(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5904992
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】光リング型ネットワークにおけるランダムギャップ挿入
(51)【国際特許分類】
H04L 12/42 20060101AFI20160407BHJP
H04L 12/433 20060101ALI20160407BHJP
H04J 14/00 20060101ALI20160407BHJP
H04J 14/02 20060101ALI20160407BHJP
H04B 10/275 20130101ALI20160407BHJP
【FI】
H04L12/42 B
H04L12/433
H04B9/00 E
H04B9/00 275
【請求項の数】27
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-501810(P2013-501810)
(86)(22)【出願日】2011年3月29日
(65)【公表番号】特表2013-524599(P2013-524599A)
(43)【公表日】2013年6月17日
(86)【国際出願番号】EP2011054846
(87)【国際公開番号】WO2011120978
(87)【国際公開日】20111006
【審査請求日】2014年3月11日
(31)【優先権主張番号】61/318,643
(32)【優先日】2010年3月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】10158220.3
(32)【優先日】2010年3月29日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】510063122
【氏名又は名称】インチューン ネットワークス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Intune Networks Limited
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ファレル, トム
(72)【発明者】
【氏名】オニール, シェーン
【審査官】
大石 博見
(56)【参考文献】
【文献】
特開平06−164610(JP,A)
【文献】
特表2007−524318(JP,A)
【文献】
特開2005−252980(JP,A)
【文献】
特表2005−513958(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/42
H04B 10/275
H04J 14/00
H04J 14/02
H04L 12/433
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バースト送信光ファイバ波長ルーティングリング型ネットワークであって、
各ノードが波長をドロップ及び追加できる、ネットワークリング上の複数のノードと、
スケジューリング間隔中に前記ネットワークリング上において各ノードからバースト送信モードで送信される前記波長を制御するための制御手段と、
を備え、
前記制御手段が、前記スケジューリング間隔にわたって拡散する複数のギャップ間隔を生成するための乱数発生器、を備え、
前記ギャップ間隔は、前記リング型ネットワークにおいて帯域幅への公平なアクセス及び/又は公平な待ち時間を達成するために、異なるノードからの信号の波長については、前記ギャップ内でその波長での信号を送信することを可能にする、
バースト送信光ファイバ波長ルーティングリング型ネットワーク。
【請求項2】
前記乱数発生器が、バーストを終了させ、決められた時間にわたって同じ波長におけるさらなる送信を阻止することによって、波長での信号のための前記ギャップの挿入及びサイズを制御する、請求項1に記載のネットワーク。
【請求項3】
前記乱数発生器が、前記スケジューリング間隔にわたってギャップをランダムに挿入することによって、どのような割り当てにも適合するように、バーストデータサイズ及びギャップサイズを制御するように構成される、請求項1又は2に記載のネットワーク。
【請求項4】
各ノードが乱数発生器を備え、各乱数発生器は、前記ネットワーク内の2つの異なるノードが、各スケジューリング間隔中、どの波長についても同じランダムデータ/ギャップパターンを決して有さないように、互いに異なる設定がなされる、請求項1〜3のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項5】
前記制御手段が、すべての波長において現在のデータアクティビティを追跡し、同じ波長における上流ノードによる送信を考え合わせて、ギャップ挿入パターンを動的に調整する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項6】
乱数発生器が、前記リング内の各ノードからのバーストの送信に、疑似ランダム的に様々なサイズのギャップを挿入する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項7】
データバーストのサイズが、トラフィックパターンが一様ランダムなパターンで置き換えられることを保証するために、前記乱数発生器によって変調される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項8】
前記リング上の送信元−宛先ノードペア毎に、2つの乱数発生器が設けられ、これらのうち第1の乱数発生器が、データバーストサイズ用であり、第2の乱数発生器が、ギャップサイズ用である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項9】
前記スケジューリング間隔が、疑似ランダムバイナリシーケンスの少なくとも1つのPRBSサイクルを完了するのに要する時間である、請求項8に記載のネットワーク。
【請求項10】
前記第1の乱数発生器が、データ用の第1のPRBSシーケンスを生成し、前記第2の乱数発生器が、ギャップサイズ用の第2のPRBSシーケンスを生成する、請求項8に記載のネットワーク。
【請求項11】
スケジューリング間隔毎にPRBSシーケンスを変化させるための手段を備える、請求項8〜10のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項12】
線形帰還シフトレジスタが、PRBS−8ビットパターンを生成し、それが、各ノードを出発した各バーストストリームのデータ/ギャップサイズを生成するために使用される、請求項1〜11のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項13】
前記PRBS−8ビットパターンが、モジュレータを生成するために、1組の閾値と比較され、その後、前記モジュレータが、必要なデータ/ギャップサイズを生成するために、平均ブロックサイズパラメータに加算される、請求項12に記載のネットワーク。
【請求項14】
当該ノードによってドロップされるのに必要な波長を選択し、その波長においてバーストを送信することによって、任意のノードが任意の他のノードにデータを送信できるように、前記ノードの各々は、任意の波長において光のバーストを追加することができ、ただ1つの特定の波長をドロップする、請求項1〜13のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項15】
前記バーストが、光ファイバリング上に追加され、その波長をドロップするように構成された宛先ノードにおいてドロップされる、請求項14に記載のネットワーク。
【請求項16】
スケジューリング間隔にわたって割り当てを提供するための手段であって、ノードにおいて、上流データによって妨げられるデータについての下流ノードの挙動を、データを送信するのに利用可能な前記スケジューリング間隔内のギャップを使用して補償するように構成される手段を備える、請求項1〜15のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項17】
前記ノードにおいて、データがブロックされた場合、前記手段が、割り当て及びランダムギャップ利用可能性を、次の利用可能なギャップまで持ち越す、請求項16に記載のネットワーク。
【請求項18】
送信元において波長を求める要求が間隔の終了時に依然として存在する場合、前記ネットワークにおける少なくとも1つのノードのその波長でのアクセスを改善するために、1つのスケジューリング間隔から次のスケジューリング間隔に未使用の割り当てを持ち越すことができる、請求項1〜17のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項19】
前記乱数発生器が、スケジューリング間隔全体にわたって挿入されるデータ及びギャップの拡散が疑似ランダムとなるように、前記間隔内に決定論的な量の前記データ及びギャップが生成されることを可能にする、請求項1〜18のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項20】
スケジューリング間隔内では、データの挿入はランダムであり、間隔全体では、ギャップに対するデータの比が常に所望の帯域幅割り当てに等しくなるように、完全に決定論的である、請求項1〜19のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項21】
スケジューリング間隔におけるギャップに対するデータの比が、所望の帯域幅の量となるように、前記間隔におけるデータ量及びギャップ量が、異なるように設定される、請求項1〜19のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項22】
前記リング型ネットワーク内の異なるノードにおける前記スケジューリング間隔が、互いに同期している、請求項1〜21のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項23】
前記リング型ネットワーク内の異なるノードにおける前記スケジューリング間隔が、互いに非同期である、請求項1〜22のいずれか一項に記載のネットワーク。
【請求項24】
光ファイバネットワークに適した制御システムであって、
前記制御システムが、スケジューリング間隔中に前記ネットワーク上において2つ以上のノードの間でバースト送信モードにより送信される波長を制御するための制御手段、を備え、
前記制御手段が、前記スケジューリング間隔にわたって拡散する複数のランダムギャップ間隔を生成するための乱数発生器、を備え、
前記ギャップ間隔は、前記ネットワークにおいて帯域幅への公平なアクセス及び公平な待ち時間を達成するために、異なるノードからの信号の波長については、前記ギャップ内でその波長での信号を送信することを可能にする、
当該制御システム。
【請求項25】
複数のノードがネットワークリング上に存在し、各ノードが波長をドロップ及び追加できるバースト送信光ファイバ波長ルーティングリング型ネットワーク、のための方法であって、
スケジューリング間隔中に前記ネットワークリング上において各ノードからバースト送信モードで送信される前記波長を制御するステップと、
前記スケジューリング間隔にわたって拡散する複数のランダムギャップ間隔を生成するステップであって、前記ギャップ間隔は、前記リング型ネットワークにおいて帯域幅への公平なアクセス及び公平な待ち時間を達成するために、異なるノードからの信号の波長については、前記ギャップ内でその波長での信号を送信することを可能にする、当該ステップと、
を備える、当該方法。
【請求項26】
コンピュータに請求項25に記載の方法を実行させるためのプログラム命令、を含むコンピュータプログラム。
【請求項27】
記録媒体上、キャリア信号上、又は、リードオンリメモリ上に、具現される、請求項26に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気通信ネットワークに関する。一般に、本発明は、非同期的に伝送媒体を共用するノード間において、帯域幅への公平なアクセス及び公平な待ち時間を達成するための、制御システム及び方法に関する。詳細には、本発明は、光ファイババーストモードリング型ネットワーク(fibre optic burst mode ring network)を介するノード間において、帯域幅への公平なアクセス及び公平な待ち時間を達成するための、制御システム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイババーストモードリング型ネットワークの典型的な事例は、進入送信サイドにおいて、波長可変レーザを使用し、このレーザは、リング上の特定のロケーションによって受信される特定の波長に同調される。リング上の異なるロケーションにおいて異なる波長をドロップ(drop)するために、光ファイバが使用される。このタイプのネットワークでは、共通の宛先を有する進入ネットワークトラフィックは、バーストに形成され、バーストは、バースト及びその中に含まれるトラフィックを宛先で取得できるように、正しい波長において送信される。
【0003】
そのようなネットワークでは、宛先から最も遠い上流のロケーションが、その宛先に対する無競合のアクセスを有し、より近くの送信元をブロックし得るので、本質的な不公平が生じる。不公平が生じるのは、2つの送信元が、同じ波長においてバーストを追加(add(「アド」ともいう))して、それらのバーストが、光ファイバリング内の同じ位置に出現するようにはできないからである。これが発生したとすると、両方のバーストが破損され、それらの中に含まれる情報が失われる。これが発生するのを防ぐため、より近くのノードは、上流ノードと同時に送信しないことを保証しなければならない。明確にしておくと、「最も遠い」及び「より近い」という表現は、地理的な距離には関係しない。これらの表現は、一方向リングのトポロジにおけるノード位置について言及している。最も遠いノードは、宛先ノードから最も上流の地点でリングに接続するノードである。最も近いノードは、宛先ノードに隣接するノードである。この問題を日常的な事柄でたとえると、進入路から環状道路に入ろうとする自動車は、すでに環状道路を走っている自動車によって妨害されることがあり得る。
【0004】
リング内のノード間の光ファイバスパンにおいて、各波長は、他の波長に干渉することができないが、2つの送信機が、同時に同じ波長において光ファイバスパン上に光バーストを乗せた場合、それらは、干渉し合い、破損されて、受信機において受信されることができない。これは、「衝突」と呼ばれるが、これらのバーストは、受信されず、失われたデータは、再送しなければならないので、衝突の発生は、回避されなければならない。衝突を回避するため、各ノードは、他のノードからのバーストによって占有されていない波長上にだけバーストを追加しなければならないが、これは、2つのノードが1つの宛先にバーストを送信したい場合に、同時に送信できないといった、競合をもたらす。
【0005】
ネットワークは、データを破損する波長衝突を回避するために、どの時点においても、ネットワーク上のただ1つのノードだけしか同じ波長を追加できないことを要求する。波長衝突回避方式が、Intune Networks Limitedに譲渡された、欧州特許第1759558号において開示されている。この衝突回避方式は、ネットワーク内の各ノードが、ネットワーク内で現在使用されている波長を監視することを可能にする。ノードにおいて、制御ユニットが、ネットワーク内のすべての波長送信データを継続的に監視し、その後、制御ユニットは、ネットワーク上でのアクセスのためにどの波長が利用可能であるかを決定し、ネットワーク上での送信のために追加波長を選択して、アクセスを可能にすることができる。各ノードは、ネットワーク上の他のノードと非同期的に動作するので、この機能は、各ノードが、中央制御を必要とせずに、独立に動作し、独立に利用可能な波長を監視できることを意味する。その後、受信ノードは、受信ノードにデータを送信しようと試みているすべてのノードに、メッセージングチャネル波長を使用して、バックオフ(back−off)又はプッシュバック(push−back)信号を送信する。このバックオフ信号は、データを送信しようと試みているすべてのノードによって受信され、その後、これらのノードの各々は、その受信ノードにデータを送信しようと試みている時間を、公平アルゴリズムを用いて短縮する。例えば、ノードは、50%だけバックオフすることができるが、これは、ノードが、以前にその波長へのアクセスを試みていた時間の50%だけ、同じことを試みるだけであることを意味する。この公平手法が有する問題は、それが、リング型ネットワーク内で帯域幅又は波長を使用するための効率的な方法ではないことである。このメカニズムは、それが調整された制御に依存する点で、すなわち、公平を達成するためには、送信元が受信機からプッシュバックメッセージを受信しなければならない点で、より複雑でもある。
【0006】
バーストモード光リング型ネットワークのための波長アクセス制御の他のメカニズムは、同期光バーストモードリング型ネットワークにおけるタイムスロット化アクセスのスケジューリングを含む。「スロット化リング」の場合、リング上のすべてのノードは、厳しく同期が取れている必要がある。その場合、時間間隔は、各波長のためのスロットに分割され、集中スケジューラが、波長の特定のスロットへのアクセスを各ノードに割り当てる。スケジューリングは、分散型とすることができるが、すべてのノードは、正確に同じ決定を下す必要があり、したがって、スケジューリングは、依然として、グローバル通信と、集中バージョンにおいて行われるのと同じ、各ノードにおけるスケジューリング動作とを必要とする。波長アクセス制御のこの方法は、リング全体における同期を維持することと、アクセスをスケジュールすることの両方において、非常に複雑である。
【0007】
したがって、同期、分散された情報、又は複雑なスケジューリング動作を必要としない、公平方式による、リング全体における波長アクセス制御を提供する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】欧州特許第1759558号
【発明の概要】
【0009】
本発明によれば、添付の特許請求の範囲において提示されるような、各ノードが波長をドロップ及び追加できる複数のノードをネットワークリング上に含む、バースト送信光ファイバ波長ルーティングリング型ネットワーク(burst transmission optical fibre wavelength routed ring network)及び方法が提供される。ネットワークは、スケジューリング間隔として知られる時間間隔中にリング上において各ノードからバースト送信モードでアクセスされる波長を制御又は管理するための制御手段を有する。本発明は、スケジューリング間隔にわたる複数のギャップ間隔を生成するための乱数発生器を提供し、ギャップ間隔は、リング型ネットワークにおいて帯域幅への公平なアクセス及び公平な待ち時間を達成するために、異なるノードからの
信号の波長については、前記ギャップ内
でその波長
での信号を送信することを可能にする。
【0010】
本発明は、バースト光ネットワーク上のトラフィックフローの待ち時間を均一化し、トラフィックフローについてのスループット保証を提供するための手段である。
【0011】
いずれのネットワークも、ネットワークのトポロジに起因する優先権をもつことができる優先的ルートを有する。トポロジは、達成された接続性の配置によって定義される。本発明は、ネットワークを介する異なるルートについての待ち時間の公平性を可能にするための手段を提供し、
乱数発生器の使用によって、スループットの公平性も維持する。本発明は、スケジューリング間隔全体にランダムに拡散するようにランダムギャップを割り当てて、異なる送信元がギャップ内で送信することを可能にすることにより、リングへのバーストアクセスを制御可能な方式でランダムにスケジュールすることによって、光ファイババーストモードリング型ネットワーク全体において、帯域幅への公平なアクセス及び公平な待ち時間を達成する。これは、公平性を保証するばかりでなく、データを動的に送信できるスケジューリング期間全体が利用されるので、遅延変動を低減して、ネットワークの総待ち時間を改善する。本発明の別の利点は、いかなる送信元も、他のいかなる送信元又は受信機と調整を行う必要がないことである。
【0012】
一実施形態では、前記乱数発生器
が、バーストを終了させ、決められた時間にわたって同じ波長におけるさらなる送信を阻止することによって、波長
での信号のための前記ギャップの挿入及びサイズ
を制御する。
【0013】
一実施形態では、乱数発生器は、スケジューリング間隔にわたってギャップをランダムに挿入することによって、どのような割り当てにも適合するように、バーストデータサイズ及びギャップサイズを制御するように構成される。
【0014】
一実施形態では、
乱数発生器が、各ノードにおいて提供され、各生成器は、ネットワーク内の2つの異なるノードが、各スケジューリング間隔中、どの波長についても同じランダムギャップパターンを決して有することがないように、互いに異なる設定がなされる(off−set)。
【0015】
一実施形態では、前記制御手段は、すべての波長において現在のデータアクティビティを追跡し、同じ波長における上流ノードによる送信を考え合わせて、ギャップ挿入パターンを動的に調整する。
【0016】
一実施形態では、
乱数発生器は、リング内の各ノードからのバーストの送信に、疑似ランダム的に様々なサイズのギャップを挿入する。
【0017】
一実施形態では、データバーストのサイズは、トラフィックパターンが一様ランダムなパターンで置き換えられることを保証するために、前記
乱数発生器によって変調される。
【0018】
一実施形態では、リング上の送信元−宛先ノードペア毎に2つの乱数発生器が提供され、第1の乱数発生器は、データバーストサイズ用であり、第2の乱数発生器は、ギャップサイズ用である。
【0019】
一実施形態では、スケジューリング間隔は、疑似ランダムバイナリシーケンス(pseudo−random binary sequence)の少なくとも1つのPRBSサイクルを完了するのに要する時間である。
【0020】
一実施形態では、第1の乱数発生器は、データ用の第1のPRBSシーケンスを生成し、第2の乱数発生器は、ギャップサイズ用の第2のPRBSシーケンスを生成する。
【0021】
一実施形態では、線形帰還シフトレジスタ(Linear Feedback Shift Register)が、PRBS−8ビットパターンを生成し、それが、各ノードを出発する各バーストストリームのデータ/ギャップサイズを生成するために使用される。
【0022】
一実施形態では、PRBS−8ビットパターンは、モジュレータを生成するために、1組の閾値と比較され、その後、モジュレータは、必要なデータ/ギャップサイズを生成するために、平均ブロックサイズパラメータに加算される。
【0023】
一実施形態では、スケジューリング間隔毎にPRBSシーケンスを変化させるための手段が提供される。
【0024】
一実施形態では、各ノードにおける
ランダムギャップインスタンスが異なるデータPRBSシード及びギャップPRBSシードを有することを保証することによって、2つの送信元がデータサイズ及びギャップサイズの同じ組み合わせシーケンスを出力しないことを保証するための手段が提供される。
【0025】
一実施形態では、当該ノードによってドロップされるのに必要な波長を選択し、その波長においてバーストを送信することによって、任意のノードが任意の他のノードにデータを送信できるように、ノードの各々は、任意の波長において光のバーストを追加することができ、ただ1つの特定の波長をドロップする。
【0026】
一実施形態では、前記バーストは、光ファイバリング上に追加され、その波長をドロップするように構成された宛先ノードにおいてドロップされる。
【0027】
一実施形態では、スケジューリング間隔にわたって割り当てを提供するための手段であって、ノードにおいて、上流データによって妨げられるデータについての下流ノードの挙動を、データを送信するのに利用可能なスケジューリング間隔内のギャップを使用して補償するように構成される手段が提供される。ノードにおいて、データがブロックされた場合、前記手段は、割り当て及びランダムギャップ利用可能性を、次の利用可能なギャップまで持ち越すことができる。
【0028】
一実施形態では、割り当ての前記持ち越しは、次のスケジューリング間隔まで割り当てを持ち越すことを含むことができる。
【0029】
一実施形態では、乱数発生器は、スケジューリング間隔全体にわたって挿入されるデータ及びギャップの拡散が疑似ランダムとなるように、間隔内に決定論的な量のデータ及びギャップが生成されることを可能にする。
【0030】
一実施形態では、リング型ネットワーク内の異なるノードにおけるスケジューリング間隔は、互いに同期している。
【0031】
一実施形態では、リング型ネットワーク内の異なるノードにおけるスケジューリング間隔は、互いに非同期である。
【0032】
一実施形態では、
送信元において波長を求める要求が間隔の終了時に依然として存在する場合、前記ネットワークにおける少なくとも1つのノードの
その波長
でのアクセスを改善するために
、1つのスケジューリング間隔から次のスケジューリング間隔に未使用の割り当てを持ち越すことができる。
【0033】
一実施形態では、スケジューリング間隔内では、データの挿入はランダムであり、間隔全体では、ギャップに対するデータの比が常に所望の帯域幅割り当てに等しくなるように、完全に決定論的である。
【0034】
一実施形態では、スケジューリング間隔におけるギャップに対するデータの比が、所望の帯域幅の量となるように、間隔におけるデータ量及びギャップ量が、異なるように設定される。
【0035】
別の実施形態では、ギャップが大量に必要とされ、データは少量しか必要とされない場合、間隔をより小さなセグメントに分割し、各間隔内に少なくとも1つのデータバーストが存在することを保証することによって、ランダム性を変化させて、スケジューリング間隔におけるランダム性をより一様にすることができる。これは、間隔全体の代わりに、間隔の小区画にジッタを縮小する。
【0036】
上で説明した方式など、他の方式は、要求された異なる量の帯域幅に応じて、待ち時間及び経時的なジッタを変化させるように、考案することができ、これは、本質的には、すべてのノードにわたってギャップを非同期に保ちながら、ギャップの生成のランダムプロファイルを調整することである。これは、例えば、相互相関性は低いが、定められた時間間隔にわたって、データを均一又はほぼ均一に分布させる、ランダムなシーケンスを使用することによって行うことができる。
【0037】
本発明の別の実施形態では、光ファイバネットワークに適した制御システムが提供され、前記制御システムは、スケジューリング間隔中にネットワーク上において2つ以上のノードの間でバースト送信モードにより送信される波長を制御するための手段を備え、前記制御手段は、スケジューリング間隔にわたって拡散する複数のランダムギャップ間隔を生成するための乱数発生器を備え、前記ギャップ間隔は、ネットワークにおいて帯域幅への公平なアクセス及び公平な待ち時間を達成するために、異なるノードからの
信号の波長については、前記ギャップ内
でその波長
での信号を送信することを可能にする。
【0038】
公平な待ち時間は、当該波長にアクセスする別の上流ロケーションに待ち時間を注入することによって達成されることが理解されよう。すなわち、波長に無競合でアクセスできる上流ノードは、同じ波長にアクセスしようとして競合する下流ノードの平均待ち時間に等しい、上流ノードの平均待ち時間をもたらすギャップの挿入によって制約される。
【0039】
本発明の原理は、リング上の相対的な位置とは無関係に送信元と宛先の間で帯域幅の異なる比を保証できるように、リング帯域幅への加重公平(weighted fair)なアクセスを提供することにも拡張することができる。
【0040】
本発明のさらなる実施形態では、各ノードが波長をドロップ及び追加できる複数のノードをネットワークリング上に備えるバースト送信光ファイバ波長ルーティングリング型ネットワークのための方法が提供され、前記方法は、スケジューリング間隔中にネットワークリング上において各ノードからバースト送信モードで送信される波長を制御するステップと、スケジューリング間隔にわたって拡散する複数のランダムギャップ間隔を生成するステップであって、前記ギャップ間隔は、リング型ネットワークにおいて帯域幅への公平なアクセス及び公平な待ち時間を達成するために、異なるノードからの
信号の波長については、前記ギャップ内
でその波長
での信号を送信することを可能にする、ステップと、を含む。
【0041】
記録媒体上、キャリア信号上、又はリードオンリメモリ上に具現できるコンピュータプログラムに、上記方法を実施させるためのプログラム命令を含む、コンピュータプログラムも提供される。
【0042】
本発明は、添付の図面を参照しながら、もっぱら例を用いて行われる、本発明の実施形態についての以下の説明からより明瞭に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】典型的な光リング型ネットワークを示す図である。
【
図2】光リング型ネットワーク内のノードの簡略図である。
【
図3】異なるノードに対する光リングにおける帯域幅割り当てのテーブルを示す図である。
【
図4】スケジューリング間隔における光波長上の光バーストを示す図である。
【
図5】ノード4が割り当てテーブルを完全に達成できない場合の、2つの波長上の光バーストを示す図である。
【
図6】ノード4が割り当てテーブルを完全に達成できた場合の、2つの波長上の光バーストを示す図である。
【
図7】送信元バースト発生器において利用される
ランダムギャップインスタンス制御メカニズムのブロック図である。
【
図8】PRBSを使用するスケジューリング間隔についての制御のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0044】
光ファイバリング型ネットワークの一例が、
図1に示されており、[101]は、光ファイバケーブルのスパンによって接続された複数のノード[102]を有する、光ファイバリング型ネットワークを示している。ノードの各々は、[103]として示されるように、任意の波長においてバースト光を追加することができ、[104]として示されるように、ただ1つの特定の波長をドロップする。これは、任意のノードが、他の任意のノードによってドロップされるのに必要な波長を選択し、その波長においてバーストを送信することによって、他の任意のノードにデータを送信できることを意味する。その場合、このバーストは、光ファイバリング上に追加され、その波長をドロップするように構成された宛先ノードにおいてドロップされる。一般に、各ノードは、異なる波長をドロップするので、波長は、ノードアドレスに対応する。
【0045】
この構成では、ノード当たり1つの送信機と1つの受信機しか存在せず、本明細書の以降のセクションでは、最大送信レート及び最大受信レートとして、10Gbit/sのデータレートが使用される。これは、任意の送信機又は受信機の最大容量が、いずれの時間間隔においても、10Gbit/sであることを意味する。
【0046】
図2は、
図1に示されたノード[102]に対応するノード[201]の簡略図を示している。示されるように、光ファイバ[202]が、入力及び出力に接続される。ドロップフィルタ[203]は、特定の波長を受信機[204]にドロップするために使用することができ、他のすべての波長が、ノードを通過して下流ノードに進むことを可能にする。波長可変フィルタ又は波長選択スイッチなど、波長をドロップするための他の構成も可能であることが理解されよう。送信機[205]は、レーザ及び変調器を用いて、バーストを生成し、レーザは、バーストのために必要とされる波長において光学的光を発生させ、変調器は、データパターン(典型的には1及び0)を光波に与える。これは、アドカプラ(add coupler)[206]を用いて、光ファイバスルーパス(fibre optic through path)[202]と合成され、アドカプラ[206]は、ノード[201]からの出力のために、両方の信号をある比率で合成する。ファイバ上で現在どの波長がアクティブであるかを決定するために、キャリアセンスユニット(carrier sense unit)[207]が使用される。これは、以下でより詳細に説明される本発明による衝突回避方式において使用される。
【0047】
図3は、例示的な割り当てテーブルを示しており、リング全体における要求のリストを処理して、リングにおいて許容可能な1組の割り当てを提供することができる。テーブル内に示される値は、送信時間の比率であり、テーブル内のどのエントリも、送信元(列)が宛先(行)に送信できる、間隔内の時間の比率を表している。各送信機及び各受信機の容量は、10Gbit/sに制限されるので、各行及び各列は、合計で10Gbit/sになるか、又は10Gbit/sの100%未満にならなければならない。これは、二重確率行列(doubly stochastic matrix)又は二重サブ確率行列(doubly sub stochastic matrix)として定義され、すなわち、
【数1】
であり、ここで、r
i,jは、送信元ノードiから宛先ノードjに向かう場合の帯域幅割り当て比であり、Nは、リング内の波長(ノード)の数である。
【0048】
1つの波長におけるバーストパターンの一例が、
図4に示されている。波長1[403]が、時間[404]との関係において示されており、ノード1における受信のために、波長1において、2つのノード[401]及び[402]からバーストが挿入されている。このパターンは、ノード3が波長1においてバーストを挿入した後、
図1の観測点1[105]において見ることができる。バーストは、重なり合わず、ノード3は、ノード2のバーストとの衝突が発生しないように、波長1のアイドル期間中に送信する。ここで、衝突回避方式が使用される。
図2に示されるキャリアセンスユニット[207]が使用され、キャリアセンスユニット[207]は、着信信号を各個別波長に分割し、各波長においてバーストが存在するかどうかを判定するために、フォトダイオードを用いて、各波長における光パワーを測定する。ノードは、波長に空きがある場合は、送信することができるが、波長に空きがない場合は、送信することができない。キャリアセンスユニットの出力はバーストを送信すべきかどうかを決定するために、ノードにおいて、各波長に対する要求及び割り当てと比較される。複数のバーストを送信できる場合、システムは、最長待ち行列、待ち行列内にいる最長時間、又は他の方法によって、優先順位を決定する。
【0049】
図5は、
図3に示された割り当てによって起こり得る結果を示しており、1つのノードが、他のノードが残した波長内のギャップを、自らのバーストを用いて満たそうと試みている。この例は、ノード2からのバースト[501]及びノード3からのバースト[503]がすでに存在する場合に、ノード4が波長1[507]及び波長2[508]上にバーストを追加した後の結果を示している。このパターンは、
図1の観測点2[106]において見ることができる。ノード4がバーストを追加する前は、各波長において50%の空き容量が存在する。ノード4は、波長1において50%、波長2において50%を挿入できるべきであるが、ノード3及びノード4からのバースト(及びギャップ)が整列しているので、そうすることができない。すなわち、波長1及び波長2ではスケジューリング間隔の50%が空いているが、それらはともに、同時に発生しており、ノード4は、一度に1つの波長しか送信できないので、ノード4は、波長1において間隔の25%を費やし、波長2において時間の25%を費やす。これは、ノード4には波長1及び波長2の両方に対する50%の割り当てが与えられ、それはどちらの波長の容量も超えていないが、ノード4は、実際には各波長の25%にしかアクセスできないことを意味する。待ち行列が過負荷又は満杯である場合、ノードは、長い期間を満たす長いバーストを送出することができる。これに伴って2つの問題が生じる。第1に、他のノードも、類似のバーストをその長いバーストに整列させることがあるが、
図5に示される場合と同様に、ファイバ上にバーストを乗せようと試みている下流ノードは、割り当てられた容量を達成するためには、同時に2つのバーストをファイバ上に乗せなければならないので、そうすることができない。したがって、システムは、割り当てテーブルは二重確率になっていても、ノードが所望のスループットを達成できないという点で、公平ではない。
【0050】
第2に、異なるノードの待ち時間は、他のノードがリング上に乗せた大きなバーストによって影響されることがあり、異常な不公平な手段では、ローディング及びトラフィック状態によって待ち時間が影響され得るという結果をもたらす。ノード4の例では、ノード4が長い期間にわたって送信できないフェーズと、その後、多くを一緒に送信できるフェーズが存在するが、上流ノードは、トラフィックが待ち行列内に存在し、ノードが割り当てを得ているときはいつでも、送信することができる。
【0051】
本発明の例示的な実施形態
図6は、先の例と同じシナリオにおける本発明の主要な態様を示している。このケースでは、上流ノードが送信すべきトラフィックを有し、割り当てを得ており、波長が空いているとしても、いくつかの期間中は上流ノードが送信を許可されないように、すべてのノードにおける送信の決定はランダム化されている。これは、
図5に示された大きなバーストを複数のより小さなバーストに細分化する効果を有し、ノード3についても同様である。バーストが整列する確率は、より低くなり、ノード4は、今度はギャップを満たすことができ、50%を超えるスループットを達成することができる。
【0052】
本発明は、各送信元において使用され、バーストを終了させ、決められた時間中は同じ波長におけるさらなる送信を阻止することによって、波長におけるギャップの挿入及びギャップのサイズを制御する。したがって、本発明は、各送信元ノードにおいて、すべての波長におけるすべてのバーストのサイズ及びすべてのギャップのサイズを制御する。
図3に示される例示的な割り当ての場合、ノード4が得る最悪ケースのアクセスは、
図5に示されるように、50%である。ノード2及びノード3において本発明を使用することによって、ギャップの一様ランダムな挿入が、ノード4のアクセスを75%に高めることができる。しかし、これは、まだ公平とは見なされず、その理由は、ノード4が75%を波長1と波長2の間で均等に分配した場合、37.5%のアクセスは、ノード2及びノード3が獲得した50%のアクセスよりも依然として低いからである。公平なアクセスを提供するため、ノード2及びノード3におけるアクセスは、3つのノードすべてに等しいアクセスが保証されるポイントまで引き下げられる。本発明を用いない場合、このポイントは67%にあり、すなわち、ノード2及びノード3には、それぞれ、波長1及び波長2に対する33%のアクセスが与えられる。これは、
図5において説明されたシナリオを克服する。本発明が存在する場合、アクセスを83%まで高めることができる。3つ以上の波長が係わる同等のシナリオの場合、本発明によって提供される利益はより大きい。波長の数がより多い場合、最悪ケースのシナリオでは、下流送信元は、50%を超える時間にわたってブロックされることがあり、公平性を保証するアクセスにおいては、さらなる低下がもたらされる。対照的に、波長の数がより多い場合に本発明が使用されると、Nをシナリオにおける波長の数であるとして、下流ノードがブロックされる確率は、1/(2
N)まで低下するので、83%を超えるアクセスを達成することができる。
【0053】
ネットワークにおけるトラフィック要求は、時間とともに変化し得る。これは、
図3に示される割り当ても同様に、時間とともに変化することを意味する。これに対処するため、本発明は、バーストサイズ及びギャップサイズを制御して、いずれの割り当てをも満たすように構成することができる。割り当てがx%になるようにプログラムされる場合、1−x%のギャップが、x%のバーストを分離するように、間隔にわたってランダムに挿入される。これに加えて、本発明は、すべての波長上における現在のアクティビティを追跡し、同じ波長における上流ノードによる送信を考え合わせて、ギャップ挿入パターンを動的に調整する。これは、各ノードが、他のノードが行っていることから独立であることを可能にし、すなわち、ノード2が、波長1において、競合することなく、30%の割り当てを得ている場合、ノード2は、間隔の70%を占めるギャップによってランダムに分離された、間隔の30%を占めるバーストを送信する。ノード1も、波長1において、30%の割り当てを得ている場合、ノード2は、ノード1によってブロックされる30%の時間を監視し、釣り合いを取るために、自動的にギャップ挿入を40%まで引き下げる。
【0054】
ランダムギャップインスタンスを一緒に混合するための代替手法は、波長における各送信元の帯域幅(バースト)割り当てを調整し、上流ギャップ割り当ての合計だけ各ノードのギャップ割り当てを減らすことである。第1の手法がグローバルな知識を必要としないのに対し、この手法は、すべての割り当てをすべてのノードに分配することを必要とするので、より複雑である。
【0055】
ランダムギャップインスタンスは、1つの送信元においてすべての割り当てを合併することができる。単一の送信元における波長当たり1つの
ランダムギャップインスタンスのグループは、すべての
ランダムギャップインスタンスが同じ波長にアクセスする場合に行うのと同じ手法を使用して、出力パターンを合併し、すなわち、1つの
ランダムギャップインスタンスが送信しているとき、同じ送信元における他のすべての
ランダムギャップインスタンスは、ブロックされ、送信中の送信元によって使用される時間だけギャップ挿入比を自動的に低下させる。
【0056】
例示的な
ランダムギャップインスタンスメカニズムは、リング内の各ノードからのバーストの送信に、様々なサイズのギャップを疑似ランダムに挿入することによって、機能することができる。簡潔にするため、この例では、疑似ランダムという語をランダムという語で置き換えるが、2つは交換可能に使用することができる。ランダムギャップを生成するために、PRBS(疑似ランダムバイナリシーケンス)生成器を使用することができる。データバーストのサイズも、
ランダムギャップインスタンスメカニズムによって変調される。これは、トラフィックパターンが、一様ランダムなパターンで置き換えられることを保証する。リング上には送信元−宛先ペア毎に2つの乱数発生器が存在し、1つはデータ(バースト)サイズ用の発生器であり、1つはギャップサイズ用の発生器である。したがって、各送信元には、宛先(波長)当たり1つの
ランダムギャップインスタンスメカニズムが存在し、各
ランダムギャップインスタンスメカニズムは、2つの乱数発生器を有し、1つはギャップサイズ変調用であり、1つはデータサイズ変調用である。
【0057】
システムの疑似ランダム性が原因で、異なるノードにおけるパターンに、何らかのレベルの同期が依然として発生し得る。長期にわたるいかなる同期も回避するために、データ/ギャップ挿入パターンを導き出すために使用されるシードが、各スケジューリング間隔の開始時に一度、ランダム化される。こうすることで、1つの送信元−宛先パターンが別のパターンと継続的に同期することを防止する。
【0058】
間隔又はスケジューリング間隔は、1つのPRBS(疑似ランダムバイナリシーケンス)サイクルが完了するのに要する時間である。例えば、PRBS−8生成器が使用される場合、1つはデータ用、1つはギャップ用の、2つの生成器が存在するならば、間隔は、(2
8−1)×2となる。
【0059】
リング上の単一のフロー(送信元−宛先ペア)の送信を開始及び終了させるために、データ/ギャップメカニズムが使用される。フローは、送信するためには、0よりも大きなデータサイズを有さなければならない。バースト送信のたびに、データカウントが減らされる。送信されていないときは、ギャップカウントが減らされる。データカウントが0になった場合でも、ギャップカウントが0に達するまでは、データカウントが
ランダムギャップインスタンスによって再び増やされることはない。その時点で、ギャップカウントも再び増やされる。これは、
ランダムギャップインスタンスによって決定された新しいデータサイズ毎に、少なくともギャップサイズの間は、フローも同様にオフになることを意味する。
【0060】
図7は、送信元バースト生成器において利用される
ランダムギャップインスタンス制御メカニズムのブロック図を示している。この送信元が送信できる波長(受信機)毎に、波長へのアクセスを制御するための、1つの
ランダムギャップインスタンス[701]が存在する。各スケジューリング間隔の開始時に、データ乱数発生器[702]及びギャップ乱数発生器[703]が各々、データサイズ生成器[704]及びギャップサイズ生成器[705]にそれぞれ渡される乱数を生成する。これらのブロックは、上で説明したデータサイズ及びギャップサイズ変調動作を実施する。バースト生成器[706]は、入力として、波長当たり1組のデータサイズ及びギャップサイズを、各
ランダムギャップインスタンスから取得する。バースト生成器は、
ランダムギャップインスタンスデータサイズ、キャリアセンス[707]、及びデータ待ち行列サイズ[708]を使用して、次にどの波長上で送信すべきかを決定する。バーストが完了したとき、その波長における
ランダムギャップインスタンスデータサイズが、バーストサイズだけ減らされる。このトランザクションは、他のすべての波長をブロックしていたので、他のすべての
ランダムギャップインスタンスのギャップサイズも、バーストサイズだけ減らされる。送信元が完全にブロックされる場合、その上で送信できるすべての波長は、キャリアセンスによって指示されるように、ビジーになるので、すべての
ランダムギャップインスタンスのギャップサイズが減らされる。
ランダムギャップインスタンスのギャップサイズが0に達したとき、データ乱数発生器及びギャップ乱数発生器は、次の乱数を提供するよう要求され、これらは、新しいデータサイズ及びギャップサイズを計算するために使用され、それらは、現在のサイズに加算される。PRBSを使用するスケジューリング間隔に対する、
ランダムギャップインスタンスにおける制御のフローが、
図8に示されている。
【0061】
リング上の送信元を出発する各バーストストリームのデータ/ギャップサイズを生成するために、線形帰還シフトレジスタが生成するPRBSパターンを使用することができる。例えば、PRBS−8シーケンスが使用される場合(タップ8、6、5、4)、モジュレータを生成するために、PRBS−8の8ビット数が1組の閾値と比較される。その後、必要なデータ/ギャップサイズを生成するために、モジュレータが平均ブロックサイズパラメータに加算される。もっぱら例として、以下の設定が選択された。ブロック単位=2μs、平均ブロックサイズ=2×ブロック単位=4μs、モジュレータ={0,1,−1,2,−2}。注釈:−2は、ギャップ/データサイズがスキップされることに相当する。
【0062】
上記の例において閾値及び関連モジュレータを計算するための式は、以下の通りである。
x%<50である場合、
閾値1=x×255、データ/ギャップモジュレータ=0
閾値2=閾値1+(x/2×255)、データモジュレータ=−1、ギャップモジュレータ=1
閾値3=閾値2+(x/2×255)、データモジュレータ=1、ギャップモジュレータ=−1
上記以外は、データモジュレータ=−2、ギャップモジュレータ=+2
x%≧50である場合、
閾値1=((100−x)×255)、データ/ギャップモジュレータ=0
閾値2=閾値1+((100−x)/2×255)、データモジュレータ=1、ギャップモジュレータ=−1
閾値3=閾値2+((100−x)/2×255)、データモジュレータ=−1、ギャップモジュレータ=1
上記以外は、データモジュレータ=2、ギャップモジュレータ=−2
【0063】
以下の例は、帯域幅レベルが40%である(50%より低い)場合に、データ/ギャップ変調がどのように選択されるかを示している。
各ノードは、宛先毎に3つの閾値を有する。
閾値1=40%×255(注釈:255はPRBS8サイクル長に等しい)
閾値2=閾値1+((40%/2)×255)
閾値3=閾値2+((40%/2)×255)
データの場合
閾値1を下回るPRBS8値、モジュレータ=0
閾値2を下回るPRBS8値、モジュレータ=−1
閾値3を下回るPRBS8値、モジュレータ=1
上記以外は、モジュレータ=−2
ギャップの場合
閾値1を下回るPRBS8値、モジュレータ=0
閾値2を下回るPRBS8値、モジュレータ=1
閾値3を下回るPRBS8値、モジュレータ=−1
上記以外は、モジュレータ=+2
【0064】
以下の例は、帯域幅レベルが70%である(50%より高い)場合に、データ/ギャップ変調がどのように選択されるかを示している。
各ノードは、宛先毎に3つの閾値を有する。
閾値1=30%×255
閾値2=閾値1+((30%/2)×255)
閾値3=閾値2+((30%/2)×255)
データの場合
閾値1を下回るPRBS8値、モジュレータ=0
閾値2を下回るPRBS8値、モジュレータ=1
閾値3を下回るPRBS8値、モジュレータ=−1
上記以外は、モジュレータ=+2
ギャップの場合
閾値1を下回るPRBS8値、モジュレータ=0
閾値2を下回るPRBS8値、モジュレータ=−1
閾値3を下回るPRBS8値、モジュレータ=1
上記以外は、モジュレータ=−2
【0065】
ギャップサイズが0である場合、データのための次のPRBS−8値を使用して、閾値と比較し、モジュレータを計算する。このモジュレータは、変調されたブロックサイズを生成するために、平均ブロックサイズ(上記によれば2)に加算される。変調されたブロックサイズは、ブロック単位サイズ(2μs)を乗算される。その結果である新しいデータサイズが、現在のデータカウントに加算される。同じプロセスが、ギャップサイズのPRBS生成器及び閾値パラメータを使用して、ギャップサイズについても同時に実施される。
【0066】
PRBS−8パターンは、最大255の反復しないサイクルのシーケンス(a maximum 255 non−repeating cycle sequence)を生成する。最大サイクルは、すべての要素が一度アクセスされ、各サイクルにおいてただ一度だけ必要なランダム一様なパターンを提供することを保証する。これは、サイクルがどこから開始するかにも無関係である。
【0067】
スケジューリング間隔が完了した場合、リング全体における各
ランダムギャップインスタンスメカニズムが、間隔毎に位置を変化させ続けることを保証するために、PRBS−8シードは、新しい開始値を取るように強制される。スケジューリング間隔は、PRBS−8シードが間隔の開始時における最初のシード値に戻った場合に完了する。
【0068】
本発明の文脈では、「公平」とは、帯域幅へのアクセスを求めるすべての要求に対して、スケジューリング間隔中のアクセスがネットワーク全体で等しく提供されるという点で、ネットワーク内のどのパス又はノードも、別のパス又はノードよりも優先的な扱いを受けないことを意味する。
【0069】
図面を参照して説明された本発明の実施形態は、コンピュータ装置、及び/又はコンピュータ装置内で実行されるプロセスを含む。しかし、本発明はまた、コンピュータプログラムにまで、特に本発明を実施するように構成された、キャリア上又はキャリア内に格納されたコンピュータプログラムにまで拡張される。プログラムは、ソースコード、オブジェクトコード、又は部分的にコンパイルされた形式、若しくは本発明による方法を実施する際に使用するのに適した他の任意の形式など、中間的なソースコード及びオブジェクトコードの形式を取ることができる。一実施形態では、ソースコードは、FPGAデバイスをプログラムするために使用できる、RTLコードである。キャリアは、例えばCD ROMなどのROM、又は例えばフレキシブルディスク若しくはハードディスクなどの磁気記録媒体などの、記憶媒体を含むことができる。キャリアは、電気ケーブル若しくは光ケーブルを介して、又は無線若しくは他の手段によって送信できる、電気信号又は光信号とすることができる。本明細書では、「含む(comprise、comprises、comprising)」及び「含まれる(comprised)」という語、又はその任意の変形と、「含む(include、includes、including)」及び「含まれる(included)」という語又はその任意の変形とは、完全に交換可能であると見なされ、それらにはすべて、可能な限り最も広い解釈が与えられ、その逆も同様である。本発明は、上で説明した実施形態に限定されず、構成及び細部の両面で変化させることができる。