特許第5905590号(P5905590)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5905590無線通信システムにおける制御チャネルを割り当てる方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5905590
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】無線通信システムにおける制御チャネルを割り当てる方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/04 20090101AFI20160407BHJP
【FI】
   H04W72/04 136
【請求項の数】9
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2014-537007(P2014-537007)
(86)(22)【出願日】2012年10月26日
(65)【公表番号】特表2014-533005(P2014-533005A)
(43)【公表日】2014年12月8日
(86)【国際出願番号】KR2012008847
(87)【国際公開番号】WO2013062347
(87)【国際公開日】20130502
【審査請求日】2014年4月21日
(31)【優先権主張番号】61/551,902
(32)【優先日】2011年10月26日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/563,608
(32)【優先日】2011年11月25日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/577,074
(32)【優先日】2011年12月18日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】チョン, ジン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イム, ビン チョル
(72)【発明者】
【氏名】カン, ジ ウォン
(72)【発明者】
【氏名】キム, キ テ
(72)【発明者】
【氏名】パク, スン ホ
(72)【発明者】
【氏名】キム, ス ナム
【審査官】 望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−200266(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/019962(WO,A2)
【文献】 国際公開第2011/021827(WO,A2)
【文献】 国際公開第2011/118803(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/128013(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/057211(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/083431(WO,A2)
【文献】 特開2008−236434(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/013961(WO,A2)
【文献】 Intel Corporation,Performance Analysis of the Enhanced Downlink Control Signalling,3GPP TSG RAN WG1,2011年10月14日
【文献】 ETRI,Discussions on enhanced PDCCH in Rel-11,3GPP TSG RAN WG1,2011年10月14日
【文献】 Alcatel-Lucent, Alcatel-Lucent Shanghai Bell,Design details for enhanced PDCCH,3GPP TSG RAN WG1,2011年10月14日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W4/00−H04W99/00
H04B7/24−H04B7/26
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信システムにおける制御チャネルを割り当てる方法であって、
前記方法は、
局所領域または分散領域のうちの1つにe−PDCCH(enhanced physical downlink control channel)を割り当てることと、
前記割り当てられたe−PDCCHを介してスケジューリング割当を伝送することと
を含み、
前記e−PDCCHは、少なくとも1つのe−CCE(enhanced control channel element)の集合を利用して割り当てられ、
各e−CCEは、複数のe−REG(enhanced resource element group)を含み、
前記局所領域は、前記e−PDCCHが1つのPRB(physical resource block)または1つのPRB対にのみ割り当てられる領域であり、
前記分散領域は、前記e−PDCCHが複数のPRBまたは複数のPRB対に割り当てられる領域であり、
記e−PDCCHは、最高の集合レベルを有するe−PDCCHフォーマットにおいて前記分散領域にのみ割り当てられ
前記最高の集合レベルを有する前記e−PDCCHフォーマットは、e−PDCCHフォーマット4に対応する、方法。
【請求項2】
前記局所領域は、e−PDCCH集合領域に与えられたN個のe−PDCCHアンテナポートのうち一部のe−PDCCHアンテナポートが使用される領域であり、
前記分散領域は、前記N個のe−PDCCHアンテナポートの全てが使用される領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記局所領域は、CCE(control channel element)/e−CCE(enhanced CCE)が1つのRBまたは1つのRB対に対して構成またはマッピングされる領域であり、
前記分散領域は、前記CCE/e−CCEが分割されて複数のRBに対して構成またはマッピングされる領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記局所領域は、前記e−PDCCHの探索領域が連続するRBまたは連続するRB対に対して構成またはマッピングされる領域であり、
前記分散領域は、前記e−PDCCHの探索領域が分散されるRBまたは分散されるRB対に対して構成またはマッピングされる領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記局所領域は、複数のUEのe−PDCCHがインターリービングされずに割り当てられる領域であり、
前記分散領域は、前記複数のUEのe−PDCCHがインターリービングされて割り当てられる領域である、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記スケジューリング割当は、前記分散領域に割り当てられた前記e−PDCCHのCSS(common search space)を介して伝送される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記スケジューリング割当は、共通RNTI(radio network temporary identity)を備える、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記分散領域に割り当てられた前記e−PDCCHを介して伝送される前記スケジューリング割当は、DCI(downlink control information)フォーマット1Aである、請求項に記載の方法。
【請求項9】
無線通信システムにおける制御チャネルを割り当てる基地局であって、
前記基地局は、
無線信号を伝送または受信するRF(radio frequency)部と、
前記RF部と接続されるプロセッサと
を備え、
前記プロセッサは、
局所領域または分散領域のうちの1つにe−PDCCH(enhanced physical downlink control channel)を割り当てることと、
前記割り当てられたe−PDCCHを介してスケジューリング割当を伝送することと
を実行するように構成されており、
前記e−PDCCHは、少なくとも1つのe−CCE(enhanced control channel element)の集合を利用して割り当てられ、
各e−CCEは、複数のe−REG(enhanced resource element group)を含み、
前記局所領域は、前記e−PDCCHが1つのPRB(physical resource block)または1つのPRB対にのみ割り当てられる領域であり、
前記分散領域は、前記e−PDCCHが複数のPRBまたは複数のPRB対に割り当てられる領域であり、
記e−PDCCHは、最高の集合レベルを有するe−PDCCHフォーマットにおいて前記分散領域にのみ割り当てられ
前記最高の集合レベルを有する前記e−PDCCHフォーマットは、e−PDCCHフォーマット4に対応する、基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関し、より詳細には、無線通信システムにおける制御チャネルを割り当てる方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近活発に研究されている次世代マルチメディア無線通信システムは、初期の音声中心のサービスを外れて、映像、無線データなどの様々な情報を処理して伝送できるシステムが求められている。現在、3世帯無線通信システムに続いて開発されている4世帯無線通信は、下向きリンク1Gbps(gigabits per second)及び上向きリンク500Mbps(megabits per second)の高速のデータサービスを支援することを目標とする。無線通信システムの目的は、複数のユーザが位置と移動性に関係なく信頼できる(reliable)通信が可能なようにすることである。ところが、無線チャネル(wireless channel)は、経路損失(path loss)、雑音(noise)、多重経路(multipath)によるフェージング(fading)現象、シンボル間干渉(ISI;inter−symbol interference)、または端末の移動性によるドップラー効果(Doppler effect)などの非理想的な特性がある。無線チャネルの非理想的特性を克服し、無線通信の信頼度(reliability)を高めるために様々な技術が開発されている。
【0003】
一方、M2M(machine−to−machine)通信の導入、スマートフォン、タブレットPCなどの様々なデバイスの出現及び補給により、セルラー(celluar)網に対するデータ要求量が速く増加している。高いデータ要求量を満たすために様々な技術が開発されている。より多くの周波数帯域を効率的に使用するための搬送波集合(CA;carrier aggregation)技術、認知無線(CR;cognitive radio)技術などが研究中にある。また、限定された周波数帯域内でデータ容量を高めるための多重アンテナ技術、多重基地局協力技術などが研究されている。すなわち、つまり、無線通信システムは、ユーザ周辺に接続できるノード(node)の密度が高まる方向に進化するはずであろう。ノードの密度が高い無線通信システムは、ノード間の協力によって性能が一層向上し得る。すなわち、各ノードが互いに協力する無線通信システムは、各ノードが独立的な基地局(BS;base station)、ABS(advanced BS)、Node−B(NB)、eNode−B(eNB)、AP(access point)等で動作する無線通信システムより最も優れた性能を有する。
【0004】
無線通信システムの性能改善のために、セル内の複数のノードを備えた分散多重ノードシステム(DMNS;distributed multi node system)が適用され得る。多重ノードシステムは、分散アンテナシステム(DAS;distributed antenna system)、無線遠隔装備(RRH;radio remote head)などを含むことができる。また、既に開発されたり今後適用が可能な様々なMIMO(multiple−input multiple−output)技法と協力通信技法を分散多重ノードシステムに適用するための標準化作業が進行中である。多重ノードシステムによってリンク品質(link quality)の改善が予想されるが、様々なMIMO技法及び協力通信技法を多重ノードシステムに適用するために新たな制御チャネルの導入が求められる。
【0005】
多重ノードシステムのための新たな制御チャネルを効率的に割り当てるための方法が求められる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の技術的課題は、無線通信システムにおける制御チャネルを割り当てる方法及び装置を提供することにある。本発明は、無線通信システムにおいて、EPDCCH(enhanced physical downlink control channel)を局所領域(localized region)及び分散領域(distributed region)で構成する方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様において、無線通信システムにおける制御チャネルを割り当てる方法が提供される。上記方法は、PDSCH(physical downlink shared channel)領域内の局所領域(localized region)にe−PDCCH(enhanced physical downlink control channel)を割り当て、前記PDSCH領域内の分散領域(distributed region)に前記e−PDCCHを割り当て、前記割り当てられたe−PDCCHを介してスケジューリング割当(scheduling assignment)を伝送することを含む。
【0008】
他の態様において、無線通信システムにおける制御チャネルを割り当てる基地局が提供される。前記基地局は、無線信号を伝送または受信するRF(radio frequency)部及び前記RF部と接続されるプロセッサを備え、前記プロセッサは、PDSCH(physical downlink shared channel)領域内の局所領域(localized region)にe−PDCCH(enhanced physical downlink control channel)を割り当て、前記PDSCH領域内の分散領域(distributed region)に前記e−PDCCHを割り当て、前記割り当てられたe−PDCCHを介してスケジューリング割当(scheduling assignment)を伝送するように構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
EPDCCHを効率的に構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、無線通信システムである。
図2図2は、3GPP LTEにおいて無線フレーム(radioframe)の構造を示す。
図3図3は、1つの下向きリンクスロットに対する資源グリッド(resource grid)の一例を示す。
図4図4は、下向きリンクサブフレームの構造を示す。
図5図5は、上向きリンクサブフレームの構造を示す。
図6図6は、多重ノードシステムの一例を示す。
図7図7は、PDCCHが資源にマッピングされる過程の一例を示す。
図8図8は、PCFICH、PDCCH、及びPDSCHがサブフレームにマッピングされる一例を示す。
図9図9は、e−PDCCHを介した資源割当の一例を示す。
図10図10は、RBに割り当てられるR−PDCCHの一例を示す。
図11図11は、RBに割り当てられるe−PDCCHの一例を示す。
図12図12は、RBに割り当てられるe−PDCCHのさらに他の例を示す。
図13図13は、RBに割り当てられるe−PDCCHのさらに他の例を示す。
図14図14は、本発明の一実施形態に係るe−PDCCH構成方法の一例を示す。
図15図15は、本発明の一実施形態に係るe−PDCCH構成方法のさらに他の例を示す。
図16図16は、本発明の一実施形態に係るe−PDCCHの割当方法の一例を示す。
図17図17は、本発明の実施形態が実現される無線通信システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の技術は、CDMA(code division multiple access)、FDMA(frequency division multiple access)、TDMA(time division multiple access)、OFDMA(orthogonal frequency division multiple access)、SC−FDMA(single carrier frequency division multiple access)などのような様々な無線通信システムに使用され得る。CDMAは、UTRA(universal terrestrial radio access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)で実現され得る。TDMAは、GSM(登録商標)(global system for mobile communications)/GPRS(general packet radio service)/EDGE(enhanced data rates for GSM(登録商標) evolution)のような無線技術で実現され得る。OFDMAは、IEEE(institute of electrical and electronics engineers)802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(wiMAX)、IEEE802−20、E−UTRA(evolved UTRA)などのような無線技術で実現され得る。IEEE802.16mは、IEEE802.16eの進化で、IEEE802.16eに基づいたシステムとの後方互換性(backward compatibility)を提供する。UTRAは、UMTS(universal mobile telecommunications system)の一部である。3GPP(3rd generation partnership project)LTE(long term evolution)は、E−UTRA(evolved−UMTS terrestrial radio access)を使用するE−UMTS(evolved UMTS)の一部であって、下向きリンクでOFDMAを採用し、上向きリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(advanced)は、3GPP LTEの進化である。
【0012】
説明を明確にするために、LTE−Aを中心として記述するが、本発明の技術的思想がこれに制限されるものではない。
【0013】
図1は、無線通信システムである。
【0014】
無線通信システム10は、少なくとも1つの基地局(11;base station、BS)を備える。各基地局11は、特定の地理的領域(一般的にセルという)15a、15b、15cに対して通信サービスを提供する。セルはさらに複数の領域(セクターという)に分けられることができる。端末(12;user equipment、UE)は、固定されるか、移動性を有することができ、MS(mobile station)、MT(mobile terminal)、UT(user terminal)、SS(subscriber station)、無線機器(wireless device)、PDA(personal digital assistant)、無線モデム(wireless modem)、携帯機器(handheld device)等、他の用語と呼ばれることができる。基地局11は一般的に、端末12と通信する固定された地点(fixed station)をいい、eNB(evolved−NodeB)、BTS(base transceiver system)、アクセスポイント(access point)等、他の用語と呼ばれることができる。
【0015】
端末は通常、1つのセルに属するが、端末が属したセルをサービングセル(serving cell)という。サービングセルに対して通信サービスを提供する基地局をサービング基地局(serving BS)という。無線通信システムは、セルラーシステム(cellular system)であるから、サービングセルに隣接する他のセルが存在する。サービングセルに隣接する他のセルを隣接セル(neighbor cell)という。隣接セルに対して通信サービスを提供する基地局を隣接基地局(neighbor BS)という。サービングセル及び隣接セルは、端末を基準として相対的に決定される。
【0016】
この技術は、下向きリンク(downlink)または上向きリンク(uplink)に使用され得る。一般に下向きリンクは、基地局11から端末12への通信を意味し、上向きリンクは、端末12から基地局11への通信を意味する。下向きリンクにおいて送信機は基地局11の一部分であり、受信機は端末12の一部分でありうる。上向きリンクにおいて送信機は端末12の一部分であり、受信機は基地局11の一部分でありうる。
【0017】
無線通信システムは、MIMO(multiple−input multiple−output)システム、MISO(multiple−input single−output)システム、SISO(single−input single−output)システム、及びSIMO(single−input multiple−output)システムのうち、いずれか1つでありうる。MIMOシステムは、複数の伝送アンテナ(transmit antenna)と複数の受信アンテナ(receive antenna)とを使用する。MISOシステムは、複数の伝送アンテナと1つの受信アンテナとを使用する。SISOシステムは、1つの伝送アンテナと1つの受信アンテナとを使用する。SIMOシステムは、1つの伝送アンテナと複数の受信アンテナとを使用する。以下において伝送アンテナは、1つの信号またはストリームを伝送するのに使用される物理的または論理的アンテナを意味し、受信アンテナは、1つの信号またはストリームを受信するのに使用される物理的または論理的アンテナを意味する。
【0018】
図2は、3GPP LTEにおいて無線フレーム(radioframe)の構造を示す。
【0019】
これは、3GPP(3rd Generation Partnership Project) TS36.211 V8.2.0(2008−03)「Technical Specification Group Radio Access Network;Evolved Universal Terrestrial Radio Access(E−UTRA);Physical channels and modulation(Release8)」の5節を参照することができる。図2に示すように、無線フレームは、10個のサブフレーム(subframe)で構成され、1つのサブフレームは、2個のスロット(slot)で構成される。無線フレーム内のスロットは、#0から#19までスロット番号が付される。TTI(transmission time interval)は、データ伝送のための基本スケジューリング単位である。3GPP LTEにおいて1つのTTIは、1つのサブフレームが伝送されるのにかかる時間と同様でありうる。1つの無線フレームの長さは10msであり、1つのサブフレームの長さは1msであり、1つのスロットの長さは0.5msでありうる。
【0020】
1つのスロットは、時間領域(time domain)で複数のOFDM(orthogonal frequency division multiplexing)シンボルを含み、周波数領域で複数の副搬送波を含む。OFDMシンボルは、3GPP LTEが下向きリンクでOFDMAを使用し、1つのシンボル区間(symbol period)を表現するためのものであって、多重接続方式によって他の名称と呼ばれることができる。例えば、上向きリンク多重接続方式としてSC−FDMAが使用される場合、SC−FDMAシンボルといえる。資源ブロック(RB;resource block)は、資源割当単位で、1つのスロットで複数の連続する副搬送波を含む。前記無線フレームの構造は一例にすぎないものである。したがって、無線フレームに含まれるサブフレームの個数やサブフレームに含まれるスロットの個数、若しくはスロットに含まれるOFDMシンボルの個数は様々に変更され得る。
【0021】
3GPP LTEは、ノーマル(normal)サイクリックプレフィックス(CP;cyclic prefix)で1つのスロットが7個のOFDMシンボルを含み、拡張(extended)CPで1つのスロットが6個のOFDMシンボルを含むことと定義している。
【0022】
無線通信システムは、FDD(frequency division duplex)方式とTDD(time division duplex)方式とに大別することができる。FDD方式によれば、上向きリンク伝送と下向きリンク伝送とが互いに異なる周波数帯域を占めながらなされる。TDD方式によれば、上向きリンク伝送と下向きリンク伝送とが同じ周波数帯域を占めながら互いに異なる時間になされる。TDD方式のチャネル応答は実質的に相互的(reciprocal)である。これは、与えられた周波数領域で下向きリンクチャネル応答と上向きリンクチャネル応答とがほとんど同一であるということである。したがって、TDDに基づいた無線通信システムにおいて下向きリンクチャネル応答は、上向きリンクチャネル応答から得られることができるという長所がある。TDD方式は、全体周波数帯域を上向きリンク伝送と下向きリンク伝送とに時分割するので、基地局による下向きリンク伝送と端末による上向きリンク伝送とが同時に行われ得ない。上向きリンク伝送と下向きリンク伝送とがサブフレーム単位に区分されるTDDシステムにおいて、上向きリンク伝送と下向きリンク伝送とは互いに異なるサブフレームで行われる。
【0023】
図3は、1つの下向きリンクスロットに対する資源グリッド(resource grid)の一例を示す。
【0024】
下向きリンクスロットは、時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域でNRB個の資源ブロックを含む。下向きリンクスロットに含まれる資源ブロックの数であるNRBは、セルで設定される下向きリンク伝送帯域幅(bandwidth)に従属する。例えば、LTEシステムにおいてNRBは、6〜110のうち、いずれか1つでありうる。1つの資源ブロックは、周波数領域で複数の副搬送波を含む。上向きリンクスロットの構造も前記下向きリンクスロットの構造と同一でありうる。
【0025】
資源グリッド上の各要素(element)を資源要素(resource element)という。資源グリッド上の資源要素は、スロット内のインデックス対(pair)k、lにより識別され得る。ここで、k(k=0、...、NRB×12−1)は、周波数領域内の副搬送波インデックスであり、l(l=0、...、6)は、時間領域内のOFDMシンボルインデックスである。
【0026】
ここで、1つの資源ブロックは、時間領域で7OFDMシンボル、周波数領域で12副搬送波で構成される7×12資源要素を含むことを例示的に記述するが、資源ブロック内のOFDMシンボルの数と副搬送波の数はこれに制限されるものではない。OFDMシンボルの数と副搬送波の数は、CPの長さ、周波数間隔(frequency spacing)等によって様々に変更され得る。例えば、ノーマルCPの場合、OFDMシンボルの数は7であり、拡張されたCPの場合、OFDMシンボルの数は6である。1つのOFDMシンボルで副搬送波の数は、128、256、512、1024、1536、及び2048のうち1つを選定して使用することができる。
【0027】
図4は、下向きリンクサブフレームの構造を示す。
【0028】
下向きリンクサブフレームは、時間領域で2個のスロットを含み、各スロットは、ノーマルCPで7個のOFDMシンボルを含む。サブフレーム内の1番目のスロットの先行する最大3OFDMシンボル等(1.4Mhz帯域幅に対しては最大4OFDMシンボル等)の制御チャネル等が割り当てられる制御領域(control region)であり、残りのOFDMシンボル等は、PDSCH(physical downlink shared channel)が割り当てられるデータ領域となる。
【0029】
PDCCHは、DL−SCH(downlink−shared channel)の資源割当及び伝送フォーマット、UL−SCH(uplink shared channel)の資源割当情報、PCH上のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上に伝送されるランダムアクセス応答のような上位階層制御メッセージの資源割当、任意のUEグループ内の個別UEに対する伝送パワー制御命令の集合、及びVoIP(voice over internet protocol)の活性化などを運ぶことができる。複数のPDCCHが制御領域内で伝送され得るし、端末は、複数のPDCCHをモニタリングすることができる。PDCCHは、1つまたはいくつかの連続的なCCE(control channel elements)の集合(aggregation)上に伝送される。CCEは、無線チャネルの状態に応じる符号化率をPDCCHに提供するために使用される論理的割当単位である。CCEは、それぞれ4個の資源要素を含む9個の資源要素グループ(REG;resource element group)に対応する。4個のQPSK(quadrature phase shift keying)シンボルが各REGにマッピングされる。参照信号(RS;reference signal)が占める資源要素はREG内に含まれず、与えられたOFDMシンボル内でREGの総数は、セル特定参照信号(CRS;cell−specific RS)が存在するか否かによって決定されることができる。CCEの数とCCE等により提供される符号化率の関連関係によってPDCCHのフォーマット及び可能なPDCCHのビット数が決定される。特定PDCCHの伝送のために使用されるCCEの個数は、チャネル状況に応じて基地局により決定されることができる。例えば、良いチャネル状態を有した端末に対するPDCCHは、1つのCCEのみを使用することができる。しかし、良くないチャネル状態を有した端末に対するPDCCHは、十分な頑健性(robustness)を得るために8個のCCEが必要なこともある。また、PDCCHの伝送電力は、チャネル状況に合わせて調整されることができる。表1は、支援されるPDCCHフォーマット及び各PDCCHフォーマットに対応するCCEの個数などを表す。
【0030】
【表1】
基地局は、端末に送ろうとするDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報にCRC(cyclic redundancy check)を付ける。CRCには、PDCCHの所有者(owner)や用途に応じて固有な識別子(RNTI;radio network temporary identifier)がスクランブルまたはマスキングされる。特定端末のためのPDCCHであれば、端末の固有識別子、例えば、C−RNTI(cell−RNTI)がCRCにスクランブルされ得る。若しくは、ページングメッセージのためのPDCCHであれば、ページング指示識別子、例えば、P−RNTI(paging−RNTI)がCRCにスクランブルされ得る。システム情報ブロック(SIB;system information block)のためのPDCCHであれば、システム情報識別子、SI−RNTI(system information−RNTI)がCRCにスクランブルされ得る。端末のランダムアクセスプリアンブル伝送に対する応答であるランダムアクセス応答を指示するために、RA−RNTI(random access−RNTI)がCRCにスクランブルされ得る。
【0031】
図5は、上向きリンクサブフレームの構造を示す。
【0032】
上向きリンクサブフレームは、周波数領域において制御領域とデータ領域とに分けられることができる。前記制御領域は、上向きリンク制御情報が伝送されるためのPUCCH(physical uplink control channel)が割り当てられる。前記データ領域は、データが伝送されるためのPUSCH(physical uplink shared channel)が割り当てられる。上位階層で指示される場合、端末は、PUSCHとPUCCHの同時伝送を支援することができる。
【0033】
1つの端末に対するPUCCHは、サブフレームで資源ブロック対(RB pair)で割り当てられる。資源ブロック対に属する資源ブロックは、第1のスロットと第2のスロットの各々で互いに異なる副搬送波を占める。PUCCHに割り当てられる資源ブロック対に属する資源ブロックが占める周波数はスロット境界(slot boundary)を基準として変更される。これをPUCCHに割り当てられるRB対がスロット境界で周波数がホッピング(frequency−hopped)されたという。端末が上向きリンク制御情報を時間によって互いに異なる副搬送波を介して伝送することにより、周波数ダイバシティ利得を得ることができる。mは、サブフレーム内でPUCCHに割り当てられた資源ブロック対の論理的な周波数領域位置を示す位置インデックスである。
【0034】
PUCCH上に伝送される上向きリンク制御情報には、HARQ(hybrid automatic repeat request) ACK(acknowledgement)/NACK(non−acknowledgement)、下向きリンクチャネル状態を示すCQI(channel quality indicator)、上向きリンク無線資源割当要請のSR(scheduling request)などがある。
【0035】
PUSCHは、伝送チャネル(transport channel)であるUL−SCHにマッピングされる。PUSCH上に伝送される上向きリンクデータは、TTIの間伝送されるUL−SCHのためのデータブロックである伝送ブロック(transport block)でありうる。前記伝送ブロックは、ユーザ情報でありうる。若しくは、上向きリンクデータは、多重化された(multiplexed)データでありうる。多重化されたデータは、UL−SCHのための伝送ブロックと制御情報とが多重化されたものでありうる。例えば、データに多重化される制御情報には、CQI、PMI(precoding matrix indicator)、HARQ、RI(rank indicator)などがありうる。若しくは、上向きリンクデータは制御情報だけで構成されることもできる。
【0036】
無線通信システムの性能を向上させるために、ユーザ周辺に接続できるノード(node)の密度を高める方向に技術が進化している。ノードの密度が高い無線通信システムは、ノード間の協力によって性能が一層向上し得る。
【0037】
図6は、多重ノードシステムの一例を示す。
【0038】
図6に示すように、多重ノードシステム20は、1つの基地局21と複数のノード25−1、25−2、25−3、25−4、25−5とで構成されることができる。複数のノード25−1、25−2、25−3、25−4、25−5は、1つの基地局21により管理されることができる。すなわち、複数のノード25−1、25−2、25−3、25−4、25−5は、1つのセルの一部のように動作をする。このとき、各ノード25−1、25−2、25−3、25−4、25−5は、別のノードID(identifier)を割り当てられることができ、若しくは、別のノードID無しでセル内の一部アンテナ集団のように動作することができる。このような場合、図6の多重ノードシステム20は、1つのセルを形成する分散多重ノードシステム(DMNS;distributed multi node system)とみなすことができる。
【0039】
または、複数のノード25−1、25−2、25−3、25−4、25−5は、個別的なセルIDを有して端末のスケジューリング及びハンドオーバー(HO;handover)を行うことができる。このような場合、図6の多重ノードシステム20は、多重セルシステムとみなすことができる。基地局21は、マクロセル(macro cell)でありうるし、各ノードは、マクロセルのセルカバレッジ(cell coverage)より小さなセルカバレッジを有するフェムトセル(femto cell)またはピコセル(picocell)でありうる。このように、複数のセルがカバレッジによってオーバーレイ(overlay)されて構成される場合、複数階層ネットワーク(multi−tiernetwork)といえる。
【0040】
図6において、各ノード25−1、25−2、25−3、25−4、25−5は、基地局、Node−B、eNode−B、ピコセルeNb(peNB)、ホームeNB(HeNB)、無線遠隔装備(RRH;radio remote head)、中継局(RS;relay stationまたはrepeater)、分散アンテナ(distributed antenna)のうち、いずれか1つになることができる。1つのノードには、少なくとも1つのアンテナが設置され得る。また、ノードは、ポイント(point)と呼ばれることができる。以下の明細書においてノードは、DMNSから所定の間隔以上離れたアンテナグループを意味する。すなわち、以下の明細書において各ノードは、物理的にRRHを意味すると仮定する。しかし、本発明はこれに制限されず、ノードは、物理的間隔にかかわらず、任意のアンテナグループに定義されることができる。例えば、複数の交差偏光されたアンテナ(cross polarized antenna)で構成された基地局を、水平偏光されたアンテナ(horizontal polarized antenna)で構成されたノードと垂直偏光されたアンテナ(vertical polarized antenna)で構成されたノードとからなっているとみなし、本発明を適用することができる。また、本発明は、各ノードが、セルカバレッジがマクロセルに比べて小さいピコセルまたはフェムトセルである場合、すなわち、多重セルシステムでも適用され得る。以下の説明においてアンテナは、物理的なアンテナのみならず、アンテナポート、仮想(virtual)アンテナ、アンテナグループなどに代替され得る。
【0041】
図7は、PDCCHが資源にマッピングされる過程の一例を示す。
【0042】
ステップS100でPDCCHビットが生成される。PDCCHビットは、数式1のように表現されることができる。
【0043】
【数1】
bit(i)は、1つのサブフレーム内からPDCCH番号i上に伝送されるビットの個数である。nPDCCHは、サブフレーム内で伝送されるPDCCHの個数である。
【0044】
ステップS110で生成されたPDCCHビットにスクランブルシーケンス(scrambling sequence)が追加される。スクランブルシーケンスが追加されたPDCCHビットは、数式2のように表すことができる。
【0045】
【数2】
ステップS120においてスクランブルシーケンスが追加されたPDCCHビットに対してQPSK変調が行われる。QPSK変調により生成された変調シンボル等は、d(0)、...、d(Msymb−1)に表すことができる。
【0046】
ステップS130において変調シンボル等に対してレイヤマッピング(layer mapping)及びプリコーディング(precoding)が行われる。レイヤマッピング及びプリコーディングが行われた変調シンボルを数式3のように表すことができる。
【0047】
【数3】
ステップS140においてレイヤマッピング及びプリコーディングが行われた変調シンボル等が資源要素にマッピングされる。数式3のy(i)がアンテナポートp上の資源にマッピングされる。変調シンボル等は、サブブロックインターリービング(sub−block interleaving)後、時間と周波数の順にREGにマッピングされる。PDCCHは、PBCH(physical broadcast channel)が伝送されるアンテナポートと同じアンテナポート集合上に伝送される。
【0048】
以下、PCFICH(physical control format indicator channel)について説明する。
【0049】
図8は、PCFICH、PDCCH、及びPDSCHがサブフレームにマッピングされる一例を示す。
【0050】
3GPP LTEは、端末を制御する下向きリンク制御信号を伝送するためにPDCCHを割り当てる。複数の端末のPDCCHがマッピングされる領域をPDCCH領域または制御領域といえる。PCFICHは、サブフレーム内でPDCCHの割当のために使用されるOFDMシンボルの個数に関する情報を運ぶ。PDCCHが割り当てられるOFDMシンボルの個数に関する情報を制御フォーマット指示子(CFI;control format indicator)といえる。セル内の全ての端末は、PDCCHが割り当てられる領域を探索しなければならず、これにより、CIFは、セル特定(cell−specific)の値に設定されることができる。一般に、PDCCHが割り当てられる制御領域は、下向きリンクサブフレームの最も前方のOFDMシンボルに割り当てられ、PDCCHは、最大3個のOFDMシンボルに割り当てられることができる。
【0051】
図8に示すように、CIFが3に設定され、これにより、PDCCHは、サブフレーム内で前から3個のOFDMシンボル内に割り当てられる。端末は、制御領域内で自分のPDCCHを検出し、当該制御領域で検出したPDCCHを介して自分のPDSCHを探すことができる。
【0052】
従来のPDCCHは、所定領域内で伝送ダイバシティ(transmission diversity)を用いて伝送されただけであり、ビームフォーミング(beamforming)、MU(multi user)−MIMO(multiple−input multiple−output)、最適帯域選択(best band selection)等、PDSCHに支援される様々な技法等は適用されない。また、システム性能の向上のために分散多重ノードシステムが導入される場合、複数のノードまたは複数のRRHのセルIDが同じであれば、PDCCHの容量が足りなくなるという問題が生じ得る。これにより、既存のPDCCHの他に、新たな制御チャネルが導入され得る。以下の説明において新しく定義される制御チャネルをe−PDCCH(enhanced PDCCH)という。以下の説明において、e−PDCCH、ePDCCH、EPDCCHは混用して使用されることができる。e−PDCCHは、PDCCHが割り当てられる既存の制御領域ではないデータ領域に割り当てられることができる。e−PDCCHが定義されることにより、各端末別に各ノードに対する制御信号を伝送することができ、既存のPDCCH領域が足りないという問題を解決することができる。
【0053】
PDCCHが割り当てられる制御領域がPCFICHによって指示されることと同様に、e−PDCCHが割り当てられる領域を指示する新たなチャネルが定義され得る。すなわち、e−PDCCHが割り当てられる領域を指示するe−PCFICH(enhanced PCFICH)が新しく定義され得る。e−PCFICHは、e−PDCCHを検出するために必要な一部または全ての情報を運ぶことができる。e−PDCCHは、既存の制御領域内の共通探索領域(CSS;common search space)に割り当てられるか、データ領域に割り当てられることができる。
【0054】
図9は、e−PDCCHを介した資源割当の一例を示す。
【0055】
e−PDCCHは、既存の制御領域でないデータ領域の一部に割り当てられることができる。e−PDCCHは、既存のレガシ端末には提供されず、3GPP LTE rel−11を支援する端末(以下、rel−11端末)が探索することができる。rel−11端末は、自分のe−PDCCH検出のためのブラインドデコーディング(blind decoding)を行う。e−PDCCHを検出するための最小限の領域情報は、新しく定義されるe−PCFICHまたは既存のPDCCHを介して伝送されることができる。データ領域に割り当てられたe−PDCCHによってPDSCHがスケジューリングされ得る。基地局は、スケジューリングされたPDSCHを介して各端末に下向きリンクデータを伝送することができる。図9では、e−PDCCHが同じサブフレームにPDSCHをスケジューリングすることを例示としているが、e−PDCCHは、他のサブフレームに割り当てられたPDSCHをスケジューリングすることができる。ただし、各ノードに接続した端末の数が増加すれば、e−PDCCHがデータ領域内で占める部分が大きくなる。これにより、端末が行わなければならないブラインドデコーディングの数も増加するようになり、複雑度が高まり得るという短所が存在する。
【0056】
一方、最近に中継局(RS;relay station)を含む無線通信システムが開発されている。中継局は、セルカバレッジを拡張させ、伝送性能を向上させる役割をする。基地局が、基地局のカバレッジ境界に位置した端末を中継局を介してサービスすることにより、セルカバレッジを拡張させる効果を得ることができる。また、中継局が基地局と端末との間で信号の伝送信頼性を向上させることにより、伝送容量を増加させることができる。端末が基地局のカバレッジ内にあるとしても陰影地域に位置した場合に中継局を利用することもできる。基地局と中継器との間の上向きリンク及び下向きリンクは、バックホールリンク(backhaul link)であり、基地局と端末または中継器と端末との間の上向きリンク及び下向きリンクは、アクセスリンク(access link)である。以下、バックホールリンクを介して伝送される信号をバックホール信号といい、アクセスリンクを介して伝送される信号をアクセス信号という。
【0057】
中継局を含む無線通信システムで中継領域(relay zone)が定義され得る。中継領域は、基地局が伝送する下向きリンクサブフレーム内に中継局のための制御チャネル(以下、R−PDCCH)または中継局のためのデータチャネル(以下、R−PDSCH)の伝送がなされる区間を意味する。すなわち、下向きリンクサブフレーム内にバックホール(backhaul)伝送がなされる区間である。基地局と中継局との間の伝送は、スロット内の中継領域に制限される。基地局と中継局との間の伝送のためのPDSCHは、中継局が導入されなかったときのPDSCHと同様に処理され、資源要素にマッピングされる。ただし、当該PDSCHは、中継領域内の資源要素にのみマッピングされ、RB対の第1のスロットにR−PDCCHが割り当てられる場合に、当該PDSCHは、前記RB対の第1のスロットにはマッピングされない。
【0058】
R−PDCCHは、中継局のためのDCIを運ぶ。R−PDCCHは、第1のスロットの4番目のOFDMシンボルから最後のOFDMシンボルまで、かつ、第2のスロットの1番目のOFDMシンボルから最後のOFDMシンボルまで割り当てられることができる。周波数領域において複数のVRB(virtual RB)が、R−PDCCHが割り当てられ得るVRBに上位階層によって設定されることができる。R−PDCCHは、与えられたPRB(physical RB)内で他のR−PDCCH等とクロスインターリービング(cross−interleaving)されずに、1つ以上のPRB上に伝送されることができる。若しくは、複数のR−PDCCHが1つ以上のPRB内でクロスインターリービングされ得る。
【0059】
図10は、RBに割り当てられるR−PDCCHの一例を示す。
【0060】
図10に示すように、RB内の第1のスロットにはDLグラントのみが割り当てられ、第2のスロットにはULグラントまたはPDSCHが割り当てられ得る。このとき、制御領域、CRS、及びDMRSがマッピングされた資源要素を除いた残りの資源要素にR−PDCCHが割り当てられ得る。R−PDCCHの復調にはCRS、DMRSが全て使用され得る。R−PDCCHの復調にDMRSが使用される場合、アンテナポート7とスクランブルID(SCID;scrambling ID)=0が使用され得る。それに対し、R−PDCCHの復調にCRSが使用される場合、PBCH伝送アンテナが1個である場合にのみアンテナポート0を使用し、PBCH伝送アンテナが2個または4個である場合には、伝送ダイバシティ(Tx diversity)モードに切り換えてアンテナポート0〜1または0〜3を全て使用することができる。
【0061】
多重ノードシステムのために新しく定義されたe−PDCCHを割り当てることにおいて、図10において説明された既存のR−PDCCHの構造を再使用することができる。すなわち、RB内の第1のスロットにはDLグラントのみが割り当てられ、第2のスロットにはULグラントまたはPDSCHが割り当てられ得る。また、制御領域、CRS、及びDMRSがマッピングされた資源要素を除いた残りの資源要素にe−PDCCHが割り当てられ得る。既存の構造をそのまま使用することにより、既存の標準に大きな影響を及ぼさずに、e−PDCCHを割り当てることができる。
【0062】
図11は、RBに割り当てられるe−PDCCHの一例を示す。
【0063】
図11に示すように、e−PDCCHがRB内の第1のスロットと第2のスロットとに全て構成される場合を仮定する。第1のスロットに割り当てられたe−PDCCHにはDLグラントのみが割り当てられ、第2のスロットに割り当てられたe−PDCCHにはULグラントが割り当てられ得る。DLグラントは、端末に対する下向きリンク制御情報を伝送するDCIフォーマット(DCIフォーマット1、1A、1B、1C、1D、2、2A等)を表し、ULグラントは、端末に対する上向きリンク制御情報を伝送するDCIフォーマット(DCIフォーマット0、4)を表す。RB内でスロット別に検出しなければならないDLグラントとULグラントとが分けられているため、端末は、第1のスロットに探索領域を構成してDLグラントを検出するためのブラインドデコーディングを行い、また、第2のスロットに探索領域を構成してULグラントを検出するためのブラインドデコーディングを行う。
【0064】
一方、3GPP LTEでDL伝送モード(1〜9)及びUL伝送モード(1〜2)が存在する。DLとULに対して各々1つの伝送モードが上位階層シグナリングを介して端末別に割り当てられ得る。DL伝送モードでは、各伝送モード別に各端末が検出しなければならないDCIフォーマットが2個ずつ存在する。これにより、端末がDLグラントを検出するために行うべきブラインドデコーディングの数は16×2=32である。UL伝送モードでは、各伝送モード別に各端末が検出しなければならないDCIフォーマットが1個または2個である。例えば、UL伝送モードが1である場合、端末はDCIフォーマット0のみを検出し、UL伝送モードが2である場合、端末はDCIフォーマット0及び4を検出する。したがって、端末がULグラントを検出するために行うべきブラインドデコーディングの数は、UL伝送モードが1である場合、16×1=16、UL伝送モードが2である場合、16×2=32となる。
【0065】
図12は、RBに割り当てられるe−PDCCHのさらに他の例を示す。
【0066】
図12に示すように、e−PDCCHがRB内の第1のスロットにのみ構成される場合を仮定する。すなわち、第1のスロットに割り当てられたe−PDCCHにDLグラントとULグラントとが同時に割り当てられ得る。したがって、第1のスロットのe−PDCCHにはDLグラントとULグラントとが同時に存在する。端末は、第1のスロットに探索領域を構成して、DLグラント及びULグラントを検出するためのブラインドデコーディングを行う。前述したように、DLとULに対して各々1つの伝送モードが上位階層シグナリングを介して端末別に割り当てられ得る。DL伝送モードでは、各伝送モード別に各端末が検出しなければならないDCIフォーマットが2個ずつ存在し、全てのDL伝送モードは、フォールバック(fall−back)モード支援のためにDCIフォーマット1Aを基本的に含む。端末がDLグラントを検出するために行うべきブラインドデコーディングの数は16×2=32である。UL伝送モードでは、各伝送モード別に各端末が検出しなければならないDCIフォーマットが1個または2個である。UL伝送モードが1である場合、端末はDCIフォーマット0のみを検出し、UL伝送モードが2である場合、端末はDCIフォーマット0及び4を検出する。しかし、DCIフォーマット0はDCIフォーマット1Aと同じ長さを有し、1ビットのフラグ(flag)を介して区分できるので、追加的なブラインドデコーディングが必要でない。したがって、端末がULグラントを検出するために行うべきブラインドデコーディングの数は、UL伝送モードが1である場合に0、UL伝送モードが1である場合に16×1=16になる。
【0067】
図13は、RBに割り当てられるe−PDCCHのさらに他の例を示す。
【0068】
図13に示すように、各端末のe−PDCCHが時間領域または周波数領域で多重化される。すなわち、共通PRB集合が設定された状態で各端末のe−PDCCHが時間領域または周波数領域にクロスインターリービング(cross−interleaving)される。図13(a)は、e−PDCCHがRBの第1のスロット及び第2のスロットに割り当てられた場合であり、図13(b)は、e−PDCCHがRBの第1のスロットにのみ割り当てられた場合である。図13において各端末のe−PDCCHが複数個に分けられて分割されて割り当てられことが確認できる。これにより、時間領域または周波数領域でダイバシティ利得(diversity gain)を得ることができる。
【0069】
以下、本発明の一実施形態に係るe−PDCCHの構成方法を説明する。
【0070】
まず、e−PDCCHは複数のPRBに割り当てられることができる。各e−PDCCHは、複数のPRB内で局所的(localized)に割り当てられることができる。すなわち、e−PDCCHは、時間領域または周波数領域で物理的に隣接して割り当てられることができる。若しくは、各e−PDCCHは、複数のPRB内で分散的(distributed)に割り当てられることができる。すなわち、e−PDCCHは、時間領域または周波数領域で物理的に分散されて割り当てられることができる。例えば、図13において複数の端末に対するe−PDCCH等が時間領域または周波数領域にクロスインターリービングされて分散的に割り当てられることができる。e−PDCCHを分散的に割り当てることにより、周波数ダイバシティを得ることができる。
【0071】
1つの端末のe−PDCCHが割り当てられ得る領域は、第1の領域と第2の領域のうち、いずれか1つであるか、第1の領域と第2の領域の全てでありうる。第1の領域と第2の領域は、下記に説明された基準によって区分されることができる。
【0072】
1)最小集合レベルのe−PDCCHが1つのPRBまたはPRB対から伝送される第1の領域及び最小集合レベルのe−PDCCHが複数のPRBまたはPRB対から分割伝送される第2の領域:第1の領域は、前述したe−PDCCHが局所的に割り当てられた領域に対応し、第2の領域は、前述したe−PDCCHが分散的に割り当てられた領域に対応し得る。
【0073】
2)e−PDCCH集合領域に与えられたN個のアンテナポートのうち、一部のアンテナポートのみで1つの端末に対するe−PDCCHが伝送される第1の領域及び与えられた全てのアンテナポートで1つの端末に対するe−PDCCHが伝送される第2の領域:e−PDCCH領域に与えられたアンテナポートは、e−PDCCHのためのアンテナポートであるe−PDCCHポートでありうる。
【0074】
3)CL(closed−loop)−MIMOに対応する伝送モードの端末が探索する第1の領域及びDCIフォーマット1Aを検出するか、OL(open−loop)−MIMOに対応する伝送モードの端末が探索する第2の領域
4)e−PDCCHが1つのレイヤに伝送される第1の領域及びe−PDCCHがSFBC(space−frequency block coding)/STBC(space−time block coding)に伝送される第2の領域
5)ビームフォーミングまたは適応的(adaptive)ビームフォーミングが適用される第1の領域及びSFBC/STBCまたは非適応的(non−adaptive)ビームフォーミングなどの伝送ダイバシティ(TxD;transmit diversity)が適用される第2の領域
6)1つのRBまたはRB対内にCCE/e−CCEが構成またはマッピングされる第1の領域及びCCE/e−CCEが複数のRBから分割されて構成またはマッピングされる第2の領域
7)e−PDCCHの探索領域が連続するRBまたはRB対で構成またはマッピングされる第1の領域及びe−PDCCHの探索領域が分散されるRBまたはRB対で構成またはマッピングされる第2の領域
以上の基準によって1つの端末のe−PDCCHは第1の領域及び/又は第2の領域に割り当てられることができる。
【0075】
また、複数のe−PDCCHが割り当てられる領域も物理的に1つであるか、2個以上でありうる。e−PDCCHが割り当てられる領域が2個以上である場合、各領域に割り当てられるe−PDCCHは、同じ方式で構成されたり、互いに異なる方式で構成されることができる。
【0076】
以下の説明において、1)の基準によって第1の領域と第2の領域とを区分することと仮定する。すなわち、第1の領域は、最小集合レベルのe−PDCCHが1つのPRBまたはPRB対から伝送される領域であり、第2の領域は、最小集合レベルのe−PDCCHが複数のPRBまたはPRB対から分割伝送される領域である。言い替えれば、第1の領域は、e−PDCCH等が局所的に割り当てられる領域であり、第2の領域は、e−PDCCH等が分散的に割り当てられる領域である。また、以下の説明において、e−PDCCH等が局所的に割り当てられる領域を非インターリービング領域とし、e−PDCCH等が分散的に割り当てられる領域をインターリービング領域として例示して説明するが、本発明の一実施形態に係るe−PDCCHの構成方法は、これに制限されない。
【0077】
図14は、本発明の一実施形態に係るe−PDCCH構成方法の一例を示す。
【0078】
図14に示すように、PDSCH領域にe−PDCCHが割り当てられる。このとき、e−PDCCHは、インターリービング領域と非(non)インターリービング領域とに分けて割り当てられることができる。図14のように、e−PDCCHがインターリービング領域と非インターリービング領域とに全て割り当てられる場合、インターリービング領域と非インターリービング領域とは共存できず、分離されて割り当てられることができる。
【0079】
インターリービング領域は、各e−PDCCHが分散されて割り当てられる領域を示す。すなわち、インターリービング領域自体は周波数領域で隣接するように構成されるが、インターリービング領域内で各e−PDCCHが分散されて割り当てられる。インターリービング領域は、e−PDCCHが分散的に割り当てられる領域の一例を示す。各e−PDCCHは、複数のユニットで構成され、各ユニットは、RBより小さい大きさを有することができる。1つのRBは、複数のe−PDCCHの1つ以上のユニットを含むことができ、またはe−PDCCHとPDSCHとが共に含まれることもできる。例えば、複数のe−PDCCHが結合コーディング(jointly encoding)されて割り当てられることができる。このとき、端末が自分に割り当てられたe−PDCCHに含まれたe−PDCCHポートのみを使用してe−PDCCHを復号するには、e−PDCCHポートが占めるREの個数が少ない場合がある。また、基地局の立場でe−PDCCHを構成するユニットの各々に個別的にe−PDCCHポートをシグナリングするには、オーバーヘッドが大きくなる場合がある。また、各端末に対するe−PDCCHを端末別に選好する周波数領域に設定することができないので、端末特定のビームフォーミング利得(beamforming gain)を得るようにビームフォーミングベクトルを設定することも難しい。したがって、e−PDCCH領域の全体で使用されるe−PDCCHポート及び/又はプリコーディングベクトル値を1つまたはそれ以上に予め固定(pre−fix)するか、RRCシグナリングなどを介して端末に知らせることができる。e−PDCCH領域で使用されるe−PDCCHポート及び/又はプリコーディングベクトル値を認知できる端末は、自分に割り当てられるe−PDCCHがなくてもe−PDCCH領域に割り当てられたe−PDCCHポートを用いてチャネル推定をすることができる。プリコーディングが行われなかった場合、プリコーディングベクトル値は認知する必要がない。
【0080】
非インターリービング領域は、各e−PDCCHが分散されずに局所的に割り当てられる領域を示す。非インターリービング領域は、e−PDCCHが局所的に割り当てられる領域の一例を示す。各e−PDCCHは互いに混ざらずに自分の領域を有し、自分のe−PDCCHポートで復号が可能である。
【0081】
図15は、本発明の一実施形態に係るe−PDCCH構成方法のさらに他の例を示す。
【0082】
図15(a)は図14と同様である。図15(b)は、インターリービング領域内で複数のe−PDCCHが構成される一例を示す。図15(b)は、1つのRB内にe−PDCCHを割り当てる基本ユニットが周波数軸に沿って最大4個である場合を仮定する。1つのRBに第1の端末に対する第1のe−PDCCH、第2の端末に対する第2のe−PDCCH、及び第3の端末に対する第3のe−PDCCHが割り当てられ、各e−PDCCHは、インターリービングによって各RBに分散されて割り当てられる。また、特定e−PDCCHは、複数の基本ユニットを連続して割り当てられることができる。図15(b)において第3の端末に対する第3のe−PDCCHは、2個の基本ユニットを割り当てられる。
【0083】
図15(c)は、インターリービング領域内で複数のe−PDCCHが構成されるさらに他の例を示す。図15(c)は、1つのRB内にe−PDCCHを割り当てる基本ユニットが時間軸及び周波数軸に沿って最大4個である場合を仮定する。1つのRBに第1の端末に対する第1のe−PDCCH、第2の端末に対する第2のe−PDCCH、第3の端末に対する第3のe−PDCCH、及び第4の端末に対する第4のe−PDCCHが割り当てられ、各e−PDCCHは、インターリービングによって各RBに分散されて割り当てられる。図5(b)において第3の端末に対する第3のe−PDCCHは、2個の基本ユニットを割り当てられる。各RBに割り当てられるe−PDCCHの位置はRBによって変わることができる。
【0084】
e−PDCCHが局所的に割り当てられた場合、物理資源はe−REG(enhanced REG)単位で与えられることができる。1つのe−CCE(enhanced CCE)は1つのPRB対にマッピングされることができる。e−PDCCHの伝送のために使用される単一アンテナポートがe−PDCCH資源を定義するe−CCEインデックスに基づいて決定されることができる。e−PDCCHが分散的に割り当てられた場合、物理資源はe−REG単位で与えられることができる。e−REG内の各資源要素は、交互に2個のアンテナポートのうちの1つのアンテナポートと接続されることができる。
【0085】
一方、e−PDCCHは、コンテンツによって、設定される領域によって、または端末によって異なるように構成されることができる。例えば、基地局は、Rel−8端末またはRel−10端末などの既存端末にも同一に伝送される制御情報(例えば、ページング、ランダムアクセス(RA;random access)、システム情報(SI;system information))は、既存の方式どおりにPDCCHを介して伝送し、Rel−11端末等にのみ共通的に(common)伝送される制御情報(例えば、伝送パワー制御(TPC;transmit power control)命令)は、インターリービング領域に割り当てられるe−PDCCHのCSSを介して伝送することができる。Rel−11端末は、PDCCH及びe−PDCCHを各々検出して自分に伝送される制御情報を読み出すことができる。または、基地局は、既存端末等にも同一に伝送される制御情報及びRel−11端末等にのみ共通的に伝送される制御情報を全てインターリービング領域に割り当てられるe−PDCCHのCSSを介して伝送することができる。Rel−11端末は、CSSでe−PDCCHを検出して自分に伝送される制御情報を読み出すことができる。
【0086】
または、Rel−11端末等のための端末特定制御情報は、端末の速度やその他の状況に応じてインターリービング領域または非インターリービング領域に割り当てられたe−PDCCHを介して伝送されることができる。例えば、インターリービング領域には、高速の端末、経路損失(pathloss)が小さい端末、またはチャネル状況が良くない端末等に対するe−PDCCHを割り当てることができ、非インターリービング領域には、低速の端末、経路損失(pathloss)が大きい端末、またはチャネル状況が良い端末等に対するe−PDCCHを割り当てることができる。端末の速度、経路損失、チャネル状況などの値は、RRC(radio resource control)などの上位階層に伝送されることができ、端末が決められたあるしきい値(threshold)と比較して判断することもできる。若しくは、基地局は、RRCメッセージなどの上位階層メッセージを介して端末が読み出さなければならない領域を直接知らせることもできる。
【0087】
以下、コンテンツによってe−PDCCH構成が変わる具体的な実施形態を説明する。
【0088】
例えば、Rel−11端末等に共通的に伝送される制御情報はRNTIによって区別され得る。すなわち、共通RNTIを有した制御情報は、インターリービング領域に割り当てられるe−PDCCHのCSSを介して伝送されることができる。このとき、Rel−11端末等は、既存端末等と同じ制御情報をPDCCHを介して受信することができる。共通RNTIは、SI−RNTI、P−RNTI、RA−RNTI、臨時C−RNTI、TPC−RNTI、SPS(semi−persistent scheduling)−RNTI、またはC−RNTIなどを含むことができる。RA−RNTIは、ランダムアクセス応答(random access response)メッセージが伝送されるとき、PDCCH上で使用されることができる。RA−RNTIは、端末がランダムアクセスプリアンブル(random access preamble)を伝送するとき、どのような時間−周波数資源を使用したかを識別することができる。臨時C−RNTIは、ランダムアクセスのうち、端末によって使用される臨時識別子である。臨時C−RNTIの大きさは16ビットでありうる。端末特定RNTIはC−RNTIまたはSPS−RNTIを含むことができる。
【0089】
または、Rel−11端末は、インターリービング領域ではDCIフォーマット1Aのみ検出し、非インターリービング領域で残りのDCIフォーマットを検出するようにe−PDCCHを構成することができる。例えば、伝送モード9で使用するDCIフォーマットがある場合、インターリービング領域に割り当てられたe−PDCCHを介してDCIフォーマット1Aを、非インターリービング領域に割り当てられたe−PDCCHを介してDCIフォーマット2Cを伝送すれば、端末は各領域でのブラインドデコーディング回数を減らすことができる。このとき、DCIフォーマット3、3AなどのCSSで検出しなければならないDCIフォーマットもインターリービング領域に割り当てられたe−PDCCHを介して伝送されることができる。表2は、DCIフォーマット1A及びDCIフォーマット2Cに対応する探索領域及び伝送方式(transmission scheme)の一例を示す。
【0090】
【表2】
または、MU−MIMOを支援するe−PDCCHは、非インターリービング領域に割り当てることができる。
【0091】
または、Rel−11端末等に共通的に伝送される制御情報は、インターリービング領域及び非インターリービング領域の両方に割り当てられたe−PDCCHを介して伝送されることができる。このとき、、Rel−11端末は、自分に対する制御情報が含まれた領域を決定し、当該領域のみを復号することにより、共通制御情報及び端末特定制御情報を全て受信することができる。Rel−11端末は、基地局のシグナリングを介して、またはチャネル状態などを特定しきい値と比較して特定領域を選択する方式で自分の制御情報が含まれた領域を決定することができる。または、以前に受信された領域がそのまま自分の制御情報が含まれた領域になることもできる。すなわち、Rel−11端末は、以前に受信した最も最新のPDSCH等が局所的に割り当てられた場合に非インターリービング領域を、分散的に割り当てられた場合にインターリービング領域を介して伝送される制御情報を読み出すことができる。このように、Rel−11端末は、自分に対する制御情報が含まれた領域のみを復号することによりオーバーヘッドを減らすことができる。
【0092】
または、基地局は、インターリービング領域に割り当てられたe−PDCCHを介して集合レベルが高い制御情報を伝送し、非インターリービング領域に割り当てられたe−PDCCHを介して集合レベルが低い制御情報を伝送することができる。例えば、インターリービング領域に割り当てられるe−PDCCHは、集合レベル4または8のみで構成され、非インターリービング領域に割り当てられるe−PDCCHは、集合レベル1または2のみで構成されることができる。
【0093】
表3は、e−PDCCHフォーマット及び資源割当によるe−CCEの個数を示す。各e−CCEは、複数のe−REGを含むことができる。
【0094】
【表3】
表3に示すように、e−PDCCHフォーマット4が局所的に割り当てられる場合には定義されないが、分散的に割り当てられる場合、32個または16個のe−CCEによって定義され得る。すなわち、集合レベルの高いe−PDCCHは、e−PDCCHが分散的に割り当てられる領域のみで定義されることができる。
【0095】
図16は、本発明の一実施形態に係るe−PDCCHの割当方法の一例を示す。
【0096】
ステップS200において基地局は、e−PDCCHをPDSCH領域内の局所領域に割り当て、ステップS210において基地局は、e−PDCCHをPDSCH領域内の分散領域に割り当てる。e−PDCCHは、前述したような方式によって構成されることができる。ステップS220において基地局は、割り当てられたe−PDCCHを介してスケジューリング割当を伝送する。
【0097】
図17は、本発明の実施形態が実現される無線通信システムのブロック図である。
【0098】
基地局800は、プロセッサ(810;processor)、メモリ(820;memory)、及びRF部(830;radio frequency unit)を備える。プロセッサ810は、提案された機能、過程及び/又は方法を実現する。無線インターフェースプロトコルの階層は、プロセッサ810により実現されることができる。メモリ820は、プロセッサ810と接続されて、プロセッサ810を駆動するための様々な情報を格納する。RF部830は、プロセッサ810と接続されて、無線信号を伝送及び/又は受信する。
【0099】
端末900は、プロセッサ910、メモリ920、及びRF部930を備える。プロセッサ910は、提案された機能、過程及び/又は方法を実現する。無線インターフェースプロトコルの階層は、プロセッサ910により実現されることができる。メモリ920は、プロセッサ910と接続されて、プロセッサ910を駆動するための様々な情報を格納する。RF部930は、プロセッサ910と接続されて、無線信号を伝送及び/又は受信する。
【0100】
プロセッサ810、910は、ASIC(application−specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路及び/又はデータ処理装置を備えることができる。メモリ820、920は、ROM(read−only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、格納媒体及び/又は他の格納装置を備えることができる。RF部830、930は、無線信号を処理するためのベースバンド回路を備えることができる。実施形態がソフトウェアで実現されるとき、上述した技法は、上述した機能を果たすモジュール(過程、機能など)で実現されることができる。モジュールは、メモリ820、920に格納され、プロセッサ810、910により実行されることができる。メモリ820、920は、プロセッサ810、910の内部または外部にありうるし、よく知らされた様々な手段でプロセッサ810、910と接続されることができる。
【0101】
上述した例示的なシステムにおいて方法等は、一連のステップまたはブロックにより、順序図に基づいて説明されているが、本発明は、ステップ等の順序に限定されるものではなく、あるステップは上述したところと異なるステップと異なる順序で、または同時に発生することができる。また、当業者であれば、順序図に示したステップ等が排他的でなく、他のステップが含まれたり、順序図の1つまたはそれ以上のステップが本発明の範囲に影響を及ぼさずに削除されることができることが理解できるであろう。
【0102】
本願発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
無線通信システムにおける制御チャネルを割り当てる方法であって、
PDSCH(physical downlink shared channel)領域内の局所領域(localized region)にe−PDCCH(enhanced physical downlink control channel)を割り当て、
前記PDSCH領域内の分散領域(distributed region)に前記e−PDCCHを割り当て、
前記割り当てられたe−PDCCHを介してスケジューリング割当(scheduling assignment)を伝送することを含むことを特徴とする方法。
(項目2)
前記局所領域は、1つの端末のe−PDCCHが局所的に割り当てられる領域であり、
前記分散領域は、1つの端末のe−PDCCHが分散的に割り当てられる領域であることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目3)
前記局所領域は、最小集合レベル(aggregation level)のe−PDCCHが1つの物理資源ブロック(PRB;physical resource block)またはPRB対から伝送される領域であり、
前記分散領域は、最小集合レベルのe−PDCCHが複数のPRBまたはPRB対から分散されて伝送される領域であることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目4)
前記局所領域は、e−PDCCH集合領域に与えられたN個のe−PDCCHアンテナポートのうち、一部のe−PDCCHアンテナポートを使用する領域であり、
前記分散領域は、前記与えられたN個のe−PDCCHアンテナポートを全て使用する領域であることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目5)
前記局所領域は、CCE(control channel element)/e−CCE(enhanced CCE)が1つのRBまたはRB対内に構成またはマッピングされる領域であり、
前記分散領域は、CCE/e−CCEが複数のRBから分割されて構成またはマッピングされる領域であることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目6)
前記局所領域は、前記e−PDCCHの探索領域(search space)が連続するRBまたはRB対から構成またはマッピングされる領域であり、
前記分散領域は、前記e−PDCCHの探索領域が分散されるRBまたはRB対から構成またはマッピングされる領域であることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目7)
前記局所領域は、複数の端末のe−PDCCH等がインターリービングされずに割り当てられる領域であり、
前記分散領域は、複数の端末のe−PDCCH等がインターリービングされて割り当てられる領域であることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目8)
前記各端末のe−PDCCHは、前記分散領域内で複数のユニット(unit)で構成されることを特徴とする項目7に記載の方法。
(項目9)
前記各ユニットは、1つのPRB内で周波数領域に沿って構成されるか、時間領域及び周波数領域に沿って構成されることを特徴とする項目8に記載の方法。
(項目10)
前記局所領域に割り当てられるe−PDCCHの集合レベル(aggregation)より前記分散領域に割り当てられるe−PDCCHの集合レベルが高いことを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目11)
前記スケジューリング割当は、前記分散領域に割り当てられたe−PDCCHの共通探索領域(CSS;common search space)を介して伝送されることを特徴とする項目1に記載の方法。
(項目12)
前記スケジューリング割当は、共通RNTI(radio networktemporary identity)を備えることを特徴とする項目11に記載の方法。
(項目13)
前記分散領域に割り当てられたe−PDCCHを介して伝送される前記スケジューリング割当は、DCI(downlink control information)フォーマット1Aであることを特徴とする項目11に記載の方法。
(項目14)
無線通信システムにおける制御チャネルを割り当てる基地局であって、
無線信号を伝送または受信するRF(radio frequency)部と、
前記RF部と接続されるプロセッサと、
を備え、
前記プロセッサは、
PDSCH(physical downlink shared channel)領域内の局所領域(localized region)にe−PDCCH(enhanced physical downlink control channel)を割り当て、
前記PDSCH領域内の分散領域(distributed region)に前記e−PDCCHを割り当て、
前記割り当てられたe−PDCCHを介してスケジューリング割当(scheduling assignment)を伝送するように構成されることを特徴とする基地局。
(項目15)
前記局所領域は、1つの端末のe−PDCCHが局所的に割り当てられる領域であり、
前記分散領域は、1つの端末のe−PDCCHが分散的に割り当てられる領域であることを特徴とする項目14に記載の基地局。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17