特許第5905573号(P5905573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5905573
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】ロボットアンスクランブラ及び方法
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/244 20060101AFI20160407BHJP
【FI】
   B65G47/244
【請求項の数】6
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-517013(P2014-517013)
(86)(22)【出願日】2012年6月12日
(65)【公表番号】特表2014-523838(P2014-523838A)
(43)【公表日】2014年9月18日
(86)【国際出願番号】US2012042018
(87)【国際公開番号】WO2013003024
(87)【国際公開日】20130103
【審査請求日】2013年12月24日
(31)【優先権主張番号】61/501,366
(32)【優先日】2011年6月27日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/491,735
(32)【優先日】2012年6月8日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100137523
【弁理士】
【氏名又は名称】出口 智也
(74)【代理人】
【識別番号】100152423
【弁理士】
【氏名又は名称】小島 一真
(74)【代理人】
【識別番号】100150717
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 和也
(72)【発明者】
【氏名】マーク、リチャード、ブルジョア
(72)【発明者】
【氏名】ロジャー、フィリップ、ウィリアムス
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー、カイル、ワーナー
(72)【発明者】
【氏名】クニエ、コルブ
【審査官】 大谷 光司
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−298334(JP,A)
【文献】 特開昭53−140778(JP,A)
【文献】 特開平08−073029(JP,A)
【文献】 特開平06−255758(JP,A)
【文献】 特開2009−234672(JP,A)
【文献】 米国特許第2642212(US,A)
【文献】 米国特許第6293387(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G47/22−47/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の搬入される物品を安定した搬送可能な向きに再配置するためのロボットアンスクランブラであって、前記アンスクランブラは、
(a)前記搬入される物品を少なくとも1つのピッカーの作動領域内に運搬するように第1の移動方向に移動する第1の搬送装置と、
(b)前記第1の搬送装置に隣接して直立させる装置であって、前記直立させる装置は、移動方向に移動する対応する第2の搬送装置に沿って旋回可能に配置される複数のガイドを含み、前記第2の搬送装置は、2つの対向する前記ガイドの対が旋回可能に接続される2つの運搬装置ベルトを含み、前記ピッカーは前記物品を前記第1の搬送装置から取り除き、前記物品を前記直立させる装置の前記ガイドの物品支持面上に置くように構成され、2つの前記ガイドは、同期する対になってそれぞれの前記物品支持面の直立位置に向かって上向きにかつ角度をなすように旋回して対向する前記物品支持面の間に保持領域を形成し、前記物品を直立させて安定した搬送可能な向きに置く、直立させる装置と、含むことを特徴とする、ロボットアンスクランブラ。
【請求項2】
ピッカーが物品を配置する前記物品支持面は表面の輪郭を有し、前記表面の輪郭は凹曲率である、請求項1に記載のロボットアンスクランブラ。
【請求項3】
前記直立させる装置は、チャネル部分に導き、出口部分で終端する入口部分を含む方向付け装置を含み、
前記物品支持面がそれぞれその上に物品が配置されることを円滑にする初期の物品配置位置からその次の物品搬送位置まで前記ガイドがそれぞれ動くように、前記第2の搬送装置が移動経路に沿って前記ガイドを搬送するとき、前記入口部分は直立させる機構を支持し、
前記チャネル部分は、前記第2の搬送装置が前記ガイドを運搬するとき、チャネル経路に沿って前記物品搬送位置で前記ガイドを保持し、
前記ガイドをそれぞれ前記初期の物品配置位置に向かって戻すのを円滑にするために、前記出口部分は、前記移動経路に沿って前記ガイドを運搬する、請求項1または2に記載のロボットアンスクランブラ。
【請求項4】
前記方向付け装置は、少なくとも1つのガイドレール、少なくとも1つのエアリフト機構、少なくとも1つの電磁気機構、及び少なくとも1つのサーボ機構からなる群から選択される、請求項3に記載のロボットアンスクランブラ。
【請求項5】
前記方向付け装置は少なくとも1つのガイドレールを含み、
前記少なくとも1つのガイドレールは前記入口部分及び前記出口部分の少なくとも1つを含み、
前記入口部分及び前記出口部分の少なくとも一方は湾曲した部材である、請求項3に記載のロボットアンスクランブラ。
【請求項6】
複数のランダムに配置された物品を安定した搬送可能な向きに再配置する方法であって、
a)搬送装置及び少なくとも1つのピッカーを提供する工程であって、前記搬送装置が、前記少なくとも1つのピッカーの作業領域内に前記物品を運搬するように第1の移動方向に移動する工程と、
b)前記物品を直立させるために旋回可能に接続された複数のガイドを有する第2の搬送装置を含む、直立させる装置を提供する工程であって、前記第2の搬送装置は、2つの対向する前記ガイドの対が旋回可能に接続される2つの運搬装置ベルトを含む、工程と、
c)前記少なくとも1つのピッカーを用いて前記物品を前記搬送装置から取り除き、前記物品を前記ガイドのうちの1つの物品支持面上に置く工程と、
d)同期する対になってそれぞれの前記物品支持面の直立位置に向かって上向きにかつ角度をなすように旋回して対向する前記物品支持面の間に保持領域を形成し、前記物品を直立させて安定した搬送可能な向きに置き、これにより、前記直立させる装置の2つのガイドに前記物品を直立させる工程と、を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、生産ラインに沿って、物品、製品、コンテナ、キャニスター、デバイス及びその他の物体を再配置し運搬するロボットアンスクランブラ及び方法を目的とする。特に、本開示は、搬入される物品を取り、物品を生産ラインに所望の搬送可能な向きに置くロボットアンスクランブラ及び方法を目的とする。
【背景技術】
【0002】
商業用製造設備では、様々なロボットアンスクランブラが、物体(本明細書では一般に「物品」又は集合的に「物品」として参照する、1つ以上の空のコンテナ又はキャニスター、並びに組立用の1つ以上の物品及びデバイスが挙げられるが、これらに限定されない)の運搬に使用される。初期の容器(例えば、ホッパー)は、搬送装置(例えば、コンベヤベルト)に沿ってそのような物品を送り出し、その搬送装置の上に物品が様々なランダムな向きにスクランブルされる。物品は、固定位置に配置されるロボットピッキング装置「(ピッカー」)のそばを通る。ピッカーは、そのような物品を初期の物品ピッキング位置からアンスクランブルして、物品を物品移送位置に向きを変えて、各物品が生産設備内で更に搬送されるように適切に位置決めするタスクを託される。ピッカーは1つ以上の市販のロボットピッカーから選ばれる。
【0003】
初期の物品ピッキング位置から物品移送位置に物品を配置するピッカーは、可動エンドエフェクタがグリッパーに接続されるロボットアームを典型的には含む。プログラム可能なコントローラは、ロボットアーム及びグリッパーを物品へ動かし、グリッパーを制御することにより物品を拾い上げ、拾い上げた物品を物品移送位置から動かすようにロボットアームを動かし、グリッパーを制御することにより物品を解放する(例えば、更なる加工のために物品をパック内で直立した状態に置くこと、走行ベルト、真空コンベヤ、ネックコンベヤ、又は他の搬送装置上で搬送するために物品を搬送可能な向きに置くこと、又は代わりに、類似の物品と共に容器に物品を置き、例えば、物品を識別するバーコードを物品及び/又はパレットに付けるために類似の物品をパレットに置くなどの更なる加工に先立って類似の物品のグループ分けを実施すること)。グリッパーは、標的の物品を拾い上げると、最終的な解放のために物品を少なくとも1つの物品移送位置に動かす。
【0004】
物品が同等のサイズ及び幾何学形状であると仮定すると、カメラを備えたロボットアームは、物品ピッキングの現在位置を検出し、物品を拾い上げ、次に、搬送及び更なる加工のために安定した搬送可能な向きに置くことができる。ロボットは典型的には一度に1つの部品のみ、及び同様に形成された物品に関してのみ、方向付けできるので、高い処理能力が必要な場合、このアプローチは高価になり得る。物品が変わると、それによって物品形状が変わり、異なる形状の物品が運搬できるように部品の切り替えを用意するための生産ライン上の中断時間がある。更に、物品の幾何学形状、輪郭、材料組成物、又は製造手段の変更は、物品を初期の物品ピッキング位置から搬送及び更なる加工に適切なその次の安定した向きに転置するために、ロボットアームが掴む試みを繰り返し行わなくてはならない場合が多い。したがって、同じ設計を有する物品が、物品の組成物及び外観の分散に適するピッカー形状を含むように生産ラインのカスタマイゼーションを必要とする異なる方法(射出成形、ブロー成形、押出成形、及び他の成形加工方法が挙げられるが、これらに限定されない)で製造されてきた可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、改善されたアンスクランブラが引き続き求められてきた。物品の様々なサイズ、幾何学形状、輪郭、設計、テクスチャ、材料組成物、製造手段、及び美学特徴の互換に適応するロボットアンスクランブラは、したがって、生産ラインで利点を提供するであろう。そのようなアンスクランブラは、物品の対称性(又は対称性に欠ける)に関係なく、及び任意の稼働時間中にランダムな向きに配置された物品の数に関係なく、任意の物品形状を有する物品の安定した搬送可能な向きを確実にするべきである。適切に方向付けられた物品が遅滞なく更なる加工のために容易に運ばれるように、及びそのような物品のための運搬機構が間断なく搬送用の新しい物品を継続的に受け取るように、搬送可能な向きが理想的に保持される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
開示するロボットアンスクランブラの態様によって、ロボットアンスクランブラは、複数の物品を安定した搬送可能な向きに再配置する。ロボットアンスクランブラは、第1の移動方向に移動する搬送装置(例えば、コンベヤベルト)を含む。搬送装置は、少なくとも1つのピッカーの作動領域内に物品を運搬する。一連のガイドは、第1の移動方向、又は第2の移動方向に移動してもよい、第2の搬送装置(例えば、1つ以上の運搬装置)に沿って旋回可能に配置され得る。第2の移動方向は、第1の移動方向と反対の方向又は直交の方向が挙げられるが、これらに限定されない任意の好適な向きであってもよい。ガイドはそれぞれガイド支持面を含み、それに沿ってガイドはそれぞれ作動領域を通って運ばれる間、支持される。ガイドはそれぞれ、対向する物品支持面を更に含み、ガイドが初期の物品配置位置にあるとき、その上にピッカーは物品を置く。ガイドは旋回可能な接続で運搬装置に接合され得る。ガイドの物品支持面は、様々な形状を備えた多種多様の異なる物品に適応することができる表面の輪郭を有してもよい。
【0007】
作動中に、ガイドはそれぞれ、初期の物品配置位置(物品支持面がそれぞれその上に物品の配置を受け取る)から、その次の物品搬送位置に動かされる(対向するガイドがある特定の実施形態では、物品支持面がそれぞれ、対向する物品支持面に接近してそれによって物品保持領域を形成するように、ガイドはそれぞれ旋回される)。他の実施形態では、レール又はベルト等の、異なるタイプの対向する物品を支持する機構又は要素に向かって旋回される単一のガイドの集合があってもよい。本明細書で使用するとき、用語「物品を支持する機構」は、対向するガイド(単数又は複数)、並びにレール及びベルトを含むが、これらに限定されない。ガイドが更なる物品を受け取るために物品ピッキング領域に戻ることができるように、第2の搬送装置は、ガイドがそれぞれ初期の物品配置位置に向かって戻るのを容易にする。ガイドの物品搬送位置は、物品がそれぞれ、生産ラインの1つ以上の処置ステーションで同時処理又は更に処理されるために、その安定した搬送可能な向きを保持することを確実にする。
【0008】
複数の物品を安定した搬送可能な向きに再配置する方法も開示される。本方法は、以下の工程を含む:
a)搬送装置は少なくとも1つのピッカーの作動領域内に物品を運搬するように第1の移動方向に移動する、搬送装置及び少なくとも1つのピッカーを提供する工程、
b)物品を直立させるために、複数のガイドを含む直立させる装置を提供する工程、
c)少なくとも1つのピッカーを用いて物品を搬送装置から取り除き、物品を直立させる装置のガイドのうちの1つの上に置く工程、及び
d)直立させる装置のガイドに物品を直立させる工程。
【0009】
様々な他の態様、利点、及び特徴は、次の発明を実施するための形態から直ちに明らかとなり、新規な特徴は、添付特許請求の範囲で特に指摘されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
本開示の様々な実施形態がこれより詳細に説明され、添付図面と一緒に解釈されるべきである。
図1】例示的なロボットアンスクランブラの頂面斜視図である。
図2】例示的なロボットアンスクランブラの後部斜視図である。
図3図1及び2のロボットアンスクランブラの方向付け領域で作動する方向付け装置の前部斜視図である。
図4図1及び2のロボットアンスクランブラによって利用される個々のガイドの頂面斜視図である。
図5】例示的な物品を保持している図4に示す1対のガイドの頂面図である。
図6図3の方向付け装置の出口部分に沿って運ばれる一連のガイド及び物品の頂面斜視図である。
図7】搬送可能な向きで、例示的な物品と一緒に図6の一連のガイドの後部斜視図を示す。
図8】単一のガイドの集合がレールに向かって旋回される他の実施形態の後部斜視図である。
図9図8のレールの代わりに使用することができる形状加工されたベルトの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図を参照して、同様の番号は同様の要素を示し、図1及び2は、ロボットアンスクランブラ10の1つの非限定的な実施形態を示す。アンスクランブラ10は、フレーム12、1つ以上のピッキング領域16、第1の搬送装置(例えば、コンベヤベルト)18、及び1つ以上のロボットピッカー20を含む。コンベヤベルト18は、矢印Aで示された移動方向にピッキング領域16を通過する。この実施形態では、コンベヤベルト18は、物品が1つ以上のロボットピッカー20の作動領域17を通るようにスクランブル化したランダムな向きに多数の物品を運搬する。他の実施形態では、物品はランダムな向きである必要はない。例えば、物品は、トレーの中で部分的に整然とした様式で配置され得る。本明細書で使用する場合、用語「アンスクランブル」は、ランダム、又はある程度整然とした様式のどちらかに配置された物品を安定した、搬送可能な向きに置くことを含むことを意図する。
【0012】
フレーム12は単一フレーム、又は合体させて1つ以上のピッキング領域16を画定する1つ以上のフレーム部分14を含むモジュール式のフレームを含むことができる。任意の数のフレーム部分14が、容器(図示せず)から受け取った多数の物品の向きに適応するように、ピッキング領域16に十分なパラメーターを提供するように直列で用いられてもよい。フレーム部分14はそれぞれ、1つ以上のピッカー20を支持する。モジュール式のフレーム12のモジュールの特性は、様々な生産設備の範囲内でロボットアンスクランブラ10のカスタマイゼーションを可能にし、更に、単一設備内で加工される物品の量及びタイプの点から見て、その設備の範囲内でのカスタマイゼーションを可能にする。
【0013】
物品が受け取られる容器は、1つ以上のホッパーであってもよいが、ホッパーは、ロボットアンスクランブラでの使用に適する単一のタイプの容器ではないことが理解される。ロボットアンスクランブラは、トレー、ケース、パレット、木枠、及び、生産ラインでの使用で知られている他の物品保管及び配送手段が挙げられるが、これらには限定されない様々な容器と共に使用することができる。
【0014】
第1の搬送装置(例えば、コンベヤベルト)18は、当該技術分野において周知の任意の好適なタイプの搬送装置であり得る。好適な装置としては、コンベヤベルト、及び第2の搬送装置として使用するのに適しているとして以下で説明する装置のタイプのうちのいずれかが挙げられるが、これらに限定されない。搬送装置18の表面は滑らかであり得、あるいは、表面に物品が保持されるのを助長するために、輪郭がある、又はテクスチャが付けられてもよい。
【0015】
ピッカー20は、市販のDeltaロボット(例えば、ABB,Inc.(Cary,NC,USA)から入手可能)が示されているが、同等で相補的なロボットピッキング装置がロボットアンスクランブラ10で利用できると考えられる。好適なタイプのピッカー20としては、並列の運動学ロボット、スパイダー又はDeltaロボット、6軸ロボット、SCARAロボット、及び独立して作動可能な自動アームが含まれるが、これらに限定されない。1つ以上のピッカー20の選択はロボットの構成に限定されず、代替のピッカーの構成がアンスクランブラと共に使用するために修正可能である。更に、2つ以上のタイプのロボットの構成が、生産ラインでロボットアンスクランブラと共に使用されてもよい。
【0016】
ピッカー20はコンベヤベルト18の上方に取り付けられ、物品の位置、幾何学形状、及び向きに関して情報を収集しピッカーに伝播する1つ以上のカメラを含んでもよい視覚システム24と通信する。その結果、次のピッカーのそれぞれの新たな作業領域の始めに先立って、コンベヤベルト18上にまだある物品の初期のピッキング位置が分かる。したがって、ピッカーの遊んでいる動き、又は非生産的な動きが回避される。物品の不完全なピッキングという結果となるそれぞれの物品に対する遊んでいるピッキング作動、又は非生産的なピッキング作動、及びそのような欠陥を補うための続いて起こる機械的工程も回避される。
【0017】
ピッカー20はそれぞれ、個々の物品をコンベヤベルト18から個々のガイド28上に置き換えるために、少なくとも1つのピッカーのロボットアーム26の動き用の制御及び駆動手段を含む。ロボットアーム26は、ロボットアームの自由な範囲に配置されるグリッパーを有し得、グリッパーは物品をピッキングし置くためのピックアップ機構を含む。プログラム可能なコントローラは、容器(例えば、ホッパー)及びコンベアーを制御してもよく、ピッカーに、ロボットアーム26をランダムな向きの状態である物品まで動かす、グリッパーを制御することにより物品を拾い上げる、ロボットアームを動かして拾い上げた物品を少なくとも1つの物品配置位置に向かせる、及びグリッパーを制御することにより物品を解放する(例えば、以下で詳細に説明するように、物品をガイド28上に置く)ように制御してもよい。グリッパーは、拾い上げられ置かれる物品の特性次第で、例えば、磁気装置、真空又は吸収装置、機械的装置、又は他の既知の装置等の当業者に周知の多種多様なツールのうちの1つであってもよい。好適な1つのグリッパーは、2011年2月11日出願の米国特許出願第13/025,185号で説明される。グリッパーが真空又は吸収装置を含んでいる場合、ロボットアーム26は、プログラム可能なコントローラの制御下で水平面内で画定される位置まで動かされ、その位置に配置される物品の上まで下げられる。次に、グリッパーが作動しその個々の物品を拾い上げる。グリッパーは拾い上げた物品を適切なガイド28の上まで下げてもよく、それによって、ガイド28に関して物品の所望の正しい向きを提供する。
【0018】
アンスクランブラ10は、同様を二工程の方法で物品を扱うことによって物品の処理能力を改善する可能性がある。第1の工程で、物品はコンベヤベルト18から拾い上げられ、ガイド28のうちの1つの面上に置かれる。第2の工程で、第2の搬送装置が物品及びガイド28を運び、ガイド28が物品を直立させる。これは、ピッカー20に、物品を拾い上げる、物品を方向付ける、及び物品を直立させる、の3つの機能全てを行なうように要求するより、ピッカーのより効率的な使用を提供すると考えられる。
【0019】
ピッキング領域16の始まりの上流に、視覚システム、及び/又はコンベヤベルト18上に個々の物品用のカウンターを設けることによって、事前設定の稼働時間中に確立した生産割り当て数を満たすための所定の数に達しているとして個々の物品の数が検出されるたびに、容器から空の物品が解放されることを可能にし、それをピッキング領域16へと進ませる。カウンターは、物品がカメラの視野内を通過する際に、コンベヤベルト18上にある個々の物品のそれぞれの位置(物品の回転位置と共に)を記録するピッカー20と作動的に関連した少なくとも1台のカメラ24を利用してもよい。記録情報はプログラム可能なコントローラに格納され、コンベヤベルト18の走行速度に比例して更なる加工及び計算にかけられる。
【0020】
第2の搬送装置は、第1の搬送装置、コンベヤベルト18に「隣接」していると説明されてもよい。本明細書で使用する場合、用語「隣接」は、2つの搬送装置が接触している、又は第1の搬送装置と第2の搬送装置との間に何もないことは必要としない。装置は、ピッカーが第1の搬送装置18から物品を拾うことができ、それらを第2の搬送装置のガイド28の上に置けるほど十分に接近しているだけでよい。
【0021】
次に、第2の搬送装置及びガイド28の非限定的な一実施形態をより詳細に説明する。図3、4及び5を更に参照して、一連の運搬装置30が対応する移動可能な運搬装置ベルト32に沿って配置され、それによって対向するガイド28の対が運ばれる。ガイド28は、クラムシェル形状のネストの形態を含む、任意の好適な形式であってもよい。ガイド28はそれぞれ、運搬装置ベルト32に関して機械横方向に伸長してもよく、対応する運搬装置30によって旋回可能に支持可能であってもよい。図4に示すように、ガイド28はそれぞれ、ガイド支持面28aを含み、それに沿ってガイド28はそれぞれ、ピッキング領域16を通って及び同領域からの運搬中に支持され、並びに、対向する物品支持(又は「座部」)面28bを含み、それに沿ってガイドが初期の開いた物品配置位置にあるとき、ピッカー20が物品を配置する。図4に示すように、物品支持面28bは物品によらない輪郭を備え、それによって多種多様の物品の安定した支持を確実にする。物品支持面28bは、示すように、その上に置かれた物品を中心に置く一般に放射状の湾曲を備え付けてもよく、それによってガイド28を更にカスタマイゼーションすることなく様々な物品の形状に適応する。物品支持面28bは、一般に凸面の形状を有してもよい。物品支持面28bは、更に1つ以上の面の輪郭、例えば、図4に示す隆起部28c、及び/又は、摩擦して物品と係合する1つ以上の面要素(例えば、テクスチャのある要素又は「マーク」)を組み入れてもよい。面の輪郭としては、複数の隆起部及びスプラインの組み合わせで、直線、角ばった形、又は曲線であってもよいものが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、面の輪郭は、実質的に互いに平行で、ガイド28の頂面範囲28d及び底面範囲28eに実質的に垂直から垂直であってもよい。特定の実施形態では、面の輪郭の低点は、物品支持面28bの側面28fに関して同物品支持面のほぼ中央領域に位置する。物品支持面28bの面の輪郭を画定する曲率の分散は、ガイドの開位置の間、及び以下で詳細に説明するガイドの角度のある動きからその次の直立位置の全体にわたって、物品が中心に置かれることを確実にする有利な機能をガイド28に与える。特定のネストを形成する対のガイド28の物品支持面28bの形状は、同じであってもよく、又は異なってもよい。少なくとも1つの態様では、ガイド28は、事前定義の曲率で輪郭のある面を含み、少なくとも1つの事前定義のマークは、前記ガイド28の少なくとも前記物品支持面28bと一体化する。
【0022】
更に図4及び5、追加的に図6及び7を参照して、ガイド支持面28a及び物品支持面28bはそれぞれ、ピッカー20が対応する物品支持面28bに物品を拾い上げ置くとき、隣接に物品の上方部分が配置される頂面範囲28d、及び隣接に物品の底部分が配置される底面範囲28eと同一の広がりを有する。物品の「頂面」及び「底面」は、物品の位置決めに関連し、物品がどのようにディスプレイに現われるかである。しかしながら、物品の「頂面」及び「底面」は、物品がディスプレイにどのように現われるかに関係なく、対応するガイド28に配置され次第、反転した物品の部分、又は角度のある回転を受けた物品の部分を言及してもよい。ガイド28に配置されるのに適するタイプの物品を、1つ以上のコンテナ29として、図5、6及び7に示す。コンテナ29は、ロボットアンスクランブラ10によって搬送可能な向きに運ばれ送り出されてもよい多くの種類の物品(製品、コンテナ、キャニスター、デバイス及びその他の物体が挙げられるが、これらに限定されない)のうちの一例である。
【0023】
図4に示すように、ガイド28の底面範囲28eは、物品が物品支持面28bに配置された状態でガイド28が初期の開いた物品配置位置にあるとき、物品の底面に隣接することになる格納式ゲート31を含んでもよい。ガイド支持面28aはそれぞれ、ガイド28が一般に水平の位置と一般に垂直の位置との間で角度のある動きが可能で、その角度のある経路に沿って、任意の位置が初期の物品配置位置、及びその次の物品搬送位置を画定することができるように、ガイド28のそれぞれと対応する運搬装置30との間で旋回可能な連通を確立する継手要素(例えば、ピン、ボルト、又は他のファスナー33)を含んでもよい。図5に示すように、ガイド28が物品搬送位置に向かって上方に旋回する間、又は旋回した後、物品がガイド28から妨げられず、しかも制御された解放ができるように、ゲート31は引込んでもよい。物品支持面28bは、物品29が中心に置かれるのを保持し、搬送可能な物品配置位置に物品が配置されるのを確実にする。図7に示すように、ガイド28が初期の配置位置に戻るとき、ガイド28に更なる物品を受け取る態勢にするためにゲート31は初期の位置に戻る。
【0024】
ガイド28はそれぞれ、ガイドに接合される直立させる機構34(図4、5及び6に示す)を有してもよい。「接合した」という用語は、ある要素を他の要素に直接固着することによって要素を別の要素に直接固定する構成、ある要素を中間部材(類)に固着し次にその中間部材を他の要素に固着することによってある要素を他の要素に間接的に固定する構成、及び、ある要素が別の要素と一体化する構成、即ちある要素が他の要素の本質的な一部分である構成、を包含する。「接合した」という用語は、要素の1つの面全体にわたり要素が完全に別の要素に固定されている構成に加え、要素が別の要素の選択された位置に固定されている構成を包含する。示す実施形態では、直立させる機構34は、頂面範囲28dに隣接するガイド支持面28aに接合される。直立させる機構34は、以下で詳細に説明する、対応する凹部と係合するためにそこから突き出るガイドポスト34a(図4に示す)を含んでもよい。
【0025】
ピッキング領域16内で、運搬装置ベルト32は、矢印B(図1及び3に示す)で示された移動方向に開いたガイド及びその上に置かれた物品を運搬する。運搬装置ベルト32は単一の搬送装置であってもよく、それにガイド28が旋回可能に接続される。代替では、運搬装置ベルトは1対の運搬装置ベルトを含んでもよく、そのそれぞれに沿って、一連のガイド28が旋回可能に配置される。すなわち、後者の形状では、対のガイド28の半分のガイド28は、実質的に協同して作動する個別の運搬装置ベルトに配置されてもよく、コンテナ29のまわりでクラムシェル形状を形成する。後者の形状では、運搬装置ベルトがその間に配置されたアウトフィードコンベヤ40と対応する動きで提供されてもよい。後者の形状では、1つ以上のパック(図示せず)がガイドに配置された物品と対応してアウトフィードコンベヤ40に沿って配置されてもよい。本明細書で使用する場合、用語「パック」は、物品の基部用のカップ形状のガイドを指す。
【0026】
矢印Bの運搬装置ベルト32及びアウトフィードコンベヤ40の移動方向は、矢印Aの方向のコンベヤベルト18の移動方向と同じ方向に示されるが、運搬装置ベルト32及びアウトフィードコンベヤ40は、コンベヤベルト18の移動方向に関して同じ方向、反対方向、直交方向、又は任意の好適な方向に動いてもよいことが理解される。視覚システム24の位置は、コンベヤベルト18の移動方向に関してピッキング領域16の上流である。したがって、コンベヤベルト18が示している方向の反対方向に動く場合、視覚システム24は、ピッキング領域16の反対端部に位置する。代替搬送手段が、運搬装置ベルト32及びアウトフィードコンベヤ40のうちの1つ、又は両方のために想到され、走行ベルト、チェーンコンベヤ、真空コンベヤ、レール、パック、移動ベルト上に配置されたパック、及び当該技術分野において既知の他の搬送手段が挙げられるが、これらには限定されない。
【0027】
ガイド28の初期の実質的に水平な開いた物品配置位置から、その次の実質的に垂直で搬送可能な物品配置位置に向かう旋回可能な動き(図5及び6に示す)は、開いた保持領域44が作られるように、対向するガイド28の間で物品支持面28bを位置合わせする。ガイド28によって画定された保持領域44は、部品交換をまったく必要とせず、様々なサイズ、輪郭、テクスチャ、幾何学形状、材料組成物及び製造手段の物品を保持する。示す実施形態では、ガイド28は、物品29を掴まないで物品のための隙間(保持領域44)を残すだけである。他の実施形態では、ガイド28は、物品29を掴むために一体となるように構成することができる。
【0028】
アンスクランブラ10は、対称の物品を扱うことができ、また非対称の物品を扱うことができる。対称の物品は物品の前部及び後部が同じ形状を有するものである。非対称の物品は異なる形状を備えた対向する側部を有する。コンベヤベルト18及び運搬装置ベルト32は、互いに対して一定の速度、異なる速度、又は1つ若しくは両方が断続的に動くことができるように制御されてもよい。理想的には、ピッキング領域16を出ると、保持領域44は更なる加工のために搬送可能な向きで個々の物品が充填されるように、コンベヤベルト18及び運搬装置ベルト32は走行する。対称の物品幾何学形状では、ピッカー20は、アウトフィードコンベヤ40の片側に単一の一連のガイド28に沿って物品を置くことができる。物品は、対称であれ、非対称であれ、比較的より大きい、より平らな側(一般に前部又は後部)のどちらかがガイド28上に典型的には置かれる。いくらかの実施形態では、アウトフィードコンベヤの片側のガイド28の全ての物品支持面28bがその上にある物品を支持するように、対称の物品は一連のガイド28に実質的に連続的に置かれる。特定の実施形態では、ピッカー20は、アウトフィードコンベヤ40の片側に単一の一連のガイド28に沿って対称の物品を置き、方向付け装置が開位置と閉位置との間でガイド28を動かして保持領域44を形成する。
【0029】
例えば、図8に示す物品が対称である他の実施形態では、物品を直立させるのを助けるために、異なる機構又は要素をアウトフィードコンベヤ40の片側に使用することができる。任意の好適な機構又は要素を使用することができる。図8では、物品29を直立させるために単一の一連のガイド28と一緒にレール52が使用される。代替機構を図9に示す。図9は、図8のレールの代わりに使用することができるベルト80を示す。ベルト80は任意の好適な形状を有することができる。ベルト80は、隆起部及び溝を有する内面82を有する閉ループの形状で、その結果、ベルトは溝及び隆起部がそれぞれ、ベルトを回転させるために使用されるロール90と係合するように構成される。ベルトの外面84は、ガイド28の物品支持面28bに適している本明細書で説明する特徴のうちのいずれかを有することができる。示す実施形態では、ベルト80の外面84はガイド28の物品支持面28bの形状と同じである、又は類似であり得る形状を有するように形状加工される。そのようなベルト80は任意の好適な方法で作ることができる。いくらかの実施形態では、ベルト80は、平ベルトに接合されるリブ、又は他のそのような要素を備えることができる。要素は、物品の制御用に接触点を提供することができる。要素は、平ベルトに結合する、溶接する、ボルトで締めることによるが挙げられるが、これらには限定されない、任意の好適な方法で平ベルトに接合することができる。図9に示す実施形態では、ベルト80は、輪郭のあるポリウレタン形状が接合されたタイミングベルトと、ベルトの外面を形成するためにそれにLYCRA面が積層される、内側から外側表面に作られた輪郭のあるベルトを含んでもよい。
【0030】
非対称の物品幾何学形状では、1つ以上のカメラ24からそのような物品の幾何学形状情報を得ると、ピッカー20は、コンベヤベルト18に沿って移動する物品それぞれの、初期の「上向き」「下向き」、又は他の向きを識別する。「他の向き」とは、システムが「上向き」及び「下向き」の向きのみで物品を扱うことに制限されず、物品のアウトプットの流れをこれらの向きのうちの1つで特定の向きで提供することが認識される。例えば、4つの側面を有するボトルでは、コンベヤベルト18にこれらの側面のうちのいずれかで置かれている場合があるなど、他の向きがあり得る。本発明のシステムは、物品のアウトプットの流れをその側面のうちのいずれかで特定の向きで提供することができる。しかしながら、簡単にするために、以下の説明は「上向き」及び「下向き」の向きを指すが、用語「第1の側面」及び「対向する側面」は、用語「上向き」及び「下向き」が使用される場合はいつでも、後者の用語と置き換えられることができる。
【0031】
物品の初期の向きは、物品の初期の「上向き」、「下向き」又は他の向きが容易に明白でない場合その次のチェックを行なう第2のカメラ及びセンサシステムによって判定される。特定の実施形態では、ピッカー20はそれによって、初期の「上向き」の向きにある非対称の物品をアウトフィードコンベヤ40の片側に沿ってガイド28に転置する。これらの実施形態では、ピッカー20は、初期の「下向き」の向きである非対称の物品をアウトフィードコンベヤ40のもう片側に沿って対向する交互のガイド28に更に転置する。「交互の」ガイドとは、2つの物品が対向するガイドに置かれるのではなく、むしろ、その次に拾い上げた物品が、アウトフィードコンベヤ40の反対側に沿ってその次の対のガイドの1つのガイドに置かれることを意味する。そのような配置では、物品を運んでいるガイドがそれぞれ空のガイドと対で移動するように、物品はガイド28に配置される。保持領域44が形成される(以下で詳細に説明する)ようにガイド28が物品を旋回可能に封入するとき、物品は全て、物品のそれぞれの初期の「上向き」又は「下向き」の向きに関係なく、1対のガイドの位置合わせした物品支持面28bに関して安定した搬送可能な向きに位置決めされる。もちろん、アンスクランブラ10は、対称の物品を扱うために同様のやり方で作動させることができるが、そのような工程は必要ではない。
【0032】
他の実施形態では、非対称の物品は代替のやり方で扱うことができる。ピッカーが非対称の物品を、物品が「上向き」又は「下向き」の向きかどうかによって、アウトフィードコンベヤの両側のガイドに転置させる代わりに、ピッカーは、物品をアウトフィードコンベヤ40の片側の単一の一連のガイド28に転置することができる。物品は、「上向き」及び「下向き」の両方の向きでガイド上に置くことができる。次に、物品は続いて直立状態にされ、その後個別の物品方向転換機構によって正しい向きに転換され得る。好適な物品方向転換機構としては、直線形整列装置、又はボトル方向転換機構が挙げられるが、これらに制限されない。そのような装置は市販されている。物品方向転換機構は、アンスクランブラの一部であってもよく、又はアンスクランブラの下流の別個の装備品であってもよい。
【0033】
ガイド28は物品を、ピッキング領域16からその次の方向付け領域46(図1及び2に示す)に運搬する。方向付け領域46は、物品の適切な安定した向きが保持領域44によって保持されることを確実にする方向付け装置48を含む。図示の方向付け装置48は、ガイド28、及びそれによって運ばれる物品の移動経路を形成する相互に配置される2つのガイドレール50(図3に示す)を含む。すなわち、いくつかの実施形態では、方向付け装置は、チャネル53を作るための画定可能な移動経路を提供する移動パス機構を形成してもよい。方向付け装置48は、単一のガイドレール、相互に対向する2つのガイドレール、複数のガイドレール、少なくとも1つのエアリフト機構、少なくとも1つの電磁気機構、少なくとも1つのサーボ機構、又は他の好適な装置が挙げられるが、これらに限定されない任意の好適なタイプの装置を含む。単一のチャネル53及び対応するチャネル経路を画定する1対のガイドレール50が図3に示されるが、方向付け装置は、任意の数のガイドレールを含んでもよく、生産ラインに所望の数のチャネル経路を提供するように実装されてもよいことが理解される。
【0034】
この実施形態では、ガイドレール50などの方向付け装置48はそれぞれ、チャネル部分50bにつながり一般に曲線状の出口部分50cで終端する(チャネル部分50b及び出口部分50cを図3及び6に示す)一般に曲線状の入口部分50a(図3に示す)を含む。入口部分50a及び出口部分50cのうちの1つ又は両方は、一般に螺旋形の形状をしてもよい。入口部分50aは、その間で実質的にV字形の角度を形成し、それに沿って直立させる機構34を支持するように、一般に上方に湾曲してもよい。運搬装置ベルト32が移動経路に沿ってガイド28を運搬すると、ガイドをそれぞれ物品支持面28bがそれぞれ上向きの向きである初期の開いた物品配置位置からその次の物品搬送位置まで持ち上げるように、入口部分50aは直立させる機構34と係合し、物品支持面28bがそれぞれ対向する物品支持面28bに接近するように、ガイド28はそれぞれ上方に旋回する。図5及び6は一般に互いに平行なアライメントである物品支持面28bを示すが、物品支持面28bは、大量の物品、及び/又は特注設計の物品に適応するように、互いに関して角度をなして配置されてもよいことが理解される。ガイド28が上へ向かって旋回して保持領域44を形成すると、対応するガイドによって支持された物品29はそれぞれ、更なる加工のために、安定した搬送可能な向きへ上げられる。搬送可能な向きには、物品29がそれぞれ、アウトフィードコンベヤ40によって運ばれる対応するパックと同期することを含むことができる。図7に示すように、ガイド28の角度のある動きの間、そのゲート31は引っ込み、物品は、アウトフィードコンベヤ40の搬送可能な向きに、又はアウトフィードコンベヤ40に沿って分配されそれによって運ばれる対応するパック(図示せず)に直接配置される。用語「ゲート」31とは、開いたとき、物品がガイド28から下ろされる機構を含むことを意図する。ゲート31としては、格納式ゲート、スライドゲート、端部に蝶番のついたゲート、センサ作動ゲート、又は他の組み合わせ、及びこれらの同等物が挙げられるが、これらに限定されない。他の実施形態では、ゲート31は削除され得る。必要に応じて、そのような実施形態では、物品は別のピッカーによってガイド28から拾い上げることができる。
【0035】
物品(及び任意の対応するパック)は、ガイドレール50のチャネル部分50bによって画定されるチャネル53を通って運ばれる。チャネル部分50bは、その間にチャネル経路が画定されるように一般に互いに平行なアライメントであってもよい。チャネル部分50bは、運搬装置ベルト32がそれぞれチャネル経路に沿って動くとき、直立させる機構34との係合を保持することによって、ガイド28を搬送可能な物品搬送位置で保持する。アウトフィードコンベヤ40は、チャネル53によって画定されたチャネル経路に沿って動き、保持領域44中の物品の安定したアライメントを保持する。したがって、ロボットアンスクランブラ10は、ガイド28が物品全てを、生産ラインに沿った1つ以上の処置ステーションで同時作動又はその後の作動のために同じ搬送可能な向きで提供することを、予測可能にかつ信頼性高く、確実にする。ステーションが生産設備から最終的に送り出すために連続して適切に位置決めされた物品を選択的に処理することができる、そのような処置ステーションとしては、ラベルを貼るステーション、装飾を施す(例えば、はく押し又は箔の塗布)、ケース又はトレーを搭載する、充填する、物品の蓋付する及び密閉するステーションが挙げられるが、これらに制限されない。「同時作動」とは、そのようなステーションは、物品がガイド28にある間作動できることを意味する。
【0036】
ガイドレール50などの移動経路機構の出口部分50cは、物品が方向付け装置48を出るとき物品の適切で安定した搬送可能な向きを保持する一方で、出口部分に沿って直立させる機構34が支持されるように、一般に下へ向かって湾曲してもよい。運搬装置ベルト32が引き続きガイド28を一定の移動経路に沿って運搬すると、ガイド28が初期の物品配置位置に向かって旋回可能な下降が容易にできるように、出口部分50cは直立させる機構34と係合する。ガイド28がそれぞれ、初期の物品配置位置に向かって角度をなして下降すると、アウトフィードコンベヤ40は、物品29の更なる加工のために、ロボットアンスクランブラ10からその次の設備まで物品を搬送可能な物品配置位置で運搬する。アウトフィードコンベヤ40は、物品がアウトフィードコンベヤ自体に独立して位置決めされるとき、物品を適切な搬送可能な向きに保持する。物品29が対応するパックに配置されたとき、搬送可能な向きも保持される。その対応するパックは、アウトフィードコンベヤ40に沿って個々に置かれ、それによって運ばれてもよく、又はアウトフィードコンベヤと一体化されてもよい。次に、閉ループの運搬装置ベルト32はそれぞれ開いたガイド28を、矢印C(図3に示す)によって示す移動方向に対して反対方向に、方向付け領域46及びピッキング領域16の長さに沿って運び回る。このように、運搬装置ベルト32はそれぞれ、空の物品を受け取る態勢にするためにガイド28を初期の開いた物品配置位置まで送り出す。
【0037】
いくらかの実施形態では、ガイドレール50はそれぞれ、少なくとも1つのガイドレール50の少なくとも一部分に沿って画定された移動凹部(図示せず)を含んでもよい。移動凹部はそれぞれのガイドポスト34aと係合し、それによってそれぞれのガイド28の動きを導く。そのような構成では、ガイド28が方向付け装置48に接近すると、ガイドポスト34aは移動凹部と解放可能な係合を確立し、それぞれのガイド28、及びそれによってそれぞれの物品がチャネル53を通って中断されずに動くことを確実にする。ガイドポスト34aが方向付け装置を出てピッキング領域16に戻るために運搬装置ベルト32に沿って空のガイド28を角度をなして配置するように、ガイドポスト34aは移動凹部との係合を維持してもよい。
【0038】
2つの運搬装置ベルト32がある場合、保持領域44を形成するために対のガイド28が角度をなして同期的な動きをするのを確実にするために、それらのベルトは同等の速度で同時に走行してもよい。しかしながら、物品支持面28bに捕えられた物品が、ガイド28の角度のある移動経路全体を通してそれに沿ってアライメントを維持するように、ロボットアンスクランブラ10はガイドの非同期な運搬を容易にしてもよいことが想到される。したがって、特に物品が大体積の物体を含む場合、又は一意的設計特性を有する物体を含む場合、ガイド28は互いに関して一般に直立した位置を必ずしもとらなくてもよい。ガイド用の初期の開いた物品配置位置は、搬送される物品の特殊な特性に適応して所定の傾斜角であってもよい(ガイド28自体はその曲率及び/又はマークを保持し、物品支持面28bに置かれた任意の物品のセンタリングを確実する)。そのような物品29を支持するガイド28は、そのようなガイドを運搬する運搬装置ベルト32を制御することで独立した速度で動くことができる。この速度は、1対のガイドで対応するガイド28を運搬する第2の運搬装置ベルト32がとる速度に依存しない。物品29を支持するガイドは、ガイドの角度のある経路の任意の部分に沿ってそのように動くことができ、したがって、ガイドは一意的に形成された物品を(及び、逆位の物品でも)安定した搬送可能な向きで容易に搬送することができる。ガイドレール50は、物品29の安定した搬送可能な向きに影響を及ぼすことなく、物品の種々様々な形状及び向きに適応するために、異なる幅及び経路の移動経路(二股に分かれた経路及び非直線形の経路を含む)を提供するようにしかるべく変更することができる。
【0039】
少なくとも1つの運搬装置ベルト32及び/又はアウトフィードコンベヤ40は、フレーム64によって操作可能に支持される作動可能な駆動軸62を有する、図3に示す駆動軸組立品60によって駆動される。サーボモーター66等の駆動軸アクチュエータは、軸受組立品68の中間に配置されたリンク機構67を有する駆動軸62に回転運動を付与する。駆動軸62は、駆動軸フレーム部分64aに沿って回転可能に配置されたスプール70、72に回転運動を並進移動させ、それによって第1の運搬装置ベルト32が円滑になり、更に、駆動軸フレーム部分64bに沿って回転可能に配置されたスプール74、76に回転運動を並進移動させ、それによって第2の運搬装置ベルト32が円滑になる。1対の一般に同心状に位置決めされアウトフィードスプール78(そのうちの1つを図3に示す)は、相補的な軸受組立品を経由して回転運動を並進移動させるために、主駆動軸(図示せず)と回転可能に係合する。サーボモーター66が作動すると、駆動軸62は、スプール70、72を直接回転させ、リンク機構67及び運搬装置ベルト32(運搬装置ベルト32は、図3でガイド28を運んでいるが、図1及び2で分かるように個別であり得る)を経由してスプール74、76を回転させる。主駆動軸はこの瞬間に回転する。駆動軸が回転すると、スプール78は回転運動をとり、したがって、並進運動を少なくとも1つの運搬装置ベルト32及び/又はアウトフィードベルト40に付与する。アウトフィードコンベヤ40の動きが駆動軸組立品60によって達成されるか、あるいは別の独立した駆動手段によって達成されるかに関係なく、スプール78は、アウトフィードコンベヤ48が運搬装置ベルト32の中間で並進運動を保持してもよい所定の距離をその間に有してもよい。アウトフィードコンベヤ40は、フィードベルト32及びアウトフィードコンベヤ40の動きが相互依存ではないように、第2のアクチュエータ(図示せず)によってそこまで搬送された並進運動を有してもよい。駆動軸組立品60の形状は、ロボットアンスクランブラと共に首尾よく使用することができる様々な駆動手段の一例として提供される。
【0040】
第2のコンベヤベルト(図示せず)は、相補的な物品のサイズ、幾何学形状、輪郭、設計、テクスチャ、材料組成物、製造手段、及び美学特徴を送り出すために、ロボットアンスクランブラと共に使用されてもよいことが理解される。そのような構成では、2つの相互に別個のコンテナコンベヤベルトがフィードベルト32及びアウトフィードコンベヤ40のそれぞれの側で走行することができる。同様に、1つのコンベヤベルトがある量の第1の物品を送り出し、一方で第2のコンベヤベルトがある量の第2の物品の送り出しを異なる速度で走行するように、そのようなコンベヤベルトは相互に異なる速度で動いてもよい。そのような構成は、一次物品は一般に地域全体に人気があり、二次物品は局所的な地域部分で強い人気がある地域流通にとって、一次物品及び二次物品の加工に有利であり得る。
【0041】
物品29が拾い上げられ使用可能な開いたガイドに置かれることなくロボットアンスクランブラ10のピッキング領域16を出ることがないように、物品及びガイドの相互の速度は制御されてもよい。そのような実施形態では、物品配置を標的にしているガイド28は全て、物品支持面28b上の物品を運搬するであろう。更に、空であるべきでない空のガイド28はない。しかしながら、他の実施形態では、アンスクランブラに搬入される物品29の速度は、物品29を全て拾い上げさせる速度より大きい可能性がある。これらの実施の形態では、拾い上げられない任意の物品29はコンベヤ18の前部に戻すことができるように、アンスクランブラは、例えば、再循環コンベヤのような再循環システムを備えて提供されてもよい。容器が他の物品を続いて送り出すことができるように、ピッカー20に関連するプログラム可能なコントローラは、運ばれ適切に方向付けされた物品の量を記述できる。そのように続いて送り出された物品はグループで運ばれてもよく、異なる物品のグループは異なる物品特性を有する。したがって、ロボットアンスクランブラ10は、いかなるタイプの物品特定の機械も必要とせずに、そのような物品グループ全てに適応する。
【0042】
ロボットアンスクランブラは、物品を、スクランブル化したランダムな向きから安定した搬送可能な向きに、予測可能にかつ信頼性高く転置し、物品の様々なサイズ、幾何学形状、輪郭、設計、テクスチャ、材料組成物、製造手段、及び美学特徴に適応し得る。ロボットアンスクランブラは、設置、操作、及び保守に関連した一時的経費及び会計経費において有利に削減を実現し得る。しかしながら、そのような利点が添付特許請求の範囲に明確に含まれていない限り、アンスクランブラは必ずしもそのような利点を提供する必要はないことを理解すべきである。現在市販のアンスクランブラと比較して、同様のより高い処理能力を達成するために必要なロボットの数が減ることにより、設備の設置に関与する経費は削減され得る。更に、物品のタイプが変わる度に部品を交換する必要性が無くなるので、故障発生度も減少し得る。これは、本発明のロボットアンスクランブラが膨大な平均故障間隔に関して、事実上不断で作動できることを意味する。従来のアンスクランブラ装置と比較して、本発明のロボットスクランブラによって得られる有益性は、物品がその特徴にかかわらず、アウトフィード装置コンベヤ上に置かれるとき、安定した搬送可能な向きを保持することである。これは、最新のプラスチックが商業用の物品形状に使用され物品を軽量化し、その結果、物品の位置決めの全ての分散に対して安定を維持するのが非常に困難であるとき、特に有利な特徴である。
【0043】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40ミリメートル」として開示される寸法は、「約40ミリメートル」を意味するものである。
【0044】
相互参照されるか又は関連する全ての特許又は特許出願を含む、本願に引用される全ての文書を、特に除外すること又は限定することを明言しない限りにおいて、その全容にわたって本願に援用するものである。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0045】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には自明であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。
図1
図2
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図7
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図9