(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記静電容量検出部は、予め設定され前記記憶部に記憶された静電容量の第2閾値と、前記入力判定用電極からの前記容量値と、を比較することを特徴とする請求項2に記載の操作装置。
【背景技術】
【0002】
各種電子機器への入力操作を行い易くするために、操作機能を表示する文字や絵柄等をランプやLED(light emitting diode)等のバックライトで照光するタイプの操作装置が種々提案されている。特に、このような操作装置は、車両内のインストルメントパネルに搭載されることが多く、昼夜を問わず操作者に視認し易くして、乗車中或いは運転中の操作性を向上させるようにしている。
【0003】
この操作装置の従来例として、特許文献1では、
図10に示すような車両空調装置用操作装置900が開示されている。
図10は、車両空調装置用操作装置900を説明する図であって、
図10(a)は、車両空調装置用操作装置900の分解斜視図であり、
図10(b)は、
図10に示す車両空調装置用操作装置900のB−B断面相当図である。
【0004】
図10に示す車両空調装置用操作装置900は、スイッチ機能及び意匠910等が印刷されているパネルシート911が貼り付けられたフロントケース903と、このフロントケース903とリアケース904とを一体に結合して構成されるコントロールボックス905と、フロントケース903の内面側に貼り付けられたタッチセンサシート912と、を備えて構成される。そして、この車両空調装置用操作装置900は、パネルシート911に印刷されているスイッチ機能及び意匠910等に指等でタッチすることにより、フロントケース903を介してタッチセンサシート912が感知し、操作情報が出力されるように構成されている。なお、タッチセンサシート912として、電極の静電容量の変化を検出する静電容量方式、振動子によりパネル表面に表面弾性波を与えて検出する表面弾性波方式、タッチした時に発生する表面振動を利用して検出する音響パルス認識方式のいずれかを用いている。
【0005】
また、車両空調装置用操作装置900は、フロントケース903及びタッチセンサシート912が透明または半透明の材質から形成されており、光源(バックライト)906から光拡散板909を介して照射される光を透過できるように構成されている。そして、この車両空調装置用操作装置900は、パネルシート911がスイッチ機能及び意匠910の一部のみの光を透過可能に構成されているので、操作者に対してスイッチ機能及び意匠910等を視認し易くしている。
【0006】
しかしながら、タッチセンサシート912として、最も簡易で広く一般的に用いられている静電容量方式を用いた場合、検出のための電極として、光の透過が可能なITO(Indium Tin Oxide)を用いなければならない。このため、このITOの膜を成膜するには、高価な装置や時間を要してしまい、製造コストが高くなってしまうという課題があった。
【0007】
そこで、透光性を有しないが安価であるカーボン粉や銀粉等が混入された導電性のインクを、印刷、硬化して静電容量を検出する電極として用いることが考えられる。
図11は、比較例として挙げた操作装置H99の操作パネルT09を示した模式図であって、
図11(a)は、操作パネルT09の正面図であり、
図11(b)は、
図11(a)の裏面側に配設された静電容量を検出する電極の配設状態を示している。
【0008】
図11に示す比較例の操作装置H99は、操作者により入力操作がされるパターン部P9が表面側に形成された操作パネルT09と、この操作パネルT09の表面側に配設され、操作者の指等の身体特定部位(図示していない)の位置を検出する静電容量センサS09と、を備えている。この静電容量センサS09には、身体特定部位F9との静電容量を検出するための電極E9が設けられている。そして、この電極E9が透光性を有していないので、
図11(b)に示すように、パターン部P9の近くに配設されつつもパターン部P9を避けて配設されている。なお、このパターン部P9は、入力機能を表した文字や図柄等を示しており、入力操作がされなく単に状態を示したような表示部R9とは、明確に区別される。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0031】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態では、操作装置101及び操作装置101を用いた車両用操作装置500について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の操作装置101及び車両用操作装置500を説明する構成斜視図である。
図2は、本発明の第1実施形態の操作装置101及び車両用操作装置500を説明する構成図であって、
図1に示すY2側から見た正面図である。
図3は、本発明の第1実施形態の操作装置101及び車両用操作装置500を説明する構成図であって、
図2に示すIII−III線における断面図である。
図4は、本発明の第1実施形態の操作装置を説明する構成図であって、配線パネルLP5の平面図である。なお、
図1において、操作パネルPN1のパターン部11及び表示部91は、ハッチングで示しており、
図2に示す詳細な図柄は省略している。また、
図4において、説明を分かり易くするため、操作パネルPN1のパターン部11及び表示部91を2点鎖線で重ねて示している。
【0032】
本発明の第1実施形態の車両用操作装置500は、
図1及び
図2に示すような外観を呈し、
図3に示すように、操作者により操作される操作パネルPN1を有した操作装置101と、操作装置101から出力される信号に基づいて命令信号を車両側に送信する制御部511と、操作パネルPN1を照光する照光部材SB6と、を備えて構成されている。他に、本発明の第1実施形態の車両用操作装置500には、操作装置101、制御部511及び照光部材SB6を収容する筐体515と、照光部材SB6の発光光源LEと制御部511とを搭載する回路基板519と、を有している。そして、この車両用操作装置500は、車両に搭載され、車両内の各種電子機器の操作をするために用いられる。
【0033】
車両用操作装置500の操作装置101は、
図1に示すように、箱状の筐体515内に収容されており、操作者により操作される操作パネルPN1が前面(
図1に示すY2側)の表面に露出するようにして配設されている。また、操作パネルPN1には、
図2に示すように、操作者により操作されるパターン部11が複数個形成されているとともに、操作者に情報を与えるための表示部91が複数個形成されている。そして、操作者が操作パネルPN1のパターン部11を指等の身体特定部位F9で操作することにより、パターン部11に対応した操作が行えるようになっている。例えば、
図2に示す空調のレベルを示したパターン部11(11a、11b、11c、11d)のいずれかに指等の身体特定部位F9が触れられると、そのレベルに合わせるように空調の送風が行われるようになる。
【0034】
車両用操作装置500の制御部511は、集積回路(IC、Integrated Circuit)を用いて構成され、
図3に示すように、回路基板519に搭載されている。そして、制御部511は、図示していないコネクタを介して、操作パネルPN1のパターン部11に対応した命令信号を車両側に送信している。この命令信号を受けて、車両側では、パターン部11に対応した動作を行うようにしている。
【0035】
また、制御部511は、表示が可変の表示部91、例えば、
図2に示す温度表示である表示部91a及び表示部91bにおける表示の制御も行っている。なお、本発明の第1実施形態では、操作パネルPN1のパターン部11として、車両の空調に関する入力部を用いたが、これに限るものではなく、例えば、オーディオ操作やナビゲーション操作の入力部であっても良い。
【0036】
車両用操作装置500の照光部材SB6は、
図3に示すように、回路基板519に搭載された発光光源LEと、発光光源LEからの光が入光する入光部16nを有するライトガイドG16と、ライトガイドG16と操作パネルPN1との間に配設された散乱部材S56と、を備えて構成されている。そして、照光部材SB6は、操作パネルPN1の裏面側(
図1に示すY1側)に配置され、透光性の複数のパターン部11を照光している。
【0037】
照光部材SB6の発光光源LEは、上面発光方式のLED(Light Emitting Diode)を好適に用いており、
図3に示すように、入光部16nと対向する位置に配置されているとともに、入光部16nに光を入光できる向きに発光面を向けて配置されている。
【0038】
照光部材SB6のライトガイドG16は、
図3に示すように、ブロック状の形状を有し、その材質として、透光性を有したアクリルの合成樹脂を用いている。また、ライトガイドG16は、
図3に示すように、操作パネルPN1と対向するように配設されており、操作パネルPN1とライトガイドG16との間には、散乱部材S56が配設されている。そして、入光部16nから入光した光は、ライトガイドG16の内部を伝搬して、ライトガイドG16外に出射し、散乱部材S56に入射するようになっている。なお、合成樹脂材料として、アクリル樹脂を用いたが、これに限るものではなく、例えばポリウレタン樹脂、ポリカーボネート樹脂やシリコーン樹脂等を用いても良い。
【0039】
照光部材SB6の散乱部材S56は、層内部で光を反射、散乱させる性質を有するフィルム材を用い、
図3に示すように、操作パネルPN1と対向する側のライトガイドG16に貼り付けられている。これにより、散乱部材S56に入射した光は、反射、散乱されて、前面側(
図1に示すY2側)へ照射光として放射される。そして、この照射光は、透光性のパターン部11を照射し、表面側から操作装置101を視認した際、ユーザは、この照射光を視認することができ、照明されたパターン部11を確認することができる。
【0040】
車両用操作装置500の筐体515は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT、polybutyleneterephtalate)等の合成樹脂を用いて、
図1に示すように、箱状に成形されており、上ケース513と下ケース514とを組み合わせて構成されている。また、上ケース513には、操作者が操作する前面側に矩形状の開口部513kを有しており、操作パネルPN1の表面側が露出するようになっている。
【0041】
車両用操作装置500の回路基板519は、一般に広く用いられているプリント配線板(PWB、printed wiring board)を用いており、
図3に示し前述したように、照光部材SB6の発光光源LEと制御部511とがはんだ付けされて搭載されている。
【0042】
次に、本発明の操作装置101について、更に詳細に説明する。本発明の操作装置101は、
図3に示すように、透光性の複数のパターン部11が表面側に形成された操作パネルPN1と、操作パネルPN1の裏面側に配置され複数の電極A3を有する配線パネルLP5と、電極A3の静電容量を検出する静電容量検出部17と、を備えて構成されている。
【0043】
操作装置101の操作パネルPN1は、
図3に示すように、透光性の基材P19と、基材P19の裏面に形成された遮光層P21と、基材P19の表面に形成された表示層P31と、から構成されている。
【0044】
操作パネルPN1の基材P19は、無色で透光性のポリカーボネートの合成樹脂からなり、
図3に示すように、板状で、基材P19の表面がユーザから視認される。なお、合成樹脂材料として、ポリカーボネート樹脂を用いたが、これに限るものではなく、例えばアクリル樹脂、ポリウレタン樹脂やシリコーン樹脂等を用いても良い。
【0045】
操作パネルPN1の遮光層P21は、黒色で遮光性を有するアクリル系の合成樹脂からなり、
図3に示すように、基材P19の裏面に形成されており、照光部材SB6からの照射光を遮光している。このため、この遮光層P21が形成されていない部分のみ照射光が透過されて、照光時において、ユーザに照光部として視認される。この照光部は、前述したパターン部11及び一部の表示部91を形成している。そして、この透光性の複数のパターン部11が操作者により視認され、このパターン部11を操作者が操作することとなる。この遮光層P21の作製は、カーボンの粉末とアクリル系樹脂と溶剤とが混合された黒色インクをスクリーン版で基材P19の裏面に印刷し、乾燥,固化することにより、容易に行うことができる。
【0046】
操作パネルPN1の表示層P31は、有色のアクリル系の合成樹脂からなり、
図3に示すように、基材P19の表面に形成されており、表示が不変の表示部91を形成している。この表示層P31の作製は、顔料または染料とアクリル系樹脂と溶剤とが混合された有色インクを、遮光層P21と同様に、スクリーン版で基材P19の表面に印刷し、乾燥,固化することにより、容易に行うことができる。
【0047】
操作装置101の配線パネルLP5は、
図3に示すように、透光性の基材L19と、基材L19の前面(
図3に示すY2側)に形成された導電部材12と、導電部材12を覆うようにして形成された粘着層L22と、から構成されている。そして、操作パネルPN1の裏面側に配置され、粘着層L22により、操作パネルPN1に貼り付けられている。なお、粘着層L22は、透光性のアクリル系の合成樹脂からなり、照光部材SB6からの照射光が透過可能となっている。
【0048】
配線パネルLP5の基材L19は、無色で透光性のポリエチレンテレフタレート(PET、Polyethylene terephthalate)の合成樹脂のフィルム基材からなり、照射光を透過可能にしている。なお、合成樹脂材料として、ポリエチレンテレフタレート樹脂を用いたが、これに限るものではなく、例えばポリウレタン樹脂、アクリル樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂(PEN、Polyethylene naphthalate)等を用いても良い。
【0049】
配線パネルLP5の導電部材12は、
図4に示すように、パターン部11の周囲に配置された複数の電極A3と、複数の電極A3のそれぞれと接続された複数の配線部A5と、を有して構成され、複数の電極A3及び複数の配線部A5は、平面視して、パターン部11に重ならない位置に配置されている。この導電部材12の作製は、銀の粉末とポリエステル樹脂と溶剤とが混合された銀インクをスクリーン版で基材P19の前面に印刷し、乾燥,固化することにより、容易に行うことができる。
【0050】
また、導電部材12は、本段落で後述する具体例のように(
図4を参照)、複数の電極A3の内、所定のパターン部11に近接する入力判定用電極AD4と、入力判定用電極AD4に隣り合って配置された誤入力判定用電極AG4と、を有している。この誤入力判定用電極AG4は、所定のパターン部11からの距離が入力判定用電極AD4よりも離れた位置に配置されている。例えば、
図4では、所定のパターン部11eとすると、入力判定用電極AD4eと誤入力判定用電極AG4eがそれに相当し、所定のパターン部11fとすると、入力判定用電極AD4fと誤入力判定用電極AG4eがこれに相当する。
【0051】
また、導電部材12の複数の入力判定用電極AD4には、本段落で後述する具体例のように(
図4を参照)、所定の距離を有して離れているパターン部11のそれぞれに対応した第1入力判定用電極D14と第2入力判定用電極D24とを有している。そして、第1入力判定用電極D14と隣り合う位置に配置されている誤入力判定用電極AG4が、第2入力判定用電極D24と電気的に接続されている。例えば、
図4に示すエアコン操作のパターン部11gに対応した第1入力判定用電極D14gとデフ操作のパターン部11hに対応した第2入力判定用電極D24hと第1入力判定用電極D14gと隣り合う誤入力判定用電極AG4gがそれに相当する。例えば、
図4に示す温度上昇操作のパターン部11jに対応した第1入力判定用電極D14jとヒータ操作のパターン部11kに対応した第2入力判定用電極D24kと第1入力判定用電極D14jと隣り合う誤入力判定用電極AG4jがこれに相当する。
【0052】
これにより、誤入力判定用電極AG4と第2入力判定用電極D24が電気的に接続されて(
図4の例では、誤入力判定用電極AG4gと第2入力判定用電極D24h、及び誤入力判定用電極AG4jと第2入力判定用電極D24kが接続)、1つの配線部A5と接続されているので、それぞれ単独で設けられている場合と比較して、トータルの配線部A5の数を減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、入力判定用電極AD4、誤入力判定用電極AG4及び配線部A5の配設の自由度を増加させることができる。更に、トータルの配線部A5の数を減らすことができるので、配線部A5が接続される集積回路(IC)で処理するデータ量を減らせることができ、集積回路(IC)への負担を軽減することができる。
【0053】
更に、導電部材12の複数の入力判定用電極AD4には、本段落で後述する具体例のように(
図4を参照)、互いに隣り合うパターン部11のそれぞれに対応した第3入力判定用電極D34と第4入力判定用電極D44とを有している。そして、第3入力判定用電極D34と第4入力判定用電極D44の間には、誤入力判定用電極AG4が配設されている。例えば、
図4に示す内外気操作のパターン部(11e、11f)にそれぞれ配設された第3入力判定用電極D34e及び第4入力判定用電極D44fの間の誤入力判定用電極AG4eがそれに相当する。例えば、
図4に示す温度上昇操作のパターン部11pに配設された第3入力判定用電極D34pと送風操作のパターン部11qに配設された第4入力判定用電極D44qとの間に配設された誤入力判定用電極AG4pとがこれに相当する。
【0054】
また、本発明の第1実施形態では、本段落で後述する具体例のように(
図4を参照)、導電部材12の複数の誤入力判定用電極AG4の内、少なくとも2つの誤入力判定用電極AG4が電気的に接続されている。例えば、
図4に示す誤入力判定用電極AG4j、誤入力判定用電極AG4k及び誤入力判定用電極AG4mの3つがこれに相当し、誤入力判定用電極AG4e及び誤入力判定用電極AG4nの2つがこれに相当する。これにより、誤入力判定用電極AG4がそれぞれ単独で設けられている場合と比較して、トータルの配線部A5の数を減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、入力判定用電極AD4、誤入力判定用電極AG4及び配線部A5の配設の自由度を増加させることができる。
【0055】
更に、
図4に示すように、誤入力判定用電極AG4が配線部A5の一部を構成している(例えば、
図4に示す配線部A5a及び配線部A5bを参照)。これにより、誤入力判定用電極AG4の配設スペースを減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、入力判定用電極AD4、誤入力判定用電極AG4及び配線部A5の配設の自由度を増加させることができる。
【0056】
操作装置101の静電容量検出部17は、
図3に示すように、回路基板519に搭載されており、容量検出回路を有した集積回路(IC)を備え、電極A3と操作者の指等の身体特定部位F9との静電容量を検出している。
【0057】
また、静電容量検出部17は、集積回路(IC)に制御回路を有したコントロール部と、予め設定された静電容量の閾値が記憶された記憶部と、を有しており、検出した静電容量の検出結果から所定のパターン部11への操作の有無を判断し、その判断結果からの命令信号を車両側に送信している。なお、複数の電極A3及び複数の配線部A5と静電容量検出部17との接続は、図示しないフレキシブルプリント基板(FPC、Flexible printed circuits)により行っている。
【0058】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置101では、静電容量検出部17のコントロール部が、入力判定用電極AD4と誤入力判定用電極AG4のそれぞれにおける静電容量の変化の容量値の比較を行い、入力判定用電極AD4と誤入力判定用電極AG4が係わる所定のパターン部11が、操作されたか否かを判断するようにしている。その際に、指等の身体特定部位F9の操作する位置が所定のパターン部11からずれた場合、誤入力判定用電極AG4の容量値が高くなり、この容量値を所定のパターン部11への操作の有無を判断する判断材料とすることができる。これにより、前述した比較例のように、静電容量センサS09の1つの電極E9で判定する場合と比較して、入力判定用電極AD4及び誤入力判定用電極AG4のそれぞれにおける容量値に応じて、入力判定を行うことができる。このことにより、適切な操作に対応して確実に入力判定することができ、誤動作を確実に低減することができる。具体的には、例えば誤入力判定用電極AG4の容量値が大きくなった場合に入力判定を出力しないようにしたり、入力判定用電極AD4の容量値と誤入力判定用電極AG4の容量値を比較して入力判定を出力しないようにしたりすることである。
【0059】
また、本発明の第1実施形態では、静電容量検出部17は、誤入力判定用電極AG4からの容量値と、記憶部に予め記憶されていた閾値である第1閾値と、を比較して、第1閾値以上の容量値を検出した際に、身体特定部位F9が所定のパターン部11から外れていると判断するようにしている。このため、入力判定用電極AD4の容量値に基づく判断より誤入力判定用電極AG4の容量値を優先して誤操作であると判断でき、適切な操作に対応してより確実に入力判定することができる。このことにより、誤動作をより確実に低減することができる。
【0060】
更に、静電容量検出部17は、入力判定用電極AD4からの容量値と、記憶部に予め記憶されていた閾値である第2閾値と、を比較して、第2閾値以上の容量値を検出した際に、所定のパターン部11が操作されたと判断するようにしている。このため、誤入力判定用電極AG4の誤操作判断と合わせて、適切な操作に対応してより一層確実に入力判定することができる。このことにより、誤動作をより一層確実に低減することができる。なお、上述した閾値は、絶対量の値でも良いし、基準値からの変化量の値でも良い。
【0061】
また、本発明の第1実施形態では、第3入力判定用電極D34と第4入力判定用電極D44の間には、誤入力判定用電極AG4が配設されているので、互いに隣り合って近接するパターン部11であっても、第3入力判定用電極D34、第4入力判定用電極D44及び誤入力判定用電極AG4の容量値を比較することで、どちらのパターン部11に対する誤操作、或いは両方のパターン部11に対する誤操作か判断することができる。このことにより、適切な操作に対応してより一層確実に入力判定することができる。誤動作をより一層確実に低減することができる。
【0062】
また、本発明の第1実施形態では、以上のような効果を有した操作装置101を車両用操作装置500に用いている。特に、車両用操作装置500では、車両内での操作に対して、ブラインド操作や注視できない操作が多いので、操作者の指等の身体特定部位F9が操作する位置が所定のパターン部11からずれた場合であっても、入力判定を出力しないようにでき、誤動作を確実に低減することができる。また、車両用操作装置500では、車両内での操作に対して、車の振動の影響を受けることがあり、確実に操作できない場合でも、誤動作を確実に低減することができる。このように、本発明の第1実施形態の操作装置101を車両用操作装置500に好適に適用することができる。
【0063】
以上のように構成された本発明の第1実施形態の操作装置101及び車両用操作装置500における、効果について、以下に纏めて説明する。
【0064】
本発明の第1実施形態の操作装置101は、所定のパターン部11に近接して入力判定用電極AD4を配置し、このパターン部11からの距離が入力判定用電極AD4よりも離れた位置に誤入力判定用電極AG4を隣り合って配置したので、指等の身体特定部位F9の操作する位置が所定のパターン部からずれた際に、誤入力判定用電極AG4の容量値が高くなる。このため、この容量値を所定のパターン部11への操作の有無を判断する判断材料とすることができ、静電容量検出部17が入力判定用電極AD4と誤入力判定用電極AG4のそれぞれにおける静電容量の変化の容量値に応じて、入力判定を行うことができる。このことにより、前述した比較例のように、静電容量センサS09の1つの電極E9で判定する場合と比較して、適切な操作に対応して確実に入力判定することができ、誤動作を確実に低減することができる。
【0065】
また、静電容量検出部17が、誤入力判定用電極AG4からの容量値と第1閾値とを比較して、第1閾値以上の容量値を検出した際に、身体特部位F9が所定のパターン部11から外れていると判断することができる。このため、入力判定用電極AD4の容量値に基づく判断より誤入力判定用電極AG4の容量値を優先して誤操作であると判断でき、適切な操作に対応してより確実に入力判定することができる。このことにより、誤動作をより確実に低減することができる。
【0066】
また、静電容量検出部17が、入力判定用電極AD4からの容量値と第2閾値とを比較するので、第2閾値以上の容量値を検出した際に、所定のパターン部11が操作されたと判断することができる。このため、誤入力判定用電極AG4の誤操作判断と合わせて、適切な操作に対応してより一層確実に入力判定することができる。このことにより、誤動作をより一層確実に低減することができる。
【0067】
また、誤入力判定用電極AG4と第2入力判定用電極D24が電気的に接続されて、1つの配線部A5と接続されているので、それぞれ単独で設けられている場合と比較して、トータルの配線部A5の数を減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、入力判定用電極AD4、誤入力判定用電極AG4及び配線部A5の配設の自由度を増加させることができる。更に、トータルの配線部A5の数を減らすことができるので、配線部A5が接続される集積回路(IC)で処理するデータ量を減らせることができ、集積回路(IC)への負担を軽減することができる。
【0068】
また、第3入力判定用電極D34と第4入力判定用電極D44の間には、誤入力判定用電極AG4が配設されているので、互いに隣り合って近接するパターン部11であっても、第3入力判定用電極D34、第4入力判定用電極D44及び誤入力判定用電極AG4の容量値を比較することで、どちらのパターン部11に対する誤操作、或いは両方のパターン部11に対する誤操作か判断することができる。このことにより、適切な操作に対応してより一層確実に入力判定することができる。誤動作をより一層確実に低減することができる。
【0069】
また、少なくとも2つの誤入力判定用電極AG4が電気的に接続されているので、誤入力判定用電極AG4がそれぞれ単独で設けられている場合と比較して、トータルの配線部A5の数を減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、入力判定用電極AD4、誤入力判定用電極AG4及び配線部A5の配設の自由度を増加させることができる。
【0070】
また、誤入力判定用電極AG4が配線部A5の一部を構成しているので、誤入力判定用電極AG4の配設スペースを減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、入力判定用電極AD4、誤入力判定用電極AG4及び配線部A5の配設の自由度を増加させることができる。
【0071】
本発明の第1実施形態の車両用操作装置500は、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の操作装置101を備えているので、車両内での操作に対して、ブラインド操作や注視できない操作により、操作者の指等の身体特定部位F9の位置が所定のパターン部11からずれた場合であっても、入力判定を出力しないようにでき、誤動作を確実に低減することができる。また、車両内での操作に対して、車の振動の影響を受けることがあり、確実に操作できない場合でも、誤動作を確実に低減することができる。
【0072】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態では、操作装置102について説明する。
図5は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する構成斜視図である。
図6は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する構成図であって、
図5に示すY2側から見た正面図である。
図7は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する構成図であって、
図6に示すVII−VII線における断面図である。
図8は、本発明の第2実施形態の操作装置102を説明する構成図であって、配線パネルLP7の平面図である。なお、
図5において、操作パネルPN2のパターン部21及び表示部9Bは、ハッチングで示しており、
図6に示す詳細な図柄は省略している。また、
図8において、説明を分かり易くするため、操作パネルPN2のパターン部21及び表示部9Bを破線で重ねて示している。また、第2実施形態の操作装置102は、第1実施形態の操作装置101に対し、操作パネルPN2のパターン部21等の図柄と照光部材SB7を有しているとことが主に異なる。
【0073】
本発明の第2実施形態の操作装置102は、
図5及び
図6に示すような外観を呈し、
図7に示すように、透光性の複数のパターン部21が表面側に形成された操作パネルPN2と、操作パネルPN2の裏面側に配置され複数の電極B3を有する配線パネルLP7と、電極B3の静電容量を検出する静電容量検出部27と、を備えて構成されている。他に、本発明の第2実施形態の操作装置102には、配線パネルLP7を裏面側から照光する照光部材SB7と、照光部材SB7の裏面側に配設された回路基板529と、操作パネルPN2、配線パネルLP7、照光部材SB7及び回路基板529を収容する筐体525と、を有している。そして、この操作装置102は、各種電子機器に接続され、静電容量式の入力装置として利用される。
【0074】
操作装置102の操作パネルPN2は、
図7に示すように、透光性の基材P29と、基材P29の裏面に形成された遮光層P41と、基材P29の表面に形成された表示層P51と、から構成されている。
【0075】
操作パネルPN2の基材P29は、無色で透光性のポリウレタンの合成樹脂からなり、
図7に示すように、板状で、基材P29の表面がユーザから視認される。なお、合成樹脂材料として、ポリウレタン樹脂を用いたが、これに限るものではなく、例えばアクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂やシリコーン樹脂等を用いても良い。
【0076】
操作パネルPN2の遮光層P41は、黒色で遮光性を有するアクリル系の合成樹脂からなり、
図7に示すように、基材P29の裏面に形成されており、照光部材SB7からの照射光を遮光している。このため、この遮光層P41が形成されていない部分のみ照射光が透過されて、照光時において、ユーザに照光部として視認される。この照光部は、前述したパターン部21及び一部の表示部9Bを形成している。そして、この透光性の複数のパターン部21が操作者により視認され、このパターン部21を操作者が操作することとなる。この遮光層P41の作製は、カーボンの粉末とアクリル系樹脂と溶剤とが混合された黒色インクをスクリーン版で基材P29の裏面に印刷し、乾燥,固化することにより、容易に行うことができる。
【0077】
操作パネルPN2の表示層P51は、有色のアクリル系の合成樹脂からなり、
図7に示すように、基材P29の表面に形成されており、表示が不変の表示部9Bを形成している。この表示層P51の作製は、顔料または染料とアクリル系樹脂と溶剤とが混合された有色インクを、遮光層P41と同様に、スクリーン版で基材P29の表面に印刷し、乾燥,固化することにより、容易に行うことができる。
【0078】
操作装置102の配線パネルLP7は、
図7に示すように、透光性の基材L29と、基材L29の前面(
図7に示すY2側)に形成された導電部材22と、導電部材22を覆うようにして形成された粘着層L42と、から構成されている。そして、操作パネルPN2の裏面側に配置され、粘着層L42により、操作パネルPN2に貼り付けられている。なお、粘着層L42は、透光性のアクリル系の合成樹脂からなり、照光部材SB7からの照射光が透過可能となっている。
【0079】
配線パネルLP7の基材L29は、無色で透光性のポリエチレンナフタレート(PEN)の合成樹脂のフィルム基材からなり、照射光を透過可能にしている。なお、合成樹脂材料として、ポリエチレンナフタレート樹脂を用いたが、これに限るものではなく、例えばポリウレタン樹脂、アクリル樹脂やポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂等を用いても良い。
【0080】
配線パネルLP7の導電部材22は、
図8に示すように、パターン部21の周囲に配置された複数の電極B3と、複数の電極B3のそれぞれと接続された複数の配線部B5と、を有して構成され、複数の電極B3及び複数の配線部B5は、平面視して、パターン部21に重ならない位置に配置されている。この導電部材22の作製は、銀の粉末とポリエステル樹脂と溶剤とが混合された銀インクをスクリーン版で基材P19の前面に印刷し、乾燥,固化することにより、容易に行うことができる。
【0081】
また、導電部材22は、本段落で後述する具体例のように(
図8を参照)、複数の電極B3の内、所定のパターン部21に近接する入力判定用電極BD4と、入力判定用電極BD4に隣り合って配置された誤入力判定用電極BG4と、を有している。この誤入力判定用電極BG4は、所定のパターン部21からの距離が入力判定用電極BD4よりも離れた位置に配置されている。例えば、
図8では、所定のパターン部21aとすると、入力判定用電極BD4aと誤入力判定用電極BG4aがそれに相当し、所定のパターン部21bとすると、入力判定用電極BD4bと誤入力判定用電極BG4bがこれに相当する。
【0082】
また、導電部材22の複数の入力判定用電極BD4には、本段落で後述する具体例のように(
図8を参照)、所定の距離を有して離れているパターン部21のそれぞれに対応した第1入力判定用電極E14と第2入力判定用電極E24とを有している。そして、第1入力判定用電極E14と隣り合う位置に配置されている誤入力判定用電極BG4が、第2入力判定用電極E24と電気的に接続されている。例えば、
図8に示すボリューム操作のパターン部21cに対応した第1入力判定用電極E14cとオン操作のパターン部21dに対応した第2入力判定用電極E24dと第1入力判定用電極E14cと隣り合う誤入力判定用電極BG4cがそれに相当する。例えば、
図8に示すボリューム操作のパターン部21eに対応した第1入力判定用電極E14eとオフ操作のパターン部21fに対応した第2入力判定用電極E24fと第1入力判定用電極E14eと隣り合う誤入力判定用電極BG4eがこれに相当する。
【0083】
これにより、誤入力判定用電極BG4と第2入力判定用電極E24が電気的に接続されて、1つの配線部B5と接続されているので、それぞれ単独で設けられている場合と比較して、トータルの配線部B5の数を減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、入力判定用電極BD4、誤入力判定用電極BG4及び配線部B5の配設の自由度を増加させることができる。更に、トータルの配線部B5の数を減らすことができるので、配線部B5が接続される集積回路(IC)で処理するデータ量を減らせることができ、集積回路(IC)への負担を軽減することができる。
【0084】
また、本発明の第2実施形態では、本段落で後述する具体例のように(
図8を参照)、導電部材22の複数の誤入力判定用電極BG4の内、少なくとも2つの誤入力判定用電極BG4が電気的に接続されている。例えば、
図8に示す誤入力判定用電極BG4g、誤入力判定用電極BG4h及び誤入力判定用電極BG4jの3つがこれに相当し、誤入力判定用電極BG4m及び誤入力判定用電極BG4nの2つがこれに相当する。
これにより、誤入力判定用電極BG4がそれぞれ単独で設けられている場合と比較して、トータルの配線部B5の数を減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、入力判定用電極BD4、誤入力判定用電極BG4及び配線部B5の配設の自由度を増加させることができる。
【0085】
操作装置102の静電容量検出部27は、
図7に示すように、回路基板529に搭載されており、容量検出回路を有した集積回路(IC)を備え、電極B3と操作者の指等の身体特定部位F9との静電容量を検出している。
【0086】
また、静電容量検出部27は、集積回路(IC)に制御回路を有したコントロール部と、予め設定された静電容量の閾値が記憶された記憶部と、を有しており、検出した静電容量の検出結果から所定のパターン部21への操作の有無を判断し、その判断結果からの命令信号を接続される電子機器に送信している。なお、複数の電極B3及び複数の配線部B5と静電容量検出部27との接続は、図示しないフレキシブルプリント基板(FPC、Flexible printed circuits)により行っている。
【0087】
以上のように構成された本発明の第2実施形態の操作装置102では、静電容量検出部27のコントロール部が、入力判定用電極BD4と誤入力判定用電極BG4のそれぞれにおける静電容量の変化の容量値の比較を行い、入力判定用電極BD4と誤入力判定用電極BG4が係わる所定のパターン部21が、操作されたか否かを判断するようにしている。その際に、指等の身体特定部位F9の操作する位置が所定のパターン部21からずれた場合、誤入力判定用電極BG4の容量値が高くなり、この容量値を所定のパターン部21への操作の有無を判断する判断材料とすることができる。これにより、前述した比較例のように、静電容量センサS09の1つの電極E9で判定する場合と比較して、入力判定用電極BD4及び誤入力判定用電極BG4のそれぞれにおける容量値に応じて、入力判定を行うことができる。このことにより、適切な操作に対応して確実に入力判定することができ、誤動作を確実に低減することができる。具体的には、例えば誤入力判定用電極BG4の容量値が大きくなった場合に入力判定を出力しないようにしたり、入力判定用電極BD4の容量値と誤入力判定用電極BG4の容量値を比較して入力判定を出力しないようにしたりすることである。
【0088】
また、本発明の第2実施形態では、静電容量検出部27は、誤入力判定用電極BG4からの容量値と、記憶部に予め記憶されていた閾値である第1閾値と、を比較して、第1閾値以上の容量値を検出した際に、身体特定部位F9が所定のパターン部21から外れていると判断するようにしている。このため、入力判定用電極BD4の容量値に基づく判断より誤入力判定用電極BG4の容量値を優先して誤操作であると判断でき、適切な操作に対応してより確実に入力判定することができる。このことにより、誤動作をより確実に低減することができる。
【0089】
更に、静電容量検出部27は、入力判定用電極BD4からの容量値と、記憶部に予め記憶されていた閾値である第2閾値と、を比較して、第2閾値以上の容量値を検出した際に、所定のパターン部21が操作されたと判断するようにしている。このため、誤入力判定用電極BG4の誤操作判断と合わせて、適切な操作に対応してより一層確実に入力判定することができる。このことにより、誤動作をより一層確実に低減することができる。なお、上述した閾値は、絶対量の値でも良いし、基準値からの変化量の値でも良い。
【0090】
操作装置102の照光部材SB7は、
図7に示すように、フィルム状に形成された平面発光光源OLEと、平面発光光源OLEと操作パネルPN2との間に配設された散乱部材S57と、を備えて構成されている。そして、照光部材SB7は、操作パネルPN2の裏面側(
図5に示すY1側)に配置され、透光性の複数のパターン部21を照光している。
【0091】
照光部材SB7の平面発光光源OLEは、有機エレクトロルミネッセンス(OLE、Organic Electro-Luminescence)を好適に用いており、
図7に示すように、操作パネルPN2の向きに発光面を向けて配置されている。また、平面発光光源OLEは、図示しないフレキシブルプリント基板(FPC)により、平面発光光源OLEを駆動するドライバ回路SD3と接続されている。
【0092】
照光部材SB7の散乱部材S57は、層内部で光を反射、散乱させる性質を有するフィルム材を用い、操作パネルPN2と対向する側の平面発光光源OLEに貼り付けられている。これにより、散乱部材S57に入射した光は、反射、散乱されて、前面側(
図5に示すY2側)へ照射光として放射される。そして、この照射光は、透光性のパターン部21を照射し、表面側から操作装置102を視認した際、ユーザは、この照射光を視認することができ、照明されたパターン部21を確認することができる。なお、本発明の第2実施形態では、平面発光光源OLEを用いた照光部材SB7を好適に用いたが、本発明の第1実施形態の照光部材SB6を用いても良い。
【0093】
操作装置102の筐体525は、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)等の合成樹脂を用いて、
図5に示すように、箱状に成形されており、上ケース523と下ケース524とを組み合わせて構成されている。また、上ケース523には、操作者が操作する前面側に矩形状の開口部523kを有しており、操作パネルPN2の表面側が露出するようになっている。
【0094】
操作装置102の回路基板529は、一般に広く用いられているプリント配線板(PWB)を用いており、
図7に示し前述したように、静電容量検出部27と平面発光光源OLEのドライバ回路SD3とがはんだ付けされて搭載されている。
【0095】
以上のように構成された本発明の第2実施形態の操作装置102における、効果について、以下に纏めて説明する。
【0096】
本発明の第2実施形態の操作装置102は、所定のパターン部21に近接して入力判定用電極BD4を配置し、このパターン部21からの距離が入力判定用電極BD4よりも離れた位置に誤入力判定用電極BG4を隣り合って配置したので、指等の身体特定部位F9の操作する位置が所定のパターン部からずれた際に、誤入力判定用電極BG4の容量値が高くなる。このため、この容量値を所定のパターン部21への操作の有無を判断する判断材料とすることができ、静電容量検出部27が入力判定用電極BD4と誤入力判定用電極BG4のそれぞれにおける静電容量の変化の容量値に応じて、入力判定を行うことができる。このことにより、前述した比較例のように、静電容量センサS09の1つの電極E9で判定する場合と比較して、適切な操作に対応して確実に入力判定することができ、誤動作を確実に低減することができる。
【0097】
また、静電容量検出部27が、誤入力判定用電極BG4からの容量値と第1閾値とを比較して、第1閾値以上の容量値を検出した際に、身体特定部位F9が所定のパターン部21から外れていると判断することができる。このため、入力判定用電極BD4の容量値に基づく判断より誤入力判定用電極BG4の容量値を優先して誤操作であると判断でき、適切な操作に対応してより確実に入力判定することができる。このことにより、誤動作をより確実に低減することができる。
【0098】
また、静電容量検出部27が、入力判定用電極BD4からの容量値と第2閾値とを比較するので、第2閾値以上の容量値を検出した際に、所定のパターン部21が操作されたと判断することができる。このため、誤入力判定用電極BG4の誤操作判断と合わせて、適切な操作に対応してより一層確実に入力判定することができる。このことにより、誤動作をより一層確実に低減することができる。
【0099】
また、誤入力判定用電極BG4と第2入力判定用電極E24が電気的に接続されて、1つの配線部B5と接続されているので、それぞれ単独で設けられている場合と比較して、トータルの配線部B5の数を減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、入力判定用電極BD4、誤入力判定用電極BG4及び配線部B5の配設の自由度を増加させることができる。更に、トータルの配線部B5の数を減らすことができるので、配線部B5が接続される集積回路(IC)で処理するデータ量を減らせることができ、集積回路(IC)への負担を軽減することができる。
【0100】
また、少なくとも2つの誤入力判定用電極BG4が電気的に接続されているので、誤入力判定用電極BG4がそれぞれ単独で設けられている場合と比較して、トータルの配線部B5の数を減らすことができる。このことにより、省スペース化が可能となるとともに、入力判定用電極BD4、誤入力判定用電極BG4及び配線部B5の配設の自由度を増加させることができる。
【0101】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば次のように変形して実施することができ、これらの実施形態も本発明の技術的範囲に属する。
【0102】
図9は、本発明の第1実施形態の車両用操作装置500の変形例1を説明する構成図であって、
図3と比較した断面図である。
【0103】
<変形例1>
上記第1実施形態では、上面発光方式のLEDの発光光源LEとブロック形状のライトガイドG16と散乱部材S56とを用いて照光部材SB6を構成したが、これに限るものではない。例えば
図9に示すように、側面発光方式のLEDの発光光源CLEと平板形状のライトガイドGC6とライトガイドGC6の裏面側に形成された拡散層C56とを用いて照光部材SC6を構成しても良い。これにより、車両用操作装置C500の厚みを薄くすることができる。
【0104】
<変形例2>
上記第2実施形態においても、照光部材SB7に換えて、照光部材SC6を用いた構成にしても良い。
【0105】
<変形例3>
上記第2実施形態の操作装置102を車両用のオーディオ装置に適用し、車両用操作装置として構成しても良い。
【0106】
<変形例4>
上記実施形態では、配線パネル(LP5、LP7)の基材(L19、L29)として、無色で光透光性を有する基材を用いて照射光を透過するように構成したが、操作パネル(PN1、PN2)のパターン部(11、21)に相当する領域を開口させることで、照射光を透過させても良い。これにより、無色透明な基材を用いなくても良い。
【0107】
本発明は上記実施の形態に限定されず、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更することが可能である。