特許第5905023号(P5905023)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5905023生成物の保管および供給を行うための容器ならびに該生成物を投与するためのマシンから構成されるシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5905023
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】生成物の保管および供給を行うための容器ならびに該生成物を投与するためのマシンから構成されるシステム
(51)【国際特許分類】
   A47J 31/40 20060101AFI20160407BHJP
【FI】
   A47J31/40 104
   A47J31/40 107
【請求項の数】17
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2013-545316(P2013-545316)
(86)(22)【出願日】2011年12月20日
(65)【公表番号】特表2014-500112(P2014-500112A)
(43)【公表日】2014年1月9日
(86)【国際出願番号】EP2011073430
(87)【国際公開番号】WO2012084964
(87)【国際公開日】20120628
【審査請求日】2014年12月18日
(31)【優先権主張番号】10196371.8
(32)【優先日】2010年12月22日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599132904
【氏名又は名称】ネステク ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100114270
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 朋也
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100140453
【弁理士】
【氏名又は名称】戸津 洋介
(72)【発明者】
【氏名】レイシエ, カリネ
(72)【発明者】
【氏名】コンタル, アラン
(72)【発明者】
【氏名】ファボッジ, ティエリー ジャン ロバート
(72)【発明者】
【氏名】マンドラリス, ゼノン イオアニス
(72)【発明者】
【氏名】スコラーノ, ルシオ
【審査官】 白土 博之
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2010/064912(WO,A2)
【文献】 米国特許第03129853(US,A)
【文献】 米国特許第03249266(US,A)
【文献】 米国特許第05123574(US,A)
【文献】 実開昭50−017000(JP,U)
【文献】 国際公開第2009/144239(WO,A1)
【文献】 国際公開第97/023155(WO,A1)
【文献】 国際公開第2006/133699(WO,A2)
【文献】 欧州特許出願公開第02070453(EP,A1)
【文献】 特表2010−532675(JP,A)
【文献】 特表2009−533288(JP,A)
【文献】 特開平07−187260(JP,A)
【文献】 米国特許第02584781(US,A)
【文献】 米国特許第01966326(US,A)
【文献】 米国特許第02805799(US,A)
【文献】 米国特許第06962274(US,B1)
【文献】 米国特許第04032050(US,A)
【文献】 特開2007−084107(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00−31/60
B65D 83/06
G01F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性の飲料濃縮物と希釈液とを混合することによって飲料を調製するためのシステムであって、
流動性の生成物の保管および供給を行うための容器(1)であって、
タンク(2)と、
該タンクから前記生成物を供給するための供給蓋であって、少なくとも1つの開口(31)を有し前記容器の内側に面する回転可能な内側回転円板部材(3)、および少なくとも1つの開口(41)を有し前記容器の外側に面する外側固定円板部材(4)を備える供給蓋と
を備え、
前記内側回転円板部材(3)が、回転可能シャフトと協働するように構成された手段(5)を有し、
当該容器が、マシン内に前記容器を位置合わせするための少なくとも1つの手段(6)を有する、容器(1)と、
前記容器を受容するように構成されたマシンであって、該マシンが投与および結合ユニット(7)を備え、該投与および結合ユニット(7)が、
少なくとも1つの開口(81)を有し当該マシンの外側に面する外側固定円板部材(8)と、
少なくとも1つの開口(91)を有し前記外側固定円板部材(8)の下面に取り付けられる回転可能な内側回転円板部材(9)と、
当該マシンの前記内側回転円板部材(9)を回転させるための回転シャフト(11)と、
当該マシンの前記投与および結合ユニット(7)に対して前記容器(1)を位置合わせするための少なくとも1つの手段(12、111)と
を備える、マシンと
を備え、
前記マシンの前記回転シャフト(11)が、前記容器が前記マシンに結合されているときに、前記容器の前記内側回転円板部材(3)と係合し、前記容器の前記内側回転円板部材(3)を回転させることができ、
前記マシン内に前記容器を位置合わせするための、前記容器の前記少なくとも1つの手段(6)、および、前記マシンの前記投与および結合ユニット(7)に対して前記容器(1)を位置合わせするための、前記マシンの前記少なくとも1つの手段(12、111)が、前記マシンの前記投与および結合ユニットに対して前記容器の計量供給蓋を位置合わせし、これにより、前記容器の前記外側固定円板部材の前記開口(41)が、前記マシンの前記外側固定円板部材の前記開口(81)と重なり合い、
前記容器が前記マシンに結合されているときに、待機位置において、前記容器の前記内側回転円板部材(3)の前記開口(31)が、前記容器の前記外側固定円板部材の前記開口(41)および前記マシンの前記外側固定円板部材の前記開口(81)の前方に配置され、前記マシンの前記内側回転円板部材の前記開口(91)が、前記内側回転円板部材の回転方向において、前記容器の前記外側固定円板部材の前記開口(41)および前記マシンの前記外側固定円板部材の前記開口(81)の後方に配置されるように、前記開口が互いに配置される、システム。
【請求項2】
前記容器(1)が、前記内側回転円板部材の上面を擦過するための手段(10)を備える、請求項1に記載のシステム
【請求項3】
前記擦過手段(10)が、前記容器の中心から前記容器の側面まで延在するロッドである、請求項2に記載のシステム
【請求項4】
前記擦過手段(10)が固定されている、請求項2または3に記載のシステム
【請求項5】
前記容器が、使い捨て可能である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシステム
【請求項6】
前記容器が、食品原材料粉末を保管する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシステム
【請求項7】
前記容器の一部を壊さなければ、前記タンク(2)と前記供給蓋を互いに切り離すことができない、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシステム
【請求項8】
前記容器(1)が使用されていないとき、前記内側回転円板部材(3)の前記少なくとも1つの開口(31)と前記外側固定円板部材(4)の前記少なくとも1つの開口(41)とが互いに重なり合わない、請求項1〜7のいずれか一項に記載のシステム
【請求項9】
前記マシン内に前記容器を位置合わせするための前記少なくとも1つの手段(6)が、前記マシンに対して、前記内側回転円板部材(3)の前記少なくとも1つの開口(31)の向きを合わせるように構成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載のシステム
【請求項10】
前記マシン内に前記容器を位置合わせするための前記少なくとも1つの手段(6)が、前記マシンの回転可能シャフトと協働することが可能であり前記内側回転円板部材(3)の中央にあるソケット(5)を備える、請求項9に記載のシステム
【請求項11】
前記マシン内に前記容器を位置合わせするための前記少なくとも1つの手段(6)が、前記容器の表面に視覚的標識を備える、請求項9に記載のシステム
【請求項12】
前記マシン内に前記容器を位置合わせするための前記少なくとも1つの手段(6)が、前記容器の固定部にカムまたはカム軌道を備える、請求項9または10に記載のシステム
【請求項13】
前記投与および結合ユニット(7)の前記外側固定円板部材(8)がスリット(13)を有し、該スリット(13)が、前記外側固定円板部材の縁部を、前記マシンの前記待機位置において前記内側回転円板部材(9)の前記開口(91)に通じている、前記外側固定円板部材の内部のキャビティ(14)につないでいる、請求項1〜12のいずれか一項に記載のシステム
【請求項14】
前記マシンが静止しているとき、前記外側固定円板部材(8)の前記少なくとも1つの開口(81)と前記内側回転円板部材(9)の前記少なくとも1つの開口(91)とが互いに重なり合わない、請求項1〜13のいずれか一項に記載のシステム
【請求項15】
前記マシンが、流動性の生成物から飲料を調製するように構成されており、前記マシンが、少なくとも1つの希釈液供給手段(17)と接続された混合チャンバ(16)を備え、前記投与および結合ユニット(7)の下面が前記混合チャンバと協働する、請求項14のいずれか一項に記載のシステム
【請求項16】
前記容器が前記マシンに結合されているときに、前記待機位置において、前記容器の前記内側回転円板部材(3)の前記開口(31)が、前記容器の前記外側固定円板部材の前記開口(41)および前記マシンの前記外側固定円板部材の前記開口(81)の90°前方に配置され、前記マシンの前記内側回転円板部材の前記開口(91)が、前記内側回転円板部材の回転方向において、前記容器の前記外側固定円板部材の前記開口(41)および前記マシンの前記外側固定円板部材の前記開口(81)の180°前方に配置されるように、前記開口が互いに配置される、請求項1〜15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
前記容器が、1つの開口(31)を有する回転可能な内側回転円板部材(3)および1つの開口(41)を有する外側固定円板部材(4)を備える供給蓋を有し、
前記投与および結合ユニット(7)が、1つの開口(81)を有する外側固定円板部材(8)および1つの開口(91)を有する回転可能な内側回転円板部材(9)を有し、
投与動作が、前記内側回転円板部材(3、9)の双方の少なくとも1回の完全な回転を必要とする、請求項1〜16のいずれか一項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動性の生成物の計量および生成物の正確に測定された量の放出を行うためのマシンと、流動性の生成物を保管するための容器とを備えるシステムに関し、特に、計量された一定用量の可溶性の食品原材料を希釈して飲料を調製するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開第2009/144239号パンフレットは、粉末材料を保管している容器から粉末材料を計量し、正確に測定された量の粉末材料を放出するための装置、特に、飲料の調製のための該装置について記載している。この装置は、
1つの開口が穿孔されている円板を少なくとも備える固定された本体と、
固定された本体の上部に配置され、かつ、穿孔された取出し開口を有する回転上部円板と、
固定された本体の下部に配置され、かつ、穿孔された放出開口を有する回転下部円板と、
下部円板と上部円板とを接続する回転シャフトと
を備え、
この装置の待機位置において、穿孔された計量開口は、空であり、周囲環境に対して閉ざされている。
【0003】
計量された一定用量の粉末および一定用量の希釈液から飲料を調製することができるように、計量放出装置の上面は、粉末を保管している容器と協働し、下面は、混合チャンバと協働する。粉末を保管している容器は、計量放出装置の上面に取り付けられる簡素な容器であってもよい。この容器はまた、望ましくない粉末による再充填を回避する、国際公開第2009/000836号パンフレットに示されている容器と同様に、特有の機能を有してもよい。この容器は、国際公開第2009/144239号パンフレットに記載されているような投与ユニットを備えるマシンと共に機能するように適合されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の計量放出装置の1つの問題点は、この装置が、通常、特定の粉末を含む1つの容器に取り付けられていること、および、容器がマシンの一部であるので、容器が完全に空になるまで容器の内部の粉末を交換することができないことである。この結果、この装置が、飲料を調製するマシンの、粉末の計量および放出を行う装置である場合、容器が充填されている間の期間は、容器が空になるまで1種類の飲料しか生成することができないことになる。このため、粉末の計量および放出を行う装置、ならびに、空でなくても該装置から取り外すことのできる互換性のある容器から構成されるシステムが必要とされている。このシステムは、容器が空でない場合でも、同じマシンから様々な飲料を生成することを可能にする。すなわち、消費者は、自分が生成することを望んでいる飲料の種類に応じて、粉末の計量および放出を行う装置と協働する容器を交換することができる。
【0005】
本発明は、上記の問題の解決を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様によれば、本発明は、流動性の生成物の保管および供給を行うための容器であって、
タンクと、
タンクから生成物を供給するための供給蓋(dispensing closure)であって、少なくとも1つの開口を有し容器の内側に面する回転可能な内側回転円板部材、および少なくとも1つの開口を有し容器の外側に面する外側固定円板部材を備える供給蓋と
を備え、
内側回転円板部材が、回転可能シャフトと協働するように構成された手段を有し、
容器が、マシン内に容器を位置合わせするための手段を有する
容器に関する。
【0007】
本発明の容器は、粉末(自由に流動する粒子)、さらには、ペレット(pellet)、顆粒(granulate)、または穀粒(grain))のような流動性の生成物を保管してもよい。この容器は、この流動性の生成物の保管、輸送、および販売を行うために、閉鎖された状態で保管する。このような流動性の生成物を保管することに加えて、この容器は、流動性の生成物が供給されるように設計されたマシンによる、容器からの流動性の生成物の容易な取出しを可能にする。
【0008】
本発明の容器は、主に、タンクを備える。タンクの機能は、流動性の生成物を受容し、保管することである。任意の形状のタンクが使用されてもよい。タンクの断面は、円形、楕円形、または四角形などであってもよい。この断面の形状およびサイズは、容器のより良好な取扱いを実現するために、または、マーケッティングのアピールのために、タンクの長さに応じて変更されてもよい。本発明の好ましい実施形態では、タンクは、丸い断面(さらに好ましくは、次第に小さくなる丸い断面)、または、楕円形の断面を有する円筒であり、これらの形状によって、容易な製造、容易な保管、および容易な取扱いが可能になる。タンクは、少なくともプラスチック、ボール紙、アルミニウム、またはこれらの材料の組合せおよび/または積層物から選択される材料から作製されてもよい。これらの材料は、良好な湿気遮断性を有すべきであり、随意に、良好な酸素遮断性を有すべきである。内部に保管されることを意図されたバルク材料の性質に応じて、これらの材料はまた、紫外線遮断特性および光遮断特性を有してもよい。特別な実施形態では、タンクの一部は、例えば透明プラスチックを使用することによって、少なくとも部分的に透明であってもよい。このような透明な部分は、この容器が使用されているときに、この容器の内部に残っている流動性の生成物のレベルの制御を可能にする。
【0009】
また、容器は、タンクを閉鎖するか、または、タンクから生成物を供給するためにこれを開放するかのいずれかを行うための供給蓋を備える。供給蓋は、一般に、タンクの端部に取り付けられる。供給蓋は、少なくとも1つの開口を有し容器の外側に面する外側固定円板部材と、少なくとも1つの開口を有し容器の内側に面する回転可能な内側回転円板部材とを備える。2つの円板部材は、粉末がこれらに滑り込めないように、とはいえ、内側円板の回転中に内側円板が外側円板部材に対して摺動することが妨げられないように、互いに十分に近接して配置されることが好ましい。円板部材のそれぞれは、少なくとも1つの開口を有する。これらの円板の開口は、内側円板部材が回転するときに互いに重なり合うことができるように、円板部材に配置されている。これらの開口の形状は、任意であってもよい。これらの開口の形状は、同じであることが好ましい。
【0010】
内側回転円板部材は、もう一方の外側円板部材と対照的に、容器の内側に配置されている。この内側回転円板部材は、回転シャフトと協働するように構成された手段を有する。この手段は、好ましくは、内側円板部材の中心に配置され、その形状が回転シャフトの先端の形状に適合し得るような、円板の穴または隆起部(bump)であってもよい。外側固定円板部材は、もう一方の内側円板部材と対照的に、容器の外側に配置されている。外側固定円板部材は、回転シャフトが、外側固定円板部材に衝突することなく、内側円板部材と協働することができるように、通常、その中心に十分に大きな開口を有する。内側回転円板部材は、回転し、一回転することができる。
【0011】
一般に、本発明の容器が、使用されていないとき、特に、供給のために使用されていないときは、内側回転円板部材の少なくとも1つの開口と外側固定円板部材の少なくとも1つの開口とが互いに重なり合わない。実際、容器は、容器が流動性の生成物を供給するために使用されていないとき、特に、容器がマシンから分離されているときは、円板部材の開口が互いに重なり合わないように、設計されていることが好ましい。この特徴は、外側円板部材に対する内側円板部材の位置を設定することによって得られる。通常、円板部材の相対位置は、容器の製造中に、開口が互いに重なり合わないように固定される。
【0012】
本発明の容器は、流動性の生成物が供給されるマシン内に容器を位置合わせするための少なくとも1つの手段を有する。マシン内に容器を位置合わせするための少なくとも1つの手段は、一般に、内側回転円板部材の少なくとも1つの開口の向きを合わせるように構成される。これにより、この手段は、マシンに対して容器の計量供給蓋を位置合わせし、その結果として、マシンに対して円板部材の開口のすべてを位置合わせするのを特に支援する。好ましい実施形態によれば、マシン内に容器を位置合わせするためのこの少なくとも1つの手段は、さらに、マシンに対して容器を固定するように構成されてもよい。マシン内に容器を位置合わせするための手段のうちの少なくとも1つは、内側回転円板部材の中心にあるソケットを備えてもよく、この場合、ソケットは、マシンの回転可能シャフトと協働するように構成される。ソケットは、非対称な形状を有することが好ましい。この非対称な形状は、使用者が、マシン内に容器を位置合わせするのを支援する。マシンのシャフトの端部は、容器が、マシン内に特定の向きに配置され得るように、上記のソケットに対応する形状を有してもよい。また、マシン内に容器を位置合わせするための手段のうちの少なくとも1つは、タンクまたは供給蓋の外側固定円板部材のような、容器の固定部に、カムまたはカム軌道を備えてもよい。カムまたはカム軌道は、それぞれ、マシンの対応するカム軌道またはカムに取り付けることができる。また、マシン内に容器を位置合わせするためのこの少なくとも1つの手段は、容器の表面に視覚的標識を備えてもよい。視覚的標識(例えば、矢印)は、使用者に、マシン内に容器を位置合わせする方法を示す。
【0013】
容器は、内側回転円板部材の上面を擦過するための手段を備えてもよい。擦過機能は、回転可能な円板部材が回転するときに実行される。擦過手段は、容器の中心から容器の側面まで延在するロッドであってもよい。一般に、擦過手段は固定されている。
【0014】
本発明の容器は、使い捨て可能であることが好ましい。
【0015】
タンクと供給蓋は、容器の一部を壊さなければ、互いに切り離すことができないことが好ましい。この場合、容器は、容器と協働するマシンへの供給に適合しない流動性の生成物によって再充填され得ない。容器は、手動では開くことができない。容器は、手動では再充填することができない。
【0016】
好ましい実施形態によれば、容器は、食品原材料粉末、好ましくは、コーヒー、チョコレート、茶、ミルク、スープ、またはコーヒー混合物のような可溶性の飲料原材料を保管する。
【0017】
第2の態様によれば、本発明は、上述されているような容器を受容するように構成されたマシンであって、該マシンが投与および結合ユニットを備え、該ユニットが、
少なくとも1つの開口を有しマシンの外側に面する外側固定円板部材と、
少なくとも1つの開口を有し外側固定円板部材の下面に取り付けられる回転可能な内側回転円板部材と、
マシンの内側回転円板部材を回転させるための回転シャフトと、
マシンの投与および結合ユニットに対して容器を位置合わせするための少なくとも1つの手段と
を備えるマシンに関する。
【0018】
投与および結合ユニットは、上述されているような容器を結合するための受容領域を備えることが好ましい。
【0019】
投与および結合ユニットの2つの円板部材は、回転中に粉末がこれらに滑り込めないように、とはいえ、内側回転円板部材が外側固定円板部材に対して摺動することが妨げられないように、互いに十分に近接して配置されることが好ましい。円板部材のそれぞれは、少なくとも1つの開口を有する。開口は、内側回転円板部材が回転するときに互いに重なり合うことができるように、円板部材に配置されている。開口の形状は、任意であってもよい。双方の開口の形状は、同じであることが好ましい。外側固定円板部材は、その開口が、投与される流動性の生成物の計量値に対応する容積部として形成されるように、十分に厚いことが好ましい。外側固定円板部材には、マシンのシャフトを受け入れ、これを回転可能に支持するための軸方向の軸受け通路が設けられている。しかしながら、外側固定円板部材は、シャフトと係合され得ない。内側回転円板部材は、外側固定円板部材に対して回転可能なように、回転シャフトと接続されている。内側回転円板部材は、1回分の計量された一定用量を供給する投与動作時に、回転し、一回転することができる。
【0020】
マシンが静止しているとき、すなわち、供給が行われていないときに、外側固定円板部材の少なくとも1つの開口と内側回転円板部材の少なくとも1つの開口とが互いに重なり合わないことが好ましい。
【0021】
投与および結合ユニットは、マシンの投与および結合ユニットに対して容器を位置合わせするための少なくとも1つの手段を備える。この手段は、容器の対応する位置合わせ手段と協働することが好ましい。マシンおよび容器の手段は、容器がマシンに結合されているときに、容器の外側固定円板部材の開口が、投与および結合ユニットの外側固定円板部材の開口に面するように設計されている。容器を位置合わせするための手段のうちの少なくとも1つは、回転シャフトの端部の係合面を備えてもよく、この場合、係合面は、容器の対応する部分と協働するように構成される。係合面は、非対称な形状を有することが好ましい。この非対称な形状は、使用者が、マシン内に容器の向きを合わせることを支援する。また、マシン内に容器を位置合わせするための手段のうちの少なくとも1つは、投与および結合ユニットの外側固定円板部材のような、投与および結合ユニットの固定部に、カムまたはカム軌道を備えてもよい。カムまたはカム軌道は、それぞれ、容器の対応するカム軌道またはカムに取り付けることができる。この少なくとも1つの位置合わせ手段はまた、マシンに容器を取り付けるように構成され得ることが好ましい。マシンの投与および結合ユニットに対して容器を位置合わせするためのこの少なくとも1つの手段はまた、マシンの表面に視覚的標識を備えてもよい。視覚的標識(例えば、矢印)は、使用者に、マシン内に容器を位置合わせする方法を示す。
【0022】
特定の実施形態によれば、投与および結合ユニットの固定円板部材は、円板の縁部を、マシンの待機位置において内側回転円板部材の開口に通じる外側固定円板部材の内部のキャビティにつなぐスリットを有する。このスリットは、特に吸湿性の粉末が供給されるときに、円板部材の開口の内部に空気の流れを供給するために有用である。例えば、マシンが、飲料粉末と流体とを混合する場合に、チャンバまたは容器の飲料粉末を供給するために使用されるとき、湿気が、内側回転円板部材の放出開口内に存在している場合がある。空気の流れを供給することにより、開口が、新たな一定用量の粉末を放出するために再び使用される前に、該開口を乾燥させることが可能になる。
【0023】
好ましい実施形態によれば、マシンは、流動性の飲料濃縮物から飲料を調製するように構成され、また、少なくとも1つの希釈液供給手段と接続された混合チャンバを備え、投与および結合ユニットの下面は、混合チャンバと協働する。投与および結合ユニットの下面は、内側回転円板部材の開口を通じて流れる一定用量の流動性の生成物が混合チャンバ内に流れるように、混合チャンバと協働する。混合チャンバは、開口の下に固定され、恒久的に配置されてもよいし、または、国際公開第2009/153157号パンフレットに記載されているような内側回転円板部材の開口の下に一時的にのみ配置されるように可動であってもよい。
【0024】
第3の態様によれば、本発明は、流動性の飲料濃縮物と希釈液とを混合することによって飲料を調製するためのシステムであって、
流動性の飲料濃縮物を保管するための上述されているような容器と、
上述されているようなマシンと
を備え、
マシンの回転シャフトは、容器がマシンに結合されているときに、容器の内側回転円板部材と係合し、これを回転させることができ、
マシン内に容器を位置合わせするための、容器の少なくとも1つの手段、および、マシンの投与および結合ユニットに対して容器を位置合わせするための、マシンの少なくとも1つの手段が、マシンの投与および結合ユニットに対して容器の計量供給蓋を位置合わせし、これにより、容器の外側固定円板部材の開口が、マシンの外側固定円板部材の開口と重なり合い、
容器がマシンに結合されているときに、待機位置において、容器の内側回転円板部材の開口が、内側回転円板部材の回転方向において、容器の外側固定円板部材の開口およびマシンの外側固定円板部材の開口の前方に配置され、マシンの内側回転円板部材の開口が、内側回転円板部材の回転方向において、容器の外側固定円板部材の開口およびマシンの外側固定円板部材の開口の後方に配置されるように、開口が互いに配置されるシステムに関する。
【0025】
しかしながら、マシンの内側回転円板部材の開口は、回転方向において、容器の内側回転円板部材の開口の前方に配置される。
【0026】
好ましい実施形態によれば、容器がマシンに結合されているときに、待機位置において、容器の内側回転円板部材の開口が、内側回転円板部材の回転方向において、容器の外側固定円板部材の開口およびマシンの外側固定円板部材の開口の90°前方に配置され、マシンの内側回転円板部材の開口が、内側回転円板部材の回転方向において、容器の外側固定円板部材の開口およびマシンの外側固定円板部材の開口の180°後方に配置されるように、開口が互いに配置される。
【0027】
好ましい実施形態によれば、容器は、1つの開口を有する回転可能な内側回転円板部材および1つの開口を有する外側固定円板部材を備える供給蓋を有し、投与および結合ユニットは、1つの開口を有する外側固定円板部材および1つの開口を有する回転可能な内側回転円板部材を有する。
【0028】
一般に、投与動作は、内側回転円板部材の双方の少なくとも1回の完全な回転を必要とする。所望の回数分の一定用量に応じて、複数の完全な回転が実施されてもよい。
【0029】
本明細書では、「前(front)」、「後(back)」、「上(top)」、および「下(bottom)」という用語は、本発明の特徴の相対位置を説明するために使用されている。これらの用語は、マシンに結合されているときの容器の通常の向きを意味していると理解されるべきである。
【0030】
内側および外側の円板部材について言及する際に使用されている場合、内側および外側という用語は、内側円板部材が、長手方向に関して、外側円板部材よりも容器の内部空間に近いことを意味するのに使用されている。
【0031】
本発明の特徴および利点は、以下の図面に関連してより良く理解される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】本発明の容器の斜視図を描いている。
図2】本発明の容器を下方から視た図を描いている。
図3】本発明の容器の供給蓋を描いている。
図4】本発明に係るマシンの投与および結合ユニットに取り付けられ、位置合わせされた本発明の容器を描いている(マシンは、図示せず)。
図5図4に見られる投与および結合ユニットを上方から視た図である。
図6図4の投与および結合ユニットにおける外側固定円板部材および回転可能な内側下部円板部材の分解図である。
図7】本発明に係る容器ならびに投与および結合ユニットから構成されるシステムの分解図である。
図8】投与動作中の様々な円板部材の開口の相対位置に関する概略上面図である。
図9】本発明に係るマシンの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
図1図2、および図3は、本発明に係る容器1を示している。容器は、粉末を保管するためのタンク2を備えている。タンクは、タンク2の下部に配置された供給蓋によって閉鎖されている。この供給蓋は、粉末を供給するための少なくとも1つの開口41を有する外側固定円板部材4を備える。この外側固定円板部材4は、容器の外側に面している。供給蓋はまた、粉末を供給するための少なくとも1つの開口31を有する回転可能な内側回転円板部材3を備える。なお、この部材は、容器1の内側に面している。内側回転円板部材3は、回転可能シャフトと協働するための手段を有する。現在参照している図では、この手段は、内側回転円板部材3の下面の内側にあるスロット5である。このスロット5には、対応する形状を有するシャフトの端部を係合することができる。このスロットは、非対称な形状(ここでは、三角形状)を有する。これにより、容器は、対応する端部を有するシャフトとスロットとが係合される(図7に示されているように)ときに、マシンに対して容器が位置合わせされる。外側固定円板部材4はまた、その中央に開口42を有する。これにより、回転可能シャフトが、外側円板部材に接触することなく、開口42を通過し、内側回転円板部材3と協働することが可能になっている。円板3、4のそれぞれに対して、開口31、41は、中心から外れている。これら2つの開口は、内側回転円板部材3が回転するときに互いに重なり合うことができるように、各円板に配置されている。容器1は、マシン内に容器を位置合わせし、その結果として、マシンに対して計量供給蓋を位置合わせするための他の手段を有してもよい。この他の手段は、マシンのカム軌道と協働するカム6であってもよい。マシン内に容器を位置合わせするための手段は、容器1が円形断面の基部を有する場合に、特に重要である。つまり、位置合わせ手段がないと、容器は、マシン内に任意の角度方向に配置される可能性があり、容器の開口、特に開口41が、マシンの開口と必ずしも対応し得ない。
【0034】
製造中に、円板部材3、4は、容器が流動性の生成物を供給するために使用されていないとき、特に、容器がマシンから分離されているときに開口31、41が互いに重なり合わないように、互いに配置される。容器は、容器がマシンから分離されているときに粉末が容器からこぼれ落ちることがないように設計されている。
【0035】
容器はまた、内側回転円板部材が回転しているときに、該内側回転円板部材の上面を擦過するための手段を備える。図示されている特定の実施形態では、擦過手段は、容器の中心から容器の側面まで延在するロッド10である。擦過手段は、固定円板部材4の上向き側壁の凹みにおける位置決めのために固定されている。多少の粉末が容器内に残っている場合、擦過手段は、容器から残っている粉末を擦り取ることを支援し、開口41内に擦り取られた粉末を押しやることができる。擦過手段は、回転可能な円板部材3の回転方向において、外側固定円板部材4の開口41のすぐ後方に配置されることが好ましい(図3の点線によって示されているように)。
【0036】
製造中に、粉末によって容器を満たすために、タンク2は、最初、粉末によって満たされ、次に、2つの円板部材および擦過手段から作製された供給蓋が、タンクを閉鎖するために使用される。タンクおよび供給蓋は、スナップフィットまたは溶着のような任意の既知の手段によって、互いに取り付けられてもよい。タンクおよび供給蓋は、マシンへの供給に適合しない流動性の生成物による容器の再充填を回避するために、容器の一部を壊さなければ、互いに切り離すことができないことが好ましい。その上、供給蓋は、円板の開口31、41が互いに重なり合うように内側回転円板部材を手動で回転させることが、困難であるように、または、さらには不可能であるように構成されている。
【0037】
図4は、マシンの投与および結合ユニット7に取り付けられ、位置合わせされた本発明の容器1を描いている。図9は、本発明に係るマシンの概略図であり、ここでは、容器1が、投与および結合ユニット7に結合されている。投与および結合ユニットの内側円板部材の開口は、混合チャンバ16に通じており、混合チャンバ16には、希釈液供給手段17(通常は、混合チャンバに通じている管)によって、希釈液が供給される。希釈液供給手段は、ポンプ171および希釈液タンク172と接続されている。マシンはまた、投与ユニット7を回転させるためのシャフト11と接続されたモータ18を備える。マシンの様々な部品が、フレーム19内に保管されている。混合チャンバの出口は、生成された飲料をマシンからカップ20に放出する。
【0038】
図5図6は、マシンの投与および結合ユニット7を詳しく示している。投与および結合ユニット7は、少なくとも1つの開口81を有し、かつ、マシンの外側に面する外側固定円板部材8を備える。外側固定円板部材8は、その開口81が、投与される粉末生成物の計量値に対応する容積部を形成するように、十分に厚いことが好ましい。投与および結合ユニット7はまた、少なくとも1つの開口91を有する回転可能な内側回転円板部材9を備え、回転円板部材は、固定円板部材8の下面に取り付けられている。円板8、9のそれぞれに対して、開口81、91は、中心から外れている。2つの開口は、内側回転円板部材9が回転するときに互いに重なり合うことができるように、各円板に配置されている。投与および結合ユニット7はまた、マシンの回転円板部材9を回転させるための回転シャフト11を備える。外側固定円板部材8は、回転シャフト11を導入し、かつ、該シャフトによって駆動されずにこれを支持するための中央開口82を有する。内側回転円板部材9は、回転シャフト11を導入し、これと協働し、回転される中央開口92を有する。シャフト11は、内側回転円板部材9と係合し、外側円板部材8を動かない状態にしておくものとして設計されている。シャフト11は、ブレード手段(図示せず)によって内側回転円板部材9と係合することができ、このブレード手段は、円板9の対応するスロット93の内部で摺動することができる。シャフトと内側回転円板部材9とを接続するための手段の向きは、投与および結合ユニット7の様々な部品が組み立てられる際に、外側固定円板部材8に対してこの円板の相対位置を合わせるように決定されている。容器と投与および結合ユニットとのアセンブリは、マシンのフレームによって支持されている。投与および結合ユニットは、シャフト11を介してモータ装置と接続されている。
【0039】
外側固定円板部材8は、空であるか、または、満杯であり得る。外側固定円板部材8は、その縁部の内部に、投与および結合ユニット7の待機位置において内側回転円板部材9の開口91に通じているキャビティ14とつながっているスリット13を有してもよい。このスリット13は、開口91が待機位置に移動したときに該開口91を乾燥させる目的で空気の流れを供給するために、ファンと接続されてもよい。
【0040】
随意に、内側回転円板部材9の下面の突出部94が、内側回転円板部材9の駆動を支援するために、マシンの回転可能なプレートの対応するエンボスメント(embossment)に入るような仕方で存在してもよい。
【0041】
投与および結合ユニット7は、マシンに対して容器1を位置合わせするための、および、随意に容器1を取り付けるための手段12を備える。これらの手段の1つの部品は、容器1のカム6と協働するカム軌道12である。カムおよびカム軌道6、12は、投与および結合ユニット7に対して容器の位置を合わせるために、特に、開口31、41、81、および91の互いの相対位置を合わせるために、配置されている。これらの手段の別の部品は、図2に示されている容器1の対応する三角形状のスロット5と係合するための三角形状を有する、回転シャフト11の端部にある係合面111である。
【0042】
待機位置では、円板3、4、8、および9は、
外側固定円板部材4、8の開口41、81が互いに重なり合い、
内側回転円板部材3、9の開口31、91のいずれもが他の開口と重なり合わず、
容器およびマシンの回転可能な円板部材3、9の回転方向において、取出し開口31が、放出開口91の前方の、固定円板部材4、8の開口41、81と重なり合うように、内側回転円板部材3、9のこれらの開口31、91が配置されるように、互いに配置されることが好ましい。例えば、容器の円板部材3の取出し開口31は、開口41、81の90°前方に配置され、放出開口91は、開口41、81の180°前方に配置される。
【0043】
図7は、本発明に係る、容器1および投与および結合ユニット7から構成されるシステムの分解図である。部品15は、回転可能な円板9とシャフト11との接続を可能にしている。
【0044】
図8は、投与動作中に上方から見た、外側固定円板部材4、8および内側回転円板部材3、4の開口31、41、81、91の相対位置を概略的に示している。時計回りの回転方向において、図8の第1の列aは、システムの待機位置に対応している。すなわち、容器1において、内側回転円板部材3の取出し開口31は、タンク内に保管された粉末と接触しているが、外側固定円板部材4、8の開口41、81に面していない。結合ユニット7の下部回転円板部材9の放出開口91は、外側固定円板部材4、8の開口41、81が周囲環境に対して閉ざされるように、開口41、81からずれている。
【0045】
投与ユニット7が作動しているとき、容器1および結合・投与ユニットの内側回転円板部材3、4が、シャフトの時計回りの運動によって共に動かされる一方で、中央の円板部材4、8は固定されている。この結果、外側固定円板部材の開口41、81が、所定の位置に留まる一方で、取出し開口31および放出開口91は回転する。
【0046】
列bは、取出し開口31が開口31、81上に移動し、これにより、粉末が計量開口81の内部に落下することが可能になった、投与動作の瞬間を示している。取出し開口31の表面は、回転運動中に、計量開口81の内部に粉末を落下させるための時間が十分長くなるように、計量開口81の表面よりも大きくてもよい。次いで、取出し開口31の後方の縁が、計量開口81の内部の粉末の表面を擦過してもよい。これと同時に、内側回転円板部材の放出開口91も移動してはいるものの、依然開口81からずれており、このため、計量または蓄積された上記の粉末と周囲環境とは接触していない。
【0047】
列cは、放出開口91が、開口81の下に移動し、これにより、粉末が、計量開口81から放出されることが可能になった、投与動作の瞬間を示している。これと同時に、容器の回転円板部材の取出し開口31は、移動していて、開口41、81からずれており、このため、容器内に保管された粉末と周囲環境とは接触していない。次いで、回転円板部材は、360°回転して列aの待機位置に戻るまで回転し続ける。この待機位置では、開口41、81は、粉末をまったく含んでいない。これは、開口41、81が、取出し開口31と重なり合っていなかったので、開口41、81が、たんに空になったためである。次いで、それは、周囲環境に対して閉ざされる。
【0048】
1回分の一定用量の粉末を計量するための方法は、初期位置に着くまでの回転円板部材の完全な回転を含む。複数回の完全な回転によって、複数回分の一定用量の投与が可能でとされてもよい。この完全な運動によって、容器内の粉末の撹拌が可能とされてもよく、この撹拌により、マシンの粉末供給および投与動作に重大な影響を与える、タンク内での形崩れ、および/または、硬い凝集体、粉末の壁、粉末の架橋、または三角形もしくはピラミッド形の堆積物の形成が、回避される。そのような問題は、湿度の高い場所で、より頻繁に生じる。なぜなら、湿気が、粉末の凝集を助長するからである。本発明によれば、粉末は、自由に、投与ユニットに流れ込むことができる。
【0049】
空でない場合であっても、粉末が容器からこぼれ落ちることのない状態で、投与ユニットから容器を容易に取り外すことができる。これは、待機位置では、容器が周囲環境に対して閉ざされているからである。使用者は、結合ユニットのカム軌道から容器のカム6を外すために、容器をわずかに回転させるだけでよい。これにより、使用者は、別の種類の流動性の生成物を含む別の容器を投与および結合ユニットに配置することができる。
【0050】
本発明のシステムにはまた、可溶性のコーヒーのような特定の生成物にとって最も重要となり得る、生成物と空気との接触を制限することによって、流動性の生成物の鮮度が保たれるという利点がある。本システムは、多くの場合に流動性の生成物に空気が導入されることにつながる、容器からマシンのタンクへの流動性の生成物の通常の完全な移動を実際に避けている。さらに、容器が容器からマシンへの粉末の流れを可能にするための小さな開口を有していることによって、空気との接触が、より一層制限されている。
【0051】
その上、本発明のシステムでは、流動性の生成物は、2つの投与動作の間、投与ユニットの外側固定円板部材の計量開口内に留まり得ない。この開口は、投与の後、常に空になっている。この結果、流動性の生成物が、この開口内に留まり、2つの動作の間に劣化し得るリスクがなくなる。
【0052】
さらに、本発明のシステムには、結合・投与ユニットの下に配置されている混合チャンバから上昇してくる可能性のある希釈液蒸気と生成物との接触を制限することによって、容器内に保管された流動性の生成物の鮮度が保たれるという利点がある。双方の外側固定円板部材の開口が、双方とも、容器の内側回転円板によって上から、および、投与および結合ユニットの内側回転円板部材によって下から閉鎖されている待機位置(図8の(a)によって示されている)の存在によって、蒸気が容器に進入するリスクを伴うことなく、下に配置された混合チャンバに希釈液を導入することが可能になっている。
【符号の説明】
【0053】
1…容器、2…タンク、3…容器の回転円板部材、4…容器の固定円板部材、5…回転可能シャフトと協働する手段、6…カム、7…投与および結合ユニット、8…マシンの固定円板部材、9…マシンの回転円板部材、10…擦過手段、11…回転シャフト、12…カム軌道、13…スリット、14…キャビティ、15…接続部品、16…混合チャンバ、17…希釈液供給部、171…ポンプ、172…ボイラ、18…モータ、19…フレーム、20…カップ、31,41,42,81,82,91,92…開口、111…係合面、93…スロット、94…突出部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9