(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る提供装置、提供方法及び提供プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.算定処理〕
まず、
図1を用いて、実施形態に係る算定処理の一例について説明する。
図1は、実施形態に係る算定処理の一例を示す図である。
図1では、本願に係る提供装置に対応する広告装置100によって広告料金の算定処理が行われる例を示す。なお、以下では、施設として劇場を例に挙げ、施設で提供される第1コンテンツとして映画を例に挙げ、第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツとして広告を例に挙げて説明する。
【0012】
図1に示した例において、劇場で上映される映画には広告コンテンツが上映される広告枠が設けられる。例えば、映画の本編前に数分間の広告枠が設けられる。そして、広告装置100は、このような劇場で上映される広告コンテンツを劇場に配信する。すなわち、劇場では、広告装置100から配信された広告コンテンツを広告枠に組み込んだ映画が上映される。このとき、広告装置100の管理者は、劇場で広告コンテンツを上映する対価として、劇場に広告料金を支払う。ここで、広告装置100の管理者が支払う広告料金は、劇場の観客の人数(以下、「動員数」と表記する場合がある)と、劇場に対する広告料金(以下、「広告枠利用料」と表記する場合がある)を算定するための所定の動員数毎の単価(以下、「劇場動員単価」と表記する場合がある)に基づいて算定される。
図1の例の場合、広告装置100の管理者と劇場管理者とは、このような劇場動員単価を事前に取り決める(ステップS11)。
【0013】
なお、以下では、劇場動員単価は、広告コンテンツが上映された回数が「1回」であり、かつ、広告コンテンツが上映された際の観客数が「1人」であり、広告コンテンツが上映される時間長が所定値(ここでは、15秒)である場合の広告枠利用料を示す。ここで、広告コンテンツが上映された回数と、広告コンテンツが上映された際の観客数とを乗算した値が「動員数」となる。
【0014】
広告装置100の管理者と劇場管理者とが取り決めた劇場動員単価は、広告装置100の管理者により広告装置100に入力される。また、広告装置100の管理者は、劇場動員単価の他に、例えば、広告コンテンツが上映される劇場の名称や、広告枠が組み込まれる映画のタイトルや、広告コンテンツが劇場で上映される日時(以下、「配信日程」と表記する場合がある)などを広告装置100に入力する。そして、広告装置100は、広告枠に関する情報として、劇場動員単価や、劇場の名称や、映画のタイトルや、広告の配信日程などを記憶する。
【0015】
続いて、広告装置100は、劇場で広告が提供される権利の販売に関する販売情報を提示する。
図1の例においては、劇場で広告が提供される権利とは、映画に設けられた広告枠に広告コンテンツを組み込む権利のことを示す。広告装置100は、かかる提示とともに、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の販売サービスを広告主に提供する(ステップS12)。具体的には、広告装置100は、販売情報として、広告装置100の管理者と劇場管理者とが取り決めた劇場動員単価よりも高い値段の単価(以下、「課金動員単価」と表記する場合がある)を提示する。このとき、広告装置100は、課金動員単価に加えて、広告コンテンツが上映される劇場の名称や、広告枠が組み込まれる映画のタイトルや、広告コンテンツの配信日程などを販売情報として広告主に提示してもよい。
【0016】
続いて、広告主は、提示された販売情報をもとに、所望の広告枠を選択する。そして、広告主は、広告装置100に対して、選択した広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の購入要求を送信する(ステップS13)。そして、広告装置100は、広告主から広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の購入要求を受け付けた場合に、かかる権利の購入者となったことを広告主に通知する(ステップS14)。
【0017】
続いて、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利を購入した広告主は、広告装置100に広告コンテンツを入稿する(ステップS15)。広告装置100は、広告主からの広告コンテンツの入稿を受け付け、広告枠と入稿された広告コンテンツを対応付けて記憶する。そして、広告装置100は、入稿された広告コンテンツを劇場に配信する(ステップS16)。
【0018】
その後、広告装置100は、劇場で広告コンテンツが上映される際に測定される動員数について劇場から通知を受けることで、動員数に関する情報を取得する(ステップS17)。広告装置100は、取得した動員数に関する情報と動員単価とに基づいて、劇場に対する広告料金(以下、「広告枠利用料」と表記する場合がある)を算定する。同様に、広告装置100は、動員数に関する情報と課金動員単価とに基づいて、広告主に対する広告配信にかかる広告料を算定する(ステップS18)。そして、広告装置100は、劇場に広告枠利用料を通知する(ステップS19)。同様に、広告装置100は、広告主に広告配信にかかる広告料を通知する(ステップS20)。
【0019】
このように、実施形態に係る広告装置100は、劇場で上映される映画とともに提供される広告コンテンツの広告料金として課金動員単価を提示するとともに、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の販売サービスを提供し、動員数と課金動員単価とに基づいて、販売サービスにおいて権利を購入した広告主に請求する広告料を算定する。すなわち、広告装置100は、劇場から通知される動員数と、販売サービスの提供時に決められている課金動員単価とに基づいて、広告主に請求する広告料を算定する。これにより、広告装置100は、動員数が決まり次第、広告料を自動的に算定することができる。このため、実施形態に係る広告装置100を用いた場合、広告装置100の管理者や広告主等は、動員数が決定するたびに、広告レートを設定するといった煩雑な作業を行うことを要しない。このようなことから、実施形態に係る広告装置100は、広告主に請求する広告料を容易に算定することができる。同様の理由により、実施形態に係る広告装置100は、動員数と動員単価とに基づいて、劇場に支払う広告枠利用料についても容易に算定することができる。
【0020】
また、上記の動員数は、広告における広告効果を示す指標となる。すなわち、実施形態に係る広告装置100は、広告主に対して、広告効果に見合う適切な広告料を容易に算定することができる。
【0021】
なお、上記実施形態では、映画の本編上映前に広告が提供される例を示した。このように、第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツとは、映画本編が上映される際に、本編前に提供される広告や映画の予告編などを意味する。また、かかる第2コンテンツには、本編である第1コンテンツにオーバーレイのように重ねて提供されるようなものも含まれるものとする。
【0022】
〔2.算定システムの構成〕
次に、
図2を用いて、実施形態に係る算定システムの構成について説明する。
図2は、実施形態に係る算定システム1の構成例を示す図である。
図2に示すように、算定システム1には、広告主端末10と、劇場端末20と、広告装置100とが含まれる。広告主端末10、劇場端末20及び広告装置100は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。なお、
図2に示した算定システム1には、複数台の広告主端末10や、複数台の劇場端末20が含まれてもよい。
【0023】
広告主端末10は、広告装置100に広告配信を依頼する広告主によって利用される情報処理装置である。かかる広告主端末10は、広告主による操作に従って、広告装置100に対して、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の購入要求を送信したり、広告コンテンツを入稿したりする。
【0024】
なお、広告主は、広告主端末10を用いて、広告コンテンツを広告装置100に入稿せずに、広告コンテンツの入稿を代理店に依頼する場合もある。この場合、広告装置100に広告コンテンツを入稿するのは代理店となる。以下では、「広告主」といった表記は、広告主だけでなく代理店を含む概念であり、「広告主端末」といった表記は、広告主端末だけでなく代理店によって利用される代理店装置を含む概念であるものとする。
【0025】
劇場端末20は、広告装置100に広告配信を依頼する劇場管理者によって利用される情報処理装置である。かかる劇場端末20は、例えば、広告枠に関する情報の管理や、広告装置100から配信される広告コンテンツを劇場で上映するための処理等を行う。
【0026】
広告装置100は、広告コンテンツを劇場に配信するサーバ装置である。
図1を用いて説明したように、広告装置100は、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の販売サービスを劇場端末20に提供する処理や、動員数に基づいて広告料金を算定する処理を行う。
【0027】
なお、上述した広告主端末10や劇場端末20は、例えば、デスクトップ型PC(Personal Computer)や、ノート型PCや、タブレット型端末や、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。
【0028】
〔3.広告装置の構成〕
次に、
図3を用いて、実施形態に係る広告装置100の構成について説明する。
図3は、実施形態に係る広告装置100の構成例を示す図である。
図3に示すように、広告装置100は、通信部110と、広告枠記憶部121と、広告コンテンツ記憶部122と、制御部130とを有する。なお、広告装置100は、広告装置100を利用する管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
【0029】
〔3−1.通信部〕
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。かかる通信部110は、ネットワークNと有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、広告主端末10や劇場端末20との間で情報の送受信を行う。
【0030】
〔3−2.記憶部〕
広告枠記憶部121及び広告コンテンツ記憶部122は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。
【0031】
〔3−3.広告枠記憶部〕
広告枠記憶部121は、広告枠に関する情報を記憶する。ここで、
図4に、実施形態に係る広告枠記憶部121の一例を示す。
図4に示した例では、広告枠記憶部121は、「劇場」、「本編コンテンツ」、「配信日程」、「広告枠ID」、「配信時間」、「劇場動員単価」、「課金動員単価」といった項目を有する。
【0032】
「劇場」は、広告コンテンツが配信される劇場の名称を示す。例えば、劇場「TH1」と劇場「TH2」は異なる劇場名を示し、集客力や客層が異なることがある。このため、同じ映画に組み込まれる広告枠であっても、劇場動員単価や課金動員単価が異なることがある。
【0033】
「本編コンテンツ」は、劇場で上映される映画(コンテンツの一例)のタイトルを示す。例えば、本編コンテンツ「M1」と本編コンテンツ「M2」とは異なる本編コンテンツを示し、集客力や客層が異なることがある。このため、同じ劇場で上映される映画に組み込まれる広告枠であっても、動員単価や課金動員単価が異なることがある。
【0034】
「配信日程」は、劇場において広告コンテンツが配信される日時を示す。ここで配信とは、ネットワークを通じて広告コンテンツが配信されることのみならず、広告コンテンツが劇場で上映されることにより、観客に広告コンテンツが視聴されることを含む概念である。
図4に示した例では、配信日程を広告配信の開始時刻として、広告枠順に、劇場にて広告が配信される。
【0035】
「広告枠ID」は、広告主が購入する広告枠を識別するための識別情報を示す。例えば、広告主は、広告装置100に対し、広告枠ID「C11」によって識別される広告枠について広告コンテンツを組み込む権利の購入を要求することができる。なお、以下では、
図4に示した広告枠IDに記憶されている識別情報を広告枠の参照符号として用いる場合がある。例えば、以下では、広告枠ID「C11」によって識別される広告枠を「広告枠C11」と表記する場合がある。
【0036】
「配信時間」は、劇場で広告コンテンツを配信する時間長を示す。
図4の例では、配信時間の単位は秒とする。例えば、広告枠C11には、配信時間として15秒が割り当てられていることを示す。
【0037】
「劇場動員単価」は、広告装置100の管理者等が劇場に支払う広告枠利用料を算定するための単価を示す。劇場動員単価は、例えば、劇場や本編コンテンツなどに応じて、広告装置100の管理者と劇場管理者とで取り決められる。
【0038】
「課金動員単価」は、広告配信に関して広告主が支払う広告料を算定するための単価を示す。例えば、課金動員単価は、広告装置100によって所定の額が設定される。具体的には、後述する取得部131は、原則として劇場動員単価よりも所定額だけ高い金額を課金動員単価として求め、課金動員単価を設定する。しかし、取得部131は、上記の設定手法に限られず、課金動員単価を設定することもできる。すなわち、課金動員単価は、劇場動員単価よりも常に高い値段に設定されるとは限られない。
【0039】
すなわち、
図4では、広告枠C11が、劇場「TH1」で上映される本編コンテンツ「M1」に組み込まれる広告枠である例を示している。このとき、広告枠C11に対応する広告コンテンツは、「2014年1月10日9時00分00秒」から15秒間だけ上映される。また、
図4では、広告枠C11に対応する劇場動員単価が「100円」であり、課金動員単価が「120円」であることを示している。
【0040】
〔3−4.広告コンテンツ記憶部〕
広告コンテンツ記憶部122は、広告主端末10から入稿された広告コンテンツの情報を記憶する。ここで、
図5に、実施形態に係る広告コンテンツ記憶部122の一例を示す。
図5に示した例では、広告コンテンツ記憶部122は、「広告主ID」、「広告枠ID」、「広告データID」、「動員数」、「広告枠利用料」、「広告料」といった項目を有する。
【0041】
「広告主ID」は、広告主又は広告主端末10を識別するための識別情報を示す。また、「広告枠ID」は、
図4に示した広告枠IDに対応する。
【0042】
「広告データID」は、広告主から広告装置100に入稿された広告コンテンツを識別するための識別情報を示す。ここで、実際に劇場に配信される広告コンテンツは、広告装置100の広告コンテンツ記憶部122に記憶されてもよいし、広告装置100とは別に備えられた広告配信サーバに記憶されてもよい。この場合、広告装置100は、広告コンテンツ記憶部122に記憶された広告データIDに基づいて、外部の広告配信サーバに記憶された広告コンテンツを特定する。そして、広告装置100は、広告配信サーバに対して、特定された広告コンテンツを劇場に対して配信するよう制御する。
【0043】
「動員数」は、劇場の観客の人数を示す。動員数は、広告枠IDに対応付けられた本編コンテンツの上映の際に、劇場で測定される。
【0044】
「広告枠利用料」は、映画の広告枠に広告コンテンツを組み込む対価として、広告装置100の管理者が劇場管理者に対して支払う金額を示す。この広告枠利用料は、広告枠IDに対応付けられる劇場動員単価に動員数を乗じて求められる。「広告料」は、劇場で広告コンテンツが上映される対価として、広告装置100の管理者が広告主に課金する金額を示す。この広告料は、広告枠IDに対応付けられる課金動員単価に動員数を乗じて求められる。
【0045】
すなわち、
図5では、広告主ID「CL11」によって識別される広告主が、広告枠「C11」に組み込む広告データID「A11」によって識別される広告コンテンツを入稿している例を示している。このとき、広告枠「C11」に対応付けられる劇場での動員数は「150人」であり、広告枠利用料として「15000円」が算定され、広告料として「18000円」が算定されることを示す。
【0046】
〔3−5.制御部〕
制御部130は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、広告装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(提供プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
【0047】
図3に示すように、制御部130は、取得部131と、提供部132と、受付部133と、配信部134と、算定部135とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、制御部130が有する各処理部の接続関係は、
図3に示した接続関係に限られず、他の接続関係であってもよい。
【0048】
〔3−6.取得部〕
取得部131は、広告装置100の管理者により入力される広告枠に関する情報を取得し、かかる情報を広告枠記憶部121に記憶させる。具体的には、取得部131は、広告枠に関する情報として、「劇場」、「本編コンテンツ」、「配信日程」、「広告枠ID」、「劇場動員単価」、「課金動員単価」等の情報を広告枠記憶部121に記憶させる。
【0049】
なお、取得部131は、劇場動員単価よりも所定額だけ高い金額を課金動員単価として求め、求めた課金動員単価を広告枠記憶部121に記憶させてもよい。ただし、この例に限られず、取得部131は、広告装置100の管理者により入力される課金動員単価を取得し、取得した課金動員単価を広告枠記憶部121に記憶させてもよい。
【0050】
また、取得部131は、広告枠記憶部121に既に記憶されている広告枠に関する情報を更新することもできる。例えば、広告枠の組み込まれた映画が別のタイトルに差し替わる場合、劇場管理者は、劇場端末20に、広告枠に関する情報における「本編コンテンツ」項目の変更を入力する。この場合、取得部131は、劇場端末20から新たな情報を取得し、広告枠記憶部121に記憶されている情報を更新する。
【0051】
〔3−7.提供部〕
提供部132は、劇場で上映される映画とともに提供される広告コンテンツの広告料金にかかる情報を提示し、劇場で広告コンテンツが提供される権利の販売サービスを提供する。具体的には、提供部132は、広告主端末10に対して、映画に設けられる広告枠に組み込まれる広告コンテンツの広告料金として、劇場における所定の動員数毎に決められている広告料金の単価である課金動員単価を提示する。さらに、提供部132は、広告主端末10に対して、販売情報として、施設に関する施設情報や、施設で上映される映画に関するコンテンツ情報をさらに提示する。例えば、提供部132は、施設情報として、劇場が所在する地域や、劇場で映画が上映される時間に関する情報を提示する。また、例えば、提供部132は、コンテンツ情報として、映画の題名又は内容に関する情報を提示する。これらの施設情報及びコンテンツ情報は、広告枠記憶部121に記憶されている「広告枠ID」毎の「劇場」、「本編コンテンツ」、「配信日程」、「配信時間」などに対応する。ここで、
図4では図示することを省略したが、広告枠記憶部121は、劇場が所在する地域などを記憶してもよい。
【0052】
これにより、提供部132によって提供される販売サービスを利用する広告主は、劇場や、劇場で映画や広告コンテンツが上映される時間帯や、広告コンテンツが組み込まれる広告枠の位置を選択した上で、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利を購入することができる。
【0053】
なお、提供部132は、例えば、広告主端末10からネットワークNを介して、販売サービスの利用要求を受け付けた場合に、販売情報とともに販売サービスを提供する。例えば、広告装置100がウェブサーバである場合、提供部132は、広告主端末10からHTTPリクエストを受け付けた場合に、上述した各種販売情報が掲載されたウェブページであって、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利を購入するためのウェブページを広告主端末10へ提供する。
【0054】
また、提供部132は、劇場で映画が初めて上映される前に販売サービスを提供するだけでなく、劇場で映画が初めて上映された後にも販売サービスを提供してもよい。具体的には、劇場で映画が初めて上映される前に、映画に組み込まれる広告枠がすべて広告主に購入されるとは限らない。この場合、提供部132は、劇場で映画が上映された後であっても販売サービスを提供してもよい。
【0055】
〔3−8.受付部〕
受付部133は、広告主端末10から、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の購入要求や、広告コンテンツの入稿を受け付ける。具体的には、受付部133は、提供部132によって提供される販売サービスを利用する広告主端末10から、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の購入要求を受け付ける。例えば、受付部133は、提供部132によって広告主端末10に提供されるウェブページ上で、広告主によって購入操作が行われた場合に、広告主端末10から購入要求を受け付ける。このとき、受付部133は、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の購入者である広告主を決定する。例えば、受付部133は、かかる権利について最先の購入要求を送信した広告主を購入者として決定する。そして、受付部133は、購入者を決定した後に、購入者である広告主の広告主IDと広告枠IDとを対応付けて広告コンテンツ記憶部122に記憶する。
【0056】
次に、受付部133は、購入者である広告主の広告主端末10から、広告コンテンツの入稿を受け付ける。そして、受付部133は、購入者の広告枠IDに対応付けて、広告コンテンツを識別するための広告データIDを広告コンテンツ記憶部122に記憶する。なお、広告装置100は、受付部133によって受け付けられた広告コンテンツを所定の記憶部に記憶する。
【0057】
また、受付部133は、劇場(例えば、劇場端末20)から、劇場の観客の人数である動員数を受け付ける。この場合、受付部133は、かかる劇場で上映される映画に組み込まれる広告枠IDに対応付けて、劇場から受け付けた実際の動員数を広告コンテンツ記憶部122に記憶する。
【0058】
なお、劇場(例えば、劇場端末20)は、チケットを販売する販売端末から得られる情報に基づいて、動員数を求めることができる。ただし、この例に限られず、劇場には、例えば、劇場に実際に来場した観客の情報を取得するための観客情報取得装置が設けられる。この観客情報取得装置は、例えば、カメラ、アクセスポイントなどの少なくとも一つ以上の機器に該当する。観客情報取得装置にカメラが含まれる場合には、このカメラは、例えば、劇場内を撮像する。これにより、劇場端末20は、観客情報取得装置により撮像された画像から動員数を求めることができる。また、観客情報取得装置にアクセスポイントが含まれる場合には、このアクセスポイントは、Wifi(Wireless Fidelity)などの無線通信により、個々の観客が保持する携帯端末と通信する。これにより、劇場端末20は、観客情報取得装置と通信された携帯端末の台数を係数することで動員数を求めることができる。
【0059】
〔3−9.配信部〕
配信部134は、広告コンテンツ記憶部122に記憶された広告コンテンツを劇場端末20に配信する。具体的には、配信部134は、広告コンテンツ記憶部122に記憶された広告枠に対応付けられた動画像などの広告コンテンツを、劇場で広告コンテンツが配信される所定の時刻前に、通信部110を介して、劇場端末20に配信する。
【0060】
〔3−10.算定部〕
算定部135は、動員数と課金動員単価とに基づいて、販売サービスにおいて権利を購入した広告主に請求する広告料を算定する。また、算定部135は、動員数と劇場動員単価とに基づいて、広告配信について劇場への対価としての広告枠利用料を算定する。具体的には、算定部135は、広告枠記憶部121に記憶される「課金動員単価」と、広告コンテンツ記憶部122に記憶される実際の「動員数」とを乗じることにより、「広告料」を算定する。また、算定部135は、広告枠記憶部121に記憶される「劇場動員単価」と、広告コンテンツ記憶部122に記憶される実際の「動員数」とを乗じることにより、「広告枠利用料」を算定する。
【0061】
算定部135による処理について、
図4及び
図5に示した例を用いて説明する。
図5では、広告主ID「CL11」によって識別される広告主が、広告枠ID「C11」に組み込む広告データID「A11」の広告コンテンツを配信する例を示している。ここで、算定部135は、広告枠記憶部121を参照し、広告枠ID「C11」に対応付けられた「劇場動員単価」と「課金動員単価」の情報を取得する。
図4に示すように、算定部135は、「劇場動員単価」として「100円」の情報を取得する。また、算定部135は、「課金動員単価」として「120円」の情報を取得する。そして、算定部135は、
図5に示すように、広告枠ID「C11」に対応付けられた「動員数」として「150人」の情報を取得する。これらの情報を用いて、算定部135は、広告枠利用料として「15000円」を算定する。また、算定部135は、広告料として「18000円」を算定する。
【0062】
同様に、
図5に示すように、広告主ID「CL21」によって識別される広告主が、広告枠ID「C21」に組み込む広告データID「A21」の広告コンテンツを配信する例において、算出部135は、広告枠利用料として「10800円」を算定する。また、算定部135は、広告料として「13200円」を算定する。広告主ID「CL31」によって識別される広告主が、広告枠ID「C31」に組み込む広告データID「A31」の広告コンテンツを配信する例において、算出部135は、広告枠利用料として「7200円」を算定する。また、算定部135は、広告料として「9000円」を算定する。算定部135は、「広告枠利用料」と、「広告料」とを、広告コンテンツ記憶部122へ記憶する。
【0063】
〔4.算定処理手順〕
次に、
図6〜
図8を用いて、実施形態に係る広告装置100による算定処理の手順について説明する。
図6〜
図8は、広告装置100による算定処理の手順を示すフローチャートである。以下においては、
図6を参照して広告装置100による販売サービスの提供処理を説明し、
図7を参照して広告装置100による劇場への広告コンテンツ配信処理を説明し、
図8を参照して広告装置100による広告配信にかかる料金の算定処理を説明する。
【0064】
まず、
図6を用いて、実施形態に係る広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の提供処理について説明する。
図6は、実施形態に係る広告装置100による販売サービスの提供処理手順を示すフローチャートである。
【0065】
図6に示すように、提供部132は、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の販売に関する販売情報に関して、広告主からアクセスがあったか否かを判定する(ステップS101)。そして、取得部131は、広告主からアクセスのない場合(ステップS101;No)、広告主からアクセスのあるまで待機する。
【0066】
一方、広告主からアクセスのあった場合(ステップS101;Yes)、提供部132は広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の販売に関する販売情報を、広告主に提供する(ステップS102)。
【0067】
受付部133は、広告主から、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の取得についての要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS103)。そして、受付部133は、要求を受け付けていない場合(ステップS103;No)、要求を受け付けるまで待機する。
【0068】
一方、受付部133が広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の取得について要求を受け付けた場合(ステップS103;Yes)、受付部133は、要求に基づいて広告枠に広告コンテンツを組み込む権利を取得する広告主を決定する(ステップS104)。そして、受付部133は、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利を取得した広告主について、広告枠と広告主に関する情報を対応付けて、広告コンテンツ記憶部122に記憶する(ステップS105)。以上により、広告装置100による、広告主に対する広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の提供処理は完了する。
【0069】
次に、
図7を用いて、実施形態に係る劇場への広告コンテンツ配信処理について説明する。
図7は、実施形態に係る広告装置100による広告コンテンツ配信処理手順を示すフローチャートである。
【0070】
図7に示すように、受付部133は、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利を取得した広告主から、かかる広告枠にて配信する広告コンテンツについての入稿を受け付けたか否かを判定する(ステップS201)。そして、受付部133は、入稿を受け付けていない場合(ステップS201;No)、入稿を受け付けるまで待機する。
【0071】
一方、受付部133によって、かかる入稿が受け付けられた場合(ステップS201;Yes)、受付部133は、広告枠と広告コンテンツを対応付けて、広告コンテンツ記憶部122に記憶する(ステップS202)。
【0072】
その後、配信部134は、劇場へ広告配信する時刻を経過したか否かを判定する(ステップS203)。そして、配信部134は、劇場へ広告配信する時刻を経過していない場合(ステップS203;No)、劇場へ広告配信する時刻を経過するまで待機する。
【0073】
一方、配信部134によって、劇場へ広告配信する時刻を経過したと判定された場合(ステップS203;Yes)、配信部134は、広告枠に配信する広告コンテンツを確定する(ステップS204)。そして、配信部134は、広告コンテンツを、劇場端末20に配信する(ステップS205)。以上により、広告装置100による、劇場への広告コンテンツ配信処理は完了する。
【0074】
次に、
図8を用いて、実施形態に係る広告配信にかかる料金の算定処理について説明する。
図8は、実施形態に係る広告装置100による算定処理手順を示すフローチャートである。
【0075】
図8に示すように、算定部135は、広告配信時における動員数を劇場から取得したか否かを判定する(ステップS301)。そして、算定部135は、動員数を劇場から取得していない場合(ステップS301;No)、動員数を取得するまで待機する。
【0076】
一方、算定部135によって、かかる動員数が劇場から取得されたと判定された場合(ステップS301;Yes)、算定部135は、広告枠と動員数とを対応付けて、広告コンテンツ記憶部122に記憶する(ステップS302)。
【0077】
その後、算定部135は、動員数に基づいて、広告枠利用料と、広告料とを算定する(ステップS303)。そして、算定部135は、算定された広告枠利用料を劇場に通知する(ステップS304)。また、算定部135は、算定された広告料を広告主に通知する(ステップS305)。なお、ステップS304にかかる通知と、ステップS305にかかる通知は、どちらが先になされてもよい。以上により、広告装置100による、広告配信にかかる料金の算定処理は完了する。
【0078】
〔5.変形例〕
上述した広告装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、広告装置100の他の実施形態について説明する。
【0079】
〔5−1.前課金〕
上記の実施形態では、広告装置100が、実際の動員数に応じて広告料を算定し、算定した広告料を広告主に通知する例を示した。すなわち、上記の実施形態では、実際の動員数が決定した後に、広告主に広告料を課金する後課金を例に挙げて説明した。しかし、この例に限られず、上述した広告装置100は、実際の動員数が決定する前に、広告主に広告料を課金する前課金にも適用することができる。
【0080】
具体的には、算定部135は、劇場における動員数の予測数(以下、「予測動員数」と表記する)を求める。予測動員数を求めるための指標は様々な例が考えられる。例えば、算定部135は、劇場における動員数の前年度実績値や、広告枠が組み込まれる映画の人気や前評判や、他の国での先行上映の動員数などに基づいて、予測動員数を求める。また、算定部135は、SNSでのコンテンツに関する投稿数、コンテンツに関するWeb検索による検索数、又は、新聞や雑誌、テレビなどのメディアにより紹介された回数等についてネットワークNを介して取得し、かかる数を指標として予測動員数を求めることもできる。さらに、算定部135は、映画のカテゴリやキャストなど各種情報と過去の動員数の実績との関係を参照することにより、予測動員数を求めてもよい。なお、算定部135は、予測動員数を映画の封切り後に変動させてもよい。例えば、算定部135は、映画封切り直後の動員数や、動員数の伸び率などを指標として、先の上映の予測動員数を求めてもよい。また、予測動員数は、算定部135に限られず、劇場(例えば、劇場端末20)によって、動員数の前年度実績値や映画の人気や前評判などに基づいて求められてもよい。
【0081】
そして、提供部132は、販売サービスを提供する場合に、販売情報として「動員単価」とともに算定部135によって求められた「予測動員数」を提示する。そして、算定部135は、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の購入者である広告主が決定した場合に、予測動員数と動員単価とに基づいて、広告主に請求する広告料を予め算定する。この場合、広告装置100の管理者は、購入者である広告主に広告料を予め課金することができるため、広告配信前に広告料を請求することができる。なお、広告装置100の管理者と広告主は、広告配信後に広告料を請求するよう取り決めてもよい。
【0082】
これにより、変形例に係る広告装置100は、容易に広告料金を算定することができるとともに、実際の動員数に関する情報を取得する前に、迅速に算定処理をすることができる。また、広告主にとっては、実際の動員数によって広告料が変化しないため、予め決められた広告料で広告コンテンツを上映させることができる。
【0083】
〔5−2.劇場との取り決め〕
上記の実施形態では、広告装置100の管理者と劇場管理者とが劇場動員単価を取り決めたうえで、広告装置100が、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の販売サービスを提供する例を示した。しかし、広告装置100は、上記実施形態の手法に限られず、異なる手法を用いて広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の販売サービスを広告主に提供してもよい。具体的には、広告装置100の管理者と劇場管理者とは、劇場動員単価ではなく、固定の広告枠利用料を取り決めてもよい。すなわち、
図1等の例では、広告装置100の管理者が劇場管理者に支払う広告枠利用料が動員数に応じて変動する例を示したが、この広告枠利用料については固定額であってもよい。この点について
図9を用いて説明する。
【0084】
図9は、変形例に係る算定処理の一例を示す図である。なお、実施形態で説明した内容と重複するものについては、説明を省略する。
図9に示すように、広告装置100の管理者と劇場管理者は、広告枠の提供について取り決める(ステップS21)。
【0085】
具体的には、劇場管理者は、劇場動員単価ではなく、固定の広告枠利用料を取り決めることにより、広告枠を広告装置100の管理者に提供する。広告装置100の管理者は、広告枠に関する情報として、取り決められた固定の広告枠利用料を広告装置100に入力する。
【0086】
そして、広告装置100は、
図9に示すように、ステップS22以降の処理を行う。なお、広告装置100は、ステップS22〜S27について、
図1に示すステップS12〜S17に対応する処理を行う。また、広告装置100は、動員数から広告枠利用料を算定する処理(
図1に示すステップS18の一部に対応)、及び、劇場に広告枠利用料を通知する処理(
図1に示すステップS19)を省略することができる。
【0087】
そして、広告装置100は、
図9に示すように、動員数から広告料を算定する処理(ステップS28)、及び、広告主に広告料を通知する処理を行う(ステップS29)。なお、
図9に示すステップS28は、
図1に示すステップS18の一部と対応する。また、
図9に示すステップS29は、
図1に示すステップS20と対応する。
【0088】
これにより、変形例に係る広告装置100は、迅速に算定処理をすることができる。また、劇場管理者は、実際の動員数によって広告枠利用料が変化しないため、取り決められた広告枠利用料を確実に得ることができる。さらに、劇場管理者は、取り決めにより広告枠を固定額で広告装置100の管理者に提供することで、広告枠利用料の変動リスクを軽減させることもできる。
【0089】
〔5−3.動員単価の設定単位〕
上記の実施形態では、
図4に示した例にように、同一の劇場かつ同一の本編コンテンツに対しては、同一の課金動員単価が設定される例を示した。すなわち、上記の実施形態では、劇場及び本編コンテンツが同一であれば、全ての広告枠に対応する課金動員単価が同一である例を示した。しかし、広告装置100は、劇場及び本編コンテンツが同一であっても、広告枠毎に異なる課金動員単価を設定してもよい。この点について、
図10及び
図11を用いて説明する。
【0090】
図10は、変形例に係る広告枠記憶部121の一例を示す図である。なお、
図10では、劇場動員単価を図示することを省略したが、
図10に示した広告枠記憶部121も
図4の例と同様に劇場動員単価を記憶する。
図10に示すように、変形例に係る広告枠記憶部121には、配信日程T11であって本編コンテンツM3に組み込まれる9つの広告枠C41〜C49が記憶される。ここで、広告枠C41〜C49には、取得部131により段階的に高い課金動員単価が与えられる。これについて、
図11を用いて説明する。
図11は、広告枠の課金体系の一例を示す図である。
【0091】
図11に示すように、広告枠C41〜C49は、本編コンテンツM3に組み込まれる広告枠である。広告枠C41には、配信日程T11が設定されている。広告枠C42〜C49は、広告枠C41の配信日程T11から、それぞれの広告枠C41〜C48に設定された配信時間を空けて、配信時刻T12〜T19が定まる。本編コンテンツは、配信時刻T21より配信開始されるものとする。
【0092】
ここで、広告枠の課金動員単価は、本編コンテンツに近い時間に配信されるものほど、より高い金額が設定される。これは、本編コンテンツに近い時間ほど、来場者の着席率が高く、配信される広告コンテンツが閲覧される可能性が高いことから、広告効果も高くなることが想定されることより導出される。すなわち、
図11に示すように、時間軸T上において、配信時刻T11〜T19が本編コンテンツの配信時刻T21に近づくほど、広告枠に与えられる課金動員単価を高くなることにより、より広告効果に応じた課金体系が実現される。
【0093】
上記のように、広告枠にかかる課金動員単価の更新処理は、取得部131が、劇場から取得した広告枠に設定された情報に基づいて自動に行ってもよいし、広告装置100の管理者が手動で行ってもよい。
【0094】
上記のように、変形例に係る広告装置100は、より広告効果に応じた課金体系を実現するような広告枠の情報を取得することができる。これにより、変形例に係る広告装置100は、より広告効果に応じた課金体系を実現するような広告枠を広告主に提供することができる。
【0095】
なお、
図10及び
図11の例では、広告枠毎に異なる課金動員単価が設定される例を示したが、広告枠毎に異なる劇場動員単価が設定されてもよい。
【0096】
〔5−4.評判〕
また、上記実施形態において、広告装置100は、映画の評判に応じて、かかる映画に組み込まれる広告枠に対応する課金動員単価を決定してもよい。具体的には、広告装置100は、検索エンジンサーバや、SNS(Social Networking Service)サーバ等から得られる各種情報に基づいて、上映前の映画の評判を判定する。そして、広告装置100は、判定結果に基づき、かかる映画に組み込まれる広告枠に対応する課金動員単価を設定する。
【0097】
例えば、広告装置100は、検索エンジンサーバにアクセスすることで、上映前の映画に関する検索クエリの数を取得する。また、例えば、広告装置100は、SNSサーバにアクセスすることで、上映前の映画に関する投稿記事の数を取得する。例えば、広告装置100は、検索クエリの数や投稿記事の数が多いほど、評判の高い映画であると判定する。そして、広告装置100は、評判の高い映画であるほど、かかる映画に組み込まれる広告枠に対応する課金動員単価を高く設定する。
【0098】
これにより、広告装置100は、時事に応じて適切な課金動員単価の設定される広告枠を広告主に提供することができる。
【0099】
なお、広告装置100は、販売サービスを提供しながら、映画の評判に応じて課金動員単価を高く設定する処理を動的に行ってもよい。すなわち、映画の評判に応じて課金動員単価が変動する販売サービスを提供してもよい。
【0100】
〔5−5.オークション〕
上記の実施形態において、広告装置100は、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利をオークション形式により販売する販売サービスを提供してもよい。この点について
図12を用いて説明する。
図12は、変形例に係る広告枠記憶部121の一例を示す図である。
図12に示した例では、変形例に係る広告枠記憶部121は、「最低入札課金動員単価」、「終了時刻」という項目を有する。
【0101】
広告主は、所望する広告枠に対して、課金動員単価を自ら指定し、受付部133に、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の購入要求を送信する。このとき、広告主は、「最低入札課金動員単価」を下回らない額の課金動員単価を指定する。受付部133は、「終了時刻」が経過するまで、かかる広告枠に関する入札を受け付ける。受付部133は、「終了時刻」が経過した時点で、最も高い課金動員単価を指定した広告主を広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の購入者として決定する。
【0102】
上記のように、広告主は、他の広告主よりも高い課金動員単価を指定することにより、所望する広告枠に広告コンテンツを組み込む権利を取得することができる。これにより、広告装置100は、広告主の目的に応じた広告枠に広告コンテンツを組み込む権利にかかる取得要求の受付処理を行うことができる。
【0103】
〔5−6.客層〕
上記の実施形態において、広告装置100は、劇場における観客の属性(例えば、性別、年齢層など)に応じて変動する課金動員単価を設定してもよい。具体的には、上映される映画によっては、観客の客層(例えば、男女比)に偏りができる場合がありうる。このような場合、観客の客層に応じて、広告コンテンツの広告効果が変動することが想定される。例えば、観客がほぼ全て男性である状況で「化粧品」の広告コンテンツが上映された場合と、観客がほぼ全て女性である状況で「化粧品」の広告コンテンツが上映された場合とでは、同じ動員数であったとしても、後者の方がより広告効果が発揮されたと考えることができる。
【0104】
そこで、広告装置100は、劇場における観客の属性に応じて変動する課金動員単価を設定する。この場合、提供部132は、劇場における観客の属性に応じて変動する課金動員単価を提示するとともに、上述してきた販売サービスを提供する。そして、算定部135は、劇場における実際の動員数と、劇場における観客の属性に対応する課金動員単価とに基づいて、広告主に請求する広告料を算定する。この点について
図13及び
図14を用いて説明する。
【0105】
図13は、広告カテゴリ記憶部の一例を示す図である。ここで、広告カテゴリ記憶部は、広告装置100に記憶されているものとする。
図13に示した例では、広告カテゴリ記憶部は、「カテゴリID」、「広告カテゴリ」、「男性課金割合」、「女性課金割合」といった項目を有する。
【0106】
「カテゴリID」は、広告カテゴリについての識別情報を示す。例えば、広告主は、広告枠に広告コンテンツを入稿するときなどに、適した広告カテゴリを広告コンテンツに付与するため、広告コンテンツにカテゴリIDを設定し、広告コンテンツを入稿することもできる。また、受付部133は、広告コンテンツの内容から、広告カテゴリを判定し、自動で広告コンテンツにカテゴリIDを付与してもよい。
【0107】
「広告カテゴリ」は、広告コンテンツの配信内容について、いずれのカテゴリに属するものかを示す。例えば、
図12に示すように、「広告カテゴリ」には、「化粧品」、「自動車」、「家電」等といったカテゴリが含まれる。
【0108】
「男性課金割合」及び「女性課金割合」は、広告枠に設定される課金動員単価を乗じることにより、性別ごとの課金動員単価を導出する割合を示す。「男性課金割合」及び「女性課金割合」は、広告カテゴリに対応して、それぞれ予め設定されているものとする。
【0109】
変形例に係る受付部133は、広告コンテンツの入稿に際し、広告コンテンツと、広告カテゴリIDを対応付けて受け付ける。
図14は、変形例に係る受付部133が広告コンテンツの入稿を受け付けた後の、変形例に係る広告コンテンツ記憶部122の一例を示す。
図14に示した例では、広告コンテンツ記憶部122は、「広告カテゴリID」、「男性課金動員単価」、「女性課金動員単価」、「男性動員数」、「女性動員数」といった項目を有する。
【0110】
「広告カテゴリID」は、前述の広告カテゴリ記憶部に記憶された値と同様のものを示す。また、「男性課金動員単価」及び「女性課金動員単価」は、広告カテゴリ記憶部の項目である男性課金割合と女性課金割合について、それぞれ広告枠にかかる課金動員単価を乗じて導出される値を示す。「男性動員数」、「女性動員数」は、男女別に、劇場で測定される動員数を示す。
【0111】
この場合、算定部135は、客層に応じて広告枠に設定された新たな動員単価に基づいて広告料を算定する。具体的には、算定部135は、男性課金動員単価と男性動員数を乗じた値と、女性課金動員単価と女性動員数を乗じた値との和を、広告料として算定する。
【0112】
また、上記変形例では、客層別の課金動員単価の設定として性別を例示したが、客層の区分けはこれに限られない。例えば、受付部133は、来場者の年齢などによって客層が区分けされるように、広告コンテンツの入稿を受け付けてもよい。
【0113】
上記のように、客層別に課金動員単価を変化させることにより、変形例に係る広告装置100は、ターゲティングのなされた広告について、適切な広告料が算定されるように広告コンテンツの入稿を受け付けることができる。
【0114】
なお、上記例において、劇場(例えば、劇場端末20)は、上述した観客情報取得装置により観客の属性を取得することができる。例えば、観客情報取得装置にカメラが含まれる場合には、このカメラは、例えば、劇場内に設けられた座席に座った観客の顔の画像が撮像可能な位置に設けられ、個々の観客の顔の画像を撮像して取得し、取得した観客の顔の画像から観客の属性を取得する。また、観客情報取得装置にアクセスポイントが含まれる場合には、このアクセスポイントは、Wifiなどの無線通信により、個々の観客が保持する携帯端末から送信された観客IDを取得し、取得した観客IDに紐づけられる個人情報を観客の属性として取得する。この例の場合、劇場端末20や、劇場端末20がアクセス可能な所定のサーバ装置は、観客IDに対応付けて観客の属性情報を記憶するものとする。また、観客情報取得装置に網膜スキャナ装置が含まれる場合には、この網膜スキャナ装置は、個々の観客が利用可能な劇場内の位置に設けられ、個々の観客の網膜のスキャン結果を観客の属性として取得する。
【0115】
〔5−7.動員単価〕
上記の実施形態では、広告枠の時間長(すなわち、1つの広告コンテンツが上映される時間長)が15秒である例を示した。しかし、広告主によっては、15秒以上(例えば、30秒)の広告コンテンツを入稿する場合もある。すなわち、広告主によっては、複数の広告枠を購入する場合もある。ここで、上記実施形態では、劇場動員単価や課金動員単価が広告コンテンツの時間長「15秒」である場合の料金を示すので、算定部135は、広告コンテンツの時間長に応じて、広告枠利用料や広告料を算定する。例えば、時間長が15秒である広告枠が広告主によって2個購入され、かかる広告主によって30秒の広告コンテンツが入稿されたものとする。そして、広告コンテンツの時間長「15秒」に対応する課金動員単価が「120円」であったものとする。この場合、算定部135は、課金動員単価を「240円」として、30秒の広告コンテンツにかかる広告料を算定する。
【0116】
なお、上記の実施形態では、劇場動員単価や課金動員単価が、広告コンテンツが上映された回数が「1回」であり、かつ、広告コンテンツが上映された際の観客数が「1人」であり、広告コンテンツが上映される時間長が所定値(ここでは、15秒)である場合の料金を示す例を示した。しかし、劇場動員単価や課金動員単価は、広告コンテンツが上映された回数が所定回数(例えば、2回や3回)であり、かつ、広告コンテンツが上映された際の観客数が所定数(例えば、2人や3人)であり、広告コンテンツが上映される時間長が所定値(例えば、30秒)である場合の料金であってもよい。
【0117】
また、上記の実施形態では、広告枠の時間長が所定値(上記例では、15秒)で固定となっている例を示した。しかし、この例に限られず、広告装置100は、広告枠の時間長については任意の値としてもよい。具体的には、広告装置100は、広告主から入稿された広告コンテンツの時間長を広告枠の時間長としてもよい。すなわち、広告枠の時間長は、劇場によって決定されるのではなく、広告主によって決定されてもよい。この場合、算定部135は、広告コンテンツの時間長に応じて、上記例のように劇場動員単価や課金動員単価を変動させる。例えば、広告コンテンツの時間長「15秒」に対応する課金動員単価が「120円」であったものとする。ここで、広告コンテンツの時間長が「20秒」である広告コンテンツの入稿を受け付けた場合、算定部135は、課金動員単価を「160円」として、20秒の広告コンテンツにかかる広告料を算定する。また、この場合、映画に組み込まれる広告枠の全体の長さが決められているわけではないので、提供部132は、劇場で映画が初めて上映された後にも販売サービスを随時提供してもよい。
【0118】
さらに、劇場動員単価や課金動員単価のような広告料金の単価は、人数ではなく、劇場の定員に占める動員数の割合をもとに設定されてもよい。例えば、広告装置100は、劇場の定員に対し5割以上の動員数に達した上映について広告料金を課金すると定めてもよい。この場合、広告装置100は、予め設定された上映数ごとの単価である、上映単価を用いて広告料金を算定する。具体的には、広告装置100は、劇場の定員に対し5割以上の動員数に達した上映数と、上映単価とを乗算し、広告料及び広告枠利用料を算定する。なお、この場合、提供部132は、広告主に提示する動員単価に基づく情報として、上映単価を提示する。
【0119】
〔5−8.広告コンテンツの配信〕
また、上記の実施形態では、広告装置100の配信部134が、劇場での上映開始時刻前に広告コンテンツを劇場端末20に配信する例を示した。しかし、劇場端末20は、映画を上映する際に、リアルタイムに広告コンテンツを広告装置100から取得してもよい。具体的には、劇場端末20は、予め広告枠に対応する広告データIDを広告装置100から取得しておき、実際に広告コンテンツを上映するタイミングになった場合に、広告データIDを広告装置100に送信することで、広告装置100から広告コンテンツを取得し、取得した広告コンテンツを上映してもよい。すなわち、劇場端末20は、実際に広告コンテンツが劇場で上映される時間に、広告コンテンツを取得しつつ、広告コンテンツを上映することができる。これにより、広告装置100は、劇場の状況に応じた広告配信や、ネットワークを介したストリーミングによる広告配信などを実現できる。
【0120】
また、劇場端末20は、予め広告枠に対応する広告データIDに基づく広告コンテンツを取得せずに、広告配信に関するリクエストだけを広告装置100に送ることもできる。この場合、広告装置100は、かかるリクエストを受信し、リクエストに対応するような広告コンテンツを選択する。そして、広告装置100は、選択した広告コンテンツを劇場端末20へ配信する。劇場端末20が送信するリクエストには、希望する広告コンテンツの秒数などが含まれる。この場合、広告装置100は、リクエストに含まれる秒数に対応する広告コンテンツを劇場端末20に配信する。また、劇場に上述の観客情報取得装置が備えられている場合、劇場端末20は、取得した観客情報をリクエストに含めることもできる。ここで、観客情報とは、例えば、性別や年齢など観客の属性を示す情報である。この場合、広告装置100は、リクエストに含まれる観客情報に対応する広告コンテンツを劇場端末20に配信する。より具体的に説明すると、広告主は、広告装置100に対して、広告コンテンツとともに、かかる広告コンテンツの配信対象とする観客情報を入稿することができる。そして、広告装置100は、観客情報を含むリクエストを劇場端末20から受信した場合には、受信した観客情報を配信対象とする広告コンテンツを劇場端末20に配信する。
【0121】
〔5−9.広告コンテンツ〕
また、上記の実施形態において、広告装置100は、広告主から広告予算とともに購入要求を受け付けてもよい。この場合、広告装置100は、広告コンテンツの広告料が広告予算に到達した場合には、かかる広告コンテンツを劇場端末20に配信しないように制御する。この場合、広告装置100は、広告料が広告予算に到達した広告コンテンツの広告主に対して、広告予算を増大させるか否かを問い合わせもよい。また、広告装置100は、広告料が広告予算に到達することで広告枠が余った場合には、他の広告主に対して販売サービスを提供してもよい。
【0122】
また、上記の実施形態において、広告装置100は、広告主から何度も広告コンテンツの入稿を受け付けてもよい。この場合、広告装置100は、広告主から入稿された最新の広告コンテンツを劇場端末20に配信する。これにより、映画に広告コンテンツを組み込む権利を購入した広告主は、広告コンテンツを差し替えることができる。
【0123】
〔5−10.広告枠の位置〕
また、上記の実施形態では、広告枠が映画の本編前に組み込まれる例を示した。言い換えれば、上記の実施形態では、広告コンテンツが映画の本編前に上映される例を示した。しかし、広告コンテンツが上映されるタイミングは上記例に限られない。すなわち、広告コンテンツが映画とともに提供されるとは、映画の本編中に上映されてもよいし、映画の本編後に上映されてもよいことを意味する。
【0124】
〔5−11.コンテンツの例〕
また、上記の実施形態では、施設で提供される第1コンテンツとして映画を、第1コンテンツとともに提供される第2コンテンツが広告である例を示した。しかし、この例に限られず、各コンテンツは様々な態様があってもよい。例えば、第1コンテンツとしては、演劇、コンサートなど、観客を動員して行われる様々な催事が含まれてもよい。また、第2コンテンツとしては、個人クリエイタによって制作されたショートフィルムなどが含まれてもよい。この場合、ショートフィルムを制作した個人クリエイタが、第2コンテンツの提供主となりうる。これにより、広告装置100は、劇場という空間において自身の制作したショートフィルム作品を上映したいという個人クリエイタのニーズに応えることができる。
【0125】
〔5−12.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0126】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0127】
例えば、上記実施形態においては、
図2に示すように、広告主端末10と、劇場端末20と、広告装置100とが含まれる算定システム1について例示したが、他の形態についても考えられる。例えば、算定システム1には、複数台の劇場端末20を統括するような劇場管理サーバ等が含まれてもよい。この場合、広告装置100は、劇場管理サーバに対して、広告コンテンツを配信する。そして、劇場管理サーバは、広告装置100から受信した広告コンテンツを管理下の劇場端末20に配信する。
【0128】
また、例えば、
図3に示した広告装置100は、販売サービスを提供し、広告枠利用料や広告料を算定する提供装置と、広告コンテンツを配信する配信装置とに分散されてもよい。この場合、提供装置は、
図3に示した配信部134を有しなくてもよい。また、配信装置は、
図3に示した取得部131と提供部132と受付部133と算定部135とを有しなくてもよい。
【0129】
また、例えば、
図3に示した広告枠記憶部121や広告コンテンツ記憶部122は、広告装置100が保持せずに、図示しないストレージサーバ等が保持してもよい。この場合、広告装置100は、広告枠記憶部121や広告コンテンツ記憶部122に記憶されている各種情報を取得する。
【0130】
また、上記実施形態においては、劇場は動員数を取得するため観客情報取得装置を備える例を示した。しかし、劇場は、さらに別の装置を備えてもよい。例えば、劇場は、劇場で広告が上映されたことを示す情報を取得する装置を備える。具体的には、劇場には、実際に劇場で広告が流れている音声を集音する集音装置が設けられる。広告装置100は、例えば、劇場端末20から、かかる集音された音声データを受け付け、広告主に情報として提示することができる。これにより、広告装置100は、実際に劇場で広告が上映されたか確認したいという広告主の要望に応えることができる。
【0131】
また、上述してきた各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0132】
〔5−12.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る広告装置100は、例えば
図15に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、広告装置100を例に挙げて説明する。
図15は、広告装置100の機能を実現するコンピュータ1000の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を有する。
【0133】
CPU1100は、ROM1300又はHDD1400に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を記憶する。
【0134】
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を記憶する。通信インターフェイス1500は、通信網50(
図2に示したネットワークNに対応)を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを通信網50を介して他の機器へ送信する。
【0135】
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。
【0136】
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に記憶されたプログラム又はデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
【0137】
例えば、コンピュータ1000が実施形態に係る広告装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、HDD1400には、広告枠記憶部121及び広告コンテンツ記憶部122内のデータが記憶される。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から通信網50を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0138】
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る広告装置100は、劇場で上映される映画(第1コンテンツの一例)とともに提供される広告(第2コンテンツの一例)の広告料金(提供料金の一例)として、劇場における所定の動員数毎に決められている広告料金の単価である動員単価に基づく情報を提示し、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の販売サービスを提供する提供部を有する。
【0139】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告料金を容易に算定することができる販売サービスを提供する。
【0140】
さらに、実施形態に係る広告装置100は、劇場における動員数と動員単価とに基づいて、販売サービスにおいて権利を購入した広告主(提供主の一例)に請求する広告料金を算定する算定部をさらに有する。
【0141】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告料金を容易に算定することができる。
【0142】
また、実施形態に係る算定部135は、劇場における動員数の予測数と動員単価とに基づいて広告主に請求する広告料金を算定する。
【0143】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、容易に広告料金を算定することができるとともに、実際の動員数に関する情報を取得する前に、迅速に算定処理をすることができる。また、広告主にとっては、実際の動員数によって広告料が変化しないため、予め決められた広告料で広告コンテンツを上映させることができる。
【0144】
また、実施形態に係る提供部132は、所定の条件下に応じて変動する動員単価を提示することができる。具体的には、実施形態に係る提供部132は、劇場における観客の属性に応じて変動する動員単価を提示し、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の販売サービスを提供する。算定部135は、動員数と劇場における観客の属性に対応する動員単価とに基づいて広告主に請求する広告料金を算定する。
【0145】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、ターゲティングのなされた広告について、適切な広告料を算定することができる。
【0146】
また、実施形態に係る提供部132は、映画ごとに変動する動員単価を提示し、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の販売サービスを提供する。
【0147】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、映画の人気などに応じて、各々の映画ごとに適切な動員単価の設定された広告枠に広告コンテンツを組み込む権利を広告主に提供することができる。
【0148】
また、実施形態に係る提供部132は、映画に対する評判に応じて変動する動員単価を提示し、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の販売サービスを提供する。
【0149】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、時事に応じて適切な動員単価の設定された広告枠に広告コンテンツを組み込む権利を広告主に提供することができる。
【0150】
また、実施形態に係る提供部132は、施設に関する情報として、劇場が所在する地域又は劇場で映画が上映される時間に関する情報を提供し、さらに映画の題名又は内容に関する情報を提供する。
【0151】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告の配信される施設における集客力などを判定することで、適切な動員単価の設定された広告枠に広告コンテンツを組み込む権利を広告主に提供することができる。
【0152】
また、実施形態に係る提供部132は、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利をオークション形式により販売する販売サービスを提供する。
【0153】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告主の要望に応じるような広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の提供を行うことができる。
【0154】
また、実施形態に係る入稿受付部(受付部133の一部に相当)は、広告枠に広告コンテンツを組み込む権利の購入要求を送信した広告主から広告の入稿を受け付ける。また、実施形態に係る配信部134は、劇場において広告コンテンツを提供する装置に対して、入稿受付部によって受け付けられた広告コンテンツを配信する。
【0155】
これにより、実施形態に係る広告装置100は、広告主の目的に応じた広告コンテンツを迅速に劇場まで配信することができる。
【0156】
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0157】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、提供部は、提供手段や提供回路に読み替えることができる。