【文献】
Zhou et al,ChemBioChem,2008年 3月25日,Vol. 9, Issue 5,p. 714-718
【文献】
Woodroofe et al,Biochemistry,2008年 9月 5日,Vol. 47,p. 10383-10393
【文献】
Denburg et al,Archives of Biochemistry and Biophysics,1969年,Vol. 134,p. 381-394
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記試験化合物が、前記非ルシフェラーゼ酵素の阻害因子、前記非ルシフェラーゼ酵素の誘導因子、前記非ルシフェラーゼ酵素のための基質、および前記非ルシフェラーゼ酵素の活性化因子から成る群から選択される、請求項10に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義
本明細書で使用する、以下の用語および表現は、示された意味を有する。当然のことながら、本発明の化合物は、非対称に置換された炭素原子を含有し、光学的に活性またはラセミ形態で単離されてもよい。例えば、ラセミ形態の分割または光学的に活性な出発物質からの合成によって、光学的に活性な形態を準備する方法が、当該技術分野においてよく知られている。すべてのキラル、ジアステレオマー、ラセミ形態、および構造のすべての幾何学的異性形態が、本発明の一部である。
【0012】
ラジカル、置換基、および範囲について以下に列挙される特定の値は、単なる例示の目的であり、ラジカルおよび置換基について定義された範囲内の他の規定値または他の値を除外しない。
【0013】
本明細書で使用する、「置換された」という用語は、「置換された」を使用する表現内に示された基上の1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、または5個、いくつかの態様では1、2、または3個、他の態様では1または2個)の水素が、示された基からの選択または当業者に知られている適切な基で置換されることを示すものであるが、但し、示された原子の正原子価を超過しないこと、および置換が安定した化合物をもたらすことを前提とする。適切な置換基は、例えば、重陽子、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ハロ、ハロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクル、シクロアルキル、アルカノイル、アルコキシカルボニル、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、トリフルオロメチルチオ、ジフルオロメチル、アシルアミノ、ニトロ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、カルボキシ、カルボキシアルキル、ケト、チオキソ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールスルフィニル、アリールスルホニル、ヘテロアリールスルフィニル、ヘテロアリールスルホニル、複素環スルフィニル、複素環スルホニル、リン酸塩、硫酸塩、ヒドロキシルアミン、ヒドロキシル(アルキル)アミン、およびシアノを含む。さらに、適切な置換基としては、例えば、−X、−R、−O
-、−OR、−SR、−S
-、−NR
2、−NR
3、=NR、−CX
3、−CN、−OCN、−SCN、−N=C=O、−NCS、−NO、−NO
2、=N
2、−N
3、NC(=O)R、−C(=O)R、−C(=O)NRR−S(=O)
2O
-、−S(=O)
2OH、−S(=O)
2R、−OS(=O)
2OR、−S(=O)
2NR、−S(=O)R、−OP(=O)O
2RR、−P(=O)O
2RR、−P(=O)(O
-)
2、−P(=O)(OH)
2、−C(=O)R、−C(=O)X、−C(S)R、−C(O)OR、−C(O)O
-、−C(S)OR、−C(O)SR、−C(S)SR、−C(O)NRR、−C(S)NRR、−C(NR)NRRを挙げることができ、各Xは、独立して、ハロゲン(「ハロ」)、すなわちF、Cl、Br、またはIであり、各Rは、独立して、H、アルキル、アリール、ヘテロアリール、複素環、保護基、またはプロドラッグ部分である。当業者によって容易に理解されるように、置換基がケト(=O)またはチオキソ(=S)等であるとき、次に、置換された原子上の2つの水素原子が置換される。
【0014】
本明細書で使用する、「低級」という用語は、4個以下の炭素原子を有する炭素鎖を指す。
【0015】
「アルキル」という用語は、例えば、1〜30個の炭素原子、および多くの場合、1〜12個、または1〜約6個の炭素原子を有する、分岐、非分岐、または環状炭化水素を指す。例としては、これらに限定されないが、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、2−メチル−1−プロピル、2−ブチル、2−メチル−2−プロピル(t−ブチル)、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−1−ブチル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、2,3−ジメチル−2−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル等が挙げられる。アルキルは、非置換であるか、または置換することができる。またアルキルは、随意に部分的または完全に不飽和であることもできる。したがって、アルキル基の列挙は、アルケニルおよびアルキニル基の両方を含む。アルキルは、上で記載および例示される、一価炭化水素ラジカルであることができるか、または二価炭化水素ラジカル(すなわち、アルキレン)であることができる。
【0016】
「アルケニル」という用語は、モノラジカル分岐または非分岐の部分的に不飽和である炭化水素鎖(すなわち、炭素−炭素、sp
2二重結合)を指す。一態様では、アルケニル基は、2〜10個の炭素原子、または2〜6個の炭素原子を有することができる。別の態様では、アルケニル基は、2〜4個の炭素原子を有する。例としては、これらに限定されないが、エチレンまたはビニル、アリル、シクロペンテニル、5−ヘキセニル等が挙げられる。アルケニルは、非置換または置換であることができる。
【0017】
「アルキニル」という用語は、完全な不飽和点(すなわち、炭素−炭素、sp三重結合)を有する、モノラジカル分岐または非分岐炭化水素鎖を指す。一態様では、アルキニル基は、2〜10個の炭素原子、または2〜6個の炭素原子を有することができる。別の態様では、アルキニル基は、2〜4個の炭素原子を有することができる。この用語は、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、1−オクチニル等の基によって例示される。アルキニルは、非置換または置換であることができる。
【0018】
「シクロアルキル」という用語は、単一の環状環または複数の縮合環を有する、3〜10個の炭素原子の環状アルキル基を指す。そのようなシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロオクチル等の単一環状構造、またはアダマンタニル等の複数環状構造が挙げられる。シクロアルキルは、非置換または置換であることができる。シクロアルキル基は、一価または二価であることができ、アルキル基について上述のとおり、随意に置換することができる。シクロアルキル基は、1つまたは複数の不飽和部位を随意に含むことができ、例えば、シクロアルキル基としては、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合含むことができ、例えば、シクロヘキセン、1,3−シクロヘキサジエン、1,4−シクロヘキサジエン等を挙げることができる。
【0019】
「アルコキシ」という用語は、アルキル−O−基を指し、アルキルは、本明細書に定義されるとおりである。一態様では、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、tert−ブトキシ、sec−ブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、1,2−ジメチルブトキシ等が挙げられる。アルコキシは、非置換または置換であることができる。
【0020】
「アリール」という用語は、親芳香族環系の単一炭素原子から1つの水素原子を除去することによって得られる芳香族炭化水素基を指す。このラジカルは、親環系の飽和または不飽和炭素原子にあることができる。アリール基は、6〜30個の炭素原子を有することができる。アリール基は、単一の環(例えば、フェニル)または複数の縮合(溶融)環を有することができ、少なくとも1つの環は、芳香族である(例えば、ナフチル、ジヒドロフェナントレニル、フルオレニル、またはアントリル)。典型的なアリール基としては、これらに限定されないが、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、ビフェニル等に由来する。アリールは、非置換であるか、またはアルキル基について上述のとおり、随意に置換することができる。
【0021】
「ハロ」という用語は、フルオロ、クロロ、ブロモ、およびヨードを指す。同様に、「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を指す。
【0022】
「ハロアルキル」という用語は、本明細書に定義される1つまたは複数の同一または異なり得るハロ基で置換された、本明細書に定義されるアルキルを指す。一態様では、ハロアルキルは、1、2、3、4、または5個のハロ基で置換することができる。別の態様では、ハロアルキルは、1、2、または3個のハロ基で置換することができる。またハロアルキルという用語は、ペルフルオロ−アルキル基も含む。代表的なハロアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル、3−フルオロドデシル、12,12,12−トリフルオロドデシル、2−ブロモオクチル、3−ブロモ−6−クロロヘプチル、1H,1H−ペルフルオロオクチル等が挙げられる。ハロアルキルは、アルキル基について上述のとおり、随意に置換することができる。
【0023】
「ヘテロアリール」という用語は、本明細書において、1、2、または3個の芳香族環を含有し、かつ芳香族環に少なくとも1つの窒素、酸素、または硫黄原子を含有する、単環、二環、または三環系として定義され、例えば、非置換であるか、または「置換された」の定義において上述のとおり、1つもしくは複数、特に1〜3個の置換基で置換することができる。典型的なヘテロアリール基は、1つまたは複数のヘテロ原子に加えて、2〜20個の炭素原子を含有する。ヘテロアリール基の例としては、これらに限定されないが、2H−ピロリル、3H−インドリル、4H−キノリジニル、アクリジニル、ベンゾ[b]チエニル、ベンゾチアゾリル、β−カルボリニル、カルバゾリル、クロメニル、シンノリニル、ジベンゾ[b,d]フラニル、フラザニル、フリル、イミダゾリル、イミジゾリル、インダゾリル、インドリシニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ナフチリジニル、オキサゾリル、ペルイミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルサジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサチイニル、フェノキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル、テトラゾリル、およびキサンテニルが挙げられる。一態様では、「ヘテロアリール」という用語は、炭素、ならびに非過酸化酸素、硫黄、およびN(Z)から独立して選択された、1、2、3、または4個のヘテロ原子を含有する、5個または6個の環原子を含有する、単環芳香族環を示し、Zは、不在であるか、またはH、O、アルキル、アリール、または(C
1−C
6)アルキルアリールである。別の態様では、ヘテロアリールは、そこから派生した約8〜10個の環原子のオルト溶融二環式複素環、特にベンズ誘導体またはプロピレン、トリメチレン、もしくはテトラメチレンジラジカルをそこに溶融することによって生じたものを示す。
【0024】
「複素環」という用語は、酸素、窒素、および硫黄から成る群から選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含有し、「置換された」という用語の下で、本明細書に定義される1つまたは複数の基で随意に置換された、飽和または部分的に不飽和である環系を指す。複素環は、1つまたは複数のヘテロ原子を含有する、単環、二環、または三環式基であることができる。また複素環基は、環に結合されたオキソ基(=O)またはチオキソ基(=S)を含有することもできる。複素環基の非限定例としては、1,3−ジヒドロベンゾフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、1,4−ジチアン、2H−ピラン、2−ピラゾリン、4H−ピラン、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソクロマニル、イソインドリニル、モルホリン、ピペラジニル、ピペリジン、ピペリジル、ピラゾリジン、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジン、ピロリン、キヌクリジン、およびチオモルホリンが挙げられる。
【0025】
「複素環」という用語は、限定ではなく例として、Paquette,Leo A.;
Principles of Modern Heterocyclic Chemistry(W.A.Benjamin,New York,1968)、特にChapter 1、3、4、6、7、および9、
The Chemistry of Heterocyclic Compounds,A Series of Monographs(John Wiley & Sons,New York,1950〜現在)、特にVolume 13、14、16、19、および28、ならびにJ.Am.Chem.Soc.1960,82,5566に記載される複素環のモノラジカルを含むことができる。一態様では、「複素環」は、本明細書に定義される「炭素環」を含み、1つまたは複数(例えば、1、2、3、または4個)の炭素原子が、ヘテロ原子(例えば、O、N、またはS)で置換されている。
【0026】
ヘテロシクルの例としては、限定ではなく例として、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル(ピペリジル)、チアゾリル、テトラヒドロチオフェニル、硫黄酸化テトラヒドロチオフェニル、ピリミジニル、フラニル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、ピペリジニル、4−ピペリドニル、ピロリジニル、2−ピロリドニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロイソキノリニル、アゾシニル、トリアジニル、6H−1,2,5−チアジアジニル、2H,6H−1,5,2−ジチアジニル、チエニル、チアントレニル、ピラニル、イソベンゾフラニル、クロメニル、キサンテニル、フェノキサチニル、2H−ピロリル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリジニル、イソインドリル、3H−インドリル、1H−インダゾリル、プリニル、4H−キノリジニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プテリジニル、カルバゾリル、β−カルボリニル、フェナントリジニル、アクリジニル、ピリミジニル、フェナントロリニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フラザニル、フェノキサジニル、イソクロマニル、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペラジニル、インドリニル、イソインドリニル、キヌクリジニル、モルホリニル、オキサゾリジニル、ベンゾトリアゾリル、ベンズイソキサゾリル、オキシインドリル、ベンゾキサゾリニル、イサチノイル、およびビス−テトラヒドロフラニルが挙げられるが、これらに限定されない。
【0027】
限定ではなく例として、炭素結合複素環は、ピリジンの2、3、4、5、または6位において、ピリダジンの3、4、5、または6位において、ピリミジンの2、4、5、または6位において、ピラジンの2、3、5、または6位において、フラン、テトラヒドロフラン、チオフラン、チオフェン、ピロール、またはテトラヒドロピロールの2、3、4、または5位において、オキサゾール、イミダゾール、またはチアゾールの2、4、または5位において、イソキサゾール、ピラゾール、またはイソチアゾールの3、4、または5位において、アジリジンの2または3位において、アゼチジンの2、3、または4位において、キノリンの2、3、4、5、6、7、または8位において、またはイソキノリンの1、3、4、5、6、7、または8位において結合される。炭素結合複素環としては、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、5−ピリジル、6−ピリジル、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル、5−ピリダジニル、6−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル、6−ピリミジニル、2−ピラジニル、3−ピラジニル、5−ピラジニル、6−ピラジニル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル等が挙げられる。
【0028】
限定ではなく例として、窒素結合複素環は、アジリジン、アゼジチン、ピロール、ピロリジン、2−ピロリン、3−ピロリン、イミダゾール、イミダゾリジン、2−イミダゾリン、3−イミダゾリン、ピラゾール、ピラゾリン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、ピペリジン、ピペラジン、インドール、インドリン、1H−インダゾールの1位、イソインドールまたはイソインドリンの2位、モルホリンの4位、およびカルバゾールの9位、またはβ−カルボリンにおいて結合することができる。一態様では、窒素結合複素環としては、1−アジリジル、1−アゼテジル、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ピラゾリル、および1−ピペリジニルが挙げられる。
【0029】
「炭素環」という用語は、単環として3〜8個の炭素原子を有し、二環として7〜12個の炭素原子を有し、多環として最大約30個の炭素原子を有する、飽和、不飽和、または芳香族環を指す。単環式炭素環は、通常、3〜6個の環原子、さらにより典型的には、5または6個の環原子を有する。二環式炭素環は、例えば、二環[4,5]、[5,5]、[5,6]、もしくは[6,6]系として配置された7〜12個の環原子、または二環[5,6]もしくは[6,6]系として配置された9もしくは10個の環原子を有する。炭素環の例としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−シクロペント−1−エニル、1−シクロペント−2−エニル、1−シクロペント−3−エニル、シクロヘキシル、1−シクロヘキシ−1−エニル、1−シクロヘキシ−2−エニル、1−シクロヘキシ−3−エニル、フェニル、スピリル、およびナフチルが挙げられる。炭素環は、アルキル基について上述のとおり、随意に置換することができる。
【0030】
「アルカノイル」または「アルキルカルボニル」という用語は、−C(=O)Rを指し、Rは、上で定義されたアルキル基である。
【0031】
「アシルオキシ」または「アルキルカルボキシ」という用語は、−O−C(=O)Rを指し、Rは、上で定義されたアルキル基である。アシルオキシ基の例としては、これらに限定されないが、アセトキシ、プロパノイルオキシ、ブタノイルオキシ、およびペンタノイルオキシが挙げられる。任意の上で定義されたアルキル基を使用して、アシルオキシ基を形成することができる。
【0032】
「アルコキシカルボニル」という用語は、−C(=O)OR(または「COOR」)を指し、Rは、上で定義されたアルキル基である。
【0033】
「アミノ」という用語は、−NH
2を指す。アミノ基は、「置換された」という用語について本明細書に定義されるように、随意に置換することができる。「アルキルアミノ」という用語は、−NR
2を指し、少なくとも1つのRはアルキルであり、第2のRはアルキルまたは水素である。「アシルアミノ」という用語は、N(R)C(=O)Rを指し、各Rは、独立して水素、アルキル、またはアリールである。
【0034】
「アミノ酸」という用語は、DまたはL形態の天然アミノ酸(例えば、Ala、Arg、Asn、Asp、Cys、Glu、Gln、Gly、His、Hyl、Hyp、Ile、Leu、Lys、Met、Phe、Pro、Ser、Thr、Trp、Tyr、およびVal)、ならびに非天然アミノ酸(ホスホセリン、ホスホトレオニン、ホスホチロシン、ヒドロキシプロリン、γ−カルボキシグルタミン酸塩、馬尿酸、オクタヒドロインドール−2−カルボン酸、スタチン、1,2,3,4,−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、ペニシラミン、オルニチン、シトルリン、α−メチル−アラニン、パラ−ベンゾイルフェニルアラニン、フェニルグリシン、プロパルギルグリシン、サルコシン、およびtert−ブチルグリシン)の残基を含む。またこの用語は、従来のアミノ保護基(例えば、アセチルまたはベンジルオキシカルボニル)を担持する、天然および非天然アミノ酸、ならびにカルボキシ末端において保護される、天然および非天然アミノ酸(例えば、(C
1−C
6)アルキル、フェニル、もしくはベンジルエステルあるいはアミドとして、またはα−メチルベンジルアミドとして)も含む。他の適切なアミノおよびカルボキシ保護基は、当業者に知られている(例えば、Greene,T.W.;Wutz,P.G.M.,
Protecting Groups In Organic Synthesis,2
nd edition,John Wiley & Sons,Inc.,New York(1991)およびそこで引用される参考文献を参照)。
【0035】
「ペプチド」という用語は、2〜35個のアミノ酸(例えば、本明細書で上に定義される)またはペプチジル残基の配列を説明する。この配列は、線形または環状であってもよい。例えば、環状ペプチドは、配列内の2つのシステイン残基の間のジスルフィド端の形成から調製することができるか、生じ得る。好ましくは、ペプチドは、3〜20個、または5〜15個のアミノ酸、または2〜5個のアミノ酸を含む。ペプチド誘導体は、米国特許第4,612,302号、第4,853,371号、および第4,684,620号に開示されるように、または本明細書の以下の実施例に記載されるように、調製することができる。本明細書で特異的に列挙されるペプチド配列は、左側にアミノ末端、右側にカルボキシ末端で記載される。
【0036】
「サッカリド」という用語は、糖または他の炭水化物、特に単糖を指す。サッカリドは、C
6−ポリヒドロキシ化合物、通常、C
6−ペンタヒドロキシ、および多くの場合、環状グリカルであることができる。この用語は、既知の単糖およびそれらの誘導体、ならびに2つ以上の単糖類残基を有する多糖類を含む。サッカリドは、アミノ酸の定義において上述のように、ヒドロキシル基上に保護基を含むことができる。サッカリドのヒドロキシル基は、1つまたは複数のハロまたはアミノ基で置換することができる。さらに、炭素原子の1つまたは複数を、例えば、ケトまたはカルボキシル基に酸化させることができる。
【0037】
「中断された」という用語は、「中断された」という用語を使用する表現において言及される特定の炭素鎖の2つの隣接する炭素原子(およびそれらが結合する水素原子(例えば、メチル(CH
3)、メチレン(CH
2)、またはメチン(CH))の間に別の基が挿入されることを示し、各指示原子の正原子価を超えないこと、および中断が安定した化合物をもたらすことを前提とする。炭素鎖を中断することができる適切な基は、例えば、1つまたは複数の過酸化オキシ(−O−)、チオ(−S−)、イミノ(−N(H)−)、メチレンジオキシ(−OCH
2O−)、カルボニル(−C(=O)−)、カルボキシ(−C(=O)O−)、カルボニルジオキシ(−OC(=O)O−)、カルボキシラト(−OC(=O)−)、イミン(C=NH)、スルフィニル(SO)、およびスルホニル(SO
2)を有するものを含む。アルキル基は、前述の適切な基の1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、または約6個)によって中断することができる。また中断の部位は、アルキル基の炭素原子と、アルキル基が結合される炭素原子との間であってもよい。
【0038】
1つまたは複数の置換基を含有する、上記基のいずれかに関して、当然のことながら、そのような基は、立体的に実用的でなく、および/または合成的に実行可能でない置換または置換パターンを含まないことが理解される。さらに、本発明の化合物は、これらの化合物の置換から発生するすべての立体化学的異性体を含む。
【0039】
「ルシフェラーゼ」という用語は、他に指定のない限り、自然発生するか、または突然変異によるルシフェラーゼを指す。ルシフェラーゼは、自然発生する場合、当業者によって有機体から容易に得ることができる。基質としてルシフェリンを利用するルシフェラーゼ(ルシフェリン利用ルシフェラーゼ)が好ましい。ルシフェラーゼが自然発生したものであるか、またはルシフェラーゼ−ルシフェリン反応において活性を維持する、自然発生するルシフェラーゼの突然変異によるものである場合、ルシラフェラーゼをコードするcDNAを発現するように変換された細菌、酵母、哺乳類細胞、昆虫類細胞、植物細胞等の培養から、またはそれをコードする核酸からルシフェラーゼを作製するためのインビトロ無細胞系から容易に得ることができる。ルシフェラーゼは、Promega Corporation(ウィスコンシン州マディソン)から入手できる。好適な例は、Photinus pyralis、Photuris pennsylvanica、およびそれらの安定化突然変異形態からのものを含む、ホタルルシフェラーゼである。
【0040】
本明細書において使用する、「LDR」という用語は、「ルシフェリン検出試薬」として知られる溶液を指す。ルシフェリン検出試薬(Promega Corporation part no.V859)[0.6% Prionex(登録商標)、0.1mg/ml 熱安定性UltraGlo(登録商標)組み換えルシフェラーゼ、0.4mM ATP、2U/ml無機プロホスファターゼ、0.2M PIPES pH6.7、12mM MgSO4、1mM CDTA、18uM 2−(4−アミノフェニル)−6−メチルベンゾチアゾール(APMBT)、2% Tergitol、0.2% DTAB、0.2% Mazu、および20U/ml ブタエステラーゼ]を、再構成緩衝液(Promega Corporation part no.V865)とともに溶解することによって生成される。
【0041】
「シアノ」基は、−CN、または
または
として表されてもよい。
【0042】
発明の方法
本発明は、2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール、または2−シアノ−6−アミノベンゾチアゾールの誘導体(以下「2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール」の誘導体)を使用して、関心対象の酵素について細胞に基づくアッセイを行うための方法を提供する。一般に、細胞に基づくアッセイは、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール骨格(基質)に連結された、例えば、6′−ヒドロキシ部位または6′−アミノ部位に連結された、所望の非ルシフェラーゼ酵素のための特定の酵素認識部位を有する、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体を使用して行われる。その細胞を、その基質と接触させる。次に、得られた混合物を、ルシフェラーゼ反応混合物と接触させ、生物発光を測定する。一態様では、D−システインを基質と同時に添加する。別の態様では、D−システインを、ルシフェラーゼ反応混合物の前、または同時に混合物に添加する。あるいは、D−システインは、ルシフェラーゼ反応混合物中に存在してもよい。いくつかの実施形態では、D−システインは、複数回添加されてもよい。
【0043】
2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾールまたは2−シアノ−6−アミノベンゾチアゾールは、ルシフェラーゼと反応して光を生成しないが、両方の化合物は、D−システインと環化して、2−(6−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸(D−ルシフェリン)または2−(6−アミノベンゾ[d]チアゾール−2−イル)−2,5−ジヒドロチアゾール−4−カルボン酸(アミノルシフェリン)をそれぞれ形成し、ルシフェラーゼと反応すると、例えば、熱安定性ホタルルシフェラーゼにおいて光を生成する。アッセイは、pH4〜9で1〜100μMの誘導体を用いて行うことができる。多数の非ルシフェラーゼ酵素は、これらの誘導体を使用する生物発光アッセイにおいて検出され、および/またはそれらの活性が測定され得る。
【0044】
ルシフェラーゼ反応混合物は、ルシフェラーゼ、Mg
2+、およびATPを含む。またルシフェラーゼ反応混合物は、D−システイン、洗剤、エステラーゼ、塩等の他の成分を含んでもよい。ルシフェラーゼ反応混合物の例は、熱安定性ホタルルシフェラーゼ、MgSO
4、ATP、Tergitol NP−9、およびトリシンを含む。
【0045】
生成された生物発光を、対照と比較することができる。適切な対照は、基質と非ルシフェラーゼ酵素との間の反応、またはルシフェラーゼ反応のいずれかに必須の成分または条件の1つまたは複数を欠失する。そのような成分または条件としては、これらに限定されないが、補因子、酵素、温度、および阻害因子が挙げられる。
【0046】
非ルシフェラーゼ酵素媒介反応の調節因子を特定する方法も提供される。この方法は、細胞を、1つまたは複数の試験化合物、および非ルシフェラーゼ酵素のための基質であって、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの誘導体である基質と接触させることを含む。次に、得られた混合物は、ルシフェラーゼ反応混合物と接触させられる。一態様では、D−システインを基質と同時に添加する。別の態様では、D−システインを、ルシフェラーゼ反応混合物の前、または同時に混合物に添加する。あるいは、D−システインは、ルシフェラーゼ反応混合物中に存在してもよい。いくつかの実施形態では、D−システインは、複数回添加されてもよい。
【0047】
さらに、本明細書で提供される方法を使用して、例えば、酵素、酵素調節因子、酵素基質、酵素活性因子、酵素反応の補因子(例えば、ATP)、OHラジカル等の少なくとも1つの分子、または例えば、酸化還元条件等の1つまたは複数の条件を検出してもよい。一態様では、本発明による方法は、単一試料中の1つまたは複数の分子を検出するための迅速な方法を提供する。
【0048】
別の態様では、本方法は、生物発光アッセイにおける酵素、基質、または補因子等の分子の存在、量、または特異的活性を定量することを含む。生物発光信号の強度は、それぞれの分子の存在または量の関数である。一態様では、本方法は、少なくとも2つの異なる反応を用いる。例えば、第1の反応は、非ルシフェラーゼ酵素媒介反応であってもよく、第2の反応は、ルシフェラーゼ媒介の反応であってもよい。あるいは、第1の反応は、非酵素反応であり、第2の反応は、ルシフェラーゼ媒介反応である。
【0049】
低い生物発光背景を有する誘導体を用いる、本明細書に記載の生物発光アッセイの場合、それらのアッセイは、より少量(または多量)の誘導体を使用することができ、それらの誘導体は、例えば、非ルシフェラーゼ酵素との、向上した反応性を有し得る。さらに、本明細書に記載の生物発光アッセイのいずれにおいても、ルシフェラーゼの不活性化を阻害または回避するか、またはそうでなければ生物発光信号を拡大または強化するものを含むが、これらに限定されない他の試薬を反応混合物に添加してもよい。
【0050】
本発明の別の態様では、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体を使用することによって、酵素または非酵素反応の基質、補因子、調節因子(阻害因子または活性因子のいずれか)、または誘導体としてのそれらの活性について、試験化合物をスクリーニングおよび評価することができる。例えば、試験化合物は、試験化合物が存在しない場合、生物発光または生物発光生成物を産生する条件下で、反応混合物を誘導体および試験化合物と接触させることによって、反応の調節因子または基質となることが決定されてもよい。
【0051】
本発明の一態様では、反応の基質と阻害因子とを区別する方法が提供される。例えば、試験化合物は、酵素の阻害因子または基質が存在しない場合、誘導体と酵素との間の相互作用に適した条件下で、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体を提供する前に、試験化合物の代謝を許可する条件下で、少なくとも1つの酵素でインキュベートされる。一態様では、その反応の生成物は、D−ルシフェリンまたはD−アミノルシフェリンに変換することができ、ルシフェラーゼが存在する場合、第2の発光反応を生じる。得られる発光反応を、酵素の阻害因子が存在しない場合、誘導体と酵素との間の相互作用に適した条件下で、酵素を化合物および誘導体と接触させることから得られるものと比較する。酵素による化合物の代謝は、アッセイ媒質中のその濃度を減少させ、それが酵素のための基質であったことを示す、化合物の代謝のない条件と比較して、阻害活性の明らかな喪失をもたらし得る。代謝されなかった阻害化合物は、基質の添加時間に関係なく、等しい能力を示すこととなる。
【0052】
本発明の一態様では、試験化合物は、好ましくは最初に、第1の既定期間、例えば、24〜48時間、酵素と接触させられる。その後、混合物は、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体および生物発光酵素、例えば、ルシフェラーゼと同時または同時期に接触させられ、混合物は、第2の既定期間インキュベートさせる。
【0053】
本発明の別の態様では、細胞に基づく方法が、試験化合物をスクリーニングして、細胞の酵素活性に対するその作用を決定するために提供される。試験化合物、例えば、非ルシフェラーゼ酵素の阻害因子、非ルシフェラーゼ酵素のための誘導因子、非ルシフェラーゼ酵素のための基質、および非ルシフェラーゼ酵素の活性因子が、自然に、または組み換え発現を介するかのいずれかでその酵素を発現する細胞、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体、および生物発光酵素と接触させられるか、またはその酵素を発現する細胞、発光酵素、および2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体と、既定の時間接触させられる。したがって、生物発光酵素、例えば、ルシフェラーゼ等の組み換え酵素を一時的に発現するか、または安定して発現するかのいずれかである細胞を用いてもよい。一時的または安定したトランスフェクト細胞を作成するための任意の従来の方法、例えば、Sambrook et al.Molecular Cloning:A Laboratory Manualに記載される方法を使用してもよい。一態様では、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体は、細胞と接触させられて細胞中に拡散し、適切な分子が存在する場合、ルシフェラーゼの基質である生成物を産生する。ルシフェラーゼが細胞中に存在する場合、生物発光を検出することができる。あるいは、ルシフェラーゼを欠失する細胞では、生成物が細胞を通過して媒質中に入ることができ、ルシフェラーゼ反応混合物を媒質に添加することができる。その後、細胞と化合物との相互作用から得られる活性を、対照(例えば、試験化合物を引いた)反応混合物に対して、反応混合物の生物発光を測定することによって決定することができる。
【0054】
本発明の別の態様では、試験化合物は、好ましくは、最初に、既定の期間細胞と接触させられる。その後、細胞は、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体およびルシフェラーゼと同時または同時期のいずれかで接触させられ、混合物を、第2の既定期間インキュベートさせる。非ルシフェラーゼ酵素活性は、対照反応混合物(例えば、試験化合物を引いた)に対して、反応混合物から生成された生物発光の量を測定することによって決定することができる。本発明の別の態様では、試験化合物は、好ましくは、最初に、既定期間細胞と接触させられる。その後、曝露された細胞が、次に、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体と接触させられ、第2の既定期間インキュベートされる。次に、細胞をルシフェラーゼと接触させて、第3の混合物を形成し、第3の既定期間インキュベートさせる。その後、細胞と試験化合物との相互作用から得られる細胞の活性を、対照反応混合物(例えば、試験化合物を引いた)に対して、反応混合物の生物発光を測定することによって決定することができる。細胞媒質中に存在する分子、例えば、活性または不活性機構を介して細胞媒質中に存在する分子についての細胞に基づく生物発光検出アッセイは、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体との反応混合物を細胞媒質に添加すること、または細胞媒質を2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体との反応混合物に添加すること、および生物発光を検出することを含むことができる。
【0055】
本発明の細胞に基づくアッセイのさらに別の態様では、ルシフェリン反応混合物を添加する前に、細胞が溶解されてもよい。動物細胞の場合、通常、Triton X−100またはTergitol等の0.1〜1.0%非イオン性洗剤を含む緩衝液で十分である。細菌、植物、真菌、または酵母細胞は、通常、溶解がより困難である。洗剤、凍結/解凍周期、低張緩衝液、超音波処理、キャビテーション、またはこれらの方法の組み合わせを使用してもよい。ルシフェラーゼもしくは他の酵素活性、または他の分子もしくは条件の検出と互換性がある溶解物を生成する溶解の方法が好ましい。
【0056】
非ルシフェラーゼ酵素の存在または活性は、細胞媒質中、または動物、例えば、生きている動物の細胞内で測定されてもよい。研究目的で、動物の細胞内で測定する場合、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体が動物に投与されてもよく、例えば、動物に注入されるか、または動物によって消費される水または食餌等の水溶液に添加されてもよい。ルシフェラーゼ基質である生成物への誘導体の変換は、動物の細胞内で発現されたルシフェラーゼによって媒介される生物発光、例えば、動物に投与された、例えば、動物に注入されたルシフェラーゼによるトランスジェニック動物(例えば、マウス、ラット、およびマーモセットモンキー)の全体動物画像化によって、または例えば、血液、血漿、尿等の生理液、もしくは組織試料を収集し、それらをルシフェラーゼ試薬と組み合わせることによって検出されてもよい。
【0057】
2つの反応を用いるアッセイは、同時(1ステップ)または逐次(2ステップ)で行い、タンパク質(ペプチドまたはポリペプチド)、例えば、酵素反応のための酵素、基質、補因子、阻害因子、もしくは活性因子、または酸化還元条件等の条件を含む1つまたは複数の因子を検出してもよい。逐次反応は、同一槽、例えば、マルチウェルプレートのウェル、または異なる槽内で行ってもよい。2ステップアッセイの場合、第1の反応混合物は、非ルシフェラーゼ酵素媒介反応のための試薬のすべて、または一部を含有してもよく、試薬の1つが存在しない場合、例えば、細胞溶解物等の試料中で検出されるものである。
【0058】
例えば、非ルシフェラーゼ酵素媒介反応は、非ルシフェラーゼのための基質である、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体を、D−ルシフェリンまたはD−アミノルシフェリンに変換することができる生成物に変換するために効果的な条件下で行われる。様々な酵素(例えば、サイトクロームP450、UDPグルクロノシルトランスフェラーゼ、グルタチオントランスフェラーゼ、プロテアーゼ)と基質との間の反応を許可する条件は、当業者によく知られている標準方法に従って培養された細胞内に存在する。しかしながら、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体が細胞に適用される媒質または緩衝塩溶液は、システインを含まないことを理解されたい。システインを含まない適用溶液は、関心対象の酵素に曝露する前に、システインを含む溶液中の誘導体の環化を回避する必要がある。
【0059】
第1の反応は、ルシフェラーゼ反応混合物の添加時、または添加前に停止されてもよい。例えば、第1の反応の停止剤、例えば、洗剤が、ルシフェラーゼ反応混合物中に存在してもよい。ルシフェラーゼ反応混合物は、好ましくは、ルシフェラーゼのための基質を実質的に欠失し、例えば、ルシフェラーゼのための基質の源のみが、非ルシフェラーゼ酵素と誘導体との間の反応によって提供される。第1の反応のすべての試薬が、第1の反応混合物中に存在するとき、アッセイは、反応を変化させる部分、例えば、反応の阻害因子または増強因子を特定するために用いられてもよい。同時または連続のいずれかで、反応を行った後、1つもしくは複数の分子の存在もしくは量、または1つもしくは複数の反応の阻害因子または活性因子が検出され、どの程度でどのような能力を有するかが決定される。
【0060】
1ステップアッセイの場合、反応混合物は、非ルシフェラーゼ酵素媒介反応およびルシフェラーゼ媒介反応のための試薬、または非酵素反応およびルシフェラーゼ媒介反応のための試薬等の2つの反応のための試薬、または単一反応のための反応混合物を含有してもよい。
【0061】
2つの反応を用いるアッセイの場合、アッセイのための分子を添加する順序は異なってもよい。逐次開始および実行される場合(同一槽であるか否かにかかわらず)、反応条件、例えば、試薬濃度、温度、または追加試薬等の調整を行ってもよい。例えば、停止剤または増強剤を反応の間に添加してもよい(例えば、米国特許第5,744,320号(Sherfら)、および第6,586,196号(Bronsteinら)を参照、それらの開示は、参照することによって本明細書に特異的に組み込まれる)。一態様では、2つ以上の反応が、単一反応混合物中で同時に実行される。随意に、アッセイは均一なアッセイであり、例えば、混合物を試料に添加する前に、成分が混合される。結果は、試薬の追加移行なしに読み取られてもよい。
【0062】
したがって、本発明のアッセイは、試料中の1つまたは複数の分子または条件の検出を可能にし、例えば、試料は、酵母、鳥類、植物、昆虫、もしくはヒト、サル、マウス、イヌ、ウシ、ウマ、ネコ、ヒツジ、ヤギ、またはブタ細胞等を含むが、これらに限定されない、ヒトもしくはラット肝細胞(例えば、HepG2細胞)等の哺乳類細胞等の真核性単離もしくは溶解細胞、または原核細胞、または2つ以上の異なる有機体からの細胞、または細胞溶解物もしくはその上澄み、または分子の精製形態、例えば、標準曲線を調製するために有用な生成非ルシフェラーゼ酵素を含む試料を含む。他の態様では、試料は、組織外植片、例えば、肝切片、脳切片、皮膚等であることができる。細胞は、組み換え技法を介して遺伝子的に修飾されていなくてもよいか(非組み換え細胞)、または組み換えDNAで一時的にトランスフェクトされ、および/またはそのゲノムが組み換えDNAで安定して相補されるか、またはそのゲノムが遺伝子を分断させる、例えば、プロモータ、イントロン、もしくはオープンリーディングフレームを分断させるか、または1つのDNAフラグメントを別のものと置換するように修飾された、組み換え細胞であってもよい。組み換えDNAまたは置換DNAフラグメントは、本発明の方法によって検出される分子、検出される分子のレベルもしくは活性を変化させる部分、および/または分子のレベルもしくは活性を変化させる分子もしくは部分に関連しない遺伝子生成物をコード化してもよい。
【0063】
本方法は、酵素媒介反応、非酵素媒介反応または条件のための分子を検出するために用いることができる。例えば、この方法によって検出される分子または条件としては、これらに限定されないが、酵素、例えば、デメチラーゼ、オキシダーゼ(例えば、MAO)、デアセチラーゼ、デホルミラーゼ、プロテアーゼ(プロテオソーム、カルパイン、β−セクレターゼ、カテプシン、カルパイン、トロンビン、グランザイムB)、ホスファターゼ、キナーゼ、ペルオキシダーゼ、トランスフェラーゼ、例えば、GSTまたはUGT、スルホターゼ、β−ラクタマーゼ、サイトクロームP450酵素、エステラーゼ、例えば、アセチルコリンステラーゼ、デヒドロゲナーゼ、酵素媒介反応の基質、阻害因子、補因子、活性因子、活性酸素種、還元条件および転写制御因子または遺伝子転写の調節因子が挙げられる。この方法で用いられる非ルシフェラーゼ酵素、検出される酵素または基質もしくは補因子の検出に有用な酵素のいずれかは、組み換え酵素および内因性(天然)酵素を含む、酵素の任意の組み換えから選択することができる。一態様では、検出される非ルシフェラーゼ酵素は、内因性酵素である。別の態様では、非ルシフェラーゼ酵素は、組み換え酵素である。当業者に明らかな別の組み合わせを、本明細書の教示に従って、本アッセイおよび方法で使用することができる。非ルシフェラーゼ酵素としては、限定されないが、プロテアーゼ、ホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、スルファターゼ、ペプチダーゼ、オキシダーゼ、デアルキラーゼ、デホルミラーゼ、トランスフェラーゼ、およびグリコシダーゼが挙げられる。非ルシフェラーゼ酵素は、加水分解酵素、酸化還元酵素、リアーゼ、トランスフェラーゼ、例えば、グルタチオンSトランスフェラーゼまたはUDPグルクロノシルトランスフェラーゼ、イソメラーゼ、リガーゼ、シンターゼ、またはデアセチラーゼ、例えば、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)であってもよい。特定の関心対象は、生理学的意義を有する非ルシフェラーゼ酵素の群である。これらの酵素としては、タンパク質ペプチダーゼ、エステラーゼ、タンパク質ホスファターゼ、グリコシラーゼ、プロテアーゼ、デヒドロゲナーゼ、オキシダーゼ、オキシゲナーゼ、レダクターゼ、メチラーゼ、トランスフェラーゼ等が挙げられる。関心対象の非ルシフェラーゼ酵素としては、有機および無機のエステルを作製または加水分解すること、アミドをグリコシル化および加水分解することに関与するものが挙げられる。いずれの群においても、さらなる下位区分が存在し得る。
【0064】
特に、本発明に有用な非ルシフェラーゼ酵素としては、酵素活性を呈する任意のタンパク質、例えば、リパーゼ、ホスホリパーゼ、スルファターゼ、ウレアーゼ、ペプチダーゼ、プロテアーゼ、およびエステラーゼが挙げられ、酸ホスファターゼ、グルコシダーゼ、グルクロニダーゼ、ガラクトシダーゼ、およびカルボキシルエステラーゼを含む。一態様では、非ルシフェラーゼ酵素は、加水分解酵素である。加水分解酵素の例としては、アルカリおよび酸ホスファターゼ、エステラーゼ、デカルボキシラーゼ、ホスホリパーゼD、P−キシロシダーゼ、β−D−フコシダーゼ、チオグルコシダーゼ、β−D−ガラクトシダーゼ、α−D−ガラクトシダーゼ、α−D−グルコシダーゼ、β−D−グルコシダーゼ、β−D−グルクロニダーゼ、α−D−マンノシダーゼ、β−D−マンノシダーゼ、β−D−フラクトフラノシダーゼ、およびβ−D−グルコシデュロナーゼが挙げられる。
【0065】
一態様では、このアッセイは、サイトクロームP450酵素(CYP450)酵素またはモノアミンオキシダーゼ(MAO)、N−アセチルトランスフェラーゼ(NAT)、フラビンモノアミンオキシダーゼ(FMO)、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、ホスファターゼ、例えば、アルカリンホスファターゼ(AP)、スルファターゼ、またはUDP−グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)を含む、非ルシフェラーゼ酵素を検出するのに有用である。例えば、アッセイは、レダクターゼのための基質、例えば、サイトクロームP450レダクターゼ、MAO、FMO、GST、デアルキラーゼ、デアセチラーゼ、デホルミラーゼ、ホスファターゼ、例えば、AP、スルファターゼ、β−ラクタマーゼ、アルコールデヒドロゲナーゼ、プロテアーゼ、例えば、プロテオソーム、カテプシン、カルパイン、β−セクレターゼ、トロンビン、またはグランザイム、ルシフェラーゼを使用して行われてもよいか、またはアッセイを使用して、活性酸素種(ROS)、ペルオキシダーゼ、例えば、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)、および/または酸化還元条件を検出してもよい。別の態様では、アッセイは、デアルキラーゼ、GST、またはルシフェラーゼ、酸化還元条件、またはUGT酵素、またはそれらの活性の調節(例えば、阻害もしくは活性)を検出するのに有用である、少なくともB環修飾を有する基質を使用して行われてもよい。
【0066】
一態様では、アッセイは、試料中の複数の非ルシフェラーゼ酵素を検出するために有用である。例えば、アッセイを行って、1つの酵素群の2つの異なる酵素、例えば、単一試料中の2つのサイトクロームP450酵素、CYP1A2、およびCYP3A4を検出してもよい。そのようなアッセイでは、2つの異なる生物発光基質を試料に添加し、生物発光基質の1つは、酵素の1つのための2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体、例えばCYP1A2であるが、他の生物発光基質は、他の酵素のためのD−ルシフェリンまたはアミノルシフェリンの誘導体、例えばルシフェリンアセタール、例えばCYP3A4であり得る。別の態様では、アッセイを行って、2つの異なる非ルシフェラーゼ酵素、例えば、CYP450酵素およびUGT酵素を検出してもよい。このアッセイでは、2つの異なる生物発光基質が試料に添加され、生物発光基質の1つは、酵素の1つのための2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体、例えばCYP1A2であるが、他の生物発光基質は、他の酵素のためのD−ルシフェリンまたはアミノルシフェリンの誘導体、例えばUGTであり得る。これらの多重アッセイの場合、生物発光は、反応の一部を2つの異なる反応槽に移すことによって測定される。反応槽の1つに、D−システインを含有するルシフェラーゼ反応混合物を添加し、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体を使用して検出される非ルシフェラーゼ酵素の検出を可能にする。他の反応槽に、D−システインを含まないルシフェラーゼ反応混合物を添加し、他の生物発光基質を使用して検出される非ルシフェラーゼ酵素の検出を可能にする。さらに、試験化合物、例えば、薬物を試料に添加することができる。次に、本発明の細胞に基づく多重アッセイを使用して、複数の非ルシフェラーゼ酵素、例えば、酵素群中の2つの異なる酵素に対する試験化合物の作用を同時に決定することができる。
【0067】
上述の方法に関して、いくつかの態様は、非ルシフェラーゼ酵素と誘導体との間の反応によって生成された生成物を含む、第1の混合物を提供し、生成物は、システインの存在下で、ルシフェラーゼのための生物発光基質である。また本発明は、逆の方法も提供し、そこでは第1の混合物は、非ルシフェラーゼ酵素と誘導体との間の反応によって生成された生成物を含み、この生成物は、システインの存在下で、ルシフェラーゼのための生物発光基質ではない。例えば、様々な態様では、非ルシフェラーゼ酵素は、ルシフェラーゼ基質を生成するよりも、ルシフェラーゼ前基質(例えば、誘導体)を消費することができる。試験反応を対照と比較することによって、この方法は、酵素活性を検出または決定するか、または酵素活性のための調節因子の活性を決定する能力を提供する。
【0068】
サイトクロームP450アッセイ
一態様では、本発明は、サイトクロームP450(CYP450)についての細胞に基づくアッセイを提供する。CYP450反応を発光ホタルルシフェラーゼ反応と組み合わせる、生物発光検出方法が使用される。一態様では、第1の酵素反応において、CYP450酵素が、シアノベンゾチアゾール誘導体を、ホタルルシフェラーゼの発光基質であるD−(−)−2−(6′−ヒドロキシ−2′−ベンゾチアゾリル)−2−チアゾリン−4−カルボン酸の前駆体(D−ルシフェリン)である2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールに酸化する。CYP450反応生成物は、システインとの非酵素環化反応においてD−ルシフェリンに変換され、ホタルルシフェラーゼとの第2の酵素反応において検出される。誘導体化は、CYP450酵素による先の酸化なしに、システイン反応が、ルシフェラーゼで光を生成できないルシフェリン誘導体を生成するものである。したがって、システムからの光出力は、シアノベンゾチアゾール誘導体のルシフェリン前駆体である2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾールへのCYP450に依存した変換に依存および比例する。このアプローチに関する変型は、D−アミノルシフェリンに変換される、2−シアノ−6−アミノベンゾチアゾール誘導体で開始し、D−アミノルシフェリンもホタルルシフェラーゼの発光基質である。
【0069】
UDPグルクロノシル転移酵素(UGT)は、CYP450反応の反応生成物を共役させることができ、それによってアッセイを干渉することができる。したがって、UGTの阻害因子は、細胞に基づくアッセイに含まれてもよい。適切な阻害因子は、サリチルアミドおよびジクロフェナクを含む。
【0070】
CYP450活性は、培養細胞、細胞画分(例えば、主にミクロソーム、S9細胞および、ミトコンドリア画分)、または天然もしくは組み換え源のいずれかからの半精製および精製調製物において測定されてもよい。CYP450は、肝臓において特に豊富であるため、一般に、CYP450活性について培養した肝細胞をアッセイし、肝ミクロソームおよび肝S9画分は、多くの場合、無細胞アッセイに使用される。また組み換え発現系を使用して、個別のCYP450酵素を生成してもよい。さらなる源としては、昆虫細胞/バキュロウイルス、大腸菌、および酵母発現系が挙げられる。肝臓は、その常在CYP450集団が、薬物および他の生体異物の代謝および排除において中心的な役割を果たすため、特定の関心対象である。CYP450の誘発および阻害は、それらが薬物の体内動態および薬物間の相互作用において果たす中心的役割に起因して、広く研究されている。CYP依存性代謝は、阻害因子によって遅延され、誘発因子によって加速される。
【0071】
CYP450−1A2、−2A6、−2B6、−2C8、−2C9、−2C19、−2D6、−2E1、および−3A4/5を含む、ヒトCYP450のサブセットは、ヒトにおける大部分の薬物代謝に関与し、阻害プロファイルを評価するために、関心対象の化合物が、これらの一部またはすべてについての無細胞アッセイに適用される。組み換えまたは精製されたCYP450が使用される場合、基質の選択性は問題ではない。この場合、単一のCYP450酵素のみがアッセイに存在し、干渉する他の相互反応酵素は存在しない。しかしながら、肝ミクロソームまたは肝S9画分が使用されるとき、多くのCYP450が肝臓内で共発現するため、単一のCYP450酵素に焦点を当てた研究の場合、選択性が重要である。交差反応性基質を用いて、肝画分から認められた全活性は、試料中のすべての交差反応CYP450の寄与を反映し、それによって、解釈が困難または不可能であり得る結果を生じる。この理由から、関心対象の個別のCYP450酵素について、選択性の高い基質を有することが望ましい。
【0072】
細胞に基づく系は、主に転写レベルで開始されるため、CYP450の誘発を測定するために有用であり、培養された肝細胞は、多くの場合、好ましいモデルとして使用される。すべてのCYP450遺伝子が、化学物質または他の環境入力によって誘発可能であるとは限らない。誘発可能なものとしては、CYP1A2、−2C9、−2C19、−2B6、およびCYP3A4が挙げられ、肝画分を用いた阻害研究の場合と同様に、CYP450選択的基質は、CYP450特異的誘発事象の明確な特徴付けに必要である。
【0073】
UGTアッセイ
本発明は、細胞に基づくUDPグルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)アッセイも提供する。CYP450酵素に加えて、あるシアノベンゾチアゾール誘導体は、UGT酵素によるグルクロン酸への共役のための基質である。例えば、ホタルルシフェラーゼのための活性基質に対する前駆体である、シアノベンゾチアゾール誘導体(すなわち、前基質)が、UGT基質として提供される。システインとの環化反応は、これらの化合物をそれらのルシフェラーゼ活性形態、例えば、D−ルシフェリンに変換する。UGT酵素活性を欠失する反応では、共役が発生しないため、すべてのシアノベンゾチアゾール誘導体は、ルシフェラーゼのための活性形態に変換され、ルシフェラーゼ反応において最大光出力が認められる。しかし、活性UGT酵素との反応では、シアノベンゾチアゾール誘導体の一部またはすべてが、グルクロン酸に共役され、生成物のシステイン環化形態は、ルシフェラーゼと不活性である。したがって、UGT不活性対照と比較した光還元の程度を、UGT活性と相関することができる。
【0074】
多重アッセイ
本発明は、試料中の複数の非ルシフェラーゼ酵素を検出するためのアッセイも提供する。例えば、細胞を含有する試料が、第1の反応槽内で、酵素と基質との間の反応を許可する条件下で、2つの生物発光基質と接触させられ、基質の1つは2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの誘導体である。次に、インキュベーション混合物の一部を、第2および第3の反応槽に移す。反応槽の1つに、D−システインを含有するルシフェラーゼ反応混合物を添加する。他方の反応槽に、D−システインを含まないルシフェラーゼ反応混合物を添加する。両方の反応槽内で、生物発光を測定する。そのような多重アッセイを使用して、酵素群からの2つの酵素、例えば、CYP450酵素CYP1A2およびCYP3A4、または2つの異なる酵素、例えば、CYP450酵素およびUGT酵素を検出することができる。
【0075】
2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの誘導体
本発明において使用される誘導体の範囲内である2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの修飾は、環原子の1つもしくは複数の置換、環原子に結合された置換基(原子または基)の1つもしくは複数の置換、および/または環への1つもしくは複数の原子の添加、例えば、環の拡大もしくは追加、またはそれらの組み合わせを含む。2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールにおける環原子の一部についての付番が、
図2に示される。2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾールは、2つの縮合環、6位にOH基を有する6員環(以下「A環」)、および2位にシアノ基を有する、6員環に融合された5員環(以下「B環」)を有する。すべての立体異性体、例えば、エナンチオマーおよびジアステレオマーが、本明細書において特異的に検討される。1つのジアステレオマーは、別のものと比較して、優れた特性または活性を示し得る。必要に応じて、ラセミ材料の分離は、キラルカラムを使用するHPLC、またはThomas J.Tucker,et al.,J.Med.Chem.1994,37,2437−2444に記載される、カンフォン酸塩化物等の溶解剤を使用する溶解によって達成することができる。キラル化合物は、 例えば、Mark A.Huffman,et al.,J.Org.Chem.1995,60,1590−1594に記載されるように、キラル触媒またはキラルリガンドを使用して、直接合成されてもよい。
【0076】
本発明の誘導体は、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの環の1つまたは複数に対して1つまたは複数の修飾、および/または2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの環の1つまたは複数に結合される置換基を有してもよい。例としては、6−OHを有する2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールが挙げられ、ルシフェラーゼまたは非ルシフェラーゼ酵素のための基質を提供するか、または6−Oもしくは6−N原子が、ルシフェラーゼもしくは非ルシフェラーゼ酵素のための基質である置換基を有する。2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールのさらなる例としては、本明細書に記載される式の化合物が挙げられる。他の態様では、4、5、または7位で置換された2−シアノ−ベンゾチアゾール誘導体が提供され、本発明の方法で使用することができる。
【0077】
例えば、A環修飾を有する2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール誘導体は、別の原子によるA環内に炭素原子の置換、環の追加、異なる原子または基による環原子に結合された置換基の置換、またはそれらの任意の組み合わせを有してもよい。B環修飾をによる2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾール誘導体は、5員環内に原子の追加または置換、例えば、それによって環を例えば6員環に拡大する、1つもしくは複数の原子の挿入、異なる原子、例えばCもしくはOを有する環内のNもしくはSの置換、環原子に結合された置換原子もしくは基の置換、またはそれらの任意の組み合わせを有してもよい。一態様では、本発明の誘導体は、複数の位置で修飾され、例えば、誘導体は、2つ(以上)のA環修飾、2つ(以上)のB環修飾、またはそれらの任意の組み合わせを有するものである。一態様では、修飾は、2−シアノ−6−ヒドロキシベンゾチアゾールの環の1つ上に置換基を追加することを含むことができ、置換基は、非ルシフェラーゼ酵素のための基質であるか、または非ルシフェラーゼ酵素のためのリンカーおよび基質である。
【0078】
一態様では、本発明の誘導体は、L−X−Mの構造を有し、Lは、酵素のための基質であるか、または酵素と相互作用する別の分子であってもよく、Xは、O、NRであってもよく、ここでRは随意に置換されたアルキル基もしくは窒素保護基、NH、またはリンカー、例えば、LがL−X−Mから除去されると同時に開裂してMを産生する、自己開裂リンカーであり、Mは、例えば本明細書に記載される1つまたは複数の置換基で随意に置換された2−シアノ−ベンゾチアゾールであってもよい。
【0079】
一態様では、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの誘導体が、式Iの化合物であってもよく、
【化1】
式中、
R
1は、H、OH、OR
x、またはNR
xR
yであり、
R
2は、(C
1−C
3)アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、ニトロ、またはハロであり、
nは、0、1、2、または3であり、
R
xは、(i)アリールが、以下のハロ、ヒドロキシ、アミノ基、ペプチド、もしくはエステルの1つまたは複数で随意に置換された、(C
1−C
10)アルキルアリール、または(ii)アルキルが、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、もしくはアミノで随意に置換された、(C
1−C
10)アルキルであり、
R
yは、水素または(C
1−C
10)アルキルである。
【0080】
他の態様では、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの誘導体が、本明細書に記載される式IA〜XVのいずれか1つの化合物であってもよい。一態様では、式Iの化合物が、
【化2】
であってもよい。
【0081】
他の態様では、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの誘導体が、本明細書に記載される式I〜XVのいずれか1つの化合物であってもよい。一態様では、本発明は、式IAの化合物を提供し、
【化3】
式中、
Yは、N、N−酸化物、N−(C
1−C
6)アルキル、またはCHであり、
Xは、S、O、CH=CH、N=CH、またはCH=Nであり、
ZおよびZ′は、独立してH、OR、NHR、またはNRRであり、
W
1およびZは、いずれも環A上のケト基であり、環A内の随意の二重結合を示す点線の少なくとも1つが不在であり、
K
1、K
2、K
3、およびK
4のそれぞれは、独立してCH、N、N−酸化物、またはN−(C
1−C
6)アルキルであり、K
1とK
2、およびK
3とK
4との間の点線は、随意の二重結合を示し、
A′およびB′は、環Aに融合した随意の芳香族環であり、溶融三環系を形成するように、その一方のみが化合物内に存在して、
B′が存在するときはZ基が存在し、
A′が存在するときはZ基が不在であり、
環B内の点線は、随意の二重結合であり、
各Rは、独立してH、(C
1−C
20)アルキル、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
12)アルコキシ、(C
6−C
30)アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクル、(C
1−C
20)アルキルスルホキシ、(C
6−C
30)アリールスルホキシ、ヘテロアリールスルホキシ、(C
1−C
20)アルキルスルホニル、(C
6−C
30)アリールスルホニル、ヘテロアリール−スルホニル、(C
1−C
20)アルキルスルフィニル、(C
6−C
30)アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、(C
1−C
20)アルコキシカルボニル、アミノ、NH(C
1−C
6)アルキル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、トリ(C
1−C
20)アンモニウム(C
1−C
20)アルキル、ヘテロアリール(C
1−C
20)アルキル、第四級窒素を有するヘテロアリール、第四級窒素を有するヘテロアリールカルボニル、(C
6−C
30)アリールチオ、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
1−C
20)アルキルホスホン酸塩、(C
6−C
30)アリールリン酸塩、(C
6−C
30)アリールホスホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、サッカリド、グアニジノ、またはM
+であって、Mはアルカリ金属であるか、
またはZもしくはZ′がNR
1R
1であるとき、R
1R
1は、それらが結合するNと一緒に、ヘテロアリールまたは複素環基を形成し、
任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、アリール、ヘテロアリール、または複素環基は、(C
1−C
20)アルキル、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
20)アルコキシル、(C
1−C
20)アルキルカルボニル、(C
1−C
20)アルキルカルボキシル、ハロ、ヒドロキシル、−COOR
x、−SO
2R
x、−SO
3R
x、ニトロ、アミノ、(C
1−C
20)アルキル−S(O)−、(C
1−C
20)アルキル−SO
2−、リン酸塩、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
1−C
20)アルキルホスホン酸塩、NH(C
1−C
6)アルキル、NH(C
1−C
6)アルキニル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、N((C
1−C
6)アルキニル)
2、メルカプト、(C
1−C
20)アルキルチオ、(C
6−C
30)アリール、(C
6−C
30)アリールチオ、トリフルオロメチル、=O、ヘテロアリール、および複素環から選択された、1、2、3、4、または5個の置換基で随意に置換され、各置換基は、1〜3個のR基で随意に置換され、
R
xは、H、(C
1−C
6)アルキル、または(C
6−C
30)アリールであり、
ZまたはZ′が窒素部分を含むとき、ZまたはZ′窒素部分の一方または両方が(C
1−C
20)アルキルまたはL基で置換されてもよく、Lはアミノ酸ラジカル、最大20個のアミノ酸部分を有するペプチドラジカル、または非ルシフェラーゼのための基質である任意の他の小分子であり、
Zがヒドロキシル基または窒素部分であるとき、ヒドロキシルまたは窒素部分のHは、(HO)
2P(O)−OCH
2−、スルホ、−PO
3H
2、または1〜約12個の炭素原子の炭素鎖を介してZ基に結合したセファロスポラン酸で置換されてもよく、
ZまたはZ′がヒドロキシル基または窒素部分であるとき、ヒドロキシルまたは窒素部分の1つのHは、L′基リンカーで置換されてもよく、L′はリンカーを解放するための酵素によって除去可能な基であり、リンカーは、自己開裂することができる炭素鎖であって、1つまたは複数の窒素原子、酸素原子、カルボニル基、随意に置換された芳香族環、またはペプチド結合で随意に中断され、
リンカーは、そのリンカーの一端において、酸素原子またはNH基を介してL′に結合され、そのリンカーの他端は、ZもしくはZ′とのエーテル、エステル、またはアミド結合を形成し、
ZがORのとき、式Iは、随意に、1〜4個のO原子、N原子、または随意に置換されたアリール、ヘテロアリール、もしくは複素環基によって随意に中断された(C
1−C
12)アルキルジラジカルを含むリンカーを介して、式Iの二量体の間に橋を形成するように、2つのA環において接続された二量体であり、式Iの二量体を接続する各Z基のR基は橋で置換され、
A
-は、第四級窒素が存在するときに存在するアニオンであるか、
またはその塩である。
【0082】
別の態様では、本発明は、式IAAの化合物である式IAの化合物を提供し、
【化4】
式中、
Yは、N、N−酸化物、N−(C
1−C
6)アルキル、またはCHであり、
Xは、S、O、CH=CH、N=CH、またはCH=Nであり、
Zは、H、OR、NHR、またはNRRであり、
W
1は、H、ハロ、ヒドロキシル、(C
1-C
6)アルキル、または(C
1-C
6)アルコキシであり、
環B内の点線は、随意の二重結合であり、
各Rは、独立して、H、(C
1−C
20)アルキル、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
12)アルコキシ、(C
6−C
30)アリール、ヘテロアリール、複素環、(C
1−C
20)アルキルスルホキシ、(C
6−C
30)アリールスルホキシ、ヘテロアリールスルホキシ、(C
1−C
20)アルキルスルホニル、(C
6−C
30)アリールスルホニル、ヘテロアリール−スルホニル、(C
1−C
20)アルキルスルフィニル、(C
6−C
30)アリールスルフィニル、ヘテロアリール−スルフィニル、(C
1−C
20)アルコキシカルボニル、アミノ、NH(C
1−C
6)アルキル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、トリ(C
1−C
20)アンモニウム(C
1−C
20)アルキル、ヘテロアリール(C
1−C
20)アルキル、第四級窒素を有するヘテロアリール、第四級窒素を有するヘテロアリールカルボニル、(C
6−C
30)アリールチオ、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
1−C
20)アルキルホスホン酸塩、(C
6−C
30)アリールリン酸塩、(C
6−C
30)アリールホスホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、サッカリド、またはM
+であって、Mはアルカリ金属であるか、
またはZがNR
1R
1のとき、R
1R
1は、それらが結合されるNと一緒にヘテロアリールまたは複素環基を形成し、
任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、アリール、ヘテロアリール、または複素環基は、(C
1−C
20)アルキル、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
20)アルコキシル、(C
1−C
20)アルキルカルボニル、(C
1−C
20)アルキルカルボキシル、ハロ、ヒドロキシル、−COOR
x、−SO
2R
x、−SO
3R
x、ニトロ、アミノ、(C
1−C
20)アルキル−S(O)−、(C
1−C
20)アルキル−SO
2−、リン酸塩、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
1−C
20)アルキルホスホン酸塩、NH(C
1−C
6)アルキル、NH(C
1−C
6)アルキニル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、N((C
1−C
6)アルキニル)
2、メルカプト、(C
1−C
20)アルキルチオ、(C
6−C
30)アリール、(C
6−C
30)アリールチオ、トリフルオロメチル、=O、ヘテロアリール、および複素環から選択された、1、2、3、4、または5個の置換基で随意に置換され、各置換基は、1〜3個のR基で随意に置換され、
R
xは、H、(C
1−C
6)アルキル、または(C
6−C
30)アリールであり、
A
-は、第四級窒素が存在するときに存在するアニオンであるか、
またはその塩である。
【0083】
別の態様では、本発明は、式IIの化合物を提供し、
【化5】
式中、
ZおよびZ′は、独立して、OR
1、NHR
1、またはNR
1R
1であり、
W
1は、H、ハロ、(C
1-C
6)アルキル、(C
2-C
20)アルケニル、ヒドロキシル、または(C
1-C
6)アルコキシであるか、または
W
1およびZは、いずれも環A上のケト基であり、環A内の随意の二重結合を示す点線の少なくとも1つが不在であり、
K
1、K
2、K
3、およびK
4のそれぞれは、独立して、CH、N、N−酸化物、またはN−(C
1−C
6)アルキルであり、K
1とK
2、K
3とK
4との間の点線は、随意の二重結合を示し、
A′およびB′は、環Aに融合された随意の芳香族環であって、溶融三環系を形成するように、その一方のみが化合物中に存在し、
B′が存在するときは、Z基が存在し、
A′が存在するときは、Z基が不在であり、
Rは、H、(C
1−C
20)アルキル、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
12)アルコキシ、(C
6−C
30)アリール、ヘテロアリール、複素環、(C
1−C
20)アルキルスルホキシ、(C
6−C
30)アリールスルホキシ、ヘテロアリール−スルホキシ、(C
1−C
20)アルコキシカルボニル、アミノ、NH(C
1−C
6)アルキル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、トリ(C
1−C
20)アンモニウム(C
1−C
20)アルキル、ヘテロアリール(C
1−C
20)アルキル、第四級窒素を有するヘテロアリール、第四級窒素を有するヘテロアリールカルボニル、サッカリド、またはM
+であって、Mはアルカリ金属であり、
R
1は、(C
6−C
30)アリール、ヘテロアリール、複素環、(C
1−C
20)アルキルチオ、(C
1−C
20)アルキル−S(O)−、(C
1−C
20)アルキル−SO
2、−SO
3(C
1−C
20)アルキル、サッカリド、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
6−C
30)アリールチオ、(C
6−C
30)アリール−S(O)−、(C
6−C
30)アリール−SO
2、−SO
3(C
6−C
30)アリール、(C
6−C
30)アリールリン酸塩、(C
6−C
30)アリールホスホン酸塩であるか、またはR
1は、R
2で置換された(C
1−C
20)アルキルであり、
R
2は、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
20)アルコキシル、(C
1−C
20)アルキルカルボニル、(C
1−C
20)アルキルカルボキシル、ヒドロキシル、−COOR
x、−SO
3R
x、(C
1−C
20)アルキルチオ、(C
6−C
30)アリールチオ、(C
1−C
20)アルキル−S(O)−、(C
1−C
20)アルキル−SO
2−、ニトロ、アミノ、NH(C
1−C
6)アルキル、NH(C
1−C
6)アルキニル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、またはN((C
1−C
6)アルキニル)
2、メルカプト、サッカリド、またはトリフルオロメチルであるか、
またはZもしくはZ′がNR
1R
1であるとき、R
1R
1は、それらが結合されるNと一緒にヘテロアリールまたは複素環基を形成し、
任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、アリール、ヘテロアリール、または複素環基は、(C
1−C
20)アルキル、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
20)アルコキシル、(C
1−C
20)アルキルカルボニル、(C
1−C
20)アルキルカルボキシル、ハロ、ヒドロキシル、−COOR
x、−SO
2R
x、−SO
3R
x、(C
1−C
20)アルキル−S(O)−、(C
1−C
20)アルキル−SO
2−、リン酸塩、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
1−C
20)アルキルホスホン酸塩、ニトロ、アミノ、NH(C
1−C
6)アルキル、NH(C
1−C
6)アルキニル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、N((C
1−C
6)アルキニル)
2、メルカプト、(C
1−C
20)アルキルチオ、(C
6−C
30)アリール、(C
6−C
30)アリールチオ、トリフルオロメチル、=O、ヘテロアリール、および複素環から選択された、1、2、3、4、または5個の置換基で随意に置換され、各置換基は、1〜3個のR基で随意に置換され、
R
xは、Hまたは(C
1−C
6)アルキルであり、
ZまたはZ′が窒素部分を含むとき、ZまたはZ′窒素部分の水素は、L基によって置換されてもよく、Lは、アミノ酸ラジカル、最大20個のアミノ酸部分を有するペプチドラジカル、または非ルシフェラーゼのための基質である、任意の他の小分子であり、
Zがヒドロキシル基または窒素部分であるとき、ヒドロキシルまたは窒素部分のHは、(HO)
2P(O)−OCH
2−、スルホ、−PO
3H
2で置換されるか、または1〜約12個の炭素原子の炭素鎖を介して、Z基に結合されるセファロスポラン酸で置換されてもよく、
ZまたはZ′がヒドロキシル基または窒素部分であるとき、ヒドロキシルまたは窒素部分の1つのHは、L′基リンカーで置換されてもよく、L′は、リンカーを解放するために酵素によって除去可能な基であり、リンカーは、自己開裂することができる炭素鎖であり、1つまたは複数の窒素原子、酸素原子、カルボニル基、随意に置換される芳香族環、またはペプチド結合によって随意に中断され、
リンカーは、リンカーの一端において、酸素原子またはNH基を介してL′に結合され、リンカーの他端は、ZまたはZ′とのエーテル、エステル、またはアミド結合を形成し、
ZがOR
1であるとき、式IIは、随意に、1〜4個のO原子、N原子、または随意に置換されたアリール、ヘテロアリール、または複素環基によって随意に中断されて、式IIの二量体間に橋を形成するように、(C
1−C
12)アルキルジラジカルを含むリンカーを介して、2つのA環において接続された二量体であり、式IIの二量体を接続する各Z基のR
1基は、橋で置換され、
A
-は、第四級窒素が存在するときに存在する、アニオンであるか、
またはその塩である。
【0084】
さらに別の態様では、本発明は、式IIAの化合物である、式IIの化合物を提供し、
【化6】
式中、
Zは、OR
1、NHR
1、またはNR
1R
1であり、
W
1は、H、ハロ、ヒドロキシル、(C
1-C
6)アルキル、または(C
1-C
6)アルコキシであり、
R
1は、(C
6−C
30)アリール、ヘテロアリール、複素環、(C
1−C
20)アルキルチオ、(C
1−C
20)アルキル−S(O)−、(C
1−C
20)アルキル−SO
2、−SO
3(C
1−C
20)アルキル、サッカリド、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
1−C
20)アルキルホスホン酸塩、(C
6−C
30)アリールチオ、(C
6−C
30)アリール−S(O)−、(C
6−C
30)アリール−SO
2、−SO
3(C
6−C
30)アリール、(C
6−C
30)アリールリン酸塩、(C
6−C
30)アリールホスホン酸塩であるか、またはR
1は、R
2によって置換された(C
1−C
20)アルキルであり、
R
2は、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
20)アルコキシル、(C
1−C
20)アルアルキルカルボニル、(C
1−C
20)アルキルカルボキシル、ヒドロキシル、−COOR
x、−SO
3R
x、(C
1−C
20)アルキルチオ、(C
6−C
30)アリールチオ、(C
1−C
20)アルキル−S(O)−、(C
1−C
20)アルキル−SO
2−、ニトロ、アミノ、NH(C
1−C
6)アルキル、NH(C
1−C
6)アルキニル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、またはN((C
1−C
6)アルキニル)
2、メルカプト、サッカリド、グアニジノ、またはトリフルオロメチルであるか、
またはZがNR
1R
1であるとき、R
1R
1は、それらが結合されるNと一緒にヘテロアリールまたは複素環基を形成し、
任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、アリール、ヘテロアリール、または複素環基は、(C
1−C
20)アルキル、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
20)アルコキシル、(C
1−C
20)アルキルカルボニル、(C
1−C
20)アルキルカルボキシル、ハロ、ヒドロキシル、−COOR
x、−SO
2R
x、−SO
3R
x、(C
1−C
20)アルキル−S(O)−、(C
1−C
20)アルキル−SO
2−、リン酸塩、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
1−C
20)アルキルホスホン酸塩、ニトロ、アミノ、NH(C
1−C
6)アルキル、NH(C
1−C
6)アルキニル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、N((C
1−C
6)アルキニル)
2、メルカプト、(C
1−C
20)アルキルチオ、(C
6−C
30)アリール、(C
6−C
30)アリールチオ、トリフルオロメチル、=O、ヘテロアリール、および複素環から選択された、1、2、3、4、または5個の置換基で随意に置換され、各置換基は、1〜3個のR基で随意に置換され、
R
xは、Hまたは(C
1−C
6)アルキルであり、
ZがOR
1であるとき、式IIAは、随意に、1〜4個のO原子、N原子、または随意に置換されたアリール、ヘテロアリール、または複素環基によって随意に中断されて、式IIAの二量体間に橋を形成するように、(C
1−C
12)アルキルジラジカルを含むリンカーを介して、2つのA環において接続された二量体であり、式IIの二量体を接続する各Z基のR
1基は、橋で置換され、
A
-は、第四級窒素が存在するときに存在する、アニオンであるか、
またはその塩である。
【0085】
一態様では、本発明は、式IIIの化合物を提供し、
【化7】
式中、
Yは、N、N−酸化物、N−(C
1−C
6)アルキル、またはCHであり、
Xは、S、O、CH=CH、N=CH、またはCH=Nであり、
ZおよびZ′は、独立してH、OR、NHR、またはNRRであり、
W
1は、H、ハロ、(C
1-C
6)アルキル、(C
2-C
20)アルケニル、ヒドロキシル、または(C
1-C
6)アルコキシであるか、または
W
1およびZは、いずれも環A上のケト基であり、環A内の随意の二重結合を示す点線の少なくとも1つが不在であり、
K
1、K
2、K
3、およびK
4のそれぞれは、独立してCH、N、N−酸化物、またはN−(C
1−C
6)アルキルであり、K
1とK
2、およびK
3とK
4との間の点線は、随意の二重結合を示し、
A′およびB′は、環Aに融合した随意の芳香族環であり、縮合三環系を形成するように、その一方のみが化合物内に存在して、
B′が存在するときはZ基が存在し、
A′が存在するときはZ基が不在であり、
環B内の点線は、随意の二重結合であり、
各Rは、独立して、H、(C
1−C
20)アルキル、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
12)アルコキシ、(C
6−C
30)アリール、ヘテロアリール、複素環、(C
1−C
20)アルキルスルホキシ、(C
6−C
30)アリールスルホキシ、ヘテロアリール−スルホキシ、(C
1−C
20)アルキルスルホニル、(C
6−C
30)アリールスルホニル、ヘテロアリール−スルホニル、(C
1−C
20)アルキルスルフィニル、(C
6−C
30)アリールスルフィニル、ヘテロアリールスルフィニル、(C
1−C
20)アルコキシカルボニル、アミノ、NH(C
1−C
6)アルキル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、トリ(C
1−C
20)アンモニウム(C
1−C
20)アルキル、ヘテロアリール(C
1−C
20)アルキル、第四級窒素を有するヘテロアリール、第四級窒素を有するヘテロアリールカルボニル、(C
6−C
30)アリールチオ、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
1−C
20)アルキルホスホン酸塩、(C
6−C
30)アリールリン酸塩、(C
6−C
30)アリールホスホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、サッカリド、またはM
+であって、Mはアルカリ金属であるか、
またはZもしくはZ′がNR
1R
1のとき、R
1R
1は、それらが結合されるNと一緒にヘテロアリールまたは複素環基を形成し、
任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、アリール、ヘテロアリール、または複素環基は、(C
1−C
20)アルキル、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
20)アルコキシル、(C
1−C
20)アルキルカルボニル、(C
1−C
20)アルキルカルボキシル、ハロ、ヒドロキシル、−COOR
x、−SO
2R
x、−SO
3R
x、ニトロ、アミノ、(C
1−C
20)アルキル−S(O)−、(C
1−C
20)アルキル−SO
2−、リン酸塩、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
1−C
20)アルキルホスホン酸塩、NH(C
1−C
6)アルキル、NH(C
1−C
6)アルキニル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、N((C
1−C
6)アルキニル)
2、メルカプト、(C
1−C
20)アルキルチオ、(C
6−C
30)アリール、(C
6−C
30)アリールチオ、トリフルオロメチル、=O、ヘテロアリール、および複素環から選択された、1、2、3、4、または5個の置換基で随意に置換され、各置換基は、1〜3個のR基で随意に置換され、
R
xは、H、(C
1−C
6)アルキル、または(C
6−C
30)アリールであり、
ZまたはZ′は窒素部分を含むとき、ZまたはZ′窒素部分の水素の一方または両方は、(C
1−C
20)アルキルまたはL基で置換されてもよく、Lは、アミノ酸ラジカル、最大20個のアミノ酸部分を有するペプチドラジカル、または非ルシフェラーゼのための基質である任意の他の小分子であり、
Zがヒドロキシル基または窒素部分であるとき、ヒドロキシルまたは窒素部分のHは、(HO)
2P(O)−OCH
2−、スルホ、−PO
3H
2によって、または1〜約12個の炭素原子の炭素鎖を介して、Z基に結合されたセファロスポラン酸によって置換されてもよく、
ZまたはZ′がヒドロキシル基または窒素部分であるとき、ヒドロキシルまたは窒素部分の1つのHは、L′基リンカーによって置換されてもよく、L′は、リンカーを解放するために酵素によって除去可能な基であり、リンカーは、自己開裂することができる炭素鎖であって、1つまたは複数の窒素原子、酸素原子、カルボニル基、随意に置換された芳香族環、またはペプチド結合で随意に中断され、
リンカーは、そのリンカーの一端において、酸素原子またはNH基を介してL′に結合され、そのリンカーの他端は、ZもしくはZ′とのエーテル、エステル、またはアミド結合を形成し、
ZがORであるとき、式IIIは、随意に、1〜4個のO原子、N原子、または随意に置換されたアリール、ヘテロアリール、もしくは複素環基によって随意に中断され、式IIIの二量体間に橋を形成する、(C
1−C
12)アルキルジラジカルを含むリンカーを介して、2つのA環において接続された二量体であり、式IIIの二量体を接続する各Z基のR基は、橋によって置換され、
A
-は、第四級窒素が存在するときに存在するアニオンであるか、
またはその塩である。
【0086】
一態様では、本発明は、式IIIAの化合物である、式IIIの化合物を提供し、
【化8】
式中、
Yは、N、N−酸化物、N−(C
1−C
6)アルキル、またはCHであり、
Xは、S、O、CH=CH、N=CH、またはCH=Nであり、
Zは、H、OR、NHR、またはNRRであり、
W
1は、H、ハロ、ヒドロキシル、(C
1-C
6)アルキル、(C
2-C
10)アルケニル、または(C
1-C
6)アルコキシであり、
環B内の点線は、随意の二重結合であり、
各Rは、独立して、H、(C
1−C
20)アルキル、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
12)アルコキシ、(C
6−C
30)アリール、ヘテロアリール、複素環、(C
1−C
20)アルキルスルホキシ、(C
6−C
30)アリールスルホキシ、ヘテロアリール−スルホキシ、(C
1−C
20)アルキルスルホニル、(C
6−C
30)アリールスルホニル、ヘテロアリール−スルホニル、(C
1−C
20)アルキルスルフィニル、(C
6−C
30)アリールスルフィニル、ヘテロアリール−スルフィニル、(C
1−C
20)アルコキシカルボニル、アミノ、NH(C
1−C
6)アルキル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、トリ(C
1−C
20)アンモニウム(C
1−C
20)アルキル、ヘテロアリール(C
1−C
20)アルキル、第四級窒素を有するヘテロアリール、第四級窒素を有するヘテロアリールカルボニル、(C
6−C
30)アリールチオ、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
1−C
20)アルキルホスホン酸塩、(C
6−C
30)アリールリン酸塩、(C
6−C
30)アリールホスホン酸塩、リン酸塩、硫酸塩、サッカリド、またはM
+であって、Mはアルカリ金属であるか、
またはZがNR
1R
1のとき、R
1R
1は、それらが結合されるNと一緒に、ヘテロアリールまたは複素環基を形成し、
任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アミノ、アリール、ヘテロアリール、または複素環基は、(C
1−C
20)アルキル、(C
2−C
20)アルケニル、(C
2−C
20)アルキニル、(C
3−C
20)シクロアルキル、(C
1−C
20)アルコキシル、(C
1−C
20)アルキルカルボニル、(C
1−C
20)アルキルカルボキシル、ハロ、ヒドロキシル、−COOR
x、−SO
2R
x、−SO
3R
x、ニトロ、アミノ、(C
1−C
20)アルキル−S(O)−、(C
1−C
20)アルキル−SO
2−、リン酸塩、(C
1−C
20)アルキルリン酸塩、(C
1−C
20)アルキルホスホン酸塩、NH(C
1−C
6)アルキル、NH(C
1−C
6)アルキニル、N((C
1−C
6)アルキル)
2、N((C
1−C
6)アルキニル)
2、メルカプト、(C
1−C
20)アルキルチオ、(C
6−C
30)アリール、(C
6−C
30)アリールチオ、トリフルオロメチル、=O、ヘテロアリール、および複素環から選択された、1、2、3、4、または5個の置換基で随意に置換され、各置換基は、1〜3個のR基で随意に置換され、
R
xは、H、(C
1−C
6)アルキル、または(C
6−C
30)アリールであり、
ZがORであるとき、式IIIは、随意に、1〜4個のO原子、N原子、または随意に置換されたアリール、ヘテロアリール、もしくは複素環基によって随意に中断され、式IIIの二量体間に橋を形成するように、(C
1−C
12)アルキルジラジカルを含むリンカーを介して、2つのA環において接続された二量体であり、式IIIの二量体を接続する各Z基のR基は、橋によって置換され、
A
-は、第四級窒素が存在するときに存在するアニオンであるか、
またはその塩である。
【0087】
一態様では、本発明は、式Vの化合物を提供し、
【化9】
式中、
Yは、N、N−酸化物、N−低級アルキル、またはCHであり、
Xは、S、CH=CH、またはN=Cであり、
ZおよびZ′は、H、OR、NHR、またはNRRであり、
Wは、H、ハロ、C
1-6アルキル、C
2-20アルケニル、ヒドロキシル、またはC
1-6アルコキシであるか、または
環A上のWおよびZは、いずれもケト基であり、
K
1、K
2、K
3、およびK
4のそれぞれは、独立してCH、N、N−酸化物、またはN−低級アルキルであり、
Rは、H、C
1-20アルキル、置換C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、置換C
2-20アルケニル、ハロゲン化C
2-20アルケニル、置換ハロゲン化C
2-20アルケニル、C
3-20アルキニル、置換C
3-20アルキニル、C
2-20アルケニルC
1-20アルキル、置換C
2-20アルケニルC
1-20アルキル、C
3-20アルキニルC
2-20アルケニル、置換C
3-20アルキニルC
2-20アルケニル、C
3-20シクロアルキル、置換C
3-20シクロアルキル、C
6-30アリール、ヘテロアリール、C
6-30アリールC
1-20アルキル、置換C
6-30アリール、置換ヘテロアリール、置換C
6-30アリールC
1-20アルキル、アルキルスルホキシC
1-20アルキル、C
1-20アルコキシカルボニル、C
6-30アリールC
1-20アルコキシカルボニル、C
6-30アリールチオC
1-20アルキル、ヒドロキシC
1-20アルキル、トリC
1-20アンモニウムC
1-20アルキル、ヘテロアリールC
1-20アルキル、置換ヘテロアリールC
1-20アルキル、第四級窒素を有するヘテロアリール、第四級窒素を有するヘテロアリールカルボニル、およびN−メチル−テトラヒドロピリジニルであって、Z″が酸素であるときはM
+であり、Mはアルカリ金属であって、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、および/またはアルキニル基は、もう1つのC
1-20アルキル、ハロ、ヒドロキシル、アセチル、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルキニルアミノ、イミダゾリニルメチルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキニルアミノ、ピペリジノ、ピロリジノ、アゼチジノ、アジリジノ、ジ−イミダゾリニルメチルアミノ、メルカプト、C
1-20アルキルチオ、C
6-30アリールチオ、またはトリフルオロメチル基、置換C
6-30アリールC
1-20アルキルカルボニルによって随意に置換されてもよく、各R基は、複数個存在する場合は独立して定義され、
およびここで、
Zがアミノであるとき、水素の一方または両方は、C
1-20アルキルまたはL基によって置換されてもよく、
Lは、アミノ酸ラジカル、最大20個のアミノ酸部分を有するペプチドラジカルであるか、または非ルシフェラーゼのための基質である、任意の他の小分子であってもよく、
およびここで、
Zがヒドロキシルまたはアミノであるとき、Hは、(HO)
2P(O)−OCH
2−、スルホ、もしくは−PO
3H
2によって、または1つもしくは複数の炭素原子の炭素鎖を介して、Z基に結合されたセファロスポラン酸によって置換されてもよく、
Zがヒドロキシルまたはアミノであるとき、Hは、L′基リンカーによって置換されてもよく、L′は、リンカーを解放するために酵素によって除去可能な基であり、リンカーは、最適に自己開裂し得る炭素鎖であって、1つまたは複数の窒素原子、酸素原子、カルボニル基、(置換された)芳香族環、またはペプチド結合で随意に中断され、
リンカーは、そのリンカーの一端において、酸素原子またはNH基を介してL′に結合され、そのリンカーの他端は、Z基とのエーテル、エステル、またはアミド結合を形成し、
Zがヒドロキシルであるとき、式Vは、−OCH
2O−橋を介して、2つのA環において接続された二量体を含み、
ここで、
A′およびB′は、環Aに融合された随意の芳香族環であり、溶融三環系を形成するように、その1つのみが一度に存在してもよく、
B′が存在するときはZ基が存在し、
A′が存在するときはZ基が不在であり、
ここで、
環Aの1つの炭素は、N−酸化物部分によって置換されてもよく、
環B内の点線は、随意の二重結合であり、
XがN=Cである場合、環Cは、N=C部分の炭素原子において結合され、
A
-は、第四級窒素が存在するときに存在するアニオンであるか、またはその塩である。
【0088】
本明細書におけるさらなる誘導体は、一般的な式VIIを有し、
【化10】
式中、
Yは、N−酸化物、N−低級アルキル、またはCHであり、
Xは、SまたはCH=CHであるか、または
Yは、Nであり、Xは、N=CまたはCH=CHであり、
ZおよびZ′は、H、OR、NHR、またはNRRであるか、または
Zは、ホウ素原子を介して、環Aに結合される環状ジエーテル化ジヒドロキシボラン基であり、
Wは、H、ハロ、C
1-6アルキル、C
2-20アルケニル、ヒドロキシル、またはC
1-6アルコキシであり、
K
1、K
2、K
3、およびK
4のそれぞれは、独立してCH、N、N−酸化物、またはN−低級アルキルであり、
Rは、H、C
1-20アルキル、置換C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、置換C
2-20アルケニル、ハロゲン化C
2-20アルケニル、置換ハロゲン化C
2-20アルケニル、C
2-20アルケニルC
1-20アルキル、置換C
2-20アルケニルC
1-20アルキル、C
3-20アルキニル、置換C
3-20アルキニル、C
3-20アルキニルC
2-20アルケニル、置換C
3-20アルキニルC
2-20アルケニル、C
3-20シクロアルキル、置換C
3-20シクロアルキル、C
6-30アリール、ヘテロアリール、C
6-30アリールC
1-20アルキル、置換C
6-30アリール、置換ヘテロアリール、置換C
6-30アリールC
1-20アルキル、C
1-20アルコキシカルボニル、C
6-30アリールC
1-20アルコキシカルボニル、C
6-30アリールチオC
1-20アルキル、ヒドロキシC
1-20アルキル、トリC
1-20アンモニウムC
1-20アルキル、ヘテロアリールC
1-20アルキル、置換ヘテロアリールC
1-20アルキル、第四級窒素を有するヘテロアリール、第四級窒素を有するヘテロアリールカルボニル、N−メチル−テトラヒドロピリジニル、ペンタフルオロフェニルスルホニル、およびZ″が酸素であるときはM
+であり、Mはアルカリ金属であって、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、および/またはアルキニル基は、もう1つのC
1-20アルキル、ハロ、ヒドロキシル、アセチル、アミノ、低級アルキルアミノ、低級アルキニルアミノ、イミダゾリニルメチルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキニルアミノ、ピペリジノ、ピロリジノ、アゼチジノ、アジリジノ、ジ−イミダゾリニルメチルアミノ、メルカプト、C
1-20アルキルチオ、C
6-30アリールチオ、またはトリフルオロメチル基によって随意に置換されてもよく、各R基は、複数個存在する場合は独立して定義され、
およびここで、
Zがアミノであるとき、水素の一方または両方は、C
1-20アルキルまたはL基によって置換されてもよく、
Lは、アミノ酸ラジカル、最大20個のアミノ酸部分を有するペプチドラジカルであるか、または非ルシフェラーゼのための基質である、任意の他の小分子であってもよく、
およびここで、
Zがヒドロキシルまたはアミノであるとき、Hは、(HO)
2P(O)−OCH
2−、スルホ、もしくは−PO
3H
2によって、または1つもしくは複数の炭素原子の炭素鎖を介して、Z基に結合されたセファロスポラン酸によって置換されてもよく、
Zがヒドロキシルまたはアミノであるとき、Hは、L′基リンカーによって置換されてもよく、L′は、リンカーを解放するために酵素によって除去可能な基であり、リンカーは、最適に自己開裂し得る炭素鎖であって、1つまたは複数の窒素原子、酸素原子、カルボニル基、(置換された)芳香族環、またはペプチド結合で随意に中断され、
リンカーは、そのリンカーの一端において、酸素原子またはNH基を介してL′に結合され、そのリンカーの他端は、Z基とのエーテル、エステル、またはアミド結合を形成し、
Zがヒドロキシルであるとき、式VIIは、−OCH
2O−橋を介して、2つのA環において接続された二量体を含み、
ここで、
A′およびB′は、環Aに融合された随意の芳香族環であり、溶融三環系を形成するように、その1つのみが一度に存在してもよく、
B′が存在するときはZ基が存在し、
A′が存在するときはZ基が不在であり、
ここで、
環Aの1つの炭素は、N−酸化物部分によって置換されてもよく、
環B内の点線は、随意の二重結合であり、
XがN=Cである場合、環Cは、N=C部分の炭素原子において結合され、
A
-は、第四級窒素が存在するときに存在するアニオンであるか、またはその塩である。
【0089】
他の誘導体は、式VIIIの化合物を含み、
【化11】
式中、
n=0または1であり、
n=0であるとき、X=Sであり、
−−−−は、単一結合であるか、または
n=1であるとき、X=CHであり、
−−−−は、二重結合であり、
R
1は、H、F、またはOHであり、
R
3およびR
4は、独立して、H、メチル、エチル、プロピル、アリル、イミダゾリニルメチル、であるか、または
R
3およびR
4は、それらが結合される窒素原子と一緒に、ピペリジノ、ピロリジノ、アゼチジノ、またはアジリジノ環を形成し、
R
7は、Hまたはメチルであり、
R
8は、H、メチル、ヒドロキシル、またはアセチルであり、
R
9は、Hまたはメチルである。式VIIIの化合物は、MAO基質として有用であり得る。
【0090】
さらに他の誘導体は、式IXの化合物を含み、
【化12】
式中、R
1は、H、OR、NH−C(O)−O−ベンジル、またはNH−O−イソ−ブチルであり、Rは、低級アルキル、ベンジル、2,4,6−トリメチルベンジル、フェニルピペラジノベンジル、o−トリフルオロメチルベンジル、または3−ピコリニルである。そのような誘導体は、P450基質として有用であり得る。
【0091】
式Xの化合物も提供され、
【化13】
式中、
Yは、N、N−酸化物、N−低級アルキル、またはCHであり、
Xは、S、CH=CH、またはN=Cであり、
ZおよびZ′は、独立して、H、OR、NHR、またはNRRであり、
W
1は、H、ハロ、C
1-6アルキル、C
2-20アルケニル、ヒドロキシル、またはC
1-6アルコキシであるか、または
W
1およびZは、いずれも環A上のケト基であり、環A内の点線は不在であり、
K
1、K
2、K
3、およびK
4のそれぞれは、独立してCH、N、N−酸化物、またはN−低級アルキルであって、K
1とK
2、およびK
3とK
4との間の点線は、随意の二重結合を示し、
Rは、H、アミノ、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、ハロゲン化C
2-20アルケニル、C
3-20アルキニル、C
2-20アルケニルC
1-20アルキル、C
3-20アルキニルC
2-20アルケニル、C
3-20シクロアルキル、C
6-30アリール、ヘテロアリール、C
6-30アリールC
1-20アルキル、C
1-20アルキルスルホキシ、C
6-30アリールスルホキシ、C
6-30アリールスルホキシC
1-20アルキル、C
1-20アルコキシカルボニル、C
6-30アリールC
1-20アルコキシカルボニル、C
6-30アリールチオC
1-20アルキル、ヒドロキシC
1-20アルキル、トリC
1-20アンモニウムC
1-20アルキル、ヘテロアリール−スルホキシ、ヘテロアリールC
1-20アルキル、第四級窒素を有するヘテロアリール、第四級窒素を有するヘテロアリールカルボニル、N−メチル−テトラヒドロピリジニルであり、
Rの任意のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、またはヘテロアリール基は、1つまたは複数、例えば、1、2、3、4、または5個のC
1-20アルキル、ハロ、ヒドロキシル、アセチル、−COOR
1、−SO
3R
1、アミノ、ニトロ、低級アルキルアミノ、低級アルキニルアミノ、イミダゾリニルメチルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキニルアミノ、ピペリジノ、ピロリジノ、アゼチジノ、アジリジノ、ジ−イミダゾリニル−メチル−アミノ、メルカプト、C
1-20アルキルチオ、C
6-30アリールチオ、トリフルオロメチル、C
1-20アルキルカルボキシル、C
6-30アリール、置換C
6-30アリール、C
6-30アリールC
1-20アルコキシル、複素環C
1-20アルキル、置換C
6-30アリールC
1-20アルコキシル、C
6-30アリールC
1-20アルキルカルボニル、置換C
6-30アリールC
1-20アルキルカルボニル、または追加の非置換R基によって随意に置換することができ、各R基は、複数個存在する場合は、独立して定義され、
複素環C
1-20アルキルは、1つまたは複数、例えば、1、2、3、4、または5個のR基で随意に置換され、
R
1は、水素またはC
1-6アルキルであり、
およびここで、
Zがアミノであるとき、水素の一方または両方は、C
1-20アルキルまたはL基によって置換されてもよく、
Lは、アミノ酸ラジカル、最大20個のアミノ酸部分を有するペプチドラジカル、または非ルシフェラーゼのための基質である、任意の他の小分子であり、
およびここで、
Zがヒドロキシルまたはアミノであるとき、ヒドロキシルまたはアミノのHは、(HO)
2P(O)−OCH
2−、スルホ、−PO
3H
2によって、または1つもしくは複数の炭素原子の炭素鎖を介して、Z基に結合されたセファロスポラン酸によって置換されてもよく、
ZまたはZ′がヒドロキシルまたはアミノであるとき、ヒドロキシルまたはアミノの1つのHは、L′基リンカーによって置換されてもよく、L′は、リンカーを解放するために酵素によって除去可能な基であり、リンカーは、最適に自己開裂し得る炭素鎖であって、1つまたは複数の窒素原子、酸素原子、カルボニル基、(置換された)芳香族環、またはペプチド結合で随意に中断され、
リンカーは、そのリンカーの一端において、酸素原子またはNH基を介してL′に結合され、そのリンカーの他端は、Z、Z′、またはZ″−R基とのエーテル、エステル、またはアミド結合を形成し、
ZがORであるとき、式Xは、随意にCH
2またはCH
2−C
6H
4−CH
2橋を介して2つのA環において接続された二量体であることができ、式Xの二量体を接続する各Z基のR基は、橋によって置換され、
ここで、
A′およびB′は、環Aに融合された随意の芳香族環であり、縮合三環系を形成するように、その1つのみが一度に存在してもよく、
B′が存在するときはZ基が存在し、
A′が存在するときはZ基が不在であり、
ここで、
環Aの1つの炭素は、N−酸化物部分によって置換されてもよく、
環B内の点線は、随意の二重結合であり、
XがN=Cである場合、環Cは、N=C部分の炭素原子において随意に結合されることができ、A
-は、第四級窒素が存在するときに存在するアニオンであるか、またはその塩である。
【0092】
式XIの化合物がさらに提供され、
【化14】
式中、
Yは、N−酸化物、N−低級アルキル、またはCHであり、
Xは、S、もしくはCH=CHであるか、または
YはNであり、XはN=CまたはCH=CHであり、
ZおよびZ′は、H、OR、NHR、もしくはNRRであるか、または
Zは、ホウ素原子を介して環Aに結合された環化ジエーテル化ジヒドロキシボラン基であり、
W
1は、H、ハロ、C
1-6アルキル、C
2-20アルケニル、ヒドロキシル、またはC
1-6アルコキシであり、
K
1、K
2、K
3、およびK
4のそれぞれは、独立してCH、N、N−酸化物、またはN−低級アルキルであって、K
1とK
2、およびK
3とK
4との間の点線は、随意の二重結合を示し、
Rは、H、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、ハロゲン化C
2-20アルケニル、C
3-20アルキニル、C
2-20アルケニルC
1-20アルキル、C
3-20アルキニルC
2-20アルケニル、C
3-20シクロアルキル、C
6-30アリール、ヘテロアリール、C
6-30アリールC
1-20アルキル、C
1-20アルキルスルホキシ、C
6-30アリールスルホキシ、C
6-30アリールスルホキシC
1-20アルキル、C
1-20アルキルヒドロキシC
1-20アルキル、C
1-20アルコキシカルボニル、C
6-30アリールC
1-20アルコキシカルボニル、C
6-30アリールチオC
1-20アルキル、ヒドロキシC
1-20アルキル、トリC
1-20アンモニウムC
1-20アルキル、ヘテロアリール−スルホキシ、ヘテロアリールC
1-20アルキル、第四級窒素を有するヘテロアリール、第四級窒素を有するヘテロアリールカルボニル、N−メチル−テトラヒドロピリジニルであり、
Rのアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、およびヘテロアリール基は、1つまたは複数、例えば、1、2、3、4、または5個のC
1-20アルキル、ハロ、ヒドロキシル、アセチル、−COOR
1、−SO
3R
1、アミノ、ニトロ、低級アルキルアミノ、低級アルキニルアミノ、イミダゾリニルメチルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキニルアミノ、ピペリジノ、ピロリジノ、アゼチジノ、アジリジノ、ジ−イミダゾリニル−メチル−アミノ、メルカプト、C
1-20アルキルチオ、C
6-30アリールチオ、トリフルオロメチル、置換C
6-30アリール、C
1-20アルキルカルボキシル、置換C
6-30アリール、置換C
6-30アリールC
1-20アルコキシル、置換C
6-30アリールC
1-20アルキルカルボニル、または追加の非置換R基によって随意に置換することができ、各R基は、複数個存在する場合は、独立して定義され、
R
1は、水素またはC
1-6アルキルであり、
およびここで、
Zがアミノであるとき、アミノ基の水素の一方または両方は、C
1-20アルキルまたはL基によって置換されてもよく、
Lは、アミノ酸ラジカル、最大20個のアミノ酸部分を有するペプチドラジカルであり得るか、または非ルシフェラーゼのための基質である、任意の他の小分子であり、
およびここで、
ZまたはZ′がヒドロキシルまたはアミノであるとき、ヒドロキシルまたはアミノのHは、(HO)
2P(O)−OCH
2−、スルホ、−PO
3H
2によって、または1つもしくは複数の炭素原子の炭素鎖を介して、Z基に結合されたセファロスポラン酸によって置換されてもよく、
Zがヒドロキシルまたはアミノであるとき、ヒドロキシルまたはアミノの1つのHは、L′基リンカーによって置換されてもよく、L′は、リンカーを解放するための酵素によって除去可能な基であり、リンカーは、自己開裂し得る炭素鎖であって、1つまたは複数の窒素原子、酸素原子、カルボニル基、(置換された)芳香族環、またはペプチド結合で随意に中断され、
リンカーは、そのリンカーの一端において、酸素原子またはNH基を介してL′に結合され、そのリンカーの他端は、Z、またはZ−R基とのエーテル、エステル、またはアミド結合を形成し、
Zがヒドロキシルであるとき、式XIは、OCH
2O橋を介して2つのA環において接続された二量体を含み、
ここで、
A′およびB′は、環Aに融合された随意の芳香族環であり、縮合三環系を形成するように、その1つのみが一度に存在してもよく、
B′が存在するときはZ基が存在し、
A′が存在するときはZ基が不在であり、
ここで、
環B内の点線は、随意の二重結合であり、
XがN=Cである場合、環Cは、N=C部分の炭素原子において随意に結合されることができ、
A
-は、第四級窒素が存在するときに存在するアニオンであるか、またはその塩である。
【0093】
式XIIの化合物も提供され、
【化15】
式中、
Yは、N、N−酸化物、N−低級アルキル、またはCHであり、
Xは、S、CH=CH、またはN=Cであり、
ZおよびZ′は、独立して、H、OR、NHR、もしくはNRRであり、
W
1は、H、ハロ、C
1-6アルキル、C
2-20アルケニル、ヒドロキシル、またはC
1-6アルコキシであるか、または
W
1およびZは、いずれも環A上のケト基であり、環A内の点線は不在であり、
K
1、K
2、K
3、およびK
4のそれぞれは、独立してCH、N、N−酸化物、またはN−低級アルキルであって、K
1とK
2、およびK
3とK
4との間の点線は、随意の二重結合を示し、
Rは、H、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、ハロゲン化C
2-20アルケニル、C
3-20アルキニル、C
2-20アルケニルC
1-20アルキル、C
3-20アルキニルC
2-20アルケニル、C
3-20シクロアルキル、C
6-30アリール、ヘテロアリール、複素環、置換複素環、C
6-30アリールC
1-20アルキル、C
1-20アルキルスルホキシ、C
6-30アリールスルホキシ、C
6-30アリールスルホキシC
1-20アルキル、C
1-20アルキルスルホキシC
1-20アルキル、C
1-20アルコキシカルボニル、C
6-30アリールC
1-20アルコキシカルボニル、C
6-30アリールチオC
1-20アルキル、ヒドロキシC
1-20アルキル、トリC
1-20アンモニウムC
1-20アルキル、ヘテロアリール−スルホキシ、ヘテロアリールC
1-20アルキル、第四級窒素を有するヘテロアリール、第四級窒素を有するヘテロアリールカルボニル、N−メチル−テトラヒドロピリジニルであり、
Rのアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アルコキシ、アリール、およびヘテロアリール基は、1つまたは複数、例えば、1、2、3、4、または5個のC
1-20アルキル、ハロ、ヒドロキシル、アセチル、−COOR
1、−SO
3R
1、アミノ、ニトロ、低級アルキルアミノ、低級アルキニルアミノ、イミダゾリニルメチルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキニルアミノ、ピペリジノ、ピロリジノ、アゼチジノ、アジリジノ、ジ−イミダゾリニル−メチル−アミノ、メルカプト、C
1-20アルキルチオ、C
6-30アリールチオ、トリフルオロメチル、C
1-20アルキルカルボキシル、C
6-30アリール、置換C
6-30アリール、C
6-30アリールC
1-20アルコキシル、置換C
6-30アリールC
1-20アルコキシル、C
6-30アリールC
1-20アルキルカルボニル、置換C
6-30アリールC
1-20アルキルカルボニル、または追加の非置換R基によって随意に置換することができ、各R基は、複数個存在する場合は、独立して定義され、
置換アリール基は、1つで置換されるか、またはRのアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、複素環、置換複素環、およびヘテロアリール基は、1つまたは複数のC
1-20アルキル、C
6-30アリール、ハロ、ヒドロキシル、アセチル、−COOR
1、アミノ、ニトロ、低級アルキルアミノ、低級アルキニルアミノ、イミダゾリニルメチルアミノ、ジ−低級アルキルアミノ、ジ−低級アルキニルアミノ、ピペリジノ、ピロリジノ、アゼチジノ、アジリジノ、ジ−イミダゾリニル−メチル−アミノ、メルカプト、C
1-20アルキルチオ、C
6-30アリールチオ、またはトリフルオロメチル基で随意に置換することができ、
R
1は、水素またはC
1-6アルキルであり、
およびここで、
Zがアミノであるとき、アミノ基の一方または両方の水素は、C
1-20アルキル、またはL基によって置換されてもよく、
Lは、アミノ酸ラジカル、最大20個のアミノ酸部分を有するペプチドラジカル、または非ルシフェラーゼのための基質である、任意の他の小分子であり、
およびここで、
Zがヒドロキシルまたはアミノであるとき、Hは、(HO)
2P(O)−OCH
2−、スルホ、もしくは−PO
3H
2によって、または1つもしくは複数の炭素原子の炭素鎖を介して、Z基に結合されたセファロスポラン酸によって置換されてもよく、環Bがチアゾール環であるとき、スルホまたは−PO
3H
2基は、低級アルキレン鎖を介してヒドロキシル酸素に結合されることを前提とし、
ZまたはZ′がヒドロキシルまたはアミノであるとき、1つのHは、L′基リンカーによって置換されてもよく、L′は、リンカーを解放するために酵素によって除去可能な基であり、リンカーは、最適に自己開裂し得る炭素鎖であって、1つまたは複数の窒素原子、酸素原子、カルボニル基、(置換された)芳香族環、またはペプチド結合で随意に中断され、
リンカーは、そのリンカーの一端において、酸素原子またはNH基を介してL′に結合され、そのリンカーの他端は、Z、またはZ′−R基とのエーテル、エステル、またはアミド結合を形成し、
Zがヒドロキシルであるとき、式XIIは、−OCH
2O−橋を介して2つのA環において接続された二量体を含み、
ここで、
A′およびB′は、環Aに融合された随意の芳香族環であり、縮合三環系を形成するように、その1つのみが一度に存在してもよく、
B′が存在するときはZ基が存在し、
A′が存在するときはZ基が不在であり、
ここで、環B内の点線は、随意の二重結合であり、
XがN=Cである場合、環Cは、N=C部分の炭素原子において随意に結合されることができ、A
-は、第四級窒素が存在するときに存在するアニオンであるか、またはその塩である。
【0094】
式XVの化合物も提供され、
【化16】
式中、
Zは、水素または保護基であり、
Lは、本明細書で以下に記載されるリンカー、例えば、アミノ酸または2〜10個のアミノ酸の鎖であり、
Tは、OまたはNHであり、
Xは、水素またはフッ素であるが、X=Hであるとき、アミノ酸の少なくとも1つがR、N、D、C、Q、E、H、K、S、T、W、またはYであることを前提とする。
【0095】
様々な態様では、Zは、ヘテロ原子のための保護基、例えば、窒素または酸素保護基であることができる。保護基の例は上で考察される。ある特定の態様では、保護基は、Cbz、Boc、アセチル、またはスクシニル基であることができる。
【0096】
ある態様では、式XVの化合物は、以下の化合物であり得る:
【化17】
。
【0097】
上記式の化合物の他の例としては、以下の構造が挙げられる。
【化18-1】
【化18-2】
これらの化合物のアルキルまたはアリール基は、上述のとおり、および/または、例えば、「置換された」という用語の定義において記載されるように、1つまたは複数(例えば、1、2、3、4、5、または6個)の置換基で追加または代替として置換することができる。
【0098】
CYP450の場合、有用な基質としては、これらに限定されないが、3019、3016、3026、3814、および3820が挙げられる。UGTの場合、有用な基質としては、これらに限定されないが、3138(市販)および3165が挙げられる。
【0099】
リンカー
A環修飾2−アミノ−6−ヒドロキシ−ベンゾチアゾールにリンカー戦略を用いて、デアセチラーゼ、デホルミラーゼ、デメチラーゼ等の関心対象の酵素、またはリンカーを解放するために
その酵素のための基質
を除去することができる他の酵素のための基質を誘発して、残りのリンカーが非酵素反応によって随意に除去されてもよい、ルシフェラーゼのD−システイン基質の存在下で、生成物を産生する。
【0100】
リンカーは、(C
1−C
6)アルキルまたは(C
1−C
6)アルコキシ基等のアルキルまたはアルコキシ鎖であることができる。鎖は、アルデヒド、アセチル、スルホキシド、スルホン、ニトロ、シアノ基、またはそれらの組み合わせ等の1つまたは複数の電子求引基置換基Rを有することができる。他のリンカーは、トリメチルロック、キニーネメチド、およびジケトピペラジンリンカー、およびそれらの誘導体を含む。トリメチルロックリンカーは、以下のように図示することができ、
【化19】
式中、Rは、本明細書に記載されるローマ数字式、例えば、式I〜III、V、VII〜IX、XI〜IX、XI〜XII、およびXVのいずれか1つについて定義されるとおりであり、アッセイされる酵素等の酵素によって除去可能な基であり、トリメチルロックリンカーは、Z基またはZ′−R基の1つの水素原子を置換し、「脱離基」は、式I〜III、V、VII〜IX、XI〜XII、およびXVの構造の残りである。トリメチルロックリンカーの使用については、Wang et al.,
J.Org.Chem.,
62:1363(1997)およびChandran et al.,
J.Am.Chem.Soc.,
127:1652(2005)を参照されたい。
【0101】
キニーネメチドリンカーは、以下のように図示することができ、
【化20】
式中、Rは、式I〜III、V、VII〜IX、XI〜XII、およびXVのいずれか1つについて定義されるとおりであり、アッセイされている酵素等の酵素によって除去可能な基であり、キニーネメチドリンカーは、Z基またはZ′−R基の1つの水素原子を置換し、「脱離基」は、式I〜III、V、VII〜IX、XI〜XII、およびXVの構造の残りである。キニーネメチドリンカーの使用については、Greenwald et al.,
J.Med.Chem.,
42:3657(1999)およびGreenwald et al.,
Bioconjugate Chem.,
14:395(2003)を参照されたい。
【0102】
ジケトピペラジンリンカーは、以下のように図示することができ、
【化21】
式中、Rは、式I〜III、V、VII〜IX、XI〜XII、およびXVのいずれか1つについて定義されるとおりであり、アッセイされている酵素等の酵素によって除去可能な基であり、ジケトピペラジンリンカーの各R′は、独立して、H、またはO、S、もしくはNHによって随意に中断されたアルキル鎖、好ましくはメチル基であり、ジケトピペラジンリンカーは、Z基またはZ′−R基の1つの水素原子を置換し、「脱離基」は、式I〜III、V、VII〜IX、XI〜XII、およびXVの構造の残りである。ジケトピペラジンリンカーの使用については、Wei et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.,10:1073(2000)を参照されたい。
【0103】
誘導体を含有する他のリンカーとしては、以下が挙げられる。
【化22】
【0104】
一般的な合成方法
式I〜XVの化合物の調製物は、対応する2−ハロベンゾチアゾールから調製することができるか、有機合成の分野において既知の技術に従って調製されてもよい。多くの2,6−二置換ベンゾチアゾールは、商業的に入手可能であり、および/または当該技術分野において記載のとおり調製することができる。本明細書に記載の化合物を調製するために使用してもよい一般的な合成方法に関する情報は、Greg T.Hermanson,Bioconjugate Techniques,Academic Press,San Diego,CA(1996)、March′s Advanced Organic Chemistry Reactions,Mechanisms,and Structure,5th Ed.by Michael B.Smith and Jerry March,John Wiley & Sons,Publishers、およびWuts et al.(1999),Protective Groups in Organic Synthesis,3rd Ed.,John Wiley & Sons,Publishersにおいて見出すことができる。合成は、White et al.1963.J.Amer.Chem.Society 85:337−43およびBeneteau et al.1997.Synthetic Communications 27(13):2275−2280に記載されるとおり行われてもよく、いずれも参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0105】
本発明の化合物を調製する方法は、ある例において、異性体を生成し得る。本発明の方法は、常にこれらの異性体の分離を必要とするわけではないが、そのような分離は、必要に応じて、当該技術分野において知られる方法によって達成されてよい。例えば、調製高性能液体クロマトグラフ法を、例えば、キラルパックを有するカラムを使用することによって、異性体精製に使用することができる。
【0106】
以下の実施例は、上記発明を説明することを意図し、その範囲を狭めるものとして解釈されてはならない。当業者であれば、実施例が、本発明を実践することができる多くの他の方法を提案していることを容易に認識するであろう。本発明の範囲内で維持しながら、多くの変型および修正を行ってもよいことを理解されたい。
【0107】
実施例
実施例1〜7の概略紹介
本発明は、ウリジン5′−ジホスホ−グルクロノシルトランスフェラーゼ(UDP−グルクロノシルトランスフェラーゼまたはUGT)族酵素のインビトロでの活性を決定する方法を含む。つまり、過剰発現した昆虫ミクロソーム(Supersomes(登録商標)、BD Gentest(登録商標)または動物組織ミクロソーム(Xenotech、BD Gentest(登録商標)からのUGT酵素を、本発明のシアノベンゾチアゾール基質および補因子UDP−グルクロン酸(UDPGA)とともに、MgCl
2およびアラメチシン(通常、50mM TES、pH7.5、8mM MgCl
2、4mM UDPGA(Sigma)、および25μg/Lアラメチシン(Sigma))を含有する生理学的pHの緩衝液中、37℃でインキュベートした。UGT酵素反応に続いて、15〜30mM D−システイン−HCl H
2O(Sigma)を含有する等量のP450−Gloルシフェリン検出試薬(LDR)(Promega)を添加し、プレートを混合して、室温で、典型的には20〜30分インキュベートした。P450−Gloルシフェリン検出試薬は、組み換えホタルルシフェラーゼ、ATP、およびMg
2+を含む、ルシフェラーゼ反応混合物を含有する。これは、Promegaルシフェリン検出試薬(Promega Part#V859B)のバイアルを、Promega P450−Glo緩衝液(Promega Part#V865B)のバイアルとともに溶解することによって、調製することができる。
【0108】
このインキュベーション中に、システインは、シアノベンゾチアゾール基質と反応して、D−ルシフェリン誘導体を産生する。未修飾基質から形成されたルシフェリン誘導体の存在は、P450−Glo LDRの存在下で光出力をもたらすが、UGTによってグルクロン酸化された任意の基質は、光出力を開始しない。したがって、UGT酵素の活性は、UDPGA補因子を添加しない同一条件下で実行された試料と比較して、グルクロン酸化が発生した試料の相対光単位(RLU)の差(より低いか、または出力がない)を分析することによって測定することができる。
【0109】
実施例1.化合物3138、3478、および3165によるUDPグルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)活性の検出
この例では、昆虫ミクロソーム(Supersomes(登録商標)、BD Gentest(登録商標))中で発現した一連の12組み換えUGT、ならびにUGT酵素を発現しない対照ミクロソームを、UDPGA補因子とともに、またはそれを含まずに、化合物3138、化合物3478、または化合物3165を基質として用いてインキュベートした。
【化23】
D−システインを含有するルシフェリン検出試薬(LDR)の添加後、基質および生成物の両方をD−ルシフェリンに変換した(化合物3478は、LDRの添加前に既にルシフェリン誘導体である)。
図3に示されるように、例として化合物3138を使用する、非グルクロン酸化基質のみが光を生成し、酵素によってグルクロン酸化された任意の基質は、光を生成せず、その結果、その試料のための相対光単位(RLU)の低下をもたらす。
【0110】
反応液は、白色96ウェルプレート中で組み立てた。各ウェルは、100mM TES、pH7.5、16mM MgCl
2、50μg/mLアラメチシン(Sigma)、60μM化合物3138または化合物3478、および0.4mg/mLの対照または組み換えUGT膜で構成された20μLの反応混合液を含有した。20μLの水または8mMトリアンモニウムUDPGA(Sigma)を各ウェルに添加することによって反応を開始した。プレートを混合し、密閉して、37℃の水浴中で2時間インキュベートした。インキュベーション後、40μL P450−GloLDR(Promega)を、20mM D−システイン−HCl H
2O(Sigma)とともに各ウェルに添加し、プレートを混合して、室温で20分間インキュベートさせた。インキュベーションが完了した後、プレートをVeritas(登録商標)照度計(Turner BioSystems,Inc.(カリフォルニア州サニーベール)上で読み取った。
【0111】
各アイソザイムについて、UDPGAを含有する複製からの生物発光を、UDPGAを含まない複製の平均生物発光から減じた。平均ΔRLU値が得られ、次に複製の標準偏差を、UDPGAを含まない試料の平均生物発光で割ることによって、各アイソザイムについて利用率%を得た。次に、対照ミクロソームから得られた利用率%を、各アイソザイムから減じて、それらのアイソザイムについての背景訂正利用データを得た。
【0112】
これらの12個のアイソザイムに関する活性データが、
図4および5に示される。主要なUGTアイソザイム1A1、1A8、1A9、1A10、および2B7は、すべて2時間のインキュベーション中に化合物3138の50%超を利用した。これらの同一のアイソザイムは、化合物3478、化合物3138のルシフェリン類似体の15%以下を利用し、これらの酵素を測定するために、前ルシフェリンを使用する必要性を示す。UGT1A3、1A6、1A7、2B15、および2B17の場合、化合物3138の利用は少ないが、依然として、背景を超える検出可能なレベルの利用が存在した。これらの酵素による化合物3138の利用は、反応時間、ミクロソーム酵素の濃度、および/または化合物3138の濃度を調節することによってさらに最適化することができる。アイソザイムおよびPBI3438を有するこの第2のセットの場合、UGT1A6のみが、任意の適切な程度で化合物3478を利用することができる。UGT1A4および2B4は、基質として、適切な程度で化合物3138または3478を利用しなかった。化合物3165は、UGT1A4によってのみ利用され、より少ない程度にUGT1A9によって利用された(
図5)。
【0113】
実施例2.哺乳類ミクロソームによる化合物3138および3165の利用
内因性に発現されたUGTアイソザイムが化合物3138および3165を基質として利用する能力を、組み換えミクロソームを用いるアッセイ(実施例1)と同様の方法で決定した。化合物3138と共に、50mM TES、pH7.5、8mM MgCl
2、25μg/mLアラメチシン、0.1mg/mL哺乳類ミクロソーム、または0.2mg/mL組み換えSupersomes、および50μM化合物3138中、おびよ4mM UDPGAを含むか含まずに、37℃で15分間、反応液をインキュベートした(それぞれ試験反応液および対照)。化合物3165と共に、50mM TES、pH7.5、8mM MgCl
2、25μg/mLアラメチシン、0.2mg/mL哺乳類ミクロソーム、または組み換えSupersomes、および50μM化合物3165中、おびよ4mM UDPGAを含むか含まずに、37℃で2時間、反応液をインキュベートした(それぞれ試験反応液および対照)。組織ミクロソームは、Xenotech LLCまたはBD Gentestから得られた。P450−Glo LDR+システインの添加およびデータ分析は、組み換えSupersomesパネルスクリーンの場合と同一の方法で行った(上記実施例1)。
【0114】
化合物3138の利用は、異なる組織ミクロソームと動物ミクロソームとの間の差異を見るために、反応を15分に短縮する必要があるほど急速であった。試験したすべての組織ミクロソームは、対照1A1 Supersomesよりもはるかに多くの化合物3138を利用した(
図6)。結果は予想外ではなかった。なぜなら、Supersomes中のUGT1A1の濃度は、そのタンパク質を過剰発現する細胞から生じたものであるが、組織ミクロソーム試料中の化合物3138を利用することができる、すべてのアイソザイムの相加濃度よりも高い可能性は低いからである。さらに、最近の報告は、UGTアイソザイムは、単一膜内で一緒に発現した場合、相加活性以上を有し得ることを示す。
【0115】
化合物3165の利用は、はるかに遅く、主に1つのアイソザイムによるその使用と一致する(UGT 1A4、またはラットもしくはマウスからの同様の活性)(
図7)。したがって、反応液を2時間インキュベートした。活性は、ヒト腎臓またはヒト腸ミクロソームのいずれよりもヒト肝ミクロソームの場合にはるかに高く、UGT 1A4の発現が、超過肝組織中よりも肝臓において高いという報告と一致する。また活性は、ラットおよびマウス肝ミクロソームの両方について見られた。
【0116】
実施例3.化合物3138および3165を用いるリトナビルによる組み換えUGTアイソザイムの阻害の測定
HIVプロテアーゼ阻害因子であるリトナビルが、UGT1A1および1A4を阻害するが、UGT2B7に対してほとんど影響しないことは、文献で報告されている。現在のシステムにおいてこの観察を試験するために、化合物3138を使用して、UGT1A1および2B7 Supersomes中のUGT1A1および2B7を検出し、化合物3165を使用して、UGT1A4 Supersome中のUGT1A4を検出した。化合物3138との反応は、50mM TES、pH7.5、8mM MgCl
2、25μg/mLアラメチシン、0.2mg/mL Supersomes、50μM化合物3138、および0〜162μMリトナビル(AK Scientific)中、おびよ5mM UDPGAを含むか含まずに行った。37℃で2時間後、200mM HEPES、pH8.0中に希釈された10μLの50mM D−システイン−HCl・H
2Oを、各40μL UGT反応に添加した。10分のインキュベーション後、50μL P450−Glo LDR(Promega)を各ウェルに添加し、生物発光を測定した。化合物3165との反応は、約40μMのリトナビル濃度で、70分間、37℃でのみインキュベートされたことを除いて、反応液は、25μM3165を使用して、同様の方法でインキュベートした。
【0117】
化合物3138および3165による結果は、それぞれ
図8および9に示される。リトナビルは、UGT1A1およびUGT1A4を阻害するが、UGT2B7は阻害せず、これは文献と一致する。測定値は、UGT1A1の場合、60μM、およびUGT1A4の場合、4μMのIC
50値を示した。この結果は、アッセイシステムが、組み換えSupersomesを使用する、特定UGTアイソザイムの阻害因子を識別する能力を示す。
【0118】
実施例4.ジクロフェナクを用いるヒト肝ミクロソームにおける組み換えUGTアイソザイムおよびUGT活性の阻害
ジクロフェナクは、UGT酵素の多くのための既知の基質である、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)であり、UGT1A1、1A3、1A6、1A7、1A8、1A9、1A10、2B7、2B15、および2B17を阻害することも報告されている。大部分のUGTアイソザイムに対するその広範な阻害活性は、組み換えUGT調製物およびヒト肝ミクロソーム(HLM)の両方において、UGT活性の阻害を調査するための理想的な候補にする。
【0119】
ジクロフェナクが組み換えUGTを阻害する能力を評価するために、UGT1A1および2B7 Supersomesを使用して反応液を設定した。これらの反応液は、50mM TES、pH7.5、8mM MgCl
2、25μg/mLアラメチシン、0.1mg/mL Supersomes(登録商標)および20μM化合物3138を含有し、4mM UDPGAを含むか含まなかった。0〜10mMジクロフェナクの濃度で滴定を行った。37℃で90分後、40μLのP450−Glo LDR+20mM D−システインを、各40μL反応液に添加し、混合した。室温で20分後、生物発光を照度計上で測定した。
【0120】
ジクロフェナクがHLM中のUGT活性を阻害する能力を評価するために、反応液を以下のように設定した。すべての反応液は、50mM TES、pH7.5、8mM MgCl
2、25μg/mLアラメチシン、0.1mg/mL HLMを含有し、4mM UDPGAを含むか含まなかった。0〜3.6mMジクロフェナクの濃度で滴定を行った。37℃で15分後、40μLのP450−Glo LDR+20mM D−システインを、各40μL反応液に添加し、混合した。室温で20分後、生物発光を照度計上で測定した。
【0121】
滴定曲線を、
図10(組み換えSupersomes)および11(HLM)に示される。ジクロフェナクは、IC
50が232μMでUGT1A1活性を阻害し、IC
50が74μMでUGT2B7活性を阻害した。これは、4−メチル−ウンベリフェロンを基質として使用するとき、UGT2B7が、UGT1A1よりもジクロフェナクによって潜在的に多く阻害されるという文献の報告と一致する(Uchaipichat et al.Drug Metab.Disp.(2004).32:4,413−423を参照)。ジクロフェナクは、IC
50が60μMで化合物3138のHLM利用を阻害した。この例は、組み換えUGT Supersome調製物およびヒト肝ミクロソーム環境の両方を使用して、阻害についてスクリーニングするためのアッセイの有用性を示す。
【0122】
実施例5.ヒト肝ミクロソームにおけるUGT活性の阻害
多くの化合物は、特定のUGTアイソザイムの活性を調節することが知られている。本明細書に記載のアッセイシステムにおいて、これらのいくつかを試験し、化合物3138を使用して測定されるように、ヒト肝ミクロソーム(HLM)中のUGT活性を阻害するそれらの能力を測定した。阻害因子の化合物、ならびに化合物によって調節されると、文献において現在報告されているアイソザイムの一覧を、以下の表に示す。
【0123】
これらの化合物がHLM中のUGT活性を阻害する能力を評価するために、反応液を以下のように設定した。すべての反応液は、50mM TES、pH7.5、8mM MgCl
2、25μg/mLアラメチシン、0.05mg/mL HLM、および50μM 化合物3138を含有し、4mM UDPGAを含むか含まなかった。リトナビルおよびロピナビルを、最終濃度0.25mMで使用した。スルフィンピラゾン、キニジン、およびアンドロステロンを、最終濃度0.5mMで使用した。1−ナフトール、スコポレチン、ウンベリフェロン、および7−ヒドロキシ−4−トリフルオロメチルクマリンは、最終濃度1mMで使用した。ジクロフェナクは、最終濃度5mMで使用した。バルプロエートは、最終濃度10mMで使用した。すべての反応液を、水、DMSO、またはエタノールのいずれかを含有する、それらの対応する媒体対照試料と比較した。37℃で15分後、40μLのP450−Glo LDR+20mM D−システインを、各40μL反応液に添加し、混合した。室温で20分後、生物発光を照度計上で測定した。
【0124】
化合物は、HLM中のUGT活性を様々な程度で阻害した(
図13)。この試料は、より自然なヒト肝ミクロソーム環境において、様々なUGT阻害因子についてスクリーニングするためのアッセイの効用を示す。
【0125】
実施例6.UGT1A1および2B7を使用する、アッセイ変動性の決定
アッセイ変動性を、12個の個別のnoUDPGAおよびplusUDPGA試料の活性データおよび標準偏差を使用して決定した。すべての反応液は、50mM TES、pH7.5、8mM MgCl
2、25μg/mLアラメチシン、0.2mg/mL UGT1A1、または2B7Supersomes(登録商標)、および30μM 化合物3138を含有し、5mM UDPGAを含むか含まなかった。37℃で120分後、40μLのP450−Glo LDR+20mM D−システインを、各40μL反応液に添加し、混合した。室温で20分後、生物発光を照度計上で測定した。
【0126】
UGT1A1に関するデータを、
図12に示す。Z′値は、以下に概説される等式を使用して計算した。
【数1】
ロバストなアッセイシステムは、通常、0.5以上のZ′値を示す。UGT1A1に関して計算されたZ′値は、0.83であった。同一条件下で、UGT2B7に関して計算されたZ′値は、0.67であった。
【0127】
実施例7.GSTアイソザイムによるベンゾチアゾールの利用
化合物934〜37をDMSO中に溶解して、約1mg/mLの溶液を生成した。この溶液を1:100(v/v)で50mM HEPES緩衝液pH7.5に希釈して、基質溶液を生成した(約10μg/mL)。20μLのこの溶液を、96ウェルの白色照度計プレート(Promega part Z3291)の10ウェルに入れ、20μLの基質の1:3.1希釈液(約3.2μg/mL)を、照度計プレートの別の10ウェルに入れた。
【0128】
D−システイン、4mg(Sigma Chemical Corp.、C8005−1g、017K1034)を、1mLの50mM HEPES緩衝液pH7.5中に溶解し、次に、4μLを、基質溶液を含有するウェルの4つに添加し、希釈基質溶液をウェルの4つに添加して、化合物934〜37を対応するルシフェリン誘導体に変換した。これらの化合物の構造を、以下に示す。
【化24】
水中のグルタチオンS−トランスフェラーゼアイソザイムA1−1(GST A1−1)(1.2mg/mL)、および100μLの100mMグルタチオンの試料を、5mLの50mM HEPES pH7.5中に希釈し、次に25μLを以下のようにプレートに添加した。未変換の濃縮化合物934−37を2ウェル、濃縮および変換した化合物934−37を2ウェル、未変換の希釈化合物934−37を2ウェル、および変換された希釈化合物934−37を2ウェルに添加した。
【0129】
GST M1−1(1.2mg/mL)および100μLの100mMグルタチオンの試料を、5mLの50mM HEPES pH7.5中に希釈し、次に25μLを、未変換の濃縮化合物934−37の2ウェル、濃縮および変換した化合物934−37の2ウェル、未変換の希釈化合物934−37の2ウェル、および変換された希釈化合物934−37の2ウェルに添加した。
【0130】
グルタチオン(100μLの100mMグルタチオン)を、5mLの50mM HEPES緩衝液pH7.5に希釈し、次に25μLを、濃縮および希釈溶液中の変換および未変換化合物934−37の残りのウェルに添加した。
【0131】
室温で55分後、4μLの上記D−システイン溶液を、前にシステインを受容していないすべてのウェルに添加し、次に50μLのP450−Glo LDRを添加した。次にプレートを、GloMax照度計(Promega Corp.)内に置き、15分のインキュベーション後に生物発光を測定した。得られた値を平均化し、酵素を含まないウェルから生成された生物発光の平均値を、次に酵素を含むウェルにおいて生成された生物発光の平均から減じた。結果を、以下の表に示す。
これらのデータは、GST A1−1が、その未変換状態で、はるかに速い速度で基質を利用し、D−システインの添加によって、ルシフェリン誘導体に変換されると、材料を変換する能力を本質的に喪失することを明らかに示す。しかしながら、GST M1−1は、その未変換状態で材料を利用する能力がはるかに低いが、変換形態の基質を良好に利用することを示す。変換および未変換形態の利用におけるこの差異を使用して、試料がこれらのアイソザイムの一方または両方を含有するか否かを決定することができる。
【0132】
実施例8.N−ペプチジル−6−アミノ−2−シアノベンゾチアゾールの合成
保護N−ペプチジル−6−アミノ−2−シアノベンゾチアゾールを、米国特許第7,384,758号(O′Brien et al.)に記載されるように調製することができる。脱保護された誘導体を、以下のように調製することができる。
【化25】
トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/トリイソプロピルシラン(50/50/2)の無水溶液に、t−ブチル保護されたN−ペプチジル−6−アミノ−2−シアノベンゾチアゾール(第US7,384,758号)を添加する。2時間後、溶液を蒸発させてシロップにする。ジエチルエーテルで沈殿させる。固体をエチルエーテルで2回洗浄する。真空下で乾燥させる。逆相HPLC上で精製して、20mM NH4OAcを溶出する。適切な画分を合わせ、凍結乾燥させて、tBu脱保護化合物を提供する。Cbz基の除去は、水素化条件下で達成することができる(例えば、Pd/Cの存在下での水素ガス)。
【0133】
実施例9.サイトクロームP450酵素パネル画面:サイトクロームP450酵素によるベンゾチアゾールの利用
いくつかのシアノベンゾチアゾール誘導体を合成し、昆虫細胞/バキュロウイルス発現系において発現された一団の組み換えCYP450酵素に対してスクリーニングした。すべてのCYP450は、必要な補因子P450レダクターゼで共発現させた。活性を強化するために、サイトクロームb5で共発現させたものもあった。ベンゾチアゾール化合物3016、3019、3026、3806、3814、3820、3821、3833、3835、3866、および3868、3823、3023、3828、3017、3018、3020、3021、3022、3024、3815、3817、3822、3824、3825、3826、3827、3829、3830、3851、3852、3891、3907のストック溶液を、DMSO中50mMで作製した。各CYP450酵素の1ピコモル(反応液中20nM最終濃度)(Supersomes(登録商標)、BD Bioscience)を、KPO
4緩衝液pH7.4(CYP450−2C9の場合25mM KPO
4、CYP450−2B6、−2C8、−2C19、−4F2、−4F3A、および−4F3Bの場合50mM KPO
4、CYP450−1A1、−1A2、−1B1、−2D6、−2E1、−3A5、−3A7、−2J2、−4F12、−19およびマイナスP450対照の場合100mM KPO
4、CYP450−3A4の場合20mM KPO
4)、または100mMトリス−HCl、pH7.5(CYP450−2A6、−2C18、および−4A11の場合)において、50μL反応液中、50μmの各化合物とインキュベートした。反応を、NADPH再生系を添加することによって開始した(最終濃度:1.3mM NADP
+、3.3mMグルコース−6−リン酸塩、3.3mM MgCl
2、0.4U/mLグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ、および0.05mMクエン酸ナトリウム)。反応液を、30分間37℃でインキュベートした。インキュベーション後、6.6mM D−システインを補充した50μLのP450−Glo(登録商標)LDR(Promega Corp.)を、各反応液に添加し、室温で20分間インキュベートして、Veritas照度計上で生物発光を測定した。また低濃度の化合物を使用して、化合物の一部を再度スクリーニングした。低濃度のCYP450酵素は、化合物(例えば、化合物3019)のより厳密な相互反応性プロファイルに対する条件の特定を可能にする。
図33の表に示されるデータは、ベンゾチアゾール化合物を使用して、本発明において、生物発光としてCYP450酵素活性を検出できることを示す。各化合物は、1つまたは複数のCYP450で活性となり、CYP450活性のプロファイルは、化合物構造に応じて、一団の酵素全体で異なった。指定のCYP450酵素に特異的な生物発光は、P450酵素によるベンゾチアゾール化合物の酸化で、6−ヒドロキシベンゾ[d]チアゾール−2−カルボニトリル(ベンゾチアゾール誘導体)を産生することに起因し得る。6−ヒドロキシベンゾ−[d]チアゾール−2−カルボニトリルは、次にD−システインと反応して、D−ルシフェリン誘導体を形成することができ、次いで、ルシフェリン検出試薬中のルシフェラーゼと反応して、D−ルシフェリンの存在量に比例して光を生成する。
【0134】
実施例10.
ヒト組み換えCYP450 1A2およびヒト肝ミクロソーム(BD Biosciences)を、100mM KPO
4 pH7.4を含む50μLの反応容量、およびα−ナフトフラボンおよびフルボキサミンの容量で、化合物3019と共に10分間、37℃でインキュベートした。組み換えCYP1A2アッセイの場合、0.5pmoleのCYP450 1A2および6μMの化合物3019を使用した。ヒト肝ミクロソーム(HLM)アッセイの場合、1μgのHLMおよび3μMの化合物3019を使用した。等量のP450−Glo LDRを、6.6mM D−システインとともに、CYP450反応液中に添加した。室温で20分間インキュベーションした後、生物発光を照度計上で測定した。既知のCYP450 1A2阻害因子であるα−ナフトフラボンおよびフルボキサミンは、組み換えCYP450 1A2活性の用量依存性阻害をもたらした(
図26)。ヒト肝ミクロソーム(HLM)において、化合物3019との相当な活性があり、この活性は、α−ナフトフラボンおよびフルボキサミンによる阻害にも敏感であった(
図27)。初期CYP450酵素パネル画面および組み換えCYP450 1A2阻害アッセイは、化合物3019が実際に、CYP1A2阻害を検出するために使用することもできる、CYP450 1A2基質であることを示すが、CYP450 1A2選択的阻害因子がHLM活性に及ぼす影響は、化合物3019が、異なるCYP450酵素の複雑な混合物において、相当量のCYP450 1A2選択性を示すことを確認する。
【0135】
実施例11.
ヒト凍結保存肝細胞(CelsisロットRTM)を解凍し、コラーゲンコーティングした96ウェル培養プレートのウェル内の肝細胞培養培地に、約80,000細胞/ウェルで播種し、5% CO
2を含む標準細胞培養インキュベータ内で、37℃で維持した。次に、細胞を48時間、100μMオメプラゾール、25μMリファンピシン、1mMフェノバルビタル、または肝細胞培養培地中に溶解された媒体対照(0.1%ジメチルスルホキシド)で処理した(
図28、各処理について、n=3、平均値および標準偏差が示される)。次に、細胞をKrebs−Henseleit(KH)緩衝液で2回すすぎ、100μL KH緩衝液中、6μMの化合物3019、3mMのサリチルアミド、および0.3%ジメチルスルホキシドと共に1時間インキュベートした。次に、プレートをインキュベータから除去し、エステラーゼを有する100μLのP450−Glo LDRを、6.6mM D−システインとともに(左グラフ)またはD−システインなしに(右グラフ)、各ウェルに添加して、溶解物を生成した。100μLの溶解物を、培養プレートの各ウェルから、白色96ウェル照度計プレート(Costar)のウェルに移した。室温(約21℃)で20分後、プレート読み取り照度計(Veritas)上で生物発光を測定した。
【0136】
細胞内に存在する天然システインの影響に関する洞察を得るために、D−システインを含まない試料を含めた。内因性システインは、細胞中にL−システインとして存在し、L−システインとの環化は、L−ルシフェリンを生成することとなり、これは一般に、ホタルルシフェラーゼのための有効な基質ではなく、阻害因子となると考えられている(D−ルシフェリンは、ホタルルシフェラーゼのための基質の主な活性形態である)。内因性L−システインの存在は、アッセイを干渉することが予想され得たが、アッセイ結果は、ロバスト基礎および誘導信号が認められたため、これが、アッセイを損なう程度で起こらなかったことを示す。
【0137】
細胞を含み、この系においてL−システインの唯一の源である、D−システインを含まない試料からの結果は、無細胞背景対照と類似していた。これは、L−ルシフェリンからD−ルシフェリンへの変換が、プラスD−システイン試料において認められる全信号に有意に寄与しなかったことを示す(
図28)。
【0138】
実施例12.ヒト肝細胞による非溶解細胞に基づくアッセイ
ヒト凍結保存肝細胞(CelsisロットRTM)を解凍し、コラーゲンコーティングした96ウェル培養プレートのウェル内の肝細胞培養培地に、約70,000細胞/ウェルで播種し、5% CO
2を含む標準細胞培養インキュベータ内で、37℃で維持した。次に、細胞を48時間、100μMオメプラゾール、または肝細胞培養培地中に溶解された媒体対照(0.1%ジメチルスルホキシド)で処理した(各処理の場合n=3、平均値および標準偏差が示される)。次に、細胞をKrebs−Henseleit(KH)緩衝液で2回すすぎ、100μL KH緩衝液中、3μMの化合物3019、3mMのサリチルアミド、および0.3%ジメチルスルホキシドと共に1時間インキュベートした。次に、50μLのKHインキュベーション緩衝液を各ウェルから除去し、白色96ウェル照度計プレート(Costar)のウェルに移して、6.6mM D−システインを含有する50μLのP450−Glo LDRとも合わせた。室温(約21℃)で20分後、プレート読み取り照度計(Veritas)上で生物発光を測定した。
【0139】
図29に示される結果は、化合物3019が細胞に進入し、CYP450反応生成物および未反応の化合物3019が細胞を出ることを示した。
図29に示されるように、基礎信号は、媒体のみの処理を受けた細胞から認められ、信号は、CYP1A2誘導因子オメプラゾールで処理された細胞から有意に増加した。
【0140】
実施例13.ラット肝細胞による非溶解アッセイ
実施例13に記載される非溶解アプローチに従って、凍結保存ラット肝細胞(XenotechロットR1000)を解凍し、コラーゲンコーティングした96ウェル培養プレートのウェル内の肝細胞培養培地に、約50,000細胞/ウェルで播種し、5% CO
2を含む標準細胞培養インキュベータ内で、37℃で維持した。次に、細胞を48時間、10nM 2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ジオキシン(TCDD)または肝細胞培養培地中に溶解された媒体対照(0.006%ジメチルスルホキシド)で処理した(各処理のについて、n=3、平均値および標準偏差が示される)。次に、細胞をKrebs−Henseleit(KH)緩衝液で2回すすいだ後、100μL KH緩衝液中、3μMの化合物3019、3mMのサリチルアミド、および0.3%ジメチルスルホキシドと共に1時間インキュベートした。次に、50μLのKHインキュベーション緩衝液を各ウェルから除去し、白色96ウェル照度計プレート(Costar)のウェルに移して、6.6mM D−システインを含有する50μLのルシフェラーゼ反応混合物(上述のとおり)とも合わせた。室温(約21℃)で20分後、プレート読み取り照度計(Veritas)上で生物発光を測定した。
【0141】
ヒト肝細胞と同様に、
図30に示される結果は、CYP450 1A2誘導因子である2,3,7,8−テトラクロロジベンゾ−p−ジオキシン(TCDD)によって著しく増加した重要な基礎信号が認められたことを示す。TCDDは、アリール炭化水素核受容体へのその結合を伴う機構を通じて遺伝子を誘発する、ジオキシン誘導体である。CYP450 1A群の遺伝子は、この経路に反応性のある基の中に含まれ、化合物3019のCYP1A2選択性を示す、本明細書に提示される他の証拠を考慮すると、TCDDによってもたらされる信号の増加は、ラットCYP1A2遺伝子誘発と一致する。
【0142】
実施例14.
凍結保存ヒト肝細胞(ADMET Technologiesロット♯H2063−P10)を解凍し、Krebs−Henseleit(KH)緩衝液中で再懸濁して、白色96ウェル照度計プレートに約60,000細胞/ウェル(50μLの懸濁液)で分注した。100μMの化合物3138(
図32に示される)を、単独で(対照)または8mMのウリジン5′−ジホスホ−グルクロン酸(UDPGA)、4mMのジクロフェナクまたはUDPGAおよびジクロフェナクと組み合わせて含有する、50μLの50mM TES緩衝液を、次に添加して、15〜20分間37℃でインキュベートさせた。次に、20mMのD−システインを含有する、100μLのP450−Glo LDRを添加した。室温(約21℃)で20分後、プレート読み取り照度計上で生物発光を測定した。結果を
図31に示し、「基質利用率%」は、無細胞対照と比較して認められた生物発光の減少を反映する(例えば、利用率20%は、対応する無細胞対照と比較して、光出力が20%減少することを示す)。値は、平均および標準偏差であって、対照、+UDPGA、および+ジクロフェナクについて、n=3であり、+UDPGA+ジクロフェナクについて、n=2である。
【0143】
PBI3138の変換は、正常な肝細胞のインキュベーション時に見られた。UDPGAの添加は、UGTアイソザイムによって触媒された変換について予測されたように、細胞透過剤であるアラメタシンの存在下で、この変換を増加させた。この変換は、ジクロフェナクの存在によって阻害された(上述のとおり)。この阻害は、アラメタシンの存在下で、追加のUDPGAが添加された場合でも見られた。これらの結果は、ミクロソームで見られるように、PBI3138をこれらの細胞に添加することが、修飾化合物へのPBI3138の変換をもたらしたことを示す。
【0144】
実施例15.
以下の実施例は、本発明の生物発光アッセイ、すなわち、関心対象の非ルシフェラーゼ酵素のための2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの誘導体を使用する生物発光アッセイを、別の生物発光アッセイ、例えば、関心対象の非ルシフェラーゼ酵素のためのD−ルシフェリンまたはアミノルシフェリンの誘導体を使用する生物発光アッセイとともに、多重化する能力を示す。この実施例では、2つの異なるP450酵素、CYP1A2、およびCYP3A4が、単一試料において検出された。CYP1A2の検出のために、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾール誘導体化合物3019を、D−システインを含有するLDRを使用して検出された生物発光とともに使用した。CYP3A4の検出のために、ルシフェリンアセタール誘導体、ルシフェリン−IPA(Luc−IPA)を、D−システインを含まないLDRを使用して検出された生物発光とともに使用した。この多重アッセイは、細胞に基づくアッセイにおいて、2つの異なる生物発光基質を使用する単一インキュベーションから、CYP1A2および/またはCYP3A4の識別を可能にする。
【化26】
ヒト凍結保存肝細胞(Celsis In Vitro Technologies)を解凍し、コラーゲンコーティングした96ウェル培養プレートのウェル内の肝細胞培養培地に、約50,000細胞/ウェルで播種し、5% CO
2を含む標準細胞培養インキュベータ内で、37℃で維持した。次に、細胞を48時間、100μMオメプラゾール、25μMリファンピシン、または肝細胞培養培地中に溶解された媒体対照(0.1%DMSO)で処理した(各処理について、n=6、平均値および標準偏差が示される)。次に、細胞をKrebs−Henseleit(KH)緩衝液で2回すすいだ後、KH緩衝液中、6μMの化合物3019、3mMのサリチルアミド、および計0.3%のDMSO、またはKH緩衝液中、6μMの化合物3019、3mMのLuc−IPA、および計0.3%のDMSOと共に1時間インキュベートした。次に、プレートをインキュベータから除去した。各正常細胞上澄みからの50μLを、白色96ウェル照度計プレート(Costar)の2セットのウェルに移した。1セットのウェルに、50μLのLDRを4mM D−システインとともに添加し、D−システインを含まない50μLのLDRを他のセットに添加した。室温(約21℃)で20分後、プレート読み取り照度計(Veritas)上で生物発光を測定した。
【0145】
図34a〜dに見られるように、本発明の方法は、同時に2つの生物発光基質の存在下で行うことができ、基質の1つは、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの誘導体である。オメプラゾールは、CYP1Aを誘発し、アリール炭化水素受容体(AHR)アゴニストである。リファンピシンは、CYP3A/2Cであり、PXRアゴニストである。「無細胞」対照は、基質のための背景を提供する。
図34Aは、化合物3019を使用して検出されたオメプラゾールによる、CYP1A2活性の誘発を示す。
図34Bは、基質ルシフェリン−IPAを使用して検出されたリファンピシンによって、CYP3A4の誘発を示す。
図34Cは、CYP3A4基質、ルシフェリン−IPAの存在下、化合物3019を使用して検出されたオメプラゾールによるCYP1A2活性の誘発を示す。
図34Dは、CYP1A2基質、化合物3019の存在下で、基質ルシフェリン−IPAを使用して検出されたリファンピシンによるCYP3A4の誘発を示す。
【0146】
すべての発行物、特許、および特許書類は、参照することによって個別に組み込まれるかのように、本明細書で参照することによって組み込まれる。本発明は、様々な特異的および好適な態様および技術を参照して説明された。しかしながら、本発明の精神および範囲内でありながら、多くの変型および修飾を行ってもよいことを理解されたい。
本発明の好ましい態様は、下記の通りである。
〔1〕細胞内の非ルシフェラーゼ酵素を検出する方法であって、
(a)前記非ルシフェラーゼ酵素のための基質であって、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの誘導体である基質を、前記酵素と前記基質との間の反応を可能にする条件下で、細胞と接触させることと、
(b)ルシフェラーゼ反応混合物を前記接触させた細胞に添加することと、
(c)生物発光を測定することと、
を含む、方法。
〔2〕前記誘導体が、式(I)の化合物であり、
【化1】
式中、
R1が、H、OH、ORx、またはNRxRyであり、
R2が、(C1−C3)アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、ニトロ、またはハロであり、
nが、0、1、2、または3であり、
Rxが、(i)アリールが、ハロ、ヒドロキシ、アミノ基、アミノ酸、ペプチド、およびエステルから成る群から選択される1〜5個の基で随意に置換された、(C1−C10)アルキルアリールであるか、または(ii)アルキルが、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、およびアミノから成る群から選択される1〜5個の基で随意に置換された、(C1−C10)アルキルであり、
Ryが、水素または(C1−C10)アルキルである、
前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記誘導体が、以下から成る群から選択される、前記〔1〕に記載の方法:
【化2】
【化3】
【化4】
。
〔4〕前記非ルシフェラーゼ酵素が、UGT、GST、CYP450、FMO、HDAC、またはプロテアーゼを含む、前記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の方法。
〔5〕前記ルシフェラーゼ反応混合物が、エステラーゼをさらに含む、前記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の方法。
〔6〕前記ルシフェラーゼ反応混合物が、D−システインをさらに含む、前記〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の方法。
〔7〕前記細胞が肝細胞である、前記〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の方法。
〔8〕前記細胞が、試験化合物とさらに接触させられる、前記〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔9〕前記試験化合物が、前記非ルシフェラーゼ酵素の阻害因子、前記非ルシフェラーゼ酵素の誘導因子、前記非ルシフェラーゼ酵素のための基質、および前記非ルシフェラーゼ酵素の活性化因子から成る群から選択される、前記〔8〕に記載の方法。
〔10〕細胞内の非ルシフェラーゼ酵素を検出する方法であって、
(a)第1の反応槽内で、前記非ルシフェラーゼ酵素のための基質であって、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの誘導体である基質を、前記酵素と前記基質との間の反応を可能にする条件下で、細胞と接触させて、インキュベーション混合物を形成することと、
(b)前記インキュベーション混合物の少なくとも一部を、第2の反応槽に移すことと、
(c)ルシフェラーゼ反応混合物を、前記第2の反応槽に添加することと、
(d)生物発光を測定することと、
を含む、方法。
〔11〕前記誘導体が、式(I)の化合物であり、
【化5】
式中、
R1が、H、OH、ORx、またはNRxRyであり、
R2が、(C1−C3)アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、ニトロ、またはハロであり、
nが、0、1、2、または3であり、
Rxが、(i)アリールが、ハロ、ヒドロキシ、アミノ基、アミノ酸、ペプチド、およびエステルから成る群から選択される1〜5個の基で随意に置換された、(C1−C10)アルキルアリールであるか、または(ii)アルキルが、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、およびアミノから成る群から選択される1〜5個の基で随意に置換された、(C1−C10)アルキルであり、
Ryが、水素または(C1−C10)アルキルである、
前記〔10〕に記載の方法。
〔12〕前記誘導体が、以下から成る群から選択される、前記〔10〕に記載の方法:
【化6】
【化7】
【化8】
。
〔13〕前記非ルシフェラーゼ酵素が、UGT、GST、CYP450、FMO、HDAC、またはプロテアーゼを含む、前記〔10〕〜〔12〕のいずれか1項に記載の方法。
〔14〕前記ルシフェラーゼ反応混合物が、エステラーゼをさらに含む、前記〔10〕〜〔13〕のいずれか1項に記載の方法。
〔15〕前記ルシフェラーゼ反応混合物が、D−システインをさらに含む、前記〔10〕〜〔14〕のいずれか1項に記載の方法。
〔16〕前記細胞が肝細胞である、前記〔10〕〜〔15〕のいずれか1項に記載の方法。
〔17〕前記細胞が、試験化合物とさらに接触させられる、前記〔10〕〜〔16〕のいずれか1項に記載の方法。
〔18〕前記試験化合物が、前記非ルシフェラーゼ酵素の阻害因子、前記非ルシフェラーゼ酵素の誘導因子、前記非ルシフェラーゼ酵素のための基質、および前記非ルシフェラーゼ酵素の活性化因子から成る群から選択される、前記〔17〕に記載の方法。
〔19〕非ルシフェラーゼ酵素の調節因子をスクリーニングする方法であって、
(a)細胞を試験化合物と接触させることと、
(b)前記非ルシフェラーゼ酵素のための基質であって、2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの誘導体である基質を、前記基質と前記非ルシフェラーゼ酵素との間の反応を可能にする条件下で添加して、混合物を形成することと、
(c)ルシフェラーゼ反応混合物を前記混合物に添加することと、
(d)生物発光を測定することと、
を含む、方法。
〔20〕前記誘導体が、式(I)の化合物であり、
【化9】
式中、
R1が、H、OH、ORx、またはNRxRyであり、
R2が、(C1−C3)アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、ニトロ、またはハロであり、
nが、0、1、2、または3であり、
Rxが、(i)アリールが、ハロ、ヒドロキシ、アミノ基、アミノ酸、ペプチド、およびエステルから成る群から選択される1〜5個の基で随意に置換された、(C1−C10)アルキルアリールであるか、または(ii)アルキルが、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、およびアミノから成る群から選択される1〜5個の基で随意に置換された、(C1−C10)アルキルであり、
Ryが、水素または(C1−C10)アルキルである、
前記〔19〕に記載の方法。
〔21〕前記誘導体が、から成る群から選択される、前記〔19〕に記載の方法:
【化10】
【化11】
【化12】
。
〔22〕前記非ルシフェラーゼ酵素が、UGT、GST、CYP450、FMO、HDAC、またはプロテアーゼを含む、前記〔19〕〜〔21〕のいずれか1項に記載の方法。
〔23〕前記ルシフェラーゼ反応混合物が、エステラーゼをさらに含む、前記〔19〕〜〔22〕のいずれか1項に記載の方法。
〔24〕前記ルシフェラーゼ反応混合物が、D−システインをさらに含む、前記〔19〕〜〔23〕のいずれか1項に記載の方法。
〔25〕前記細胞が肝細胞である、前記〔19〕〜〔24〕のいずれか1項に記載の方法。
〔26〕細胞内の2つ以上の非ルシフェラーゼ酵素を検出する方法であって、
a)第1の反応槽内で、2つ以上の生物発光性基質であって、そのうちの1つが2−シアノ−6−置換ベンゾチアゾールの誘導体である基質を、前記酵素と前記基質との間の反応を可能にする条件下で、細胞と接触させて、反応混合物を形成することと、
b)インキュベーション混合物の一部を第2および第3の反応槽に移すことと、
c)前記反応槽のうちの1つに、D−システインを含むルシフェラーゼ反応混合物を添加し、もう1つの反応槽に、D−システインを含まないルシフェラーゼ反応混合物を添加することと、
d)両方の反応槽内の生物発光を測定することと、
を含む、方法。
〔27〕前記誘導体が、式(I)の化合物であり、
【化13】
式中、
R1が、H、OH、ORx、またはNRxRyであり、
R2が、(C1−C3)アルキル、トリフルオロメチル、アミノ、ニトロ、またはハロであり、
nが、0、1、2、または3であり、
Rxが、(i)アリールが、ハロ、ヒドロキシ、アミノ基、アミノ酸、ペプチド、およびエステルから成る群から選択される1〜5個の基で随意に置換された、(C1−C10)アルキルアリールであるか、または(ii)アルキルが、アルコキシ、ヒドロキシ、ハロ、およびアミノから成る群から選択される1〜5個の基で随意に置換された、(C1−C10)アルキルであり、
Ryが、水素または(C1−C10)アルキルである、
前記〔26〕に記載の方法。
〔28〕前記誘導体が、から成る群から選択される、前記〔26〕に記載の方法:
【化14】
【化15】
【化16】
。
〔29〕前記非ルシフェラーゼ酵素が、UGT、GST、CYP450、FMO、HDAC、またはプロテアーゼを含む、前記〔26〕〜〔28〕のいずれか1項に記載の方法。
〔30〕前記ルシフェラーゼ反応混合物が、エステラーゼをさらに含む、前記〔26〕〜〔29〕のいずれか1項に記載の方法。
〔31〕前記細胞が肝細胞である、前記〔26〕〜〔30〕のいずれか1項に記載の方法。
〔32〕前記細胞が、試験化合物とさらに接触させられる、前記〔26〕〜〔31〕のいずれか1項に記載の方法。
〔33〕前記他方の生物発光性基質が、D−ルシフェリンまたはアミノルシフェリンの誘導体である、前記〔26〕〜〔32〕のいずれか1項に記載の方法。