特許第5905250号(P5905250)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5905250-ローリングポンプ 図000002
  • 特許5905250-ローリングポンプ 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5905250
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】ローリングポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04B 43/02 20060101AFI20160407BHJP
【FI】
   F04B43/02 L
   F04B43/02 D
【請求項の数】2
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2011-282847(P2011-282847)
(22)【出願日】2011年12月26日
(65)【公開番号】特開2013-133716(P2013-133716A)
(43)【公開日】2013年7月8日
【審査請求日】2014年11月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000121833
【氏名又は名称】応研精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】深美 正
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 てっぺい
【審査官】 佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−336973(JP,A)
【文献】 特開2001−248561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04B 43/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
順次拡縮する複数のポンプ室と、これら各ポンプ室に設けられ当該ポンプ室内に流体を吸込ませるための吸込用通路と、この吸込用通路を開閉し前記ポンプ室からの流体の逆流を規制するための吸込用弁体と、前記各ポンプ室に設けられ当該ポンプ室から流体を吐出させるための吐出用通路と、この吐出用通路を開閉し前記ポンプ室内への流体の逆流を規制するための吐出用弁体と、外部から前記各吸込用通路に流体を吸い込ませる吸込口と、前記各吐出用通路から吐出された流体を集め外部に吐出する一つの吐出口とを備えたローリングポンプにおいて、
前記吸込用通路および前記吐出用通路が設けられた隔壁体と、この隔壁体を覆い前記吸込口および前記吐出口が設けられた蓋体とを備え、
前記隔壁体と前記蓋体とによって、前記各吸込用通路と前記各吸込口とを連通させ互いに異なる流体を空間的に隔絶する少なくとも二つの吸込室と、この吸込室と空間的に隔絶され前記吐出通路から吐出された少なくとも二つの流体を混合する一つの吐出室とを形成し
前記吸込口を少なくとも二つ以上設け、これら各吸込口に外部から供給される流体は、各吸込口においては一種類であって、互いの吸込口間においては少なくとも二種類以上の異なる流体とし、これら異なる流体を前記複数のポンプ室に選択的に吸い込ませることを特徴とするローリングポンプ。
【請求項2】
前記吸込口を二つ設け、一方の吸込口に外部から気体を供給し、他方の吸込口に外部から液体を供給し、前記複数のポンプ室のいずれかに前記気体を吸い込ませ、前記複数のポンプ室の残りに前記液体を吸い込ませることを特徴とする請求項1記載のローリングポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異なる流体を混合させて加圧対象物に供給するローリングポンプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
異なる流体を混合させて加圧対象物に供給する場合は、異なる流体を個々に供給する複数のローリングポンプを用意し、個々のローリングポンプの排出口から排出される流体を一つの配管内で混合させるようにしていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述したような従来の方法においては、異なる流体に対応した複数のローリングポンプを用意しなければならないため、コストが嵩むだけではなく、設置スペースを余計に必要とするという問題があった。
【0004】
本発明は上記した従来の問題に鑑みなされたものであり、その目的は、コストダウンと省スペース化とを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的を達成するために、本発明は、順次拡縮する複数のポンプ室と、これら各ポンプ室に設けられ当該ポンプ室内に流体を吸込ませるための吸込用通路と、この吸込用通路を開閉し前記ポンプ室からの流体の逆流を規制するための吸込用弁体と、前記各ポンプ室に設けられ当該ポンプ室から流体を吐出させるための吐出用通路と、この吐出用通路を開閉し前記ポンプ室内への流体の逆流を規制するための吐出用弁体と、外部から前記各吸込用通路に流体を吸い込ませる吸込口と、前記各吐出用通路から吐出された流体を集め外部に吐出する一つの吐出口とを備えたローリングポンプにおいて、前記吸込用通路および前記吐出用通路が設けられた隔壁体と、この隔壁体を覆い前記吸込口および前記吐出口が設けられた蓋体とを備え、前記隔壁体と前記蓋体とによって、前記各吸込用通路と前記各吸込口とを連通させ互いに異なる流体を空間的に隔絶する少なくとも二つの吸込室と、この吸込室と空間的に隔絶され前記吐出通路から吐出された少なくとも二つの流体を混合する一つの吐出室とを形成し、前記吸込口を少なくとも二つ以上設け、これら各吸込口に外部から供給される流体は、各吸込口においては同一種類であって、互いの吸込口間においては少なくとも二種類以上の異なる流体とし、これら異なる流体を前記吸込用通路を介して前記複数のポンプ室に選択的に吸い込ませることを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明は、前記発明において、前記吸込口を二つ設け、一方の吸込口に外部から気体を供給し、他方の吸込口に外部から液体を供給し、前記複数のポンプ室のいずれかに前記気体を吸い込ませ、前記複数のポンプ室の残りに前記液体を吸い込ませることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、一つのローリングポンプ内で異なる種類の流体を混合させることができることにより、従来流体の種類だけ必要としていたローリングポンプの数が一つで済むため、ポンプの数を減らすことができるから、コストダウンと省スペース化を図ることができる。また、一つのポンプで対応できることにより、部品交換が容易になるためメンテナンス性も向上する。
【0009】
また、本発明によれば、バルブホルダーと蓋体とを交換することにより、混合する流体の数や混合比率を容易に変更することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るローリングポンプを示し、図2におけるI-I 線断面図である。
図2】本発明に係るローリングポンプを示し、図1におけるII-II 線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態を図1および図2に基づいて説明する。なお、明細書中において方向を説明するために使用した「上、下」は、説明の便宜上図中における方向をいうものであって、本発明に係るダイヤフラムポンプを実際に使用する際の上・下とは必ずしも一致するものではない。
【0012】
図2に示すように、全体を符号1で示すローリングポンプは、後述するポンプ室16A〜16Dを順次拡縮するための駆動源であるモータ2を備える。このモータ2は、有底角筒状に形成されたケース3の底部3aの外側に、出力軸2aが底部3aに設けた軸孔3bからケース3内に臨むように、ボルトによって取り付けられている。
【0013】
4は略円柱状に形成されたクランク台であって、中央部にモータ2の出力軸2aが固定され、出力軸2aと一体的に回転する。5は駆動軸であって、下端部がクランク台4の出力軸2aが取り付けられた部位から偏心した部位に傾斜した状態で取り付けられている。
【0014】
6は中央部に非貫通孔6aが設けられた駆動体であって、上端部に平面視における円周方向に互いに等角度(90°)をおいて、非貫通孔6aと直交する方向に突設された四つの駆動子6bが一体に設けられている。これら駆動子6bは揺動端部側に向かっていずれも同じ角度だけ下方にわずかに傾斜するように形成され、各揺動端部にはダイヤフラム部取付孔6cが設けられている。
【0015】
この駆動体6は、非貫通孔6aに駆動軸5の上部が嵌挿されることにより、この駆動軸5に回転自在に枢支されており、モータ2を駆動させることによりクランク台4を回転させると、駆動軸5が傾斜方向を変えるようにして回転することにより、この駆動軸5を介して四つの駆動子6bの揺動端部が順次上下方向に揺動する。
【0016】
7は逆有底角筒状に形成されたダイヤフラムホルダーであって、天井部に円筒状に形成された四つの保持筒7aが円周方向に互いに等角度(90°)をおいて下方に向かって一体に突設されている。
【0017】
8はゴム等の柔軟性を有する材料によって略円板状に形成されたダイヤフラムであって、薄肉状に形成された四つのダイヤフラム部8aが円周方向に互いに等角度(90°)をおいて設けられている。このダイヤフラム部8aの下部には、ピストン部8bが一体に設けられ、このピストン部8bの下端には細径部8cが一体に設けられている。
【0018】
9は平面視略矩形の板状に形成された隔壁体であって、上面の中央部には凸部9aが突設され、この凸部9aの周囲には四つの吐出用通路9bが円周方向に等角度(90°)をおいて設けられている。この吐出用通路9bの周囲には、図1に示すように、四個を一組とした四組の吸込用通路9cが、吐出用通路9bの放射方向に対応して円周方向に等角度(90°)をおいて設けられている。また、この隔壁体9の上面には、四つの吐出用通路9bを囲むように、平面視リング状の第1の仕切壁9dが一体に立設されており、この第1の仕切壁9dは後述する蓋体12の第2の仕切壁12bと協働して吐出用通路9bと吸込用通路9cとの間を空間的に隔絶し、後述する吐出室17を形成する。
【0019】
10は四つの吐出用通路9bを開閉するための一つの吐出用弁体であって、隔壁体9の凸部9aに取り付けられており、流体が後述する吐出室から吐出用通路9bを通ってポンプ室16A〜16Dへ逆流するのを規制する。11は四組の吸込用通路9cを開閉するための四つの吸込用弁体であって、隔壁体9の孔に取り付けられており、流体がポンプ室16A〜16Dから吸込用通路9cを通って後述する吸込室18A,18Bへ逆流するのを規制する。
【0020】
12は逆有底角筒状に形成された蓋体であって、図1に示すように天井部の周縁に断面が略四角形の囲い壁12aが下方に向かって一体に突設されている。また、蓋体12の天井部の中央部には、図1に示すようにリング状に形成された第2の仕切壁12bが下方に向かって一体に突設されている。この仕切壁12bと囲い壁12aとの間には、一つのポンプ室16Aの吸込用通路9cと他のポンプ室16B〜16Dの吸込用通路9cとの間を空間的に隔絶する二つの第3の仕切壁12cが下方に向かって一体に突設されている。さらに、蓋体12の天井部の中央部には、吐出口13aを有する吐出用の筒体13が上方に向かって一体に立設されている。また、蓋体12の天井部のポンプ室13Aに対応した部位には、第1の吸込口14aを有する第1の吸込用の筒体14が上方に向かって一体に突設されている。また、蓋体12の天井部のポンプ室16Cに対応した部位には、第2の吸込口15aを有する第2の吸込用の筒体15が上方に向かって一体に突設されている。
【0021】
次に、このように構成されたローリングポンプ1の組立方法について説明する。予め、駆動軸5をクランク台4に軸着しておき、ケース3にボルトによってモータ2を取り付け、このモータ2の出力軸2aにクランク台4を固定する。また、隔壁体9の凸部9aに吐出用弁体10を取り付けるとともに、隔壁体9に四つの吸込用弁体11を取り付ける。そして、蓋体12を隔壁体9上に被せることにより、隔壁体9の第1の仕切壁9dの上端と蓋体12の第2の仕切壁12bの下端とを互いに対接させ、この対接した部分を溶着することにより、隔壁体9と蓋体12との組立体を形成する。この組立体を形成することにより、中央部に第1および第2の仕切壁9d,12bに囲まれた略密閉状態の吐出室17が形成されるとともに、この吐出室17の周囲に、第1および第2の仕切壁9d,12bおよび囲い壁12aに囲まれた共に略密閉状態の第1の吸込室18Aおよび第2の吸込室18Bが形成される。
【0022】
これら吐出室17と第1および第2の吸込室18A,18Bとは、第1の仕切壁9dと第2の仕切壁12bとによって空間的に隔絶される。また、吐出室17は、四つの吐出用通路9bのそれぞれと吐出口13aとを連通している。第1の吸込室18Aと第2の吸込室18Bとは、図1に示すように、二つの第3の仕切壁12cによって空間的に隔絶されている。第1の吸込室18Aは、ポンプ室16Aに設けられた一組の吸込用通路9cと第1の吸込口14aとを連通している。第2の吸込室18Bは、三つのポンプ室16B,16C,16Dのそれぞれの三組の吸込用通路9cと第2の吸込口15aとを連通している。
【0023】
次いで、ダイヤフラム8の各ダイヤフラム部8aをダイヤフラムホルダー7の各保持筒7a内に挿入して、ダイヤフラム8をダイヤフラムホルダー7の天井部に載置する。そして、各ピストン部8bの細径部8cを駆動体6の各駆動子6bの取付孔6cに取り付ける。次いで、上述した隔壁体9と蓋体12との組立体をダイヤフラムホルダー7上に載置する。この状態で、隔壁体9とダイヤフラム8の各ダイヤフラム部8aとによって、四つのポンプ室16A〜16Dが形成される。各ポンプ室16A〜16Dと四組の吸込用通路9cのそれぞれおよび四つの吐出用通路9bのそれぞれとが連通する。
【0024】
しかる後、上述したクランク台4に軸着した駆動軸5の上端部に駆動体6の非貫通孔6aを嵌挿させながら、ダイヤフラムホルダー7をケース3上に載置する。
【0025】
ケース3とダイヤフラムホルダー7と隔壁体9および蓋体12の組立体とを、図示を省略した線ばねによって積層状態で固定することにより、ローリングポンプ1が組み立てられる。
【0026】
次に、このように構成されたローリングポンプ1の使用方法について説明する。先ず、ローリングポンプ1の外部から第1の吸込口14aに第1の流体としての空気が供給されるように、第1の吸込用筒体14にチューブ(図示せず)を接続する。一方、ローリングポンプ1の外部から第2の吸込口15aに第2の流体としての水を供給するように、第2の吸込用筒体15にチューブ(図示せず)を接続する。
【0027】
この状態で、モータ2を駆動し、出力軸2aを介してクランク台4を回転させると、駆動体6の四つの駆動子6bのそれぞれの揺動端部が順次上下方向に揺動する。ポンプ室16Aに対応した駆動子6bの揺動端部が下方に移動すると、ポンプ室16Aが拡張するので、ポンプ室16A内が負圧状態になる。
【0028】
したがって、ポンプ室16Aに対応した吸込用弁体11が吸込用通路9cを開放するので、第1の吸込口14aに供給された空気が第1の吸込室18Aおよび吸込用通路9cを通って、ポンプ室16Aに流入する。
【0029】
次に、モータ2の出力軸2aが回転し、拡張したポンプ室16Aの駆動子6bの揺動端部が上方に移動すると、ポンプ室16Aは収縮するから、ポンプ室16A内の空気の圧力が高くなり、吐出用弁体10による吐出用通路9bの閉塞が解除され、ポンプ室16A内の空気が吐出室17に吐出される。
【0030】
さらに、モータ2の出力軸2aが回転し、次のポンプ室16Bが拡張すると、ポンプ室16B内が負圧状態になる。したがって、ポンプ室16Bに対応した吸込用弁体11が吸込用通路9cを開放するので、第2の吸込口15aに供給された水が第2の吸込室18Bおよび吸込用通路9cを通って、ポンプ室16Bに流入する。
【0031】
次に、モータ2の出力軸2aが回転し、拡張したポンプ室16Bの駆動子6bの揺動端部が上方に移動すると、ポンプ室16Bは収縮するから、ポンプ室16B内の水圧が高くなり、吐出用弁体10による吐出用通路9bの閉塞が解除され、ポンプ室16B内の水が吐出室17に吐出される。
【0032】
さらに、モータ2の出力軸2aが回転し、次のポンプ室16Cが拡張すると、ポンプ室16C内が負圧状態になる。したがって、ポンプ室16Cに対応した吸込用弁体11が吸込用通路9cを開放するので、第2の吸込口15aに供給された水が第2の吸込室18Bおよび吸込用通路9cを通って、ポンプ室16Cに流入する。
【0033】
次に、モータ2の出力軸2aが回転し、拡張したポンプ室16Cの駆動子6bの揺動端部が上方に移動すると、ポンプ室16Cは収縮するから、ポンプ室16C内の水圧が高くなり、吐出用弁体10による吐出用通路9bの閉塞が解除され、ポンプ室16C内の水が吐出室17に吐出される。
【0034】
さらに、モータ2の出力軸2aが回転し、次のポンプ室16Dが拡張すると、ポンプ室16D内が負圧状態になる。したがって、ポンプ室16Dに対応した吸込用弁体11が吸込用通路9cを開放するので、第2の吸込口15aに供給された水が第2の吸込室18Bおよび吸込用通路9cを通って、ポンプ室16Dに流入する。
【0035】
次に、モータ2の出力軸2aが回転し、拡張したポンプ室16Dの駆動子6bの揺動端部が上方に移動すると、ポンプ室16Dは収縮するから、ポンプ室16D内の水圧が高くなり、吐出用弁体10による吐出用通路9bの閉塞が解除され、ポンプ室16D内の水が吐出室17に吐出される。
【0036】
このように、モータ2の出力軸2aが回転し、ポンプ室16A〜16Dが順次拡縮するすることにより、一つの吐出室17にポンプ室16Aから吐出された空気と、ポンプ室16B,16C,16Dから吐出された水とが容積比にして空気と水とが1:3に混合され、混合された空気と水とが、一つの吐出口13aから吐出される。吐出口13aから吐出された空気と水との混合した流体がチューブ(図示せず)等に接続された加圧対象物に供給される。
【0037】
このように、本発明によれば、一つのローリングポンプ1内で異なる種類の流体を混合させることができることにより、従来、流体の種類だけ必要としていたローリングポンプの数が一つで済むため、ポンプの数を減らすことができるから、コストダウンと省スペース化を図ることができる。また、一つのポンプで対応できることにより、部品交換が容易になるためメンテナンス性も向上する。
【0038】
また、一つの吐出室17と二つの第1および第2の吸込室18A,18Bとを、隔壁体9に設けた第1の仕切壁9dと、蓋体12に設けた第2の仕切壁12bおよび第3の仕切壁12cとによって形成したことにより、隔壁体9と蓋体12とを交換することにより、混合する流体の数や混合比率を容易に変更することが可能になる。
【0039】
なお、本実施の形態においては、ポンプ室16A〜16Dを四つ備えた、いわゆる四気筒の例を挙げたが、二気筒または五気筒以上のローリングポンプに適用できることは勿論である。また、吸込口を二つとしたが、三つ以上としてもよく、その場合、三つ以上の吸込口に別々の流体を外部から供給して、三種類以上の流体を供給するようにしてもよく、また、三つの吸込口のうちの二つの吸込口に同じ流体を供給するようにしてもよく、要は吸込口を少なくとも二つ以上設け、これら各吸込口に外部から供給される流体は、各吸込口においては一種類であって、互いの吸込口間においては少なくとも二種類以上の異なる流体とすればよい。また、本実施の形態においては、一方の流体である空気を四つのポンプ室のうちのいずれかのポンプ室16Aに吸い込ませ、他方の流体である水を四つのポンプ室のうちの残りのポンプ室16B〜16Dに吸い込ませ、空気と水との混合比率をを容積比において1:3としたが、ポンプ室16A,16Bに空気を吸い込ませ、ポンプ室16C,16Dに水を吸い込ませるというように、混合比は1:3に限定されず種々の選択が可能である。また、異なる種類の流体を四つ以上のポンプ室に吸い込ませる方法として、交互に異なる流体を吸い込ませてもよく、また続けて同じ流体を吸い込ませてもよく、異なる流体を吸い込ませる順序も必要に応じて種々の変更が可能である。また、本実施の形態においては、空気を吸い込む吸込口14aとして筒体14を形成したが、吸い込む流体が空気であるならば、筒体を形成することなく大気に接する開口(吸込口)を蓋体12やケース3に設ければよい。
【符号の説明】
【0040】
1…ローリングポンプ、2…モータ、3…ケース、8…ダイヤフラム、8a…ダイヤフラム部、9…隔壁体、9b…吐出用通路、9c…吸込用通路、9d…第1の仕切壁、10…吐出用弁体、11…吸入用弁体、12…蓋体、12b…第2の仕切壁、12c…第3の仕切壁、13a…吐出口、14a…第1の吸込口、15a…第2の吸込口、16A〜16D…ポンプ室、17…吐出室、18A…第1の吸込室、18B…第2の吸込室。
図1
図2