【文献】
Takahito Tanimura, et al.,Digital clock recovery algorithm for optical coherent receivers operating independent of laser frequ,34th European Conference on Optical Communication, 2008. ECOC 2008.,米国,IEEE,2008年 9月21日,pages.1-2
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
DFB−DML(Distributed Feedback−Directly Modulated Laser)のための電子分散補償(Electronic Dispersion Compensation:EDC)システムであって、
減少した線形チャープ−分散(chirp−dispersion)を有する信号を送信する前置補償送信機(pre−compensating transmitter)、および
前記信号を受信し、非線形チャープ−分散を減少させる後補償受信機(post−compensating receiver)を備え、
前記後補償受信機は、チャープパルス(chirped pulse)のラビットイヤーを補償する線形イコライザ、非線形チャープ−分散のチルティングを補償する非線形イコライザ、高周波ブースティングイコライザ、およびリミットアンプを含み、
前記非線形イコライザは、乗算機、ローパスフィルタ(low pass filter)、1Z−2Pフィルタ(one−zero two−pole filter)、および加算器を含む、電子分散補償システム。
低費用DFB−DML(Distributed Feedback−Directly Modulated Laser)のための電子分散補償(Electronic Dispersion Compensation:EDC)システムの後補償受信機であって、
チャープパルス(chirped pulse)のラビットイヤーを補償する線形イコライザ(linear equalizer)、および
非線形チャープ−分散のチルティング(tilting)を補償する非線形イコライザ(nonlinear equalizer)、高周波ブースティングイコライザ、およびリミットアンプを含み、
前記線形イコライザはゼロ−ポールフィルタ(zero−pole filter)を含み、
前記非線形イコライザは、乗算機、ローパスフィルタ(low pass filter)、1Z−2Pフィルタ(one−zero two−pole filter)、および加算器を含む、後補償受信機。
【図面の簡単な説明】
【0012】
添付の図面は、本発明の一部として挿入されたものであり、本発明の多様な実施形態を説明するものであって、これらは本発明の詳細な説明と共に本発明の原理を説明するためのものである。
【
図1A】前置補償送信機および後補償受信機を備える電子分散補償(EDC)システムの構造を示した図である。
【
図1B】前置補償送信機および後補償受信機を備える電子分散補償(EDC)システムの構造を示した図である。
【
図2】チャープパルス(chirped pulse)のラビットイヤー(rabbit ear)を示した図である。
【
図3A】前置補償送信機でラビットイヤー(rabbit ear)を示した図である。
【
図3B】前置補償送信機でラビットイヤー(rabbit ear)を示した図である。
【
図4A】本発明の一実施形態に係るラビットイヤー(rabbit ear)を補償するプロセスの一例を示した図である。
【
図4B】本発明の一実施形態に係るラビットイヤー(rabbit ear)を補償するプロセスの一例を示した図である。
【
図5A】本発明の一実施形態に係る立ち上がりエッジ以前にプリ−エンファシスのために利用される簡略化されたブロックダイアグラムの一例を示した図である。
【
図5B】本発明の一実施形態に係るデータ修正の一態様を示した図である。
【
図5C】本発明の一実施形態に係る立ち上がりパターン検出部(rising pattern detector)のブロックダイアグラムの一例を示した図である。
【
図6A】本発明の一実施形態に係るパルス拡張のために利用される簡略化されたブロックダイアグラムの一例を示した図である。
【
図6B】本発明の一実施形態に係るCLK修正プロセス(process)の一例を示した図である。
【
図6C】本発明の一実施形態に係るCLK修正プロセス(process)の一例を示した図である。
【
図6D】本発明の一実施形態に係るパルス拡張クロック生成部のブロックダイアグラムの一例を示した図である。
【
図7】本発明の一実施形態に係るチャープパルス(chirped pulse)のチルティング(tilting)例を示した図である。
【
図8A】本発明の一実施形態に係る粒子の動きを示した図である。
【
図8B】本発明の一実施形態に係る粒子の動きを示した図である。
【
図9A】チルティングのためのEDCの概念を示した図である。
【
図9B】チルティングのためのEDCの概念を示した図である。
【
図10】チルティング補償を実行するプロセスを示した図である。
【
図11A】送信機出力でアイダイアグラム(eye diagram)のシミュレーション結果を示した図である。
【
図11B】送信機出力でアイダイアグラム(eye diagram)のシミュレーション結果を示した図である。
【
図11C】送信機出力でアイダイアグラム(eye diagram)のシミュレーション結果を示した図である。
【
図12A】補償が実行されなかったアイダイアグラム(eye diagram)を示した図である。
【
図12B】前置補償(pre−compensation)が実行されたアイダイアグラム(eye diagram)を示した図である。
【
図12C】後補置償(post−compensation)が実行されたアイダイアグラム(eye diagram)を示した図である。
【
図12D】前置補償および後補償すべてが実行されたアイダイアグラム(eye diagram)を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明は、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は互いに異なる多様な形態で実現されてもよく、ここで説明する実施形態に限定されることはない。図面において、レイヤ(layers)および領域(regions)の大きさ、さらには相対的な大きさは、明確性のために誇張して示した。また、図面において同じ参照符号は同じ要素を示す。
【0014】
図1Aおよび
図1Bは、提案された電子分散補償(EDC)システムの構造を示している。
図1Aは、提案された電子分散補償(EDC)システムの前置補償送信機(pre−compensating transmitter)を示した図であり、
図1Bは、提案された電子分散補償システムの後補償受信機(post−compensating receiver)を示した図である。
【0015】
OSR(optical spectrum reshaper)およびDCF(dispersion compensation fiber)が追加の費用を伴うため、光ドメイン接近方法(optical domain approach)は費用に効果的なソリューションにはならない場合がある。さらに、OSRはDML(directly modulated lasers)の大きさを増加させ、DCFはチャネル損失を増加させる。他の研究では、FFE(feed−forward equalizer)を利用したEDC、DFE(decision feedbacke qualizer)、および直接変調に対するルックアップテーブル(Look−Up Tables:LUT)を利用した前置補償のような電気的ドメインソリューションを考案してもよい。
【0016】
電気的ドメイン接近方法(electrical domain approach)は費用に効率的である。しかし、既存の電気的ドメイン方法は、ファイバ分散性(fiber dispersion)を補償するために考案されたものに過ぎず、チャープ(chirp)を補償するための最適なソリューションではない。また、チャープが深刻である場合に、上述した接近方法はチャープペナルティ(chirp penalty)を補償できないことがある。
【0017】
チャープ(chirp)と分散の間の相互作用は数学的にモデリングされてもよい。数学的モデリングに基づき、6Gb/s信号でLTEバックホールのためのEDCが提案されてもよい。提案されたEDCは、チャープを減少させるために送信機における前置補償(pre−compensation)およびチャープペナルティ(chirp penalty)を完全に除去するために、受信機における後補償(post−compensation)で構成されてもよい。
【0018】
本発明の一実施形態によると、EDCシステムは、チャープ−分散(chirp−dispersion)を減少させてもよい。直流変調は、レーザの出力電力だけではなく、発光周波数にも影響を及ぼすことがある。発光周波数の変動を周波数チャープ(frequency chirp)と呼び、下記の数式(1)のように表現されてもよい。
【0020】
ここで、△fは瞬時周波数偏差(instantaneous frequency deviation)、PL(t)はレーザの出力電力(mW)、αはライン向上係数(line enhancement factor)、k
Aは断熱チャープ係数(GHz/mW)であってもよい。αとk
Aの値はレーザ設計に依存して変わってもよく、一般的な値はそれぞれ約3と20GHz/mWであってもよい。一般的なDML(directly modulated lasers)において、断熱チャープ(adiabatic chirp)は支配的であってもよい。これにより、周波数偏差チャープ方程式(frequency deviation chirp equation)は、下記の数式(2)のように近似化されてもよい。
【0023】
分散ファイバにおいて、他の発光周波数の波形は互いに異なる速度で伝搬されてもよい。これにより、前記波形は互いに干渉を引き起こし、信号歪曲(例えば、チャープ−分散)を発生させることがある。
【0024】
本発明の一実施形態によると、EDCシステムは、前置補償送信機(pre−compensating transmitter)および後補償受信機(post−compensating receiver)を備えてもよい。ここで、前置補償送信機は、減少した線形チャープ−分散を有する信号を送信してもよい。また、後補償受信機は前記信号を受信し、非線形チャープ−分散を減少させてもよい。
【0025】
前置補償送信機は、位相補間部(phase interpolator:PI)、ツータップデータ生成部(2 tap data generator)、パルス拡張クロック生成部(pulse widening CLK generator)、立ち上がりパターン検出部(rising pattern detector)、4:1MUX、および出力ドライバ(output driver)で構成されてもよい。立ち上がりパターン検出部およびパルス拡張クロック生成部は、一般的な送信機に追加されてもよい。立ち上がりエッジ(rising−edge)以前のプリ−エンファシス(pre−emphasis)はラビットイヤー(rabbit ear)を減少させてもよく、パルス拡張はチャープ(chirp)によって低くなったゼロ−クロッシングポイント(zero−crossing point)を上に上げてもよい。
【0026】
後補償受信機は、ラビットイヤー補償のための線形イコライザ(equalizer:EQ)、チルティング補償のための非線形イコライザ、一般的な高周波ブースティングイコライザ(typical high frequency boosting equalizer)、およびリミットアンプ(Limiting Amp:LA)で構成されてもよい。ラビットイヤーを完全に除去するために、ラビットイヤーは受信機でモデリングされてもよく、ゼロ−ポールフィルタ(zero−pole filter)は数学的モデルから設計されてもよい。非線形チャープ分散(nonlinear chirp−dispersion)およびチルティング(tilting)は、バーガーの(Burger)方程式を利用して新たに分析されてもよく、非線形イコライザが提案されてもよい。
【0027】
例えば、非線形イコライザは、乗算機(multiplier)、ローパスフィルタ(low pass filter)、1Z−2Pフィルタ(one−zero two−pole filter)、および加算器(adder)で構成されてもよい。すべての極点(poles)と零点(zeros)は、数学的モデリングに応じて位置してもよい。零点の周波数は、多様な種類の低費用DML(directly modulated lasers)を収容するために二進抵抗を調節することによって変調されてもよい。提案されたEDCを使用することにより、LTEバックホールに対する拡張は3Gbpsから6Gbpsまで可能となり、FTTHダウンストリーム(downstream)に対する送信機モジュールの費用を30%に減少することができる。
【0028】
図2は、チャープパルス(chirped pulse)のラビットイヤー(rabbit ear)を示した図である。
【0029】
本発明の一実施形態によると、
図2は、線形チャープ分散現象の論理的誘導を示している。
図2に示すように、ラビットイヤー(rabbit ear)は、論理「0」と「1」の間のオーバラップ(overlap)によって発生してもよい。ラビットイヤーは以前の「0」と次の「1」の間のオーバラップによって立ち上がりエッジ(rising edge)として現われてもよく、ラビットイヤーは前記立ち上がりエッジでオーバシュート(overshoot)を発生させてもよい。「0」と「1」の間の差等遅延(differential delay)は、物質分散性遅延方程式(material dispersion delay equation)を利用して計算されてもよい。
【0031】
上記した数式(2)のような周波数偏差(GHz)を数式(3)に代替すると、下記の数式(4)が得られる。
【0033】
ここで、Dはファイバの分散係数(ps/nm/km)、zはファイバの長さ(km)、は中心発光波長(nm)、cは光の速度を示してもよい。
【0034】
d(t)は、分散ファイバを巡回する以前の原信号(original signal)であるとしよう。前記信号は、d(t)=d
0(t)+d
1(t)のようにパルス「1」と「0」で構成されてもよい。d(t)が光ファイバを通過しながら、d
1(t)はd
0(t)よりもΔt
0←→1だけさらに速く電波してもよい。これにより、受信された信号は下記の数式(5)のように表現されてもよい。
【0036】
ここで、ファイバ減衰および遅延は、パルスの形状を変更しないため無視されてもよい。直観的に、d
0(t)は下記の数式(6)のようなd
1(t)で表現されてもよい。
【0038】
ここで、ERは、「0」に対するレーザの出力電力L(mW)と「1」に対するHの消光比(extinction ratio)であってもよい。数式(5)に数式(6)を代入することにより、数式(5)は下記の数式(7)のように表現されてもよい。
【0040】
数式(7)は、d
1(t)の加重された合計(weighted sum)となる受信信号を示してもよい。数式(7)において、d
1(t)は下記の数式(8)のように表現されてもよい。
【0042】
ER
2>>1である場合、数式(8)は下記の数式(9)のように簡単に表現されてもよい。
【0044】
数式(9)を利用することにより、原信号(original signal)は下記の数式(10)の受信信号から得られてもよい。
【0046】
図3は、前置補償送信機でラビットイヤー(rabbit ear)を示した図である。
図3Aはパルス整形(pulse−shaping)のないラビットイヤーを示しており、
図3Bは送信機でパルス整形を有するラビットイヤーを示している。
【0047】
本発明の一実施形態によると、提案されたEDCは、前置補償を利用して線形チャープ分散を減少させるために適用されてもよい。
【0048】
必要なレーザの出力電力が低い場合、「0」に対するレーザの出力電力も低くなり、オーバラッピング(overlapping)が問題にならないことがある。しかし、長距離送信によってチャネルの損失が高く、必要なレーザの出力電力が高い場合には「0」に対するレーザの出力電力は極めて高く、大きなオーバショット(over shoot)が発生することがある。オーバショット(over shoot)は単に信号自体を歪曲させるだけでなく、受信機において回路性能の相当な低下を招来することがある。これにより、ラビットイヤーを減少させるための送信機側ソリューションが必要となる。
【0049】
図3Aはパルス整形(pulse shaping)のないチャープ−分散波形(chirp−dispersed pulse)を示しており、
図3Bは立ち上がりエッジ以前に1UIに対するパルス整形(pulse shaping)を有するチャープ−分散波形(chirp−dispersed pulse)を示している。パルス整形(pulse shaping)は、ラビットイヤーを減少させるために適した送信信号を生成してもよい。立ち上がりエッジ(rising edge)以前に、Δt
0←→1間のプリ−エンファシス(Pre−emphasis)はラビットイヤーを減少させてもよい。しかし、立ち上がりエッジ(rising edge)以前にプリ−エンファシス(Pre−emphasis)は限界がある。DMLに対して安定的なターン−オン(turn−on)状態を保つために、立ち上がりエッジ(rising edge)で以前の「0」に対する電力は0にならないことがある。これは、ラビットイヤーがパルス整形(pulse−shaping)方法を利用して完全に除去されないことを意味してもよい。これにより、ラビットイヤーを除去するための受信機側のソリューションが必要となる。
【0050】
ファイバ分散性(fiber dispersion)は、受信された信号のアイダイアグラム(eye diagram)のゼロ−クロッシング(zero−crossing)を低めることができる。また、チャープによるチルティング(tilting)は、付加的にゼロ−クロッシングを低め、受信機で最適なサンプリングポイントを探すことを妨害することができる。これにより、パルス拡張技術は、ゼロ−クロッシングポイント(thezero−crossing point)を上げるために追加されてもよい。
【0051】
図4は、本発明の一実施形態に係るラビットイヤー(rabbit ear)を補償するプロセス(process)の一例を示した図である。
【0052】
本発明の一実施形態によると、ラビットイヤー補償に対応する後補償(post−compensation)は、
図4のように示されてもよい。
図4に示すように、数式(10)から、tにおける原データ(original data)は、tから受信された信号と、t−Δt
0←→1から過去に受信された信号の加重された合計として計算されてもよい。
【0053】
図4は、数式(10)を利用してラビットイヤーを補償するプロセス(process)の一例を示した図である。
図4Aは、ラビットイヤーを除去するようにr(t−Δt
0←→1)とr(t1)の加重された合計から補償されるd(t1)を示している。
図4Bは、早く到着した「1」によるホール(hole)を満たすr(t2−Δt
0←→1)とr(t2)の加重された合計から補償されるd(t2)を示している。
【0054】
フーリエ変換(Fourier Transform)を利用することにより、数式(10)は下記の数式(11)の形態に変換されてもよい。
【0058】
数式(11)および近似化された数式(12)を利用し、ラビットイヤーを緩和させるための線形イコライザ(linear equalizer)は下記の数式(13)によって表現されてもよい。
【0060】
ここで、極周波数(pole frequency)と零周波数(zero frequency)(GHz)は下記の数式(14)のように表現されてもよい。
【0062】
図5は、本発明の一実施形態によって立ち上がりエッジ(rising edge)以前にプリ−エンファシス(pre−emphasis)のために利用される簡略化されたブロックダイアグラムの一例を示した図である。
図5Aは立ち上がりエッジ以前にプリ−エンファシスのために利用される簡略化されたブロックダイアグラムを示しており、
図5Bはデータ修正の図面を示している。
【0063】
ツータップデータ生成部(2 tap data generator)は、メイン−タップデータ(a main−tap data)(例えば、A)とプリ−タップデータ(pre−tap data)(例えば、B)を生成してもよい。プリ−タップデータは、メイン−タップデータよりも予め設定されたサイクル(cycle)以前に生成されたデータであってもよい。ここで、予め設定されたサイクルは0−サイクル以上であってもよく、1−サイクルよりも小さいか同じであってもよい。一例として、プリ−タップデータは、メイン−タップデータよりも0.5サイクル早く生成されたデータであってもよい。他の例として、プリ−タップデータは、
図5Bに示すように、メイン−タップデータよりも1−サイクル早く生成されたデータであってもよい。
【0064】
立ち上がりパターン検出部(rising pattern detector)はプリ−タップデータおよびメイン−タップデータを受信し、メイン−タップデータがロー(low)であり、プリ−タップデータがハイ(high)であるときにはハイ(high)である検出信号(例えば、C)を生成してもよい。
【0065】
プリ−ドライバ(pre−drivers)は、プリ−エンファシス(pre−emphasis)の量に応じて検出信号の振幅を調整し、メイン−タップデータから検出信号を減算してもよい。例えば、第1プリ−ドライバはプリ−エンファシスの量に応じて検出信号の振幅を調整してもよく、第2プリ−ドライバはメイン−タップデータから検出信号を減算してもよい。これにより、出力データ(例えば、D)は単に立ち上がりエッジ(rising edge)以前にプリ−エンファシスされてもよく、出力ドライバは出力データを生成してもよい。
【0066】
立ち上がりパターン検出部(rising pattern detector)は、
図5Cに示す組合せ論理(combinational logic)で構成されてもよい。立ち上がりエッジ(rising edge)を意味するメイン−タップデータがロー(low)であり、プリ−タップデータがハイ(high)である場合、ANDゲートの出力はハイ(high)になってもよい。プリ−エンファシススイッチ(switch for pre−emphasis:SW_PE)がロー(low)である場合、立ち上がりパターン検出部はプリ−タップデータを生成してもよい。そうすると、送信機の出力は一般的なプリ−エンファシスされたデータとなる。SW_PEがハイ(high)である場合、立ち上がりパターン検出部はライジング検出信号(rising detector signal)を生成してもよい。そうすると、送信機の最終出力信号は単に立ち上がりエッジ以前にのみプリ−エンファシスされることができる。
【0067】
図6は、本発明の一実施形態に係るパルス−拡張のために利用される簡略化されたブロックダイアグラムの一例を示した図である。
図6Aは、パルス−拡張のために利用される簡略化されたブロックダイアグラムを示している。データパターンにより、CLK〜4:1MUXはパルス幅が広く調整されてもよい。
図6Bおよび
図6Cは、CLK修正プロセス(process)の一例を示した図である。
【0070】
図7は、本発明の一実施形態に係るチャープパルス(chirped pulse)のチルティング(tilting)例を示した図である。
【0071】
本発明の一実施形態によると、非線形チャープ分散は、
図7に示すように論理的に誘導されてもよい。チルティング(tilting)は、パルスエッジ(pulse edge)で論理「1」によって発生してもよい。立ち上がりエッジ(rising edge)にて、レーザの出力電力が増加することにより、発光周波数は比例的に増加してもよい。これにより、立ち上がりエッジ(rising edge)の後、ピース(pieces)は迅速に電波されてもよく、ファイバの出力波形の立ち上がりエッジ(rising edge)は、ファイバの入力波形の立ち上がりエッジ(rising edge)よりも速く上昇してもよい。同じように、立ち下がりエッジ(falling edge)の後、ピース(pieces)は遅く電波されてもよく、ファイバの出力波形はファイバの入力波形よりも遅く下降してもよい。これにより、ファイバの出力波形は、
図7に示すように前方に傾くようになる。
【0072】
図8は、本発明の一実施形態に係る粒子の動きの一例を示した図である。
図8Aは同じ速度を有する粒子の動きを示しており、
図8Bは粒子の電力に応じて高い速度を有する粒子の動きを示している。
【0073】
バーガーの(Burger)方程式は、チャープパルス(chirped pulse)のチルティング(tilting)をモデリングするために利用されてもよい。バーガーの方程式は、乱流現象のような粒子の一次元的ストリーム(one−dimensional stream)の動きを説明してもよい。P(x,t)を電力フィールド(power fields)としよう。tは時間、xは時間tにおける位置を示してもよい。そうすると、P(x,t)は、時間tおよび位置xで粒子の電力を示してもよい。それぞれの粒子は自身の電力を保持してもよい。時間tで位置x(t)における粒子の場合、P(x(t),t)は一定であってもよい。時間tに対してP(x(t),t)を偏微分することにより、バーガーの方程式(Burger’s equation)と呼ばれる準線形方程式(quasi−linear equation)が得られてもよい。
【0075】
ここで、vはx方向への粒子の速度を示してもよい。
【0076】
次のパルスP(x,0)=1−cos(x)を考慮すると、粒子のストリームが等しい一定の速度(例えば、c)を有することを示すv(x,t)=cである場合、数式(15)は下記の数式(16)のように表現されてもよい。
【0078】
この場合、粒子のストリームの動きは
図8Aに示すとおりである。粒子が同じ速度を有するため、パルスは同時に前方に移動してもよく、パルスの形状はt’以後に変更しなくなる。
【0079】
ν(x,t)=αP(x,0)である場合、これは粒子のストリームが自身の電力に比例する異なる速度を有することを意味し、数式(15)は下記の数式(17)のように表現されてもよい。
【0081】
この場合、粒子のストリームの動きは
図8Bのように示されてもよい。粒子の電力が大きくなることにより、粒子はより速く動いてもよい。t’以後、粒子のストリームはチャープ−分散波形(chirp−dispersed pulse)のように前方に傾いてもよい(tilted)。これにより、チャープ−分散波形のチルティングは、バーガーの方程式(Burger’s equation)によってモデリングされてもよい。
【0082】
分散ファイバにおいて、DMLから放出された粒子は、電力に応じて異なる速度を有してもよい。速度と電力の関係は計算されてもよい。
【0083】
「0」に対する電力を有していることを仮定した粒子は、中心波長λcから放出され、光の速度cで電波されてもよい。「0」に対する粒子の相対的速度を△vとしよう。ファイバを通過した後の差等遅延は、下記の数式(18)のように表現されてもよい。
【0085】
数式(4)に数式(18)を代入することにより、△vと△Pの関係は下記の数式(19)のように表現されてもよい。
【0088】
結果的に、チルティング方程式(tilting equation)は、下記の数式(20)の形態で表現されてもよい。
【0090】
ここで、cは「0」に対するレーザの出力電力であるP=Lにおける速度を示してもよい。
【0091】
図9Aに示すように、粒子の速度が粒子の電力に反比例する補償チャネルは、チルティングを補償するために必要となってもよい。ファイバおよび補償チャネルを通過した後、異なる電力を有するすべての粒子は同じ平均速度を有してもよい。
【0092】
数式(20)のチルティング方程式において、チルティング補償方程式は下記の数式(21)のように表現されてもよい。
【0094】
補償チャネルにおいて、電力H(mW)を有する粒子は速度βLで電波されてもよく、同じように、電力Lを有する粒子は速度βHで電波されてもよい。適切な値でβを調整することにより、電力Lを有する粒子は電力Hを有する粒子と同時に到着するようになる。
【0095】
図9Bに示すように、電力Hを有する粒子と電力Lを有する異なる粒子は、長さがzであるファイバと長さがz
cである補償チャネルに電波されるものと仮定してもよい。数式(4)を利用することにより、ファイバ以後の粒子間の差等遅延(differential delay)は、下記の数式(22)のように表現されてもよい。
【0097】
補償チャネル以後の粒子間の差等遅延(differential delay)は、下記の数式(23)のように表現されてもよい。
【0099】
粒子が同じ平均速度を有するため、△t
fiberは△t
compと同じようにしてもよい。数式(22)を数式(23)と同じようにすることにより、βは下記の数式(24)によって決定されてもよい。
【0101】
今まで、信号減衰および増幅は無視されてもよかった。実際のシステムにおいて、補償チャネルにおける粒子の電力は、光チャネル(fiber channel)で粒子の最初の電力と同じでなくてもよい。ファイバ減衰、光検出器(Photo Detector:PD)応答性、およびトランスインピーダンス増幅器(TransImpedance Amplifier:TIA)利得は、電力を変更することがある。
【0102】
これは、減衰と増幅によって電力HがαHとなり、同じように、電力LがαLになると仮定してもよい。これによると、数式(21)は下記の数式(25)の形態に変更してもよい。
【0104】
ここで、βは数式(24)と同じであってもよく、αは成分パラメータから計算されたり、または電力検出器を利用して簡単に測定されてもよい。空間的量子化および逆方向オイラー(Euler)方法を利用することにより、数式(25)は数式(26)のように表現されてもよい。
【0107】
数式(26)は非線形方程式となってもよく、ボルテラ級数展開は非線形システムの表現のために広く使用されてもよい。
【0109】
ここで、ボルテラ演算子○は、P
in(t)の振幅および位相がH
n(s)の振幅および位相によって修正されたことを示してもよい。フーリエ変換を利用して数式(26)に数式(27)を代入することにより、数式(26)は下記の数式(28)のように表現されてもよい。
【0111】
下記の数式(29)は、P
iの昇順に応じて数式(28)から誘導されてもよい。
【0113】
係数比較を利用することにより、H
n(s)は下記の数式(30)のように得られてもよい。
【0115】
数式(30)をゼロ−ポールフィルタ形態に変換することにより、数式(30)は下記の数式(31)のように表現されてもよい。
【0117】
ここで、極点(pole)と零点(zero)は下記の数式(32)のように表現されてもよい。
【0119】
結果的に、チルティング補償方程式は下記の数式(33)の形態を有してもよい。
【0121】
図10は、チルティング補償を実行するプロセス(process)を示した図である。
【0122】
本発明の一実施形態によると、後補償(post−compensating)受信機のフィルタは、上述した方程式によって非線形チャープ−分散のチルティングを補償してもよい。ここで、フィルタは、ローパスフィルタ(low pass filter)および1Z−2Pフィルタ(one−zero two−pole filter)を備えてもよい。
【0124】
本発明の一実施形態によると、シミュレーションパラメータ(simulation parameters)は、下記のようにセットアップ(set−up)されてもよい。
【0125】
例えば、DMLを誘導するために、非ゼロ復帰(NRZ)フォーマットを有する6Gb/sの変調信号が利用されてもよい。例えば、レーザドライバ、ファイバ、光検出器(PD)、オプティズムシミューレータ(Optsim simulator)のような光学構成要素が利用されてもよい。例えば、DFB−DMLモデルは、オプティズム(Optsim)から富士通(Fujitsu)社製の5F10NPレーザダイオードに基づいて実現されてもよく、レーザパラメータによって調整されてもよい。高いチャープ−分散でEDCの性能を検証するために、κの値は「1」と「0」の間で0.35nmの波長差を有するように発生してもよい。設計されたDMLのスペクトラムは、「1」と「0」に対応する2つの区別されるピーク(peak)を有してもよい。結果的に、設計されたレーザは、チャープ係数として17.5GHz/mWを有してもよい。チャープ−分散効果に対するセットアップのために、D=16ps/km/nmの分散係数を有する40kmのSSMF(standard single mode fiber)が利用されてもよい。光ファイバリンクの後、PD、0.75倍ビット率の3dB帯域幅を有するベッセル(Bessel)電気ローパスフィルタ(low pass filter:LPF)、およびトランスインピーダンスアンプ(transimpedence Amplifier:TIA)はイコライザ(equalizer)以前に適用されてもよい。EDCはケイデンスツール(cadence tool)で実現されてもよい。
【0126】
図11は、送信機出力でアイダイアグラム(eye diagram)のシミュレーション結果を示した図である。
【0127】
図11Aは、パルス拡張ブロックが活性化した場合のアイダイアグラムを示している。
図11Bは、プリ−エンファシスブロックが活性化した場合のアイダイアグラムを示している。
図11Cは、2つのブロックがすべて活性化した場合のアイダイアグラムを示している。アイダイアグラムは、送信機の前置補償(pre−compensation)が適切に動作することを示している。
【0128】
図12Aは、補償が実行されなかったアイダイアグラム(eye diagram)を示している。
図12Bは、前置補償(pre−compensation)が実行されたアイダイアグラム(eye diagram)を示している。
図12Cは、後補償(post−compensation)が実行されたアイダイアグラム(eye diagram)を示している。
図12Dは、前置補償および後補償すべてが実行されたアイダイアグラム(eye diagram)を示している。
【0129】
図12は、受信機でアイダイアグラムのシミュレーション結果を示している。
図12Aは何の補償もない受信機におけるアイダイアグラムを示しており、
図12Bは前置補償に対するものであり、
図12Cは後補償に対するものであり、
図12Dは前置補償および後補償すべてに対するものである。
図12Bは、前置補償がラビットイヤーを減少させる可能性があることを示している。
図12Cおよび
図12Dにおいて、後補償はラビットイヤーおよびチルティングを除去してもよい。また、
図12Dは、さらに少ないジッタ(jitter)を示している。前置補償および後補償がすべて活性化した場合、チャープ−分散は完全に補償されるようになる。
【0130】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段によって実行が可能なプログラム命令形態で実行され、コンピュータで読み取り可能な媒体に記録されてもよい。前記コンピュータで読み取り可能な媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造などを単独または組み合わせて含んでもよい。前記媒体に記録されるプログラム命令は、実施形態のために特別に設計されて構成されたものやコンピューターソフトウェアの当業者に公知されて使用が可能なものであってもよい。
【0131】
本発明の思想または範囲を逸脱しない範囲内で、本発明から多様な修正および変形が可能であることは当業者にとって明白であろう。したがって、このような修正および変形は、特許請求の範囲によってのみ制限されなければならない。