特許第5904747号(P5904747)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5904747
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】物品吊下げ具
(51)【国際特許分類】
   A47F 5/00 20060101AFI20160407BHJP
【FI】
   A47F5/00 Z
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-226394(P2011-226394)
(22)【出願日】2011年10月14日
(65)【公開番号】特開2013-85587(P2013-85587A)
(43)【公開日】2013年5月13日
【審査請求日】2014年10月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】吉田 誠
(72)【発明者】
【氏名】小川 和秀
【審査官】 佐々木 一浩
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−092306(JP,A)
【文献】 特開2006−340792(JP,A)
【文献】 実公昭50−017349(JP,Y1)
【文献】 実開昭58−068165(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊下げ具本体を有し、
この吊下げ具本体に、
この吊下げ具本体を吊下げ用フックに吊り下げ可能とする吊下げ用開口窓と、
取付け用貫通孔を形成しているとともに被吊下げ物品を収容した収納容器を取り付け可能な物品取付け部と、を形成した物品吊下げ具であって、
前記吊下げ具本体は、
ICチップおよびRFIDアンテナを有して、前記被吊下げ物品に関する情報について無線によるデータ通信が可能なRFIDインレイを、前記吊下げ具本体の面から立体的に起立した状態で取り付け可能なインレイ取付け部を有し、
前記物品取付け部は、
前記吊下げ具本体の下方部に位置しているとともに、前記収納容器の前記取付け用貫通孔に係合する係合ピンと、
この係合ピンとの間に前記収納容器を挟持して固定可能なロック部材と、を備え
前記ロック部材は、
ロック片ヒンジ部において前記吊下げ具本体に対して回動可能であり、前記吊下げ具本体の表面から起立して前記係合ピンに係合可能としたロック片であり、
第1のブロックヒンジ部において前記吊下げ具本体に対して回動し、前記係合ピンとは異なる部位に設けた補助係合ピンに係合可能としているとともに、第2のブロックヒンジ部において前記吊下げ具本体に対して回動して前記係合ピンに係合可能なロックブロックであることを特徴とする物品吊下げ具。
【請求項2】
前記インレイ取付け部は、
前記吊下げ具本体の面から立体的に起立していることを特徴とする請求項1記載の物品吊下げ具。
【請求項3】
前記インレイ取付け部は、
前記吊下げ具本体の面と交差している他の面であることを特徴とする請求項1記載の物品吊下げ具。
【請求項4】
前記ロックブロックは、
前記吊下げ具本体に対して前記第1のブロックヒンジ部において回動可能な第1のブロック部と、
この第1のブロック部に対して前記第2のブロックヒンジ部において回動し、前記係合ピンに係合可能な第2のブロック部と、を有することを特徴とする請求項1記載の物品吊下げ具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は物品吊下げ具にかかるもので、とくにRFID(Radio Frequency Identification;無線自動認識)インレイを備えて商品その他各種物品の陳列販売や管理に利用可能な物品吊下げ具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ICチップおよびRFIDアンテナを有して無線によりデータの書込みおよび読取りを行うことができるRFIDタグやRFIDラベルを各種物品に取り付け、これら物品ついての各種データの読み書きを行って、必要なデータ管理など諸々の分野に利用している。
【0003】
たとえば、小売店などにおいて、商品を容れた商品パッケージ(収納容器)を吊下げ用フックなどに吊り下げて陳列販売することが行われている。
図9は、従来からの商品パッケージ1の正面図であって、商品パッケージ1は、その上部に円形状の取付け用貫通孔2を形成しているとともに商品M(被吊下げ物品)を収納し、さらにRFIDインレイ3を商品パッケージ1にラベルあるいはタグの形態として取り付けている。
【0004】
RFIDインレイ3は、ICチップ4およびRFIDアンテナ5と、を有する。
RFIDインレイ3は、たとえばUHF帯(300MHz〜3GHz(好ましくは860〜960MHz、さらに具体的には、433MHz、900MHz、915〜930MHz、950〜956MHz)やマイクロ波(1〜30GHz、具体的には2.45GHz)、HF帯(3MHz〜30MHz(好ましくは13.56MHz))あるいは135kHz以下など、その他、所定の周波数帯の電波および電磁的作用などにより、RFIDアンテナ5を介してICチップ4に必要なデータの無線による読み取りおよび書き込み(データ通信)を行う。
ただし、それぞれの使用電波に応じてICチップ4およびRFIDアンテナ5の具体的構成を適正なものとしている。
【0005】
図10は、商品パッケージ1の陳列状態を示す側面図であって、陳列棚6から突出させた吊下げ用フック7(ストレートフック)に取付け用貫通孔2を通して、複数個の商品パッケージ1を陳列し、小売店における販売管理や在庫管理に利用している。
【0006】
しかしながら、RFIDインレイ3を商品パッケージ1に直接取り付け(あるいは貼り付け)ていることから、RFIDインレイ3の取付け部位や姿勢が商品パッケージ1(商品M)ごとにばらつくために、とくにRFIDインレイ3のデータを読み取って在庫管理などを行う場合に、在庫管理用のリーダーライター(図示せず)のリーダーライターアンテナ8とRFIDインレイ3との相対姿勢が互いにほぼ直交しているためRFIDインレイ3との間のデータ読取り精度が低下すること、したがって、複数個の商品パッケージ1のデータを一括して読み取りしにくいこと、という問題がある。
また、商品パッケージ1内部の商品Mが金属製の場合には、RFIDインレイ3が近接している金属の影響を受けて無線データ読取りの精度が低下するという問題がある。
なおまた、商品パッケージ1の大きさや形状さらには重量などによっては、これを安定して確実に吊り下げることが要請される場合がある。
【0007】
さらに、購買者が吊下げ用フック7の奥側の商品Mを取り出したいときには、手前にある商品Mを一度取り外す必要があり、不便であるという問題がある。
もちろん、図9に仮想線で示すように、取付け用貫通孔2自体を外縁部に連通する連続孔2Aとすれば、上記問題は解消されるが、一般的に販売用として利用されているすべての商品パッケージ1が連続孔2Aの形態を採用しているわけではなく、小売店としての対応を迫られているのが実情である。
また、商品パッケージ1が薄いものである場合には、吊下げ用フック7上で複数の商品パッケージ1が密に重なって商品Mを確認しにくくなるほか、RFIDインレイ3どうしが重なるとデータ通信ができなくなるという問題がある。
【0008】
上述のような諸問題は、小売店などにおける商品の陳列販売に限らず、医療機関において各種の医療機器あるいは機材や薬品の保管管理にも同様のシステムを採用する場合はもちろん、その他の分野における物品の陳列、保管管理についても、同様の諸問題が発生する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平3−865号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は以上のような諸問題にかんがみなされたもので、吊下げ用フックと商品など物品の収納容器との間に介在させて物品を吊り下げておくことができる物品吊下げ具を提供することを課題とする。
【0011】
また本発明は、吊下げ用フックに吊り下げられている物品の順序にかかわらず着脱自在とした物品吊下げ具を提供することを課題とする。
【0012】
また本発明は、RFIDインレイの姿勢を均等に統一可能で、その読取り操作を確実にするとともにその精度も向上可能な物品吊下げ具を提供することを課題とする。
【0013】
また本発明は、在庫管理などにおいて一括読取り操作を可能とした物品吊下げ具を提供することを課題とする。
【0014】
また本発明は、複数個の商品その他の物品が重なり合っている場合であっても、それぞれの収納容器の間に所定の間隔を確保可能な物品吊下げ具を提供することを課題とする。
【0015】
また本発明は、収納容器内部の商品などの物品の特性(たとえば材料が金属など)に影響されずにデータ読取り操作を可能とした物品吊下げ具を提供することを課題とする。
【0016】
また本発明は、収納容器ないし被吊下げ物品の大きさや形状さらには重量などに応じて、これを安定して確実に吊り下げることができる物品吊下げ具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
すなわち本発明は、インレイ取付け部によりRFIDインレイを吊下げ具本体の面から立体的に起立した状態で取り付けること、収納容器の取付け用貫通孔に係合する係合ピンを設けて収納容器を固定可能とすることに着目したもので、吊下げ具本体を有し、この吊下げ具本体に、この吊下げ具本体を吊下げ用フックに吊り下げ可能とする吊下げ用開口窓と、取付け用貫通孔を形成しているとともに被吊下げ物品を収容した収納容器を取り付け可能な物品取付け部と、を形成した物品吊下げ具であって、上記吊下げ具本体は、ICチップおよびRFIDアンテナを有して、上記被吊下げ物品に関する情報について無線によるデータ通信が可能なRFIDインレイを、上記吊下げ具本体の面から立体的に起立した状態で取り付け可能なインレイ取付け部を有し、上記物品取付け部は、上記吊下げ具本体の下方部に位置しているとともに、上記収納容器の上記取付け用貫通孔に係合する係合ピンと、この係合ピンとの間に上記収納容器を挟持して固定可能なロック部材と、を備えていることを特徴とする物品吊下げ具である。
上記インレイ取付け部は、上記吊下げ具本体の面から立体的に起立していることができる。
上記インレイ取付け部は、上記吊下げ具本体の面と交差している他の面であることができる。
上記ロック部材は、ロック片ヒンジ部において上記吊下げ具本体に対して回動可能であり、上記吊下げ具本体の表面から起立して上記係合ピンに係合可能としたロック片であることができる。
上記ロック部材は、第1のブロックヒンジ部において上記吊下げ具本体に対して回動し、上記係合ピンとは異なる部位に設けた補助係合ピンに係合可能としているとともに、第2のブロックヒンジ部において上記吊下げ具本体に対して回動して上記係合ピンに係合可能なロックブロックであることができる。
上記ロックブロックは、上記吊下げ具本体に対して上記第1のブロックヒンジ部において回動可能な第1のブロック部と、この第1のブロック部に対して上記第2のブロックヒンジ部において回動し、上記係合ピンに係合可能な第2のブロック部と、を有することができる。
上記吊下げ用開口窓は、上記吊下げ具本体の縁部からその幅方向中心部に至る縁部開口窓と、この縁部開口窓に連続しているとともに上記吊り下げ用フックに引っ掛け可能な中心開口窓と、を有することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明による物品吊下げ具においては、被吊下げ物品に関する情報について無線によるデータ通信が可能なRFIDインレイを、インレイ取付け部により吊下げ具本体の面から立体的に起立させるように構成するとともに、物品取付け部には、収納容器の取付け用貫通孔に係合する係合ピンと、この係合ピンとの間に収納容器を挟持して固定可能なロック部材と、を設けたので、RFIDインレイを一定方向に並列可能であり、RFIDインレイとの間のデータ通信の効率化および精度向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の第1の実施例による物品吊下げ具10の説明図であって、図1(1)は、その平面図、図1(2)は、その正面図、図1(3)は、その右側面図である。
図2】同、物品吊下げ具10の斜視図である。
図3】同、ロック片17と係合ピン16とが係合して商品パッケージ1を固定している状態を示す斜視図である。
図4】同、複数個の商品パッケージ1を複数個の物品吊下げ具10により陳列棚6の吊下げ用フック7にそれぞれ吊り下げた状態の側面図である。
図5】同、本発明の第2の実施例による物品吊下げ具30の説明図であって、図5(1)は、その平面図、図5(2)は、その正面図である。
図6】同、物品吊下げ具30の斜視図である。
図7】同、第1のブロック部35の補助係合孔41を補助係合ピン40に嵌め込んで第1のブロック部35を吊下げ具本体31に固定した状態の斜視図である。
図8】同、第2のブロック部36のブロック係合孔39を係合ピン16に嵌め込んで、第2のブロック部36を吊下げ具本体31に固定した状態の斜視図である。
図9】従来からの商品パッケージ1の正面図である。
図10】同、商品パッケージ1の陳列状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、吊下げ具本体からRFIDインレイを立体的に位置させることが可能なインレイ取付け部と、物品の収納容器を固定可能な物品取付け部と、を設けたので、各RFIDインレイの姿勢ないし取付け方向を均等に統一可能で、データ通信の精度を向上可能な物品吊下げ具を実現した。
【実施例】
【0021】
つぎに本発明の第1の実施例による物品吊下げ具10を図1ないし図4にもとづき説明する。ただし、図9および図10と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図1は、物品吊下げ具10の説明図であって、図1(1)は、その平面図、図1(2)は、その正面図、図1(3)は、その右側面図、図2は、物品吊下げ具10の斜視図である。
物品吊下げ具10は、吊下げ具本体11を有し、図1(2)の上方部から順に、吊下げ具本体11の上方部におけるインレイ取付け部12と、フック引掛け部13と、物品取付け部14と、を有する。
【0022】
吊下げ具本体11は、合成樹脂ないしは合成ゴムなど任意の弾力性および剛性を有する材料から射出成形加工などにより、図示のような外形にこれを形成している。
吊下げ具本体11を任意の弾力性および剛性を有する材料から一体形成することにより、商品パッケージ1の大きさや形状、重量などに応じて所定の強度および剛性さらには吊下げ安定性を確保可能である。
【0023】
インレイ取付け部12は、とくに図1(3)に示すように、吊下げ具本体11の上方部の面から立体的に起立した断面ほぼ台形状の部分であり、その上端面12Aに前記RFIDインレイ3を、吊下げ具本体11の面から立体的に起立した状態で取り付け可能としている。
なお、上記RFIDインレイ3は、前述のように、ICチップ4およびRFIDアンテナ5を有して、商品M(被吊下げ物品)に関する情報について無線によるデータ通信が可能である。
【0024】
フック引掛け部13は、吊下げ具本体11を前記吊下げ用フック7に吊り下げ可能とする吊下げ用開口窓15を形成してある。
吊下げ用開口窓15は、吊下げ具本体11の縁部から斜め方向に向かってその幅方向中心部に至る縁部開口窓15Aと、この縁部開口窓15Aに連続しているとともに吊下げ具本体11の中心部に位置して吊り下げ用フック7に引っ掛け可能な中心開口窓15Bと、からこれを形成している。
【0025】
物品取付け部14は、前記被吊下げ物品(商品M)を収容した収納容器(商品パッケージ1)を取り付け可能であって、係合ピン16と、ロック部材(ロック片17)と、を有する。
【0026】
係合ピン16は、吊下げ具本体11の下方部に位置して吊下げ具本体11の表面に直立しているとともに、商品パッケージ1の取付け用貫通孔2に係合可能である。
【0027】
ロック片17は、その先端部側にロック片係合孔18を形成してあり、吊下げ具本体11の表面からロック片ヒンジ部19を軸として起立してロック片係合孔18と係合ピン16との係合を可能とし、係合ピン16の部分において吊下げ具本体11との間に商品パッケージ1を挟持して固定可能である。
【0028】
こうした構成の物品吊下げ具10の使用方法について、図3および図4にもとづき説明する。
図3は、ロック片17と係合ピン16とが係合して商品パッケージ1を固定している状態を示す斜視図、図4は、複数個の商品パッケージ1を複数個の物品吊下げ具10により陳列棚6の吊下げ用フック7にそれぞれ吊り下げた状態の側面図であって、吊下げ用フック7上に商品パッケージ1を整然と整列した状態で、しかもそれぞれの商品パッケージ1の間に所定の間隔をあけた状態での陳列が可能である。
したがって、商品パッケージ1ないし商品Mの確認が容易であるとともに、在庫管理などにおいて、陳列棚6の屋根部20に取り付けているリーダーライター(図示せず)の前記リーダーライターアンテナ8に対してRFIDインレイ3をほぼ平行に位置させることができて、リーダーライターアンテナ8との間で精度よくデータ通信が可能となる。
【0029】
また、フック引掛け部13には、吊下げ具本体11の縁部から中心部に至る開放状の吊下げ用開口窓15(縁部開口窓15A、中心開口窓15B)が形成されているので、吊下げ用フック7におけるどの商品パッケージ1も任意に取り出しが可能である。
さらに、商品Mの販売後には、当該物品吊下げ具10を再利用することができる。
【0030】
本発明におけるインレイ取付け部および物品取付け部には、それぞれ任意の構成が可能である。
たとえば図5は、本発明の第2の実施例による物品吊下げ具30の説明図であって、図5(1)は、物品吊下げ具30の平面図、図5(2)は、その正面図、図6は、物品吊下げ具30の斜視図である。
物品吊下げ具30は、吊下げ具本体31を有し、図5(2)の上方部から順に、吊下げ具本体31の上方部におけるインレイ取付け部32と、前記フック引掛け部13と、物品取付け部33と、を有する。
【0031】
吊下げ具本体31は、合成樹脂ないしは合成ゴムなど任意の弾力性および剛性を有する材料から射出成形加工などにより、図示のような外形にこれを形成している。
吊下げ具本体31が、前述した物品吊下げ具30(第1の実施例、図1)の吊下げ具本体11と異なる構成は、全体の厚さを確保して、商品パッケージ1を固定した状態(図8、後述)では、吊下げ具本体31全体として、たとえば直方体形状としている点である。
吊下げ具本体31を直方体形状とすることにより、商品パッケージ1の大きさや形状、重量などに応じて所定の強度および剛性さらには吊下げ安定性を確保可能である。
【0032】
インレイ取付け部32は、とくに図5(1)に示すように、吊下げ具本体31の面(正面31A)と交差している他の面(上端面31B)としてこれを構成している。
すなわち、このインレイ取付け部32(上端面31B)に、前記RFIDインレイ3を、吊下げ具本体31の面(正面31A)から立体的に(図示の例では直交するように)位置する状態に取り付け可能としている。
【0033】
フック引掛け部13には、前記物品吊下げ具30(第1の実施例、図1)と同様に、吊下げ具本体31を前記吊下げ用フック7に吊り下げ可能とする前記吊下げ用開口窓15(縁部開口窓15A、中心開口窓15B)を形成してある。
【0034】
物品取付け部33は、前記被吊下げ物品(商品M)を収容した収納容器(商品パッケージ1)を取り付け可能であり、前記係合ピン16と、ロック部材(ロックブロック34)と、を有する。
【0035】
ロックブロック34は、第1のブロック部35と、第2のブロック部36と、を有する。
第1のブロック部35は、吊下げ具本体31との間に形成した第1のブロックヒンジ部37において吊下げ具本体31に対して、第2のブロック部36と一体に回動可能である。
第2のブロック部36は、第1のブロック部35との間に形成した第2のブロックヒンジ部38において第1のブロック部35に対して回動可能であって、係合ピン16に係合可能なブロック係合孔39を形成している。
ただし、吊下げ具本体31には、係合ピン16とは異なる部位に一対の補助係合ピン40を設けてあり、第1のブロック部35には、第1のブロックヒンジ部37において吊下げ具本体31に対して回動した際に、この一対の補助係合ピン40にそれぞれ係合可能な一対の補助係合孔41を形成している。
【0036】
物品吊下げ具30を上述のように構成することにより、射出成形工程において、物品吊下げ具30を型抜きすることができる。
【0037】
こうした構成の物品吊下げ具30の使用方法について、図7および図8にもとづき説明する。
図7は、第1のブロック部35の補助係合孔41を補助係合ピン40に嵌め込んで第1のブロック部35を吊下げ具本体31に固定した状態の斜視図、図8は、第2のブロック部36のブロック係合孔39を係合ピン16に嵌め込んで、第2のブロック部36を吊下げ具本体31に固定した状態の斜視図である。
【0038】
図7に示すように、第1のブロックヒンジ部37を軸として第1のブロック部35および第2のブロック部36を吊下げ具本体31方向に回動させて、補助係合ピン40と補助係合孔41とを係合させることにより、第1のブロック部35を吊下げ具本体31に対して固定し、第2のブロック部36を吊下げ具本体31に対して回動可能な態勢とすることができる。
【0039】
図8に示すように、第2のブロックヒンジ部38を軸として第2のブロック部36を吊下げ具本体31方向に回動させ、商品パッケージ1の取付け用貫通孔2にあらかじめ挿通させた状態の係合ピン16とブロック係合孔39とを係合させることにより、第2のブロック部36と吊下げ具本体31との間に商品パッケージ1を固定することができる。
【0040】
かくして図4に示した状態と同様に、複数個の商品パッケージ1を複数個の物品吊下げ具30により陳列棚6の吊下げ用フック7にそれぞれ一定方向に並列した状態で吊り下げることができ、吊下げ用フック7上に商品パッケージ1を整然と整列した状態で、しかもそれぞれの商品パッケージ1の間に所定の間隔をあけた状態での陳列が可能である。
したがって、それぞれの物品吊下げ具30上におけるRFIDインレイ3とのデータ通信を確実かつ安定して行うことができる。
【符号の説明】
【0041】
1 商品パッケージ(収納容器、図4図9
2 取付け用貫通孔
2A 連続孔(図9
3 RFIDインレイ
4 ICチップ
5 RFIDアンテナ
6 陳列棚
7 吊下げ用フック
8 リーダーライターアンテナ(図10
10 物品吊下げ具(第1の実施例、図1
11 吊下げ具本体
12 インレイ取付け部
12A インレイ取付け部12の上端面
13 フック引掛け部
14 物品取付け部
15 吊下げ用開口窓
15A 吊下げ用開口窓15の縁部開口窓
15B 吊下げ用開口窓15の中心開口窓
16 係合ピン
17 ロック片(ロック部材)
18 ロック片係合孔
19 ロック片ヒンジ部
20 吊下げ用フック7の屋根部
30 物品吊下げ具(第2の実施例、図5
31 吊下げ具本体
31A 吊下げ具本体31の正面
31B 吊下げ具本体31の上端面
32 インレイ取付け部(吊下げ具本体31の上端面31B)
33 物品取付け部
34 ロックブロック(ロック部材)
35 ロックブロック34の第1のブロック部
36 ロックブロック34の第2のブロック部
37 第1のブロック部35の第1のブロックヒンジ部
38 第2のブロック部36の第2のブロックヒンジ部
39 ブロック係合孔
40 一対の補助係合ピン
41 一対の補助係合孔
M 商品(被吊下げ物品)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10