特許第5905643号(P5905643)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5905643ラジオ・アクセス・ネットワークにアクセスするためのインセンティブ協調システムを提供する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5905643
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】ラジオ・アクセス・ネットワークにアクセスするためのインセンティブ協調システムを提供する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04W 4/24 20090101AFI20160407BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20160407BHJP
   H04W 92/18 20090101ALI20160407BHJP
   H04W 72/04 20090101ALI20160407BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20160407BHJP
【FI】
   H04W4/24
   H04W88/04
   H04W92/18
   H04W72/04 132
   H04M3/42 B
【請求項の数】43
【全頁数】45
(21)【出願番号】特願2015-514201(P2015-514201)
(86)(22)【出願日】2013年5月23日
(65)【公表番号】特表2015-524195(P2015-524195A)
(43)【公表日】2015年8月20日
(86)【国際出願番号】US2013042506
(87)【国際公開番号】WO2013177450
(87)【国際公開日】20131128
【審査請求日】2015年9月16日
(31)【優先権主張番号】13/479,082
(32)【優先日】2012年5月23日
(33)【優先権主張国】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】595020643
【氏名又は名称】クゥアルコム・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100109830
【弁理士】
【氏名又は名称】福原 淑弘
(74)【代理人】
【識別番号】100158805
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 守三
(74)【代理人】
【識別番号】100194814
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 元宏
(72)【発明者】
【氏名】ファン、シャオロン
(72)【発明者】
【氏名】ソリマン、サミア・サリブ
【審査官】 田部井 和彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−246420(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0222948(US,A1)
【文献】 特開2003−087245(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0227616(US,A1)
【文献】 特開2006−333449(JP,A)
【文献】 特開2001−333222(JP,A)
【文献】 国際公開第2007/037402(WO,A1)
【文献】 特開2013−201581(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24− 7/26
H04W 4/00−99/00
H04M 3/00
H04M 15/00
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−2
CT WG1
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラジオ・アクセス・ネットワークにおいて、向上されたサービスを無線デバイスへ提供する方法であって、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ無線デバイスのそれぞれのリンクを介した前記無線デバイスへのラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを向上させるために、前記無線デバイスを支援することが可能な、前記1または複数のヘルパ無線デバイスを、前記無線デバイスで、決定することと、ここで、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスの向上は、既に前記ラジオ・アクセス・ネットワークと現存する帯域内無線通信している前記無線デバイスのスループットを増加させることを含む、
前記向上されたサービスを前記ラジオ・アクセス・ネットワークから取得する際に前記無線デバイスを支援するために、前記決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうち、少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択することと、
前記無線デバイスが前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを介して前記ラジオ・アクセス・ネットワークと通信することを可能にする、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと、前記無線デバイスとの間の無線リンクを確立することと、ここで、前記無線リンクは、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを前記無線デバイスに提供する前記ヘルパ無線デバイスを補償するために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルすることと、ここで、前記クレジットの移送は、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、および、少なくとも1つのオペレータから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、である、を備える方法。
【請求項2】
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択することは、ヘルパとして使用されるべき複数の無線デバイスのおのおのの適応性を判定するために、前記複数のヘルパ無線デバイスのうちの1または複数と、情報の送信および受信をすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記送信および受信される情報は、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスおよび前記無線デバイスのうちの少なくとも1つの帯域内ラジオ・アクセス・リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスと間の帯域外無線リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスのうちの少なくとも1つのラジオ・アクセス・ネットワーク識別子およびセル識別子と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つのヘルプ・セッションのために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスのラジオ・アクセス・リンク・エネルギと、前記帯域外無線リンクのリンク・エネルギの合計量を決定することと、
前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスによって設定された利益マージンと、前記合計量とに基づいて、移送されたクレジットの量を計算することと、
をさらに備える請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記リンク・エネルギは、ジュールの単位で規格化された値である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記クレジットの移送をシグナルすることは、前記ラジオ・アクセス・ネットワークの少なくとも1つのオペレータと、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスに関連付けられたアカウントへの、クレジットのマイクロペイメント移送を生ぜしめるアプリケーションを使用することによって、前記移送をシグナルすることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置であって、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ無線デバイスのそれぞれのリンクを介した前記無線デバイスへのラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを向上させるために、前記無線デバイスを支援することが可能な、前記1または複数のヘルパ無線デバイスを、前記無線デバイスで、決定することと、ここで、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスの向上は、既に前記ラジオ・アクセス・ネットワークと現存する帯域内無線通信している前記無線デバイスのスループットを増加させることを含む、
前記向上されたサービスを前記ラジオ・アクセス・ネットワークから取得する際に前記無線デバイスを支援するために、前記決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうち、少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択することと、
前記無線デバイスが前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを介して前記ラジオ・アクセス・ネットワークと通信することを可能にする、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと、前記無線デバイスとの間の無線リンクを確立することと、ここで、前記無線リンクは、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを前記無線デバイスに提供する前記ヘルパ無線デバイスを補償するために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルすることと、ここで、前記クレジットの移送は、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、および、少なくとも1つのオペレータから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、である、
を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するメモリと、
を備える装置。
【請求項8】
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、ヘルパとして使用されるべき複数の無線デバイスのおのおのの適応性を判定するために、前記複数のヘルパ無線デバイスのうちの1または複数と、情報を送信および受信することに基づいて、前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択するように構成された、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記送信および受信される情報は、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスおよび前記無線デバイスのうちの少なくとも1つの帯域内ラジオ・アクセス・リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスと間の帯域外無線リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスのうちの少なくとも1つのラジオ・アクセス・ネットワーク識別子およびセル識別子と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、
少なくとも1つのヘルプ・セッションのために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスのラジオ・アクセス・リンク・エネルギと、前記帯域外無線リンクのリンク・エネルギの合計量を決定し、
前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスによって設定された利益マージンと、前記合計量とに基づいて、移送されたクレジットの量を計算する、
ように構成された、請求項7に記載の装置。
【請求項11】
前記リンク・エネルギは、ジュールの単位で規格化された値である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記ラジオ・アクセス・ネットワークの少なくとも1つのオペレータと、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスに関連付けられたアカウントへの、クレジットのマイクロペイメント移送を生ぜしめるアプリケーションを使用することによって、前記クレジットの移送をシグナルするように構成された、請求項7に記載の装置。
【請求項13】
ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置であって、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ無線デバイスのそれぞれのリンクを介した前記無線デバイスへのラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを向上させるために、前記無線デバイスを支援することが可能な、前記1または複数のヘルパ無線デバイスを、前記無線デバイスで、決定する手段と、ここで、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスの向上は、既に前記ラジオ・アクセス・ネットワークと現存する帯域内無線通信している前記無線デバイスのスループットを増加させることを含む、
前記向上されたサービスを前記ラジオ・アクセス・ネットワークから取得する際に前記無線デバイスを支援するために、前記決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうち、少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択する手段と、
前記無線デバイスが前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを介して前記ネットワークと通信することを可能にする、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと、前記無線デバイスとの間の無線リンクを確立する手段と、ここで、前記無線リンクは、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを前記無線デバイスに提供するヘルパ無線デバイスを補償するために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルする手段と、ここで、前記クレジットの移送は、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、および、少なくとも1つのオペレータから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、である、を備える装置。
【請求項14】
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択する手段はさらに、ヘルパとして使用されるべき複数の無線デバイスのおのおのの適応性を判定するために、前記複数のヘルパ無線デバイスのうちの1または複数と、情報の送信および受信をする手段を備える、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記送信および受信される情報は、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスおよび前記無線デバイスのうちの少なくとも1つの帯域内ラジオ・アクセス・リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスと間の帯域外無線リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスのうちの少なくとも1つのラジオ・アクセス・ネットワーク識別子およびセル識別子と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
少なくとも1つのヘルプ・セッションのために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスのラジオ・アクセス・リンク・エネルギと、前記帯域外無線リンクのリンク・エネルギの合計量を決定する手段と、
前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスによって設定された利益マージンと、前記合計量とに基づいて、移送されたクレジットの量を計算する手段と、
をさらに備える請求項13に記載の装置。
【請求項17】
前記リンク・エネルギは、ジュールの単位で規格化された値である、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記クレジットの移送をシグナルする手段は、前記ラジオ・アクセス・ネットワークの少なくとも1つのオペレータと、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスに関連付けられたアカウントへの、クレジットのマイクロペイメント移送を生ぜしめるアプリケーションを含む、請求項13に記載の装置。
【請求項19】
ンピュータ読取可能な記憶体であって、
コンピュータに対して、ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ無線デバイスのそれぞれのリンクを介した無線デバイスのための向上されたラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを取得するために、前記ラジオ・アクセス・ネットワークにおける前記無線デバイスを支援することが可能な、前記ラジオ・アクセス・ネットワークにおける1または複数のヘルパ無線デバイスを、前記無線デバイスで、決定させるためのコードと、ここで、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスの向上は、既に前記ラジオ・アクセス・ネットワークと現存する帯域内無線通信している前記無線デバイスのスループットを増加させることを含む、
コンピュータに対して、前記向上されたサービスを前記ラジオ・アクセス・ネットワークから取得する際に前記無線デバイスを支援するために、前記決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうち、少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択させるためのコードと、
コンピュータに対して、前記無線デバイスが前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを介して前記ラジオ・アクセス・ネットワークと通信することを可能にする、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと、前記無線デバイスとの間の無線リンクを確立させるためのコードと、ここで、前記無線リンクは、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである、
コンピュータに対して、前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを前記無線デバイスへ提供するヘルパ無線デバイスを補償するために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルさせるためのコードと、ここで、前記クレジットの移送は、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、および、少なくとも1つのオペレータから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、である、を備える記憶したコンピュータ読取可能な記憶体。
【請求項20】
ラジオ・アクセス・ネットワークにおいて、向上されたサービスを無線デバイスへ提供する方法であって、
前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める、別のプライマリ無線デバイスによって送信された要求を受信することと、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、前記プライマリ無線デバイスが、前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、前記プライマリ無線デバイスと前記無線デバイスとの間の帯域外無線リンクを確立することと、
前記プライマリ無線デバイスに前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するために、前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよび前記プライマリ無線デバイスのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信することと、ここで、前記クレジットの移送は、前記プライマリ無線デバイスに関連付けられたアカウントと前記オペレータに関連付けられたアカウントとのうちの少なくとも1つからである、
を備え、
ここで、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスの向上は、既に前記ラジオ・アクセス・ネットワークと現存する帯域内無線通信している前記無線デバイスのスループットを増加させることを含む、方法。
【請求項21】
前記要求を受信する前に、前記プライマリ無線デバイスを支援するための前記無線デバイスの適応性を判定するために、前記プライマリ無線デバイスとの間で情報を送信および受信することをさらに備える、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記送信および受信される情報は、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスおよび前記無線デバイスのうちの少なくとも1つの帯域内ラジオ・アクセス・リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスと間の帯域外無線リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記プライマリ無線デバイスと前記無線デバイスとのうちの少なくとも1つのラジオ・アクセス・ネットワーク識別子およびセル識別子と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを前記プライマリ無線デバイスへ提供することに関連付けられたエネルギ・コストと、少なくとも前記無線デバイスのユーザによって決定される所望の利益マージンとに少なくとも基づいて、前記ラジオ・アクセス・ネットワークの前記オペレータと前記プライマリ無線デバイスとのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信すること、をさらに備える請求項20に記載の方法。
【請求項24】
前記利益マージンは、
前記無線デバイスがプライマリ無線デバイスを支援するために動作することを含む少なくとも1つのヘルプ・セッションに関連付けられたエネルギ・コストと、前記ラジオ・アクセス・ネットワークへアクセスするための支援を受けるプライマリ無線デバイスとして前記無線デバイスが動作する、少なくとも1つのヘルプ・セッションに関連付けられたエネルギ・コストと、前記ヘルプ・セッションのうちの少なくとも1つも生じなかった場合におけるエネルギ・コストと、機会コストと、に基づいて決定される利益マージンの最大値またはそれ未満に設定される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記利益マージンの最大値は、以下の式に基づいて決定され、
α≦(epoor−eC2)/(eC2−eC1)、
ここで、αは、前記利益マージンを表わし、epoorは、少なくとも1つのヘルプ・セッションも生じなかった場合に費やされるであろうエネルギを表わし、eC1は、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)アクセスのために前記無線デバイスが前記プライマリ無線デバイスを支援する第1のヘルプ・セッションにおいて、RANアクセス・リンクにおいて前記無線デバイスによって費やされたエネルギを表わし、eC2は、RANアクセスのために前記無線デバイスを支援するために前記プライマリ無線デバイスがヘルパ無線デバイスとして動作する、後続する第2のヘルプ・セッションにおいて、前記プライマリ無線デバイスによって、前記RANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わす、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記プライマリ無線デバイスから移送されるクレジットの量は、前記所望の利益マージンと、無線デバイスによるRANアクセスのための帯域外リンクと帯域内リンクとのリンク・エネルギの合計量に基づく、請求項23に記載の方法。
【請求項27】
前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータから、クレジットの移送を受信することは、少なくとも1つのヘルプ・セッションによって前記オペレータによって得られる追加収入の値と、将来のヘルプ・セッションを促すインセンティブとして前記オペレータが前記ヘルプ無線デバイスへ移送する追加収入のパーセンテージとの積に少なくとも基づく、請求項23に記載の方法。
【請求項28】
前記オペレータが前記ヘルパ無線デバイスへ移送する追加収入のパーセンテージは、前記ヘルパ無線デバイスへのインセンティブの最小レベルを提供するように構成された予め決定された最小と、フリー・ライダ・ユーザを制限するように構成された予め決定された最大との間にある、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記オペレータが前記ヘルパ無線デバイスへインセンティブとして移送する追加収入のパーセンテージは、以下の式に基づいて決定され、
γ≧(1+α)[(eC2−eC1)/(epoor−eC1)]、
ここで、γは、前記追加収入のパーセンテージを表わし、αは、前記所望の利益マージンを表わし、epoorは、少なくとも1つのヘルプ・セッションも生じなかった場合に費やされるであろうエネルギを表わし、eC1は、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)アクセスのために前記無線デバイスが前記プライマリ無線デバイスを支援する第1のヘルプ・セッションにおいて、RANアクセス・リンクにおいて前記無線デバイスによって費やされたエネルギを表わし、eC2は、RANアクセスのために前記無線デバイスを支援するために前記プライマリ無線デバイスがヘルパ無線デバイスとして動作する、後続する第2のヘルプ・セッションにおいて、前記プライマリ無線デバイスによって、前記RANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わす、請求項27に記載の方法。
【請求項30】
前記エネルギ・コストは、ジュールの単位のエネルギ値に規格化される、請求項23に記載の方法。
【請求項31】
ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置であって、
前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、前記ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める、別のプライマリ無線デバイスによって送信された要求を受信する手段と、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、前記プライマリ無線デバイスが、前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、前記プライマリ無線デバイスと前記無線デバイスとの間の帯域外無線リンクを確立する手段と、
前記プライマリ無線デバイスに前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するために、前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよび前記プライマリ無線デバイスのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信する手段と、ここで、前記クレジットの移送は、前記プライマリ無線デバイスに関連付けられたアカウントと前記オペレータに関連付けられたアカウントとのうちの少なくとも1つからである、
を備え、
ここで、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスの向上は、既に前記ラジオ・アクセス・ネットワークと現存する帯域内無線通信している前記無線デバイスのスループットを増加させることを含む、装置。
【請求項32】
前記受信する手段によって前記要求が受信される前に、前記プライマリ無線デバイスを支援するための前記無線デバイスの適応性を判定するために、前記プライマリ無線デバイスとの間で情報を送信および受信する手段、をさらに備える請求項31に記載の装置。
【請求項33】
前記送信および受信される情報は、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスおよび前記無線デバイスのうちの少なくとも1つの帯域内ラジオ・アクセス・リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスと間の帯域外無線リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記プライマリ無線デバイスと前記無線デバイスとのうちの少なくとも1つのラジオ・アクセス・ネットワーク識別子およびセル識別子と、
のうちの少なくとも1つを含む、請求項32に記載の装置。
【請求項34】
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを前記プライマリ無線デバイスへ提供することに関連付けられたエネルギ・コストと、少なくとも前記無線デバイスのユーザによって決定される所望の利益マージンとに少なくとも基づいて、前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータと前記プライマリ無線デバイスとのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信する手段、をさらに備える請求項31に記載の装置。
【請求項35】
前記利益マージンは、前記無線デバイスがプライマリ無線デバイスを支援するために動作することを含む少なくとも1つのヘルプ・セッションに関連付けられたエネルギ・コストと、前記ラジオ・アクセス・ネットワークへアクセスするための支援を受けるプライマリ無線デバイスとして前記無線デバイスが動作する、少なくとも1つのヘルプ・セッションに関連付けられたエネルギ・コストと、前記ヘルプ・セッションのうちの少なくとも1つも生じない場合におけるエネルギ・コストと、機会コストと、に基づいて決定される利益マージンの最大値またはそれ未満に設定される、請求項34に記載の装置。
【請求項36】
前記利益マージンの最大値は、以下の式に基づいて決定され、
α≦(epoor−eC2)/(eC2−eC1)、
ここで、αは、前記利益マージンを表わし、epoorは、少なくとも1つのヘルプ・セッションも生じなかった場合に費やされるであろうエネルギを表わし、eC1は、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)アクセスのために前記無線デバイスが前記プライマリ無線デバイスを支援する第1のヘルプ・セッションにおいて、RANアクセス・リンクにおいて前記無線デバイスによって費やされたエネルギを表わし、eC2は、RANアクセスのために前記プライマリ無線デバイスを支援するために前記無線デバイスが動作する、後続する第2のヘルプ・セッションにおいて、前記無線デバイスによって、前記RANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わす、請求項34に記載の装置。
【請求項37】
前記プライマリ無線デバイスから移送されるクレジットの量は、前記所望の利益マージンと、無線デバイスによるRANアクセスのための帯域外リンクと帯域内リンクとのリンク・エネルギの合計量に基づく、請求項34に記載の装置。
【請求項38】
前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータから、クレジットの移送を受信することは、少なくとも1つのヘルプ・セッションによって前記オペレータによって得られる追加収入の値と、将来のヘルプ・セッションを促すインセンティブとして前記オペレータが前記ヘルプ無線デバイスへ移送する追加収入のパーセンテージとの積に少なくとも基づく、請求項34に記載の装置。
【請求項39】
前記オペレータが前記ヘルパ無線デバイスへ移送する追加収入のパーセンテージは、前記ヘルパ無線デバイスへのインセンティブの最小レベルを提供するように構成された予め決定された最小と、フリー・ライダ・ユーザを制限するように構成された予め決定された最大との間にある、請求項38に記載の装置。
【請求項40】
前記オペレータが前記ヘルパ無線デバイスへインセンティブとして移送する追加収入のパーセンテージは、以下の式に基づいて決定され、
γ≧(1+α)[(eC2−eC1)/(epoor−eC1)]、
ここで、γは、追加収入のパーセンテージを表わし、αは、前記所望の利益マージンを表わし、epoorは、少なくとも1つのヘルプ・セッションも生じなかった場合に費やされるであろうエネルギを表わし、eC1は、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)アクセスのために前記無線デバイスが前記プライマリ無線デバイスを支援する第1のヘルプ・セッションにおいて、RANアクセス・リンクにおいて前記無線デバイスによって費やされたエネルギを表わし、eC2は、RANアクセスのために前記無線デバイスを支援するために前記プライマリ無線デバイスがヘルパ無線デバイスとして動作する、後続する第2のヘルプ・セッションにおいて、前記プライマリ無線デバイスによって、前記RANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わす、請求項38に記載の装置。
【請求項41】
前記エネルギ・コストは、ジュールの単位のエネルギ値に規格化される、請求項34に記載の装置。
【請求項42】
ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置であって、
前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める、別のプライマリ無線デバイスによって送信された要求を受信することと、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、前記プライマリ無線デバイスが、前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、前記プライマリ無線デバイスと前記無線デバイスとの間の帯域外無線リンクを確立することと、
前記プライマリ無線デバイスに前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するために、前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよび前記プライマリ無線デバイスのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信することと、
を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するメモリと、ここで、前記クレジットの移送は、前記プライマリ無線デバイスに関連付けられたアカウントと前記オペレータに関連付けられたアカウントとのうちの少なくとも1つからである、
を備え、
ここで、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスの向上は、既に前記ラジオ・アクセス・ネットワークと現存する帯域内無線通信している前記無線デバイスのスループットを増加させることを含む、装置。
【請求項43】
ンピュータ読取可能な記憶体であって、
コンピュータに対して、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める、別のプライマリ無線デバイスによって送信された要求を、前記無線デバイスにおいて、受信させるためのコードと、
コンピュータに対して、前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、前記プライマリ無線デバイスが、前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、前記プライマリ無線デバイスと前記無線デバイスとの間の帯域外無線リンクを確立させるためのコードと、
コンピュータに対して、前記プライマリ無線デバイスに、前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するために、前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよびプライマリ無線デバイスのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信させるためのコードと、ここで、前記クレジットの移送は、前記プライマリ無線デバイスに関連付けられたアカウントと前記オペレータに関連付けられたアカウントとのうちの少なくとも1つからである、
記憶し
ここで、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスの向上は、既に前記ラジオ・アクセス・ネットワークと現存する帯域内無線通信している前記無線デバイスのスループットを増加させることを含む、コンピュータ読取可能な記憶体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、無線通信システムに関し、さらに詳しくは、ラジオ・アクセス・ネットワークにアクセスするための協調を促すインセンティブを提供する、ラジオ・アクセス・ネットワークにアクセスするためのインセンティブ協調システムを提供する方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムでは、モバイル無線デバイスがラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)にアクセスするために利用可能な能力は、しばしば、貧弱なチャネル状態、制限された送信電力、および、基地局スケジューリング制約によって制限されうる。利用可能な能力がそのように制限されている場合、この状況は、通常のベスト・エフォートRANベアラよりもはるかに高いスループットを必要としうるモバイル・デバイスにおけるアプリケーションまたは動作が、そのモバイル・デバイスを規定することになり、もって、ユーザ経験を低下させる。
【0003】
例えばピア・トゥ・ピア・システムのようないくつかの周知の無線システムでは、別のピア・デバイスまたは基地局の何れかへ、より良好なスループットおよび能力を提供する機能を支援する際に、1つのモバイル・デバイスが、他のデバイスを利用することを許可されることが知られている。しかしながら、これらのシステムは、すべてのデバイスの間で同じラジオ・アクセス技法(RAT)を用いることに制限される。したがって、いくつかの状況では、RANへのアクセスは、例えば、同じRATのすべてのユーザに影響を与える状態によって制限されうる。さらに、協調的なアクセスによって、1つのユーザが、別のユーザを支援することを可能にする周知のシステムでは、ユーザ・デバイスがRANへアクセスすることを支援する能力は、別のユーザ・デバイスとリソースを共有することによって制限されうる。リソースの共有および協調的な使用を促すインセンティブとして、ユーザを支援することに対する補償を提供することは、このようなスキームの成功を保証するために有益である。
【0004】
したがって、セル能力も増加させる他のユーザ・デバイスとの協調によって、個々のユーザのモバイル・デバイスのRANアクセス・スループットを良好に増加させるためのスキームを提供することのみならず、ユーザとオペレータとの両方の観点から、このような協調的なアクセスを促すインセンティブ・スキームを提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
態様によれば、ラジオ・アクセス・ネットワークにおいて、向上されたサービスを無線デバイスへ提供する方法が開示される。この方法は、ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ無線デバイスの各リンクを介した無線デバイスへのラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを向上するように無線デバイスを支援することが可能な1または複数のヘルパ無線デバイスを決定することを含む。さらに、この方法は、向上されたサービスをラジオ・アクセス・ネットワークから取得する無線デバイスを支援するために、決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうちの少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択することを含む。さらに、この方法は、無線デバイスが少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを介してネットワークと通信することを可能にする、選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと、無線デバイスとの間の無線リンクを確立することを含む。ここで、無線リンクは、ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである。さらに、ラジオ・アクセス・ネットワークへ無線デバイス・アクセスを提供するヘルパ無線デバイスを補償するために、選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送がシグナルされる。
【0006】
別の態様によれば、ラジオ・アクセス・ネットワークにおいて、向上されたサービスを無線デバイスへ提供する装置が開示される。この装置は、ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ無線デバイスの各リンクを介した無線デバイスへのラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを向上するように無線デバイスを支援することが可能な1または複数のヘルパ無線デバイスを決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む。さらに、このプロセッサは、ラジオ・アクセス・ネットワークから、向上されたサービスを取得する無線デバイスを支援するために、決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうちの少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択するように構成される。さらに、このプロセッサは、無線デバイスが少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを介してネットワークと通信することを可能にする、選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと、無線デバイスとの間に無線リンクを確立するように構成される。ここで、無線リンクは、ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである。少なくとも1つのプロセッサはまた、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを無線デバイスへ提供するヘルパ無線デバイスを補償するために、選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルするように構成されている。この装置はまた、少なくとも1つのプロセッサと通信するメモリを含んでいる。
【0007】
別の態様では、ラジオ・アクセス・ネットワークにおいて無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置が開示される。この装置は、ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ無線デバイスの各リンクを介した無線デバイスへのラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを向上するように無線デバイスを支援することが可能な1または複数のヘルパ無線デバイスを決定する手段を含む。さらに、この装置は、ラジオ・アクセス・ネットワークから、向上されたサービスを取得する無線デバイスを支援するために、決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうちの少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択する手段を含む。さらに、この装置は、無線デバイスが少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを介してネットワークと通信することを可能にする、選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと、無線デバイスとの間に無線リンクを確立する手段を含む。ここで、無線リンクは、ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである。最後に、この装置は、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを無線デバイスに提供するヘルパ無線デバイスを補償するために、選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルする手段を含む。
【0008】
別の態様によれば、コンピュータ読取可能な媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品が開示される。この媒体は、コンピュータに対して、ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ無線デバイスの各リンクを介して、無線デバイスのための向上されたラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを得るように、ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスを支援することが可能な、ラジオ・アクセス・ネットワークにおける1または複数のヘルパ無線デバイスを決定することをコンピュータに実行させるためのコードを含む。さらに、この媒体は、ラジオ・アクセス・ネットワークから、向上されたサービスを取得する際に無線デバイスを支援するために、決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうちの少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択することをコンピュータに実行させるためのコードを含む。さらに、この媒体は、無線デバイスが少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを介してネットワークと通信することを可能にする、選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと、無線デバイスとの間に無線リンクを確立することをコンピュータに実行させるためのコードを含む。ここで、無線リンクは、ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである。さらに、この媒体は、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを無線デバイスに提供するヘルパ無線デバイスを補償するために、選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルすることをコンピュータに実行させるためのコードを含む。
【0009】
別の態様では、本開示は、ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための方法を提供する。開示された方法は、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める要求を、別のプライマリ無線デバイスから受信することを含む。次に、この方法は、プライマリ無線デバイスが、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、プライマリ無線デバイスと無線デバイスとの間の帯域外無線リンクを確立することを含む。さらに、この方法は、プライマリ・デバイスにラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するために、ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよびプライマリ・デバイスのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信することを含む。
【0010】
開示された別の態様では、装置は、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める要求を、別のプライマリ無線デバイスから受信するための手段を含めることによって、ラジオ・アクセス・ネットワーク内の無線デバイスへ、向上されたサービスを提供する。この装置はまた、プライマリ無線デバイスが、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、プライマリ無線デバイスと無線デバイスとの間の帯域外無線リンクを確立する手段を含む。この装置はまた、プライマリ・デバイスへラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するために、ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよびプライマリ・デバイスのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信する手段を含む。
【0011】
開示されたさらに別の態様によれば、ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置が開示される。この装置は、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める要求を、別のプライマリ無線デバイスから受信するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む。この少なくとも1つのプロセッサはさらに、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、プライマリ無線デバイスが、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、プライマリ無線デバイスと無線デバイスとの間の帯域外無線リンクを確立するように構成される。さらに、少なくとも1つのプロセッサは、プライマリ・デバイスへラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するために、ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよびプライマリ・デバイスのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信するように構成される。最後に、この装置は、少なくとも1つのプロセッサと通信するメモリを含んでいる。
【0012】
また別の態様では、コンピュータ読取可能な媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品が開示される。この媒体は、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める要求を、無線デバイスにおいて、別のプライマリ無線デバイスから受信することをコンピュータに実行させるためのコードを含む。この媒体はさらに、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、プライマリ無線デバイスが、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、プライマリ無線デバイスと無線デバイスとの間の帯域外無線リンクを確立することをコンピュータに実行させるためのコードを含む。さらに、この媒体は、プライマリ・デバイスへラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するために、ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよびプライマリ・デバイスのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信することをコンピュータに実行させるためのコードを含む。
【0013】
さらに、別の態様によれば、ラジオ・アクセス・ネットワークにおいて、向上されたサービスを無線デバイスへ提供するための方法が開示される。ここで、この方法は、少なくとも1つの協調セッションにおいて、第1の無線デバイスを支援している少なくとも1つの支援元の第2の無線デバイスを用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークとの、アップグレードされた接続を第1の無線デバイスが開始する時を判定することを含む。さらに、この方法は、少なくとも1つの協調セッションのために、支援元の第2の無線デバイスによって必要とされるエネルギ・コストに少なくとも基づいて、第2の無線デバイスへ移送するためのインセンティブ・クレジットを決定することを含む。
【0014】
また別の態様によれば、ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置が開示される。この装置は、少なくとも1つの協調セッションにおいて、第1の無線デバイスを支援している少なくとも1つの第2の無線デバイスを用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークとの、アップグレードされた接続を第1の無線デバイスが開始する時を判定する手段を含む。さらに、この装置は、少なくとも1つの協調セッションのために、支援元の第2の無線デバイスによって必要とされるエネルギ・コストに少なくとも基づいて、第2の無線デバイスへ移送するためのインセンティブ・クレジットを決定する手段を含む。
【0015】
別の態様によれば、ラジオ・アクセス・ネットワークにおいて、無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置が開示される。この装置は、少なくとも1つの協調セッションにおいて、第1の無線デバイスを支援している少なくとも1つの第2の無線デバイスを用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークとの、アップグレードされた接続を第1の無線デバイスが開始する時を判定するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む。少なくとも1つのプロセッサはまた、少なくとも1つの協調セッションのために、支援元の第2の無線デバイスによって必要とされるエネルギ・コストに少なくとも基づいて、第2の無線デバイスへ移送するためのインセンティブ・クレジットを決定するように構成された少なくとも1つのプロセッサを含む。さらに、この装置は、少なくとも1つのプロセッサと通信するメモリを含む。
【0016】
さらにまた別の態様によれば、コンピュータ読取可能な媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品が開示される。この媒体は、ラジオ・ネットワークにアクセスするために、少なくとも1つの協調セッションにおいて、第1の無線デバイスを支援する少なくとも1つの第2の無線デバイスを用いることによって、ラジオ・ネットワークとのアップグレードされた接続を第1の無線デバイスが開始する時を決定することをコンピュータに実行させるためのコードを含む。さらに、この媒体は、少なくとも1つの協調セッションのために、支援元の第2の無線デバイスによって必要とされるエネルギ・コストに少なくとも基づいて、第2の無線デバイスへ移送するためのインセンティブ・クレジットを決定することをコンピュータに実行させるためのコードを含む。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本開示にしたがう典型的な協調システムの例示である。
図2図2は、図1に図示されるシステムを実現するために使用されうる典型的な装置を例示する。
図3図3は、少なくとも1つの別のヘルパ・デバイスを用いたヘルプ・セッションに影響を与える、プライマリ・デバイスによって実施されうる典型的な方法を例示するフロー図である。
図4図4は、少なくとも1つの別のヘルパ・デバイスを用いたヘルプ・セッションに影響を与える、ヘルパ・デバイスによって実施されうる典型的な方法を例示するフロー図である。
図5図5は、プライマリ・デバイスおよびヘルパ・デバイスを用いた第1のヘルプ・セッションを例示する図解である。
図6図6は、プライマリ・デバイスおよびヘルパ・デバイスを用いた第2のヘルプ・セッションを例示する図解である。
図7図7は、本開示にしたがうデバイスとオペレータとの間のクレジット移送を例示する図解である。
図8図8は、プライマリ・デバイスと少なくとも1つのヘルパ・デバイスとの間のヘルプ・セッションに影響を与える、オペレータによって実施されうる典型的な方法を例示するフロー図である。
図9図9は、RANへのアクセスを支援するための典型的な協調システムを実施するために、本開示の方法を適用するように動作可能な典型的な装置を例示する。
図10図10は、RANへのアクセスを支援するための典型的な協調システムを実施するために、本開示の方法を適用するように動作可能な別の典型的な装置を例示する。
図11図11は、RANへのアクセスを支援するためのインセンティブを備えた典型的な協調システムを実施するために、本開示の方法を適用するように動作可能なさらに別の典型的な装置を例示する。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本記載は、他のユーザ・デバイスと協調することによって、個々のユーザのモバイル・デバイスのRANアクセス・スループットおよびセル能力を良好に増加させるためのスキームを提供するのみならず、ユーザおよびオペレータ両方の観点から、このような協調的なアクセスを促すためのインセンティブ・スキームを提供するための方法および装置を開示する。
【0019】
「典型的である」という用語は、本明細書において、「例、実例または実例として役立つ」ことを意味するために使用されることがまず注目される。本明細書で“典型的である”と記載されたあらゆる実施形態は、他の実施形態よりも好適であるとか有利であるとか解釈される必要は必ずしもない。
【0020】
(協調システム)
本開示の態様によれば、特定のモバイルのRANアクセス能力は、RANアクセスのためのモバイル・トゥ・モバイル協調を提供することによって高められうる。特に、能力の増強を要求しているモバイル・デバイス(本明細書では「プライマリ」デバイスまたは「支援される」デバイスとも称される)は、(「ヘルパ」デバイスと称される)より高い能力を持つ別のモバイル・デバイスにリンクされる。これは、より高い能力を提供するために、自己のリソース(すなわち、RANへの接続)をプライマリ・モバイル・デバイスへ提供する。この態様を実施するための協調システムの例が、図1に例示されている。
【0021】
図1に図示されるように、システム100は、少なくとも1つのオペレータ・ネットワーク102を含む。図1において雲として描写的に図示されているが、ネットワーク(単数または複数)は、RAN(単数または複数)へアクセスするために、1または複数の基地局、ノードB、eノードB、またはその他のタイプのラジオ・アクセス・ポイント(単数または複数)を含みうる。ネットワーク102はまた、ネットワーク・コントローラ、バックホール、バックボーン、および、IPリンクまたはインターネット・リンクのみならずオペレータ(単数または複数)コア・ネットワークのようなその他のリンクを含みうる。さらに、示された雲102は、単に1つのRANまたはRATおよびオペレータに限定されず、複数のタイプのRANおよび/またはRATのみならず、対応するRANの複数のオペレータを含んでいるとも考えられうる。
【0022】
例示されるように、システム100は、ダイレクト・ラジオ・リンク106を介して、ネットワーク102の少なくとも1つのRANと通信するプライマリ・モバイル・デバイス104を含む。モバイル・デバイス104およびその他任意のモバイル・デバイスはまた、モバイル端末、ユーザ機器(UE)、無線通信デバイス、端末、アクセス端末、または、特定のRATに依存するその他いくつかの用語として称されうる。
【0023】
態様では、プライマリ・モバイル・デバイス104と少なくとも1つのRAN102との間のリンク106は、貧弱な能力、または、制限された送信電力からなると判定されると仮定される。この判定は、モバイル・デバイス104内またはネットワーク102内で行われ、このネットワークによって、モバイル・デバイス104へ通信されうる。このような場合、本方法および装置は、(前述したように、集合的にネットワーク102として図示される)同じRANまたは別のRANのうちの何れかへの良好なRANリンクを有する別のモバイル・デバイスの支援によって、モバイル・デバイスの能力を増加させるために役立つ。
【0024】
協調的な支援によって能力を増加させるための、本開示された方法および装置の例示として、潜在的なヘルパ・モバイル・デバイス108は、RAN(単数または複数)102との各リンク110を介して、良好なチャネル状態および送信電力を享受すると仮定される。協調的なヘルパ状況では、プライマリ・デバイス104は、プライマリ・デバイス104がヘルパ・デバイス108のRAN102へのリンク110の利用を可能にするために、別の無線リンク112を介して、ヘルパ・デバイス108とリンクしうる。態様では、ヘルパ・デバイス108は、そのリンク110の利用のための許可または許諾をプライマリ104に与える。この許可または許諾は、一例では、デバイス108のユーザによってアクティブに許可されうるが、支援を必要としている任意のプライマリ・デバイス104へデフォルトとして許可される自動タイプの許可によっても実施されうる。プライマリ・デバイス104が、追加のリンク112を用いてヘルパ・デバイス108のRANリンク110を利用するのであれば、実際のデータ・トラフィックは、例示されたパス114を経由して移動するだろう。さらに、例では、無線リンク112は、リンク112のために利用されるラジオ技法がリンク106,110と異なることを意味する帯域外リンクである。
【0025】
システム100の動作において、モバイル・デバイス104は、そのモバイル・デバイスのRANアクセス・リンク(例えば、ヘルパ108およびその対応するリンク110)を用いるその他多くの利用可能なモバイル・デバイスから、所望のRAN102へのRANアクセス・リンク状態に基づいて、少なくとも1つの別のモバイル・デバイスを選択するように構成されうる。この選択は、別のモバイル・デバイスまたはRANのうちの何れかから受信されたさまざまな要因および情報にしたがってなされうる。この協調システムがどのように機能するのかに関する特定の態様では、システム内の例えば104,108のようなモバイル・デバイスが、RANアクセス・リンクに関する遅延ジッタ、遅延、チャネル状態、およびデータ・レートを含む、RANアクセス・リンク情報を互いに交換するように構成されうる。例えばプライマリ・デバイス104のようなモバイル・デバイスは、収集されたこれらRANアクセス・リンク情報に基づいて、RAN102にアクセスするためにヘルパとして別のモバイルを用いる長所を評価するように構成されうる。ヘルパのRANアクセス・リンクを用いる長所は、帯域外リンク(例えば、112)とヘルパのRANアクセス・リンク(例えば、110)との組み合わせ要因に基づく。さらに、プライマリ・デバイス104は、複数の潜在的なヘルパ・デバイス(および関連付けられたRANアクセス・リンク)間の長所の評価にしたがって、最良のヘルパ・デバイスを発見するように構成されうる。
【0026】
別の態様では、プライマリ・デバイス(例えば、104)はさらに、単純に自分自身のRANリンク106を用いることに対して、別のヘルパ・デバイスのRANリンク110およびダイレクト・リンク112を介したRAN102へのアクセスを選択することの長所を評価するように構成されうる。このシナリオでは、プライマリ・デバイス104は、ヘルパのRANアクセス・リンクを用いることの長所が、プライマリ・デバイス自身のダイレクトRANアクセス・リンクを用いることの長所を上回るのであれば、最良のヘルパのRANアクセス・リンク(例えば、110)を介してRANにアクセスすることを選択するように構成される。そうではない場合、プライマリ・デバイス104は、RANアクセスのために、単純に、自身のダイレクトRANアクセス・リンク106を使用するだろう。さらなる態様では、このヘルパ・デバイスの選択は、定期的に、または、協調の良好な利用を保証するためのイベントがトリガされるとなされうる。
【0027】
さらに、リンク112は、ヘルパ協調構成が有益になるために、プライマリ・デバイス104とRAN102との間のリンクよりも大きな能力となるであろうことが明らかである。プライマリ・デバイス104とヘルパ・デバイス108との間の帯域外リンク(すなわち、RAN(単数または複数)からの異なる帯域またはRAT)である無線リンク112は、一例として、例えばIEEE 801.11 WiFi(登録商標)のような無線技法を備えうるが、効果的なデータ・レート、能力、およびスループットを有するその他任意の適切な無線技法をも含みうる。
【0028】
さらに別の態様によれば、システム100におけるデバイス間で交換される情報が、デバイス(例えば、104,108、またはネットワーク102内のノード)毎に送信および受信されうることが注目される。この情報は、このデバイス自身と、このデバイスと情報を交換するその他のデバイスとの両方のラジオ・アクセス・リンク(例えば、106,110)の電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートを含みうる。さらに、他の情報は、このデバイスと、このデバイスと情報を交換するその他のデバイスとの間の無線リンク(例えば、112)の電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートを含みうる。さらに、システム100内のノードまたはデバイス間で送信および受信されうるその他の情報は、このデバイス自身と、このデバイスと情報を交換するその他のデバイスとのセル識別子およびラジオ・アクセス・ネットワーク識別子を含む、システム100内のデバイスまたはノード間で送信および受信されうる。
【0029】
デバイス102、108間には単一の無線リンク112しか図示されていなが、これは限定ではないことがさらに注目される。プライマリ・デバイスのRANへのアクセスのためのパスは、複数のリンク(すなわち、RANへのパスに沿った複数のヘルパ・デバイス)、または並列的なリンク(すなわち、並列的に動作する2またはそれ以上のヘルパ・デバイス。ここでは、プライマリ・デバイスは、おのおのがRANへダイレクトにアクセスする複数のヘルパ・デバイスへの複数の帯域外無線リンクを有する)からなりうる。
【0030】
図2は、図1に図示されるシステム100を実施する際に使用されうる典型的な装置200を例示する。この装置は、プライマリ・デバイス202とヘルパ・デバイス204とを含む。これらはともに、雲として代表的に図示された1または複数のRANネットワーク206にアクセスするように構成される。プライマリ・デバイス202は、1または複数の対応するRATから無線信号を受信するため、および、無線信号を送信するために、1または複数のモデムを含みうる。さらに、1または複数のモデムは、異なるRATを介してデータを送信および受信するために、複数のデータ処理およびRFチェーンを実装しうる。デバイス202,204は、RANアクセス・リンクと帯域外リンクとを有効にするために2つの個別のRATを例示することを目的として、2つの処理およびRFチェーン208,210または212,214を用いて例示されている。しかしながら、図2は例示のための単なる典型例であって、当業者によって考慮されうるデバイス202,204の実際の内部構成は変えられ、図示されたような構成である必要はないことが注目される。例えば、このアーキテクチャは、送信および受信のために、おのおのが自身の関連付けられたベースバンド処理およびRF変換を実行する、複数のRF送信/受信回路の間で共有されるべき処理または変調/復調を用いて1つのモデムが構成されるように簡略化されうる。図2の例の目的のために、処理およびRFチェーン208,212は、例えばネットワーク206のような少なくとも1つのRANとの無線通信のために動作可能であると仮定される。一方、処理およびRFチェーン210,214は、一例として、例えば802.11リンクのような帯域外リンクを介したデバイス202,204間の無線通信を有効にするように動作可能である。
【0031】
例示されるように、プライマリ・デバイス202は、おのおのの処理およびRFチェーン208,210内に、入力データのみならず、例えば、データの符号化または暗号化、インタリーブ、またはインタレースのようなさまざまな機能による送信および処理のための制御情報およびその他の情報を受信するための送信データ・プロセッサ216,218を含みうる。制御情報および入力データのソースは、プロセッサ220のようなデジタル信号プロセッサのみならず、例えばアプリケーション・プロセッサ(図示せず)のような、デバイス202内の1または複数のデバイス(図示せず)でありうる。データは、送信されるべきデータのみならず、ヘルパ・デバイス選択の実行に関連する前に議論された情報を含む制御情報をも含みうる。
【0032】
さらに、TXプロセッサ216,218からのデータおよび情報は、それぞれの変調器222,224によって変調され、1または複数のそれぞれのアンテナ230,232を介したデータの無線送信のために、RF送信/受信回路226,228へ配信される。例示されるように、送信機/受信機226からの送信は、RAN206に向けられる一方、送信機/受信機228からの送信は、例えばヘルパ・デバイス204のような別のノードまたはデバイスへ向けられる。
【0033】
送信機/受信機226,228はまた、RAN206または別のノードまたはデバイス(例えば204)からそれぞれ、無線送信を受信する。受信された送信は、復調器234,236によって復調され、その後、DSP220またはその他のプロセッサ(図示せず)による使用のために、受信データ・プロセッサ238,240によって処理(例えば、復号等)される。
【0034】
ヘルパ・デバイス204は、プライマリ・デバイス202に類似の構成を有し、何れかのデバイスが、ヘルパ・デバイスまたはプライマリ・デバイスになるように構成されうることが注目される。したがって、処理およびRFチェーン212,214は、相補的な送信データ・プロセッサ242,244と、変調器246,248と、それぞれのアンテナ254,256を備えた送信/受信RF回路250,252と、送信/受信回路250と、復調器258,260と、受信データ・プロセッサ262,264とを含む。さらに、デバイス204は、一例として、例えばDSPのような少なくとも1つのプロセッサ266を含む。プロセッサ220,266のおのおのはまた、プロセッサ220,266によってアクセスおよび実行が可能なコンピュータ読取可能な命令群またはコードを格納するように構成された、関連付けられたメモリ・デバイス268,270を含みうる。
【0035】
さらに、前述したように、デバイス202,204によって利用されるそれぞれのRATのために使用される、または、それぞれのRATにしたがって動作する複数の送信/受信回路(例えば226,228)にデータを提供する結合処理ために使用される、複数の並列送信/受信チェーン208,210,212,214が存在しうる。さらに、本装置および方法は、単にいくつかの例として、例えば、LTE、LTEアドバンスト、3GPPベースのシステム、GSM(登録商標)、UMTS、HSPA、CDMA、1xEVDO、W−CDMA、その他の3G技法および4G技法、IEEE 802.11 WiFi、WiFiダイレクト、WPAN(IEEE 802.15)、WiMax(IEEE 802.16)、WiGig、MBWA(IEEE 802.20)、コグニティブ・ラジオ(IEEE 802.22)、ブルートゥース(登録商標)、または、例えばIEEE 802.11のようなその他さまざまなメッシュ・ネットワーク・システムのような1または複数のRATを用いて動作可能なデバイスに適用されうることが注目される。
【0036】
動作において、プライマリ・デバイス202とRAN206との間の無線リンク272の品質が貧弱であれば、デバイス202は、図1に関連して記載されたように、スループットおよび能力を高める際に支援するために、RAN206へのより良好な無線リンク(例えば、274)を有するヘルパ・デバイス(例えば、204)を決定し選択しうる。これは、2つのデバイス202,204間の帯域外リンク276のさらなる利用によって達成される。例において、ヘルプ・セッション中にRAN206にアクセスするためのプライマリ・デバイス202のデータ・パスは、モデムまたは処理およびRFチェーン210によって、帯域外リンク276を介して、モデムまたは処理およびRFチェーン214へ向かうだろう。その後、プロセッサ266は、RAN206へアクセスするために、プライマリ・デバイス202のデータが、モデムまたは処理およびRFチェーン212を経由して、リンク272よりも優れた品質を有する「帯域内」リンク274を介して送信および受信されるように指示しうる。プライマリ・デバイス202のために、ヘルパ・デバイス204においてRAN206から受信されたデータは、その後、214および帯域外リンク276を介してプライマリ・デバイス202へルーティングされる。
【0037】
図3は、少なくとも1つの他のヘルパ・デバイス(例えば108または204)とのヘルプ・セッションを有効にするためにプライマリ・デバイス(例えば104または202)によって実行されるべき典型的な方法300を例示するフロー図である。方法300はまず、ブロック302に図示されるように、1または複数のヘルパ・デバイスのラジオ・アクセス・ネットワークとの各リンクを介した無線デバイスへのラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを向上させるように無線デバイスを支援することが可能な1または複数のヘルパ無線デバイスを決定することを含む。ブロック302のこの発見処理はさらに、1または複数のヘルパ無線デバイスのRANリンクのラジオ・アクセス・リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートのような情報を受信することを含みうる。さらに、ブロック302の処理は、デバイス(プライマリ・デバイス)と、1または複数のヘルパ・デバイスとの間の帯域外無線リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートに関して交換された情報に基づく決定を含みうる。
【0038】
ブロック302における決定後、フローはブロック304に進む。ここでは、無線デバイスが、1または複数のヘルパ・デバイスを介してラジオ・アクセス・ネットワークから、向上されたサービスを取得することを支援するために、決定された1または複数のヘルパ・デバイスンのうちの少なくとも1つのヘルパ・デバイスを選択する。前述したように、この選択処理は、ヘルパ・デバイス(単数または複数)のうちの何れが最良のスループットまたは能力を提供するのかの比較に基づきうるが、必ずしもこれに限定される必要はない。例えば、追加の要因は、プライマリ・デバイスまたはヘルパ・デバイスの何れかに課せられるコストまたは提供されるインセンティブを含みうる。したがって、選択はまた、以下により詳細に記載されるように、どのヘルパ選択が、最良の経済的な結果を与えるかにも基づきうる。さらに、この選択は、協調を求める要求メッセージを1または複数のヘルパ・デバイスへ送信することと、協調的なヘルプ・セッションを開始する前に、支援するために利用可能なヘルパ・デバイスのためのアクノレッジメント応答を受信することと、を含みうる。
【0039】
方法300はさらに、ブロック306に示されるように、無線デバイスを少なくとも1つのヘルパ・デバイスを介してラジオ・アクセス・ネットワークと通信できるようにする、選択された少なくとも1つのヘルパ・デバイスと、この無線デバイスとの間の少なくとも1つの無線リンクを確立することを含む。この無線リンクは、ラジオ・アクセス・ネットワーク(例えば、図1における無線リンク112、または、図2における276)内で通信していない帯域外無線リンクである。このように、プライマリ・デバイスは、RANリソースがその間の通信のために使用されないように、少なくとも1つのヘルパと通信するために、別の無線リンクおよびRATを利用しうる。
【0040】
さらに、方法300はまた、選択されたヘルパ・デバイスのユーザにインセンティブを与える手段として、クレジット移送を指示または開始させる別の処理を含みうる。以下により完全に説明されるであろうこのクレジット移送によって、ヘルパ・デバイスは、プライマリ・デバイスに対するそのRANリンク・ソースの使用の許可に対する補償がなされる。特に、方法300は、ブロック308に例示されるように、無線デバイスへラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するヘルパ無線デバイスを補償するために、選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルするか、または、そのシグナリングを指示することを含みうる。ブロック308における処理は、プライマリ・デバイスが、プライマリ無線デバイスに関連付けられたアカウントから、選択された少なくとも1つのヘルパ・デバイスへのクレジットの移送、または、少なくとも1つのオペレータから、選択された少なくとも1つのヘルパ・デバイスへの与えられたクレジットの移送、またはその両方を指示すること、開始すること、および/または、シグナルすることを伴いうる。態様では、オペレータが単独でクレジット移送を実行しうる。ここで、オペレータは、プライマリ・デバイスのアカウントから、ヘルパ・デバイスのアカウントへクレジットを移送する。さらに、代案では、プライマリ・デバイスは、クレジット移送をアクティブには引き起こさない場合がありうる。むしろ、オペレータは、協調ヘルプ・セッションを検出し、その後、ヘルパ・デバイスへのクレジット移送を決定し、開始しうる。これは、プライマリ・デバイス・アカウントからの移送と、オペレータからのクレジットをインセンティブ化することとの両方を含む。
【0041】
一例によれば、方法300のプロセッサは、プライマリ・デバイス104,202によって実行されうる。さらに詳しくは、方法300は、例えば、プロセッサ220、または、協調的なヘルプ・セッションの動作を検出する類似のデバイスのみならず、帯域外リンク(例えば、276)を介してヘルパ(例えば、204)とのデータおよび情報の特定の送信および受信を実行する処理およびRFチェーン(例えば、210)のような、プライマリ・デバイス内のプロセッサによって実施されうる。
【0042】
図4は、プライマリ・デバイス(例えば、104または204)を支援するヘルプ・セッションを有効にするためにヘルパ・デバイス(例えば、108または204)で実施されうる典型的な方法400を例示するフロー図である。方法400は、ブロック402に図示されるように、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める要求を、別の無線デバイスから受信することで始まる。この要求は、向上されたサービスを求めるプライマリ・デバイスからのものでありうるが、必ずしもこれに限定される必要はない。例えば、この要求は、RANアクセス・リンクの使用を許可することによって支援することもしないこともありうる別のヘルパ・デバイスから中継された、プライマリ・デバイスから中継された要求でありうる。
【0043】
ブロック402における要求に応じて、ブロック404における処理は、別の無線デバイスに対して、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、無線デバイスと別の無線デバイスとの間の少なくとも1つの帯域外無線リンクをヘルパ・デバイスが確立することを提供する。処理404は、例えばリンク112,276によって例示されるように、ヘルプ・デバイスからプライマリ・デバイスへのダイレクトな帯域外無線リンクを確立することを含みうる。それにも関わらず、処理404はまた、1つのヘルパ・デバイスが、プライマリ・デバイスへRANアクセスを提供するリレーまたはメッシュの一部として、データおよび情報を別のヘルパ・デバイスへ連結方式で中継する状況を包含しうる。
【0044】
さらに、方法400は、ブロック406によって例示されるように、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスをプライマリ・デバイスへ提供するために、ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータと、プライマリ・デバイスとのうちの少なくとも1つからクレジットの移送を受信することを含む。以下にさらに詳細に記載されるように、移送されたクレジットは、協調的なヘルプ・セッションまたは付与を補償するための、プライマリ・ユーザのアカウントからヘルパのアカウントへのファンド、または、さらなる協調動作をインセンティブ付けるまたは動機付けるための、オペレータから、ヘルプ・デバイスへのアカウントのファンドまたはその両方を含みうる。ブロック406の処理は、RANのオペレータからヘルパ・デバイスのアカウントへのクレジットのマイクロペイメント移送、および/または、協調的なセッションのため、RANオペレータ(単数または複数)を経由したプライマリ・デバイスのユーザからの支払いを受信するため、または、少なくとも受信を示すために、プロセッサ266によって、または類似のデバイスによって、または、ヘルパ・デバイスにおけるアプリケーションまたはアプリケーション・プログラミング・インタフェースを使用することによって有効化されうることが注目される。
【0045】
一例によれば、方法400の処理は、ヘルパ・デバイス108,204によって実行されうる。さらに詳しくは、方法400は、例えばプロセッサ266のようなプライマリ・デバイス内のプロセッサ、または、協調的なヘルプ・セッションの動作を指示する類似のデバイスのみならず、帯域外リンク(例えば、276)や、帯域内リンク(例えば、274)を介したRANとの通信を介してプライマリ・デバイス(例えば、104,202)とデータおよび情報の特定の送信および受信を実行する処理およびRFチェーン(例えば、212,214)によって実施されうる。
【0046】
(インセンティブ・システム)
別の態様では、図1または図2の何れかのシステムと連携してインセンティブ・システムが実施されうる。これによって、RANオペレータは、開示された協調的な構成をサポートし、また、ヘルパ・デバイスのユーザの協調的な動作を促し継続させるとともに、協調的な構成の経済的な実現を可能にするためのインセンティブを有するようになる。先ず、前述したように、RANの特定のセルの実効的なセル能力が、図1および図2の構成によって高められるのみならず、個々のユーザのスループットも増加させるという点において、オペレータとユーザとの両方が利益を受ける。この利益にもかかわらず、本開示は、RANプロバイダを含みうるさらなるインセンティブ・システムを提供するための装置および方法を提供する。ここでは、オペレータが、お金または時間のクレジットによって協調をインセンティブ付けることができるようにする、または、(以降、単に「クレジット」と称される)その他の金銭的なインセンティブを可能にするためのメカニズムが提供される。
【0047】
本開示されたインセンティブ・システムは、協調的な動作をインセンティブ付けるために、オペレータとヘルパ・デバイスとの間、プライマリ・デバイスとオペレータとの間、および、プライマリ・デバイスとヘルパ・デバイスとの間に、クレジットのフローのうちの1または複数を提供するように機能する。このインセンティブ・システムは、少なくとも2つの特徴を含んでいる。
【0048】
第1の特徴は、プライマリ・デバイスまたはオペレータ(または、その両方)が、ヘルパのRANリンクの使用に対する補償として、ヘルパ・デバイスへ、ある量のクレジットを提供しうることである。例えば、プライマリ・デバイスのケースでは、このクレジットは、ヘルプ・デバイス(または、ヘルプ・デバイスのユーザ)によって認められるヘルプ・コストに基づきうる。別の例において、RANオペレータは、協調セッションによって、オペレータによって得られた追加収入(すなわち、増加されたスループット・サービスのためにプライマリ・デバイスによって支払われる追加収入)に基づいて、ある量のクレジットをヘルパへ提供しうる。
【0049】
この第1の特徴をどのように実施するかに関する特定の例では、このインセンティブ・システムは、少なくとも2つのファンド/クレジット・フローを含みうる。1つのクレジット・フローは、RANリンクおよび帯域外リンクで動作するためのヘルパのエネルギ・コストを補償するために、プライマリ・デバイスからそのヘルパ・デバイスへ移送されるクレジット(例えば、マネー・ファンド)である。別のクレジット・フローは、RANオペレータから協調セッションのヘルパ・デバイスへの別のクレジット・タイプ(例えば、時間)移送でありうる。この第2の移送は、さらなるインセンティブとして、ヘルパ・デバイスとして将来の協調のための潜在的な支払のために、または、ヘルパ・デバイスのユーザのための追加時間のために、ヘルパ・デバイスを支援するために役立ちうる。
【0050】
一例によれば、オペレータから協調セッションのヘルパ・デバイスへのクレジット移送は、オペレータが協調セッションを提案するためのインセンティブを与えるために、ファンド/クレジット移送の量が、オペレータが協調セッションによって得る追加収入未満になるように設定されうる。さらに、ファンド/クレジット移送はまた、移送の量が、「機会コスト」よりも大きくなるように設定されうる。「機会コスト」については、後に、より十分に定義および説明される。
【0051】
本インセンティブ・スキームの第2の特徴はまた、モバイル・デバイスによって認識されるエネルギ消費の長所、および、オペレータによって認識されるエア・リソースの長所を統合または標準化するためのクレジット統合メカニズムをも含みうる。特に、支援する際にヘルパ・モバイル・デバイスによって利用される時間の長さは、補償/クレジットのための長所を決定するために使用されうるが、長所を判断するための別の手法は、エネルギ消費に基づくことが注目される。したがって、1つの実施形態では、ファンド/クレジット移送の量は、ヘルパにおいて消費された追加エネルギをヘルパ・デバイスに十分に補償することに基づきうる。態様では、クレジットの単位は、エネルギの単位であるジュールに標準化されうるが、単に、この特定のエネルギ単位には限定されない。したがって、クレジットは、ヘルパ・デバイスが協調セッションに参加する際に消費するジュールの数値になるように計算されうる。1つの典型的な実施形態では、クレジットは、協調によってオペレータによって得られる追加のエアタイムを利用するために、ヘルパ・デバイスが消費する量のジュールになるように計算されうる。すなわち、プライマリ・デバイスは、RANのセルにおける追加のデータ・リソースを要求および利用しているので、オペレータは、このアップグレードされたサービスに対して課金するだろう。
【0052】
態様では、プライマリ・デバイスは、ヘルパをダイレクトに補償するように構成されうるか、または、クレジットを提供するように特定のRANオペレータをトリガしうる(これは、例えば、プライマリ・デバイスのユーザのアカウントに請求しうる)ことが考慮される。この第2の特徴において、コストをエネルギ単位に結び付けることによって、本スキームは、ヘルパ・デバイスによって使われる支援のためのコストと、オペレータに対する全体的な能力増加の利益との間の単位ベースの標準化および統合を提供する。
【0053】
さらに、変動した状況における成功を補償するため、インセンティブ・システムにおいてオペレータの関与を有することが有利でありうる。モバイル・デバイスのチャネル状態が、移動によって、十分なダイバーシティを持って変動するのであれば、協調デバイス間のクレジット移送は、協調動作を継続させるのに十分でありうる。なぜなら、協調するデバイスは、チャネルが貧弱な状態にある場合には常に、別の適切なデバイスを見つけうるからである。しかしながら、いくつかのデバイスが、より貧弱なチャネル状態を継続して経験し、その他のデバイスが、良好なチャネル状態を経験する場合、協調を継続するための十分なインセンティブはないだろう。なぜなら、良好な状態のモバイルは、相互的な支援を受けることができないからである。したがって、オペレータは、継続的に良好なチャネル状態によって相互支援を得ることができないヘルパにファンドすることを仲介する。
【0054】
したがって、本インセンティブ・スキームにおける別の考慮は、すでに手短かに述べられた機会コストである。機会コストは、前の協調セッションにおいてヘルパ・モバイル・デバイスが取得したクレジットの量と、後続するヘルプ・セッションにおいて(ヘルパとして動作する)別のモバイル・デバイスからプライマリ・デバイス機能において支援を得るためにヘルパ・デバイスが支払わねばならないクレジットの量とのギャップまたは差分として定義される。例として、図5および図6は、機会コストの概念を実証する2つの支援セッションを図示する。図5に図示される状況では、モバイル・デバイス502は、そのRANアクセス・リンク508を介してRAN506にアクセスするために、貧弱な状態にあるモバイル・デバイス504を支援するヘルパ・デバイスとして動作する、非常に良好な状態にあるモバイル・デバイスであると仮定される。モバイル・デバイス502は、非常に良好なリンク508を有するので、デバイス502のユーザは、モバイル・デバイス504へ支援を提供するためのモバイル・デバイス502へのコストが少ないことによって、ごく少量のファンド/クレジット移送のみを受信しうる。この例示の目的のために、図5のシナリオにおける支援セッション1のために支払うコストは、バリュー“C1”であると仮定される。
【0055】
図6に図示される第2のシナリオでは、モバイル・デイバス502は、RAN506にアクセスするために貧弱な状態にある場合、後続するヘルプ・セッションにおいて、モバイル・デバイス504からの協調を要求しうる。しかしながら、過去のセッションから、モバイル・デバイス504のRANアクセス・リンク510の状態が、RANアクセス・リンク508に対して劣っているのであれば、これら2つのモバイル・デバイス間のRANアクセス・リンク状態の差分が、前のセッションにおけるものよりも小さくなりうるので、前のセッションでモバイル・デバイス502が得たクレジット(例えば、図5のシナリオにおけるC1)は、現在の協調ヘルプ・セッション2のために支払うのに不十分でありうる。図6のセッションのコストは、C1よりも高い“C2”であると仮定される。機会コストは、C1とC2との差分(例えば、C2−C1)である。したがって、この状況では、デバイス502に対して、ゲインではなく、機会コストが発生するので、ゲインではなく、正味のコストが発生すると、モバイル・デバイス502のユーザがヘルプ・セッションにおけるさらなる協調を提供することに対して負のインセンティブとなるだろう。機会コストが考慮される場合、このような状況が負のインセンティブを生まないことを保証するために、オペレータ(または、その他のパーティ)は、例えば、図5および図6の例におけるデバイス502のユーザに対して、インセンティブのためのクレジットを与えうることが明白になる。
【0056】
態様によれば、2つのモバイル・デバイスによるチャネル状態の切り換えが不十分である場合、協調セッションにおいてオペレータで得る収入が、後続する1つの協調セッションのためにヘルパ・デバイスへクレジットまたはファンドを与えるのに十分となるように、量的または数学的な尺度が確立されうる。態様によれば、考慮されている協調システムの実行可能性を保証するためにクレジットの付与を管理する1つのスキームは、プライマリ・デバイスへ協調的な支援を提供することから所望される特定の利益マージンをヘルパ・デバイスが設定することを可能にすることを含みうる。この利益マージンは、ここでは変数αを用いて表わされる。さらに、図5において具体化されているような第1の協調セッションから発生する、オペレータによって得られる追加収入の一部(すなわち、モバイル504からの収入。なぜなら、オペレータは、増加されたサービスに対してより課金しうるので)は、オペレータによってヘルパ(すなわち、セッション1におけるモバイル・デバイス502)に提供されるクレジットをファンドするために使用されうる。変数γは、オペレータがヘルパへクレジット/ファンドとして付与する必要のある収入のパーセンテージを示すために使用されうる。クレジット・インセンティブ・スキームは、γ≧(1+α)になるように設定されうる。別の方式で述べたように、モバイル・ヘルパ502に戻される、オペレータによってクレジットされた収入のパーセンテージは、複数の協調セッションに対する正味の支出を考慮してヘルパが望む利益または利益マージンを超えるか、等しい。しかしながら、協調のためにヘルパ・デバイスによって必要とされる利益マージンが高すぎるのであれば、コストも大きくなりすぎ、オペレータにとってこのスキームは実行不可能であり無益であることが明らかである。
【0057】
具体的な量的な例では、図5におけるプライマリ・デバイス504(ここでは、プライマリ・デバイスAとも称される)からのクレジットまたはファンド移送は、デバイスAからデバイスBへのファンドについては、ファンド移送関数fABとして定義されうる。ここで、fAB=(1+α)(eOOB+eC1)であり、eOOBは、ヘルパBによって帯域外リンク512で費やされる、ジュール単位でのエネルギを表わし、eC1は、第1の協調セッション(図5)においてヘルパ・デバイスBによってセル・リンクで費やされる、ジュール単位でのエネルギを表わし、αは、協調を提供するために望まれるヘルパのための可能な利益マージンを表わす。別の方式で述べると、ファンド移送は、所望の利益マージンまたはマークアップが乗じられたエネルギ単位に関して規格化された(帯域内および帯域外の)両方のリンクの合計エネルギ・コストに基づいて決定される。
【0058】
協調システムを、経済的に実行可能に保つために、ヘルパ・デバイスB(すなわち、図5および図6の例におけるデバイス502)は、一例では、以下の式によって決定されるようなあるしきい値に等しいかまたはそれ未満である利益マージンαを維持するための制約条件を有するだろう。α≦(epoor−eC2)/(eC2−eC1)、ここで、epoorは、協調がない場合に費やされるであろうエネルギを示し、eC1は、図5における第1の協調セッションにおいてヘルパBによってセル・リンクで費やされるエネルギを表わし、eC2は、第2の協調セッションにおいてヘルパによってRANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わす。
【0059】
別の態様によれば、RANオペレータからヘルパ・デバイスB(例えば、図5におけるモバイル・デバイス502)へのクレジット移送またはファンドは、ファンド移送関数fOBにしたがって決定されうる。ここで、fOB=γ(epoor−eC1)であり、(epoor−eC1)は、規格化されたエネルギ単位(例えば、ジュール)に関する、第1の協調セッションからオペレータによって得られる追加収入であり、γは、オペレータが、インセンティブのためヘルパ・デバイスへファンドまたはクレジットとして付与する収入のパーセンテージを表わす。態様では、オペレータがヘルパに付与する必要があるであろう最適なクレジット・パーセンテージγが、少なくとも1つの後続するセッションのための協調動作を実行可能にすることを保証するために、γ≧(1+α)[(eC2−eC1)/(epoor−eC1)]の関係によって管理されうる。
【0060】
別の態様では、オペレータが、最大K個、K≧2、の後続する協調セッションに対してファンドすることを望むのであれば、2つのモバイル・デバイスがチャネル状態を不適切に切り換えるセッションが、同じ協調設定を有する場合、オペレータは、以下の関係を定量的に確立しうる。γ≧[(1+α)/(epoor−ec1)][(ec2−ec1)+(K−1)(eOOB+ec2)]。プライマリ・デバイスのユーザが、このような状況において、(ここでは「フリー・ライダー」とも称される)これらデバイスをヘルプ・デバイスとして提供することを拒否することを除いて、利用可能なインセンティブ・パーセンテージまたはクレジットを利用することを阻止するために、オペレータは、以下の制約または量的尺度を設定しうる。[(1+α)[(epoor−ec1)][(ec2−ec1)+(Kmin−1)(eOOB+ec2)]≦γ≦[(1+α)/(epoor−ec1)][(ec2−ec1)+(Kmax−1)(eOOB+ec2)]、ここで、KminおよびKmaxはそれぞれ、オペレータがファンドすることを意図している協調セッションの最小数および最大数であり、2つのモバイル・デバイスがチャネル状態を不適切に切り換える場合、同じ協調設定を有する。この関係から、質的には、オペレータがヘルパ・デバイス(例えば、502)に移送する追加収入のパーセンテージは、ユーザがインセンティブ・クレジットを不公平に利用することを阻止する(すなわち、フリー・ライドを制限する)ように制限されたクレジット移送の付与の予め決定された最大値間で制限されうるが、ヘルパ・デバイスが状況のためのインセンティブ・クレジットを受け取ることを保証するために予め定められた最小値に等しいか、または最小値以上でもありうることが推論される。ここで、ヘルパ・デバイスのユーザは、ヘルプ・セッションを支援するための良好なまたはその他のインセンティブを有さない。
【0061】
別の代案では、RANオペレータは、マイクロペイメント・トランザクション(すなわち、少額の金、または、少量のクレジットを含む支払トランザクション)をイネーブルまたはシグナルするために、モバイル・デバイスまたは電話へアプリケーション・プログラミング・インタフェース(API)または類似のアプリケーションを提供することによってデータ・レートを上げるために、プライマリ・デバイスに課金しうることが考慮される。これらのタイプのトランザクションは、合意されたユーザのデータ・レートを上げるための追加料金を、プライマリ・デバイスに関連付けられたユーザ・アカウントに課金するために、RANオペレータによって使用されうる。このデータ・レート増加は、他のユーザのデータ・レートを犠牲にする。なぜなら、ネットワーク内のすべてのアクティブ・チャネルの特性は、この動作について課金されないからである。言い換えると、いくつかのユーザを高めるために追加料金を課金することによってオペレータが得る追加収入は、他のユーザが自分たちのデータ・レートの低下を補償することを望んでいないという事実のためとは言わないまでも、許可されないだろう。
【0062】
さらに、APIは、前述された移送を有効にするためにオペレータによって使用されうる。これは、プライマリからヘルパへの移送と、少なくとも1つのオペレータからヘルパへの移送とを含む。このトランザクションは、セッションを用いて支援するためのヘルパ・デバイスにおける基本コストをカバーすることを含みうる。このトランザクション(または、個別のトランザクション)はまた、ヘルパ・デバイスに与える、例えば追加時間またはある金銭的な報酬のようなインセンティブ・ファンドをもクレジットしうる。
【0063】
本システムでは、ヘルパ・デバイスが、RANにアクセスするプライマリ・デバイスを支援する場合、オペレータは、他のユーザから帯域幅を流用することも取り除くことも必要としないことが注目される。オペレータは、レート増加のために、単純に、プライマリ・デバイスのセル・リンクを、ヘルパのセル・リンクと交換しうる。したがって、オペレータが、より良好なデータ・レートのためにプライマリ・デバイスに追加料金を課金した後、オペレータはまた、前述したように、その追加収入の特定のパーセンテージまたは一部を、ヘルパのアカウントへ付与するだろう。別の態様では、代替インセンティブ協調システムはさらに、そのデータ・レートを高めるために、オペレータが、マイクロペイメント・トランザクションAPIを用いてプライマリ・デバイスに課金することを含みうる。オペレータは、プライマリ・デバイスのデータを配信するために、他のユーザの帯域幅を奪うのではなく、ヘルパ・デバイスのセルまたはRANリンクを使用する。これは、より良好なチャネルのみならず、帯域内と帯域外との両方の帯域でプライマリ・デバイスと通信する能力を有するヘルパのオペレータへヘルパ・リストを提供することを、プライマリ・デバイスに対して要求しうる。
【0064】
さらに、この代替システムにおいて、オペレータは、ファンドまたはクレジットを、ヘルパのアカウントへ付与しうる。オペレータはまた、ヘルパとともにこのタスクを実行するためにマイクロペイメント・トランザクションAPIを利用しうる。このファンドは、ヘルパ・セッションのうちの少なくとも2つの異なる部分をカバーするように構成されうる。第1に、ファンドは、セッションを支援するためヘルパ・デバイスにおける基本コストをカバーすることを支援しうる。さらに、このファンドは、ヘルパ・デバイスに対して報償を与えるインセンティブ・ファンドのために使用されうる。要約すると、この代替インセンティブ協調システムによって、オペレータは、他のデバイスの帯域幅を奪うことなく、いくつかのユーザのデータ・レートを上げることができるようなり、ユーザに対して、このメカニズムを維持するように互いに協調するようにインセンティブ付けできるようになる。
【0065】
さらに、ピア・トゥ・ピア・システムでは、ピア・ノードを、互いに協調するように構成することが知られているが、このようなシステムは、本開示とは異なることが注目される。特に、周知のピア・トゥ・ピア・システムは、主に、コンテンツを分散方式でより効率的に格納するため、スループットを高めるためにデータを協調的に送信するため、作業負荷を低減するために処理タスクを共有するため、または、マルチパス物理チャネルにおいて能力ゲインを得るために信号を協調的に送信するために、ピア・ノード間で協調する。ピア・トゥ・ピア・システムの前述した目的およびスキームとは異なり、本インセンティブ協調システムは、セル能力を増加させるためのみならず、ピア・トゥ・ピア・システムにおける関連性がないかまたは存在していない個々のRANアクセス・スループットを増加させるために、RANにアクセスするためのピア・モバイス・デバイス間における協調を可能にする。
【0066】
図7は、ここで開示されているインセンティブ・スキームにしたがうデバイスとオペレータとの間でのクレジット移送を例示している。例示されるように、ヘルパ・デバイス702(ヘルパ“B”)またはこれに関連付けられたアカウントは、プライマリ・デバイス704(プライマリ“A”)またはこれに関連付けられたアカウントと、RANオペレータと、関連付けられた機器708またはこれに関連付けられたアカウントと、のうちの1または複数から、クレジットまたはファンドを受信する。前述したように、ヘルパ・デバイス702の利益マージンαは、α≦(epoor−eC2)/(eC2−eC1)という関係によって定義されうる。そして、オペレータがヘルパへクレジット/ファンドとして付与する必要のある収入のパーセンテージγは、γ≧(1+α)[(eC2−eC1)/(epoor−eC1)]という関係によって定義されうる。1または複数のヘルプ・セッションの後、プライマリ・デバイス704は、ヘルパ・デバイス702へのファンド移送706を実行する(または、他のデバイスまたはオペレータに対して実行させる)ように構成されうる。態様では、移送されるファンドまたはクレジットの量は、fAB=(1+α)(合計リンク・エネルギ)によって管理される。ここで、合計リンク・エネルギは、ヘルプ・セッションで使用される帯域外リンクおよび帯域内リンクの両方のために費やされるエネルギである。
【0067】
さらに、ヘルパ“B”702を含む1または複数のヘルプ・セッションに基づいて、オペレータ708は、将来の協調的な動作に対してヘルパ・デバイス702のユーザにインセンティブを与えるために、ヘルパ・デバイス702へのファンドまたはクレジットの移送710を開始しうる。移送されるファンドまたはクレジットの量は、エネルギ単位(例えば、ジュール)に関して取得される関数fOB=γ*追加収入に基づきうる。前述されたように、ファンドまたはクレジットの移送を管理する根本にある関係は、協調的な構成を提供し続けるためにオペレータ708へインセンティブまたは収益性を提供するために、γ≧(1+α)でありうる。
【0068】
別の態様によれば、例えばオペレータ708のようなオペレータは、地理的な位置において、その位置に関連するモバイル・ユーザとの間でなされるクレジット移送の、収集された履歴情報に基づいて、チャネル状態情報を推論または決定しうる。これは、特定の位置において生じる協調的な動作の頻度を示す。態様では、この情報は、モバイル・ユーザのクレジット減少情報から導出されうる。例えば、モバイル・ユーザによるヘルパの使用を示しているモバイル・ユーザのクレジットが、ある地理的位置においてしばしば減少するのであれば、これは、そのエリアではチャネル状態が一般に貧弱であることをも示しうる。そのようなケースでは、オペレータは、合成されたチャネル状態情報に基づいて、解決策を展開しうる。この情報は、クレジット移送に基づいて、アプリケーション・レイヤにおいて取得されうるので、この情報の取得は、物理レイヤ情報を取得する従来の方法とは異なることが注目される。
【0069】
さらに、オペレータは、モバイル・ユーザのクレジット変更情報から、協調動作情報を推論しうる。その後、この情報から、モバイル・ユーザの動作が、例えば、「非常に協調的」、「協調的」、「利他的」、「さほど協調的ではない」、「非協調的」等のようなさまざまな協調パターンおよび分類に区分されうる。非常に協調的であるユーザは、その後、トラフィック・オフロードのためのモバイル・コンテンツ・プロバイダとなるように、サービス・プロバイダまたはオペレータによって動的に選択されうる。さらに、特定のユーザに関する協調動作パターンに関する情報が、選択処理を支援するために他のデバイスへ移送されうる。
【0070】
図8は、アップグレードされたサービスを、RANから、例えばプライマリ・デバイスのようなデバイスへと提供するためのインセンティブ付けられた協調ヘルプ・セッションを実施するために、RANオペレータおよびRAN機器によって実行されうる典型的な方法800のフロー図を例示する。例示されるように、この方法800は、先ず、ブロック802によって例示されるように、RANアクセスを用いて第1の無線デバイスを支援する第2の無線デバイス(例えば、ヘルパ・デバイス)を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークとのアップグレードされた接続を第1の無線デバイスがいつ要求するのかを判定することを含む。ブロック804では、その後、オペレータが、少なくとも1つの協調セッションのために少なくとも支援元の第2の無線デバイスによってもたらされる規格化されたエネルギ・コストに基づいて、この第2の無線デバイスへ移送する最適なインセンティブ・クレジットを決定するように構成されうる。ここで、この第2の無線デバイスは、第1の無線デバイスを支援する。態様では、ブロック804において、規格化されたエネルギ(例えば、epoor−eC1)に関して提供されたアップグレードされたサービスのためにRANオペレータによって取得された追加収入の予め決定されたパーセンテージγによって決定されうることが注目される。ここで、エネルギeは、ジュールに関する。
【0071】
図9は、RANへのアクセスを支援するための典型的な協調システムを実施するための、本開示された方法を適用するように動作可能な別の典型的な装置900を例示する。装置900は、例えばデバイス104,108,202,または204のような無線デバイス内で、または、その一部で動作可能である。装置900は、単に、装置900内のさまざまな手段、ブロック、モジュール、または回路が通信可能に接続されていることと、その間でデータおよび情報の通信が生じることとを示すために、通信バス902を備えて例示されていることが先ず注目される。装置900は、ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ・デバイスのそれぞれのリンクを介した無線デバイスへのラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを向上させるために、無線デバイスを支援することが可能な1または複数のヘルパ無線デバイスを決定するための手段またはモジュール904を含みうる。態様では、手段904は、例えば図2におけるプロセッサ220、または、この判定機能を実行するためのその他任意の等価なデバイスまたは構造によって実行されうる。さらには、手段904は、方法300のブロック302における処理を実施するように構成されうることが注目される。
【0072】
装置900はさらに、向上されたサービスをラジオ・アクセス・ネットワークから取得する際に無線デバイスを支援するために、決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうち、少なくとも1つのヘルパ・デバイスを選択するための手段またはモジュール906を含む。態様では、手段906は、プロセッサ220によって、または、この機能を実行することができる任意の等価なものによって実現されうる。さらには、態様では、手段906は、例えば方法300のブロック304における処理を実施するように構成されることが注目される。
【0073】
装置900は、さらに、無線デバイスが、選択された少なくとも1つのヘルパ・デバイスを介してネットワークと通信できるようにする少なくとも1つのヘルパ・デバイスと、この無線デバイスとの間の少なくとも1つの無線リンクを確立する手段またはモジュール908をも含む。ここで、無線リンクは、ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである。手段908は、単なる一例として、プロセッサ220、および処理およびRFチェーン210として実現されうるが、この機能を実行することが可能なその任意の等価物を用いても実現されうる。さらに、態様では、手段908は、方法300のブロック306における処理を実施するように構成されうる。
【0074】
装置900はまた、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを無線デバイスに提供するヘルパ・デバイスを補償するために、選択された少なくとも1つのヘルパ・デバイスへのクレジットの移送をシグナルさせるか、シグナルするか、または指示する手段909を含む。1つの態様では、手段909は、処理およびRFチェーン208,210のうちの少なくとも1つと、プロセッサ220とによって実施されうる。さらに、別の代案では、手段1007は、少なくともRANのオペレータから、マイクロペイメント移送を受信するAPIまたはアプリケーションを利用しうる。さらに、手段909は、方法300におけるブロック308の処理または動作を実行させるように構成されうる。
【0075】
別のオプションの態様では、装置900はまた、汎用プロセッサ910(または、別の態様では、特定用途向けプロセッサ)をも含みうる。これは、1または複数のさまざまな機能を実行するためにプロセッサ910によって実行可能な命令群を格納するために使用されるメモリ・デバイス912に関連付けられた装置900のさまざまな手段のさまざまな機能のうちの何れかまたはすべてを実行しうる。装置900における手段の何れかは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせを用いて実現され、さらに、図示されたように個別に、または、例えばプロセッサ910または類似のデバイスのような統合ユニットにおいて実施されうることが注目される。
【0076】
図10は、RANへのアクセスを支援するための典型的な協調システムを実現するために、本開示された方法を適用することが可能な別の典型的な装置1000を例示する。装置1000は、例えばデバイス104,108,202,204のような無線デバイス内で、またはこれらのうちの一部内で動作可能である。先ず、装置1000は、単に、装置1000内のさまざまな手段、ブロック、モジュール、または回路が、通信可能に接続されていることと、その間でデータおよび情報の通信が生じることを示すために、通信バス1002を備えて例示されていることが注目される。
【0077】
装置1000は、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める要求を、別の無線デバイスから受信する手段またはモジュール1004を含みうる。態様では、手段1004は、例えば、図2におけるプロセッサ266によって、または、決定機能を実行するためのその他任意の等価デバイスまたは構成によって実現されうる。さらに、手段1004は、方法400のブロック402における処理を実施するように構成されうることが注目される。
【0078】
装置1000はさらに、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、別の無線デバイスが、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用できるようにする、無線デバイスと別のデバイスとの間の少なくとも1つの帯域外無線リンクを確立する手段またはモジュール1006を含む。態様では、手段1006は、プロセッサ266によってのみならず、処理およびRFチェーン212,214、または、この機能を実行することが可能なその任意の等価物によって実現されうる。さらに、態様では、手段1006は、例えば方法400のブロック404における処理を実施するように構成されることが注目される。
【0079】
さらに、装置1000は、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスをプライマリ・デバイスへ提供するために、ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよびプライマリ・デバイスのうちの1つから、クレジットの移送を受信する手段1007を含みうる。態様では、手段1007は、一例として、プロセッサ266、または、任意の等価な構成によって実施されうる。さらに、別の代案では、手段1007は、少なくともRANのオペレータからマイクロペイメント移送を受信するAPIまたはアプリケーションを利用しうる。さらに、手段1007は、例えば、方法400におけるブロック406の処理または動作を有効にするように設定または構成されうる。
【0080】
別のオプションの態様では、装置1000はまた、汎用プロセッサ1008(または、別の態様では、特定用途向けプロセッサ)をも含みうる。これは、1または複数のさまざまな機能を実行するためにプロセッサ1008によって実行可能な命令群を格納するために使用されるメモリ・デバイス1010に関連付けられた装置1000のさまざまな手段のさまざまな機能のうちの何れかまたはすべてを実行しうる。装置1000における手段の何れかは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの任意の組み合わせを用いて実現され、さらに、図示されたように個別に、または、例えばプロセッサ1008または類似のデバイスのような統合ユニットにおいて実現されうることが注目される。
【0081】
さらに、装置1000はさらに、ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスをプライマリ・デバイスへ提供することに関連付けられたエネルギ・コストと、少なくとも無線デバイスのユーザによって決定される所望の利益マージンとに少なくとも基づいて、クレジット・ネットワークの移送を受信する手段1012を含みうる。この手段1012は、例えば266のようなプロセッサ、または、等価な処理デバイスによって実施されうる。
【0082】
図11は、RANへのアクセスを支援するためにインセンティブを伴う典型的な協調システムを実現するために、本開示された方法を適用することが可能な別の典型的な装置1100を例示する。装置1100は、例えばRAN102,206、オペレータ708のような少なくとも1つのオペレータ・ネットワーク内で、または、これら部分およびその関連付けられた機器内で動作可能である。先ず、装置1100は、単に、装置1100内のさまざまな手段、ブロック、モジュール、または回路が、通信可能に接続されていることと、その間でデータおよび情報の通信が生じることを示すために、通信バス1102を備えて例示されていることが注目される。
【0083】
装置1100は、第1の無線デバイスを支援する少なくとも1つの第2の無線デバイスを用いることによって、ラジオ・ネットワークとのアップグレードされた接続を第1の無線デバイスがいつ開始するのかを判定する手段またはモジュール1004を含む。態様では、手段1004は、アップグレードされた接続を判定するためにプライマリ・デバイスおよびヘルパ・デバイスのうちの1つからの通信を受信するように構成されうる(すなわち、プライマリ・デバイスが、より高いスループットおよび能力でアップグレードまたは向上されたサービスのためにヘルパのRANリンクを利用できるように、帯域内および帯域外接続の詳細および存在に関する情報が設定される)。さらに、手段1004は、方法800のブロック802における処理を実施するように構成されうることが注目される。
【0084】
装置1100はさらに、少なくとも1つの協調セッションのために支援元の第2の無線デバイスによって必要とされた規格化されたエネルギ・コストに基づいて、第2の無線デバイスへ移送する最適なインセンティブ・クレジットを決定する手段またはモジュール1106を含む。態様では、手段1106は、例えば、方法800のブロック804における処理を実施するように構成される。
【0085】
別のオプションの態様では、装置1100はまた、汎用プロセッサ1108(または、別の態様では特定用途向けプロセッサ)を含みうる。これは、1または複数のさまざまな機能を実施するためにプロセッサ1108によって実行可能な命令群を格納するために使用される、メモリ・デバイス1110に関連付けられた装置1100のさまざまな手段のさまざまな機能のうちの何れかまたはすべてを実行しうる。装置1100における手段の何れかは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、または、その任意の組み合わせおよび等化物で実現され、さらに、図示されるように個別に実現されうるか、または代案として、例えば、プロセッサ1108または類似の等価なデバイスにおけるような、統合ユニットにおいて実現されうることが注目される。
【0086】
開示された処理におけるステップの具体的な順序または階層は、単なる典型的なアプローチの例であることが理解される。設計選択に基づいて、これら処理におけるステップの具体的な順序または階層は、本開示のスコープ内であることを保ちながら、再構成されうることが理解される。同伴する方法請求項は、さまざまなステップの要素を、サンプル順で示しており、示された具体的な順序または階層に限定されないことが意味される。
【0087】
当業者であれば、情報および信号は、さまざまな異なる技術および技法のうちの何れかを用いて表されることを理解するだろう。例えば、前述した説明を通じて参照されうるデータ、命令群、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁場または磁性粒子、光学場または光学粒子、あるいはこれらの任意の組み合わせによって表現されうる。
【0088】
当業者であればさらに、本明細書で開示された実施形態に関連して記載された例示的なさまざまな論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズム・ステップは、電子的なハードウェア、コンピュータ・ソフトウェア、あるいはこれら両方の組み合わせとして実現されることを認識するであろう。ハードウェアとソフトウェアとの相互置換性を明確に説明するために、さまざまな例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップが、これらの機能の観点から一般的に記載された。これら機能がハードウェアとしてまたはソフトウェアとして実現されるかは、特定の用途およびシステム全体に課せられている設計制約に依存する。当業者であれば、記載された機能を、各特定のアプリケーションについて変化する方式で実施しうるが、このような実施決定は、本発明のスコープからの逸脱をもたらすものとして解釈されるべきではない。
【0089】
本明細書で開示された実施形態に関連して記述されたさまざまな例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)あるいはその他のプログラマブル論理デバイス、ディスクリート・ゲートあるいはトランジスタ・ロジック、ディスクリート・ハードウェア構成要素、または上述された機能を実現するために設計された上記何れかの組み合わせを用いて実現または実施されうる。汎用プロセッサは、マイクロ・プロセッサでありうるが、代わりに、従来技術によるプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステート・マシンでありうる。プロセッサは、例えばDSPとマイクロ・プロセッサとの組み合わせ、複数のマイクロ・プロセッサ、DSPコアと連携する1または複数のマイクロ・プロセッサ、またはその他任意のこのような構成であるコンピューティング・デバイスの組み合わせとして実現されうる。
【0090】
本明細書で開示された実施形態に関して記述された方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアにおいて直接的に、プロセッサによって実行されるソフトウェア・モジュールによって、あるいはこれら2つの組み合わせによって具体化されうる。ソフトウェア・モジュールは、RAMメモリ、フラッシュ・メモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハード・ディスク、リムーバブル・ディスク、CD−ROM、あるいは当該技術分野で知られているその他の型式の記憶媒体に存在しうる。典型的なコンピュータ・プログラム製品および/またはコンピュータ読取可能な記憶媒体は、記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むようなプロセッサに接続されている。あるいは、この記憶媒体は、プロセッサに統合されうる。このプロセッサと記憶媒体とは、ASIC内に存在しうる。ASICは、ユーザ端末内に存在しうる。あるいは、プロセッサおよび記憶媒体は、ユーザ端末内のディスクリートな構成要素として存在しうる。
【0091】
開示された実施形態の上記記載は、当業者が本発明を製造または使用できるようにするために提供される。これら実施形態に対するさまざまな変形例もまた、当業者には明らかであって、本明細書で定義された一般的な原理は、本発明の主旨または範囲から逸脱することなく他の例にも適用されうる。このように、本発明は、本明細書で示された実施形態に限定されことは意図されておらず、本明細書に記載された原理および新規な特徴に一致した最も広い範囲に相当するものとされる。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[C1]
ラジオ・アクセス・ネットワークにおいて、向上されたサービスを無線デバイスへ提供する方法であって、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ無線デバイスのそれぞれのリンクを介した前記無線デバイスへのラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを向上させるために、前記無線デバイスを支援することが可能な、前記1または複数のヘルパ無線デバイスを決定することと、
前記向上されたサービスを前記ラジオ・アクセス・ネットワークから取得する際に前記無線デバイスを支援するために、前記決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうち、少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択することと、
前記無線デバイスが前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを介して前記ラジオ・アクセス・ネットワークと通信することを可能にする、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと、前記無線デバイスとの間の無線リンクを確立することと、ここで、前記無線リンクは、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを前記無線デバイスに提供する前記ヘルパ無線デバイスを補償するために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルすることと、
を備える方法。
[C2]
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択することは、ヘルパとして使用されるべき複数の無線デバイスのおのおのの適応性を判定するために、前記複数のヘルパ無線デバイスのうちの1または複数と、情報の送信および受信をすることを含む、C1に記載の方法。
[C3]
前記送信および受信される情報は、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスおよび前記無線デバイスのうちの少なくとも1つの帯域内ラジオ・アクセス・リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスと間の帯域外無線リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスのうちの少なくとも1つのラジオ・アクセス・ネットワーク識別子およびセル識別子と、
のうちの少なくとも1つを含む、C2に記載の方法。
[C4]
前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルすることはさらに、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへの、および、少なくとも1つのオペレータから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへの、前記クレジットの移送をシグナルすることを備える、C1に記載の方法。
[C5]
少なくとも1つのヘルプ・セッションのために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスのラジオ・アクセス・リンク・エネルギと、前記帯域外無線リンクのリンク・エネルギの合計量を決定することと、
前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスによって設定された利益マージンと、前記合計量とに基づいて、移送されたクレジットの量を計算することと、
をさらに備えるC1に記載の方法。
[C6]
前記リンク・エネルギは、ジュールの単位で規格化された値である、C5に記載の方法。
[C7]
前記クレジットの移送をシグナルすることは、前記ラジオ・アクセス・ネットワークの少なくとも1つのオペレータと、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスに関連付けられたアカウントへの、クレジットのマイクロペイメント移送を生ぜしめるアプリケーションを使用することによって、前記移送をシグナルすることを含む、C1に記載の方法。
[C8]
ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置であって、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ無線デバイスのそれぞれのリンクを介した前記無線デバイスへのラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを向上させるために、前記無線デバイスを支援することが可能な、前記1または複数のヘルパ無線デバイスを決定することと、
前記向上されたサービスを前記ラジオ・アクセス・ネットワークから取得する際に前記無線デバイスを支援するために、前記決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうち、少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択することと、
前記無線デバイスが前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを介して前記ラジオ・アクセス・ネットワークと通信することを可能にする、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと、前記無線デバイスとの間の無線リンクを確立することと、ここで、前記無線リンクは、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを前記無線デバイスに提供する前記ヘルパ無線デバイスを補償するために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルすることと、
を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するメモリと、
を備える装置。
[C9]
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、ヘルパとして使用されるべき複数の無線デバイスのおのおのの適応性を判定するために、前記複数のヘルパ無線デバイスのうちの1または複数と、情報を送信および受信することに基づいて、前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択するように構成された、C8に記載の装置。
[C10]
前記送信および受信される情報は、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスおよび前記無線デバイスのうちの少なくとも1つの帯域内ラジオ・アクセス・リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスと間の帯域外無線リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスのうちの少なくとも1つのラジオ・アクセス・ネットワーク識別子およびセル識別子と、
のうちの少なくとも1つを含む、C9に記載の装置。
[C11]
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへの、および、少なくとも1つのオペレータから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへの、前記クレジットの移送をシグナルするように構成された、C8に記載の装置。
[C12]
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、
少なくとも1つのヘルプ・セッションのために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスのラジオ・アクセス・リンク・エネルギと、前記帯域外無線リンクのリンク・エネルギの合計量を決定し、
前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスによって設定された利益マージンと、前記合計量とに基づいて、移送されたクレジットの量を計算する、
ように構成された、C11に記載の装置。
[C13]
前記リンク・エネルギは、ジュールの単位で規格化された値である、C12に記載の装置。
[C14]
前記少なくとも1つのプロセッサはさらに、前記ラジオ・アクセス・ネットワークの少なくとも1つのオペレータと、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスに関連付けられたアカウントへの、クレジットのマイクロペイメント移送を生ぜしめるアプリケーションを使用することによって、前記クレジットの移送をシグナルするように構成された、C8に記載の装置。
[C15]
ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置であって、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ無線デバイスのそれぞれのリンクを介した前記無線デバイスへのラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを向上させるために、前記無線デバイスを支援することが可能な、前記1または複数のヘルパ無線デバイスを決定する手段と、
前記向上されたサービスを前記ラジオ・アクセス・ネットワークから取得する際に前記無線デバイスを支援するために、前記決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうち、少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択する手段と、
前記無線デバイスが前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを介して前記ネットワークと通信することを可能にする、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと、前記無線デバイスとの間の無線リンクを確立する手段と、ここで、前記無線リンクは、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを前記無線デバイスに提供するヘルパ無線デバイスを補償するために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルする手段と、
を備える装置。
[C16]
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択する手段はさらに、ヘルパとして使用されるべき複数の無線デバイスのおのおのの適応性を判定するために、前記複数のヘルパ無線デバイスのうちの1または複数と、情報の送信および受信をする手段を備える、C15に記載の装置。
[C17]
前記送信および受信される情報は、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスおよび前記無線デバイスのうちの少なくとも1つの帯域内ラジオ・アクセス・リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスと間の帯域外無線リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスのうちの少なくとも1つのラジオ・アクセス・ネットワーク識別子およびセル識別子と、
のうちの少なくとも1つを含む、C16に記載の装置。
[C18]
前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルする手段はさらに、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへの、および、少なくとも1つのオペレータから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへの、前記クレジットの移送を、シグナルする手段をさらに備える、C15に記載の装置。
[C19]
少なくとも1つのヘルプ・セッションのために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスのラジオ・アクセス・リンク・エネルギと、前記帯域外無線リンクのリンク・エネルギの合計量を決定する手段と、
前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスによって設定された利益マージンと、前記合計量とに基づいて、移送されたクレジットの量を計算する手段と、
をさらに備えるC18に記載の装置。
[C20]
前記リンク・エネルギは、ジュールの単位で規格化された値である、C19に記載の装置。
[C21]
前記クレジットの移送をシグナルする手段は、前記ラジオ・アクセス・ネットワークの少なくとも1つのオペレータと、前記無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスに関連付けられたアカウントへの、クレジットのマイクロペイメント移送を生ぜしめるアプリケーションを含む、C15に記載の装置。
[C22]
コンピュータ読取可能な媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品であって、
コンピュータに対して、ラジオ・アクセス・ネットワークとの1または複数のヘルパ無線デバイスのそれぞれのリンクを介した無線デバイスのための向上されたラジオ・アクセス・ネットワーク・サービスを取得するために、前記ラジオ・アクセス・ネットワークにおける前記無線デバイスを支援することが可能な、前記ラジオ・アクセス・ネットワークにおける1または複数のヘルパ無線デバイスを決定させるためのコードと、
コンピュータに対して、前記向上されたサービスを前記ラジオ・アクセス・ネットワークから取得する際に前記無線デバイスを支援するために、前記決定された1または複数のヘルパ無線デバイスのうち、少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを選択させるためのコードと、
コンピュータに対して、前記無線デバイスが前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスを介して前記ラジオ・アクセス・ネットワークと通信することを可能にする、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと、前記無線デバイスとの間の無線リンクを確立させるためのコードと、ここで、前記無線リンクは、前記ラジオ・アクセス・ネットワーク内で通信していない帯域外無線リンクである、
コンピュータに対して、前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを前記無線デバイスへ提供するヘルパ無線デバイスを補償するために、前記選択された少なくとも1つのヘルパ無線デバイスへ、クレジットの移送をシグナルさせるためのコードと、
を備えるコンピュータ読取可能な媒体、を備えるコンピュータ・プログラム製品。
[C23]
ラジオ・アクセス・ネットワークにおいて、向上されたサービスを無線デバイスへ提供する方法であって、
前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める要求を、別のプライマリ無線デバイスから受信することと、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、前記プライマリ無線デバイスが、前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、前記プライマリ無線デバイスと前記無線デバイスとの間の帯域外無線リンクを確立することと、
前記プライマリ無線デバイスに前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するために、前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよび前記プライマリ無線デバイスのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信することと、
を備える方法。
[C24]
前記要求を受信する前に、前記プライマリ無線デバイスを支援するための前記無線デバイスの適応性を判定するために、前記プライマリ無線デバイスとの間で情報を送信および受信することをさらに備える、C23に記載の方法。
[C25]
前記送信および受信される情報は、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスおよび前記無線デバイスのうちの少なくとも1つの帯域内ラジオ・アクセス・リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスと間の帯域外無線リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記プライマリ無線デバイスと前記無線デバイスとのうちの少なくとも1つのラジオ・アクセス・ネットワーク識別子およびセル識別子と、
のうちの少なくとも1つを含む、C24に記載の方法。
[C26]
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを前記プライマリ無線デバイスへ提供することに関連付けられたエネルギ・コストと、少なくとも前記無線デバイスのユーザによって決定される所望の利益マージンとに少なくとも基づいて、前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータと前記プライマリ無線デバイスとのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信すること、をさらに備えるC23に記載の方法。
[C27]
前記利益マージンは、
前記無線デバイスがプライマリ無線デバイスを支援するために動作することを含む少なくとも1つのヘルプ・セッションに関連付けられたエネルギ・コストと、前記ラジオ・アクセス・ネットワークへアクセスするための支援を受けるプライマリ無線デバイスとして前記無線デバイスが動作する、少なくとも1つのヘルプ・セッションに関連付けられたエネルギ・コストと、前記ヘルプ・セッションのうちの少なくとも1つも生じなかった場合におけるエネルギ・コストと、機会コストと、に基づいて決定される利益マージンの最大値またはそれ未満に設定される、C26に記載の方法。
[C28]
前記利益マージンの最大値は、以下の式に基づいて決定され、
α≦(epoor−eC2)/(eC2−eC1)、
ここで、αは、前記利益マージンを表わし、epoorは、少なくとも1つのヘルプ・セッションも生じなかった場合に費やされるであろうエネルギを表わし、eC1は、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)アクセスのために前記無線デバイスが前記プライマリ無線デバイスを支援する第1のヘルプ・セッションにおいて、RANアクセス・リンクにおいて前記無線デバイスによって費やされたエネルギを表わし、eC2は、RANアクセスのために前記無線デバイスを支援するために前記プライマリ無線デバイスがヘルパ無線デバイスとして動作する、後続する第2のヘルプ・セッションにおいて、前記プライマリ無線デバイスによって、前記RANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わす、C26に記載の方法。
[C29]
前記プライマリ無線デバイスから移送されるクレジットの量は、前記所望の利益マージンと、無線デバイスによるRANアクセスのための帯域外リンクと帯域内リンクとのリンク・エネルギの合計量に基づく、C26に記載の方法。
[C30]
前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータから、クレジットの移送を受信することは、少なくとも1つのヘルプ・セッションによって前記オペレータによって得られる追加収入の値と、将来のヘルプ・セッションを促すインセンティブとして前記オペレータが前記ヘルプ無線デバイスへ移送する追加収入のパーセンテージとの積に少なくとも基づく、C26に記載の方法。
[C31]
前記オペレータが前記ヘルパ無線デバイスへ移送する追加収入のパーセンテージは、前記ヘルパ無線デバイスへのインセンティブの最小レベルを提供するように構成された予め決定された最小と、フリー・ライダ・ユーザを制限するように構成された予め決定された最大との間にある、C30に記載の方法。
[C32]
前記オペレータが前記ヘルパ無線デバイスへインセンティブとして移送する追加収入のパーセンテージは、以下の式に基づいて決定され、
γ≧(1+α)[(eC2−eC1)/(epoor−eC1)]、
ここで、γは、前記追加収入のパーセンテージを表わし、αは、前記所望の利益マージンを表わし、epoorは、少なくとも1つのヘルプ・セッションも生じなかった場合に費やされるであろうエネルギを表わし、eC1は、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)アクセスのために前記無線デバイスが前記プライマリ無線デバイスを支援する第1のヘルプ・セッションにおいて、RANアクセス・リンクにおいて前記無線デバイスによって費やされたエネルギを表わし、eC2は、RANアクセスのために前記無線デバイスを支援するために前記プライマリ無線デバイスがヘルパ無線デバイスとして動作する、後続する第2のヘルプ・セッションにおいて、前記プライマリ無線デバイスによって、前記RANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わす、C30に記載の方法。
[C33]
前記エネルギ・コストは、ジュールの単位のエネルギ値に規格化される、C26に記載の方法。
[C34]
ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置であって、
前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、前記ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める要求を、別のプライマリ無線デバイスから受信する手段と、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、前記プライマリ無線デバイスが、前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、前記プライマリ無線デバイスと前記無線デバイスとの間の帯域外無線リンクを確立する手段と、
前記プライマリ無線デバイスに前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するために、前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよび前記プライマリ無線デバイスのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信する手段と、
を備える装置。
[C35]
前記受信する手段によって前記要求が受信される前に、前記プライマリ無線デバイスを支援するための前記無線デバイスの適応性を判定するために、前記プライマリ無線デバイスとの間で情報を送信および受信する手段、をさらに備えるC34に記載の装置。
[C36]
前記送信および受信される情報は、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスおよび前記無線デバイスのうちの少なくとも1つの帯域内ラジオ・アクセス・リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記少なくとも1つのヘルパ無線デバイスと前記無線デバイスと間の帯域外無線リンクの電力効率に関するスループット、遅延、およびデータ・レートと、
前記プライマリ無線デバイスと前記無線デバイスとのうちの少なくとも1つのラジオ・アクセス・ネットワーク識別子およびセル識別子と、
のうちの少なくとも1つを含む、C35に記載の装置。
[C37]
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを前記プライマリ無線デバイスへ提供することに関連付けられたエネルギ・コストと、少なくとも前記無線デバイスのユーザによって決定される所望の利益マージンとに少なくとも基づいて、前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータと前記プライマリ無線デバイスとのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信する手段、をさらに備えるC34に記載の装置。
[C38]
前記利益マージンは、前記無線デバイスがプライマリ無線デバイスを支援するために動作することを含む少なくとも1つのヘルプ・セッションに関連付けられたエネルギ・コストと、前記ラジオ・アクセス・ネットワークへアクセスするための支援を受けるプライマリ無線デバイスとして前記無線デバイスが動作する、少なくとも1つのヘルプ・セッションに関連付けられたエネルギ・コストと、前記ヘルプ・セッションのうちの少なくとも1つも生じない場合におけるエネルギ・コストと、機会コストと、に基づいて決定される利益マージンの最大値またはそれ未満に設定される、C37に記載の装置。
[C39]
前記利益マージンの最大値は、以下の式に基づいて決定され、
α≦(epoor−eC2)/(eC2−eC1)、
ここで、αは、前記利益マージンを表わし、epoorは、少なくとも1つのヘルプ・セッションも生じなかった場合に費やされるであろうエネルギを表わし、eC1は、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)アクセスのために前記無線デバイスが前記プライマリ無線デバイスを支援する第1のヘルプ・セッションにおいて、RANアクセス・リンクにおいて前記無線デバイスによって費やされたエネルギを表わし、eC2は、RANアクセスのために前記プライマリ無線デバイスを支援するために前記無線デバイスが動作する、後続する第2のヘルプ・セッションにおいて、前記無線デバイスによって、前記RANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わす、C37に記載の装置。
[C40]
前記プライマリ無線デバイスから移送されるクレジットの量は、前記所望の利益マージンと、無線デバイスによるRANアクセスのための帯域外リンクと帯域内リンクとのリンク・エネルギの合計量に基づく、C37に記載の装置。
[C41]
前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータから、クレジットの移送を受信することは、少なくとも1つのヘルプ・セッションによって前記オペレータによって得られる追加収入の値と、将来のヘルプ・セッションを促すインセンティブとして前記オペレータが前記ヘルプ無線デバイスへ移送する追加収入のパーセンテージとの積に少なくとも基づく、C37に記載の装置。
[C42]
前記オペレータが前記ヘルパ無線デバイスへ移送する追加収入のパーセンテージは、前記ヘルパ無線デバイスへのインセンティブの最小レベルを提供するように構成された予め決定された最小と、フリー・ライダ・ユーザを制限するように構成された予め決定された最大との間にある、C41に記載の装置。
[C43]
前記オペレータが前記ヘルパ無線デバイスへインセンティブとして移送する追加収入のパーセンテージは、以下の式に基づいて決定され、
γ≧(1+α)[(eC2−eC1)/(epoor−eC1)]、
ここで、γは、追加収入のパーセンテージを表わし、αは、前記所望の利益マージンを表わし、epoorは、少なくとも1つのヘルプ・セッションも生じなかった場合に費やされるであろうエネルギを表わし、eC1は、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)アクセスのために前記無線デバイスが前記プライマリ無線デバイスを支援する第1のヘルプ・セッションにおいて、RANアクセス・リンクにおいて前記無線デバイスによって費やされたエネルギを表わし、eC2は、RANアクセスのために前記無線デバイスを支援するために前記プライマリ無線デバイスがヘルパ無線デバイスとして動作する、後続する第2のヘルプ・セッションにおいて、前記プライマリ無線デバイスによって、前記RANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わす、C41に記載の装置。
[C44]
前記エネルギ・コストは、ジュールの単位のエネルギ値に規格化される、C37に記載の装置。
[C45]
ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置であって、
前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める要求を、別のプライマリ無線デバイスから受信することと、
前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、前記プライマリ無線デバイスが、前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、前記プライマリ無線デバイスと前記無線デバイスとの間の帯域外無線リンクを確立することと、
前記プライマリ無線デバイスに前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するために、前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよび前記プライマリ無線デバイスのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信することと、
を実行するように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するメモリと、
を備える装置。
[C46]
コンピュータ読取可能な媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品であって、
コンピュータに対して、無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を用いることによって、ラジオ・アクセス・ネットワークからの向上されたサービスを求める要求を、前記無線デバイスにおいて、別のプライマリ無線デバイスから受信させるためのコードと、
コンピュータに対して、前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスのために、前記プライマリ無線デバイスが、前記無線デバイスのラジオ・アクセス・ネットワーク接続を利用することを可能にする、前記プライマリ無線デバイスと前記無線デバイスとの間の帯域外無線リンクを確立させるためのコードと、
コンピュータに対して、前記無線デバイスに、前記ラジオ・アクセス・ネットワークへのアクセスを提供するために、前記ラジオ・アクセス・ネットワークのオペレータおよびプライマリ無線デバイスのうちの少なくとも1つから、クレジットの移送を受信させる
ためのコードと、
を備えるコンピュータ読取可能な媒体、を備えるコンピュータ・プログラム製品。
[C47]
ラジオ・アクセス・ネットワークにおいて、向上されたサービスを無線デバイスへ提供する方法であって、
少なくとも1つの協調セッションにおいて、第1の無線デバイスを支援している少なくとも1つの支援元の第2の無線デバイスを用いることによって、前記ラジオ・アクセス・ネットワークとの、アップグレードされた接続を前記第1の無線デバイスが開始する時を判定することと、
前記少なくとも1つの協調セッションのために、前記支援元の第2の無線デバイスによって必要とされるエネルギ・コストに少なくとも基づいて、前記支援元の第2の無線デバイスへ移送するためのインセンティブ・クレジットを決定することと、
を備える方法。
[C48]
前記インセンティブ・クレジットを決定することはさらに、少なくとも1つのヘルプ・セッションによって前記ラジオ・アクセス・ネットワークの少なくとも1つのオペレータによって得られる追加収入の値と、将来のヘルプ・セッションを促すインセンティブとして前記オペレータが前記第1の無線デバイスへ移送する追加収入のパーセンテージとの積に少なくとも基づく、C47に記載の方法。
[C49]
前記追加収入のパーセンテージは、前記少なくとも1つの支援元の第2の無線デバイスへ最小レベルのインセンティブ・クレジットを提供するように構成された予め決定された最小と、フリー・ライダ・ユーザを制限するように構成された予め決定された最大との間にある、C48に記載の方法。
[C50]
前記オペレータが前記第1の無線デバイスへインセンティブとして移送する前記追加収入のパーセンテージは、以下の式に基づいて決定され、
γ≧(1+α)[(eC2−eC1)/(epoor−eC1)]、
ここで、γは、追加収入のパーセンテージを表わし、αは、前記所望の利益マージンを表わし、epoorは、前記第1の無線デバイスと少なくとも1つのヘルプ・セッションも生じなかった場合に費やされるであろうエネルギを表わし、eC1は、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)アクセスのために前記無線デバイスが前記第2の無線デバイスを支援する第1のヘルプ・セッションにおいて、RANアクセス・リンクにおいて前記第1の無線デバイスによって費やされたエネルギを表わし、eC2は、前記RANアクセスのために前記第2の無線デバイスが前記第1の無線デバイスを支援する、後続する第2のヘルプ・セッションにおいて、前記第2の無線デバイスによって、前記RANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わす、C48に記載の方法。
[C51]
前記利益マージンαは、前記無線デバイスがプライマリ・デバイスを支援するために動作することを含む少なくとも1つのヘルプ・セッションに関連付けられたエネルギ・コストと、前記ラジオ・アクセス・ネットワークへアクセスするための支援を受けるプライマリ・デバイスとして前記無線デバイスが動作する、少なくとも1つのヘルプ・セッションに関連付けられたエネルギ・コストと、前記ヘルプ・セッションのうちの少なくとも1つも生じない場合におけるエネルギ・コストと、機会コストと、に基づいて決定された利益マージンの最大値またはそれ未満に設定される、C51に記載の方法。
[C52]
前記利益マージンαの最大値は、以下の式によって決定され、
α≦(epoor−eC2)/(eC2−eC1)、
ここで、αは、前記利益マージンを表わし、epoorは、少なくとも1つのヘルプ・セッションも生じなかった場合に費やされるであろうエネルギを表わし、eC1は、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)アクセスのために前記無線デバイスが前記第2の無線デバイスを支援する第1のヘルプ・セッションにおいて、RANアクセス・リンクにおいて前記無線デバイスによって費やされたエネルギを表わし、eC2は、前記RANアクセスのために前記第2の無線デバイスが前記第1の無線デバイスを支援する、後続する第2のヘルプ・セッションにおいて、前記第2の無線デバイスによって、前記RANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わし、ここで、eC2とeC1との間の差分は、機会コストを表わす、C51に記載の方法。
[C53]
前記エネルギ・コストは、ジュールの単位のエネルギ値に規格化される、C47に記載の方法。
[C54]
前記決定されたインセンティブ・クレジットを、前記少なくとも1つの協調セッション中またはその後のうちの少なくとも1つにおいて、前記支援元の第2の無線デバイスへ移送することをさらに備える、C47に記載の方法。
[C55]
前記決定されたインセンティブ・クレジットを移送することは、前記ラジオ・アクセス・ネットワークの少なくとも1つのオペレータと、前記第1の無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記支援元の第2の無線デバイスに関連付けられたアカウントへのクレジットのマイクロペイメント移送を含む、C54に記載の方法。
[C56]
特定の地理的位置に関する無線デバイスとの間でのクレジット移送の履歴情報を収集することと、
前記収集された履歴情報に基づいて、前記特定の地理的領域における1または複数のチャネル状態を判定することと、
をさらに備えるC47に記載の方法。
[C57]
少なくとも1つのモバイル・ユーザ・デバイスへのクレジットの移送に基づいて、前記少なくとも1つのモバイル・ユーザ・デバイスの協調ヘルプ動作の特性を判定すること、をさらに備えるC47に記載の方法。
[C58]
ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置であって、
少なくとも1つの協調セッションにおいて、第1の無線デバイスを支援している少なくとも1つの第2の無線デバイスを用いることによって、前記ラジオ・アクセス・ネットワークとの、アップグレードされた接続を前記第1の無線デバイスが開始する時を判定する手段と、
前記少なくとも1つの協調セッションのために、前記支援元の第2の無線デバイスによって必要とされるエネルギ・コストに少なくとも基づいて、前記支援元の第2の無線デバイスへ移送するためのインセンティブ・クレジットを決定する手段と、
を備える装置。
[C59]
前記インセンティブ・クレジットを決定する手段はさらに、少なくとも1つのヘルプ・セッションによって前記オペレータによって得られる追加収入の値と、将来のヘルプ・セッションを促すインセンティブとして前記オペレータが前記第1の無線デバイスへ移送する追加収入のパーセンテージとの積に少なくとも基づいて前記インセンティブ・クレジットを決定するように構成された、C58に記載の装置。
[C60]
前記追加収入のパーセンテージは、前記少なくとも1つの支援元の第2の無線デバイスへ、最小レベルのインセンティブ・クレジットを提供するように構成された予め決定された最小と、フリー・ライダ・ユーザを制限するように構成された予め決定された最大との間にある、C59に記載の装置。
[C61]
前記オペレータが前記第1の無線デバイスへインセンティブとして移送する前記追加収入のパーセンテージは、以下の式に基づいて決定され、
γ≧(1+α)[(eC2−eC1)/(epoor−eC1)]、
ここで、γは、追加収入のパーセンテージを表わし、αは、前記所望の利益マージンを表わし、epoorは、前記第1の無線デバイスと少なくとも1つのヘルプ・セッションも生じなかった場合に費やされるであろうエネルギを表わし、eC1は、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)アクセスのために前記無線デバイスが前記第2の無線デバイスを支援する第1のヘルプ・セッションにおいて、RANアクセス・リンクにおいて前記第1の無線デバイスによって費やされたエネルギを表わし、eC2は、RANアクセスのために前記第2の無線デバイスが前記第1の無線デバイスを支援する、後続する第2のヘルプ・セッションにおいて、前記第2の無線デバイスによって、前記RANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わす、C59に記載の装置。
[C62]
前記利益マージンαは、前記無線デバイスがプライマリ・デバイスを支援するために動作することを含む少なくとも1つのヘルプ・セッションに関連付けられたエネルギ・コストと、前記ラジオ・アクセス・ネットワークへアクセスするための支援を受けるプライマリ・デバイスとして前記無線デバイスが動作する、少なくとも1つのヘルプ・セッションに関連付けられたエネルギ・コストと、前記ヘルプ・セッションのうちの少なくとも1つも生じない場合におけるエネルギ・コストと、機会コストと、に基づいて決定される利益マージンの最大値またはそれ未満に設定される、C61に記載の装置。
[C63]
前記利益マージンαの最大値は、以下の式によって決定され、
α≦(epoor−eC2)/(eC2−eC1)、
ここで、αは、前記利益マージンを表わし、epoorは、少なくとも1つのヘルプ・セッションも生じなかった場合に費やされるであろうエネルギを表わし、eC1は、ラジオ・アクセス・ネットワーク(RAN)アクセスのために前記無線デバイスが前記第2の無線デバイスを支援する第1のヘルプ・セッションにおいて、RANアクセス・リンクにおいて前記無線デバイスによって費やされたエネルギを表わし、eC2は、前記RANアクセスのために前記第2の無線デバイスが前記第1の無線デバイスを支援する、後続する第2のヘルプ・セッションにおいて、前記第2の無線デバイスによって、前記RANアクセス・リンクにおいて費やされるエネルギを表わし、ここで、eC2とeC1との間の差分は、機会コストを表わす、C61に記載の装置。
[C64]
前記エネルギ・コストは、ジュールの単位のエネルギ値に規格化される、C58に記載の装置。
[C65]
前記決定されたインセンティブ・クレジットを、前記少なくとも1つの協調セッション中またはその後のうちの少なくとも1つにおいて、前記支援元の第2の無線デバイスへ移送する手段、をさらに備えるC58に記載の装置。
[C66]
前記決定されたインセンティブ・クレジットを移送することは、前記ラジオ・アクセス・ネットワークの少なくとも1つのオペレータと、前記第1の無線デバイスに関連付けられたアカウントのうちの少なくとも1つから、前記支援元の第2の無線デバイスに関連付けられたアカウントへのクレジットのマイクロペイメント移送を含む、C65に記載の装置。
[C67]
特定の地理的位置に関する無線デバイスとの間でのクレジット移送の履歴情報を収集する手段と、
前記収集された履歴情報に基づいて、前記特定の地理的領域における1または複数のチャネル状態を判定する手段と、
をさらに備えるC58に記載の装置。
[C68]
少なくとも1つのモバイル・ユーザ・デバイスへのクレジットの移送に基づいて、前記少なくとも1つのモバイル・ユーザ・デバイスの協調ヘルプ動作の特性を判定する手段、をさらに備えるC58に記載の装置。
[C69]
ラジオ・アクセス・ネットワークにおける無線デバイスへ、向上されたサービスを提供するための装置であって、
少なくとも1つの協調セッションにおいて、第1の無線デバイスを支援している少なくとも1つの第2の無線デバイスを用いることによって、前記ラジオ・アクセス・ネットワークとの、アップグレードされた接続を前記第1の無線デバイスが開始する時を判定し、
前記少なくとも1つの協調セッションのために、前記第2の無線デバイスによって必要とされるエネルギ・コストに少なくとも基づいて、前記支援元の第2の無線デバイスへ移送するためのインセンティブ・クレジットを決定する
ように構成された少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサと通信するメモリと、
を備える装置。
[C70]
コンピュータ読取可能な媒体を備えるコンピュータ・プログラム製品であって、
コンピュータに対して、ラジオ・ネットワークに接続するための少なくとも1つの協調セッションにおいて、第1の無線デバイスを支援している少なくとも1つの第2の無線デバイスを用いることによって、前記ラジオ・ネットワークとの、アップグレードされた接続を前記第1の無線デバイスが開始する時を判定させるためのコードと、
コンピュータに対して、前記少なくとも1つの協調セッションのために、前記第2の無線デバイスによって必要とされるエネルギ・コストに少なくとも基づいて、前記第2の無線デバイスへ移送するためのインセンティブ・クレジットを決定させるためのコードと
を備えるコンピュータ読取可能な媒体、を備えるコンピュータ・プログラム製品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11