や最大上乗せ数は、発生した特定抽選結果の種類に応じて定められている。なお、「リプレイ2」又は「リプレイ3」が当選した場合には、100%の確率で上乗せ抽選に当選する。
【0069】
継続抽選は、AT状態の期間として設定された所定回数のAT遊技の終了時に、AT状態を継続させるか否かを抽選により決定するものである。具体的には、AT抽選手段は、次のAT遊技を開始させてAT状態を継続させる(続行)か、AT状態を継続させない(終了)か、のいずれかを抽選により決定する。終了が決定された場合には演出状態決定手段が通常演出状態への移行を決定し、AT状態が終了する。また、続行が決定された場合にはAT状態が維持される。
なお、継続抽選は、所定回数のAT遊技の終了後、複数回(例えば3回)の遊技において行われるようにしてもよい。この場合、所定回数のAT遊技の終了後からAT状態の継続の可否が決定されるまでの間は、「打順ベル」の当選時にベルナビを行わせるようにしてもよい。
【0070】
(遊技回数管理手段)
遊技回数管理手段は、AT状態の期間となるAT遊技回数の設定や設定されているAT遊技回数の上乗せを管理するものであり、図示しないATカウンタを備えている。ATカウンタは、AT遊技回数をカウントするものである。
具体的には、遊技回数管理手段は、AT移行抽選に当選した場合、又は継続抽選に当選(続行が決定)した場合には、ATカウンタにAT遊技回数を最低保障回数(例えば40回)分だけ設定して記憶し、AT状態への移行が決定された次遊技から、ATカウンタの記憶値を、遊技開始ごとに1ずつ減算する。また、AT中に上乗せ抽選に当選した場合には、ATカウンタの記憶値に抽選で決定された数値を加算する。これにより、AT遊技回数が上乗せされ、AT状態の期間が延長される。
そして、ATカウンタの記憶値が、遊技消化に基づく減算によって0になり、かつ継続抽選に当選しなかった場合には、演出状態決定手段が通常演出状態への移行を決定し、ATが終了する。ATカウンタの記憶値が0になったか否かの判定は遊技終了時に行う。
【0071】
なお、ATの終了条件を、入賞によるメダルの払い出し枚数や、投入したメダルと払い出されたメダルの差枚数としてもよい。例えば、払い出し枚数や差枚数が所定数(例えば100枚)を超えた場合に継続抽選が行われ、継続しない場合にはATが終了するように設定することができる。この場合には、遊技回数管理手段の代わりに枚数管理手段を設け、ATカウンタはAT中のメダルの払い出し数や差枚数をカウントする。また、上乗せ抽選では、AT作動状態の終了条件となる枚数の上乗せを決定する。
【0072】
(フリーズ制御手段180)
フリーズ制御手段180は、所定の契機で本来の遊技の進行が停止した状態となるフリーズの発生及び終了を制御するものである。
具体的には、フリーズ制御手段180は、所定のフリーズ実行条件に該当している場合に、スタートスイッチ20の操作を契機とするフリーズを設定する。フリーズ制御手段180がフリーズを設定することにより、本来の遊技の進行が停止するフリーズが発生する。また、フリーズ制御手段180は、所定のフリーズ終了条件に該当した場合には、フリーズの設定を解除する。フリーズ制御手段180がフリーズの設定を解除することにより、フリーズが終了する。
【0073】
ここで、メイン制御装置100は、基本的に、回転リール61〜63の回転中や入賞によるメダルの払い出し中、あるいは再遊技の作動中には、ベット操作(メダルの投入又はベットスイッチ10の操作)を無効としている。すなわち、メダルセレクター7をメダルキャンセル状態にし、ベットスイッチ10の操作を無効としている(操作信号を受け付けない、あるいは受け付けても無視する。以下同様)。また、回転リール61〜63の回転中はもちろんのこと、回転リール61〜63が停止していてもベットがされていない状態では、スタートスイッチ20の操作を無効とし、所定のウエイト時間が経過するまでは、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の回転開始を保留する。すなわち、ウエイト時間の経過前にスタートスイッチ20の操作信号を入力しても、ウエイト時間が経過するまではリールモータM1〜M3に駆動信号が出力されないようになっている。ただし、スタートスイッチ20の操作信号に基づく役抽選処理は行われ、ウエイト時間の経過後、回転リール61〜63は再度のスタートスイッチ20の操作なしに回転開始する。また、回転リール61〜63が停止している場合はもちろんのこと、回転リール61〜63の回転開始後、回転速度が定常回転速度に達し、かつ全ての回転リール61〜63についてスタートインデックスが検知されて図柄参照が可能な状態となるまでは、停止スイッチ31〜33の操作を無効としている。
【0074】
一方、メイン制御装置100は、フリーズ制御手段180がフリーズを設定した場合には、スタートスイッチ20の操作に基づく回転リール61〜63の本来の回転開始を保留する。また、メイン制御装置100は、フリーズ制御手段180がフリーズの設定をしている間(フリーズ中)において、停止スイッチ31〜33の操作信号を受け付け、これらの操作信号の入力に基づき、サブ制御装置200によってフリーズ対応演出が行われるようになっている。
そして、フリーズ設定手段181によりフリーズの設定が解除されると、メイン制御装置100は回転リール61〜63の本来の回転開始の保留を解除する。これにより、フリーズ終了後、再度スタートスイッチ20が操作されなくても、回転リール61〜63は本来の回転を開始する。
【0075】
本実施の形態においては、フリーズ制御手段180は、演出状態が通常演出状態であるときに、役抽選で特定抽選結果が発生した場合、及び、演出状態がAT状態であるときに、AT遊技回数が0となった場合に、フリーズを実行するか否かのフリーズ実行抽選を行い、このフリーズ実行抽選に当選した場合に、所定のフリーズ実行条件に該当したものとしてフリーズの実行を決定する。特定抽選結果は、「リプレイ2」「特殊13」「3枚役」などが当選した場合とすることができる。ここで、前述したように、通常演出状態であるときに前記した特定抽選結果が発生した場合には、AT制御手段170によってAT移行抽選が行われるが、フリーズ実行抽選は、AT移行抽選に当選した場合も当選しなかった場合も行われる。AT移行抽選に当選した場合には、当選しなかった場合よりも高確率でフリーズ実行抽選に当選するようにしてもよい。フリーズ制御手段180は、フリーズの実行を決定した場合には、フリーズ実行フラグをONにしてその旨を記憶する。そして、通常演出状態の場合には当該遊技においてフリーズを設定し、AT状態の場合には次遊技のスタートスイッチ20の操作を契機としてフリーズを設定する。
【0076】
そして、フリーズが設定されてから予め定められた操作受付開始時間(例えば2秒)が経過すると、停止スイッチ31〜33の操作の受付が開始されるようになっており、フリーズ制御手段180は、このフリーズ中において、3個の停止スイッチ31〜33が操作され、その後、スタートスイッチ20が操作された場合には、所定のフリーズ終了条件に該当したものとしてフリーズの設定を解除する。
また、フリーズ制御手段180は、フリーズの設定とともに計時を開始するとともにいずれかの停止スイッチ31〜33が操作されるごとに計時値を初期化するフリーズタイマーを備え、フリーズタイマーの計時値が所定値(例えば60秒)となった場合にも、所定のフリーズ終了条件に該当したものとしてフリーズの設定を解除する。すなわち、フリーズ中に、所定時間いずれの停止スイッチ31〜33も操作されなかった場合や、いずれかの停止スイッチ31〜33が操作されたものの所定時間内に3個の停止スイッチ31〜33の全てが操作されなかった場合や、3個の停止スイッチ31〜33が操作されたものの所定時間スタートスイッチ20が操作されなかった場合には、フリーズの設定を解除する。フリーズ制御手段180は、フリーズの設定を解除する場合には、フリーズ実行フラグをOFFにする。
【0077】
なお、フリーズ制御手段180がフリーズを設定した場合には、回転リール61〜63の回転を保留するのではなく、回転リール61〜63が回転を開始するようにしてもよい。そして、このフリーズ中において、回転リール61〜63が定常回転速度に至るまでの時間を遅延する等の制御を行うことにより、この間に、停止スイッチ31〜33の操作信号の入力に基づきフリーズ対応演出を行うようにしてもよい。
また、フリーズ制御手段180は、スタートスイッチ20の操作を契機として第1のフリーズを設定するとともに、その後、いずれの停止スイッチ31〜33も操作されることなく予め定められた特定時間が経過するか又は特定時間が経過する前にいずれかの停止スイッチ31〜33が操作されたことを契機として第2のフリーズを設定するようにし、第1のフリーズが設定された場合に回転リール61〜63が回転を開始し、第2のフリーズが設定された場合に、このフリーズ中において停止スイッチ31〜33の操作信号の入力に基づきフリーズ対応演出を行うようにしてもよい。このようにすることで、スタートスイッチ20の操作時には通常の遊技が開始したと遊技者に認識させつつも、最初の停止スイッチの操作によりフリーズ対応演出が開始されるため、スタートスイッチ20が操作された後もフリーズ対応演出が実行されるかもしれないという期待感を持続させることができる。
また、フリーズ中であってもブロッカー7Aを作動させずにメダル投入口5から投入されたメダルを受け付け可能とし、クレジットが満杯でないことを条件に、投入されたメダルをクレジットに回すようにしてもよい。
さらに、フリーズ制御手段180は、上記以外のフリーズを設定可能であってもよい。例えば、所定の場合に、停止スイッチ31〜33の操作が無効とされるフリーズや、ベットスイッチ10の操作が無効とされるフリーズを設定可能に形成してもよい。
【0078】
(サブ制御装置200)
サブ制御装置200は、メイン制御装置100から出力されるコマンドやデータ(遊技制御情報)に基づいて、遊技に付随するサブ演出を制御する演出制御手段である。メイン制御装置100がサブ制御装置200に出力する遊技制御情報としては、スタートスイッチ20等の操作スイッチの操作に関する情報や、役抽選の抽選結果に関する情報や、回転リール61〜63の回転及び停止などのリールユニット2の作動情報や、停止図柄の表示態様などの遊技結果に関する情報や、遊技状態及び演出状態の移行に関する情報や、フリーズの実行に関する情報などがある。
【0079】
サブ制御装置200の出力側には、
図2に示すように、画像表示部70、電飾ランプ80及びスピーカ90が接続されている。
サブ制御装置200を構成するサブ基板には、図示しないが、演出に関するプログラムやデータが記憶されたROM、ROMに記憶されたプログラム等に基づいて演出の進行に関する制御を行うサブCPU、読み書き可能であって演出の進行に関する制御を行うためのデータ等を一時的に記憶するRAM、I/O等、種々の電子部品が備えられている。そして、CPUがROMに記憶されたプログラムを読み込むことで、
図2に示すように、少なくとも、演出実行制御手段220として機能する。
【0080】
(演出実行制御手段220)
演出実行制御手段220は、画像表示部70や電飾ランプ80やスピーカ90等の演出装置の作動を制御するものであり、図示しない演出決定手段の決定に基づき、ROMに記憶されている演出データをもとに、AT中に行われる打順ナビや、遊技結果に応じて所定の演出図柄を表示させる演出図柄表示演出や、フリーズ中に行われるフリーズ対応演出や、その他の演出状態に応じた演出を行わせる。
打順ナビは、画像表示部70の表示画面71に、特定の役(ベル1〜ベル5、3枚ベル1、3枚ベル2)を入賞させるための打順を矢印で示したり、停止操作すべき停止スイッチ31〜33の位置を左、中、右などの文字で表示させたり、それらをスピーカ90から音声により指示したり、停止スイッチ31〜33のボタンの内部に設けた発光体の発光色を変化させて、操作すべき停止スイッチ31〜33を示したりすることなどにより行われる。
演出状態に応じた演出には、画像表示部70の表示画面71に表示させる動画等によって、演出状態が通常演出状態であるときにAT状態への移行を期待させたり、演出状態がAT状態であるときにAT中の遊技を盛り上げたりする演出が含まれる。
【0081】
(演出図柄表示演出)
演出図柄表示演出は、遊技中(回転リール61〜63の回転開始から次遊技の開始までの間)において、画像表示部70の表示画面71に、停止スイッチ31〜33の操作に基づき停止した回転リール61〜63の停止図柄に応じた演出図柄の組合せを表示させる演出である。
画像表示部70の表示画面71には、
図11に示すように、演出図柄の組合せを表示させるための演出図柄表示部72が表示されるようになっている。演出図柄表示部72は、表示画面71の下部に表示される表示領域であり、回転リール61〜63にそれぞれ対応する3個の個別表示領域が設けられている。そして、演出実行制御手段220は、メイン制御装置100から入力するスタートスイッチ20の操作情報及び停止スイッチ31〜33の操作に基づく停止図柄の情報に基づいて、演出図柄表示部72の変動表示及び停止表示を制御する。
【0082】
具体的には、演出実行制御手段220は、スタートスイッチ20の操作情報の入力を契機に、演出図柄表示部72の各個別表示領域を変動表示させる。ここで、「変動表示」は、演出図柄表示部72の各表示領域内を何らかの図柄が変動しているように見せる表示であり、変動表示されているということが判れば、変動している個々の図柄を視認できなくてもよい。そして、演出図柄を変動表示させているときに、いずれかの停止スイッチ61〜63についての停止図柄の情報を入力した場合には、停止図柄の情報を入力した停止スイッチ61〜63に対応する演出図柄表示部72の個別表示領域に、停止図柄に対応した演出図柄を停止表示させる。演出図柄は、回転リール61〜63の表面に付されている図柄と同じ図柄でなくてもよい。また、演出図柄は、演出状態によって変化するようにしてもよい。なお、演出図柄表示部72は、遊技中は常に表示されているようにしてもよい。この場合、画像表示部70を用いた画像演出が行われる場合になどには消去されるようにしてもよい。また、AT中は、演出図柄表示部72に打順を表示させるようにしてもよい。
【0083】
図11〜
図14は、演出図柄表示演出の一例を示す。
図11は、例えば役抽選で「左中1」が当選しベル1が入賞した場合の演出図柄表示演出を示す。最初に左の停止スイッチ31が操作されて回転リール61において有効ライン上にベル1に対応するプラム図柄が停止すると、演出実行制御手段220は、
図11(A)に示すように、変動表示している演出図柄表示部72の回転リール61に対応する個別表示領域に、演出図柄YBを停止させる。演出図柄YBは、回転リール61〜63に付されているベル図柄とは形状が異なる黄色い2連ベル図柄である。そして、中央の停止スイッチ32、右の停止スイッチ33が操作されて回転リール62、63において有効ライン上にベル1に対応する札図柄が停止すると、演出実行制御手段220は、
図11(B)に示すように、変動表示している演出図柄表示部72の回転リール62、63に対応する個別表示領域に、演出図柄YBを停止させる。
また、図示していないが、ベル2、ベル3、ベル4、ベル5が入賞した場合にも、上記と同様にして、演出図柄表示部72に演出図柄YBの3つ揃いを表示させる。これにより、正解ベルの入賞時には、演出図柄表示部72には演出図柄YBが3個揃って表示されるものとなり、遊技者は、有効ライン上に表示された図柄組合せが何の役に対応するものか一見して判断できなくても、演出図柄表示部72の表示によって8枚払い出しの正解ベルが入賞したことを即座に知ることができる。
【0084】
ただし、正解ベルのうち、「ベル・ベル・ベル」の図柄組合せが対応付けられたベル2については、
図12(A)に示すように、演出図柄表示部72に演出図柄YBを3つ揃いで表示させた後に、
図12(B)に示すように、演出図柄YBを、回転リール61〜63に付されているベル図柄と同じベル図柄に差し替えて表示させる。これは、演出図柄表示部72に表示されている演出図柄YBが、回転リール61〜63に付されているベル図柄を連想させる色彩及び形状を有しているため、有効ライン上にベル図柄の3つ揃いが停止しているのに、演出図柄表示部72にそれと同一でない図柄の3つ揃いが表示されると、演出図柄表示部72の表示が間違っているのではないか、との誤認を招くおそれがあるからである。演出図柄表示部72の演出図柄YBを全てベル図柄に差し替えることにより、かかる誤認が生じないようにすることができる。
なお、演出図柄YBは、回転リール61〜63に付されているベル図柄を連想できる外観(色彩又は形状又は図柄を示す文字)を有していれば、黄色い2連ベル図柄に限られず、黄色い丸図柄や、「ベル」という文字(色彩問わず)や、回転リール61〜63に付されているベル図柄と同一の形状で異なる色彩を有する図柄としてもよい。
【0085】
ここで、3枚ベル役のいずれかが入賞した場合にも、演出図柄表示部72に、前記演出図柄YBとは異なる演出図柄(例えば緑のベル図柄)を3個揃えて表示させるようにすることで、3枚ベル役の入賞を明示することができる。なお、3枚ベル役のいずれかが入賞した場合と、ベル役のいずれかが入賞した場合とで、同じ演出図柄を表示させるようにしてもよい。
また、特殊役のいずれかが入賞した場合には、例えば、回転リール61〜63に付されていない演出図柄(例えばピンクの花図柄)を演出図柄表示部72に3つ揃いで表示させるようにすることで、特殊役の入賞を明示することができる。何の役も入賞しなかった場合には、演出図柄表示部72に、複数種類の演出図柄(例えば「黄色い2連ベル図柄・ピンクの花図柄・緑のベル図柄」)を表示させるようにすることで、非入賞を明示することができる。なお、特殊役のいずれかが入賞した場合に、「黄色い2連ベル図柄・黄色い2連ベル図柄・ピンクの花図柄」のような、3つ揃いでない演出図柄を表示させるようにしてもよい。
【0086】
なお、「チェリー・ANY・ANY」(ANYは何の図柄でもよい)の図柄組合せが対応付けられたチェリー役があるとし、演出図柄表示部72に、回転リール61〜63に表示されているチェリー図柄とは同一ではないがチェリー役に対応付けられる図柄を想起できる演出図柄を表示させるようにしたと仮定する。この場合にも、チェリー役が入賞した後に、演出図柄表示部72に表示されている演出図柄を回転リール61〜63に表示されているチェリー図柄と差し替えるようにすることにより、上記したような誤認を防ぐことができる。
【0087】
図13は、役抽選で「リプレイ2」が当選しリプレイ2が入賞した場合の演出図柄表示演出を示す。停止スイッチ31〜33が操作されて回転リール61〜63において有効ライン上にリプレイ2に対応する図柄組合せ、例えば「BAR・ベル・札」が停止すると、演出実行制御手段220は、
図13(A)に示すように、演出図柄表示部72の各個別表示領域に、演出図柄BPを停止させる。演出図柄BPは、青いプラム図柄であって、リプレイを示すRPが付された図柄である。これにより、リプレイ2の入賞時には、演出図柄表示部72には演出図柄BPが3個揃って表示されるものとなり、遊技者は、有効ライン上に表示された図柄組合せが何の役に対応するものか一見して判断できなくても、演出図柄表示部72の表示によってリプレイが入賞したことを即座に知ることができる。
【0088】
ここで、リプレイ2に対応する図柄組合せにはプラム図柄が含まれておらず、既述したように、リプレイ2が入賞すると、無効ラインである右上がりラインD2に必ずプラム図柄が揃う(斜めプラムが表示される)ようになっている(
図5(B)参照)。このため、リプレイ2が入賞した場合には、図柄表示窓Wに斜めプラムが表示され、演出図柄表示部72にはRP付きの青いプラム図柄が3個揃って表示されることとなる。そうすると、無効ライン上に揃ったプラム図柄の3つ揃いと、演出図柄表示部72に表示された演出図柄BPの3つ揃いが対応しているように見え、有効ラインが変化したのではないかと誤認されるおそれがある。そこで、この場合には、演出図柄表示部72に演出図柄BPの3つ揃いを表示させると同時に、
図13(B)に示すように、演出図柄表示部72とは別の入賞図柄表示部73を表示させ、有効ライン上に停止している図柄組合せを遊技者に対して明示する。入賞図柄表示部73は、画像表示部70の表示画面71の上部に表示される表示領域であり、演出図柄表示部72と同様に、回転リール61〜63にそれぞれ対応する3個の個別表示領域が設けられている。入賞図柄表示部73には、回転リール61〜63に付されている図柄であって有効ライン上に停止している図柄と同じ図柄が表示される。
なお、入賞図柄表示部73には、回転リール61〜63の上段、中段及び下段に対応する合計9個の個別表示領域を設けてもよい。そして、回転リール61〜63に付されている図柄であって有効ライン上に停止している図柄と同じ図柄を、対応する個別表示領域に表示するとともに、この入賞図柄表示部73において有効ラインを明示する表示を行ってもよい。このとき、回転リール61〜63に付されている図柄のうち有効ライン以外の図柄については、対応する個別表示領域に表示してもよいし、表示しなくてもよい。
また、リプレイ2が入賞した場合のみならず、いずれの役が入賞した場合であっても、入賞図柄表示部73に、回転リール61〜63に付されている図柄であって有効ライン上に停止している図柄と同じ図柄を表示するようにしてもよい。
また、役の入賞時に入賞図柄表示部73において上述のような表示を行う場合には、この表示に併せて、画像表示部70の表示画面71に、入賞した役に関する情報(入賞により払い出されるメダルの枚数、ベル、リプレイ等の役の種類)を表示するようにしてもよい。
【0089】
また、図示していないが、役抽選で「リプレイ1」が当選しリプレイ1が入賞した場合において、無効ラインである中段ラインD1にプラム図柄が揃った(中段プラムが表示された)場合(
図5参照)にも、上記と同様に、演出図柄表示部72に演出図柄BPの3個揃いを表示させるとともに、入賞図柄表示部73に、有効ライン上に停止している図柄組合せを表示させる。なお、リプレイ1が入賞した場合において、中段ラインD1にプラム図柄が揃わなかった場合には、演出図柄表示部72に演出図柄BPの3個揃いを表示させるものの、入賞図柄表示部73の表示は行わない。この場合には、上述したような誤認を生じるおそれがないからである。
【0090】
そして、本実施の形態では、入賞図柄表示部73に本来の遊技結果(有効ライン上に停止表示された図柄組合せ)を表示することを条件として、演出図柄表示部72において、遊技者が遊技結果を誤認するおそれのある演出を行うようにすることもできる。
図14は、通常演出状態において、役抽選で「リプレイ3」が当選した場合の演出図柄表示演出を示す。演出実行制御手段220は、「リプレイ3」が当選した場合には、画像表示部70の表示画面71に、回転リール61〜63においてBAR図柄を中段ラインD1に揃えることを指示する表示を行わせる。停止操作によって、リプレイ3に対応する図柄が有効ライン上に停止し、かつBAR図柄が中段ラインD1上に停止した場合には、
図14(A)に示すように、停止した回転リール61〜63に対応する演出図柄表示部72の個別表示領域に、白色のBAR図柄である演出図柄WBを停止表示させる。なお、BAR図柄が中段ラインD1上に停止しなかった場合には、例えば演出図柄BP(
図13参照)を停止表示させる。そして、中段ラインD1上にBAR図柄が揃った場合には、
図14(B)に示すように、入賞図柄表示部73にリプレイ3に対応する図柄組合せを表示させるとともに、演出図柄表示部72に3つ揃いで表示されている演出図柄WBを、赤色の7図柄である演出図柄R7に差し替えて表示させる。
前述したように、「リプレイ3」の当選時には、100%の確率でAT移行抽選に当選するので、上記したような演出図柄表示演出により、赤7図柄の3つ揃い(赤7揃い)を表示した後でATが開始されるという遊技の流れを作ることができる。この場合、中段ラインD1上にBAR図柄が揃っていなくても、演出図柄表示部72に表示されている所定の演出図柄を、演出図柄R7の3つ揃いに差し替えて表示させてもよい。
【0091】
なお、所定の図柄組合せが有効ライン上に揃うと、無効ライン上に「チェリー・ANY・ANY」の図柄組合せが揃うように設定された所定役があるとし、演出図柄表示部72に、回転リール61〜63に表示されているチェリー図柄とは同一の、あるいはチェリー役に対応付けられる図柄を想起できる演出図柄を表示させるようにしたと仮定する。この場合にも、所定役の入賞後、入賞図柄表示部73に、所定役に対応付けられた図柄組合せを表示させることにより、上記したような誤認を防ぐことができる。
【0092】
(フリーズ対応演出)
フリーズ対応演出は、フリーズ制御手段180によってフリーズが設定されている間に行われる演出であり、本実施の形態においては、フリーズ中において入力する停止スイッチ61〜63の操作情報に基づいて、画像表示部70の表示画面71を用いた擬似的な回転リールを回転及び停止させる擬似遊技演出が行われるようになっている。
具体的には、演出実行制御手段220は、メイン制御装置100からフリーズを設定した旨の情報を入力した場合には、画像表示部70の表示画面71に、
図15(A)に示すような擬似リール表示部74を表示させる。擬似リール表示部74は、図柄表示窓Wから視認可能な3個の回転リール61〜63を模した表示領域であって、左側の回転リール、中央の回転リール、右側の回転リールにそれぞれ相当する個別表示領域74a〜74cを備え、各個別表示領域74a〜74cでは、複数の演出図柄を変動表示可能であるとともに、3個の演出図柄を縦列に停止表示できるようになっている。また、特に図示していないが、画像表示部70の表示画面71には、擬似リール表示部74の表示とともに、擬似リール表示部74において変動表示される演出図柄の停止表示を遊技者に促す停止示唆画像(たとえば、「液晶リールを狙え!」等の文字画像)が表示される。
そして、この擬似リール表示部74及び停止示唆画像は、メイン制御装置100からフリーズを設定した旨の情報を入力してから上述の操作受付開始時間が経過するまでの間に、表示されるようになっている。
【0093】
ここで、擬似リール表示部74に表示される演出図柄は、回転リール61〜63に付されている図柄と同じでなくてもよい。本実施の形態では、赤色の7図柄である演出図柄R7と、その他適宜の演出図柄が、1個別表示領域につき例えば16個ずつ設けられている。これらの演出図柄は、擬似リール表示部74を変動表示される際に所定の配列で順次表示され、いずれかの停止スイッチ31〜33が操作されるか一定時間が経過するまで、所定の配列で繰り返し変動表示されるようになっている。
また、この擬似リール表示部74には、各個別表示領域74a〜74cの上段位置、中段位置、下段位置を繋いでできる一直線状の擬似有効ラインが5本設けられている。擬似有効ラインとしては、個別表示領域74a〜74cの中段位置を繋ぐ擬似中段ラインDL1と、個別表示領域74a〜74cの上段位置を繋ぐ擬似上段ラインDL2と、個別表示領域74a〜74cの下段位置を繋ぐ擬似下段ラインDL3と、個別表示領域74aの下段位置、個別表示領域74bの中段位置、個別表示領域74cの上段位置を繋ぐ擬似右上がりラインDL4と、個別表示領域74aの上段位置、個別表示領域74bの中段位置、個別表示領域74cの下段位置を繋ぐ擬似右下がりラインDL5とが設けられている。
【0094】
そして、演出実行制御手段220は、擬似リール表示部74を変動表示させているときに、いずれかの停止スイッチ31〜33の操作情報を入力した場合には、操作情報を入力した停止スイッチ31〜33に対応する個別表示領域74a〜74cの変動表示を停止させる。すなわち、左の停止スイッチ31の操作情報を入力した場合には左の個別表示領域74a、中央の停止スイッチ32の操作情報を入力した場合には中央の個別表示領域74b、右の停止スイッチ33の操作情報を入力した場合には右の個別表示領域74cの変動表示を、それぞれ停止させる。この際、演出実行制御手段220は、所定条件に応じて、いずれかの擬似有効ライン上に、演出図柄R7(赤7図柄)を揃えて停止させることができるようになっている。
【0095】
具体的には、フリーズが実行されるときに、AT移行抽選又は継続抽選に当選している場合において、停止スイッチ31〜33の操作情報を入力してから所定時間内(例えば変動表示において3個の演出図柄を変動させるのにかかる時間内)に、いずれかの擬似有効ライン上に演出図柄R7を停止表示させることができる場合には、演出図柄R7が擬似有効ライン上に停止するように、個別表示領域74a〜74cの変動表示を停止させる。3個の停止スイッチ31〜33の操作情報の入力タイミングが、演出図柄R7をいずれかの擬似有効ライン上に揃えて停止表示させることができるタイミングであった場合には、いずれかの擬似有効ライン上に演出図柄R7の3つ揃い(赤7揃い)が表示される。停止スイッチ31〜33の操作情報の入力タイミングで、いずれかの擬似有効ライン上に演出図柄R7を揃えて停止表示させることができない場合には、演出図柄R7以外の所定の演出図柄を擬似有効ライン上に停止表示させる。そして、演出実行制御手段220は、擬似リール表示部74を全て停止表示させた後、画像表示部71において、ATの開始又は継続を報知する演出を実行させる。なお、赤7揃いが表示されなかった場合には、擬似リール表示部74を全て停止表示させた後、擬似有効ライン上に停止している所定の演出図柄を演出図柄R7に差し換えて、赤7揃いを表示するようにしてもよい。
【0096】
一方、フリーズが実行されるときに、AT移行抽選又は継続抽選に当選していない場合には、停止スイッチ31〜33の操作情報の入力タイミングが、演出図柄R7をいずれかの擬似有効ライン上に揃えて停止させることができるタイミングであっても、赤7揃いが表示されないように、個別表示領域74a〜74cの変動表示を停止させる。この場合には、
図15(B)に示すような、2個の演出図柄R7が一直線上に揃い、残りの演出図柄R7が一直線上に揃わない停止態様(赤7リーチ揃い)が表示され得る。演出実行制御手段220は、擬似リール表示部74を全て停止表示させた後、画像表示部71において、ATの開始又は継続が決定されなかった旨を報知する演出を実行させる。
このような擬似遊技演出が行われることにより、AT状態への移行やATの継続の有無を報知できるとともに、赤7揃いを表示した後でATが開始されるという遊技の流れを作ることができる。ちなみに、「リプレイ3」の当選時には、前述したように、BAR図柄を狙わせるとともに、全ての停止スイッチ31〜33の操作後、演出図柄表示部72に表示されている所定の演出図柄を赤7揃いに差し替える演出図柄表示演出が行われるようになっているので、フリーズを発生させないようにしている。
なお、上述のように、メイン制御装置100からフリーズを設定した旨の情報を入力してから上述の操作受付開始時間が経過するまでの間に、擬似リール表示部74及び停止示唆画像が表示されることにより、停止スイッチ31〜33の操作に基づいて適切に演出図柄の停止表示を行うことができる。
【0097】
なお、フリーズ制御手段180が、フリーズ中に停止スイッチ31〜33が全て操作されスタートスイッチ20が操作された場合には、さらに所定時間のフリーズを設定し、演出実行制御手段220が、フリーズ中に入力したスタートスイッチ20の操作情報に基づいて、擬似リール表示部74を変動表示させるようにして、複数回の擬似遊技演出を実行可能としてもよい。この場合には、擬似遊技演出の回数によって、停止スイッチ31〜33の操作情報の入力に基づき停止表示させる演出図柄を変化させるようにしてもよい。例えば、1回目の擬似遊技演出では赤7リーチ揃いを停止表示させ、2回目の擬似遊技演出では、AT抽選等に当選していれば赤7揃いを停止表示させ、不当選の場合には赤7リーチ揃いを停止表示させるようにすることができる。
【0098】
(スロットマシンSの作動)
上記構成を有するスロットマシンSの、メイン制御装置100の制御に基づく1遊技における遊技制御処理の概略を、
図16のフローに基づき説明する。
まず、遊技を開始するためにメダルがベットされたか否かを判定するベット判定処理が行われ(S100)、スタートスイッチ20がONとなる(操作信号を入力する)ことに伴って、役抽選処理が行われる(S101、S102)。なお、役抽選の結果に関する情報がサブ制御装置200に出力される。その後、役抽選に伴う処理が行われ(S103)、回転リール61〜63の回転開始処理が行われる(S104)。そして、回転リール61〜63の回転中にいずれかの停止スイッチ31〜33がONとなった場合には、対応する回転リール61〜63についての回転停止処理が行われる(S105、S106)。全ての回転リール61〜63が停止するまでS105、S106が繰り返され(S105〜S107)、全ての回転リール61〜63が停止した場合(S107でYes)には、遊技結果判定処理及び判定結果に応じた処理が行われるとともに(S108、S109)、遊技終了時の処理が行われる(S110)。なお、判定結果に応じた処理とは、小役の入賞によるメダルの払い出し処理や、リプレイの入賞による自動ベット処理や、ボーナスの入賞又は非入賞による遊技状態の移行処理である。そして、1回の遊技が終了する。
【0099】
次に、上述したS100のベット判定処理について、
図17のフローに基づき説明する。ここで、
図17において、「B」はベット数を示す0〜3の整数である。また、「C」はクレジット数を示す0〜50の整数である。「α」は、ベットスイッチ10の操作によってベットされたものとして扱われるメダル数を示す1〜3の自然数である。
まず、メダルセンサ7AがONとなった場合(S200でYes)には、ベット数が3であるか否かが判断され、ベット数が3である場合(S201でYes)には、クレジット数が1加算される(S202)。このとき、クレジット表示部12の表示も1加算表示される。そして、ベット判定処理が終了する。なお、このフローでは記載していないが、クレジット数が1加算されることによってクレジット数が50となった場合には、ブロッカー7Bが作動してそれ以降のメダルの投入を受け付けないので、S200でメダルセンサ7AがONとなることはない。
【0100】
前記S201で、ベット数が3でない場合、すなわち、ベット数が0か1か2である場合(S201でNo)には、ベット数が1加算される(S203)。このとき、ベット表示部11の表示も1加算表示される。そして、ベット数が1加算されることによってベット数が規定数に達したか否かが判断される(S207)。具体的には、遊技状態が通常状態又はボーナス内部中である場合には「2」、遊技状態がボーナス作動中である場合には「3」となったか否かが判断される。ベット数が規定数に達した場合(S207でYes)には、スタートスイッチ20が有効化されて(S208)ベット判定処理が終了し、ベット数が規定数に達していない場合(S207でNo)には、S200に戻る。
【0101】
また、メダルセンサ7AがONとならない場合(S200でNo)には、ベットスイッチ10がONとなったか否かが判断され、ベットスイッチ10がONにならない場合(S204でNo)には、S200に戻る。ベットスイッチ10がONになった場合(S204でYes)には、クレジット数が、最大規定数である3から、現在のベット数を減じた数値以上であるか否かが判断され、クレジット数が3からベット数を減じた数値以上である場合(S205でYes)には、クレジット数がαだけ減算されるとともにベット数がαだけ加算される(S206)。すなわち、ベットスイッチ10の操作に基づくベット処理が行われる。例えば、クレジット数が3以上であってベット数が0であれば、クレジットが3減算されてベット数が3加算され、ベット数が2であれば、クレジットが1減算されてベット数が1加算され、ベット数が1であれば、クレジットが2減算されてベット数が2加算される。また、クレジット数が2であってベット数が1であれば、クレジットが2減算されてベット数が2加算され、ベット数が2であれば、クレジットが1減算されてベット数が1加算される。そして、ベット数が規定数に達した場合(S207でYes)には、スタートスイッチ20が有効化されて(S208)ベット判定処理が終了し、ベット数が規定数に達していない場合(S207でNo)には、S200に戻る。
一方、クレジット数が3からベット数を減じた数値に満たない場合(S205でNo)には、そのままS200に戻るようになっている。すなわち、この場合にはベットスイッチ10の操作によってもベット処理が行われない。
【0102】
上記したS103の役抽選に伴う処理について、
図18及び
図19のフローに基づき説明する。
まず、演出状態が通常演出状態である場合(
図18のS300でYes)には、役抽選の結果、AT移行抽選の契機となる特定抽選結果が発生したか否かが判断される。特定抽選結果が発生していない場合には(S301でNo)、遊技開始時決定情報がサブ制御装置200に出力される(S308)。遊技開始時決定情報は、役抽選の結果や、役抽選に伴う処理において決定された演出状態の移行やフリーズの実行に関する決定などの決定情報であり、この場合に出力されるのは役抽選の結果である。一方、特定抽選結果が発生している場合には(S301でYes)、AT移行抽選が行われる(S302)とともに、フリーズ実行抽選が行われる(S303)。そして、AT移行抽選に当選した場合(S304でYes)には、AT状態の設定が行われる(S305)。なお、AT状態の設定とは、演出状態がAT状態であることを所定の記憶部に記憶し、ATカウンタにAT遊技回数の初期回数(最低保障回数)を設定することである。AT状態の設定後、あるいは、AT移行抽選に当選していない場合(S304でNo)には、フリーズ実行抽選に当選したか否かが判断され、フリーズ実行抽選に当選した場合(S306でYes)には、フリーズ実行フラグがONとされる(S307)。フリーズ実行抽選に当選していない場合(S306でNo)にはフリーズ実行フラグはOFFのままである。そして、遊技開始時決定情報がサブ制御装置200に出力され(S308)、役抽選に伴う処理が終了する。
【0103】
演出状態が通常演出状態でない場合(
図18のS200でNo)には、ATカウンタの減算が行われ(
図19のS310)、役抽選で「打順ベル」が当選している場合(S311でYes)には正解打順を報知する打順報知の決定が行われる(S312)。また、上乗せ抽選の契機となる特定抽選結果が発生している場合(
図S313でYes)には、上乗せ抽選が行われ(S314)、上乗せ抽選で所定回数の上乗せが当選した場合(S315でYes)には、決定された遊技回数がATカウンタに加算され(S316)、
図18のS308に進む。
【0104】
図16におけるS104の回転リール回転開始処理について、
図20のフローに基づき説明する。
まず、フリーズ実行フラグがONとなっている場合(S400)には、フリーズ実行処理が行われる(S401)。その後、ウエイト時間が経過していることを条件に(S402でYes)、リールモータM1〜M3を駆動させる処理が行われる(S403)。そして、所定の停止可能要件を満たしていること(ここでは、全ての回転リール61〜63が定常回転速度に達しかつスタートインデックスが検知されること)を条件に(S404でYes)、停止スイッチ31〜33の無効状態が解除される(S405)。そして、回転リール回転開始処理が終了する。
なお、ウエイト時間の経過を待たずに回転リール61〜63の回転処理を行い、S404において、他の停止可能要件及びウエイト時間が経過していることを条件に停止スイッチ31〜33の無効状態を解除するようにしてもよい。
【0105】
上記S401のフリーズ実行処理について、サブ制御装置200による擬似遊技演出の説明を交えつつ、
図21のフローに基づき説明する。
まず、回転リール61〜63の回転開始を保留するフリーズの設定が行われ(S500)、フリーズタイマーが所定時間の計時を開始する(S501)。フリーズが設定された旨はサブ制御装置200に出力される。これを受けて、画像表示部70の表示画面71には擬似リール表示部74が表示され、各個別表示領域74a〜74cの変動表示が開始される(
図15(A)参照)とともに、赤7図柄を狙って停止操作するように指示する表示がなされる。そして、所定時間が経過する前(S502でNo)にいずれかの停止スイッチ31〜33が操作された場合(S503でYes)には、フリーズタイマーが初期化されて(S504)、フリーズタイマーは所定時間の計時を開始する。このとき、操作された停止スイッチ31〜33に対応する擬似リール表示部74の個別表示領域74a〜74cが停止表示される。全ての停止スイッチ31〜33が操作されるまでS502〜S504が繰り返され(S505)、全ての停止スイッチ31〜33が操作された場合(S505でYes)には、所定時間が経過する前(S506でNo)にスタートスイッチ20が操作されること(S507でYes)を契機に、フリーズタイマーが計時を停止し(S508)、フリーズ実行フラグがOFFとされてフリーズの設定が解除される(S509)。フリーズの設定が解除された旨はサブ制御装置200に出力される。全ての停止スイッチ31〜33が操作された場合には、擬似リール表示部74に、赤7揃いか、赤7リーチ揃いか、それ以外の図柄組合せが停止表示される。なお、AT状態への移行が決定されている場合において、赤7リーチ揃いやそれ以外の図柄組合せが停止表示されているときには、停止図柄の組合せが赤7揃いに差し替えられるようにしてもよい。擬似リール表示部74に所定の図柄組合せが停止表示された場合には、AT状態への移行又は継続の可否を報知する演出が行われる(以下同様)。
【0106】
いずれの停止スイッチ31〜33も操作されないまま所定時間が経過した場合(S502でYes)には、そのままフリーズ実行フラグがOFFとされてフリーズの設定が解除される(S509)。この際、擬似リール表示部74の変動が停止されて、いずれかの擬似有効ライン(DL1〜DL5)に赤7揃い又は赤7リーチ揃いのいずれかが停止表示される。また、いずれかの停止スイッチ31〜33は操作されたが、全ての停止スイッチ31〜33が操作されていないまま所定時間が経過した場合(S502でYes)にも、フリーズ実行フラグがOFFとされてフリーズの設定が解除される(S509)。この場合には、擬似リール表示部74のうちの変動表示中の個別表示領域74a〜74cの変動が停止されて、いずれかの擬似有効ライン(DL1〜DL5)に赤7揃い又は赤7リーチ揃い又はそれ以外の図柄組合せが停止表示される。そして、全ての停止スイッチ31〜33が操作されたが、スタートスイッチ20が操作されていないまま所定時間が経過した場合(S506でYes)にも、フリーズ実行フラグがOFFとされてフリーズの設定が解除される(S509)。フリーズの設定が解除されると、回転リール61〜63の回転開始の保留が解除されるので、上記の場合には、スタートスイッチ20を操作しなくても回転リール61〜63が回転開始することとなる。
【0107】
図16におけるS110の遊技終了時の処理について、
図22のフローに基づき説明する。
まず、当該遊技でATカウンタが「0」となった場合(S600でYes)、すなわちその遊技がAT状態における最後の遊技であった場合には、継続抽選が行われる(S601)とともに、フリーズ実行抽選が行われる(S602)。継続抽選に当選した場合(S603でYes)には、AT状態の設定が行われ(S605)、継続抽選に当選しなかった場合(S603でNo)には、通常演出状態の設定が行われる(S604)。通常演出状態の設定とは、演出状態が通常演出状態であることを所定の記憶部に記憶することである。
そして、フリーズ実行抽選に当選したか否かが判断され、フリーズ実行抽選に当選した場合(S606でYes)には、フリーズ実行フラグがONとされる(S607)。そして、遊技終了時決定情報がサブ制御装置200に出力される(S608)。遊技終了時決定情報とは、遊技終了時の処理において決定された演出状態の移行やフリーズの実行に関する決定情報である。遊技終了時の処理が終了する。
【0108】
次に、サブ制御装置200の制御に基づく1回の遊技での演出実行処理について、
図23のフローに基づき説明する。
まず、メイン制御装置100から遊技開始時決定情報を入力すること(S700でYes)を契機に、当該遊技で行う演出を決定する演出決定処理が行われる(S701)。ここで決定される演出には、遊技開始時の演出と、遊技終了時の演出が含まれる。遊技開始時の演出は、スタートスイッチ20の操作後に行われる演出であり、回転リール61〜63の回転中や停止操作時の演出も含まれる。例えば、「打順ベル」の当選時にメイン制御装置100から打順報知の決定情報(S312)を入力している場合には、打順ナビの実行を決定し、フリーズの実行に関する決定情報(S307、S507)を入力している場合には、フリーズ対応演出としての擬似遊技演出の実行を決定し、AT状態に移行する決定情報(S305、S605)を入力している場合には、ATの開始を告知する演出の実行を決定する。また、役抽選に関する情報に基づいて、演出図柄表示演出において停止表示させる演出図柄を決定する。遊技終了時の演出は、全ての回転リール61〜63の停止後に行われる演出であり、遊技結果を報知する演出や、演出状態の移行を報知する演出や、
AT遊技回数の上乗せを報知する演出が含まれる。ここで実行が決定されるのは、AT遊技回数の上乗せを報知する演出についてである。例えば、AT遊技の遊技回数の上乗せに関する情報(S316)を入力している場合には、上乗せ数を報知する演出の実行を決定する。
【0109】
フリーズが開始される場合(S702でYes)、すなわち、メイン制御装置100においてフリーズが設定された場合には、フリーズ対応演出としての擬似遊技演出の実行処理が行われる(S703)。そして、フリーズが終了した場合(S704でYes)、すなわち、フリーズの設定が解除された場合には、演出図柄表示演出を含む遊技開始時の演出の実行処理が行われる(S705)。例えば、回転リール61〜63の回転開始情報の入力を契機に打順ナビを実行させ、停止スイッチ31〜33の操作情報を入力するごとに、演出図柄表示部72に所定の演出図柄を表示させる演出図柄表示演出を実行させる(
図11〜
図14参照)。フリーズが開始されない場合(S702でNo)、すなわち、フリーズの実行に関する決定情報を入力していない場合には、そのまま演出図柄表示演出を含む遊技開始時の演出の実行処理が行われる(S705)。
【0110】
その後、遊技終了時決定情報を入力すること(S706でYes)を契機に、遊技終了時の演出の決定及び実行処理が行われる(S707)。例えば、入賞を報知する演出や、「リプレイ3」が当選した遊技においてAT状態への移行を報知する演出や、継続抽選に当選した情報及びフリーズの実行に関する決定情報を入力していない場合においてATの終了を報知する演出の実行が決定され、実行される。また、演出図柄表示部の演出図柄を差し替える演出図柄表示演出(
図12(B)、
図14(B)参照)や、入賞図柄表示部73に当選役に対応する図柄組合せを表示する演出図柄表示演出(
図13(B)、
図14(B)参照)が実行される。そして、演出実行処理が終了する。
なお、入賞図柄表示部73に当選役に対応する図柄組合せを表示する演出図柄表示演出は、停止スイッチ31〜33の操作情報の入力ごとに行うようにしてもよい。
【0111】
(まとめ)
以上のように、本実施の形態では、ボーナス内部中テーブルに不当選領域を設けないことにより、ボーナスの当選に係る遊技でボーナスを入賞させられない場合には、遊技状態が常にボーナス内部中に滞在するように形成されているとともに、ボーナス作動中は、通常状態及びボーナス内部中よりもメダルの獲得率の期待値が低い(出玉を増やせない)仕様となっている。そして、ほぼ毎回の遊技において小役又はリプレイのいずれかが当選するボーナス内部中において、演出状態をAT状態(補助演出状態)へ移行させる機会を付与することにより、ベルナビ(補助演出)の実行によって正解ベルの入賞率を高めて遊技者にメダルを獲得させるようにしている。すなわち、遊技全体を通じてのメダルの獲得率の期待値を適正な範囲に収めつつ、通常状態やボーナス内部中での小役の当選確率を高めに設定し、ATによるメダルの獲得性能を向上させることができる。
具体的には、本実施の形態では、通常状態及びボーナス内部中において5種類の正解ベルを互いに重複せずに当選させる態様を設けて役抽選を行い、ボーナス作動中において5種類の正解ベルを同時に当選させる態様を設けて内部抽選を行うことによって、ボーナス作動中において正解ベルを含む当選態様が得られる確率を、通常状態及びボーナス内部中において正解ベルを含む当選態様が得られる確率の約1/5に圧縮している。これにより、通常状態における小役の当選確率をさらに上昇させることができ、ATによるメダルの獲得率をさらに増大させることができる。
【0112】
また、本実施の形態では、「打順ベル」のうち、「左中右」「左右中」(左押し)が正解打順として割り当てられた当選領域を、「中左右」「中右左」(中押し)が正解打順として割り当てられた当選領域、「右左中」「右中左」(右押し)が正解打順として割り当てられた当選領域と同等にして(
図8(A)参照)、ベルナビが行われない通常演出状態において、左押しで停止操作を行っていてもある程度のメダルを獲得できるようにしてある。このようにすることで、メダルの消費スピードが過度に速まるのを防止するようにしている。
【0113】
一方、通常状態において、ボーナスを早期に当選させるためには、ボーナスの当選確率をある程度高くしなければならないが、ボーナス内部中においては小役の当選確率が通常状態と同一に設定され不当選を設けない関係上、通常状態においてボーナスが占めていた当選領域は、ボーナス内部中においてはリプレイの当選領域に置き換える必要がある。すなわち、ボーナスの当選確率を高く設定するほど、ボーナス内部中のリプレイの当選確率が高くなる。そして、ボーナス内部中のリプレイの当選確率が高くなると、通常演出状態において一定枚数のメダルを費やして行うことができる遊技回数が多くなる。しかも、上述したように、通常演出状態においても左押しである程度のメダルを獲得できるので、結果として、通常演出状態でのメダルの獲得率の期待値が上昇してしまうのを避けられない。このため、遊技全体を通じてのメダルの獲得率の期待値を適正な範囲に収めようとすると、ATによって付与可能なメダルの総数を減らさなければならなくなる。そこで、ボーナス作動中のメダルの期待獲得枚数(終了条件となる総払出枚数)を高く設定することにより、全体の遊技におけるボーナス作動中を遊技する割合を変化させることなくボーナスの当選確率をできるだけ低く抑え、ボーナス内部中におけるリプレイの当選確率を低くして、通常演出状態でのメダルの獲得率の期待値を抑制する手法が考えられる。
【0114】
しかし、ボーナスの当選確率を低くすると、通常状態からボーナス内部中に移行させるのが困難であり、遊技者がATの恩恵を十分に受けられないおそれがある。そこで、遊技店の営業前に遊技を行うことによりボーナスを当選させ、遊技状態を通常状態からボーナス内部中に移行させておき、その後遊技者に遊技を行わせるようにする措置をとることが想定されるが、この場合でも、できるだけ早期に、ボーナス内部中に移行させたいものである。
そこで、本実施の形態においては、規定数を2と3に設定し、規定数が2の場合にのみ当選するボーナス(BB2)と、規定数が3の場合にのみ当選するボーナス(BB1)とを設け、BB2の当選確率を、BB1よりも高く設定してある。これにより、通常状態で2枚掛け遊技を行うことにより、3枚掛け遊技を行った場合よりも早期にボーナスを当選させることができ、ボーナス内部中に移行させるまでの時間を短縮することができるものである。
【0115】
ただ、BB2の当選確率も全体から見るとそれほど高いものではなく、BB2が当選するまでにある程度の期間を有し、BB2の当選時に間違ってBB2が入賞してしまうと、既述したように、ボーナス作動中はメダルを増やし難い(入賞により8枚のメダルが払い出される確率が低い)ので、BB2が終了して通常状態に戻るまでに相当の時間を費やしてしまうおそれがある。そこで、ボーナス作動中に設定変更を行った場合には、遊技状態が初期化(通常状態に設定)され、ボーナス非作動中に設定変更を行った場合には、当該遊技状態が維持されるように形成してもよい。このように形成した場合には、ボーナス内部中を維持したまま設定変更ができ、通常状態からボーナス内部中に移行させるための手間が省けるとともに、ボーナス当選時にうっかりボーナスを入賞させてしまった場合でも、設定変更により通常状態に戻すことができるので、ボーナス内部中を設定するのに無駄な時間を費やさなくてすむものとなる。
なお、BB2のボーナス作動中のみならず、BB1のボーナス作動中に設定変更を行った場合にも、遊技状態が初期化(通常状態に設定)されるように形成してもよい。このように形成することで、BB1に当選しBB1を入賞させてしまった場合においても、設定変更により通常状態に戻すことができるため、BB1のボーナス作動中に拘束される時間を短くすることができる。
【0116】
なお、上記した実施の形態では、3枚掛け専用のボーナス(BB1)と2枚掛け専用のボーナス(BB2)を設けていたが、3枚掛け遊技でも2枚掛け遊技でも、終了枚数の異なる複数のボーナスが当選可能な仕様とすることができる。具体的には、通常状態において、3枚掛け遊技を行った場合には、終了枚数の多いボーナス1が所定確率(例えば1/10)で当選するとともに、終了枚数の少ないボーナス2が極めて低い確率(例えば1/65536)で当選し、2枚掛け遊技を行った場合には、ボーナス2が所定確率(例えば1/6)で当選するとともに、ボーナス1が極めて低い確率(例えば1/65536)で当選するように形成する。そして、いずれのボーナスが当選した場合でも役抽選の抽選態様が同一のボーナス内部中に移行し、ボーナス内部中においては不当選を設けないことによってボーナスの当選を阻害する。このように形成した場合でも、上記した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0117】
そして、本実施の形態においては、上述したような仕様を前提として、ベットスイッチ10の操作によっては、必ず最大規定数(3)のメダルがベットされ、それ以外の規定数(1や2)のメダルはベットできないように形成してある。このため、2枚掛け遊技を行う場合には、メダル投入口5にメダルを2枚だけ投入して、スタートスイッチ20を操作しなければならない。このように形成することにより、遊技者が残りクレジット数を確認しないでベットスイッチ10を操作してしまい、意図せず2枚掛け遊技が開始されてしまうという事態を避けることができる。2枚掛け遊技は、3枚掛け遊技よりも遊技者にとって不利な状態であるので、遊技者が不測の不利益を被ることを防止することができる。
なお、ベットスイッチ10の操作によっては最大規定数未満のメダルがベットされない構成は、本実施の形態のような、遊技状態を早期にボーナス内部中に移行させるために規定数を2と3に設定した仕様でなくても、複数の規定数を任意に選択可能に形成されている場合に応用できるものである。この場合でも、遊技者が意図しない掛け枚数で遊技を行ってしまうのを防止するという効果を得られるものである。
なお、本実施の形態では、上述の如く、通常状態で2枚掛け遊技を行うことでボーナス内部中に移行させるため、ほぼBB2のボーナス内部中に滞在した状態で遊技が進行することとなる。そして、本実施の形態では、3枚掛けボーナス内部中テーブル及び2枚掛けボーナス内部中テーブルのいずれにも不当選の領域を設けないことにより、BB2が当選したその遊技でBB2が入賞しなかった場合には、その後、BB2が入賞しないように形成していたが、3枚掛けボーナス内部中テーブルには不当選の領域を設けるものの、BB2のボーナス内部中において3枚掛け遊技が行われた場合にはBB2の当選を無効なものとして取り扱うことで、不当選となったときにもBB2が入賞しないように形成してもよい。このように形成することで、通常状態においてボーナスが占めていた当選領域及び不当選の領域を、ボーナス内部中においてリプレイの当選領域に置き換える必要が無くなるため、ボーナス内部中におけるリプレイの当選確率を抑えて、通常演出状態でのメダルの獲得率の期待値を抑制することができる。
【0118】
また、本実施の形態では、停止スイッチ31〜33の操作に基づく回転リール61〜63の停止に同期させて、演出図柄表示部72に演出図柄を表示して遊技結果を報知するようになっている。そして、いずれかの正解ベルが入賞した場合には、演出図柄表示部72に、回転リール61〜63に付されているベル図柄と同一ではないが外観上同種の図柄を想起し得る演出図柄YBの3つ揃いを表示させるようにしている。そして、入賞時に有効ライン上にベル図柄が3つ揃いで停止するベル2が入賞した場合には、演出図柄表示部72に表示されている演出図柄YBの3つ揃いを、回転リール61〜63に付されているベル図柄の3つ揃いに変更するようにしている。これにより、演出図柄表示部72に表示された演出図柄YBの3つ揃いが間違っているのではないかという誤認が生じるのを防ぐことができる。
【0119】
また、本実施の形態では、入賞により無効ライン上にプラム図柄が3つ揃いとなるリプレイ1やリプレイ2が入賞した場合には、演出図柄表示部72に、リプレイを連想できる演出図柄BPの3つ揃いを表示させるとともに、入賞図柄表示部73に、入賞した役に対応付けられた図柄組合せを表示させるようにしている。これにより、有効ラインが変更されたのではないかという誤認が生じるのを防ぐことができる。
一方、入賞図柄表示部73に入賞した役に対応付けられた図柄組合せを表示させる(正しい遊技結果を表示する)ことを担保として、演出図柄表示部72に、回転リール61〜63に付されている図柄から成る所定役に対応付けられた図柄組合せを連想できない図柄や色彩を表示させるなど、遊技結果を誤認させるおそれのある演出の実行が可能となり、サブ制御装置200による演出の態様を多様化させることができ、遊技の興趣を高めることができる。
【0120】
なお、上記した実施の形態では、停止操作ごとに演出図柄表示部72の変動表示を停止させ、リプレイ1やリプレイ2の入賞時に、演出図柄表示部72に演出図柄BPの3つ揃いを表示させていたが、3個の停止スイッチ31〜33が操作された(全ての回転リール61〜63が停止した)後に、演出図柄BPを単独で演出図柄表示部72に表示させるようにしてもよい。あるいは、リプレイ1やリプレイ2が当選した遊技で、表示画面71の所定領域に、演出図柄BPを表示してリプレイの当選を報知するようにしてもよい。このように、当選役を報知する際に演出図柄を用いる場合でも、遊技終了後、入賞した役に対応付けられた図柄組合せを入賞図柄表示部73に表示させることにより、遊技結果を誤認させないようにすることができる。
【0121】
また、本実施の形態では、回転リール61〜63の回転開始が保留されているフリーズ中に、擬似リール表示部74を用いた擬似遊技演出を行わせるようにしている。すなわち、スタートスイッチ20の操作を契機にメイン制御装置100が遊技の進行を停止させるとともに、サブ制御装置200は擬似リール表示部74を変動表示させ、その間に停止スイッチ31〜33の操作信号の入力に応じて擬似リール表示部74の対応する個別表示領域74a〜74cを変動停止させ所定の演出図柄を表示させる。そして、メイン制御装置100は、全ての停止スイッチ31〜33が操作された後にスタートスイッチ20が操作されることを契機に、フリーズの設定を解除する。このように、回転リール61〜63が停止している状態で擬似リール表示部74において擬似遊技を行わせるようにしたので、回転リール61〜63の停止図柄と擬似リール表示部74に表示される演出図柄との不整合による遊技誤認を防ぐことができる。
【0122】
なお、擬似リール表示部74を用いた擬似遊技演出は、ATの管理をサブ制御装置200において行う場合にも応用できる。例えば、メイン制御装置100(フリーズ制御手段180)は、抽選結果に応じて、あるいは遊技ごとに、フリーズ実行抽選を行い、フリーズ実行抽選に当選した場合には、サブ制御装置200においてAT移行抽選を行う。そして、フリーズ中の擬似遊技演出において、AT移行抽選の結果を報知するように形成することができる。
【0123】
本発明は、上述した内容に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲における変形及び改良なども含むものである。また、本発明は、矛盾を生じない範囲で、上述した実施の形態及び変形例に記載されている事項を適宜組み合わせ、あるいは組み替えてもよいものである。
さらに本発明は、スロットマシン以外の遊技機にも応用できる。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いてスロットマシンと同様の遊技を行わせるパロット遊技機などにも応用できるものである。
【解決手段】遊技媒体投入口から遊技媒体が投入された場合には、最大規定数の範囲で、投入された遊技媒体数がベットされた状態を設定するベット処理を行うとともに、貯留遊技媒体の数が最大規定数以上である場合においてベットスイッチ10が操作された場合には、最大規定数の遊技媒体がベットされた状態を設定するベット処理を行い、貯留遊技媒体の数が、最大規定数からすでにベットされているベット数を減じた数に満たない場合には、ベットスイッチ10の操作に基づくベット処理を行わない。