(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
入賞球の保留状態を遊技者に報知する保留画像が表示される画像表示手段を含み、前記保留画像として、変化可能な保留画像と変化しない保留画像とが設定された弾球遊技機であって、
弾球された遊技球が流下する遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が流入可能な始動入賞口と、
遊技球が前記始動入賞口に流入したことを検出して検出信号を発する入賞検出手段と、
遊技者の操作に基づいて操作信号を発する操作手段と、
前記検出信号を受信する毎に保留をするか否かを判定し、保留をする場合には前記保留画像を前記画像表示手段に表示し、更に、前記操作信号を受信すると、変化可能な前記保留画像を変化後画像へ変化させる制御手段と、
を含み、
前記変化後画像として、表示形状の異なる複数の画像が設定されており、該複数の画像のうち少なくとも一つは、特別遊技に移行するか否かを定める大当り抽選処理の結果がはずれの場合に選択される確率が、当たりの場合に選択される確率より低い画像である
ことを特徴とする弾球遊技機。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に提案されている保留の報知方法では、ランプが点灯されてから保留状態が終了してランプが消灯されるまでの間には、ランプの表示自体が特に変化することはない。また、遊技者が積極的に何かの操作をして、ランプに変化を与えることもできない。従って、遊技者にリーチの予告以上の興味を抱かせることはできず、遊技者が保留の表示に継続して関心を持つことは少ない。また、遊技者は、リーチに到ることが判明するだけであって、図柄遊技が大当たりとなる可能性について情報を得ることはできない。
【0006】
従って、本発明の目的は、上記の課題を解決し、保留を示す表示に、遊技者が更なる興味を抱き関心を持ち続けることのできる機能を加え、図柄遊技に関してリーチの予告以上の情報を遊技者に与えることのできる弾球遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上のような目的を達成するため、本発明に係る弾球遊技機として、例えば、入賞球の保留状態を遊技者に報知する保留画像が表示される画像表示手段を含み、前記保留画像として、変化可能な保留画像と変化しない保留画像とが設定された弾球遊技機であって、
弾球された遊技球が流下する遊技盤と、
前記遊技盤に設けられ、遊技球が流入可能な始動入賞口と、
遊技球が前記始動入賞口に流入したことを検出して検出信号を発する入賞検出手段と、
遊技者の操作に基づいて操作信号を発する操作手段と、
前記検出信号を受信する毎に保留をするか否かを判定し、保留をする場合には前記保留画像を前記画像表示手段に表示し、更に、前記操作信号を受信すると、変化可能な前記保留画像を変化後画像へ変化させる制御手段と、
を含み、
前記変化後画像として、表示形状の異なる複数の画像が設定されており、該複数の画像のうち少なくとも一つは、特別遊技に移行するか否かを定める大当り抽選処理の結果がはずれの場合に選択される確率が、当たりの場合に選択される確率より低い画像である弾球遊技機が考えられる。
【0008】
ここで、「弾球遊技」とは、遊技球を用いた遊技であればよく、「弾球遊技機」としては、パチンコ遊技機のほか、アレンジボールや雀球遊技機のような遊技球によって遊技の進行が定まるあらゆる遊技機が含まれる。また、「操作手段」は、遊技者の四肢の動きを検出して信号を発信するものであればよく、例えば、手の動きを検出するものでも、遊技者が発した音声を検出するものでもよい。検出する手段は、遊技者の操作を電気的に検出するものでも、機械的に検出するものでもよい。また、「画像表示手段」は、保留を示す画像を表示する画像表示装置を含み、画像表示装置としては、例えば、液晶、ブラウン管、ランプ、LED素子等を用いたものが含まれる。画像表示装置は、遊技者が視認できる位置に設置されていればよく、弾球遊技機上だけに設置されるとは限らない。
【0009】
「保留画像」は、保留を遊技者に報知できるものであればよく、文字情報であっても図形であっても、その組み合わせであってもよい。また、静止画であっても動画であってもよく、更に、音声と画像を組み合わせたものでもよい。「変化後画像」も上記と同様であり、画像の内容は、保留画像と関連するように設定することもできるし、全く異なるものに設定して意外性を与えることもできる。また、全ての保留画像を変化後画像に変化させることもできるし、一部の保留画像のみを変化させることもできる。
【0010】
この態様では、従来とは異なり、保留を示す保留画像が変化し、更に、操作手段により遊技者の意思で変化させることもできるし、変化させないでおくこともできる。
【0011】
本発明の弾球遊技機においては、更に、制御手段が、画像抽選処理により選択された保留画像と変化後画像を、画像表示手段に表示することも考えられる。「画像抽選処理」は、例えば、乱数を発生させてその値によって、複数の画像の中から1つの画像を選択することが好ましい。保留画像や変化後画像が、複数の画像の中から抽選で選択されるので、遊技者は、思いもかけぬ保留画像や変化後画像を体験することができる。
【0012】
本発明の弾球遊技機においては、更に、本発明変化可能な保留画像に、遊技者が操作をすることを示唆する操作示唆情報が含まれることも考えられる。「操作示唆情報」は、遊技者に操作手段を用いることを示唆する情報であれば、あらゆる情報が含まれ、文字で操作を示唆することもできるし、図形等によって示唆することも含まれるし、音声を用いて示唆することも含まれる。
【0013】
本発明の弾球遊技機においては、更に、変化可能な保留画像の一部には、操作示唆情報が含まれないことも考えられる。この態様では、操作示唆情報が含まれない保留画像であっても、遊技者が何気なく操作手段を操作したときに、変化後画像へ変化する場合があるので、遊技者が意外性を感じることが期待できる。
【0014】
本発明の弾球遊技機においては、更に、変化後画像に、特別遊技へ移行する可能性を示す情報が含まれることも考えられる。「特別遊技へ移行する可能性」、つまり、大当たりとなる可能性は、数値を用いて示すこともできるし、可能性を暗示する表現や図形等によって示すこともできる。また、音声を用いて示すことも考えられる。遊技者は、保留画像の変化を楽しむだけでなく、大当たりとなるか否かといった図柄遊技に関しての情報を得ることが可能となる。
【0015】
本発明の弾球遊技機においては、更に、制御手段は、大当り抽選処理により特別遊技に移行するか否かを判定し、特別遊技に移行する場合には、特別遊技へ移行する可能性が高い情報を含む変化後画像を、より高い当選確率で画像抽選処理により選択することも考えられる。この態様によれば、図柄遊技で大当たりとなる場合には、大当たりとなる可能性の高い情報を含んだ変化後画像が表示される可能性が高まるので、情報の内容の信頼度が高まることが期待できる。
【0016】
本発明の弾球遊技機においては、更に、操作が、遊技機に設けられた操作ボタンによって行われることも考えられる。操作手段の1つとして、遊技者が操作ボタンを押すことによって、操作信号を発信することができる。操作ボタンを押すことは、非常に簡単な操作であり、遊技者がより積極的に操作手段を用いることが期待できる。この操作ボタンは、遊技者は操作できる遊技機上であれば、いかなる場所に設置することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る弾球遊技機においては、従来の変化しない保留表示に比べて、保留画像が変化後画像に変化をすることができるので、遊技者が保留画像に対して従来以上に興味を抱くことが期待できる。また、遊技者が自己の意思で保留画像を変化後画像へ変化させることもできるし、変化させないこともできるので、遊技者が長時間飽きずに遊技を継続することが期待できる。
【0018】
更に、遊技者に単なる保留の状態だけではなく、変化後画像を用いて、遊技者に大当たりとなって特別遊技に移行する可能性を示すことができるので、遊技者は保留画像だけでなく、弾球遊技自体にも関心を深めることが期待できる。
【0019】
更に、特別遊技に移行する可能性の高い情報を含んだ変化後画像が選択される確率を高めることによって、情報の信頼性を高めて、遊技者が変化後画像の内容に対する関心を深めることが期待できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
(弾球遊技機全般の説明)
図1は、本発明に係る弾球遊技機の一つであるパチンコ遊技機において、1つの実施形態の概略を示す正面図である。
【0022】
図1に示すように、パチンコ遊技機10は、外枠12と、前枠14と、遊技盤24と、を含む。外枠12は、パチンコ遊技機10の外郭を構成し、方形状の形状を有する。また、外枠12には、開閉自在に軸支される前枠14が設けられている。前枠14には、ガラス扉16や、遊技球を受けるための上皿18及び下皿20や、打球ハンドル22や、遊技盤24を収容する収容部等の各種の部材が設けられている。また、このパチンコ遊技機には、上皿18の左側に、操作ボタン46が押動可能に設けられている。
【0023】
<遊技盤24>
遊技盤24には、レール26により区画された遊技領域28が設けられている。遊技領域28の略中央部には、図柄の画像等の種々の画像を表示する画像表示装置30が設けられている。さらに、遊技領域28には、図柄の変動開始の条件を定める始動入賞口32や、遊技が大当たりとなったときに開閉する特別入賞口34や、普通図柄変動表示口36及び38や、その他複数の一般入賞口39a〜39dや、遊技球の落下に影響を及ぼす風車40及び42や、多数の遊技釘(図示せず)や、アウト口44も設けられている。
【0024】
上述した打球ハンドル22を遊技者が回動操作したときには、上皿18から打球発射部(図示せず)へ遊技球が1個ずつ供給され、遊技球は、打球ハンドル22の回動操作に応じた強度で、打球発射装置(図示せず)によって遊技領域28に打球として発射される。
【0025】
遊技領域28に発射された打球は、上述した風車や遊技釘との接触を繰り返して移動方向を変えながら流下し、上述した各種の入賞口32〜38及び39a〜39dやアウト口44に流入することとなる。打球が、いずれかの入賞口32〜38及び39a〜39dに入賞したときには、所定数の遊技球が賞球として上皿18又は下皿20に払い出される。
【0026】
<画像表示装置30>
上述したように、遊技領域28の略中央部には、画像表示装置30が設けられており、動画を含む様々な画像を表示することができる。遊技球が始動入賞口32に流入(入賞)した場合には、変動図柄を表示し、入賞球を保留する状態では保留画像を表示する。更に、保留画像が変化可能なときには、遊技者による押しボタン46の操作により、保留画像を消して、代わりに変化後画像を表示することもできる。
【0027】
<始動入賞口32>
この始動入賞口32に打球が入賞したときには、画像表示装置30に表示された画像が変動表示を開始し図柄遊技が行われる。本パチンコ遊技機10では、変動する図柄としては数字が用いられているが、その他の図柄も用いることができる。また、図柄変動中に遊技球が始動入賞口32に流入して入賞球の保留を行う場合には、画像表示装置30に保留画像を表示し、更に、遊技者が操作ボタン46を押動操作することによって、保留画像を変化後画像に変化させることもできる。
【0028】
大当たりになった場合には、遊技者にとって有利な特別遊技が実行される。この特別遊技においては、上述した特別入賞口34を開放して、遊技球を入賞容易状態にし、遊技球を特別入賞口34に流入しやすくする。(特別遊技に関する制御処理の詳細な説明は、省略する。)
【0029】
<操作ボタン46>
上皿18の左側に設けられた操作ボタン46は、後述する副制御基板52に電気的に接続されている。操作者が操作ボタン46を押動操作したときには、操作信号が発せられて副制御基板52に送信される。また、操作者が操作ボタン46から手を離したときには、操作信号の副制御基板52への送信は停止する。
【0030】
図2は、パチンコ遊技機10の背面を示す背面図である。
【0031】
<主制御基板50>
図2に示すように、背面の下部には主制御基板50が設けられている。主制御基板50は、パチンコ遊技機10の全体の制御を行う。例えば、主制御基板50は、始動入賞口32や特別入賞口34等の入賞口に遊技球が入賞したときに、その入賞口に応じた数の遊技球を賞球として払い出す制御をする。
【0032】
主制御基板50は、演算等を行うCPU(中央処理装置)(図示せず)、パチンコ遊技機10の全体を制御するためのプログラムを記憶したROM(リードオンリーメモリー)(図示せず)、及び各データを一時的に記憶するRAM(ランダムアクセスメモリー)(図示せず)等を含む。これらのCPU、ROM及びRAMは、入出力バスによって電気的に接続されており、データ信号やアドレス信号が入出力できるようになされている。尚、パチンコ遊技機10の全体を制御するための処理のうち、入賞、保留記憶処理、及び、保留消化処理を行う処理フローは、後述する
図4と
図5に示す。
【0033】
<副制御基板52>
また、主制御基板50の上部には画像表示装置30が設けられており、画像表示装置30の背面には、副制御基板52が設けられている。この副制御基板52は、主制御基板50と電気的に接続されており、主制御基板50から発せられた制御信号に基づいて画像表示装置30を制御する。演算等を行うCPU(中央処理装置)(図示せず)、画像表示装置30を制御するためのプログラムを記憶したROM(リードオンリーメモリー)(図示せず)、及び各データを一時的に記憶するRAM(ランダムアクセスメモリー)(図示せず)等を含む。尚、ROMには、後述する弾球遊技、図柄遊技、保留表示を制御するためのプログラムが記憶されており、さらに、保留画像等に用いる画像データも記憶する。これらのCPU、ROM及びRAMは、入出力バスによって電気的に接続されており、データ信号やアドレス信号が入出力できるようになされている。この副制御基板52によって、画像表示装置30における画像の表示が制御され、上述した操作遊技、画像遊技の表示の態様が定められる。また、入賞球を保留する場合に、保留画像や変化後画像を画像表示装置30に表示するための保留画像処理や変化後画像処理を行う処理フローは、後述する
図6と
図7に示す。
【0034】
(機能ブロック図の説明)
図3は、パチンコ遊技機10における制御機能の概略を示す機能ブロック図である。
【0035】
パチンコ遊技機10は、制御手段500と、入賞検出手段600と、操作手段400と、画像表示手段300とを含む。この制御手段500は、入賞検出手段600と、操作手段400と、画像表示手段300と電気的に接続されている。
【0036】
入賞検出手段600は、始動入賞口32やその他の入賞口に設置された入賞検出センサ70を含んでおり、これらの入賞口に遊技球が流入すると、入賞検出センサ70は検出信号を主制御基板50に発信する。操作手段400は操作ボタン46を含んでおり、パチンコ遊技機10の遊技者がこの操作ボタンを押すことによって、操作信号を副制御基板52へ発信する。画像表示手段300は画像表示装置30を含み、副制御手段52に設けられた保留画像処理手段530、変化後画像処理手段550、及び、図柄画像処理手段540から発信される画像信号に基づいて、所定の画像を画像装置30に表示する。
【0037】
制御手段500は、主制御基板50と副制御基板52を含む。主制御基板50は、上述したようにパチンコ遊技機10の全体の制御を行う。この主制御基板50は、入賞、保留記憶処理手段510、保留消化処理手段520、及び、送信手段560を含んでいる。
【0038】
入賞、保留記憶手段510は、遊技球が入賞した場合に賞球の払出処理を行い、大当り抽選処理を行い、この大当たり抽選結果は、副制御基板52へ送信される。具体的には、主制御基板50の送信手段560から副制御基板52の受信手段570へ送信されるが、以下の機能ブロック図の説明においては、単に「副制御基板52へ送信される」と記載する。また、入賞球を保留するか否かを判定して、保留をする場合には、保留画像表示信号が、副制御基板52へ送信される。また、大当たり抽選結果を空き保留領域に記憶する。
【0039】
保留消化処理手段520は、変動していた図柄が停止したときに、保留が残っているか否かを判定し、残っている場合には、記憶された最初の保留領域の大当たり抽選結果を読み出して、読み出された大当たり抽選結果は、副制御基板52へ送信される。また、保留画像消去信号が、副制御基板52へ送信される。
【0040】
副制御基板52は保留画像処理手段530、図柄画像手段540、及び、受信手段570を含み、この保留画像処理手段530は、変化後画像処理手段550を含む。
【0041】
保留画像処理手段530は、副制御基板52へ送信された保留画像表示信号に基づいて、画像抽選処理によって保留画像を選択し、所定の画像信号を画像処理手段300へ送信して、保留画像を画像装置30へ表示させる。更に、操作手段400から操作信号を受信したときには、変化後画像処理手段550を用いて、変化可能な保留画像を変化後画像へ変化させる。また、副制御基板52へ送信された保留画像消去信号に基づいて、画像表示手段300へ所定の信号を送信し、最初の保留領域に対応する保留画像又は変化後画像を画像装置30から消去する。
【0042】
図柄画像処理手段540は、副制御基板52へ送信された大当たり抽選結果に基づいて、所定の画像信号を画像表示手段300へ送信して、抽選結果に応じた変動図柄を画像表示装置30に表示して、画像遊技を行う。(図柄画像処理の詳細な説明は省略する。)
【0043】
(制御処理の説明)
以下に、上述した主制御基板50及び副制御基板52において行われる各種の制御について説明する。以下においては、パチンコ遊技機10は予め起動されており、上述した主制御基板50や副制御基板52においては、制御に用いられる種々の変数の初期化等の起動処理は終えて、パチンコ遊技機10は定常動作しているものとする。
【0044】
以下に示す制御処理によって、入賞球を保留する状態となった場合には、所定の保留画像を画像表示手段300の画像表示装置30に表示し、更に、遊技者が操作ボタン46を押動操作したときには、変化可能な保留画像を変化後画像へ変化させることができる。また、保留画像に「PUSH」等のボタン操作を示唆する情報を含む。逆に、そのような示唆を含まない保留画像であっても、操作ボタン46を押すことによって変化する場合を設定することもでき、遊技者に意外性を与えることができる。また、変化後画像の中には大当たりとなる可能性を示す情報が含まれていることがあり、この大当たりの可能性が高い情報を含む変化後画像は、画像抽選処理で高い当選確率で選ばれるように設定されている。
【0045】
ここで、
図4と
図5は、主制御基板50において実行されるサブルーチンを示し、
図6と
図7は、副制御基板52において実行されるサブルーチンを示す。尚、これらの
図4〜
図7に示すフローチャートは、主制御基板50又は副制御基板52における制御処理を実行するための1つの例を示したにすぎず、この処理手順には限られない。
【0046】
<入賞、保留記憶処理>
図4は、主制御基板50の入賞、保留記憶処理手段510において実行される入賞、保留記憶処理のサブルーチンを示す。この
図4に示したサブルーチンは、主制御基板50で予め実行されているメインプログラム(図示せず)から所定のタイミング毎に呼び出されて繰り返し実行される。本サブルーチンでは、遊技球が始動入賞口32に入賞したときに大当たり抽選処理を行い、図柄変動を開始させるために、大当たり抽選結果が副制御基板52へ送信される。具体的には、主制御基板50の送信手段560から副制御基板52の受信手段570への送受信によって行われるが、以下の説明においては、単に「副制御基板52へ送信される」と記載する。また、入賞時に賞球の払い出しを行う入賞処理を行う。更に、図柄変動中に始動入賞口32に入賞したときに、賞球を保留するための判定や処理を行い、保留を行う場合には、保留画像を表示するための保留記憶処理が行われ、保留画像表示信号が副制御基板52へ送信される。
【0047】
最初に、遊技盤24を移動している遊技球が始動入賞口32に入賞したか否かを判断する(ステップS11)。始動入賞口32には、遊技球が通過したことを検出して検出信号を主制御基板50に発する入賞検出センサ70が設けられており、ステップS11の処理は、この検出信号が主制御基板50に供給されたか否かによって判断する。
【0048】
まず、ステップS11において、始動入賞口S11に入賞していない(NO)と判別されたときには、更に、他の入賞口に入賞しているか否かを判断する(ステップS19)。他の入賞口の遊技球が入賞した(YES)と判別したときには、払い出し処理(ステップS20)によって所定数の賞球の払い出しを行い、他の入賞口に入賞していない(NO)と判別されたときには、そのまま一連の処理を終了する。
【0049】
ステップS11において、遊技球が始動入賞口32に入賞した(YES)と判別したときには、次に、図柄画像が既に変動中であるかを判断する(ステップ12)。ステップ12において、図柄画像が変動していない(NO)と判別したときには、大当たり抽選処理(ステップS13)を行う。大当たり抽選処理は、乱数を発生させることによって抽選を行い、大当たりであるか否かを定める。そして、この大当たり抽選結果は、副制御基板52へ送信される(ステップS14)。フローチャートは示されていないが、副制御基板52の図柄画像処理手段530は、この大当たり抽選結果に基づいて、変動図柄を選択し、画像信号を画像表示手段300に送信して、所定の変動する図柄画像を画像表示装置30に表示させる。そして、大当たり抽選結果が副制御手段52へ送信された後、入賞、保留記憶処理手段510は、払い出し処理(ステップS20)によって所定の数の賞球を払い出して、一連の処理を終了する。
【0050】
一方、ステップS12において図柄画像が既に変動中である(YES)と判別したとき、つまり、図柄変動している間に始動入賞口32に遊技球が入賞したときには、入賞球の保留が可能であるかを否かを判断する(ステップS15)。入賞球を保留できる最大保留可能数をNmax(ここではNmax=4)とすると、既に保留数がNmaxに達している場合には、それ以上保留ができない(NO)と判別され、賞球の払い出し処理(ステップS20)を行って一連の処理を終了する。
【0051】
また、ステップS15において保留が可能(YES)と判別されたときには、ステップS13と同様に、乱数を発生させて大当たり抽選処理を行い(ステップS16)、保留画像表示信号が副制御基板52へ送信される(ステップS17)。後述するように、副制御基板52の保留画像処理部530は、この保留画像表示信号に基づいて、保留画像を画像表示手段300に表示する処理を行う。ここで、この保留画像表示信号には、大当たり抽選処理の結果に関する情報(大当たり又ははずれ)も含まれている。
【0052】
次に、入賞、保留記憶処理手段510は、大当たり抽選結果を空いている保留領域へ記憶する(ステップS18)。具体的には、図柄変動中に遊技球が始動入賞口32に入賞したときに、保留領域1から保留領域NまでのN個の保留領域のうち、昇順に空いている保留領域に大当たり抽選結果を記憶させていく。その後、上記と同様に、賞球の払い出し処理(ステップS20)を行って一連の処理を終了する。
【0053】
<保留消化処理>
図5は、主制御基板50の保留消化処理手段520において実行される保留消化処理のサブルーチンを示す。この
図5に示したサブルーチンも、主制御基板50で予め実行されているメインプログラム(図示せず)から所定のタイミング毎に呼び出されて繰り返し実行される。本サブルーチンでは、既に変動している図柄が停止したときに、最初(N=1)の保留領域の大当たり抽選結果を読み出して、読み出された大当たり抽選結果が副制御基板52へ送信され、次の図柄変動が開始される。また、最初の保留領域に対応する保留画像を消去させる保留画像消去信号が、副制御基板52へ送信され、所定の保留画像又は変化後画像が消去される。
【0054】
最初に、図柄が変動中であるか否かを判断する(ステップS31)。まだ図柄が変動中である(YES)と判別したときには、この処理を終了し、所定のタイミングで再び保留消化サブルーチンを実行する。また、図柄の変動が停止した(NO)と判別したときには、保留が有るか否かを判断する(ステップS32)。保留が無い(NO)と判別するときには、そのまま処理を終了し一連の処理を終了する。
【0055】
ステップS32において、保留有り(YES)と判別するときには、
図4のステップS18において記憶した大当たり抽選結果のうち、最初の保留領域(N=1)の大当たり抽選結果を読み出す(ステップS33)。そして、保留領域を1つずつシフトする(ステップS34)。シフトするとは、具体的には、保留領域1に記憶されていた大当たり抽選結果を消去し、保留領域2に記憶されていた大当たり抽選結果を保留領域1に移動させ、保留領域3以上に大当たり抽選結果が記憶されていれば、同様にして、保留領域Nに記憶されている大当たり抽選結果を、保留流域(N−1)へ移動させる処理を行う。
【0056】
引き続いて、保留画像消去信号が、副制御基板52へ送信される(ステップS35)。後述するが、副制御基板52の保留画像処理手段530は、この保留消去信号に基づいて、最初の保留領域(図柄変動を開始する保留)に対応した保留画像を消去する処理を行う。続いて、ステップS33で読み出された大当たり抽選結果が、副制御基板52へ送信され(ステップS36)、一連の処理を終了する。副制御基板52の図柄画像処理手段540は、この大当たり抽選結果に基づいて、再び、画像表示手段300へ画像信号を送信して、図柄の変動を再開させる。
【0057】
<変化後画像処理>
次に、副制御基板52側の処理を、
図6を用いながら説明する。この
図6に示したサブルーチンは、副制御基板52で予め実行されているメインプログラム(図示せず)から所定のタイミング毎に呼び出されて繰り返し実行される。
図6に示したサブルーチンは、副制御基板52に送信された大当たり抽選結果に基づいて、保留画像を画像表示手段300の画像表示装置30に表示し、操作信号を操作手段400から受信したときに、変化可能な保留画像を変化後画像へ変化させ、副制御基板52に送信された保留画像消去信号に基づいて、保留領域1に対応する左端の保留画像を消去する処理を行う。
【0058】
最初に、保留画像表示信号を受信したか否かを判断する(ステップS51)。このステップS51は、
図4のステップS17に示された保留画像表示信号の送信処理に対応している。受信していない(NO)と判別したときには、保留画像を表示する一連の処理は行わずにステップS60へ進む。
【0059】
受信した(YES)と判別したしたときには、副制御基板52のROMに記憶された保留画像表を読み出す(ステップS52)。この保留画像の1つの実施形態を
図8に示す。この実施形態の保留画像は、表に示されるような様々なハートの画像を含み、変化可能な画像と変化しない画像の2種類に分かれる。また、変化可能な保留画像の一部(画像No.1と2)にはPUSHという文字が表示されており、遊技者に操作ボタン46を押させることを示唆する。また、変化可能な保留画像の一部(画像No.3と4)は、このような示唆はなく、知らずに操作ボタン46を押すと変化後画像に変化するようになっている。また、後述するが、画像表示装置30に表示される保留画像の一例を
図11〜13に示す。
【0060】
次に、乱数を発生させて画像抽選処理を行い、
図8に示す保留画像表の画像の中から1つの保留画像を決定する(ステップS53)。この実施形態では、各保留画像が抽選で選択される当選確率は同じ値に設定されているが、保留画像によって異なる確率を設定することもできる。そして、画像信号を画像表示手段300に送信して、決定した保留画像を画像表示装置30に左詰めで表示させる(ステップS54)。本実施形態においては、
図11に示すように、保存領域1に記憶された保留に対応する保留画像が、画像表示装置30の左端に表示され、その後、保留領域2から4に記憶された保留に対応する保留画像が左から右へ順番に表示されるようになっている。ただし、保留画像の表示の形態は、このような左詰めに限られず、その他様々な形態が考えられる。
【0061】
次に選択した保留画像が変化可能な画像であるか否かの判断を行う(ステップS55)。保留画像が変化しない(NO)と判別したときには、変化後画像の抽選処理等は行わずに、ステップS60へ進む。
【0062】
保留画像が変化可能(YES)と判別したときには、画像抽選処理により変化後画像を選択する。まず、保留画像表示信号に含まれた大当たり抽選処理に関する情報が、大当たりであるか否かを判断する(ステップS56)。大当たり(YES)と判別したときには、副制御手段52のROMに記憶された大当たり用変化後画像表を読み出し(ステップS57)、はずれ(NO)と判別したときには、ROMに記憶されたはずれ用変化後画像表を読み出す(ステップS58)。そして、乱数を発生させて画像抽選処理を行い、大当たり、はずれに応じた変化後画像表から1つの変化後画像を決定する(ステップS59)。
【0063】
ここで、大当たり用変化後画像表の1つの実施形態を
図9に示し、はずれ用変化後画像の1つの実施形態を
図10に示す。どちらの表も、変化後画像の内容は同一であるが、画像抽選処理を行う場合の、各変化後画像の当選確率が異なる値になっている。また、変化後画像の内容は、キャラクタを含む様々な形状の画像を含み、更に、画像No.19からNo.25に示されるように、大当たりする可能性をパーセント表示で遊技者に知らせる情報が含まれている。また、No.26では、大当たり(可能性100%)の情報が含まれている。また、画像表示装置30に表示される変化後画像の例が、
図13に示される。
【0064】
図9の表に示されるように、大当たりの場合には、大当たりの可能性が高い情報を含む変化後画像の、画像抽選処理における当選確率が高く設定されており、それらの画像が表示されやすいようになっている。逆に、
図10の表に示されるように、はずれの場合には、大当たりの可能性が高い情報が含まれる変化後画像の画像抽選処理における当選確率が低く設定されており、それらの画像が表示されにくいようになっている。
【0065】
また、大当たり抽選処理の結果がはずれの場合には、ハート小緑(画像No.3),大当たり確率0%(画像No.19)、大当たり確率95%(画像No.25)、及び、大当たり(画像No.26)の当選確率を0にして、画像表示されない(抽選で選択されない)ように設定されている。以上のようにして、大当たり、はずれの各状況に合わせた画像抽選処理によって、変化後画像が選択されるので、変化後画像の情報の信頼性を高めることができる。
【0066】
次に、操作手段400から操作信号を受信したか否かの判断を行う(ステップS60)。本実施形態では、遊技者がパチンコ遊技機10上に設置された操作ボタン46を押動操作することによって、操作信号が副制御基板52へ送信されるようになっている。操作信号を受信していない(NO)と判別したときには、特別な処理を行わずに、ステップS62へ進む。もし、操作信号を受信した(YES)と判別したときには、画像表示装置30に表示されている変化可能な保留画像のうち、最も左端に近い(保留領域の数Nが小さい)保留画像を、変化後画像へ変化させる変化後画像処理(ステップS61)を行う。この変化後画像処理の詳細については後述する。
【0067】
次に、保留画像消去信号を受信したか否かの判断を行う(ステップS62)。この処理は、
図5に示すステップS35に対応する処理である。もし、保留画像消去信号を受信していない(NO)と判別したときには、一連の処理を終了する。また、保留画像消去信号を受信した(YES)と判別したときには、画像表示装置30に表示された保留画像または変化後画像のうち左端の(画像領域1の)保留画像または変化後画像を消去する。そして、その右側に(保留領域2以上に)保留画像または変化後画像が表示されている場合には、各々の保留画像を1つ左側へ移す(ステップS63)。この処理は、
図5のステップS34に示された大当たり抽選処理結果を保留領域Nから保留領域(N−1)へシフトする処理に対応している。以上の処理を行って、一連の保留画像処理を終了する。
【0068】
<変化後画像処理>
次に、
図7を用いて、上述の
図6のステップS61に示された変化後画像処理のサブルーチンを説明する。最初に、保留領域番号Nに初期値として、1をインプットする(ステップS71)。次に、このNが最大保留可能数Nmax(この実施形態ではNmax=4)に達しているか否かを判断する(ステップS72)。もし、Nmaxに達していない(NO)と判別するときには、保留領域Nの保留画像が変化可能であるか否かを判断する(ステップS73)。もし、変化可能である(YES)と判別するときには、ステップS75の処理へ進む。また、もし、変化しない(NO)と判別するときには、保留領域番号Nに1を加えて(ステップS74)、ステップS72に処理に戻る。同様にして、ステップS72からステップ74の処理を繰り返す。もし、ステップS72で、保留領域番号Nが最大保留可能数Nmaxに達していると判別すれば、一連の処理を終了し、ステップS73で、保留画像領域番号Nの保留画像が変化可能と判別すれば、ステップ75へ進む。そして、保留領域Nの保留画像を消去し(ステップS75)、代わりに画像抽選処理で選択した変化後画像を表示する(ステップS76)。以上に処理によって、変化後画像処理のサブルーチンを終了する。
【0069】
(表示される画像の説明)
次に、
図11〜13を用いて画像表示装置30に表示される保留画像と変化後画像を簡単に説明する。
図11と
図12は、画像表示装置30に表示された画像の例を示し、図の下側には、変動する図柄(3つの数字)が示され、上側は、最大4個までの保留画像または変化後画像が示される。
【0070】
図11では、最大保留可能数である4つの保留がなされており、左端の保存領域1の画像は、変化後画像になっている。この変化後画像は、
図9、10の表に示す画像No.6のイカリを示している。その右側の保存領域2〜4の画像は、全て保留画像である。保留領域2の保留画像は、
図8の表に示される画像No.1または2のハート大PUSHを示し、保存領域3,4の画像は、
図8の表の画像No.3〜8のハートを示す。このようなPUSH等のボタン操作を示唆する情報を含まないハートであっても、変化後画像に変わる可能性がある。また、
図12では、新たな図柄変動が開始されて、
図11の左端の変化後画像が消去されて、右側の3つの保留画像が1つ左側へシフトされたところを示す。
【0071】
図13は、保留画像と変化後画像の例を示す。
図13の上側の変化後画像は、
図9、10の表の画像No.24の大当たり確率80%の画像を示し、下側の変化後画像は、
図9、10の表の画像No.23の確率50%の画像を示している。
【0072】
(その他の実施形態)
本発明に係る弾球遊技機は、上述の実施形態に限られず、その他様々な実施形態が含まれる。