【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、本発明は、流動性の生成物の保管および供給を行うための容器であって、
タンクと、
タンクから生成物を供給するための供給蓋(dispensing closure)であって、少なくとも1つの開口を有し容器の内側に面する回転可能な内側回転円板部材、および少なくとも1つの開口を有し容器の外側に面する外側固定円板部材を備える供給蓋と
を備え、
内側回転円板部材が、回転可能シャフトと協働するように構成された手段を有し、
容器が、マシン内に容器を位置合わせするための手段を有する
容器に関する。
【0007】
本発明の容器は、粉末(自由に流動する粒子)、さらには、ペレット(pellet)、顆粒(granulate)、または穀粒(grain))のような流動性の生成物を保管してもよい。この容器は、この流動性の生成物の保管、輸送、および販売を行うために、閉鎖された状態で保管する。このような流動性の生成物を保管することに加えて、この容器は、流動性の生成物が供給されるように設計されたマシンによる、容器からの流動性の生成物の容易な取出しを可能にする。
【0008】
本発明の容器は、主に、タンクを備える。タンクの機能は、流動性の生成物を受容し、保管することである。任意の形状のタンクが使用されてもよい。タンクの断面は、円形、楕円形、または四角形などであってもよい。この断面の形状およびサイズは、容器のより良好な取扱いを実現するために、または、マーケッティングのアピールのために、タンクの長さに応じて変更されてもよい。本発明の好ましい実施形態では、タンクは、丸い断面(さらに好ましくは、次第に小さくなる丸い断面)、または、楕円形の断面を有する円筒であり、これらの形状によって、容易な製造、容易な保管、および容易な取扱いが可能になる。タンクは、少なくともプラスチック、ボール紙、アルミニウム、またはこれらの材料の組合せおよび/または積層物から選択される材料から作製されてもよい。これらの材料は、良好な湿気遮断性を有すべきであり、随意に、良好な酸素遮断性を有すべきである。内部に保管されることを意図されたバルク材料の性質に応じて、これらの材料はまた、紫外線遮断特性および光遮断特性を有してもよい。特別な実施形態では、タンクの一部は、例えば透明プラスチックを使用することによって、少なくとも部分的に透明であってもよい。このような透明な部分は、この容器が使用されているときに、この容器の内部に残っている流動性の生成物のレベルの制御を可能にする。
【0009】
また、容器は、タンクを閉鎖するか、または、タンクから生成物を供給するためにこれを開放するかのいずれかを行うための供給蓋を備える。供給蓋は、一般に、タンクの端部に取り付けられる。供給蓋は、少なくとも1つの開口を有し容器の外側に面する外側固定円板部材と、少なくとも1つの開口を有し容器の内側に面する回転可能な内側回転円板部材とを備える。2つの円板部材は、粉末がこれらに滑り込めないように、とはいえ、内側円板の回転中に内側円板が外側円板部材に対して摺動することが妨げられないように、互いに十分に近接して配置されることが好ましい。円板部材のそれぞれは、少なくとも1つの開口を有する。これらの円板の開口は、内側円板部材が回転するときに互いに重なり合うことができるように、円板部材に配置されている。これらの開口の形状は、任意であってもよい。これらの開口の形状は、同じであることが好ましい。
【0010】
内側回転円板部材は、もう一方の外側円板部材と対照的に、容器の内側に配置されている。この内側回転円板部材は、回転シャフトと協働するように構成された手段を有する。この手段は、好ましくは、内側円板部材の中心に配置され、その形状が回転シャフトの先端の形状に適合し得るような、円板の穴または隆起部(bump)であってもよい。外側固定円板部材は、もう一方の内側円板部材と対照的に、容器の外側に配置されている。外側固定円板部材は、回転シャフトが、外側固定円板部材に衝突することなく、内側円板部材と協働することができるように、通常、その中心に十分に大きな開口を有する。内側回転円板部材は、回転し、一回転することができる。
【0011】
一般に、本発明の容器が、使用されていないとき、特に、供給のために使用されていないときは、内側回転円板部材の少なくとも1つの開口と外側固定円板部材の少なくとも1つの開口とが互いに重なり合わない。実際、容器は、容器が流動性の生成物を供給するために使用されていないとき、特に、容器がマシンから分離されているときは、円板部材の開口が互いに重なり合わないように、設計されていることが好ましい。この特徴は、外側円板部材に対する内側円板部材の位置を設定することによって得られる。通常、円板部材の相対位置は、容器の製造中に、開口が互いに重なり合わないように固定される。
【0012】
本発明の容器は、流動性の生成物が供給されるマシン内に容器を位置合わせするための少なくとも1つの手段を有する。マシン内に容器を位置合わせするための少なくとも1つの手段は、一般に、内側回転円板部材の少なくとも1つの開口の向きを合わせるように構成される。これにより、この手段は、マシンに対して容器の計量供給蓋を位置合わせし、その結果として、マシンに対して円板部材の開口のすべてを位置合わせするのを特に支援する。好ましい実施形態によれば、マシン内に容器を位置合わせするためのこの少なくとも1つの手段は、さらに、マシンに対して容器を固定するように構成されてもよい。マシン内に容器を位置合わせするための手段のうちの少なくとも1つは、内側回転円板部材の中心にあるソケットを備えてもよく、この場合、ソケットは、マシンの回転可能シャフトと協働するように構成される。ソケットは、非対称な形状を有することが好ましい。この非対称な形状は、使用者が、マシン内に容器を位置合わせするのを支援する。マシンのシャフトの端部は、容器が、マシン内に特定の向きに配置され得るように、上記のソケットに対応する形状を有してもよい。また、マシン内に容器を位置合わせするための手段のうちの少なくとも1つは、タンクまたは供給蓋の外側固定円板部材のような、容器の固定部に、カムまたはカム軌道を備えてもよい。カムまたはカム軌道は、それぞれ、マシンの対応するカム軌道またはカムに取り付けることができる。また、マシン内に容器を位置合わせするためのこの少なくとも1つの手段は、容器の表面に視覚的標識を備えてもよい。視覚的標識(例えば、矢印)は、使用者に、マシン内に容器を位置合わせする方法を示す。
【0013】
容器は、内側回転円板部材の上面を擦過するための手段を備えてもよい。擦過機能は、回転可能な円板部材が回転するときに実行される。擦過手段は、容器の中心から容器の側面まで延在するロッドであってもよい。一般に、擦過手段は固定されている。
【0014】
本発明の容器は、使い捨て可能であることが好ましい。
【0015】
タンクと供給蓋は、容器の一部を壊さなければ、互いに切り離すことができないことが好ましい。この場合、容器は、容器と協働するマシンへの供給に適合しない流動性の生成物によって再充填され得ない。容器は、手動では開くことができない。容器は、手動では再充填することができない。
【0016】
好ましい実施形態によれば、容器は、食品原材料粉末、好ましくは、コーヒー、チョコレート、茶、ミルク、スープ、またはコーヒー混合物のような可溶性の飲料原材料を保管する。
【0017】
第2の態様によれば、本発明は、上述されているような容器を受容するように構成されたマシンであって、該マシンが投与および結合ユニットを備え、該ユニットが、
少なくとも1つの開口を有しマシンの外側に面する外側固定円板部材と、
少なくとも1つの開口を有し外側固定円板部材の下面に取り付けられる回転可能な内側回転円板部材と、
マシンの内側回転円板部材を回転させるための回転シャフトと、
マシンの投与および結合ユニットに対して容器を位置合わせするための少なくとも1つの手段と
を備えるマシンに関する。
【0018】
投与および結合ユニットは、上述されているような容器を結合するための受容領域を備えることが好ましい。
【0019】
投与および結合ユニットの2つの円板部材は、回転中に粉末がこれらに滑り込めないように、とはいえ、内側回転円板部材が外側固定円板部材に対して摺動することが妨げられないように、互いに十分に近接して配置されることが好ましい。円板部材のそれぞれは、少なくとも1つの開口を有する。開口は、内側回転円板部材が回転するときに互いに重なり合うことができるように、円板部材に配置されている。開口の形状は、任意であってもよい。双方の開口の形状は、同じであることが好ましい。外側固定円板部材は、その開口が、投与される流動性の生成物の計量値に対応する容積部として形成されるように、十分に厚いことが好ましい。外側固定円板部材には、マシンのシャフトを受け入れ、これを回転可能に支持するための軸方向の軸受け通路が設けられている。しかしながら、外側固定円板部材は、シャフトと係合され得ない。内側回転円板部材は、外側固定円板部材に対して回転可能なように、回転シャフトと接続されている。内側回転円板部材は、1回分の計量された一定用量を供給する投与動作時に、回転し、一回転することができる。
【0020】
マシンが静止しているとき、すなわち、供給が行われていないときに、外側固定円板部材の少なくとも1つの開口と内側回転円板部材の少なくとも1つの開口とが互いに重なり合わないことが好ましい。
【0021】
投与および結合ユニットは、マシンの投与および結合ユニットに対して容器を位置合わせするための少なくとも1つの手段を備える。この手段は、容器の対応する位置合わせ手段と協働することが好ましい。マシンおよび容器の手段は、容器がマシンに結合されているときに、容器の外側固定円板部材の開口が、投与および結合ユニットの外側固定円板部材の開口に面するように設計されている。容器を位置合わせするための手段のうちの少なくとも1つは、回転シャフトの端部の係合面を備えてもよく、この場合、係合面は、容器の対応する部分と協働するように構成される。係合面は、非対称な形状を有することが好ましい。この非対称な形状は、使用者が、マシン内に容器の向きを合わせることを支援する。また、マシン内に容器を位置合わせするための手段のうちの少なくとも1つは、投与および結合ユニットの外側固定円板部材のような、投与および結合ユニットの固定部に、カムまたはカム軌道を備えてもよい。カムまたはカム軌道は、それぞれ、容器の対応するカム軌道またはカムに取り付けることができる。この少なくとも1つの位置合わせ手段はまた、マシンに容器を取り付けるように構成され得ることが好ましい。マシンの投与および結合ユニットに対して容器を位置合わせするためのこの少なくとも1つの手段はまた、マシンの表面に視覚的標識を備えてもよい。視覚的標識(例えば、矢印)は、使用者に、マシン内に容器を位置合わせする方法を示す。
【0022】
特定の実施形態によれば、投与および結合ユニットの固定円板部材は、円板の縁部を、マシンの待機位置において内側回転円板部材の開口に通じる外側固定円板部材の内部のキャビティにつなぐスリットを有する。このスリットは、特に吸湿性の粉末が供給されるときに、円板部材の開口の内部に空気の流れを供給するために有用である。例えば、マシンが、飲料粉末と流体とを混合する場合に、チャンバまたは容器の飲料粉末を供給するために使用されるとき、湿気が、内側回転円板部材の放出開口内に存在している場合がある。空気の流れを供給することにより、開口が、新たな一定用量の粉末を放出するために再び使用される前に、該開口を乾燥させることが可能になる。
【0023】
好ましい実施形態によれば、マシンは、流動性の飲料濃縮物から飲料を調製するように構成され、また、少なくとも1つの希釈液供給手段と接続された混合チャンバを備え、投与および結合ユニットの下面は、混合チャンバと協働する。投与および結合ユニットの下面は、内側回転円板部材の開口を通じて流れる一定用量の流動性の生成物が混合チャンバ内に流れるように、混合チャンバと協働する。混合チャンバは、開口の下に固定され、恒久的に配置されてもよいし、または、国際公開第2009/153157号パンフレットに記載されているような内側回転円板部材の開口の下に一時的にのみ配置されるように可動であってもよい。
【0024】
第3の態様によれば、本発明は、流動性の飲料濃縮物と希釈液とを混合することによって飲料を調製するためのシステムであって、
流動性の飲料濃縮物を保管するための上述されているような容器と、
上述されているようなマシンと
を備え、
マシンの回転シャフトは、容器がマシンに結合されているときに、容器の内側回転円板部材と係合し、これを回転させることができ、
マシン内に容器を位置合わせするための、容器の少なくとも1つの手段、および、マシンの投与および結合ユニットに対して容器を位置合わせするための、マシンの少なくとも1つの手段が、マシンの投与および結合ユニットに対して容器の計量供給蓋を位置合わせし、これにより、容器の外側固定円板部材の開口が、マシンの外側固定円板部材の開口と重なり合い、
容器がマシンに結合されているときに、待機位置において、容器の内側回転円板部材の開口が、内側回転円板部材の回転方向において、容器の外側固定円板部材の開口およびマシンの外側固定円板部材の開口の前方に配置され、マシンの内側回転円板部材の開口が、内側回転円板部材の回転方向において、容器の外側固定円板部材の開口およびマシンの外側固定円板部材の開口の後方に配置されるように、開口が互いに配置されるシステムに関する。
【0025】
しかしながら、マシンの内側回転円板部材の開口は、回転方向において、容器の内側回転円板部材の開口の前方に配置される。
【0026】
好ましい実施形態によれば、容器がマシンに結合されているときに、待機位置において、容器の内側回転円板部材の開口が、内側回転円板部材の回転方向において、容器の外側固定円板部材の開口およびマシンの外側固定円板部材の開口の90°前方に配置され、マシンの内側回転円板部材の開口が、内側回転円板部材の回転方向において、容器の外側固定円板部材の開口およびマシンの外側固定円板部材の開口の180°後方に配置されるように、開口が互いに配置される。
【0027】
好ましい実施形態によれば、容器は、1つの開口を有する回転可能な内側回転円板部材および1つの開口を有する外側固定円板部材を備える供給蓋を有し、投与および結合ユニットは、1つの開口を有する外側固定円板部材および1つの開口を有する回転可能な内側回転円板部材を有する。
【0028】
一般に、投与動作は、内側回転円板部材の双方の少なくとも1回の完全な回転を必要とする。所望の回数分の一定用量に応じて、複数の完全な回転が実施されてもよい。
【0029】
本明細書では、「前(front)」、「後(back)」、「上(top)」、および「下(bottom)」という用語は、本発明の特徴の相対位置を説明するために使用されている。これらの用語は、マシンに結合されているときの容器の通常の向きを意味していると理解されるべきである。
【0030】
内側および外側の円板部材について言及する際に使用されている場合、内側および外側という用語は、内側円板部材が、長手方向に関して、外側円板部材よりも容器の内部空間に近いことを意味するのに使用されている。
【0031】
本発明の特徴および利点は、以下の図面に関連してより良く理解される。