(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
通信を行うノード装置を複数備えるとともに、当該複数のノード装置のうちの1つである第1のルートノード装置をルートノードとして用いる木構造を有する第1のネットワークトポロジを形成する通信システムであって、
前記複数のノード装置のうちの、前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置以外のノード装置からなる残余ノード群の中から、1つのノード装置を第2のルートノード装置として決定する第2のルートノード装置決定手段と、
前記決定された第2のルートノード装置をルートノードとして用いるとともに、前記残余ノード群を構成するノード装置のうちの、当該第2のルートノード装置以外のノード装置をノードとして用いる、木構造を有する第2のネットワークトポロジを形成する第2のネットワークトポロジ形成手段と、
を備え、
前記第2のネットワークトポロジを構成するノード装置の1つである第2の接続ノード装置が、前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置の1つである第1の接続ノード装置と接続された場合、当該第2の接続ノード装置が前記第2のルートノード装置へ、前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置に接続された旨を表す接続通知を送信する接続通知送信手段と、
前記第2のルートノード装置が、前記接続通知を受信した場合、前記第2のネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれへ、前記第1のネットワークトポロジと当該第2のネットワークトポロジとが連結される旨を表す連結通知を送信する連結通知送信手段と、
を備える通信システム。
通信を行うノード装置を複数備えるとともに、当該複数のノード装置のうちの1つである第1のルートノード装置をルートノードとして用いる木構造を有する第1のネットワークトポロジを形成する通信システムに適用され、
前記複数のノード装置のうちの、前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置以外のノード装置からなる残余ノード群の中から、1つのノード装置を第2のルートノード装置として決定し、
前記決定された第2のルートノード装置をルートノードとして用いるとともに、前記残余ノード群を構成するノード装置のうちの、当該第2のルートノード装置以外のノード装置をノードとして用いる、木構造を有する第2のネットワークトポロジを形成し、
前記第2のネットワークトポロジを構成するノード装置の1つである第2の接続ノード装置が、前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置の1つである第1の接続ノード装置と接続された場合、当該第2の接続ノード装置が前記第2のルートノード装置へ、前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置に接続された旨を表す接続通知を送信し、
前記第2のルートノード装置が、前記接続通知を受信した場合、前記第2のネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれへ、前記第1のネットワークトポロジと当該第2のネットワークトポロジとが連結される旨を表す連結通知を送信する、通信制御方法。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る、通信システム、通信制御方法、ノード装置、ノード装置制御方法、及び、ノード装置制御プログラム、の各実施形態について
図1〜
図8を参照しながら説明する。
【0018】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係るセンサネットワークシステム(通信システム)1は、1つのシンクノード100と、複数のセンサノード101,102,…と、を備える。シンクノード100、及び、複数のセンサノード101,102,…のそれぞれは、ノード装置を構成する。
【0019】
本例では、センサネットワークシステム1は、無線マルチホップネットワークを構成している。なお、センサネットワークシステム1は、無線マルチホップネットワーク以外のネットワーク(例えば、無線ネットワーク等)を構成していてもよい。
【0020】
複数のノード装置100,101,102,…は、互いに異なる位置に配置される。複数のノード装置100,101,102,…のそれぞれは、他のノード装置100,101,102,…との間で、無線による通信を行うように構成されている。本例では、複数のノード装置100,101,102,…のそれぞれは、互いに無線信号を送受信することが可能な領域内に位置する他のノード装置100,101,102,…と接続されることにより、当該ノード装置100,101,102,…との間で、無線による通信を行うように構成されている。
【0021】
本例では、
図1に示したように、シンクノード100との間で無線信号を送受信することが可能な領域11内には、センサノード101〜103が位置している。また、センサノード101〜110のそれぞれは、他のセンサノード101〜110を経由して、又は、直接に、シンクノード100と接続可能な位置に配置されている。
【0022】
一方、センサノード111〜116のそれぞれは、センサノード101〜110のいずれとも接続できない位置に配置されている。また、センサノード111〜116のそれぞれは、比較的狭い領域12内に配置されている。
【0023】
センサネットワークシステム1は、後述するように、ノード装置をルートノードとして用いるとともに、他のノード装置をルートノード以外のノードとして用いる木構造を有するネットワークトポロジを形成する。
【0024】
複数のノード装置100,101,102,…のそれぞれは、物理量を検出し、当該検出された物理量を表すセンサデータを取得する。複数のセンサノード101,102,…のそれぞれは、取得されたセンサデータを収容するパケットを、自装置が構成するネットワークトポロジにおけるルートノードへ送信する。ルートノードは、自装置が構成するネットワークトポロジにおける、ルートノード以外の各ノードにより送信されたパケットを受信することにより、センサデータを収集する。
なお、シンクノード100は、センサデータを取得しないように構成されていてもよい。
【0025】
次に、センサノード101の構成について、より詳細に説明する。
図2に示したように、センサノード101は、無線通信部310と、ルーティング機能部320と、センサ部330と、アプリケーション機能部340と、を備える。
【0026】
無線通信部310は、無線信号を送受信するためのアンテナ311を備える。無線通信部310は、他のノード装置100,102,…との間でアンテナ311を介して無線通信を行う。無線通信部310は、無線通信を行うことにより受信した無線信号が表す情報をルーティング機能部320へ出力する。更に、無線通信部310は、無線通信を行うことにより、ルーティング機能部320によって出力された情報を表す無線信号を他のノード装置100,102,…へ送信する。
【0027】
本例では、無線通信部310は、IEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)802.11により定められた方式に従って無線通信を行う。なお、無線通信部310は、他の方式(例えば、IEEE802.15.1により定められた方式、IEEE802.15.4により定められた方式、Bluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)、又は、省電力無線等)に従って無線通信を行うように構成されていてもよい。
【0028】
ルーティング機能部320は、予め定められたルーティングプロトコルに従ってネットワークトポロジを形成するための機能を有する。ここでは、この機能のうちの本発明に係る部分を主として説明する。
【0029】
ルーティング機能部320は、先ず、自装置がメインネットワークトポロジ(第1のネットワークトポロジ)を構成するための処理を実行する。ここで、メインネットワークトポロジは、シンクノード100をルートノード(即ち、第1のルートノード装置)として用いるとともに、センサノード101,102,…をルートノード以外のノード(即ち、ルートノードと直接に又は間接に接続されたノード)として用いる木構造を有するネットワークトポロジである。
【0030】
そして、ルーティング機能部320は、自装置がメインネットワークトポロジを構成できない(即ち、メインネットワークトポロジを構成するノード装置のいずれにも接続できない)場合、自装置がサブネットワークトポロジ(第2のネットワークトポロジ)を構成するための処理を実行する。ここで、サブネットワークトポロジは、メインネットワークトポロジを構成するノード装置以外のノード装置をノードとして用いる木構造を有するネットワークトポロジである。
【0031】
次に、ルーティング機能部320について、より詳細に説明する。
ルーティング機能部320は、無線情報取得部321と、パケット送受信部322と、プロトコル処理部(構成可否情報取得手段、決定基礎情報取得手段、第2のルートノード装置決定手段、接続手段)323と、タイマ管理部324と、ルーティング情報記憶部325と、を備える。
【0032】
無線情報取得部321は、周辺ノードから無線信号を受信した場合、当該周辺ノードに対する通信状態情報を取得する。周辺ノードは、他のノード装置100,102,…のうちの、自ノード(自装置、センサノード101)と無線通信可能(接続可能)なノードである。
【0033】
ここで、通信状態情報は、自ノードの通信状態を表す情報であり、且つ、ネットワークトポロジを形成するための情報である。本例では、通信状態情報は、周辺ノードから受信した無線信号の強度(受信強度)、当該無線信号の遅延時間(例えば、当該無線信号が送信されてから受信されるまでに要した時間等)、又は、ロス率(例えば、送信されたパケットの数に対する、受信されないパケットの数の割合、又は、データの誤り率等)等を表す情報である。
【0034】
なお、通信状態情報は、自ノード又は周辺ノードからシンクノード100までのホップ数を表すホップ数情報を含んでいてもよい。
【0035】
無線情報取得部321は、取得された通信状態情報を、当該通信状態情報を取得する基となった無線信号を送信してきた周辺ノード(送信元ノード)と対応付けて(本例では、周辺ノードを識別するためのノード識別情報と対応付けて)ルーティング情報記憶部325に記憶させる。
【0036】
パケット送受信部322は、無線通信部310により受信された無線信号が表すパケットを取得する。パケット送受信部322は、取得されたパケットに収容されている情報を取得し、取得された情報をプロトコル処理部323へ出力する。
【0037】
また、パケット送受信部322は、プロトコル処理部323により、情報が出力された場合、当該情報を収容するパケットを生成する(即ち、情報をパケットにマッピング(変換)する)。パケット送受信部322は、無線通信部310を介して、生成されたパケットを自ノードに対して設定された送信先としての他ノード(他のノード)へ送信する。
【0038】
ここで、パケットに収容される情報は、例えば、周辺探査要求情報、又は、周辺探査応答情報である。
【0039】
周辺探査要求情報は、周辺探査応答情報の送信を要求する情報である。本例では、周辺探査要求情報は、複数のノードにより受信されるように宛先が設定される。また、本例では、周辺探査要求情報は、送信元のノードを特定するための情報を含む。なお、周辺探査要求情報は、送信元のノードを特定するための情報を含んでいなくてもよい。
【0040】
周辺探査応答情報は、通信状態情報と、構成可否情報と、を含む。構成可否情報は、当該構成可否情報の送信元であるノード装置(送信元ノード)がネットワークトポロジを構成しているか否かを表す情報である。本例では、構成可否情報は、送信元ノードが構成しているネットワークトポロジを特定するための情報も含む。
【0041】
ルーティング機能部320は、自装置がいずれのネットワークトポロジも構成していない場合、その旨を表す構成可否情報を保持する。
【0042】
また、ルーティング機能部320は、自装置がいずれかのネットワークトポロジを構成するようになった(即ち、自装置がいずれかのネットワークトポロジを構成するノード装置に接続された)場合、保持している構成可否情報を更新する。ここで、更新後の構成可否情報は、自装置がネットワークトポロジを構成する旨を表す情報、及び、自装置が構成するネットワークトポロジを特定するための情報を含む。
【0043】
また、プロトコル処理部323は、パケット送受信部322により出力された情報を受け付ける。プロトコル処理部323は、受け付けられた情報が、他のノードから送信された周辺探査応答情報である場合、受信周辺探査応答情報としての当該周辺探査応答情報を当該他のノードと対応付けてルーティング情報記憶部325に記憶させる。
【0044】
また、プロトコル処理部323は、受け付けられた情報が周辺探査要求情報である場合、当該周辺探査要求情報が収容されていたパケットの送信元であるノード(送信元ノード)を特定し、特定された送信元ノードと対応付けてルーティング情報記憶部325に記憶されている通信状態情報を取得する。
【0045】
そして、プロトコル処理部323は、上記取得された通信状態情報と、保持している構成可否情報と、を含む周辺探査応答情報をパケット送受信部322へ出力する。これにより、パケット送受信部322は、周辺探査応答情報を収容するパケットを、無線通信部310を介して送信する。
【0046】
プロトコル処理部323は、保持されている構成可否情報を取得する。そして、プロトコル処理部323は、取得された構成可否情報が、自装置がいずれのネットワークトポロジも構成していない旨を表す場合、自装置がメインネットワークトポロジを構成するための処理を実行する。
【0047】
具体的には、プロトコル処理部323は、自ノードが送信した周辺探査要求情報に対する周辺探査応答情報を送信してきた周辺ノードの中に、メインネットワークトポロジを構成するノード装置が存在する場合、周辺ノードのうちのメインネットワークトポロジを構成するノード装置の中から、接続先としてのノード装置を、受信周辺探査応答情報に基づいて決定する。
【0048】
プロトコル処理部323は、接続先として決定されたノード装置と自装置とを接続するための情報をパケット送受信部322へ出力する。これにより、パケット送受信部322は、当該情報を収容するパケットを、無線通信部310を介して、接続先として決定されたノード装置へ送信する。
【0049】
このようにして、自ノードが送信した周辺探査要求情報に対する周辺探査応答情報を送信してきた周辺ノードの中に、メインネットワークトポロジを構成するノード装置が存在する場合、センサノード101は、メインネットワークトポロジを形成するように、メインネットワークトポロジを構成するノード装置と自装置とを接続する。
【0050】
一方、プロトコル処理部323は、自ノードが送信した周辺探査要求情報に対する周辺探査応答情報を送信してきた周辺ノードの中に、メインネットワークトポロジを構成するノード装置が存在しない場合、自装置がサブネットワークトポロジ(第2のネットワークトポロジ)を構成するための処理を実行する。
【0051】
具体的には、プロトコル処理部323は、決定基礎情報を取得する。決定基礎情報は、サブネットワークトポロジにおけるルートノードとして用いられるノード装置(第2のルートノード装置)を決定するための基礎となる情報である。
【0052】
本例では、決定基礎情報は、残余ノード群を構成するノード装置のうちの、自装置と接続可能な他のノード装置の数である周辺ノード数を表す情報である。ここで、残余ノード群は、センサネットワークシステム1が備えるノード装置のうちの、メインネットワークトポロジを構成するノード装置以外のノード装置からなる。
【0053】
プロトコル処理部323は、取得された決定基礎情報と、自装置を特定するための情報と、を含むルートノード候補情報を保持する。プロトコル処理部323は、サブネットワークトポロジにおけるルートノードが決定されるまでの間、保持しているルートノード候補情報を含む周辺探査要求情報をパケット送受信部322へ出力する。
【0054】
プロトコル処理部323は、受け付けられた情報がルートノード候補情報を含む周辺探査要求情報である場合において、当該ルートノード候補情報に含まれる決定基礎情報が表す周辺ノード数が、保持しているルートノード候補情報に含まれる決定基礎情報が表す周辺ノード数よりも大きいとき、保持しているルートノード候補情報を、受け付けられたルートノード候補情報に更新する。
【0055】
そして、プロトコル処理部323は、予め設定された閾値回数だけ周辺探査要求情報を出力した時に、保持されている最新のルートノード候補情報により特定されるノード装置を、サブネットワークトポロジにおけるルートノード(第2のルートノード装置)として決定する。なお、プロトコル処理部323は、予め設定された閾値時間が経過した時に、保持されている最新のルートノード候補情報により特定されるノード装置を、サブネットワークトポロジにおけるルートノードとして決定するように構成されていてもよい。
【0056】
なお、センサネットワークシステム1は、残余ノード群を構成するノード装置の中の、周辺ノード数が最大であるノード装置がルートノードとして決定されるように、上記閾値回数、又は、上記閾値時間を設定することが好適である。
【0057】
このように、センサノード101は、自装置が残余ノード群を構成している(本例では、自装置がいずれのネットワークトポロジも構成していない状態において、自装置が送信した周辺探査要求情報に対する周辺探査応答情報を送信してきた周辺ノードの中に、メインネットワークトポロジを構成するノード装置が存在しない)場合、残余ノード群を構成する他のノード装置と決定基礎情報を交換する、と言うことができる。
【0058】
そして、センサノード101は、残余ノード群を構成するノード装置のそれぞれにより取得された決定基礎情報に基づいて第2のルートノード装置を決定する、と言うことができる。
【0059】
このようにして、センサネットワークシステム1は、センサネットワークシステム1を構成する複数のノード装置100,101,102,…のうちの、メインネットワークトポロジを構成するノード装置以外のノード装置からなる残余ノード群の中から、1つのノード装置を第2のルートノード装置として決定する(第2のルートノード装置決定手段)。
【0060】
サブネットワークトポロジにおけるルートノードが決定された後、プロトコル処理部323は、自装置がメインネットワークトポロジを構成するための処理と同様に、自装置がサブネットワークトポロジを構成するための処理を実行する。
【0061】
即ち、プロトコル処理部323は、自ノードが送信した周辺探査要求情報に対する周辺探査応答情報を送信してきた周辺ノードの中に、サブネットワークトポロジを構成するノード装置が存在する場合、当該周辺ノードのうちの、サブネットワークトポロジを構成するノード装置の中から、接続先としてのノード装置を、受信周辺探査応答情報に基づいて決定する。
【0062】
プロトコル処理部323は、接続先として決定されたノード装置と自装置とを接続するための情報をパケット送受信部322へ出力する。これにより、パケット送受信部322は、当該情報を収容するパケットを、無線通信部310を介して、接続先として決定されたノード装置へ送信する。
【0063】
このようにして、自ノードが送信した周辺探査要求情報に対する周辺探査応答情報を送信してきた周辺ノードの中に、メインネットワークトポロジを構成するノード装置が存在せず、且つ、サブネットワークトポロジを構成するノード装置が存在する場合、センサノード101は、サブネットワークトポロジを形成するように、残余ノード群を構成する他のノード装置と自装置とを接続する。
【0064】
このように、センサネットワークシステム1は、決定された第2のルートノード装置をルートノードとして用いるとともに、残余ノード群を構成するノード装置のうちの、当該第2のルートノード装置以外のノード装置をノードとして用いる、木構造を有する第2のネットワークトポロジを形成する(第2のネットワークトポロジ形成手段)。
【0065】
タイマ管理部324は、時間を計測するタイマを有する。タイマ管理部324は、ルーティング機能部320又はプロトコル処理部323により出力された待機時間を受け付ける。タイマ管理部324は、待機時間を受け付けた場合、タイマが時間を計測することにより、当該待機時間を受け付けた時点から当該待機時間だけ後の時点にて、タイムアウト通知を、当該待機時間の出力元(即ち、ルーティング機能部320又はプロトコル処理部323)へ出力する。
【0066】
ルーティング情報記憶部325は、無線情報取得部321により取得された通信状態情報と、プロトコル処理部323により受け付けられた受信周辺探査応答情報と、構成可否情報と、を記憶する。
【0067】
更に、ルーティング情報記憶部325は、自ノードが構成するネットワークトポロジに基づいた情報であり、且つ、パケットの転送先を表す情報であるルーティング情報(本例では、自ノードに対する送信先としての他ノード(例えば、親ノード)を特定するための情報)を記憶する。
【0068】
本例では、センサネットワークシステム1は、形成されたネットワークトポロジに基づくルーティング情報を各ノードのルーティング情報記憶部325に記憶させるように構成される。
【0069】
センサ部330は、物理量(本例では、温度)を検出する。なお、センサ部330は、物理量として、湿度、消費電力量(単位時間あたりに消費された電力の量)、ガスの使用量、水道の使用量、又は、音声等を検出するように構成されていてもよい。
【0070】
アプリケーション機能部340は、予め設定された取得周期が経過する毎に、センサ部330により検出された物理量を表すセンサデータを取得する。本例では、センサデータは、検出された物理量そのものを表すデータである。なお、アプリケーション機能部340は、予め設定された期間においてセンサ部330により検出された物理量に基づく値(例えば、平均値、及び、分散等)を表すセンサデータを取得するように構成されていてもよい。
【0071】
アプリケーション機能部340は、取得されたセンサデータをルーティング機能部320へ出力する。
【0072】
なお、アプリケーション機能部340は、センサノード101を用いてサービスを行う際にユーザーにより機能が追加されるように構成されていてもよい。例えば、センサノード101がスマートメータを構成する場合、アプリケーション機能部340は、電気機器を制御するように構成されていてもよい。
【0073】
パケット送受信部322は、アプリケーション機能部340によりセンサデータが出力された場合、当該センサデータを収容するパケットを生成する(即ち、センサデータをパケットにマッピング(変換)する)。パケット送受信部322は、無線通信部310を介して、生成されたパケットを自ノードに対して設定された送信先としての他ノードへ送信する。
【0074】
パケット送受信部322は、無線通信部310を介して、他ノードのそれぞれにより送信されたパケットを受信する。パケット送受信部322は、パケットを受信した場合、受信されたパケットのそれぞれが収容するセンサデータを収容するパケットを、無線通信部310を介して、自ノードに対して設定された送信先としての他ノード(本例では、親ノード)へ送信する。
【0075】
更に、センサノード101は、自装置が構成するネットワークトポロジにおいて、自装置がルートノードを構成している場合、当該ネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれにより送信されたセンサデータを受信する。更に、センサノード101は、受信したセンサデータと、当該センサデータの送信元であるセンサノードを識別するためのノード識別情報と、を対応付けて記憶(蓄積)する。
【0076】
なお、他のノード装置100,102,…のそれぞれも、センサノード101と同様の構成を有している。
【0077】
なお、決定基礎情報は、自装置を起動するために要する時間を表す情報であってもよい。この場合、センサネットワークシステム1は、残余ノード群を構成するノード装置のうちの、自装置を起動するために要する時間が最短であるノード装置をサブネットワークトポロジにおけるルートノードとして決定するように構成されることが好適である。
【0078】
ところで、ルートノードとして用いられるノード装置は、通信を行う頻度が相対的に高い。従って、これによれば、第2のルートノード装置と、第2のネットワークトポロジ(サブネットワークトポロジ)を構成する他のノード装置のそれぞれと、の通信を迅速に実行することができる。
【0079】
また、決定基礎情報は、自装置が起動された最新の時点から現時点までに経過した時間(連続稼働時間)を表す情報であってもよい。この場合、センサネットワークシステム1は、残余ノード群を構成するノード装置のうちの、連続稼働時間が最長であるノード装置をサブネットワークトポロジにおけるルートノードとして決定するように構成されることが好適である。
【0080】
また、決定基礎情報は、自装置が起動された最新の時刻(最新起動時刻)を表す情報であってもよい。この場合、センサネットワークシステム1は、残余ノード群を構成するノード装置のうちの、最新起動時刻が最も前の(古い)時刻であるノード装置をサブネットワークトポロジにおけるルートノードとして決定するように構成されることが好適である。
【0081】
また、決定基礎情報は、自装置から、残余ノード群を構成するノード装置のそれぞれまでのホップ数の最大値を表す情報であってもよい。この場合、センサネットワークシステム1は、残余ノード群を構成するノード装置のうちの、自装置から、残余ノード群を構成するノード装置のそれぞれまでのホップ数の最大値が最小であるノード装置をサブネットワークトポロジにおけるルートノードとして決定するように構成されることが好適である。
【0082】
これによれば、第2のネットワークトポロジ(サブネットワークトポロジ)を構成するノード装置間の通信の負荷を低減することができる。
【0083】
(作動)
次に、上述したセンサネットワークシステム1の作動について説明する。
本例では、センサネットワークシステム1は、プロアクティブ型のルーティングプロトコルに従って作動する。即ち、各ノード装置100,101,102,…が定期的に(即ち、予め設定された更新周期が経過する毎に)、ネットワークトポロジを形成するための処理を実行する。これにより、ネットワークトポロジが更新される。
【0084】
先ず、ノード装置100〜110は、周辺探査要求情報、及び、周辺探査応答情報を送受信することにより、
図3に示したように、メインネットワークトポロジを構成する。
一方、ノード装置111〜116は、メインネットワークトポロジを構成するノード装置のいずれとも通信できない位置に配置されているため、メインネットワークトポロジを構成できない。
【0085】
ノード装置111〜116のそれぞれは、自装置が残余ノード群を構成しているか否かを判定する。
【0086】
本例では、各ノード装置111〜116は、周辺探査要求情報を送信した回数が、予め設定された閾値回数以上となるまでの間、自装置がいずれのネットワークトポロジも構成していない状態が継続した場合、自装置が残余ノード群を構成していると判定するように構成される。
【0087】
なお、各ノード装置111〜116は、自装置が起動されてから経過した時間が予め設定された閾値時間以上となるまでの間、自装置がいずれのネットワークトポロジも構成していない状態が継続した場合、自装置が残余ノード群を構成していると判定するように構成されていてもよい。
【0088】
各ノード装置111〜116は、自装置が残余ノード群を構成していると判定した場合、自装置がサブネットワークトポロジを構成するための処理の実行を開始する。
【0089】
先ず、各ノード装置111〜116は、決定基礎情報を取得する。上述したように、本例では、決定基礎情報は、残余ノード群を構成するノード装置のうちの、自装置と接続可能な他のノード装置の数である周辺ノード数を表す情報である。
【0090】
具体的には、
図4及び
図5に示したように、残余ノード群を構成するノード装置間で、周辺探査要求情報、及び、周辺探査応答情報を送受信することにより、各ノード装置111〜116は、決定基礎情報を取得する。
【0091】
即ち、センサノード112は、ブロードキャスト方式に従って周辺探査要求情報(周辺探査要求)を送信する(ステップS101)。なお、周辺探査要求情報は、周辺探索メッセージとも呼ばれる。また、ブロードキャスト方式は、メッセージに含まれる宛先アドレスとして、ブロードキャストアドレスを設定することにより、すべてのノードを宛先として設定する方式である。なお、センサノード112は、メッセージに含まれる宛先アドレスとして、複数のノードを特定するアドレスが設定された方式に従って情報送信要求を送信するように構成されていてもよい。
【0092】
本例では、センサノード112により送信された周辺探査要求情報が、センサノード111,113のそれぞれにより受信された場合を想定する。即ち、センサノード111,113のそれぞれは、センサノード112により送信された周辺探査要求情報を受信する。このとき、センサノード111,113のそれぞれは、通信状態情報を取得する。
【0093】
そして、センサノード111,113のそれぞれは、受信した周辺探査要求情報に対する周辺探査応答情報(周辺探査応答)をセンサノード112へ送信する(ステップS102,S103)。この周辺探査応答情報は、通信状態情報と、構成可否情報と、を含む。なお、周辺探査応答情報は、周辺探索応答メッセージとも呼ばれる。これにより、センサノード112は、自装置が送信した周辺探査要求情報に対する周辺探査応答情報を、センサノード111,113のそれぞれから受信する。
【0094】
このようにして、センサノード112は、自装置が送信した周辺探査要求情報に対する周辺探査応答情報を受信した回数を周辺ノード数として取得する。本例では、センサノード112は、周辺ノード数としての2を表す決定基礎情報を取得する。
【0095】
同様に、センサノード111,113〜116のそれぞれも、センサノード112と同様に、周辺探査要求情報を送信する。
【0096】
本例では、センサノード113により送信された周辺探査要求情報(ステップS104)に対して、周辺探査応答情報がセンサノード111,112,114,115のそれぞれにより送信される(ステップS105〜ステップS108)。即ち、センサノード113は、周辺ノード数としての4を表す決定基礎情報を取得する。
【0097】
同様に、センサノード115により送信された周辺探査要求情報(ステップS109)に対して、周辺探査応答情報がセンサノード113,114,116のそれぞれにより送信される(ステップS110〜ステップS112)。即ち、センサノード115は、周辺ノード数としての3を表す決定基礎情報を取得する。
【0098】
同様に、センサノード114により送信された周辺探査要求情報(ステップS201)に対して、周辺探査応答情報がセンサノード113,115,116のそれぞれにより送信される(ステップS202〜ステップS204)。即ち、センサノード114は、周辺ノード数としての3を表す決定基礎情報を取得する。
【0099】
同様に、センサノード111により送信された周辺探査要求情報(ステップS205)に対して、周辺探査応答情報がセンサノード112,113のそれぞれにより送信される(ステップS206〜ステップS207)。即ち、センサノード111は、周辺ノード数としての2を表す決定基礎情報を取得する。
【0100】
同様に、センサノード116により送信された周辺探査要求情報(ステップS208)に対して、周辺探査応答情報がセンサノード114,115のそれぞれにより送信される(ステップS209〜ステップS210)。即ち、センサノード116は、周辺ノード数としての2を表す決定基礎情報を取得する。
【0101】
このようにして、各ノード装置111〜116は、決定基礎情報を取得する。そして、各ノード装置111〜116は、取得された決定基礎情報と、自装置を特定するための情報と、を含むルートノード候補情報を保持する。
【0102】
その後、センサネットワークシステム1は、ステップS101〜ステップS210の処理を繰り返し実行する。このとき、各ノード装置111〜116は、保持しているルートノード候補情報を含む周辺探査要求情報を送信する。
【0103】
更に、各ノード装置111〜116は、周辺探査要求情報を受信した場合、周辺探査要求情報に含まれるルートノード候補情報が含む決定基礎情報が表す周辺ノード数が、保持しているルートノード候補情報に含まれる決定基礎情報が表す周辺ノード数よりも大きいとき、保持しているルートノード候補情報を、受信されたルートノード候補情報に更新する。
【0104】
そして、各ノード装置111〜116は、予め設定された閾値回数だけ周辺探査要求情報を送信した時に、保持されている最新のルートノード候補情報により特定されるノード装置を、サブネットワークトポロジにおけるルートノード(第2のルートノード装置)として決定する。
【0105】
本例では、各ノード装置111〜116は、周辺ノード数が4であるセンサノード113を第2のルートノード装置として決定する。
【0106】
その後、センサネットワークシステム1は、第2のルートノード装置として決定されたセンサノード113をルートノードとして用いるサブネットワークトポロジを形成するように、ノード装置111〜116を接続する。
【0107】
具体的には、各ノード装置111〜116は、自ノードが送信した周辺探査要求情報に対する周辺探査応答情報を送信してきた周辺ノードの中に、サブネットワークトポロジを構成するノード装置が存在する場合、当該周辺ノードのうちの、サブネットワークトポロジを構成するノード装置の中から、接続先としてのノード装置を、受信周辺探査応答情報に基づいて決定する。
【0108】
そして、各ノード装置111〜116は、接続先として決定されたノード装置と自装置とを接続するための情報を収容するパケットを、接続先として決定されたノード装置へ送信する。
【0109】
これにより、センサネットワークシステム1は、サブネットワークトポロジを形成するように、残余ノード群を構成するノード装置を接続する。例えば、センサネットワークシステム1は、
図6に示したように、残余ノード群を構成するノード装置を接続する。
【0110】
その後、メインネットワークトポロジを構成するセンサノード101〜110のそれぞれは、取得したセンサデータをシンクノード100へ送信する。これにより、シンクノード100は、センサノード101〜110のそれぞれにより取得されたセンサデータを収集する。
【0111】
また、サブネットワークトポロジを構成するセンサノード111,112,114〜116のそれぞれは、取得したセンサデータをセンサノード113へ送信する。これにより、センサノード113は、センサノード111,112,114〜116のそれぞれにより取得されたセンサデータを収集する。
【0112】
以上、説明したように、第1実施形態に係るセンサネットワークシステム1によれば、残余ノード群を構成する(即ち、第1のネットワークトポロジを構成していない)ノード装置をノードとして用いる第2のネットワークトポロジ(サブネットワークトポロジ)を形成することができる。
【0113】
これにより、残余ノード群を構成するノード装置も、第1のネットワークトポロジ(メインネットワークトポロジ)を構成する場合と同様の方式に従って通信を行うことができる。この結果、本例では、第2のルートノード装置113が、残余ノード群を構成するノード装置によって取得されたセンサデータを容易に収集することができる。
【0114】
更に、第1実施形態に係るセンサネットワークシステム1は、自装置と接続可能な他のノード装置の数である周辺ノード数が最大であるノード装置を第2のルートノード装置として決定する。
【0115】
これによれば、第2のルートノード装置から、第2のネットワークトポロジを構成する他のノード装置のそれぞれまでのホップ数の最大値が小さくなる確率を高めることができる。この結果、第2のネットワークトポロジを構成するノード装置間の通信の負荷を低減することができる。
【0116】
なお、第1実施形態の変形例に係るセンサネットワークシステム1においては、サブネットワークトポロジを構成するノード装置のいずれかと接続可能な位置に、シンクノードとしてのノード装置(追加ノード装置)を新たに配置してもよい。例えば、追加ノード装置は、ユーザーにより携帯される装置(例えば、ハンディターミナル等)であることが好適である。
【0117】
この場合、追加ノード装置は、接続されたノード装置を介して、又は、直接に、第2のルートノード装置としてのセンサノード113へ、データ収集要求情報を送信する。データ収集要求情報は、センサデータの収集を要求する旨を表す情報である。
【0118】
センサノード113は、データ収集要求情報を受信した場合、サブネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれへ、データ収集通知を送信する。データ収集通知は、センサデータを収集する旨を通知する情報である。
【0119】
サブネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれは、データ収集通知を受信した場合、取得したセンサデータをセンサノード113へ送信する。センサノード113は、サブネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれにより送信されたセンサデータを、シンクノードとしての追加ノード装置へ送信する。
【0120】
これによれば、サブネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれにより取得されたセンサデータを、シンクノードが容易に収集することができる。
【0121】
また、第1実施形態の変形例に係るセンサネットワークシステム1は、複数のサブネットワークトポロジを形成するように構成されていてもよい。
また、第1実施形態の変形例に係るセンサネットワークシステム1は、残余ノード群を構成するノード装置以外の管理装置が第2のルートノード装置を決定するように構成されていてもよい。
【0122】
また、第1実施形態の変形例に係るセンサネットワークシステム1は、サブネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれにより取得されたセンサデータを収集しないように構成されていてもよい。
【0123】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るセンサネットワークシステムについて説明する。第2実施形態に係るセンサネットワークシステムは、上記第1実施形態に係るセンサネットワークシステムに対して、メインネットワークトポロジとサブネットワークトポロジとを連結するように構成される点において相違している。従って、以下、かかる相違点を中心として説明する。
【0124】
第2実施形態に係るプロトコル処理部323は、自装置がサブネットワークトポロジを構成している場合において、メインネットワークトポロジを構成するノード装置(第1の接続ノード装置)と自装置とが接続可能となったとき、自装置と第1の接続ノード装置とを接続するように構成される。
【0125】
更に、プロトコル処理部323は、自装置(第2の接続ノード装置)と第1の接続ノード装置とが接続された場合、サブネットワークトポロジにおけるルートノードへ接続通知を送信するように構成される(接続通知送信手段)。接続通知は、メインネットワークトポロジを構成するノード装置に接続された旨を表す情報である。
【0126】
加えて、プロトコル処理部323は、自装置がサブネットワークトポロジにおけるルートノードを構成している(第2のルートノード装置として決定された)場合において、接続通知を受信したとき、サブネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれへ、連結通知を送信するように構成される(連結通知送信手段)。
【0127】
連結通知は、メインネットワークトポロジとサブネットワークトポロジとが連結される旨を表す情報である。
【0128】
プロトコル処理部323は、自装置がサブネットワークトポロジを構成している場合において、連結通知を受信したとき、保持している構成可否情報を更新する。ここで、更新後の構成可否情報は、自装置が構成するネットワークトポロジとしてのメインネットワークトポロジを特定するための情報を含む。
【0129】
本例では、
図6に示したように、メインネットワークトポロジ、及び、サブネットワークトポロジが形成されている場合において、
図7に示したように、センサノード400が、新たに配置された場合を想定する。
【0130】
本例では、センサノード400は、メインネットワークトポロジを構成するシンクノード100、及び、サブネットワークトポロジを構成するセンサノード112のそれぞれと接続可能な位置に配置される。
【0131】
この場合、センサノード400は、自装置が起動した後、周辺探査要求情報を送信する。その結果、センサノード400は、メインネットワークトポロジを構成しているシンクノード100から、周辺探査応答情報を受信し、自装置とシンクノード100とを接続する。
【0132】
その後、センサノード112は、周辺探査要求情報を送信したとき、センサノード400から周辺探査応答情報を受信する。この周辺探査応答情報は、センサノード400がメインネットワークトポロジを構成している旨を表す構成可否情報を含む。
【0133】
従って、センサノード112(第2の接続ノード装置)は、センサノード400(第1の接続ノード装置)と自装置とを接続する。次いで、センサノード112は、サブネットワークトポロジにおけるルートノードであるセンサノード113へ接続通知を送信する。
【0134】
センサノード113は、接続通知を受信すると、サブネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれへ連結通知を送信する。これにより、サブネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれは、保持している構成可否情報を更新する。これにより、サブネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれは、メインネットワークトポロジを構成するようになる。
【0135】
以上、説明したように、第2実施形態に係るセンサネットワークシステム1によれば、第1実施形態に係るセンサネットワークシステム1と同様の作用及び効果を奏することができる。
【0136】
更に、第2実施形態に係るセンサネットワークシステム1によれば、第2の接続ノード装置が第1の接続ノード装置と接続された場合において、メインネットワークトポロジを構成するノード装置と接続可能なノード装置を1つずつ順に、メインネットワークトポロジを構成するノード装置と接続していく場合と比較して、迅速に、メインネットワークトポロジとサブネットワークトポロジとを連結することができる。
【0137】
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係る通信システムについて
図8を参照しながら説明する。
第3実施形態に係る通信システム1000は、通信を行うノード装置を複数備えるとともに、当該複数のノード装置のうちの1つである第1のルートノード装置をルートノードとして用いる木構造を有する第1のネットワークトポロジを形成するシステムである。
【0138】
更に、この通信システム1000は、
上記複数のノード装置のうちの、上記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置以外のノード装置からなる残余ノード群の中から、1つのノード装置を第2のルートノード装置として決定する第2のルートノード装置決定部(第2のルートノード装置決定手段)1001と、
上記決定された第2のルートノード装置をルートノードとして用いるとともに、上記残余ノード群を構成するノード装置のうちの、当該第2のルートノード装置以外のノード装置をノードとして用いる、木構造を有する第2のネットワークトポロジを形成する第2のネットワークトポロジ形成部(第2のネットワークトポロジ形成手段)1002と、
を備える。
【0139】
これによれば、残余ノード群を構成する(即ち、第1のネットワークトポロジを構成していない)ノード装置をノードとして用いる第2のネットワークトポロジを形成することができる。これにより、残余ノード群を構成するノード装置も、第1のネットワークトポロジを構成する場合と同様の方式に従って通信を行うことができる。この結果、例えば、第2のルートノード装置が、残余ノード群を構成するノード装置によって取得されたデータを容易に収集することができる。
【0140】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0141】
例えば、ノード装置は、センサデータを取得しないように構成されていてもよい。即ち、ノード装置は、センサノード以外の通信装置であってもよい。また、通信システムは、ノード装置が、有線による通信、及び、無線による通信の両方又は一方を行うように構成されていてもよい。また、通信システムは、マルチキャストネットワークを構成する通信システムであってもよい。
【0142】
なお、上記各実施形態においてノード装置の各機能は、回路等のハードウェアにより実現されていた。ところで、ノード装置は、処理装置と、プログラム(ソフトウェア)を記憶する記憶装置と、を備えるとともに、処理装置がそのプログラムを実行することにより、各機能を実現するように構成されていてもよい。この場合、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0143】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0144】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0145】
(付記1)
通信を行うノード装置を複数備えるとともに、当該複数のノード装置のうちの1つである第1のルートノード装置をルートノードとして用いる木構造を有する第1のネットワークトポロジを形成する通信システムであって、
前記複数のノード装置のうちの、前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置以外のノード装置からなる残余ノード群の中から、1つのノード装置を第2のルートノード装置として決定する第2のルートノード装置決定手段と、
前記決定された第2のルートノード装置をルートノードとして用いるとともに、前記残余ノード群を構成するノード装置のうちの、当該第2のルートノード装置以外のノード装置をノードとして用いる、木構造を有する第2のネットワークトポロジを形成する第2のネットワークトポロジ形成手段と、
を備える通信システム。
【0146】
これによれば、残余ノード群を構成する(即ち、第1のネットワークトポロジを構成していない)ノード装置をノードとして用いる第2のネットワークトポロジを形成することができる。これにより、残余ノード群を構成するノード装置も、第1のネットワークトポロジを構成する場合と同様の方式に従って通信を行うことができる。この結果、例えば、第2のルートノード装置が、残余ノード群を構成するノード装置によって取得されたデータを容易に収集することができる。
【0147】
(付記2)
付記1に記載の通信システムであって、
前記複数のノード装置のそれぞれは、
物理量を検出し、当該検出された物理量を表すセンサデータを、自装置と接続された他のノード装置へ送信するように構成されたセンサノードであり、
前記通信システムは、
前記第2のルートノード装置が、前記第2のネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれにより送信されたセンサデータを受信するように構成された通信システム。
【0148】
これによれば、第2のルートノード装置が、残余ノード群を構成するノード装置によって検出された物理量を表すセンサデータを容易に収集することができる。
【0149】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の通信システムであって、
前記第2のルートノード装置決定手段は、自装置と接続可能な他のノード装置の数である周辺ノード数が最大であるノード装置を前記第2のルートノード装置として決定するように構成された通信システム。
【0150】
これによれば、第2のルートノード装置から、第2のネットワークトポロジを構成する他のノード装置のそれぞれまでのホップ数の最大値が小さくなる確率を高めることができる。この結果、第2のネットワークトポロジを構成するノード装置間の通信の負荷を低減することができる。
【0151】
(付記4)
付記1又は付記2に記載の通信システムであって、
前記第2のルートノード装置決定手段は、自装置を起動するために要する時間が最短であるノード装置を前記第2のルートノード装置として決定するように構成された通信システム。
【0152】
ところで、ルートノードとして用いられるノード装置は、通信を行う頻度が相対的に高い。従って、上記構成によれば、第2のルートノード装置と、第2のネットワークトポロジを構成する他のノード装置のそれぞれと、の通信を迅速に実行することができる。
【0153】
(付記5)
付記1又は付記2に記載の通信システムであって、
前記第2のルートノード装置決定手段は、自装置から、前記残余ノード群を構成するノード装置のそれぞれまでのホップ数の最大値が最小であるノード装置を前記第2のルートノード装置として決定するように構成された通信システム。
【0154】
これによれば、第2のネットワークトポロジを構成するノード装置間の通信の負荷を低減することができる。
【0155】
(付記6)
付記1乃至付記5のいずれかに記載の通信システムであって、
前記第2のネットワークトポロジを構成するノード装置の1つである第2の接続ノード装置が、前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置の1つである第1の接続ノード装置と接続された場合、当該第2の接続ノード装置が前記第2のルートノード装置へ、前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置に接続された旨を表す接続通知を送信する接続通知送信手段と、
前記第2のルートノード装置が、前記接続通知を受信した場合、前記第2のネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれへ、前記第1のネットワークトポロジと当該第2のネットワークトポロジとが連結される旨を表す連結通知を送信する連結通知送信手段と、
を備える通信システム。
【0156】
これによれば、第2の接続ノード装置が第1の接続ノード装置と接続された場合において、第1のネットワークトポロジを構成するノード装置と接続可能なノード装置を1つずつ順に、第1のネットワークトポロジを構成するノード装置と接続していく場合と比較して、迅速に、第1のネットワークトポロジと第2のネットワークトポロジとを連結することができる。
【0157】
(付記7)
通信を行うノード装置を複数備えるとともに、当該複数のノード装置のうちの1つである第1のルートノード装置をルートノードとして用いる木構造を有する第1のネットワークトポロジを形成する通信システムに適用され、
前記複数のノード装置のうちの、前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置以外のノード装置からなる残余ノード群の中から、1つのノード装置を第2のルートノード装置として決定し、
前記決定された第2のルートノード装置をルートノードとして用いるとともに、前記残余ノード群を構成するノード装置のうちの、当該第2のルートノード装置以外のノード装置をノードとして用いる、木構造を有する第2のネットワークトポロジを形成する、通信制御方法。
【0158】
(付記8)
付記7に記載の通信制御方法であって、
前記複数のノード装置のそれぞれは、
物理量を検出し、当該検出された物理量を表すセンサデータを、自装置と接続された他のノード装置へ送信するように構成されたセンサノードであり、
前記通信制御方法は、
前記第2のルートノード装置が、前記第2のネットワークトポロジを構成するノード装置のそれぞれにより送信されたセンサデータを受信する、通信制御方法。
【0159】
(付記9)
通信を行うノード装置であって、
第1のルートノード装置をルートノードとして用いる木構造を有する第1のネットワークトポロジを自装置が構成しているか否かを表す構成可否情報を取得する構成可否情報取得手段と、
前記取得された構成可否情報が、自装置が前記第1のネットワークトポロジを構成していない旨を表す場合、第2のルートノード装置を決定するための基礎となる決定基礎情報を取得する決定基礎情報取得手段と、
前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置以外のノード装置からなる残余ノード群を構成する他のノード装置と前記決定基礎情報を交換するとともに、当該残余ノード群を構成するノード装置のそれぞれにより取得された決定基礎情報に基づいて前記第2のルートノード装置を決定する第2のルートノード装置決定手段と、
前記決定された第2のルートノード装置をルートノードとして用いるとともに、前記残余ノード群を構成するノード装置のうちの、当該第2のルートノード装置以外のノード装置をノードとして用いる、木構造を有する第2のネットワークトポロジを形成するように、当該残余ノード群を構成する他のノード装置と自装置とを接続する接続手段と、
を備えるノード装置。
【0160】
(付記10)
付記9に記載のノード装置であって、
物理量を検出し、当該検出された物理量を表すセンサデータを、自装置と接続された他のノード装置へ送信するように構成されたセンサノードであり、
前記第2のルートノード装置へ前記センサデータを送信するように構成されたノード装置。
【0161】
(付記11)
付記9又は付記10に記載のノード装置であって、
前記決定基礎情報取得手段は、自装置と接続可能な他のノード装置の数である周辺ノード数を前記決定基礎情報として取得するように構成されたノード装置。
【0162】
(付記12)
付記9又は付記10に記載のノード装置であって、
前記決定基礎情報取得手段は、自装置を起動するために要する時間を前記決定基礎情報として取得するように構成されたノード装置。
【0163】
(付記13)
付記9又は付記10に記載のノード装置であって、
前記決定基礎情報取得手段は、自装置から、前記残余ノード群を構成するノード装置のそれぞれまでのホップ数の最大値を前記決定基礎情報として取得するように構成されたノード装置。
【0164】
(付記14)
通信を行うノード装置に適用され、
第1のルートノード装置をルートノードとして用いる木構造を有する第1のネットワークトポロジを自装置が構成しているか否かを表す構成可否情報を取得し、
前記取得された構成可否情報が、自装置が前記第1のネットワークトポロジを構成していない旨を表す場合、第2のルートノード装置を決定するための基礎となる決定基礎情報を取得し、
前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置以外のノード装置からなる残余ノード群を構成する他のノード装置と前記決定基礎情報を交換するとともに、当該残余ノード群を構成するノード装置のそれぞれにより取得された決定基礎情報に基づいて前記第2のルートノード装置を決定し、
前記決定された第2のルートノード装置をルートノードとして用いるとともに、前記残余ノード群を構成するノード装置のうちの、当該第2のルートノード装置以外のノード装置をノードとして用いる、木構造を有する第2のネットワークトポロジを形成するように、当該残余ノード群を構成する他のノード装置と自装置とを接続する、ノード装置制御方法。
【0165】
(付記15)
付記14に記載のノード装置制御方法であって、
前記ノード装置は、
物理量を検出し、当該検出された物理量を表すセンサデータを、自装置と接続された他のノード装置へ送信するように構成されたセンサノードであり、
前記ノード装置制御方法は、
前記第2のルートノード装置へ前記センサデータを送信する、ノード装置制御方法。
【0166】
(付記16)
通信を行うノード装置に、
第1のルートノード装置をルートノードとして用いる木構造を有する第1のネットワークトポロジを自装置が構成しているか否かを表す構成可否情報を取得し、
前記取得された構成可否情報が、自装置が前記第1のネットワークトポロジを構成していない旨を表す場合、第2のルートノード装置を決定するための基礎となる決定基礎情報を取得し、
前記第1のネットワークトポロジを構成するノード装置以外のノード装置からなる残余ノード群を構成する他のノード装置と前記決定基礎情報を交換するとともに、当該残余ノード群を構成するノード装置のそれぞれにより取得された決定基礎情報に基づいて前記第2のルートノード装置を決定し、
前記決定された第2のルートノード装置をルートノードとして用いるとともに、前記残余ノード群を構成するノード装置のうちの、当該第2のルートノード装置以外のノード装置をノードとして用いる、木構造を有する第2のネットワークトポロジを形成するように、当該残余ノード群を構成する他のノード装置と自装置とを接続する、処理を実行させるためのノード装置制御プログラム。
【0167】
(付記17)
付記16に記載のノード装置制御プログラムであって、
前記ノード装置は、
物理量を検出し、当該検出された物理量を表すセンサデータを、自装置と接続された他のノード装置へ送信するように構成されたセンサノードであり、
前記ノード装置制御プログラムは、前記ノード装置に、
前記第2のルートノード装置へ前記センサデータを送信する、処理を実行させるように構成されたノード装置制御プログラム。