(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記補給口移動装置は、前記ハウジングに形成された開口を一方から閉鎖する第1閉鎖部材と、当該開口を他方から閉鎖する第2閉鎖部材とを備え、前記第1閉鎖部材と前記第2閉鎖部材との間に前記補給口を形成する、請求項4に記載の部品供給装置。
前記可動部材が前記第1位置にあるときは、前記可動部材の少なくとも一部が前記収容部内に位置し、前記可動部材が前記第2位置にあるときは、前記可動部材が前記収容部外に位置する、請求項6に記載の部品供給装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この種の部品供給装置では、作業者が電子部品を補給する際に、その電子部品が保持具にセットされ、その保持具が指定された収容部にセットされる。このとき、作業者が保持具をセットする収容部を間違えると、部品供給装置はチップマウンタに誤った電子部品を供給することになる。このような問題を避けるために、上記した従来の部品供給装置は、保持具をチップマウンタへ送り出すときに、保持具に付されたバーコードを読み取るように構成されている。それにより、チップマウンタへ送り出された保持具が、正しい保持具(即ち、正しい電子部品)であるのか否かを検証する。
【0004】
従来の部品供給装置では、保持具をチップマウンタへ送り出すときに、保持具の検証が行われる。このような構成では、作業者が保持具をセットする収容部を間違えても、その段階ではそのミスを検出することができない。そのため、作業者が保持具をセットする収容部を間違えると、その後にチップマウンタの稼働が停止することになり、生産計画に遅れが生じるという問題がある。
【0005】
上記の問題を考慮し、本明細書で開示する技術は、作業者が保持具を誤った収容部にセットするという人為的ミスを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書は、チップマウンタに電子部品を供給する部品供給装置を開示する。この部品供給装置は、少なくとも一つの電子部品を保持する保持具と、各々が保持具を収容可能な複数の収容部を有する収容装置と、保持具に取り付けられているとともに、保持具に割り当てられた識別情報が記録された識別子と、保持具に割り当てられた識別情報と保持具がセットされるべき一つの収容部を記憶する記憶装置と、保持具の識別子に記録された識別情報を読み取る読取装置とを備える。
【0007】
この部品供給装置では、収容装置が、読取装置によって読み取られた識別情報が、記憶装置に記憶された識別情報に一致するときに、記憶装置に記憶された一つの収容部を、作業者が保持具をセットできるようにする。即ち、他の収容部については、作業者が保持具をセットすることができない。このような構成によると、作業者は、保持具をその保持部に指定された収容部にのみセットすることができる。それにより、作業者が保持具を誤った収容部にセットするといった人為的ミスが防止される。
【0008】
一実施形態において、前記した収容装置は、複数の収容部が設けられたマガジンと、マガジンを収容するハウジングと、ハウジングに形成されているとともに、マガジンに対して作業者が保持具をセットするための補給口とを備えることが好ましい。この場合、補給口は、複数の収容部の一つの大きさに対応するサイズを有することが好ましい。そして、収容装置は、マガジンと補給口との相対位置を変更可能に構成されていることが好ましい。このような構成によると、収容装置は、マガジンと補給口との相対位置を変更することによって、保持具がセットされるべき一つの収容部と補給口との位置を合わせ、当該一つの収容部を外部に開放することができる。
【0009】
上記した実施形態において、前記した収容装置は、ハウジング内でマガジンを移動させるマガジン移動装置をさらに備えることが好ましい。あるいは、又は、それに加えて、収容装置は、ハウジングに対して補給口を移動させる補給口移動装置をさらに備えることが好ましい。収容装置は、マガジン移動装置と補給口移動装置の少なくとも一方を備えることで、マガジンと補給口との相対位置を変更することができる。
【0010】
前記した補給口移動装置は、補給口の大きさを変更可能であることが好ましい。このような構成によると、例えば大きな電子部品を保持する保持具がセットされるときは、それに合わせて補給口を大きくすることができる。この場合、補給口は、二以上の収容部に対応するサイズまで拡大されてもよい。補給口のサイズが保持具及びそれに保持された電子部品のサイズに対応していれば、補給口が二以上の収容部に対応するサイズまで拡大されても、作業者が保持具を誤った収容部にセットするとった人為的ミスを避けることができる。
【0011】
前記した補給口移動装置は、ハウジングに形成された開口を一方から閉鎖する第1閉鎖部材と、当該開口を他方から閉鎖する第2閉鎖部材とを備え、第1閉鎖部材と第2閉鎖部材との間に補給口を形成することが好ましい。このような構成によると、第1閉鎖部材によって開口部を閉鎖する範囲と、第2閉鎖部材によって開口部を閉鎖する範囲とを変更することによって、補給口の位置及び大きさを変更することができる。
【0012】
他の一実施形態では、前記した収容装置が、前記複数の収容部の各々を、作業者がトレイをセット可能な開放位置と、作業者がトレイをセット不能な閉鎖位置との間で移動可能であることが好ましい。このような構成によると、収容装置は、保持具がセットされるべき一つの収容部のみを開放位置へ移動させて、当該収容部を外部に開放することができる。それにより、作業者が保持具を誤った収容部にセットするといった人為的ミスが防止される。
【0013】
本明細書は、他の一つの部品供給装置を開示する。この部品供給装置は、少なくとも一つの電子部品を保持する保持具と、保持具を収容可能な収容部を有する収容装置と、保持具に取り付けられているとともに、保持具に割り当てられた識別情報が記録された識別子と、収容部にセットされるべき保持具の識別情報を記憶する記憶装置と、保持具の識別子に記録された識別情報を読み取る読取装置とを備える。この部品供給装置において、収容装置は、読取装置によって読み取られた識別情報が、記憶装置に記憶された識別情報に一致するときに、収容部へ保持具がセットされることを許容するように構成されている。
【0014】
この部品供給装置において、収容装置は、収容部に保持具がセットされることを禁止する第1位置と、収容部に保持具がセットされることを許容する第2位置との間で移動可能な可動部材を備えることが好ましい。この場合、可動部材は、読取装置によって読み取られた識別情報が、記憶装置に記憶された識別情報に一致するときに、第1位置から第2位置へ移動することが好ましい。このような構成によると、読み取られた識別情報と記憶された識別情報とが一致しないときは、作業者は保持具を収容部へセットすることができない。それにより、作業者が保持具を誤った収容部にセットするといった人為的ミスが防止される。
【0015】
上記した部品供給装置において、可動部材が第1位置にあるときは、可動部材の少なくとも一部が収容部内に位置し、可動部材が第2位置にあるときは、可動部材が収容部外に位置することが好ましい。このような構成によると、可動部材が第1位置にあるときは、可動部材が保持具と物理的に干渉することによって、作業者が保持具を誤った収容部にセットすることが禁止される。
【0016】
前記した可動部材は、第2位置から第1位置へ移動することによって、収容部内に位置する保持部の少なくとも一部を収容部外へ排出可能であることが好ましい。このような構成によると、作業者が収容部から保持具を取り出すときに、取り出すべき保持具を特定しやすく、さらに保持具を取り出しやすい。
【0017】
前記した他の一つの部品供給装置において、読取装置は、保持具の一部が収容部内に位置するときに、保持具の識別子を読み取ることが好ましい。このような構成によると、作業者が保持具を収容部へセットするときに、保持具の識別子が自動的に読み取られるので、作業者が識別子の読み取りを忘れるといった人為的ミスを避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施例1の部品供給装置を模式的に示す斜視図。
【
図2】実施例1のパレット収容装置を模式的に示す断面図。
【
図3】パレットの一例であるトレイパレットを示す。
【
図4】パレットの一例であるウエハパレットを示す。
【
図5】実施例1の部品供給装置が実行する処理を示すフローチャート。
【
図6】実施例2の部品供給装置を模式的に示す斜視図。
【
図7】実施例2のパレット収容装置を模式的に示す断面図。
【
図8】実施例3の部品供給装置を模式的に示す斜視図。
【
図9】実施例3のパレット収容装置を模式的に示す断面図。
【
図10】実施例4の部品供給装置を模式的に示す斜視図。
【
図11】実施例4のパレット収容装置を模式的に示す斜視図。
【
図12】実施例4において、トレイを排出するためにマガジンを移動させるパレット収容装置を示す。
【
図13】実施例4において、排出装置によってパレットを排出するパレット収容装置を示す。
【
図14】実施例4において、パレットのバーコードを読み取る読取装置を示す。
【
図15】実施例4において、排出装置の押出ヘッドを退避させ、作業者がパレットをセットすることを許容するパレット収容装置を示す。
【
図16】実施例4において、排出装置の押出ヘッドを退避させず、作業者がパレットをセットすることを禁止するパレット収容装置を示す。
【発明を実施するための形態】
【実施例1】
【0019】
実施例1の部品供給装置20について説明する。
図1に示すように、部品供給装置20は、チップマウンタ2に電子部品8を供給する装置である。チップマウンタ2は、回路基板(図示省略)に電子部品8を実装する装置であり、表面実装機や電子部品組立装置とも称される。部品供給装置20は、電子部品8を保持する複数のパレット10と、複数のパレット10を収容する収容装置22と、収容装置22とチップマウンタ2との間でパレット10を搬送する取出装置28と、収容装置22及び取出装置28の動作を制御する制御装置21を備えている。
【0020】
パレット10は、電子部品8を保持する保持具の一例である。部品供給装置20では、パレット10を用いて電子部品8がハンドリングされる。電子部品8がセットされたパレット10は、収容装置22に設けられた補給口34を通じて、収容装置22内にセットされる。電子部品8の補給は、パレット10の交換によって行われる。作業者は、収容装置22内の空となったパレット10を、電子部品8がセットされたパレット10と交換することによって、電子部品8の補給を行う。
【0021】
図3、
図4は、パレット10の具体例を示す。
図2に示すパレット10は、例えばトレイパレットと称され、格子状に複数の電子部品8を収容するトレイ12を保持することができる。
図3に示すパレット10は、例えばウエハパレットと称され、半導体ウエハ16をダイシングした状態の電子部品8を保持することができる。なお、これらのパレット10は、電子部品8を保持する保持具の一例であり、保持具の形態は特に限定されない。
【0022】
各々のパレット10には、そのパレット10に割り当てられた識別情報を記録するバーコード14が付されている。部品供給装置20では、パレット10のバーコード14を利用して、電子部品8の流れが管理される。ここで、バーコード14は、識別子の一例であり、二次元コード、磁気テープ、RFIDといった、識別情報を記録し得る他の識別子であってもよい。その他、凹凸の配列によって情報を記録するものでもよい。
【0023】
図2に示すように、収容装置22は、ハウジング23と、ハウジング23内に収容されたマガジン24と、マガジン24をハウジング23内で昇降させる昇降装置30を備えている。昇降装置30は、ハウジング22内でマガジン24を移動させるマガジン移動機構の一例である。昇降装置30の動作は、制御装置21によって制御される。マガジン24は、複数の収容部36を有している。各々の収容部36は、少なくとも一つのパレット10を収容することができる。複数の収容部36は、鉛直方向に配列されている。取出装置28は、マガジン24に収容された複数のパレット10の一つを、チップマウンタ2へ供給する。このとき、昇降装置30がマガジン24を昇降させることによって、チップマウンタ2へ供給されるパレット10が選択される。ハウジング23には、パレット10が通過するための取出口26が設けられている。パレット10上の電子部品8は、チップマウンタ2のヘッド4によって、回路基板(図示省略)に実装される。ヘッド4には、電子部品8を吸着するノズル6が取り付けられている。
【0024】
図1、
図2に示すように、収容装置22は、ハウジング23に形成された開口32と、その開口32を下方から閉鎖する下側シャッタ42と、その開口32を上方から閉鎖する上側シャッタ44を備えている。下側シャッタ42と上側シャッタ44は、下側モータ46と上側モータ48によってそれぞれ駆動される。下側モータ46と上側モータ48は、制御装置21によって制御される制御装置21は、下側モータ46と上側モータ48をそれぞれ制御することによって、下側シャッタ42が開口32を閉鎖する範囲と上側シャッタ44が開口32を閉鎖する範囲を、それぞれ調節することができる。それにより、収容装置22では、下側シャッタ42と上側シャッタ44との間に補給口34が形成されるとともに、補給口34の位置や大きさを変更可能に構成されている。なお、下側シャッタ42及び上側シャッタ44は、開口32を閉鎖する閉鎖部材の一例であり、他の構成の閉鎖部材に置き換えることができる。加えて、下側モータ46と上側モータ48は、モータに限定されず、閉鎖部材を駆動し得る他の種類のアクチュエータであってもよい。下側シャッタ42、上側シャッタ44、下側モータ46、上側モータ48は、補給口34の位置及び大きさを変更する補給口移動装置の一例である。
【0025】
図1に示すように、部品供給装置20は、読取装置60と管理装置70を備えている。読取装置60は、いわゆるバーコードリーダであり、パレット10のバーコード14に記録された識別情報を読み取ることができる。読取装置60は、作業者がパレット10を収容装置22へセットする際に、作業者がパレット10のバーコード14を読み取るために用意されている。読取装置60は、管理装置70と通信可能であり、読み取った識別情報を管理装置70に送信することができる。
【0026】
管理装置70は、コンピュータを用いて構成されており、演算装置や記憶装置を有している。管理装置70は、部品供給装置20及びチップマウンタ2の運転を管理しており、部品供給装置20の制御装置21と通信可能となっている。管理装置70には、パレット管理データを含む、各種のデータが記録されている。パレット管理データは、複数のパレット10の各々について、パレット10に割り当てられた識別情報と、そのパレット10の現在の状態が記述されている。例えば、収容装置22へ新たにセットされるパレット10については、パレット10にセットされるべき電子部品8と、マガジン24の複数の収容部36のなかで、そのパレット10がセットされるべき一つの収容部36が記述されている。
【0027】
図5は、作業者が収容装置22内へパレット10をセットするときに、部品供給装置20が実行する処理を示すフローチャートである。最初、ステップS12では、作業者が、読取装置60を用いて、パレット10のバーコード14を読み取る。読取装置60は、バーコード14からパレット10の識別情報を取得し、取得した識別情報を管理装置70へ送信する。ステップS14では、管理装置70が、読取装置60から受信した識別情報をキーとして、パレット管理データ内を検索する。それにより、当該識別情報に関連付けて記憶されている収容部36が抽出される。ステップS16では、管理装置70が、ステップS14で抽出した収容部36を、パレット10がセットされるべき収容部36として特定し、制御装置21へ教示する。
【0028】
ステップS18では、制御装置21が、マガジン24の現在の位置を確認する。ステップS20では、制御装置21が、教示された収容部36と、マガジン24の現在の位置に基づいて、形成すべき補給口34の位置を決定する。それにより、パレット10がセットされるべき収容部36の現在の位置に合わせて、補給口34の位置が決定される。補給口34の大きさついては、通常、一つの収容部36に対応する大きさとされる。ただし、補給口34の大きさは、パレット10に保持された電子部品8(トレイ12)の大きさに応じて変更してもよい。この場合、制御装置21は、前述したステップS14において、管理装置70から電子部品8(トレイ12)の大きさに関する情報をさらに取得するとよい。電子部品8(トレイ12)の大きさに応じて、補給口34は二以上の収容部36に対応する大きさとすることもできる。ステップS22では、制御装置21が、下側シャッタ42及び上側シャッタ44を操作し、決定された位置に補給口34を形成する。それにより、パレット10がセットされるべき収容部36のみが、補給口34を通じて外部に開放される。作業者は、補給口34からパレット10をハウジング23内に挿入することで、パレット10を正しい収容部36へセットすることができる。
【0029】
以上のように、本実施例の収容装置22は、読取装置60によって読み取られたパレット10の識別情報が、管理装置70に記憶された識別情報に一致するときに、それに関連付けて記憶された収容部36のみを外部に開放し、作業者がパレット10をセットできるようにする。それにより、作業者がパレット10を誤った収容部36へセットするといった人為的ミスを避けることができる。
【実施例2】
【0030】
実施例2の部品供給装置120について説明する。
図6、
図7に示すように、本実施例の部品供給装置120もまた、チップマウンタ2に電子部品8を供給する装置である。本実施例の部品供給装置120は、実施例1の部品供給装置20と比較して、収容装置122の一部の構成が異なっている。その他の点については、実施例1の部品供給装置20と実質的に同一であることから、同一の符号を付すことによって重複する説明は省略する。
【0031】
図7に示すように、本実施例の収容装置122では、補給口34がハウジング23に形成されており、その位置が固定されている。補給口34の大きさは、マガジン24の一つの収容部36に対応する大きさとなっている。それにより、補給口34は、選択された一つの収容部36のみを、外部に開放することができる。
【0032】
本実施例の部品供給装置120では、実施例1の部品供給装置20と同じく、作業者が読取装置60によってパレット10のバーコード14を読み取ると(
図5のステップS12参照)、管理装置70が、取得された識別情報をキーとしてパレット管理データ内を検索し(ステップS14参照)、パレット10がセットされるべき収容部36を特定する(ステップS16参照)。
【0033】
しかしながら、本実施例の部品供給装置120では、パレット10がセットされるべき収容部36が特定されると、特定された収容部36が補給口34の位置に合うように、制御装置21が昇降装置30を制御して、マガジン24をハウジング23内で移動させる。それにより、パレット10がセットされるべき収容部36のみが、補給口34を通じて外部に開放される。作業者は、補給口34からパレット10をハウジング23内に挿入することで、パレット10を正しい収容部36へセットすることができる。
【0034】
以上のように、本実施例の収容装置122は、読取装置60によって読み取られたパレット10の識別情報が、管理装置70に記憶された識別情報に一致するときに、それに関連付けて記憶された収容部36のみを外部に開放し、作業者がパレット10をセットできるようにする。それにより、作業者がパレット10を誤った収容部36へセットするといった人為的ミスを避けることができる。
【実施例3】
【0035】
実施例3の部品供給装置220について説明する。
図8、
図9に示すように、本実施例の部品供給装置220もまた、チップマウンタ2に電子部品8を供給する装置である。本実施例の部品供給装置220は、実施例1の部品供給装置20と比較して、収容装置222の一部の構成が異なっている。その他の点については、実施例1の部品供給装置20と実質的に同一であることから、同一の符号を付すことによって重複する説明は省略する。
【0036】
図8、9に示すように、本実施例の収容装置222では、補給口34がハウジング23に形成されており、その位置が固定されている。補給口34の大きさは、マガジン24の全体に対応する大きさとなっている。それにより、補給口34は、マガジン24の全ての収容部36を、外部に開放することができる。
【0037】
図9に示すように、本実施例の収容装置222は、複数のアクチュエータ226を備えている。複数のアクチュエータ226は、複数の収容部36にそれぞれ設けられている。各々のアクチュエータ226は、対応する一つの収容部36を、マガジン24から突出した突出位置とマガジン24に収容された収容位置との間で移動させることができる。各々のアクチュエータ226は、制御装置21によって制御される。
【0038】
本実施例の収容装置222では、収容部36の前部にリム224が形成されている。このリム224により、収容部36は、突出位置にあるときに開放され、収容位置にあるときは閉鎖される。即ち、作業者は、突出位置にある収容部36にのみ、パレット10をセットすることができる。
【0039】
本実施例の部品供給装置220では、実施例1の部品供給装置20と同じく、作業者が読取装置60によってパレット10のバーコード14を読み取ると(
図5のステップS12参照)、管理装置70が、取得された識別情報をキーとしてパレット管理データ内を検索し(ステップS14参照)、パレット10がセットされるべき収容部36を特定する(ステップS16参照)。
【0040】
しかしながら、本実施例の部品供給装置220では、パレット10がセットされるべき収容部36が特定されると、制御装置21が対応するアクチュエータ226を制御して、特定された収容部36を突出位置へ移動させる。それにより、パレット10がセットされるべき収容部36のみが外部に開放される。作業者は、突出位置にある収容部36にパレット10を載置することで、パレット10を正しい収容部36へセットすることができる。
【0041】
以上のように、本実施例の収容装置222は、読取装置60によって読み取られたパレット10の識別情報が、管理装置70に記憶された識別情報に一致するときに、それに関連付けて記憶された収容部36のみを外部に開放し、作業者がパレット10をセットできるようにする。それにより、作業者がパレット10を誤った収容部36へセットするといった人為的ミスを避けることができる。
【実施例4】
【0042】
実施例4の部品供給装置320について説明する。
図10、
図11に示すように、本実施例の部品供給装置320もまた、チップマウンタ2に電子部品8を供給する装置である。本実施例の部品供給装置320は、実施例1の部品供給装置20と比較して、収容装置322の一部の構成が異なっている。その他の点については、実施例1の部品供給装置20と実質的に同一であることから、同一の符号を付すことによって重複する説明は省略する。
【0043】
図10、11に示すように、本実施例の収容装置322では、補給口34がハウジング23に形成されており、その位置が固定されている。補給口34の大きさは、マガジン24の一つの収容部36に対応する大きさとなっている。それにより、補給口34は、選択された一つの収容部36のみを、外部に開放することができる。また、本実施例では、読取装置60が収容装置322に取り付けられている。読取装置60の読取部62は、補給口34に向けられており、パレット10が補給口34へ挿入されるときに、パレット10のバーコード14を自動的に読み取ることができる。
【0044】
図11に示すように、本実施例の収容装置322は、押出装置324を備えている。押出装置324は、マガジン24からパレット10を押し出す装置である。押出装置324は、可動部材326を備えている。可動部材326は、マガジン24の収容部36内に位置する第1位置と、収容部36外に位置する第2位置との間で移動可能となっている。押出装置324は、制御装置21によって制御される。可動部材326の移動方向は、作業者が収容部36に対してパレット10を出し入れする方向に等しく、一例ではあるが本実施例では水平方向である。
【0045】
図12から
図16を参照して、作業者が収容装置322のパレット10を交換する際に、本実施例の部品供給装置320が実行する動作を説明する。先ず、
図12に示すように、昇降装置30がマガジン24を移動させ、パレット10の交換をすべき収容部36を補給口34の位置に合わせる。このとき、押出装置324の可動部材326は、マガジン24の収容部36から退避した第2位置にある。次いで、
図13に示すように、押出装置324が可動部材326を第1位置へ移動させ、収容部36内のパレット10が補給口34に向けて押し出される。押し出されたパレット10は、作業者によって取り出される。
【0046】
次いで、
図14に示すように、作業者が新たなパレット10を、補給口34を通じて収容部36へ挿入する。このとき、パレット10のバーコード14が読取装置60によって読み取られる。パレット10の識別情報は、読取装置60から管理装置70へ送信される。管理装置70は、送信された識別情報をキーとしてパレット管理データ内を検索し、作業者の用意したパレット10(即ち、電子部品8)が、正しいパレット10(即ち、正しい電子部品8)であるのか否かを判断する。管理装置70による判断結果は、制御装置21に送信される。
【0047】
図15に示すように、作業者の用意したパレット10が正しければ、制御装置21は、押出装置324を制御して、可動部材326を収容部36外の第2位置へ移動させる。それにより、収容部36にパレット10がセットされることを許容する。この場合、作業者は、パレット10を収容部36へ正しくセットすることができる。一方、
図16に示すように、作業者の用意したパレット10が正しくなければ、制御装置21は、押出装置324を制御して、可動部材326をそのまま第1位置に維持させる。それにより、収容部36にパレット10がセットされることを禁止する。この場合、可動部材326が邪魔となって、作業者はパレット10を収容部36に正しくセットすることができない。その結果、収容部36に誤ったパレット10がセットされることが防止されるとともに、作業者は用意したパレット10が間違っていることを認識することができる。
【0048】
以上のように、本実施例の収容装置322は、読取装置60によって読み取られた識別情報が、交換用のパレット10として管理装置70に記憶された識別情報に一致するときに、収容部36へパレット10がセットされることを許容する。それにより、作業者がパレット10を誤った収容部36へセットするといった人為的ミスを避けることができる。
【0049】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0050】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組み合わせによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組み合わせに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。