特許第5905611号(P5905611)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5905611ユニファイラーコイル状ケーブルを備える埋込型医療装置リード
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5905611
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】ユニファイラーコイル状ケーブルを備える埋込型医療装置リード
(51)【国際特許分類】
   A61N 1/05 20060101AFI20160407BHJP
【FI】
   A61N1/05
【請求項の数】20
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2014-560145(P2014-560145)
(86)(22)【出願日】2013年4月19日
(65)【公表番号】特表2015-508701(P2015-508701A)
(43)【公表日】2015年3月23日
(86)【国際出願番号】US2013037432
(87)【国際公開番号】WO2013159031
(87)【国際公開日】20131024
【審査請求日】2014年8月27日
(31)【優先権主張番号】61/636,204
(32)【優先日】2012年4月20日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】505003528
【氏名又は名称】カーディアック ペースメイカーズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ウォーカー、ジョセフ
(72)【発明者】
【氏名】レディ、ジー.シャンタヌ
(72)【発明者】
【氏名】アーンホルト、デボン エヌ.
(72)【発明者】
【氏名】ハースル、ベンジャミン ジェイ.
【審査官】 木村 立人
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第6456888(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0087299(US,A1)
【文献】 国際公開第2012/038378(WO,A1)
【文献】 特開平7−47139(JP,A)
【文献】 特表2005−522301(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/081713(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61N 1/00 ― 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療装置リードであって、
基端を有する基端領域と、先端を有する先端領域とを有する可撓性本体と、
前記リードの前記可撓性本体の前記基端に結合されているコネクタであって、前記リードを埋込型パルス発生器に電気的及び機械的に接続するためのコネクタと、
前記可撓性本体の前記先端領域における電極と、
中実である誘電性の心棒と、
前記コネクタに電気的に結合される基端と、前記電極に電気的に結合される先端とを有するケーブル導体と、を備え、前記ケーブル導体は、該ケーブル導体の軸方向の引張強度を向上するべく前記誘電性の心棒の周囲に形成された同一半径の複数の巻回部分を含む一重螺旋コイル状ファイラーからなり、0.508mm(0.020インチ)未満の外径を有する、医療装置リード。
【請求項2】
前記螺旋コイル状ファイラーのピッチは、前記ファイラーの直径の1倍から2倍である、請求項1に記載の医療装置リード。
【請求項3】
前記螺旋コイル状ファイラーの前記ピッチは、前記ケーブル導体の少なくとも一部分において異なる、請求項2に記載の医療装置リード。
【請求項4】
前記ファイラーの直径は、0.076mm(0.003インチ)未満である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の医療装置リード。
【請求項5】
前記誘電性の心棒は、前記ケーブル導体の内径を占める、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の医療装置リード。
【請求項6】
前記可撓性本体は複数の内腔を備え、前記ケーブル導体は前記複数の内腔のうちの1つを通じて延在する、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の医療装置リード。
【請求項7】
医療装置リードであって、
基端を有する基端領域と、先端を有する先端領域とを有する可撓性本体と、
前記リードの前記可撓性本体の前記基端に結合されているコネクタであって、前記リードを埋込型パルス発生器に電気的及び機械的に接続するためのコネクタと、
前記可撓性本体の前記先端におけるチップ電極と、
前記可撓性本体の前記先端領域における1つ以上のリング電極と、
前記コネクタに電気的に結合される基端と、前記チップ電極に電気的に結合される先端とを有するコイル状導体と、
中実である1つ以上の誘電性の心棒と、
前記コネクタに電気的に結合される基端と、前記1つ以上のリング電極のうちの1つに電気的に結合される先端とを各々有する1つ以上のケーブル導体と、を備え、各ケーブル導体は、該ケーブル導体の軸方向の引張強度を向上するべく前記1つ以上の誘電性の心棒のうちの1つの周囲に形成された同一半径の複数の巻回部分を含む一重螺旋コイル状ファイラーからなり、各ケーブル導体の外径は、前記コイル状導体の外径よりも小さい、医療装置リード。
【請求項8】
前記1つ以上のケーブル導体の各々の前記外径は、0.508mm(0.020インチ)未満である、請求項7に記載の医療装置リード。
【請求項9】
前記1つ以上のケーブル導体の各々について、前記螺旋コイル状ファイラーのピッチは、前記ファイラーの直径の1倍から2倍である、請求項7又は8に記載の医療装置リード。
【請求項10】
前記1つ以上のケーブル導体のうちの少なくとも1つの前記螺旋コイル状ファイラーの前記ピッチは、前記ケーブル導体の少なくとも一部分において異なる、請求項9に記載の医療装置リード。
【請求項11】
前記1つ以上のケーブル導体の各々について、前記ファイラーの直径は、0.076mm(0.003インチ)未満である、請求項7に記載の医療装置リード。
【請求項12】
前記1つ以上の誘電性の心棒の各々は、前記1つ以上のケーブル導体のうちの1つの内径を占める、請求項7乃至11のいずれか一項に記載の医療装置リード。
【請求項13】
前記可撓性本体は複数の内腔を備え、前記コイル状導体と、前記1つ以上のケーブル導体とは、異なる内腔を通じて延在する、請求項7乃至12のいずれか一項に記載の医療装置リード。
【請求項14】
前記チップ電極は、固定螺旋部を備える、請求項7乃至13のいずれか一項に記載の医療装置リード。
【請求項15】
医療装置リードであって、
基端を有する基端領域と、先端を有する先端領域とを有する可撓性本体と、
前記リードの前記可撓性本体の前記基端に結合されているコネクタであって、前記リードを埋込型パルス発生器に電気的及び機械的に接続するためのコネクタと、
前記可撓性本体の前記先端領域における1つ以上の電極であって、ペーシング信号の送達と心臓組織の電気的活動の感知との少なくとも一方を行うように構成されている前記1つ以上の電極と、
中実である1つ以上の誘電性の心棒と、
前記コネクタに電気的に結合される基端と、前記1つ以上の電極のうちの1つに電気的に結合される先端とを各々有する1つ以上のケーブル導体と、を備え、各ケーブル導体は、該ケーブル導体の軸方向の引張強度を向上するべく前記1つ以上の誘電性の心棒のうちの1つの周囲に形成された同一半径の複数の巻回部分を含む一重螺旋コイル状ファイラー
からなり、前記1つ以上のケーブル導体の各々の外径は、0.508mm(0.020インチ)未満である、医療装置リード。
【請求項16】
前記1つ以上のケーブル導体の各々について、前記螺旋コイル状ファイラーのピッチは、前記ファイラーの直径の1倍から2倍である、請求項15に記載の医療装置リード。
【請求項17】
前記1つ以上のケーブル導体のうちの少なくとも1つの前記螺旋コイル状ファイラーの前記ピッチは、前記ケーブル導体の少なくとも一部分において異なる、請求項16に記載の医療装置リード。
【請求項18】
前記1つ以上のケーブル導体の各々について、前記ファイラーの直径は、0.076mm(0.003インチ)未満である、請求項15乃至17のいずれか一項に記載の医療装置リード。
【請求項19】
前記1つ以上の誘電性の心棒の各々は、前記1つ以上のケーブル導体のうちの1つの内径を占める、請求項15乃至18のいずれか一項に記載の医療装置リード。
【請求項20】
前記ファイラーは絶縁性のコーティングを備える、請求項15乃至19のいずれか一項に記載の医療装置リード。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、埋込型医療装置に関する。より詳細には、本開示は、MRI環境における電極の発熱を低減するように構成されたユニファイラーコイル状ケーブルを備える医療装置リードに関する。
【背景技術】
【0002】
磁気共鳴画像法(Magnetic Resonance Imaging:MRI)は、核磁気共鳴法を利用して患者の身体内の画像を提供する非侵襲的な撮像方法である。典型的には、MRIシステムは、約0.2〜3テスラ(T)の磁場強度を有する磁気コイルの使用を伴う。この方法の際、身体組織は、磁場に対して垂直な平面において、電磁エネルギを有するRFパルスに暫時曝露される。そのパルスから得られる電磁エネルギは、組織における励起された原子核の緩和特性を測定することにより身体組織を撮像するのに使用されることが可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
撮像の際、ペースメーカや心臓除細動器等の埋込型医療装置において使用される埋込型装置リードは、MRIシステムによって生成される電磁放射を受け取る場合がある。このエネルギは、組織と接触した電極へとリードを通じて移動し、これによって、接触点における温度上昇がもたらされる場合がある。組織の発熱の程度は、典型的には、リードの長さ、リードの伝導率又はインピーダンス、及びリード電極の表面積等の要因に関係している。さらに、磁場に対する曝露によって、望ましくない電圧がリードに対して誘導される場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書は、小さな直径のユニファイラーコイル状ケーブルを含む医療装置リードの様々な実施形態とともに、そのようなリードを備える医療装置システムを開示する。
例1では、医療装置リードは、基端を有する基端領域と、先端を有する先端領域とを有する可撓性本体を備える。コネクタは、リードの可撓性本体の基端に結合され、これによって、リードは、埋込型パルス発生器に電気的及び機械的に接続されている。医療装置リードは、可撓性本体の先端領域における電極と、基端及び先端を有するケーブル導体であって、コネクタに電気的に結合される基端と電極に電気的に結合される先端とを有するケーブル導体とを備える。ケーブル導体は、同一半径の複数の巻回部分を含み、約0.508mm(約0.020インチ)未満の外径を有する一重螺旋コイル状ファイラーからなる。
【0005】
例2では、螺旋コイル状ファイラーのピッチは、ファイラーの直径の約1倍から約2倍である、例1による医療装置リード。
例3では、螺旋コイル状ファイラーのピッチは、ケーブル導体の少なくとも一部分において異なる、例1又は2による医療装置リード。
【0006】
例4では、ファイラーの直径は、約0.076mm(約0.003インチ)未満である、例1乃至3のいずれか一例による医療装置リード。
例5では、螺旋コイル状ファイラーを通じて螺旋コイル状ファイラーと同軸に延在する誘電性の心棒をさらに備える、例1乃至4のいずれか一例による医療装置リード。
【0007】
例6では、可撓性本体は複数の内腔を備え、ケーブル導体は複数の内腔のうちの1つを
通じて延在する、例1乃至5のいずれか一例による医療装置リード。
例7では、医療装置リードは、基端を有する基端領域と、先端を有する先端領域とを有する可撓性本体を備える。コネクタは、リードの可撓性本体の基端に結合され、これによって、リードは、埋込型パルス発生器に電気的及び機械的に接続される。チップ電極は、可撓性本体の先端において存在し、1つ以上のリング電極は、可撓性本体の先端領域において存在する。医療装置リードは、さらに、コネクタに電気的に結合される基端とチップ電極に電気的に結合される先端とを有するコイル状導体と、基端及び先端を有する1つ以上のケーブル導体であって、各々がコネクタに電気的に結合される基端と1つ以上のリング電極のうちの1つに電気的に結合される先端とを有する1つ以上のケーブル導体とを備える。各ケーブル導体は、同一半径の複数の巻回部分を含む一重螺旋コイル状ファイラーからなる。ケーブル導体の各々の外径は、コイル状導体の外径よりも小さい。
【0008】
例8では、1つ以上のケーブル導体の各々の外径は、約0.508mm(約0.020インチ)未満である、例7による医療装置リード。
例9では、1つ以上のケーブル導体の各々について、螺旋コイル状ファイラーのピッチは、ファイラーの直径の約1倍から約2倍である、例7又は8による医療装置リード。
【0009】
例10では、1つ以上のケーブル導体のうちの少なくとも1つの螺旋コイル状ファイラーのピッチは、ケーブル導体の少なくとも一部分において異なる、例7乃至9のいずれか一例による医療装置リード。
【0010】
例11では、1つ以上のケーブル導体の各々について、ファイラーの直径は、約0.076mm(約0.003インチ)未満である、例7乃至10のいずれか一例による医療装置リード。
【0011】
例12では、各螺旋コイル状ファイラーを通じて螺旋コイル状ファイラーと同軸に延在する誘電性の心棒をさらに備える、例7乃至11のいずれか一例による医療装置リード。
例13では、可撓性本体は複数の内腔を備え、コイル状導体と、1つ以上のケーブル導体とは、異なる内腔を通じて延在する、例7乃至12のいずれか一例による医療装置リード。
【0012】
例14では、チップ電極は、固定螺旋部を備える、例7乃至13のいずれか一例による医療装置リード。
例15では、医療装置リードは、基端を有する基端領域と、先端を有する先端領域とを有する可撓性本体を備える。コネクタは、リードの可撓性本体の基端に結合され、これによって、リードは、埋込型パルス発生器に電気的及び機械的に接続される。1つ以上の電極は、可撓性本体の先端領域において存在し、ペーシング信号の送達と心臓組織の電気的活動の感知との少なくとも一方を行うように構成されている。各1つ以上のケーブル導体は、コネクタに電気的に結合される基端と、1つ以上の電極のうちの1つに電気的に結合される先端とを各々有する。各ケーブル導体は、同一半径の複数の巻回部分を含む一重螺旋コイル状ファイラーからなる。1つ以上のケーブル導体の各々の外径は、約0.508mm(約0.020インチ)未満である。
【0013】
例16では、1つ以上のケーブル導体の各々について、螺旋コイル状ファイラーのピッチは、ファイラーの直径の約1倍から約2倍である、例15による医療装置リード。
例17では、1つ以上のケーブル導体のうちの少なくとも1つの螺旋コイル状ファイラーのピッチは、ケーブル導体の少なくとも一部分において異なる、例15又は16による医療装置リード。
【0014】
例18では、1つ以上のケーブル導体の各々について、ファイラーの直径は、約0.0
76mm(約0.003インチ)未満である、例15乃至17のいずれか一例による医療装置リード。
【0015】
例19では、各螺旋コイル状ファイラーを通じて螺旋コイル状ファイラーと同軸に延在する誘電性の心棒をさらに備える、例15乃至18のいずれか一例による医療装置リード。
【0016】
例20では、ファイラーは絶縁性のコーティングを備える、例15乃至19のいずれか一例による医療装置リード。
複数の実施形態が開示される一方、本発明のさらに別の実施形態は、以下の詳細な説明から当業者に対して明らかになり、その詳細な説明によって本発明の例示的な実施形態が示され説明される。したがって、図面及び詳細な説明は、性質において例示であり限定するものではないと看做されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】心臓の複合断面図及び一実施形態による埋込型医療装置及びリードの透視図。
図2図1に示したリードの一実施形態の側面図。
図3図1に示したリードの一部分の斜視図。リード本体を通じて延在する、小さな直径のユニファイラーコイル状ケーブルを示している。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明には様々な改変及び代替の形態の余地が存在するが、具体的な実施形態を図面に例として示し、以下において詳細に説明する。しかしながら、これは本発明を説明される特定の実施形態に限定することを意図するものではない。反対に、本発明が添付の特許請求の範囲によって定義される発明の範囲内に属する全ての改変、均等、及び代替の形態を包含することが意図されている。
【0019】
図1は、一実施形態による埋込型医療装置(IMD)10の透視図である。IMD10は、パルス発生器12と心臓リード14とを備える。リード14は、心臓16とパルス発生器12との間において電気信号を伝えるように動作する。リード14は、基端領域18と先端領域20とを有する。リード14は、基端領域18から先端領域20へと延在するリード本体、すなわち可撓性本体22を備える。基端領域18はパルス発生器12に結合され、先端領域20は心臓16に結合される。先端領域20は、伸縮自在な固定螺旋部(fixation helix)24を備え、その固定螺旋部24は、後の図面に関してより詳細に説明され、心臓16内における先端領域20の位置決め、取り付けまたはその両方を行う。一代替実施形態では、先端領域20は、心臓20に対してリード14を固定する(例えば、冠静脈、又は心室の肉柱に)ための複数のタイン又は他の構造を備える。別の代替実施形態では、リード14は、リード14を神経に結合させるための電極カフを備える神経リードとして構成されるか、又は脊髄への挿入用に構成される。
【0020】
リード14の先端領域20は、専用の双極電極構成を収容する、軸方向に小型な設計を有する。リード14は、これに代えて他の電極構成を有していてもよい。本明細書においてさらに詳細に説明され、追加の図面において示されるように、リード14の基端領域18におけるコネクタをリード14の先端領域20における1つ以上の電極へと電気的に結合させる1つ以上の導体は、電極における発熱を低減するべく、MRI環境におけるエネルギの受け取りを最小にするように構成される。
【0021】
パルス発生器12は、典型的には、パルス発生器12をリード14に結合させるコネクタヘッダ13を備える。コネクタヘッダ13は、典型的には、リード14の基端領域18
の近くに形成されるコネクタアセンブリ(図示していないが、本明細書において説明される図2の40を参照)の一部であるコネクタ(図示せず)を受けることができる1つ以上の穴17を含んでおり、接続ヘッダ13の電気接点(図示せず)は、コネクタアセンブリ(図示せず)のリード接点(図示せず)と結合している。
【0022】
接続ヘッダ13は、バッテリ、電気回路、及び当業者に既知の他の構成要素を含む密閉容器15に装着されることが可能である。接続ヘッダ13における電気接点(図示せず)は、リード14をパルス発生器12に電気的に結合させるべく、密閉容器15を通じて延在するように据え付けられたフィードスルー(図示せず)を介して電気的に接続される当業者に既知のタイプであってよい。
【0023】
パルス発生器12は、患者の胸部又は腹部における埋込位置すなわちポケット内において皮下に埋め込まれることが可能である。リード14が神経リードである実施形態では、パルス発生器は、あるいは、患者の背部又は臀部に埋め込まれ得る。パルス発生器12は、治療用電気刺激を患者に送達するための本技術分野において既知の又は後に開発される任意の埋込型医療装置であってよい。様々な実施形態では、パルス発生器12は、ペースメーカ、埋込型心臓除細動器(ICD)、両室ペーシングのために構成された心臓再同期(CRT)装置であったり、ペーシング、CRT、及び除細動性能の組み合わせを備えたりする。
【0024】
リード本体22は、リードの製造に適した可撓性の生体適合材料から作成される場合がある。様々な実施形態では、リード本体22は、可撓性の電気絶縁性の材料から作成される。一実施形態では、リード本体22は、シリコーンゴムから作成される。別の実施形態では、リード本体22は、ポリウレタンから作成される。様々な実施形態では、リード本体22の各セグメントは、意図される臨床環境及び動作環境に対しリード本体22の特性を調整するように、様々な材料から作成される。様々な実施形態では、リード本体22の基端と先端とは、所望の機能を提供するように選択された異なる材料から作成される。
【0025】
心臓16は、右心房26、右心室28、左心房30、及び左心室32を備える。心臓16は、内皮の内膜、すなわち心筋層36を覆う心内膜34を備える。示されるいくつかの実施形態では、リードの先端領域20において位置決めされる固定螺旋部24は、心内膜34を貫通し、心筋層36内に埋められる。あるいは、リード14は、本明細書において説明されるように受動的固定リードとして構成されてもよい。一実施形態では、IMD10は、複数のリード14を備える。例えば、IMD10は、パルス発生器12と右心室28との間において電気信号を伝えるように構成された第1リード14と、パルス発生器12と右心房26との間において電気信号を伝えるように構成された第2リード(図示せず)とを備える場合がある。追加のリードも使用されてよい。例えば、様々な実施形態では、冠静脈リード(図示せず)は、心臓16の左心房30、左心室32、又はその両方を刺激するために利用される場合がある。
【0026】
図1に示される例示的な実施形態では、固定螺旋部24は、右心室28の心内膜34を貫通し、心臓16の心筋層36に埋められる。いくつかの実施形態では、固定螺旋部24は、電気的に活性であり、したがって、心臓16の電気活動を感知するのに使用されたり、刺激パルスを右心室28に印加するのに使用されたりすることが可能である。他の実施形態では、固定螺旋部24は電気的に活性ではない。さらに他の実施形態では、リード14は、受動的構造(例えば、タイン、スパイラル等)を使用して心臓16に対して固定される。
【0027】
動作中、リード14は、IMD12と心臓16との間において電気信号を伝えるように構成されることが可能である。例えば、IMD12がペースメーカである実施形態では、
リード14は、心臓16をペーシングするための電気刺激を送達するのに利用されることが可能である。IMD12が埋込型心臓除細動器である実施形態では、リード14は、心臓発作又は不整脈等の事象に応じて電気ショックを心臓16に送達するのに利用されることが可能である。いくつかの実施形態では、IMD12はペーシング性能と除細動性能の両方を備える。
【0028】
電気信号は、リード14を通じて延在する1つ以上の導体によってIMD12と先端領域20における電極との間において運ばれる。1つ以上の導体は、リード14の基端領域18においてIMD12とインタフェースで接続するために適したコネクタに電気的に結合され、また先端領域20において1つ以上の電極と電気的に結合される。様々な実施形態によると、1つ以上の導体は、一重ファイラーからなり小さな外径を有するコイル状ケーブルを備える。いくつかの実施形態では、コイル状ケーブルは、低電圧信号を1つ以上の電極に送達するように構成される。コイルピッチは、リード14の機能及び動作に対する磁気共鳴画像法(MRI)のスキャンの影響を最小にするべく小さくできる(例えば、ケーブルのファイラーの直径の1〜2倍)。
【0029】
図2は、いくつかの実施形態によるリード14を等角投影により示したものである。コネクタアセンブリ40は、リード14の基端領域18若しくは基端又はその近くに配置される。コネクタアセンブリ40は、コネクタ42と端子ピン44とを備える。コネクタ42は、リード本体22に結合されるように構成され、リード14をパルス発生器12上の接続ヘッダ13に機械的及び電気的に結合させるように構成される(図1参照)。様々な実施形態では、端子ピン44は、コネクタ42から基端方向へ延在し、いくつかの実施形態では、端子ピン44は、リード本体22を通じて長手方向に延在する導体部材(この図では見えない)に結合され、これによって、リード本体22に対して端子ピン44を回転させることにより導体部材がリード本体22内において回転させられる。いくつかの実施形態では、端子ピン44は、ガイドワイヤ又は挿入スタイレットを収容するべく、端子ピン44を通じて延在する開口部(図示せず)を備える。
【0030】
先端アセンブリ46は、リード14若しくはリード本体22の先端領域20若しくは先端又はその近くに配置される。IMD10(図1参照)の機能上の必要条件や患者の治療必要性によっては、リード14の先端領域20は、1つ以上の電極を備える場合がある。示した実施形態では、先端領域20は、ショック電極(例えば、除細動ショックを心臓16に提供するための)として機能することができる1つ以上のコイル電極48,49を備える。いくつかの実施形態では、コイル電極48,49は、組織が内部に成長することを制御する(すなわち、促進し又は妨げる)ように構成されたコーティングを備える。様々な実施形態では、リード14は、1つのコイル電極のみを備える場合がある。様々な他の実施形態では、リード14は、コイル電極48,49に代えて又はコイル電極48,49に加えて、リード本体22に沿って電極47等の1つ以上の低電圧電極(例えば、リング電極)を備える。存在する場合、低電圧電極は、比較的低電圧のペーシング/感知電極として動作する。当業者によって認められるように、広範囲の電極の組み合わせは、様々な実施形態の範囲内においてリード14中に組み入れられる場合がある。
【0031】
先端アセンブリ46はハウジング50を備え、そのハウジング50内には、固定螺旋部24、すなわち螺旋電極が少なくとも部分的に配置されている。本明細書においてより詳細に説明されるように、ハウジング50は、機械(ハウジング50に対して先端及び基端へ固定螺旋部24が動くことを可能にするが、固定螺旋部24の過度な伸長を低減又は抑制するべく、固定螺旋部24の先端への進行(ハウジング50に対して)を制限する構造(この図では見えない)を備える)を収容している。本明細書において記載されるように、固定螺旋部24は、リード14の先端領域20を心臓16内に係留する(anchor)ためのアンカー手段として動作する。代替の実施形態では、リード14は、受動的構造
(例えば、タイン、スパイラル等)を使用して心臓16に対して固定される。
【0032】
いくつかの実施形態では、固定螺旋部24、すなわち螺旋電極は、電気的に活性であり、低電圧のペーシング/感知電極として使用される。いくつかの実施形態では、固定螺旋部24は、電気的に導電性の材料(ELGILOY(登録商標)、MP35N(登録商標)、タングステン、タンタル、イリジウム、白金、チタン、パラジウム、ステンレス鋼、又はこれらの材料の合金等)から作成される。
【0033】
リード14は、本開示にしたがったリードの1つの例示的な実装であり、リード14に関して他の構成も可能である。例えば、コイル電極48,49は互いに近接して示されている一方、コイル電極49は、あるいは、リード14上において、より基端寄りに配置されてもよい。別例として、リード14は、ペーシング信号、信号の感知、又はその両方を近接する組織に提供するべく、先端領域20に沿って複数の環状電極を備える場合がある。
【0034】
図3は、本開示の実施形態によるリード14の一部分の斜視図である。リード14は、コイル導体60とコイル状ケーブル導体62,64とを備える。示されている実施形態では、リード14は、複数の内腔66,68,70を有するリード本体を備える。コイル導体60は内腔66を通過し、コイル状ケーブル導体62は内腔68を通過し、コイル状ケーブル導体64は内腔70を通過する。いくつかの実施形態では、内腔66,68,70は、基端領域18におけるコネクタ40から先端領域20まで実質的に平行に延在する。
【0035】
コイル導体60は、リード14の基端領域18においてパルス発生器12と接続するように構成されている。例えば、コイル導体60は、コネクタ42と電気的に接続されることが可能である。示されている実施形態では、コイル導体60は、リード14を通じてコイル状ケーブル導体62,64に対し平行に延在する。コイル導体60の長手方向の軸は、コイル状ケーブル導体62,64の長手方向の軸から離間している。いくつかの実施形態では、コイル導体60は、リード14の先端領域20における1つ以上の電極に電気的に結合されている。例えば、いくつかの実装では、コイル導体60は、固定螺旋部24、リング電極47、又はその両方に電気的に結合されている場合がある。コイル導体60は、あるいは又はさらに他の電極に接続されていてもよい。コイル導体60に接続された電極に伝達される、MRIにより誘導されるエネルギの量を低減するべく、コイル導体60の巻回部分は、コイルのインダクタンスを最大にするように緊密に巻き付けられる場合がある。いくつかの実施形態では、近接する巻回部分同士の間隔を最小にして巻数を最大にするべく、コイル導体60はユニファイラーである。他の実施形態では、コイル導体60はマルチファイラーである。
【0036】
コイル状ケーブル導体62,64も、リード14の基端領域18においてパルス発生器12と接続するように構成されている(例えば、コネクタ42との電気的接続を介して)。いくつかの実施形態では、コイル状ケーブル導体62,64は、パルス発生器12と先端領域20における1つ以上の電極との間において低電圧信号を運ぶように構成されている。例えば、図2に示されているリード14の実施形態に関して、コイル状ケーブル導体62,64の少なくとも一方は、コイル電極48,49の基端、先端、又はその両方に接続される場合がある。このようにして、コイル状ケーブル導体62,64は、パルス発生器12とコイル電極48,49との間において感知信号、ペーシング信号、又はその両方を運ぶように動作する。代替の実施形態では、コイル状ケーブル導体62,64の少なくとも一方は、リング電極47、固定螺旋部24、又はその両方に接続されてもよい。
【0037】
2つのコイル状ケーブル導体62,64が示されたとは言え、リード14は、あるいは、任意の数のコイル状ケーブル導体62,64を備えていてもよい。例えば、一代替実施
形態では、リード14は、4つのケーブル導体を備え、各ケーブル導体は、コイル電極48,49の基端又は先端のうちの1つに接続されている。別の代替構成では、リード14は、先端領域において複数の環状電極を備え、コイル状ケーブル導体は、複数の環状電極の各々に接続される。
【0038】
磁気共鳴画像法(MRI)場に対するリード14の曝露によって、リード導体(例えば、コイル状ケーブル導体62,64)の励起により、先端領域18における電極の局所的な発熱がもたらされる場合がある。高インダクタンス(>1μH)の導体は、MRI場における励起に対する抵抗性がより大きい。導体のインダクタンスは、導体が直線状であるかコイル状であるかを含む幾何学的特性によって決定される。コイル状ケーブル導体62,64等のコイル状又は巻き付けられた導体について、いくつかのパラメータはインダクタンスに影響を与え、それらのパラメータには、コイルピッチ、コイル52の外径、コイル52の断面積、コイル52を構成するファイラーの数が含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、コイルピッチ(すなわち、近接するコイルの巻回部分についての中心同士の距離)は小さい場合がある(例えば、ケーブルのファイラーの直径の1〜2倍)。導電性コイル62は、図3においてファイラーの直径とおよそ等しいピッチを有して示されている。したがって、コイル52の寸法及び特性は、磁気共鳴画像法(MRI)場がリード14の性能及び応答に対して影響を与えることを最小にするように選択されることが可能である。
【0039】
コイル状ケーブル導体62,64は、約0.508ミリメートル(mm)(約0.020インチ)より小さな外径dを有する場合がある。例えば、いくつかの例示的な実装では、コイル状ケーブル導体62,64の外径dは、約0.203mm(約0.008インチ)から約0.356mm(約0.014インチ)の範囲にある。いくつかの実施形態では、各コイル状ケーブル導体62,64は、同一半径の複数の巻回部分を用いて螺旋コイル状導電性材料の一重ファイラー(すなわち、ユニファイラー)からなる。コイル状ケーブル導体62,64の巻回部分は、密接に巻き付けられ得る。例えば、いくつかの実施形態では、コイル状ケーブル導体62,64は、ファイラーの直径の約1〜2倍の間のピッチを有する。そのピッチは、コイル状ケーブル導体62,64の全長において一貫している場合もあれば、コイル状ケーブル導体62,64の少なくとも一部分において異なる場合もある。可変のピッチのセクションをコイル状ケーブル導体62,64中に組み入れる1つの例示的な手法は、米国特許出願公開第2009/0149933号明細書(“可変コイル導体ピッチを有する埋込型リード(Implantable Lead Having a Variable Coil Conductor Pitch)”と題される)において説明されており、その全体を参照によって本明細書において援用する。いくつかの実施形態では、コイル状ケーブル導体62,64のファイラーは、約0.018mm(約0.0007インチ)から0.076mm(0.003インチ)の間の直径を有する。コイル状ケーブル導体62,64のために適した1つの例示的な材料は、銀のコアを含むMP35Nである。コイル状ケーブル導体62,64のために適した他の例示的な材料は、MPTa(タンタルを含んだMP35N)、白金で被覆したタンタル、白金で被覆したMP35N、MP35N、ニチノールを含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、コイル状ケーブル導体62,64の各々のファイラーは、絶縁性である。
【0040】
説明されたユニファイラーコイル状ケーブル導体を備える複数のリードは、MRI環境に曝露され、ユニファイラーコイル状ケーブル導体の各々に装着された電極における放熱を測定した。比較のため、バイファイラー及びトリファイラーコイル状ケーブル導体を備える同様のリードも、MRI環境に曝露し、関連する電極を、放熱について検査した。各場合において、コイル状ケーブル導体は、先端コイル電極(例えば、図2におけるコイル電極48)の先端に接続した。以下のテーブル1に示される結果によって、ユニファイラーコイル状ケーブル導体は、対応するマルチファイラーの構成よりも非常に小さなMRI
による誘導されたエネルギを電極に伝達することが実証された。
【0041】
【表1】
小さな外径dを有し小さなピッチを有するコイル状ケーブル導体62,64は、製造及び使用の際に損傷を受けやすい場合がある。例えば、コイル状ケーブル導体62,64等のユニファイラーコイルは、十分にトルクを伝達しない場合があり、リード14が典型的に直面する力によって、コイル状ケーブル導体62,64がコイル状ケーブル導体62,64の複数部分において応力集中を経験させられる場合があり、これによって、コイル状ケーブル導体62,64の早過ぎる疲労がもたらされかねない。これが起こることを抑制するべく、コイル状ケーブル導体62,64のうちの少なくとも一方は、製造後及び仕様の際に保持される可撓性の非導電性の心棒72の周囲に形成される場合がある。いくつかの実施形態では、心棒72は、高分子材料(延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、層状ePTFE、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチレンテレフタラート(PETE)、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、フッ化エチレンプロピレン(FEP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアミド、ポリイミド、パラアラミド合成繊維、ポリウレタン等)からなる。心棒72は、後の製造プロセスや長期の埋込の際のためにコイル状ケーブル導体62,64の軸方向の引張強度を増大させる。すなわち、心棒72によって、コイル状ケーブル導体62,64の強度がコイル状ケーブル導体62,64の長手方向の軸に沿った力に関して改良される。この改良された軸方向の引張強度は、コイル状ケーブル導体62,64の内側の直径を実質的に占める可撓性で弾性の心棒72によって提供される。製造中、コイル状ケーブル導体62,64は、緊密に巻き付けられた構成において心棒72の回りに巻かれることが可能である。代替の実施形態では、心棒72は、製造後にコイル状ケーブル導体62,64から取り除かれる。
【0042】
様々な改変及び追加は、本発明の範囲から逸脱することなく説明された例示的な実施形態に対してなされ得る。例えば、以上で説明された実施形態は特定のフィーチャを参照しているとは言え、本発明の範囲には、フィーチャの異なる組み合わせを有する実施形態や、説明されたフィーチャの全てを含まない実施形態も含まれる。したがって、本発明の範囲は、特許請求の範囲内に属する全てのそのような代替物、改変、及び変形をこれらの均等物とともに含むことが意図されている。
図1
図2
図3