(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5905560
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】入力電圧検出機能付の電源装置及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
H02M 3/28 20060101AFI20160407BHJP
【FI】
H02M3/28 C
H02M3/28 K
H02M3/28 B
【請求項の数】14
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-226889(P2014-226889)
(22)【出願日】2014年11月7日
(65)【公開番号】特開2015-220975(P2015-220975A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2014年11月7日
(31)【優先権主張番号】103117255
(32)【優先日】2014年5月16日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】510002442
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Delta Electronics,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110000383
【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】蒲 仲偉
(72)【発明者】
【氏名】許 文冠
(72)【発明者】
【氏名】羅 佳典
(72)【発明者】
【氏名】林 昆祈
【審査官】
▲桑▼原 恭雄
(56)【参考文献】
【文献】
特開2014−045601(JP,A)
【文献】
特開2001−045756(JP,A)
【文献】
特開2013−123348(JP,A)
【文献】
実開平06−024390(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力電圧検出機能付の電源装置であって、
交流電源の活線に電気的に接続される第一入力端、及び前記交流電源の接地線に電気的に接続される第二入力端を有する電源入力側と、
前記第一入力端に電気的に接続される第一検出端、及び前記第二入力端に電気的に接続される第二検出端を有する入力検出ユニットと、を含み、
前記入力検出ユニットと前記電源装置の1次側とは、完全に遮断されており、
前記入力検出ユニットにより、前記活線または前記接地線に異常が発生したことまたは前記活線及び前記接地線に同時に異常が発生したことを検出した場合、前記入力検出ユニットは、検出信号を出力することで、前記電源装置の動作を切断させて当該電源装置を保護する、ことを特徴とする入力電圧検出機能付の電源装置。
【請求項2】
前記入力検出ユニットは、
双方向光電子カプラーと、
前記双方向光電子カプラーに電気的に接続されて、当該双方向光電子カプラーに流れる電流の大きさを制限する限流抵抗と、を含み、
前記限流抵抗と前記双方向光電子カプラーとは電気的に接続して直列分岐回路を形成し、当該直列分岐回路の両端が前記第一検出端及び前記第二検出端である、ことを特徴とする請求項1に記載の入力電圧検出機能付の電源装置。
【請求項3】
前記交流電源から前記電源装置に正常に給電する場合、前記双方向光電子カプラーは、導通状態になって、前記検出信号として正常検出信号を持続的に出力し、
前記活線または前記接地線に異常が発生した場合、または、前記活線と前記接地線に同時に異常が発生した場合、前記双方向光電子カプラーは、遮断状態になって、前記正常検出信号の出力を停止することで、前記電源装置の動作を切断させて当該電源装置を保護する、ことを特徴とする請求項2に記載の入力電圧検出機能付の電源装置。
【請求項4】
前記入力検出ユニットと前記電源装置は、接地遮断されている、ことを特徴とする請求項2に記載の入力電圧検出機能付の電源装置。
【請求項5】
前記入力検出ユニットは、
第一整流入力端と、第二整流入力端と、第一整流出力端と、第二整流出力端とを備え、前記第一整流入力端が前記第一検出端であり、前記第二整流入力端が前記第二検出端である全波整流器と、
アノード及びカソードを有し、前記アノードが前記第一整流出力端に電気的に接続されるダイオードと、
第一端及び前記ダイオードの前記カソードに電気的に接続される第二端を有する第一抵抗と、
ソース端と、前記第一抵抗の前記第一端に電気的に接続されるドレイン端と、前記第一整流出力端と前記ダイオードの前記アノードとに電気的に接続されるゲート端とを有する第一トランジスタと、
アノード及びカソードを有する光電子カプラーと、
第一端及び前記光電子カプラーの前記カソードに電気的に接続される第二端を有する第二抵抗と、
ソース端と、前記第二抵抗の第一端に電気的に接続されるドレイン端と、前記第一トランジスタの前記ドレイン端と前記第一抵抗の前記第一端とに電気的に接続されるゲート端とを有する第二トランジスタと、
第一端及び第二端を有するキャパシタンスであって、前記キャパシタンスの前記第一端が前記光電子カプラーの前記アノードと前記ダイオードの前記カソードに電気的に接続され、前記キャパシタンスの前記第二端、前記第一トランジスタの前記ソース端、前記第二トランジスタの前記ソース端及び前記第二整流出力端が、ユニット接地点に接続されるキャパシタンスと、を含むことを特徴とする請求項1に記載の入力電圧検出機能付の電源装置。
【請求項6】
前記交流電源から前記電源装置に正常に給電する場合、前記交流電源は、全波整流器の全波整流操作を経由して整流電圧を出力し、この整流電圧により、前記第一トランジスタを導通し、前記キャパシタンスに充電することで、前記第二トランジスタ及び前記光電子カプラーが遮断状態になり、
前記活線または前記接地線に異常が発生した場合、または、前記活線と前記接地線同時に異常が発生した場合、前記交流電源が前記全波整流器に電圧を出力しないことで、前記第一トランジスタが遮断状態になり、
前記キャパシタンスが、前記光電子カプラー、前記第二抵抗及び前記第二トランジスタにより形成された放電回路を介して放電することにより、前記光電子カプラーは、前記検出信号として異常検出信号を出力して、前記電源装置の動作を切断させて当該電源装置を保護する、ことを特徴とする請求項5に記載の入力電圧検出機能付の電源装置。
【請求項7】
前記ユニット接地点及び前記電源装置の接地点は、完全に遮断されている、ことを特徴とする請求項5に記載の入力電圧検出機能付の電源装置。
【請求項8】
入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法であって、
(a)交流電源の活線に電気的に接続される第一入力端、及び前記交流電源の接地線に電気的に接続される第二入力端を有する電源入力側を含む電源装置を提供し、
(b)前記第一入力端に電気的に接続される第一検出端、及び前記第二入力端に電気的に接続される第二検出端を有する入力検出ユニットを提供し、
(c)前記入力検出ユニットにより、前記活線または前記接地線に異常が発生したことまたは前記活線及び前記接地線に同時に異常が発生したことを検出した場合、前記入力検出ユニットは、検出信号を出力することで、前記電源装置の動作を切断させて当該電源装置を保護し、
前記入力検出ユニットと前記電源装置の1次側とは、完全に遮断されている、ことを特徴とする入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法。
【請求項9】
前記入力検出ユニットは、
双方向光電子カプラーと、
前記双方向光電子カプラーに電気的に接続されて、当該双方向光電子カプラーに流れる電流の大きさを制限する限流抵抗と、を含み、
前記限流抵抗と前記双方向光電子カプラーとは電気的に接続して直列分岐回路を形成し、当該直列分岐回路の両端が前記第一検出端及び前記第二検出端である、ことを特徴とする請求項8記載の入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法。
【請求項10】
前記交流電源から前記電源装置に正常に給電する場合、前記双方向光電子カプラーは、導通状態になって、前記検出信号として正常検出信号を持続的に出力し、
前記活線または前記接地線に異常が発生した場合、または、前記活線と前記接地線に同時に異常が発生した場合、前記双方向光電子カプラーは、遮断状態になって、前記正常検出信号の出力を停止することで、前記電源装置の動作を切断させて当該電源装置を保護する、ことを特徴とする請求項9に記載の入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法。
【請求項11】
前記入力検出ユニットと前記電源装置は、接地遮断されている、ことを特徴とする請求項9に記載の入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法。
【請求項12】
前記入力検出ユニットは、
第一整流入力端と、第二整流入力端と、第一整流出力端と、第二整流出力端とを備え、前記第一整流入力端が前記第一検出端であり、前記第二整流入力端が前記第二検出端である全波整流器と、
アノード及びカソードを有し、前記アノードが前記第一整流出力端に電気的に接続されるダイオードと、
第一端及び前記ダイオードの前記カソードに電気的に接続される第二端を有する第一抵抗と、
ソース端と、前記第一抵抗の前記第一端に電気的に接続されるドレイン端と、前記第一整流出力端と前記ダイオードの前記アノードとに電気的に接続されるゲート端とを有する第一トランジスタと、
アノード及びカソードを有する光電子カプラーと、
第一端及び前記光電子カプラーの前記カソードに電気的に接続される第二端を有する第二抵抗と、
ソース端と、前記第二抵抗の第一端に電気的に接続されるドレイン端と、前記第一トランジスタの前記ドレイン端と前記第一抵抗の前記第一端とに電気的に接続されるゲート端とを有する第二トランジスタと、
第一端及び第二端を有するキャパシタンスであって、前記キャパシタンスの前記第一端が前記光電子カプラーの前記アノードと前記ダイオードの前記カソードに電気的に接続され、前記キャパシタンスの前記第二端、前記第一トランジスタの前記ソース端、前記第二トランジスタの前記ソース端及び前記第二整流出力端が、ユニット接地点に接続されるキャパシタンスと、を含むことを特徴とする請求項8に記載の入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法。
【請求項13】
前記交流電源から前記電源装置に正常に給電する場合、前記交流電源は、全波整流器の全波整流操作を経由して整流電圧を出力し、この整流電圧により、前記第一トランジスタを導通し、前記キャパシタンスに充電することで、前記第二トランジスタ及び前記光電子カプラーが遮断状態になり、
前記活線または前記接地線に異常が発生した場合、または、前記活線と前記接地線に同時に異常が発生した場合、前記交流電源が前記全波整流器に電圧を出力しないことで、前記第一トランジスタが遮断状態になり、
前記キャパシタンスが、前記光電子カプラー、前記第二抵抗及び前記第二トランジスタにより構成された放電回路を介して放電することにより、前記光電子カプラーは、前記検出信号として異常検出信号を出力して、前記電源装置の動作を切断させて当該電源装置を保護する、ことを特徴とする請求項12に記載の入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法。
【請求項14】
前記ユニット接地点及び前記電源装置の接地点は、完全に遮断されている、ことを特徴とする請求項12に記載の入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源装置及びその動作方法に関し、特に、入力電圧検出機能付の電源装置及びその動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、科学技術の発展及び進歩に伴い、様々な機能を具備した電子商品が次々と開発され、これら電子商品は、ユーザーの様々な需要を満たすことだけではなく、日常生活の中に溶け込まれて、ユーザーにより便利な生活を提供している。これら電子商品は、各種の電子素子により構成されているが、各電子素子が必要な電源電圧は全部同じではないため、各電子素子に適切な電圧を提供してそれを正常に動作させるためには、電力供給器(power supply)によって、交流電源を適切な電圧に変換してから電子商品に提供する必要がある。
【0003】
なお、従来、交流電源から異常給電が発生して電源装置が電源変換を正確に行わず、さらに電源装置が破損されることを防止するために、電源装置の入力側に検出回路を設けている。
図1は、従来技術の電源装置の入力検出回路を示すブロック図である。
図1に示す電源装置は、外部交流電源V
Sにより給電され、交流検出回路10Aは、その電源装置の入力側に設置されて、前記外部交流電源V
Sの給電電圧が異常ではないかを直接検出する。
【0004】
図2は、従来技術の電源装置の入力検出回路による、検出が無効になった場合の回路ブロック図である。活線V
SLと接地線V
SNに同時に異常が発生した場合、交流検出回路10Aは電源装置の保護回路に信号を出力して、その電源装置を保護する。しかし、出力システム20Aの接地点と、電源装置及び交流検出回路10Aの接地点が共通接地しているため、外部交流電源V
Sの活線または接地線のいずれかに異常が発生した場合、前記外部交流電源V
Sが、交流検出回路10Aを経由して、出力システム20Aの接地点と分岐回路L
Sを形成する。このため、交流検出回路10Aは、外部交流電源V
Sの活線または接地線のいずれかの異常に対して検出が無効となって、電源装置の保護回路に信号を出力することができず、その電源装置に対する保護が無効となる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、本発明の解決しようとする課題は、交流電源の異常給電を検出するものとして、単独の接地点を持っていない入力検出ユニット、または電源装置の接地点と完全に遮断された接地点を持つ入力検出ユニットを提供して、電源装置の動作を切断する入力電圧検出システム及びその動作方法を設計することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、従来技術に存在する問題点及び上記課題を解決するために、入力電圧検出機能付の電源装置を提供している。本発明による入力電圧検出機能付の電源装置は、電源入力側と入力検出ユニットとを含んでいる。前記電源入力側は、交流電源の活線に電気的に接続される第一入力端、及び、前記交流電源の接地線に電気的に接続される第二入力端を有している。前記入力検出ユニットは、前記第一入力端に電気的に接続される第一検出端、及び、前記第二入力端に電気的に接続される第二検出端を有している。そのうち、前記入力検出ユニットは、前記活線または前記接地線に異常が発生したことまたは活線及び接地線に同時に異常が発生したことを検出した場合、検出信号を出力して、前記電源装置の動作を切断させ、当該電源装置を保護する。
また、前記入力検出ユニットと前記電源装置の1次側とは、完全に遮断されている。
【0007】
本発明は、従来技術に存在する問題点及び上記課題を解決するために、入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法を提供している。本発明による入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法は、(a)交流電源の活線に電気的に接続される第一入力端、及び前記交流電源の接地線に電気的に接続される第二入力端を有する電源入力側を含む電源装置を提供し、(b)前記第一入力端に電気的に接続される第一検出端及び前記第二入力端に電気的に接続される第二検出端を有する入力検出ユニットを提供し、(c)前記入力検出ユニットにより、前記活線または前記接地線に異常が発生したことまたは前記活線及び前記接地線に同時に異常が発生したことを検出した場合、前記入力検出ユニットは、検出信号を出力することで、前記電源装置の動作を切断させて当該電源装置を保護する。
前記入力検出ユニットと前記電源装置の1次側とは、完全に遮断されている。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明によれば、以下のような技術効果を奏する。
1.入力検出ユニットが単独に接地点を持っていないため、電源装置の接地点と完全に遮断されて、入力検出ユニットの検出操作の誤操作による、電源装置に対する保護の無効を防止することができる。または、入力検出ユニットのユニット接地点と電源装置の接地点が完全に遮断されて、入力検出ユニットの検出操作の誤操作による、電源装置に対する保護の無効を防止することができる。
2.入力検出ユニットにより、交流電源に異常給電が発生したことを検出した場合、双方向光電子カプラーが遮断状態になって、正常検出信号の出力を停止することで、電源装置の動作を切断する。または、入力検出ユニットにより、交流電源に異常給電が発生したことを検出した場合、光電子カプラーが導通状態になって、異常検出信号を出力することで、電源装置の動作を切断して当該電源装置を保護する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】従来の電源装置の入力検出回路の回路ブロック図である。
【
図2】従来の電源装置の入力検出回路の検出無効を示す回路ブロック図である。
【
図3】本発明による入力電圧検出機能付の電源装置の回路ブロック図である。
【
図4】本発明による電源装置の入力検出ユニットの第一実施形態を示す回路ブロック図である。
【
図5】本発明による電源装置の入力検出ユニットの第二実施形態を示す回路ブロック図である。
【
図6】本発明による入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法を説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の課題を解決するための手段、発明の効果をより深く理解するために、以下、本発明の実施形態において、図面を参照しながら本発明の技術特徴をより詳しく説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態、図面に示された構成に限定されない。
【0011】
以下、図面を参照ながら、本発明の実施形態を説明する。
まず、
図3は、本発明による入力電圧検出機能付の電源装置の回路ブロック図である。この入力電圧検出機能付の電源装置90は、電源入力側Si及び入力検出ユニット10を含んでいる。電源入力側Siには、第一入力端及び第二入力端が含まれ、本実施形態において、第一入力端は活線端Lであり、第二入力端は接地線端Nである。活線端L及び接地線端Nは、外部交流電源V
Sの活線V
SL及び接地線V
SNにそれぞれ電気的に接続されている。この電源装置90は、活線V
SL及び接地線V
SNを介して、外部交流電源V
Sから給電される。なお、電源装置90としては、特に限定されず、電力供給器(power supply)であってもよく、交流電源から給電される電源装置であればよい。
【0012】
入力検出ユニット10は、電源入力側Siの活線端Lと接地線端Nの間に電気的に接続され、すなわち、入力検出ユニット10は二つの検出端(図示せず)を有し、それぞれ第一検出端及び第二検出端であって、この第一検出端と第二検出端は、活線端Lと接地線端Nに対応して電気的に接続されている。交流電源V
Sから電源装置90に給電し、少なくとも活線V
SLまたは接地線V
SNに異常が発生した場合、入力検出ユニット10は、電源装置90を制御して、それの動作を無効にする。詳しくは、活線V
SLまたは接地線V
SNに異常が発生した場合、または、活線V
SLと接地線V
SNに同時に異常が発生した場合、入力検出ユニット10は検出信号を出力して、電源装置90の動作を切断させることで、この電源装置90を保護する。
なお、入力電圧検出システムの動作の説明については、後述する。
【0013】
次に、
図4は、本発明による電源装置の入力検出ユニットの第一実施形態を示す回路ブロック図である。本実施形態において、入力検出ユニット101は、双方向光電子カプラー(bi-directional optical coupler)1011及び限流抵抗(current-limiting resistor)1012を含んでいる。双方向光電子カプラー1011の一端は限流抵抗1012の一端に直列接続され、双方向光電子カプラー1011の他端は電源入力側Siの接地線端Nに接続され、限流抵抗1012の他端は電源入力側Siの活線端Lに接続されている。もちろん、これに限定されなく、例えば、双方向光電子カプラー1011の他端を電源入力側Siの活線端Lに接続し、限流抵抗1012の他端を電源入力側Siの接地線端Nに接続してもよい。これによっても、電源入力側Siの検出効果を同じく奏することができる。本実施形態において、入力検出ユニット101は単独の接地点を持ってないため、入力検出ユニット101を電源装置90の接地点と完全に遮断することができ、これにより、入力検出ユニット101と電源装置90とが共通接地されて、入力検出ユニット101の検出誤操作が発生して、保護を無効にすることを防止することができる。
【0014】
交流電源V
Sから電源装置90に正常に給電する場合、即ち、活線V
SL及び接地線V
SNがすべて正常である場合、交流電源V
Sの電圧は、活線端Lから入力検出ユニット101を経由して接地線端Nに流れ、または、接地線端Nから入力検出ユニット101を経由して活線端Lに流れるように、双方向光電子カプラー1011が導通状態になるため、双方向光電子カプラー1011により正常検出信号(図示せず)を持続的に出力する。電源装置90がこの正常検出信号を受信すると、交流電源V
Sから電源装置90に正常に給電すると判断することができて、電源装置90の正常動作を維持する。
【0015】
活線V
SLまたは接地線V
SNに異常が発生した場合、または、活線V
SLと接地線V
SNに同時に異常が発生した場合、交流電源V
Sから入力検出ユニット101への出力がなく、つまり、入力検出ユニット101には、交流電源V
Sからの電圧が流れず、双方向光電子カプラー1011は遮断状態になって、双方向光電子カプラー1011からの正常検出信号の出力を停止する。電源装置90が正常検出信号を受信することができないと、活線V
SLまたは接地線V
SNに異常が発生し、または、活線V
SLと接地線V
SNに同時に異常が発生したと判断することができて、電源装置90の保護手段(図示せず)を起動して、電源装置90の動作を切断することで、この電源装置90を保護する。ここで、双方向光電子カプラー1011に必要な電流が、ミリアンペア(mA)のレベルであるため、限流抵抗1012を通常キロオーム(K ohm)のレベルに設定して、双方向光電子カプラー1011へ流れる電流の大きさを制限する。
【0016】
次に、
図5は、本発明による電源装置の入力検出ユニットの第二実施形態を示す回路ブロック図である。本実施形態において、入力検出ユニット102は、全波整流器1021、ダイオード1022、第一抵抗1023、第一トランジスタ1024、キャパシタンス1025、光電子カプラー1026、第二抵抗1027及び第二トランジスタ1028を含んでいる。ダイオード1022のアノードは、全波整流器1021の第一出力端(第一整流出力端)に電気的に接続されている。第一トランジスタ1024のドレイン(drain)端は、第一抵抗1023の第一端(一端)に電気的に接続され、第一抵抗1023の第二端(他端)は、ダイオード1022のカソードに電気的に接続されている。第一トランジスタ1024のゲート(gate)端は抵抗を介して全波整流器1021の第一出力端及びダイオード1022のアノードに電気的に接続されている。第二トランジスタ1028のドレイン端は、第二抵抗1027の第一端(一端)に電気的に接続され、第二抵抗1027の第二端(他端)は、光電子カプラー1026のカソードに電気的に接続されている。第二トランジスタ1028のゲート端は、第一トランジスタ1024のドレイン端及び第一抵抗1023の第一端に電気的に接続されている。光電子カプラー1026のアノードはダイオード1022のカソード及びキャパシタンス1025の第一端(一端)に電気的に接続されている。キャパシタンス1025の第二端(他端)、第一トランジスタ1024のソース(source)端、第二トランジスタ1028のソース端及び全波整流器1021の第二出力端(第二整流出力端)は、ユニット接地点Gmに電気的に接続されている。ここで、入力検出ユニット102のユニット接地点Gmは、電源装置90の接地点と完全に遮断されている。なお、全波整流器1021の両入力端((第一整流入力端、第二整流入力端))は、電源入力側Siの活線端L及び接地端Nにそれぞれ電気的に接続されている。
【0017】
交流電源V
Sから電源装置90に正常に給電する場合、即ち、活線V
SL及び接地線V
SNがすべて正常である場合、交流電源V
Sは、全波整流器1021の全波整流操作を経由して、整流電圧を出力する。この整流電圧は、二つの分圧抵抗により分圧され、分圧された電圧により第一トランジスタ1024を導通させる一方、ダイオード1022を経由して、キャパシタンス1025に充電される。このとき、第二トランジスタ1028と光電子カプラー1026は、遮断状態になる。
【0018】
活線V
SLまたは接地線V
SNに異常が発生した場合、または、活線V
SLと接地線V
SNに同時に異常が発生した場合、交流電源V
Sは、全波整流器1021に対し電圧を出力しない。このため、全波整流器1021への出力電圧がない場合、第一トランジスタ1024は遮断状態になる。このとき、キャパシタンス1025は、光電子カプラー1026、第二抵抗1027及び第二トランジスタ1028により形成された放電回路を介して放電する。従って、光電子カプラー1026は、電源装置90の保護手段(図示ぜす)に異常検出信号(図示ぜす)を出力することにより、電源装置90の動作が切断され、当該電源装置90が保護される。
【0019】
次に、
図6は、本発明による入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法を説明するフロー図である。この入力電圧検出機能付の電源装置の動作方法は、以下のステップを有している。
【0020】
まず、電源入力側を含む電源装置を提供する(S10)。ここで、電源入力側は、第一入力端及び第二入力端を有し、この第一入力端及び第二入力端は、交流電源の活線及び接地線にそれぞれ対応して電気的に接続される。本実施形態において、第一入力端は活線端であり、第二入力端は接地線端である。電源装置は、活線及び接地線を介して、外部交流電源から給電される。なお、電源装置は、電力供給器(power supply)であってもよいが、これに限定されない。
【0021】
そして、入力検出ユニットを提供する(S20)。この入力検出ユニットは、電源入力側の活線端と接地線端との間に電気的に接続され、詳しくは、この入力検出ユニットは二つの検出端を有し、それぞれが、第一検出端及び第二検出端であり、この第一検出端及び第二検出端は、活線及び接地線にそれぞれ対応して電気的に接続される。
【0022】
最後に、入力検出ユニットにより、活線または接地線に異常が発生したこと、または、活線及び接地線に同時に異常が発生したことを検出した場合、入力検出ユニットは検出信号を出力し、これにより、電源装置の動作は切断されて当該電源装置が保護される(S30)。
【0023】
ここで、入力検出ユニットに対し、以下のような二つの実施形態が考えられる。
1.入力検出ユニットは、双方向光電子カプラー及び限流抵抗を含む。双方向光電子カプラーの一端は限流抵抗の一端に直列接続され、双方向光電子カプラーの他端は電源入力側の接地線端に接続され、限流抵抗の他端は電源入力側の活線端に接続される。もちろん、これに限定されなく、例えば、双方向光電子カプラーの他端を電源入力側の活線端に接続し、限流抵抗の他端を電源入力側の接地線端に接続してもよい。これによっても、電源入力側の検出効果を同じく奏することができる。本実施形態において、入力検出ユニットは単独の接地点を持ってないため、入力検出ユニットを電源装置の接地点と完全に遮断することができ、これにより、入力検出ユニットと電源装置とが共通接地されて、入力検出ユニットの検出誤操作が発生し、保護を無効にするということを防止することができる。
【0024】
交流電源から電源装置に正常に給電する場合、即ち、活線及び接地線がすべて正常である場合、交流電源の電圧は、活線端から入力検出ユニットを経由して接地線端に流れ、または、接地線端から入力検出ユニット101を経由して活線端に流れるように、双方向光電子カプラーが導通状態になるため、双方向光電子カプラーにより正常検出信号を持続的に出力する。電源装置がこの正常検出信号を受信すると、交流電源から電源装置に正常に給電すると判断することができる。従って、電源装置の正常動作を維持する。
【0025】
活線または接地線に異常が発生した場合、または、活線と接地線に同時に異常が発生した場合、交流電源から入力検出ユニットへの出力がなく、つまり、入力検出ユニットには、交流電源からの電圧が流れず、双方向光電子カプラーは遮断状態になって、双方向光電子カプラーからの正常検出信号の出力を停止する。電源装置が正常検出信号を受信していない場合は、活線または接地線に異常が発生した、または、活線と接地線に同時に異常が発生したと判断することができる。従って、電源装置の保護手段を起動して、電源装置の動作を切断することで、この電源装置を保護する。
【0026】
2.入力検出ユニットは、全波整流器、ダイオード、第一抵抗、第一トランジスタ、キャパシタンス、光電子カプラー、第二抵抗及び第二トランジスタを含む。ダイオードのアノードは、全波整流器の第一出力端(第一整流出力端)に電気的に接続される。第一トランジスタのドレイン端は、第一抵抗の第一端(一端)に電気的に接続され、第一抵抗の第二端(他端)は、ダイオードのカソードに電気的に接続される。第一トランジスタのゲート端は抵抗を介して全波整流器の第一出力端及びダイオードのアノードに電気的に接続される。第二トランジスタのドレイン端は、第二抵抗の第一端(一端)に電気的に接続され、第二抵抗の第二端(他端)は、光電子カプラーのカソードに電気的に接続される。第二トランジスタのゲート端は、第一トランジスタのドレイン端及び第一抵抗の第一端に電気的に接続される。光電子カプラーのアノードはダイオードのカソード及びキャパシタンスの第一端(一端)に電気的に接続される。キャパシタンスの第二端(他端)、第一トランジスタのソース端、第二トランジスタのソース端及び全波整流器の第二出力端(第二整流出力端)は、ユニット接地点に電気的に接続される。ここで、入力検出ユニットのユニット接地点は、電源装置の接地点と完全に遮断される。なお、全波整流器の両入力端(第一整流入力端、第二整流入力端)は、電源入力側の活線端及び接地端にそれぞれ電気的に接続される。
【0027】
交流電源から電源装置に正常に給電する場合、即ち、活線及び接地線がすべて正常である場合、交流電源は、全波整流器の全波整流操作を経由して、整流電圧を出力する。この整流電圧は、二つの分圧抵抗により分圧され、分圧された電圧により第一トランジスタを導通させ、一方、整流電圧は、ダイオードを経由してキャパシタンスに充電する。このとき、第二トランジスタ及び光電子カプラーは遮断状態になる。
【0028】
活線または接地線に異常が発生した場合、または、活線と接地線に同時に異常が発生した場合、交流電源から全波整流器への出力がない。このため、全波整流器に出力電圧がない場合、第一トランジスタは遮断状態になる。このとき、キャパシタンスは、光電子カプラー、第二抵抗及び第二トランジスタにより形成された放電回路を介して放電する。これにより、光電子カプラーは、電源装置の保護手段に異常検出信号を出力する。従って、電源装置の動作を切断させて、当該電源装置を保護する。
【0029】
以上の説明によれば、本発明は、以下のような技術効果を奏する。
1.入力検出ユニット101が単独の接地点を持っていないため、電源装置90の接地点と完全に遮断されて、入力検出ユニット101の検出操作の誤操作による、電源装置90に対する保護の無効を防止することができる。
または、入力検出ユニット102のユニット接地点Gmと電源装置90の接地点が完全に遮断されて、入力検出ユニット102の検出操作の誤操作による、電源装置に対する保護の無効を防止することができる。
2.入力検出ユニット101により、交流電源V
Sに異常給電が発生したことを検出した場合、双方向光電子カプラー1011が遮断状態になって、正常検出信号の出力を停止する。これにより、電源装置の動作が切断される。
または、入力検出ユニット102により、交流電源V
Sに異常給電が発生したことを検出した場合、光電子カプラー1026が導通状態になって、異常検出信号を出力する。これにより、電源装置90の動作が切断されて、電源装置90が保護される。
【0030】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる形態例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても、本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0031】
90 電源装置 10、101、102 入力検出ユニット
1011 双方向光電子カプラー 1012 限流抵抗
1021 全波整流器 1022 ダイオード
1023 第一抵抗 1024 第一トランジスタ
1025 キャパシタンス 1026 光電子カプラー
1027 第二抵抗 1028 第二トランジスタ
V
S 外部交流電源 V
SL 活線
V
SN 接地線 Si 電源入力側
L 活線端 Gm ユニット接地点
N 接地線端