【実施例】
【0042】
[実施例1]大麦押麦入りプレザーブの調製−本発明品1
ガラス製丸底フラスコ(容量2000ml)に、大麦押麦105g、水315gを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径13cm半円形、厚さ2mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。加熱後直ちに、4℃の水463gを添加したところ、穀物同士が緩くブロック状の塊を形成したので、5分間の撹拌を行ったところ、穀物粒は容易に分離し、水中に分散した(約25℃)。
【0043】
この混合物にビートグラニュー糖164g、クエン酸2.5g、グアガム0.7g、キサンタンガム0.3gを添加し、毎分60回転の速度で攪拌を行いながら5分間加熱した。55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、大麦入りプレザーブ(本発明品1)を調製した。
【0044】
[実施例2]大麦押麦入りプレザーブの調製−本発明品2
ガラス製丸底フラスコ(容量2000ml)に、大麦押麦105g、水315gを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径13cm半円形、厚さ2mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。加熱後直ちに、氷水に容器全体を浸すことにより約15分間で4℃に冷却した。
【0045】
この混合物にビートグラニュー糖164g、クエン酸2.5g、グアガム0.7g、キサンタンガム0.3gと水463gが混合された分散液を添加し、毎分60回転の速度で攪拌を行いながら5分間加熱した。55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、大麦入りプレザーブ(本発明品2)を調製した。
【0046】
[実施例3]大麦押麦入りプレザーブの調製−本発明品3
ガラス製丸底フラスコ(容量2000ml)に、大麦押麦105g、水126gを入れ、撹拌を行わずに、80℃、10分間加熱した。加熱後直ちに、4℃に冷却した水647gを添加したところ、穀物同士が緩くブロック状の塊を形成したので、5分間の撹拌を行ったところ、穀物粒は容易に分離し、水中に分散した(約23℃)。
【0047】
この混合物にビートグラニュー糖164g、クエン酸2.5g、グアガム0.7g、キサンタンガム0.3gを添加し、毎分60回転の速度で攪拌を行いながら5分間加熱した。55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、大麦入りプレザーブ(本発明品3)を調製した。
【0048】
[実施例4]鳩麦入りプレザーブの調製−本発明品4
ガラス製丸底フラスコ(容量2000ml)に、鳩麦105g、水315gを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径13cm半円形、厚さ2mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。加熱後直ちに、氷水に容器全体を浸すことにより約15分間で4℃に冷却した。
【0049】
この混合物にビートグラニュー糖164g、クエン酸2.5g、グアガム0.7g、キサンタンガム0.3gと水463gが混合された分散液を添加し、毎分60回転の速度で攪拌を行いながら5分間加熱した。55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを4℃まで冷却し、鳩麦入りプレザーブ(本発明品4)を調製した。
【0050】
[実施例5]黒米入りプレザーブの調製−本発明品5
ガラス製丸底フラスコ(容量2000ml)に、黒米105g、水315gを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径13cm半円形、厚さ2mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。加熱後直ちに、氷水に容器全体を浸すことにより約15分間で4℃に冷却した。
【0051】
この混合物にビートグラニュー糖164g、クエン酸2.5g、グアガム0.7g、キサンタンガム0.3gと水463gが混合された分散液を添加し、毎分60回転の速度で攪拌を行いながら5分間加熱した。55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、黒米入りプレザーブ(本発明品5)を調製した。
【0052】
[実施例6]赤米入りプレザーブの調製−本発明品6
ガラス製丸底フラスコ(容量2000ml)に、赤米105g、水315gを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径13cm半円形、厚さ2mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。加熱後直ちに、氷水に容器全体を浸すことにより約15分間で4℃に冷却した。
【0053】
この混合物にビートグラニュー糖164g、クエン酸2.5g、グアガム0.7g、キサンタンガム0.3gと水463gが混合された分散液を添加し、毎分60回転の速度で攪拌を行いながら5分間加熱した。55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、赤米入りプレザーブ(本発明品6)を調製した。
【0054】
[実施例7]複数種穀物入りミックスフルーツプレザーブの調製−本発明品7
ガラス製丸底フラスコ(容量2000ml)に、大麦12.6g、キビ12.6g、アワ12.6g、ヒエ7.35g、ヒユ7.35g、水75gを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径13cm半円形、厚さ2mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。
【0055】
加熱後直ちに、氷水に容器全体を浸すことにより約15分間で4℃に冷却した。この混合物にビートグラニュー糖14g、クエン酸3gと水100gが混合された分散液を添加し、これに市販のシロップ入りリンゴ缶詰を12mmにダイスカットを行ったもの315g、市販のシロップ入り黄桃缶詰を12mmにダイスカットを行ったもの315g、水64g、ビートグラニュー糖100g、乳酸カルシウム1g、グアガム0.5g、キサンタンガム0.2g、スクラロース0.05gを加え、毎分60回転の速度で攪拌を行いながら5分間加熱した。
【0056】
55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、リンゴ香料5gを添加、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、複数種穀物入りミックスフルーツプレザーブ(本発明品7)を調製した。
【0057】
[実施例8]複数種穀物入りミックスフルーツプレザーブの調製−本発明品8
ステンレス製丸底タンク(容量500l)に、大麦12.6kg、キビ12.6kg、アワ12.6kg、ヒエ7.35kg、ヒユ7.35kg、水75kgを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径40cm半円形、厚さ8mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。
【0058】
加熱後直ちに、氷水に容器全体を浸すことにより約25分間で4℃に冷却した。この混合物にビートグラニュー糖14kg、クエン酸3kgと水100kgが混合された分散液を添加し複数種穀物混合物を調製した。
【0059】
これとは別に、市販のシロップ入りリンゴ缶詰を12mmにダイスカットを行ったもの315kg、市販のシロップ入り黄桃缶詰を12mmにダイスカットを行ったもの315kg、水64kg、ビートグラニュー糖100kg、乳酸カルシウム1kg、グアガム0.5kg、キサンタンガム0.2kg、スクラロース0.05kgを入れたステンレス製丸底タンク(容量2000l)に、上記の複数種穀物混合物を添加し、毎分60回転の速度で攪拌を行いながら5分間加熱した。
【0060】
55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、リンゴ香料5kgを添加、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、複数種穀物入りミックスフルーツプレザーブ(本発明品8)を調製した。
【0061】
[比較例1]大麦入りプレザーブの調製−比較品1
ガラス製丸底フラスコ(容量2000ml)に、大麦押麦105g、水778g、ビートグラニュー糖164g、クエン酸2.5g、グアガム0.7g、キサンタンガム0.3gを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径13cm半円形、厚さ2mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。
【0062】
加熱後直ちに、氷水に容器全体を浸すことにより約15分間で4℃に冷却した後、再び加熱を開始し、55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、大麦入りプレザーブ(比較品1)を調製した。
【0063】
[比較例2]鳩麦入りプレザーブの調製−比較品2
ガラス製丸底フラスコ(容量2000ml)に、鳩麦105g、水778g、ビートグラニュー糖164g、クエン酸2.5g、グアガム0.7g、キサンタンガム0.3gを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径13cm半円形、厚さ2mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。
【0064】
加熱後直ちに、氷水に容器全体を浸すことにより約15分間で4℃に冷却した後、再び加熱を開始し、55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、鳩麦入りプレザーブ(比較品2)を調製した。
【0065】
[比較例3]黒米入りプレザーブの調製−比較品3
ガラス製丸底フラスコ(容量2000ml)に、黒米105g、水778g、ビートグラニュー糖164g、クエン酸2.5g、グアガム0.7g、キサンタンガム0.3gを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径13cm半円形、厚さ2mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。
【0066】
加熱後直ちに、氷水に容器全体を浸すことにより約10分間で4℃に冷却した後、再び加熱を開始し、55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、黒米入りプレザーブ(比較品3)を調製した。
【0067】
[比較例4]赤米入りプレザーブの調製−比較品4
ガラス製丸底フラスコ(容量2000ml)に、赤米105g、水778g、ビートグラニュー糖164g、クエン酸2.5g、グアガム0.7g、キサンタンガム0.3gを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径13cm半円形、厚さ2mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。
【0068】
加熱後直ちに、氷水に容器全体を浸すことにより約15分間で4℃に冷却した後、再び加熱を開始し、55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、赤米入りプレザーブ(比較品4)を調製した。
【0069】
[比較例5]複数種穀物入りミックスフルーツプレザーブの調製−比較品5
ガラス製丸底フラスコ(容量2000ml)に、大麦12.6g、キビ12.6g、アワ12.6g、ヒエ7.35g、ヒユ7.35g、市販のシロップ入りリンゴ缶詰を12mmにダイスカットを行ったもの315g、市販のシロップ入り黄桃缶詰を12mmにダイスカットを行ったもの315g、水239g、ビートグラニュー糖114g、クエン酸3g、乳酸カルシウム1g、グアガム0.5g、キサンタンガム0.2g、スクラロース0.05gを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径13cm半円形、厚さ2mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。
【0070】
加熱後直ちに、氷水に容器全体を浸すことにより約15分間で4℃に冷却した後、再び加熱を開始し、55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、リンゴ香料5gを添加、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、複数種穀物入りミックスフルーツプレザーブ(比較品5)を調製した。
【0071】
[比較例6]複数種穀物入りミックスフルーツプレザーブの調製−比較品6
ステンレス製丸底タンク(容量500リットル)に、大麦12.6kg、キビ12.6kg、アワ12.6kg、ヒエ7.35kg、ヒユ7.35kg、市販のシロップ入りリンゴ缶詰を12mmにダイスカットを行ったもの315kg、市販のシロップ入り黄桃缶詰を12mmにダイスカットを行ったもの315kg、水239kg、ビートグラニュー糖114kg、クエン酸3kg、乳酸カルシウム1kg、グアガム0.5kg、キサンタンガム0.2kg、スクラロース0.05kgを入れ、テフロン(デュポン社、登録商標)翼(直径40cm半円形、厚さ8mm)で毎分60回転の速度で攪拌しながら80℃、5分間の加熱を行った。
【0072】
加熱後直ちに、氷水に容器全体を浸すことにより約25分間で4℃に冷却した後、再び加熱を開始し、55℃達温時に0.02MPaまで減圧し、脱気を行い、常圧に戻した後、リンゴ香料5kgを添加、90〜95℃、10分間加熱殺菌の後、500ml入りガラス瓶に分注して密栓した。これを氷水に入れて約10分間で4℃まで冷却し、複数種穀物入りミックスフルーツプレザーブ(比較品6)を調製した。
【0073】
〔評 価〕
本発明品1〜8、および比較品1〜6について、10名の良く訓練されたパネルにより、外観観察及び官能評価を行った。結果を表1に示す。
【0074】
【表1】
【0075】
本発明品1および3は加熱後、水添加時に緩いブロック状の塊が形成するも撹拌により穀物粒は容易に分離し、水中に分散した。実施例2、4〜8は加熱後、冷却時に穀物粒の結着がなく、良好に分離していた。
【0076】
また、官能評価の結果、10名全員が本発明品1〜6のプレザーブは、穀物粒の一つ一つが、ぷりぷりとした、好ましい新食感を有し、満足感があると評価した。
【0077】
さらに、異なる穀物粒および果実を含有する本発明品7および8のプレザーブは、穀物粒の一つ一つが、弾力のある、好ましい新食感を有し、異なる穀物の複雑な香味がリンゴと桜桃の食感との対比が好ましく、満足感があると評価した。
【0078】
一方、比較品1〜6はα化が不十分で膨潤不足から、55℃脱気工程後に撹拌しても穀物が沈殿していた。また、官能評価でも、比較品1は大麦粒の中心部に硬さが残り、固く、違和感のある食感であった。比較品2は全体的に固く、食用に供する状態ではなかった。また、比較品3および4は生米の固い食感であり、食用に供する状態ではなかった。さらに比較品5および6は穀物粒の中心部に硬さが残り、固く、違和感のある食感であった。
【0079】
以上の結果より、大麦、鳩麦、黒米、赤米、黍(キビ)、粟(アワ)、稗(ヒエ)、ヒユなどを原料に本発明の方法により調製されたプレザーブは、穀物粒の一つ一つが、ぷりぷりとした、好ましい新食感を有し、満足感があり、十分なα化が行えるとともに作業的にも十分、工業的製法として使用しうるものであることが確認された。
【0080】
さらに、本発明品1〜8のプレザーブを4℃にて1ヶ月間保存し、外観観察、官能評価を行ったが、いずれも外観の変化なく、官能評価においても製造直後と遜色のない良好な食感が維持されていることが確認された。このような優れた物性と食感を有する穀物加工品はこれまでなく、本願発明の穀物加工品は新たな付加価値が付与されたプレザーブであることが確認された。
【0081】
結論として、本願発明の穀物加工品は、好ましい新食感と長期間安定な優れた物性と食感を生かして、種々の加工食品に対して広く応用が可能であり、嗜好性と健康志向を兼ね備えた極めて良好な食品素材を提供することができることが確認された。
【0082】
[実施例9]
本発明品1および比較品1の大麦プレザーブ、本発明品4および比較品2の4品についてそのテクスチャーを測定した。
【0083】
[測定方法]
レオメータ(山電社製:RHEONERII RE2−33005S)を用い、表2に示す条件にてテクスチャーを測定した。測定結果を
図1に示す。
【0084】
【表2】
【0085】
図1に示したように、本発明品1の大麦プレザーブは最大荷重2100g(歪率95%時)であるのに対し、比較品1は最大荷重3300g(歪率95%時)であり、かつ、α化が不足しているために固く、本発明品1に比べ最大荷重も大きかった。
【0086】
一方、本発明品4のハト麦プレザーブは最大荷重8300g(歪率85%時)であるのに対し、比較品2は最大荷重14400g(歪率85%時)であり、かつ、α化が不足しているために非常に固く、本発明品4に比べ最大荷重もかなり大きかった。
【0087】
なお、穀物プレザーブにおいて、つぶつぶ感、ぷりぷり感などの好ましい食感を与える最大荷重の範囲は、穀物の種類により異なるので、固すぎず、柔らかすぎず、好ましい範囲とすればよい。
【0088】
[実施例10] 穀物プレザーブ入りヨーグルト
市販のプレーンヨーグルト70部に本発明品1〜3、比較品1の大麦入りプレザーブをそれぞれ30部配合し、専門パネラー10名による官能評価を行った。
【0089】
その結果を表3に示した。
【0090】
【表3】
【0091】
表3から明らかなように、専門パネラー10名全員が、本発明品1〜3の大麦押麦入りプレザーブを配合したヨーグルトは、穀物粒の一つ一つがぷりぷりとした好ましい新食感があり、ヨーグルト中で独特の存在感を感じさせ、滑らかなヨーグルトとの相性も良く、ヨーグルトの嗜好性を向上させていると評価した。また、比較品1の大麦押麦プレザーブを配合したヨーグルトは穀物粒の中心に硬さが残るか、全体的に固く、食用に供するには不十分であると評価した。
【0092】
[実施例11] 穀物プレザーブ入りココナッツミルクプリン
水180mlに粉ゼラチン20gを入れ、膨潤させ、電子レンジで500W、20秒加熱し、溶解させゼラチン溶液を調製した。次に鍋に市販ココナッツミルク600mlおよび牛乳400mlを入れ良く撹拌した後、上白糖150gを加え、溶解し、加熱し、沸騰直前で加熱を止め、ゼラチン溶液を加え、混合溶解した(ココナッツプリン基材)。
【0093】
得られたココナッツプリン基材をステンレス製ボウルに移し、回りを氷水で冷やしながら、撹拌したもの250mlを360ml入りガラス容器に充填した。
【0094】
充填直後のまだ、緩い状態で本発明品1および4、比較品1および2のプレザーブを60g添加混合し、冷蔵庫にて冷却し、穀物プレザーブ入りココナッツミルクプリンを調製した。
【0095】
得られた穀物プレザーブ入りココナッツミルクプリンに対して専門パネラー10名による官能評価を行った。その結果を表4に示した。
【0096】
【表4】
【0097】
表4の結果から明らかなように、本発明品1および4の大麦押麦プレザーブを混合したココナッツミルクプリンは大麦押麦のぷりぷりとした、好ましい新食感および香味がココナッツプリンの口当たりとの相性が良く、満足感を与えたとの評価であった。
【0098】
一方、比較品1は、大麦押麦粒の中心部に硬さが残り、違和感のある食感であり、比較品2は全体的に固く、食用に供する状態ではなかった。
【0099】
[実施例12] 穀物プレザーブ混合アイスクリーム
市販アイスクリーム200gに対して、本発明品2、5、6、比較品1、3、4のプレザーブを25g加え、市販メープルシロップ10gを掛け、専門パネラー10名による官能評価を行った。その結果を表5に示した。
【0100】
【表5】
【0101】
表5の結果から明らかなように、本発明品2のプレザーブを混合したバニラアイスクリームは、大麦押麦粒のぷりぷりとした、好ましい新食感がバニラアイスとの相性も良く、大麦押麦のプレーンな香味にメープルシロップの風味が加わり、単調なバニラアイスに複雑さを与え、満足感が得られたとの評価であった。
【0102】
また、本発明品5のプレザーブを混合したバニラアイスクリームは、黒米粒のぷりぷりとした、好ましい新食感はバニラアイスとの相性も良く、黒米の力強い香味にメープルシロップの風味が加わり、単調なバニラアイスに複雑さを与え、満足感が得られたとの評価であった。
【0103】
また、本発明品6のプレザーブを混合したバニラアイスクリームは、赤米粒のぷりぷりとした、好ましい新食感はバニラアイスとの相性も良く、赤米の野性的な香味にメープルシロップの風味が加わり、単調なバニラアイスに複雑さを与え、満足感が得られたとの評価であった。
【0104】
一方、比較品1のプレザーブを混合したバニラアイスクリームは、黒米の固い食感が残り、食用に供する状態ではなく、比較品3のプレザーブを混合したバニラアイスクリームは、赤米の固い食感が残り、食用に供する状態ではなく、比較品4のプレザーブを混合したバニラアイスクリームは、穀物粒の中心部に硬さが残り、固く、違和感のある食感で食用に供する状態ではなかったとの評価であった。