(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記変換器ユニットの直流電圧端子に、電源または負荷が接続され、前記変換器ユニットの直流電圧端子は相互に独立しており、前記各変換器ユニットの通過電力はほぼ同じである請求項1に記載の変圧器多重電力変換装置。
前記電源または負荷は、前記変圧器多重電力変換装置と同一構成の第2の変圧器多重電力変換装置であり、前記各変換器ユニットの直流電圧端子と前記第2の変圧器多重電力変換装置の各変換器ユニットの直流電圧端子とを接続する構成とした請求項2に記載の変圧器多重電力変換装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
実施の形態1.
実施の形態1は、多重化する変換器ユニット毎に直流回路を設けて分離するとともに、各変換器ユニットの直流電圧を制御する手段を設ける構成とした変圧器多重電力変換装置に関するものである。
以下、本願発明の実施の形態1の構成、動作について、変圧器多重電力変換装置のシステム構成図である
図1、電力変換器の構成図である
図2、変換器ユニットの回路図例である
図3、4に基づいて説明する。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態1の変圧器多重電力変換装置1に関するシステム構成を示す。
図1の変圧器多重電力変換装置1は、電力系統2に接続されており、電力変換器10、変換器制御部11、交流電圧検出器12、電流検出器13、および直流電圧検出器14で構成される。
以下、順次電力変換器10、さらに電力変換器10の構成機器である変換器ユニット25〜28および変換器制御部11の構成、機能について説明する。
【0013】
まず、電力変換器10の構成、機能について、
図2に基づき説明する。
図2は、電力変換器を単独で変圧器多重電力変換装置を構成した場合の構成図である。説明の都合上、
図1の変圧器多重電力変換装置1と区別するため、変圧器多重電力変換装置101としている。
【0014】
図2の構成図に示すように、変圧器多重電力変換装置101は、複数の相を有する電力系統2に接続され、変圧器21〜24、変換器ユニット25〜28、平滑コンデンサ29〜32で構成される電力変換器10を含む。
各変換器ユニット25〜28は、GCT(Gate Commutated Turn−Off thyristor)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)などの自己消弧形素子を使用した電力変換機器で構成されている。直流電圧を保持する平滑コンデンサ29〜32は、変換器ユニット25〜28の直流電圧端子に接続されている。平滑コンデンサ29〜32が保持する直流電圧を、所望の交流電圧に変換する各変換器ユニット25〜28の交流電圧端子は、各変圧器21〜24の二次巻線に接続されている。各変圧器21〜24の一次巻線は、電力系統2に接続される。
各変圧器21〜24の電力系統2側の一次巻線は、各相直列接続されて星型結線され、各変換器ユニット25〜28の交流電圧が、各相直列合成された電圧が電力系統2に出力される。
各変換器ユニット25〜28の直流電圧端子に接続された各平滑コンデンサ29〜32は、それぞれ独立しており、相互に接続されていない。
【0015】
変圧器21〜24の二次巻線各相の一端には、平滑コンデンサ29〜32の直流電圧を所望の交流電圧に変換する変換器ユニット25〜28の各相電力変換回路交流出力端子が接続される。変圧器21〜24の二次巻線のもう一端には、平滑コンデンサ29〜32に接続された別の電力変換回路の各相交流出力端子が接続されて、多相フルブリッジ回路を構成している。
例えば、後で具体的に説明するように、変圧器21の二次巻線各相の一端33には、平滑コンデンサ29の直流電圧を交流に変換する電力変換回路が接続され、二次巻線のもう一端34には、平滑コンデンサ29の直流電圧を交流に変換する電力変換回路が接続される。変圧器二次巻線に接続される二つの電力変換回路の直流回路は共通である。
【0016】
次に、三相の場合について、変換器ユニット25〜28の具体的回路例を、
図3、
図4に基づいて説明する。
まず、
図3に基づいて、変換器ユニット25の具体例を説明する。
変換器ユニット25は、スイッチング素子S11〜S22と、ダイオードD11〜D22から構成される。スイッチング素子S11〜S22は、例えばGCTであるが、自己消弧型のスイッチング素子であればこれに限定されるものではない。ダイオードD11〜D22はスイッチング素子S11〜S22にそれぞれ逆並列接続される。
図3の例では、平滑コンデンサ29は、直流回路にコンデンサC1を1個直列に接続することで構成されており、直流電圧を平滑化する。
三相の場合、平滑コンデンサ29には6つの電力変換回路(例えば、S11、S12、D11、D12で一つの電力変換回路を構成する)が並列に接続されて、そのうち3つの交流出力端子が変圧器21の各相二次巻線の一端33に接続され、残りの3つの交流出力端子が各相二次巻き線のもう一端34に接続される。すなわち、各相二次巻線の両端それぞれに電力変換回路の交流出力端子が接続されて、2つの電力変換回路により二次巻線に交流電圧が出力される。ここで、
図3の変換器ユニット25〜28の出力相電圧は、2レベルである。
【0017】
次に、
図4に基づいて、変換器ユニット25の他の具体例を説明する。
図4において、変換器ユニット25は、スイッチング素子S31〜S54と、ダイオードD31〜D54とD60〜D71から構成される。スイッチング素子S31〜S54は、例えばGCTであるが自己消弧型のスイッチング素子であればこれに限定されるものではない。ダイオードD31〜D54はスイッチング素子S31〜S54にそれぞれ逆並列接続される。D60〜D71は中性点クランプダイオードである。
図4の例では平滑コンデンサ29(C3、C4)は、直流回路にコンデンサC3、C4を2個直列に接続することで構成されており、直流電圧を平滑化する。
図3と同様に、変圧器21の各相二次巻線の両端には、それぞれ一つの電力変換回路(例えば、S31、S32、S33、S34、D31、D32、D33、D34、D60、D61で一つの電力変換回路を構成する)の交流出力端子が接続されて、三相の場合6つの電力変換回路が平滑コンデンサ29に並列に接続される。ここで、
図4の変換器ユニット25〜28の出力相電圧は、3レベルである。
【0018】
図3、
図4に示すように、変換器ユニット25〜28の出力相電圧は、2レベル、マルチレベルのいずれの方式でも適用可能である。
【0019】
図3、
図4に具体的回路例として示したように、変換器ユニット25〜28は、各平滑コンデンサ29〜32の直流電圧から所望の交流電圧を出力するが、その変換過程で各変圧器21〜24の二次巻線に流れる交流電流が直流電流に変換されて、各平滑コンデンサ29〜32に流れる。このとき、変換器ユニット25の直流電流は平滑コンデンサ29のみに流れる構成であり、それ以外の平滑コンデンサに直接流れ込む横流は発生しない。他の変換器ユニット26〜28も同様で、各直流電流はそれぞれに接続された平滑コンデンサ30〜32のみに流れる構成である。
【0020】
次に、
図1に基づき、変換器制御部11の構成、機能について説明する。
変換器制御部11は、電圧位相検出部41、有効無効電流検出部42、直流電圧制御部43、ユニット個別直流電圧制御部44、無効電流制御部45、有効電流制御部46、電圧基準値生成部47、およびゲートパルス信号生成部48〜51とから構成される。
変換器制御部11の機能概要は、次の通りである。変換器制御部11は、電力系統2への接続線に設けられた交流電圧検出器12、電流検出器13によって検出された交流電圧、電流および各変換器ユニット25〜28の直流電圧端子の直流電圧を直流電圧検出器14によって検出された直流電圧に基づいて、電力変換器10における各変換器ユニット25〜28内のスイッチング素子をスイッチングさせることにより、各変換器ユニット25〜28の直流電圧を同一になるように制御するとともに、電力変換器10から電力系統2へ出力される電流を制御する。
【0021】
以下順次、変換器制御部11を構成する各部の構成、機能を説明する。
電圧位相検出部41は、交流電圧検出器12により検出された電圧Vu、Vv、Vwから電圧位相を検出する。検出した電圧位相を電圧位相基準として、変換器制御部11は以下に説明するように制御を行う。
有効無効電流検出部42は、電流検出器13により検出された電流Iu、Iv、Iwと電圧位相検出部41から出力される電圧位相基準に基づいて、電力変換器10から電力系統2へ出力される有効無効電流Iq、Idを検出する。
【0022】
直流電圧制御部43は、直流電圧検出器14により検出された変換器ユニット25〜28の直流電圧Vdcと直流電圧指令値Vdc
*から、直流電圧代表値Vdc_sと有効電流指令値Iq
*を演算する。
ユニット個別直流電圧制御部44は、直流電圧検出器14により検出された変換器ユニット25〜28の直流電圧Vdcと、有効無効電流検出部42で検出される有効電流Iq、無効電流Idと、直流電圧制御部43で演算された直流電圧代表値Vdc_sとから、各変換器ユニット25〜28の直流電圧が同一となるように各変換器ユニット25〜28の電圧補正値ΔVdc1d〜ΔVdc4d、ΔVdc1q〜ΔVdc4qを求める。
【0023】
無効電流制御部45は、有効無効電流検出部42により検出される無効電流Idが指令値Id
*と一致するように、電力変換器10から出力される電圧のうち無効電流と同位相成分である無効電圧基準値Vd
*を演算する。つまり無効電流制御部45では、電力変換器10から出力される交流電圧のうち無効電流にかかわる成分の制御を行なう。
有効電流制御部46は、有効無効電流検出部42により検出される有効電流Iqが指令値Iq
*と一致するように、電力変換器10から出力される電圧のうち有効電流と同位相成分である有効電圧基準値Vq
*を演算する。つまり有効電流制御部46は、電力変換器10から出力される交流電圧のうち有効電流にかかわる成分の制御を行なう。
【0024】
電圧基準値生成部47は、無効電流制御部45にて算出される無効電圧基準値Vd
*と、有効電圧基準値Vq
*と、ユニット個別直流電圧制御部44にて算出される電圧補正値ΔVdc1d〜ΔVdc4d、ΔVdc1q〜ΔVdc4qと、電圧位相検出部41から出力される電圧位相基準とから、各変換器ユニット25〜28より出力される電圧である出力交流電圧基準値V1u
*〜V4u
*、V1v
*〜V4v
*、V1w
*〜V4w
*を演算する。
【0025】
変換器ユニット25への出力を例として、電圧基準値生成部47の機能をさらに詳しく説明する。
電圧基準値生成部47にて、無効電流制御部45で算出された無効電圧基準値Vd
*と、有効電流制御部46で算出された有効電圧基準値Vq
*に、ユニット個別直流電圧制御部44で算出された変換器ユニット25の電圧補正値ΔVd1、ΔVq1を加算し、系統電圧と同位相であるV1d
*とV1d
*から位相が90度異なる成分であるV1q
*を、静止座標系の三相(ある相に対し、他の相が120度進んだ成分および120度遅れた成分)に変換することで、変換器ユニット25から出力される出力交流電圧基準値V1u
*、V1v
*、V1w
*を演算する。
【0026】
ゲートパルス信号生成部48〜51は、例えばPWM(Pulse Width Modulation)制御によって、電力変換器10が出力交流電圧基準値V1u
*〜V4u
*、V1v
*〜V4v
*、V1w
*〜V4w
*に相当する電圧を出力するために、ゲートパルス信号を変換器ユニット25〜28の電力変換回路を構成するスイッチング素子に出力する。
【0027】
実施の形態1の変圧器多重電力変換装置1に係る電力変換器10は、同じ構成である変換器ユニット25〜28を変圧器21〜24で直列多重接続し、系統2に連系している。 直列接続であるため出力電流は共通であり、さらにすべての変換器ユニット25〜28は同じ構成でかつ各変換器ユニット25〜28に接続されている変圧器21〜24の変圧比は同じであるため、各変換器ユニット25〜28の出力電流はほぼ同じ値となる。さらに各変換器ユニット25〜28の出力電圧に関して、各変換器ユニット25〜28の電圧基準値は共通の信号Vd
*、Vq
*であるため、各変換器ユニット25〜28の出力電圧もほぼ同じ値となる。したがって、すべての変換器ユニット25〜28で出力電圧、出力電流がほぼ同じ値となるので、変換器ユニット25〜28の出力有効電力はほぼ同じ値となる。
【0028】
次に、実施の形態1の重要構成部である直流電圧制御部43とユニット個別直流電圧制御部44について、さらに説明する。
まず直流電圧制御部43について説明する。一般的に、コンデンサの充放電により直流電圧を制御するには、コンデンサに流入流出する直流電流を変化させる。直流電流が変化することは有効電力が変化することとなるので、実施の形態1の変換器制御部11においては、有効電流指令値を変化させる。したがって、直流電圧制御部43では、直流電圧指令値Vdc
*と、各変換器ユニット25〜28の直流電圧から算出される直流電圧代表値Vdc_sの偏差を小さくするような有効電流指令値Iq
*を求める。
【0029】
先に説明したとおり、各変換器ユニット25〜28の出力電力はほぼ同じ値であるので、直流電圧もほぼ同じ値である。したがって直流電圧指令値Vdc
*と比較する直流電圧代表値Vdc_sは、各変換器ユニット25〜28の直流電圧の合計値でもよいし、直流電圧の平均値でもよい。また各変換器ユニット25〜28の内から選択した任意の変換器ユニットの直流電圧でもよい。
【0030】
次に、ユニット個別直流電圧制御部44について説明する。各変換器ユニット25〜28に接続されている平滑コンデンサ29〜32の電圧はほぼ同じ値であるが、変換器の損失や電圧検出器、電流検出器の検出誤差、PWMによるスイッチングタイミングのばらつき等の要因により、実際には同じ値ではない。したがって、変換器ユニット25〜28毎に各々の変換器ユニット25〜28の直流電圧と電圧代表値Vdc_sとの偏差を補正する。
【0031】
直流電圧の制御を行うには、先に説明したとおり有効電力を変化させる。有効電力を変化させるには電圧を変化させる方法、電流を変化させる方法の2つの方法が考えられるが、実施の形態1の電力変換器10は直列多重構成であり、変換器ユニット25〜28毎に出力電流を変化させることはできないため、出力電圧を変化させる。つまり変換器ユニット25〜28共通の出力電圧Vd
*、Vq
*に変換器ユニット個別の電圧補正値ΔVdc1d〜ΔVdc4d、ΔVdc1q〜ΔVdc4qを加算し、出力電圧基準値を調整し、出力電圧を変化させる。
【0032】
実施の形態1では、変換器ユニット25〜28は4直列多重となっているが、多重数はこれに限定されるものではない。また、各変圧器21〜24の二次巻線の一端を接続して星型結線とし、二次巻線のもう一端には電力変換回路の交流出力端子を接続して相数と同じ数の電力変換回路で構成しても良い。
さらに、三相の場合、各変圧器21〜24の二次巻線をデルタ結線して、三相の電力変換回路で変換器ユニット25〜28を構成することもできる。
【0033】
実施の形態1では、以上のように構成しているので、変圧器多重電力変換装置1の各変換器ユニット25〜28の直流電圧に接続された平滑コンデンサ29〜32の電圧のばらつきを抑えつつ、所望の交流出力電流を出力することができる。さらに各変換器ユニット25〜28の直流電流は、自らが接続されている平滑コンデンサ29〜32にのみ流れる構成のため、直流回路では他の変換器ユニットへの横流が流れない。よって直流回路を簡素にすることができ、多重数を変えても直流回路設計への影響が無く、容易に容量を増加できる。
【0034】
以上説明したように、実施の形態1に係る変圧器多重電力変換装置は、多重化する変換器ユニット毎に直流回路を設けて分離するとともに、各変換器ユニットの直流電圧を制御する手段を設ける構成としたので、直流回路の共振による系統に流出する高調波を抑制するとともに、直流回路電流責務を減少させて、直流回路の小型化、簡素化を図り、装置容量を増加させることができる。
【0035】
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1の変圧器多重電力変換装置1の変換器制御部11の直流電圧制御部43とユニット個別直流電圧制御部44について、さらに具体的回路に展開したものである。
実施の形態2の変圧器多重電力変換装置の構成は、実施の形態1の
図1と同じであり、
図5は
図1の中の直流電圧制御部43とユニット個別直流電圧制御部44について詳細を示したものである。
以下、実施の形態2の直流電圧制御部243とユニット個別直流電圧制御部244の構成、動作について、主要部の詳細構成図である
図5に基づいて説明する。
図5において、
図1と同一あるいは相当部分には、同一の符号を付している。
【0036】
実施の形態2では、例として、直流電圧代表値を各変換器ユニットの直流電圧の平均値とした場合について説明する。なお、直流電圧代表値を各変換器ユニットの直流電圧の平均値とするため、実施の形態1で説明した直流電圧制御部43の出力Vdc_sは、Vdc_aveとなる。
【0037】
まず、直流電圧制御部243について説明する。
直流電圧制御部243は、加算器251、演算器252、加減算器253、制御器254から構成される。
次に、直流電圧制御部243の機能について説明する。
直流電圧制御部243は、直流電圧指令値Vdc
*と平滑コンデンサ29〜32の直流電圧から加算器251と演算器252で算出した直流電圧の平均値Vdc_aveとの偏差を加減算器253で算出し、この偏差を零にするように制御器254で制御を行い有効電流指令値Iq
*を算出する。
これにより、変換器ユニット25〜28毎に接続されている平滑コンデンサ29〜32の直流電圧平均値Vdc_aveを直流電圧指令値Vdc
*に制御することが可能となる。
【0038】
次に、各変換器ユニット25〜28で個別に直流電圧を制御するユニット個別直流電圧制御部244について説明する。
ユニット個別直流電圧制御部244は、加減算器261〜264、制御器265〜268、乗算器269〜276、演算器277、割算器278、279、符号変換器280、281から構成される。
ユニット個別直流電圧制御部244の機能について説明する。
前述のように各変換器ユニット25〜28に接続されている平滑コンデンサ29〜32の電圧は、変換器の損失や各検出器、制御のばらつき等の要因により、実際にはアンバランスが生じる。よってユニット個別直流電圧制御部244では、各変換器ユニット25〜28の直流電圧のばらつきを補正する。
【0039】
前述のように直流電圧制御部243により、平滑コンデンサ29〜32の直流電圧平均値は電圧指令値となるよう制御されるので、ユニット個別直流電圧制御部244では、ユニット毎に平均直流電圧Vdc_aveと各変換器ユニット25〜28の直流電圧との偏差に基づき、この偏差を零にするように制御する。このため、各変換器ユニット25〜28への電圧補正値ΔVdc1d〜ΔVdc4d、ΔVdc1q〜ΔVdc4qを算出する。
【0040】
前述のとおり平滑コンデンサ29〜32の直流電圧を制御するためには、有効電力を制御しなくてはならない。つまり、変換器ユニット25〜28の出力電流と同じ位相の電圧を指令値に重畳する。
以下に、詳細を説明する。変換器ユニット25〜28はすべて同じであり、ここでは例として変換器ユニット25について説明する。
【0041】
平均直流電圧Vdc_aveと変換器ユニット25の検出した直流電圧Vdc1の偏差を零とするように制御器265で制御する。平均直流電圧Vdc_aveと直流電圧Vdc1の偏差を零とするよう制御された制御器265の出力ΔVdc1は、有効電力に関わる電圧指令値の補正値である。つまり電圧補正値ΔVdc1は、出力電流と同じ位相の成分となる。そこで、この電圧補正値ΔVdc1を無効電流にかかる成分と有効電流にかかる成分に配分する。
無効電流にかかる配分係数(以降、無効配分係数という)と有効電流にかかる配分係数(以降、有効配分係数という)は、無効配分係数の二乗と有効配分係数の二乗の和の平方根で計算される大きさが1となるように設定し、電圧補正値ΔVdc1にそれぞれ乗算(乗算器269〜276)して、変換器ユニット25の無効電圧補正値ΔVd1と有効電圧補正値ΔVq1を算出する。
具体的には、無効配分係数は検出された無効電流IdをIdの二乗とIqの二乗和の平方根で計算される(演算器277)出力電流の大きさで除算(割算器278)して算出する。有効配分係数は、有効電流IqをIdの二乗とIqの二乗和の平方根で計算される(演算器277)出力電流の大きさで除算(割算器279)して演算する。
【0042】
電流検出器13は、電力変換器10から系統2へ出力する方向を正に検出している。したがって、電圧補正値が正の場合、平滑コンデンサ29が放電し、電圧補正値が負の場合、平滑コンデンサ29が充電される方向である。しかし、平均直流電圧Vdc_aveと直流電圧Vdc1の偏差を零とするよう制御する制御器265は、平均直流電圧Vdc_aveから直流電圧Vdc1を減じた偏差に正のゲインを乗じて電圧補正値ΔVdc1を演算する。したがって、直流電圧を充電したい場合には、電圧補正値ΔVdc1が正、放電したい場合にはΔVdc1が負となる。つまり充放電方向が異なるため、Id、Iqをそれぞれ出力電流の絶対値で除算後、符号変換器280、281で−1を乗算して充放電方向を合わせている。
【0043】
変換器ユニット26〜28についても同様であり、変換器ユニット26は平均直流電圧Vdc_aveと変換器ユニット26の直流電圧Vdc2より電圧基準値V2u
*、V2v
*、V2w
*を算出する。
変換器ユニット27は平均直流電圧Vdc_aveと変換器ユニット27の直流電圧Vdc3より電圧基準値V3u
*、V3v
*、V3w
*を算出する。
変換器ユニット28は平均直流電圧Vdc_aveと変換器ユニット28の直流電圧Vdc4より電圧基準値V4u
*、V4v
*、V4w
*を算出する。
【0044】
実施の形態2では、例として直流電圧代表値を各変換器ユニットの直流電圧平均値としたが、直流電圧代表値は、例えば各変換器ユニットの直流電圧の合計値でもよい。また各変換器ユニット25〜28の内から選択した任意の変換器ユニットの直流電圧を直流電圧代表値としてもよく、これに限るものではない。
【0045】
実施の形態2に係る変圧器多重電力変換装置は、以上のように構成しているので、各変換器ユニット25〜28の直流電圧に接続された平滑コンデンサ29〜32の電圧のばらつきを抑えつつ、所望の交流出力電流を出力することができる。さらに、各変換器ユニット25〜28の直流電流は自らが接続されている平滑コンデンサ29〜32にのみ流れる構成のため、他の変換器ユニット25〜28への横流が流れず、直流回路を簡素にすることができ、多重数を変えても直流回路設計への影響が無く、容易に容量を増加することができる。
【0046】
以上説明したように、実施の形態2に係る変圧器多重電力変換装置は、実施の形態1の変圧器多重電力変換装置の変換器制御部の直流電圧制御部とユニット個別直流電圧制御部について、さらに具体的回路に展開したものであるため、直流回路の共振による系統に流出する高調波を抑制するとともに、直流回路電流責務を減少させて、直流回路の小型化、簡素化を図り、装置容量を増加させることができる。
【0047】
実施の形態3.
実施の形態3の変圧器多重電力変換装置は、実施の形態1の変圧器多重電力変換装置(以下、第1の変圧器多重電力変換装置)の変換器ユニットの直流電圧端子に接続された電源または負荷が、実施の形態1の変圧器多重電力変換装置と同一構成の第2の変圧器多重電力変換装置の場合である。具体的には、第1の変圧器多重電力変換装置の各変換器ユニットの直流電圧端子と第2の変圧器多重電力変換装置の各変換器ユニットの直流電圧端子とを接続した構成としたものである。
【0048】
以下、実施の形態3の構成、動作について、変圧器多重電力変換装置301のシステム構成図である
図6に基づいて説明する。
図6において、
図1と同一あるいは相当部分には、同一の符号を付している。
なお、
図6において、第1の変圧器多重電力変換装置および第2の変圧器多重電力変換装置の基本的な構成、機能は実施の形態1と同じであるため、説明は省略し、差異部を中心に説明する。
【0049】
第1の変圧器多重電力変換装置は、変圧器21〜24、変換器ユニット25〜28、平滑コンデンサ29〜32、変換器制御部11、交流電圧検出器12、電流検出器13、および直流電圧検出器14から構成される。また、第2の変圧器多重電力変換装置は、変圧器59〜62、変換器ユニット55〜58、平滑コンデンサ29〜32、変換器制御部311、交流電圧検出器312、電流検出器313、および直流電圧検出器14で構成される。ただし、平滑コンデンサ29〜32および直流電圧検出器14は共通である。
【0050】
図6では、システム全体としての変圧器多重電力変換装置301は、電力系統2に変圧器21〜24を介して連系され、もう一方の電力系統302に変圧器59〜62を介して連系されている。電力系統2から供給された交流電圧を所望の直流電圧に変換する各変換器ユニット25〜28と、平滑コンデンサ29〜32により保持された直流電圧を所望の交流電圧に変換するもう一方の変換器ユニット55〜58と、変換された交流電圧を電力系統302に供給するための変圧器59〜62とから構成される。
すなわち、2つの変圧器多重電力変換装置である第1の変圧器多重電力変換装置と第2の変圧器多重電力変換装置を、各変換器ユニットの直流部を接続した構成となっている。
変圧器多重電力変換装置301は、1方の系統から他の系統へと電力を融通する回路構成であり、直流回路には融通電力による大きな直流電流が流れる。
【0051】
変換器ユニット25〜28の直流回路に接続されている変換器ユニット55〜58は、それぞれ個別であり、各変換器ユニット55〜58の通過電力はほぼ同じであり、各変換器ユニット55〜58の変換器容量はほぼ同容量でよい。
【0052】
なお、本実施の形態3は各変換器ユニット25〜28の直流回路通過電力がほぼ同じであればよいので、直流回路にほぼ同じ電力の負荷および電源が接続されていてもよく、直流回路に接続されている変換器ユニット55〜58および変圧器59〜62および電力系統63の構成は、これに限るものではない。
【0053】
さらに、実施の形態3では、直流電圧検出器14によって検出された直流電圧を第2の変圧器多重電力変換装置の変換器制御部311にも入力し、各変換器ユニット55〜58の直流出力電圧の制御に使用する構成とした。しかし、必ずしもその必要はなく、第1の変圧器多重電力変換装置の変換器ユニット25〜28の直流出力電圧を制御するのみで、直流出力電圧のアンバランスを解消することができる。このため、直流電圧検出器14によって検出された直流電圧を変換器制御部に入力せず、構成を簡素化することができる。
【0054】
実施の形態3に係る変圧器多重電力変換装置は、直流回路に負荷および電源が連系されて、直流回路に大きな直流電流が流れる場合においても、変圧器多重電力変換装置の直流回路、具体的には、第1の変圧器多重電力変換装置の直流回路、および第2の変圧器多重電力変換装置の直流回路には横流が流れず、直流回路に流れる直流電流は融通電流のみとなる。
これにより、変圧器多重電力変換装置の直流回路の横流が流れず、直流回路を簡素にすることができ、多重数を増加することができる。
【0055】
以上説明したように、実施の形態3に係る変圧器多重電力変換装置は、実施の形態1の変圧器多重電力変換装置の各変換器ユニットの直流電圧端子に、第2の変圧器多重電力変換装置の各変換器ユニットの直流電圧端子を接続した構成としたものであるため、直流回路の共振による系統に流出する高調波を抑制するとともに、直流回路電流責務を減少させて、直流回路の小型化、簡素化を図り、装置容量を増加させることができる。
【0056】
実施の形態4.
実施の形態4の変圧器多重電力変換装置は、実施の形態1の変圧器多重電力変換装置の各変換器ユニットの直流電圧端子を高インピーダンス機器で相互接続した構成であり、具体的には、各変換器ユニットの直流電圧端子に接続された各平滑コンデンサを、共通のコンデンサで相互に接続した構成としたものである。
以下、本願発明の実施の形態4の構成、動作について、変圧器多重電力変換装置401のシステム構成図である
図7に基づいて、実施の形態1との差異部を中心に説明する。
図7において、
図1と同一あるいは相当部分には、同一の符号を付している。
【0057】
図7に示す変圧器多重電力変換装置401は、電力系統2に接続された電力変換器410と変換器制御部411、交流電圧検出器12、電流検出器13から構成される。電力変換器410は、変圧器21〜24、変換器ユニット25〜28、平滑コンデンサ70〜73、共通のコンデンサ74および直流電圧検出器14から構成されている。
【0058】
変換器制御部411は、
図1と同様であり、
図1と異なるのは電力変換器410の以下に示す点である。
変換器ユニット25〜28にて変換された直流電圧を保持する平滑コンデンサは、各変換器ユニット25〜28の直流電圧端子に接続された各平滑コンデンサ70〜73と各変換器ユニット共通のコンデンサ74とで構成されている。つまり実施の形態4では、各変換器ユニットの直流部はコンデンサ74で相互に接続されているという特徴を持つ。
さらに、平滑コンデンサ70〜73とコンデンサ74の間にはインピーダンスが存在し、直流回路の共振は発生しない。このインピーダンスの例としては、装置が大型で直流回路が長くなることにより抵抗が大きくなる場合や、回路に挿入されたダンピング抵抗がある。
【0059】
図7に示す変圧器多重電力変換装置401は、各変換器ユニット25〜28の直流電圧端子部はコンデンサ74で共通となっているが、変換器制御部411は実施の形態1と同様であり直流電圧制御部43とユニット個別直流電圧制御部44が設けられている。変換ユニット個別に平均値制御を行わない場合は、直流回路の平滑コンデンサ容量にばらつきがあるため配線インピーダンスがあると、過渡変動時にコンデンサ電圧にばらつきが発生し、コンデンサ電圧が高い変換器ユニットから低い変換器ユニットへと直流の横流が生じる。
【0060】
しかし、実施の形態4のように変換器ユニット個別に平均値制御を行う場合、各変換器ユニット25〜28の平滑コンデンサ電圧が平均値となるように制御されるため、各ユニット間の横流電流を小さくすることが可能となり、直流回路の負担が小さくなり直流回路を簡素にすることができ、多重数を増加することができる。
また、各変換器ユニット25〜28の平滑コンデンサ70〜73を相互に接続することで、平滑コンデンサ70〜73の対地電圧がほぼ同電位となる。直流回路がほぼ同電位となることにより、変換器の絶縁設計の簡素化、および直流回路に設けられている地絡保護検出を共通化が可能となる。
【0061】
実施の形態4に係る変圧器多重電力変換装置は、以上のように構成しているので、各変換器ユニット25〜28の直流電圧端子に接続された平滑コンデンサ29〜32の電圧のばらつきを抑えつつ、所望の交流出力電流を出力することができる。さらに各変換器ユニット25〜28の直流電流は自らが接続されている平滑コンデンサ29〜32にのみ流れる構成のため、他の変換器ユニット25〜28への横流が流れず、直流回路を簡素にすることができ、多重数を変えても直流回路設計への影響が無く、容易に容量を増加することができる。
さらに、各変換器ユニット25〜28の各平滑コンデンサ29〜32を相互に接続することで、各平滑コンデンサ29〜32の対地電圧がほぼ同電位、すなわち直流回路がほぼ同電位となることにより、変換器ユニットの絶縁設計の簡素化、および直流回路に設けられている地絡保護検出を共通化が可能となる。
【0062】
以上説明したように、実施の形態4に係る変圧器多重電力変換装置は、各変換器ユニットの直流電圧端子を高インピーダンス機器で相互接続した構成、具体的には、各変換器ユニットの直流電圧端子に接続された各平滑コンデンサを、共通のコンデンサで相互に接続した構成としたものであるため、直流回路の共振による系統に流出する高調波を抑制するとともに、直流回路電流責務を減少させて、直流回路の小型化、簡素化を図り、装置容量を増加させることができる。
【0063】
実施の形態5.
実施の形態5の変圧器多重電力変換装置は、実施の形態1の変圧器多重電力変換装置1の変換器制御部11のユニット個別直流電圧制御部44について、別の具体的回路に展開したものである。
実施の形態5の変圧器多重電力変換装置の構成は、実施の形態1の
図1と同じであり、
図8は
図1の中の直流電圧制御部43とユニット個別直流電圧制御部44について詳細を示したものであり、実施の形態2の
図5とはユニット個別直流電圧制御部が異なる。
以下、実施の形態5の直流電圧制御部243とユニット個別直流電圧制御部544の構成、動作について、主要部の詳細構成図である
図8に基づいて説明する。実施の形態2と同一の構成要素の説明は省略する。
図8において、
図1あるいは
図5と同一あるいは相当部分には、同一の符号を付している。
【0064】
ユニット個別直流電圧制御部544の構成および機能について、順次説明する。
ユニット個別直流電圧制御部544は、加減算器561〜564、制御器565〜568、乗算器569〜576、演算器577、割算器578、579、符号変換器580、581から構成される。
ユニット個別直流電圧制御部544の機能について説明する。
ユニット個別直流電圧制御部544は、直流電圧検出器14により検出された変換器ユニット25〜28の直流電圧と有効無効電流検出部42で検出される有効電流Iqと無効電流Idとから、各変換器ユニット25〜28の電圧補正値ΔVdc1d〜ΔVdc4d、ΔVdc1q〜ΔVdc4qを求める。
変換器ユニット25〜28はすべて同じであり、ここでは、例えば変換器ユニット25について説明する。また例として、直流電圧代表値Vdc_sを、各変換器ユニット25〜28の直流電圧の平均値Vdc_aveとした場合を説明する。
【0065】
ユニット個別直流電圧制御部544では、平均直流電圧Vdc_aveと直流電圧検出器14により検出される変換器ユニット25の直流電圧Vdc1との偏差を零とするよう制御器565で制御する。この制御器565の出力を有効電力偏差ΔP1とする。
電圧は電力を電流で除すことで計算できるので、有効電力偏差ΔP1を有効電流で除算し、電圧偏差ΔVdc1を求める。電圧偏差ΔVdc1から無効電圧補正値ΔVd1と有効電圧補正値ΔVq1の演算方法は、実施の形態2と同様のため詳細な説明は省略する。
上記より有効電力偏差ΔP1をIdの二乗とIqの二乗の和(演算器577)で除算(割算器578、579)し、検出された無効電流Idと有効電流Iqをそれぞれ乗算(乗算器569、579)することで、無効電圧補正値ΔVd1および有効電圧補正値ΔVq1が演算できる。
【0066】
本実施の形態5では、直流電圧偏差(有効電力偏差ΔP)を出力電流の振幅で除算しているため、変換器が出力する有効電力が小さい場合は、直流電圧偏差のゲインが大きくなる。つまり出力有効電力量により制御ゲインが可変となる構成となっている。
【0067】
変換器ユニット26〜28についても同様であり、変換器ユニット26は平均直流電圧Vdc_aveと変換器ユニット26の直流電圧Vdc2とVd
*、Vq
*、Id
*、Iq
*より、電圧基準値V2u
*、V2v
*、V2w
*を算出する。
変換器ユニット27は平均直流電圧Vdc_aveと変換器ユニット27の直流電圧Vdc3とVd
*、Vq
*、Id
*、Iq
*より、電圧基準値V3u
*、V3v
*、V3w
*を算出する。
変換器ユニット28は平均直流電圧Vdc_aveと変換器ユニット28の直流電圧Vdc4とVd
*、Vq
*、Id
*、Iq
*より、電圧基準値V4u
*、V4v
*、V4w
*を算出する。
【0068】
本実施の形態5に係る変圧器多重電力変換装置は、以上のように構成しているので、各変換器ユニット25〜28の直流電圧に接続された平滑コンデンサ29〜32の電圧のばらつきを抑えつつ、所望の交流出力電流を出力することができる。平滑コンデンサ29〜32の電圧のばらつきはユニット個別直流電圧制御部により抑制されるが、ユニット個別直流電圧制御のゲインは出力有効電力に反比例するため、出力有効電力が小さい時にはゲインが大きくなり直流電圧の制御性が良くなる。さらに各変換器ユニット25〜28の直流電流は自らが接続されている平滑コンデンサ29〜32にのみ流れる構成のため、他の変換器ユニット25〜28への横流が流れず、直流回路を簡素にすることができ、多重数を変えても直流回路設計への影響が無く、容易に容量を増加することができる。
【0069】
図8では、実施の形態2の
図5における変換器制御部211のユニット個別直流電圧制御部244に替えて、変換器制御部511のユニット個別直流電圧制御部544としたが、実施の形態3の
図6および実施の形態4の
図7における変換器制御部を変換器制御部511とすることも可能である。
【0070】
ここでは例として、直流電圧代表値を各変換器ユニットの直流電圧平均値としたが、直流電圧代表値は、例えば各変換器ユニットの直流電圧の合計値でもよい。また各変換器ユニット25〜28の内から選択した任意の変換器ユニットの直流電圧でもよい。
【0071】
以上説明したように、実施の形態5に係る変圧器多重電力変換装置は、実施の形態1の変圧器多重電力変換装置の変換器制御部の直流電圧制御部とユニット個別直流電圧制御部について、さらに具体的回路に展開したものであるため、直流回路の共振による系統に流出する高調波を抑制するとともに、直流回路電流責務を減少させて、直流回路の小型化、簡素化を図り、装置容量を増加させることができる。
【0072】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0073】
なお、変圧器多重電力変換装置に係る本発明は、その発明の範囲内において、実施の形態を適宜、変形、省略することが可能である。