(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明による
スロットマシンを含む遊技システムの第1実施形態を示すブロック図である。
図1において、遊技システム1は、
本発明のスロットマシンに相当するスロットマシン10と、携帯通信端末100と、サーバーコンピュータ200とから構成されている。
【0023】
携帯通信端末100は、外部コンピュータ(サーバーコンピュータ200)と通信機能を有する携帯電話機、モバイルコンピュータ(ノートブック型パーソナルコンピュータ等)、パーソナルデジタルアシスタント(PDA;携帯情報端末)等であり、特に本実施形態では、例えば有効画素数が少なくとも数10万ピクセル程度の解像度を有するカメラ(CMOSセンサ)が内蔵されているものである。さらに、携帯通信端末100には、情報表示用のディスプレイ(液晶ディスプレイや、有機EL(エレクトロルミネッセンスディスプレイ)等)101、入力キー(数字、英文字、平仮名、カタカナ、クリア、リターン等のキー)102、及びデータの(電波による)送受信装置103等を備える。
【0024】
そして、本実施形態では、スロットマシン10の遊技者は、携帯通信端末100を所持している。ただし、携帯通信端末100を所持していなくても、スロットマシン10で遊技を行うことは可能である。
【0025】
また、サーバーコンピュータ200は、携帯通信端末100とデータの送受信が可能なコンピュータであり、独自のウェブサイトを所有している。さらにまた、サーバーコンピュータ200内には、ハードディスクドライブ等の記憶装置201が設けられており、各遊技者ごとのデータ記憶領域を有している。そして、サーバーコンピュータ200は、携帯通信端末100からデータのダウンロードの要求があると、それに応じて、携帯通信端末100に対し、データの送信を行う。また、携帯通信端末100からアップロードされてきたデータのうち、必要があるものは、記憶装置201に記憶する。
【0026】
スロットマシン10は、遊技制御手段60と演出制御手段70とを有する。
遊技制御手段60は、役の抽選、リール31の駆動制御、及び入賞時の払出し等の遊技の進行を制御するものである。遊技制御手段60は、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
【0027】
また、演出制御手段70は、遊技中又は遊技待機中における演出(遊技情報を含む)の出力等を制御するものである。演出制御手段70は、サブ制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、演出用のデータ等(演出パターン等)を記憶しておくROM、CPUが各種の演出を出力するときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
【0028】
図1に示すように、遊技制御手段60の入力側(
図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、ストップスイッチ42が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを投入するときに操作するスイッチであり、本実施形態でのベットスイッチ40は、3枚(max)投入専用のスイッチである。なお、
図1ではメダル投入口を図示していないが、通常は、ベットスイッチ40とは別個にメダル投入口が設けられている。このメダル投入口は、実際のメダルを投入する部分であり、メダル投入口からのメダルの投入は、ベットスイッチ40の操作と同様の機能を果たす。
【0029】
また、スタートスイッチ41は、リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つのリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
【0030】
さらに、演出制御手段70の入力側には、メニューキー43が電気的に接続されている。メニューキー43は、遊技者が会員登録やパスワードを入力するとき等に操作するものであり、十字キー(上、下、左、及び右のカーソル移動キー)と、ボタン状のエンター(確定)キーとを有する。
【0031】
さらに、遊技制御手段60の出力側(
図1中、右側)には、モータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
【0032】
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。
図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。
図2では、図柄番号を併せて図示している。
図2に示すように、本実施形態では、各リール31ごとに、21個の図柄(21コマ)が等間隔で配置されている。
【0033】
また、
図3は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31との位置関係を示す図である。各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3個(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓14から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計3×3=9個の図柄が見えるように配置されている。
なお、本明細書では、
図3中、例えば左リール31の「RP」の図柄が停止している位置を「上段」、「7」の図柄が停止している位置を「中段」、「ベル」の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
【0034】
また、
図3に示すように、スロットマシン10の表示窓11を含む部分には、図柄組合せラインL1〜L5が設けられている。
ここで、「図柄組合せライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させるラインである。本実施形態では、水平方向の中段、上段、及び下段の3本の図柄組合せラインL1〜L3と、斜め右下がり方向及び斜め右上がり方向の2本の図柄組合せラインL4及びL5の合計5本の図柄組合せラインを有する。
【0035】
また、図柄組合せラインは、有効ラインと無効ラインとを有する。
ここで、「有効ライン」とは、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
一方、「無効ライン」とは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。
【0036】
有効ライン及び無効ラインは、メダルの投入枚数に応じて設定されるが、本実施形態では、いずれの遊技中においても、3枚のメダルを投入して遊技を行うように設定されている。そして、すべての遊技において、5本すべての図柄組合せラインL1〜L5が有効ラインとなり、無効ラインは存在しないように設定されている。
なお、これに限らず、メダルの投入枚数は、1枚又は2枚でもよい。さらに、メダル投入枚数や遊技状態等に応じて、5本の図柄組合せラインL1〜L5のうち、一部のみを有効ライン(残りを無効ライン)に設定してもよい。
【0037】
さらに、
図1において、演出制御手段70の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
【0038】
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイやドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像や所定の遊技情報等を表示するものである。
【0039】
図4は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せ等を示す図である。
図4に示すように、役としては、特別役、小役、制御役、及びリプレイが設けられている。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。これにより、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(その役が入賞する)と、その役に対応する枚数のメダルが払い出される(ただし、特別役を除く)。
【0040】
役において、まず、特別役とは、通常遊技から特別遊技(通常遊技以上に出玉率が高く、遊技者にとって有利な遊技)に移行させる役である。本実施形態では、
図4に示すように、特別役として、1BB(第1種ビッグボーナス)が設けられている。1BBが入賞すると、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技の1つである1BB遊技に移行する。
【0041】
なお、他の特別役としては、RB(レギュラーボーナス)、2BB(第2種ビッグボーナス。MB(ミドルボーナス)ともいう。)、及びSB(シングルボーナス)が挙げられるが、本実施形態では設けられていない。
【0042】
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役であり、本実施形態では、小役1〜小役3を備えており、各小役ごとに異なる図柄の組合せが設定されている。ここで、小役1は、小役1Aと小役1Bとの2種類を有し、これらは別個独立した小役である。すなわち、小役1Aに当選しても小役1Bの当選とはならず、かつ、小役1Bに当選しても小役1Aの当選とはならない。
【0043】
また、詳細は後述するが、小役1A又は小役1Bは、RT遊技中にこれらの役に対応する図柄の組合せが停止したときには、RT遊技から非RT遊技に移行するための小役(非RT遊技移行小役、RT遊技パンク役、又はRT遊技終了契機小役等ともいう。)に設定されている。なお、
図4中、小役1A及び小役1Bにおける「any」とは、いずれの図柄でもよいことを意味する。
【0044】
さらにまた、小役3の左リール31の図柄は、「RP」又は「ベル」のいずれでもよいことを意味している。すなわち、「ベル」−「ベル」−「ベル」、又は「RP」−「ベル」−「ベル」が有効ラインに停止すれば、小役3の入賞となる。
さらに、制御役(制御役1〜制御役3)は、後述するように、小役3と重複当選するように設定された役であり、当該重複当選時に有効ラインに停止することはない。制御役は、小役3の当選時に、ストップスイッチ42が特定の押し順のときに限り、小役3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるために設けられた役である。
また、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技が行えるようにした役である。
【0045】
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役としては、特別役である1BBが挙げられる。特別役に当選したときは、リール31の停止時に、特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、特別役の当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
【0046】
このように、特別役の当選は持ち越されるのに対し、特別役以外の役(小役、制御役、及びリプレイ)は、持ち越されない。役の抽選において、特別役以外の役に当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能なようにリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
【0047】
なお、特別役に当選していない遊技中(特別役の当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において特別役に当選しているが、当選した特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(特別役の当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
【0048】
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段60に入力される。遊技制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。
【0049】
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(例えば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号が遊技制御手段60に入力される。遊技制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。そして、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
【0050】
図1に示すように、遊技制御手段60は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、遊技制御手段60は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
【0051】
役抽選手段61は、役(上述した特別役、小役、制御役、及びリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0052】
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
【0053】
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が1BBの当選領域に属する場合は、1BBの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0054】
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。
図5及び
図6は、本実施形態における役抽選テーブル62(62A〜62D)を示す図である。役抽選テーブル62は、遊技状態ごとに設けられている。役抽選テーブル62は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
【0055】
まず、本実施形態の「遊技状態」としては、通常遊技と特別遊技とを備える。「特別遊技」とは、本実施形態では1BB遊技に該当する。また、「通常遊技」とは、特別遊技以外の遊技をいい、非RT遊技、RT遊技(以上は、いずれも非内部中遊技)、内部中遊技が設けられている。
なお、詳細については後述するが、非内部中遊技には、非AT遊技及びAT遊技が設けられている。
【0056】
ここで、「RT(Replay Time )遊技」とは、広義には、リプレイの当選確率が非RT遊技と異なる遊技を指し、狭義には、リプレイの当選確率が非RT遊技よりも高く設定されることで出玉率が非RT遊技よりも高くなった遊技を指す。本実施形態のRT遊技は、後者である。
【0057】
図5において、役抽選テーブル62Aは、非RT遊技(非内部中遊技)で用いられる役抽選テーブル63である。
役抽選テーブル62Aでは、特別役(1BB)、小役1(小役1A及び小役1B)、小役2、及びリプレイの各単独当選、小役3と制御役(制御役1〜制御役3のいずれか)との重複当選、及び役の非当選が設けられている。
ここで、
図5及び
図6中、「+」とは、重複(同時)当選を意味する。例えば「小役3+制御役1」とあるのは、小役3と制御役1とが当該遊技で重複(同時)当選することを意味する。
本実施形態では、役抽選テーブル62A〜62Cでは、小役3は常に制御役と重複当選し、小役3が単独当選する場合はない。これに対し、役抽選テーブル62Dでは、小役3は常に単独当選し、制御役と重複当選する場合はない。
【0058】
さらに、役抽選テーブル62Bは、内部中遊技で用いられる役抽選テーブル62であり、役抽選テーブル62Aと比較すると、特別役(1BB)が抽選されない点で異なり、それ以外は役抽選テーブル62と同一である。すなわち、一旦1BBに当選し、内部中遊技になると、その入賞に基づく1BB遊技が終了するまで1BBは抽選されない。
【0059】
また、
図6において、役抽選テーブル62Cは、RT遊技(非内部中遊技)で用いられる役抽選テーブル62であり、役抽選テーブル62Aと比較すると、リプレイの当選確率のみが異なる。役抽選テーブル62Cでは、リプレイの当選確率は1/1.3と高く設定されている。これにより、役抽選テーブル62Cにおける非当選確率は、厳密には設定値に応じて異なるが、おおよそ5/100となる。
【0060】
さらにまた、役抽選テーブル62Dは、1BB遊技で用いられる役抽選テーブル62である。役抽選テーブル62Dでは、小役1A、小役1B、小役2、及び小役3(単独当選)のみが抽選されるとともに、小役3の当選確率が高く設定されている。すなわち、1BB遊技では、ほぼ毎遊技、小役3に当選する遊技状態となる。
【0061】
説明を
図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、当選役に対応するように、1BB、小役1A、小役1B、小役2、小役3、制御役1、制御役2、制御役3、及びリプレイの各当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選において当選したときは、対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。例えば、リプレイに当選したときは、リプレイに係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフのままである。
【0062】
また、上述したように、小役、制御役、及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技でこれらの役に当選し、これらの役の当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、1BBの当選は持ち越されるので、当該遊技で1BBに当選し、当選した1BBに係る当選フラグ63aがオンになったときは、その1BBが入賞するまでオンの状態が維持され、その1BBが入賞した時点でオフにされる。
【0063】
例えば、当該遊技で1BBに当選したときは、1BBの当選フラグ63aがオンにされ、当該遊技で1BBが入賞しなかったときは、1BBに係る当選フラグ63aはオンの状態が維持される。そして、次遊技(内部中遊技)で、小役2に当選したときは、すでにオンである1BBに係る当選フラグ63aのほか、小役2の当選フラグ63aがオンにされる。そして、当該遊技の終了時に1BBが非入賞のときは、1BBに係る当選フラグ63aのオンの状態が維持されるとともに、小役2の当選フラグ63aはオフにされる。
【0064】
リール制御手段64は、リール31の回転開始命令を受信したとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたとき(スタートスイッチ41が操作された旨の信号を受信したとき)に、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段64は、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
【0065】
例えば、リール制御手段64は、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
【0066】
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでのリール31の回転量(移動図柄数)の範囲内を意味し、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からの移動図柄数が4図柄以内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5図柄以内)、いいかえればストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が停止するまでの時間が190ms以内に設定されている。
【0067】
これにより、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間の図柄から数えてリール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が有効ラインに停止するように制御されることとなる。
【0068】
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が有効ラインに停止しないときには、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄ができる限り有効ラインに停止させるように制御するものである。
【0069】
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように制御する。
【0070】
さらに、リール制御手段64は、複数の当選フラグ63aがオンである遊技では、いずれか1つの役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御し、複数の役に対応する図柄の組合せが同時に有効ラインに停止しないようにリール31を停止制御する。
【0071】
また、リール制御手段64は、押し順検出手段64aを備える。押し順検出手段64aは、遊技者によりストップスイッチ42が操作されたときに、左、中、及び右ストップスイッチ42のうち、いずれが操作されたかを検出するものである。押し順検出手段64aは、毎遊技、一律にストップスイッチ42の押し順を検出してもよいが、特に本実施形態では、小役3と制御役との重複当選時に、最初に操作されたストップスイッチ42が、左、中又は右のいずれであるかを検出する。
【0072】
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号が押し順検出手段64aに入力されるようになっている。この信号を判別することで、押し順検出手段64aは、どのストップスイッチ42が最初に操作されたかを検出する。
【0073】
停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフの状態ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。具体的には、各停止位置決定テーブル65には、例えば0番の図柄(左リール31であれば「ベル」)が上段(中段又は下段でも可)を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を上段に停止させる、というように停止位置が定められている。
【0074】
停止位置決定テーブル65は、以下のテーブルを備える。
1BBテーブルは、1BB(のみ)の当選フラグ63aがオンであるとき(非内部中遊技で1BBに当選したとき、又は1BBの内部中遊技で役の非当選時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、1BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、1BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0075】
また、小役1Aテーブルは、小役1Aの当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役1Aに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役1Aに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0076】
小役1Bテーブル、小役2テーブル、小役3テーブル、及びリプレイテーブルについても、小役1Aテーブルと同様である。すなわち、小役1Bテーブル、小役2テーブル、小役3テーブル、及びリプレイテーブルは、それぞれ、小役1Aテーブル中、「小役1A」を「小役1B」、「小役2」、「小役3」、及び「リプレイ」と読み替えたものに相当する。
【0077】
また、小役3・制御役1テーブルは、小役3及び制御役1の各当選フラグ63aがオンであるとき(小役3及び制御役1の重複当選時)に用いられ、最初に操作されたストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であるときは、リール31の停止制御の範囲内において、小役3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、最初に操作されたストップスイッチ42が中又は右ストップスイッチ42であるときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0078】
さらにまた、小役3・制御役2テーブルは、小役3及び制御役2の各当選フラグ63aがオンであるとき(小役3及び制御役2の重複当選時)に用いられ、最初に操作されたストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であるときは、リール31の停止制御の範囲内において小役3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、最初に操作されたストップスイッチ42が左又は右ストップスイッチ42であるときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
【0079】
さらに、小役3・制御役3テーブルは、小役3及び制御役3の各当選フラグ63aがオンであるとき(小役3及び制御役3の重複当選時)に用いられ、最初に操作されたストップスイッチ42が右ストップスイッチ42であるときは、リール31の停止制御の範囲内において小役3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、最初に操作されたストップスイッチ42が左又は中ストップスイッチ42であるときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように、リール31の停止位置が定められたものである。
図7は、以上の小役3・制御役1テーブル〜小役3・制御役3テーブルと、最初に操作されたストップスイッチ42と、入賞役との関係を示す図である。
【0080】
また、1BBの内部中遊技において、小役等に当選したときは、当該遊技での当選役の入賞が優先されるとともに、その当選役を入賞させることができないときは、次に、当選を持ち越している1BBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31の停止位置が定められた停止位置決定テーブル66が用いられる。
なお、これに限らず、当選を持ち越している1BBを優先して入賞させるように制御することも可能である。
【0081】
さらにまた、非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるとき(すなわち、非内部中遊技又は特別遊技における役の非当選時)に用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0082】
次に、リール31の図柄配列と停止制御との関係について説明する。
図2に示すように、すべてのリール31において、「ベル」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されている。これにより、中リール31及び右リール31については、リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、常に、所望の有効ラインに「ベル」の図柄を停止させることができる。
【0083】
また、すべてのリール31において、「RP」の図柄は、5図柄以内の間隔で配置されているとともに、左リール31については、
図2に示すように「ベル」と「RP」の図柄とが配置されている。したがって、左リール31については、左リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、常に、「赤チェリー」又は「青チェリー」を有効ラインに停止させないようにしつつ、かつ所望の有効ラインに「ベル」又は「RP」の図柄を停止させることができる。
【0084】
よって、小役3と制御役とに重複当選し、最初に操作されたストップスイッチ42が所定のストップスイッチ42であれば、リール制御手段64は、常に、小役3に対応する図柄の組合せ(「ベル/RP」−「ベル」−「ベル」)を有効ラインに停止させることができる。
また、1BB遊技中の小役3当選時は、リール制御手段64は、常に、小役3に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
【0085】
また、中リール31及び右リール31については、リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、所望の有効ラインに「RP」の図柄を停止させることができる。さらにまた、最初に左ストップスイッチ42が操作されたときは、左リール31がどの瞬間に位置するときにストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、常に、「赤チェリー」又は「青チェリー」を有効ラインに停止させないようにしつつ、かついずれかの有効ラインに「RP」の図柄を停止させることができる。よって、リプレイに当選し、最初に左ストップスイッチ42が操作されたとき(例えば順押し時)は、リール制御手段64は、常に、リプレイに対応する図柄の組合せ(「RP」−「RP」−「RP」)を有効ラインに停止させることができる。
【0086】
一方、「7」、「BAR」、「スイカ」、左リール31の「赤チェリー」及び「青チェリー」の各図柄については、間隔が5図柄を超えて配置されている。これにより、1BB、小役1A、小役1B、及び小役2の当選時には、当選役に対応する図柄が有効ラインに停止するタイミングでストップスイッチ42が操作されなければ、当選役に対応する図柄の組合せは有効ラインに停止しない。
【0087】
例えば、小役1Aの当選時には上記小役1Aテーブルが用いられるが、この場合には、左リール31の図柄番号8番〜10番までの図柄が表示窓14内に位置する瞬間から、図柄番号19番〜0番までの図柄が表示窓14内に位置する瞬間までの間に左ストップスイッチ42が操作されれば、14番又は19番の「赤チェリー」の図柄が有効ラインに停止する。これに対し、上記以外の位置で左ストップスイッチ42が操作されたときは、小役1Aテーブルが用いられたとしても、小役1Aは入賞しない(いいかえれば、小役1Aの入賞を回避することができる)。
【0088】
同様に、小役1Bの当選時には上記小役1Bテーブルが用いられるが、この場合には、左リール31の図柄番号18番〜20番までの図柄が表示窓14内に位置する瞬間から、図柄番号8番〜10番までの図柄が表示窓14内に位置する瞬間までの間に左ストップスイッチ42が操作されれば、3番又は8番の「青チェリー」の図柄が有効ラインに停止する。これに対し、上記以外の位置で左ストップスイッチ42が操作されたときは、小役1Bテーブルが用いられたとしても、小役1Bは入賞しない(いいかえれば、小役1Bの入賞を回避することができる)。
なお、上記より、小役1A又は小役1Bのいずれも入賞させないような左ストップスイッチ42の操作位置は存在しない。
【0089】
説明を
図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、例えばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
ただし、停止図柄判断手段66は、ストップスイッチ42が操作され、停止位置決定テーブル65を用いて停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
【0090】
入賞処理手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。
【0091】
特別遊技制御手段68は、本実施形態の特別遊技である1BB遊技の開始、1BB遊技中の遊技の進行、及び1BB遊技の終了を制御するものである。
遊技中に、1BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、1BBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技から1BB遊技を開始するように制御する。
1BB遊技では、上述した役抽選テーブル62Dを用いて役の抽選が行われる。これにより、1BB遊技中は、小役3の当選確率が高くなる。
【0092】
また、本実施形態では、1BB遊技の終了条件として、1BB遊技中に払い出されたメダル枚数が所定枚数(本実施形態では、290枚)以上になったことに設定されている。
このため、特別遊技制御手段68は、1BB遊技中に払い出されたメダル枚数をカウントし、毎遊技、払い出された枚数を更新し続けるとともに、カウントされた払出し枚数が所定枚数以上となったと判断したときは、1BB遊技の終了条件を満たすと判断する。
【0093】
遊技状態制御手段69は、本実施形態で設けられている各遊技状態間の移行を制御する手段である。
図8は、各遊技状態間の移行を説明する図である。
図8において、まず、スロットマシン10の電源が投入されると、遊技状態制御手段69は、遊技状態を非RT遊技(非AT遊技)に設定するように制御する。そして、この非RT遊技において1BBに当選し、当該遊技で当選した1BBが入賞しなかったときは、遊技状態制御手段69は、次遊技から、遊技状態を内部中遊技に移行するように制御する。
【0094】
そして、内部中遊技において、当選した1BBが入賞すると、遊技状態制御手段69は、1BB遊技に移行するように制御する。なお、1BBに当選した遊技で1BBが入賞したときは、遊技状態制御手段69は、内部中遊技を経ないで1BB遊技に移行するように制御する。
1BB遊技の終了後は、遊技状態制御手段69は、次遊技から、遊技状態をRT遊技(かつAT遊技)に移行するように制御する。
なお、RT遊技から非RT遊技への移行は、遊技状態制御手段69によって制御されるが、非AT遊技とAT遊技との間の移行は、演出制御手段70によって制御される。
【0095】
RT遊技に移行すると、遊技状態制御手段69は、RT遊技の終了条件を満たすまでRT遊技を継続するように制御する。本実施形態でのRT遊技の終了条件は、
(1)小役1A又は小役1Bが入賞したこと
(2)1BBに当選したこと
に設定されている。
そして、遊技状態制御手段69は、RT遊技中に小役1A又は小役1Bが入賞したときは、非RT遊技に移行するように制御する。また、遊技状態制御手段69は、RT遊技中に1BBに当選したときは、内部中遊技に移行するように制御する。
【0096】
なお、本実施形態では、RT遊技の遊技回数の上限値は予め設定していない(無限RTである)が、上記条件以外に、(1)、(2)の条件を満たすことなく、RT遊技の上限遊技回数を例えば2000ゲームに設定し、RT遊技において2000ゲームを消化したときは、次遊技から非RT遊技に移行するようにしてもよい。
【0097】
また、
図8に示すように、1BB遊技の終了後は、RT遊技かつAT遊技に設定される、AT遊技が終了しても、RT遊技が終了するとは限らない。
さらにまた、非RT遊技において、差枚数又は遊技回数に基づいて、非AT遊技からAT遊技に移行する場合がある。このときのAT遊技は、後述する演出制御手段70のAT遊技制御手段71によって制御される。
【0098】
図1において、演出制御手段70は、メニューキー43からの入力を検知するとともに、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段70は、複数種類の演出パターンを記憶している。そして、演出制御手段70は、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選が行われた後、ソフトウェア乱数を用いた抽選によって、役の抽選結果に対応するいずれか1つの演出パターンを選択する。
【0099】
また、演出パターンは、当選役に応じて、それぞれ複数種類が設けられている。例えば、特別役当選時、小役当選時、リプレイ当選時、非当選時等ごとに、それぞれ複数種類の演出パターンが設けられている。
演出パターンは、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
そして、演出制御手段70は、選択した演出パターンに従い、所定のタイミングで演出出力機器から演出を出力するように制御する。
【0100】
また、演出制御手段70は、AT遊技制御手段71を備える。AT遊技制御手段71は、非AT遊技においてAT遊技への移行条件を満たしたと判断したときはAT遊技に移行してAT遊技を実行するとともに、AT遊技中にAT遊技の終了条件を満たしたと判断したときはAT遊技を終了して非AT遊技に移行するように制御するものである。
【0101】
ここで、「AT(Assist Time )遊技」とは、小役としてAT小役(特定役)を設け、このAT小役の当選時に、遊技者によるストップスイッチ42の操作タイミング又は押し順に応じてAT小役が入賞する場合と入賞しない場合とを有するように設定し、当選したAT小役を入賞させる又は入賞させないためのストップスイッチ42の操作情報を遊技者に対して報知する遊技をいう。AT遊技は「報知遊技」とも称される。
【0102】
本実施形態のAT遊技では、第1に、小役1A又は小役1Bに当選したときに、その旨を報知することで、当選した小役1A又は小役1Bの入賞を遊技者が回避できるような情報(ストップスイッチ42の操作情報)を遊技者に報知する遊技である。例えば小役1Aに当選したときは、最初のストップスイッチ42が操作される前(左リール31が停止する前)、より具体的にはスタートスイッチ41が操作された直後に、遊技者に対し、「赤チェリーを外せ!」等の報知(指示、ナビ又はコメント)を画像表示装置23を用いて画像表示するものである。小役1Bに当選したときも「青チェリーを外せ!」等の報知を行う。
【0103】
したがって、遊技者は、AT遊技中は、上記報知に従うことで、当選した小役1A又は小役1Bの入賞を回避することができる。具体的には、上述したように、例えば小役1Aの当選時には、図柄番号20番〜1番までの図柄が表示窓14内に位置する瞬間から、図柄番号7番〜9番までの図柄が表示窓14内に位置する瞬間までの間に左ストップスイッチ42を操作すれば、14番又は19番の「赤チェリー」の図柄は有効ライン(表示窓14内)に停止しない。したがって、遊技者は上記タイミングで左ストップスイッチ42を操作すれば、当選した小役1Aの入賞を回避することができる。小役1B当選時も同様に所定のタイミングで左ストップスイッチ42を操作すればよい。
【0104】
さらに本実施形態のAT遊技では、第2に、小役3と制御役との重複当選時に、小役3を入賞させるために最初に操作すべきストップスイッチ42に係る情報が報知される。例えば小役3及び制御役1に重複当選したときは、最初のストップスイッチ42が操作される前、より具体的にはスタートスイッチ41が操作された直後に、遊技者に対し、「最初に左ストップスイッチ42を押せ!」等の報知(指示、ナビ又はコメント)を画像表示装置23を用いて画像表示する。小役3及び制御役2に重複当選したときも同様に「最初に中ストップスイッチ42を押せ!」等の報知を行う。さらに同様に、小役3及び制御役3に重複当選したときも同様に「最初に右ストップスイッチ42を押せ!」等の報知を行う。
したがって、遊技者は、報知された情報に従ってストップスイッチ42を操作することで、小役3及び制御役の重複当選時に、小役3を確実に入賞させることができる。
【0105】
本実施形態では、第1に、1BB遊技の終了後に、最初の1遊技目から、AT遊技制御手段71は、遊技状態をAT遊技に設定する。そして、当該遊技から所定遊技回数(本実施形態では、100遊技)に到達するまで継続する。
【0106】
また、本実施形態のAT遊技の終了条件の1つとして、小役1A又は小役1Bが入賞したことに設定されている。このため、AT遊技中に小役1A又は小役1Bの入賞を回避し続ければ、AT遊技の他の終了条件を満たさない限り、AT遊技を継続することができる。AT遊技は、非AT遊技よりも出玉率が高く設定されているので、AT遊技が長く続くほど、遊技者にとって有利となる。
【0107】
そして、AT遊技制御手段71は、遊技回数が所定遊技回数に到達したときは、AT遊技を終了するように制御する。なお、1BB遊技の終了後にAT遊技に移行したときは、そのAT遊技が終了しても、次遊技では、RT遊技が継続する。ただし、このような非AT遊技かつRT遊技中に小役1A又は小役1Bに当選しても、遊技者には、上記のような報知は行われない。このため、当選した小役1A又は小役1Bが入賞するか否かは運次第となる。左リール31の「赤チェリー」及び「青チェリー」の配列上、小役1A又は小役1Bの当選時には、約1/2の確率で入賞する。
【0108】
また、非AT遊技かつRT遊技では、小役3及び制御役の重複当選時に、小役3を入賞させるために最初に操作すべきストップスイッチ42についても報知されないので、小役3及び制御役の重複当選時の小役3の入賞率は、1/3となる。
【0109】
そして、小役1A又は小役1Bの当選時に、小役1A又は小役1Bが入賞したときは、RT遊技が終了し、次遊技から非RT遊技に移行する。これに対し、運良く小役1A又は小役1Bが入賞しなかったときは、RT遊技が継続される。
なお、AT遊技中に小役1A又は小役1Bの当選の報知が行われた場合であっても、遊技者のストップスイッチ42の操作ミスにより小役1A又は小役1Bを入賞させてしまったときは、当該遊技をもってAT遊技が終了し、次遊技から非RT遊技(かつ非AT遊技)に移行する。
また、AT遊技中に1BBに当選したときは、AT遊技を終了するように制御する。この場合、AT遊技の終了後は内部中遊技に移行する。
【0110】
また第2に、AT遊技制御手段71は、
図8に示すように、非RT遊技かつ非AT遊技において、差枚数又は遊技回数が所定値に到達したときは、AT遊技への移行条件を満たすと判断し、AT遊技に移行するように制御する。特に本実施形態では、
(1)その遊技者の差枚数が−3000枚以下となったとき
(2)非RT遊技かつ非AT遊技(特別役の非当選状態)での遊技回数が1000遊技となったとき
に、AT遊技への移行条件を満たすと判断する。
【0111】
また、ここでAT遊技に移行したときは、報知回数が定められている。本実施形態では、差枚数が−3000枚以下となったときは、報知回数を20回に設定する。さらに、非RT遊技かつ非AT遊技での遊技回数が1000回となったときは、報知回数を30回に設定する。
そして、AT遊技において報知回数がそれぞれ規定回数に到達したときは、AT遊技を終了して非AT遊技(かつ非RT遊技)に戻るように制御する。
【0112】
ここでのAT遊技では、小役1A又は小役1Bの当選時、及び小役3と制御役との重複当選時に、それぞれ上述したような報知を行う。そして、AT遊技制御手段71は、そのような報知を行ったときは、報知回数に「1」を加算し、報知回数をカウントし続ける。次いで、報知回数が所定回数となったときは、AT遊技を終了して非AT遊技に移行するように制御する。
【0113】
なお、非AT遊技からAT遊技に移行し、その後に非AT遊技に戻った場合において、その後に1BBに非当選の状態が何ゲーム続いても、非AT遊技からAT遊技には移行しないように制御する。
これに対し、差枚数が−3000枚以下となって非AT遊技からAT遊技に移行し、その後に非AT遊技に戻った場合において、差枚数が−3000枚以下であるとき、又は非AT遊技に戻った直後は差枚数が−2999枚以上であったが、その後に再度、差枚数が−3000枚以下となったときは、再度、非AT遊技からAT遊技に移行するように制御する。
【0114】
ここで、「その遊技者の差枚数が−3000枚以下となったとき」の条件は、その遊技者の過去におけるトータルの差枚数に係る遊技履歴(後述するパスワード)がスロットマシン10に入力されたときに限られる。したがって、差枚数の情報がスロットマシン10に入力されないときは、差枚数が−3000枚以下となったかどうかの判断を行わない。
【0115】
これに対し、「非RT遊技かつ非AT遊技(特別役の非当選状態)での遊技回数が1000遊技となったとき」の条件は、その遊技者の過去における遊技履歴(上記と同様に、後述するパスワード)がスロットマシン10に入力されたか否かにかかわらず、判断される。
まず、その遊技者の過去における遊技履歴が入力されないときは、スロットマシン10側で保有している遊技履歴に従って、非RT遊技かつ非AT遊技において、1BBに当選していない遊技回数が1000遊技となったか否かを判断する。したがって、この場合には、複数の遊技者にわたる場合もあり得る。
【0116】
また、その遊技者の過去における遊技履歴が入力されたときは、その遊技履歴に従って、その遊技者自身が、非RT遊技かつ非AT遊技において、1BBに当選していない遊技回数が1000遊技となったか否かを判断する。したがって、この場合には、別の台での遊技回数も累積して加算される。
なお、これらの遊技履歴の入力については、後述する。
【0117】
また、上記のAT遊技において、遊技者が誤って小役1A又は小役1Bを入賞させたときは、その時点でAT遊技を終了し、非AT遊技に移行するように制御する。さらに、このAT遊技中に1BBに当選したときは、当該遊技をもってAT遊技を終了し、非内部中遊技に移行する。
【0118】
次に、スロットマシン10の出玉率について説明する。
「出玉率」とは、メダルの投入枚数に対する払出し枚数の期待値をいう。
まず、非RT遊技かつ非AT遊技において、1遊技あたりのメダル払出し枚数の期待値は、
1/30×4枚(小役1A)+1/30×4枚(小役1B)+1/20×6枚(小役2)+1/6×1/3×10枚(小役3+制御役)+3×1/7.3(リプレイ)
≒1.53(枚)
となる。
【0119】
なお、リプレイの入賞時は、3枚のメダルが払い出されるものとして計算を行っている。また、本実施形態では、期待値の計算の簡略化のため、小役1A、小役1B、及び小役2の当選時には常に当選役が入賞するものとしている(入賞率100%)。さらにまた、小役3と制御役との重複当選時には、1/3の確率で、入賞に対応する押し順でストップスイッチ42が操作される(入賞する)ものとする。
【0120】
したがって、1遊技あたりのメダルの差枚数(増減値)の期待値は、
1.53(払出し枚数の期待値)−3(投入枚数)=−1.47(枚)
となる。
よって、1遊技あたりの差枚数の期待値が負の値であるので、遊技の進行ととともに、メダルが徐々に増加していく遊技状態となる。
【0121】
また、出玉率は、
1.47/3=0.49
となり、1を下回る。
なお、1遊技あたりの差枚数の期待値が±0であるとき又は出玉率が1であるときは、メダルの投入枚数と払出し枚数(期待値)とが同一値となり、遊技の進行によってもメダルが増減しない遊技状態となる。
以上は、内部中遊技についても当てはまる。
【0122】
これに対し、RT遊技かつ非AT遊技において、1遊技あたりのメダル払出し枚数の期待値は、
1/30×4枚(小役1A)+1/30×4枚(小役1B)+1/20×6枚(小役2)+1/6×1/3×10枚(小役3+制御役)+3×1/1.3(リプレイ)
≒3.43(枚)
となる。
【0123】
したがって、1遊技あたりのメダルの差枚数(増減値)の期待値は、
3.43(払出し枚数の期待値)−3(投入枚数)=+0.43(枚)
となる。
よって、1遊技あたりの差枚数の期待値がわずかに正の値であるので、遊技の進行によってもメダルが減らない(徐々に増加する)遊技状態となる。すなわち、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
なお、出玉率は、
3.43/3≒1.14
となり、1を超える。
【0124】
また、RT遊技かつAT遊技では、小役3と制御役との重複当選時に、小役3を入賞させるための最初に操作すべきストップスイッチ42が報知されるので、小役3と制御役との重複当選時の小役3の入賞率は100%(1/1)となる。
よって、1遊技あたりのメダル払出し枚数の期待値は、
1/30×4枚(小役1A)+1/30×4枚(小役1B)+1/20×6枚(小役2)+1/6×1/1×10枚(小役3+制御役)+3×1/1.3(リプレイ)
≒4.54(枚)
となる。
【0125】
したがって、1遊技あたりのメダルの差枚数(増減値)の期待値は、
4.54(払出し枚数の期待値)−3(投入枚数)=+1.54(枚)
となる。
よって、1遊技あたりの差枚数の期待値が正の値であるので、遊技の進行によってメダルが徐々に増加していく遊技状態となる。すなわち、遊技者にとって有利な遊技状態となる。
なお、出玉率は、
4.54/3≒1.51
となり、1を超える。
【0126】
また、非RT遊技かつAT遊技では、リプレイの当選確率は1/7.3であるが、小役3及び制御役の重複当選時に最初に操作すべきストップスイッチ42が報知されるので、小役3及び制御役の重複当選時の小役3の入賞率は100%(1/1)となる。
よって、1遊技あたりのメダル払出し枚数の期待値は、
1/30×4枚(小役1A)+1/30×4枚(小役1B)+1/20×6枚(小役2)+1/6×1/1×10枚(小役3+制御役)+3×1/7.3(リプレイ)
≒2.64(枚)
となる。
【0127】
したがって、1遊技あたりのメダルの差枚数(増減値)の期待値は、
2.64(払出し枚数の期待値)−3(投入枚数)=−0.36(枚)
となる。
よって、1遊技あたりの差枚数の期待値がわずかに負の値であるので、遊技の進行によってメダルが徐々に減少していく(ただし、ほとんど減らない)遊技状態となる。
なお、出玉率は、
2.64/3≒0.88
となる。
【0128】
さらに、演出制御手段70は、以下の手段を備える。
先ず、演出制御手段70は、遊技が行われていないとき、すなわち全てのリール31が停止している状態において、メニューキー43が操作されたとき(具体的には、メニューキー43のエンターキーが押されたとき)に、画像表示装置23に、メニュー画面を表示するように制御する。
図9は、メニュー画面の例を示す図である。
図9の例では、メニューとして、「会員登録」、「パスワード入力」、「二次元コード表示」、及び「終了」の4項目が設けられている。そして、演出制御手段70は、これら4つの項目のうち、いずれか1が選択されたときは、さらにそのメニューに係る画面を画像表示装置23に画像表示するように制御する。
【0129】
初めてスロットマシン10で遊技を行う場合には、遊技者は、会員登録を行う。
図9のメニュー画面において「会員登録」が選択される(メニューキー43の十字キーでカーソルを「会員登録」に配置するとともに、その位置でエンターキーが押される)と、演出制御手段70は、
図10に示すように、会員登録用の画面を画像表示するように制御する。この画面では、二次元コードを画像表示する(二次元コードを画像表示するためのデータは、予め演出制御手段70に設けられている。)。
【0130】
この二次元コードには、サーバーコンピュータ200のウェブサイトのURL(ユニフォームリソースロケータ;ウェブページのアドレス)の情報が含まれている。そして、遊技者は、携帯通信端末100のカメラによってこの二次元コードを読み取る。これにより、携帯通信端末100のディスプレイ101には、サーバーコンピュータ200のURLが表示される。
なお、二次元コードをカメラで読み取る方法ではなく、例えば文字コードを表示し、遊技者が、その文字コードを携帯通信端末100に手入力するようにしてもよい。
【0131】
そして、表示されたURLを指定すれば、携帯通信端末100からサーバーコンピュータ200のウェブサイトにアクセスすることができる。サーバーコンピュータ200は、上記のようにして携帯通信端末100からアクセスがあると、そのときに送信されてきたデータに基づいて、会員登録の要求があったと判断する。そして、サーバーコンピュータ200は、会員登録のページを表示するデータを携帯通信端末100に送信する。
【0132】
図11は、携帯通信端末100のディスプレイ101に表示される会員登録のページの例を示す図である。
図11に示すように、会員ID(称呼)、パスワード等の入力項目が表示されるので、遊技者は、これらの必要項目を入力した後、登録ボタンを押す。これにより、入力された会員の情報がサーバーコンピュータ200に送信される。サーバーコンピュータ200は、この情報を受信すると、記憶装置201内において、登録された会員専用の記憶領域を確保し、これらの情報をこの記憶領域に記憶する。
【0133】
一方、サーバーコンピュータ200は、この会員専用のパスワード(遊技者情報)を発行し、それを携帯通信端末100に送信する。ここで発行されるパスワードは、会員ID(遊技者を特定可能な個人情報)、この遊技者固有のURL、及び過去の遊技履歴(累積遊技回数、累積差枚数、ボーナス当選回数)を含むデータである。
図12は、このときの携帯通信端末100のディスプレイ101に表示される例を示す図である。このように、サーバーコンピュータ200は、携帯通信端末100のディスプレイ101に、発行されたパスワードと、会員登録が完了した旨、及び注意事項等を画像表示するように制御する。
【0134】
次に、遊技者は、
図10の表示画面において、「終了」をオンにする。この操作が行われると、演出制御手段70は、再度、
図9の画面を表示するように制御する。そして、遊技者は、このメニュー画面から「パスワード入力」をメニューキー43で選択する。この操作が行われると、演出制御手段70は、
図13に示すように、パスワード入力画面を画像表示するように制御する。そして、遊技者は、メニューキー43を使用して、サーバーコンピュータ200によって発行されたパスワードを入力する。
【0135】
次いで、「決定」ボタンを押すと、入力したパスワードがスロットマシン10(演出制御手段70)に読み取られる。また、「決定」が押されることで、演出制御手段70は、再度、
図9のメニュー画面に戻るように制御する。そして、遊技者により、この画面において「終了」が押されると、演出制御手段70は、メニュー画面を終了し、遊技待機中のデモンストレーション画面を画像表示するように制御する。
【0136】
一方、演出制御手段70は、パスワードが入力されると、そのパスワードに基づいて、会員ID、及び遊技履歴に係る情報を取得し、スロットマシン10内部に記憶する。さらに、演出制御手段70は、上記のようにしてパスワードが入力されてからの遊技履歴をRAM等に記憶し、遊技履歴を遊技ごとに更新していくように制御する。すなわち、演出制御手段70は、例えば遊技が行われるごとに、累積遊技回数、差枚数、ボーナス当選回数を更新するように制御する。
【0137】
そして、遊技者は、遊技を終了するときは、遊技待機中(非遊技中)に、再度、メニューキー43を操作して、
図9に示したメニュー画面を画像表示装置23に画像表示する。
次に、遊技者は、メニューキー43を用いて「二次元コード表示」の項目を選択する。この項目が選択されると、演出制御手段70は、遊技の開始時に入力されたパスワード、パスワードが入力されてからの遊技履歴、及びこの遊技者固有のURLのデータを含む二次元コードを作成(生成)するように制御する。そして、演出制御手段70は、作成した二次元コードを画像表示するように制御する。
図14は、このときの画像表示例を示す図である。
【0138】
次いで、遊技者は、画像表示された二次元コードを、携帯通信端末100のカメラで読み取る。これにより、携帯通信端末100には、読み取られた二次元コードに対応するURL(マイフォルダー、すなわちサーバーコンピュータ200に記憶された、その会員専用の記憶領域内のデータフォルダ)が表示される(
図15)。
【0139】
図15において、「マイフォルダー」のURLをオンすると、サーバーコンピュータ200にアクセスされ、サーバーコンピュータ200に記憶された、その会員固有のマイフォルダー内のデータ一覧が携帯通信端末100に送信される。これにより、携帯通信端末100のディスプレイ101には、
図16に示すようにマイフォルダー内の項目の情報が表示される。
【0140】
図16において、遊技者が例えば「パスワード表示」を選択すると、それまでの会員の遊技履歴を反映した最新のパスワードが表示される(
図17)。そして、ここで表示されたパスワードを、
図9のメニュー画面から「パスワード入力」を選択し、
図13の画面に移行して入力すれば、前回の遊技履歴から遊技を開始することができる。すなわち、遊技者は、台を移動するときは、上述のようにして一旦、二次元コードを作成し、それに基づいて新たなパスワードを作成して、このパスワードを、次に遊技を行うスロットマシン10に入力することで、今までの遊技履歴を受け継いで遊技を行うことができる。
【0141】
一方、演出制御手段70は、
図14の画面(二次元コード)を画像表示した後は、自動で、例えば20秒経過後に、この画面を終了して、初期画面(遊技待機画面)に戻るように制御する。したがって、遊技者は、
図14に示す二次元コードを携帯通信端末100のカメラで読み取り、それをサーバーコンピュータ200に送信した後は、それ以後は特に何もせずに席を離れることができる。さらに、演出制御手段70は、二次元コードを作成して画像表示した時、あるいは
図14の画像表示の終了時に、それまでの遊技者に関する情報(RAMに記憶されている情報)を消去するように制御する。これにより、次にこの台で遊技を行う遊技者に対しては、それ以前の遊技者のデータが全く残らないので、プライバシー及びセキュリティ性が担保される。
【0142】
また、演出制御手段70は、
図13の入力画面からパスワードが入力されたときは、そのパスワードに対応する、その遊技者の累積の遊技回数及び差枚数をセットする(入力されたパスワードから、その遊技者の過去における累積の遊技回数及び差枚数が演算できるようになっている)。そして、遊技の終了時ごとに、その遊技回数及び差枚数の値を更新していく。
【0143】
ここで、AT遊技制御手段71は、この差枚数の値が−2999枚以上であると判断したときは、それまでの非AT遊技を継続するように制御する。これに対し、この差枚数が−3000枚以下になったと判断したときは、AT遊技制御手段71は、遊技状態を非AT遊技からAT遊技に設定するように制御する。なお、この場合のAT遊技は、依然として非RT遊技のままである。
【0144】
同様に、AT遊技制御手段71は、その遊技者の非RT遊技かつ非AT遊技の遊技回数が1000遊技以上となったと判断したときは、遊技状態を非AT遊技からAT遊技に設定するように制御する。よって、例えば当該スロットマシン10で遊技する前の別の台で、1BBに当選することなく500遊技を行った後、当該スロットマシン10でさらに1BBに当選することなく500遊技を行ったときは、トータルで1000遊技となるので、非AT遊技からAT遊技に移行することができる。
【0145】
また、1BBの当選後、1BBの入賞前に遊技者が二次元コードを発行しようとしたときは、演出制御手段70は、二次元コードの発行ができないようにするか、又はその1BBの当選を含めた二次元コードを発行するように制御する。
【0146】
したがって、例えば1BBの当選時に、差枚数が−3000枚にわずかに到達しない(例えば差枚数が−2990枚等)場合、当選した1BBを意図的に入賞させずに、差枚数を−3000枚にした後、二次元コードを発行しようとしても、二次元コードの発行ができないようにすれば、そのような1BBの入賞の引き延ばし行為を防止することができる。あるいは、その1BBの当選時に、累積の差枚数の値に、1BB遊技でのメダル獲得枚数期待値を加算すれば、差枚数が−3000枚以下での二次元コードの発行を防止することができる。
【0147】
例えば、遊技者が1BBの当選を察知したときに、1BBを入賞させる前にパスワードを発行する。その後、1BBを入賞させて1BB遊技を消化する。そして、1BB遊技の終了後にパスワードを再度入力するという行為を防止することができる。
【0148】
さらにまた、本実施形態では行っていないが、例えばトータルの遊技回数に対する1BB遊技の回数が少ない場合にAT遊技に移行する特典を遊技者に与えるときは、1BBの当選後に、1BBを入賞させずに遊技回数を増加させて、二次元コードを発行するという行為を防止することができる。
【0149】
また、演出制御手段70は、パスワードが入力されたときは、次に二次元コードを発行するまで、そのパスワードをRAM等に記憶するように制御する。
このようにすることで、例えば差枚数が−3000枚以下の情報を含むパスワードを保有した遊技者が、再度、同一のパスワード(差枚数が−3000枚以下の遊技履歴を含むパスワード)を入力して、遊技が行えてしまうことを防止する必要がある。
【0150】
このため、パスワードが入力された後、さらに同一のパスワードが入力されたときは、2回目に入力されたパスワードを無視して遊技履歴を更新するか、AT遊技への移行権利をなくす(2回目に同一のパスワードが入力されたときは、差枚数の値にかかわらず、AT遊技には移行しない)か、又はAT遊技の遊技回数(報知回数)を少なくする(一定値を減算する)という処理を行うように制御する。
【0151】
さらにまた、演出制御手段70は、上述したように、役の抽選結果に基づいて演出パターンを選択し、その演出パターンに従う演出を出力するように制御するが、この演出パターンには、連続演出を行う演出パターンが設けられている。
ここで、「連続演出」とは、複数回の連続する遊技にわたって出力される一連の演出を意味する。
そして、連続演出が出力されたときは、1BB(特別役)に当選している可能性が高いことを遊技者に対して示すようにする。
連続演出が出力されたときは、1BBに当選している可能性が例えば30%〜50%程度(連続演出の信頼度が30%〜50%)に設定する。
【0152】
このような連続演出が出力されると、遊技者は、1BBに当選している可能性が高いと判断することができる。しかし、このような連続演出が出力された直後に二次元コードを発行できるようにすると、仮に特別役に当選していたときは、最も差枚数が少ない状態で二次元コードの発行ができてしまう。これを防止するため、演出制御手段70は、連続演出の出力が開始されたときは、(1BBの当選の有無にかかわらず)、少なくともその連続演出が終了するまで、二次元コードの発行ができないように制御する。
【0153】
なお、本実施形態では、1BBに当選したときは、1BBが入賞する前であっても、上述したように、二次元コードの発行を制限している。したがって、例えば連続演出の出力が開始された直後に、遊技者が、二次元コードの発行ができるかどうかを確認し、二次元コードの発行が可能であれば1BBに当選していないことがわかり、二次元コードの発行ができなければ1BBに当選していることがわかってしまう。このため、連続演出が開始されたときは、一律に、二次元コードの発行ができないように制御する。
【0154】
(第2実施形態)
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、スロットマシン10の固有の情報及び店舗情報が、二次元コード及びパスワードに含まれるようにしたものである。さらに、遊技者の遊技履歴、スロットマシン10の固有の情報、及び店舗情報に基づいて、種々の特典を付与するようにしたものである。
まず、スロットマシン10の固有の情報としては、スロットマシン10の製造番号、メイン制御基板やサブ制御基板の製造(ID)番号、メイン制御基板の封印シール番号等が挙げられる。
また、店舗情報としては、スロットマシン10の設置店の情報(設置店(ホール)の所在地や設置店名を特定可能な情報)が挙げられる。
【0155】
スロットマシン10の製造者は、スロットマシン10の製造時又は出荷時に、スロットマシン10内の記憶手段(ROM等)に、スロットマシン固有の上記各情報を入力する。したがって、スロットマシン10ごとに、記憶される固有の情報が異なっている。
また、スロットマシン10の製造者の管理用コンピュータと、サーバーコンピュータ200とは、ネットワーク接続されている。
【0156】
そして、スロットマシン10が設置店に出荷されると、スロットマシン10の製造者は、管理用コンピュータから、そのスロットマシン10がどの設置店に出荷されたかを、サーバーコンピュータ200にアップロードする。
これにより、サーバーコンピュータ200側では、スロットマシン10の固有の情報及び設置店の情報とを記憶する。
【0157】
図19は、以上の流れを説明する図である。
図19において、スロットマシン10の製造者Aにより製造されたスロットマシン10の固有の情報(製造番号)が、「001」及び「002」であるとする。この場合、それぞれのスロットマシン10のROMに、この製造番号が出荷時までに記憶される。
さらに、製造番号「001」は設置店B1へ、及び製造番号「002」は設置店B2へ出荷が決まったときは、製造者Aの管理コンピュータA1から、サーバーコンピュータ200に対し、この情報を送信する。これにより、サーバーコンピュータ200では、製造番号と設置店とが対応づけて記憶される。
【0158】
図10で示したように、会員登録を行う遊技者に対して、スロットマシン10は、二次元コードを画像表示するように制御するが、このとき、そのスロットマシン10の製造番号を含めた二次元コードを作成してもよい。
【0159】
また、遊技者がパスワードを入力して遊技を開始し、遊技を終了するためにメニューキー43が操作されたときは、
図14に示すように、パスワードが入力されて遊技が開始されてから終了するまでの遊技履歴(遊技回数、差枚数、ボーナス当選回数等)を含む二次元コードが作成され、スロットマシン10の画像表示装置23に画像表示されるが、この二次元コードには、このスロットマシン10の製造番号が含まれるようにする。そして、この二次元コードが遊技者の携帯通信端末100のカメラで読み取られると、
図15に示すように、その二次元コードに対応するURLが表示される。
【0160】
そして、
図15において、マイフォルダーのURLをオンすると、サーバーコンピュータ200にアクセスされ、今回の遊技履歴がサーバーコンピュータ200内のその遊技者の遊技履歴に反映される(その遊技者の遊技履歴内容が更新される)。ここでは、その遊技者のトータルの遊技回数や差枚数だけでなく、どのスロットマシン10で(製造番号ごとに)、どれだけの遊技実績を有するかが記憶される。また、サーバーコンピュータ200側では、製造番号がわかれば設置店を特定することができる。
【0161】
さらに、マイフォルダーのURLがオンされ、サーバーコンピュータ200にアクセスされると、遊技者の携帯通信端末100には、会員固有のマイフォルダー内のデータ一欄が送信される。これにより、携帯通信端末100のディスプレイ101には、
図16に示すマイフォルダー内の項目の情報が表示される。
【0162】
第1実施形態では、
図16において「2.ゲーム、ボーナス回数」を選択すると、
図18に示す表示を行うようにした。
これに対し、第2実施形態では、
図16において「2.ゲーム、ボーナス回数」を選択すると、
図20に示す表示を行うようにする。
図20に示すように、遊技者の携帯通信端末100には、トータルの遊技回数やボーナス当選回数だけでなく、設置店及び遊技台ごとの遊技回数やボーナス当選回数等が表示されるようにする。
【0163】
また、サーバーコンピュータ200側では、各遊技者ごとに遊技履歴を記憶しておくだけでなく、遊技者からのアクセスに基づいて、設置店及び遊技台ごとの遊技履歴を記憶しておく。
図21は、サーバーコンピュータ200の記憶装置201の記憶内容を示す図である。
図21(a)に示すように、記憶装置201には、第1に、各遊技者(ID)ごとに区分された記憶領域を有し、各遊技者ごとの遊技履歴を記憶している。
ここでは、各遊技者ごとに、トータルの遊技回数やボーナス当選回数等と、設置店及び遊技台ごとの遊技回数やボーナス当選回数等が記憶されている。
【0164】
さらに、
図21(b)に示すように、記憶装置201には、各設置店ごと及び各遊技台ごとに区分された記憶領域を有し、それぞれに、トータルの遊技回数、ボーナス当選回数、その他の遊技履歴を記憶している。
サーバーコンピュータ200は、これらの記憶内容を、遊技者からアクセスがあるたびに更新するように制御する。
【0165】
そして、第2実施形態では、サーバーコンピュータ200は、特定の設置店の特定の遊技台が所定の条件を達成したときに、遊技者に有利な特典を与えるように制御する。あるいは、パスワードが入力されて遊技が行われたときは、パスワードが入力されないで遊技が行われたときよりも遊技者に有利となるようにする。以下、いくつかの具体例を説明する。
1.具体例1
図21(b)において、例えば特定の遊技者が、設置店B1の台番号001で遊技を行い、その遊技の終了後に、トータルの遊技回数が1万回を上回ったとする。ここで、「設置店B1の台番号001のトータル遊技回数が1万回を上回ったときに、遊技者に有利な特典を付与する」と定められていたとき、その遊技者に対し、次回の遊技開始時に発行するパスワードに、所定遊技回数のAT遊技を付与することを定めたパスワードを発行することが挙げられる。
【0166】
そして、その遊技者がこのパスワードを入力して、いずれかの遊技台で遊技を開始すると、所定遊技回数のAT遊技が付与されるようにする。
すなわち、その遊技者は、台番号001以外の遊技台で遊技を行ったとしても、特典が付与される。ただし、これに限らず、台番号001の遊技台で遊技を行ったときに限り、特典を付与するようにしてもよい。
【0167】
また、ここで付与されるAT遊技は、パスワードが入力され、遊技が開始されると直ちに開始するようにしてもよい。あるいは、特別遊技の終了後等の一定条件を満たしたときに、AT遊技を付与してもよい。
また、「有利な特典」としては、上述したAT遊技の付与や、通常時は一切出現しないか、又は出現しにくいプレミア画像の演出を出力等するように制御することが挙げられる。
【0168】
さらにまた、「有利な特典」として、そのスロットマシン10の設定値に関する情報を遊技者に報知することが挙げられる。この場合は、パスワードが入力された後に、そのスロットマシン10の設定値を読み取り、例えば「設定3又は4です。」等を画像表示することが挙げられる。
【0169】
さらには、その遊技者のボーナス当選回数をランキングし、「何人中、何番目です。」等を画像表示すること、その遊技者の他機種の遊技履歴、他の遊技者の遊技履歴、演出の履歴等を画像表示することが挙げられる。
【0170】
2.具体例2
特定の設置店が特有のイベントを行うことが挙げられる。
例えば設置店B2がスロットマシン10の製造者Aに対してイベント申請を行うと、スロットマシン10の製造者Aは、そのイベントに係る情報をサーバーコンピュータ200に登録する。
これにより、設置店B2で遊技を行った遊技者に対して、次に発行するパスワードに、特典を付与すべき旨の情報を含めることが挙げられる。
ここで、遊技者が設置店B2で遊技を行う場合であっても、最初のパスワードの発行時は、サーバーコンピュータ200側では設置店B2で遊技が行われるか否かを知ることができないため、最初のパスワード発行時には、上記特典の情報が含まれない。
【0171】
そこで、例えば遊技者がパスワードの発行要求を行うに際し、どの設置店で遊技を行うかを入力させるようにすれば、サーバーコンピュータ200側で設置店を判断することができる。そして、設置店B2である旨が入力されると、イベントに係る特典を付与する情報が含まれたパスワードを発行する。
【0172】
また、サーバーコンピュータ200側では、設置店B2に設置されている全てのスロットマシン10の固有情報を記憶しているので、設置店B2に設置されているスロットマシン10であるときに限り特典を付与する旨の情報を含むパスワードを発行する。
具体的には、
図19で示したように、台番号「001」が設置店B1に設置され、台番号「002」が設置店B2に設置されているとき、設置店B2に設置されている台番号であれば特典を付与することを定めたパスワードである。
【0173】
次に、発行されたパスワードがスロットマシン10に入力されると、そのスロットマシン10側では、そのパスワードに含まれる設置店B2の台番号の情報と、スロットマシン10に予め記憶されている台番号の情報とが一致するか否かを判断し、一致すれば、イベントに係る特典を付与するように制御する。
なお、スロットマシン10が設置店を離れ、転売されるなどして個人宅等にある場合には、サーバーコンピュータ200からその台の登録が抹消される。したがって、個人宅にあるスロットマシン10に対しては、特典を与えることはない。
【0174】
3.具体例3
1人の遊技者が、特定の設置店の特定の遊技台で所定の条件を達成したときに、遊技者に有利な特典を与えるように制御する。このようにすれば、特定の設置店の特定の遊技台を打ち続ける遊技者にメリットを与えることができる。
4.具体例4
遊技者がサーバーコンピュータ200にアクセスするごとに、トータルの遊技回数をポイントに換算し、記憶しておく。そして、そのポイントが所定値に到達したときは、次回発行のパスワードに、遊技者に有利な特典を付与することを定めたパスワードを発行する。このようにすれば、遊技者には、特定の機種でより多く遊技を行うほどメリットがあるので、他機種に対して差別化を図ることができる。
【0175】
5.具体例5
遊技者が遊技を開始するときや終了するとき等、サーバーコンピュータ200にアクセスがあったごとに、サーバーコンピュータ200側で抽選を行い、この抽選に当選したときには、次回のパスワード発行時に、遊技者に有利な特典を与えるパスワードを発行する。
【0176】
6.具体例6
第1実施形態では、AT遊技制御手段71は、非AT遊技中に、差枚数又は遊技回数が所定値に到達したときに、AT遊技を行うようにした。
これに対し、非AT遊技中に、AT遊技を実行するか否かを、毎遊技、又は所定の条件を満たすごと(例えば特定役当選時ごと)に、AT遊技を実行するか否かを決定する。
さらに、AT遊技を実行するか否かは、抽選テーブルで決定するものとし、スロットマシン10は、この抽選テーブルとして、当選確率が異なる複数の抽選テーブルを持つようにする。
【0177】
この場合、遊技者の携帯通信端末100からサーバーコンピュータ200にアクセスがあったときに、その遊技者の過去の出玉率を判断し、その出玉率が所定値以下であるときに、次回発行するパスワードに、AT遊技を付与することを定めたパスワード、あるいはAT遊技の抽選テーブルを有利な抽選テーブル(通常の当選確率よりも高い当選確率に設定された抽選テーブル)に変更することを定めたパスワードを発行するように制御する。
【0178】
このようにすれば、出玉率が低い遊技者に対し、所定遊技回数のAT遊技を付与したり、より有利な条件でAT遊技の抽選を行うことができる。
なお、「過去の出玉率」は、その遊技者のトータルの出玉率、特定の遊技期間(例えば過去1週間、当日)、あるいは、パスワードが入力されて遊技が開始されてからの出玉率としてもよい。
【0179】
7.具体例7
サーバーコンピュータ200側で、スロットマシン10の出玉(の波)を変更できるようにする。
この場合には、サーバーコンピュータ200にアクセスがあったときに、スロットマシン10の出玉の波を変更する情報を含むパスワードを発行する。
そして、遊技者がこのパスワードを入力して遊技を開始したときは、スロットマシン10側で、出玉の波を変更するように制御する。
なお、出玉の波を変更する条件としては、パスワードを入力して遊技を行ったときは、一律に出玉の波を変更することも可能であるが、パスワードを入力し、かつその遊技者の遊技履歴が所定の条件を満たしている場合のみ、出玉の波を変更するように制御してもよい。
【0180】
出玉の波を変更する方法としては、例えば特別役の当選確率を遊技回数に応じて変更したり(特別役の当選確率の異なる役抽選テーブル62を、遊技回数や経過時間等に応じて変更する等)、AT遊技を実行するか否かを上述のように抽選で決定する場合にその抽選テーブルを遊技回数や差枚数に応じて変更することが挙げられる。
なお、出玉の波を変化させる場合には、出玉率自体が変化するようにしてもよいが、出玉率は一定とし、波のみを変化させることもできる。
例えば、パスワードの入力なしで遊技が行われたときは、AT遊技を実行するか否かの抽選における当選確率を所定値に設定するとともに、その抽選に当選したときのAT遊技の遊技回数を所定回数に設定しておく。
これに対し、パスワードが入力されて遊技が行われたときは、AT遊技を実行するか否かの抽選における当選確率を前記所定値よりも低く設定するが、その抽選に当選したときのAT遊技の遊技回数を前記所定回数よりも多い回数に設定することが挙げられる。これにより、出玉率(すなわち射幸性)を一定に保ちつつ、遊技性のみを異ならせることができる。
【0181】
8.具体例8
第1実施形態では、差枚数又は遊技回数が所定値に到達したときに、非AT遊技からAT遊技に移行するように制御した。
これに対し、1BB遊技の終了後、1BBに当選することなく所定遊技回数(例えば1000ゲーム)に到達したときは、天井ATとしてAT遊技に移行するように制御する。
さらに、天井ATによってAT遊技が実行されたときは、1BBに当選するまでの無限AT遊技としてもよく、あるいは、所定遊技回数だけ継続するAT遊技としてもよい。
【0182】
例えば、サーバーコンピュータ200側では、遊技者からアクセスがあったごとに、1BBに当選していない遊技回数の累積数を算出し、その累積数が所定遊技回数(例えば1000ゲーム)に到達したときは、AT遊技を付与するように制御する。
具体的には、遊技者が、600ゲームで1回も1BBに当選せずに遊技を終了し、サーバーコンピュータ200にアクセスしたときは、その遊技履歴を記憶しておく。さらに次に、その遊技者が400ゲームで1回も1BBに当選せずに遊技を終了し、サーバーコンピュータ200にアクセスしたときは、サーバーコンピュータ200は、1BBに当選しない累積の遊技回数が1000回に到達したと判断する。そして、次回のパスワードの発行時に、AT遊技を付与すべきことを定めたパスワードを発行する。
【0183】
あるいは、遊技者が、900ゲームで1回も1BBに当選せずに遊技を終了し、サーバーコンピュータ200にアクセスしたときは、その遊技履歴を記憶しておき、サーバーコンピュータ200は、次回のパスワードの発行時に、次の遊技で100ゲーム間(すなわち、トータル遊技回数で1000ゲーム間)1BBに当選しなかったときは、AT遊技を付与すべきことを定めたパスワードを発行するようにしてもよい。
なお、天井ATは、設置店が異なったり、異なる日であっても付与することも可能である。
【0184】
また、複数の遊技台であっても、トータルの遊技回数で1000ゲーム以上、1BBに当選しなかったときにAT遊技を付与することに定められている場合には、あと何ゲームで天井ATが発動されるのかを、遊技者の携帯通信端末100や、スロットマシン10の画像表示装置23に画像表示するようにし、遊技者に知らせることも可能である。
【0185】
9.具体例9
パスワードの入力の有無で、スロットマシン10の出玉自体が異なるように制御する。このように制御する場合には、パスワード入力なしで遊技が行われたときの役抽選テーブル62と、パスワード入力ありで遊技が行われたときの役抽選テーブル62とを設けておく。なお、設定値ごとに1BBの当選確率が異なる役抽選テーブル62を有しているのはもちろんである。
そして、パスワード入力なし時は、パスワード入力あり時に対して、出玉が例えば80%程度になるように設定する。すなわち、パスワード入力が、そのスロットマシン10の出玉を100%にするための条件となる。
【0186】
さらに、上記のようにAT遊技を抽選で決定する場合には、パスワード入力あり時の抽選テーブルでの当選確率が、パスワード入力なし時の抽選テーブルの当選確率よりも高くなるように設定する。すなわち、パスワード入力なし時のAT遊技の抽選テーブルと、パスワード入力あり時のAT遊技の抽選テーブルとを設けておく。
このように設定することにより、パスワードを入力して遊技を行った方が遊技者にとって有利となるので、遊技者に対し、パスワードの入力を促すことができる。
【0187】
10.具体例10
非AT遊技において、所定の条件を満たしたとき(例えば、特定役の当選時)に、AT遊技を実行するか否かを抽選で決定するようにする。
そして、非AT遊技中は、高確ステージ、通常ステージ、及び低確ステージのいずれかに滞在し、それぞれ所定の条件を満たしたときにステージが移行するものとする。
【0188】
そして、高確ステージは最もAT遊技の抽選に当選しやすく、低確ステージは最もAT遊技の抽選で当選しにくいステージとする。
このように設定した場合に、パスワードの入力なしで遊技を行ったときは、現在の滞在ステージを遊技者に報知しないが、パスワードを入力して遊技を行ったときは、現在の滞在ステージを遊技者に報知するようにすることで、遊技者に特典を付与する。
【0189】
11.具体例11
パスワードの入力なしで遊技を行った遊技者に対しては、出力すべき演出について何ら特典を与えないが、パスワードを入力して遊技を行った遊技者に対しては、出力すべき演出について遊技者に特典を与えるようにする。
例えば、パスワードを入力して遊技を行ったときは、通常は出現しにくい特定(プレミア)演出が出力されやすくすることが挙げられる。例えば特定演出の選択確率は、パスワードを入力しないと0.1%程度であるが、パスワードを入力して遊技を行うと、1%程度に高くすることが挙げられる。
さらに、パスワードを入力して遊技を行った場合において、特定の演出を連続して所定回数出現させたときは、特典としてAT遊技を付与することが挙げられる。
【0190】
12.具体例12
パスワードには、その遊技者の各種の遊技履歴、例えばトータル遊技回数、特定役の当選回数や入賞回数、特定演出の出力回数、その遊技者の誕生日、全遊技者の中のランキング情報(全遊技者の中で、トータル遊技回数やボーナス当選回数が所定順位以内か否か等)のようなデータが含まれるようにし、パスワードが入力された場合に、トータル遊技回数、特定役の当選回数や入賞回数、特定演出の出力回数等が所定回数に到達したときは、遊技者に特典(AT遊技等)を付与する。その遊技者の登録された誕生日であるときや、ランキングが所定順位以内であるときも同様である。
【0191】
また、例えば特定役の当選回数が所定回数に到達したときのみに出現が許可されるプレミア演出を出力することが挙げられる。ただし、そのプレミア演出の出力は、パスワードを入力して遊技を行った場合に限られる。
【0192】
図22は、具体例11の内容を説明する図である。
サーバーコンピュータ200には、遊技者(ID)ごとに、遊技履歴を記憶している。
図22の例では、トータル遊技回数、小役1当選回数、小役1入賞回数、プレミア演出Xの出力回数、ユーザー(その遊技者)の誕生日、ボーナス・ランキング、天井ATまでの残り遊技回数を遊技履歴として記憶している。
【0193】
そして、例えばIDが「00000001」の遊技者からサーバーコンピュータ200にアクセスがあり、パスワードの発行要求が行われると、その遊技者の遊技履歴と、予めサーバーコンピュータ200に登録されている特典付与の条件とを対比し、特典を付与するか否かを判断する。
図22に示すように、サーバーコンピュータ200側では、例えばトータル遊技回数が20万回、小役1当選回数が100回、・・・等、特典を付与する条件が予め設定されている。
さらに、トータル遊技回数が20万回以上であるときは特典Aを付与、小役1当選回数が100回以上のときは特典Bを付与、・・・等のように、各条件ごとの特典が予め設定されている。
【0194】
そして、この遊技者の場合は、小役1当選回数が100回であるので、小役1当選回数100回という特典付与の条件を満たしている。よって、この条件を満たしたときの特典(
図22の例では、所定遊技回数のAT遊技)を付与する。
また、この遊技者の誕生日であると仮定すると、この条件に対応する特典(
図22の例では、初期状態を高確ステージにセット)を付与する。さらに、その遊技者の天井ATまでの残り遊技回数を60回に設定する。これらの情報を含むパスワードを遊技者に対して発行する。
【0195】
そして、このパスワードがスロットマシン10に入力されると、スロットマシン10側ではそのパスワードを読み取り、所定遊技回数のAT遊技を実行するように設定し、初期状態を高確ステージに設定し、天井ATまでの残り遊技回数を60回に設定する。
【0196】
(第3実施形態)
続いて、本発明の第3実施形態について説明する。
第3実施形態では、スロットマシン10側で、ドア(フロントマスク)のオープン回数、精算ボタンの押下回数、及びエラー発生回数等を記憶しておき、不正が行われているおそれを事前に察知できるようにしたものである。
【0197】
これらの回数を、設置店側で知り得るようにするためには、以下の方法が挙げられる。
第1に、遊技者が遊技を終了して二次元コードを発行する場合に、上記実施形態と同様に、その遊技者の遊技の開始時から終了時までの遊技回数や特別役の当選回数等とともに、スロットマシン10の電源投入時からの(すなわち当日の)トータルのドアオープン回数、精算ボタン押下回数、及びエラー発生回数をその二次元コード内の情報に含めるようにし、その遊技者からサーバーコンピュータ200にアクセスがあったときに、サーバーコンピュータ200の記憶装置201に記憶しておく。
そして、スロットマシン10の設置店の管理者からサーバーコンピュータ200にアクセスがあったときに、その設置店内で特に上記回数の多い台番号を報知する。
なお、ここでの管理者からのアクセスは、遊技者では操作できない専用の操作方法によるものである。
このようにすれば、遊技者の二次元コードの発行操作を利用して、ドアオープン回数等をサーバーコンピュータ200に送信することができる。さらに、ドアオープン回数等が特に多かった遊技者が二次元コードを発行しなかった場合(すなわちパスワードを入力しないで遊技を行った場合)であっても、その次の遊技者が二次元コードを発行してサーバーコンピュータ200にアクセスすれば、ドアオープン回数等が多かった事実をサーバーコンピュータ200に送信することができる。
【0198】
第2に、特定の遊技者について、上記回数が多い場合には、その旨を報知する。
第3に、特定の遊技者について上記回数が多い場合において、次にその遊技者からサーバーコンピュータ200に対してパスワードの発行要求があった場合には、そのパスワードに、上記回数が多い旨の情報が含まれるようにする。
【0199】
そして、その遊技者がそのパスワードを入力して遊技を開始したとき、スロットマシン10側でその情報を読み取ると、スロットマシン10のいずれかの演出出力装置から、特定の演出を出力するように制御する。例えば、ランプの点灯パターンが通常と若干異なったり、画像表示装置23に特定の表示をする等が挙げられる。そして、この特定の演出が遊技者にはわからないようにし、設置店の管理者のみが知り得るようにすれば、設置店側で、その遊技者が遊技を行っているときに注意を喚起することができる。
【0200】
第4に、設置店の管理者が各スロットマシン10に対して専用の操作をすると、上記回数の情報が含まれる二次元コードを画像表示装置23に画像表示されるようにする。その二次元コードを読み取り、サーバーコンピュータ200に送信されると、サーバーコンピュータ200では、その管理者の携帯通信端末に対して、上記回数が多い旨を報知する。
なお、この場合に発行される二次元コードに含まれる情報は、上記と同様に、スロットマシン10の電源投入時からの(すなわち当日の)トータルのドアオープン回数等である。これにより、設置店の管理者は、いつでも、当日の(二次元コード発行時点までの)ドアオープン回数等を知ることができるので、特定のスロットマシン10の出玉等に疑義がある場合には、確認を行うことができる。
【0201】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、例えば、以下のような種々の変更が可能である。
(1)二次元コードやパスワードに含める情報としては、実施形態で示したデータに限らず、各種のデータ、例えば店舗(ホール)のデータ(所在地等)や、時刻等を含めることも可能である。
(2)実施形態では、二次元コードに各種の情報を含めたが、情報量によっては一次元コード(バーコード)であっても良い。ただし、二次元コードを用いれば、情報表示面積を小さくしつつ、より多くの情報をコード化できるので好ましい。
【0202】
(3)パスワードが入力されてから二次元コードを発行するまでの間の最小ゲーム数を設けてもよい。例えば、パスワードが入力されてから、最低、100ゲームを消化しない限り、二次元コードを発行できないように制御してもよい。
このようにすれば、パスワードを入力してから10ゲーム程度消化して二次元コードを発行するという行為を繰り返し、特別役当選の直前までの差枚数の情報を有するパスワードが発行されてしまうことを防止することができる。
【0203】
(4)本実施形態では、発行されたパスワードを、遊技者が、スロットマシン10の所定のキーを使用して入力するようにした。しかし、これに限らず、以下のような入力方法も可能である。
例えば、スロットマシン10の前面側に、小型の画像読取り装置(カメラ、CCD、撮像装置)を設ける。そして、サーバーコンピュータ200から携帯通信端末100に発行するパスワードを、二次元コードの形式とし、携帯通信端末100のディスプレイ101にその二次元コードを画像表示させる。それをスロットマシン10の上記画像読取り装置にかざすことで、二次元コード(パスワード)がスロットマシン10に入力されるようにする。なお、二次元コード(パスワード)をスロットマシン10に入力する際には、スロットマシン10の所定の操作スイッチやキーを操作する。このようにすれば、パスワードを遊技者が手入力する必要がないので、遊技者の労力を削減することができる。
<付記>
本願の出願当初の請求項に係る発明(当初発明)が解決しようとする課題、当初発明に係る課題を解決するための手段及び当初発明の効果は、以下の通りである。
(a)当初発明が解決しようとする課題
従来の技術では、遊技者に対し、遊技後にサービス的な特典を与えるものであるが、所詮、その範囲にとどまるものであった。
一方、近時、二次元コードとパスワードとを利用して、スロットマシンの演出をカスタマイズできる機能を持たせたものが提案されている(いわゆる「マイスロ」機能。例えば、本件出願人により既に提案されている「特願2008−039460」参照)。
しかし、以上のいずれにおいても、遊技者が、遊技システムを用いて、より有利な遊技結果を得ることができる(遊技中の遊技者に、出玉に係る影響を与える)ものではなかった。
このため、スロットマシン(遊技機)と、サーバーコンピュータと、携帯通信端末とを用いた遊技システムにおいて、遊技者の出玉に影響を与えることができる機能を持たせることが望まれていた。
当初発明が解決しようとする課題は、スロットマシンと、サーバーコンピュータと、携帯通信端末とを用いた遊技システムを利用して、遊技者の出玉に影響を与えることも可能な特典を付与することである。
(b)当初発明に係る課題を解決するための手段
第1の解決手段は、スロットマシンと、遊技者が操作する携帯電話機又はモバイルコンピュータを含む携帯通信端末との間で情報の送受信が可能なサーバーコンピュータとを含む遊技システムであって、前記スロットマシンは、複数種類の図柄を表示した複数のリールと、役の抽選を行う役抽選手段と、前記リールの回転開始命令を受けたときに前記リールを回転させるとともに、遊技者によりストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて、そのストップスイッチに対応する前記リールを停止させるリール制御手段と、遊技の開始時に、遊技者の遊技履歴や遊技者を特定可能な個人情報を含む遊技者情報(実施形態ではパスワード)を遊技者に入力させる(実施形態では、パスワードの入力画面を画像表示する)遊技者情報入力手段と、遊技の終了時に、前記遊技者情報が入力されてからの出玉率、遊技回数その他の遊技履歴、遊技者を特定可能な個人情報、及び前記サーバーコンピュータにアクセスするためのアドレスを含むとともに前記携帯通信端末で読取り可能なコード(実施形態では二次元コード)を前記画像表示装置に表示するコード表示手段とを備え、前記サーバーコンピュータは、遊技者固有の遊技履歴の記憶領域を有し、前記携帯通信端末から前記コードに基づくアクセスがあったときに、そのコードに記述された情報を読み取ってその遊技者の遊技履歴を更新するように制御し、前記携帯通信端末から前記遊技者情報の発行要求があったときに、前記記憶領域に記憶されている遊技履歴を反映させた前記遊技者情報を発行して前記携帯通信端末に送信し、前記スロットマシンの前記役抽選手段は、その役の当選時に、遊技者による前記ストップスイッチの操作タイミング又は押し順に応じて有効ラインに停止する図柄の組合せの停止態様が異なるとともに、前記ストップスイッチの操作タイミング又は押し順に係る操作情報が報知されたときは、その操作情報が報知されないときよりも、遊技者にとって有利な停止態様となる確率を高めることができる特定役を含めて役の抽選を行い、前記スロットマシンは、前記遊技者情報入力手段で入力された前記遊技者情報に基づいて、前記役抽選手段で前記特定役に当選したときに前記操作情報を報知するように制御する報知制御手段を備えることを特徴とする遊技システムである。
第2の解決手段は、第1の解決手段において、前記スロットマシンの前記役抽選手段は、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行するための特別役を含めて役の抽選を行い、前記スロットマシンは、前記役抽選手段で前記特別役に当選し、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、前記特別遊技に移行するように制御する特別遊技制御手段を備え、前記スロットマシンの前記コード表示手段は、前記役抽選手段で前記特別役に当選したときは、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する前の遊技であっても、前記コードを表示しないように制御することを特徴とする。
第3の解決手段は、第1の解決手段において、前記スロットマシンの前記役抽選手段は、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行するための特別役を含めて役の抽選を行い、前記スロットマシンは、前記役抽選手段で前記特別役に当選し、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、前記特別遊技に移行するように制御する特別遊技制御手段を備え、前記スロットマシンの前記コード表示手段は、前記役抽選手段で前記特別役に当選した場合において、前記特別役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する前に前記コードを表示するときは、その特別役の当選を含む遊技履歴を持つ前記コードを表示するように制御することを特徴とする。
第4の解決手段は、第1〜第3の解決手段において、前記スロットマシンは、前記遊技者情報が入力されたときは、その遊技者情報を記憶するように制御し、前記スロットマシンの前記報知制御手段は、前記遊技者情報が入力された後、同一の遊技者情報が再度入力されたと判断したときは、最初にその遊技者情報が入力されてからの遊技履歴に基づいて、前記操作情報を報知するように制御することを特徴とする。
第5の解決手段は、第1〜第3の解決手段において、前記スロットマシンは、前記遊技者情報が入力されたときは、その遊技者情報を記憶するように制御し、前記スロットマシンの前記報知制御手段は、前記遊技者情報が入力された後、同一の遊技者情報が再度入力されたと判断したときは、最初に前記遊技者情報が入力されたことに基づく前記操作情報の報知を中止するか又は報知回数を少なくするように制御することを特徴とする。
第6の解決手段は、第1〜第5の解決手段において、前記スロットマシンの前記報知制御手段は、前記遊技者情報入力手段で入力された前記遊技者情報に基づいて、その遊技者情報に記述されている過去の出玉率、又はその遊技者情報に記述されている期間を含めた現在までの出玉率を判断し、その出玉率が所定値以下であるときに、前記操作情報を報知するように制御することを特徴とする。
第7の解決手段は、第1〜第6の解決手段において、前記役抽選手段で前記特定役に当選したときに前記操作情報を報知するか否かを抽選で決定するためのものであって、当選確率が異なる複数の抽選テーブルを備え、前記スロットマシンの前記報知制御手段は、いずれか1つの前記抽選テーブルを用いて、前記役抽選手段で前記特定役に当選したときに前記操作情報を報知するか否かを決定するとともに、前記遊技者情報入力手段で入力された前記遊技者情報に基づいて、その遊技者情報に記述されている過去の出玉率、又はその遊技者情報に記述されている期間を含めた現在までの出玉率を判断し、その出玉率が所定値以下であるときは、それまでの前記抽選テーブルよりも当選確率の高い前記抽選テーブルに変更するように制御することを特徴とする。
第8の解決手段は、第1〜第7の解決手段において、前記スロットマシンは、出玉率がそれまで以上に増加する遊技状態に移行するか否かを遊技者に対して告知するときに、複数回の連続する遊技にわたって一連の連続演出を出力するように制御し、前記スロットマシンの前記コード表示手段は、前記連続演出の出力が開始されたときは、少なくともその連続演出が終了するまで、前記コードを表示しないように制御することを特徴とする。
第9の解決手段は、複数種類の図柄を表示した複数のリールと、役の抽選を行う役抽選手段と、前記リールの回転開始命令を受けたときに前記リールを回転させるとともに、遊技者によりストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて、そのストップスイッチに対応する前記リールを停止させるリール制御手段と、遊技の開始時に、遊技者の遊技履歴や遊技者を特定可能な個人情報を含む遊技者情報を遊技者に入力させる遊技者情報入力手段と、遊技の終了時に、前記遊技者情報が入力されてからの出玉率、遊技回数その他の遊技履歴、遊技者を特定可能な個人情報、及びサーバーコンピュータにアクセスするためのアドレスを含むとともに前記携帯通信端末で読取り可能なコードを前記画像表示装置に表示するコード表示手段とを備え、前記役抽選手段は、その役の当選時に、遊技者による前記ストップスイッチの操作タイミング又は押し順に応じて有効ラインに停止する図柄の組合せの停止態様が異なるとともに、前記ストップスイッチの操作タイミング又は押し順に係る操作情報が報知されたときは、その操作情報が報知されないときよりも、遊技者にとって有利な停止態様となる確率を高めることができる特定役と、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行するための特別役とを含めて役の抽選を行い、前記遊技者情報入力手段で入力された前記遊技者情報に基づいて、前記役抽選手段で前記特定役に当選したときに前記操作情報を報知するように制御する報知制御手段を備え、出玉率がそれまで以上に増加する遊技状態に移行するか否かを遊技者に対して告知するときに、複数回の連続する遊技にわたって一連の連続演出を出力するように制御し、前記コード表示手段は、前記連続演出の出力が開始されたときは、前記役抽選手段で前記特別役に当選しているか否かにかかわらず、少なくともその連続演出が終了するまで、前記コードを表示しないように制御することを特徴とするスロットマシンである。
第10の解決手段は、スロットマシンと、遊技者が操作する携帯電話機又はモバイルコンピュータを含む携帯通信端末との間で情報の送受信が可能なサーバーコンピュータとを含む遊技システムであって、前記スロットマシンは、複数種類の図柄を表示した複数のリールと、役の抽選を行う役抽選手段と、前記リールの回転開始命令を受けたときに前記リールを回転させるとともに、遊技者によりストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段による役の抽選結果に基づいて、そのストップスイッチに対応する前記リールを停止させるリール制御手段と、遊技の開始時に、遊技者の遊技履歴や遊技者を特定可能な個人情報を含む遊技者情報を遊技者に入力させる遊技者情報入力手段と、遊技の終了時に、前記遊技者情報が入力されてからの出玉率、遊技回数その他の遊技履歴、遊技者を特定可能な個人情報、前記スロットマシン固有の又は設置店の情報、及び前記サーバーコンピュータにアクセスするためのアドレスを含むとともに前記携帯通信端末で読取り可能なコードを前記画像表示装置に表示するコード表示手段とを備え、前記サーバーコンピュータは、前記スロットマシン固有の記憶領域又は前記スロットマシンの設置店ごとの記憶領域を有し、前記携帯通信端末から前記コードに基づくアクセスがあったときに、そのコードに記述された情報を読み取って前記スロットマシン固有の情報又は前記スロットマシンの設置店の情報を含む遊技履歴を更新するように制御し、前記携帯通信端末から前記遊技者情報の発行要求があったときに、前記記憶領域に記憶されている遊技履歴を反映させた前記遊技者情報を発行して前記携帯通信端末に送信し、前記スロットマシンの前記役抽選手段は、その役の当選時に、遊技者による前記ストップスイッチの操作タイミング又は押し順に応じて有効ラインに停止する図柄の組合せの停止態様が異なるとともに、前記ストップスイッチの操作タイミング又は押し順に係る操作情報が報知されたときは、その操作情報が報知されないときよりも、遊技者にとって有利な停止態様となる確率を高めることができる特定役を含めて役の抽選を行い、前記スロットマシンは、前記遊技者情報入力手段で入力された前記遊技者情報に基づいて、特定の前記スロットマシン又は特定の前記スロットマシンの設置店において所定の条件を満たしたと判断したときに、前記役抽選手段で前記特定役に当選したときに前記操作情報を報知するように制御する報知制御手段を備えることを特徴とする遊技システムである。
(作用)
当初発明においては、遊技者は、遊技の開始時に、遊技者情報をスロットマシンに入力することで、自己の遊技履歴を反映させて遊技を行うことができる。また、遊技の終了時には、それまでの遊技履歴を反映させたコードをスロットマシンによって表示することができる。そして、遊技者は、このコードを携帯通信端末で読み取ってサーバーコンピュータに送信すれば、サーバーコンピュータ側では、その遊技者の有利履歴を更新する。さらにまた、遊技者は、遊技を開始するときは、サーバーコンピュータにアクセスして、自己の遊技履歴を反映させた遊技者情報を入手し、その遊技者情報をスロットマシンに入力してから遊技を開始する。
このようにすれば、遊技者は、常に、自己の遊技履歴をスロットマシンに入力して遊技を行うことができる。
さらに、スロットマシンに入力した遊技履歴に応じて、例えば特別役に当選することなく遊技回数が所定回数に到達した場合や、差枚数が所定値以下となった場合等には、特定役の当選時に、停止した図柄の組合せが有利な停止態様となる(例えば特定役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させる)ためのストップスイッチの操作情報(ストップスイッチの押し順や、当選した特定役に係る図柄の種類等)が報知される。
さらにまた、サーバーコンピュータ側で、スロットマシン固有の情報やスロットマシンの設置店の情報を含む遊技履歴を更新するようにし、これらの情報を含む遊技者情報がスロットマシンに入力されるようにすれば、例えば特定のスロットマシンや特定の設置店で遊技回数が多い遊技者に対して操作情報を報知する等の有利な特典を与えることができるようになる。
(c)当初発明の効果
当初発明によれば、遊技者によって入力された遊技履歴等の情報に応じて、ストップスイッチの操作情報の報知等の遊技者に有利な特典を付与することができる。