(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記表面処理ロボットは、該ロボットの首尾軸に直行する横軸に略平行な清掃幅を有し、前記車輪の各々は、前記横軸に略平行な、共通の駆動軸に関して回転するよう支持される、請求項1から8のいずれか一項に記載の表面処理ロボット。
【発明を実施するための形態】
【0061】
類似参照数字がいくつかの図を通して相当するまたは同様の要素を識別する図を参照し、
図1は本発明の好ましい実施例による自律的清掃ロボット100の外部表面を示す等角図を表す。前記ロボット100は、上面および前記上面と実質的に平行かつ対向する底面を有する概して円形の断面102を持つ円柱体積で構成される。前記円形断面102は、中心垂直軸104、首尾軸106、および横軸108といった3つの互いに垂直な軸によって定義される。前記ロボット100は、以後清掃表面と呼ぶ清掃される表面に対して移動可能に支持される。前記清掃表面は実質的に水平である。
【0062】
前記ロボット100は通常、筐体200に取り付けられる複数の車輪またはその他の転動体によって清掃表面との転がり接触において支持される。好ましい実施例において、前記首尾軸108は清掃表面上でロボットが沿って前進する移動軸を定義する。前記ロボットは通常、清掃動作中に、Fと指定される順または前移動方向に前進する。反対移動方向(つまり180°反対)は後部に対してAと指定される。前記ロボットは通常、清掃動作中に後方向に進まないが、後方向に進んで物を避けたりまたは角や類似するものを避けるように操縦され得る。清掃動作は、後移動中に継続または中断することができる。前記横軸108は、
図1の上面図から見られるとおりに、右に対するRおよび左に対するLの標示によってさらに定義される。それに続く図において、RおよびL方向は前記上面図と一致するが、印刷されたページ上で逆になる場合がある。本発明の好ましい実施例において、前記ロボットの円形断面102の直径は約370mm(14.57インチ)で、清掃表面上の前記ロボット100の高さは約85mm(3.3インチ)である。しかし、本発明の前記自律的清掃ロボット100は、他の断面直径および高さの寸法ならびに正方形、長方形および三角形などのその他の断面形状、および立方体、棒状、および錐体などの容積形状で構築され得る。
【0063】
前記ロボット100は、図示されていないが、上面など外部表面上に配置されるユーザー入力制御盤を、前記制御盤上に配置される1つ以上のユーザー操作アクチュエータとともに含み得る。使用者による制御盤アクチュエータの作動は、コマンドを開始するよう解釈される電気信号を発生させる。前記制御盤はまた、使用者によって知覚できる視覚または音声指示器などの1つ以上のモード状態指示器も含み得る。一例において、使用者は前記ロボットを清掃表面に設定し、制御盤アクチュエータを作動させて清掃動作を開始することができる。もう1つの例において、使用者は制御盤アクチュエータを作動させて清掃動作を停止することができる。
【0064】
図21は、実質的にロボット本体200内でタンク800、上部、バッテリー201、ロボット本体200、および清掃ヘッド600というように通常配置される際の4つの主モジュールを示す。前記ロボット自体は、バッテリーソケット内で前記バッテリー201を支持し、統合タンク800は前記ロボットおよび前記バッテリー201の両方の上で支持される。前記タンク800の内部下面および前記ロボット本体200の内部上面は、前記バッテリー201の形状と実質的に一致するよう構成されている。ここで述べられているように、前記バッテリー201は、前記タンク800をその旋回軸上でてこで動かすことによって、しかし必ずしも前記タンク800を持ち上げたりまたは取り外したりせずに取り替えることができる。また、
図21で示されるとおりに、前記清掃ヘッド600は、前記タンク800またはバッテリー201を取り外さずに滑り運動で前記ロボットの右側から挿入でき、この構造において、清掃周期の最中あるいは別の方法で清掃するために前記ロボット本体200から取り外すことができる。
図21はまた、下記に詳述される前記ロボットに対する前記制御盤330も示す。
【0065】
図21に示されるとおりに、前記タンク800には、戻り止めクリックロックを持ち、持ち上げられた場合および解説されるとおりの別の方法で前記タンクをわずかに持ち上げる、ここで詳しく解説されているとおりのハンドルがある。前記タンク800が前記本体200に搭載されると、このハンドルはロボット全体に対するものである。前記タンク800が前記ロボットから取り外されると、このハンドルは前記タンク800単独に対するものである。しかし、
図21に示されるとおりに、前記制御盤330の下のくぼみに、第二ハンドルが前記ロボット本体において形成されている。それに応じて、前記タンク800および前記基本ユニット200が分離されると、それぞれが独自のハンドルを持つ。前記タンク800および前記基本ユニット200が再統合されると、主ハンドルが両方を支える働きをする。同じハンドルが、一方向に押される場合のタンク取り外しのための掛け金および他方向に保持される場合の取り外しに対する連結の両方である。
【0066】
(例示的な清掃システム)
図2を参照して、前記自律的ロボット100は、前記ロボットが清掃表面上を移動すると実質的に水平な清掃表面を清掃するための、筐体200の上に支持される複数の清掃モジュールを含む。前記清掃モジュールは、清掃動作中に清掃表面上で前記ロボット筐体200の下で伸びて接触、あるいは作動する。より具体的には、前記ロボット100は、清掃表面から遊離した粒子状物質を回収するため、および前記ロボットによって携行される容器の中に前記遊離した粒子状物質を格納するための第一清掃域Aで構成される。前記ロボット100はさらに、清掃表面に洗浄液を少なくとも塗布する第二清掃域Bで構成される。前記洗浄液は、清浄水単独または清掃を向上させるためのその他の原料で混合された清浄水とすることができる。前記洗浄液の塗布は、清掃表面上で分解、乳化、あるいは汚染物質と反応して、そこから汚染物質を分離させる。汚染物質は懸濁するか、あるいは前記洗浄液と結合される場合がある。前記洗浄液は表面に塗布された後、汚染物質と混合して、例えば懸濁あるいはその中に含まれる汚染物質を伴う液状廃棄物などの廃棄物となる。
【0067】
前記ロボット100の裏面は、前記首尾軸106に対して前記第二清掃域Bの前方に配置される第一清掃域Aを表す
図2において示されている。それに応じて、前記ロボット100が順方向に移動すると、清掃表面上で前記第一清掃域Aは前記第二清掃域Bに先行する。前記第一および第二清掃域は、前記横軸108に通常沿う方向にある、またはほぼ沿っている清掃幅Wで構成される。前記清掃幅Wは、前記ロボットの清掃幅または清掃の足跡を定義する。前記ロボット100が順方向に清掃幅上を前進すると、前記清掃幅は、単一通過で前記ロボットによって清掃される清掃表面の幅である。理想的には、前記清掃幅は前記ロボット100の全横幅にわたって伸びて清掃効率を最適化するが、実用的な実施においては、前記清掃幅は、前記ロボット筐体200の空間制約のため、ロボットの横幅よりもわずかに狭い。
【0068】
本発明によれば、前記ロボット100は、同時に作動する両方の清掃域によって清掃経路上を順方向に清掃表面を通過する。好ましい実施例において、前記ロボットの呼び前方速度は1秒あたり約4.75インチであるが、前記ロボットおよび清掃装置はより早いおよびより遅い前方速度で清掃するよう構成され得る。十分な時間で部屋を網羅するために、妥当な速度の範囲は1秒あたり約2から10インチである。前記第一清掃域Aは、清掃表面上で前記第二清掃域Bに先行して前記清掃幅Wにわたって清掃表面から遊離した粒子状物質を回収する。前記第二清掃域Bは、前記清掃幅Wにわたって清掃表面に洗浄液を塗布する。前記第二清掃域はまた、清掃表面に前記洗浄液を塗抹して前記洗浄液をより均一な層に平滑化し、前記洗浄液を清掃表面上の汚染物質と混合するよう構成され得る。前記第二清掃域Bはまた、清掃幅にわたって清掃表面を磨くよう構成され得る。前記磨き作用は、前記洗浄液をかくはんして汚染物質と混合させる。前記磨き作用はまた、汚染物質に対するせん断力も適用することによって、清掃表面から汚染物質を除去する。前記第二清掃域Bはまた、清掃幅にわたって清掃表面から廃液を回収するように構成され得る。本発明によれば、清掃経路上の前記ロボットの単一通過は、第一に清掃幅にわたって清掃表面から遊離した粒子状物質を回収し、その後、通常前記清掃幅Wにわたって清掃表面に洗浄液を塗布して清掃表面上に残存する汚染物質と相互作用し、そしてさらに清掃表面から汚染物質を除去するための磨き作用を適用することもできる。清掃経路上の前記ロボット100の単一通過はまた、前記洗浄液を清掃表面上でより均一に塗抹することもできる。清掃経路上の前記ロボットの単一通過はまた、清掃表面から廃液を回収することもできる。しかし前記ロボットは、各通過またはいくつかの通過において特定量の流体を残すよう設計され得る(例えば、洗浄液が乾燥した物質または頑固な汚れに対して効果を発するように時間を提供するため)。
【0069】
一般に、前記清掃ロボット100は、例えば、タイル、木、ビニル、リノリウム、滑らかな石またはコンクリートで覆われた床、およびあまり研磨性でなく、すぐに液体を吸収しない層を覆う加工床などの、じゅうたんが敷かれていない屋内の硬質床表面を清掃するよう構成されている。しかしその他の実施例を、研磨性、液体吸収性、およびその他の表面を清掃、加工、処理、あるいは横切るように適応してもよい。また、本発明の好ましい実施例において、前記ロボット100は、住宅および小規模商業施設に典型的な小さく閉鎖された家具付きの部屋の床上を自律的に移動するよう構成されている。前記ロボット100は所定の清掃経路を越えて作動する必要はないが、包囲形状または障害の分布に関係なく作動するように設計される様々な輸送アルゴリズムの制御下で、清掃表面積の実質上全ての上で動くことができる。特に、本発明の前記ロボット100は、3つの基本的動作モード、つまり(1)「地点範囲」モード、(2)「壁/障害物追跡」モード、および(3)「跳ね返り」モードとして分類することができる動きのパターンなどの様々なモードを実施するために、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはその組み合わせにおいて実施されるプログラムされた手順に従って清掃経路上を動く。また、前記ロボット100は、その中に組み込まれるセンサーから受け取る信号に基づいて作用を開始するよう事前にプログラムされ、そこでそのような作用は上記の動きのパターンの1つを実施するステップ、前記ロボット100の非常停止、または警報を含むがそれに限定されない。本発明の前記ロボットのこのような動作モードは、Jonesらによる自律的ロボットに対する多モード範囲のための方法およびシステムと題された米国特許番号6,809,490において具体的に解説されており、その開示全体は、本明細書においてその全体が参考として援用される。しかし、本開示はまた代替的な動作モードも解説している。
【0070】
一実施例において、前記ロボット100は、単一清掃動作で清掃表面の約150立方フィートを清掃するよう構成されている。より大きいまたはより小さいタンクによって、これは100立方フィートから400立方フィートに及ぶことができる。前記清掃動作の持続時間は、特定の実施例において約45分である。45分の例は、1つのバッテリーによるものである。より小さい、より大きい、または2つ以上のバッテリーを積んだ実施例において、清掃時間は約20分から最高約2時間に及ぶことができる。それに応じて、前記ロボットシステムは、電源を再充電したり、洗浄液の補充を詰め替えたり、または前記ロボットによって回収される廃棄物を空にしたりする必要なく、45分以上の無人自律的清掃に対して(物理的に、およびプログラムされたとおりに)構成されている。前記ロボットの特定の実施例は狭い面積の部屋に対して設計されているが、最低平方フィート数または清掃時間はない。本発明によるロボットは、事実上あらゆる大きさのタンクで構成することができる。
【0071】
図2および3に示されているとおり、前記ロボット100は、ロボット筐体200に搭載される複数のサブシステムを含む。主なロボットサブシステムは、他の複数のロボットサブシステムのそれぞれとの双方向通信のために相互接続される主制御モジュール300を表す
図4において図式的に示されている。前記ロボットサブシステムの相互接続は、周知のとおり、相互接続されたワイヤ、および/または統合プリント基板上に形成される導電性パスまたはその類似物などの導体要素のネットワークを介して提供される。前記主制御モジュール300は少なくとも、必要に応じてプログラムステップ、アルゴリズム、および/または数学および論理演算を行うために、マイクロプロセッサなどのプログラム可能な、または事前にプログラムされたデジタルデータプロセッサを含む。前記主制御モジュール300はまた、プログラムステップおよびその他のデジタルデータをその中に格納するための前記データプロセッサと通信しているデジタルデータメモリも含む。前記主制御モジュール300はまた、必要に応じてタイミング信号を発生さえるための1つ以上のクロック要素も含む。
【0072】
電力モジュール310は、主なロボットシステムの全てに電力を供給する。前記電力モジュールは、前記ロボット筐体200に取り付けられる、ニッケル水素電池またはその類似物といった充電式電池などの内蔵型電源を含む。また、前記電源は、様々な再充電要素および/または充電式モードのいずれかによって再充電するよう構成されており、または前記バッテリーは、放電したりまたは使用できなくなると使用者によって取り替えることができる。前記主制御モジュール300はまた、前記電力モジュール310と連動して、必要に応じて電力の分配を制御し、電力の使用を監視し、および電源節約モードを開始することもできる。
【0073】
前記ロボット100はまた、1つ以上のインターフェースモジュールまたは要素320を含み得る。各インターフェースモジュール320は、前記ロボット筐体に取り付けられ、1つ以上の外部装置と相互接続するための相互接続要素または引き込み口を提供する。相互接続要素および引き込み口は、好ましくは前記ロボットの外部表面にアクセス可能である。前記主制御モジュール300はまた、インターフェースモジュール320と連動して、外部装置との前記ロボット100の相互作用を制御することもできる。特に、1つのインターフェースモジュール要素が、外部電源または従来の交流または直流電源出力などの電源を介して充電式電池を充電するために備えられている。もう1つのインターフェースモジュール要素は、ワイヤレスネットワーク上の片方向または双方向通信のために構成することができ、さらにインターフェースモジュール要素は1つ以上の機械装置と連動して、洗浄液容器を充填するため、または廃棄物容器を排出させたりまたは空にしたりするためなど、液体および遊離した粒子状物質をそれとともに交換するよう構成され得る。
【0074】
それに応じて、前記インターフェースモジュール320は、動作コマンド、デジタルデータおよびその他の電気信号をそれとともに交換するための能動外部要素と連動するための、複数のインターフェース口および接続要素を備え得る。前記インターフェースモジュール320はさらに、液体および/または固形物をそれとともに交換するための1つ以上の機械装置と連動することができる。前記インターフェースモジュール320はまた、前記ロボット電力モジュール310を充電するための外部電源と連動することもできる。前記ロボット100と連動するための能動外部装置は、床固定接続架台、手持ち式遠隔制御装置、ローカルまたはリモートコンピュータ、モデム、前記ロボットとコードおよび/またはデータを交換するための携帯型記憶装置、および前記ロボット100をネットワークに接続される装置と連動させるためのネットワークインターフェースを含むことができるが、それに限定されない。また、前記インターフェースモジュール320は、前記ロボット100を貯蔵用の壁に取り付けるため、または前記ロボットを携帯用ケースまたはその類似物に取り付けるためのフックおよび/または掛け金機構などの受動要素を含み得る。
【0075】
特に、本発明の一側面による能動外部装置は、仮想壁パターンで放射線を出すことによって、部屋などの清掃空間に前記ロボット100を閉じ込める。前記ロボット100は前記仮想壁パターンを検出するよう構成されており、前記ロボットが前記仮想壁パターンを通り抜けないように前記仮想壁パターンを部屋として扱うようプログラムされている。本発明のこの特定の側面は、Jonesらによるロボットの局所化および閉じ込めのための方法およびシステムと題された米国特許番号6,690,134において具体的に説明されており、その開示全体が、全体として本明細書において参考として援用される。
【0076】
本発明のさらなる側面によるもう1つの能動外部装置は、前記ロボットと連動するために使用されるロボット基地局である。前記基地局は、例えば交流電力の壁コンセントなどの家庭用電源、および/または給水管、排水管およびネットワークインターフェースなどのその他の家庭用設備に接続される固定ユニットを備え得る。本発明によれば、前記ロボット100および前記基地局は、それぞれ自律的結合に対して構成されており、前記基地局はさらに、前記ロボット電力モジュール310を充電し、前記ロボットをその他の方法で使用可能にするように構成することができる。自律的結合および前記ロボット電力モジュールの再充電に対して構成される基地局および自律的ロボットは、Cohenらによる、2004年1月21日に申請され、自律的ロボットの自己結合およびエネルギー管理システムおよび方法と題された米国特許出願番号10/762,219に具体的に説明されており、その開示全体が、全体として本明細書において参考として援用される。
【0077】
前記自律的ロボット100は、下記でさらに詳述されている内蔵型移動駆動力源サブシステム900を含む。前記移動駆動900は、前記筐体200の下に伸びる3つの車輪を含み、清掃表面に対して3点の転がり支持を提供する。前輪は、前記首尾軸106と同軸で、その前縁で前記ロボット筐体200に取り付けられ、1対の駆動輪は前記横軸108の後部で前記筐体200に取り付けられて前記横軸109に沿っている駆動軸の周りを回転できる。各駆動輪は、個別に駆動および制御されて前記ロボットを所望の方向へ前進させる。また各動輪は、前記ロボットが洗浄液で濡れている清掃表面上を作動するときに、十分な駆動摩擦を提供するよう構成されている。前記前輪は、移動の方向に自己整合するよう構成されている。前記駆動輪は、前記ロボット100を前方または直線上に後方または弓状軌道に沿って動かすよう制御することができる。
【0078】
前記ロボット100はさらにセンサーモジュール340を含む。前記センサーモジュール340は、外部状態を感知するため、および内部状態を感知するために、前記筐体に取り付けらる、および/または前記ロボットサブシステム一体化される複数のセンサーを備える。様々な状態の感知に応じて、前記センサーモジュール340は電気信号を発生させ、前記電気信号を前記制御モジュール300に伝達することができる。個々のセンサーは、壁およびその他の障害物の検出、段差と呼ばれる清掃表面における急斜面の検出、床の汚れの検出、低バッテリー残量の検出、空の洗浄液容器の検出、一杯になった廃棄物容器の検出、移動した駆動輪速度距離または滑りの測定または検出、前輪の回転または段差落下の検出、回転ブラシの行き詰まりまたは真空システムの詰まりなどの清掃システムの問題の検出、非能率的な清掃、清掃表面、表面種類、システムの状態、温度、およびその他多くの状態の検出といった機能を実行することができる。特に、本発明の前記センサーモジュール340のいくつかの側面ならびにその操作、特に感知外部要素および状態に関しては、Jonesによるロボットの障害物検出システムと題された米国特許番号6,594,844、およびCaseyらによる、2005年6月24日に申請され、移動ロボット用の障害物追跡センサーの仕組みと題された米国特許出願番号11/166,986に具体的に説明されており、これらの開示の全体が、全体として本明細書において参考として援用される。
【0079】
本ロボットと乾式真空ロボットまたは大型業務用掃除機のどちらかとの1つの違いは、水洗い部品に対する制御およびセンサー部品の近接性である。ほとんどの乾式真空化ロボットにおいては、湿式洗浄剤が使用されず廃液が発生しないため、センサーまたは制御要素のいずれも、水またはより損害を与える洗浄液または溶剤によって濡れる傾向がない。大型業務用掃除機では、おそらく数フィートといった、清掃要素から必要なだけ遠くに制御機器およびセンサーが設置され、湿気を受け入れる必要のある唯一のセンサーは流体レベルを感知するためのものである。
【0080】
本発明は、家庭での使用に対して考慮されている(商業および業務用使用も考慮されているが、このような環境はより大きいバージョンのロボットを必要とする場合がある)。それに応じて、家庭用ロボットは、例えば地上から約4インチ以内で直径約1フィートなど、小さくて低くあるべきである。体積の多くは、流体ブラッシング、回転、吹き付け、および吹き出し装置に占められ、流体および/または泡はある時点で前記ロボットの大部分に浸透する。最大限でも、制御およびセンサーの電子機器は最も近い流体または泡の奔流から数インチ離れることとなる。
【0081】
それに応じて、本発明は、前記制御盤全体が耐水または防水いずれかの枠内で流体密閉であり、少なくともJIS第3等級(軽い吹き付け)の水/流体抵抗性を有するが、第5等級(強い吹き付け)および第7等級(一時的な浸漬)も望ましいことを考慮している。前記主制御盤は、(1)主枠上のねじ留めされガスケットされたカバーにより、(2)主枠に固定された、溶接、コーキング、密封または接着されたカバーにより、(3)耐水、水密、防水、または密閉された区画またはモジュールにおいてあらかじめ組み立てられることによって、または(4)樹脂またはその類似物に埋め込むまたはあらかじめ込むのに適した体積で位置付けられることによって、JIS第3〜7等級枠内で密封されるべきである。
【0082】
多くのセンサー要素は、時にはローカルマイクロプロセッサおよび/またはアナログ・デジタル変換器およびその類似物とともに局部小型回路基板を持つ。本発明はまた、前記ロボットの前記本体にわたって分配されるセンサー回路基板も、同様の方法でJIS第3〜7等級枠内で密封されることも考慮する。本発明はまた、少なくとも主回路基板および主基板から数インチ離れた遠隔回路基板を含む複数の回路基板は、単一の適合する枠またはカバーによって密封することができることを考慮している。例えば、回路基板の全てまたはいくつかは、局所センサー部位に到達する拡張を有する単一のプラスチックまたは樹脂モジュール内に配置することができ、分配されたカバーは回路基板の全ての上で固定することができる。また、センサー、モーター、または通信線の露出した電気的接続および端末は、カバー、モジュール、埋め込み、焼嵌め、ガスケット、またはその類似物によって、同様の方法で密封することができる。この方法において、実質的に電気システム全体が流体密閉および/または液体の吹き付けまたは泡から分離されている。回路基板、PCB、検出器、センサーなどとしてここで定義される、ありとあらゆる電気または電子要素はそのような密封に対する候補である。
【0083】
前記ロボット100はまた、ユーザー制御モジュール330をも含み得る。前記ユーザー制御モジュール330は、ユーザー入力に応じて電気信号を発生させて前記信号を前記主制御モジュール300に伝達する1つ以上の入力インターフェースを提供する。本発明の一実施例において、上述されている前記ユーザー制御モジュールは、ユーザー入力インターフェースを提供するが、使用者は、手持ち式遠隔制御装置、プログラム可能なコンピュータ、またはその他のプログラム可能な装置を介して、または音声コマンドを介してコマンドを入力してもよい。使用者は、電源オン/オフ、開始、停止などの動作開始をしたり、または清掃モードの変更、清掃時間の設定、開始時間および持続時間などの清掃パラメータのプログラムするためのユーザーコマンド、および/またはその他多くのユーザー起動コマンドを入力することができる。本発明による使用に対して考慮されるユーザー入力コマンド、機能および部品は、Dubrovskyらによる、2005年6月24日に申請され、自律的ロボット装置用の遠隔制御スケジューラおよび方法と題された米国特許出願番号11/166,891に具体的に説明されており、その開示全体が、全体として本明細書において参考として援用される。ユーザー相互作用の具体的なモードもここに説明されている。
【0084】
(清掃域)
図2を参照して、ロボット筐体200の底面は等角図で示されている。そこで示されているとおりに、第一清掃域Aは前記首尾軸106に対して第二清掃域Bの前方に配置される。それに応じて、前記ロボット100が順方向に移動すると、清掃表面上で前記第一清掃域Aは前記第二清掃域Bに先行する。各清掃域AおよびBは通常前記横軸108に沿って配置される清掃幅Wを持つ。理想的には、各清掃域の前記清掃幅は実質的に同一であるが、清掃域AおよびBの実際の清掃幅はわずかに異なる場合がある。本発明の好ましい実施例によれば、前記清掃幅Wは、実質的に前記横軸108に沿っている前記ロボット筐体200の底面の右円周縁に近接して伸びる前記第二清掃域Bによって主に定義され、約296mmまたは11.7インチの長さ、つまり約30cmまたは12インチの長さである。前記清掃域Bを右円周縁に近接して位置付けることによって、前記ロボット100は壁または障害物に隣接する清掃表面を清掃するために、壁またはその他の障害物に近いその右円周縁を操縦することができる。それに応じて、前記ロボットの運動パターンは、清掃周期中に前記ロボットによって遭遇される各壁または障害物に隣接する前記ロボット100の右側を移動させるためのアルゴリズムを含む。よって前記ロボット100は支配的な右側を有すると言える。もちろん、前記ロボット100はその代わりに支配的な左側で構成することも可能である。前記第一清掃域Aは、単に前記ロボット100の円周形状により、前記横軸108の前方に位置して前記第二清掃域Bよりもわずかに狭い清掃幅を持つ。しかしながら、前記第一清掃域Aによって清掃されない清掃表面積は、前記第二清掃域Bによって清掃される。
【0085】
(第一清掃域または乾式真空清掃)
前記第一清掃域Aは、前記清掃表面から遊離した粒子状物質を回収するよう構成される。好ましい実施例において、前記第一清掃域Aの左端に配置される空気噴出口554を含む換気装置によって空気の噴流が発生する。前記空気噴出口554は、そこから圧搾空気の持続的噴流または流れを吐き出す。前記空気噴出口554は、左から右へ前記清掃幅にわたって空気の噴流を方向付けるよう指向される。前記空気噴出口554と向かい合って、空気取入口556は前記第一清掃域Aの右端に配置される。ここで使用されているとおりの「空気取入口」は、「真空口」、「空気吸入口」、「負圧帯」などを意味する場合がある。前記換気装置は、前記取入口556に接続される導管内で負の空気圧帯を発生させ、これは前記取入口556に近接する負の空気圧帯を作り出す。前記負の空気圧帯は前記空気取入口556内に遊離した粒子状物質および空気を吸引し、前記換気装置はさらに前記遊離した粒子状物質を前記ロボット100の持つ廃棄物容器内に入れるよう構成される。それに応じて、前記空気噴出口554から吐き出された加圧空気は前記第一清掃域A内で前記清掃幅上を動き、前記前記取入口556に近接する負の空気圧帯に向けて前記清掃表面上の遊離した粒子状物質を押し進める。前記遊離した粒子状物質は、前記空気取入口556を通って前記清掃表面から吸引され、前記ロボット100の持つ廃棄物容器に入れられる。前記第一清掃域Aはさらに、前記空気噴出口554と前記空気取入口556との間に形成されるほぼ長方形のチャネルによって定義される。前記チャネルは、前記ロボット筐体200の底面に形成される輪郭形状である長方形の陥凹部574の対向する前方および後方壁によって定義される。前記前方および後方壁は前記首尾軸106に対して実質上横にある。前記チャネルはさらに、例えば前記陥凹部574の後部端に沿って前記筐体の底面から前記清掃表面へと伸びる、前記ロボット筐体200に取り付けられる第一柔軟「ドクター」(気流案内)ブレードによって定義される。
【0086】
前記ドクター気流案内ブレードは、前記清掃表面と接触またはほぼ接触するよう搭載される。前記ドクター気流案内ブレード576は好ましくは、例えばネオプレンゴムまたはその類似物から成形される1〜2mmの厚さの棒状要素など、薄い柔軟で弾性のある成形物から形成される。前記ドクター気流案内ブレード576、または少なくとも前記ドクター気流案内ブレードの一部は、例えば前記ドクター気流案内ブレードと前記清掃面との間の摩擦を軽減するためのフッ素重合体樹脂など、低摩擦材質でコーティングすることができる。前記ドクター気流案内ブレード576は、接着ボンドによって、またはその他の適切な手段によって前記ロボット筐体200に取り付けることができる。前記ロボットの後部に向かった空気案内ブレード576は、移動の方向から約95〜120度、移動の方向に対して角を成す。前記真空口556に最も近い前記ブレード576の先端は、より後部へと向かっている。それに応じて、破片は、前記ロボットが前進すると、前記各傾斜ブレード576に沿って動く傾向がある。
図2に表されるとおりに、傾斜ブレード578は、真空取入口もより小さい傾斜案内ブレード578の前方側面に沿って空気および破片を引き込むような方法で、実質的に前記真空取入口の方を指す。小型乾式真空ブレードは、そうでなければ吸引口を越えて吹き飛ばされ、前記吸引口の方へ戻されて投入されるような、より軽い物体を迂回させるよう位置付けられる。それはまた、より大きな物体を吸引口に向けて戻るように導く。
【0087】
図2に示されるとおりの、前記ロボットの正面に近いキャスター前輪は通常、180度の左右移動に制限されている。しかし、特定の実施例は、より広い範囲の運動によって益を得る。例えば、前記キャスター前輪の特定の実施例に対する基準は、360度(自由な動き)または180度以下(限られているが可逆的な動き)のいずれかであるが、市販用実施例に対しては典型的に160〜170度である。前記キャスター車輪の運動の特定の範囲は、後進時に前記車輪が動かなくなる原因となる場合がある。
【0088】
前記第一清掃域Aの経路は、前記清掃表面と前記第一清掃域Aに近い前記ロボット筐体200の底面との間に体積の増加を提供する。増加した体積は、前記噴出口554および前記空気取入口556との間の気流を導き、前記ドクター気流案内ブレード576は、遊離した粒子状物質および気流が後部方向に前記第一清掃域Aから抜け出すことを防ぐ。前記清掃幅にわたって前記空気の噴出および前記遊離した粒子状物質を導くことに加えて、前記第一ドクター気流案内ブレード576は前記清掃表面上で汚染物質に対して摩擦推力を働かせ、前記ロボットが順方向に動くと清掃表面から汚染物質を遊離させることに役立ち得る。前記第一柔軟ドクター気流案内ブレード576は、前記ロボット100の前進を妨げることなく、ドアの引っかかり、成形、および装飾部品などの清掃表面における不連続に適合する外形に適応するのに十分柔軟となるよう構成される。
【0089】
第二柔軟ドクター気流案内ブレード578はまた、前記空気の噴流を前記空気取入口554を取り囲む前記負圧域に向かってさらに導くよう前記第一清掃域Aに配置され得る。前記第二柔軟ドクター気流案内ブレードは、前記第一柔軟ドクター気流案内ブレード576と同様の構造であり、前記ロボット筐体200の底面に取り付けられてチャネルを通って移動する空気および遊離した粒子状物質をさらに導く。一例において、第二陥凹部579は前記筐体200の底面に形成され、前記第二柔軟ドクター気流案内ブレード576は、前記横軸108に対して典型的に30〜60°の間の鋭角で、前記第一陥凹部574へ突出する。前記第二柔軟気流案内ブレードは、前記陥凹部574の前縁から伸びて、経路首尾寸法の約1/3から1/2の経路へ突出する。
【0090】
前記第一清掃域Aは、清掃経路に沿って前記清掃表面を横切り、前記清掃幅に沿って遊離した粒子状物質を回収する。前記第二清掃域Bが前記清掃経路を通りすぎる前に前記遊離した粒子状物質を回収することによって、前記第二清掃域が前記清掃表面に洗浄液を塗布する前に、前記遊離した粒子状物質が回収される。前記第一清掃域で前記遊離した粒子状物質を取り除くことの1つの利点は、前記遊離した粒子状物質がまだ乾燥している間に取り除かれることである。いったん前記遊離した粒子状物質が前記第二清掃域によって塗布される洗浄液を吸収すると、それらはより回収しにくくなる。さらに、前記遊離した粒子状物質によって吸収される前記洗浄液は表面を清掃するために利用できないため、前記第二清掃域Bの清掃効率が劣化する場合がある。前記第一清掃域は通常、使用者のモップがけをする前の掃き掃除の作業を省き、通常前処理である。しかしながら、代替的な構造において、前記第一清掃域は、前記ロボットの水洗い機能性からは離れて別にして作動することができる乾式真空発生器である。さらにまた、そのような場合、前記第一清掃域は、回転ブラシまたは逆回転ブラシを備え得、またはブラシおよび真空発生器よりもむしろブラシのみを使用し得る。
【0091】
もう1つの実施例において、前記第一清掃域は、前記清掃幅にわたって伸びて遊離した粒子状物質を容器の中へはじく逆回転ブラシなどその他の清掃要素で構成され得る。もう1つの実施例において、換気装置は、前記清掃幅にわたって伸びる細長い空気取入口を通って前記清掃表面から空気および遊離した粒子状物質を引き込むよう構成され得る。特に、本発明による第一清掃域を提供するために使用できるその他の実施例は、Jonesらによる自律的床清掃ロボットと題された米国特許番号6,883,201に開示されており、その開示全体が、全体として本明細書において参考として援用される。
【0092】
図22は、
図3に表されているものと同様の要素を表す。下記の説明において、多少代替的な用語が使用されている。
図22に示されている要素は、前記主電気ボード300、「カム」駆動ポンプ706、前記前キャスター960、IR「静止」センサーおよび部品を持つ静止回路基板300a(つまり、前輪が前記駆動した車輪に沿って回転しない場合を検出して前記ロボットが行き詰まるかもしれないことを示す)、リードスイッチPCB300b、バッテリー充電コードを受けるための充電プラグPCB300c、前記ロボット本体内に設置される場合のバッテリーに対する接触用のバッテリー接触ブレード777、前記ボード300の縁の内側を覆って前記ボード300に防水処理をするためのカバーと合うボードガスケット/密封301、バンパー220、前記主筐体200、前記水洗いヘッドと実質的に一致して位置する前記水洗いヘッドモーターおよび動力伝達装置608、左動力伝達装置/車輪アセンブリ909(バイアススプリング、サスペンション、統合遊星またはその他の動力伝達装置を示す)、右動力伝達装置/車輪アセンブリ
902(同様に配置される)、分岐乾式真空管および排気管517a、517b、前記ファンアセンブリ用の交換式フィルタ(粒子状物質およびほとんどの水の両方が前記ファンアセンブリに進入するよう構成される十分に小さい細孔および表面を持っているべきである)、第一または左噴射ノズル712、第二または右噴射ノズル714、前記右噴射ノズル用のノズル管、前記ファンアセンブリ502、前記ロボット本体の内部カバー、および前記内部カバーを前記筐体に固定するためのワイヤークリップである。
【0093】
前記静止回路基板300a、前記リードスイッチPCB300b、および前記充電プラグ300cは、ここで説明される構造によって、耐水または防水とすることができ、またはされるべきである。
図22に示されているとおりに、これらのPCBは、前記関連センサーおよび電子部品を支持するよう位置付けられる傾向がある。
【0094】
前記乾式真空発生器は、小さなごみ箱の中にごみをはじくための主清掃ブラシを備えてもよい。このごみ箱は、前記ブラシの前方または後方に搭載することが可能である(ブラシのシュラウドに対する適切な改良を伴う)。蒸発して相対湿度を上げる水の薄い層で床を覆うことに加えて、前記真空排気管は、汚れたまたは清浄なタンク内の水を通過して空気を絶えず吹き出すよう仕向けることができる。汚れたまたは清浄なタンクから出る空気は、それに進入する空気より高い相対湿度を持つ傾向があり、室内の湿度をより上げ、洗浄液が香料を追加した場合は、これを室内に吹き出すことができる。
【0095】
(第二清掃域または水洗いヘッド)
前記第二清掃域Bは、洗浄液を清掃表面に塗布するよう構成される液体塗布器700(またあるいは、噴射ヘッドおよび/または散布装置)を含み、前記洗浄液は好ましくは前記清掃幅全体にわたって均一に塗布される。前記液体塗布器700は前記筐体200に取り付けられ、前記洗浄液を前記清掃表面に吹き付けるよう構成される少なくとも1つのノズルを含む。前記第二清掃域Bはまた、前記洗浄液が前記清掃表面に塗布された後に前記清掃幅にわたってその他の清掃作業を行うためのスクラブモジュール600(またあるいは、電動ブラシ)も含み得る。前記スクラブモジュール600は、前記洗浄液を塗抹して清掃表面上でより均一にそれを分配するための、前記清掃幅にわたって配置される塗抹要素を含み得る。前記第二清掃域Bはまた、前記清掃幅にわたって前記清掃表面を磨くよう構成される受動または能動スクラブ要素、スクラブブラシ、ワイパー、またはぞうきんをも含み得る。前記第二清掃域Bはまた、前記清掃幅にわたって前記清掃表面から廃棄物を回収するよう構成される第二回収装置(またあるいは、濡れた表面または濡れたブラシのいずれかに向けられる湿式真空発生器)をも含み得、前記第二回収装置は特に液状廃棄物を回収するために構成される。
【0096】
(液体塗布器モジュールまたは噴射ヘッド)
図5で図式的に示されている前記液体塗布器モジュール700は、前記清掃幅にわたって測定量の洗浄液を前記清掃表面上に塗布するよう構成される。ここで使用されるとおりの「液体塗布器モジュール」は、「ノズル」、「噴射ヘッド」、および/または「散布式ブラシ/ワイパー」を意味する場合がある。また、前記液体塗布器モジュールは、床に直接吹き付けたり、流体を有するブラシまたはローラーに吹き付けたり、または床、ブラシ、ローラー、またはパッドに対する浸漬または毛管作用によって流体を塗布することができる。前記液体塗布器モジュール700は、前記筐体200に携行される洗浄液補充容器Sから洗浄液の補充を受け、前記筐体200に配置される1つ以上の噴射ノズルを通して前記洗浄液を送り込む。前記噴射ノズルは、前記第一清掃域Aの後部で前記ロボット筐体200に取り付けられ、各ノズルは洗浄液を前記清掃表面に塗布するよう指向される。好ましい実施例において、一対の噴射ノズルは前記清掃幅Wの遠位左および右端で前記ロボット筐体200に取り付けられる。各ノズルは、前記清掃幅の対向する端に向かって洗浄液を吹き付けるよう指向される。各ノズルは、個別に送り込まれて噴射パターンを噴出し、各ノズルのポンプの動作は、2つのノズルのうち1つが常に洗浄液を塗布するように他方のノズルに対して約180度だけずれている。
【0097】
図5を参照して、前記液体塗布器モジュール700は、前記筐体200(および/または統合タンク内で)に携行されて洗浄液で容器を再充填するために使用者によってそこから取り外し可能である(または前記容器Sは水を詰め替えられ、洗浄濃縮剤はもう1つの区画から、または固形物または粉末として再充填されている)、洗浄液補充容器Sを含む。前記補充容器Sは、そのベース面を通って形成される排出または出射孔702で構成される。流体管704は、前記出射孔702から洗浄液を受けて洗浄液の補充をポンプアセンブリ706へ供給する。前記ポンプアセンブリ706は、
図7に示されている、回転カムによって駆動される左および右ポンプ部708および710を含む。前記左ポンプ部708は、導管716を介して洗浄液を左噴射ノズル712に送り込み、前記右ポンプ部710は、導管718を介して右噴射ノズル714に送り込む。
【0098】
図6で断面図にて示されている停止弁アセンブリは、前記補充容器Sの内部に搭載されるメス型上部720、および前記筐体200に取り付けられるオス型部721を含む。前記メス型部720は名目上、前記出射孔702を閉じて密封する。前記オス型部721は、前記出射孔702を開いて前記補充容器S内の前記洗浄液を利用できるようにする。前記メス型部720は、上部枠722、スプリングバイアス可動停止724、前記停止724を閉鎖位置にバイアスをかけるための圧縮スプリング726、および前記出射孔702を密封するためのガスケット728を含む。前記上部枠722はまた、流体が前記補充容器Sから出る前に前記洗浄液から汚染物質をろ過するための、前記補充容器S内のフィルタ要素730も支持し得る。
【0099】
前記停止弁アセンブリオス型部721は、前記出射孔702内に挿入して前記ガスケット728を突き抜けるようよう形成される中空オス型付属部732を含む。前記出射孔702に前記中空オス型付属部732を挿入することで、前記可動停止724を前記圧縮スプリング726に対して上に向かって押し進めて前記停止弁を停止する。前記中空オス型付属部732は、その中央縦軸に沿う流管734で形成され、前記流管734は、洗浄液を前記流管735の中で受けるために、その最上端に1つ以上の開口部735を含む。その下端で、前記流管734は、前記オス型付属部732に取り付けられるかまたは一体化して形成されるホース付属部736と流体の連通をする。前記ホース付属部736は、それを通る中空流体通路737を持つ管要素を備え、前記ホース付属部736から流体を受けて前記流体を前記ポンプアセンブリ706に供給するホースまたは流体管704を取り付ける。前記流管734はまた、前記補充容器Sから出る際に前記洗浄液をろ過するための、そこに搭載される使用者によって取り外し可能なフィルタ要素739をも含み得る。
【0100】
本発明によれば、前記停止弁オス型部721は、前記筐体200に固定されて、前記容器Sに固定される前記メス型部720と係合する。前記容器Sがその動作位置で前記筐体に搭載されると、前記オス型部721が前記メス型部720と係合して前記出射孔702を開く。洗浄液の補充は、前記補充容器Sから前記ポンプアセンブリ706に流れ、その流れは重力に補助されるか、または前記ポンプアセンブリによって吸引されるか、または両方が可能である。
【0101】
前記ホース付属部736はさらに、図示されていないが、前記ホース付属部流通路737の内部表面に配置される一対の導電性要素を備え、流槽内の前記一対の導体要素は、電気的に互いから絶縁される。図示されていないが、測定回路は、前記一対の導電性要素の間の電位差を作り出し、前記流通路737内に洗浄液があると、電力が前記洗浄液を通って一方の電極から他方へと流れ、前記測定回路が電流フローを感知する。前記容器Sが空の場合、前記測定回路は電力フローを検出できず、それに応じて補充容器空信号を前記主制御装置300に送信する。前記補充容器空信号の受信に応じて、前記主制御装置300は適切な措置をとる。
【0102】
図5に表されているとおりの前記ポンプアセンブリ706は、左ポンプ部708および右ポンプ部710を含む。前記ポンプアセンブリ706は、前記補充容器Sから洗浄液の連続流を受け、交代して洗浄液を前記左ノズル712および前記右ノズル714に供給する。
図7は、断面図における前記ポンプアセンブリ706を表し、前記ポンプアセンブリ706は
図3で前記筐体200の上面に搭載されて示されている。前記ポンプアセンブリ706は、回転軸の周りの回転用のモーター駆動シャフトに搭載されるカム要素738を含む。図示されていないが、前記モーターは、前記制御装置300の制御下で実質的に一定の角速度で前記カム要素738を回転させる。しかしながら、前記カム要素738の角速度は、前記左および右噴射ノズル712および714のポンプの周波数を変えるように増加または減少させることができる。特に、前記カム要素738の角速度は、清掃表面に塗布される洗浄液の質量流量を制御する。本発明の一側面によれば、前記カム要素738の角速度は、ロボットの速度にかかわらず、清掃表面に均一量の洗浄液を塗布するためのロボットの前方速度に比例して調整することができる。交代に、前記カム要素738における角速度の変化を利用して、要望どおりに、清掃表面に塗布される洗浄液の質量流量を増加または減少させることができる。
【0103】
前記ポンプアセンブリ706は、旋回軸762の周りを旋回するように搭載される揺動要素761を含む。前記揺動要素761は、一対の向かい合ったカム追跡要素764を左側、および766を右側に含む。各カム追跡764および766は、前記カム要素がその回転軸を回転する際に、前記カム要素738の円周外形との一定の接触を保つ。前記揺動要素761はさらに、左ポンプアクチュエータ連結具763および右ポンプアクチュエータ連結具765を含む。各ポンプアクチュエータ連結具763および765は対応する左ポンプ室アクチュエータニップル759および右ポンプ室アクチュエータニップル758に固定して取り付けられる。容易に理解されるとおりに、前記カム要素738の回転は、前記カム追跡要素764および766のそれぞれを前記カム円周外形にたどらせ、前記カム外形によって決定づけられる運動は、前記揺動要素761によって前記左および右アクチュエータニップル759および758へと移動させられる。下述されているように、前記アクチュエータニップルの運動は、洗浄液を送り込むために使用される。前記カム外形は特に、前記揺動要素761が、前記左アクチュエータニップル759上に同時に持ち上げながら前記右アクチュエータニップル758を下向きに押し進めるよう成形され、この動作はカムの第一の180度の間に起こる。交代して、カム回転の第二の180度は、前記揺動要素761を、前記右アクチュエータニップル758上に持ち上げながら前記左アクチュエータニップル759を下向きに押し進めさせる。
【0104】
前記揺動要素761はさらに、その端に取り付けられる永久磁石769を支持するセンサーム767を含む。前記磁石769によって生成される磁場は、前記磁石769に近接して支持される電気回路771と相互作用し、前記回路は磁場の方向性の変化に応答して信号を発生させる。前記信号は、前記ポンプアセンブリ706の動作を追跡するために使用される。
【0105】
図7〜9を参照して、前記ポンプアセンブリ706はさらに、それぞれ対向する上部および下部非可撓性要素746および748の間に搭載される可撓性膜744を備える。
図7の断面図を参照して、前記可撓性要素744は、上部非可撓性要素746と下部非可撓性要素748との間でとらえられる。前記上部非可撓性要素746、前記可撓性要素744および前記下部非可撓性要素748のそれぞれは、通常均一な厚さを持つ実質的に長方形の薄板として形成される。しかしながら、各要素はまた、隆起したリッジ、くぼみおよびその対向する表面に形成されるその他の表面輪郭から成るパターンも含む。
図8は、前記可撓性要素744の上面図を表し、
図9は前記下部非可撓性要素748の上面図を表す。前記可撓性要素744は、ネオプレンゴムまたはその類似物などの可撓性膜材質から形成され、前記非可撓性要素748および746はそれぞれ、成形用硬質プラスチックまたはその類似物などの非可撓性の固い材質から形成される。
【0106】
図8および9に示されるとおりに、前記可撓性要素744および前記非可撓性要素748のそれぞれは、図においてEと指定される中心軸の周りで対照的である。特に、前記要素746、744および748のそれぞれの左側が組み合わさって左ポンプ部を形成し、前記要素746、744および748のそれぞれの右側が組み合わさって右ポンプ部を形成する。前記左および右ポンプ部は実質的に同一である。前記3つの要素がともに組み立てられると、各要素の前記隆起したリッジ、くぼみおよび表面輪郭は、前記要素の他方の接触表面の前記隆起したリッジ、くぼみおよび表面輪郭と連携して流体源泉および通路を作り出す。前記源泉および通路は、前記上部要素746と前記可撓性要素744との間、または前記下部非可撓性要素748と前記可撓性要素744との間に形成することができる。一般に、前記可撓性要素744は、前記源泉および通路を密封するためのガスケット層の役割をし、その可撓性を使用して圧力の変化に反応し、前記ポンプが作動すると局所圧力に応じて通路を密封および/または開く。また、前記要素を通って形成される穴によって、流体が前記ポンプに流入または流出すること、および前記可撓性要素744を通って流れることが可能となる。
【0107】
例として前記右ポンプ部を使用して、洗浄液は、前記下部非可撓性要素748中心に形成される開口を通って前記ポンプアセンブリへ引き込まれる。前記開口765は、前記導管704を介して前記流体補充容器から洗浄液を受ける。入ってくる流体は通路766を満たす。リッジ775および768はそれらの間にくぼみを形成し、可撓性744上のかみ合う隆起したリッジは、前記リッジ775および768の間でくぼみを満たす。このことは流体を前記通路766内に閉じ込め、前記通路を圧力密封する。開口774は前記可撓性要素744を通過し、前記通路766と流体の連通をする。下述されている前記ポンプ室が拡張すると、拡張が局部圧力を減少させ、前記開口744を通して流体を前記通路776に引き込む。
【0108】
前記開口774を通って引き込まれる流体は源泉772を満たす。前記源泉772は、可撓性要素744および前記上部非可撓性要素746との間に形成される。リッジ770は前記源泉772を取り囲み、前記上部可撓性要素746の特徴と結合し、流体を前記源泉772に封じ込めて前記源泉を圧力密封する。前記源泉772の表面は、前記源泉772内の圧力が低下すると前記源泉の基部が持ち上がって前記開口774を開いて前記開口774を通して流体を引き込むように、可撓性を有する。しかし、前記源泉772内の圧力が低下すると、前記ポンプ室の収縮により、前記開口774は前記開口と直接並んでいる隆起上面773に押し付けられ、前記源泉772はトラップ弁の役割を果たす。第二開口776は前記可撓性要素744を通過して、流体が前記可撓性要素744を通って前記源泉772からポンプ室の中へ通ることを可能とする。前記ポンプ室は、前記可撓性要素744および前記下部非可撓性要素748との間に形成される。
【0109】
図7を参照して、右ポンプ室752は断面図で示されている。前記室752は、環状ループ756によって形成されるドーム形屈曲部を含む。前記ドーム形屈曲部は、前記可撓性要素744の表面輪郭である。前記環状ループ756は、前記上部非可撓性要素746を通って形成される大型開口760を通過する。前記ポンプ室の体積は、前記ポンプアクチュエータ765が前記アクチュエータニップル758を引き上げると拡張される。体積の拡張は前記ポンプ室内の圧力を減少させ、流体は前記源泉772から前記室へと引き込まれる。前記ポンプ室の体積は、前記ポンプアクチュエータ765が前記アクチュエータニップル758を押し下げると減少する。前記室内の体積の減少は圧力を増加させ、増加した圧力が前記ポンプ室から流体を吐き出す。
【0110】
前記ポンプ室はさらに、前記下部非可撓性要素748において形成される源泉780によって定義される。前記源泉780は、
図9に示される、前記下部非可撓性要素748内に形成されるくぼみ784に取り囲まれ、前記可撓性要素744上に形成されるリッジ778は前記くぼみ784と結合して前記ポンプ室を圧力密封する。前記ポンプ室752はさらに、前記下部非可撓性要素748を通って形成される出射孔782を含み、それを通して流体が吐き出される。前記出射孔782は、前記導管718を介して流体を前記右ノズル714に供給する。前記出射孔782はまた、前記ポンプ室が減少すると前記出射孔782を閉じるための逆止め弁の役目を果たす停止面に向かい合っている。
【0111】
よって本発明によれば、洗浄液は、前記ポンプアセンブリ706の動作によって洗浄補充容器Sから引き出される。前記ポンプアセンブリ706は、洗浄液を2つの個別噴出ノズルへ送り込むための2つの個別ポンプ室からなる。各ポンプ室は、前記ポンプ室内の圧力の急増に応じて、1つのノズルに洗浄液を供給するよう構成される。前記ポンプ室の圧力は、洗浄液の実質的に均一な層を清掃表面に吹き付けるために各ノズルへと流体を推進するよう形成される前記カム外形によって決定される。特に、前記カム外形は、清掃幅Wの単位長さにつき実質的に均一量の洗浄液を供給するように構成される。通常、本発明の前記液体塗布器は、1立方フィートにつき約0.2〜5.0mlの範囲の容積流量で、好ましくは1立方フィートにつき約0.6〜2.0mlの範囲で洗浄液を塗布するよう構成される。しかし用途によっては、本発明の液体塗布器は、所望の容積層を表面に塗布することができる。また、本発明の前記流体塗布器システムは、ワックス、ペンキ、消毒剤、化学コーティング、およびその類似物などその他の液体を床表面に塗布するために使用できる。
【0112】
下記でさらに説明されるとおりに、使用者は前記ロボット筐体から前記補充容器Sを取り外して、測定量の清浄水および相当する測定量の洗浄剤で前記補充容器を充填することができる。前記水および洗浄剤は、
図17に示される取り外し可能キャップ172がかぶさる補充容器アクセス開口168を通して前記補充容器Sの中へ注ぐことができる。前記補充容器Sは、約1100ml(37液量オンス)の液体体積容量で構成され、洗浄剤および清浄水の所望の量は、特定の清掃用途にふさわしい割合で前記補充タンクへと注ぐことができる。
【0113】
(洗浄モジュール、電動ブラシおよび/または電動ワイパー)
前記スクラブモジュール600は、本発明の好ましい実施例によれば、
図10の組立分解等角図および
図2で示されるロボットの底面図に示される。前記スクラブモジュール600は、前記筐体200に取り付ける個別のサブアセンブリとして構成することができるが、清掃あるいはその清掃要素を使用可能にするために使用者によってそこから取り外すことができる。本発明から逸脱することなく他の配置を構成することが可能である。例えば、代替的な構造において、前記スクラブモジュール600の上部壁は、本質的に前記ロボットの本体の一部/一体となるが、前記スクラブモジュールは示すとおりに開いてブラシ、スキージ、および内部空洞の清掃を可能にする(そのような場合、「スクラブモジュール」は適切な用語のままである)。容易に取り外し可能なスクラブモジュールは、例えばスクラブカートリッジまたは清掃ヘッドカートリッジなどの、「カートリッジ」と呼ぶことができる。前記スクラブモジュール600は、前記筐体200の底側に形成される空洞602内の場所に設置して留める。前記空洞602の外形は、
図3における前記筐体200の右側に表示されている。前記スクラブモジュール600の前記清掃要素は、前記液体塗布器モジュール700の後部に位置付けられて濡れた清掃表面上で清掃動作を行う。
【0114】
好ましい実施例において、前記スクラブモジュール600は、その前縁に取り付けられて前記清掃幅にわたって配置される、受動塗抹または散布要素(またあるいは、「散布式」または「散布式ブラシ」)612を含む。前記塗抹または散布式ブラシ612は前記スクラブモジュール600から下方に伸び、前記清掃幅にわたって清掃表面と接触またはほぼ接触するよう構成される。前記ロボット10が順方向に移動すると、前記塗抹ブラシ612が前記液体塗布器によって塗布された洗浄液のパターン上を動いて塗抹し、または清掃表面上に前記洗浄液をより均一に広げる。
図2および10に示される前記塗抹または散布式ブラシ612は、各剛毛の第一端が圧着金属経路などの保持具、またはその他の適切な保持要素にとらえられている、複数のしなやかな柔軟塗抹剛毛614を備える。各塗抹剛毛614の第二端は、各剛毛が清掃表面と接触すると自由に曲がることができる。前記塗抹または散布式剛毛614の直径、ならびに清掃表面にたいして前記塗抹剛毛が作る呼び干渉寸法は、剛毛の剛性を調整することによって塗抹作用に影響するよう変えることができる。本発明の好ましい実施例において、前記塗抹または散布装置612は、約0.05〜0.2mm(0.002〜0.008インチ)の範囲の平均剛毛直径を有するナイロン剛毛を備える。各剛毛614の呼び長さは前記保持具と前記清掃表面との間で約16mm(0.62インチ)であり、前記剛毛614は約0.75mm(0.03インチ)の干渉寸法で構成される。前記塗抹ブラシ612はまた、前記表面上に塗布される余分な洗浄液を回収し、その回収された洗浄液を他の場所に分配することもできる。もちろん、柔軟で弾性のあるブレード部材、スポンジ要素、または清掃表面と接触する転がり部材などのその他の塗抹要素または散布式ブラシも使用できる。均等に間隔をあけられた複数の噴射ジェットまたはノズルが、塗抹ブラシなしで流体を一定の間隔をあけられたパターンで流体を方向づける場合(吹き付け、浸漬、または流れ)前記均等に間隔をあけられた複数の噴射ジェットは「散布装置」として機能する。
【0115】
前記スクラブモジュール600は、スクラブ要素、スクラブブラシ、ワイパー、またはぞうきん604を例えば含み得るが、本発明はスクラブ要素なしで使用し得る。前記スクラブ要素は、清掃動作中に前記清掃表面に接触して前記洗浄液をかくはんし、乳化、分解、あるいは汚染物質と化学反応するようにそれを汚染物質と混合する。前記スクラブ要素、スクラブブラシ、ワイパーまたは雑巾はまた、清掃表面に対して動くとせん断力を発生させ、前記力は付着および汚染物質と前記清掃表面との間のその他の接着を断つのに役立つ。また、前記スクラブ要素は受動要素または能動でもよく、前記清掃表面と接触しても、前記接触表面と全く接触しなくてもよく、または前記清掃表面との接触の有りと無しとの間で動くことができるよう構成され得る。
【0116】
本発明による一実施例において、受動スクラブ要素、スクラブブラシ、ワイパー、または雑巾は、前記スクラブモジュール600または全筐体200上のその他の取付点に取り付けられ、前記清掃幅にわたって前記清掃表面と接触するよう配置される。前記ロボットが順方向に移動すると、前記受動スクラブ要素と前記清掃表面との間で力が発生する。前記受動スクラブ要素、スクラブブラシ、ワイパー、またはぞうきんは、前記清掃表面と接触して保持される複数のスクラブ剛毛、織布または不織布材質、例えば、前記清掃表面と接触して保持されるスクラブパッドまたはシート材質、またはスポンジなどの柔軟固形要素、または前記清掃表面と接触して保持されるその他の柔軟多孔質固形発泡要素を備え得る。特に、磨くために使用される従来のスクラブブラシ、スポンジ、またはスクラブパッドは、前記ロボット100に固定して取り付けられ、前記ロボット100が前記清掃表面上を前進すると前記清掃表面を磨くよう、前記液体塗布器の後部で前記清掃幅にわたって前記清掃表記に接触して保持することができる。また、前記受動スクラブ要素は、例えば前記清掃表面と接触するように清浄な洗浄剤を前進させるために供給ロールおよび巻き取りロールを使用して、使用者によって交換できるよう、または自動的に補給されるように構成され得る。
【0117】
本発明によるもう1つの実施例において、1つ以上の能動スクラブ要素は、前記清掃表面に対して、および前記ロボット筐体に対して移動可能である。前記能動スクラブ要素の動きは、スクラブ要素、スクラブブラシ、ワイパー、またはぞうきんと前記清掃表面との間で行われる作業を増加させる。各可動スクラブ要素は、同じく前記筐体200に取り付けられる駆動モジュールによって、前記筐体200に対する動きについて推進される。能動スクラブ要素はまた、前記清掃表面と接触して保持されるスクラブパッドまたはシート材質、またはスポンジなどの柔軟固形要素、または前記清掃表面と接触して保持され、振動支持要素によって振動されるその他の柔軟多孔質固形発泡要素を備え得る。その他の能動スクラブ要素はまた、磨くための複数のスクラブ剛毛、および/または移動可能に支持された従来のスクラブブラシ、スポンジ、またはスクラブパッドを含み得、または超音波放射器を使用して磨き作用を発生させることもできる。能動スクラブ要素と前記筐体との間の相対運動は直線または回転運動を備え得、前記能動スクラブ要素は、使用者によって交換できるよう、または清掃できるよう構成され得る。
【0118】
図10〜12を参照して、本発明の好ましい実施例は能動スクラブ要素を含む。前記能動スクラブ要素は、前記洗浄液がその上に塗布された後に前記清掃表面を積極的に磨くために、前記液体塗布器ノズル712、714の後部で、前記清掃幅にわたって配置される回転ブラシアセンブリ604を備える。前記回転ブラシアセンブリ604は、そこから放射状に外側へ伸びるスクラブ剛毛616を支持するための、円筒剛毛保持具618を備える。前記回転ブラシアセンブリ604は、実質的に前記清掃幅に沿って伸びる回転軸の周りの回転に対応する。前記スクラブ剛毛616は、回転中に前記清掃表面に干渉するのに十分長いため、前記スクラブ剛毛616が前記清掃表面との接触によって曲がる。
【0119】
スクラブ剛毛616は、群または塊で前記ブラシアセンブリに設置され、各塊は単一の取付装置または保持具によって保持される複数の剛毛を備える。塊の位置は、1つのパターンにおいて前記剛毛保持具要素618の縦長さに沿って配置される。前記パターンは、前記回転ブラシ要素604の各回転中に前記清掃幅にわたって、清掃表面と接触する少なくとも1つの剛毛塊を設置する。前記ブラシ要素604の回転は、右側から見ると右回りであるため、前記スクラブ剛毛616と前記清掃表面との間の相対運動は遊離した汚染物質および廃液を後部方向にはじく傾向がある。また、前記ブラシ要素604の右回り回転によって発生する摩擦推力は前記ロボットを順方向に推進する傾向があることによって、前記ロボットの移動駆動システムの前方駆動力を追加する。円筒型保持具618から伸びる各スクラブ剛毛の呼び寸法によって、前記剛毛は前記清掃表面に干渉し、よって表面に接触すると曲がる。前記干渉寸法は、前記清掃表面と接触するための長さが余分である剛毛の長さである。これらの寸法および前記スクラブ剛毛616の呼び径は、剛毛の剛性およびその結果の磨き作用に影響するよう変えることができる。出願人らは、約16〜40mm(0.62〜1.6インチ)の曲げ寸法、約0.15mm(0.006インチ)の剛毛径、および約0.75mm(0.03インチ)の干渉寸法を持つナイロン剛毛を有する前記スクラブブラシ要素604を構成することが、良好な磨き性能を提供することを見出した。もう1つの例において、スクラブ材質の縞は、それと共に回転するために、そこに取り付けられる1つのパターンで、前記剛毛保持具要素618の縦長さに沿って配置され得る。
図23は、
図10および11に表されるものと同様の清掃ヘッドまたはスクラブモジュールの第二略組立分解等角図を表す。
図23において、上カバー638、静止ブラシ614、カートリッジ本体634、スキージ630、および散布式ブラシ604の配置をより明確に見ることができる。前記上カバー638およびカートリッジ本体634は金属棒640によって回転運動が可能に接合され、前記二重らせんブラシ604は前記カートリッジ本体634内に置かれているが取り外し可能で、
図23に表される前記スキージ630は、前記真空発生器が流体を引き込むようにそれを通す経路を有する1つのスキージである。
【0120】
(スキージおよび湿式真空発生器の詳細)
前記スクラブモジュール600はまた、前記清掃幅にわたって前記清掃表面から廃液を回収するよう構成される第二回収装置(またあるいは、「湿式真空発生器」)も含み得る。前記第二回収装置は通常、液体塗布器ノズル712、714の後部、前記塗抹ブラシの後部、および前記スクラブ要素の後部に位置付けられる。本発明の好ましい実施例において、スクラブモジュール600は
図12Aの断面図で示されている。前記塗抹要素612は、その前縁で前記スクラブモジュールに取り付けられて示され、前記回転スクラブブラシアセンブリ604は、前記スクラブモジュールの中心に搭載されて示されている。前記スクラブブラシアセンブリ604の後部で、スキージ630はその清掃幅全体にわたって前記清掃表面に接触し、前記ロボット100が順方向に前進すると廃液を回収する。真空システムは、前記スキージ内の取り込み口を通して空気を引き込み、前記清掃表面から廃液を吸引する。前記真空システムは、前記ロボット筐体200上に携行される廃棄物貯蔵容器に前記廃液を入れる。前記ロボットは交代して、前記流体の全てまたは一部を再循環させることができ、つまり前記廃液の一部のごみを除去することができ、または前記廃液は、ろ過されまたはろ過されずに、単一の清浄/廃棄物タンクに、戻すことができる。
【0121】
図12Aの断面図に詳述されるとおりに、前記スキージ630は、垂直要素1002および水平要素1004を備える。前記要素1002および1004のそれぞれは、ネオプレンまたはその他のスポンジゴム、シリコーンまたはその類似物などの実質的に可撓性および柔軟性のある材質から形成される。1つの部品のスキージ構造もまた使用できる。好ましい実施例において、前記垂直要素1002はより可撓性のあるデュロメーター材質を備え、前記水平要素1004よりよく曲がって柔軟性がある。前記垂直要素1002が前記清掃表面への干渉によって後部に向かってわずかに曲がると、前記垂直スキージ要素1002は、下縁1006にてまたは前記垂直要素1002の前方接面に沿って前記清掃表面に接触する。前記下縁1006または前方表面は、ロボットの前進運動中に前記清掃表面と接触したままで、前方表面に沿って廃液を回収する。前記廃液は、前記前方表面および下縁1006の長さ全体に沿って溜まる。前記水平スキージ要素1004は前記本体1010から後方に伸びるスペーサ要素を含み、前記スペーサ要素1008は前記垂直要素1002と前記水平スキージ要素1004との間で吸引チャネル1012を定義した。前記スペーサ要素1008は、前記清掃幅全体に沿って配置され、隣接したスペーサ要素1008間の空間が廃液が通って吸引される通路を提供している、離散要素である。
【0122】
真空インターフェース口1014は、前記スクラバモジュール600の天壁に備えられる。前記真空口1014は、前記ロボット換気装置に通じて前記真空口1014を通って空気を引き出す。前記スクラバモジュール600は、前記真空口1014から前記吸引チャネル1012に伸びて前記清掃幅に沿って伸びる密封真空槽1016で構成される。前記真空槽1016から引き込まれる空気は、前記吸引チャネル1012の出口で空気圧を減少させ、減空気圧は前記表面から廃液および空気を引き込む。前記吸引チャネル1012を通って引き込む前記廃液は前記槽1016に入って前記槽1016から外へ吸引され、最終的には前記ロボットの換気装置によって廃棄物容器の中へ入れられる。前記水平スキージ要素1010および前記垂直スキージ要素1002のそれぞれは前記真空槽1016の壁を形成し、前記周囲のスクラブモジュール要素を有する前記スキージインターフェースは、前記槽1016を圧力密封するよう構成される。また、前記スペーサ1008は、前記吸引チャネル1012が閉じるのを防ぐのに十分な剛性で形成される。
【0123】
前記スキージ垂直要素1002は、その中間点で形成される屈曲部ループ1018を含む。前記屈曲部ループ1018は、前記スキージ下縁1006が前記清掃表面における隆起またはその他の不連続に遭遇すると前記スキージ垂直要素の下端がその回りを旋回する旋回軸を提供する。これによって、前記ロボットが移動方向を変えると前記縁1006が屈曲することも可能となる。前記スキージ下縁1006に隆起または不連続がないと、通常の動作位置に戻る。
図10に関して下述するとおりに、前記廃液はさらに前記廃液貯蔵容器、区画またはタンク内へと吸引される。
【0124】
図12Bに示される代替案において、前記第二回収装置は真空システムと相互接続されるスキージ630を備える。前記スキージ630は、前記ロボット100が順方向に前進すると、前記スキージの縦端と前記清掃表面との間に形成される液体回収容積676に廃液を回収する。前記真空システムは前記液体回収容積と連動して前記清掃表面から前記廃液を吸引し、前記ロボット筐体200に携行される廃棄物貯蔵タンクに前記廃液を入れる。前記スキージ630は、
図10および
図12Bの断面図に示されている。
【0125】
図12Bに示されるとおりに、前記スキージ630は、前記スクラブモジュール600の後部端に取り付けられて前記清掃幅にわたって配置される、ネオプレンゴム、シリコーンゴム、またはその類似物から成形される実質的に可撓性と柔軟性のある要素を備える。前記スキージは、前記筐体200から下向きに伸びて前記清掃表面と接触またはほぼ接触する。特に、前記スキージ630は、スクラバモジュール下枠要素634で前記スクラバモジュール600の後部端に付いて下向きに伸び、前記清掃表面と接触またはほぼ接触する。
図12Bに示されるとおりに、前記スキージ630は、前記清掃表面に向かって前記下枠要素634から後部または下向きに伸びる実質的に水平な下部分652を含む。前記スキージ水平下部分652の前縁は、前記清掃幅にわたって均一に配置される複数の貫通孔654を含む。前記複数の貫通孔654のそれぞれは、前記下枠要素634上に形成される対応する取付指656と連動する。前記組み合わされた貫通孔652および取付指654は、前記スキージ630の前縁を前記下枠634に対して位置付け、前記組み合わされた要素の間の接着層は、前縁で前記スキージ下枠接合部分を密封する。
【0126】
図12における前記スキージ630はさらに、前記清掃幅に沿って前記下枠要素634の後部端に付く後部分658で構成される。複数の後部に伸びる取付指660は、前記スキージ後部分658上に形成される対応する貫通孔を受けるよう前記下枠要素634上に形成される。前記組み合わされた貫通孔662および後部取付指660は、前記スキージ後部分658を前記下枠634に対して位置付け、前記組み合わされた要素の間の接着層は、後部端で前記スキージ下枠接合部分を密封する。もちろん、あらゆる取り付け手段を採用することができる。
【0127】
12Bに示されるとおりに、真空槽664は、前記スキージ下部分652の表面、前記スキージ後部分658および前記下枠要素634の表面によって形成される。前記真空槽664は、前記清掃幅にわたって前記スキージおよび下枠接合部分に沿って縦方向に伸び、下述される1つ以上の流体管666によって、前記筐体に携行される廃液貯蔵タンクと流体的につながれる。
図12Bの好ましい実施例において、2つの流体管666はその遠位端で前記真空槽664と連動する。前記流体管666のそれぞれは、弾性密封ガスケット670を介して前記真空槽664と連結する。前記ガスケット670は前記下枠634の開口に設置し、接着ボンド、締まりばめ、またはその他の適切な保持手段によってその中に保持される。前記ガスケット670は、それを通過する開口を含み、その中に前記管666を受ける大きさである。前記管666の外壁は、前記ガスケット670に入っていくよう先細にされる。前記管666は前記廃液貯蔵容器と一体であり、その中に完全に挿入されると前記ガスケット670で液体ガス気密密封をする。
【0128】
図12Bの前記スキージは、前記清掃幅にわたって、前記水平下部分652と前記後部分658との間の接合部分で形成される長手方向のリッジを含む。前記リッジ672は、通常動作中に前記清掃表面と接触またはほぼ接触して支持される。前記リッジ672の前方で、前記水平下部分652は、前記廃液回収容積674を提供するよう成形される。複数の吸引口668は、前記スキージ水平下部分652を通って前記真空槽664の中へと前記回収容積674から伸びる。前記真空槽664内で負の空気圧が発生すると、廃液が前記液体回収容積674から前記真空槽664の中へ引き込まれる。前記廃液はさらに、下述するとおりに、前記廃液貯蔵容器またはタンクの中へ吸引される。
【0129】
第三のスキージ構造は
図42から45で示されている。
図42は側概略図を表し、
図43は斜視図を表し、
図44はもう1つの側概略図を表し、
図45は第三の概略図を表す。このスキージは分割スキージであり、正面の刻み目のあるパネルが真空チャネルを作り出すための分離を提供し、後部スキージワイパーが接地接触を維持して前記真空発生器に対して流体を回収する。これらの部材は前記清掃ヘッドの異なる部分に設置され、前記清掃ヘッドが閉じられると合わさる。
【0130】
図42に示されるとおりに、前記カートリッジ枠またはシュラウドはヒンジ点613の周りで開く(前記静止ブラシ612の上で右側へ)。前記静止ブラシ612(例えば前記散布式ブラシ)は、シュラウドの下部分に搭載される。前記回転ブラシ604(例えば前記電動ブラシまたはワイパー)も、シュラウドの下部分によって支持される。前記正面スキージ1004は、シュラウド底に取り付けられる。
図42に示されるとおりに、前記正面スキージ1004は、後部シュラウドと接触しなかった場合にとる位置で示され、つまり、前記正面スキージ1004は弾性があるかまたは前記後部スキージ1006に向かってバイアスをかけられるかのいずれかであり、この場合、弾力性のあるエラストマーである。シュラウド上部に対して外側被覆することができる前記後部スキージ1006がシュラウド上部またはカバーで閉じられると、前記2つのスキージは動作位置に定着する(
図44の断面図に示されるとおり)。弾力性のある前記後部スキージ1006は、後部に向かって動かされ、前記正面スキージ1004は、前記後部スキージ1006にわずかに沿って滑るように動いて正面に向かってわずかにだけ動かされる。定着された位置はわずかに曲げられ、前記スキージ1006の十分な床接触を伴って床表面の真上で前記真空チャネルを提供する。
図43に示されるとおりに、前記正面スキージ1004は、垂直線から曲げられて作業幅に沿って伸びる刻み目のあるパネルとして形成され、角を曲がる前記作業幅に沿って同様に伸びる上方向を指す屈曲部角1009につながる前記刻み目のあるパネルは、下方および前方に曲線を描いて搭載用の水平パネルに入る。
図43で見ることができる前記刻み目またはリブ1008は、前記先導スキージ1004と前記追跡スキージ1006との間の正しい流路を維持する。前記屈曲部角は、連動する前記2つのスキージに対して前方および後方の両方から、良好な範囲の運動および可撓性を提供する(ここで述べられるとおりに、前記ロボットの接地間隔の高さの障害物を克服することができる)。
【0131】
図45の断面図に示される前記後部スキージ1006は約1mmの厚さ(ここで述べられるとおりのその他の寸法を伴う)であり、垂直に配置され、前記作業幅、平パネルよりも薄く同様に前記作業幅に沿って伸びる逆C曲線屈曲部ループ1018、およびスナップ保持機能1019(
図44で保持されて示される)に沿って伸びる平パネルを含む。作動位置において、前記後部スキージ1006は通常、前記スナップ保持要素1019と前記平パネル1006との間で曲がり、屈曲の大部分は前記C曲線屈曲部ループ1018の高さに沿って発生する。ヒンジまたは種々の材質などのその他の構造を前記柔軟要素として使用することができ、この専門用語に含まれると考えられる。
図42に示されるとおりに、前記後部スキージ1006は、前記真空槽内の最上部以上まで伸びるよう形成することができる。貫通孔が後部上スキージ材質において形成または作成される場合、前記後部スキージ全体は、前記清掃ヘッドカートリッジが前記ロボットに合わさる際に前記弾力性後部スキージ材質が前記真空導管組織と密接に接触すると、スキージおよび前記湿式真空槽1016の最上部の湿式真空口用の密封の両方の役目を果たすことができる。その他の状況において、前記後部スキージ1006が前記後部スキージ1006の上部の全てまたは一部とは異なる材質から形成される場合、または前記後部スキージ1006が前記真空槽の最上部または周囲にまで伸びない場合、代替的な密封が提供され得る。
【0132】
一般に、
図44は動作位置を示し、前記後部スキージ1006が後ろに曲がり、両屈曲部が前記スキージの組合せの屈曲を可能にするよう位置付けられている。前記後部スキージ1006は平面底を有する平パネル壁(およびここで述べられるとおりの代替案)として形成されるが、前記正面スキージ1004によって後ろに曲げられる際の動作位置において、前記壁および壁底の端は、前記平面底よりもむしろ地面に接触する。接触力、面積、角、平面性、およびこの接触の端外形は前記清掃要素の引きずりの大きな一因となり、ここで述べられるとおりに、平面またはでこぼこした表面上の水のスキージでの拭き取りをなお可能にしながら、十分に低いレベルの引きずりを維持してけん引を可能とするものである。
【0133】
記述されているように1つのスキージは、分解および清掃しやすいように前後を分割している。これは、使用者が前記スキージの前後の部分および付随する真空槽を容易に取り外すことを可能にし、時折前記真空発生器の通り道にある障害物または妨害物を用意に排除することを可能にする。たとえば、使用者が前記清掃ヘッドをさらに徹底的に清掃および消毒するために食器洗い機に入れることも可能である。しかしながら、前記スキージは、前記ロボットが同じ場所または曲がり角で回転すると同様に左右に選択的に分割することができる。前記スキージは、片側が後ろに曲がり、その一方の側が前に曲がる構造であると推測できる。後方から前方まで曲がるスイッチのポイントは、事実上固体柱として動作し、それを高度に集め、可動性を妨げることができる。前記スキージの中心で分割することにより、この傾向は、軽減または除去され、可動性を増強することができる。
【0134】
図10を参照にすると、前記スクラブモジュール600は、別々のサブシステムで構成され、前記ロボット筐体から取り外し可能である。前記スクラブモジュール600は、前記支援要素を含み、前記下枠要素634およびはめ合わせ上枠要素636により構成される成形された2部分の枠を備える。前記下および上枠要素は、その中に回転可能なスクラブブラシアセンブリ604を内蔵し、前記筺体に対して回転するために支持するように形成されている。前記下および上枠要素634と636は、ヒンジで連結された取り付け処理によりその前端で一緒に装着されている。それぞれの枠要素634と636は、複数の交差ヒンジ要素638を含み、ヒンジで連結された接続を形成するためにその中にヒンジ棒640を受け入れる。もちろん、その他のヒンジで動くようにする処置は、使用可能である。前記下および上枠要素634と636は、縦方向の穴を形成し、その中に前記回転スクラブブラシアセンブリ604を確保し、前記スクラブモジュール600は、前記ロボット100から取り外される場合、使用者により開くことができる。その後、前記使用者は、前記回転スクラブブラシアセンブリ604を取替え、または詰まりを解消するために前記枠から取り外すことが可能である。
【0135】
前記回転スクラブブラシアセンブリ604は、円筒型の剛毛保持具618を備え、ガラス充てんのABSプラスチックまたはガラス充てんのナイロンで形成される市販の軸など固体要素で形成することができる。選択的に、前記剛毛保持具618は、成形軸を通じて形成された縦方向の穴を通じて挿入される中心支持軸642を伴い成形軸を備える。中心支持軸642は、前記剛毛保持具618と中心支持軸642を一緒に固定して接続するために圧入またはその他の適切な接続手段により装着することが可能である。前記中心支持軸642は、ブラシアセンブリ604を強化するために提供され、故に、約10〜15mm(0.4〜0.6インチ)の直径を有するステンレス製の棒などの固い材料から形成される。前記中心支持軸642は、十分な剛性を伴い形成され、円筒型のブラシ保持具の過度の屈曲を妨げる。さらに、通常使用時に腐食および/または摩耗に耐えるように前記中心支持軸642を構成することができる。
【0136】
ここに記載されるように電動ブラシが使用される。ブラシ自体は、前記清浄ヘッドから容易に取り外し可能である。このことにより、前記清浄ヘッド全体を取り外すことなく、異なるブラシに交換可能になる。本発明は、板張りの床、グラウト材のライン、段差のある床に対する異なる物理的構造(例えば、狭い剛毛の間隔、緩い、固い剛毛のワイパーおよび剛毛等)を有するブラシ一式を意図するものである。それぞれの剛毛の房は、異なる数および種類の剛毛で構成することができる。前記房のサイズおよび剛毛の構成は、その清掃能力、エネルギー消費、および異なる床の質感および流体管理を処理する能力に影響を及ぼす。外側角で前記房の設定は、ブラシの中心の端を越えて清掃することを可能にし、正接角で前記房の設定は、剛毛の先端がさらに強烈に床を打ち、ひび/グラウト材のラインのより深いところを清掃することが可能である。
【0137】
前記剛毛保持具618は、前記スクラブブラシアセンブリ604の回転軸とともに埋め込み、または別に垂直に形成された複数の剛毛受け入れ穴620に組み込まれている。剛毛受け入れ穴620は、スクラブ剛毛616の塊で満たされ、その中に接着または別の方法で装着している。ある実施例では、2つのらせんパターンの受け入れ穴620は、前記剛毛616で装着している。第一のらせんパターンは、第一塊622と第二塊624を有し、それに続く剛毛の塊は、外径の保持具周辺にらせん通路626に続く。第二のらせんパターン628は、前記塊622に実質上、正反対に対応する第一クランプ630から始まる。それぞれの剛毛塊のパターンは、清浄幅を通過する異なる点に接触するために前記剛毛保持具の縦軸に沿って補われている。しかしながら、パターンは、前記剛毛保持具618のそれぞれの全回転に伴い、全清掃幅を磨くように配置されている。さらに、前記パターンは、前記スクラブブラシアセンブリ604にかかる加圧能力、およびスクラブブラシアセンブリ640を回転するのに必要される回転力を削減するために、同時に清掃面で少数の剛毛塊のみ(例、2つ)十分に接触するように配列されている。もちろん、異なる剛毛パターン、材質および挿入角を持つその他のスクラブブラシ構成は、使用可能である。特に、前記スクラブ要素の右端で剛毛は、ある角度で挿入され、壁端付近を清掃するために前記ロボットの右端に向かってさらに前記スクラブブラシの清掃動作を長く延長することができる。
【0138】
前記スクラブブラシアセンブリ604は、
図13で図式的に示されるスクラブブラシ回転駆動モジュール606と連結する。前記スクラブブラシ回転駆動モジュール606は、直流ブラシ回転駆動モーター608を含み、モータードライバー650により定角速度で駆動される。前記モータードライバー650は、電圧および直流電流レベルで前記モーター608を起動するように設定され、回転ブラシアセンブリ604の好ましい角速度を提供し、それは実施例において、約1,500RPMであり、最小値は約500RPMで最大値約3,000RPMが検討される。前記駆動モーター608は、機械伝動610に連結され、駆動トルクを増加させ、前記筐体200の上側に位置する前記駆動モーター608から前記筐体200の下側に位置する前記スクラブブラシアセンブリ604の回転軸まで回転駆動軸を移動させる。駆動連結器642は、前記機械伝動610から伸びて、その左端で前記回転スクラブブラシアセンブリ604と結合する。前記スクラバモジュール600を前記空洞602へ滑るように動かす動作は、前記回転スクラブブラシアセンブリ604の左端を前記駆動連結器642で連結する。前記回転スクラブブラシアセンブリ604の連結は、その左端を所望の回転軸で結び、回転のために左端を支持し、左端に回転駆動力を提供する。前記ブラシアセンブリ604の右端は、ブラシまたはその他の回転支持要素643を含み、前記モジュール枠要素634、636上に備えられる座面と接合させる。
【0139】
前記スクラバモジュール600は、成形右端要素644を含み、破片やスプレーがモジュールから漏れるのを防ぐためにモジュールの右端を取り囲む。前記右端要素644は、その外面上で終了し、前記ロボット100の隣接した外部表面の形式および型で一体化する。前記下枠要素634は、前記塗抹ブラシ612をその前縁に装着および前記スキージ630をその後縁に装着するために取り付け機能を提供するために設定される。中枢掛け金要素646は、
図10に示され、前記空洞632に正確に装着される場合、その動作位置において、前記スクラバモジュール600に掛け金をするために使用される。前記掛け金646は、前記筺体200の上側に備えられる取り付け機能に付いて、ねじりスプリング648により閉鎖位置にバイアスをかけられる。掛け金つめ649は、前記筺体200を通り、前記上枠636に形成されるフック要素をつかむ。前記水洗いモジュール600の構造要素は、ポリカーボネート、ABS、またはその他の材質または材質の合成などの適切なプラスチック材質から成形することができる。特に、これらは、前記下枠634、前記上枠636、前記右端要素644、および前記掛け金646を含む。
【0140】
(換気サブシステムまたは真空発生器および送風器のアセンブリ)
図14は、乾湿真空モジュール500と、ロボット100の清掃要素とのインターフェースの模式図を表す。乾湿真空モジュール500は、清掃表面から遊離した粒子状物質を吸引する第一の回収装置と、清掃表面から廃液を吸引する第二の回収装置とに接合する。また、乾湿真空モジュール500は、筐体200に取り付けられた統合洗浄液貯蔵容器800にも接合して、遊離した粒子状物質と廃液をその中に収容した1つ以上の廃棄物容器に入れられる。
【0141】
図14と15を参照すると、乾湿真空モジュール500は、単独のファンアセンブリ502を備えるが、本発明から逸脱することなく、2つ以上のファンを使用することが可能である。ファンアセンブリ502は、固定された枠506とそこから伸びる回転シャフト508を持つ回転ファンのモーター504を含む。固定モーター枠506は、ねじ部品などにより、後方シュラウド510の外部表面でファンアセンブリ502に取り付けられる。モーターシャフト508は、後方シュラウド510を通って伸び、ファンのインペラー512をモーターシャフト508と回転させるように、ファンのインペラー512は圧入または別の適切な取り付け方法により、モーターのシャフト508に取り付けられる。前方シュラウド514は、前方と後方のシュラウドの間に形成される隙間の空洞にファンのインペラー512を収容するために、後方シュラウド510に連結する。ファンの前方シュラウド514は、そこに一体形成され、モーターのシャフト508とインペラー512の回転軸と実質的に同軸に配置される円状の空気取入口516を含む。前方および後方シュラウドは共にファンアセンブリ502の遠位半径方向端の空気排出口518を形成する。
【0142】
ファンのインペラー512は、一般的に、その中央の回転軸の周囲に配置される複数のブレード要素を備え、インペラー718が回転すると、その回転軸にそって内側へ空気を軸方向に吸引して外側へ空気を排出するように構成される。インペラー512の回転は、その入力側に負圧域、または真空を、その出力側に正圧域を作る。ファンモーター710は、例えば、14,000RPMなど、実質的に一定の回転速度でインペラー715を回転するように構成され、真空掃除機または湿式真空掃除機の従来のファンよりも高い気流速度を生成する。ファンの構成に依存して、約1,000RPMまでの低い速度と約25,000RPMまでの高い速度が想定される。フライホイールは、特に、ファンがロボットの重心近くに位置する場合、ファンのインペラー715と同心にできる。
【0143】
ファンの気流速度は、自由大気においては約60〜100CFMで、この流速のおよそ60%がロボットの湿式真空発生器部分専用になるので、ロボットにおいては約60CFMの範囲にできる。このパーセントは、ユーザーにより手動で、あるいは、製造中のいずれかで、調整可能である。湿式と乾式真空システムの間で流速を調整することにより、ユーザーは、一定の用途の特定のニーズにユーザーが対応するように構成できるようになる。さらに、多段階のファン設計は気流速度は同じであるが、静圧と速度が高くなる可能性があるので、気流を維持することに役立つ。また、速度が速くなると、機器は乾燥した粒子状物質を取り込んで、液体を持ち上げて、引き込むことが可能にもなる。スキージの複数のリブやチャネルは、粒子状物質を取り込むために局部的な高速領域を作成するのに役立つ。ある実施例では、合計断面積は、湿潤および乾燥真空(スキージと吸引口)それぞれに対して180平方mmである。
【0144】
図24と25に示されているように、インペラー512の一例は、中に形成されたハブまたはノーズがある床板512aと、中に形成されたインデューサー512cとエクスデューサー512dのある羽根アセンブリ512bから組み立てられた2段階のファンである。
図24に示されているように、インデューサー512cは、前方にカーブした注入口ブレードを含むが、これは、インデューサーを使用しないファンの設計に比べて、流速と効率性を高める。エクスデューサーのブレードは、後方に延びて、遠心流の一員となる。また、
図24に示されるように、サイズを特定した平衡ピン512eは、羽根アセンブリ512bのリム周辺に一定角度の間隔で配置される。このピンは、プラスチック製ファンの14,000RPM操作を持続するために設計されたファンアセンブリとしてバランスするために、物質の除去を支援するために使用される。床板512bと羽根アセンブリ512bは、樹脂またはプラスチックから形成され、さまざまな凹凸や密度のばらつきがある。床板512bと羽根アセンブリ512bが組み立てられた後、インペラーをバランスさせるために、平衡機器を使用して、特定の位置で削除するピンの本数を特定する。
図15と26に示されているように、インペラー512は、前方と後方のシュラウド512、514から形成されるスクロール内に配置される。スクロールは、乾式真空システムの「送風」部分で使用するための静圧回復と気流回収のためである。
図26に示されているように、前方のスクロール514と後方のスクロール510はインペラー512を固定するために組み立てられて、シール516がインペラー512のインデューサーの終端を密封する。インペラー512は、湿式と乾式の真空発生器部分に真空を提供し、出力の一部分は、乾式真空発生器部分に空気噴出を提供するように分割される。分岐口515は、後方のダクト517bを使用して、出力の気流の少量部分を分離するが、ほとんどの出力気流は、排気ダクトとマフラーから排気される。
図26に示されているように、ファンのモーター504のための回路板504aがファンのモーター近くに配置される。この回路板は、本明細書で検討する構造により、耐水または防水の状態にできる回路である。
【0145】
図24〜26で示される送風機では、スクロール設計は、同じパッケージサイズを維持しながら、スクロール量を全く失わずに30パーセント大きいインペラーを可能にするために、それ自体に折り重なる。インデューサーは、流入量専用のファンブレードの部分である。代わりにまたはそれに加えて、さまざまなシステムの状況において性能を最適化させるために、送風機の排気口が吸引口の流入量にバランスするように、受動または能動のバイパスシステム(例えば、調速機に羽根、または電動式作動装置に羽根)が提供され得る。代わりにまたはそれに加えて、「堀」(つまり、チャネルまたは壁)は、インペラーの前で、水がインペラーに浸入することを防ぐ。空気処置のために使用されるインペラーは、かなりの速度でシステム内で空気を移動させるので、汚水タンクから取り出された水は、インペラーを通って床に戻すことが可能である。堀は、これが発生しないように、あるいは制限するために設計されている。
【0146】
図に示されているように、主要排気口は、清掃ヘッドと同一線上にある。つまり、清掃ヘッドはロボットの優位側の端まで伸びるが、ロボットの半径の清掃ヘッド側の、ロボットの1/5までの空間が保護される。上記のように、清掃ヘッドのギアトレインおよび/またはモーターにより作動するブラシまたはワイパーは、この空間に配置することができる。さらに、主要排気口はこの空間に配置できる。かなり強力な(湿式と乾式の真空発生器の排気口のほとんどであり、乾式真空発生器内の破片を送風するためには一部だけが使用される)主要排気口を清掃ヘッドと同一線上に配置することにより、非優位側で、ロボットの周囲から遠い所に洗浄液を塗布する、ブラシをかける、および/または拭くことを防ぐ。さらに、カートリッジの枠の内部が乾燥していることは清掃ヘッドの特徴であるので(液体生成機器には一切接続されず、一般的に湿気に対しては密封される)、清掃ヘッドのカートリッジを取り外すと、ユーザーには清掃ヘッドを取り扱う場合に乾燥面が向けられる。また、排気口は、乾燥を支援するために、清掃ヘッドの後ろ側にも配置できる。このような場合、排気は、適切なダクトやチャネルにより広がる可能性がある。
【0147】
図14に模式的に示されているように、閉じられた空気ダクトまたは導管552は、ファン枠出口518と第一の清掃域Aの空気噴出口554の間を接続し、高圧の空気を空気噴出口554に供給する。第一の清掃域Aの反対側には、閉じられた空気ダクトまたは導管558が空気取入口556を容器取入開口557で統合液体貯蔵容器モジュール800に接続する。統合貯蔵容器またはタンク800と一体になった導管832は、以下の詳細のように、容器取入開口557を空気溜り562により接続する。空気溜り562は、そこに接続される複数の空気ダクトを受け取るための結合場所を備える。空気溜り562は、統合液体貯蔵容器またはタンクモジュール800の廃液貯蔵容器部分の上に配置する。空気溜り562と廃液貯蔵容器は、空気取入口556により吸引された遊離粒子状物質を、廃棄物容器に入れるように構成される。空気溜り652は、ファンアセンブリと容器の空気排出開口566の間で接続され、導管564(非表示)を備えている閉じられた空気ダクトまたは導管を経由して、ファン取入口516と、液中で連通している。容器の空気排出開口566は、統合液体貯蔵タンクモジュール800内に組み入れられる空気導管830により、空気溜り562に、流動的に接続される。ファンのインペラー512の回転により、空気溜り560の内側には負圧または真空が生成される。空気溜り560内に生成された負圧は、空気取り出し口556から、空気と遊離した粒子状物質を吸引する。
【0148】
図14に模式的にさらに示されているように、一組の閉じた空気ダクトまたは導管666は、第二の正常域Bのスクラブモジュール600と接合する。
図10に断面図が示されている空気導管666は、統合液体容器モジュール800から下方へ伸びている外部の管を備える。この外部の管666は、スクラバモジュールの上の枠のガスケット670に挿入されている。
【0149】
図14に示されているように、導管834と836は、それぞれ、外部の管666を空気溜り652に流動的に接続する。空気溜り652内で生成された負圧は、導管834、836および666を経由して、真空槽664から空気を吸引して、真空槽664から廃液回収容積674まで通過する吸引口668を経由して、清掃面から廃液を吸引する。廃液は、空気溜り562に吸引されて、廃液貯蔵容器に入れられる。
【0150】
もちろん、本発明から逸脱することなく、その他の湿潤乾燥真空構成が想定される。ある例では、第一のファンアセンブリは、第一の清掃域から遊離した粒子状物質を回収して、第一の廃棄物容器またはタンクに遊離粒子状物質を入れるように構成できる。さらに、第二のファンアセンブリは、第二の清掃域から廃液を回収して、第二の廃棄物容器またはタンクに廃液を入れるように構成できる。統合液体貯蔵タンク統合液体貯蔵容器モジュール800の要素は
図1、12、14、16および17に示される。
図16を参照すると、統合液体貯蔵容器800は、少なくとも2つの液体貯蔵容器またはタンク部分で形成される。1つの容器部分は廃棄物容器部分を備え、第二の容器部分は洗浄液貯蔵容器またはタンク部分を備える。本発明の別の実施例では、2つの貯蔵容器は、筐体200に取り付けられるとともに、ユーザーが、廃棄物容器部分を空にして、洗浄液容器部分に充填するために、筐体から取り外し可能になるように構成された統合ユニットとして形成される。代わりの実施例では、統合貯蔵容器は、ロボット100が洗浄液や廃棄物をロボット100からおよびロボット100に移し替えるために構成されたベース基地にドッキングすると、自律的に充填および空にすることが可能である。洗浄液容器部分Sは、洗浄液の供給分を入れるための密封供給タンクを備える。廃棄物容器部分Wは、第一の回収装置により回収された遊離した粒子状物質を保管するための、および、第二の回収装置により回収された廃液を保管するための、密封廃棄物タンクを備える。
【0151】
廃棄物タンクD(または区画D)は、底表面804と形成された第一の成形プラスチック要素と、底表面804から概して直角に配置された統合形成された外壁806と、を備える。底表面804は、筐体200上で使用可能な空間に応じるため、および、筐体200に統合液体貯蔵容器またはタンクモジュール800を置くために使用される戻り止め領域164を提供するために、さまざまな輪郭で形成される。戻り止め164は、筐体200に取り付けられ、以下で解説される、ヒンジ要素202上に形成された対応する配列レール208と接合する一組の溝808を含む。外壁806は、その他のロボットの外部表面のスタイルや形式に合わせて、色づけ、および形成された塗装外部表面810を含む。また、廃棄物タンクDは、そこに枠付けされたタンクのレベルセンサーを含むことができ、廃棄物タンクD(または区画D)がいっぱいになると、タンクレベルの信号をマスター制御装置300に通信するように構成することができる。レベルセンサーは、タンクの内側に配置されて、互いに別になった一組の導電性電極を備えることができる。測定回路は、タンク外側から電極間に電位差を加える。タンクが空の場合、電極間には電流が流れない。しかし、両方の電極が廃液に漬かっていれば、廃液を通じて一方の電極から他の電極へと電流が流れる。従って、電極は、タンク内の液体レベルを感知するために、タンクに置かれ得る。
【0152】
洗浄液貯蔵容器またはタンクSは、一部、第二の成形プラスチック要素812により形成される。第二の成形要素812は、一般的に、断面図では円状であり、上下面の間で実質的に均一な厚さで形成される。要素812は、廃棄容器の外壁810と対になり、廃棄物容器、区画、またはタンクDを密封するために接着あるいはそうでなければ取り付けられる。空気溜り562は、第二の成形要素812に組み入れられて、清掃ロボットが操作中、廃棄物容器、タンクD(または区画D)の縦に上方向に配置される。また、空気溜り562は、別の成形要素をも備え得る。
【0153】
第二の成形要素812は、洗浄液の供給分を入れるための第二の容器部分を提供するように成形される。第二の容器部分は、一部、一般的に縦に上方向に配置された一体に形成された第一の外壁816を持つ、下方へ傾いた前方部分により形成される。第一の外壁816は、液体貯蔵容器Sを取り囲む外壁の第一の部分を形成する。成形要素812は、筐体200上の使用可能な空間に合わせるために、さらに成形される。また、成形要素812は、第一の清掃域空気導管558と接合するために、容器の空気取入開口840をも含む。また、成形要素812は、導管564からファンアセンブリ502と接合するために、容器の空気排出開口838をも含む。
【0154】
成形カバーアセンブリ818は、成形要素812に取り付けられる。カバーアセンブリ818は、そこに形成された供給タンク外壁の第二の部分を含み、供給タンクの囲いの上の壁824を提供する。カバーアセンブリ818は、第一の外壁部分816と、成形要素814のその他の表面に取り付けて、供給容器Sを密封するためにそこに接着、または、そうでなければ取り付けられる。供給容器Sは、そこに取り付けられた、タンクの空センサーを含むことができ、上のタンクが空になると、タンクの空信号をマスター制御装置300に通信するように構成できる。
【0155】
カバーアセンブリ818は、塗装された外部表面820、822および824を持つ成形プラスチックカバー要素を備える。塗装された外部表面は、その他のロボットの外部表面のスタイルや形式に合わせて塗装され、従って、適切に色づけおよび/またはスタイルにできる。カバーアセンブリ818は、それぞれ、廃棄物容器タンクDと、供給容器Sへのユーザーアクセス口166、168を含む。また、カバーアセンブリ818は、そこに取り付けられて、筐体200から統合溶液貯蔵タンク800のラッチを外すために、または、ロボット100全体を持ち上げるために、操作可能なハンドル162とハンドルピボット要素163をも含む。
【0156】
本発明に従い、空気溜り562と、空気導管830、832、834および836のそれぞれは、洗浄液供給容器Sの内側にあり、これらの要素それぞれの内部接続は、洗浄液や廃棄物が一緒に混合されることを防ぐために、流体および気体密封される。空気溜り562は、廃棄物容器、区画、またはタンクDの上部で縦に形成されるので、空気溜り562に吸引された廃液や遊離した粒子状物質は、重力の力により、廃棄物タンクD(または区画D)に落下する。空気溜りの側表面828は、空気溜り562をそこと接合した4つの閉じた空気導管と内部接続するために、そこを通って形成される4つの開口を含む。4つの閉じた空気導管830、832、834および836のそれぞれは、適切な対の開口と接合するように構成された、終端で形成される成形プラスチック管要素を備え得る。
【0157】
図16に示されているように、容器の空気排出開口838は、一般的に、長方形で、容器の空気排出開口838と空気溜り562を接続している導管830は、一般的に、長方形の終わりの形をなす。この構成は、そこに関連付けられたエアフィルタを受け取るための大型の排出開口838を提供する。エアフィルタは、ファンアセンブリ502により吸引された空気をフィルタするために、ファン取入導管564に取り付けられる。統合貯蔵タンク800がロボットから取り外されても、エアフィルタは、空気導管564に取り付けられたままで、必要に応じて、清掃または置換のために取り付けたまま、または取り外して清掃できる。エアフィルタと容器排出開口838の領域は、フィルタを通過する気流の約50%以上がその内部に滞留する破片によりブロックされた場合でも、湿式と乾式の真空発生器システムを操作できるように十分大きく形成される。
【0158】
図27は、
図16と同様に、統合されたタンクの要素を表示している第二の略分解等角図を表す。
図27は、
図3と同じまたは類似の要素を多数表す。次の説明では、一部別の用語が使用される。
図27に示されている要素は、ハンドル、空気溜り830や管832、834、836を含む連結管(この実施例では、空気溜りと気流導管はすべて不可欠である。その他の実施例では、気流導管はゴムのガイド管に置き換えられる)、ポンプフィルタおよび磁気リードである。
図27は、廃棄物タンクのタンクキャップに類似した、清浄タンク用のDの形状をした柔軟なゴム製タンクキャップを示す(これらのゴム製タンクキャップは、
図27に表されているように、区画につながる管の形により変化する内部の円形シール、タンクのフタに一致するレシーバーを持つDの形状の外側部分を含む)。タンクが、U字形のホルダーまたはピボットクランプに入れられると、ホルダーは、Dの形状の柔軟なゴム製のタンクキャップ両方を締めたままにすることを補助できる。また、この図は、タンクの底(廃棄区画を形成する)、タンクの中間、およびタンクの上(清浄区画を形成する)も表す。示されているように、乾式および/または湿式の真空発生器用の空気溜りおよび/または導管は、清浄タンクを通って伸びる。一般的に、大型機器は真空および/またはその他の気流導管を清浄水または汚水のタンクの外側に配置する空間があるので、これは大型の機器では見られない。代わりに、真空発生器の導管の一部だけを清浄水タンクを通って伸ばすことが可能である(例えば、湿式のみ、乾式のみ、1つの湿式と1つの乾式)。または、導管の一部または全部を汚水タンクを通って伸ばすことが可能である。代わりに、1つ以上の導管を両方のタンクを通って伸ばすことが可能である。またさらに代わりに、導管は別の層に形成することが可能である。つまり、2つのタンクの中間板の間に挟むことが可能である。また、
図27は、タンクの上部を、タンク上部からタンクの中間を通過して、汚水区画まで通過している管を密封するためのOリングも表す。
図28〜30は、統合タンク592内の密封フラップ598、翼、泡/気流壁、およびボール594を示す。
図31は、統合タンク592内の泡ブロック壁の等角図である。
【0159】
図28〜30は、統合タンク592内の密封フラップ598、翼、泡/気流壁、およびボール594を示す。
図31は、統合タンク592内の泡ブロック壁の等角図である。
【0160】
図27に示されているように、空気溜りの底にある開口562a(この実施例では、「底」は操作方向を指す)は、粒子状物質と廃液が、廃棄物タンクDに落下することを許す。
図16Aに示されているように、この開口は比較的大きい。タンクまたはロボットが、持ち上げられて操作方向を離れると、回収された廃棄物が、ファンに入ること、または、廃棄物タンクがユーザーまたは床をぬらすことを防止するために、回収された廃棄物は廃棄物タンクDに保存されなければならない。
図28〜30に示されているように、ヒンジのフラップ598は、開口562aを密封するために提供される。
【0161】
ヒンジフラップ598は、開口562aの片面にヒンジで動いて、下に開く。つまり、ロボットが動作すると、フラップ598は開いたままで、廃棄物が廃棄物タンクDに入ることを許可する。しかしながら、気流がファンアセンブリ502の真空側に向かって、フラップ598を越えて通過すると、フラップ598の上に低圧域が作り出されて(ベンチュリ/ベルヌーイ効果)、ある動作状態ではフラップと持ち上げたり、閉じたりできるようになる。空気溜り562内のフラップ598に取り付けられた翼596は、この気流に導かれて、翼596の下向きの力の効果がベンチュリ効果を支配するので、かなりの気流がある場合はいつでもフラップ598は開いたままになる。翼596は、Tアセンブリの飛行機の尾翼に似て、縦のフィン596bの上に取り付けられた一般的に水平な(および一定の実施例では、上向きに反った)翼596aとして形作られる。翼596は、ロボットの動作中、下向きの力、またはフラップを開く力を作るような方向に反る。
【0162】
図28〜30に示されているように、ヒンジフラップ598は、しかし、ボール594より遠くに開くことは許されない。ボール594は、タンクまたはロボットが水平方向以外、縦または部分的に縦方向(例えば、タンクだけまたはロボットが運ばれる場合)の方向の動作から移動すると、フラップ598を閉じるために、フラップ598の下に提供される。代わりに、ボール594は、フラップ598が開口から所定の距離以上に動くことを防ぐことができる。フラップ598の移動の角度に関わらず、ボール594とフラップ598の配置は、適切なタイミングでフラップ598の開閉を提供する。下方に開く上の円錐598aは、ヒンジフラップの底内に形成され、上方に開く下の円錐592は廃棄物タンクD内に形成される。各円錐の壁は、水平方向から45度未満で、下の円錐592の壁は、上の円錐598aの壁よりも浅く、水平方向から30度未満である。通常の動作方向においては、ボール594は下の円錐592にあり、廃棄物は開口562aを通過して、ボール594周辺に落下する。タンクまたはロボットが水平方向以外の方向に移動すると、ボール594は、浅い下の円錐592から外れて、上下の円錐の収束壁に沿って進み、フラップ598上を押して、閉じる。開口562aとフラップ598の周囲の一致する穴のふちのシール562b〜598aは、フラップ598がボール594によって閉じられたときに、廃棄物が廃棄物タンクDから漏れることを防ぐ。
【0163】
しかしながら、縦のフィン596bの役目は、ただ翼596aをサポートしているだけではない。縦のフィン596bは、フラップ598の長さよりもはるかに伸びる縦の壁を形成する。この壁は、湿式真空導管832と乾式真空導管834、836の空気溜り562への入り口で、または入り口近くで始まり、前述のように、実質的に空気溜り562の長さにわたるだけでなく、フラップ598の長さにわたって、乾式真空の空気流を湿式真空の空気流から分離する。従って、粒子状物質は、廃棄物タンクDに落下する間、一般的に、乾燥したままになる傾向がある。乾燥側の気流は、空気溜りに入る湿潤側の気流よりも速い速度で移動する。低速度側で泡を保つと、泡がタンクに移動しやすくなる。
【0164】
図28〜30に示されるように、フラップ、ボール、翼の配置は、環境に応じて、フラップ/開口を開閉するために、重力と既存の気流を使用する。また、一般的に、泥の堆積または回収問題を回避するので、さらに複雑な作動に逆に影響を与える可能性がある。この組み合わせは、開口の閉じる部材(フラップ)、動作中フラップを開く手助けをする部材(翼)、および、ロボットが非動作位置に移動するとフラップを閉じる手助けをする部材(ボール)から構成される。ロボットは操作しないけれども水平のままにある場合、重力が廃液漏れを防ぐので、フラップを閉じる必要がない場合がある。さらに、気流が停止後、空気溜りの中の液体が廃棄物タンクに漏れるのを防ぐために、フラップを開いたままにすることには、ある利点が存在する。しかし、動作していない間、フラップを閉じたままにしなければならない場合は、その他の機械的手段(翼、ばね、ボールまたは錘など)が、気流が停止するとすぐにフラップを閉じる可能性がある。例えば、操作中を除いてフラップを閉じようとする部材も含まれる、あるいは、代わりに含まれるなどである。このようなメカニズムが、動力源なしで、電気以外により作動することは、独立した電源供給を必要とせず、フラップ、ボール、翼の組み合わせは、簡単で、頑丈で、および耐久性があることに注意する。とにかく、電気および/または流体を動力源とした作動は、しかし、翼、ボール、バネ(エラストマーを含む)および錘などの機械的機器の代わりに、あるいはこれに追加して使用され得る。
【0165】
図31に示されるように、フラップの適切な開閉を維持するための1つの特別な代わりの技術は、操作中にフラップを引いて開けるあるいは開けることを許可する、および、タンクまたはロボットが非水平方向に移動するとゆれてフラップを閉じるように、配置された振り子または垂直な錘を採用する。振り子または垂直な錘は、フラップの底近くの位置から自由に吊り下げることが可能、または、振り子の「シャフト」から角度に曲げられた比較的硬い複数方向の腕または、「ハット」に取り付けることが可能であり、振り子は角の周囲、好ましくは、腕がフラップに対して傾くことを許可する複数方向のボール、肩、または緩く連結された軸の周囲で、実質的にピボットする。適切な軸を提供する1つのサポートは、円錐の先に小さい穴のある円錐形状であり、この円錐は下が開いていて、振り子のシャフトは、円錐の先の穴の中で比較的緩やかである。ハットまたは腕がこの穴の上にあり、錘が円錐の中で移動可能であれば、ロボットまたはタンクが水平位置から移動するまで、アセンブリが腕を水平方向に保つ。この場合、振り子のシャフトは、穴と円錐の内側で傾き、少なくともハットまたは腕の一部を、その後、フラップが閉じるように押す。フラップは、適切な空間と自由な移動を許可するために、ハットに反って内側に曲がるハットまたは腕の台座を含むことが可能である。振り子の錘は、腕またはハットをピボットするので、ロボットまたはタンクが水平な場合には腕またはハットは実質的に水平である(ロボットまたはタンクが水平な場合には、引っ張って開くまたは、比較的弾性のあるフラップを開くように許可する)ので、ロボットまたはタンクが水平でない場合には少なくとも1つの腕またはハットの一部が、台座に対してフラップを押す(縦または水平以外の歩行の閉じた、比較的弾性のあるフラップを押す)。振り子の錘は、自由に移動しなければならず、また、モーメントアームを長くするためにフラップからできるだけ遠くに配置する(タンクの一番遠い壁に近似)ことができる。
【0166】
図32は、統合タンクD内の泡ブロック壁580の等角図である。ここで、廃液タンクの上部には廃液(WTF)センサーが使用される。廃液センサーは導電性であり、廃液がタンクの上部に達すると、区画の上部にある2つのワイヤ電極の間に電流が通過でき、ロボットからは、廃液区画がいっぱいになったことを示す視覚的または聴覚的な信号が発信される。しかしながら、清掃中は、洗浄液と清掃されているものに応じて、廃液区画には泡が発生する場合があり、泡は電流を流すことができるので、廃液量のセンサーの読み取りに誤検知を与える。泡は、廃液が開口または廃液区画への入り口に入る前またはその間に生成される傾向がある。
図32に示されているように、廃液区画の分離された部分579(1つまたは両方の電極がある場所)とタンクDの残りの部分の間には壁が提供される。壁580は、タンクDの底に隙間または液の入り口578を含むが、これ以外は、電極槽579を完璧に分離する壁であり、水が槽に簡単に浸入してから、その中にたまることができるために十分な気流がある。泡はメイン槽Dに存在する可能性があるが、一般的には泡がないままであり、分離された電極層579には移動しない。従って、センサーは、一般的に、この構成においては泡の存在を登録しない。
【0167】
図16と28に戻ると、それぞれの容器の開口840と838は、ガスケット(非表示)で構成され、容器開口に対して外側に位置する。ガスケットは、容器アセンブリ800と導管564と558の間に実質的に気密シールを提供する。ある実施例では、ガスケットは、統合液体供給容器800が筐体200から取り外されても、筐体200に取り付けられたままである。容器アセンブリ800がロボットの筐体の所定の場所にラッチされると、シールが形成される。さらに、一部の容器開口は、ユーザーにより運搬される間に、容器から液体が漏れる事を防ぐために、フラップシールなどを含むことができる。フラップのシールは、容器に取り付けられたままである。
【0168】
図28は、空気の導管が柔軟な(例えば、エラストマー)管で空気溜りに接続されていることを示す。これらの管は、製造上のばらつきが生じる原因の一助となる。あるいは、解説したように、空気溜りと導管のセット全体は、例えば、中空成形などのユニットとして形成できる。あるいは、空気溜りと導管は、上下注入またはその他の成形ユニットを一致することができる。
【0169】
このように、本発明に従い、ファンアセンブリ502は、空気導管564を空にする負圧の真空を生成し、空気導管564の終端に位置するエアフィルタから空気を吸い取り、ファン取入導管830と空気溜り562を空にする。空気溜り562内に生成された真空は、底に接続された導管それぞれから空気を吸い取り、空気取入口556に近い遊離した粒子状物質を吸引するとともに、空気導管834、836、666を経由、および、真空槽664と吸引口668を経由して、清掃表面から廃液を吸い取る。遊離した粒子状物質と廃液は、空気溜り562に吸い取られて、排気容器、区画、またはタンクDに落下する。
【0170】
図1、3、16および17を参照すると、統合液体貯蔵容器またはタンク800は、ヒンジ要素202により、ロボット筐体200の上面に取り付けられる。ヒンジ要素202は、その後部端でロボット筐体200にピボットできるように取り付けられる。液体貯蔵容器800は、ユーザーによりロボット筐体200から取り外し可能であり、ユーザーは、清浄水と石鹸または洗剤など測定した量の洗浄液で洗浄液供給容器Sを満たすことができる。また、ユーザーは、廃液容器、区画またはタンクDから廃液を出すことができ、必要であれば廃液容器を洗い流すことができる。
【0171】
取り扱いを促進するために、統合液体貯蔵タンク800は、ロボット100の先端でカバー組立818と統合された、ユーザーがつかむことができるハンドル162を含む。ハンドル162は、ヒンジ配置により、カバー組立818に取り付けられたピボット要素163を含む。操作のあるモードでは、ユーザーは、ロボット100全体を持ち上げるために、ハンドル162をつかむことができる。好ましい実施例では、ロボット100は、液体を満たした場合、およそ3〜5kg(6.6〜11パウンド)の重さがあり、ユーザーが片手で簡単に運ぶことができる。
【0172】
操作の第二のモードでは、ハンドル162は、筐体200から統合タンク800を取り外すために使用される。このモードでは、ユーザーが、ハンドル162の後部端を押さえると、まず、ハンドルは下向きにピボットする。下向きのピボットの動作は、液体貯蔵容器またはタンク800の前方端をロボット筐体200に取り付けている、ラッチのメカニズム(非表示)を解放する。このラッチのメカニズムが外されると、ユーザーはハンドル162をつかんで、縦上方向に持ち上げる。持ち上げる力がはたらくと、筐体200の後方タンにピボットするように取り付けられたヒンジ要素により、ピボット軸204の周りで容器アセンブリ800全体がピボットする。ヒンジ要素202は、筐体200上の統合液体貯蔵容器800の後方端をサポートし、さらにハンドルを持ち上げると、ヒンジ要素202が開く位置に回転して、筐体200から容器アセンブリ800の取り外しが促進される。開く位置では、液体容器800の前方端は、さらにハンドル162を持ち上げるように上にあがり、ヒンジ要素202による取り付けから液体貯蔵タンク800を持ち上げて、ロボット100から分離する。
【0173】
図17に表示されているように、統合液体貯蔵容器800は、戻り止めエリア164を形成する埋め込まれた後方の外面から形成される。この戻り止めエリア164は、ヒンジ要素202の受け入れエリアに一致するように形成される。
図3に表示されているように、ヒンジ要素の受け入れエリアは、貯蔵容器またはタンクの戻り止めエリア164とかみ合い、向かい合う上下の向かい合う壁204と206を持つクレバスのようなクレードルを備える。戻り止めエリア164とヒンジ壁204と206の配置により、統合貯蔵容器800は、ロボット筐体200と、容器の前方端を筐体200の取り付けるために使用されるラッチメカニズムと合わせる。特に、下の壁206は、戻り止めエリア164の底のシュラウド上に形成される溝808と結合するように一致して形成された配列レール208を含む。
図3では、ヒンジ要素202は、貯蔵容器またはタンク800の装着および取り外しのために、完全に開いた位置までピボットされて示される。装着および取り外し位置は、閉じた位置または操作中の位置からおよそ75度回転しているが、その他の装着および取り外し方向が想定される。装着および取り外し位置では、貯蔵容器の戻り止めエリア164は、ヒンジ要素202のクレバスのようなクレードルに容易に取り付けまたは取り外される。
図1に示されているように、統合液体貯蔵タンク800とヒンジ要素202は、ロボット100のその他の外面と滑らかかつスタイリッシュに統合する塗装外部表面を提供するように構成される。さらに重要なことは、上記のように、ロボットが壁、廊下、障害物または部屋の隅で見られるような鋭角または角がなければ自律的に操作できる一方で、統合液体貯蔵タンクの内部保存量が最大になる。
【0174】
液体貯蔵容器またはタンク800の上の面には戻り止めエリア164に2つのアクセス口が提供される。これらは
図16と17に示される。アクセス口は、液体貯蔵タンクアセンブリ800がロボットの筐体200にインストールされた場合、ヒンジ要素の上の壁204により隠されるように、戻り止めエリア164に配置される。左のアクセス口166は、ユーザーに空気溜り562からの廃液容器、区画またはタンクDへのアクセスを提供する。右のアクセス口168は、ユーザーに洗浄液貯蔵容器Sへのアクセスを提供する。左と右のアクセス口166、168は、あらかじめ区別可能であるように色づけまたはコード化される場合がある、ユーザーが取り外し可能なタンクキャップにより密封される。
【0175】
(移動駆動システム900)
好ましい実施例では、ロボット100は、3点の運搬システム900により、清掃している面を移動するためにサポートされる。移動システム900は、左側に一組の独立した背面の移動駆動輪モジュール
909と右側に
902を備えて、清掃モジュールの後方で筐体200に取り付けられる。好ましい実施例では、後方の独立した駆動輪902と
909は、横軸108と実質的に平行な共通の駆動軸906の周囲で回転するためにサポートされる。しかしながら、各駆動輪が独自の駆動軸方向を持つように、各駆動輪は横軸108に対して方向を変えることができる。駆動輪モジュール902と
909は、ロボットをどの目的の方向にも進めるために、マスター制御装置300により、独立して駆動され、制御される。図
2では、
右の駆動モジュール902は、筐体200の下側から突き出ているのが示され、図
3では右の駆動モジュール
902が筐体200の上面に取り付けられているのが示される。好ましい実施例では、図
22に示すように、
右と
左の駆動モジュール902と
909はそれぞれ、筐体200にピボットするように取り付けられて、板バネ908により清掃面に接触するようになる。板バネ908は、後ろの駆動モジュールそれぞれに斜めに取り付けられて、駆動輪が絶壁を越えて進む場合には清掃面に対して下方にピボットするが、それ以外の場合には清掃面
によって持ち上げられる。各駆動輪に関連付けられた輪のセンサーは、輪が下にピボットするときを感知して、マスター制御装置300に信号を送信する。
【0176】
本発明の駆動輪は、特に、濡れたスベスベした表面上で操作するために構成される。
図20に示されるように、特に、各駆動輪1100は、駆動輪モジュール902と
909に取り付けられる、カップの形をした輪要素1102を備える。駆動輪モジュールは、運搬のために駆動輪を運転するための駆動モーターと駆動トレイン伝達装置を含む。また、駆動輪モジュールは、清掃表面に関して輪のスリップを検出するためのセンサーも含み得る。
【0177】
カップの形をした車輪装置1102は、車輪の形状を維持することと、剛性を提供するために、硬い成形されたプラスチックのような硬い材料から形成される。カップの形をした車輪要素1102は、その上の円環状タイヤ要素1106を受け取るようにサイズが決められた外径1104を提供する。円環状タイヤ要素1106は、濡れた清掃面に接触するためと、濡れたスベスベした面上で静止摩擦を維持するために、滑り止めの、高い摩擦のある駆動面を提供するように構成される。
【0178】
ある実施例では、円環状タイヤ要素1106は、およそ37mmの内径1108を持ち、外径1104にほぼ合うようにサイズが決められる。タイヤは、タイヤの内径1108と外径1104の間の滑りを防ぐために、外径1104に接着され、テープ止めされ、あるいは、干渉嵌めされる。タイヤの半径の厚み1110はおよそ3mmである。タイヤの材料は、チウラムジスルフィドブラックで安定化させたクロロプレンホモポリマーで、気泡の大きさは0.1mm+/−0.02mmに発泡させられ、密度は立方フィートあたり14〜16パウンド、または、立方フィートあたりおよそ15パウンドである。タイヤは、発泡後、約69から75 Shore 00の硬さがある。タイヤの材料は、Monmouth Rubber andPlastics Corporationにより販売され、商品名はDURAFOAM DK5151 HDである。
【0179】
特定の用途に応じて、例えば、ネオプレンとクロロプレンから製造されるもの、および、その他の独立気泡ゴムスポンジ材料など、その他のタイヤの材料が想定される。PVC(ポリビニル・クロロイド)やABS(アクリロニトリル・ブタジエン)(その他の抽出可能物質、炭化水素、カーボンブラック、および灰などの使用の有無にかかわらず)タイヤも使用できる。さらに、寸断された泡構造のタイヤは、タイヤが清掃中の濡れた表面上を駆動するときに、ある種のスキージのような機能を提供できる。RUBATEX
R411、R421、R428、R451およびR4261(Rubatex
International, LLCによる製造販売)、ENSOLITE(Armacell LLCによる製造販売)の商標名で販売されている材料から製造されたタイヤ、および、American Converters/VAS, Inc.により製造販売されている製品は、上記のDURAFOAM DK5151 HDの機能的な代替品ともなる。
【0180】
ある実施例において、タイヤは、例えば、ニトリルゴム(アクリロニトリル)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、エチレン・プロピレンゴム(EPDM)、シリコーンゴム、フッ化炭素ゴム、ラテックスゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、スチレンゴム、ポリブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム(HNBR)、ネオプレン(ポリクロロプレン)およびその混合物など、天然ゴムおよび/または合成ゴムを材料を含むことができる。
【0181】
一定の実施例においては、タイヤ材料は、例えば、ポリアクリル酸(つまり、ポリアクリロニトリルおよびポリメタクリル酸メチル(PMMA))、ポリクロロ炭素(つまりPVC)、ポリフッ化炭素(つまり、ポリテトラフッ化メチレン)、ポリオレフィン(つまり、ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリブチレン)、ポリエステル(つまり、ポリエチレン・テレフタレートおよびポリブチレン・テレフタレート)、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリスルホンおよびこれらの混合物および/または共重合体など、1つ以上のエラストマーを含むことができる。エラストマーは、ホモポリマー、共重合体、ポリマー混合物、浸透網、化学的に加工されたポリマー、グラフト化ポリマー、表面が被覆されたポリマーおよび/または表面処理済みポリマーを含むことができる。
【0182】
一定の実施例では、タイヤ材料は、カーボングラックやシリカのような補強剤、非補強充填剤、硫黄、架橋剤、結合剤、粘土、ケイ酸塩、カルシウム炭酸塩、ワックス、油、抗酸化物質(つまり、パラフェニレン・ジアミン・オゾン劣化防止剤(PPDA)、オクチレート・ジフェニルアミン、およびポリメリック1,2−ジハイドロ−2,2,4−トリメチルキノリン)およびその他の添加剤など、1つ以上の充填材を含むことができる。
【0183】
一定の実施例では、タイヤの材料は、例えば、目的の静止摩擦、剛性、係数、硬度、引張り強度、衝撃強度、密度、引裂強度、破裂エネルギー、亀裂抵抗、弾力性、動力学的特性、折り曲げ強さ、磨耗抵抗、耐磨耗性、色の保留および/または化学抵抗(つまり、洗浄液および清掃されている表面に存在する物質への抵抗、例えば、希酸、希アルカリ、油や油脂、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素および/またはアルコール)などの有利な特性を持つように考案することができる。
【0184】
独立気泡タイヤの気泡のサイズは、静止摩擦、混入物質への抵抗、耐久力などそのほかの要因において、機能に影響を与える可能性があることに注意する。およそ20μmからおよそ400μmの範囲の気泡サイズは、ロボットの重さと清掃されている表面の条件に応じて、満足できる性能を提供できる。特定の範囲は、およそ20μmから120μmを含み、平均の気泡の大きさは60μmで、さらに特定すると、さまざまな表面や混入物質の条件において満足できる静止摩擦に対して、およそ20μmから40μmである。
【0185】
タイヤの幅は広いほうが静止摩擦を大きくできるが、一定の実施例では、タイヤの幅はおよそ13mmである。厚さが4mmから5mm、または、これ以上のタイヤは、静止摩擦を高めるために利用できるが、上記のように、タイヤの厚さはおよそ3mmである。およそ1−1/2mmの薄いタイヤとおよそ4−1/2mmの厚いタイヤは、ロボットの重さ、操作速度、移動パターンおよび表面組織に応じて、利点を持つことができる。厚めのタイヤは、圧縮永久ひずみの影響を受けやすい。それにもかかわらず、清掃ロボットが重くなると、大きいタイヤが好ましい場合がある。外形が丸いまたは四角い端のあるタイヤも採用できる。
【0186】
静止摩擦を増加するには、タイヤの外径にサイプを入れることが可能である。サイプを入れると、一般的に、(a)流体が流入するための空間を提供することにより、接合パッチから流体除去のための運搬距離を削減する、(b)タイヤが床にもっと接するようにして、トレッドの可動性を増加することにより、および(c)流体の除去を支援するふき取りメカニズムを提供することにより、静止摩擦が提供される。少なくとも1つの例では、「サイプを入れた」という用語は、タイヤの外径に浅い溝1110のパターンを提供するために、タイヤの材料を切断することを指す。ある実施例では、各溝の深さはおよそ1.5mmで、幅はおよそ20から300ミクロンである。サイプを入れることは、タイヤのベースは1/2mm未満までになり、例えば、4mmの厚さのタイヤに3−1/2mmのサイプが入る。溝のパターンは、実質的に等間隔が空けられた溝で、隣の溝との間にはおよそ2から200mmの空間がある。「等間隔」は、ある例では、繰り返しパターンで間隔が空いていることを意味することができ、必ずしも各サイプの切断が隣と同じ距離であることではない。溝の切断軸は、タイヤの縦軸と角度Gを作る。一定の実施例では、角度Gは10〜50度の範囲である。
【0187】
その他の実施例では、サイプを入れるパターンは、3.5mm間隔でダイヤモンド形状の斜交平行で、回転軸から交互に45度の角度(+/−10度)で切断できる。実質的に円周のサイプを入れると、溝を経由して流体を遠ざけることになるが、その他のサイプを入れるパターンも予想される。サイプを入れる深さや角度は、特定の用途に応じて、変更できる。さらに、サイプの深さや幅が大きくなると、静止摩擦を高めることができるが、この利点は、タイヤの発表の構造全体への影響に対して、バランスさせるべきである。一定の実施例では、例えば、ダイヤモンド交差のサイプを7mm間隔で入れた3mm〜4mmの厚さのタイヤが優れたタイヤの静止摩擦を提供すると判断されている。タイヤが大きくなると、もっと細かいパターン、深いサイプ、および/または広いサイプが可能になる。さらに、特に幅の広いタイヤ、または一定の材料から製造されたタイヤは、効果的な静止摩擦のためには、全くサイプを入れることを必要としない場合がある。一定のサイプを入れるパターンは、濡れたまたは乾燥した面で、または、別の種類の表面ではもっと有用になる場合があるが、さまざまな用途における一定の静止摩擦を提供するサイプを入れることが、汎用目的のロボット掃除機では最も望まれる場合がある。
【0188】
さまざまなタイヤの材料、サイズ、構成、サイプを入れることなどは、使用中のロボットの静止摩擦に影響を与える。一定の実施例では、ロボットの車輪は、洗浄液のスプレーの中を直接回転するので、清掃中に接触する混入物質と同様に静止摩擦に影響する。輪の静止摩擦を失うと、車輪の滑りの程度という形で、操作の非効率性の原因となる場合があり、ロボットが予測経路から外れる可能性がある。この逸脱により、清掃時間が長くなり、電池の寿命が短くなる可能性がある。従って、ロボットの車輪は、モーターのサイズに応じて、最も小型で、すべての表面で最適から優れた静止摩擦を提供する構成でなければならない。
【0189】
清掃中に接触する典型的な混入物質は、ロボットまたはロボット以外から排出された化学物質を含む。流体状態(例えば、パイン油、手洗い用石鹸、塩化アンモニウムなど)または乾燥状態(例えば、洗濯粉石鹸、タルカムパウダーなど)のどちらであろうとも、これらの化学物質はタイヤの材料を分解できる。従って、ロボットのタイヤは、湿気のある、または水分のある食品の混入物質(例えば、ソーダ、牛乳、蜂蜜、からし、卵など)、乾燥した混入物質(例えば、パン粉、米、小麦粉、砂糖など)および油(例えば、コーン油、バター、マヨネーズなど)に接触し得る。これらの混入物質のすべては、残留、液体のたまった部分または滑らかな部分、または、乾燥したまだらな状態として接触できる。上記のタイヤ材料は、これらのさまざまな化学物質や油により引き起こされる材料の分解に対する抵抗において、効果が実証されている。さらに、説明した気泡のサイズやタイヤのサイプは、乾湿両方の混入物質、化学物質などに接触している間、静止摩擦を維持する上で利点があることが実証されている。一定の濃度の乾燥した混入物質は、しかしながら、サイプの内部に留まるようになる可能性がある。以下で説明される、機器で使用される化学薬品洗浄剤は、混入物質の一部の乳化を助ける働きもあるので、これらの化学薬品を希釈することにより、そのほかの化学物質の混入物質により引き起こされる可能性のある損害を削減できる。
【0190】
使用中に接触する可能性がある混入物質に加えて、機器のさまざまな清掃部品(例えば、ブラシ、スキージなど)は、機器の静止摩擦に影響を与える。これらの機器により作られる抵抗、機器の接触面(つまり、丸い、鋭い、滑らか、柔軟、でこぼこなど)の特徴、さらに、混入物質が原因で滑る可能性は、清掃されている面に応じて異なる。ロボットと清掃されている面の接触面積を制限すると、接触摩擦が減少し、追跡と運動を改善する。1.5パウンドの抵抗に対する3から5パウンドの推力は、およそ5〜10パウンドの重さがあるロボットで効果があることが実証されている。ロボット掃除機の重さに応じて、これらの数字は変化するが、満足できる性能は、約50%未満の抵抗で発生し、約30%未満の抵抗で改善されることに注意する。
【0191】
タイヤの材料(および対応する発泡サイズ、密度、硬度など)、サイプを入れること、ロボットの重さ、接触する混入物質、ロボットの自律度、床の材料など、すべてがロボットのタイヤの総静止摩擦係数に影響を与える。一定のロボット掃除機では、最小運動しきい値のための静止摩擦係数(COT)は、タイヤに適用されるように、2パウンドの抵抗を6パウンドの垂直抗力で除することにより確立される。このように、この最小の運動しきい値はおよそ0.33である。ターゲットのしきい値の0.50は、寸断されたブラック気泡タイヤの性能を測定することにより決定された。上記の多数の材料の抵抗係数は、0.25から0.47の範囲のCOTにあるので、運動しきい値とターゲットしきい値の間の満足できる範囲にある。さらに、清掃ロボットが経験するさまざまな作業条件を考えると、濡れた面と乾燥した面の間の抵抗係数にほとんどばらつきがないタイヤが望ましい。
【0192】
また、ロボットの清掃機器は、少なくとも部分的に、あるいは完全にタイヤを包む、覆いまたはブーツを利用することによっても利点となる。抵抗を高めるために、綿、麻、紙、絹、多孔性の皮、セーム革などの吸収性のある材料をタイヤと併用できる。あるいは、これらの覆いは、カップ形状の輪要素1102の外径1104に取り付けるだけで、ゴム製の輪を完全に置換できる。ゴムタイヤの覆いとして使用される場合も、あるいは、ゴムタイヤの完全な置換として使用される場合も、この材料はユーザーにより交換可能、または、ベースまたは充電ステーションで自動化して取り外して交換できる。さらに、ロボットは、さまざまな材料のタイヤのセットを装備して、特定の床面には特定のタイヤを使用する指示を付けて、エンドユーザーに提供できる。
【0193】
ロボット掃除機で利用される洗浄液は、ロボットまたは面自体を傷つけずに、混入物質を容易に乳化して、面から乾燥した廃棄物を剥離できなければならない。ロボットのタイヤや一定の化学物質に関する上記の逆効果を考えると、洗浄液の攻撃性は、タイヤやその他のロボットのコンポーネントへの短期および長期のマイナスの影響をバランスしなければならない。これらの問題の観点から、清掃ロボットでは特定の清掃要件を満たすほぼすべての洗浄物質を利用できる。一般的に、例えば、界面活性剤とキレート剤の両方を含む液剤を利用できる。さらに、クエン酸のようなペーハーをバランスする液剤を追加できる。ユーカリ、ラベンダーおよび/またはライムのような芳香剤を追加することは、例えば、このような洗浄剤の商品性を改善でき、消費者に対しては機器が効果的に清掃しているという印象を与える。また、青、緑、またはその他の目立つ色も、安全性またはその他の理由で洗浄剤を区別することに役立つ。また、液剤は希釈でき、ロボット掃除機と併用されるとまだ効果的に清掃する。操作中、ロボット掃除機が特定の床部分を何回も通過する可能性が高いので、完全な強さの洗浄剤を使用する必要性は削減する。また、希釈された洗浄剤は、上記で説明したようにタイヤやその他のコンポーネントの磨耗問題を削減する。このような洗浄剤は、ロボットのコンポーネントに損傷を生じることなく、清掃において実証された効果があり、アルキルポリグルコシド(例えば、1〜3%の濃度)やエチレンジアミン四酢酸カリウム(EDTAカリウム)(例えば、0.5〜1.5%の濃度)などを含む。使用中、この洗浄液は水で希釈されて、たとえば、3〜6%の洗浄剤とおよそ94〜97%の水のような洗浄液剤を作る。従って、この場合、実際に適用される洗浄液剤は、0.03%から0.18%の界面活性剤と0.01から0.1%のキレート剤しかない。もちろん、その他の洗浄剤や濃度を開示したロボット掃除機で使用できる。
【0194】
例えば、米国特許番号6,774,098で開示された一連の界面活性剤とキレート剤は、開示したタイヤの材料と構成を持つロボットにおける用途にも適しており、前記特許の開示は、全体として本明細書において参考として援用される。しかしながら、‘098の特許で開示された洗浄剤の攻撃性と、機械のコンポーネント上で生じる磨耗をバランスするためには、清浄剤は、(i)溶媒を含まない、または、アルコール溶媒のキレート剤のパーセントよりも低いパーセントの溶剤を含む、または、開示の溶媒は濃度の1/2から1/100を持つ、および/または(ii)開示された濃度の、それぞれ20%+/−15%(単独パス)、10%+/−8%(繰り返しパス)、および5%から0.1%(無作為の複数パス)により、ロボットにおける、決定論の単独のパス、決定論の繰り返しパス、または無作為の複数のパスの使用のためにさらに希釈する、および/または(iii)例えば、シリコーン乳剤の5%未満のように、市販のカーペット洗浄剤以下のパーセントで、選択した界面活性剤とキレート剤との互換性があることがわかっている抗泡剤とさらに混合する、および/または(iv)一般細菌培養の臭気除去剤と置換または適合して混合することが好ましい。
【0195】
一定の実施例では、ロボット掃除機で利用される洗浄液剤は、米国特許番号6,774,098に説明された「塗装面洗浄剤」の1つ以上の実施例を含み(または実施例である)、上記の(i)、(ii)、(iii)および/または(iv)に従うことが好ましい。米国特許番号6,774,098の「塗装面洗浄剤」の一定の実施例は、次の段落で解説される。
【0196】
ある実施例では、塗装面洗浄剤は、(a)界面活性システムを備えるが、次の一般的化学式(I)酸化アミン、
【0197】
【化1】
または、次の一般化学式(II)の第四アミン塩、
【0198】
【化2】
または、前述の酸化アミンと第四アミン塩の混合を含む。さらに、(b)0.1から1.0重量パーセントの範囲の水溶性を持つ非常にわずかな水溶性極性有機化合物であり、この非常にわずかな水溶性極性有機化合物の界面活性剤システムに対する重量比は、約0.1:1から約1:1であるが、R
1とR
2は同じまたは別であり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルから構成されるグループから選択される。R
3は、直鎖アルキル、分鎖アルキル、直鎖へテロアルキル、分鎖へテロアルキルおよびアルキルエーテルから構成されるグループから選択され、それぞれ、約10から20の炭素原子を持つ。R
4は、1から約5の炭素原子を持つアルキルグループから構成されるグループから選択され、Xはハロゲン原子である。
【0199】
別の実施例では、塗装面の洗浄剤は、(a)(i)非イオン界面活性剤および第四アンモニア界面活性剤または(ii)両面界面活性剤のいずれかで、存在している界面活性剤の総量は約0.001〜10%で、非イオン界面活性剤は、アルコキシル化アルキルフェノルエーテル、アルコキシル化アルコール、または、単長鎖アルキル、ニ短鎖トリアルキルアミン酸、アルキルアミドジアルキルアミン酸、フォスフィン酸およびスルホキシドのグループから選択される半極性非イオン界面活性剤、から構成されるグループ選択される界面活性剤、(b)25度で少なくとも0.001mmHgの蒸気圧を持つ、少なくとも1つの水溶性または水和性有機溶剤を50%未満、(c)キレート剤として、テトラアンモニウム・エチレンジアミン−テトラアセテート(テトラアンモニウムEDTA)を0.01〜25%、および(d)水を備える。
【0200】
また別の実施例では、塗装面の洗浄剤は、(a)アニオン性の非イオン界面活性剤、これらをオプションで、第四アンモニア界面活性剤と混合し、存在している界面活性剤の総重量が約0.001〜10%となる活性剤から選択された活性剤、(b)25℃で少なくとも0.001mmHgの蒸気圧を持つ少なくとも1つの水溶性または水和性有機溶媒であって、アルカノール、ジオール、グリコールエーテル、およびこれらの混合物から構成されるグループから選択されて、洗浄剤の重量の約1%から50%量となる水和性有機溶媒、(c)キレート剤としてのエチレンジアミン四酢酸カリウム(EDTAカリウム)であって、洗浄剤の約0.01〜25%の重量を占めるEDTAカリウム、および(d)水、を含む。
【0201】
また別の実施例では、塗装面の洗浄剤は、(a)非イオン界面活性剤で、オプションで第四アンモニア界面活性剤を備え、存在している界面活性剤の総量は約0.001〜10%で、非イオン界面活性剤は、アルコキシル化アルキルフェノルエーテル、アルコキシル化アルコール、または、単長鎖アルキル、ニ短鎖トリアルキルアミン酸、アルキルアミドジアルキルアミン酸、フォスフィン酸およびスルホキシドのグループから選択される半極性非イオン界面活性剤、から構成されるグループから選択される界面活性剤、(b)25℃で少なくとも0.001mmHgの蒸気圧を持つ、少なくとも1つの水溶性または水和性有機溶剤を50%未満、(c)キレート剤として、テトラアンモニウム・エチレンジアミン−テトラアセテート(テトラアンモニウムEDTA)を0.01〜25%、および(d)水を備える。
【0202】
一定の実施例では、塗装面の洗浄剤は、約100cps未満の粘性を持ち、(a)少なくとも約85%の水、この中に溶解される(b)キログラムあたり少なくとも約0.45相当の無機アニオンで、カルシウムイオンと混合されると、25℃で100gの水に0.2g以上は溶解しない塩を形成し、この場合、アニオンは炭酸塩、フッ化物、メタケイ酸塩イオン、またはこのようなアニオンの混合物、(c)組成の重量を基本にすると、重量で少なくとも0.3%の、RR
1R
2N−>Oの形のアミン酸を含む洗浄界面活性剤で、ここで、RはC
6−C
12アルキルで、R
1とR
2はそれぞれC
1−4アルキルまたはC
1−4ヒドロオキシアルキル、および(d)組成の重量を基本にすると、少なくとも約0.5重量パーセントの漂白剤で、洗浄液組成は、アルカリであり、キレート剤、リン含有塩および研磨剤は基本的に含まれない。
【0203】
一定の実施例では、ロボット掃除機で利用される清浄液剤は、米国特許番号5,573,710、5,814,591、5,972,876、6,004,916、6,200,941および6,214,784に説明された塗装面の洗浄剤の1つ以上の実施例を含み(または実施例であり)、これらの全てが、本明細書において参考として援用される。
【0204】
米国特許番号5,573,710は、硬い表面またはカーペットやじゅうたんのような硬い繊維質から、油脂や染みを削除するために使用できる、水性の複数面のクリーニング組成を開示する。この組成は、(a)界面活性システムを備えるが、次の一般的化学式(I)酸化アミン、
【0205】
【化3】
または、次の一般化学式(II)の第四アミン塩、
【0206】
【化4】
または、前述の酸化アミンと第四アミン塩の混合物、および(b)非常にわずかに水溶性極の有機物質を含む。この非常にわずかに水溶性極有機物質は、0.1から1.0重量パーセントの水溶性範囲を持ち、非常に僅かに水溶性極有機物質の界面活性システムに対する重量比率は、約0.1:1から約1:1の範囲にできる。R
1とR
2は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ヒドロキシエチルおよびヒドロキシプロピルから構成されるグループから選択できる。R
1とR
2は同じまたは別にできる。R
3は、直鎖アルキル、分鎖アルキル、直鎖へテロアルキル、分鎖へテロアルキル、およびアルキルエーテルから構成されるグループから選択でき、それぞれは、約10から20の炭素原子を持つ。R
4は、1から約5の炭素原子を持つアルキル群から構成されるグループから選択できる。Xは、ハロゲン原子である。
【0207】
一定の実施例では、組成はさらに、ストリーキングの削減に効果的な量で、水性有機物質を含む。水性有機物質は、水溶性グリコールエーテルおよび水溶性アルキルアルコールから選択できる。水溶性有機物質は、少なくとも14.5重量パーセントの溶解度を持つことができる。水溶性有機物質に対する界面活性システムの従率比率は、約0.033:1から約0.2:1の範囲にできる。
【0208】
米国特許番号5,814,591は、泥の除去が改善された水性の塗装面の洗浄剤を解説する。この洗浄剤は、(a)(i)非イオン性、両面界面活性剤、またはこれらの混合物質、または(ii)界面活性剤が清掃に有効な量だけ存在する、第四アンモニア界面活性剤のいずれか、(b)25度で少なくとも0.001mmHgの蒸気圧を持つ、可溶化または遊離効果の量だけ存在する、少なくとも1つの水溶性または水和性有機溶媒、(c)洗浄剤の泥除去を強化するために有効な量だけ存在する、キレート剤としてのアンモニアエチレンジアミンテトラアセテート(アンモニアEDTA)、および(d)水を含む。界面活性剤は全部で、約0.001〜10%の量が存在する場合がある。濃縮製品では、界面活性剤は重量で20%まで存在できる。非イオン性の界面活性剤は、アルコキシル化アルキルフェノルエーテル、アルコキシル化アルコールまたは、単長鎖アルキル、ニ短鎖アルキル、トライアルキルアミン酸化物、アルキルアミドジアルキルアミン酸化物、フォスフィン酸およびスルホキシドのグループから構成されるグループから選択される半極非イオン性界面活性剤、から構成されるグループから選択できる。少なくとも1つの水溶性または水和性有機溶媒は、洗浄剤の50%未満の重量だけ存在できる。アンモニアEDTAは、テトラアンモニアEDTAにできて、洗浄剤全体の約0.01〜25%の重量だけ存在できる。
【0209】
米国特許番号5,972,876は、水性の塗装面の洗浄剤を開示するが、この洗浄剤は、(a)陰イオン性、非イオン性界面活性剤、およびこれらの混合物質から、オプションで、さらに、第四アンモニア界面活性剤から構成されるグループから選択された、界面活性剤の総量が清掃に効果のある量だけ存在する、界面活性剤、(b)25℃で少なくとも0.001mmHgの蒸気圧を持ち、可溶化または遊離効果の量だけ存在する、少なくとも1つの水溶性または水和性有機溶媒、(c)洗浄剤の泥除去を強化するために有効な量だけ存在する、キレート剤としてのエチレンジアミン四酢酸カリウム(EDTAカリウム)、および(d)水を含む。界面活性剤合計は、重量で約0.001〜10%存在できる。少なくとも1つの有機溶媒は、アルカノール、ジオール、グリコールエーテル、およびこれらの混合物から構成されるグループから選択でき、洗浄剤の約1%から50%の重量だけ存在する。EDTAカリウムは洗浄剤の約0.01〜25%の重量だけ存在できる。
【0210】
米国特許番号6,004,916は、水性の塗装面の洗浄剤を開示し、この洗浄剤は、(a)非イオン性、または両面界面活性剤、オプションで第四アンモニア界面活性剤のいずれか、であり、清掃に有効な量だけ存在する界面活性剤(b)25度で少なくとも0.001mmHgの蒸気圧を持つ、可溶化または遊離効果の量だけ存在する、少なくとも1つの水溶性または水和性有機溶媒、(c)洗浄剤の泥除去を強化するために有効な量だけ存在する、キレート剤としてのアンモニアエチレンジアミンテトラアセテート(アンモニアEDTA)、および(d)水を含む。界面活性剤は、非イオン性の界面活性剤にでき、オプションで、第四アンモニア界面活性剤にできる。非イオン性の界面活性剤は、アルコキシル化アルキルフェノルエーテル、アルコキシル化アルコールまたは、単長鎖アルキル、ニ短鎖アルキル、トライアルキルアミン酸化物、アルキルアミドジアルキルアミン酸化物、フォスフィン酸およびスルホキシドのグループから構成されるグループから選択される半極非イオン性界面活性剤、から構成されるグループから選択できる。界面活性剤の合計量は、約0.001〜10%存在できる。少なくとも1つの水溶性または水和性有機溶媒は、洗浄剤の重量で50%未満の量だけ存在できる。アンモニアEDTAは、テトラアンモニアEDTAにでき、洗浄剤全体の約0.01〜25%の重量だけ存在できる。
【0211】
米国特許番号6,200,941は、希釈した塗装面洗浄剤の組成を開示する。クリーニング組成には、(a)少なくとも約85%の水、これに溶解しているのが、(b)キログラムあたり少なくとも約0.45に相当する無機アニオンで、カルシウムイオンと混合すると、25度の水100gには0.2g未満しか溶解しない塩を形成する無機アニオンと、(c)組成の重量に基づくと、少なくとも重量で0.3%の洗浄界面活性剤を備える。組成は、約100cps未満の粘性を持つことが好ましい。アニオンは、炭酸塩、フッ化物、または、メタケイ酸塩、またはこれらのアニオンの混合物にできる。洗浄界面活性剤は、RR
1R
2N−>Oの形のアミン酸化物を含むことができる。ここで、RはC
6−C
12アルキルで、R
1とR
2は、非依存性のC
1−4アルキルまたはC
1−4ヒドロオキシアルキルである。組成は、さらに、組成の重量に基づいて、少なくとも約0.5重量パーセントの漂白剤を含むことができる。ある場合には、清掃組成は、アルカリ性で、キレート剤、リン含有塩および研磨剤は基本的には含まれない。
【0212】
米国特許番号6,214,784は、米国特許番号5,972,876の開示に似た組成を解説する。この組成は、緩衝として、ニカリウム炭酸塩を含むことができる。
【0213】
オプションで、洗浄液は、モーターを冷却するために使用できる。または、モーターは洗浄液を熱するために使用できる。主な清掃ブラシを回転するために使用されるモーターは、熱の形でかなりなエネルギーを放出する。熱はモーターと電子部品の寿命を減少させる。熱がモーターから熱に変換されるように、このモーターの周囲に洗浄液の管を通すことが可能である。これにより、清掃性能が改善されて、モーターにかかる負荷が緩和される。構造は、管、熱交換合成物、管および/管に接触しているモーター部分のための熱伝導物質を含む。さらに、洗浄液ポンプまたはブラシ駆動のための湿式回転モーターの使用により、モーターは、清浄タンクに入れることが可能になるので、ただ単に接続するだけでなく、排熱を洗浄液に入れることが可能になる。
【0214】
図18の分解図と
図19の断面図に示されている前輪モジュール960は、キャスター枠964に囲まれた前輪962を含み、縦のサポートアセンブリ966に取り付けられている。前輪モジュール960は、清掃モジュールより前方で筐体200に取り付けられ、清掃面に対して、筐体200をサポートするために、第三のサポート要素を提供する。縦のサポートアセンブリ966は、キャスター枠964の下部部分で、キャスター枠964にピボット回転するように取り付けられるので、筐体が清掃面から持ち上げられると、または前輪が垂直面を移動すると、キャスター枠は筐体200から遠くへピボットする。縦のサポートアセンブリ966の上端は、筐体200を通過して、後方の移動駆動輪902と
909によりロボット100が清掃面上を通過すると、前輪モジュール960全体が実質的に縦軸の周囲で自由に回転できるように、回転可能である。従って、前輪モジュールは、ロボット運搬の方向に対して、自己配列する。
【0215】
筐体200には、前輪モジュール960を受け取るための前輪取り付け口968が装備されている。口968は、その前方の円周端で、筐体200の底に形成される。縦サポートアセンブリ966の上端は、筐体200から穴を通過して、前輪を筐体に取り付けるために、穴の中で捕獲される。縦のサポートアセンブリ966の上端は、上側で筐体200に取り付けられたセンサー要素とも接合する。
【0216】
前輪アセンブリ962は、車軸突出974を持ち、そこから伸びている成形されたプラスチック輪972で構成され、駆動輪回転軸を形成する反対側の共通配置車軸穴970により、キャスター枠964に対して回転するためにサポートされる。プラスチック輪972は、外径に3つの円周グルーブを含む。中央のグルーブ976は、そこでカム従動子998を受け取るために提供している。プラスチック輪は、さらに、その中でエラストマーのOリング980を受け取るために、1組の対称的に向き合った外周タイヤのグルーブ978を含む。エラストマーのOリング980は、操作中に清掃面に接触するので、Oリング物質の特性は、前輪と清掃面の間に希望の摩擦係数を提供するように選択される。前輪アセンブリ962は、Oリング980を経由して清掃面と回転接触する受身の要素で、ロボット100が清掃面上を移動すると、車軸突出974により形成される回転軸の周囲で回転する。
【0217】
キャスター枠964は、そこに縦のサポートアセンブリ966を受け取るためにその中に形成された共同配列した向かい合うピボット穴982のある、1組の向かい合うクレバス面で形成される。縦の取り付け部材984は、クレバス面の間にインストールするため、その底の端にあるピボット要素986を含む。ピボット要素986は、共同配列ピボット穴982との配列のためにそこに形成されたビボット軸穴988を含む。ピボット棒989は、共同配列ピボット穴982を通過して伸び、ピボット軸穴988にしっかり押し付けられて、そこに捕獲される。ねじりバネ990は、ピボット棒988の上にインストールして、前輪962を筐体200の底の面の下のもっと遠くへ配置する方向へ回転するために、前輪962を押して下方に伸びた位置へキャスター枠964と前輪アセンブリ962を曲げるばねの力を提供する。下方に伸びた位置は操作以外の位置である。ねじりバネ990のバネの定数は、ロボット100が清掃のために清掃面に置かれたとき、ロボット100の重量がその曲げる力に打ち勝つように、十分に小さい。あるいは、前輪アセンブリが垂直面を進むとき、または、清掃面から持ち上げられたとき、ねじりバネの曲げる力は、前輪を下方に伸びた操作以外の位置へピボットする。この状態は、次に解説するように、車輪下のセンサーにより感知され、信号がマスター制御装置300に送品されて、運搬を停止、または、その他一部の動作を開始する。
【0218】
縦の取り付け部材984は、ピボット要素986から上向きに伸びた空洞の縦シャフト部分992を含む。空洞のシャフト部分992は、筐体200の穴を通過して、Eリング固定用具994とスラストワッシャー996によりそこに捕獲される。これにより、前輪アセンブリ960は筐体に取り付けられて、ロボットが運搬中に、縦軸の周囲で自由に回転することができる。
【0219】
前輪モジュール960には、車輪の回転を数え、輪の回転速度を決定して、車輪の下の状況を感知するために、マスター制御モジュール300により使用されるセンサー信号を生成する感知要素が装備される。つまり、キャスター964がねじりバネ990の力により下向きにピボットする。センサーは、車輪の回転に応答して運動するセンサー要素を含むカム従動子998を使用して、車輪の回転信号を生成する。カム従動子998は、空洞シャフト992の内側で移動可能であるようにサポートされている縦の位置にある「L」形状の棒を備えるので、筐体200の穴を通過して、その上面の上に伸びる。棒992の下の端は、車輪の中心円周グルーブ976内に適合するカム従動子を形成して、これに対して運動可能である。カム従動子998は、
図18に示されたオフセットハブ1000に接触した状態でサポートされる。オフセットハブ1000は、円周グルーブ976の内側の前輪回転軸の周囲で非対称に形成された、偏心機の特徴を備える。輪962が1回転するごとに、オフセットハブ1000は力が加わり、カム従動子998の振動が、実質的に縦の軸に沿って往復運動する。
【0220】
図33〜35は、前方のキャスターの代わりの構造を示す。
図33〜34に示されているように、前方のキャスターは、一般的に前述のような構造で、静止センサー(駆動していない前方のキャスターが回転していることを判断するため)の機能と車輪落下スイッチ(地面と接触していないことを判断するため)を統合する設計にできる。縦シャフトと水平フックのある釣り針形状の部材998は、キャスター輪の中間に形成された偏心器の突起999の周囲で曲げられる。キャスター輪が前進およびサポート984の回転のために、その回転軸の周囲で回転する間、釣り針部材のセンター部材998は、サポート984内で自由に回転できるが(キャスターの回転を妨げずに)、サポート984内で縦方向にもスライドできる。作動装置が正弦波的に上下すると、あるセンサー(解説したように、一般的に、部材998の上近くの光学または磁気の「静止」センサー)は、ロボットが前進しているかどうかを追跡するために使用できる。あるいは、部材998の可能な移動のそれぞれ縦端に、つまり、突起999のオフセットの実質的に2倍の間隔をあけて、2つのセンサーを使用する。2つのセンサーは分解能を改善する。あるいは、2つのセンサーは、車輪の回転の時間のアナログプロファイルを提供する直線センサーとしてモデル化、または、置換できる(例えば、2つだけのセンサーでも、注意深く配置すると、部材998の両端の光学、磁気、または電気検出のアナログ出力強度は、回転時に実質的に正弦信号の向き合う端を提供できるので、速度や限定された走行距離の情報を与える)。これらは、ロボットの通常使用中の、サスペンションの前方キャスターの位置に応じて配置される。さらに、車輪落下センター(ここでも、光学、磁気など)は静止センサーより下に配置される。前述のように、輪は、サポート枠984、970でバイアスをかけられるので、ピボットして旋回する縦の範囲内で移動して、ばねのサスペンションを提供する。ロボットの前輪が垂直面に落下、または、ロボットを持ち上げると、部材998は車輪落下センサーの範囲内またはこれより下に移動するので、これが検出される場合がある。従って、部材998とセンサーのあるアセンブリは、静止センサーと車輪落下センサーとして機能する。また、速度センサーとしても働く。前述したように、タイヤ物質にサイプを入れることは、斜交平行切断の斜めの切断である。これらの切断は、ロボットの前進線から20〜70度の角度にできる。
【0221】
1回転あたり1度の車輪センサーは、取り付け要素1004により、「L」形状の棒の上端に取り付けられた永久磁石1002を含む。磁石1002は、前輪の1回転ごとに、周期的な縦の動きの振動をする。磁石1002は、運動している磁石1002に関して固定場所にある筐体200に取り付けられたリードスイッチ(非表示)と相互に作用するために使用される磁場を生成する。リードスイッチは、磁石1002がその運動の一番上の位置にあるたびに、スイッチが入れられる。これにより、マスター制御装置300により感知される、1回転に1つの信号を生成する。第二のリードスイッチは、磁石1002の近くに配置されて、車輪落下信号を生成するために測定される。第二のリードスイッチは、磁石1002が非操作中の車輪落下位置に下がると、磁場により影響を受ける位置に置かれる。
【0222】
(基本の形状要素)
本発明のロボットのある実施例では、ロボットの円形の切断面102の直径は、370mmまたは14.57インチ、つまり、およそ35〜40cmまたは12〜15インチであり、ロボット100の清掃面からの高さは、85mmまたは3.3インチ、つまり、およそ70〜100mmまたは3〜4 1/2インチである。このサイズは、家庭のドア入り口、隙間を進み、多数の典型的な椅子、机、持ち運び式台、丸いす、便座、シンク台、およびその他磁器家具の後ろを清掃する。しかしながら、本発明の自律的清掃ロボット100は、例えば、正方形、長方形、三角形、および、立方体、直方体、および三角錐などの容量のある形状など、その他の切断形状だけでなく、その他の切断直径や高さの寸法で作成することができる。ロボットの高さは、10インチのキャビネットの下のトーキック(およそ車椅子でアクセス可能なトーキックまたはヨーロッパ式のトーキック)未満で、4インチのキャビネットのトーキック(アメリカの最小標準)未満であることが好ましい。代わりに、トーキックの中を清掃するロボットのその部分の高さは、ロボットの残りの部分を高くすることにより、そのように制限され得る。
【0223】
本発明に従うロボットのある実施例では、高度に統合された物理構造を使用して、大量生産の市販製品として製造可能である。
図1Bに示されるように、このような実施例は、ロボット本体、液体タンク、電池および清掃ヘッドなどいくつかの部品を含む。タンクは構造要素にできる(例えば、ロボットは液体がいっぱいでもタンクのハンドルにより運ばれる)。または、ロボットは、筐体‐本体構造または、自己サポートのモノコック構造のセットが可能である。ある環境では定義されるように、モノコックは、「実質的にモノコック」または「少なくとも部分的にモノコック」にできる。また、その他の代わりの定義は排除されない(例えば、リブまたはフレームをサポートするロボット、または、その他の要素のためのカンチレバーサポートなど、筐体のような要素も持つことが可能な負荷ベアリング本体)。さまざまなコンポーネントを持つロボットは本発明の範囲内にある。このような清掃ロボットは、モーター駆動のブラシまたはワイパー、液体タンクを含む第一の枠、および、回転可能な運転メカニズムを含む第二の枠を含む。継ぎ手メカニズムは、第一の枠を第二の枠に連結して、実質的に筒状の清掃ロボットの外面を形成する。清掃ロボットは、液体タンクから液体を投与して、液体で濡れた面にブラシをかける、またはふき取る。
【0224】
別の実施例では、清掃ロボットは、モーター駆動のブラシまたはワイパー、液体を貯蔵する上部の筒状セクションとして形成されるタンク、下部の筒状セクションとして形成されるプラットフォームを含む。プラットフォームは、回転可能な運転メカニズムを支える。継ぎ手メカニズムは、タンクをプラットフォームに連結して、タンクの上部の筒部分をプラットフォームの下部の筒部分に一致させて、清掃ロボットの実質的に筒状の外面を形成する。
【0225】
筒状本体の一部としての液体タンクの統合により、湿式洗浄が、自律的ロボットにより、最大の可能な洗浄時間で、実行可能になる。本体全体が筒状でなければ、つまり、円形の円周を持っていなければ、自発性に影響を及ぼし、ロボットよりわずかに大きい角や廊下から脱出することがさらに困難になる。液体タンクをロボット本体に統合することにより、タンクの容量を最高にすることができる。一定の幅のその他の形状(ルーロー三角形または幅が一定の多角形)も周囲の形状として可能であり、本使用の目的としては、「筒状」という用語の意味にあると考えられるが、円形の周囲は、一定幅の形状の最大の内部面積を持つので、最大の液体容量の可能性を有する。
【0226】
ここに解説される清掃ロボットのまた別の実施例は、廃液区画、希釈液区画、少なくとも1つの廃液区画または希釈液区画を持つ一部がモノコックのタンク、および、回転可能な運転メカニズムを持つ一部がモノコックのプラットフォームを含む。継ぎ手メカニズムは、一部がモノコックのタンクを一部がモノコックのプラットフォームに連結して、実質的に筒状の清掃ロボットの外面を形成する。清掃ロボットは、清掃ロボットが投与した液体によって少なくとも部分的に濡れた面にブラシをかける。
【0227】
別の実施例は、モーター駆動ブラシまたはワイパー、液体を貯蔵する液体区画をサポートするタンク、タンクを受け取る架台を含むプラットフォーム、タンクとプラットフォームの間の液体接続、タンクとプラットフォームの真空接続を含む。継ぎ手はタンクをプラットフォームに機械的に係合する。継ぎ手の係合は、液体の接続と真空接続とを密封して、清掃ロボットの実質的に筒状の外面を形成する。清掃ロボットは、液体区画からの液体により少なくとも部分的に濡れた面にブラシをかける。液体区画からの液体は、真空発生器(ブラシまたはワイパーの前に、乾燥した粒子状物質を吸引する)により吸引され得るが、必ずしも必要ではない。
【0228】
また別の実施例は、モーター駆動のブラシまたはワイパーと、液体区画を入れるモノコックタンクと、タンクの片端を受け取って、モノコックタンクをプラットフォームに一致させるために回転可能な、ピボットする架台を含むプラットフォームと、を含む。継ぎ手は、モノコックタンクをプラットフォームに機械的に係合するので、継ぎ手の係合は、清掃ロボットの実質的に筒状の外面を形成する。清掃ロボットは、液体区画からの液体により少なくとも部分的に濡れた面にブラシをかける。ピボットする架台は、オプションで、ユーザーが持ち運ぶのと同じ角度でタンクを受け取るように配置され得る。ハンドル構成により、タンクがユーザーの手から下がっている場合は、タンクはロボット掃除機のまた別の実施例は、モーター駆動ブラシまたはワイパー、液体を貯蔵する液体区画を入れるタンク、タンクを受け取る架台を含むプラットフォーム、タンクとプラットフォームの間の液体接続、タンクとプラットフォームの真空接続を含む。継ぎ手は、タンクをプラットフォームに機械的に係合するので、継ぎ手の係合は、液体接続と真空接続を密封して、清掃ロボットの実質的に筒状の外面を形成する。清掃ロボットは、液体区画からの液体により少なくとも部分的に濡れた面にブラシをかける。
【0229】
また別の実施例では、清掃ロボットは、液体を貯蔵するための液体区画を入れるタンク、モーターで駆動するブラシと真空発生器を含む清掃ヘッド、プラットフォームを含む。プラットフォームは、電池を受け取る第一の容器を含む。架台はタンクを受け取るので、タンクは電池を覆う。電池はタンクの下にある必要はなく、上部またはシュラウドで本体に直接取り付けることができる。さらに、ある実施例では、タンクと関連のコンポーネントは、タンクが正しく取り付けられると清掃ヘッドによりインターロックを作ることができるので、タンクが回転して上部に動かない限り、清掃ヘッドは取り外し可能または置換可能である。
【0230】
清掃ヘッドは、プラットフォームの一部として考えることができる。または、オプションで、第二の容器は、プラットフォームの片側から清掃ヘッドを受け取ることができる。ロボットは、タンクとプラットフォームの間の液体接続(一例では、プラットフォームは液体を排出できるように)と、タンクとプラットフォームおよび/または清掃ヘッドの間の真空接続(一例では、プラットフォームにより吸引される物質はタンクに入れることができるように)を含む。真空接続と液体接続のいずれか、または両方は、タンクと清掃ヘッドの間で、例えば、タンクと清掃ヘッドのシールを一致させることにより、直接行うことができる。継ぎ手は、タンクをプラットフォームに機械的に係合することができ、液体接続と真空接続を密封することができる。
【0231】
上記の実施例のすべてがブラシまたはワイパーを使用することはできるが、ブラシの使用は、ワイパーよりも生じる摩擦が少ない。さらに、多数の剛毛の回転はまだ連続した面との接触、および連続して繰り返す面との接続を提供する。「ブラシ」という言葉は、ロボットとの回転、往復、起動、ベルト駆動、移動などが可能なパッド、ブラシ、スポンジ、布などを含む。
【0232】
異なる率が可能であるが、液体タンクがロボットの上面の50%以上、側壁の50%まで、さらに、底面の50%未満であれば、液体タンクの容量を最大限にすることが有用である。しかしながら、液体タンクが底面の25%未満で、上面の75%を超えている場合は、これは、ほとんどの容量でタンクをサポートする必要性をバランスするので、さらに有用である。
【0233】
前述のように、モーター駆動のブラシは、第一の枠のシュラウドに取り外し可能なように挿入される清掃ヘッドの中にあり、さらに、ロック、クリックロック、クリックイン/クリックアウトまたは、戻り止めメカニズムがあるので、正しい位置に収まり、密封と接続を維持する。この構造により、清掃ヘッドはタンクを取り外さなくても取り外せるようになる。電池がタンクの下で本体より上にある場合、清掃ヘッドも電池を取り外さなくても取り外しできるようになる。電池は、同様な構造を使用して、同様に配置できるので、オプションのロック、クリックロック、クリックイン/クリックアウト、または戻り止めメカニズムがあるので、電気接続を維持しながら、ロボットのシュラウドから取り外し可能なように挿入できる。また、電池は、タンクまたは本体のいずれかに統合でき、1つ以上の置換可能、充電、補充が可能な電池、燃料電池、または燃料タンク、あるいはこれらの組み合わせを含むことができる。
【0234】
タンクを本体に固定化するための継ぎ手メカニズムは、液体タンクのハンドル、全体が実質的に筒状のロボット、または、タンクだけが液体タンクハンドルから持ち運び可能なタンク、を含み得る。また、ハンドルは、ロック、クリックロック、クリックイン/クリックアウトまたは戻り止めメカニズムも含む。表されているハンドルは、タンクを本体にクリックロックする押しボタン、タンク本体から外す別の押しボタン、さらに、ハンドルして使用するプルアップをサポートするメカニズムを含む。継ぎ手メカニズムには、ピボットとロックを含むことができ、ピボットはタンクの片方を受け取って、ロックがかかるようにタンクを回転させる。
【0235】
上記実施例の多数は、ロボットの液体区画とサポートまたは構造要素両方として機能するタンク構造を利用する。さらに、タンクは、表された実施例のように、清浄液区画と汚水区画両方を収納できる。あるいは、追加のタンクは、清浄液と汚水を分離するために、および/またはタンクの1つの水と混合する濃縮液のために、提供できる。さらに多くの区画を提供する可能性がある(例えば、消泡剤のための区画、燃料のための区画など)。実施例は、タンクまたは混合タンクが自己サポート、または、構造部材として機能することができる方法を示し、同業者は、同じ種類の継ぎ手やサポートは、2つ以上のタンクで容易に変更され得ることを認識する。
【0236】
本明細書において記載のように、タンクの2つの区画は、液体が1つの区画から地面に移動し、そして吸引されるように配置され、重心は実質的にそのまま、および/または実質的に駆動輪上に残る。本構造は、お互いに、区画全体の重心が10cm以内で、お互いに重なり合う、または部分的に重なり合う区画を使用する。代わりに、区画は、同心(横方向で一方が他方の内側にあるような同心)にできる。または、交互(例えば、横方向で交互のL形状または指)にできる。あるいは、清浄区画のすべて、または一部は、汚水区画内の可撓性の空気袋で、清浄液が放出され、汚水が汚水区画を満たすにつれて、可撓性の空気袋が押されて、清浄液の場所をとるように、汚水区画で囲むことができる。可撓性の空気袋は、折り畳む、曲がる、または汚水タンクに伸びる、清浄タンクの底の部分にすることができる。例えば、
図27では、開口562a(
図27に表示)の左および/または右にある第二のプラスチック要素(タンク中間部)812の円状セクターの平坦な部分は、曲がる、伸張する、または、廃棄物タンクへの折りたたみ式部分として形成できる。この目的で、空気溜り562は、これらの方向の直線側に配置できる。
【0237】
タンク内では、区画のさまざまな種類の構造が可能である。分離式、壁に埋め込み式(表示)、変形可能な分離式区画、または、ネスト式区画にできる。一定の区画はネスト式で変形可能にできる。あるいは、区画を分離する取り壊し可能な壁を含むことができる。区画を分離している壁は、ヒンジ式、折りたたみ式などにでき、区画は、1つ以上の半透過性、浸透性、または、逆浸透膜、またはその他のフィルタにより分離することができる。「区画」または「タンク」のいずれかは、特に指定されない限り、硬い、変形できる、または取り壊しできる可能性がある。同じ区画を、別の環境では2つの異なる液体のために使用することが可能である(水と混合済みの洗浄剤区画とトリートメントまたはポリッシュ区画など)タンク内の区画は、必要に応じて、水または溶媒、混合洗浄溶液、濃縮液、汚水、乾燥した粒子状物質、燃料、芳香剤、消泡剤、マーカー、ポリッシュ、トリートメント、ワックスなどのために使用できる。
【0238】
上記の例のほとんどは取り外し可能なタンクを持つが、代わりの実施例では、タンクは常設にできる。「継ぎ手」という言葉の意味は、ある物を別の物に容易に取り付けるためのメカニズム一式を意味し、スナップ、キャッチ、ラッチ、フック、クリックロック、戻り止めロック、スクリュー、フード取り付け爪、マジックテープ(登録商標)など、可逆式の継ぎ手を含む。また、上部を下部に、または、密接に接合している互換性のエラストマー部分を保つための、重力やガイドの使用を含む。「容易に取り外される」という修飾語は、一般的に、接着剤/ハンダ付けのような永久的な継ぎ手から、このような半永久的な継ぎ手(スクリューやネジなど、修繕以外は永久的)を区別する。半永久的または永久的な継ぎ手は、ドックまたは床のステーションにより空にする大きめのロボットの場合には、もっと実用的である可能性がある(上記の実施例は、互換性のあるドックまたは床のステーションを含むことができる)。
【0239】
前述のように、プラットフォームは、スプレー、散布器、ノズル、毛管作用、ふき取り布または液体を塗布するためのその他の液体塗布メカニズム、および/またはブラシ、真空発生器、スキージ、ふき取りまたは廃液を回収するためのその他の布製の流体回収メカニズムも含むことができる。上記で使用されているように、「液体により濡れる」ことは、タンクにより液体が保管される前または後に発生する可能性がある(例えば、ポリッシュまたは床の手入れのためなどのために、液体は人により手動で適用され、ロボットにより吸引される可能性、または、液体はロボットにより表面に残されて、液体の種類に応じて乾燥または蒸発するなど)。いずれか、または両方の枠は、実質的にモノコックであるか、または、筐体部分または追加の筐体部分に対するロックを含むことができる。
【0240】
ピボットホルダーが使用される場合は、ピボットホルダーは金属製で、耐用性と剛性がある。重金属製のピボットを使用すると、ロボットの重量が増加して(圧力やモップの力も)、主な枠の重心が前または後ろにさらに顕著に移動する可能性がある(金属性のピボットの位置に依存して、必要に応じて)。金属製のハンドルがロボットの反対側の端で使用されると、2つの金属部分は、望ましい重心のバランスと位置を促進できる。しかしながら、バランスと位置は、その代わりに、輪/ベルト駆動接合線に向けてロボットの重心を移動する金属製のサポート枠の使用によって、または、簡単に液体が満タンのロボットの重心が輪/ベルト駆動接合線に移動するように重い錘(例えば、鋳鉄)を適切に配置することにより、促進することができる。
【0241】
範囲のために設計されたロボットでは(清掃ロボットを含む)、ロボットが回転できる直径上に別の駆動輪を配置することが最適である。しかしながら、最も広い作業域を与えることになるので、円形ロボットの直径上に作業幅または清掃ヘッドを取り付けることが有利である。ROOMBAの商標でiRobot Corporationにより製造されている一定の掃除機ロボットでは、作業幅内の粒子状物質を吸引するために壁をなぞる場合に側面ブラシが使用できるので、車輪はこの目的で円形の円周の直径上に配置される。ロボットが毎回同じ側で壁をなぞると、1つの側面ブラシだけが必要である。
【0242】
しかしながら、液体を適用するモップロボットでは、側面ブラシはこのようには効果的ではない。本発明は乾式清掃または湿式清掃または両方を支援する乾式タイプの掃除機に実質的に物理的に類似した乾式または湿式の側面ブラシの使用を予想するが、必要であるとは考えられない。さらに、清掃ヘッドの幅が壁に最も近づくことができるように、円周の直径上に清掃ヘッドを配置することにより、効果的な清掃に役立つ。一定の幅の別の曲線の場合には、清掃ヘッドは、最も幅の広いスパン上に配置する可能性があり、差動駆動輪は、ロボットの周囲を囲い込む円周の直径近くに配置する可能性がある(あるいは、このようなロボットは、等角度に配置された全方向性の車輪でホロノミック駆動を使用する可能性がある)。
【0243】
清掃ヘッドが円周の直径上にあると、ロボットの端に隣接することができるので、端の清掃性能を改善する。さらに、ロボットが、優位側の壁や障害物をなぞるように制御および構成されると、清掃ヘッドはロボットの一方の端だけに隣接する必要がある。このような配置により、非優位側の空間はその他の目的のために使用できる。ロボットのある実施例の場合、この直径上の端空間は、ギアトレインや、清掃ヘッドがロボットの一方の側面(隅の清掃/支配的な側面)からカートリッジ方式でスリップ取り込みにできる取り込み構造のために使用される。
図3、3Bを参照する。
【0244】
ある特定の実施例の清掃システムは、乾燥吸引、その後に液体(湿)塗布、その後に液体吸引である。液体塗布の前に乾燥吸引がある理由は、解説されるように、主に、湿式吸引は主に汚れた水/廃液のためであり、湿式吸引にさまざまなマイナスの影響を与え、通常は乾燥時には吸引がはるかに簡単な粒子状物質や大きい遊離した破片のためではないからである。
【0245】
追加の清掃ステップは、本発明に従い、湿式清掃ロボットに組み入れることができる。例えば、乾燥物質の塗布ステップは、研磨剤の粉末、触媒、反応剤などの乾燥吸引ステップの後に、または、その他の乾燥物質が入れられて、液体と混合された後に含むことができる(または、湿式スプレーはオフにして、乾燥物質を回収または後で吸引される)。
【0246】
また、湿式吸引メカニズムが破片に対応する場合など、濡れた粒子状物質または破片の可能性に対応するために別の方法が適用される場合には、乾燥吸引ステップを取り除くことも可能である。機器のある実施例では、清掃経路に沿って、横に長い形の湿式掃除機/スキージを進めるスクラブブラシを使用できる。一例では、スクラブブラシが掃除機の入り口内で回転し、破片を掃除機の入り口に向けるように置かれている代わりの実施例では、乾式吸引ステップはあまり重要でない場合がある。また、液体の塗布プロセスが液体吸引プロセスの直ぐ前に来ないように、清掃システムを変更することも可能である。一例として、代わりの実施例では、第一のロボットが液体を塗布して、第二のロボットタ液体を吸引、または単独のロボットがある通過では液体を塗布して、同じ経路に沿った二回目の通過では液体を取り除くように設定することが可能である。
【0247】
また、例えば、ワックスやポリッシュの場合には、液体吸引プロセスが実行されないように清掃システムを変更することも可能である。別の実施例では、ロボットはある種の液体(例えば、洗浄液)を塗布し、吸引してから、吸引されない第二の種類の液体(例えば、ワックスまたはポリッシュ)を適用することが可能である。
【0248】
また、液体塗布プロセスが液体を直接床に塗布するのではなく、ブラシ、ローラー、ベルト、ウェブ、パッドあるいはその他のスクラブ用具に塗布し、スクラブ用具により実行されると、液体はまず主に床に接触するように、清掃システムを変更することも可能である。
【0249】
解説するように、一定の新しい清掃システムは、特に、本発明のロボット式掃除機によく適する。しかしながら、プロセスまたはシステムのある部分が重要であるのではなく、ここに説明した顕著な利点を持つ清掃システムを形成するのは、清掃プロセスのある種の組み合わせである。解説したロボット式、形式、および構成構造の多くは、新しく、任意の湿式清掃システムにとって有利である(一例としては、ロボットが常にある側で清掃する場合、その端だけに伸びる湿式清掃ヘッドに関連付けられた構造)。
【0250】
解説したように、ロボットは、完全に液体を満たした場合に、約3〜5kgであることが好ましい。家庭用使用としては、ロボットは最高約10kgにできる。ロボットの物理的寸法の範囲例としては、約2〜10kgの質量で、清掃幅は約20〜50cmの直径内で約10cm〜40cm、輪直径は約3cm〜20cm、駆動輪接触線は全駆動輪(2、3、4駆動輪)で約2cm〜10cm、全駆動の駆動輪接触面は約2cm
2以上である。例のロボットは、空の場合およそ4kg未満で、満タンの場合およそ5kg未満であり、およそ1kg(または800〜1200ml)の清浄水または汚水を運搬する(ロボットが液体を吸引するだけでなく塗布する場合)。廃棄物タンクの大きさは、吸引プロセスの能率に従い決められる。例えば、各通過で濡れた液体をある程度の量残るように設計された、あるいは配置された、比較的能率のよくないスキージでは(例えば、洗浄液が染みまたは乾燥した食べ物の残りかすに留まって積極的に働くように)、液体タンクは、清浄タンクと同じ大きさ、または小さく設計することができる。溜まった液体の一部分は決して吸引されず、別の部分は吸引される前に蒸発する可能性がある。乾式吸引が湿式吸引より前にあり、能率的なスキージ(例えば、シリコーン)が使用される場合、廃棄物タンクは洗浄液タンクと同じか大きくすることが必要になる場合がある。また、タンク容量のある部分、約5%以上は、泡の収容または制御専用になる場合があり、廃棄物タンクのサイズを増加させる可能性がある。
【0251】
実行可能な自律的塗装面清掃ロボットは、質量が約10kg未満で、少なくとも1つのスクラブまたはふきとり部材を持つ。表面を効果的にブラシ、ふき取り、またはスクラブするためには、スクラブまたはふき取り部材は、抗力を作り出す。また、10kg未満のロボットでは、約40%の重量までの平均抗力を作り出すべきであるが、約25%未満であることが好ましい。抵抗力(任意のブレード、スキージ、効力を生じるコンポーネントに関連する全抗力)は、障害物の持ち上げは、タイヤから重量を削減して、効果的な原動力に影響を与えるので、有効なサスペンション/一定の重量システムのない場合に十分な運動性を確保するために、ロボット重量の約25%を超えてはならない。最大に使用可能な静止摩擦は、典型的には、界面活性剤ベース(表面張力が低い)洗浄液のある滑らかな面上では、ロボットの重量の約40%未満であり、おそらく、最良の条件では最高約50%で、静止摩擦/推力は抗力/寄生的力を超える必要がある。しかしながら、自律的な推進を成功させ、小さな危険や障害物を克服するために十分な推力を持つためには、車輪とは異なるスクラブまたはブラシ部材が出会うかもしれないしきいを登るため、そして、つまりやその他のパニック環境から逃れるためには、ロボットは、駆動輪によりほとんどが提供される、約150%以上の平均の抗力/寄生的力の推力/静止摩擦を持たなければならない。回転の方向に応じて、回転ブラシは、抗力または推力を作ることができるが、本発明は両方を予想する。詳細を開示するロボットの一例では、約8−1/2パウンドの重量があり、ブラシ、ワイパー、スキージ、静止している車輪の静止摩擦により2から3−1/2パウンド未満の抗力があるが、3から5−1/2パウンドの推力が、駆動輪だけにより、あるいは、前方に回転するブラシとの組み合わせにおいて駆動輪により生じ、これが問題なく清掃し自律的に推進するロボットの一例である。時には、静止摩擦を改善するために、車輪にもっと重量を加えることによって重みが追加される(例えば、本機器のある実施例では、金属製ハンドル、クレバスのようなピボット架台、必要なサイズより大きいモーター、および/または安定器である)。重みを追加しても、追加しなくても、本機器のある実施例は、前方に回転するブラシ(一般的にリバースでオフにする)から機能性のあるパーセントの推力を派生するが、これは大型の産業用掃除機に必要な機能ではない。
【0252】
10kg未満の(あるいは20kg未満の場合でも)家庭用清掃ロボットの質量のために、清掃ヘッドの幅は、産業用の自己推進掃除機とはかなり異なる。本発明の実施例によれば、これは、ロボットの質量1kgごとに1cmの(湿式)清掃幅から、理想的には、ロボット質量の1kgごとに5または6cmの清掃幅で、最高ではロボット質量の1kgごとに10cmの清掃幅である(一般的に、より高い比率はより少ない質量に適用される)。ロボット質量の1kgごとに10cmを超える清掃幅でふき取りまたはスクラブの十分な力を適用することは困難である。さらに、ロボット質量の1kgごとに1cm未満では、能率の悪い清掃幅または一般使用には不適切な、つまり、普通の(または虚弱な)人が簡単に持ち運びできない、非常に重いロボットになる。自己推進の産業用清掃機は、一般的には、機械の質量1kgあたりで1〜3cm未満の清掃幅である。
【0253】
これらの寸法の比率または特性は、ロボットが10kg未満、および一部の場合には20kg未満であるかどうかに関係することがあるが、一般の家庭使用でも有効である。これらの比率は上記に明示的に解説したが、一定の比率(例えば、ロボット質量の1パウンドあたりの車輪接触の平方センチメートルの面積、抗力の1パウンドあたりのの車輪接触線のcm、など)は、解説した別のロボットの構成のセットを限定するけれども、ここで本質的に開示されることになると明示的に考えられる。
【0254】
本開示は最適の物質構成や濡れた家庭内の表面で有用なロボットのタイヤや軌道の形状を解説するが、その他の清掃要素をこれらの物質や形状と一定に組み合わせることは特に効果的である。タイヤ自体では、解説したように、ある有利な構成では、3mmの厚さの発泡タイヤで2mmの深いサイプがある。この構成は、タイヤあたり3から4kg未満をサポートする場合、最適に機能する。サイプ、気泡構造、タイヤの吸収性の最適な組み合わせは、ロボットの重量により影響を受ける。
【0255】
少なくとも1つの受身のワイパーまたはスキージは、湿式清掃ロボットでは有利である。例えば、湿式掃除機部分は、スキージに密接に配置され、吸引のために入れられた水の膜の厚さを形成する。引きずる(湿式)スキージは、2mmよりも高い障害物を清掃するために十分な可撓性と運動範囲を持つべきであるが、ロボットの地面の隙間をクリアすることが理想である(詳細を説明した実施例の場合では、最低4−1/2mmの高さまたはロボットの地面の隙間)。
【0256】
重力に反対向きであるスキージにより生み出される反動力はすべて、使用可能な抵抗から差し引くので、ロボット重量の約20%を超えることはなく、理想的にはロボット重量の約10%を超えることはない。同等な反動力を持つ一定の量の端の圧力は、スキージが拭いて液体を回収するために必要である。液体回収、反動力、磨耗、障害物に対する柔軟な応答の効果的な組み合わせを得るためには、スキージの物理的パラメータは、よく制御され、バランスされる必要がある。300mm未満のスキージの約3/10mmの作業端半径が特に効果的であり、約1/10から5/10mmの作業端のスキージは、その他の作り出される条件に応じて、実行可能であることが予想できる。磨耗、スキージの性能、および抵抗力は、実質的に長方形の断面(オプションでひし形)および/または約1mm(オプションで約1/2mmから1−1/2mm)の厚さ、約90度(オプションで約60から120度)の角、作業の長さ全体で約1/2mm以内(オプションで、約3/4mmまで)で床に平行、および、長さあたり約1/500mm内(オプションで、約1/100まで以内)で直線で、作業端が上記のように約3/10mm以内であるスキージで改善される。上記のパラメータから逸脱すると、補償する大きい端の圧力(重力に反対向きの力)が必要になり、使用可能な静止摩擦を減少する。
【0257】
湿式掃除機/スキージのアセンブリの3つの例がここで開示される。1つは、「分岐スキージ」を使用して、湿式吸引は主に前方の濡れたゴム雑巾と後ろのスキージの間の真空チャネルにより提供され、2つのスキージは、別の部材で、使用中にスキージを変形すると、お互いにスライドできる。
図12に表されているように、図面の左側の後ろの濡れたゴム雑巾は、カートリッジを清掃のために開くと、ブラシに隣接する前方の濡れたスキージから分離する。前方の濡れたゴム雑巾は、一連の真空チャネルを提供するために内側面にギザギザがあり、前方の濡れたゴム雑巾の主なタンクは、適切に変形して、チャネルないの真空を維持して、チャネルの前方の端を床に届くためである。前方の濡れたゴム雑巾(分離するスキージの設計の)は、ぶら下がる濡れたゴム雑巾に対する空気力学のパラメータを定義するために、一定の開いた断面領域を維持する。しかしながら、これを実現するには、前方の濡れたゴム雑巾は、専用場所で床に接触するだけが必要であり、機能するための端の圧力を必要としない。前方の濡れたスキージは、ロボットの地面との隙間で障害物をクリアできなければならない。例えば、ロボットの約4 1/2mmの最低の高さを超える障害物を、4 1/2mmの後ろのまたは濡れた地面との隙間でクリアする。前方の濡れたゴム雑巾は、約80〜120%で空気力学の断面領域を維持しなければならず、その長さのどの場所でも設計の点からは約90〜110%が理想である(例えば、静止設計の予想される断面面積)。断面積の逸脱は、スキージに対する真空発生器支援が一定にならず、清掃の性能を削減する。
【0258】
スキージが、乾式真空発生器といっしょに、あるいは後ろで使用されると、乾式真空発生器のスキージは、十分な可撓性と、例えば、ロボットの前方の(乾式)半分の約6
1/2mmの高さよりも高い障害物をクリアするためには(この例では、前方の高さを高くまたは低くできる)、前方の地面の隙間より高い障害物をクリアするための運動範囲を持つことが必要である。「乾式スキージ」または「ドクターブレード」の主要目的は、気流ガイドとしてであり、ここでは「乾式スキージ」または「ドクターブレード」という用語が使用されているが、本当のドクターブレードまたはスキージとしてではないので、乾式スキージの端は、オプションで、例えば、0から約1mm、理想的には1/2mm分、床から分離されるように設計できる。端の圧力は、乾式真空スキージ、つまり、気流ガイドのブレードでは、最適の性能で適切に機能するためには必要ではない。理想的な気流ガイドのブレードは、約10〜30度、理想的には20度だけ、前後にピボットできる。
【0259】
ブラシまたはワイパーが使用されると、静止と回転両方のブラシ、またはワイパーは、面変化の広い範囲にわたって床に接触する必要がある(例えば、湿式清掃の場合、タイル、平坦、床、深いグラウトの床)。この接触は、本発明に従い、一般的には次の2つの方法のうち1つまたは両方で実現される。ブラシまたはワイパーは浮動する架台を使用して取り付けられる(例えば、バネ、エラストマー、ガイドなど)。さらに/または、表面に対するスクラブブラシまたはワイパーの接合または取り付けの設計された分だけ十分な可撓性を使用する。上記のように、ブラシ/スクラブ装置により生まれる、重心に反対方向の反動力は、使用可能な静止摩擦から差し引いて、ロボット重量の約10%を超えてはならない。バネブラシのらせん設計は、重心と反対方向の力を最小限にして、回転に必要エネルギーの要件を削減することを助ける。
【0260】
回転ブラシを使用している解説されるほとんどの実施例は、単独のブラシを使用する。例えば、2つの反対回転するブラシと、ロボットの中央線の首尾どちらかに1つのブラシなど、2つ以上のブラシを提供できる。差動回転ブラシも採用できる。このような場合、2つのブラシは、それぞれ、実質的には回転の直径でロボットの半分の幅であるが、それぞれが、直径の半分に沿って伸び、回転の中心線のどちらか横側に置かれる。各ブラシは、別の駆動とモーターに接続され、反対方向または同じ方向、いずれかの方向に違う速度で回転できるので、ロボットに回転と転換の推進力を提供する。
【0261】
本発明のある実施例に従う清掃ロボットは、主に、弾性および/または減衰を含むピボットの車輪アセンブリを含み、上下力を考慮して設計された運転の高さがあるサスペンションシステムも提供される。理想的なサスペンションは、ロボットの最小の下向きの力の約2%(オプションで1〜5%)内で理想的に実現することができる(つまり、ロボットの質量または重量から、ブラシ/スキージのような弾性または基準の接触部材からの上向きの力を差し引く、など)。つまり、サスペンションは、タイヤ接触箇所で最大の可能な力を維持しながら、ほとんどすべての障害物または上向きの力の生成が可能な原因が、サスペンションを持ち上げる、または、ロボットを障害物の上で遊離しているように、適用された使用可能な下向きの力の約2%だけで「ハードストップ」に対して休止する(バネはその他98%、オプションで95%〜99%を持って停止する)。このバネの力(および、理論ではロボットの静止摩擦)は、変化するロボットのペイロード(相対的な清浄と汚水タンクのレベル)に相対的に、力を変化させるアクティブなシステムを持つことにより、最大限にできる。有効なサスペンションは、電動アクチュエータまたはソレノイド、流体動力などにより、当業者により理解されるように、適切な減衰とバネの抵抗で、提供される。
【0262】
ロボットの重心は、同じ重心の場所を続けて維持するように洗浄剤と廃棄物のタンクがバランスされない限り、液体の回収中に移動する傾向がある。表面に関わらず塗布された液体のほぼすべてを回収できる、または、廃棄タンクに回収される液体の量を予測するモデル化が可能な液体回収システムであれば、重心の同じ位置を維持すること(タンク区画の設計により)により、受身のサスペンションシステムは、最高の使用可能な静止摩擦を実現できる。本発明は、空になると区画の重心位置を実質的に維持する特性を持つ第一の区画と、満タンになると区画の重心位置を実質的に維持する特定を持つ第二の区画とを含むタンク設計を予想し、組み合わされたタンクの重心は、車輪の直径内と車輪の上で実質的に維持される。これは、縦方向に少なくとも一部が重ねられるタンクではさらに容易に実現される。
【0263】
清掃タンクが構成で統合されると、本発明は、洗浄液カートリッジの使用を予想する。ユーザーは、密封したプラスチック製のカートリッジをロボット枠上のくぼみまたは空洞に入れる。カートリッジは、ロボットの上および/または側面の外側を滑らかにまたは実質的になめらかに(おそらく僅かに隆起)一体にして、予め測定された量の洗浄液を含むように構成されることが好ましい。カートリッジをロボットに取り付けると、カートリッジ枠を貫通または割るので、洗浄液が正しい量だけ水と混同できるようになる。
【0264】
上記のように、完全に液体を回収または有効なサスペンションがないと、すべての面から最低のパーセントの液体が回収されたとモデル化または想定して(例えば、塗布された液体の70%)、この想定/モデルに従い、区画の特性と重心を設計することにより、優れた運動性が実現できる。代わりの、あるいは追加で、最大の空荷(空のタンク)条件にバネの力を等しく設定すると、優れた静止摩擦と運動性に貢献できる。規則として、サスペンションの移動は、バンパー(およびその他の端のバリア)により許されているロボットの下で移動する最大の障害物に少なくとも等しいことが必要である。
【0265】
車輪の直径を最大にすると、指定の障害物またはくぼみでのエネルギーと静止摩擦の要件が減少する。最大に設計された障害物を登る能力は、車輪の直径の約10%未満でなければならない。4.5mmの障害またはくぼみは、45mmの直径の車輪により克服される。解説したほとんどの実施例では、ロボットは、いくつかの理由で短く低い。バンパーは、カーペット、しきい、硬い床を区別するために、地面から約3mmのバンパーはロボットがほとんどのカーペットにのしかかることを防ぐように、低く設定される(約2−5mmのバンパーの地面との隙間)。ロボットの作業面の残り、つまり、ロボットの下の乾式真空発生器や湿式清掃ヘッドも地面との隙間を低くすることにより、さらに効果的になって、床に向かって伸びる部材を持つ(空気ガイド、スキージ、ブラシ)。ある実施例の地面の隙間は3〜6mmであるので、車輪は30mm〜60mmだけしか必要としない。しかしながら、低い障害物に対応する場合でも、典型的には大きければ大きいほど優れている。
【0266】
さまざまな図に示されているように、前方バンパー220の底は、ギザギザがあり、この場合、薄い縦のタブが前方バンパーの長さにわたって間隔をあけて設定される。これらのタブは、バンパー220の主な衝突または障害物検出を補助する機械式のカーペット検出器で、前方の車輪がカーペットに登る前に、ロボットの下を通過する高さに対して突き出ている部材であり、床から約3mmで、前方バンパーの低い周辺機器の周囲に設定され、前方バンパーの作動ができる。タブは、前方バンパーの前の端の下に伸びる。さらに、ロボットの内側のカバー200aは、タンク組立が取り外されると、ロボットの内部を保護するために必要で、追加の強度を提供し、筐体200(下部分200b)の要件を削減する。
【0267】
(ロボット制御装置(回路)と制御)
少なくとも1つの実施例に従い、ロボットは一般的に円形または丸い筐体200(例えば、
図3を参照)を含むことができ、少なくとも第一と第二の車輪1100を回転できるように接続することができる。駆動輪1100は、駆動輪1100の運転時に清掃面上でロボットを運ぶために、筐体200の底の位置に置くことができる。さらに、駆動輪1100は、例えば、一般的に清掃面の平面に対して平行である縦の直線に沿って横たわる各駆動輪1100のそれぞれ中央などに置くことができる。本発明のロボットとそのコンポーネントのさまざまな制御手順をここに述べる。さらに、ロボットは、2005年12月2日に提出された米国申請Ser番号11/176,048、10/453,202および11/166986、米国仮申請Ser番号60/741,442のCampbellらによる「Robot Networking, Theming, and Communication System」、および、米国特許番号6,594,844など、しかしこれらに限定されない、同業者には知られているさまざまな制御および運転システムを使用して、作業環境を進むことができる。これらの全ての開示は、全体として本明細書において参考として援用される。
【0268】
ある実施例では、仮想線が、ロボットの円形の筐体の中心から伸びることができ、左の駆動輪と右の駆動輪を含む駆動輪1100は、それぞれ、筐体200のお互いに向き合う外端に置くことができる。駆動輪1100は、その後、清掃面上をロボットが推進するように、前向き回転方向に同時に駆動することができる。また、駆動輪1100は、筐体200の振りがその中心周囲で回転するように、駆動輪1100の1つはもう一方よりも早く回転するように駆動させて、差動駆動できる。この結果、差動駆動する駆動輪1100は、清掃面に対してロボットを前後に同時に推進する必要なく、ロボットの筐体200を回転できるため、上部空間がない場合でもロボットは操作できる(これは、それぞれの駆動輪1100を同じ回転速度で駆動することによっても実現できるが、例えば、相互に反対の方向にはできない)。
【0269】
別の実施例に従い、ロボットの筐体200は、スクラブモジュール600(例えば
図12Aを参照)を含むことができるが、スクラブモジュールは、一般的に直線形状であり、円形の筐体200の外円端に沿った第一の点から、中心を通って、円形筐体200の外円端に沿った第二の点まで伸びることができる(従って、一般的に、例えば、円形筐体200の中心を通る中心の二等分線を定義する)。このような実施例では、両方の駆動輪1100は、スクラブモジュール600の前部または後部のいずれかの側の筐体200の底部分に置かれる。また、一定の実施例では、例えば、ロボットの運転の安定性に役立つように、スクラブモジュール600の後部に置かれる。その他の駆動輪位置が可能である。一例として、4つの駆動輪を持つロボットでは、1つが前進し、ロボットの片方の清掃ヘッドの後ろに、3つの駆動輪は、右側で、1つが前進し、1つが清掃ヘッドの後ろで、左側では輪は清掃ヘッドの左に、半径上に置かれる。このような構成は、中心線上で差動駆動を持つロボットに似たロボットの移動を与える可能性があり、中でも、ロボットの移動を制御するためのソフトウェア最適化を促進する。
【0270】
ある実施例に従い、移動ロボット100は、例えば、一般的にらせん軌道を使用して床またはその他の清掃面を清掃できる。液体塗布器700の有効幅に従ってらせん軌道を選択することにより、例えば、ロボットは、清掃面の最大面積に洗浄液を有効に入れることができる。このような場合、優位側(つまり、清掃ヘッドが端に伸びる側であり、ロボットが障害物をたどる側)にらせんの外側を形成させるために、優位側のロボットは優位側から向きを変える。簡単ならせんの場合、これは、清掃ヘッドが右側にオフセットになり、ロボットが左側にらせん回転して、清掃ヘッドがないロボットの底の部分がらせんの中心に、清掃されていない小さい円を作るなど、清掃されていない箇所を残す可能性がある(しかし、清掃サイクルが終了する前に、ロボットはおそらく同じ箇所に無作為に戻るので、この円は一時的なものである)。これは、推測に基づく中心経路でらせんをなぞることにより、あるいは、推測に基づいて1つまたは2つの形の8でらせんをなぞることにより、対応可能である。しかしながら、らせん方法が中心経路を開始する前にロボットが壁または障害に出会う場合では、この妨害が清掃されていない円を残すという可能性がいくらか残される(円の箇所に到達するために、障害物から、または任意にらせんの方向を変えることもできる)。
【0271】
このような箇所を必ずしも作らない代わりの範囲のパターンが
図46に示される。このようなパターンでは、移動ロボット100は、経路内のすべての領域が適切にカバーされたことを確実にするために、スケートリンクで使用される整氷機により使用されるパターンによく似たオーバーラップパターンに従うことができる。
図46は、破線911で一般的な車輪の経路を示し、太線913で一般的な範囲経路を示す。パターンは、ほとんど、範囲の軌道の幅よりも大きい軌跡の半径で、お互いに重なり合う、簡単な一連の円または楕円である。
図46に示される、一連の重なり合う角が丸い四角または長方形として実装できる。
図46に示されるように、例のパターンは、実質的に右の角度を変えて運転された回転を使用する。ロボットは、第一の軌道から間隔を置いて移動して、平行に回転し、平行に移動してから、第一の軌道に戻るように回転し、最終的に、第一の軌跡に重なる前に回転することによって、第一の軌道に平行に運転する。重なりは、オフセットの清掃ヘッドまたはオフセットの差動輪により生じたすべての「ブランクスポット」をカバーするに十分である。そして、ロボットは、第一の回転と実質的に同様な位置で回転して、軌道が第一の軌道として作られたとして処置するこのプロセスを繰り返す。引き続いて、ロボットはカバーされたパターンの最初では、中間にブランクの清掃されていない箇所を残すが、ロボットは、重なり合う楕円、円、正方形、または長方形に移るので、ブランの箇所は最終的にはカバーされる。
図46でわかるように、ロボットは最終的には範囲をオーバーラップするので、パターンの第一のループと次のループの半径または間隔は任意の大きさが可能である。大きめのループは、多数の直線を組み入れると、清掃の能率も高くなる。しかしながら、ループが大きすぎると、横滑りのエラーが集積し、障害物に出会うとこのパターンを邪魔する場合などがある。ループが小さすぎると、差動回転に時間がかかりすぎ、清掃が直線移動ほどできずに、直線運転よりも時間がかかりすぎる。この場合、上記のカバーパターンは、第三から第五の平行経路上ではループの中心を完全にカバーするサイズであり(ループの形状が不規則、円、楕円、正方形または長方形に関わらず並行)、各経路の清掃幅の半分以上は重ならない。ある例では、厳密なカバーパターンは、輪の中心から清掃ヘッドの端までの直線距離の約120%〜200%だけが重なるので(あるいは、代わりの例では、ループはこの間隔の約120〜200%を差し引いた清掃幅だけオフセットしたループ、または、清掃ヘッドの幅の約1/5〜1/3だけ重なるだけ、または、清掃ヘッド幅の約2/3〜4/5をオフセットしたループ)、作業半径の約3または4倍未満のループである。これらのループは、実質的には、円、多角形、正方形のいずれかの対称形である(最後の2つはロボットの回転による丸い角がある)。
【0272】
図48は、筐体200の後ろの底部分に配置された左右の駆動輪1100を持つ移動ロボットを図説する。破線は、両方の駆動輪1100の中心を通って伸びる仮想線を示す。「直径オフセット」ロボットの仮想線は、筐体200の中心を通過しないが(例えば、
図47に示した直径上のロボットは異なる)、左と右の駆動輪1100を差別して駆動することにより影響を受ける差動ヨー制御は、仮想線が筐体200の中心を通過する実施例とは異なる。例えば、中心を切断する例とは反対に、
図49で図説されたロボットは、駆動輪1100を差動駆動することによりロボットのヨーが変わると、清掃面に対して、ロボットによる前後同時の動きを受ける必要性がある。従って、鋭い回転、曲線経路に沿った推進、垂直面をなぞる、突起をなぞる動作などの動作のための直径オフセットロボット(以下、「オフセットロボット」)の制御は、筐体200の直径からの駆動輪1100のオフセットにより生じる差(つまり、中心で分岐する仮想線)を考慮して、非直径オフセットロボットとは変わる。いくつかのオフセットロボット動作の例は、ロボットの制御装置はロボットをこれに応じて制御するために実証できるが、以下に解説される。
【0273】
ロボットは、隆起に従う動作を含むことができる。隆起をなぞる動作は、オフセットロボットが狭いまたは部分的に囲まれたエリアからの脱出を促進する(例えば、壁のくぼみや廊下の狭くなった部分など)。隆起をなぞる動作は、次の少なくとも2つの段階を含むことができる。(1)バンパー(または、リーフばねスイッチ、磁気近接スイッチなどのような、ロボットが障害物に接触したことを検出するためのその他の適切な接触または圧力センサー)が押されると、調整が有効になる(つまり、ロボットのヨーを調整)および(2)バンパーが再び押されるまで、半径を減少することにより、回転の反対方向に、一般的に半円形の経路で移動する。
【0274】
少なくとも1つの実施例に従い、アルゴリズムの段階1は、回転の半径を変更して、回転中バンパーを床に向けたままにする(
図49を参照)。L1は、駆動輪1100の中心を通って伸びる仮想線で、ロボットは、この線のどの点の周囲で回転できる。L2は、壁に対して平行な仮想線で、ロボットの中心を通過する(点C)。点Aは、L1とL2の交差点である。このアルゴリズムに従い、例えば、ロボットは、ロボットと壁の間で一定の距離「d」を維持できる。
【0275】
「d」を一定に保ちながらロボットを回転するために、ロボットは、ロボットが点Aの周囲で回転するように、第一と第二の駆動輪1100のそれぞれの車輪速度を調整する。これは、ロボットが回転するにつれて点Aは清掃面に対して移動するので、連続したプロセスの可能性がある。
【0276】
図50を参照すると、例えば、適切な動作を有効にするために、制御装置は制御サイクルに基づいたアルゴリズムを実装する。ステップS102でロボットがポイントAの概算位置を再計算後、最初のステップS101でロボットは制御サイクルを待機する。次に、ロボットは、Aの再計算位置に従い、ステップS103で各駆動輪1100のそれぞれの回転速度を設定する。そして、第一のステップS101でプロセスを繰り返す。
【0277】
ロボットに対する壁の角度を示すセンサーを持つことができないロボットの実施例に従い、制御アルゴリズムは、どのバンパースイッチが閉じられているか(左、右または両方)に基づいて、点Aの位置を概算でき、バンパースイッチの閉じた状態が変化すると、その概算を更新できる。従って、この概算により、突起をなぞったり避難したりする動作が、ほとんどの場合によく機能することができる。
【0278】
図51と52を参照すると、概算プロセスの例が図説されていて、「隆起四半円」という用語は、どの隆起スイッチが閉じたかを参照する。「左」とは左のスイッチだけが閉じたことを意味し、「右」は右スイッチだけを意味して、「両方」という意味は左右両方を閉じていることを意味する。
図51は、各制御サイクルで壁の角度を更新する連続アルゴリズムの例を図説し、
図52は、壁の四半円が変更すると、推算がどのように更新されるかを図説する。
【0279】
例えば、
図51に図説されたように、最初のステップS201で、ロボットは、隆起の四半円に基づいて壁の角度を最初の概算を作成してから、S202で次の制御サイクルを待機する。制御サイクルが開始すると、ロボットがS203で、現在検出した隆起四半円は以前の隆起四半円から違うかどうかを決定して、そうであれば、S205で以前の隆起四半円に基づいて壁の角度や現在の隆起四半円を再概算して、S202に戻って次の制御サイクルを待機する(そして、プロセスループを形成する)。しかしながら、現在の以前の隆起四半円は同じであれば、ロボットはS204で隆起四半円の差の変わりに、制御サイクル中輪の運動に基づいて壁の角度を計算して、制御サイクルの待機ステップS202で戻る。
【0280】
図52で示されているように、プロセスは、以前の隆起四半円が左、両方、右であるかどうか、現在の四半円が左または右であるかどうか、を決定することを含めて、第一の一連のリンクされたテストステップにそって進む(S301、S307、S312、S317およびS319)。この初期の一連のリンクされたテストステップのどれもが「はい」であれば、ロボットがS321で壁の角度が0度であれば、デフォルトの概算に到達する。しかしながら、一方でロボットが前の隆起四半円が左であったと決定すれば、ロボットは、次にS302で、現在の隆起四半円が両方であると決定して(この場合、ロボットはS305で7.5度として壁の角度を概算する)、S303で現在隆起四半円が右であると決定する(この場合、ロボットはS306で0度として壁の角度を概算する)。そうでなければ、デフォルトで概算はS304で0度になる。一方で、もし、前の隆起四半円がS307で決定されたように代わりに両方であった場合、プロセスは、S308で現在の隆起四半円が左として決定される場合にはS310で壁の角度を7.5度と概算する。または、現在の隆起四半円がS309で決定されたように右の場合にはS311で−7.5度と概算する。これ以外は、S304で壁の角度はデフォルトで0度と概算する。さらに、前の隆起四半円がS312で決定されたように右であった場合、ロボットは、現在の隆起四半円がS313で決定されたように両方であった場合にのみ、S315で壁の角度を−7.5度と概算する。これ以外は、概算はデフォルトで0度である(S314が隆起四半円を左として決定する場合にはS316を経由、これ以外はS304を経由)。
【0281】
一方で、まだこれまでに隆起四半円が検出されていない場合に最初の制御サイクルで発生する可能性があるように、前の隆起四半円が左、右、または両方でなかった場合、ロボットは、S317で、現在の隆起四半円が左であるかどうか(この場合にはS318で30度と概算されるようになる)、またはS319で決定されるように右であるかどうか(この場合にはS320で−30度と概算されるようになる)を決定する。これ以外は、S321で壁の角度はデフォルトで0度と概算される。
【0282】
また、ロボットは、崖回避やパニック回転動作も持つことができる。さらに、ロボットは、隅から脱出して、部屋または清掃面を含むその他の領域をくまなく移動するための、方向ロックアルゴリズムを使用できる。これは、ロボットが検出したばかりの障害物や垂直面に向きを変えることにつながる場合がある。このように、方向ロックアルゴリズムに従って、検出したばかりの障害物または垂直面に向かって、オフセットロボットが回転する状況において、垂直面から落下することを回避するために、オフセットロボットは、もう少し後退できる(例えば約10mm、しかし約5mmからオフセットの直径の約2倍までが代わりに使用できる)。あまり後退しすぎると、一部の実施例ではロボットの背面には崖センサーを持っていない場合があるので、ロボットの後ろにあるかもしれない別の垂直面を落下する可能性がある。さらに、また、検出した垂直面に向かって回転する場合、非オフセットロボットに比較すると、ロボットはもっと大きい角度で回転もできる(これに限定しない例では、20度。または、代わりに、適切な0度から90度までの任意の角度)。
【0283】
図53は、オフセットロボットが採用できる例のアルゴリズムを図説する。最初のステップS401で、ロボットは、少なくとも右の崖センサーと左の崖センサー(これに限定しない例として)の中のどの崖センサーがトリガーされたかに基づいて、検出した垂直面の方向を決定する。右の崖センサーだけがトリガーされた場合は、ロボットは垂直面が右方向にあると決定する。左の崖センサーだけがトリガーされた場合は、ロボットは垂直面が左方向にあると決定する。これ以外では、代わりに、ロボットは、無作為に方向を決定する。次に、S402で、ロボットは方向がロックされているかどうか、および、垂直面の方向と異なるかどうかを決定する。はい、の場合は、S403で、再び前方に進む前に、ロボットは後退して(例えば、10mmなどのように特定の距離だけ、代わりに、この距離は、ロボットにわかっているその他の環境あるいは動作要素に応答して、または、任意の適切な事前に決定された量により動的に設定できる)、方向を変える(例えば、20度のような特定の角度だけ、代わりに、回転角度は動的に設定できる、あるいは、任意の適切な角度にできる)。これ以外は、S404で、ロボットは、通常の崖回避動作に従って進む。
【0284】
パニック回転動作は、ロボットが障害物上で立ち往生しているかもしれないと決定した場合に、脱出するために使用される。ロボットがオフセットロボットであり、前方または後方に同時に動く必要がなくその中心の周囲で回転できないので、オフセットロボットが垂直面を移動する危険な状況になってしまう実施例では、オフセットロボットは、動作中に垂直面に出会うと、パニック回転方向を逆にできる。
【0285】
図54に表示されているように、例えば、オフセットロボットのパニック回転動作の一例に従い、ロボットは、最初のステップS501で、回転方向と、その中心周囲で回転する規模を無作為に選択できる。すると、ロボットは、S502で回転を開始できて、S503で次の制御サイクルを待機する。続けて、ロボットは、S504で選択した回転角度に基づいて、その速度を設定でき、S505で崖が検出されているかどうかをテストできる。検出されている場合は、ロボットは、S506で回転方向を逆にするので、制御プロセスはS503のループに戻って、次の制御サイクルを待機する。これ以外は、制御サイクルはただS503のループに戻って、回転方向を逆にすることなく、次の制御サイクルを待機する。
【0286】
ロボットは、低い静止摩擦を処置するために、跳ね返り動作を持つことができる。ロボットは、床またはその他の清掃面が濡れている環境で操作できるので、床に接触して車輪の接触力を削減できるその他の要素または突起がロボット筐体の底にあるかもしれない。これを処置するために、バンパーがトリガーされると、ロボットの跳ね返り動作は、一般的に、少なくとも約10mm(または任意のその他の適切な距離)後退できるので、さらに20mm(またはその他適切な距離)後退するか、またはバンパーが解放されるどちらかの場合には、後退を停止する。従来のロボットと異なり、この実施例に従うロボットは、バンパーが解放されたかどうかを決定するためにスキャンする前に、最低距離を後退できる。また、合計の距離は、不注意に崖に後退することを回避するけれども、ロボットが回転できるだけには十分な、最低距離に保つこともできる。
【0287】
また、ロボットは、床の変わり目や落下、ならびに、緩やかに傾斜する障害物、または、バンパーまたはその他の障害検出センサーでは検出されないかもしれない物体を検出するための車輪落下動作も含むことができる。例えば、ロボットの前面が床の浅い変わり目を登ると、または、ロボットの前面が、バンパーのトリガーやその他のセンサーにより存在がロボットに警告されない緩やかな坂または清掃面の物体により持ち上げられると、ロボットの前車輪1100が落下できるので、面との接触が緩くなる。従って、ロボットは、ロボットの車輪がその最低位置(または、接触が失われた可能性を示すために適切な、その他任意の通常より低い点)に落下すると、トリガーするセンサーを含むことができる。このように、前車輪が落下すると、ロボットはバンパーヒットに類似した手法で、車輪落下センサーのトリガーに対して反応できる。無制限の例として、僅かな距離を後退後に、もし、車輪が戻らなければ(例えば、車輪の落下センサーがトリガーを中止するのに失敗した場合など)、ロボットは安全のために停止(そして、例えば、ユーザーに車輪落下エラーコード、警告、またはその他の指示で警告)できる。隆起などの車輪落下状況に反応することにより、例えば、ロボットは、カーペットやその他の望ましくない床面または障害物に登ることを回避できる。
【0288】
図55は、最初のステップS601として、車輪落下動作に入ったとき、ロボットが、S603でロボットが特定の距離(例えば、50mm)に到達するまで、または、特定の時間が経過するまで(例えば、1秒、または、その他任意の適切な時間)、および/または車輪落下センサーがトリガーされなくなるまで(例えば、車輪落下センサーがパルスタイプまたは瞬間タイプのセンサーではなく、継続タイプのセンサー)、S602で逆方向に移動していることを示す。次に、ロボットは、S604で、車輪落下センサーがもうトリガーされていないかどうかを決定する。トリガーされていなければ、ロボットは、飛び跳ね動作モードに入ることができ、および/または、S605で清掃面の清掃を継続できる(あるいは、例えば、ロボットは、ただ、通常モードまたはその他任意の適切な動作モードに戻るだけである)。一方で、車輪落下センサーがトリガーを中止しなければ、ロボットは、清掃動作を中止(または、移動動作の場合もある)できるので、ロボットはもう清掃していないこと、および、静止した「フェールセーフ」モードに入ったことをユーザーに警告するために、これに限定しない例としては、S606で、警告、エラーコード、または、その他の「遭難」指示を発行できる。
【0289】
湿式清掃動作の一定の実施例を以下に解説する。ロボットが清掃面の湿式清掃のためのコンポーネントを含む(液体塗布器モジュール700と関連要素を含むことにより)一部の実施例に従い、真空発生器のファンモーターは、ロボットが清掃中ずっと操作中にできる。この結果、例えば、以前の清掃サイクルで残された洗浄液、または、人によって床にこぼされた飲み物の液体、その他任意の液体など、清掃面にこれまでに存在する液体を清掃面から取り除くことができる。さらに、ロボット内またはロボットのコンポーネント上に残る液体または湿気(例えば、ロボットにより実施された湿式清浄操作の結果として)は、残留液体または湿気の上をわたる気流の結果、もっと迅速に乾燥できる。このように、ロボットは、もっと迅速に適切に乾燥できるようになるので、まだ濡れたロボットが永久的にユーザーにより取り扱われるときに発生する可能性があるような、ロボットからの液体の不快な漏れやこぼすことの可能性を削減できる。さらに、ブラシやポンプは、ロボットの清掃および移動特性に応じて制御できる。湿式清掃ロボットに関連する追加のロボット動作を以下に解説する。
【0290】
ロボットの乾燥プロセスは、例えば、1日の特定の時間にロボットに乾燥プロセスを開始させるようなタイマー、または、湿式清掃サイクル中経過時間後、または、代わりとして、電池がもうすぐ十分な電源を供給しなくなることを示す可能性がある、ロボットに供給される電池電圧の急な落下に応答するなど、例えば、1つ以上の状況により、トリガーできる。利点としては、例えば、ロボットは、電池からの電源供給が完全になくなる前に、乾燥していることを確保するように構成できることである。
【0291】
メインブラシ制御の実施例を以下に解説する。ロボットが動作中、メインブラシは、例えば、
図3に図説されているように、ロボットの右手側から見ると時計回りに回転できる。この結果、例えば、時計回りに回転するメインブラシが清掃面または床に接触すると、清掃面に対して、ロボットの前向きの推進力を促進するので、前向きの力がロボットに与えられる。同様に、後退する場合、ロボットは、ブラシをオフにできる。また、ロボットは、例えば、前方の移動再開始後、少なくとも約25mm(例えば、約0〜50mmなど、代わりの適切な距離、または時間を遅らせることができる)前方に移動するまで、ブラシをオフにしたままにもできる。代わりに、ロボットが後退するとき、これに限定しない例として、追加の逆推進力を提供するために、ブラシは、逆方向(例えば、ロボットの右手側から見た場合に時計とは逆方向)に回転するようにできる。
【0292】
図56は、このような実施例に従うブラシの制御プロセスの例を図説する。ロボットは、S701で次の制御サイクルを待機できる(動作制御プロセスは、例えば、任意の適切な点で代わりに開始でき、また、このステップで開始することに限定されないが、以下「第一のステップ」と呼ぶ)ので、S702でロボットが後退しているかどうかを決定する。後退しているのでなければ、S703で、ロボットはブラシをオンにして(またはブラシをオンにしたままにする)から、第一のステップS701に戻る。
【0293】
一方で、ロボットが後退している場合は、S704で、ロボットはブラシをオフにできる。そして、S705で次の制御サイクルを待機する。次の制御サイクルでは、S706で、ロボットは、再び、後退しているかどうかを決定する。そして、後退している場合は、プロセスは、直ぐ前の待機ステップS705に戻ることにより、サブループを通ることができて、再び、次の制御サイクルを待機する。しかしながら、このサブループで、ロボットは後退していないとロボットが決定すれば、サブループの外へ進んで、S707で距離のカウンタを初期状態(電子メモリに保管されている整数値をゼロに設定する、または、カウント登録機能、または、機械式カウンタ、またはその他適切なカウンタなどのように)に設定してから、S708で、再び次の制御サイクルを待機することにより、別のサブループに入る。次の制御サイクルでは、S709で、ロボットは距離カウンタを増やす(または減らす)ことができる。そして、S710で、距離カウンタが閾値(例えば、25mm、または1秒、またはその他任意の適切な閾値)に到達または超えたかどうかを決定する。
【0294】
ロボットが、距離カウンタが閾値に到達していない、または超えていないと判断すれば、ロボットは、例えば、S708ですぐに次の制御サイクル待機ステップにすぐに進むプロセスに戻ることにより、このサブループを繰り返すことができる。そうでなければ、ロボットは、代わりに、S703でブラシをオンにして(またはオンのままにして)、ブラシ制御プロセスの第一のステップS701に戻ることができる。
【0295】
湿式清浄性能を含むロボットの実施例では、たとえば、清浄液を清掃面に排出するために制御可能なポンプが含まれる場合がある。清浄液を床に効果的に塗布するためには、ロボットは、機械的速度センサーが含まれていない実施例を含めて、ポンプの出力シャフトを特定の回転速度に制御できる。また、ロボットは、例えば、ロボットが洗浄液を適切に塗布する適切な速度で清掃面を通過していない場合など、1箇所に液体をあまり多く塗布しないように、清掃中、さまざまな環境でポンプをオフにできる。さらに、ロボットは、ポンプを迅速に準備するため、スタートアップ時に特定の手順を実施できる。さらには、気流や液体の特性に応じて、約15秒から15分間かかる場合があるが、ロボットの内側を適切に乾燥するために、清掃が終了後ポンプを5分間オフにすることができる。ポンプの制御やポンプに関連した動作のその他の例は、以下に解説する。
【0296】
ある実施例では、ロボットは、部屋の境界をまず移動して記録することにより、または、ユーザーまたはコンピュータから情報を受け取ることにより、清掃される部屋の床面積を確定できる。その後、ロボットは、例えば、床全体(または、少なくともその最大または最適の領域)が確実に有効な量の洗浄液を受け取れるように、確定した部屋のサイズに応じてポンプを制御できる。利点として、洗浄液を節約する可能性があり、床を部分的にだけ清掃したままになる危険性が削減できる場合がある。
【0297】
少なくとも1つの実施例では、ロボットは、2つの区画を持つ往復動ダイヤフラムポンプであるポンプを含むことができる。このポンプは、小型のDCモーターによって駆動され、出力シャフトは、ポンプのメカニズムを駆動する偏心器カムを持つ。ポンプの出力速度は、正しい量の洗浄液を塗布する特別な回転速度に制御できる。機械式センサーのコストと潜在的に信頼性が低いことを避けるために、電子式のセンサーも含むことができる。実質的に一定の電圧で駆動されると、例えば、ポンプにより引き出される電流は、
図57のこれに限定しない例に図説されているように、ポンプの出力速度によって変化する周期を持つ信号により表現できる。時間の経過とともにポンプの電流を測定して結果データを分析することにより、ポンプを回転する速度を決定できる。
【0298】
解説するように、ダイヤフラムポンプは、清掃ヘッドの前面に水を分配する。2つの枠部品にはさまれた単独膜は、注入口と排出口のチェック弁とポンプ槽の両方として機能する。ポンプには、2つの排出ノズルを供給する、2つの独立回路がある。ポンプは、ノズルの出力が注ぎ込まれたユニットの距離あたりで一定であるように、カムにより作動する。つまり、カムは、各ノズルが清掃ブラシの幅いっぱいに均一の液体を残すように、ポンプを駆動させる。各ポンプチャネルの出力は、清掃ブラシのそれぞれの端とお互いに反対向きで一直線であり、清掃ヘッドの前に配置されたノズルに向けられる。ノズルは、清掃ヘッドに平行に、前方に水を注ぐ。ノズルは、出力パドルの間の直線移動距離が最小になるように、同じ頻度で異なる位相で直接注ぐ。2つのノズルにする理由は、単独ノズルでは明らかな不均一性または非正確性を削減または排除することである。2つの向き合うノズルを持つことにより、出力が平均化されて、洗浄液が均一に適用される。
【0299】
少なくとも1つの実施例に従い、ロボットは、擬似自動修正アルゴリズムまたはその他の適切なアルゴリズムを使用して、ポンプの速度に関係するデータを分析できる。ポンプが取り出している電流は、各制御サイクルをサンプルして(一般的に、毎秒約67回またはその他の適切な速度で秒あたり10〜200回)、バッファに入れることができる。バッファは、各制御サイクル(またはそのほかの適切な周期速度)を分析して、信号の周期を概算する。擬似自動修正アルゴリズムは、例に応じて(時間、間隔、速度の特定の値はこれに限定しない例にすぎず、その他の任意の適切な値で置換できることに注意)、例えば、15ms間隔で約194ms(79RPMに対応)から約761ms(309RPM)までのサンプル周期の相関値を出力する。相関値は、サンプル周期によって分離されたバッファのいくつかの例の差の絶対値を合計することにより計算される。一般的に、相関値が低くなると、一致が優れていることを示す。
【0300】
擬似自動修正アルゴリズムは、周期が正しい周期の倍数である周波数に一致する可能性があるので、誤って、不正な周波数でも一致を示すことがある。さらに、信号の2つの極大部分の大きさが似ていれば、周期の半分が一致すると誤って示す場合もある。この問題を避けるように、ポンプ速度の概算は、ポンプに供給されている電圧および引き出されている電流から計算することができる。実施例に従い、これは、適切な定数を測定するためにいくつかのセンサーから測定されたデータに基づくことができる。このプロセスに従い、電圧と電流の読み取りに基づいて、概算されたポンプのRPMを決定するための数式の例は、中でも、以下を含むことができる。
Period_from_voltage(電圧からの周期)=61−2.5*V、
Nominal_current(公称電流)=8.4+3.95*V、
Slope(傾き)=1.3302−0.07502*V、
Period=Period_from_voltage+(I−Nominal_current)*Slope、であるので、
RPM=4020/Periodとなる。
【0301】
すべては代わりに+/−5パーセント、または最高+/−20パーセントになることが考慮されなければならないが、値は、ポンプとモーターの公差のばらつきを考慮して、経験的に決定されている。
【0302】
図58は、ポンプ速度を決定するために使用されるアルゴリズムの一例を図説する。最初のステップS801で、ロボットは、各周期の相関値を計算して、S802で、平均値を下回る50よりも大きい最小相関値を2つ見つける。これは、経験的に決定された定数で、これに限定しない例である。妥当な値は、実際のポンプの電流値、ポンプの電流値がデジタル値にどのように変換されるか、また、サンプリングレートに応じて、大きく変化する。そして、ロボットは、S803で有効な相関があるかどうかを決定する。相関がなければ、S804で、プロセスは周期が未知であると決定する。一方で、有効な相関がないという決定でなければ、S805で、プロセスは1つの相関だけがあるかどうかを決定する。すると、プロセスは、S806で1つの有効な相関の周期に戻る。そうでなければ、プロセスはS807で、2つの相関は3つ以下のピークの周期を持つかどうかを決定し、持つ場合は、プロセスは、S808で小さい方の相関周期に戻る。
【0303】
そうでなければ、プロセスは、S809で、最小の相関は25を超える数字だけ小さい値を持つかどうかを決定し、この場合、プロセスは、S810で、小さいほうの相関の周期に戻る。上記のように、これは、経験的に決定された定数であり、単なる例であることを意図する。そうでなければ、その後、プロセスは、S811で周期が1.5x、2x、または3xの倍数であるかどうかを決定する。そうでなければ、プロセスは、S812で周期を未知と決定する。これ以外では、プロセスは、進んで、S813で周期の概算を計算する(概算は上記のように計算される)。それから、S814で、概算はこのように、実質的に周期の1つにもっと近いかどうかを決定する。そうであれば、プロセスは、S815で概算に近いほうの周期に戻る。そうでなければ、プロセスは、S816で小さいほうの周期に戻る。
【0304】
ロボットは、ポンプの無効制御も含むことができる。一部の実施例では、ロボットが吸引しない(またはできない)床に水を塗布することを回避するために、ポンプはさまざまな環境で停止できる。例えば、ロボットが後ろに進んでいる間にポンプを実行すると、液体を吸引するロボットの部分は液体出力の後ろ側にあるため(ロボットが後ろ向きに進んだ領域をもう一度移動しない限り)、塗布された水は吸引され得ない。
【0305】
ポンプが停止できる条件は、とりわけ、以下を含むことができる。(1)ロボットが後ろ向きに移動している場合、(2)ロボットが回転している場合(非オフセットロボットの実施例の場合、または、代わりに、オフセットまたは非オフセットロボットの実施例などではロボットが非常に小さい領域で回転している場合)、(3)ロボットが、車輪間隔の半分よりも、回転の中心に近い点の周囲で回転している場合、および/または(4)ロボットが、立ち往生した状況として解釈する条件を検出する場合。
【0306】
図59は、湿式清掃ロボットの場合に立ち往生の動作を実装するための手順例を示す。最初のステップS901で(これは、例では「第一のステップ」としては参照されないが、プロセスは、代わりにプロセスのその他任意の適切なステップで開始できることに注意する)、プロセスは、「立ち往生かもしれない」変数またはフラッグ(電子メモリの場所、フリップフロップ、または機械式スイッチ、あるいはその他任意の適切な構造にできる。以下「立ち往生かもしれない」と参照する)を「立ち往生していない」(以下「誤」と表す。反対の状態は「真」と参照する)を表す状態に設定する。その後、プロセスは、S902で次の制御サイクルを待機してから、S903でロボットが一定のバンパーパニック状態(例えば、バンパーが連続してトリガーする状態)にいるかどうかを決定する。もしそうなら、プロセスはS904で立ち往生かもしれないを真に設定し、S905でバンパーがクリアされるのを2秒間(例えば、0.2から10秒)待機してから、最初のステップS901に戻ることにより、立ち往生動作のプロセスを繰り返す。そうでなければ、プロセスは、S906で、その他任意のパニック状態が存在するかどうかを決定する。そうであれば、プロセスは、S907で立ち往生かもしれないを真に設定して、S908でバンパー、崖センサー、および/または仮想壁センサーが有効になるのを待機してから、最初のステップS901に戻る。そうでなければ、プロセスはS909で、輪の落下センサーがトリガーされるかどうかを決定する。トリガーされれば、プロセスはS910で、立ち往生かもしれないを真に設定して、S911で輪落下センサーがクリアされるのを2秒間(例えば、0.2から10秒間)待機してから、最初のステップに戻る。そうでなければ、プロセスは、次の制御サイクルを待機するために、S902に戻ることによりサブループする。
【0307】
ロボットのポンプも準備手順を必要とする場合がある。ポンプを含むロボットの実施例では、ポンプは、スタートアップで(これに限定しない例として)2秒間(またはその他任意の適切な時間)、ポンプの準備を促進するために、フル電圧で実行できる。
【0308】
清掃ロボットの一定の実施例では、乾燥サイクルも含むことができる。例えば、湿式清掃ロボットは、一般的に、床または清掃面から汚い洗浄液(および/またはそのほかの液体)を連続して吸引できる。液体は、ロボット内側の真空チャネルに沿って残留を形成できる。清掃サイクルの後、ロボットから液体または残留が漏れることを防ぐために(漏れは清掃面に液体だまりまたは跡を形成する場合がある)、ロボットは、清掃が停止後、ポンプをオフにして、掃除機を実行しながら、ある時間(以下、「乾燥期間」と呼ぶ)実行できる。乾燥期間中、ブラシとその囲いを乾燥するために、掃除機をオンに維持でき、および/またはブラシは回転したままにできる。また、ロボットはその環境内を移動できるので(例えば、通常の清掃パターン内)、ロボットはロボットの下に残っている液体をすべて吸引でき、ロボットのスキージで周囲を押し続けることができるとともに、一箇所でブラシを回転することにより生じ得る、床または清掃面の潜在的な損傷を避けることができる。
【0309】
ロボットは追加のセンサーを持つ。少なくとも1つの実施例に従い、湿式清掃ロボットは、例えば、液体レベルセンサー、フィルタ、清掃ヘッドおよび/またはタンク存在センサーなどの1つ以上のセンサーを含むことができる。ロボットは、これに限定しない例としては、2つの液体レベルセンサーを含むことができる。1つは、洗浄液が残っているかを感知して、もう1つは、廃液タンクがいっぱいかどうかを感知する。各センサーは、同じ電極と駆動プロセスを使用できる。
図60は、例の電気回路を図説するが、R1とR2は電流制限抵抗である(同じ値を持つことができるが、あるいは、別の値を持つこともできる)。
【0310】
センサーからの読み取りを取得するには、制御プロセスは、出力1を5Vに、出力2を0Vに設定して、アナログ入力を読取る(読み取り1)。すると、出力をリバースできるので、出力1を0Vに、出力2を5Vに設定する(その他の電圧値+3.3、12、24はその他のシステムの電圧に対して適切である)。すると、プロセスは再びアナログ入力を読取ることができるので(読み取り2)、2つの読み取りを差し引くと(つまり、読み取り1から読み取り2を差し引く)、結果として、感知電極の間の電圧が取得できるが、ここでは「感知電圧」と呼ぶ。従って、次の例のような数式を、感知電極全体の抵抗を計算するために使用できる。
R1(またはR2)全体の電圧=(5V[上記のピンに加えられた電圧]−感知
電圧)/2
R1(またはR2)全体の電流=(R1全体の電圧)/R1、および/または
感知抵抗=(感知電圧)/(R1全体の電流)。
【0311】
一般的に、R1とR2が同じ場合は、これらの数式が有効であり、R1とR2が異なる場合は、別の数式が必要になる。感知抵抗が閾値未満の場合、センサーは液体が電極をつないでいることを示す。例としては、R1とR2は、2Kオーム(オプションで300から5000オーム)であり得、閾値は30Kオームであり得る(または、代わりに、5Kから80Kオームなど、その他任意の適切な値にできる)。
【0312】
また、ロボットは、フィルタ、清掃ヘッド、およびタンクセンサーも含むことができる。これらのコンポーネント(フィルタ、清掃ヘッド、アセンブリおよびタンクアセンブリ)のそれぞれは、磁石を含むことができる。ロボットの対応する位置には、十分に強力な磁場があると、閉じるリードスイッチを置くことができる(代わりに、中継タイプのスイッチ、圧力センサー、光学センサー、または、上記のコンポーネントの存在を検出するためのその他任意の適切なシステムを使用できる)。これにより、制御装置は、これらのコンポーネントが正しくインストールされているかどうかを確認できる。少なくとも1つの実施例では、掃除機のファンは外部の物質により非常に容易に損傷するため、フィルタは非常に重要となる場合があるので、また、ヘッドアセンブリまたはタンクがないために、ロボットは床を清掃しなくなり、これらのコンポーネントのいずれかが失われていると、または、実行中に失われると、制御システムは、ロボットに実行を許可し得ない。
【0313】
タンクは実際には存在するのに、センサーが故障した場合に、ロボットの実行を誤って防止するのを避けるために、タンクの存在センサーが機能していなければ、制御システムはロボットが清掃することを許可できる。ある例に従い、タンク存在センサーが実行の開始時点で機能していて、実行中にタンク存在センサーがタンクが取り外されたことを示す場合は、ロボットは停止できる。
【0314】
ロボットのユーザーインターフェースは、簡単な電源ボタンを備えることができる。しかしながら、追加で、清掃ボタンを提供することもできる。ある例では、それぞれの電源ボタンにはライトが提供される。
【0315】
図62に示されるように、ロボットの操作に関する情報をユーザーに提供するために、電源ボタンは、例えば、空の場合は赤、充電している場合は緑のパルス(別の充電サイクルまたは電池の更新サイクルの場合には、速くまたは遅くなる)、充電が完了したら緑、インストールされていない場合は赤のブリンク、など、電池の充電ステータスを示すために使用できる。清掃ボタンは、例えば、清掃中には緑、乾燥中には青のパルス(清掃がほとんど終了)、タンクが空で、清掃が終わった場合には青など、清掃タンクのステータスまたは清掃操作のステータスを示すために使用できる。
【0316】
従って、このユーザーインターフェースの例では、ロボットには、電池と補充可能な物質のタンクがあり、パネルは2つの点灯可能なボタンで提供され、ボタンの1つはロボットの電源操作のオン/オフを制御して、オプションで、オン/オフまたは電源のステータスに応じて、パターンおよび/または色で点灯する。さらに、ロボットによる清掃操作を開始するその他のボタンは、補充可能な物質のタンクを使用して、タンクおよび/または清掃サイクルおよび/またはタンクの補充可能な物質を使用する乾燥サイクルのステータスに従い、オプションでパターンおよび/またはカラーで点灯する。「点灯」とは、実質的には、有効にすることを意味し、実際には点灯が含まれなくても警告をもっと見やすくする表示の形を意味する(色の変化、明から暗への変化、ポップアップなど)。代わりには、1つのボタンおよびパターン、および/または色を使用して、上記で説明したように、電源および/または補充可能な物質のステータスを示す。1つまたは2つのボタンを組み合わせて押すことは(タップ、押し続けること、ダブルタップ、両方を押す、1つを押してもう一方をタップ)、乾燥を直ぐに開始、センサーの故障をオーバーライドする、または、テストまたは診断モードへのアクセスを提供するなど、操作を直接開始するために使用できる。
【0317】
図63に示されるように、自律的操作を監視するために重要なステータスライトにより、追加情報を提供できる。このような場合、ステータスライトは、ほとんどの人により警告として認識される色に加えて、問題を直接的に示す点灯可能なテキストにできる。ライトが点灯可能なテキストメッセージであれば、ロボットは不必要な複雑性を含まないが、表示パネルや関連の制御要素を含むことにより、ユーザーはロボットの問題を解釈するためにマニュアルを参照する必要がない。この場合、ユーザーが「タンクを確認」する必要があることを示す警告ライトは実際には「タンクを確認」の言葉を使用すべきであり、「警告」の色(例えば、黄、赤、オレンジ)、サービス警告の色(例えば、タンクがない)、または、簡単なステータスメッセージ(例えば、清掃サイクルが終了)のためには「非警告」の色(例えば、緑、青、紫、白)で点灯できる。さらに、または、代わりに、「ブラシを確認」や「立ち往生」ライトはこの意味で有用である。ブラシ確認のメッセージは、モーターの負荷を検知することなどにより、ブラシが詰まった場合やインストールが正しくない場合に表示できる。「立ち往生」メッセージは、ロボットが立ち往生または静止状況を認識し、その後、適切なパニック、狭い場所からの脱出やその他の非静止(「弾道」動作の場合もある)がサイクルまたは終了した結果、表示すべきである。ある検出では、どちらかの駆動輪は回転するが前輪の静止に依存する。サービスコード7セグメント表示要素は、ユーザーによりまたは技術者により問題が診断されることを有効にする情報を提供できる。
【0318】
従って、このユーザーインターフェースの例では、ロボットには、電動の駆動部および/または電動ブラシおよび/または補充可能物質タンクがあり、ロボットの駆動部および/またはブラシおよび/または補充可能物質タンクのステータスに応じて、オプションでパターンおよび/色があり、点灯する機能のある警告の兆候を示すパネルが提供される。一定の実施例では、この兆候は実際のテキストメッセージである。点灯は、環境に応じて、警告および非警告の色であることがさらに好ましい。補充可能物質のタンクは、タンクの誤動作と空のタンク両方のメッセージを伝達できるべきである。ここでも、これらのライトはオプションでパターンで点灯する。
【0319】
(操作と保守)
図36〜41は、このような操作や保守のために物理的に構成された清掃ロボットの操作や保守の方法を表す。また、ロボットの部品の重なり/組立順序および/またはロボットの物理的構成の依存性に関する情報も含む。
図37〜41は、清掃ロボットの容易に認識される手の位置、運動、その他の物理的動作、および、容易に認識される方向、位置、および構成を示し、本開示は、これらの図面から容易に認識されるすべてを含む。
【0320】
図36〜41に従い、ロボットの実施例は、内部エリア(S2)へのアクセスを提供できるようにタンクを物理的に位置できるように、あるいは、ロボットの本体(S3)から清掃ヘッドが物理的に取り外しできるように、組織的に構成される。
図36〜41に示されるように、どちらにも依存せずに、清掃ヘッドとタンクの解放は独立的に処置できる。タンクが解放位置(S2)に入ると、タンクは取り外しできる(S4)。しかしながら、タンク(S4)を取り外さなくても、内部のエリアはアクセス可能になり、ユーザーは、見えてアクセス可能になったフィルタ(S12)、見えてアクセス可能になった掃除機口(グロメット)(S14)、見えてアクセス可能になった電池(S16)にアクセスできる。これらそれぞれは、タンクを取り外した場合(S4)にもっと便利であるが、タンクは解放位置の内部エリアへの一般的なアクセスを妨げないので、それぞれS12、S14、およびS16はタンクを取り外さなくても実行できる。フィルタは、取り外し後、洗い流して、復元(S20)できる。電池は、さまざまに置かれ、かつ取り扱い可能である。例えば、タンクを解放せずにロボット本体またはタンクに挿入され、電池が収まると、電池の外面は実質的にロボットの外側と合致する。
【0321】
タンクを取り外すと(S4)、汚水タンクは満タンであれば空にして(S6)、水で洗い流す(S18)ことができる。しかしながら、汚水タンクが満タンか空であるかどうか、それにもかかわらず、清浄タンクが清浄液(S8)または水(S10)で満たされている場合があり、これらはお互いに依存しない。洗浄液と水(または、注記のように、混合済みおよび/またはカートリッジの洗浄液および/または水だけ)の混合物が入れられたタンクは、取り付けられて(S22)から、タンクの所定の位置(S24)にロックするために「クリック」される。その後、ロボットは自律的に操作できる。これらの操作は、ロボットのドックまたは清掃ステーションによって全体的または部分的に実行できる。このような場合、タンクを解放またはタンクを取り外さないことが有利となり得る。それよりも、ロボットの液体部分と、フィルタや掃除機入り口など洗浄可能な部分を含む領域は、タンクの自動排出の目的で提供されているタンクの区画にある代わりの入り口からアクセスできる。本発明は、タンクおよび/またはロボットの自動ドッキングおよび/または排出を予想して、本明細書において参考として援用された文書文書からのそれらに関する特定の説明を、参考として援用する。このような場合、
図36のステップの一部またはすべては、プロセッサ、マニピュレータ、およびロボットのプロセッサと通信状態にあるドックまたは避難ステーションのメカニズムにより実行されるプロセスのステップとなる。
【0322】
一定の実施例では、清掃ヘッドの解放とタンクの解放は依存する。このような場合、清掃ヘッドの解放は、ロボット本体の内側であるので、図に表されているように、タンクは、清掃ヘッドにアクセスするには解放位置にあることが必要である。下向きまたはラッチした位置にある場合、タンクは、清掃ヘッドを所定の場所にロックして、清掃ヘッドの解放ボタンへのアクセスを防止する。この構成では、清掃ヘッドは、タンクからロボット本体を通り清掃ヘッドに伸びる真空チャネルを経由してタンクに取り付けられる(図に表されているように)。このような場合、縦の重なりは、接触を密封するために有利であり、清掃ヘッドをチャネルに対して横に引っ張ると、磨耗を生じるので、タンクがこの磨耗を避けるために解放されるときだけ、清掃ヘッドを解放するように設計できる。
【0323】
また、本発明は好ましい実施例において上記で解説されたが、本発明がこれらに限定されないことは、同業者により認識される。上記に解説した発明のさまざまな特徴や側面は、個別にまたは組み合わせて使用され得る。さらに、本発明は、特定の環境における実装の意味において、例えば、住居の床清掃など、さらに特定の用途のために解説されてきたが、同業者は、その有用性はこれらに限定されないこと、および、本発明は、任意の実質的に水平な面など、しかしこれに限定されない、任意の多数の環境および実装において有利に利用できることを認識する。従って、特許請求の範囲は、本明細書において開示された本発明の全ての範囲と精神の観点から解釈されるべきである。