【実施例】
【0021】
つぎに本発明の第1の実施例による物品吊下げ具10を
図1ないし
図4にもとづき説明する。ただし、
図9および
図10と同様の部分には同一符号を付し、その詳述はこれを省略する。
図1は、物品吊下げ具10の説明図であって、
図1(1)は、その平面図、
図1(2)は、その正面図、
図1(3)は、その右側面図、
図2は、物品吊下げ具10の斜視図である。
物品吊下げ具10は、吊下げ具本体11を有し、
図1(2)の上方部から順に、吊下げ具本体11の上方部におけるインレイ取付け部12と、フック引掛け部13と、物品取付け部14と、を有する。
【0022】
吊下げ具本体11は、合成樹脂ないしは合成ゴムなど任意の弾力性および剛性を有する材料から射出成形加工などにより、図示のような外形にこれを形成している。
吊下げ具本体11を任意の弾力性および剛性を有する材料から一体形成することにより、商品パッケージ1の大きさや形状、重量などに応じて所定の強度および剛性さらには吊下げ安定性を確保可能である。
【0023】
インレイ取付け部12は、とくに
図1(3)に示すように、吊下げ具本体11の上方部の面から立体的に起立した断面ほぼ台形状の部分であり、その上端面12Aに前記RFIDインレイ3を、吊下げ具本体11の面から立体的に起立した状態で取り付け可能としている。
なお、上記RFIDインレイ3は、前述のように、ICチップ4およびRFIDアンテナ5を有して、商品M(被吊下げ物品)に関する情報について無線によるデータ通信が可能である。
【0024】
フック引掛け部13は、吊下げ具本体11を前記吊下げ用フック7に吊り下げ可能とする吊下げ用開口窓15を形成してある。
吊下げ用開口窓15は、吊下げ具本体11の縁部から斜め方向に向かってその幅方向中心部に至る縁部開口窓15Aと、この縁部開口窓15Aに連続しているとともに吊下げ具本体11の中心部に位置して吊り下げ用フック7に引っ掛け可能な中心開口窓15Bと、からこれを形成している。
【0025】
物品取付け部14は、前記被吊下げ物品(商品M)を収容した収納容器(商品パッケージ1)を取り付け可能であって、係合ピン16と、ロック部材(ロック片17)と、を有する。
【0026】
係合ピン16は、吊下げ具本体11の下方部に位置して吊下げ具本体11の表面に直立しているとともに、商品パッケージ1の取付け用貫通孔2に係合可能である。
【0027】
ロック片17は、その先端部側にロック片係合孔18を形成してあり、吊下げ具本体11の表面からロック片ヒンジ部19を軸として起立してロック片係合孔18と係合ピン16との係合を可能とし、係合ピン16の部分において吊下げ具本体11との間に商品パッケージ1を挟持して固定可能である。
【0028】
こうした構成の物品吊下げ具10の使用方法について、
図3および
図4にもとづき説明する。
図3は、ロック片17と係合ピン16とが係合して商品パッケージ1を固定している状態を示す斜視図、
図4は、複数個の商品パッケージ1を複数個の物品吊下げ具10により陳列棚6の吊下げ用フック7にそれぞれ吊り下げた状態の側面図であって、吊下げ用フック7上に商品パッケージ1を整然と整列した状態で、しかもそれぞれの商品パッケージ1の間に所定の間隔をあけた状態での陳列が可能である。
したがって、商品パッケージ1ないし商品Mの確認が容易であるとともに、在庫管理などにおいて、陳列棚6の屋根部20に取り付けているリーダーライター(図示せず)の前記リーダーライターアンテナ8に対してRFIDインレイ3をほぼ平行に位置させることができて、リーダーライターアンテナ8との間で精度よくデータ通信が可能となる。
【0029】
また、フック引掛け部13には、吊下げ具本体11の縁部から中心部に至る開放状の吊下げ用開口窓15(縁部開口窓15A、中心開口窓15B)が形成されているので、吊下げ用フック7におけるどの商品パッケージ1も任意に取り出しが可能である。
さらに、商品Mの販売後には、当該物品吊下げ具10を再利用することができる。
【0030】
本発明におけるインレイ取付け部および物品取付け部には、それぞれ任意の構成が可能である。
たとえば
図5は、本発明の第2の実施例による物品吊下げ具30の説明図であって、
図5(1)は、物品吊下げ具30の平面図、
図5(2)は、その正面図、
図6は、物品吊下げ具30の斜視図である。
物品吊下げ具30は、吊下げ具本体31を有し、
図5(2)の上方部から順に、吊下げ具本体31の上方部におけるインレイ取付け部32と、前記フック引掛け部13と、物品取付け部33と、を有する。
【0031】
吊下げ具本体31は、合成樹脂ないしは合成ゴムなど任意の弾力性および剛性を有する材料から射出成形加工などにより、図示のような外形にこれを形成している。
吊下げ具本体31が、前述した物品吊下げ具30(第1の実施例、
図1)の吊下げ具本体11と異なる構成は、全体の厚さを確保して、商品パッケージ1を固定した状態(
図8、後述)では、吊下げ具本体31全体として、たとえば直方体形状としている点である。
吊下げ具本体31を直方体形状とすることにより、商品パッケージ1の大きさや形状、重量などに応じて所定の強度および剛性さらには吊下げ安定性を確保可能である。
【0032】
インレイ取付け部32は、とくに
図5(1)に示すように、吊下げ具本体31の面(正面31A)と交差している他の面(上端面31B)としてこれを構成している。
すなわち、このインレイ取付け部32(上端面31B)に、前記RFIDインレイ3を、吊下げ具本体31の面(正面31A)から立体的に(図示の例では直交するように)位置する状態に取り付け可能としている。
【0033】
フック引掛け部13には、前記物品吊下げ具30(第1の実施例、
図1)と同様に、吊下げ具本体31を前記吊下げ用フック7に吊り下げ可能とする前記吊下げ用開口窓15(縁部開口窓15A、中心開口窓15B)を形成してある。
【0034】
物品取付け部33は、前記被吊下げ物品(商品M)を収容した収納容器(商品パッケージ1)を取り付け可能であり、前記係合ピン16と、ロック部材(ロックブロック34)と、を有する。
【0035】
ロックブロック34は、第1のブロック部35と、第2のブロック部36と、を有する。
第1のブロック部35は、吊下げ具本体31との間に形成した第1のブロックヒンジ部37において吊下げ具本体31に対して、第2のブロック部36と一体に回動可能である。
第2のブロック部36は、第1のブロック部35との間に形成した第2のブロックヒンジ部38において第1のブロック部35に対して回動可能であって、係合ピン16に係合可能なブロック係合孔39を形成している。
ただし、吊下げ具本体31には、係合ピン16とは異なる部位に一対の補助係合ピン40を設けてあり、第1のブロック部35には、第1のブロックヒンジ部37において吊下げ具本体31に対して回動した際に、この一対の補助係合ピン40にそれぞれ係合可能な一対の補助係合孔41を形成している。
【0036】
物品吊下げ具30を上述のように構成することにより、射出成形工程において、物品吊下げ具30を型抜きすることができる。
【0037】
こうした構成の物品吊下げ具30の使用方法について、
図7および
図8にもとづき説明する。
図7は、第1のブロック部35の補助係合孔41を補助係合ピン40に嵌め込んで第1のブロック部35を吊下げ具本体31に固定した状態の斜視図、
図8は、第2のブロック部36のブロック係合孔39を係合ピン16に嵌め込んで、第2のブロック部36を吊下げ具本体31に固定した状態の斜視図である。
【0038】
図7に示すように、第1のブロックヒンジ部37を軸として第1のブロック部35および第2のブロック部36を吊下げ具本体31方向に回動させて、補助係合ピン40と補助係合孔41とを係合させることにより、第1のブロック部35を吊下げ具本体31に対して固定し、第2のブロック部36を吊下げ具本体31に対して回動可能な態勢とすることができる。
【0039】
図8に示すように、第2のブロックヒンジ部38を軸として第2のブロック部36を吊下げ具本体31方向に回動させ、商品パッケージ1の取付け用貫通孔2にあらかじめ挿通させた状態の係合ピン16とブロック係合孔39とを係合させることにより、第2のブロック部36と吊下げ具本体31との間に商品パッケージ1を固定することができる。
【0040】
かくして
図4に示した状態と同様に、複数個の商品パッケージ1を複数個の物品吊下げ具30により陳列棚6の吊下げ用フック7にそれぞれ一定方向に並列した状態で吊り下げることができ、吊下げ用フック7上に商品パッケージ1を整然と整列した状態で、しかもそれぞれの商品パッケージ1の間に所定の間隔をあけた状態での陳列が可能である。
したがって、それぞれの物品吊下げ具30上におけるRFIDインレイ3とのデータ通信を確実かつ安定して行うことができる。