(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
複数のアンテナ方向にわたって掃引することによって論理チャネルが送信のために利用可能であるかどうかを判断することと、ただし、前記複数のアンテナ方向が、宛先デバイスにおいて信号を受信するための第1のアンテナ方向と、前記宛先デバイスに向かう信号を送信するための第2のアンテナ方向とを備え、前記論理チャネルは、現在の時間においてアクティブである他の論理チャネルと干渉しない場合に利用可能であり、前記第1のアンテナ方向および前記第2のアンテナ方向のいずれかにおいて、規定されたレベルよりも高いエネルギーレベルが検出された場合、または、プリアンブルが検出された場合、前記論理チャネルは利用できないと判断される;および、
前記論理チャネルが利用可能である場合、データを送信することと
を備えるワイヤレス通信の方法。
複数のアンテナ方向にわたって掃引することによって論理チャネルが送信のために利用可能であるかどうかを判断することと、ただし、前記複数のアンテナ方向が、宛先デバイスにおいて信号を受信するための第1のアンテナ方向と、前記宛先デバイスに向かう信号を送信するための第2のアンテナ方向とを備え、前記論理チャネルは、現在の時間においてアクティブである他の論理チャネルと干渉しない場合に利用可能であり、前記第1のアンテナ方向および前記第2のアンテナ方向のいずれかにおいて、規定されたレベルよりも高いエネルギーレベルが検出された場合、または、プリアンブルが検出された場合、前記論理チャネルは利用できないと判断される;および、
前記論理チャネルが利用可能である場合、データを送信することと
を行うように実行可能な命令を備える、ワイヤレス通信のための機械可読記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0017】
慣例により、図面中に示された様々な特徴は、明快のために簡略化されていることがある。したがって、図面は、所与の装置(たとえば、デバイス)または方法の構成要素のすべてを示しているわけではない。さらに、明細書および図の全体にわたって同じ特徴を示すために同じ参照番号が使用されることがある。
【0018】
本開示の様々な態様について以下で説明する。本明細書の教示は多種多様な形態で実施でき、本明細書で開示されている特定の構造、機能、またはその両方は代表的なものにすぎないことは明らかであろう。本明細書の教示に基づいて、本明細書で開示する態様は他の態様とは無関係に実装できること、およびこれらの態様のうちの2つ以上を様々な方法で組み合わせることができることを、当業者なら諒解されたい。たとえば、本明細書に記載の態様をいくつ使用しても、装置を実装し、または方法を実施することができる。さらに、本明細書に記載の態様のうちの1つまたは複数に加えて、あるいはそれら以外の他の構造、機能、または構造および機能を使用して、そのような装置を実装し、またはそのような方法を実施することができる。
【0019】
以下の記述では、説明の目的で、本開示の完全な理解を与えるために多数の具体的な詳細を記載する。ただし、本明細書で図示および説明する特定の態様は、本開示を特定の形態に限定するものではなく、むしろ、本開示は、特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲内に入るすべての変形、均等物、および代替物をカバーするものであることを理解されたい。
【0020】
本開示の一態様では、シングルキャリア共通シグナリングとともに、シングルキャリア変調およびOFDMを採用するデュアルモードミリメートル波システムを提供する。コモンモードは、ビーコニング、シグナリング、ビームフォーミング、およびベースレートデータ通信のために、シングルキャリアデバイスとOFDMデバイスの両方によって使用されるシングルキャリアモードである。
【0021】
次に
図1に関して、IEEE802.15.3cパーソナルエリアネットワーク(PAN)規格に適合する形で形成され、本明細書でピコネットと呼ばれるネットワークである、ワイヤレスネットワーク100のいくつかの態様を提示する。ネットワーク100は、複数のデータデバイス(DEV)120などのいくつかの独立したデータデバイスが互いに通信することを可能にするワイヤレスアドホックデータ通信システムである。通信がデバイスのペアの間にある場合、ネットワーク100と同様の機能をもつネットワークは、基本サービスセット(BSS)、または独立基本サービス(IBSS)とも呼ばれる。
【0022】
複数のDEV120の各DEVは、ネットワーク100のワイヤレス媒体へのMACおよびPHYインターフェースを実装するデバイスである。複数のDEV120中のデバイスと同様の機能をもつデバイスは、アクセス端末、ユーザ端末、移動局、加入者局、局、ワイヤレスデバイス、端末、ノード、または何らかの他の好適な用語で呼ばれることがある。本開示全体にわたって説明する様々な概念は、ワイヤレスノードの固有の名称にかかわらず、すべての好適なワイヤレスノードに当てはまるものである。
【0023】
IEEE802.15.3cの下では、1つのDEVがピコネットのコーディネータの役割を担うことになる。この調整DEVは、ピコネットコーディネータ(PNC)と呼ばれ、
図1にPNC110として示されている。したがって、PNCは、複数の他のデバイスの同じデバイス機能を含むが、ネットワークのための調整を行う。たとえば、PNC110は、ビーコンを使用したネットワーク100のための基本タイミングなどのサービス、ならびにサービス品質(QoS)要件、省電力モード、およびネットワークアクセス制御の管理を行う。他のシステムにおける、PNC110について説明した同様の機能をもつデバイスは、アクセスポイント、基地局、送受信基地局、局、端末、ノード、アクセスポイントとして働くアクセス端末、または何らかの他の好適な用語で呼ばれることがある。DEVとPNCの両方はワイヤレスノードと呼ばれることがある。言い換えれば、ワイヤレスノードはDEVまたはPNCであり得る。
【0024】
PNC110は、スーパーフレームと呼ばれる構造を使用してネットワーク100中の様々なデバイス間の通信を調整する。各スーパーフレームは、ビーコン期間による時間に基づいて境界を画定される。また、PNC110は、他のネットワークまたは他のPNCと通信するためにシステムコントローラ130に結合できる。
【0025】
図2に、ネットワーク100においてピコネットタイミングのために使用されるスーパーフレーム200を示す。一般に、スーパーフレームは、ビーコン期間と、チャネル時間割振り期間と、随意に競合アクセス期間とを含んでいる、基本時分割構造である。スーパーフレームの長さはビーコン間隔(BI)としても知られる。スーパーフレーム200では、ビーコン期間(BP)210は、本明細書でさらに説明するように、PNC110などのPNCがビーコンフレームを送信する間に与えられる。
【0026】
競合アクセス期間(CAP)220は、ネットワーク100におけるPNC110と複数のDEV120中のDEVとの間、またはネットワーク100における複数のDEV120中のDEVのいずれかの間のいずれかで、コマンドおよびデータを通信するために使用される。CAP220のアクセス方法は、スロット付きアロハまたはキャリア検知多重アクセス衝突回避(CSMA/CA)プロトコルに基づくことがある。CAP220は、PNC110によって各スーパーフレーム中に含められないことがある。
【0027】
時分割多元接続(TDMA)プロトコルに基づくチャネル時間割振り期間(CTAP)220は、ネットワーク100中のチャネルを複数のDEV120が使用するための時間を割り振るために、PNC110によって与えられる。詳細には、CTAPは、チャネル時間割振り(CTA)と呼ばれる1つまたは複数の時間期間に分割され、CTAはPNC110によってデバイスのペアに割り振られる。CTAごとにデバイスの1つのペアである。したがって、CTAのアクセス機構はTDMAベースである。
【0028】
ビーコン期間中、擬似オムニまたは「Qオムニ」ビーコンと呼ばれる、アンテナパターンのセットを使用したビーコンが最初に送信される。さらに、指向性ビーコン、すなわち、(1つまたは複数の)ある方向においてより高いアンテナ利得を使用して送信されるビーコンが、PNCと1つまたは複数のデバイスとの間でビーコン期間中にまたはCTAPにおいて送信され得る。
【0029】
図3は、シングルキャリアモードフレーム、OFDMモードフレームまたはコモンモードフレームに使用できるフレーム構造300の一例である。本明細書で使用する「フレーム」という用語は「パケット」とも呼ばれることがあり、これらの2つの用語は同義であると見なすべきである。フレーム構造300は、プリアンブル302と、ヘッダ340と、パケットペイロード380とを含む。コモンモードは、すべての3つのフィールドに対して、すなわち、プリアンブル302、ヘッダ340およびパケットペイロード380に対してゴレイ符号を使用する。コモンモード信号は、その中にデータを拡散するために、チップレベルπ/2BPSK変調とともにゴレイ拡散符号を使用する。物理レイヤコンバージェンスプロトコル(PLCP)準拠ヘッダであるヘッダ340、および物理レイヤサービスデータユニット(PSDU)であるパケットペイロード380は、長さ64のゴレイ符号ペアを用いて拡散されるシンボルを含む。限定はしないが、例として、ゴレイ符号繰り返し数およびゴレイ符号長を含む様々なフレームパラメータは、フレーム構造300の様々な態様に従って適応させることができる。一態様では、プリアンブルにおいて採用されるゴレイ符号は、長さ128または長さ256のゴレイ符号から選択できる。データ拡散に使用されるゴレイ符号は、長さ64または長さ128のゴレイ符号を備えることができる。
【0030】
図3を再び参照すると、プリアンブル302は、パケット同期系列フィールド310と、フレーム開始デリミタ(SFD)フィールド320と、チャネル推定系列フィールド330とを含む。より高いデータレートを使用するときは、プリアンブル302を短縮することができる。たとえば、コモンモードの場合、デフォルトプリアンブル長を36ゴレイ符号に設定することができ、それは50Mbpsのオーダーのデータレートに関連する。1.5Gbpsデータレートのオーダーのデータレートの場合は、プリアンブル302を16ゴレイ符号に短縮することができ、データレート約3Gbpsの場合は、プリアンブル302を8ゴレイ符号にさらに短縮することができる。デバイスからの暗黙的要求または明示的要求のいずれかに基づいて、プリアンブル302をより短いプリアンブルにスイッチすることもできる。
【0031】
パケット同期系列フィールド310は、
図3中の符号312−1〜312−nで表されるように、長さ128の相補ゴレイ符号のうちの1つ(a
i128、b
i128)によって拡散された1の繰り返しである。SFDフィールド320は、
図3中の符号322で表されるように、長さ128の相補ゴレイ符号のうちの1つ(a
i128、b
i128)によって拡散された、{−1}などの特定の符号を備える。CESフィールド330は、符号332および336で表されるように、長さ256の相補ゴレイ符号のペア(a
i256、b
i256)を使用して拡散でき、334−1および338−1で表されるように、a
iCPまたはb
iCPなどの少なくとも1つの巡回プレフィックスをさらに備えることができ、それらは長さ128のゴレイ符号であり、CPは巡回プレフィックスまたはポストフィックスである。それぞれ、334−2および338−2で表されるように、a
iCPまたはb
iCPなど、符号332および336の各々の巡回ポストフィックスは、長さ128のゴレイ符号である。
【0032】
一態様では、ヘッダ340は、約レート1/2のリードソロモン(RS)コーディングを採用し、パケットペイロード380は、レート0.937のRSコーディング、RS(255,239)を採用する。ヘッダ340およびパケットペイロード380は、バイナリまたは複素数値であり得、長さ64の相補ゴレイ符号a
i64および/またはb
i64を使用して拡散できる。好ましくは、ヘッダエラーレートによるパケットエラーレートを最小限に抑えるために、ヘッダ340をパケットペイロード380よりもロバストな形で送信すべきである。たとえば、ヘッダ340に、パケットペイロード380中のデータ部分よりも4dB〜6dB高いコーディング利得を与えることができる。また、データレートの変化に応答してヘッダレートを適応させることができる。たとえば、1.5Gbpsまでのデータレートの範囲では、ヘッダレートは400Mbpsであり得る。3Gbpsのデータレートでは、ヘッダレートは800Mbpsであり得、6Gbpsまでのデータレートの範囲では、ヘッダレートは1.5Gbpsに設定され得る。データレートの範囲に対してヘッダレートの一定の比率を維持することができる。したがって、データレートがある範囲から別の範囲に変更されるにつれて、データレート範囲に対してヘッダレートの一定の比を維持するようにヘッダレートを調整することができる。ヘッダレートの変化をネットワーク100中の複数のDEV120中の各デバイスに通信することが重要である。しかしながら、すべてのモード(すなわち、シングルキャリアモード、OFDMモードおよびコモンモード)によって使用される
図3中の現在の構造フレーム300は、これを行う能力を含まない。
【0033】
図4に、本開示の態様によるプリアンブル400を示す。次のように3つのプリアンブルが定義される。
【0034】
長いプリアンブル:8つの同期シンボル、1つのSFDシンボル、2つのCESシンボル、
中間のプリアンブル:4つの同期シンボル、1つのSFDシンボル、2つのCESシンボル、
短いプリアンブル:2つの同期シンボル、1つのSFDシンボル、1つのCESシンボル、
ただし、シンボルは、長さ512のゴレイ符号であり、単一の長さ128のゴレイ符号または長さ128のゴレイ符号のペアのいずれかから構成できる。
【0035】
ビーコン期間中、擬似オムニパターン、すなわち、当該空間領域の比較的広いエリアをカバーするパターンを用いた、「Qオムニ」ビーコンと呼ばれるビーコンが最初に送信される。さらに、指向性ビーコン、すなわち、(1つまたは複数の)ある方向においてより高いアンテナ利得を使用して送信されるビーコンが、PNCと1つまたは複数のデバイスとの間でビーコン期間中にまたはCTAPにおいて送信されることがある。周波数および空間再利用を改善するためなどに、同じ周波数チャネル内で各ピコネットに次式のような一意のプリアンブル系列セットを割り当てることができる。
【数1】
【0036】
上式で、基本系列s
512,mは、4つの重複しない周波数ビンセットを占有し、したがって、時間と周波数の両方において直交する。m番目の基本系列は周波数ビンm、m+4、m+8、m+12、...を占有する。本開示の一態様では、512個のサブキャリア全体ではなく、使用されるサブキャリアのみがポピュレートされるように、時間または周波数領域フィルタ処理を使用して、正規(regular)ゴレイ相補系列など、他のゴレイ系列から修正ゴレイ系列を発生させる。
【0037】
本明細書で使用し、aおよびbによって示される「正規ゴレイ相補系列」は、以下のパラメータを使用して発生させることができる。
【0038】
1.m=0:M−1であるセット2mからの別個の要素をもつ長さMの遅延ベクトルD、
2.QPSKコンスタレーションからの要素をもつ長さMのシードベクトルW(±1,±j)。
【0039】
図20に、本開示のいくつかの態様においてゴレイ符号発生器またはマッチドフィルタのいずれかとして採用できるゴレイ符号回路2000を示す。ゴレイ符号回路2000は、固定遅延の判断されたセットD=[D(0)、D(1)、...、D(M−1)]を第1の入力信号に与えるように構成された遅延要素の系列2002−1〜2002−Mを含む。ゴレイ符号回路2000が、複数のゴレイ相補符号ペアを生成するように構成されたときでも、遅延要素2002−1〜2002−Mによって与えられる遅延プロファイルは固定であり得る。ゴレイ符号回路2000は、複数のシード信号を発生するために、第2の入力信号に複数の異なるシードベクトルW
i=[W(0)、W(1)、...、W(M−1)]のうちの少なくとも1つを乗算するように構成された適応可能なシードベクトル挿入要素の系列2030−1〜2030−Mをも含む。適応可能なシードベクトル挿入要素の系列2030−1〜2030−Mの各々からの出力は、コンバイナの第1のセット2010−1〜2010−Mに供給されて、遅延要素2002−1〜2002−Mの各々のそれぞれの出力と組み合わせられる。
図20に示すゴレイ符号回路2000の実装形態では、各シードベクトル挿入要素2030−1〜2030−Mの出力は、そのそれぞれの遅延要素2002−1〜2002−Mの出力に、コンバイナの第1のセット2010−1〜2010−Mの各々によって加算され、その後、その結果は次のステージに供給される。コンバイナの第2のセット2020−1〜2020−Mは、遅延要素2002−1〜2002−Mからの遅延信号を、シードベクトルによって乗算された信号と組み合わせるように構成され、その場合、ゴレイ符号回路2000において遅延信号からシード信号が減算される。
【0040】
本開示のいくつかの態様に従って実装された受信機が、パケットまたはフレーム検出などの機能を与えるように受信信号のマッチドフィルタ処理を実行するために同様のゴレイ符号発生器を採用することがある。
【0041】
一態様では、以下の表に示すように、遅延ベクトル(D1、D2、D3、およびD3)と、対応するシードベクトル(W1、W2、W3、およびW4)との組合せによってゴレイ符号(a1、a2、a3、およびa4)を発生することができる。
【表1】
【0042】
第1、第2、および第4の系列はタイプaであり、第3の系列はタイプbである。最小サイドローブレベルならびに最小相互相関を有するように好適な系列が最適化される。
【0043】
本開示のいくつかの態様では、制御フレームおよびコマンドフレームを交換すること、ピコネットに関連付けること、ビームフォーミング、および他の制御機能のために使用されるOFDMシグナリング動作のために、ベースレートを採用することがある。ベースレートは、最適な範囲を達成するために採用される。一態様では、ベースデータレートを達成するために、周波数領域拡散とともにシンボル当たり336個のデータサブキャリアを採用することができる。336個のサブキャリア(サブキャリア−176〜176)は、プリアンブルなどに関して説明したように、4つの重複しない周波数ビンに分割でき、各セットは、同じ周波数帯域において動作する複数のPNCのうちの1つに割り当てることができる。たとえば、第1のPNCにサブキャリア−176、−172、−168、...、176を割り振ることができる。第2のPNCに、サブキャリア−175、−171、−167、...、173などを割り振ることができる。さらに、各PNCは、複数のサブキャリアにわたってデータを配信するためにデータをスクランブルするように構成できる。
【0044】
IEEE802.15.3では、ピコネットタイミングは、PNCがビーコンフレームを送信するためのビーコン期間と、CSMA/CAプロトコルに基づく競合アクセス期間(CAP)と、チャネル時間割振り期間(CTAP)とを含むスーパーフレームに基づき、CTAPは、さらに以下で説明するように、管理(MCTA)および正規CTAのために使用される。
【0045】
ビーコン期間中、擬似オムニまたは「Qオムニ」ビーコンと呼ばれる、概全方向アンテナパターンを用いたビーコンが最初に送信される。さらに、指向性ビーコン、すなわち、(1つまたは複数の)ある方向においてあるアンテナ利得を使用して送信されるビーコンが、2つのデバイス間でビーコン期間中にまたはCTAPにおいて送信されることがある。
【0046】
指向性ビーコンを送信するときのオーバーヘッドを低減するために、より高いアンテナ利得の場合、プリアンブルを短縮することができる(たとえば、繰り返しの数を低減することができる)。たとえば、0〜3dBのアンテナ利得が与えられたときは、ビーコンは、長さ512の8つの修正ゴレイ符号と2つのCESシンボルとを備えるデフォルトプリアンブルを使用して送信される。3〜6dBのアンテナ利得の場合は、ビーコンは、同じ修正ゴレイ符号の4つの繰り返しと2つのCESシンボルとの短縮されたプリアンブルを採用する。6〜9dBのアンテナ利得の場合は、ビーコンは、同じ修正ゴレイ符号の2つの繰り返しと1つまたは2つのCESシンボルとの短縮されたプリアンブルを送信する。9dB以上のアンテナ利得の場合は、ビーコンプリアンブルは、同じゴレイ符号のただ1つの繰り返しと1つのCESシンボルとを採用する。ビーコニング中にまたはデータパケットのためにヘッダ/ビーコンを使用する場合、ヘッダデータ拡散率をアンテナ利得にマッチさせることができる。
【0047】
本開示の様々な態様は、広範囲のアンテナ構成、ビームフォーミング動作、および使用モデルをサポートするユニファイドメッセージングプロトコルを提供する。たとえば、アンテナ構成は、指向性または擬似オムニアンテナ、シングルアンテナの指向性アンテナパターン、ダイバーシティスイッチトアンテナ、セクタ化されたアンテナ、ビームフォーミングアンテナ、フェーズドアンテナアレイ、ならびに他のアンテナ構成を含むことができる。ビームフォーミング動作は、PNCとデバイスとの間で実行されるプロアクティブビームフォーミング、および2つのデバイス間で実行されるオンデマンドビームフォーミングを含むことができる。プロアクティブビームフォーミングとオンデマンドビームフォーミングの両方ための様々な使用モデルは、PNCから複数のデバイスへのおよび少なくとも1つのデバイスからPNCへのパケットごとのビームフォーミング、PNCからただ1つのデバイスへの送信、デバイス間の通信、ならびに他の使用モデルを含む。プロアクティブビームフォーミングは、PNCが1つまたは複数のデバイスのためのデータソースであり、PNCが、様々な物理的方向においてパケットを送信するように構成され、それらの方向の各々が、パケットの宛先である1つまたは複数のデバイスのロケーションに対応するときに、有用である。
【0048】
いくつかの態様では、ユニファイド(SC/OFDM)メッセージングおよびビームフォーミングプロトコルは、最適化手法(すなわち、最良のビーム、セクタまたはアンテナ重みを見つけるために最適化すること)、およびワイヤレスネットワーク100中のデバイスにおいて使用されるアンテナシステムとは無関係である。これは、採用される実際の最適化手法におけるフレキシビリティを可能にする。ただし、ビームフォーミングを可能にするツールを定義すべきである。これらのツールは、レイテンシの低減、オーバーヘッドの低減、および速いビームフォーミングを可能にしながら、すべてのシナリオをサポートすべきである。
【0049】
以下の表に、本開示の態様によって採用できる4つのタイプのシングルキャリアビームフォーミングパケットを示す。
【表2】
【0050】
これらは、コモンモードを使用して送信されるシングルキャリアパケットであるので、シングルキャリアデバイスとOFDMデバイスの両方によって復号できる。送信されるパケットの大部分は、本体を有さず、すなわち、プリアンブルだけを有することがある。
【0051】
コーディング利得とアンテナ利得の両方を考慮に入れて、送信の総利得を実質的に等化するように、異なるアンテナ利得に対して異なるタイプのパケットを採用することができる。たとえば、0〜3dBのアンテナ利得をもつQオムニ送信はタイプIのパケットを採用することができる。3〜6dBのアンテナ利得をもつ指向性送信はタイプIIのパケットを使用することができる。6〜9dBのアンテナ利得をもつ指向性送信はタイプIIIのパケットを使用することができ、9〜12dBのアンテナ利得をもつ指向性送信はタイプIVのパケットを使用することができる。別の態様では、デバイスおよびPNCにおける処理の複雑さを低減するためにデフォルトレートでビーコンを送信することが有利である。
【0052】
図5に、プロアクティブビームフォーミングを実行するために本開示の様々な態様によって採用できるスーパーフレーム構造500を示す。スーパーフレーム構造500は、ビーコン部分550と、CSMA/CAプロトコルに基づくCAP560と、CTAP580とを含み、CTAP580は管理(MCTA)および正規CTAのために使用される。ビーコン部分550は、Qオムニ部分と指向性部分530とを含む。指向性部分530は、より多くの情報を伝達するために様々なデバイスに送信できる指向性ビーコンの使用を含む。
【0053】
Qオムニ部分は、Qオムニビーコン510−1〜510−L1で表されるように、複数のQオムニビーコンである、スーパーフレーム構造500中のL1個の送信を含み、Qオムニビーコンの各々は、複数のMIFS(ガードタイムである最小フレーム間隔)520−1〜520−L1で表されるように、それぞれのMIFSによって分離される。一態様では、L1は、PNCがサポートすることが可能なQオムニ方向の数を表す。全方向カバレージが可能なPNC、すなわち、全方向タイプのアンテナを有するPNCの場合は、L1=1である。セクタ化されたアンテナをもつPNCの場合は、L1は、PNCがサポートすることが可能なセクタの数を表すであろう。同様に、PNCがスイッチング送信ダイバーシティアンテナを備えるとき、L1は、PNC中の送信アンテナの数を表すことができる。Qオムニビーコンパケットの構造に対する様々な手法が使用できる。したがって、たとえば、各Qオムニビーコンパケットが、QオムニビーコンパケットのインデックスとQオムニ部分中のQオムニビーコンパケットの総数とに関する情報を含んでいる1つまたは複数のカウンタを有し得ることを除いて、L1個のQオムニビーコンは同じ内容を搬送する。
【0054】
一態様では、CAP560は2つの部分に分割され、関連付けCAP期間562とデータ通信CAP572とに分割される。関連付けCAP562は、デバイスの各々がそれ自体をPNCに関連付けることを可能にする。一態様では、関連付けCAP562は、S−CAP562−1〜562−L2で表される複数のサブCAP(S−CAP)に分割され、各々の後に、GT564−1〜564−L2で表されるそれぞれのガードタイム(GT)が続く。L2は、L1とは異なり得る、PNCによって可能なQオムニ受信方向の最大数を表し、したがって、本開示の一態様では、関連付けCAP期間562中に、PNCは、L2個の受信方向の各々においてデバイスからの関連付け要求をリッスンすることになり、すなわち、lが1からL2までの範囲に及ぶ、l番目のS−CAP中に、PNCはl番目の受信方向においてリッスンすることになる。
【0055】
チャネルが相互的(reciprocal)である(たとえば、L1がL2に等しい)一態様では、lが1からL1までの任意の値であり得る、l番目のS−CAP中に、PNCは、l番目のQオムニビーコンを送信するためにPNCが使用したのと同じアンテナ方向から受信する。2つのデバイスが送信および受信のために同じアンテナアレイを使用する場合、チャネルは2つのデバイス間で相互的である。たとえば、それらのデバイスのうちの一方が送信および受信のために異なるアンテナアレイを使用する場合、チャネルは非相互的である。
【0056】
図6Aおよび
図6Bに、アンテナパターンの2つの例、600および650をそれぞれ示す。
図6Aでは、局610が、k番目のアンテナ方向602−kをもつ複数のアンテナ方向602−1〜602−Lを含む。同様に、
図6Bでは、局660が、k番目のアンテナ方向650−kをもつ複数のアンテナ方向650−1〜650−Lを含む。一態様では、アンテナ方向の各々は、本明細書でQオムニ、セクタ、ビームおよび高分解能ビーム(HRB)と呼ばれる、分解能をもつ特定のパターンの一部であり得る。本明細書で使用するそれらの用語は、実際の分解能(たとえば、カバレージのエリア)に関して任意であるアンテナ方向を指すが、Qオムニパターンは、当該空間領域(Region of Space of Interest)(RSI)の極めて広いエリアをカバーするアンテナパターンを指すものと見なされることがある。本開示の一態様では、DEVは、場合によっては重複する、Qオムニアンテナ方向の最小セットを用いてRSIをカバーするように構成される。セクタは、たとえば、1つの太いビーム、あるいは隣接しても隣接しなくてもよい複数のより狭いビームを使用して広いエリアをカバーするパターンを指すことがある。本開示の一態様では、セクタは重複することができる。ビームは、最も高い分解能レベルの高分解能ビーム(HRB)のサブセットである。本開示の一態様では、ビームからHRBまでの分解能の調整は、デバイスが所与のビームの周りのHRBのセットを監視する追跡動作中に達成される。
【0057】
上記で説明したように、CAPは、異なるデバイス(DEV)間の通信のためのCSMA/CAプロトコルに基づく。ピコネット中のDEVのうちの1つが全方向対応でないとき、CAP中にそのDEVと通信することを望む任意のDEVは、どの方向において送信および受信すべきかを知る必要がある。非全方向対応DEVは、本明細書でさらに説明するように、ここで指向性アンテナと呼ばれるスイッチトアンテナ、セクタ化されたアンテナ、および/またはフェーズドアンテナアレイを使用することができる。ビーコン中にブロードキャストされた情報は、Qオムニビーコンを最適化するためにQオムニビーコンと指向性ビーコンとの間で分割できることに留意されたい。
【0058】
前述のように、PNCは、あらゆるスーパーフレームにおいてビーコンをブロードキャストする。各ビーコンは、スーパーフレームに関するすべてのタイミング情報と、随意に、各DEVのビームフォーミングケイパビリティを含む、ピコネットのメンバーであるDEVの一部または全部に関する情報とを含んでいる。指向性ビーコンは、より高いデータレートで送信され、DEVケイパビリティ情報の潜在的に大きい量をより良くサポートするので、DEVの一部または全部の可能なケイパビリティに関する情報は、好ましくは、ビーコン期間の指向性ビーコンセクション中に通信される。DEVビームフォーミングケイパビリティは、関連付け中にPNCによって得られる。DEVビームフォーミングケイパビリティは、粗い送信方向および受信方向の数と、ビームフォーミングレベルの数とを含む。たとえば、粗い方向の数は、スイッチトアンテナをもつDEVのためのアンテナの数、セクタ化されたアンテナをもつDEVのためのセクタの数、またはフェーズアンテナアレイをもつDEVのための粗いパターンの数であり得る。フェーズアンテナアレイは、各パターンが当該空間領域の一部をカバーする、重複していることがあるパターンのセットを発生することができる。
【0059】
DEVは、PNCと関連する(すなわち、ピコネットのメンバーになる)ために以下のステップを実行する必要がある。最初に、DEVはPNCからのビーコンを探索する。次いで、DEVは、Qオムニビーコンのうちの少なくとも1つを検出し、スーパーフレームタイミングと、Qオムニビーコンの数と、S−CAPの数および持続時間と、随意に、DEVメンバーの各々の可能なケイパビリティとについての知識を取得する。本開示の一態様では、DEVは、PNCによって送信されるすべてのQオムニビーコンからのリンク品質インジケータを測定することによって最良のPNC方向を取得し、追跡する。本開示の一態様では、リンク品質インジケータ(LQI)は、受信信号の品質のメトリックである。LQIの例は、限定はしないが、RSSI(受信信号強度インジケータ)、SNR(信号対雑音比)、SNIR(信号対雑音干渉比)、SIR(信号対干渉比)、プリアンブル検出、BER(ビットエラーレート)、またはPER(パケットエラーレート)を含む。
【0060】
DEVは、L1個の送信方向のそのセットをにわたって掃引することによってS−CAPのうちの1つにおいて関連付け要求をPNCに送信し、すなわち、DEVは、ガードインターバルによって随意に分離されるL1個のパケットのセットを備える関連付け要求を送信し、そこで、m番目のパケット(m=1、2、...、L1)がDEVの送信方向において送信され、そこで、各パケットが、そのヘッダにおいて関連付け要求中のパケットの総数と現在のパケットのインデックスとに関する情報を含んでいる1つまたは複数のカウンタを有し得ることを除いて、パケットは同じ内容を含んでいる。代替的に、各パケットは、そのヘッダにおいて関連付け要求中の残りのパケットの数を有し得る。さらに、各関連付け要求(すなわち、関連付け要求中の各パケット)は、DEVに向かうPNCの最良の送信方向に関する、PNCへの情報を有する。この情報は、ビーコニングによってDEVに知られる。関連付け要求を送信した後、DEVは、次いで、関連付け応答を待つ。
【0061】
DEVによって送信されたパケットのうちの1つが検出されると、PNCは、関連付け要求内のパケットの残りの数に関する情報をヘッダから復号し、最後のパケットの終了までに残された時間、すなわち、関連付け応答を返送する前にPNCが待つべき時間を計算することが可能である。PNCからの関連付け応答は、DEVにその最良の送信方向を通知すべきである。関連付け応答がDEVによってうまく受信されると、DEVおよびPNCは、方向のセット、すなわち、「方向のワーキングセット」と呼ばれる、DEVからPNCへの方向とPNCからDEVへの方向とによって通信することが可能となり、このワーキングセットをS−CAPにおけるさらなる通信のために使用する。したがって、本開示の一態様では、方向のワーキングセットを有することは、DEVが、PNCに送信するためにどの方向を使用すべきか、およびどのS−CAPをターゲットにすべきかを知っており、PNCが、DEVに向かってどの送信方向を使用すべきかを知っていることを意味する。方向のワーキングセットは、必ずしもPNCとDEVとの間の方向の最良のセットを意味するわけではない。たとえば、ワーキング方向は、パケットの受信の完了を可能にするのに十分なリンク品質をもつ、掃引中に検出された第1の方向であり得る。方向のワーキングセットは、以下で説明するポーリング技法を使用することによって、方向の好適なまたは「最良の」セットであると判断されることがある。代替的に、関連付け要求内のパケットのうちの1つがうまく検出されると、PNCは、DEVからの最良の受信方向を見つけるために、(DEVによって異なる方向において送信された)すべての残りのパケットを監視することができ、その場合、方向のセットは、方向の最良のセットとなる。PNCは、関連付け要求プロセスの一部として、またはPNCとDEVとの間のさらなる通信のために割り振られたCTAにおいて、(ビームフォーミングケイパビリティを含む)DEVケイパビリティを取得することができる。
【0062】
DEVは、所与の時間内にPNCから関連付け応答を受信しなかった場合、PNCから関連付け応答をうまく受信するまで、S−CAPの各々において1回または複数回試みることによって関連付け要求を再送信する。本開示の一態様では、PNCは、関連付け要求にただ1つのS−CAPを割り振る。DEVは、上記で説明したようにその送信方向のすべてにわたって掃引することによって関連付け要求を送信することができる。あるいは、チャネルが対称的である場合、DEVは、PNCからの最良の受信方向に等しい送信方向を使用して関連付け要求をPNCに送信することができる。PNCからのこの最良の受信方向は、上記で説明したように、ビーコンを監視することによってDEVにとって利用可能である。本開示の別の態様では、DEVは、DEVの送信方向のうちの1つにおいて関連付け要求をPNCに送信し、PNCからの肯定応答を聴取するのを待つことができる。DEVは、PNCからの応答を受信しなかった場合、同じCAPまたは別のスーパーフレームのCAPのいずれかにおいて、DEVの送信方向のうちの別の1つにおいて別の関連付け要求をPNCに送信する。各関連付け要求は、関連付け要求のセットにおいていくつの関連付けパケットが送信されたか/送信されているかなど、関連付け要求の完全セットに共通な情報と、実際の関連付け要求の一意の識別情報など、送信されている特定の関連付け要求の一意の情報とを含むことになる。
【0063】
DEVによって送信された関連付け要求内の任意のパケットが、関連付け要求中のパケットのセットの一部として送信されたのか、または個別に送信されたのかにかかわらず、PNCは、そのパケットのプリアンブルを検出するために、PNCの受信方向のすべてにわたって掃引することができる。関連付け要求がうまく受信されると、PNCは、その要求中に含まれている方向情報を使用して、情報をDEVに返送する。PNCは、PNCが受信することが可能である第1の関連付け要求に基づいてパケットのプリアンブルを復号することが可能であり得るが、DEVが関連付け要求を送信した元の方向は、最も最適な方向ではないことがある。したがって、PNCは、後続の関連付け要求がより良く受信されるかどうかを判断するために、追加の関連付け要求パケットを検出することを試みることができる。
【0064】
上記のプロシージャは、指向性関連付けプロシージャの簡略版、すなわちPNCおよび/またはDEVが全方向対応でないときである。時々、PNCは、DEVがPNCをトレーニングすることを要求するために各DEVをポーリングする。これは、PNCがモバイルデバイスを追跡するために必要である。そのトレーニングは、たとえば、DEVが送信方向のそのセットにわたって掃引するにことよって実行できる。DEVは、上記で説明したように、PNCによってブロードキャストされたQオムニビーコンを監視することによってPNC方向を追跡するので、DEVそれ自体をPNCによってトレーニングする必要はない。本開示の一態様では、PNCとDEVとの間のチャネルが相互的である場合、DEVは、ビーコン期間中に取得された方向の最良のペアを使用して、掃引することなしにPNCと関連する。たとえば、PNCが4つのQオムニビーコン(すなわち、PNCがQオムニビーコンを送信する4つの方向)を有し、DEVが3つの受信方向を有し、また、DEVが、PNCからの送信をDEVが受信するための最良のQオムニビーコンは第2のQオムニビーコンであると判断し、DEVの最良の受信方向は3番であると判断した場合、DEVは、S−CAP2番において関連付け要求をPNCに送信するために方向3番を使用し、その関連付け要求は、PNCの最良のQオムニ方向に関するPNCへの情報を有し、PNCの最良のQオムニ方向は2番である。次いで、PNCは、その受信方向2番に対応する送信方向2番を使用して「関連付け要求応答」を送信する。
【0065】
DEV−1が、DEV−2、DEV−3、...、DEV−Nと通信することに関心があると仮定する。ビーコンから、DEV−1は、ピコネットのすべての他のDEVメンバーに関するあらゆることを学んでいる。各DEVは送信または受信の複数の方向を有し得、各DEVは、CAPにおいて送信または受信するときにどの方向を使用すべきかを知らないので、DEV−1がCAPにおいてDEV−2またはDEV−3、...DEV−Nと効率的に通信するためには、互いと通信することに関心がある、全方向でないDEVのすべてが、互いをトレーニングしなければならない。
【0066】
一態様では、DEV−1のためのトレーニング系列は次のように達成される。DEV−j(j=1、2、...、N)がMT(j)個の粗い送信方向およびMR(j)個の粗い受信方向を有すると仮定する。
【0067】
1.DEV−1(または、代替的に、PNC)は、次式のように、DEV−2、DEV−3、...DEV−Nの粗い受信方向の最大数、NRを計算する。
【数2】
【0068】
本開示の一態様では、PNCが、DEV−2、DEV−3、...、DEV−Nの粗い受信方向の最大数NRを計算するように構成された場合、DEV−1は、DEV−1がトレーニングすることに関心があるデバイス(たとえば、DEV−2、DEV−3、...、DEV−N)のリストをPNCに送信するだけでよい。
【0069】
2.DEV−1はPNCにCTAを要求し、DEV−1がDEV−2、DEV−3、...、DEV−Nをトレーニングすることを希望することをPNCに通知する。本開示の一態様では、トレーニングは、DEV−1とDEV−2、DEV−3、...、DEV−Nの各々との間の粗い(または細かい)送信および受信方向の最良のペアの位置を特定することに等しい。
【0070】
3.CTA持続時間は、DEV−1(または、代替的に、PNC)によって、ガードタイムを含む、少なくともNR×MT(1)×Tであるものとして計算され、式中、Tはトレーニングパケットの持続時間である。CTA持続時間はフィードバックステージの持続時間をも含むことができる。PNCがCTA持続時間を計算する場合、DEV−1は、トレーニングすべきデバイス(たとえば、DEV−2、DEV−3、...、DEV−N)のリストを送信するだけでよい。
【0071】
4.PNCは、トレーニングのためにDEV−1にCTAを割り振る(すなわち、許可する)。
【0072】
5.PNCは、ビーコンにおいて、ソースがDEV−1であることを示すCTA割振りをブロードキャストし、その宛先は、(すべてのデバイスをトレーニングすべきである場合は)ブロードキャストされるか、または(デバイスのサブセットのみをトレーニングすべきである場合は)DEV−2、DEV−3、...、DEV−Nを含む宛先グループであるかのいずれかである。
【0073】
6.
図7に示すように、DEV−1は、割り振られたCTA中にトレーニングパケットを送信し、DEV−2、DEV−3、...、DEV−Nは、そのCTA中にトレーニングを受信すべきである。
【0074】
本開示の一態様では、粗い方向について説明するが、方向は、方向間でより小さい分離が行われる、細かい方向とすることもできることに留意されたい。
【0075】
各Qオムニビーコンは、PNCをリッスンするすべてのデバイスにビームフォーミングビーコンの構造を伝達するために、
図21Aに示すようなビームフォーミング情報要素2140を搬送することができる。デバイスは、任意のスーパーフレーム中にQオムニビーコンのいずれか1つを復号した後、ビームフォーミングサイクル全体を理解することが可能である。一態様では、ビームフォーミング情報要素2140は、現在のQオムニビーコンIDフィールド2150と、Qオムニビーコン数(たとえば、
図5のフレーム構造500からの値L1)フィールド2152と、情報要素中のオクテットの数を含んでいる長さフィールド2154と、情報要素の識別子である要素IDフィールド2156とを含む。現在のQオムニビーコンIDフィールド2150は、スーパーフレーム中のQオムニビーコン数フィールド2152に関して現在のスーパーフレームにおいて送信されている現在のQオムニビーコンの数/位置を識別する数を含んでいる。デバイスは、現在のQオムニビーコンIDフィールド2150中に含まれている数を使用して、そのデバイスがどのQオムニ方向からビーコンを聴取したのかを知ることになる。
【0076】
図21Bに、ビームフォーミング情報要素2140とともに送信されるスーパーフレーム情報要素2160を示し、スーパーフレーム情報要素2160は、PNCアドレスフィールド2162と、PNC応答フィールド2164と、ピコネットモード2166と、最大送信電力レベル2168と、S−CAP持続時間フィールド2170と、S−CAP期間数フィールド2172と、CAP終了時間フィールド2174と、スーパーフレーム持続時間フィールド2176と、時間トークン2178とを含む。
【0077】
図22に、本開示の様々な態様による、デバイスによるビームフォーミング動作のための
1つの手法を示す。
図22は、全方向受信ケイパビリティをもつデバイスのビームフォーミングプロセス2200を対象とする。ステップ2202において、全方向デバイスは、1つのスーパーフレームのQオムニビーコンを検出するだけでよい。デバイスが全方向でない場合、デバイスは、ビーコンを検出するために1つまたは複数のスーパーフレームをリッスンすることによって、すべてのその受信した方向にわたって掃引する必要がある。Qオムニビーコンが検出されると、デバイスは、ステップ2204において、Qオムニビーコンの各々についてリンク品質ファクタ(LQF)を記憶する。次いで、ステップ2206において、デバイスは、次式のように、L個のLQF[LQF(1)、...、LQF(L)]をソートし、最も高いLQFに対応する最良のPNC方向lを識別する。
【数3】
【0078】
一態様では、LQFは、信号強度と、信号対雑音比と、信号対雑音干渉比とのうちの少なくとも1つに基づく。別の態様では、LQFはまた、上述のファクタの任意の組合せに基づくことができる。
【0079】
ステップ2208において、デバイスは、現在のスーパーフレームのl番目のCAP中にデバイス自体をPNCに関連付け、ステップ2210において、PNCとのすべてのさらなる通信が、PNCのl番目のQオムニ方向を使用して行われるべきであることをPNCに通知する。デバイスは、Q個のスーパーフレームごとに対応するSオムニビーコンを監視することによって、L個の最良の方向のセットを依然として追跡することができる。より良いLQFをもつ方向(たとえば、r番目のSオムニ方向)が見つかった場合、デバイスは、PHYヘッダ中の「次の方向(NEXT DIRECTION)」フィールドにおいてr番目のSオムニ方向を符号化することによって、r番目のSオムニ方向を使用して次のパケットを送信するようにPNCに通知することができる。
【0080】
2つのデバイス間で、またはPNCと1つのデバイスとの間で、オンデマンドビームフォーミングを実行することができる。本開示の一態様では、オンデマンドビームフォーミングは、2つのデバイス間のリンクに割り振られたCTAにおいて行われる。デバイスが複数のデバイスと通信しているとき、プロアクティブビームフォーミングメッセージングプロトコルと同じメッセージングプロトコルが使用される。この場合、CTAは、ビームフォーミングフェーズ中にビーコン期間の役割を果たし、その後のデータ通信のために使用されることになる。2つのデバイスのみが通信している場合は、CTAがそれらのデバイス間の直接リンクであるので、より共同的な対話型オンデマンドビームフォーミングメッセージングプロトコルを採用することが可能である。
【0081】
図7に、ビーコン750と、CAP760と、CTAP780とを有するスーパーフレーム構造700を示す。スーパーフレーム構造700は、DEV−1が、DEV−2、DEV−3、...、DEV−Nをトレーニングするために割振りを要求し、PNCが、トレーニングを実行するためにDEV−1にCTA784を許可した、トレーニング系列を示している。CTA784中に、DEV−1は、L個のサイクル730−1〜730−Lを使用してDEV−2、DEV−3、...、DEV−Nをトレーニングし、ただし、L=MT(1)であり、DEV−1の粗い送信方向の総数である。各サイクルの後に、それぞれのフレーム間隔(IFS)(すなわち、ガードタイム)720−1〜720−Lが続く。一態様では、フィードバックステージ730が含まれ、本明細書でさらに説明するように、フィードバックステージ730中に、トレーニングの結果がDEV−2、DEV−3、...、DEV−NからDEV−1に返送される。
【0082】
一態様では、各サイクル中に、DEV−1は、特定の粗い送信方向においてn個のトレーニングパケットを送信し、ただし、n=NRであり、すべてのデバイスDEV−2、DEV−3、...、DEV−Nからの、粗い受信方向の最大数を有するDEVの粗い受信方向の数である。たとえば、DEV−4が3つの粗い受信方向を有し、3つの粗い受信方向が、DEV−2、DEV−3、DEV−5...DEV−N中の他のDEVの粗い受信方向の数のいずれかに等しいかそれよりも大きい場合、n=NR=3である。したがって、DEV−1は3つのトレーニングパケットを送信する。この繰り返し送信は、すべてのDEV、DEV−2、DEV−3、...DEV−Nが、それらの粗い受信方向にわたって掃引することを可能にする。言い換えれば、すべてのデバイスが、それらのそれぞれの粗いトレーニング方向のすべてにわたってトレーニングパケットを検出することを試みることができるようにするために、DEV−1は各サイクル中に十分なトレーニングパケットを送信しなければならない。
【0083】
図8に、DEV−1による、DEV−2、DEV−3、...、DEV−Nのトレーニング中の一般化されたサイクル、サイクル#kの間の一連の送信800を示す。サイクル#kの間のn個のトレーニングパケットの送信の例が、送信810−1〜810−nとして示されている。各送信の後に、それぞれのIFS(すなわち、ガードタイム)820−1〜820−nが続く。一態様では、各トレーニングパケットは同じである。上記で説明したように、トレーニングパケットの数nは、トレーニングすべきすべてのDEVのトレーニング方向の最大数、NRに等しい。トレーニングパケットの構造に対する様々な手法が使用できる。したがって、たとえば、トレーニングパケットがプリアンブル部分のみを含む(すなわち、ヘッダ部分またはペイロード部分を含まない)場合、サイクル内のn個のトレーニングパケットのセットを単一大型トレーニングパケットに構成することができる。本開示の一態様では、単一大型トレーニングパケットの全長は、IFSまたは他のパケット間隔を含む、複数のプリアンブルのみのパケットを送信するのに要する時間の長さと同じ長さである。たとえば、同じ長さを達成するために、単一大型トレーニングパケットは、通常はIFSによって占められる部分を充填するために、より多くの繰り返し系列を含むことができる。単一大型トレーニングパケット手法を使用すると、単一大型トレーニングパケットの検出および受信のための時間が全体的により多くなるので、トレーニングされているデバイスにより多くのフレキシビリティが与えられる。たとえば、プリアンブルのより多くのサンプルがキャプチャされているので、トレーニングされているデバイスは、よりゆっくり掃引し(すなわち、デバイスが特定の方向においてリッスンする時間を延長し)、より良い測定精度を有することができる。別の例として、デバイスがより速い掃引を実行することができる場合、デバイスは、トレーニングを完了し、単一大型トレーニングパケット送信の残りの間、節電モードに入ることができる。
【0084】
図9に、6つの送信方向を有するDEV−1と、6つの受信方向を有するDEV−2と、2つの受信方向を有するDEV−3とのためのトレーニング系列の1つのサイクルの一例を示す。図示のように、各サイクル中に、DEV−1は、一連の6つのトレーニングパケット#1〜#6を、すべてDEV−1に関して同じ方向において、期間902−1〜902−6中にそれぞれ1つずつ送信する。他のDEVの各々、DEV−2およびDEV−3は、各期間中に異なる受信方向を使用して、DEV−1によって送信されたトレーニングパケットのうちの1つをリッスンする。たとえば、DEV−2に関して見られるように、期間902−1中に、DEV−2は、受信方向6の1(RX1/6)においてDEV−1からのトレーニングパケット#1をリッスンすることになり、DEV−3は、受信方向2の1(RX1/2)においてDEV−1からのトレーニングパケット#1をリッスンすることになる。期間902−2では、DEV−2は、受信方向6の2(RX2/6)においてDEV−1からのトレーニングパケット#2をリッスンすることになり、DEV−3は、受信方向2の2(RX2/2)においてDEV−1からのトレーニングパケット#2をリッスンすることになる。おそらく、DEV−3は、期間902−1中にDEV−1からのトレーニングパケット#1を聴取したことになり、DEV−3の最良の受信方向がRX1/2であることを識別することになる。期間902−3〜期間902−6では、DEV−2は、示されるそれぞれの受信方向においてDEV−1からのトレーニングパケットをリッスンし続けることになる。しかしながら、DEV−3は、すべての可能な受信方向を使い果たしているので、DEV−1からのトレーニングパケットをリッスンすることを停止することができる。期間902−6中に、DEV−2は、DEV−1からのトレーニングパケット#6を聴取し、したがって、DEV−1からの送信を受信するためのDEV−2の最良の受信方向がRX6/6であることを識別することになる。それぞれDEV−2およびDEV−3によって実行される掃引は時計回り式であるが、アンテナ方向の掃引の方向または系列に関して、それらのDEVのいずれかによって特定のパターンを採用する必要はないことに留意されたい。最良の方向の探索は、DEV−1からのすべての6つのサイクルにわたって行われなければならないので、DEV−2によって見つかった最良の受信方向は、あるサイクル中に見つかった最良の方向の一例にすぎず、必ずしも全体的な最良の受信方向ではないことに留意されたい。
【0085】
図10に、トレーニングDEVによって送信でき、単にフレーム本体なしのプリアンブル部分を含む、本開示の一態様に従って構成されたトレーニングパケット構造1000を示す。フレーム本体が含まれるべきである場合、フレーム本体はソースアドレス、すなわち、DEV−1のアドレスと、随意に(1つまたは複数の)宛先アドレスとを備えるべきである。トレーニングパケット構造1000は、パケット同期(SYNC)系列フィールド1010と、フレーム開始デリミタ(SFD)フィールド1040と、チャネル推定系列(CES)フィールド1080とを含む。一態様では、SYNC系列フィールド1010は、長さ128のゴレイ系列の反復パターンを含み、CESフィールド1080は、長さ128のゴレイ系列から構成され得る、2つの長さ512の相補ゴレイ系列aおよびbから生成された相補修正ゴレイ系列のペアva1082−1およびvb1082−2を含む。SYNC系列フィールド1010は、SFDフィールド1040によってCESフィールド1080から分離され、SFDフィールド1040は、SYNC系列フィールド1010の繰り返しを遮断するゴレイ系列パターンを含む。CESが二重の役割を果たすことができるので、SFDフィールドは随意である。随意に、少なくともソースアドレスと随意にすべての宛先アドレスとを含む、ヘッダ部分が含まれることがある。本明細書で説明するように、あるサイクル内のn個のトレーニングパケットのセットを、限定ではなく例として、極めて長いSYNCフィールドから構成された単一大型トレーニングパケットに構成することができ、それは、本開示の一態様では、長さ128のゴレイ系列mをn倍した反復パターンである。
【0086】
上記で説明したように、戻って
図7を参照すると、フィードバックステージ730中に、DEV−2、DEV−3、...、DEV−Nの各々は、DEV−1の最良の粗い送信方向と、随意に各々の最良の粗い受信方向とをDEV−1に通知する。合計N個のデバイスDEV−1、DEV−2、DEV−3、...、DEV−Nがあるので、N−1個のフィードバックがあり、DEV−j(j=2、...、N)ごとに1つのフィードバックがある。
図11に、各DEVからのフィードバックを達成するためのフレーム系列1100を示し、フレーム系列1100は、DEV−2フィードバック1110−2〜DEV−Nフィードバック1110−Nとして示されるフィードバック部分を含む。各フィードバック部分の後に、IFS1120−2〜1120−Nが続く。DEV−1がその受信において全方向でない、本開示の一態様では、DEV−1は、その可能な受信方向の各々においてDEVの各々からのフィードバックをリッスンしなければならないことになる。たとえば、DEV−1は、すべての可能な受信方向にわたって掃引することになり、DEVの各々、DEV−2、DEV−3、...、DEV−Nは、それらのフィードバックをDEV−1に送信する。本開示の一態様では、フィードバックのこの方法は、DEV−1とDEVの各々との間のチャネルが相互的である場合、またはDEVの各々が送信に関してオムニ対応である場合、最適に動作する。DEV−1と任意のDEVとの間のチャネルが相互的である場合、DEV−1からそのDEVへの最良の方向は、そのDEVからDEV−1にフィードバックを供給するために使用されることになる。DEVが送信に関してオムニ対応でない場合、またはチャネルが相互的でない場合、DEV−1は、DEV−2、DEV−3、...DEV−Nの各々を個別にトレーニングすることが好ましい。本開示の一態様では、たとえば、DEV1−1とDEV−2との間のトレーニングセッションは、L1(L1はDEV−1送信方向の数である)個のサイクルにおけるDEV−1からDEV−2へのトレーニング掃引と、それに続くL2(L2は、DEV−2送信方向の数である)個のサイクルにおけるDEV2−からDEV−1へのトレーニング掃引と、それに続くDEV−1からDEV−2への掃引におけるフィードバックと、それに続くDEV−2からDEV−1へのフィードバックとを含む。フィードバックのうちの1つを掃引トレーニングと一体化することができることに留意されたい。フィードバックに対する様々な手法が使用できる。したがって、たとえば、チャネルが相互的であり、DEV−1がDEV−2およびDEV−3をトレーニングした場合、DEV−1からDEV−2への経路が、DEV−2からDEV−1に戻る経路と同じであり、DEV−1からDEV−3への経路が、DEV−3からDEV−1に戻る経路と同じであるので、DEV−2およびDEV−3は、逆にDEV−1をトレーニングすることが必要でないことがある。代替的に、あらゆるデバイスがリスト中のすべての他のデバイスをトレーニングする場合、チャネルが相互的であれば、フィードバックステージは省略できる。
【0087】
トレーニング系列が終了すると、DEV−2、DEV−3、...、DEV−Nからの各DEVは、DEV−1からのそれぞれの最良の送信の粗い方向と、各DEV自体の最良の粗い受信方向を判断したことになる。言い換えれば、トレーニング系列が終了すると、DEV−2、DEV−3、...、DEV−Nからの各DEVは、DEV−1がそこから送信すべき最良の粗い方向、ならびに特定のDEVがそこからリッスンすべき(すなわち、送信を受信すべき)最良の粗い方向を識別することができる。
【0088】
DEV−1がそのトレーニングを実行した後、他のDEV(DEV−2、DEV−3、...、DEV−N)は、同じトレーニング目的のためにそれら自体のCTAをPNCに要求することになる。すべてのトレーニングが終了すると、DEV(DEV−1、DEV−2、DEV−3、...、DEV−N)の各ペアは、順方向リンクと逆方向リンクの両方において粗い方向の最良のペアを判断したことになる。
【0089】
トレーニングの結果は、各DEV間での情報の送信において有用である。本開示の一態様では、これは特にCAPに適用可能である。DEV−1が特定のCAP中にパケットをDEV−2に送信することを希望すると仮定する。DEV−1は、DEV−2に送信するためにどの方向を使用すべきかを知っている。しかしながら、DEV−2は、どのDEVが送信しているかを知らず、したがって、そのアンテナを正しい方向に向けることができない。これに対処するために、一態様では、DEV−2は、その受信方向の各々において短い時間期間の間リッスンする。一態様では、その短い時間期間は、たとえば、クリアチャネルアセスメント(CCA)を実行するための時間の長さなど、プリアンブルの存在を検出するのに十分長いものであるべきである。
【0090】
図12に示すように、DEV−2は、DEV−1から送信されたパケット1200からのプリアンブル1220の存在を検出するまで、粗い受信方向#1〜#Pからの、ある粗い受信方向から別の粗い受信方向にスイッチし続けることになり(すなわち、各サイクルにおいて一部または全部の粗い受信方向にわたって掃引することになり)、ただし、P=MR(2)であり、DEV−2の可能な粗い受信方向の数である。これは、サイクルごとに1230−1〜1230−Pによって示される。DEV−2は、潜在的なソースからの受信方向に対応するDEV−2の粗い受信方向のサブセットのみにわたって掃引することができ、すなわち、掃引サイクルは全体的な受信方向のサブセットのみからなることに留意されたい。たとえば、DEV−2がDEV−1およびDEV−3のみとトレーニングを行った場合、DEV−2は、DEV−2がプリアンブルを検出するかまたはタイムアウトするまで、DEV−1およびDEV−3からの最良の受信方向に対応する(サイクルごとに)わずか2つの粗い受信方向間で連続的に(すなわち、複数のサイクル)スイッチすることができる。プリアンブル1220が検出された後、DEV−2は他の粗い方向を試みる必要がない。しかしながら、プリアンブルの検出は、DEV−2がその最良の受信方向を取得したことを意味しない。その検出は、DEV−2がパケットを受信することを最小限に可能にする受信方向をDEV−2が見つけたことを意味するにすぎない。この受信方向はワーキング受信方向と呼ばれる。本明細書で説明するように、ワーキング方向は、パケットの受信の完了を可能にするのに十分なリンク品質をもつ、掃引中に検出された第1の方向であり得る。本開示の一態様では、送信DEV(たとえば、DEV−1)は、DEV−2の最良の受信方向をパケット1200のヘッダ1240に組み込むことができる。別の態様では、DEV−1とDEV−2の両方が、トレーニング期間中に互いのための送信および受信の粗い方向の最良のペアを判断したので、DEV−2は、DEV−2にパケットを送信することを試みているDEVを判断した後、最良の粗い受信方向を判断することが可能であるはずであり、この場合、そのDEVはDEV−1である。いずれにせよ、DEV−2は、DEV−1によって送信されたパケットのヘッダを復号した後、DEV−2の最良の受信方向を知り、パケットを受信するためにその方向にスイッチすることができる。
【0091】
CAPにおいてパケットを送信することを希望するDEVは、同じ複数サイクル掃引方法を使用して、媒体がアイドル状態であるかどうか、または媒体において別の送信が可能であるかどうかを感知することができる。本開示の一態様では、DEV−2がパケットを別のDEVに送信することを希望する場合、DEV−2は、様々な方向にわたって掃引することによって最初にエネルギーを感知し、測定することができる。
図13に示すように、プリアンブル部分1320とヘッダ/ペイロード部分1340とをもつパケットの送信期間1300中に、DEV−2は、媒体がアイドル状態であることを感知した(すなわち、プリアンブルが検出されないか、または最大検出エネルギーが所与のしきい値を下回るかのいずれか)場合、そのパケットを所望のDEVに送信することができる。一方、DEV−2は、媒体が使用中であると判断した場合、バックオフし、後で再び感知を再始動することになる。DEV−2は、DEV−2がタイムアウトするか、または1330−1〜1330−Pによって示されるエネルギーの存在を検出するまで、#1〜#Pの範囲内の粗い受信方向からの、ある粗い受信方向から別の粗い受信方向にスイッチし続けることになり(すなわち、サイクルごとに一部または全部の粗い受信方向にわたって掃引することになり)、ただし、P=MR(2)であり、DEV−2の可能な粗い受信方向の数である。本開示の別の態様では、DEV−2は、わずか2つの方向、すなわち、ターゲットDEVからのDEV−2の受信方向と、DEV−2の送信方向に対応する受信方向とにおいて、媒体を感知することができる。DEV−2が、これらの2つの方向においてプリアンブルまたはエネルギーを感知しなかった場合、DEV−2は、パケットをターゲットDEVに送信することができ、その場合、2つの他のデバイスは、概非干渉方向の別のセットにおいて同時に通信しており、したがって空間再利用を達成することができる。
【0092】
本開示の一態様では、デバイスは論理チャネルを介して他のデバイスと通信することになる。論理チャネルは、2つ以上のデバイス間の物理周波数チャネル内の非専用通信経路である。したがって、物理周波数チャネル中には、複数の論理チャネルが存在することがあり、それは、複数の同時送信が行われることがあることを意味する。論理チャネルは、第1のデバイスから第2のデバイスへの送信方向が他のアクティブ論理チャネル(すなわち、現在の送信時間において動作しているチャネル)に対して干渉を引き起こさないか、または許容できる干渉を引き起こす場合、第1のデバイスと第2のデバイスとの間で利用可能であると見なされる。論理チャネルの一例として、デバイスDEV−1は水平ビーム方向において別のデバイスDEV−2に送信することができ、DEV−3は同時に垂直ビーム方向においてDEV−4に送信することができる。複数の論理チャネルの使用により空間再利用が可能になることが明らかであろう。
【0093】
図14に、本開示の様々な態様とともに使用できるトレーニング装置1400を示し、トレーニング装置1400は、第1のデバイスから第2のデバイスに、第1のデバイスによってトレーニングすべきデバイスのリストを備えるチャネル時間割振り要求を送信するためのチャネル時間割振り(CTA)モジュール1402と、第2のデバイスによって許可されたチャネル時間割振りを受信するCTA許可受信モジュール1404と、第2のデバイスによって許可されたチャネル時間割振り中に、第1のデバイスから、トレーニングすべきデバイスのリスト中の少なくとも1つのデバイスに少なくとも1つのトレーニングパケットを送信するトレーニングパケット送信モジュール1406とを含む。
【0094】
図15に、本開示の様々な態様とともに使用できる受信機装置1500を示し、受信機装置1500は、複数の受信方向にわたって掃引することによって、第1のデバイスによって送信されたパケットのプリアンブルの少なくとも一部分を検出するプリアンブル検出モジュール1502と、第1のデバイスとのトレーニングセッション中に確立された好適な受信方向に基づいてパケットの受信を完了する好適受信方向モジュール1504と、第1のデバイスがパケットを送信したことを識別するために第1の受信方向に基づいてパケットのヘッダを受信し、復号するパケット復号器モジュール1506とを含む。
【0095】
図16に、本開示の様々な態様とともに使用できるチャネル時間割振り装置1600を示し、チャネル時間割振り装置1600は、第1のデバイスにおいて、第2のデバイスによってトレーニングすべきデバイスのリストを備えるチャネル割振り要求を第2のデバイスから受信するCTA要求受信モジュール1602と、チャネル割振り要求に基づく第2のデバイスのためのチャネル割振りを備えるビーコンを第1のデバイスから送信するビーコン送信モジュール1604とを含む。
【0096】
図17に、第1のデバイスを第2のデバイスに関連付けるための、本開示の様々な態様とともに使用できる関連付け要求装置1700を示し、関連付け要求送信装置1700は、複数のパケットを含む少なくとも1つの関連付け要求を第1のデバイスから第2のデバイスに送信する関連付け要求送信モジュール1702であって、各パケットがそれぞれ異なる方向において送信される、関連付け要求送信モジュール1702と、第2のデバイスからの関連付け応答を検出する関連付け応答検出モジュール1704と、関連付け応答に基づいて第1のデバイスから第2のデバイスへの好適な送信方向を判断する好適送信方向モジュール1706とを含む。
【0097】
図18に、第1のデバイスを第2のデバイスに関連付けるための、本開示の様々な態様とともに使用できる関連付け要求装置1800を示し、関連付け要求装置1800は、第2のデバイスから第1のデバイスへの好適な送信方向を取得する、第2のデバイスから第1のデバイスへの好適送信方向取得モジュール1802と、第2のデバイスから第1のデバイスへの好適な送信方向の取得に基づいて第1のデバイスから第2のデバイスへの好適な送信方向を判断する好適送信方向判断モジュール1804と、第1のデバイスによって発生された複数のパケットからの少なくとも1つのパケットを備える少なくとも1つの関連付け要求を第2のデバイスに送信する関連付け要求送信モジュール1806であって、各パケットがそれぞれ異なる方向において送信可能である、関連付け要求送信モジュール1806とを含み、少なくとも1つのパケットは、判断された第1のデバイスから第2のデバイスへの好適な送信方向に関係する情報を備える。
【0098】
図19に、本開示の様々な態様とともに使用できるチャネルアセスメント装置1900を示し、チャネルアセスメント装置1900は、複数の受信方向にわたって掃引することによって論理チャネルが送信のために利用可能であるかどうかを判断するクリアチャネル判断モジュール1902と、論理チャネルが利用可能である場合、データを送信する、データ送信モジュール1904とを含む。
【0099】
本明細書で説明する様々な態様は、標準のプログラミングおよび/またはエンジニアリング技法を使用した方法、装置、または製造品として実装できる。本明細書で使用する「製造品」という用語は、任意のコンピュータ可読デバイス、キャリア、または媒体からアクセス可能なコンピュータプログラムを包含するものとする。たとえば、コンピュータ可読媒体は、限定はしないが、磁気ストレージデバイス、光ディスク、デジタル多用途ディスク、スマートカード、およびフラッシュメモリデバイスを含むことができる。
【0100】
本開示は好ましい態様に限定されるものではない。さらに、本明細書で説明する方法および装置の態様は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの様々な組合せにおける実装形態を含む様々な方法で実装できることを、当業者なら認識するはずである。そのようなハードウェアの例は、ASIC、フィールドプログラマブルゲートアレイ、汎用プロセッサ、DSP、および/または他の回路を含むことができる。本開示のソフトウェアおよび/またはファームウェア実装形態は、Java(登録商標)、C、C++、Matlab(商標)、Verilog、VHDLを含むプログラミング言語、および/またはプロセッサ固有のマシン語およびアセンブリ言語の任意の組合せによって実装できる。
【0101】
さらに、本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、プロセッサ、手段、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア(たとえば、ソースコーディングまたは何らかの他の技法を使用して設計できる、デジタル実装形態、アナログ実装形態、またはそれら2つの組合せ)、命令を組み込んだ様々な形態のプログラムまたは設計コード(便宜上、本明細書では「ソフトウェア」または「ソフトウェアモジュール」と呼ぶことがある)、あるいは両方の組合せとして実装できることを当業者は諒解されよう。ハードウェアとソフトウェアのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するか、ソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課される設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じるものと解釈すべきではない。
【0102】
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュールおよび回路は、集積回路(「IC」)、アクセス端末、またはアクセスポイント内に実装できるか、またはそれらによって実行できる。ICは、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)もしくは他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートもしくはトランジスタロジック、個別ハードウェア構成要素、電気構成要素、光学構成要素、機械構成要素、または本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを備えることができ、ICの内部に、ICの外側に、またはその両方に常駐するコードまたは命令を実行することができる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実装することもできる。
【0103】
本明細書で説明した方法およびシステムの態様は、本開示の特定の態様を例示するにすぎない。本明細書では明示的に説明または図示していないが、本開示の原理を実施し、その範囲内に含まれる様々な構成を、当業者なら考案することができることを諒解されたい。さらに、本明細書に記載するすべての例および条件付き言語は、読者が本開示の原理を理解するのを助けるための教育学的なものにすぎない。本開示およびその関連する言及は、そのような明確に記載する例および条件に限定されないものと解釈すべきである。さらに、本開示の原理、態様、および態様、ならびに本開示の特定の例を記載する本明細書のすべての記述は、本開示の構造的均等物と機能的均等物の両方を包含するものする。さらに、そのような均等物は、現在知られている均等物ならびに将来開発される均等物の両方、すなわち、構造にかかわらず同じ機能を実行する開発されるどんな要素をも含むものとする。
【0104】
本明細書のブロック図は、本開示の原理を実施する例示的な回路、アルゴリズム、および機能ステップの概念図を表すことを、当業者なら諒解されよう。同様に、フローチャート、流れ図、信号図、システム図、符号などは、コンピュータ可読媒体で実質的に表現でき、コンピュータまたはプロセッサが明示的に図示されているか否かにかかわらず、そのようなコンピュータまたはプロセッサによってそのように実行される、様々なプロセスを表すことを諒解されたい。
【0105】
前述の説明は、いかなる当業者でも本開示の全範囲を完全に理解することができるように提供した。本明細書で開示する様々な構成への変更は当業者には容易に明らかであろう。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で説明した本開示の様々な態様に限定されるものではなく、特許請求の言い回しに矛盾しない全範囲を与えられるべきであり、単数形の要素への言及は、そのように明記されていない限り、「唯一無二の」を意味するものではなく、「1つまたは複数の」を意味するものである。さらに、特許請求の範囲において使用される「a、b、およびcのうちの少なくとも1つ」という句は、請求項がa、bまたはc、あるいはそれらの任意の組合せを対象とするものとして解釈すべきである。別段に明記されていない限り、「いくつか」または「少なくとも1つ」という用語は1つまたは複数の要素を指す。当業者に知られている、または後に知られることになる、本開示全体にわたって説明した様々な態様の要素のすべての構造的および機能的均等物は、参照により本明細書に明確に組み込まれ、特許請求の範囲に包含されるものである。さらに、本明細書に開示するいかなることも、そのような開示が特許請求の範囲に明示的に具陳されているかどうかにかかわらず、公に供するものではない。いかなるクレーム要素も、その要素が「手段」という語句を使用して明確に具陳されていない限り、または方法クレームの場合には、その要素が「ステップ」という語句を使用して具陳されていない限り、米国特許法第112条第6項の規定に基づいて解釈されるべきではない。
なお、本願の出願当初の請求項と同一の記載を「その他の実施例」として以下に付記する。
[その他の実施例1]
複数の受信方向にわたって掃引することによって論理チャネルが送信のために利用可能であるかどうかを判断することと、
前記論理チャネルが利用可能である場合、データを送信することと
を備えるワイヤレス通信の方法。
[その他の実施例2]
前記判断が、規定されたレベルよりも高いエネルギーレベルを検出することを備える、その他の実施例1に記載の方法。
[その他の実施例3]
前記判断がプリアンブルを検出することを備える、その他の実施例1に記載の方法。
[その他の実施例4]
前記複数の受信方向がデバイスのすべての受信方向を備える、その他の実施例1に記載の方法。
[その他の実施例5]
前記複数の受信方向がデバイスのすべての受信方向のうちの一部を備える、その他の実施例1に記載の方法。
[その他の実施例6]
前記複数の方向が、前記送信を受信するための宛先の第1の受信方向と、前記宛先に向かう送信方向に等しい、デバイスのための第2の受信方向とを備える、その他の実施例1に記載の方法。
[その他の実施例7]
複数の受信方向にわたって掃引することによって論理チャネルが送信のために利用可能であるかどうかを判断するための手段と、
前記論理チャネルが利用可能である場合、データを送信するための手段と
を備えるワイヤレス通信のための装置。
[その他の実施例8]
前記判断手段が、規定されたレベルよりも高いエネルギーレベルを検出するための手段を備える、その他の実施例7に記載の装置。
[その他の実施例9]
前記判断手段がプリアンブルを検出するための手段を備える、その他の実施例7に記載の装置。
[その他の実施例10]
前記複数の受信方向が前記装置のすべての受信方向を備える、その他の実施例7に記載の装置。
[その他の実施例11]
前記複数の受信方向が前記装置のすべての受信方向のうちの一部を備える、その他の実施例7に記載の装置。
[その他の実施例12]
前記複数の方向が、前記送信を受信するための宛先の第1の受信方向と、前記装置から前記宛先に向かう送信方向に等しい第2の受信方向とを備える、その他の実施例7に記載の装置。
[その他の実施例13]
複数の受信方向にわたって掃引することによって論理チャネルが送信のために利用可能であるかどうかを判断することと、
前記論理チャネルが利用可能である場合、データを送信することと
を行うように実行可能な命令を備える機械可読媒体を備えるワイヤレス通信のためのコンピュータプログラム製品。
[その他の実施例14]
複数の受信方向にわたって掃引することによって論理チャネルが送信のために利用可能であるかどうかを判断することと、
前記論理チャネルが利用可能である場合、データを送信することと
を行うように構成された処理システムを備えるワイヤレス通信のための装置。
[その他の実施例15]
前記処理システムが、規定されたレベルよりも高いエネルギーレベルを検出するようにさらに構成された、その他の実施例14に記載の装置。
[その他の実施例16]
前記判断がプリアンブルを検出することを備える、その他の実施例14に記載の装置。
[その他の実施例17]
前記複数の受信方向が前記装置のすべての受信方向を備える、その他の実施例14に記載の装置。
[その他の実施例18]
前記複数の受信方向が前記装置のすべての受信方向のうちの一部を備える、その他の実施例14に記載の装置。
[その他の実施例19]
前記複数の方向が、前記送信を受信するための宛先の第1の受信方向と、前記装置から前記宛先に向かう送信方向に等しい第2の受信方向とを備える、その他の実施例14に記載の装置。
[その他の実施例20]
アンテナと、
複数の受信方向にわたって掃引することによって論理チャネルが送信のために利用可能であるかどうかを判断することと、
前記論理チャネルが利用可能であると判断されたとき、前記アンテナを介してデータを送信することと
を行うように構成された処理システムと
を備えるワイヤレスノード。