特許第5904439号(P5904439)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧

<>
  • 特許5904439-注出キャップ 図000002
  • 特許5904439-注出キャップ 図000003
  • 特許5904439-注出キャップ 図000004
  • 特許5904439-注出キャップ 図000005
  • 特許5904439-注出キャップ 図000006
  • 特許5904439-注出キャップ 図000007
  • 特許5904439-注出キャップ 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5904439
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月13日
(54)【発明の名称】注出キャップ
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/08 20060101AFI20160331BHJP
【FI】
   B65D47/08 J
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-18412(P2012-18412)
(22)【出願日】2012年1月31日
(65)【公開番号】特開2013-154934(P2013-154934A)
(43)【公開日】2013年8月15日
【審査請求日】2014年8月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100076598
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 一豊
(72)【発明者】
【氏名】星野 真弥
【審査官】 谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2004/0026465(US,A1)
【文献】 国際公開第2010/144776(WO,A1)
【文献】 実開昭59−196445(JP,U)
【文献】 特開平09−086552(JP,A)
【文献】 特開平09−169355(JP,A)
【文献】 特開平09−226801(JP,A)
【文献】 特開2012−012048(JP,A)
【文献】 特開2009−083910(JP,A)
【文献】 特開2011−006157(JP,A)
【文献】 米国特許第05215694(US,A)
【文献】 特開2009−067397(JP,A)
【文献】 実開昭59−196444(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44−35/54
B65D 39/00−55/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
頂壁(3)に注出口(4)を構成するノズル(4a)を立設し、容器本体(7)の口筒部(7a)に組付くキャップ本体(2)と、閉状態で前記ノズル(4a)内に挿入されて前記注出口(4)を閉塞する閉塞体(5a)が突設された上蓋(5)と、該上蓋(5)を前記キャップ本体(2)に対して開閉回動自在に連結するヒンジ(6)と、を有する合成樹脂製の注出キャップ(1)において、
前記ノズル(4a)の先端を断面傾斜状に形成すると共に、前記ノズル(4a)を間に挟んで前記ヒンジ(6)とは逆側に位置する上端側に断面湾曲形状からなるカール部(4b)を形成し、
上蓋(5)の内面(5A)上前記閉塞体(5a)の基端周囲の一で且つ閉状態において前記カール部(4b)と対向する位置に、前記閉状態において前記カール部(4b)を受け入れてその形状を成形する加工溝(5b)を円弧状に形成したことを特徴とする注出キャップ。
【請求項2】
加工溝(5b)を断面円弧状に形成した請求項記載の注出キャップ。
【請求項3】
ノズル(4a)と閉塞体(5a)の一方に係止凸部を形成し、他方に係止凹部を形成して上蓋(5)を閉状態に維持する係止機構を設けた請求項1または2に記載の注出キャップ。
【請求項4】
係止機構が、ノズル(4a)内の注出路(4c)の下端部に段差状に形成した係止凹部(4d)と、閉塞体(5a)の先端を太く形成した係止凸部(5c)とにより構成される請求項3記載の注出キャップ。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか一項に記載の注出キャップ(1)の製造方法であって、
溶融した合成樹脂材料を所定の金型内に注入して射出成形し、その後に離型することにより前記注出キャップ(1)を得る第1の工程と、
離型直後の前記合成樹脂材料が完全に硬化する前の状態において、ヒンジ(6)を介して上蓋(5)を回動させて閉状態に設定し、加工溝(5b)内にノズル(4a)先端を挿入させることにより、前記ノズル(4a)先端であるカール部(4b)を所定の湾曲形状に成形する第2の工程と、を有することを特徴とする注出キャップの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の口筒部に装着される合成樹脂製の注出キャップに関し、特には良好な液切れ性を発揮する注出キャップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、内容液がシャンプー、リンス又は液体調味料等の注出容器では、容器本体の口筒部に注出口付きの注出キャップを嵌合し、容器本体を両側から押し込みながら傾けることによって、この注出口から内容物を注出するようにしている。
【0003】
図7Aは注出キャップ本体の頂壁に設けられた注出口の理想形状を拡大して示す部分断面図である。このように、注出口は頂壁にノズルを突設し、その先端を湾曲させて全体的にラッパ状に開く形状からなるカール部とすることにより、内容液の液切れを良くして注出口の外周に付着しないような工夫が施されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−226801号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
注出キャップは、溶融状態の合成樹脂を成形金型で射出成形することにより形成されるが、ノズル先端のカール部はラッパ状に開いた形状であるため、成形金型を無理抜きして離型する必要がある。
【0006】
しかしながら、成形金型を無理抜きすると、図7Bに示すようにカール部の直下部分が直線状に伸ばされ、全体的に湾曲が小さくなり、すなわちカール部の曲率半径rが小さくなり過ぎて金型通りの理想形状(図7A参照)から離れた形状で成形されてしまい、結果として良好な内容液の液切れを達成できなくなるという問題がある。
【0007】
本発明は、上記した従来技術における問題点を解消すべく、ノズル先端のカール部の形状をより理想的な湾曲形状とすることにより、良好な内容液の液切れを達成できるようにした注出キャップを創出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための手段のうち、本発明の主たる構成は、
頂壁に注出口を構成するノズルを立設し、容器本体の口筒部に組付くキャップ本体と、閉状態でノズル内に挿入されて注出口を閉塞する閉塞体が突設された上蓋と、上蓋をキャップ本体に対して開閉回動自在に連結するヒンジと、を有する合成樹脂製の注出キャップにおいて、ノズルの先端を断面傾斜状に形成すると共に、ノズルを間に挟んでヒンジとは逆側に位置する上端側に断面湾曲形状からなるカール部を形成し、
上蓋の内面(5A)上閉塞体の基端周囲の一で且つ閉状態においてカール部と対向する位置に、閉状態においてカール部を受け入れてその形状を成形する加工溝を円弧状に形成した、と云うものである。
【0009】
本発明の主たる構成である注出キャップでは、上蓋を閉状態にしてノズル先端のカール部を加工溝内に挿入させることにより、この加工溝がカール部を成形することによって金型通りの理想的な湾曲形状化を達成する。
【0011】
上記構成では、理想的な形状からなるカール部を、ノズル先端のうち、比較的頻繁に内容液が注出される側、すなわちヒンジ形成位置と逆側の位置への形成を達成する。
【0014】
本発明の他の構成は、上記記載の発明において、加工溝を断面円弧状に形成した、と云うものである。
【0015】
上記構成では、ノズル先端を円弧形状に成形することにより、金型通りの湾曲形状からなるカール部とすることを達成する。
【0016】
本発明の他の構成は、上記いずれかに記載の発明において、ノズルと閉塞体の一方に係止凸部を形成し、他方に係止凹部を形成して上蓋を閉状態に維持する係止機構を設けた、と云うものである。
【0017】
上記構成では、カール部が挿入された加工溝の近傍に係止機構を配置することにより、強固な力で加工溝がカール部を押え付けることが可能となり、カール部の理想的な湾曲形状化を達成する。
【0018】
本発明の他の構成は、上記いずれかに記載の注出キャップの製造方法であって、
溶融した合成樹脂材料を所定の金型内に注入して射出成形し、その後に離型することにより注出キャップを得る第1の工程と、
離型直後の前記合成樹脂材料が完全に硬化する前の状態において、ヒンジを介して上蓋を回動させて閉状態に設定し、加工溝内にノズル先端を挿入させることにより、ノズル先端であるカール部を所定の湾曲形状に成形する第2の工程と、を有する、と云うものである。
【0019】
上記構成では、溶融樹脂が完全に硬化する前の離型直後の段階において、ノズル先端を加工溝内に挿入して成形することで、カール部を金型通りの理想的な湾曲形状に仕上げる。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、上記した構成となっているので、以下に示す効果を奏する。
本発明の主たる構成においては、上蓋を閉じて閉状態とすることにより、ノズル先端を成形し、カール部の形状を理想的な形状に近づけることができるため、液切れ性に優れた注出キャップとすることが可能となる。
【0021】
た湾曲形状のカール部を、ノズルを間に挟んでヒンジとは逆側となる位置に形成すると共に、加工溝を、閉塞体の基端周囲で且つ閉状態において前記カール部と対向する位置に円弧状に形成しているので、一般的には容器本体を傾ける方向は、ヒンジの形成位置とは逆方向となるので、ヒンジと逆側の位置にカール部及び加工溝を形成することにより、液切れ性に優れると共に使い勝手の良い注出キャップとすることができる。
【0023】
た加工溝を断面円弧状に形成した構成にあっては、ノズルの先端であるカール部を成形金型通りの理想的な湾曲形状とすることができるため、良好な液切れ性を発揮する注出キャップとすることが可能となる。
【0024】
たノズルと閉塞体の一方に係止凸部を形成し、他方に係止凹部を形成して上蓋を閉状態に維持する係止機構とした構成にあっては、上蓋を閉状態としたときに、加工溝がカール部を強固に押え付けることができるため、ノズルの先端であるカール部をより成形金型通りの理想的な湾曲形状とすることができる。
【0025】
また上記いずれかの注出キャップの製造方法であって、溶融した合成樹脂材料を所定の金型内に注入して射出成形し、その後に離型することにより注出キャップを得る第1の工程と、離型直後の前記合成樹脂材料が完全に硬化する前の状態において、ヒンジを介して上蓋を回動させて閉状態に設定し、加工溝内にノズル先端を挿入させることにより、ノズル先端であるカール部を所定の湾曲形状に成形する第2の工程と、を有する構成にあっては、離型時の無理抜き作業において、カール部の直下部分が直線状に伸ばされ、理想形状から離れた形状で成形されてしまった場合であっても、上蓋を閉じるだけでノズル先端を再成形することができるため、容易にカール部を金型通りの理想的な湾曲形状に近づけることができ、内容液の良好な液切れを達成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明による注出キャップの実施例を示す平面図である。
図2図1の注出キャップの縦断面図である。
図3】上蓋の閉状態を段階的に示す縦断面図であり、Aは閉塞体側の係止凸部がノズル側の段差凹部に係止される直前の状態、Bは閉塞体側の係止凸部がノズル側の段差凹部に係止された直後の状態、Cは上蓋が完全に閉じた状態を示す。
図4図1の注出キャップに設けられた注出口を構成するノズル先端を拡大し、Aはノズル先端の理想形状を示す縦断面図、Bは離型時に無理抜きした後のノズル先端の状態を示す縦断面図である。
図5出キャップの参考例を示す平面図である。
図6図5の注出キャップの縦断面図である。
図7】従来の注出キャップに設けられた注出口を構成するノズル先端を拡大して示すものであり、Aはノズル先端の理想形状を示す縦断面図、Bは離型時に無理抜きした後のノズル先端の状態を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は本発明による注出キャップの実施例を示す平面図、図2図1の注出キャップの縦断面図、図3図1の注出キャップにおいて上蓋の閉状態を段階的に示す縦断面図であり、Aは閉塞体側の係止凸部がノズル側の段差凹部に係止される直前の状態、Bは閉塞体側の係止凸部がノズル側の段差凹部に係止された直後の状態、Cは上蓋が完全に閉じた状態を示している。図4は、図1の注出キャップに設けられた注出口を構成するノズル先端を拡大し、Aはノズル先端の理想形状を示す縦断面図、Bは離型時に無理抜きした後のノズル先端の状態を示す縦断面図である。
【0028】
図1及び図2に示すように、本発明の注出キャップ1は、点線で示す容器本体7の口筒部7aに密に外装螺合して組付くキャップ本体2と、このキャップ本体2にヒンジ6を介して一体に開閉回動自在に連結された上蓋5とから構成され、全体が合成樹脂材料で一体に成形されている。
【0029】
キャップ本体2は、容器本体7の口筒部7aに外装螺合する有頂円筒形状の頂壁3上面のやや前寄りの位置(図2では、ヒンジ6と逆側の左寄りの位置)に注出口4が設けられている。
【0030】
注出口4は、頂壁3の上面に立設されたノズル4aと、その先端がラッパ状に開くように断面湾曲形状に形成したカール部4bとを有して形成されている。実施例に示す注出キャップ1では、カール部4bは前寄りの位置のみに形成され、ヒンジ6寄りの位置には形成されていない構成である。ノズル4aは、カール部4bを有する前寄りの先端の方が、カール部4bを有さないヒンジ6寄りの先端よりも高い断面傾斜状に形成されている。
【0031】
ノズル4aの内側には、高さ方向に貫通する注出路4cが形成されている。この注出路4cの内周面は、上方に拡径したテーパー面となっていて、開閉回動動作時における上蓋5の閉塞体5aのノズル4aに対する挿入、及び離脱動作が円滑に達成されるようにしている。また注出路4cの下端部分には、径寸法を若干大きくして形成した段差状の係止凹部4d(係止機構)が設けられている。
【0032】
上蓋5は、ヒンジ6を介してキャップ本体2の後側上端に一体に連結されている。深皿状の上蓋5の内面5Aで、且つ閉状態でノズル4aに対向する位置には細円筒片からなる閉塞体5aが突設されている。この閉塞体5aの長さ寸法は、注出路4cよりも若干長く、上蓋5の閉状態で、ノズル4aの深部まで進入(図3C参照)できる寸法で形成されている。閉塞体5aの先端の外面には、径寸法を局部的に若干太く形成してなる係止凸部5c(係止機構)が周設されている。
【0033】
図1に示すように、上蓋5の内面5A上で、閉塞体5aの基端部の周囲で、且つ閉状態でカール部4bに対向する位置には、円弧形状からなる加工溝5bが形成されている。図2に示すように、加工溝5bは断面円弧状で形成されており、後述するようにこの加工溝5b内にカール部4bが挿入できるようになっている。
【0034】
次に、上記の注出キャップ1の製造方法について説明する。
注出キャップ1は、溶融状態の合成樹脂材料を図示しない所定の成形金型内に注入して射出成形し、その後に離型することにより形成される第1の工程と、以下に説明する第2の工程を経て形成することができる。
【0035】
なお、離型は、合成樹脂材料が完全に硬化する前に成形金型を無理抜きして行うため、図4Bに示すように上記従来同様にカール部4bの直下部分が直線状に伸び、カール部4bの湾曲形状を構成する曲率半径が小さくなり過ぎて理想形状(図4A参照)から離れた形状で成形されることがある。
【0036】
図3A、B及びCに示すように、ヒンジ6を介して上蓋5を回動させると、閉塞体5aをノズル4a先端から注出路4c内に侵入させることができると共に、キャップ本体2の頂壁3を覆う閉状態に設定することができる。
【0037】
図3Aは、上蓋5を回動させて閉状態としたときに、閉塞体5aの先端に設けられた係止凸部5cが、ノズル4a側の注出路4c内に形成された係止凹部4dに係止される直前の状態を示している。このとき、キャップ本体2側に設けられたカール部4bが、上蓋5側に設けられた加工溝5b内に挿入される。
【0038】
この状態からさらに上蓋5を閉じる方向に回動させると、図3Bに示すように、閉塞体5a側の係止凸部5cがノズル4a側の係止凹部4dを下方に乗り越えて係止状態に至る。これにより、注出キャップ1は、上蓋5は容易に開くことがなくなる。同時に、上蓋5側の加工溝5bがキャップ本体2側のノズル4a先端であるカール部4bを下方に押さえ付けるので、離型直後の比較的高温で軟らかい状態にあるカール部4bが加工溝5bに倣う円弧形状に成形される。
【0039】
そして、図3Cに示すように、上蓋5が完全に閉じた状態で温度を低下させると、カール部4bは加工溝5bに倣う円弧形状に保持された状態で硬化するので、結果としてより理想的な湾曲形状に成形することができる。
【0040】
このように、本発明では第1の工程において、カール部4bを理想の湾曲形状から離れた形成(図4b参照)に成形されてしまっても、離型直後に上蓋5を閉じるという簡単な第2の工程を行うことにより図4Aに示すような理想的な湾曲形状のカール部4bを有する注出キャップ1とすることができる。しかも従来の製造方法に大幅な変更を加えることなく、簡単に良好な液切れ性を発揮する注出キャップを製造することができる。
【0041】
図5は注出キャップの参考例を示す平面図、図6図5の注出キャップの縦断面図である。
参考例に示す注出キャップが、上記実施例の注出キャップ1と異なる点は、カール部4bと加工溝5bの形状にあり、その他の構成及び製造方法は上記実施例と同様であるので、以下においては主として異なる構成について説明する。なお、同一部材については同一の符号を付して説明する。
【0042】
図5及び図6に示すように、参考例に示す注出キャップ1では、カール部4bがノズル4a先端に、その全周に亘って形成されており、この場合のノズル4a先端の形状は上記実施例のような断面傾斜状ではなく断面水平状である。
【0043】
また上蓋5の内面5A上で、閉塞体5aの基端部の周囲には、円周状に配置された加工溝5bが、ノズル4a先端の全周に亘って形成されたカール部4bに対応して形成されている。なお、加工溝5bの断面形状は、上記実施例同様に円弧状であり、この円周状の加工溝5b内に円周状に形成されたカール部4bを挿入できるようになっている。
このため、円周状に形成されたカール部4bの全体を金型通りの理想的な湾曲形状とすることが可能であり、容器本体をどの方向に傾けて内容液を注出しても、常に良好な液切れ性を発揮する注出キャップ1とすることができる。
【0044】
以上、実施例に沿って本発明の構成とその作用効果について説明したが、本発明の実施の形態は上記実施例に限定されるものではない。
【0045】
上記実施の形態では、上蓋5側の閉塞体5aに係止凸部5cを形成し、キャップ本体2側のノズル4a内に係止凹部4dを形成した実施例を示して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、この上蓋5側の閉塞体5aに係止凹部を形成し、キャップ本体2側のノズル4a内に係止凸部を形成した構成であってもよい。
【0046】
また上記実施の形態では、上蓋5を閉状態とする係止機構を、上蓋5側の閉塞体5aに形成した係止凸部5cとキャップ本体2側のノズル4a内に形成した係止凹部4dにより構成した実施例を示して説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、ヒンジ6の形成位置とは逆側となる上蓋5の前側とキャップ本体2の前側との対向部分に係止機構を設けた構成であってもよい。
【0047】
また上記実施の形態では、注出キャップの製造段階において、上蓋5側の加工溝5bを利用してカール部4bを理想的な湾曲形状に成形する場合について説明したが、注出キャップの製造段階に限られるものではなく、上蓋5を閉状態にすることにより、上蓋5側の加工溝5bがノズル4a先端を押さえてカール部4bに湾曲状の癖を付けることができるため、製造後においてもカール部4bの理想的な湾曲形状を維持することが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明の注出キャップは、従来の製造方法を変更せずに従来よりも良好な液切れ性が要求される注出キャップ分野における用途展開をさらに広い領域で図ることができる。
【符号の説明】
【0049】
1 ;注出キャップ
2 ;キャップ本体
3 ;頂壁
4 ;注出口
4a ;ノズル
4b ;カール部
4c ;注出路
4d ;係止凹部
5 ;上蓋
5A ;上蓋の内面
5a ;閉塞体
5b ;加工溝
5c ;係止凸部
6 ;ヒンジ
7 ;容器本体
7a ;口筒部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7