(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5905103
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】3次元物品又は容器を形成する工具
(51)【国際特許分類】
B29C 43/14 20060101AFI20160407BHJP
B65D 1/26 20060101ALI20160407BHJP
B65D 1/00 20060101ALI20160407BHJP
B29C 43/32 20060101ALI20160407BHJP
【FI】
B29C43/14
B65D1/26 110
B65D1/00 120
B29C43/32
【請求項の数】23
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-529884(P2014-529884)
(86)(22)【出願日】2012年9月7日
(65)【公表番号】特表2014-530122(P2014-530122A)
(43)【公表日】2014年11月17日
(86)【国際出願番号】US2012054104
(87)【国際公開番号】WO2013036731
(87)【国際公開日】20130314
【審査請求日】2014年9月9日
(31)【優先権主張番号】61/573,647
(32)【優先日】2011年9月9日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】504075588
【氏名又は名称】グラフィック パッケージング インターナショナル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Graphic Packaging International,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100101498
【弁理士】
【氏名又は名称】越智 隆夫
(74)【代理人】
【識別番号】100107401
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 誠一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100120064
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 孝夫
(74)【代理人】
【識別番号】100154162
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 浩輔
(74)【代理人】
【識別番号】100182257
【弁理士】
【氏名又は名称】川内 英主
(72)【発明者】
【氏名】ウネク,パトリック,エッチ.
【審査官】
越本 秀幸
(56)【参考文献】
【文献】
特表2007−510598(JP,A)
【文献】
特開昭59−041237(JP,A)
【文献】
特表2006−513108(JP,A)
【文献】
特開2009−166863(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/032678(WO,A1)
【文献】
特開2002−363900(JP,A)
【文献】
特開2009−291985(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 43/00−43/58
B65D 1/00− 1/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブランクから容器を形成する工具であって、前記容器はフランジを有し、該工具は、
第1の工具アセンブリと、
第2の工具アセンブリと、
を備え、
前記第1の工具アセンブリ及び前記第2の工具アセンブリのうちの少なくとも一方が、開放位置と閉鎖位置との間で可動であり、前記開放位置において、前記ブランクは前記第1の工具アセンブリと前記第2の工具アセンブリとの間に受け取られ、前記閉鎖位置において、前記ブランクは前記容器に形成され、
前記第1の工具アセンブリ及び前記第2の工具アセンブリのうちの少なくとも一方が、前記容器の前記フランジを形成するフランジ形成機能部を備え、該フランジ形成機能部により、前記フランジの第1の部分が前記フランジの第2の部分に対して折り曲げられ、
前記フランジ形成機能部はカラーを備え、該カラーは少なくとも部分的に該工具の中心軸の周りに延在し、前記カラーは、前記容器の前記フランジを少なくとも部分的に形成する成形縁を有する、工具。
【請求項2】
前記カラーの前記成形縁は隆起部を有し、該隆起部は少なくとも部分的に該工具の前記中心軸の周りに延在し、前記隆起部は、前記容器の前記フランジの前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの少なくとも一方において陥凹部を形成するものである、請求項1に記載の工具。
【請求項3】
前記カラーの前記成形縁は曲面を有し、該曲面は、前記フランジの前記第1の部分を前記フランジの前記第2の部分に向かって少なくとも部分的に折り曲げるものである、請求項1に記載の工具。
【請求項4】
前記カラーは第1のカラーを含み、前記成形縁は第1の成形縁であり、
前記フランジ形成機能部は第2のカラーを更に含み、該第2のカラーは第2の成形縁を有し、前記第2のカラーは、少なくとも部分的に前記第1のカラーの周りに延在し、
前記第1のカラー及び前記第2のカラーは互いに対して可動である、請求項3に記載の工具。
【請求項5】
前記曲面は第1の曲面を含み、前記第2の成形縁は第2の曲面を含み、前記第1のカラーは、前記第1の曲面が前記第2の曲面と概ね位置合わせされるように位置決めされるものであり、該概ね位置合わせされた第1の曲面及び第2の曲面は、協働して、前記フランジの前記第1の部分を前記フランジの前記第2の部分に向かって少なくとも部分的に折り曲げるものである、請求項4に記載の工具。
【請求項6】
前記フランジ形成機能部は第3のカラーを更に備え、該第3のカラーは、少なくとも部分的に該工具の前記中心軸の周りに延在するとともに、前記第1のカラー及び前記第2のカラーに対向して配置され、前記第3のカラーは第3の成形縁を有し、前記概ね位置合わせされた第1の曲面及び第2の曲面は、前記フランジの前記第1の部分及び前記第2の部分を、前記第3のカラーの前記第3の成形縁に対して締め付けるものである、請求項5に記載の工具。
【請求項7】
前記第1のカラーは、前記第1の成形縁が前記第2の成形縁から離間するように位置決めされるものであり、前記第2の成形縁は前記第1のカラーの外面に隣接して配置され、前記フランジ形成機能部はスカート形成部を備え、該スカート形成部は、前記第1のカラーの前記外面に沿って、離間した前記第1の成形縁と前記第2の成形縁との間に画定され、前記スカート形成部は、前記フランジの前記第1の部分を前記フランジの前記第2の部分に向かって折り曲げる前に、前記フランジの前記第1の部分を形成するものである、請求項4に記載の工具。
【請求項8】
前記第1の工具アセンブリは第1の絞りリングを備え、前記第2の工具アセンブリは第2の絞りリングを備え、前記第1の絞りリング及び前記第2の絞りリングは、少なくとも部分的に該工具の前記中心軸の周りで前記第1のカラー及び前記第2のカラーの外方に延び、前記第1の絞りリング及び前記第2の絞りリングは、前記ブランクの外側部分をその間に締め付けるものである、請求項7に記載の工具。
【請求項9】
前記第1の絞りリング及び前記第2の絞りリングは、前記第1のカラー及び前記第2のカラーに対して可動であり、前記フランジの一部分を前記スカート形成部内に折り曲げる、請求項8に記載の工具。
【請求項10】
前記第1の工具アセンブリはキャビティブロックを備え、前記第2の工具アセンブリは雄成形部を備え、該雄成形部は、前記キャビティブロックと協働して、前記容器の側壁を少なくとも部分的に形成するものである、請求項1に記載の工具。
【請求項11】
前記キャビティブロックは凹所を画定し、前記雄成形部は連接されたノーズ部及び基部を有し、前記連接されたノーズ部は前記基部に対して可動であり、前記連接されたノーズ部及び前記基部はそれぞれ第1の面及び第2の面を有し、該第1の面及び該第2の面は、協働して、前記ブランクの少なくとも一部分を前記凹所内に及び前記キャビティブロックに対して押し付ける、請求項10に記載の工具。
【請求項12】
前記第2の工具アセンブリは前記カラーを備え、該カラーは、少なくとも部分的に前記基部の周りに延在するとともに該基部に対して可動であり、前記カラーの前記成形縁は、前記容器の前記フランジの前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの少なくとも一方における陥凹部を形成する隆起部を有する、請求項11に記載の工具。
【請求項13】
前記カラーは第1のカラーを含み、前記第2の工具アセンブリは前記第1のカラー及び第2のカラーを備え、それぞれが少なくとも部分的に前記キャビティブロックの周りに延在し、
前記第1のカラー、前記第2のカラー及び前記キャビティブロックは互いに対して可動であり、
前記第1のカラー及び前記第2のカラーは、協働して、少なくとも部分的に前記フランジの前記第1の部分を形成するとともに、前記フランジの前記第1の部分を前記第2の部分に向かって折り曲げる、請求項11に記載の工具。
【請求項14】
ブランクから容器を形成する方法であって、
工具及び前記ブランクを得ることであって、前記工具は第1の工具アセンブリ及び第2の工具アセンブリを備え、該第1の工具アセンブリ及び該第2の工具アセンブリのうちの少なくとも一方は前記容器のフランジを形成するフランジ形成機能部を備えることと、
前記ブランクを前記第1の工具アセンブリと前記第2の工具アセンブリとの間で押し付けることであって、前記ブランクを内部空間を有する前記容器に形成することと、
前記フランジ形成機能部を機能させることであって、前記フランジの第1の部分を前記フランジの第2の部分に対して少なくとも部分的に折り曲げることにより、前記容器の前記フランジを形成することと、
前記フランジ形成機能部はカラーを備え、該カラーは、少なくとも部分的に前記工具の中心軸の周りに延在し、前記カラーは成形縁を有し、前記フランジ形成機能部を前記機能させることは、前記カラーの前記成形縁を前記容器の前記フランジに対して押し付けること、を含む、方法。
【請求項15】
前記カラーの前記成形縁は隆起部を有し、該隆起部は、少なくとも部分的に前記工具の前記中心軸の周りに延在し、前記カラーの前記成形縁を前記フランジに対して前記押し付けることは、前記隆起部を前記フランジに対して押し付け、前記容器の前記フランジの前記第1の部分及び前記第2の部分のうちの少なくとも一方において陥凹部を形成することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記カラーの前記成形縁を前記フランジに対して前記押し付けることは、前記フランジの前記第1の部分を前記成形縁と係合させることと、前記カラーを前記フランジの前記第2の部分に向かって移動させることによって、前記フランジの前記第1の部分を前記フランジの前記第2の部分に向かって折り曲げることとを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記カラーは第1のカラーであり、前記成形縁は第1の成形縁であり、
前記フランジ形成機能部は第2のカラーを更に備え、該第2のカラーは第2の成形縁を有し、前記第2のカラーは、少なくとも部分的に前記第1のカラーの周りに延在し、
該方法は、前記第1のカラーを、前記第1の成形縁を前記第2の成形縁と位置合わせするように位置決めすることを更に含み、前記カラーを前記移動させることは、前記第1のカラー及び前記第2のカラーを前記フランジの前記第2の部分に向かって移動させることを含み、それにより、前記概ね位置合わせされた第1の成形縁及び第2の成形縁が、前記フランジの前記第1の部分を前記フランジの前記第2の部分に向かって少なくとも部分的に折り曲げる、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記フランジ形成機能部は第3のカラーを更に含み、該第3のカラーは、少なくとも部分的に前記工具の前記中心軸の周りに延在するとともに、前記第1のカラー及び前記第2のカラーに対向して配置され、前記第3のカラーは第3の成形縁を有し、前記カラーの前記成形縁を前記フランジに対して前記押し付けることは、前記第3のカラーを前記フランジの前記第2の部分に向かって移動させ、前記フランジの前記第1の部分及び前記第2の部分の少なくとも一部分を、前記第3の成形縁と、前記概ね位置合わせされた第1の曲面及び第2の曲面との間に締め付ける、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記フランジ形成機能部を前記機能させることは、前記第1のカラーを、前記第1の成形縁及び前記第2の成形縁を位置合わせするように前記位置決めすることの前に、前記フランジの前記第1の部分を形成することを更に含み、前記フランジの前記第1の部分を前記形成することは、
前記第1のカラーを前記第1の成形縁と、前記フランジに隣接して位置決めすることであって、前記第2の成形縁は前記フランジ及び前記第1の成形縁から離間しており、かつ前記第2の成形縁は前記第1のカラーの外面に隣接していることと、
前記フランジの前記第1の部分を前記フランジの前記第2の部分に対して旋回させるとともに、前記フランジの前記第1の部分の少なくとも一部分を前記第1のカラーの前記外面に対して位置決めすることであって、それにより、前記フランジの自由縁が前記第2のカラーの前記第2の成形縁に隣接して延在することと、
を含む、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記第1の工具アセンブリは第1の絞りリングを備え、前記第2の工具アセンブリは第2の絞りリングを備え、前記第1の絞りリング及び前記第2の絞りリングは、少なくとも部分的に前記工具の前記中心軸の周りで前記第1のカラー及び前記第2のカラーの外方に延び、
前記ブランクを前記第1の工具アセンブリと前記第2の工具アセンブリとの間で前記押し付けることは、前記第1の工具アセンブリと前記第2の工具アセンブリとの間に前記ブランクを位置決めすることと、前記ブランクの外側部分を前記第1の絞りリングと前記第2の絞りリングとの間に締め付けることとを含み、
前記フランジの前記第1の部分を前記旋回させることは、前記第1の絞りリング及び前記第2の絞りリングを前記第1のカラー及び前記第2のカラーに対して移動させ、前記フランジの前記第1の部分を旋回させることを含み、一方、前記第1のカラーは前記フランジの前記第2の部分を少なくとも部分的に押さえ付ける、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記第1の工具アセンブリはキャビティブロックを備え、前記第2の工具アセンブリは雄成形部を備え、前記ブランクを前記第1の工具アセンブリと前記第2の工具アセンブリとの間で前記押し付けることは、前記ブランクの内側部分を前記キャビティブロックと前記雄成形部との間に締め付け、前記容器の側壁を少なくとも部分的に形成することを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項22】
前記キャビティブロックは凹所を画定し、前記雄成形部は連接されたノーズ部及び基部を有し、
前記ブランクの前記内側部分を前記締め付けることは、少なくとも前記連接されたノーズ部を前記キャビティブロックに向かって移動させ、前記ブランクの前記内側部分の少なくとも一部分を前記凹所内に押し込むことを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ブランクの前記内側部分を前記締め付けることは、前記基部を前記キャビティブロック及び前記連接されたノーズ部に向かって移動させ、前記ブランクの前記内側部分の少なくとも一部分を前記凹所内に押し込み、それにより、前記容器の側壁及び底壁が、前記凹所の外面と、前記連接されたノーズ部及び前記基部の外面との間に形成されることを更に含む、請求項22に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、食品又は他の製品を保持、収容、又は調理(prepare)するのに用いることができる物品、部材、又は容器の形に材料を成形する工具及び方法に関する。
【0002】
[関連出願の相互参照]
本願は、2011年9月9日に出願された米国仮特許出願第61/573,647号の利益を主張する。
【0003】
[参照による援用]
2011年9月9日に出願された米国仮特許出願第61/573,647号と、2009年4月17日に出願された米国特許出願第12/425,417号と、2007年10月18日に出願された国際出願第2007/081743号と、2006年10月18日に出願された米国仮特許出願第60/829,976号との開示は、その全体が本明細書において提示されているかのように引用することにより本明細書の一部をなす。
【発明の概要】
【0004】
一態様において、本開示は包括的には、フランジを有する容器を形成する工具を対象とする。この工具は、少なくともフランジの一部分を形成又は巻き形成(roll)する機能部を有する。
【0005】
別の態様において、本開示は包括的には、ブランクから容器を形成する工具を対象とする。前記容器はフランジを有することができる。該工具は、
第1の工具アセンブリと、
第2の工具アセンブリと、
を備える。
前記第1の工具アセンブリ及び前記第2の工具アセンブリのうちの少なくとも一方が、開放位置と閉鎖位置との間で可動とすることができ、前記開放位置において、前記ブランクは前記第1の工具アセンブリと前記第2の工具アセンブリとの間に受け入れられ、前記閉鎖位置において、前記ブランクは前記容器に形成される。
前記第1の工具アセンブリ及び前記第2の工具アセンブリのうちの少なくとも一方が、前記容器の前記フランジを形成するフランジ形成機能部を備えることができ、該フランジ形成機能部により、前記フランジの第1の部分が前記フランジの第2の部分に対して折り曲げられる。
【0006】
別の態様において、本開示は包括的には、ブランクから容器を形成する方法を対象とする。本方法は、工具及び前記ブランクを得ることを含む。前記工具は第1の工具アセンブリ及び第2の工具アセンブリを備えることができ、該第1の工具アセンブリ及び該第2の工具アセンブリのうちの少なくとも一方は前記容器のフランジを形成するフランジ形成機能部を備えることができる。
本方法は、前記ブランクを、内部空間を有する前記容器に形成するために前記ブランクを前記第1の工具アセンブリと前記第2の工具アセンブリとの間で押し付けることと、
前記フランジの第1の部分を前記フランジの第2の部分に対して少なくとも部分的に折り曲げて、前記容器の前記フランジを形成するために前記フランジ形成機能部を機能させることと、
を更に含むことができる。
【0007】
別の態様において、本開示は包括的には、本明細書において図示及び/又は記載される任意の種々の方法により形成される容器を対象とする。
【0008】
当業者は、以下に挙げる図面を参照しながら種々の更なる実施形態の以下の詳細な説明を読めば、それらの実施形態の上述の利点及び他の利点並びに利益を理解するであろう。
【0009】
一般的慣行に従い、以下に説明する図面の種々の特徴部は必ずしも原寸に比例して描かれていない。本開示の実施形態をより明確に例示するため、図面中の種々の特徴部及び部材の寸法は拡大又は縮小可能とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1A】本開示の例示的な実施形態による成形工具によって形成された容器の等角図である。
【
図2】本開示の例示的な実施形態による、
図1Aの容器を形成する板紙ブランクが位置合わせされている成形工具の概略断面図である。
【
図3】容器の側壁及び底壁を形成するように、上側工具アセンブリに向かって動いている下側工具アセンブリを示す、本開示の例示的な実施形態による
図2の成形工具の概略断面図である。
【
図4】容器の側壁及び底壁を形成するように、上側工具アセンブリに向かって動いている下側工具アセンブリを示す、本開示の例示的な実施形態による
図2の成形工具の概略断面図である。
【
図5】容器の側壁及び底壁を形成するように、上側工具アセンブリに向かって動いている下側工具アセンブリを示す、本開示の例示的な実施形態による
図2の成形工具の概略断面図である。
【
図6】陥凹部(indentation)を有する容器の巻き形成されたフランジを形成する様子を示す、
図2の成形工具の概略断面図である。
【
図7】陥凹部を有する容器の巻き形成されたフランジを形成する様子を示す、
図2の成形工具の概略断面図である。
【
図8】陥凹部を有する容器の巻き形成されたフランジを形成する様子を示す、
図2の成形工具の概略断面図である。
【
図8A】陥凹部を有する容器の巻き形成されたフランジを形成する様子を示す、
図2の成形工具の概略断面図である。
【
図9】陥凹部を有する容器の巻き形成されたフランジを形成する様子を示す、
図2の成形工具の概略断面図である。
【
図9A】陥凹部を有する容器の巻き形成されたフランジを形成する様子を示す、
図2の成形工具の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面全体を通じて、対応する部品には対応する参照符号が付されている。
【0012】
本開示は包括的には、材料、パッケージ、部材、物品、容器、並びにそのような材料、パッケージ、部材、物品及び容器を作製する方法の種々の態様に関する。本開示の幾つかの異なる態様、実施態様及び実施形態が提供されるが、本開示の種々の発明的特徴(inventions)、態様、実施態様及び実施形態の多くの相互関係、それらの組み合わせ、並びに変更形態が本明細書によって意図される。1つの図示の実施形態では、本開示は、1つ又は複数の食料品を保持、加熱及び/又は調理する容器を成形することに関する。この容器は、例えば電子レンジ内で1つ又は複数の食品を調理するのに適している。しかし、他の実施形態では、本開示は、マイクロ波調理には用いられない物品又は容器を成形するのに用いることもできる。
【0013】
図1A及び
図1Bは、食品(図示せず)を入れる容器3を示している。この構造体すなわち容器3は、概ね平坦なブランク5(
図2)から形成される。ブランク5は、成形工具7においてプレス加工される。1つの実施形態において、ブランクは、1つ又は複数のマイクロ波相互作用材料の層(図示せず)を有することができる。代替的には、ブランクはマイクロ波相互作用材料を含まないものとすることもできる。
【0014】
図1A及び
図1Bに示されているように、容器3は、底壁11と、直立した側壁13と、側壁の頂部のフランジ15とを有する。
図1Cに示されているように、フランジ15は、側壁13の頂部から横方向外側に延びる上部17と、この上部に折り曲げ可能につながっている下部19とを有する。1つの実施形態において、上部17は陥凹部21を有し、下部19は縁部23を有する。縁部23は、陥凹部21の内部側に近接して位置決めされている。フランジ15は、下部19が上部17に折り曲げ可能につながっているとともに上部の下に巻かれているため、「巻き形成されたフランジ」と呼ぶことができる。
【0015】
1つの実施形態において、底壁11及び側壁13は、容器3の内部空間25を形成する。食品(図示せず)は、内部空間25内に配置することができ、底壁11及び側壁13と接触することができるか、又は、食品を側壁と接触することなく底壁によって支持することができる。
【0016】
図2〜
図9Aは、ブランク5を容器3に形成する際の種々な位置における、成形工具7の概略図である。図示されている実施形態では、工具7は、上側(第1の)工具アセンブリ41と、下側(第2の)工具アセンブリ43とを備える。上側工具アセンブリ41及び下側工具アセンブリ43は、垂直方向Zにアセンブリの中心軸A1に沿って別個に移動可能であり、ブランク5を容器3に形成する。
図2に示されているように、上側工具アセンブリ41及び下側工具アセンブリ43は、垂直方向Zに開放位置まで移動し、アセンブリ間に間隙を形成する。それにより、水平方向Xに移動するブランク5は、形成工程の前に、上側工具アセンブリと下側工具アセンブリとの間に配置される。
【0017】
1つの実施形態において、下側工具アセンブリ43は、連接されたノーズ部53と基部55とを有する雄成形部51を有する。下側工具アセンブリ43は、絞りリング57と、下側工具アセンブリの基部55及びベース63に隣接するカラー59とを備える。絞りリング57及びカラー59は、雄成形部51及び工具7の中心軸A1の周りに概ね延在することができる。基部55は、外面65を有する。外面65は、連接されたノーズ部53の外面67と協働して、容器3を形成する。カラー59は、成形縁68を有する。成形縁68は、その頂面に隆起部69を有するとともに、基部55及びベース63に対して摺動可能である。雄成形部51及びカラー59は、本開示から逸脱することなく、別様に形成、配置、位置決め及び/又は構成することができる。
【0018】
図示されている実施形態では、上側工具アセンブリ41は、支持部70と、上側凹所73を有するキャビティブロック71とを備える。凹所73は、下側工具アセンブリ43の外面65、67に概ね対応する形状を有する外面を有することができる。上側工具アセンブリ41は、キャビティブロック71に隣接する第1のカラー75と、第1のカラーに近接するとともに第1のカラーから径方向外側に離間している第2のカラー77とを有する。第1のカラー75及び第2のカラー77は、キャビティブロック71及び工具7の中心軸A1の周りに概ね延在することができる。1つの実施形態において、カラー77は支持部70に取付けられる。上側工具アセンブリ41は、第2のカラー77に隣接する絞りリング79を有し、そして、下側工具アセンブリ43の絞りリング57と概ね半径方向において位置合わせされる。
図8Aにおいて詳細に示されているように、第1のカラー75は、曲面81を有する成形縁80を有し、第2のカラー77は、斜面又は曲面83を有する成形縁82を有する。第1のカラー75の成形縁80は、第2のカラー77の成形縁82と概ね位置合わせされる。縁80、82及び面81、83は、本開示から逸脱することなく、別様に形成することができる。さらに、第1のカラー75、第2のカラー77及びキャビティブロック71は、本開示から逸脱することなく、別様に形成、配置、位置決め及び/又は構成することができる。
【0019】
1つの実施形態において、カラー59、75、77は、協働してフランジ形成機能部85として機能する。
図2に示されているように、カラー59はカラー75、77に対向して配置される。これらのカラーは、フランジ15の第1の部分(例えば下部19)を形成し、第1の部分をフランジの第2の部分(例えば上部17)に対して、折り曲げ、フランジ15の少なくとも一部分をカラー59とカラー75、77との間で締め付けるように、配置可能である。フランジ形成機能部85は、本開示から逸脱することなく、別様に形成、配置、位置決め及び/又は構成することができる。
【0020】
容器3をブランク5から形成する方法を以下に記載する。本開示の容器3は、ブランクを成形工具7に供給し、そして、工具を作動させることにより、プレス加工及び形成してブランク5から形成される。
図2は、上側工具アセンブリ41及び下側工具アセンブリ43の開放位置を示している。ここでは、平坦なブランク5が工具アセンブリ7内で中央に位置されている。ブランクは、基部53の外面67及び下側工具アセンブリ41の絞りリング57上に支持される。
図3は、閉鎖位置に移動し始めている工具アセンブリ41を示している。1つの実施形態において、下側工具アセンブリ43はZ方向に移動することができる。それにより、ブランク5の外側周縁部分は、下側工具アセンブリの絞りリング57と、上側工具アセンブリ41の絞りリング79との間に保持される。1つの実施形態において、下側工具アセンブリ43が上側工具アセンブリに向かって移動すると、絞りリング57がブランク5の外側部分87を絞りリング79に対して押し付ける。それにより、外側部分87は、それぞれの絞りリング57、79のクランプ面88、89の間に締め付けられる。
図2及び
図3に示されているように、クランプ面88、89は、工具7の内部から外部へと概ね上方に傾斜することができる。クランプ面88、89の傾斜は、キャビティブロック71の底面90の傾斜と概ね合わせられる。
図3の位置では、下側工具アセンブリ43の連接されたノーズ部53は、ブランク5の中央部分86に対して押し付けられ、容器3の底壁11及び側壁13を形成し始める。
【0021】
図4に示されているように、連接されたノーズ部53は、ブランク5の中央部を、キャビティ71の上側凹所73内へ上方に更に押し込む。1つの実施形態において、連接されたノーズ部53、基部55、及びカラー59は、連接されたノーズ部が上側凹所73内へ押し込まれる際、ともに移動することができる。それにより、基部の外面65及びカラーの成形縁68は、ベース63の上面93の上方に通常配置される。カラー59の成形縁68は、絞りリング57の内面に隣接することができる。工具アセンブリの雄成形部51がキャビティ71内へ移動する際、絞りリング57、79はブランク5の外側周縁部分を保持しており、ブランクの中央部はキャビティ内へ移動する。
【0022】
図5に示されているように、基部55は更に押し上げられ、連接されたノーズ部53に向かって進む。それにより、外面65は、ブランク5に接触して、ブランクをキャビティブロックの上側凹所73に対して更に押し付け、容器3の側壁13を更に形成する。基部55が押し上げられる際、絞りリング57、79はブランクの周縁部分を締結し続ける。図示されている実施形態では、カラー59は基部55とともに押し上げられる。
【0023】
図6に示されているように、雄成形部51の雄面65、67及びキャビティ71の上側凹所73の表面は、ブランクの内側部分86(例えば、側壁13及び底壁11)と、完全な接触を維持する。それにより、側壁及び底壁が、雄成形部51とキャビティブロック71との間に締め付けられる。ベース63は、第1の工具アセンブリ41に向かって移動する。それにより、上面93は絞りリング57と接触し、ベース63は絞りリング57、79を支持部70に向かって押し付ける。絞りリング57、79は、カラー75、77及びキャビティブロック71に対して上方に移動する。したがって、フランジ15の外側周縁部分はキャビティ側に折り曲げられ、スカート部91(例えば、フランジ15の下部19)をフランジ15の縁部の周りに形成する。
図6の位置では、スカート部91は第1のカラー75に隣接している。第1のカラー75は第2のカラー77に対して下方の位置にあり、スカート部91の自由縁は第2のカラー77の成形縁82に隣接している。具体的には、カラー75は、成形縁80に隣接して位置決めされ、キャビティブロック71の底面90と概ね位置合わせされる。成形縁80はカラー77の成形縁82から離間しており、スカート形成部95が、離間した成形縁80、82及びカラー75の外面によって画定される。したがって、カラー75の成形縁80はフランジ15の内側部分(例えば、頂部17)を押さえ付け、その間に、絞りリング57、79はフランジ15の外側部分を内側部分に対して旋回させ、スカート部91をスカート形成部95内に位置決めする。スカート部91は、本開示から逸脱することなく、代替的に形成することができる。
【0024】
図7に示されているように、第1のカラー75は、押し上げられ、フランジ15との接触位置から離れるように移動する。それにより、第1のカラーの曲面81は、第2のカラー77の曲面83と隣接するとともに、第2のカラー77の曲面83と概ね位置合わせされる。カラー75の上方移動は、支持部70のカラー停止部97により制限することができる。したがって、カラー75、77の、組み合わさって隣接する面81、83は、フランジ形成機能部85の曲面をなし、スカート部91をトレイ3の縁部の下に巻き、巻き形成されたフランジ15を形成する。スカート部91を巻く工程を改善するように、第1のカラー75及び第2のカラー77は、分割された連結用縦溝部を有して作製することができる。
【0025】
図8及び
図8Aに示されているように、下側工具アセンブリ43のカラー59は、ブランク5の周縁部分(例えば、フランジ15の上部17)に対して押し上げられる。したがって、カラー59の隆起部69は、容器3のフランジ15の頂部17における陥凹部21(
図1C)を形成するためにブランク5の周縁部分を押し付ける。
【0026】
図示されている実施形態では、工具7の最終閉鎖ステップが、
図9及び
図9Aに示されている。下側工具アセンブリ43は、上側工具アセンブリ41に向かって移動し、キャビティ71を移動させて、そして支持部70に到達させる。加えて、ベース63は、絞りリング79、57をキャビティ71に向かって、絞りリング79が支持部70に到達するまで移動させる。カラー75、77は
図8に示されている位置に留まり、面81、83は、巻き形成されたフランジを形成する面を形成する。絞りリング57、59が押し上げられると、下側工具アセンブリ43の絞りリング57は、外側カラー77における分割された対応パターン内に移動する。したがって、工具7はブランク5を、カラー75、77に対して上方に移動させ、工具7の完全な閉鎖がもたらされるまで、スカート部91の自由縁を、外側カラー77の曲面83に対抗させ、次に内側カラー75の曲面81に対抗させる。スカート部91の縁部が成形縁80、82に対抗している間、成形縁はスカート部91をフランジ15の上部17に向かって折り曲げる。容器3のフランジ15はこうして、スカート部91がフランジの下部19を形成した状態で形成される。下部19は、フランジの上部17の下に巻かれている。カラー59の成形縁68は、フランジ15の上部17及び下部19をカラー75、77の成形縁80、82に対して締め付けている。
【0027】
図示されている実施形態では、下側工具アセンブリ43は、容器3を形成した後、上側工具アセンブリ41から離れるように移動し、工具7を開放することができる。容器3は、離型される及び排出されるか、又は別様に取り外すことができる。そして、工具アセンブリ41、43は、別のブランク5を受け取るように、
図2に示されている位置までリセットすることができる。
【0028】
本開示の工具アセンブリ7は、1つの工具に、容器3の底壁11及び側壁13を形成する機能と、容器の巻き形成されたフランジ15を形成する機能との双方を実行させるように構成されている。本開示のこの1ステップ形成方法は、容器3が単一の工具7によって完全に形成されることを可能にし、複数の工具アセンブリを用いる2ステップ形成方法の必要性を排除する。このように、容器形成機能を単一の工具アセンブリ7に統合することで、より低い工具コスト、無駄の低減、及びより高い製造効率がもたらされる。
【0029】
上側工具アセンブリ41及び下側工具アセンブリ43は、通常、米国インディアナ州マリオン所在のPeerless Machine & Tool Corporation社によって製造されているタイプの機械(図示せず)、又は任意の他の好適な機械に取り付けることができる。この機械は、本開示の工具アセンブリ41及び43を十分に閉鎖及び開放する主要な圧縮力を提供することができる。工具アセンブリ41、43を機械により閉鎖及び開放することにより、3次元物品、又は容器3等の容器を形成することができる。他のタイプの機械の場合、工具アセンブリ41、43は、工具アセンブリが種々の代替的な方向において動作し、図示されている実施形態を形成することを可能にするように、軽微な修正又は変更を含むことができる。例えば、第1の工具アセンブリ41は、本開示から逸脱することなく、第2の工具アセンブリ43の下に位置決めすることができる。また、工具アセンブリ41、43は、本開示から逸脱することなく、図示されている縦軸A1に対して或る角度で位置決めすることができる。本明細書において図示及び/又は記載されている、工具アセンブリ41及び43の動作位置及び/又は動作順序は、本開示の範囲を限定することを意図しないことは理解されたい。
【0030】
本開示の前述の説明は、本開示の種々の実施形態を例示及び説明するものである。本開示の範囲から逸脱することなく、種々の変更を上記構成内でなし得るので、上記説明に含まれるか又は添付図面に示されている全ての事項が、限定的な意味ではなく例示として解釈されることが意図される。さらに、本開示の範囲は、特許請求の範囲の範囲内にある上述の実施形態の種々の変更形態、組み合わせ、及び変形形態等をカバーする。加えて、本開示は、本発明の選択された実施形態のみを図示及び説明しているが、本開示は、種々の他の組み合わせ、変更形態、及び環境で用いることが可能であり、本明細書で述べられているような発明概念の範囲内の変形若しくは変更、上記教示と同等の変形若しくは変更、及び/又は関連技術分野の技術若しくは知識内にある変形若しくは変更を行うことが可能である。さらに、本開示の範囲から逸脱することなく、各実施形態の或る特定の機能部及び特徴を、選択的に入れ替えて、本開示の他の説明された実施形態及び説明されていない実施形態に適用することができる。