【課題を解決するための手段】
【0018】
(項目1)
以下を順に備える製品:
光透過型導電層と、
固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、
接着層と、
剥離シート。
(項目2)
導電層が金属酸化物を含むことを特徴とする項目1に記載の製品。
(項目3)
導電層がインジウムスズ酸化物含むことを特徴とする項目2に記載の製品。
(項目4)
電気光学媒体が回転重クロム材媒体または電気着色媒体を含むことを特徴とする前述の項目いずれか1に記載の製品。
(項目5)
電気光学媒体が電気泳動媒体であることを特徴とする前述の項目いずれか1に記載の製品。
(項目6)
電気泳動媒体が封止電気泳動媒体であることを特徴とする項目5に記載の製品。
(項目7)
電気光学媒体と接着層とがない導電層が露出している接続領域を特徴とする前述の項目いずれか1に記載の製品。
(項目8)
接続領域が電気光学媒体と接着層とで囲まれるように、電気光学媒体と接着層とを貫通して延設する開口により接続領域を形成することを特徴とする項目7に記載の製品。
(項目9)
剥離シートを接続領域の端から端まで延設しないことを特徴とする項目7または8に記載の製品。
(項目10)
導電性材料のコンタクトパッドが接続領域内の導電層と重複していることを特徴とする項目7ないし9に記載の製品。
(項目11)
導電層と電気的に接続している導電性バイアであって、電気光学媒体層と接着層とを貫通して、あるいは越えて導電層から延設していることを特徴とする前述の項目いずれか1に記載の製品。
(項目12)
導電層から離れている導電性バイアの終端が剥離シートで覆われていないことを特徴とする項目11に記載の製品。
(項目13)
導電性バイアが、変形可能な材料から形成されていることを特徴とする項目11または12に記載の製品。
(項目14)
導電性バイアが、ポリマーマトリックスに分散している導電性粒子を含む材料から形成されていることを特徴とする項目14に記載の製品。
(項目15)
導電性材料のコンタクトパッドが導電層と導電性バイアとの間に介在していることを特徴とする項目11ないし14に記載の製品。
(項目16)
剥離シートが第二の導電層を備えることを特徴とする前述の項目いずれか1に記載の製品。
(項目17)
電気光学媒体から導電層の反対側に設けられている補助接着層を特徴とする前述の項目いずれか1に記載の製品。
(項目18)
補助接着層を覆う補助剥離シートを特徴とする項目17に記載の製品。
(項目19)
以下を順に備える製品:
光透過型導電層と、
固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、
接着層、
製品は、電気光学媒体と接着層がない導電層が露出している接続領域を特徴とする。
(項目20)
以下を順に備える製品:
光透過型導電層と、
固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、
接着層、
製品は、導電層と電気的に接続している導電性バイアであって、電気光学媒体層と接着層とを貫通して、あるいは越えて導電層から延設していることを特徴とする。
(項目21)
以下を順に備える電気光学表示装置:
光透過型導電層と、
固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、
接着層と、
少なくとも1つのピクセル電極を有するバックプレーンであって、導電層とピクセル電極との間に電位を印加することにより、電気光学媒体の光学的状態を変えることができ、バックプレーンはさらに、少なくとも1つのピクセル電極から電気的に絶縁している少なくとも1つのコンタクトパッドを備え、
表示装置は、電気光学媒体と接着層とを貫通して、あるいは越えて導電層からこのコンタクトパッドまたはコンタクトパッドの1つまで延設している少なくとも1つの導電性バイアを特徴とする。
(項目22)
以下を含む固体電気光学表示装置の製造プロセス:
以下を順に備える製造品を形成し、
光透過型導電層と、
固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、
接着層と、
剥離シート、
複数のピクセル電極と、ピクセル電極に可変電位を印加するよう構成された駆動手段とを備えるバックプレーンを形成し、
接着層から剥離シートを除去し、
接着層をバックプレーンに接着することにより、接着層と、電気光学媒体層と、導電層とをバックプレーンに固定する条件下で、接着層をバックプレーンに接触させる。
(項目23)
以下を含む電気光学表示装置の製造プロセス:
光透過型導電層と、固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、接着層とを順に備える前面組立体を形成し、
前面組立体の一部から電気光学媒体と接着層とを除去することにより、電気光学媒体と接着層とがない導電層が露出している接続領域を形成し、
導電性バイアを接続領域に形成し、
少なくとも1つのピクセル電極と、少なくとも1つのピクセル電極から電気的に絶縁している少なくとも1つのコンタクトパッドとを備えるバックプレーンを形成し、
接着層が、少なくとも1つのピクセル電極と少なくとも1つのコンタクトパッドと電気的に接続している導電性バイアとに隣接して配置されている電気光学媒体でバックプレーンに接着し、導電層が、導電性バイアを介して少なくとも1つのコンタクトパッドと電気的に接続しているように、前面組立体をバックプレーンに積層する。
(項目24)
以下を含む電気光学表示装置の製造プロセス:
光透過型導電層を備える基板を形成し、
基板の接続領域はコーティングしないで固体電気光学媒体を基板の一部にコーティングし、
接続領域はコーティングしないで接着層を電気光学媒体にコーティングすることにより、前面組立体を形成し、
少なくとも1つのピクセル電極と、少なくとも1つのピクセル電極から電気的に絶縁しているコンタクトパッドとを備えるバックプレーンを形成し、
接着層が、少なくとも1つのピクセル電極に隣接して配置されている電気光学媒体と、コンタクトパッドと電気的に接続している接続領域内の導電層とでバックプレーンに接着するように、前面組立体をバックプレーンに積層する。
(項目25)
以下を備える電気光学表示装置:
少なくとも1つのピクセル電極を備えるバックプレーンと、
ピクセル電極に隣接して配置された固体電気光学媒体層と、
バックプレーンから電気光学媒体の反対側に配置された光透過型電極と、
電気光学媒体から光透過型電極の反対側に配置された保護および/またはバリア層と、
周囲から電気光学媒体に材料が進入しないようにするシール材料であって、シール材料は、少なくとも電気光学媒体層の周辺の一部分に沿って配置され、保護および/またはバリア層のバックプレーンから延設している。
(項目26)
以下を備える電気光学表示装置:
少なくとも1つのピクセル電極を備えるバックプレーンと、
ピクセル電極に隣接して配置された固体電気光学媒体層と、
バックプレーンから電気光学媒体の反対側に配置された光透過型電極と、
電気光学媒体から光透過型電極の反対側に配置された電極支持体と、
光透過型電極と電極支持体とは、バックプレーンの面と平行に測定して電気光学媒体層よりも大きく、
周囲から電気光学媒体に材料が進入しないようにするシール材料であって、シール材料は、バックプレーンと光透過型電極の周辺部分との間に延設し、電気光学媒体層の周辺を越えて延設している。
(項目27)
以下を含む固体電気光学媒体を検査する方法:
以下を順に備える製造品を形成し、
光透過型導電層と、
固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、
接着層と、
第二の導電層を有する剥離シート、
2つの導電層の間に電位差を印加することにより、媒体上に画像を形成し、
このように形成された画像を観察する。
(項目28)
以下を含む固体電気光学媒体を検査する方法:
以下を順に備える製造品を形成し
光透過型導電層と、
固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、
接着層と、
剥離シート、
静電荷を剥離シートにおくことにより、画像を媒体上に形成し、
このように形成された画像を観察する。
【0019】
本発明は、固体電気光学表示装置の電気光学構成部品を提供しようとするもので、これらの構成部品は、大量生産に良好に適用される。本発明はまた、これらの構成部品を用いた固体電気光学表示装置を組み立てるプロセスを提供しようとするものである。
【0020】
本発明はまた、表示装置を最終的に組み立てる前に電気光学構成部品を検査する方法を提供しようとするものである。
【0021】
電気光学表示装置の製造、特にフレキシブル表示装置の製造における実際上の問題の一つは、表示装置を密封して周囲から材料が出てしまわないようにすること(および/または、場合によっては、電気光学媒体の構成部品が外に出てしまわないようにすること)である。例えば、(表示装置の電気光学媒体として有用な)有機発光ダイオードは、大気水分の進入に非常にデリケートで損傷を受けやすく、粒子ベースの電気泳動媒体のなかにも、水分に感受性を示すものがあった。別の面では、本発明は、密封型電気光学表示装置を提供する。
【0022】
従って、一面では本発明は、以下を順に備える製造品(以下では「前面ラミネート」として呼ばれることもある)を提供する:
光透過型導電層と、
固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、
接着層と、
剥離シート。
【0023】
このような前面ラミネートでは、導電層は、金属酸化物、例えばインジウムスズ酸化物をから成る。前面ラミネートには、例えば回転重クロム材媒体または電気着色媒体等の任意の前述の種類固体電気光学媒体を用いることができるが、通常は、電気光学媒体は電気泳動媒体、望ましくは封止電気泳動媒体である。
【0024】
前面ラミネートに用いられる接着層は、加熱活性化接着剤または圧感接着剤であるが、前面ラミネートをバックプレーンに積層する条件による。以下に詳細に説明する。
【0025】
前面ラミネートの好ましい一形態は、電気光学媒体と接着層とがない導電層が露出している接続領域を有する。この接続領域は、接続領域が電気光学媒体と接着層とで囲まれるように、電気光学媒体と接着層とを貫通して延設する開口により形成することができる。望ましくは、剥離シートを接続領域の端から端まで延設しない。以下に詳細に説明する理由から、導電性材料のコンタクトパッドを、接続領域内の導電層と重複して形成することができる。
【0026】
前面ラミネートは、導電層と電気的に接続している導電性バイアであって、電気光学媒体層と接着層とを貫通して、あるいは越えて導電層から延設しているバイアを有することができる。この形態の前面ラミネートは望ましくは、導電層から離れている導電性バイアの終端が剥離シートで覆われていないことである。導電性バイアを、変形可能な材料、例えばポリマーマトリックスに分散している導電性粒子を含む材料から形成することができる。導電性材料のコンタクトパッドを、導電層と導電性バイアとの間に介在させることができる。
【0027】
前面ラミネートの剥離シートは、第二の導電層を備えることができる。この第二の導電層は、剥離シートのいずれかの面に設けることができるが、典型的には電気光学媒体に近い面に設ける。以下に述べるように、この第二の導電層は、表示装置に組み込む前に前面ラミネートを検査するのに有用である。あるいは、またはこの他に、前面ラミネートは、電気光学媒体から導電層の反対側に設けられている補助接着層を有することができる。補助剥離シートを、補助接着層で覆うこともできる。
【0028】
別の面では本発明は、以下を順に備える第二の製造品(つまり前面ラミネート)を提供する。光透過型導電層と、固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、接着層とである。この製造品は、電気光学媒体と接着層がない導電層が露出している接続領域を有する。
【0029】
この前面ラミネートでは、接続領域がラミネートの端部まで延設していてもいなくても良いが、一般的には後者が好ましいのは、接続領域が電気光学媒体と接着層とを囲むように、接続領域を電気光学媒体と接着層とを貫通して延設する開口で形成するからである。前面ラミネートはさらに、電気光学媒体層から反対側の接着層に隣接して配置されている剥離シートを備える。剥離シートは、接続領域の端から端まで延設していない。剥離シートは、第二の導電層を備えることもできる。前面ラミネートはさらに、接続領域内の導電層と重複する導電性材料のコンタクトパッドを備えることもできる。以下に述べる理由から、このようなコンタクトパッドが事実上存在することにより、接続領域の導電層の厚さが増した所望の領域を形成する。この前面ラミネートは任意の前述の種類の固体電気光学媒体を用いることができるが、一般に、電気光学媒体が電気泳動媒体、望ましくは封止電気泳動媒体であることが好ましい。
【0030】
別の面では、本発明は、以下を順に備える第三の製造品(前面ラミネート)を提供する。光透過型導電層と、固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、接着層とである。しかしながら、本発明の第三の前面ラミネートはさらに、導電層と電気的に接続している導電性バイアであって、電気光学媒体層と接着層とを貫通して、あるいは越えて導電層から延設しているバイアを備える。
【0031】
本発明の第三の前面ラミネートはさらに、電気光学媒体層から反対側の接着層に隣接して配置されている剥離シートを備えることができる。導電層から離れている導電性バイアの終端を、剥離シートで覆わない。導電性バイアを、変形可能な材料、例えばポリマーマトリックスに分散している導電性粒子を含む材料から形成することができる。同じ理由から本発明の他の前面ラミネートのように、第三の前面ラミネートはさらに、接続領域内の導電層と重複する導電性材料のコンタクトパッドを備えることもできる。第三の前面ラミネートは任意の前述の種類の固体電気光学媒体を用いているが、一般に、電気光学媒体が電気泳動媒体、望ましくは封止電気泳動媒体であることが好ましい。
【0032】
また本発明は以下を順に備える電気光学表示装置を提供する。光透過型導電層と、固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、接着層と、少なくとも1つのピクセル電極を有するバックプレーンであって、導電層とピクセル電極との間に電位を印加することにより、電気光学媒体の光学的状態を変えることができ、バックプレーンはさらに、少なくとも1つのピクセル電極から電気的に絶縁している少なくとも1つのコンタクトパッドを備える。この表示装置はさらに、表示装置は、電気光学媒体と接着層とを貫通して、あるいは越えて導電層からこのコンタクトパッドまたはコンタクトパッドの1つまで延設している少なくとも1つの導電性バイアを備える。
【0033】
すでに示したように、本表示装置では導電性バイアが電気光学媒体を貫通して、あるいは越えて延設しているが、前者の構成が一般的に好ましい。これにより、導電性バイアが電気光学媒体と接着層とを貫通しているので、導電性バイアが電気光学媒体と接着層とにより完全に囲まれるようになる。導電性バイアは、変形可能な材料、例えばポリマーマトリックスに分散している導電性粒子を含む材料から形成から形成することができる。表示装置は任意の前述の種類の固体電気光学媒体を用いることができるが、一般に、電気光学媒体が電気泳動媒体、望ましくは封止電気泳動媒体であることが好ましい。
【0034】
本発明の電気光学表示装置は、電気光学媒体から導電層の反対側に配置される保護および/またはバリア層を備えることができる。透明接着層を用いて、保護および/またはバリア層を導電層に固定することができる。電気光学表示装置は、少なくとも電気光学媒体層の周辺の一部分に配置されるシール材料を有することができる。このような密封型表示装置の一形態では、保護および/またはバリア層を電気光学媒体の周辺を越えて延設して、シール材料を保護および/またはバリア層とバックプレーンとの間の、少なくとも電気光学媒体の周辺の一部分に配置する。
【0035】
別の面では、本発明は、固体電気光学表示装置の製造プロセスを提供する。このプロセスは、以下を順に備える製造品を形成する。光透過型導電層と、固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、接着層と、剥離シートとである。プロセスはさらに、複数のピクセル電極と、ピクセル電極に可変電位を印加するよう構成された駆動手段とを備えるバックプレーンを備える。また、プロセスは、接着層から剥離シートを除去し接着層をバックプレーンに接着することにより、接着層と、電気光学媒体層と、導電層とをバックプレーンに固定する条件下で、接着層をバックプレーンに接触させることを含む。
【0036】
このプロセスでは、接着層をバックプレーンと接触させることは望ましくは、約20%〜約60%の相対湿度下で行われる。以下に詳細に説明するように、静電放電による問題を防止するために、プロセスは、接着層から剥離シートを除去する間と、接着層をバックプレーンと接触させる間のうちの少なくとも1つの間に、イオン化粒子を前面ラミネートにかけることを含む。
【0037】
このプロセスでは、前面ラミネートは、電気光学媒体と接着層とがない導電層が露出している接続領域を備えることができ、バックプレーンは、ピクセル電極から電気的に絶縁しているコンタクトパッドを備えている。プロセスにより、コンタクトパッドと電気的に接続している接続領域を配置する。接続領域は、電気光学媒体と接着層とを貫通して延設する開口により形成され、接着層をバックプレーンと接触させる前に、変形可能な導電性材料をコンタクトパッドに配置することにより、接着層をバックプレーンと接触させる間に、変形可能な導電性材料が開口に進入して、コンタクトパッドを導電層に電気的に接続する導電性バイアを形成する。あるいは、接続領域に電気光学媒体と接着層とを貫通して導電層から延設する導電性バイアを備え、プロセスにより、コンタクトパッドと電気的に接続している導電性バイアを配置する。
【0038】
プロセスは、電気光学媒体から導電層の反対側に保護および/またはバリア層を設けることを含むことができる。このために、前面ラミネートは、電気光学媒体から導電層の反対側に配置した補助接着層を含み、プロセスにより、保護および/またはバリア層を補助接着層に接着する。前面ラミネートは、補助接着層を覆う補助剥離シートを有することもでき、プロセスは、補助接着層を保護および/またはバリア層に接着する前に、補助接着層から補助剥離シートを除去する工程を含む。
【0039】
このプロセスでは、剥離シートが第二の導電層を備え、プロセスは、光透過型導電層と第二の導電層との間に電気光学媒体の光学的状態を変えるのに十分な電圧を印加することを含む。
【0040】
このプロセスでは任意の前述の種類の電気光学媒体を用いているが、例えば回転重クロム材媒体または電気着色媒体、望ましくは電気光学媒体が電気泳動媒体、好ましくは封止電気泳動媒体である。
【0041】
別の面では、本発明は、電気光学表示装置の製造プロセスを提供する。このプロセスは以下を含む:
光透過型導電層と、固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、接着層とを順に備える前面組立体を形成し、
前面組立体の一部から電気光学媒体と接着層とを除去することにより、電気光学媒体と接着層とがない導電層が露出している接続領域を形成し、
導電性バイアを接続領域に形成し、
少なくとも1つのピクセル電極と、少なくとも1つのピクセル電極から電気的に絶縁している少なくとも1つのコンタクトパッドとを備えるバックプレーンを形成し、
接着層が、少なくとも1つのピクセル電極と少なくとも1つのコンタクトパッドと電気的に接続している導電性バイアとに隣接して配置されている電気光学媒体でバックプレーンに接着し、導電層が、導電性バイアを介して少なくとも1つのコンタクトパッドと電気的に接続しているように、前面組立体をバックプレーンに積層する。
【0042】
このプロセスでは、接続領域が電気光学媒体と接着層とで囲まれるように、接続領域を、電気光学媒体と接着層とを貫通して延設する開口により形成することができる。前面組立体は、電気光学媒体層から反対側の接着層に隣接して配置されている剥離シートを備えることができ、前面組立体をバックプレーンに積層する前に、この剥離シートを接着層から除去する。このような剥離シートが存在すると、前面組立体の一部から電気光学媒体と接着層とを除去する工程に、接続領域に剥離シートがないように、剥離シートを前面組立体の一部から除去することを含めることもできる。剥離シートは、第二の導電層を備え、プロセスは、光透過型導電層と第二の導電層との間に電気光学媒体の光学的状態を変えるのに十分な電圧を印加することを含む。
【0043】
本発明のプロセスでは、導電性バイアを、変形可能な材料、例えばポリマーマトリックスに分散している導電性粒子を含む材料から形成することができる。
【0044】
本発明のプロセスでは、ラミネート工程の前に、前面組立体に導電性バイアを存在させたり、あるいはラミネート工程の間に形成したりすることができる。後者の場合では、ラミネート工程の前に導電性バイアを形成する材料をバックプレーンに配置するので、前面組立体をバックプレーンに積層する間に、導電性バイアが形成される。前に簡単に述べ、以下で詳細に説明する理由から、前面組立体は、導電層の一部に重複する導電性材料の前面コンタクトパッドを有し、接続領域は、少なくとも前面コンタクトパッドの一部から露出するように形成する。
【0045】
本発明のプロセスでは、前面組立体は、電気光学媒体から導電層の反対側に透明接着層と、透明接着層に隣接して配置される第二の剥離シートとを有し、プロセスは、第二の剥離シートを透明接着層から除去して、透明接着層を保護および/またはバリア層に積層することを含む。典型的には、第二の剥離シートの除去と透明接着層の積層とは、前面組立体をバックプレーンに積層した後で行う。
【0046】
本発明のプロセスでは、前面組立体をバックプレーンに積層した後で、シール材料を少なくとも前面組立体周辺の一部分に配置することができる。前述のように、表示装置が保護および/またはバリア層を備えている場合には、この保護および/またはバリア層を電気光学媒体の周辺を越えて延設し、シール材料を、保護および/またはバリア層とバックプレーンとの間の、少なくとも電気光学媒体の周辺の一部分に配置する。
【0047】
また、本発明はさらに、電気光学表示装置の製造プロセスを提供する。このプロセスさらに以下を含む:
光透過型導電層を備える基板を形成し、
基板の接続領域はコーティングしないで固体電気光学媒体を基板の一部にコーティングし、
接続領域はコーティングしないで接着層を電気光学媒体にコーティングすることにより、前面組立体を形成し、
少なくとも1つのピクセル電極と、少なくとも1つのピクセル電極から電気的に絶縁しているコンタクトパッドとを備えるバックプレーンを形成し、
接着層が、少なくとも1つのピクセル電極に隣接して配置されている電気光学媒体と、コンタクトパッドと電気的に接続している接続領域内の導電層とでバックプレーンに接着するように、前面組立体をバックプレーンに積層する。
【0048】
本発明のプロセスは、剥離シートを接着層に配置し、前面組立体をバックプレーンに積層する前に、剥離シートを接着層から除去することを含む。剥離シートは第二の導電層を備え、プロセスは、光透過型導電層と第二の導電層との間に電気光学媒体の光学的状態を変えるのに十分な電圧を印加することを含む。プロセスは、前面組立体をバックプレーンに積層する前に、接続領域内の導電層がコンタクトパッド変形可能な導電性材料を介して接続するように、変形可能な導電性材料をバックプレーンのコンタクトパッドに配置することを含む。
【0049】
本発明のプロセスでは、前面組立体は、電気光学媒体から導電層の反対側に配置した透明接着層と、透明接着層に隣接して配置した剥離シートとを有し、プロセスは、剥離シートを透明接着層から除去して、透明接着層を保護および/またはバリア層に積層することを含む。典型的には、剥離シートの除去と透明接着層の積層とは、前面組立体をバックプレーンに積層した後で行う。
【0050】
本発明のプロセスでは、前面組立体をバックプレーンに積層した後で、シール材料少なくとも前面組立体周辺の一部分に配置する。前述のように、表示装置が保護および/またはバリア層を備えている場合には、この保護および/またはバリア層を電気光学媒体の周辺に延設して、シール材料を、保護および/またはバリア層とバックプレーンとの間の、少なくとも電気光学媒体の周辺の一部分に配置する。
【0051】
別の面では、本発明は、以下を備える(密封型)電気光学表示装置を提供する。少なくとも1つのピクセル電極を備えるバックプレーンと、ピクセル電極に隣接して配置された固体電気光学媒体層と、バックプレーンから電気光学媒体の反対側に配置された光透過型電極と、電気光学媒体から光透過型電極の反対側に配置された保護および/またはバリア層と、周囲から電気光学媒体に材料が進入しないようにするシール材料であって、シール材料は、少なくとも電気光学媒体層の周辺の一部分に沿って配置され、保護および/またはバリア層のバックプレーンから延設している。
【0052】
このような密封型電気光学表示装置では、シール材料は、横方向の厚さがバックプレーンの面と平行に測定して、バックプレーンから保護および/またはバリア層に向かって減少する。あるいは、保護および/またはバリア層が、バックプレーンの面と平行に測定して電気光学媒体層より小さく、シール材料が、電気光学媒体層の周辺部分を越えて延設して保護および/またはバリア層の周辺に接続している。本発明の密封型電気光学表示装置のさらに変形では、保護および/またはバリア層が、バックプレーンの面と平行に測定して電気光学媒体層よりも大きく、シール材料が、バックプレーンと保護および/またはバリア層の周辺部分との間に延設し電気光学媒体層の周辺を越えて延設している。
【0053】
また、本発明は、以下を備える第二の(密封型)電気光学表示装置を提供する。少なくとも1つのピクセル電極を備えるバックプレーンと、ピクセル電極に隣接して配置された固体電気光学媒体層と、バックプレーンから電気光学媒体の反対側に配置された光透過型電極と、電気光学媒体から光透過型電極の反対側に配置された電極支持体と、光透過型電極と電極支持体とは、バックプレーンの面と平行に測定して電気光学媒体層よりも大きく、周囲から電気光学媒体に材料が進入しないようにするシール材料であって、シール材料は、バックプレーンと光透過型電極の周辺部分との間に延設し、電気光学媒体層の周辺を越えて延設している。
【0054】
最後に、本発明は、固体電気光学媒体を検査する2つの方法を提供する。第一の方法は以下を含む:
以下を順に備える製造品を形成し、
光透過型導電層と、
固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、
接着層と、
第二の導電層を有する剥離シート、
2つの電気的導電層の間に電位差を印加することにより、媒体上に画像を形成し、
このように形成された画像を観察する。
【0055】
本発明の第二の検査方法は以下を含む:
以下を順に備える製造品を形成し
光透過型導電層と、
固体電気光学媒体導電層と電気的に接続している層と、
接着層と、
剥離シート、
静電荷を剥離シートにおくことにより、画像を媒体上に形成し、
このように形成された画像を観察する。
【0056】
添付の図面により本発明の好適な実施の形態について説明するが、これは説明のためだけである。