(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記シュータの先端部に、取出し指令信号があったとき上記シュータの先端から部品の送給の許容及び停止を行って部品を所定数送給可能にする取出し動作を行なわせるストッパ機構を設け、
上記ストッパ機構に取出し指令信号を送出する取出し指令信号送出手段を有したストッパ制御部を備えたことを特徴とする請求項1記載の部品供給装置。
上記所要重量判断手段は、上記取出し指令信号送出手段が取出し指令信号を送出する毎に、上記重量算出手段が算出した重量が上記所要重量記憶手段が記憶した所要の重量になったか否かを判断する機能を備え、
上記ストッパ制御部は、該所要重量判断手段が所要の重量になっていないと判断したとき容器に収容された部品を引渡し不能として、上記取出し指令信号送出手段に取出し指令信号を繰り返し送出させる機能を備えたことを特徴とする請求項2記載の部品供給装置。
上記ストッパ制御部に、上記下側ストッパの後退後、上記重量検出器の重量変動の有無を検知する重量変動検知手段を設け、該重量変動検知手段が重量変動無を検知したとき該重量変動検知手段が重量変動有を検知するまで上記下側ストッパの進退動と上側ストッパの進退動とを交互に行わせる重量変動確認手段を設けたことを特徴とする請求項4記載の部品供給装置。
上記ストッパ機構で停止させられる最先端の部品の頭部を支承する上記シュータの先端支承部を一般支承部よりも少なくとも上記頭部の厚さ分低く形成したことを特徴とする請求項2乃至5何れかに記載の部品供給装置。
上記計量引渡し機を、上記容器を保持するとともに一端側が上記機台に対して回動可能に設けられ他端側が上記重量検出器の検出部に支承されて該重量検出器での重量検出を行わせる計量位置及び回動により容器を傾転させて留置した部品を排出可能にする傾転位置の2位置に移動可能な保持部材と、該保持部材を計量位置及び傾転位置の2位置に移動させる傾転駆動部とを備えて構成したことを特徴とする請求項1乃至7何れかに記載の部品供給装置。
上記傾転駆動部を、上記機台に一端側が回動可能に設けられ他端側が上記保持部材の計量位置で離間して対峙するとともに回動により上記保持部材を支承して該保持部材を計量位置から傾転位置に移動させる傾転部材と、該傾転部材を回動させるアクチュエータとを備えて構成したことを特徴とする請求項8記載の部品供給装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来の部品供給装置では、シュータ906から排出された部品Wは、セパレータにより、一個ずつ取出されるが、例えば、自動車の組み立てラインなどで、同じ部品を作業員が所要量まとめて取出して、組付けに用いる場合があり、その場合には、一個ずつ逐一取り出すのはかえって不便になる。そのため、ある程度、部品の所要量をまとめて取り出すことを行いたい。そのため、例えば、収容部からシャッタ機構を介して部品を送給し、この部品を容器で受けて所要量集合させて計量器により計量する計量機構を設け、この計量機構で計量した部品を引渡し可能にすることが考えられる。
【0005】
しかしながら、この従来の部品供給装置に計量器を用いた計量機構を単に適用しても、ディッパ908のような可動体があるので、その行程中において、振動が計量器に伝達されて計量に誤差が生じ、計量が不正確になることが懸念される。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、ディッパのような可動体の影響を可能な限り低減して部品を正確に計量できるようにし、所要の重量の部品を確実に供給できるようにした部品供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するため、本発明の部品供給装置は、機台に設けられ部品を多数収容した収容部から内部の可動体を動かして部品を供給する部品供給装置において、
上記機台に上記収容部からの部品を計量し所要量集合させて引渡し可能にする計量引渡し機を設け、該計量引渡し機を、上記収容部からの部品を受けて留置する容器と、該容器の重量を検出して重量検出データを連続的に送出する重量検出器とを備えて構成し、
上記容器内の部品の重量を管理する重量管理部を設け、該重量管理部を、引渡すべき部品の所要重量を記憶する所要重量記憶手段と、上記重量検出器からの重量検出データを受入れて該重量検出データに基づいて容器内の部品の重量を算出する重量算出手段と、該重量算出手段が算出した重量が上記所要重量記憶手段が記憶した所要の重量になったか否かを判断する所要重量判断手段と、該所要重量判断手段が所要の重量になったと判断したとき上記容器に収容された部品を引渡し可能として引き渡し指令信号を送出する引渡し指令信号送出手段とを備えて構成し、
上記重量管理部に、上記可動体の所定の行程中において上記重量算出手段の重量検出データの受入を禁止するマスク手段を設けた構成としている。
【0007】
これにより、部品を供給するときは、収容部において可動体を動かして、収容部から例えば、一個一個部品を送給し、計量引渡し機の容器に留置する。計量引渡し機では、重量検出器により容器の重量を検出して重量検出データを連続的に送出する。重量管理部では、重量算出手段がこの重量検出データを受入れてこの重量検出データに基づいて容器内の部品の重量を算出し、所要重量判断手段が、重量算出手段が算出した重量が所要量記憶手段が記憶した所要の重量になったか否かを判断し、所要重量判断手段が所要の重量になったと判断すると、引渡し指令信号送出手段が引き渡し指令信号を送出する。このとき、収容部からの部品の送給を停止する等し、この状態で、計量引渡し機の容器から留置した部品を排出し、あるいは取出す。
この場合、重量管理部に、可動体の所定の行程中において重量算出手段の重量検出データの受入を禁止するマスク手段を設けたので、例えば、可動体の始動時の振動が大きい時等はこの行程中の不安定な重量検出データを採用しないようにすることができ、そのため、可動体の影響を可能な限り低減して部品を正確に計量できるようになり、所要の重量の部品を確実に供給できるようになる。
【0008】
より具体的には、軸部及び該軸部より大径の頭部を有した部品を供給する部品供給装置であって、機台に設けられ底壁及び側壁を有し部品を多数収容するとともに側壁に設けた排出口から部品を排出する収容部と、上記収容部から上面を下向きに傾斜させて外部に突出し部品の軸部が上側から挿入される溝を有し該溝の開口縁部で部品の頭部を支承して該収容部の排出口から排出された部品を外部へ送給するシュータと、上記収容部内で昇降動可能に設けられるとともに部品の軸部が上側から挿入される溝を有し該溝の開口縁部で部品の頭部を支承して上昇時に上記シュータに部品を受渡すディッパとを備えた部品供給装置において、
上記機台に、上記シュータから送給される部品を受けて留置するとともに該留置された部品を計量して所要量集合させて引渡し可能にする計量引渡し機を設け、該計量引渡し機を、上記シュータの先端部から送給される部品を受けて留置する容器と、該容器の重量を検出して重量検出データを連続的に送出する重量検出器とを備えて構成し、
上記容器内の部品の重量を管理する重量管理部を設け、該重量管理部を、引渡すべき部品の所要重量を記憶する所要重量記憶手段と、上記重量検出器からの重量検出データを受入れて該重量検出データに基づいて容器内の部品の重量を算出する重量算出手段と、該重量算出手段が算出した重量が上記所要重量記憶手段が記憶した所要の重量になったか否かを判断する所要重量判断手段と、該所要重量判断手段が所要の重量になったと判断したとき容器に収容された部品を引渡し可能として引き渡し指令信号を送出する引渡し指令信号送出手段とを備えて構成し、
上記重量管理部に、上記ディッパの所定の行程中において上記重量算出手段の重量検出データの受入を禁止するマスク手段を設けた構成としている。
【0009】
これにより、部品を供給するときは、収容部に部品を入れ、ディッパを昇降動させ、この上昇時に収容部内の部品をディッパで捕獲し、上昇時に部品をシュータに受渡す。そして、シュータの先端部から、例えば、一個一個部品を送給し、計量引渡し機の容器に留置する。計量引渡し機では、重量検出器により容器の重量を検出して重量検出データを連続的に送出する。重量管理部では、重量算出手段がこの重量検出データを受入れてこの重量検出データに基づいて容器内の部品の重量を算出し、所要重量判断手段が、重量算出手段が算出した重量が所要量記憶手段が記憶した所要の重量になったか否かを判断し、所要重量判断手段が所要の重量になったと判断すると、引渡し指令信号送出手段が引き渡し指令信号を送出する。このとき、収容部からの部品の送給を停止する等し、この状態で、計量引渡し機の容器から留置した部品を排出し、あるいは取出す。
この場合、重量管理部に、可動体としてのディッパの所定の行程中において重量算出手段の重量検出データの受入を禁止するマスク手段を設けたので、例えば、ディッパの始動時の振動が大きい時等はこの行程中の不安定な重量検出データを採用しないようにすることができ、そのため、ディッパの影響を可能な限り低減して部品を正確に計量できるようになり、所要の重量の部品を確実に供給できるようになる。
【0010】
そして、必要に応じ、上記シュータの先端部に、取出し指令信号があったとき上記シュータの先端から部品の送給の許容及び停止を行って部品を所定数送給可能にする取出し動作を行なわせるストッパ機構を設け、上記ストッパ機構に取出し指令信号を送出する取出し指令信号送出手段を有したストッパ制御部を備えた構成としている。ストッパ制御部の取出し指令信号送出手段から取出し指令信号を送出する毎に、ストッパ機構は部品の送給の許容及び停止を行って部品を所定数、例えば、1個ずつ送給することができるので、部品が間欠的に送給されることになり、そのため、計量引渡し機の容器に部品が段階的に受け入れられることから、部品を一時に受け入れる場合に比較して、重量管理部での重量管理を確実に行うことができ、所要の重量の部品をより一層確実に供給できるようになる。
【0011】
この場合、必要に応じ、上記所要重量判断手段は、上記取出し指令信号送出手段が取出し指令信号を送出する毎に、上記重量算出手段が算出した重量が上記所要重量記憶手段が記憶した所要の重量になったか否かを判断する機能を備え、上記ストッパ制御部は、該所要重量判断手段が所要の重量になっていないと判断したとき容器に収容された部品を引渡し不能として、上記取出し指令信号送出手段に取出し指令信号を繰り返し送出させる機能を備えた構成としている。取出し指令信号送出手段が取出し指令信号を送出する毎に、部品の重量確認を行うので、重量検出精度を向上させることができ、それだけ、部品を正確に計量できるようになり、所要の重量の部品を確実に供給できるようになる。
【0012】
また、必要に応じ、上記ストッパ機構を、上記シュータの先端部に進退動可能に設けられ進出時に部品に係止して部品の移動を停止し後退時に部品の移動を許容する下側ストッパと、上記シュータの先端部であって上記下側ストッパより上側に所定間隔離れた位置で進退動可能に設けられ進出時に部品に係止して部品の移動を停止し後退時に部品の移動を許容する上側ストッパとを備えて構成し、上記下側ストッパ及び上側ストッパの所定間隔を、部品が1個ストックされる間隔に設定し、該ストッパ機構が上記下側ストッパの進退動と上側ストッパの進退動とを交互に行って、部品を1個ずつ送給可能にした構成としている。ストッパ機構を簡易な機構にすることができる。また、部品を1個ずつ送給してその送給毎に重量を確認できるので、それだけ、重量検出精度を向上させることができ、所要の重量の部品を確実に供給できるようになる。
【0013】
更に、必要に応じ、上記ストッパ制御部に、上記下側ストッパの後退後、上記重量検出器の重量変動の有無を検知する重量変動検知手段を設け、該重量変動検知手段が重量変動無を検知したとき該重量変動検知手段が重量変動有を検知するまで上記下側ストッパの進退動と上側ストッパの進退動とを交互に行わせる重量変動確認手段を設けた構成としている。下側ストッパの後退後は、通常は、下側ストッパ及び上側ストッパ間にある1個の部品が送給されて、重量変動が生じる。しかしながら、重量変動検知手段が重量変動無を検知したときは、下側ストッパ及び上側ストッパ間にある1個の部品が引っ掛る等の理由で送給されずに残っている可能性が高いと判断される。この場合は、重量変動確認手段が重量変動有を検知するまで下側ストッパの進退動と上側ストッパの進退動とを交互に行わせるので、何らかの振動が伝達され、あるいは、部品にストッパが接触して、引掛りが解消され部品が送給されることが期待される。そのため、部品が引掛って機械を停止する頻度を低減することができ、信頼性の向上を図ることができる。
【0014】
更にまた、必要に応じ、上記ストッパ機構で停止させられる最先端の部品の頭部を支承する該シュータの先端支承部を一般支承部よりも少なくとも上記頭部の厚さ分低く形成した構成としている。部品の頭部が薄いような場合には、シュータ上で頭部同士が重なり、そのため、最先端の部品の頭部が後位の部品の頭部に押えられて送給に支障が生じる場合もあるが、先端支承部が一般支承部よりも頭部の厚さ分低く形成されているので、最先端の部品の頭部が後位の部品の頭部によって押えられることがなくなり、そのため、確実に最先端の部品を送給することができるようになる。
【0015】
この場合、上記先端支承部の少なくとも先端側を下向きに傾斜形成したことが有効である。先端支承部の少なくとも先端側を下向きに傾斜形成したので、最先端の部品をより一層送給させ易くなる。
【0016】
また、必要に応じ、上記計量引渡し機を、上記容器を保持するとともに一端側が上記機台に対して回動可能に設けられ他端側が上記重量検出器の検出部に支承されて該重量検出器での重量検出を行わせる計量位置及び回動により容器を傾転させて留置した部品を排出可能にする傾転位置の2位置に移動可能な保持部材と、該保持部材を計量位置及び傾転位置の2位置に移動させる傾転駆動部とを備えて構成した構成としている。傾転駆動部によって容器を傾転させて留置した部品を排出するので、所要量の部品の引渡しを一時に行うことができる。
【0017】
更に、必要に応じ、上記傾転駆動部を、上記機台に一端側が回動可能に設けられ他端側が上記保持部材の計量位置で離間して対峙するとともに回動により上記保持部材を支承して該保持部材を計量位置から傾転位置に移動させる傾転部材と、該傾転部材を回動させるアクチュエータとを備えて構成している。傾転部材は、保持部材の計量位置では保持部材から離間しているので、重量検出器には、保持部材を介して容器の重量のみが作用することから、それだけ、重量検出精度が向上させられる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、収容部において可動体を動かして、収容部から部品を送給し、計量引渡し機において、重量を算出し、所要の重量になったとき引渡し可能にするが、この場合、重量管理部に、可動体の所定の行程中において重量算出手段の重量検出データの受入を禁止するマスク手段を設けたので、例えば、可動体の始動時の振動が大きい時等はこの行程中の不安定な重量検出データを採用しないようにすることができ、そのため、可動体の影響を可能な限り低減して部品を正確に計量できるようになり、所要の重量の部品を確実に供給できるようになる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態に係る部品供給装置について詳細に説明する。
図1乃至
図10に示すように、本発明の実施の形態に係る部品供給装置Kは、
図7及び
図8に示すように、軸部Wa及び該軸部Waより大径の頭部Wbを有したグロメットやビス等の小物部品Wを供給するものである。実施の形態が供給する部品Wは、プラスチック製のグロメットであり、長さ10〜30mm、頭部Wbの直径が10〜30mm程度で、その厚さが1〜2mm程度のものである。部品Wはこれに限定されるものではない。
【0021】
実施の形態に係る部品供給装置Kは、一次側部品供給装置KAと、二次側部品供給装置としての計量引渡し機KBと、制御部Sとを備えている。
一次側部品供給装置KAは、板状の機台2に設けられ部品Wを多数収容する収容部1を備えている。
収容部1は、底壁3及び4つの側壁4を有し部品Wを多数収容するボックス状に形成され、脚体5を介して矩形状のベース板6に支持されている。また、ベース板6は、各コーナ部側において機台2に立設した4本の支柱7に支持されている。前側の側壁4には部品Wを排出する排出口8が設けられている。排出口8は、部品Wの形状に合わせて部品Wが通過可能なT字状に形成されている。収容部1の底壁3には、後述のディッパ20が摺接して出没移動可能な矩形細長状の開口9が形成されている。また、ベース板6には、この開口9に対応し、ディッパ20が移動可能な切欠き6aが形成されている。後述もするが、ディッパ20の上面は傾斜形成されており、収容部1の底壁3に設けた開口9の開口縁9aは、ディッパ20の傾斜方向に沿わせて傾斜形成されている。また、底壁3の開口9の両側部分3a,3bは、開口9に向けて下向きに傾斜形成されている。
【0022】
収容部1において側壁4の前側の外側にはシュータ10が取付部材11に取り付けられている。シュータ10は、収容部1から上面を下向きに傾斜させて外部に突出し部品Wの軸部Waが上側から挿入される溝12を有し、この溝12の開口縁部12aで部品Wの頭部Wbを支承して、収容部1の排出口8から排出される部品Wを外部へ送給するものである。
【0023】
また、一次側部品供給装置KAは、可動体としてのディッパ20を備えている。ディッパ20は、収容部1内で昇降動可能に設けられるとともに、部品Wの軸部Waが上側から挿入される溝21を有し、溝21の開口縁部21aで部品Wの頭部Wbを支承して上昇時にシュータ10に部品Wを受渡すものである。ディッパ20は、上側に傾斜方向を、シュータ10と同じにする溝21を有した板状に形成されている。このディッパ20は、収容部1の開口9内に没入する下点位置X及びシュータ10に部品Wを受け渡し可能な上点位置Yの2位置に移動可能、且つ、上下直線方向に移動可能に設けられている。そして、上記もしたが、収容部1の底壁3に設けた開口9の開口縁9aは、ディッパ20の上面(溝21の開口縁部21a)の傾斜方向に沿わせて傾斜形成されている。ディッパ20の下点位置Xにおいては、ディッパ20の上面(溝21の開口縁部21a)は、底壁3の開口9の開口縁9aより下に位置させられる(
図5(a))。
【0024】
ディッパ20は、ディッパ駆動部22により昇降動させられる。ディッパ駆動部22は、収容部1の外部下方でディッパ20の下部を支持する支持板23と、機台2に設けられ支持板23を昇降動させるエアシリンダ装置24とを備えて構成されている。支持板23は矩形状に形成され、上記支柱7に挿通される挿通孔23aを有しており、昇降動する際に、支柱7によってガイドされる。エアシリンダ装置24は、ピストン24a及びシリンダ24bを備え、収容部1の前側に一対設けられている。エアシリンダ装置24のシリンダ24bはベース板6に固定され、ピストン24aの先端が支持板23に固定されており、ピストン24aの進出時にディッパ20を下点位置Xに位置させ、ピストン24aの後退時にディッパ20を上点位置Yに位置させる。ピストン24aの後退時においては、シリンダ24bに供給されるエア回路を遮断してこの上端位置にディッパ20をロック可能にしている。このように、ディッパ駆動部22は、支持板23をシリンダ装置24で昇降動させるだけの簡単な機構なので、機構を確実に簡単にすることができる。
【0025】
また、
図3及び
図5に示すように、側壁4の排出口8を開閉するシャッタ25が設けられている。シャッタ25は、ディッパ20が上点位置Yに位置したとき排出口8を開にするように、ディッパ20の前側に付帯させられている。シャッタ25には、排出口8と同形状のT字状の開放口26が形成されており、ディッパ20の上点位置Yで、この開放口26は排出口8と合致して、部品Wが通過できるようになる。尚、
図3(b)においては、ディッパ20が下点位置Xにあるとき、シャッタ25の上側に排出口8が露出しているが、ディッパ20の下点位置Xでは、収容部1内の部品W群は、排出口8より下に位置するようになるので支障がない。即ち、シャッタ25は、ディッパ20の上点位置Yへの移動時に排出口8を閉じ、ディッパ20によって持ち上げられる部品Wが排出口8から飛び出たり、引っ掛かってしまう事態を抑制している。
【0026】
更に、
図1,
図3及び
図4に示すように、収容部1に隣接して、部品Wを貯留する貯留部30が設けられている。収容部1と貯留部30とは、収容部の側壁4としても構成される仕切り壁31で仕切られており、この仕切り壁31の下端に貯留部30から収容部1へ部品Wが移動可能な通過口32が形成されている。貯留部30の底壁30aは、通過口32に向けて下向きに傾斜形成されている。また、貯留部30内には、駆動されて貯留部30内の部品Wを撹拌する撹拌体33が設けられている。撹拌体33は、仕切り壁31に沿って上下動可能な可動板34と、可動板34の下端側に突設され貯留部30側の部品Wを撹拌する撹拌棒35とから構成されている。可動板34は、ガイド部材34aによって上下摺動可能にガイドされている。また、撹拌体33を駆動する撹拌体駆動部36が設けられている。撹拌体駆動部36は、仕切り壁31の上端側に設けられ、可動板34の上端を上下動させる一対のエアシリンダ装置36aで構成されている。
【0027】
更にまた、
図1,
図3及び
図4に示すように、収容部1内には、ディッパ20上の部品Wに対して上からエアを吹き付ける上噴射ノズル37と、ディッパ20上の部品Wに対して横からエアを吹き付ける横噴射ノズル38とが設けられている。
【0028】
また、
図1及び
図2,
図5乃至
図8に示すように、シュータ10の先端部には、取出し指令信号があったときシュータ10の先端から部品Wの送給の許容及び停止を行って部品Wを所定数送給可能にする取出し動作を行なわせるストッパ機構40が設けられており、シュータ10内に収容部1の排出口8から排出された部品Wを所要量ストック可能にしている。詳しくは、ストッパ機構40は、シュータ10の先端部に進退動可能に設けられ進出時に部品Wに係止して部品Wの移動を停止し後退時に部品Wの移動を許容する下側ストッパ41と、シュータ10の先端部であって下側ストッパ41より上側に所定間隔離れた位置で進退動可能に設けられ進出時に部品Wに係止して部品Wの移動を停止し後退時に部品Wの移動を許容する上側ストッパ42とを備えて構成されている。下側ストッパ41及び上側ストッパ42は、ピストン43a及びシリンダ43bを有したエアシリンダ装置43で構成されており、ピストン43aがシュータ10の溝12に出没して溝12の通路を開閉し、部品Wの軸部Waに当接または当接解除するように、シリンダ43bがシュータ10の側部に固定されて設置されている。下側ストッパ41及び上側ストッパ42の所定間隔は、
図7に示すように、部品Wが1個ストックされる間隔に設定されており、ストッパ機構40が下側ストッパ41の進退動と上側ストッパ42の進退動とを交互に行って、部品Wを1個ずつシュータ10の先端から落下させて送給可能にしている。
【0029】
更に、
図7に示すように、シュータ10においては、ストッパ機構40で停止させられる最先端の部品Wの頭部Wbを支承するシュータ10の先端支承部45が一般支承部46よりも少なくとも頭部Wbの厚さ分低く形成されている。また、先端支承部45の少なくとも先端45a側は、下向きに傾斜形成されている。図中、符号47はシュータ10で搬送される部品Wを覆う透明なカバーである。また、
図6及び
図8に示すように、シュータ10には、排出口8からシュータ10に排出された部品Wを検知する第一センサ48と、下側ストッパ41及び上側ストッパ42間の部品Wを検知する第二センサ49とが設けられている。
【0030】
次に、二次側部品供給装置としての計量引渡し機KBについて説明する。計量引渡し機KBは、
図1及び
図2,
図8乃至
図10に示すように、機台2に設けられ一次部品供給装置KAの収容部1からシュータ10を介して送給された部品Wを、計量し所要量集合させて引渡し可能にするものである。計量引渡し機KBは、収容部1からシュータ10を介して送給された部品Wを受けて留置する容器50と、容器50の重量を検出して重量検出データを連続的に送出する重量検出器51とを備えて構成されている。重量検出器51は、例えばアルミニウム製の起歪体52の撓みをストレンゲージで検出して電気信号に変換して出力する所謂ロードセルタイプのものである。
【0031】
詳しくは、計量引渡し機KBは、機台2に設置され起歪体52を保持するベース体51aと、容器50を保持する保持部材53とを備えている。保持部材53は、一端側が機台2に設置したベース体51aに対して回動可能に設けられ他端側(P点)が重量検出器51の検出部としての起歪体52に支承されて起歪体52での重量検出を行わせる計量位置Q(
図1,
図2,
図8,
図9,
図10(a))及び回動により容器50を傾転させて留置した部品Wを排出可能にする傾転位置R(
図10(b))の2位置に移動可能になっている。また、計量引渡し機KBは、この保持部材53を計量位置Q及び傾転位置Rの2位置に移動させる傾転駆動部54を備えて構成されている。傾転駆動部54は、機台2に設置されたベース体51aに一端側が回動可能に設けられ他端側が保持部材53の計量位置Qで間隙eだけ離間して対峙するとともに回動により保持部材53を支承して保持部材53を計量位置Qから傾転位置Rに移動させる傾転部材55と、傾転部材55を回動させるアクチュエータとしての一対のエアシリンダ装置56とを備えて構成されている。エアシリンダ装置56の両端は、ベース体51a及び傾転部材55にリンク結合されている。
【0032】
保持部材53は両側に一対の脚部53aを備えているとともに、傾転部材55も両側に一対の脚部55aを備え、これらの脚部53a,55aが回動軸57に軸支されている。傾転部材55は、脚部55a間に架設される架設体55bを備え、この架設体55bが、保持部材53の計量位置Qで間隙eだけ離間して保持部材53の底部53bに対峙するとともに、回動時に保持部材53の底部53bを支承して保持部材53を計量位置Qから傾転位置Rに移動させる。また、傾転部材55の脚部55aには、傾転位置Rから計量位置Qに復帰するとき、保持部材53の脚部53aに係止して保持部材53を同動させる係止部58が設けられている。
【0033】
計量引渡し機KBには、一対のシリンダ装置56を作動させる作動ボタン(図示せず)が設けられており、この作動ボタンの押釦により、シリンダ装置56を作動させ、容器50を傾転させて留置した部品Wを排出可能にしている。また、計量引渡し機KBには、後述の制御部Sの重量管理部80に備えられた引渡し指令信号送出手段からの引き渡し指令信号に基づいて、容器50内に引渡すべき所要重量の部品W(引渡すべき所要数量の部品W)が受け入れられたことを報知するランプ(図示せず)が設けられている。作業者は、このランプの点灯により、作動ボタンの操作ができるようにしている。
【0034】
制御部Sは、コンピュータのCPU等の機能によって実現され、
図11に示すように、ディッパ駆動部22のエアシリンダ装置24を制御してディッパ20を昇降動させるディッパ制御部60を備えている。このディッパ制御部60の制御は、ディッパ20の上点位置Yを原点位置に定めて行われる。詳しくは、ディッパ制御部60は、上記の第一センサ48の検知に基づいてシュータ10内にストックされる部品Wが満杯であるか否かを検知する満杯検知手段61と、ディッパ20が上点位置Yに至った際に満杯検知手段61が満杯を検知したときディッパ20を上点位置Yに停止させ、ディッパ20が上点位置Yに至ってからの停止期間中に満杯検知手段61が満杯否を検知したとき、所定時間経過後、上点位置Yから下点位置Xへの移動を開始し、次に上記満杯検知手段61が満杯を検知するまでディッパ20を昇降動させる昇降動指令手段62とを備えている。
【0035】
また、ディッパ制御部60は、ディッパ20が下降中に所定時間停止したことを検知する下降時停止検知手段63と、下降時停止検知手段63が停止を検知したとき昇降動指令手段62の指令を無効にしディッパ20の下降を停止してディッパ20を上昇させる強制上昇手段64と、ディッパ20が上昇中に所定時間停止したことを検知する上昇時停止検知手段65と、上昇時停止検知手段65が停止を検知したとき昇降動指令手段62の指令を無効にしディッパ20の上昇を停止してディッパ20を下降させる強制下降手段66と、強制上昇手段64によって上昇させられたディッパ20が上点位置Yに位置したとき、あるいは、強制下降手段66によって下降させられたディッパ20が下点位置Xに位置したとき再び昇降動指令手段62の指令を有効にする復帰手段67とを備えて構成されている。
【0036】
更に、ディッパ制御部60は、下降時停止検知手段63が検知した下降時停止回数を計数する下降時停止回数計数手段68と、ディッパ20が下降時に所定時間停止せずに下点位置Xに位置したとき下降時停止回数計数手段68が計数した下降時停止回数をリセットする下降時停止回数リセット手段69と、下降時停止検知手段63が停止を検知したとき、下降時停止回数計数手段68が計数した下降時停止回数が所定回数(実施の形態では3回、図中S202)であるか否かを判断する下降時停止回数判断手段70と、上昇時停止検知手段65が検知した上昇時停止回数を計数する上昇時停止回数計数手段71と、ディッパ20が上昇時に所定時間停止せずに上点位置Yに位置したとき上昇時停止回数計数手段71が計数した上昇時停止回数をリセットする上昇時停止回数リセット手段72と、上昇時停止検知手段65が停止を検知したとき、上昇時停止回数計数手段71が計数した上昇時停止回数が所定回数(実施の形態では3回、図中S211)であるか否かを判断する上昇時停止回数判断手段73と、下降時停止回数判断手段70が所定回数であると判断したとき、あるいは、上昇時停止回数判断手段73が所定回数であると判断したとき、昇降動指令手段62の指令を無効にしてディッパ20の昇降動を強制停止する強制停止手段74とを備えて構成されている。
【0037】
また、制御部Sは、上噴射ノズル37と横噴射ノズル38のエアの噴射タイミングを制御するエア噴射制御部75を備えている。エア噴射制御部75は、特に、少なくともディッパ20の上点位置Yにおいて、ディッパ20からシュータ10に部品Wを受渡す前に上噴射ノズル37からエアを噴射させる。横噴射ノズル38からも、後述の所要のタイミングでエアを噴射する。
【0038】
更に、制御部Sは、撹拌体駆動部36を制御する撹拌体制御部76を備えている。撹拌体制御部76は、上記第二センサ49による部品Wの通過検知に基づいて、シュータ10からの部品Wの排出数を計数する排出数計数手段77を有し、排出数計数手段77が所定の排出数(実施の形態では引渡すべき部品Wの所要数)を計数する毎に撹拌体33を所定回数上下動させる。排出数計数手段77の計数は、第一センサ48による部品Wの通過検知によってもよい。また、撹拌体制御部76は、ディッパ20が上点位置Y以外の位置にあるとき、撹拌体33を所定回数上下動させる機能を有している。
【0039】
また、制御部Sは、容器50内の部品Wの重量を管理する重量管理部80を備えている。重量管理部80は、引渡すべき部品Wの所要重量(引渡すべき部品Wの数量に相応する重量)を記憶する所要重量記憶手段81と、重量検出器51からの重量検出データを受入れて重量検出データに基づいて容器50内の部品Wの重量を算出する重量算出手段82と、重量算出手段82が算出した重量が所要重量記憶手段81が記憶した所要の重量になったか否かを判断する所要重量判断手段83と、所要重量判断手段83が所要の重量になったと判断したとき容器50に収容された部品Wを引渡し可能として引き渡し指令信号を送出する引渡し指令信号送出手段84とを備えて構成されている。
【0040】
更に、重量管理部80には、ディッパ20の所定の行程中において重量算出手段82の重量検出データの受入を禁止するマスク手段85が設けられている。マスク手段85によりマスクされる所定の工程は、実施の形態では、ディッパ20が上点位置Yから下降を開始してからの所定期間(500ms)と、ディッパ20が下点位置Xから上昇して上点位置Yに至る直前の所定期間(500ms)に定めている。この期間は、ディッパ20による振動が多く、重量検出データの信頼性に劣る。重量算出手段82は、マスク手段85がマスクしている期間以外の風袋引きした(容器50の重量を差し引いた)重量検出データを受入れて、これを平均化して重量を算出する。
【0041】
更にまた、制御部Sは、ストッパ機構40のエアシリンダ装置43に取出し指令信号を送出する取出し指令信号送出手段91を有したストッパ制御部90を備えている。ストッパ機構40は、取出し指令信号があったとき部品Wを1個送給可能にする取出し動作を行なう。重量管理部80において、所要重量判断手段83は、取出し指令信号送出手段91が取出し指令信号を送出する毎に、重量算出手段82が算出した重量が所要重量記憶手段81が記憶した所要の重量になったか否かを判断する機能を備え、ストッパ制御部90は、所要重量判断手段83が所要の重量になっていないと判断したとき容器50に収容された部品Wを引渡し不能として、取出し指令信号送出手段91に取出し指令信号を繰り返し送出させる機能を備えている。
【0042】
また、ストッパ制御部90は、下側ストッパ41の後退後、重量検出器51の重量変動の有無を検知する重量変動検知手段92と、重量変動検知手段92が重量変動無を検知したとき重量変動検知手段92が重量変動有を検知するまで下側ストッパ41の進退動と上側ストッパ42の進退動とを交互に行わせる重量変動確認手段93とを備えて構成されている。
尚、制御部Sは、上記の制御に限らず、例えば、計量引渡し機KBにおいても、後述の制御を行う機能を備えている。
【0043】
従って、実施の形態に係る部品供給装置Kによれば、以下のようにして部品Wの供給が行われる。
先ず、
図12に示すフローチャート(「カキアゲ」と表示(S100))を用い、ディッパ制御部60及びエア噴射制御部75による処理について説明する。フローチャートでは、上昇時間をTu、下降時間をTd、異常停止回数をneと表記する。
図12に示すように、初期化(S101)後、ディッパ20が上点位置Yにあることが確認され(S102)、上点位置Yにないときは上昇させ(S103,S104)、処理を開始する(S105)。即ち、ディッパ制御部60は、ディッパ20の上点位置Yを原点位置に定めて制御する。原点位置をディッパ20の昇降動行程中に設けると、始動時に部品Wに無理な力がかかって引っ掛る確率が高くなるが、ディッパ20は上点位置Yを始点にして始動するので、即ち、下降動作からスタートすることから、部品Wが引っ掛る確率が極めて低くなり、より一層信頼性の向上を図ることができる。
【0044】
第一センサ48が、排出口8からの部品Wの排出を検知しており、ディッパ制御部60の満杯検知手段61がこの第一センサ48の検知に基づいてシュータ10内にストックされる部品Wが満杯であるか否かを検知する(S106)。昇降動指令手段62は、満杯検知手段61が満杯を検知すると(S106yes)、ディッパ20を上点位置Yに停止させておく。シュータ10から部品Wが送給されて満杯でないことを検知すると(S106no)、所定時間経過後、上点位置Yから下点位置Xへの移動を開始し、次に満杯検知手段61が満杯を検知するまでディッパ20を昇降動させる(S107〜S136,S105)。この場合、先ず、ディッパ20を上点位置Yに停止させた状態で、エア噴射制御部75が上噴射ノズル37からエアを噴射させ、ディッパ20上の部品Wに対して上からエアを吹き付ける(S107)。ディッパ20に引っ掛かった部品Wを吹きとばし、引っ掛かりを防止することができる。また、特に、エア噴射を部品Wの上から行うので、部品Wの軸がディッパ20の溝に完全に入りきらないで中途になっている状態のものがあるような場合には、これを、エアにより押し込んで正規の状態にすることができるので、捕捉効率を向上させることができる。
【0045】
その後、上噴射ノズル37からのエア噴射を止めて所定時間待機する(S108)。このとき、ディッパ20上に部品Wがあれば、ディッパ20は上点位置Yにとどまっているので、排出口8から部品Wがシュータ10に受け渡されて供給される。即ち、シャッタ25に設けたT字状の開放口26と収容部1のT字状の排出口8とが合致しているので、部品Wは開放口26及び排出口8を通過してシュータ10に移動する。この場合、満杯検知手段61が満杯を検知しても、次の動作に移る。
次に、ディッパ20を上点位置Yに停止させた状態で、エア噴射制御部75が横噴射ノズル38からエアを噴射させ、ディッパ20上の部品Wに対して横からエアを吹き付ける(S109)。ディッパ20に引っ掛かった部品Wを吹きとばし、引っ掛かりを防止することができる。その後、エア噴射を止めて所定時間待機する(S110)。このとき、ディッパ20上に部品Wがあれば、ディッパ20は上点位置Yにとどまっているので、排出口8から部品Wがシュータ10に供給される。この場合、満杯検知手段61が満杯を検知しても、次の動作に移る。
このように、上噴射ノズル37からのエア噴射後、及び、横噴射ノズル38からのエア噴射後に部品Wの受渡しが行われるが、この部品Wの受け渡しは、ディッパ20の留まる所定の待機時間内におこなうので、即ち、下降動作前に部品Wを受渡すことから、部品Wが引っ掛る確率が極めて低くなり、より一層信頼性の向上を図ることができる。
【0046】
次に、時間測定を開始し(S111)、ディッパ20の下降を開始し(S112)、エア噴射制御部75が上噴射ノズル37からエアを噴射させ、ディッパ20上の部品Wに対して上からエアを吹き付ける(S113)。ディッパ20が上点位置Yから下降する際のエア噴射においては、エア力によって部品Wをディッパ20対して押さえておくので、不用意に部品Wが移動して排出口8に引っ掛かってしまう事態を防止できる。また、重量管理部80のマスク手段85が重量算出手段82の重量検出データの受入を禁止する(S114)。そして、ディッパ20の所定の行程中、即ち、所定時間(500ms)経ったならば(S115)、エア噴射制御部75の上噴射ノズル37からのエア噴射を停止する(S116)。マスク手段85は、重量算出手段82の重量検出データの禁止を解除して受入を開始する(S117)。この場合、ディッパ20が上点位置Yから下降を開始してからの所定期間(500ms)は、ディッパ20による振動が多く、重量検出データの信頼性に劣るが、マスク手段85によって、重量算出手段82の重量検出データの受入が禁止されるので、この行程中の不安定な重量検出データが採用されないことから、ディッパ20の影響を可能な限り低減して部品Wを正確に計量できるようになる。
【0047】
ディッパ20が下点位置Xに至ると(S118yes)、下降時停止回数リセット手段69が下降時停止回数をリセットし(S119)、下降時間を更新し(S120)、待機する(S121)。一方、ディッパ20が所定時間経過しても下点位置Xに至らないときは(S118no,S122yes)、後述の下降時異常停止処理を行う(S123)、この異常停止処理ではディッパ20は上点位置Yに位置させられるので、最初の処理に戻る(S123→S107)。
【0048】
ディッパ20が下点位置Xで所定時間待機後(S121)、時間測定を開始し(S124)、上昇を開始する(S125)、そして、ディッパ20が上点位置Yの手前に位置したならば(S126)、エア噴射制御部75が横噴射ノズル38からエアを噴射させ、ディッパ20上の部品Wに対して上からエアを吹き付ける(S127)。ディッパ20に引っ掛かった部品Wを吹きとばし、引っ掛かりを防止することができる。また、重量管理部80のマスク手段85が重量算出手段82の重量検出データの受入を禁止する(S128)。そして、ディッパ20が上点位置Yに位置したならば(S129yes)、上昇時停止回数リセット手段72が上昇時停止回数をリセットする(S130)。一方、ディッパ20が所定時間経過しても上点位置Yに至らないときは(S129no,S131yes)、後述の上昇時異常停止処理を行う(S132)、この異常停止処理ではディッパ20は下降位置に位置させられるので、上昇処理に戻る(S132→S124,S125)。そして、上昇が完了したならば、上昇時間を更新し(S133)、エア噴射制御部75の横噴射ノズル38からのエア噴射を停止する(S134)。また、マスク手段85は、重量算出手段82の重量検出データの禁止を解除して受入を開始し(S135)、再び、上点位置Yでの処理に戻る(S136→S105)。この場合、ディッパ20が下点位置Xから上昇して上点位置Yに至る直前の所定期間(500ms)は、ディッパ20による振動が多く、重量検出データの信頼性に劣るが、マスク手段85によって、重量算出手段82の重量検出データの受入が禁止されるので、この行程中の不安定な重量検出データが採用されないことから、ディッパ20の影響を可能な限り低減して部品Wを正確に計量できるようになる。
【0049】
次に、上記の下降時異常停止処理(S123)及び上昇時異常停止処理(S132)について説明する。
図13に示すように、下降時異常停止処理(S123)においては、下降時停止検知手段63が、ディッパ20が下降中に所定時間停止したことを検知しており(
図12中S122)、この検知があると、強制上昇手段64が昇降動指令手段62の指令を無効にしディッパ20の下降を停止し(S200)、下降時停止回数計数手段68が下降時停止検知手段63が検知した下降時停止回数を計数する(S201)。下降時停止回数判断手段70が下降時停止回数計数手段68が計数した下降時停止回数が所定回数(実施の形態では3回)であるか否かを判断し(S202)、所定回数以下の場合は(S202no)、時間測定を開始し(S203)、強制上昇手段64がディッパ20を上昇させる(S204)。この強制上昇手段64によって上昇させられたディッパ20が上点位置Yに位置したときは(S205yes)、復帰手段67により再び昇降動指令手段62の指令を有効にする(S205yes→
図12中S107)。一方、この強制上昇手段64によって上昇させられたディッパ20が上点位置Yに位置しないときは(S205no,S206yes)、上昇時異常があったとして、後述の上昇時異常停止処理(S132)を行う。これにより、ディッパ20が下降中に少しでも停止したならば、一度、上昇させて再び下降させるので、即ち、一旦戻ってリトライするので、引っ掛りがあってもそれを解消する機会が与えられ、そのため、部品Wがディッパ20等に引っ掛って機械を停止する頻度をより一層低減することができ、信頼性の向上を図ることができる。また、下降時停止回数判断手段70が所定回数(実施の形態では3回)であると判断したときは(S202yes)、強制停止手段74が昇降動指令手段62の指令を無効にしてディッパ20の昇降動を強制停止し(S207)、異常停止信号を出力し(S208)、図示外の警告ランプ等で報知する。
【0050】
また、上昇時異常停止処理(S132)においては、上昇時停止検知手段65が、ディッパ20が上昇中に所定時間停止したことを検知しており(
図12中S131)、この検知があると、強制下降手段66が昇降動指令手段62の指令を無効にしディッパ20の上昇を停止し(S209)、上昇時停止回数計数手段71が上昇時停止検知手段65が検知した上昇時停止回数を計数する(S210)。上昇時停止回数判断手段73が上昇時停止回数計数手段71が計数した上昇時停止回数が所定回数(実施の形態では3回)であるか否かを判断し(S211)、所定回数以下の場合は(S211no)、時間測定を開始し(S212)、強制下降手段66がディッパ20を下降させる(S213)。この強制下降手段66によって下降させられたディッパ20が下点位置Xに位置したときは(S214yes)、復帰手段67により再び昇降動指令手段62の指令を有効にする(S214yes→
図12中S124,S125)。一方、この強制下降手段66によって下降させられたディッパ20が下点位置Xに位置しないときは(S214no,S215yes)、下降時異常があったとして、前述の下降時異常停止処理(S123)を行う。これにより、ディッパ20が上昇中に少しでも停止したならば、一度、下降させて再び上昇させるので、即ち、一旦戻ってリトライするので、引っ掛りがあってもそれを解消する機会が与えられ、そのため、部品Wがディッパ20等に引っ掛って機械を停止する頻度をより一層低減することができ、信頼性の向上を図ることができる。また、上昇時停止回数判断手段73が所定回数(実施の形態では3回)であると判断したとき、強制停止手段74が昇降動指令手段62の指令を無効にしてディッパ20の昇降動を強制停止し(S207)、異常停止信号を出力し(S208)、図示外の警告ランプ等で報知する。
【0051】
また、上述したように、下降時停止回数リセット手段69が、ディッパ20が下降時に所定時間停止せずに下点位置Xに位置したとき下降時停止回数計数手段68が計数した下降時停止回数をリセットし(
図12中S119)、上昇時停止回数リセット手段72が、ディッパ20が上昇時に所定時間停止せずに上点位置Yに位置したとき上昇時停止回数計数手段71が計数した上昇時停止回数をリセットする(
図12中S130)ので、不意な停止が繰り返しあっても、所定回数に満たないで、正常動作に戻ったときは、回数をリセットすることになり、そのため、積算がなくなり、機械を停止する頻度をより一層低減することができ、信頼性の向上を図ることができる。また、所定回数になったならば強制停止するので、安全が確保される。
【0052】
このように、収容部1においては、ディッパ駆動部22によりディッパ20が昇降動させられるが、この場合、ディッパ20を下点位置X及び上点位置Yとの2位置間で上下直線方向に移動させるようにしたので、ディッパ駆動部22として、ディッパ20を直線運動させる機構のもの、実施の形態ではエアシリンダ装置24を用いることができ、それだけ、機構を簡易にすることができる。また、ディッパ20が直線運動するので、従来のように部品Wを他の部材と挟んでしまう事態が防止され、それだけ、部品Wが正規の姿勢でディッパ20へ支承される確率を高めることができる。更に、ディッパ20の移動中はシャッタ25によって排出口8が閉になるので、この間に部品Wが排出口8から出たり、これに引っ掛かったりする事態を抑制できる。そのため、部品Wがディッパ20や排出口8に引っ掛って機械を停止する頻度を低減することができ、信頼性の向上を図ることができる。
【0053】
更に、収容部1においては、収容部1の底壁3に設けた開口9の開口縁9aを、ディッパ20の開口縁部21aの傾斜方向に沿わせて傾斜形成したので、開口9とディッパ20の傾斜方向が同じになり、ディッパ20が下点位置Xに至る際、あるいは、この下点位置Xから上昇する際に、部品Wが引っ掛りにくくなり、より一層、部品Wが正規の姿勢でディッパ20へ支承される確率を高めることができる。特に、ディッパ20の下点位置Xにおいては、ディッパ20の上面が開口9の開口縁9aより下に位置するので、部品Wが落ち込み易くなり、それだけ、部品Wを捕獲し易くなる。更にまた、収容部1の開口9の左右にある底壁3を、開口9に向けて下向きに傾斜形成しているので、部品Wが開口9に集束し易くなり、ディッパ20での部品Wの捕獲が確実になる。
【0054】
次に、
図14に示すフローチャート(「ストック部撹拌」と表示(S300))を用い、撹拌体制御部76の処理について説明する。フローチャートでは、設定個数(引渡すべき部品Wの所要数)をNs、撹拌動作設定回数(撹拌体33の所定の上下動回数)をNaと表記する。
図14に示すように、初期設定後(S301)、始動すると(S302)、第二センサ49の検知に基づいて、シュータ10内の部品Wの排出確認が行われる(S303)。また、撹拌体制御部76の排出数計数手段77が、第二センサ49の検知に基づいて、シュータ10からの部品Wの排出数を計数しており(S304no,S305)、排出数計数手段77が設定個数(引渡すべき部品Wの所要数)を計数すると(S304yes)、排出数を初期化し(S306)、撹拌体駆動部36のエアシリンダ装置36aを所定の上下動回数駆動する(S307,S308no→S311)。この場合、ディッパ20が上点位置Yにあるか否かを検出し(S309)、ディッパ20が上点位置Yに無いとき(S309no)、撹拌体駆動部36のエアシリンダ装置36aを動作させる(S310)。所定回数動作させたならば(S311,S308yes)、撹拌動作を終了する(S312,S313)。
【0055】
この撹拌体駆動部36により駆動される撹拌体33のある貯留部30においては、収容部1に隣接して部品Wを貯留し、収容部1に通過口32を通して順次供給する。そのため、収容部1に収容する部品Wの数を常時適正なものにすることができ、それだけ、部品Wがディッパ20等に引っ掛る事態を防止することができる。貯留部30内の部品Wは、撹拌体33で撹拌されるので、通過口32から収容部1に移動しやすくなり、通過口32で部品Wが引っ掛ってしまう事態を防止することができる。また、撹拌体33の撹拌棒35は仕切り壁31側に位置するので、通過口32の上で撹拌することができ、そのため、部品Wを通過口32から収容部1により一層移動しやすくすることができる。
【0056】
更に、撹拌体33は、撹拌体制御部76の排出数計数手段77が所定の排出数を計数する毎に、即ち、引渡すべき部品Wの所要数を排出するごとに駆動されるので、部品Wを貯留部30から適正量ずつ収容部1に通過口32を通して供給することができ、収容部1内の部品Wを常時適正量に保持できる。この場合、撹拌体33は、ディッパ20が上点位置Y以外の位置にあるとき上下動させられる。ディッパ20が上点位置Yにあるときは、収容部1側の部品Wの動きがないので、部品Wが通過口32から収容部1に移動しにくいが、ディッパ20の昇降動作中に撹拌を行うので、収容部1内においてもディッパ20により部品Wが動いていることから、部品Wを通過口32から収容部1に移動しやすくすることができ、部品Wが滞留してしまう事態を防止することができる。
【0057】
次にまた、
図15に示すフローチャート(「重量取得」と表示(S400))を用い、重量管理部80の重量取得処理について説明する。フローチャートでは、取得するデータ数(重量検出器51から送出され重量算出手段82が受入れる重量検出データの数)をNdと表記する。
図15に示すように、初期設定後(S401)、始動すると(S402)、重量管理部80において、重量検出器51から送出された重量検出データが、マスク手段85によって重量算出手段82での受け入れが禁止されているか否かが判断される(S403)。マスク手段85によって重量算出手段82での受け入れが禁止されていれば(S403yes)、重量検出データを無効にする(S404)。マスク手段85による禁止がなければ(S403no)、重量検出データの取得済みデータ数をクリアして(S405)、新たに所要数のデータを取得する(S406no→S408)。所要数のデータを取得したならば(S406yes)、データ取得を完了し(S409)、平均化処理を行い(S410)、今までの重量データを更新する(S411,S412)。この場合、上述したように、重量管理部80のマスク手段85は、ディッパ20が上点位置Yから下降を開始してからの所定期間(500ms)、及び、ディッパ20が下点位置Xから上昇して上点位置Yに至る直前の所定期間(500ms)、重量算出手段82での受け入れを禁止している。この期間は、ディッパ20による振動が多く、重量検出データの信頼性に劣る。マスク手段85によって、重量算出手段82の重量検出データの受入が禁止されるので、この行程中の不安定な重量検出データが採用されないことから、重量算出手段82は、安定した重量検出データに基づいて重量算出を行うことができ、信頼できる部品Wの重量を提供できる。
【0058】
また、重量検知を行う計量引渡し機KBにおいては、
図10(a)に示すように、計量の際には、部品Wを留置する容器50を保持した保持部材53は、計量位置Qに位置させられ、重量検出器51の検出部に支承されて重量検出器51での重量検出を行わせる。この状態では、傾転駆動部54の傾転部材55の他端側は、保持部材53の底部53bからは離間して対峙しているので、重量検出器51には、保持部材53(P点)を介して容器50の重量のみが作用することから、それだけ、重量検出精度が向上させられる。
【0059】
次に、
図16に示すフローチャート(「取出し」と表示(S500))を用い、ストッパ制御部90及び重量管理部80による処理について説明する。フローチャートでは、規定数量(引渡すべき部品Wの所要数)をN、重量現在値をW、設定重量(引渡すべき部品Wの所要重量)をWNと表記する。シュータ10からはストッパ制御部90の制御により部品Wが1個ずつ送給されて、計量引渡し機KBの容器50に供給される。計量引渡し機KBの重量検出器51からの重量検出データは、上述したように重量算出手段82により受け入れられて部品Wの重量として算出されている。
【0060】
図16に示すように、初期設定を行い(S501)、処理を開始すると(S502)、部品Wがない状態での重量から重量算出手段82において風袋引きを行わせ、リセットする(S503)。そして、所要重量判断手段83が、重量算出手段82が算出した重量が所要重量記憶手段81が記憶した所要の重量(引渡すべき部品Wの重量)か否かを判断し(S504)、所要の重量(引渡すべき部品Wの重量)に満たないと判断したときは(S504no)、シュータ10から部品Wを1個取出す後述の処理(フローチャートでは「1個取出し」と表記)を行う(S505)。所要重量判断手段83が所要の重量(引渡すべき部品Wの重量)であると判断したときは(S504yes)、容器50に収容された部品Wの引渡し準備が完了したとして(S506)、引き渡し処理を可能にする(S507)。
【0061】
「1個取出し」は、ストッパ制御部90が、所要重量判断手段83が所要の重量になっていないと判断するので、容器50に収容された部品Wを引渡し不能として、ストッパ機構40に取出し指令信号送出手段91に取出し指令信号を繰り返し送出させ、所要重量になるまで繰り返し行わせる。ストッパ制御部90の取出し指令信号送出手段91から取出し指令信号を送出する毎に、ストッパ機構40は部品Wの送給の許容及び停止を行って部品Wを1個ずつ送給することができるので、部品Wが間欠的に送給されることになり、そのため、計量引渡し機KBの容器50に部品Wが段階的に受け入れられることから、部品Wを一時に受け入れる場合に比較して、重量管理部80での重量管理を確実に行うことができ、所要の重量の部品Wをより一層確実に供給できるようになる。また、所要重量判断手段83は、取出し指令信号送出手段91が取出し指令信号を送出する毎に、部品Wの重量確認を行うので、重量検出精度を向上させることができ、それだけ、部品Wを正確に計量できるようになり、所要の重量の部品Wを確実に供給できるようになる。
【0062】
詳しくは、
図17に示すフローチャート(「1個取出し」と表示(S505))を用いて「1個取出し」を行わせるストッパ制御部90による処理について説明する。
図17に示すように、ストッパ機構40においては、第二センサ49が下側ストッパ41及び上側ストッパ42間の部品Wを検知しており(S600)、部品Wを検知すれば(S600no)、上側ストッパ42を閉にする(S601)。また、部品Wを検知しなければ(S600yes)、上側ストッパ42を開にし(S602)、シュータ10上の部品Wを下側ストッパ41及び上側ストッパ42間に受け入れ、第二センサ49で検知して確認する(S603)。確認できれば(S603yes)、待機した後(S604)、上側ストッパ42を閉にする(S601)。その後、下側ストッパ41を開にする(S605)。時間測定を開始し(S606)、先ず、ストッパ制御部90の重量変動検知手段92が重量検出器51の重量変動の有無を検知する(S607)。重量変動があれば(S607yes)、下側ストッパ41及び上側ストッパ42間の部品Wが落下して計量受渡し機の容器50に送給されたとして、下側ストッパ41を閉じ(S608)、待機する(S609)。
【0063】
一方、重量変動がなければ(S607no)、所定時間待って(S610)、重量変動確認手段93が、重量変動検知手段92が重量変動有を検知するまで下側ストッパ41の進退動と上側ストッパ42の進退動とを交互に行わせる(S610yes→S615,S605→S607)。即ち、下側ストッパ41の後退後は、通常は、下側ストッパ41及び上側ストッパ42間にある1個の部品Wが送給されて、重量変動が生じる。しかしながら、重量変動確認手段93が重量変動無を検知したときは、下側ストッパ41及び上側ストッパ42間にある1個の部品Wが引っ掛る等の理由で送給されずに残っている可能性が高いと判断される。この場合は、重量変動確認手段93が重量変動有を検知するまで下側ストッパ41の進退動と上側ストッパ42の進退動とを交互に行わせるので、何らかの振動が伝達され、あるいは、部品Wにストッパが接触して、引っ掛りが解消され部品Wが送給されることが期待される。そのため、部品Wが引っ掛って機械を停止する頻度を低減することができ、信頼性の向上を図ることができる。
【0064】
また、ストッパ機構40においては、
図7に示すように、下側ストッパ41で停止させられる最先端の部品Wの頭部Wbを支承するシュータ10の先端支承部45を一般支承部46よりも少なくとも頭部Wbの厚さ分低く形成している。そのため、部品Wの頭部Wbが薄いような場合には、シュータ10上で頭部Wb同士が重なり、そのため、最先端の部品Wの頭部Wbが後位の部品Wの頭部Wbに押えられて送給に支障が生じる場合もあるが、先端支承部45が一般支承部46よりも頭部Wbの厚さ分低く形成されているので、最先端の部品Wの頭部Wbが後位の部品Wの頭部Wbによって押えられることがなくなり、そのため、確実に最先端の部品Wを送給することができるようになる。また、先端支承部45の先端側が下向きに傾斜形成されているので、最先端の部品Wが落下し易くなり、より一層送給させ易くなる。
【0065】
最後に、
図18に示すフローチャート(「引渡し」と表示(S507))を用い、計量引渡し機KBの処理について説明する。計量引渡し機KBにおいては、制御部Sの重量管理部80に備えられた引渡し指令信号送出手段84からの引き渡し指令信号に基づいて、例えば、容器50内に引渡すべき所要重量の部品W(引渡すべき所要数量の部品W)が受け入れられたことを報知するランプ(図示せず)が設けられている。作業者は、このランプの点灯により、作動ボタンの操作ができるようにしている。
図18に示すように、引き渡し指令信号に基づいて、例えば、ランプを点灯させる(S700)。作業者が作動ボタンを押釦すると(S701yes)、例えば、ランプが消灯させられる(S702)。また、これを受けて、
図10に示すように、計量引渡し機KBの傾転駆動部54のエアシリンダ装置56が傾転部材55を回動(スイング)させる(S703)。これにより、傾転部材55の架設体55bが保持部材53を押して保持部材53を回動させ計量位置Qから傾転位置Rに位置させ(S704)、所定時間待機する(S705)。これにより、容器50内に留置された部品Wが作業者に引き渡される。この場合、
図10に示すように、傾転駆動部54によって容器50を傾転させて留置した部品Wを排出するので、所要量の部品Wの引渡しを一時に行うことができる。
【0066】
その後、計量引渡し機KBでは、傾転駆動部54のエアシリンダ装置56が傾転部材55を回動(スイング)させ元位置に復帰させる(S706)。この場合、傾転部材55の係止部58が保持部材53に係止するので保持部材53を回動させ傾転位置Rから計量位置Qに位置させる(S707yes)。このとき、再度計量し部品Wがなくなったことを確認して(S708yes)、待機する(S709)。再度の計量において、重量検出があれば(S708no)、部品Wが完全に排出されずに残っているとして、傾転動作を再び行う(S708no→S703→S708)。そして、待機状態になれば(S709)、その後、リセットして(S710)、次に備える(S711→
図16中S500へ)。
【0067】
尚、上記実施の形態において、取り扱う部品Wとしては、
図7に示すグロメットに適用したが、必ずしもこれに限定されるものでなく、ボルトやビス
等、要するに、軸部Wa及び頭部Wbを有した部品W
に本発明を適用できる。