(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記平均化回路が、前記第2の整流器回路の出力のピーク電圧レベルよりも低い電圧レベルを提供するように構成される、請求項1または2のいずれか一項に記載の電力変換装置。
前記全波整流器回路の各々が、4つのダイオードを備え、前記4つのダイオードのうちの2つのダイオードが、前記第1の整流器回路と前記第2の整流器回路との間で共有される、請求項6に記載の電力変換装置。
前記全波整流器回路の各々が、4つのダイオードを備え、前記4つのダイオードのうちの2つのダイオードが、前記第1の整流器回路と前記第2の整流器回路との間で共有される、請求項15に記載の方法。
前記全波整流器回路の各々が、4つのダイオードを備え、前記4つのダイオードのうちの2つのダイオードが、前記第1の整流器回路と前記第2の整流器回路との間で共有される、請求項25に記載の電力変換装置。
【発明を実施するための形態】
【0007】
添付の図面と関連させて以下で行われる詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態の説明として意図されており、本発明を実施できる実施形態を限定的に表すことは意図されていない。本明細書全体にわたって使用される「例示的な」という用語は、「例、実例、または図例として役立つ」ことを意味しており、他の例示的な実施形態よりも好ましい、または有利であると必ずしも解釈すべきではない。詳細な説明は、本発明の例示的な実施形態の完全な理解が得られるように、具体的な細部を含む。いくつかの例では、いくつかのデバイスは、ブロック図形式で示される。
【0008】
上で述べられたように、多くの電力用途が、たとえば、電力系統からの電力を、バッテリの充電またはDCに依存する電子デバイスの給電のために使用できるように変換するために、交流(AC)-直流(DC)変換を利用する。
【0009】
図1は、AC-DC変換のための例示的なシステム100の機能ブロック図である。システム100は、単相交流(AC)を発生させるために時間変化する電圧を提供できる、電源102を含む。電源102は、交流(AC)を発生させる時間変化する電圧を提供する、任意の電力源とすることができる。整流器回路104は、電源102からACを受け取り、交流を一定の直流(DC)に整流することができる。整流器回路104から出力される直流は、負荷106の給電または充電を行うために提供される。負荷106は、たとえば、充電されるように構成されたバッテリとすることができる。負荷106は、電子デバイス内の集積回路、または他の任意の回路など、直流を使用する他の任意の回路とすることもできる。
【0010】
高周波数ACをDCに整流すると、整流器回路104の効率を低下させ、望ましくない放射を引き起こす、高調波歪みがもたらされることがある。いくつかの整流器回路は、高周波数では機能しないことがあり、共振フィルタを必要とすること、貧弱な効率を有すること、または多相AC電力を必要とすることがある。たとえば、電力系統ライン(utility line)の周波数のために、能動電力補正が使用されることがある。しかし、能動電力補正は、供給される電力を電力ライン周波数の数倍の頻度でスイッチングすることを必要とすることがあるので、数KHzを上回る周波数に対しては実用に適さないことがある。バレーフィル(valley fill)トポロジが使用されることがあるが、負荷電流は、入ってくる電力につれて変動することがあり、したがって、数KHzを上回ると、実用に適さなくなることがある。高調波を除去するために、共振フィルタネットワークを使用することもできる。しかし、フィルタネットワークは、正確なインダクタ値およびキャパシタ値を必要とすることがあり、したがって、周波数の狭い範囲に対してしか適さないことがある。多相電力のために、マルチパルス整流器トポロジを使用することもできるが、これらは、3相電力ネットワークに対してしか適さないことがある。そのため、周波数の広い範囲にわたって機能でき、一方で、単相電力を使用して高い力率および低減された高調波も提供する、整流器トポロジが必要とされている。
【0011】
図2は、全波ブリッジ整流器回路204を含む、
図1に示されるようなAC-DC変換のための例示的なシステム200の概略図である。整流器回路204は、電源202によって発生させられた単相の時間変化する交流を受け取り、受け取ったACを、負荷R
L206に提供できるDCに変換するように構成することができる。整流器回路204は、電源202から受け取ったACを直流に整流するために、ダイオードD
1、D
2、D
3、D
4を含む、全波ブリッジ整流器とすることができる。整流されたDCは、一定のDCを負荷R
L206に提供するために、キャパシタC
1によって平滑化することができる。
【0012】
図3は、
図2に示されるような全波ブリッジ整流器回路204の例示的な電圧波形330および電流波形320のグラフである。示されるように、電源202からの電圧波形330は、歪みのない正弦曲線形状を示す。理想的には、整流器回路204における電流波形320は、電圧波形330を正確に反映し、やはり対応する歪みのない正弦曲線形状を有する。しかし、上で説明したような高調波歪みなどが原因で、整流器回路204の電流波形320は、狭い山と谷を伴った広い平坦部を有する。歪みの結果として、システム200の効率は低下する。より具体的には、力率(すなわち、負荷206に流入する有効電力の、整流器回路204の皮相電力に対する比)が低下する。負荷206の非線形動作も、電流波形320に歪みを生じさせることがあり、その歪みが、力率の低下をもたらす。低い力率は、回路において利用可能であるよりも低い電力しか負荷206に供給されないことを示す。結果として、システム200の効率が低下する。
【0013】
図4は、一実施形態による、AC-DC変換のための別の例示的なシステム400の概略図である。単相AC電源402は、ACを第1および第2の整流器回路404a、404bに提供する。第1の整流器回路404aおよび第2の整流器回路404bは、以下でさらに説明されるように、様々な異なるタイプの整流器回路および整流器回路トポロジから形成することができる。使用されるトポロジにかかわらず、第1の整流器回路404aおよび第2の整流器回路404bは、電源402からの交流を直流に整流することができる。第1の整流器回路404aは、電源402からの交流を、出力において提供される第1の直流に整流するように構成することができる。
【0014】
第1の直流は、平均化回路410によって受け取ることができ、平均化回路410は、第1の整流器回路404aの出力を平均化することができる。平均化回路410の動作は、平均化回路410の出力を、第2の整流器回路404bの出力のピーク電圧よりも低くすることができる。平均化回路410は、インダクタL
1と、キャパシタC
2とを備えることができる。インダクタL
1とキャパシタC
2は、電気的に並列に接続することができる。インダクタL
1とキャパシタC
2のインダクタンスは、システム400の様々な設計パラメータおよび動作条件に従って選択することができる。平均化回路410は、ダイオードD
5をさらに含むことができる。平均化回路410は、第1の整流器回路404aから出力された第1の直流から導出される、第2の直流を提供することができる。
【0015】
第2の整流器回路404bも、電源402からの交流を整流して、第3の直流を発生させることができる。平均化回路410の出力と第2の整流器回路404bの出力は、平均化回路410から出力される第2の直流が、第2の整流器回路404bから出力される第3の直流と結合されるように、電気的に接続されて、共通出力を形成する。一態様では、出力が電気的に接続されるので、第2の整流器回路404bの最小出力は、平均化回路410の出力によって制限することができる。一態様では、その結果、システム400の電流波形を、正弦曲線波形により近づいた平坦部のある波形にすることができる。システム400の動作の結果として、高調波が低減され、力率が向上する。一態様では、第1の整流器回路404aは、電圧がより低い整流器回路として特徴付けることができ、第2の整流器回路404bは、第1の整流器回路404aと比較して、電圧がより高い整流器回路として特徴付けることができる。第2の整流器回路404bおよび平均化回路410から出力される直流は、フィルタ回路412によってさらにフィルタリングすることができ、フィルタ回路412は、とりわけ、負荷R
L406に提供される実質的に一定のDCを提供することができる。フィルタ回路412も、力率の向上および望ましくない高調波の低減を提供するように構成することができる。フィルタ回路412は、インダクタL
2と、キャパシタC
3とを備えることができる。
【0016】
図5は、一実施形態による、AC-DC変換のための別の例示的なシステム500の概略図である。
図5は、
図4のシステム400に従って使用することができる、例示的な第1および第2の整流器回路504a、504bの概略図を示している。第1の整流器回路504aは、ダイオードD
8、D
9、D
10、D
11を含むフルブリッジ整流器回路トポロジを含み、電源502からの単相交流を出力における第1の直流に整流するように構成される。第2の整流器回路504bは、やはり電源502からの交流を第2の直流に整流するために、ダイオードD
6、D
7、D
8、D
9を含むフルブリッジ整流器回路トポロジを備える。
図5に示されるように、第1および第2の整流器回路504a、504bは、ダイオードD
8、D
9などの構成要素を共有することができる。示されるように、第1の整流器回路504aおよび第2の整流器回路504bの各々は、フルブリッジ整流器回路とすることができる。
【0017】
第1の直流としての、第1の整流器回路504aの出力は、インダクタL
3、キャパシタC
4、およびダイオードD
12を含む、平均化回路510に提供される。平均化回路510の出力は、第2の整流器回路504bの出力に電気的に接続される。結合された直流出力は、一態様では、出力を平滑化して一定のDCを提供できる、インダクタL
4およびキャパシタC
5を含むフィルタ回路512によってフィルタリングされる。出力は、次いで、負荷R
L506に提供される。示されるように、ダイオードD
6、D
7、D
8、D
9を含む全波ブリッジ整流器回路は、ダイオードD
10、D
11と電気的に直列に接続される。
図5に示される第1および第2の整流器回路504a、504bのためのトポロジは、以下で説明される他のトポロジと比較して、簡素化されている。構成要素の数を減らすことで、コストの低下または効率の向上など、様々な利益を得ることができる。
【0018】
図6は、
図5に示されるようなシステム500の例示的な電圧波形630および電流波形620のグラフである。示されるように、電圧波形630は、歪みのない正弦曲線形状を有する。システム500の電流波形620は、特に
図3の電流波形320と比較して、歪みのない波により近い、平坦部を有する電流波形620になる。歪みの少ない電流波形620によって示されるように、システム500は、著しい高調波低減および力率向上を提供することができる。
図6および他の図の電圧および電流の値は、説明の目的で仮説的な値を提供しており、様々な異なる値およびレベルが可能であることを理解されたい。システム500は共振することがないので、システム500は、広い範囲の周波数にわたって使用することができる。
図4および
図5に示されるような整流器トポロジの組合せを使用することによって、電流波形は、正弦波により近づくことができ、システムの動作は、望ましくない高調波および力率の低下に関して上で説明されたような問題のいくつかを回避することを可能にすることができる。広い範囲の周波数および動作条件に向いたシステム400、500を設計できるように、
図4および
図5に示される様々な構成要素に関して、高い力率を依然として提供しながら、広い範囲の構成要素値を使用することができる。
【0019】
図7は、一実施形態による、AC-DC変換のための別の例示的なシステム700の概略図である。
図7は、
図4のシステム400に従って使用できる、他の例示的な第1および第2の整流器回路704a、704bの概略図を示している。第1の整流器回路704aは、ダイオードD
15、D
16、D
19、D
20を含むフルブリッジ整流器回路トポロジを含む。第2の整流器回路704bは、ダイオードD
13、D
14、D
15、D
16を含むフルブリッジ整流器回路トポロジを含む。第2の整流器回路704bは、インダクタL
5、L
6を含む電流ダブラ整流器回路も含む。さらに、示されるように、追加のダイオードD
17、D
18を含むことができる。示されるように、キャパシタC
8も含むことができる。
図5に示されるシステム500と同様に、第1の整流器回路704aと第2の整流器回路704bは、様々な構成要素を共有することができる。この構成では、電流ダブラ回路は、負荷R
L706よりもシステム700の底部の方に配置することができる。先の
図4および
図5に示されるように、第1の整流器回路704aの出力は、平均化回路710に接続される。第2の整流器回路704bの出力は、たとえば、ノード714において、平均化回路710の出力に電気的に接続される。
図4および
図5を参照して上で説明したように、ノード714における直流をフィルタリングおよび/または平滑化して、一定のDCを負荷R
L706に提供するために、フィルタ回路712が使用される。
【0020】
図8は、
図7に示されるようなシステム700の例示的な電圧波形830および電流波形820のグラフである。示されるように、電圧波形830は、歪みのない正弦曲線信号を提供する。電流波形820は歪んでいるが、
図7のシステム700のトポロジの動作は、特に
図3の電流波形320と比較して、歪みのない正弦曲線により近い、平坦部を有する電流波形を提供する。電流波形820によって示されるように、
図7のシステム700の整流器回路トポロジは、著しい高調波低減および力率向上を提供することができる。
【0021】
図7に示されるように、様々な動作条件に従って、またシステム700によって駆動される負荷に応じて可能な限り高調波歪みを低減させるために、第1および第2の整流器回路704a、704bに対して、様々な異なるトポロジを使用することができる。そのため、第1および第2の整流器回路704a、704bは、所望の直流出力を発生させるために、また電流波形820の歪みをコントロールするために、1つもしくは複数の整流器回路の組合せ、または整流器回路トポロジと組合された他の回路を含むことができる。
【0022】
図9は、一実施形態による、AC-DC変換のための別の例示的なシステム900の概略図である。
図9は、
図4のシステム400に従って使用できる、他の例示的な第1および第2の整流器回路904a、904bの概略図を示している。やはり
図7を参照して上で説明したように、
図2に示されるような単一の全波ブリッジ整流器回路204を使用する代わりに、高い力率、および高調波が低減されるフィルタを提供するために、整流器回路の組合せを含む整流器回路トポロジを使用することができる。第1の整流器回路904aは、フルブリッジ整流器回路を形成する、ダイオードD
26、D
27、D
28、D
29を含むことができる。示されるように、キャパシタC
12、C
13も含むことができる。第2の整流器回路904bは、フルブリッジ整流器回路を形成する、ダイオードD
22、D
23、D
24、D
25を含むことができる。第2の整流器回路904bは、インダクタL
9、L
10、および第2の整流器回路904bのフルブリッジ整流器回路と共通のダイオードD
24、D
25を含む、電流ダブラ整流器回路をさらに含む。示されるように、キャパシタC
11も含むことができる。一実施形態では、第2の整流器回路904bの電流ダブラ整流器回路は、第1の整流器回路904aの1.5倍の電圧を提供することができる。
図4、
図5、および
図7を参照して上で説明したように、第1の整流器回路904aの出力は、上で説明されたような平均化回路910に提供することができる。平均化回路の出力は、第2の整流器回路904bの出力に電気的に接続され、直流を発生させることができる。この直流は、上で説明されたようなフィルタ回路912によってフィルタリングおよび/または平滑化して、より一定したDCを負荷R
L906に提供することができる。
【0023】
図10は、
図9に示されるようなシステム900の例示的な電圧波形1030および電流波形1020のグラフである。示されるように、電圧波形1030は、歪みのない正弦曲線として示されている。
図9のシステム900の整流器トポロジの動作は、特に
図3の電流波形320と比較して、やはり正弦波により近い、平坦部を有する電流波形を発生させる。システム900は、上で説明されたように、AC入力(ライン)の高調波を低減させることができる。たとえば、システム900は、ACライン上において、第5高調波の9dbの低減に加えて、第3高調波の30dbを超える低減をもたらすことができる。同様のレベルの高調波低減は、
図4、
図5、および
図7を参照して上で説明されたシステムのいずれについても達成することができる。システム900の構成要素の構成要素値は、インダクタンスおよびキャパシタンスの広い範囲にわたって変化することができる。さらに、システム900は、共振することがなく、したがって、広い範囲の入力周波数を使用して機能することができる。そのため、システム900は、高い力率を提供すること、およびシステム900の効率を高めることができる。
図9に示されるように、第1および第2の整流器回路904a、904bのいずれも、負荷906または他の動作条件に従って、電流波形の歪みをさらにコントロールするために、異なるタイプの複数の整流器回路(たとえば、整流器回路トポロジ)を個々に含むことができる。上で示されたような整流器トポロジの組合せを使用することで、正弦曲線と比較して可能な限り歪みが小さい電流波形を提供することができ、上で説明されたような高調波/効率問題のいくつかを回避することができる。さらに、いくつかの例では、力率のさらなる向上を提供するために、追加の整流器回路を縦列接続することができる。たとえば、システム900における高調波をさらに低減させ、力率を高めるために、第1および第2の整流器回路904a、904bと併用される、第3の整流器回路(図示されず)を提供し、電気的に接続することができる。
【0024】
図11は、AC-DC変換のための別の例示的なシステム1100の概略図である。
図11は、
図9に示されるのと同様の回路構成を示しているが、ダイオードD
31、D
32、D
33、D
34、D
35、D
36、D
37、D
38、D
39の方向が逆転している。
図9と比較して、出力極性が反対であるが、システム1100は、
図9のシステム900と同様に機能することができ、依然として著しい高調波低減を提供することができる。同様に、
図4、
図5、および
図7のいずれのダイオードも、システム400、500、700の動作および利益に実質的な変化をもたらすことなく、逆転させることができる。本明細書で説明される原理に従った他の類似の構成も可能である。
【0025】
図12は、AC-DC変換のための別の例示的なシステム1200の概略図である。
図12は、
図9に示されるのと同様の回路構成を示しているが、同期整流器回路を使用することができる。したがって、
図9のダイオードは、ダイオードと同様の機能を実行するように、コントローラ1250からの適切な波形によって駆動される、スイッチS
1、S
2、S
3、S
4、S
5、S
6、S
7、S
8で置き換えることができる。スイッチは、様々な異なるスイッチ(たとえば、リレー、MOSFET、BJTなど)のうちのいずれか1つとすることができる。いくつかの例では、同期整流器回路を使用することで、特に動作条件が動的である場合、整流器動作に対するより大きなコントロールを可能にすることができる。スイッチS
1、S
2、S
3、S
4、S
5、S
6、S
7、S
8に適した波形を用いて駆動された場合、
図12のシステム1200は、
図9のシステム900と同様に機能することができる。他の実施形態では、半同期整流器回路を使用することができる。たとえば、
図9の整流器回路のダイオードの一部のみをスイッチで置き換えることができる。同様に、
図4、
図5、および
図7を参照して上で説明された回路のいずれについても、ダイオードの代わりにスイッチを使用することができる。本明細書で説明される原理に従った他の類似の構成も可能である。
【0026】
図4から
図12を参照して上で説明されたAC-DC変換のためのシステムは、AC源から導出されたDCの使用を伴う、様々な他のシステムにおいて使用することができる。例示的な一実施形態によれば、
図4から
図12のAC-DC変換のためのシステムは、たとえば、交流を発生させる時間変化する電圧の形態で電力をワイヤレスで受信することを含む、ワイヤレス電力伝達のためのシステムにおいて使用することができる。ワイヤレスで受信された電力を使用可能な多くの用途例は、システムに給電する場合、またはバッテリを充電する場合、DCに頼っている。たとえば、ワイヤレス電力は、以下でさらに説明されるように、電気自動車のバッテリをワイヤレス充電するために、または以下でさらに説明されるように、セルフォンなどの電子デバイスをワイヤレス充電するために、使用することができる。そのため、以下の説明は、
図4から
図12を参照して上で説明されたようなAC-DC変換のためのシステムを含むことができる、ワイヤレス電力システムの例を提供する。たとえば、
図4、
図5、
図7、
図9、
図11、および
図12を参照して上で説明された電源の各々は、以下でさらに説明されるように、場を介してワイヤレスで誘導される時間変化する電圧とすることができる。
【0027】
充電または運転(たとえば、給電)のための非接触ワイヤレス電力送信は、電線の1次コイルと電線の2次コイルとの間の電磁結合によって達成することができる。そのメカニズムは、電力を1次巻線内の交流電流から交流磁場に変換し、交流磁場が、鉄または鉄含有材料から通常は作成される磁気回路によって2次巻線に結合され、2次巻線において、磁場が再び交流電流(AC)に変換される、交流電気変圧器のメカニズムと同様とすることができる。
図4から
図9を参照して上で説明された回路などの他の回路は、受信した電力を、バッテリを充電するための直流(DC)に変換する。
【0028】
本明細書では、物理的な導電体を使用せずに、「送信回路」または送信機と「受信回路」または受信機との間で送信される、電場、磁場、または電磁場などに関連する、任意の形態のエネルギーを意味するために、「ワイヤレス電力」という用語が使用される。これ以降、純粋な磁場または純粋な電場は電力を放射しないという了解のもと、これらの3つはすべて、一般に場と呼ばれる。これらは、電力伝達を達成するために、受信回路に結合されなければならない。
【0029】
図13は、例示的なワイヤレス電力伝達システム1300の機能ブロック図である。以下でさらに説明するように、
図4から
図12を参照して上で説明されたシステムは、ワイヤレス電力伝達システム1300において使用することができる。入力電力1302は、パワーサプライ1310に提供され、パワーサプライ1310は、入力電力1302を、送信コイル1304を含む送信回路を駆動するのに適した形態に変換し、送信コイル1304は、エネルギー伝達を提供するための場1308を発生させる。受信コイル1306を含む受信回路は、場1308に結合し、電力を発生させ、電力は、受信電力変換回路1320によって整流および/またはフィルタリングされ、それは、出力電力1330に結合されたデバイス(図示されず)による蓄電または消費のために変換される。送信コイル1304と受信コイル1306は、ある距離によって隔てられている。例示的な一実施形態では、送信コイル1304および受信コイル1306は、相互共振関係に従って構成され、受信コイル1306の共振周波数と送信コイル1304の共振周波数が非常に近い場合、場1308の力線の大部分が受信コイル1306の近傍または中を通過する領域に受信コイル1306が配置されたときに、送信コイル1304と受信コイル1306との間の送電損失は最小になる。
【0030】
送信コイル1304および受信コイル1306は、用途例および用途例に関連するデバイスに従ったサイズとすることができる。効率的なエネルギー伝達は、エネルギーの大部分を電磁波で遠方場まで伝搬させる代わりに、送信コイル1304の場のエネルギーの大部分を受信コイル1306に結合することによって行われる。この近接場にある場合、送信コイル1304と受信コイル1306との間に結合モードを発生させることができる。この近接場結合が発生し得る送信コイル1304と受信コイル1306の周辺のエリアは、本明細書では結合モード領域と呼ばれることがある。
【0031】
図13に示されるような一実施形態では、パワーサプライ1310は、50/60Hzの商用電力1302を受け取り、それを、送信コイル1304を駆動するための高周波数ACに変換することができる。パワーサプライ1310は、商用AC電力を脈動DCに変換する、整流器1311を含むことができる。電気自動車充電器などの大きな負荷の場合、電力系統に過剰な電流が流込するのを回避するために、力率補正回路1312を使用することができる。脈動DCは、大きいエネルギー貯蔵要素1313によってフィルタリングして、一定のDCにすることができる。DCは、次いで、チョッパ回路1314によって高周波数の方形波に変換し、フィルタ1315によってフィルタリングして、正弦波にすることができる。この出力は、次いで、送信回路の送信コイル1304に接続することができる。送信コイル1304に流入する高周波数のAC電流は、脈動する高周波数の磁場1308を発生させることができる。送信コイル1304およびキャパシタ1316は、動作周波数での共振回路を形成することができ、送信コイル1304と受信コイル1306との間により良好な電磁結合を発生させる。
【0032】
受信回路内の受信コイル1306は、脈動する高周波数場1308(たとえば、磁場)に結合し、高周波数AC電力を発生させ、それは、受信電力変換回路1320に接続される。受信コイル1306のキャパシタ1321およびインダクタ1307は、動作周波数での共振回路を形成することができ、送信コイル1304と受信コイル1306との間により良好な電磁結合を発生させる。AC電力は、整流器1322によって脈動DCに変換される。たとえば、整流器1322は、
図4から
図9を参照して上で説明されたシステムの整流器回路を含むことができる。脈動DCを平滑化して、一定のDCにするために、エネルギー貯蔵デバイス1323を含むことができる。電圧を、出力電力1330を介するバッテリ(図示されず)の充電に適した値に調整するために、スイッチモードパワーサプライ1324を含むことができる。パワーサプライ1310と受信電力変換回路1320は、磁場1308を変調することによって、または別個の通信チャネル1332(たとえば、Bluetooth、zigbee、セルラー、NFCなど)上で通信を行うことができる。
【0033】
述べたように、送信コイル1304と受信コイル1306との間の効率的なエネルギー伝達は、送信コイル1304と受信コイル1306との間で共振が一致またはほぼ一致するときに行われ、パワーサプライ1310によって、その周波数で駆動される。しかし、送信コイル1304と受信コイル1306との間で共振が一致しない場合であっても、効率に影響することはあるが、エネルギーは伝達することができる。エネルギーの伝達は、送信コイル1304から自由空間にエネルギーを伝搬させる代わりに、送信コイル1304の近接場から、この近接場が確立されている近辺に存在する受信コイル1306にエネルギーを結合することによって行われる。近接場は、送信コイル1304から電力を放射しない、送信コイル1304内の電流および電荷からもたらされる、強い反応場が存在する領域に対応することができる。場合によっては、近接場は、以下でさらに説明するように、送信コイル1304の約1と1/2π波長内に存在する領域(反対に受信コイル1306の場合も同様)に対応することができる。
【0034】
図14は、
図13のワイヤレス電力伝達システム1300において使用できる、例示的なワイヤレス電力送信機システム1400の機能ブロック図である。
図14は、50/60Hz電力系統電力を、送信コイル1404を駆動するために使用できる高周波数ACに変換するために必要とされる機能を含むことができる、パワーサプライの例示的な構成を示しているが、他の入力電源のための他の構成も可能である。50/60Hz電力系統電力1402は、ラインフィルタ1411によって調整して、高周波数ノイズおよび有害な電圧スパイクを除去することができる。整流器1412は、50/60Hz ACを脈動DCに変換することができる。整流器1412は、
図4から
図12を参照して上で説明されたシステムの構成要素/回路のいずれかを使用することができる。
【0035】
位相外れ電圧および電流に起因する電力系統における過剰電流、ならびに整流器1412のスイッチング動作に起因する高調波歪みを回避するために、能動的力率補正回路1413を調節目的で含むことができる。力率補正回路1413は、それが電力系統電圧に従い、良好な力率を有する抵抗負荷のように見えるように、電力系統からの電流の流れを調節することができる。力率補正回路1413は、電力系統電圧波形と一致するように変調される一連の高周波数パルスで電力系統から電流を引き出す、スイッチモードパワーサプライと類似することができる。
【0036】
エネルギー貯蔵要素1414を含むことができ、それは、非常に大きいキャパシタとすることができ、またはインダクタとキャパシタとで構成することができる。どちらの場合も、構成要素は、50/60Hzの電力系統電力の2分の1サイクル持続するのに十分なエネルギーを貯蔵するために、大きくすることができる。より低電力のパワーサプライは、エネルギー貯蔵要素1414を省くことができるが、送信コイル1404を駆動する、結果として得られる高周波数AC電力は、その場合、エンベロープとして重ねあわされる整流された50/60Hzの電力系統電力の波形を有することができ、より高いピーク電圧および電流、ならびにより高いピーク磁場をもたらす。様々な電力レベルにおいて、これを回避することが望ましいことがある。
【0037】
チョッパ回路1415は、先行する構成要素1411から1414によって発生させられた整流および平滑化されたDCを変換するために使用することができ、平滑化されたDCを刻んで、送信コイル1404の動作周波数の方形波にすることができる。例示的な実施として、この周波数を20KHzとすることができるが、実用的なサイズの送信コイル1404および受信コイルをもたらすために、任意の周波数を使用することができる。パワーサプライ1410と送信コイル1404の両方において、より高い周波数は、より小さい構成要素の使用を可能にすることができるが、より低い周波数は、スイッチング損失がより低くなるので、より高い効率をもたらすことができる。400Hzから1MHzの範囲内の周波数を使用する充電システムが提案されている。
【0038】
フィルタとしてデュアルデューティ(dual duty)を実行して、チョッパ回路1415によって発生させられた方形波を高周波数が抑制された正弦波に変換するために、整合回路1416を含むことができ、整合回路1416は、チョッパ回路1415のインピーダンスを、キャパシタ1417および送信コイル1404のインダクタ1405から構成される共振回路に整合させる。整合回路1416は、高い周波数で動作するので、その構成要素は、相対的に小さくすることができるが、損失を回避するために高い品質でなければならない。キャパシタ1417は、送信コイル1404内のインダクタ1405と並列すること、または直列することができるが、このデバイスに流入する電流は、共振回路の動作Qによって乗算されるので、いずれの場合も、損失を回避するために最も高い品質とすることができる。同様に、送信回路1406内のインダクタ1405も、損失を回避するために、高品質の構成要素で構成することができる。表面積を増加させ、巻線内の銅を最大限活用するために、リッツ線を使用することができる。代替として、送信コイル1404は、抵抗損失を低く保つように選択された厚さ、幅、および金属タイプを有する、金属ストリップで作成することができる。磁気回路のために使用されるフェライト材料は、動作周波数において、飽和、渦電流、および損失を回避するように選択することができる。
【0039】
パワーサプライ1410は、送信コイル1404によって発生させられた磁場1408の近辺における能動的受信コイルの存在または非存在を検出するための、負荷感知回路(図示されず)をさらに含むことができる。例として、負荷感知回路は、チョッパ回路1415に流入する電流を監視するが、この電流は、磁場1408の近辺における適切な位置に配置された受信コイルの存在または非存在によって影響される。チョッパ回路1415上の負荷に生じる変化の検出を、図示されていないコントローラによって監視することができ、力率補正回路1413がエネルギーを送信することが可能かどうか、また能動的受信コイルと通信すべきかどうかを決定する際に使用される。チョッパ回路1415において測定された電流は、送信コイル1404の充電領域内に無効な物体が配置されていないかどうかを判定するために、さらに使用することができる。
【0040】
図15は、
図13のワイヤレス電力伝達システム1300において使用でき、
図4から
図12のAC-DC変換のためのシステムのいずれかを使用できる、例示的なワイヤレス電力受信機システムの機能ブロック図である。受信機システム1500は、高周波数磁場1508を高周波数AC電力に変換することができ、高周波数AC電力は、バッテリ(図示されず)の充電またはデバイス(図示されず)への給電ために使用される、DC電力1530に変換される。受信コイル1506は、キャパシタ1521と一緒に共振回路を形成するインダクタ1507を含む。
図14を参照して上で説明されたインダクタ1507およびキャパシタ1521の構成要素品質についての言及は、ここでも当てはまる。整合回路1522は、逆ではあるが整合回路1416と類似した機能を実行することができ、受信コイル1506によって発生させられた高周波数AC電力は、整流器1523とインピーダンス整合され、整流器1523によって発生させられる高調波は、受信コイル1506に結合されない。整流動作によって発生させられる高調波を低減させるために、および整合回路1522におけるフィルタリング要件を低減させるために、整流器回路1523を使用することができる。たとえば、整流器回路1523は、
図4から
図12を参照して上で説明されたシステムの構成要素およびトポロジを使用すること、および/または含むことができる。これは、電力をワイヤレスで受信し、その電力を負荷に(たとえば、充電のためにバッテリに)提供するための電力変換の効率を高めるために、高い力率の提供を可能にすることができる。
【0041】
脈動DCを一定のDCに平滑化するために、エネルギー貯蔵要素1524を使用することができる。エネルギー貯蔵要素1524は、(
図14のエネルギー貯蔵要素1414と比較して)高周波数で動作することができ、そのため、構成要素をより小さくすることができる。バッテリ管理システム(図示されず)に応答して、DC電圧および場合によってはDC電流を調節するために、スイッチモードパワーサプライ1525を使用することができる。代替として、スイッチモードパワーサプライ1525の調節機能は、パワーサプライ1410内の送信機において提供することができるが、この手法は、受信機システム1500からパワーサプライ1410への高速で信頼性の高い通信リンクに依存し、システム全体に複雑さを加えることがある。
【0042】
図16は、
図13のワイヤレス電力伝達システム1300を含むことができる、電気自動車1650を充電するための例示的なシステムの図である。ワイヤレス電力伝達システム1600は、電気自動車1650が充電基地システム1610aの近くに駐車しているときに、電気自動車1650の充電を可能にする。駐車エリアにおいて2台の電気自動車を対応する充電基地システム1610a、1610bの上に駐車させるためのスペースが示されている。いくつかの実施形態では、ローカル分配センタ1640を電力バックボーン1642に接続することができ、ローカル分配センタ1640は、交流(AC)または直流(DC)供給を、電力リンク(またはパワーサプライ)1602を介して、充電基地システム1610aに提供するように構成することができる。充電基地システム1610aも、電力をワイヤレスで伝達または受信するための、上で説明された送信コイル1604aを含む。電気自動車1650は、バッテリユニット1634と、受信コイル1606と、受信機電力変換回路1620とを含むことができる。受信コイル1606は、上で説明されたように、電力をワイヤレスで伝達するために、送信コイル1604aと相互作用することができる。
【0043】
送信コイル1604または受信コイル1606のどちらかは、「ループ」アンテナと呼ばれるか、または「ループ」アンテナとして構成することもできる。送信コイル1604または受信コイル1606は、本明細書では、「磁気」アンテナもしくは誘導コイルと呼ばれること、または「磁気」アンテナもしくは誘導コイルとして構成することもできる。「コイル」という用語は、一態様では、別の「コイル」に結合するためのエネルギーをワイヤレスで出力できる、または受信できる構成要素を指すことが意図されている。コイルは、電力をワイヤレスで出力または受信するように構成されたタイプの「アンテナ」と呼ばれることもある。
【0044】
ローカル分配センタ1640は、通信バックホール1642を介して外部ソース(たとえば、送電網)と、通信リンク1632を介して充電基地システム1610aと通信するように構成することができる。
【0045】
いくつかの実施形態では、単純に運転手が電気自動車1650を送信コイル1604aに対して正しく位置付けることによって、受信コイル1606は、送信コイル1604aと位置を合わせて配置することができ、したがって、近接場領域内に配置することができる。他の実施形態では、ワイヤレス電力伝達のために電気自動車1650が適切に配置されたときを決定するために、運転手には、視覚的フィードバック、聴覚的フィードバック、またはそれらの組合せを与えることができる。また他の実施形態では、電気自動車1650は、オートパイロットシステムによって位置付けることができ、オートパイロットシステムは、位置合わせ誤差が許容値に達するまで、電気自動車1650を(たとえば、ジグザグ運動で)前後に移動させることができる。これは、電気自動車1650が、自動車を調整するためのサーボハンドル、超音波センサ、およびインテリジェンスを備える場合、運転手が介入することなく、または運転手が最低限の介入しか行わずに、電気自動車1650によって自動的、自律的に実行することができる。さらに他の実施形態では、受信コイル1606、送信コイル1604a、またはそれらの組合せは、コイル1606、1604aを互いに対して変位および移動させて、それらをより正確に方向合わせし、それらの間により効率的な結合を生じさせるための機能を有することができる。
【0046】
充電基地システム1610aは、様々な場所に配置することができる。非限定的な例として、いくつかの適切な場所は、電気自動車オーナの自宅の駐車エリア、従来のガソリンスタンドに倣った電気自動車ワイヤレス充電用に確保された駐車エリア、ならびにショッピングセンタおよび職場など、他の場所の駐車場を含む。
【0047】
ワイヤレスで電気自動車を充電することで、数々の利点が提供される。たとえば、充電は、自動的に、実質的に運転手の介入および操作なしに実行することができ、それによって、ユーザの利便性を向上させる。露出した電気接点、および機械的摩耗をなくすこともでき、それによって、ワイヤレス電力伝達システム1600の信頼性を高める。ケーブルおよびコネクタを用いる操作を不必要にすることができ、戸外の環境において湿気および水分にさらされることがある、ケーブル、プラグ、またはソケットをなくすことができ、それによって、安全性を向上させる。見えるまたは接近できるソケット、ケーブル、およびプラグをなくすこともでき、それによって、電力充電デバイスへの潜在的な破壊行為を減らす。さらに、電力網を安定させるために、電気自動車を分散貯蔵デバイスとして使用することができるので、ビークルツーグリッド(V2G:vehicle-to-grid)動作のための自動車の利用可能性を高めるために、従来のドッキングツーグリッド(docking-to-grid)ソリューションが望ましいことがある。
【0048】
ワイヤレス電力伝達システム1600は、審美的および無妨害の利点を提供することもできる。たとえば、自動車および/または歩行者の妨害となることがある、充電カラムおよびケーブルをなくすことができる。
【0049】
他の実施形態では、様々な再充電可能な電子デバイス、またはワイヤレスで受信した電力を使用して動作できる他のデバイスを充電するために、ワイヤレス電力伝達システムを使用することができる。
図17は、別の例示的なワイヤレス電力送信機1704の機能ブロック図である。送信機1704は、送信回路1706と、送信コイル1714とを含むことができる。送信回路1706は、上で説明したように、送信コイル1714の周りにエネルギー(たとえば、磁束)の発生をもたらす発振信号を提供することによって、送信コイル1714にRF電力を提供することができる。送信機1704は、任意の適切な周波数で動作することができる。例として、送信機1704は、13.56MHz ISM帯域で動作することができる。
【0050】
上で説明したように、送信回路1706は、受信機に結合されたデバイスの自己妨害を防止するレベルまで高調波発射を低減させるように構成された、一定のインピーダンス整合回路1709と、フィルタ回路1708とを含むことができる。他の例示的な実施形態は、他の周波数を通過させながら、特定の周波数を減衰させるノッチフィルタを、限定することなく含む、異なるフィルタトポロジを含むことができ、コイル1714への出力電力、またはドライバ回路1724によって引き出されるDC電流など、測定可能な送信メトリックに基づいて変化し得る、適応インピーダンス整合を含むことができる。送信回路1706は、発振器1723によって決定されるように、RF信号を駆動するように構成された、ドライバ回路1724をさらに含むことができる。送信回路1706は、個別デバイスもしくは回路で構成することができ、または代替として、統合された組立品で構成することができる。送信コイル1714から出力される例示的なRF電力は、電子デバイスの充電の場合、2.5ワットのオーダーとすることができる。
【0051】
送信回路1706は、コントローラ1715をさらに含むことができ、コントローラ1715は、特定の受信機のための送信フェーズ(またはデューティサイクル)中に発振器1723を選択的に動作可能にし、発振器1723の周波数または位相を調整し、および近隣デバイスとそれらに付随する受信機を介して対話するための通信プロトコルを実施するための出力電力レベルを調整する。コントローラ1715は、本明細書では、プロセッサ1715と呼ばれることもあることに留意されたい。発振器位相および送信経路内の関連回路の調整は、特に1つの周波数から別の周波数に移行する場合は、帯域外発射の低減を可能にすることができる。送信機1704は、様々なポータブル電子デバイスをワイヤレスで充電するための充電パッドに統合することができる。
【0052】
図18は、
図4から
図12のAC-DC変換のためのシステムのいずれかを使用できる、別の例示的なワイヤレス電力受信機1808の機能ブロック図である。受信機1808は、受信コイル1818を含むことができる、受信回路1810を含む。受信機1808は、受信された電力の提供を受けるデバイス1850にさらに結合する。受信機1808は、デバイス1850の外部にあるものとして示されているが、デバイス1850に統合できることに留意されたい。エネルギーは、ワイヤレスで受信コイル1818に伝搬され、次いで、受信回路1810の残りの部分を介してデバイス1850に結合することができる。例として、充電デバイスは、モバイルフォン、ポータブル音楽プレーヤ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、コンピュータ周辺デバイス、通信デバイス(たとえば、Bluetoothデバイス)、デジタルカメラ、および補聴器(他の医療用デバイス)などのデバイスを含むことができる。
【0053】
受信コイル1818は、送信コイル1714(
図17)と同じ周波数で、または指定された範囲内の周波数で共振するように調整することができる。受信コイル1818は、送信コイル1714と同様の寸法とすることができ、または関連デバイス1850の寸法に基づいて、異なるサイズとすることができる。例として、デバイス1850は、送信コイル1714の直径または長さよりも小さい直径または長さ寸法を有する、ポータブル電子デバイスとすることができる。そのような一例では、受信コイル1818は、同調キャパシタ(図示されず)のキャパシタンス値を低減させ、受信コイルのインピーダンスを増加させるために、マルチターンコイルとして実施することができる。例として、受信コイル1818は、コイルの直径を最大化し、受信コイル1818のループターン(すなわち、巻き)の数、および巻線間キャパシタンスを減らすために、デバイス1850の実質的な外周の周りに配置することができる。
【0054】
図17を参照して上で説明されたように、受信回路1810は、受信コイル1818にインピーダンス整合を提供することができる。やはり上で説明されたように、受信回路1810は、受信したRFエネルギー源をデバイス1850によって使用される充電電力に変換するための、電力変換回路1806を含む。電力変換回路1806は、RF-DC変換機1820(たとえば、整流器)を含み、上で説明されたようなDC-DC変換器1822(調節器)も含むことができる。RF-DC変換機1820は、高い力率および高調波成分の低減を可能にするために、
図4から
図12を参照して上で説明されたような回路のいくつかまたはすべてを使用することができる。受信回路1810は、受信コイル1818を電力変換回路1806に接続するための、または代替として、電力変換回路1806を切断するための、スイッチング回路1812をさらに含むことができる。受信コイル1818を電力変換回路1806から切断することで、デバイス1850の充電が一時中断されるばかりでなく、送信機1704(
図17)から「見える」「負荷」も変更される。受信回路1810は、本明細書で説明されたスイッチング回路1812の制御を含む、本明細書で説明された受信機1808のプロセスを調整するための、プロセッサ1816をさらに含む。プロセッサ1816は、性能を改善するために、DC-DC変換器1822も調整することができる。
【0055】
上述の図は、様々なワイヤレス充電システムの一例を示しているが、本明細書で説明されるシステムおよび方法は、非ワイヤレス接続を使用するシステムの充電にも等しく適用できることを理解されたい。たとえば、バッテリ(図示されず)を充電するために、システム間を送信ラインで直接的に接続することができる。
【0056】
図19は、ACをDCに変換するための例示的な方法1900のフローチャートである。
図4を参照して説明するが、方法1900は、
図5、
図7、
図9、
図11、
図12から
図18を参照して説明されたシステムのいずれとも併せて使用することができる。ブロック1902において、電源402からの交流が、第1の整流器回路404aを介して第1の直流に整流される。ブロック1904において、第1の直流は、第2の直流を提供するために、平均化回路410を介して平均化される。平均化回路410は、インダクタと、キャパシタとを備えることができる。ブロック1906において、やはり交流が、第2の整流器回路404bを介して第3の直流に整流される。第1および第2の整流器回路404a、404bは、全波整流器回路を含むことができ、構成要素を共有することができる。第1および第2の整流器回路404a、404bの各々は、整流器回路の組合せを含む整流器トポロジを含むことができる。
【0057】
ブロック1908において、第2の直流および第3の直流から導出された直流が提供される。たとえば、第2の直流と第3の直流が結合されるように、平均化回路410の出力と第2の整流器回路404bの出力を電気的に接続することができる。第2の直流と第3の直流から導出された直流は、負荷406の給電または充電を行うために提供することができる。方法1900は、ワイヤレスで受信した電力に少なくとも部分的に基づいて、交流を発生させるステップをさらに含むことができる。たとえば、電源402は、交流を発生させるために時間変化する電圧が誘導される、電力をワイヤレスで受信するように構成されたコイルを備えることができる。いくつかの実施形態では、方法は、DCを一定のレベルに平滑化するために、フィルタ回路を介して直流をフィルタリングするステップをさらに含むことができる。
【0058】
図20は、AC-DC変換のためのシステムの別の例示的な機能ブロック図を示している。システムは、
図1から
図19に関して説明された様々なアクションのための手段2002、2004、2006、2008を備える、電力変換装置2000を含むことができる。
【0059】
上で説明された方法の様々な動作は、様々なハードウェアおよび/またはソフトウェアの構成要素、回路、および/またはモジュールなど、動作を実行することが可能な任意の適切な手段によって実行することができる。一般に、図に示される任意の動作は、動作を実行することが可能な対応する機能手段によって実行することができる。たとえば、整流のための手段は、上で説明された整流器回路のいずれか、またはそれらの任意の組合せとすることができる、整流器回路を備えることができる。さらに、平均化のための手段は、平均化回路を備えることができる。直流を提供するための手段は、
図4から
図12を参照して上で説明されたような回路を備えることができる。
【0060】
情報および信号は、様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表すことができる。たとえば、上述の説明にわたって言及されることがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場もしくは磁気粒子、光場もしくは光粒子、またはそれらの任意の組合せによって表すことができる。
【0061】
本明細書で開示された実施形態に関連して説明された、様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子的ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実施することができる。ハードウェアとソフトウェアのこの交換可能性を明らかに示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップは、上では一般にそれらの機能に関して説明された。そのような機能がハードウェアとして実施されるのか、それともソフトウェアとして実施されるのかは、特定の用途例、およびシステム全体に課される設計制約に依存する。説明された機能は、特定の用途例ごとに様々な方法で実施することができるが、そのような実施の決定は、本発明の実施形態の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈すべきではない。
【0062】
本明細書で開示される実施形態に関連して説明された、様々な例示的なブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素、または本明細書で説明された機能を実行するように設計された、それらの任意の組合せを用いて、実施または実行することができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意の従来型プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、または他の任意のそのような構成として実施することもできる。
【0063】
本明細書で開示された実施形態に関連して説明された、方法またはアルゴリズムのステップ、および機能は、ハードウェアで直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで、または2つの組合せで具体化することができる。ソフトウェアで実施される場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとして、有形な非一時的コンピュータ可読媒体上に記憶すること、または有形な非一時的コンピュータ可読媒体を介して送信することができる。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、リードオンリーメモリ(ROM)、電気的にプログラム可能なROM(EPROM)、電気的に消去可能およびプログラム可能なROM(EEPROM)、レジスタ、ハードディスク、着脱可能ディスク、CD ROM、または当技術分野で知られた他の任意の形態の記憶媒体内に存在することができる。記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるように、プロセッサに結合される。代替として、記憶媒体は、プロセッサに統合することができる。ディスク(diskおよびdisc)は、本明細書で使用される場合、コンパクトディスク(CD)、レーザディスク、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク、およびブルーレイディスクを含み、ディスク(disk)は、通常、磁気的にデータを再生し、一方、ディスク(disc)は、レーザを用いて光学的にデータを再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。プロセッサおよび記憶媒体は、ASIC内に存在することができる。ASICは、ユーザ端末内に存在することができる。代替として、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内の個別構成要素として存在することができる。
【0064】
本開示を要約する目的で、本発明のいくつかの態様、利点、および新規な特徴が本明細書で説明された。必ずしもすべてではないが、そのような利点は、本発明の任意の特定の実施形態に従って達成できることを理解されたい。したがって、本発明は、本明細書で教示された1つの利点または利点のグループを達成または最適化するが、本明細書で教示または提案された可能性のある他の利点を必ずしも達成するとは限らない方法で、具体化または実施することができる。
【0065】
上で説明された実施形態の様々な変更が容易に明らかであり、本明細書で定義された汎用的な原理は、本発明の主旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用することができる。したがって、本発明は、本明細書で示された実施形態に限定されることは意図しておらず、本明細書で開示された原理および新規な特徴に矛盾しない最も広い範囲を与えられるべきである。