(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
様々な実施形態において、本発明は接合化合物組成物、ボード仕上げシステム、壁アセンブリ、壁処理方法、ならびに上記の任意のいずれかに関連する製品、例えばボードが接触する角を保護するための補強トリム、留め具、及びテープ、に関する。本発明の様々な側面が、石膏ドライウォール、マット貼りボード(例えばガラス繊維の表面を有するもの)等の被覆材を含む壁アセンブリの仕上げにおいて相当の効率性を有利に付与する。例えば、本発明は、任意の所望する仕上げレベル、例えばGypsum Association document GA−214及び/又はASTM C840(「レベル4」)によるレベル4、に必要とされる工数をはるかに少なくして壁の仕上げを行うことを可能にする。結果として、壁の仕上げはより少ないダウンタイムでより速く行うことができる。更に、本発明の複数の側面による壁の仕上げは、被覆材の設置において、使用者に求められる技量がより少なくてすむ。
【0015】
本発明の一の側面は、収縮の少ない接合化合物組成物の驚くべき予期せぬ発見を、少なくとも部分的に基礎とするものである。その結果、接合化合物は、従来の接合化合物よりも少ない層で有利に塗布可能となる。一部の実施形態においては、たった一層の接合化合物が、留め具、接合テープ、又は補強トリムの上に用いられる。しかしながら、望ましい場合には、所望される仕上げのレベルに従って、1よりも多い層(例えば2層又は3層)が塗布され得る。例えば、従来のシステムには、15%超、例えば約18%又はそれ以上のような、著しい収縮の問題があった。本発明の実施形態は、はるかに小さい収縮を提供する。本接合化合物の実施形態は、更に、好ましい柔軟性を示し、すぐに研磨が可能で、望ましいことに亀裂を生じない。
【0016】
本接合化合物はより少ない層数で塗布可能であるため、有利なことに、使用者は本接合化合物をボードの表面により近い位置で取り扱うことが可能である。従来、複数層(例えば3層以上)システムにおいて、使用者は、平らな面の錯覚を提供するために、継ぎ目から広い範囲にわたって接合化合物を広くぼかさなくてはならない。接合化合物が、ボード及びボードの継ぎ目の表面から厚くなると、このような外観を達成するためには、使用者には高度な技量が必要とされる。本発明の実施形態による1層用の接合化合物を用いることで、使用者は接合化合物をそれほど広範囲にわたってぼかす必要がなくなり、平らな外観を達成するための技量は少なく済む。一部の実施形態において、本明細書に記載のとおり、ボードは縦方向の端部において、従来のボードよりも小さなテーパーを有するか、テーパーを有さない(直角な端部)よう特別に設計されている。
【0017】
その他の側面において、本発明は、2枚のボードが角度を有して接触する壁の角(例えば、当該技術において理解される入隅又は出隅)を隠蔽及び保護するために用いられる接合テープや、補強トリム複合材の表層に用いることのできる特別な非膨張性材料を提供する。トリムは、剛直性と支持性を提供するために、裏張り(金属又はその他の材料を含む)を含んでよい。
【0018】
本発明の様々な側面において、接着剤を用いることができる。一部の実施形態において、接着剤は、水性壁装接着剤(例えばRoman Adhesivesによって販売されているもの)、水性結合剤(例えばUnited States Gypsum Companyによって販売されているもの)、又は水性ラテックスエマルション接着剤(OSIによって販売されているもの)のような水性の速乾性接着剤である。例えば、ボードを設置するために用いられる留め具の数を最小限にするために、このような接着剤を枠部材に塗布することができる。接着剤はまた、本発明の実施形態による接合テープ及び補強トリムの取り付けを容易にするためにも用いることができる。
【0019】
本発明の実施形態による留め具は、接合化合物の1層を受け入れるために用いることができる。例えば留め具は、くぼみ効果を生み出すために凹状の頭部デザインを有してよいが、ステープル又はその他のドライウォール用ネジを含むその他の留め具も可能である。これらの様々な側面のうちの一以上を、本発明の実施形態によるボード仕上げシステムにおいて組み合わせることが可能である。
【0020】
ここで、本発明の有利な例示的実施形態を描写するために図面を参照する。
図1は、留め具118によって枠部材116に取り付けられた3枚のボード110、112、及び114を含む壁アセンブリ100を示す。ボードとして、任意の適切な被覆材を用いることができる。例えば、石膏ボードは通常、サンドイッチ構造の2枚のカバーシートの間に、ポリリン酸塩、澱粉、分散剤、促進剤、遅延剤等の所望の添加物と共に結晶石膏のインターロッキングマトリックスを含むコアを含む。このコアは、一方又は両方のカバーシートに面するコア表面に配置される薄層を、任意で含むことができる。本発明は、被覆材を製造する方法に関して限定されず、ボードは、当該技術において周知の任意の適切な方法によって製造可能である。
【0021】
枠部材116には、ボード110、112、及び114への接着を促進し、また、用いられる留め具118の数を従来のシステムより少なくするために、接着剤120が好適に提供される。留め具は接合化合物によって覆われる必要があるため、留め具の数を減らすことは、設置の効率性、容易性、及び品質の面で有利である。
【0022】
通常、ボードの端部は、ボードが製造ラインでどのように形成されるかに基づき、縦方向又は横方向として識別される。縦方向に沿った端部は、一般的により長い端部であり、ボードの製造においてカバーシート(例えば紙製)で覆われるのが通常である。ボードの製造では、セメント質のスラリーが(例えばコンベヤ上の)移動するカバーシートの上に配置されてボードの前駆体である長い連続するリボンがまず形成され、その後、当該技術において周知の所望の寸法に横方向に切断される(例えば4’×8’、4’×10’、4’×12’等であるが、幅36インチのボード、幅54インチのボードなど異なる幅及び長さが可能である)。例えば、ボード110は縦方向端部122及び124と、横方向端部126及び128とを有する。同様に、ボード112は縦方向端部130及び132と、横方向端部134及び136とを有し、ボード114は縦方向端部138及び140と、横方向端部142及び144とを有する。以下の
図2A及び2Bに記載のとおり、縦端部はテーパーを有するのが典型的である。切断された横方向端部は通常、テーパーを有さない。
【0023】
2枚のボードは様々な構成で接触して、しばしば接合部と呼ばれる継ぎ目を形成することができる。縦端部はテーパーを有し、横方向接合部はテーパーを有さないため、接合部の性質はボードのどの端部同士が接触するのかによって変わる。一のボードの縦方向端部が他のボードの縦方向端部に接触する場合、縦方向接合部が形成され、2つのテーパーが合わさって凹みを形成する。一のボードの横方向端部が他のボードの横方向端部に接触する場合、テーパーを有さない突合せ接合部が形成される。
図1に見られるように、ボード110及び112は接合されて縦方向接合部146を形成し、ボード112及び114は接合されて突合せ接合部148を形成する。
【0024】
ボードの縦方向のテーパー付き端部を示すために、ボード110からのテーパーの異なる深さを表す断面図である
図2A及び2Bを参照する。ボードのコア210は上面212と下面214を有する。通常、上面212に面する上面カバーシートは縦端部124を覆い、下面214に面する下面紙に接触する。ボード110の、2枚のカバーシートの間にコア210を有するサンドイッチ構造は、典型的には、上面212が下に来るように、上下逆の状態で形成されることが理解される。希望があれば、製造中、余剰の水分を乾燥させるための釜に投入する前に、ボードは反転されることができる。コア210は任意で、例えば上面212及び/又は下面214に、当該技術において周知の薄層を含むことができる。
【0025】
図2Aは相当の深さ(D)を有し、それにより凹み218を定義する従来のテーパー216を示す。従来の接合化合物は相当の収縮を起こすと考えられるため、深さ(D)は、接合テープを埋め込んで乾燥に際する収縮を相殺するために、凹み218への多量の接合化合物の受け入れを許容するため大きくなっている。相当の深さ(D)を有するテーパーは、更に、接合化合物の追加の層が従来のシステムによって取り扱われる、ボード表面からの高さを低減することにより使用者を補助するよう設計されている。例えば、従来のテーパーは最深部が0.08インチとなる凹みの深さを定義する。このような従来のテーパー深さ(D)においてさえ、使用者はボード表面から相当に高い位置で接合化合物を取り扱わなければならず、望ましくない。
【0026】
図2Bは、本発明の実施形態による代替的なテーパーを示す。ボードのコア220は上面222及び下面224を有する。通常、上面222に面する上面カバーシートは縦端部124を覆い、下面224に面する下面紙に接触する。コア220は任意で、例えば上面222及び/又は下面224に、当該技術において周知の薄層を含むことができる。上述のとおり、製造中、ボードは当初は上下逆の状態で形成され、その後希望があれば反転されることができる。
【0027】
図2Bに見られるように、テーパー226は、
図2Aに示すような従来のものよりもはるかに小さい深さ(D)を有する。このようなテーパー226は、本発明の実施形態による低収縮性の接合化合物にとって特に有用な、従来のものよりも小さい凹み228を定義する。一部の実施形態において、ボードが直角の端部を有するよう、縦方向においてもテーパーは設けられない(つまりD=0)。したがって、様々な実施形態においてテーパーが不可能であるため、テーパー226は、最深部における凹みの深さを約0インチ〜約0.05インチ、例えば約0インチ〜約0.04インチ、0インチ〜約0.03インチ、0インチ〜約0.02インチ、0インチ〜約0.015インチ、0.005インチ〜約0.05インチ、0.005インチ〜約0.04インチ、0.005インチ〜約0.03インチ、0.005インチ〜約0.02インチ、0.005インチ〜約0.015インチ、0.01インチ〜約0.05インチ、0.01インチ〜約0.04インチ、0.01インチ〜約0.03インチ、0.01インチ〜約0.02インチ、のように定義できる。
【0028】
図3A〜3Dは、2枚の壁板同士の接合部の、レベル4の仕上げの異なる配置を表す断面図である。特に、
図3A及び3Bは2枚のテーパー付きボード(縦方向に沿って接合されたボード)同士の接合部を示すもので、
図3Aは比較用の接合化合物の複数の層を有する従来のシステム、
図3Bは本発明の実施形態による1層の接合化合物を示す。
図3C及び3Dは2つの直角の端部がテーパー無しで接触する接合部(例えば突合せ接合部又はテーパー無しの縦方向接合部)を示す。この点において、
図3Cは比較用の従来の複数層システムを示し、
図3Dは本発明の実施形態による接合化合物の1層の適用を示す。ボードのコアが図示されているが、上述のとおりカバーシートが適用されてよいことが理解される。
【0029】
図3Aにおいて、ボードアセンブリ300は、コア304とテーパー付き端部306を有する第1のボード302を含む。第2のボード308はコア310とテーパー付き端部312を有する。テーパー付き端部306及び312は互いに接触してテーパー付き接合部314を形成する。接合部314にはテープ316が適用される。従来のシステムでは、テープ316を接合部314に埋め込むために接合化合物層318が必要である。テープ316と接合化合物層318とを同時に適用するには、従来の適用ツールを用いることができる。接合化合物層318を自然乾燥させた後、接合化合物の第2層320をテープ316の上に塗布する。その後、第2層320が乾燥した後、接合化合物の第3層322が第2層320の上に塗布される。接合化合物のこれら3つの層318、320、及び322は、従来のシステムにおいて、従来の接合化合物の化学的性質に由来する相当の収縮を相殺するために必要である。
【0030】
図3Bは、本発明の例示的実施形態による1層システムを示す。ボードアセンブリ324は、コア328とテーパー付き端部330とを有する第1のボード326を含む。第2のボード332はコア334とテーパー付き端部336とを含む。テーパー付き端部330及び336はいずれも、
図3Aに図示され、
図2Bに関連して説明される従来のテーパー付き端部306及び312よりも小さな勾配を有し得ることが理解される。テーパー付き端部306及び312は接触してテーパー付き接合部338を形成する。テープ340は、接着剤342によって接合部338に塗布することができる。接着剤342はテープ340に対して任意の適切な配置であってよいが、一部の実施形態において、接着剤はテープ340の下面に存在し、接着性のライナーによって任意で保護される。接着剤は、例えば圧迫(手、ナイフ、ローラー、又はその他の装置による)により塗布される任意の適切な接着剤であってよい。
図3Aに示す従来の配置とは異なり、
図3Bに示されるとおり、必要なのは接合化合物の1層344のみである。
【0031】
図3C〜3Dは、突合せ接合部、又は直角の端部を有する縦方向端部に用いられ得る、直角の端部を有する(テーパーを有さない)接合部の代替的な実施形態を示す。
図3Cにおいて、ボードアセンブリ346は、コア350及び平らな端部352を有する第1のボード348を含む。第2のボード354はコア356及び平らな端部358を有する。平らな端部352及び358は接触して直角端部接合部360を形成する。接合部360にはテープ362が適用される。従来のシステムでは、テープ362を接合部360に埋め込むために接合化合物層364が必要である。上述のとおり、テープ362と接合化合物層364とを同時に適用するには、従来の適用ツールを用いることができる。接合化合物層364を自然乾燥させた後、接合化合物の第2層366をテープ362の上に塗布する。その後、第2層366が乾燥した後、接合化合物の第3層368が第2層366の上に塗布される。接合化合物のこれら3つの層318、320、及び322は、従来のシステムにおいて、従来の接合化合物の相当の収縮を相殺するために必要である。
【0032】
図3Dは、本発明の例示的実施形態による1層システムを示す。ボードアセンブリ370は、コア374と平らな端部376とを有する第1のボード372を含む。第2のボード378はコア380と平らな端部382とを含む。平らな端部376及び382は接触して直角端部接合部384を形成する。テープ386は、接着剤388によって接合部384に塗布することができる。接着剤388はテープ386に対して任意の適切な配置であってよいが、一部の実施形態において、接着剤はテープ386の下面に存在し、接着性のライナーによって任意で保護される。接着剤は、例えば圧迫により塗布される任意の適切な接着剤であってよい。
図3Cに示す従来の配置とは異なり、
図3Dに示されるとおり、必要なのは接合化合物の1層390のみである。
【0033】
図3A及び3Cに示されるような従来のシステムは、接合化合物の3層(318、320、及び322)及び(364、366、及び368)を必要とし、結果的に使用者は、図示のとおり、接合化合物をボードの表面(P)から相当上である高さ(H)で取り扱わなければならない。高さ(H)は、
図3Cに示すように、直角端部の実施形態においては(突合せ接合部において典型的であるとおり)、ボードの表面(P)の下部に化合物を受け入れるためのテーパーが存在しないことから更に極端である。例えば、従来のシステムの高さ(H)は、約0.1インチ以上、例えば約0.125インチ又はそれ以上、であり得る。ボードの表面からこのように高い位置での作業で、肉眼で平らに見えるように化合物を取り扱うためには、使用者は相当の技量を有さなくてはならない。典型的には、接合化合物は接合部314又は360のそれぞれから遠ざかるように徐々にぼかされる。この相当の高さ(H)のために、平らに覆われた接合部の外観を示すための図に示されるとおり、ぼかしはかなりの幅(W)にわたる。例えば、
図3A及び3Cに示される従来の実施形態の幅(W)は、従来のシステムにおいて、約30インチ以上、例えば約36インチ以上であってよい。
【0034】
図3B及び3Dに示される本発明の実施形態は、
図3A及び3Cにそれぞれ示される、対応する従来の配置における高さ(H)及び幅(W)と比較して、接合化合物の適用とぼかしにおけるより小さな(H)及び(W)を有利にもたらす。これは、
図3A及び3Cの従来のシステムほど、ボードの表面(P)から高い位置での作業が使用者に必要とされず、また、化合物層344及び390それぞれを広くぼかす必要がないためである。例えば、本発明の一部の実施形態における高さ(H)は、0.1インチ未満であってよく、好ましくは、高さ(H)は0.7インチ未満、例えば約0.0625インチ又はそれ未満、又は約0.05インチ又はそれ未満(例えば、0.02インチ〜約0.1インチ、0.02インチ〜約0.07インチ、0.02インチ〜約0.0625インチ、約0.02インチ〜約0.05インチ、約0.05インチ〜約0.1インチ、約0.05インチ〜約0.07インチ、約0.05インチ〜約0.0625インチ等)であってよい。同様に、
図3B及び3Dの実施形態における、接合化合物344及び390それぞれのぼかしの幅(W)は、対応する従来のシステム(例えば
図3A及び3C)における幅(W)よりもはるかに小さくてよい。例えば、本発明の有利な実施形態のより小さな幅(W)は約20インチ以下、例えば約18インチ以下、15インチ以下、12インチ以下(例えば約5インチ〜約20インチ、約5インチ〜約15インチ、約5インチ〜約12インチ、約5インチ〜約10インチ等)であってよい。
【0035】
図4A及び4Bは、例えば壁の角を形成するよう、ボード同士が角度を有して接触する継ぎ目を処理するための例示的実施形態を示す。隅角補強トリムは、組成物によって覆われた際にコーナー角を定義及び補強し、交わる石膏ボード表面同士の間に連続性を提供し、石膏ボードの隅継ぎ目を隠蔽することができる。例えば、出隅を図示するために、
図4Aは、面412を有する第1のボード410を含む壁アセンブリ400を示す。第2のボード420は面422を有する。ボード410及び420は角度を有して接触して、ボード410の面端部426に隣接する隅継ぎ目424を形成する。角度(x)は、面412と422との交差により定義され、当該技術において出隅として知られるものを形成する外角となる。外角は、当該技術において理解される壁の構成及び寸法に従って、任意の角度であってよい。典型的には、角度(x)は
図4Aに示すように優角、すなわち180°超の角度であるが、より独特な隅においては、より小さな角度も可能である。例えば、一部の実施形態において、角度(x)は、例えば、約230°〜約330°、約250°〜約310°、約260°〜約300°、約260°〜約280°、約265°〜約275°、又は約268°〜約272°のように270°に近い角度を含む、180°〜約300°の範囲内であってよい。
【0036】
図4Aの分解図に示されるとおり、補強トリム428は出隅継ぎ目424及び面端部426に適用され、端部426及び継ぎ目424を被覆及び保護する。トリム428は、一部の実施形態においてトリム面430の幅ほどは広くない幅を有する補強裏打ち432を有するトリム面430を含む。トリム428を出隅継ぎ目424及び面端部426に取り付けるために、接着剤434が用いられる。トリム及び継ぎ目を隠蔽するために、本発明の実施形態による1層用接合化合物を含む接合化合物が、トリムの上に塗布される。塗布及び乾燥された後、一様な美観を提供するため、化合物は研磨され、塗装される。
【0037】
入隅を例示するために、
図4Bは、面454を有する第1のボードを含む壁アセンブリ450を示す。第2のボード460は面462を有する。ボード452及び460は角度を有して接触し、隅継ぎ目464を形成する。角度(y)は、当該技術において入隅を形成する内角として知られるものにおける、面454と462との交差によって定義される。内角は、当該技術において理解される壁の構成及び寸法に従って、任意の適切な角度であってよい。典型的には、角度(y)は180°未満であるが、より独特な隅においては、より大きな角度も可能である。例えば、一部の実施形態において、角度(y)は例えば、約60°〜約120°、約70°〜約110°、約80°〜約100°、約85°〜約95°、又は約88°〜約92°のように90°に近い角度を含む、約30°〜約180°、又は約45°〜約135°の範囲であってよい。
【0038】
図4Bの分解図に示されるとおり、補強トリム466は入隅継ぎ目464に適用され、継ぎ目464を被覆及び保護する。トリム466は、一部の実施形態においてトリム面468の幅ほどは広くない幅を有する補強裏打ち470を有するトリム面468を含む。トリム466を継ぎ目464に取り付けるために、接着剤472が用いられる。トリム及び継ぎ目を隠蔽するために、本発明の実施形態による1層用接合化合物を含む接合化合物が、トリムの上に塗布される。塗布及び乾燥された後、一様な美観を提供するため、化合物は研磨され、塗装される。
【0039】
一部の実施形態において、トリム面430又は468は非膨張性紙(天然又は合成)を含むことが望ましい。非膨張性紙は、一層システムにおいて特に望ましく、これは、より少ない化合物が該紙の上に載せられ、膨らみ又はその他の見苦しい結果をもたらし得る望まない膨張を隠蔽することになるためである。例えば、一部の実施形態において、面430又は468は、縦方向(MD)の拡張が約0.4%未満、及び横方向(CD)の拡張が約2.5%未満(例:約0.3%未満のMD拡張及び約1.5%未満のCD拡張、例えばASTM C474−05,Section 12による、30分の水浸後、約0.2%未満のMD拡張及び約1%未満のCD拡張)という寸法安定性を有する。ASTM C474−05に関連する試験に合格する実施形態は、ASTM C475/C475M−12 Standard Specification for Joint Compound and Joint Tape for Finishing Gypsum Boardにおいて定められた最小性能仕様を上回ることが理解される。
【0040】
一部の実施形態において、面430又は468は、約0.05インチ(≒0.127cm)〜約0.0625(≒159cm)のような、約0.01インチ(≒0.0254cm)〜約0.125インチ(≒0.318cm)の厚さを有する。接合テープは、補強トリム面と同一の材料、特徴、性質から成るものであってよいことが理解される。
【0041】
補強トリム428又は466用の裏打ち432又は470は、トリム複合材料に強度を提供する任意の適切な材料を含み得る。裏打ち材料は、新設の枠が移動した場合や壁の微細な変位が起きた場合の、壁の角における継ぎ目のひび割れを軽減、制御、又は排除するのに有用である。裏打ち材料は更に、面材料と共に、2枚の壁が角度を有して接合又は交わる場所の頂点に沿って、真の直線状の角線を形成する機能を果たす。例えば、トリムの裏打ち432又は470は複合積層構造、積層紙(合成又は天然)、熱可塑性、熱硬化性、天然又は合成繊維、カーボン繊維、ポリエステル、ポリカーボネート、ガラス繊維、天然又は合成不織材料、天然又は合成織物材料、スパンポリオレフィン、又は、例えば電気亜鉛めっき及び/又は溶融亜鉛めっき、リン酸亜鉛処理及び/又はその場で乾燥されるクロム下塗り、及び/又はその他の処理又はコーティングされた金属等、といった鋼等の金属を含み得る。例えば、一の例示的な実施形態において、裏打ち432又は470は亜鉛めっき鋼で形成される。トリムの裏打ち432又は470は任意の適した厚さ、例えば、約0.012インチ〜約0.030インチ(≒0.0762cm)といった、約0.010、例えば約0.012インチ(≒0.030cm)〜約0.0625インチ(≒0.159cm)の厚さを有することが望ましい。亜鉛めっき鋼が用いられる場合などの裏打ち材料の一部の実施形態において、裏打ちは典型的には、ASTM E18−03に準拠して測定した場合、約55〜約65のように、約45〜約85のロックウェル硬さスケールBを呈する。
【0042】
実施形態において、トリムは、非膨張性紙の表面と亜鉛めっき鋼の裏打ちで作製される。トリムは、平板の(スプールに巻かれた)鋼を一連の漸進的金型を通過させ、最終金型の組の直後に面材料と金属の裏打ちとを導入することで作製される。一部の実施形態において、面材料と裏打ちとは、ホットメルトで接着されてよい。多様な材料で形成される補強トリムを形成するその他の技術は、当業者には明白となるだろう。
【0043】
図5〜18は、本発明の様々な例示的実施形態を示す写真である。特に、
図5は枠に塗布されたパネル接着剤を露出させるためのボードの切り欠きを示す。
図6は塗装後の室内設置を示す。
図6に見られるように、本発明の実施形態による仕上げされた壁の設置は、従来のシステムのように多層の接合化合物を必要とせず、1層の接合化合物によって、レベル4のドライウォール仕上げを達成可能である。更に、
図7は、石膏パネルが接合化合物で処理される前に石膏パネルの継ぎ目に接着されている接合テープを示す。
【0044】
入隅と出隅の設置に関して、
図8は、非膨張性紙の面と金属の裏打ちとから作製される出隅トリムを示す。一方、
図9は、非膨張性紙の面と金属の裏打ちとからなり、手で押し付けて取り付けられる入隅補強トリムを示す。
図10〜11は、ローラーを用いた本発明のトリムの実施形態の取り付けを示す。
図12はいくつかの出隅トリムを示す。
図13は、入隅及び出隅トリム、及び平らな接合テープをすべて取り付けた室内設置を示す。
図14は、図の左上側に、入隅トリム上の平らな接合テープを示す。図の右下側には、本発明の実施形態による、レベル4のドライウォール仕上げを提供するために塗布された1層の接合化合物を示す。
【0045】
図15は、図の左側に、接合化合物を1層塗布された平らな接合テープを示す。テーパーを有さない突合せ接合部(縦方向に交差する方向の接合)は、1層の接合化合物とその後の研磨で隠蔽される。図の右側は仕上げ後の塗装済みの外観を示す。
図16は接合部が処理された室内設置を示し、
図17は、テープと1層の接合化合物を有する、枠に塗布されたパネル接着剤を露出させるための仕上げ後の壁の切り欠きを示す。更に、
図18は、本発明の実施形態による幅わずか12インチのぼかしによって従来のレベル4のドライウォール仕上げを施した石膏ボードを示す。
【0046】
これら及びその他の実施形態において、本発明による接合化合物組成物は(a)バインダー、(b)ASTM D3102−78に準拠して測定される平均均衡破壊強度が約100psi以上(例えば約250psi以上)である中空の球体(バブルとも呼ばれる)、及び任意でその他の材料を含む。接合化合物組成物は、低い収縮を呈することが好ましい。例えば、一部の実施形態において、接合化合物組成物は、ASTM C474−05,Section 6によって測定された場合に約10容積%以下、例えば約5%以下、約2%以下、約1%以下、約0.1%以下、又は約0(収縮なし)といった約7%以下の収縮を呈する。
【0047】
接合化合物は任意の適切な密度を有しうるが、約8lb/gal以下といった約10lb/gal以下の密度を有する超軽量組成物であることが好ましい。例えば、一部の実施形態において、接合化合物は約2lb/gal(≒240kg/m
3)〜約8lb/gal(≒960kg/m
3)(好ましくは約2lb/gal〜約6lb/gal(≒720kg/m
3)、より好ましくは約3lb/gal(≒360kg/m
3)〜約4lb/gal(≒480kg/m
3))の密度を有する。
【0048】
一般的に、組成物は、化合物が水の蒸発によって硬化する、乾燥タイプの接合化合物である。したがって、一部の実施形態において、接合化合物組成物は、焼石膏、セメント、又はその他の水力学的に硬化する材料のような硬化性材料をほぼ含まない。更に、一部の実施形態において、接合化合物組成物は、望ましくは増量剤、クレイ、澱粉、マイカのような原料、例として炭酸カルシウム。膨張パーライト、炭酸カルシウムマグネシウム、石灰岩、硫酸カルシウム二水和物、アタパルジャイトクレイ等のゲル化クレイ、カオリンクレイ等のデラミネーテッドクレイ、タルク、珪藻土、をほぼ含まなくてよい。更に、接合化合物組成物は、上述の原料のいかなる組み合わせもほぼ含まないことが望ましい。
【0049】
本明細書において、このような硬化鉱物、増量剤、クレイ、澱粉、マイカ、又はこれらの組み合わせを「ほぼ含まない」と言った場合、接合化合物組成物は(i)組成物の重量に対して0重量%の硬化鉱物、増量剤、クレイ、澱粉、マイカ、又はこれらの組み合わせ、もしくは、(ii)無効な量又は(iii)非実体的な量、の硬化鉱物、増量剤、クレイ、澱粉、マイカ、又はこれらの組み合わせ、を含むことを意味する。無効な量の例としては、このような硬化鉱物、増量剤、クレイ、澱粉、マイカ、又はこれらの組み合わせの意図された目的を達成するために当業者が認識するであろう閾値の量未満の量である。非実体的な量とは、当業者が認識するであろうとおり、例えば約2重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.2重量%未満、約0.1重量%未満、約0.01重量%未満といった約5重量%未満である。しかしながら、代替的実施形態において望ましい場合には、接合化合物組成物にこのような材料が含まれてもよい。
【0050】
代替的実施形態において、増量剤(例えば炭酸カルシウム又は石灰岩)又はカオリンクレイ等のデラミネーテッドクレイが存在し得る。一部の実施形態において、塗布工程の間にエンド使用者によって望まれる主観的感触のために接合化合物を調製するために、これらの原料が追加されてよい。本明細書において、これらの原料はそれ以外の面で接合化合物の物理的性質を変化させることはない。このような実施形態において、炭酸カルシウム又は石灰岩等の増量剤が約40重量%以下含まれてよい。含まれる場合、一部の実施形態において、増量剤は例えば、湿った組成物の重量に対して約35重量%以下、約30重量%以下、約25重量%以下、約20重量%以下、約15重量%以下、約10重量%以下、約5重量%以下、又は約1重量%以下、の追加量で存在してよい。上述のエンドポイントはそれぞれ、例えば、数値上適切である限り、1重量%、5重量%、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%、又は35重量%〜、という下限値を有してよい。
【0051】
例えば、様々な実施形態において、増量剤は、例えば約1重量%〜約30重量%、約1重量%〜約25重量%、約1重量%〜約20重量%、約1重量%〜約15重量%、約1重量%〜約10重量%、約5重量%〜約30重量%、約5重量%〜約25重量%、約5重量%〜約20重量%、約5重量%〜約15重量%、約5重量%〜約10重量%、約10重量%〜約30重量%、約10重量%〜約25重量%、約10重量%〜約20重量%、約15重量%〜約30重量%、約15重量%〜約25重量%、約20重量%〜約30重量%のように、約1重量%〜約40重量%で存在してよい。
【0052】
含まれる場合、一部の実施形態において、カオリンクレイのようなデラミネーテッドクレイは、例えば湿った組成物の重量に対して約5重量%以下、約4.5重量%以下、約4重量%以下、約3.5重量%以下、約3重量%以下、約2.5重量%以下、約2重量%以下、約1.5重量%以下、約1重量%以下、約0.5重量%以下、約0.1重量%以下、の添加量で存在し得る。上述のエンドポイントはそれぞれ、例えば、数値上適切である限り、0.1重量%、0.5重量%、1重量%、1.5重量%、2重量%、2.5重量%、3重量%、3.5重量%、4重量%、又は4.5重量%〜、という下限値を有してよい。
【0053】
例えば、様々な実施形態において、カオリンクレイ等のデラミネーテッドクレイは約0.1重量%〜約4重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%、約0.1重量%〜約1重量%、約0.1重量%〜約0.5重量%、約0.5重量%〜約5重量%、約0.5重量%〜約4重量%、約0.5重量%〜約3重量%、約0.5重量%〜約2重量%、約0.5重量%〜約1重量%、約1重量%〜約5重量%、約1重量%〜約4重量%、約1重量%〜約3重量%、約1重量%〜約2重量%、約2重量%〜約5重量%、約2重量%〜約4重量%、約2重量%〜約3重量%、約3重量%〜約5重量%、約3重量%〜約4重量%、約4重量%〜約5重量%のように、約0.1重量%〜約5重量%で存在してよい。
【0054】
本発明の様々な側面による望ましい接合化合物を達成するために、任意の適切なバインダーが用いられてよい。望ましいバインダーは組成物中の粒子をまとめて、膜を形成する。一部の実施形態において、バインダーはアクリル酸重合体、アクリル酸共重合体、アルキド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、及びこれらの組み合わせから選択される。一部の実施形態において、バインダーは、32°F(≒0℃)〜約70°F(≒21℃)、例えば約40°F(≒5℃)〜約60°F(≒15℃)例えば約55°F(≒13℃)のように、約32°F〜約66°F(≒18℃)のガラス転移温度(Tg)を有する。一部の実施形態において、バインダーは約32°F〜約90°F(≒32℃)、例えば約40°F(≒5℃)〜約60°F(≒15℃)例えば約52°F(≒11℃)のように、約32°F〜約86°F(≒30℃)の最低造膜温度(MMFT)を有する。
【0055】
一部の実施形態において、バインダーは一般的に、固体薄層を形成し、接合化合物が塗布される表面に固体材料を結合することが可能な任意の適切な膜形成性樹脂(又はその組み合わせ)であってよい。例えば、一部の実施形態において、バインダーはアクリル酸重合体及び/又はアクリル酸共重合体であってよい。バインダーは、一部の実施形態において、例えばビニルアクリル及びスチレン化アクリル等のアクリル樹脂を含むがこれに限定されない、適切なラテックス乳化媒体を含む水性エマルションの形状である。一部の実施形態において、適切なバインダー材料としては、アクリルラテックス、ビニルアクリル、酢酸ビニル、ポリウレタン、及び/又はこれらの組み合わせが挙げられる。
【0056】
有用なラテックス乳化媒体としては、RHOPLEX(登録商標)(Rohm&Haas)の商品名で販売されているポリアクリル酸エステル重合体、アクリル重合体、ビニルアクリル重合体、例えば酢酸ビニル−アクリル酸ブチル共重合体、スチレンアクリル重合体、及び、UCAR(商標)367等のUCAR(商標)及びNEOCAR(商標)(The Dow Chemical Company、Michigan)の商品名で販売されている酢酸ビニル重合体;VINREZ(商標)(Halltech,Inc.、Ontario)の商品名で販売されているエマルションポリマー製品; Plioway(登録商標)(Eliokem、Ohio)の商品名で販売されているビニルアクリル重合体;AQUAMAC(商標)(Resolution Specialty Materials,LLC、Illinois)の商品名で販売されているアクリル、ビニルアクリル、及びスチレンアクリルラテックス重合体;及びVINREZ(登録商標)663 V15(Halltech,Inc.、Ontario)の商品名で販売され、約18℃のガラス温度を有するビニルアクリル樹脂が挙げられる。その他のビニルアクリル共重合体バインダーが、製品番号HP−31−496(Halltech,Inc.、Ontario)で販売されており、約0℃のガラス温度を有する。
【0057】
適切な官能化アクリル、アルキド、ポリウレタン、ポリエステル、及びエポキシは、数多くの市販の原料から得ることができる。有用なアクリルはACRYLOID(商標)(Rohm&Haas,Co.、Pennsylvania)の商品名で販売されている;有用なエポキシ樹脂はsold under the EPON(商標)(Resolution Specialty Materials,LLC、Illinois)の商品名で販売されている;有用なポリエステル樹脂はCYPLEX(登録商標)(Cytec Industries、New Jersey)の商品名で販売されている;及び有用なビニル樹脂はUCAR(商標)(The Dow Chemical Company、Michigan)の商品名で販売されている。
【0058】
バインダーは、任意の適切な分量で接合化合物組成物中に含まれてよい。例えばバインダーは、湿った組成物の約5重量%〜約100重量%(固形物ベース)、例えば約20重量%〜約80重量%、約30重量%〜約70重量%、約40重量%〜約60重量%等、の量で含まれてよい。
【0059】
中空の球体は、固形の障壁によって拘束される、内蔵空気を含む。空気は固形のシェル内に含まれるため、融合せず、全体として空気が化合物中に分散され、略均一な密度を維持するようになっている。中空の球体は低密度を容易にするが、一部の実施形態において、塗布後に乾燥された接合化合物が、破砕可能でもろい従来の接合化合物と異なり、実質的に破砕不可能となるよう、中空の球体が耐亀裂性を与えるようにするために、良好な強度特性を有することが望ましい。
【0060】
一部の実施形態における球体は、超軽量の接合化合物を容易にし、その結果、所望の性質をもたらし、また、作業日に使用者がバケツ等に入れられた化合物を持ち上げる際の負担をより少なくする。球体は任意の適切な密度、例えば約0.0015lb/in
3〜約0.04lb/in
3、例えば約0.0018lb/in
3(≒0.05g/cm
3)〜約0.036lb/in
3(≒1g/cm
3)、例えば約0.0036lb/in
3(≒0.1g/cm
3)〜約0.0253lb/in
3(≒0.7g/cm
3)の密度を有してよい。強度に関しては、球体の、ASTM D 3102−78に従って測定された均衡破壊強度が例えば約50psi(≒340kPa)以上、例えば約100psi(≒690kPa)以上、であってよい。例えば、球体の均衡破壊強度は、約50psi〜約50,000psi(≒344,740kPa)、約50psi〜約25,000psi(≒172,000kPa)、約50psi〜約10,000psi、約50psi〜約5,000psi(≒34,000kPa)、約50psi〜約1,000psi、約50psi〜約500psi(≒3,450kPa)、約100psi〜約50,000psi、約100psi〜約25,000psi、約100psi〜約10,000psi、約100psi〜約5,000psi、約100psi〜約1,000psi、約100psi〜約500psi、約250psi(≒1,720kPa)〜約50,000psi、約250psi〜約25,000psi、約250psi〜約10,000psi、約250psi〜約5,000psi、約250psi〜約1,000psi、約250psi〜約500psi、約500psi〜約50,000psi、約500psi〜約25,000psi、約500psi〜約10,000psi、約500psi〜約5,000psi、約500psi〜約1,000psi、約1,000psi〜約50,000psi、約1,000psi〜約25,000psi、約1,000psi〜約10,000psi、約1,000psi〜約5,000psi、約2,500psi(≒17200kPa)〜約50,000psi、約2,500psi〜約25,000psi、約2,500psi〜約10,000psi、約2,500psi〜約5,000psi等であってよい。
【0061】
本発明の実施形態による球体の種類の例として、石灰ホウケイ酸(lime borosilicate)、ポリスチレン、セラミック、再生ガラス、発泡ガラス、及び軽量ポリオレフィンビーズ、及び/又はその他任意のプラスチックの化学形態が挙げられる。例えば、一部の実施形態において、接合化合物に用いられる球体はソーダ石灰ホウケイ酸ガラス球(例えば、Scotchlite(商標)(3M)の商品名で販売されている)、マルチセル型中空ガラス微小球(例えばOmega−Bubbles(商標)(Omega Minerals)の商品名で販売されている)、発泡性重合体微小球(例えばDUALITE(登録商標)(Henkel)の商品名で販売されている)、ポリオレフィンマイクロビーズ及びポリスチレン微小球(例えばSpex・Lite(登録商標)(Schabel Polymer Technology,LLC)の商品名で販売されている)、発泡性ガラス球(例えばPoraver(登録商標)North Americaの商品名で販売されている)、及びこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。例示的な実施形態としては、適切な球体はScotchlite(登録商標)(3M)K1及び/又はK15を含んでよい。
【0062】
球体は任意の適切な寸法を有してよく、任意の適切な濃度で提供されてよい。用語「球体」は、当該技術において周知であり、完全な幾何学的球体を意味するものではなく、球体は不規則形状を有してよいことが理解される。したがって、本明細書において用いられる寸法は、実際の球体を包囲する最小の幾何学的球体の寸法を表す。一部の実施形態において、球体は約10ミクロン〜約100ミクロン、例えば約40ミクロン〜約80ミクロン又は約50ミクロン〜約70ミクロン、の寸法を有してよい。量については、一部の実施形態において、球体は、湿った組成物の約2重量%〜約50重量%、例えば約5重量%〜約35重量%、約7重量%〜約25重量%、又は約10重量%〜約20重量%、の量で存在する。
【0063】
一部の実施形態において、接合化合物は任意で界面活性剤を更に含む。界面活性剤はバインダーが凝集しないよう、バインダーの安定化を容易にできることが望ましい。界面活性剤は、また、湿潤作用又は分散作用を提供可能であることが望ましい。この点、乾燥した原料が水に加えられる際、乾燥した材料は水と反発して望まない凝集体を形成する可能性がある。したがって、一部の実施形態において、界面活性剤は、乾燥材料を液体に加える際の混合の容易性を向上させ、製造中に、供給ステーションからバケツへ、ポンプで接合化合物を送り込むのを補助するために含まれる。また、界面活性剤は、例えば当該技術において周知の適用ツールを用いて接合化合物を塗布する場合など、使用中にも有益である。
【0064】
例えば、一部の実施形態において、界面活性剤は、約3〜約20、例えば約4〜約15、又は約5〜約10、の親水親油バランス(HLB)を有する非イオン界面活性剤であってよい。9未満のHLB値を有する界面活性剤は、一般的に親油性であると考えられ、11〜20の値を有するものは、一般的に親水性であると考えられ、9〜11の値を有するものは、一般的に中間であると考えられることが理解される。約9未満のHLB値を有する適切な非イオン界面活性剤としては、TRITON(商標)及びTERGITOL(商標)(The Dow Chemical Company、Michigan)の商品名で販売されている約9未満のHLB値を有する非イオン界面活性剤をはじめとする、オクチルフェノールエトキシレート及びノニルフェノールエトキシレートが挙げられるが、これらに限定されない。約11超のHLB値を有する適切な非イオン界面活性剤としては、約9未満のHLB値を有する非イオン界面活性剤よりも多くのエチレンオキシド単位を有するオクチルフェノールエトキシレート及びノニルフェノールエトキシレートが挙げられる。約11超のHLB値を有する有用な界面活性剤も、TRITON(商標)(The Dow Chemical Company、Michigan)の商品名で販売されている。界面活性剤(の混合物)のHLB値が、接合化合物及びその組み合わせについて上述されたとおりである限り、その他の界面活性剤も用いられ得る。含まれる場合、非イオン界面活性剤は、湿った組成物の約0.001重量%〜約15重量%、例えば約0.001重量%〜約10重量%、約0.001重量%〜約5重量%、又は約0.01重量%〜約0.5重量%、のように任意の適切な量で存在してよい。
【0065】
接合化合物の一部の実施形態には、例えば、当該技術において周知の石油蒸留物等の、1以上の消泡剤が、任意で含まれる。含まれる場合、消泡剤は湿った組成物の約0.01重量%〜約15重量%、例えば約0.05重量%〜約5重量%、又は約0.3重量%〜約1重量%、の量で存在してよい。
【0066】
一部の実施形態において、任意で湿潤剤が含まれる。例えば、湿潤剤は、水分保持を容易にすることにより接合化合物をより湿った状態に維持するのを助けるために用いることができ、また、機械的適用ツールの使用も補助できる。特に、水性接合化合物組成物の実施形態において、接合化合物組成物の乾燥を遅延させ、より均一な仕上げを提供するために、1以上の湿潤剤が含まれる。湿潤剤は、接合化合物組成物の凍結融解耐性及び/又は安定性を有利に提供することができる。例えば、ソルビトール誘導体や、エチレングリコール、ジエチレングリコール(DEG)、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、及び/又はトリ−プロピレングリコール、等のグリコール類又はこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない多価アルコール、等の任意の適切な湿潤剤が含まれてよい。含まれる場合、湿潤剤は、湿った組成物の約0.001重量%〜約15重量%、例えば約0.001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%、又は約0.001重量%〜約3重量%、の量で含まれてよい。
【0067】
一部の実施形態において、接合化合物組成物は任意でレオロジー改質剤を含む。含まれる場合、レオロジー改質剤は通常、接合化合物に関連する流動性、粘度、塗布特性、及びその他の性能属性等の特定のレオロジー特性を向上させるために提供される。例えば、一部の実施形態において、レオロジー改質剤はしばしば、コーティング組成物に、例えば、接合化合物組成物の粘度を計測するためのC.W.Brabender製のvisco−corder機器を用いて本明細書に記載される所望の粘度値を提供するために加えられる。
【0068】
接合化合物組成物における任意の使用に適切なレオロジー改質剤としては、疎水変性エトキシ化ウレタン(HEUR)、疎水変性アルカリ膨潤性エマルション(HASE)、及びスチレン−無水マレイン酸三元重合体(SMAT)、及び/又はこれらの組み合わせを含むがこれらに限定されないセルロース系及び会合性増粘剤が挙げられるがこれらに限定されない。例示的なセルロース系レオロジー改質剤としては、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、エチルヒドロキシエチルセルロース(EHEC)、メチルヒドロキシエチルセルロース(MHEC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、及び/又は、アルキルヒドロキシプロピルセルロースエーテルやヒドロキシプロピルメチルセルロース等の約1000〜500000ダルトンの分子量を有するその他のセルロースエーテル、等のセルロースエーテル、ならびにキサンタンガム、アルギン酸ナトリウム、及びアルギン酸のその他の塩、カラギーナン、アラビアゴム(アラビン酸の混合塩)、カラヤゴム(アセチル化多糖類)、トラガカントゴム(酸性多糖類の複合混合物)、ガティゴム(複合多糖のカルシウム及びマグネシウム塩)、グァーガム(直鎖ガラクトマンナン)及びその誘導体、ローカストビーンガム(分岐鎖ガラクトマンナン)、タマリンドガム、サイリウムシードガム、クインスシードガム、ラーチゴム、ペクチンとその誘導体、デキストラン、及びヒドロキシプロピルセルロース、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるがこれらに限定されない。
【0069】
含まれる場合、レオロジー改質剤は、例えば当業者によって把握されるような所望の粘度を達成するための、任意の適切な量で含まれてよい。例えば、一部の実施形態において、レオロジー改質剤は、湿った組成物の約0.01重量%〜約15重量%、例えば約0.01重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約5重量%、約0.1重量%〜約3重量%、約0.1重量%〜約2重量%、又は約0.1重量%〜約1重量%、の量で含まれてよい。接合化合物は典型的に、約0.01重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約5.0重量%、及び/又は約0.10重量%〜約3.0重量%のセルロース系増粘剤を含む。有用なアルキルヒドロキシプロピルセルロースのアルキル基は9以下の炭素原子を含み得るが、アルキル基は通常、1〜3の原子を含む。無水グルコース単位ごとに平均2のヒドロキシプロピル基及び/又はメトキシプロピル基を有するヒドロキシプロピルメチルセルロースがしばしば用いられる。約2重量%の適切なアルキルヒドロキシプロピルセルロースエーテルを含む水溶液の、ウベローデ管毛細管粘度計で測定した、20℃における粘度は、約60,000センチポアズ(cps)〜約90,000cpsである。別法として、同様の測定は、ブルックフィールド回転粘度計を用いて、2.5rpm〜5rpmの速度で行うことができる。一の改良において、当初は無地のコーティング組成物は、約0.25重量%のアルキルヒドロキシプロピルセルロースエーテルを含む。当然ながら、その他の種類のセルロース系増粘剤も用いられ得て、より低い粘度の増粘剤が用いられる場合にはより多くの分量が必要とされ得る(逆も同様)。例示的なアルキルヒドロキシプロピルセルロースエーテルは、Methocel(登録商標)(The Dow Chemical Company、Michigan)の商品名で販売されている。
【0070】
接合化合物組成物中に任意で用いられる適切な会合性増粘剤としては、疎水変性エトキシ化ウレタン(HEUR)、疎水変性アルカリ膨潤性エマルション(HASE)、及びスチレン−無水マレイン酸三元重合体(SMAT)が挙げられる。HEUR増粘剤(一般にポリウレタン又はPUR会合性増粘剤としても知られる)は、水性のラテックス系接合化合物及びその他の降伏応力液体/固体様組成物中に含まれてよい。エチルアクリレート及びメタクリル酸の酸性アクリレート共重合体(架橋)、ならびに、エチルアクリレート及びメタクリル酸のアクリル三元重合体(架橋)、ならびに、非イオンウレタン界面活性剤モノマーが、会合性増粘剤として任意に用いられ得る。1以上の適切な会合性増粘剤が用いられる場合、部分的には、会合性増粘剤と接合化合物組成物の1以上のその他の粒子(例えば顔料粒子又は樹脂粒子)との間の会合、もしくは会合性増粘剤と他の会合性増粘剤粒子との間の会合、によって増粘反応が引き起こされる。様々な実施形態において、含まれる場合、接合化合物組成物は約0.01重量%〜約10重量%、約0.1重量%〜約5.0重量%、及び/又は約0.1重量%〜約3重量%の会合性増粘剤を含んでよい。有用な会合性増粘剤としては、Alcogum(登録商標)(Alco Chemical Company、TN)、Acrysol(登録商標)(Rohm&Haas、PA)、及びViscalex(登録商標)(Ciba Specialty Chemicals、NY)の商品名で販売されているものが挙げられる。
【0071】
一の例示的な実施形態において、レオロジー改質剤は、HEUR及びセルロースエーテル、例えばアルキルヒドロキシプロピルセルロースエーテルを含む。特定の理論に拘泥するものではないが、会合性増粘剤とセルロースエーテルとの組み合わせは、塗布特性及び保管特性の向上をもたらすと考えられている。例えば、接合化合物組成物(基材に塗布された際)の潤滑性及び流動性は、このような、会合性増粘剤とセルロースエーテルとの組み合わせを用いることで向上できる。更に、このような組み合わせは、接合化合物組成物の球体の沈殿防止(接合化合物組成物がバルクで保管される場合)を補助できる。
【0072】
レオロジーが改質された会合性増粘剤システムは、一般に、アルカリ性条件下で最も良く機能する。したがって、通常、最終的な接合化合物組成物を約8.0以上のpHにするためには、接合化合物組成物に塩基性物質を含めることが望ましい。pHを上昇させるためには、アンモニア、苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)、トリエチルアミン(TEA)、及び2−アミノ−2−メチル−1プロパノール(AMP)をはじめとする様々な塩基性物質が用いられ得るが、これらに限定されない。様々な実施形態において、接合化合物組成物は約0.001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約0.5重量%、及び/又は約0.01重量%〜約0.50重量%のアルカリ/塩基性物質を含む。
【0073】
一部の実施形態において、接合化合物組成物は、例えば湿った組成物の約0重量%〜約3重量%、例えば約0.05重量%〜約2重量%、約0.1重量%〜約1.5重量%、又は約0.1重量%〜約1重量%といった、任意の適切な量の殺生物剤を任意で含む。含まれる場合、接合化合物組成物の一部の実施形態において、殺生物剤は殺菌剤及び/又は防カビ剤を含む。例示的な有用な殺菌剤は、MERGAL 174(登録商標)(TROY Chemical Corporation)の商品名で販売されている。例示的な有用な防カビ剤は、FUNGITROL(登録商標)(International Specialty Products、New Jersey)の商品名又はこれらの組み合わせで販売されている。
【0074】
接合化合物組成物は、当該技術において理解される作業性を可能にする任意の適切な粘度を有するように配合されてよい。例えば、湿っている際の接合化合物組成物の粘度は、約100ブラベンダーユニット(BU)〜約700BU、例えば約100BU〜約600BU、約100BU〜約500BU、約100BU〜約400BU、約100BU〜約300BU、約100BU〜約200BU、約130BU〜約700BU、約130BU〜約600BU、約130BU〜約500BU、約130BU〜約400BU、約130BU〜約300BU、約130BU〜約200BU、約150BU〜約700BU、約150BU〜約600BU、約150BU〜約500BU、約150BU〜約400BU、約150BU〜約300BU、又は約150BU〜約200BUの粘度を有してよい。当業者はブラベンダーユニットを容易に認識するであろう。粘度は、タイプAピン、サイズ1/2パイントの試料カップ、250cm−gmカートリッジブラベンダートルクヘッドを備えるCW Brabender粘度計を用いて、RPM75で、ASTM C474−05, Section 5に準拠し測定される。
【0075】
好ましくは、一部の実施形態において、接合化合物の耐収縮性を向上させるために、従来の配合よりも含水率を低下させることが望ましい。一部の原料(ラテックスエマルション等)は、水性の形状で提供されることが理解される。しかしながら、追加の水分(例えば練混ぜ水(gauging water))は、一部の実施形態においては、例えば湿った組成物の約60重量%以下、例えば約0重量%〜約50重量%、例えば約0重量%〜約30重量%、約0重量%〜約15重量%、又は約0重量%〜約10重量%等、少なく保つことが望ましい。一部の実施形態において、ラテックスエマルションバインダーを含むその他の原料中の水分、及び任意の練混ぜ水を含む接合化合物の総含水率は、例えば湿った組成物の約5重量%〜約60重量%、例えば約10重量%〜約45重量%、又は約25重量%〜約45重量%、又はそれ以上、の範囲であり得る。
【0076】
一部の実施形態において、本発明は、(a)湿った組成物の約3重量%〜約90重量%のラテックスエマルションバインダー;(b)複数の中空の球体であって、ASTM D3102−78に準拠して測定される均衡破壊強度が約100psi以上であり、湿った組成物の約5重量%〜約25重量%の量で存在する球体;(c)湿った組成物の約0.001重量%〜約5重量%の量の非イオン界面活性剤;及び(d)湿った組成物の約0.001重量%〜約3重量%の量の湿潤剤;ならびに、任意で(e)湿った組成物の約0.05重量%〜約5重量%の量の消泡剤;(f)湿った組成物の約0.1重量%〜約5重量%の量のレオロジー改質剤;(g)湿った組成物の約0.1重量%〜約1.5重量%の量の殺生物剤;(h)湿った組成物の約1重量%〜約40重量%の量の、炭酸カルシウム又は石灰岩等の増量剤;及び(i)湿った組成物の約0.1重量%〜約5重量%の量の、カオリンクレイ等のデラミネーテッドクレイから本質的になる接合化合物組成物を提供する。このような実施形態において、組成物は、本発明の接合化合物組成物に実質的に影響する、上述の材料以外の原料を除外する。
【0077】
本発明の実施形態は、更に、本明細書に記載する様々な側面による壁アセンブリを提供する。壁アセンブリは、継ぎ目によって接合された2枚の隣接するボードを含む。一部の実施形態において、一様な美観を提供するために、継ぎ目に接合化合物が1層のみ塗布される。しかしながら、希望があれば、所望の仕上げレベルに従って、1よりも多い層(例えば2層又は3層)が塗布され得る。接合化合物組成物は、アクリル酸重合体、アクリル酸共重合体、アルキド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、及びこれらの組み合わせから選択されるバインダーを含む。組成物は、複数の中空の球体を更に含む。球体は、ASTM D3102−78に準拠して測定される均衡破壊強度が約100psi以上であることが好ましい。壁アセンブリは、継ぎ目に埋め込まれた、寸法安定性の非膨張性の平らな接合テープを更に含む。
【0078】
本発明の実施形態は、また、本明細書に記載された様々な側面による、継ぎ目によって接合された2枚の隣接するボードである壁アセンブリを処理する方法を提供する。一部の実施形態において、該方法は接合テープと1層の接合化合物組成物を継ぎ目に適用するステップを含む。接合化合物組成物は、アクリル酸重合体、アクリル酸共重合体、アルキド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、及びこれらの組み合わせから選択されるバインダーを含む。組成物は、複数の中空の球体を更に含む。球体は、ASTM D3102−78に準拠して測定される均衡破壊強度が約100psi以上であることが好ましい。該方法は、組成物を乾燥させるステップを更に含む。一部の実施形態において、接合化合物が塗布及び乾燥された後、壁アセンブリは、所望の外観を得るために研磨及び/又は塗装されることができる。
【0079】
以下の実施形態は、本発明の側面を更に説明するが、当然ながら、いかなる形でもその範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
【0080】
一の実施形態において、乾燥タイプの接合化合物組成物は、アクリル酸重合体、アクリル酸共重合体、アルキド、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、及びこれらの組み合わせから選択されるバインダーと、ASTM D3102−78に準拠して測定される均衡破壊強度が約100psi以上である複数の中空の球体を含む。
【0081】
接合化合物組成物の別の実施形態において、バインダーはアクリル酸重合体又はアクリル酸共重合体である。
【0082】
接合化合物組成物の別の実施形態において、バインダーは水性エマルションの形態である。
【0083】
接合化合物組成物の別の実施形態において、組成物は約2lb/gal〜約8lb/galの密度を有する。
【0084】
接合化合物組成物の別の実施形態において、組成物は、ASTM C474−05に準拠して測定される場合、約2%以下の収縮率を呈する。
【0085】
接合化合物組成物の別の実施形態において、組成物は、硬化鉱物、増量剤、クレイ、澱粉、マイカ、又はこれらの組み合わせ、を実質的に含まない。
【0086】
接合化合物組成物の別の実施形態において、組成物は、炭酸カルシウム、膨張パーライト、炭酸カルシウムマグネシウム、石灰岩、硫酸カルシウム二水和物、アタパルジャイトクレイ、カオリンクレイ、タルク、珪藻土、又はこれらの組み合わせ、を実質的に含まない。
【0087】
接合化合物組成物の別の実施形態において、組成物は、ゲル化クレイを実質的に含まない。このようなゲル化クレイとしては、アタパルジャイト、セピオライト、ベントナイト、ラポナイト、ノントロナイト、バイデライト、ラポナイト、ヤコントバイト、ジンクシライト、ボルコンスコアイト、ヘクトライト、サポナイト、フェロサポナイト、ソーコナイト、スウィンフォルダイト、ピメライト、ソボカイト、スティーブンサイト、スビンフォルダイト、バーミキュライト、水膨潤性合成クレイ、スメクタイト、例えば特にナトリウムモンモリロナイト、マグネシウムモンモリロナイト及びカルシウムモンモリロナイト等のモンモリロナイト、イライト、例えばレクトライト、タロソバイト及びレディカイト等の混合積層イライト/スメクタイト鉱物、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ならびに上記のクレイの混合物が挙げられる。パリゴルスカイトアタパルジャイトクレイは、本実施形態において除外される例示的なゲル化クレイの1種である。
【0088】
接合化合物組成物の別の実施形態において、バインダーは約32°F〜約70°Fのガラス転移温度(Tg)を有する。
【0089】
接合化合物組成物の別の実施形態において、バインダーは約32°F〜約90°Fの最低造膜温度(MMFT)を有する。
【0090】
接合化合物組成物の別の実施形態において、球体は250psi以上の均衡破壊強度を有する。
【0091】
接合化合物組成物の別の実施形態において、球体は約0.0015lb/in
3〜約0.04lb/in
3の密度を有する。
【0092】
接合化合物組成物の別の実施形態において、球体は、石灰ホウケイ酸、ポリスチレン、セラミック、再生ガラス、発泡ガラス、及び軽量ポリオレフィンビーズ、熱可塑性、熱硬化性、又はこれらの任意の組み合わせを含む。
【0093】
接合化合物組成物の別の実施形態において、組成物は約3〜約20の親水親油バランス(HLB)を有する非イオン界面活性剤を更に含む。
【0094】
(a)湿った組成物の約3重量%〜約90重量%のラテックスエマルションバインダー;(b)ASTM D3102−78に準拠して測定される平均均衡破壊強度が約100psi以上である複数の中空の球体であって、湿った組成物の約5重量%〜約25重量%の量で存在する、球体;(c)湿った組成物の約0.001重量%〜約5重量%の非イオン界面活性剤;及び(d)湿った組成物の約0.001重量%〜約3重量%の湿潤剤;ならびに、任意で:(e)湿った組成物の約0.05重量%〜約5重量%の消泡剤;(f)湿った組成物の約0.1重量%〜約5重量%のレオロジー改質剤;(g)湿った組成物の約0.1重量%〜約1.5重量%の殺生物剤;(h)湿った組成物の約1重量%〜約40重量%の炭酸カルシウム又は石灰岩等の増量剤;及び(i)湿った組成物の約0.1重量%〜約5重量%のカオリンクレイ等のデラミネーテッドクレイ、から本質的になる接合化合物組成物の別の実施形態において。
【0095】
別の実施形態において、壁アセンブリは、(a)継ぎ目によって接合される2枚の隣接するボード;(b)一様な美観を提供するための、前記継ぎ目における、1層のみの請求項1の接合化合物組成物;及び(c)前記継ぎ目に組み込まれる、寸法安定性の非膨張性の平らな接合テープ、を含む。
【0096】
壁アセンブリの別の実施形態において、1枚以上のボードは、継ぎ目に隣接してテーパーの付いた端部を有し、テーパーの最大深さは約0.125インチ(約0.3cm)以下である。
【0097】
壁アセンブリの別の実施形態において、ボードは対向する前面及び背面を含み、2枚の隣接するボードの面が、ボードの面同士の間のコーナー角が約30°〜約180°となる入隅を定義するよう、互いに対して配置される。
【0098】
壁アセンブリの別の実施形態において、ボードは対向する前面及び背面を含み、2枚の隣接するボードの前記面が、ボードの面同士の間の角度が約180°〜約300°となる出隅を定義するよう、互いに対して配置される。
【0099】
壁アセンブリの別の実施形態において、アセンブリは継ぎ目の上に配置される補強トリムを更に含み、トリムが、(i)ASTM C474−05,Section 12に準拠して測定される、30分浸水後の縦方向の膨張が約0.4%未満かつ横方向の膨張が約2.5%未満という寸法安定性を有する紙を含む化粧材と、(ii)紙、プラスチック、天然又は合成繊維、カーボン繊維、ポリエステル、ポリカーボネート、ガラス繊維、天然又は合成不織材料、天然又は合成織物材料、スパンポリオレフィン、又は金属を含む補強裏打ちであって、約0.012インチ(約0.03cm)〜約0.0625インチ(約0.2cm)の厚さを有する、補強裏打ちと、を含む。
【0100】
壁アセンブリの別の実施形態において、アセンブリは、補強トリムをボードの端部に少なくとも部分的に取り付けるための接着剤を含む。
【0101】
壁アセンブリの別の実施形態において、アセンブリは、1以上の枠部材と接着剤とを更に含み、前記接着剤が、1枚以上のボードを前記枠部材に少なくとも部分的に取り付ける。
【0102】
別の実施形態において、継ぎ目によって接合される2枚の隣接するボードの壁板アセンブリを処理する方法が提示され、該方法は(a)接合テープと、請求項1の接合化合物の1層と、を継ぎ目に適用するステップと、(b)前記化合物を乾燥するステップと、を含む。
【0103】
提示された別の実施形態において、対向する前面及び後面を有する2枚の隣接するボードの継ぎ目を保護する補強トリムであって、面が、ボードの面同士の間に角度を有して互いに対して配置され、トリムが、非膨張性の合成紙化粧材を特徴とする紙の面;及び、紙、熱可塑性、熱硬化性、天然又は合成繊維、カーボン繊維、ポリエステル、ポリカーボネート、ガラス繊維、天然又は合成不織材料、天然又は合成織物材料、スパンポリオレフィン、又は金属を含む補強裏打ちであって、約0.012インチ(約0.03cm)〜約0.0625インチ(約0.2cm)の厚さを有する、補強裏打ち、を含む。
【0104】
乾燥タイプの接合化合物組成物の別の実施形態において、組成物は、アクリル酸重合体、アクリル酸共重合体、アルキド樹脂、ポリウレタン、ポリエステル、エポキシ、及びこれらの組み合わせ、から選択されるバインダー;及び、複数の中空の球体であって、ASTM D3102−78に準拠して測定される均衡破壊強度が約250psi以上である球体、を含み、球体の密度は約0.0015lb/in
3(約0.04g/cm
3)〜約0.04lb/in
3(約1.1g/cm
3)である。
【0105】
接合化合物組成物の別の実施形態において、球体は500psi以上の均衡破壊強度を有する。
【0106】
接合化合物組成物の別の実施形態において、球体は約0.0018lb/in
3(≒約0.05g/cm
3)〜約0.036b/in
3(≒約1g/cm
3)の密度を有する。
【0107】
接合化合物組成物の別の実施形態において、約75°F(約24℃)、相対湿度約50%の適度な環境において、3/16インチ(約0.5cm)のストライプ中の含水率の60%以上が、約1.5〜4.5時間で乾燥により除去される。
【0108】
接合化合物組成物の別の実施形態において、約95°F(約35℃)、相対湿度約10%の高温乾燥環境において、3/16インチ(約0.5cm)のストライプ中の含水率の60%以上が、約1〜3時間で乾燥により除去される。
【0109】
接合化合物組成物の別の実施形態において、約40°F(約4℃)、相対湿度約80%の低温多湿環境において、3/16インチ(約0.5cm)のストライプ中の含水率の60%以上が、約5〜12.5時間で乾燥により除去される。
【0110】
接合化合物組成物の別の実施形態において、約75°F(約24℃)、相対湿度約50%の適度な環境において、1/16インチ(約0.2cm)のストライプ中の含水率の60%以上が、約0.5〜2時間で乾燥により除去される。
【0111】
接合化合物組成物の別の実施形態において、約95°F(約35℃)、相対湿度約10%の高温乾燥環境において、1/16インチ(約0.2cm)のストライプ中の含水率の60%以上が、約1時間で乾燥により除去される。
【0112】
接合化合物組成物の別の実施形態において、約40°F(約4℃)、相対湿度約80%の低温多湿環境において、1/16インチ(約0.2cm)のストライプ中の含水率の60%以上が、約0.5〜3時間で乾燥により除去される。
【実施例】
【0113】
以下の実施例は本発明を更に説明するが、当然ながら、いかなる形でもその範囲を限定するものと解釈されるべきでない。
【0114】
実施例1
本実施例は、本発明の実施形態による接合化合物を例示する3種の試料配合(1A、1B、及び1C)を示す。
【0115】
調製の例示的な方法として、全ての液体成分がHobart Model N50ミキサに加えられた。この点において、機能性フィラー(Scotchlite K1)及びレオロジー重合体(Cellosize DSC)が唯一の乾燥材料であり、ミキサへの追加を目的として、残りは液状であったと考えられることに注意すべきである。機能性フィラーはバルク状でありレオロジー重合体は少量であったため、レオロジー重合体が機能性フィラーに加えられ、液体をすでに含むミキサに乾燥材料が加えられた。得られた組成物は、均質になるまで2分間混合された。
【0116】
しかしながら、配合は、任意の適切な方法で調製可能であることが理解される。例えば組成物は、当業者によって理解されるように、適切な混合力学を推進するためにヘリカルブレード式横軸ミキサ等で、工場規模で調製可能である。
【0117】
配合1Aを、以下の表1に示す。「追加された水」とは、いずれの成分にあらかじめ含まれるものでもない追加の水を指すことが理解される(例えば、RHOPLEXは重量比47/53の固体/水エマルションの形状である)。
【0118】
【表1】
【0119】
配合1Bを、以下の表2に示す。
【表2】
【0120】
配合1Cを、以下の表3に示す。
【表3】
【0121】
表1に示した配合は、比較的少量の水を含み、結果的に、低い収縮レベルをもたらしつつ、優れた圧縮強度と曲げ強度を呈する。この配合は、従来のシステムよりも少ない層数(例えば、好ましくは1層塗布システム)で、本発明の一部の実施形態による壁アセンブリの継ぎ目、トリム、及び留め具へと容易に塗布可能である。結果として、配合1A〜1Cは、各層が乾燥するまでの、ダウンタイムを必要とする大きな遅延のない、効率的な塗布を可能にする。配合1A〜1Cはまた、壁アセンブリの表面により近い位置で塗布できるため、使用者に高い技術を要求せず、容易な塗布を可能にする。配合1A〜1Cは、ASTM C474−05,Section 6に準拠して計測した場合、約0〜約3%の収縮を呈した。更に、配合1A〜1Cは、ASTM C474−05,Section 7に準拠して測定した場合、耐亀裂性であった。
【0122】
実施例2
本実施例は、従来の接合化合物と比較した場合の、本発明の実施形態による接合化合物の優れた強度特性を示す。
【0123】
全部で3種の試料の曲げ強度が試験された。各接合化合物試料は、長さ10インチ、幅2インチ(約5cm)、厚さ0.0625インチ(約0.2cm)の帯状に形成され乾燥された。各試料は、当業界で用いられる市販の接合化合物配合の例示的な試料がもろさや破砕可能性を有することを、少しの変位によって実証するために、厚さ0.125(1/8)インチ(約0.3cm)のスペーサに両端部を載せた状態で台に載置された。各接合化合物の帯の中心に、金属製のプローブで、約200gmの下向きの力が加えられた。
【0124】
比較を目的として、第1の試料である配合2Aは、SHEETROCK(登録商標)Brand Lightweight All Purpose Joint Compound(USG製)として市販される、約14lb/galの密度を有する従来の接合化合物とした。試験の経過を
図19〜21に示す。
図21に見られるように、接合化合物は1/8インチ未満の撓みによって破断し、試料のもろさを示した。
【0125】
更なる比較を目的として、第2の試料である配合2Bは、SHEETROCK(登録商標)Brand All Purpose Joint Compound(USG製)として市販される、約8lb/galの密度を有する別の従来の接合化合物とした。試験の経過を
図22〜24に示す。
図24に見られるように、接合化合物は1/8インチ未満の撓みによって破断し、試料のもろさを示した。
【0126】
第3の配合2Cは、本発明の実施形態に従って、表1に示した配合1Aに従って調製された。配合2Cは3lb/galの密度を有した。試験の経過を
図25〜27に示す。
図27に見られるように、接合化合物は(比較配合2A及び2Bとは異なり)1/8インチの撓み後にも破断しなかった。更に、
図28に見られるように、配合2Cは更に曲げられても亀裂や破断を起こさなかった。実際、
図29に見られるように輪になるまで配合2Cを曲げても、試料は亀裂や破断を起こさなかった。
【0127】
配合2Cは、ドライウォール接合化合物の最も望ましい仕上げ属性を提供したことが理解される。例えば、配合2Cは乾燥された際に収縮しなかった。更に、配合2Cは、(比較配合2A及び2Bに示される従来のもろい組成物とは異なり)亀裂に耐える柔軟性を維持しつつも、表面の容易な研磨と平滑化を可能にする十分な剛性を有した。配合2Cは、また、容易に塗装されることができた。
【0128】
実施例3
本実施例は、本発明の実施形態による接合化合物を説明する、配合の5つの試料(2D〜F、3A〜C、4A〜C、5A〜C、6A〜C)を示す。
【0129】
これらの配合は、例えば実施例1で説明したような、任意の適切な方法で調製できることが理解される。例えば組成物は、当業者によって理解されるように、適切な混合力学を推進するためにヘリカルブレード式横軸ミキサ等で、工場規模で調製可能である。
【0130】
「追加された水」とは、いずれの成分にあらかじめ含まれるものでもない追加の水を指すことが理解される。
【表4】
【表5】
【表6】
【表7】
【表8】
【0131】
実施例4
以下の実施例は、新規な接合システムにおいて用いられ、ASTM C474で試験された際の、市販の接合化合物よりも優れた柔軟性、耐亀裂性、及び強度を示す。
【0132】
上述のとおり、配合1A及び2Eが調製された。更に、従来重量の汎用接合化合物(配合AP)及び軽量汎用接合化合物(配合LW)が比較目的で用いられた。配合APはSHEETROCK(登録商標)Brand All−Purpose Joint Compoundであり、配合LWはSHEETROCK(登録商標)Brand Lightweight All Purpose Joint Compoundであった。各試料は3部ずつ調製された。
【0133】
各配合は、ASTM C474に準拠して、以下の方法で調製及び試験された。接合化合物はロウを塗ったスペーサを用いて、石膏ボードの継ぎ目に設けられた段差に塗布された。石膏パネルの接合部には合成接合テープが貼付された。試料はテープの上に塗り重ねられ、70°F(約21℃)及び相対湿度50%の条件下に24時間置かれた。ロウを塗ったスペーサは除去され、試料は試験治具に取り付けられた。治具は万能試験機(UTM)にかけられた。
【0134】
それぞれの接合システムは、試料が損傷するまで、一定の変位速度で、0.4インチ/分(約1cm/分)の負荷をかけられた。負荷と変位は、1回目は最初の亀裂が目視で確認された際、2回目はシステムが損傷した際、の2回にわたって記録された。
【0135】
図30〜34は、比較用の配合AP及びLWに対する配合1A〜2Eの優位性を示す。
【0136】
図30は、最初の亀裂が観察された際のインチで測定された引張変位をY軸に、様々な接合化合物、具体的には本発明の実施形態による配合1A及び2Eと変形例としての配合AP及びLW、をX軸に示す箱ひげ図である。この図では、配合1A及び2Eは、最初の亀裂が観察されるまでに、約0.12インチ(約0.3cm)変位したことを示す。一方、配合APでは0.06インチ(約0.15cm)で最初の亀裂が観察され、配合LWでは0.08インチ(約0.2cm)で最初の亀裂が観察された。配合1A及び2Eが、変位によって目に見える亀裂を起こさなかったことは特筆に値する。これらは、下層にある接合テープが損傷して崩壊した後に限り、亀裂を示した。したがって、配合1A及び2Eは、市販の組成物である配合AP及びLWに比較して、はるかに高い耐亀裂性を示した。
【0137】
図31は、最初の亀裂が観察された際の、ポンド(lbs)で測定された負荷(lbs)をY軸に、様々な接合化合物、具体的には本発明の実施形態による配合1A及び2Eと変形例としての配合AP及びLW、をX軸に示す箱ひげ図である。この図では、配合1A及び2Eは、最初の亀裂が発生した際に、それぞれ、124lb(約56kg)及び95lb(約43lb)を耐えることができたことを示す。一方、配合APでは、負荷が53lb(約24kg)であった際に最初の亀裂が観察され、配合LWでは、負荷が60lb(約27kg)であった際に最初の亀裂が観察された。配合1A及び2Eが、変位によって目に見える亀裂を起こさなかったことは特筆に値する。これらは、下層にある接合テープが損傷して崩壊した後に限り、亀裂を示した。したがって、配合1A及び2Eは、市販の組成物である配合AP及びLWに比較して、はるかに高い耐亀裂性を示し、また、損傷するまでに、はるかに高い負荷に耐えることができた。
【0138】
図32は、最初の亀裂が観察された際の、インチで測定されたせん断変位をインチでY軸に、様々な接合化合物、具体的には本発明の実施形態による配合1A及び2Eと変形例としての配合AP及びLW、をX軸に示す箱ひげ図である。この図では、最初の亀裂が観察されるまでに、配合1A及び2Eがそれぞれ約0.11及び0.12インチ(約0.3cm)変位したことを示す。一方、配合APでは0.08インチ(約0.2cm)で最初の亀裂が観察され、配合LWでは0.11インチ(約0.3cm)で最初の亀裂が観察された。配合1A及び2Eが、変位によって目に見える亀裂を起こさなかったことは特筆に値する。これらは、下層にある接合テープが損傷して崩壊した後に限り、亀裂を示した。すなわち、配合1A及び2Eについてはデータの範囲に大きな変動が見られた。しかしながら、配合AP及びLWは、接合テープ及び継ぎ目が損傷するよりもはるか前に、目に見えて亀裂/破砕した。したがって、配合1A及び2Eは、市販の組成物である配合AP及びLWに比較して、はるかに高い耐せん断亀裂性を示した。
【0139】
図33は、最初の亀裂が観察された際の、インチで測定されたせん断ピーク変位をY軸に、様々な接合化合物、具体的には本発明の実施形態による配合1A及び2Eと変形例としての配合AP及びLW、をX軸に示す箱ひげ図である。この図では、最初の亀裂が観察されるまでの配合1A及び2Eのピークせん断変位は、それぞれ0.23インチ(約0.6cm)及び0.25インチ(約0.6cm)であることを示す。一方、配合APでは0.1インチ(約0.25cm)のピークせん断変位後に最初の亀裂が観察され、配合LWでは0.13インチ(約0.3cm)のせん断ピーク変位後に最初の亀裂が観察された。配合1A及び2Eが、変位によって目に見える亀裂を起こさなかったことは特筆に値する。これらは、下層にある接合テープが損傷して崩壊した後に限り、亀裂を示した。したがって、配合1A及び2Eは、市販の組成物である配合AP及びLWに比較して、はるかに高いピークせん断変位を示した。
【0140】
図34は、せん断変位率(最初の亀裂時の変位に対する、接合システムの破壊時におけるピーク変位の割合)をY軸に、様々な接合化合物、具体的には本発明の実施形態による配合1A及び2Eと変形例としての配合AP及びLW、をX軸に示す箱ひげ図である。この図では、最初の亀裂が観察されるまでに、配合1A及び2Eは約2.3のせん断変位率を有したが、配合APは約1.3、配合LWは約1.2のせん断変位率を有したことを示す。すなわち、配合1A及び2Eは、最初の亀裂が観察された後でさえも、接合システムの分裂によって完全に損傷するまで、より高い延伸性と伸縮性を示した。配合1A及び2Eが、変位によって目に見える亀裂を起こさなかったことは特筆に値する。これらは、下層にある接合テープが損傷して崩壊した後に限り、亀裂を示した。一方、配合AP及びLWの化合物はもろい材料であり、最初の亀裂が観察された直後にピーク変位を示した。
【0141】
本実施例の結果は、接合システムが張力下に置かれた際、配合1A及び2Eが、損傷するまでにいずれも優れた伸長性と物理的変位を示した一方、配合AP及びLWはもろく、本発明の接合システムと同じ試験条件下で同様の性能を与えなかったことを示す。更に、これら市販の接合化合物は、従来の接合システムにおいてより良い性能を示さなかった。
【0142】
本発明の接合システムがせん断力下で試験された際、本発明の接合化合物と従来の接合化合物との間の差異はより明白となった。本実施例の接合化合物は、高い良好な変位と、市販の接合化合物よりも高い変位率を示した。したがって、本発明の接合化合物は、高い強度と耐亀裂性を示した。
【0143】
実施例5
本実施例は、新規な接合システムにおいて用いられ、ASTM C711を用いてテストされた際に、優れた柔軟性と弾性、もしくは柔軟性/脆化度を示す。
【0144】
各配合は調製され、以下のとおり行われたASTM C711に従って試験された。配合1A及び2Eの試料が調製され、代表的な市販の接合化合物である配合AP−SHEETROCK(登録商標)Brand All−Purpose Joint Compound、及び配合LW−SHEETROCK(登録商標)Brand Lightweight All Purpose Joint Compoundが比較目的で用いられた。各試料は3部ずつ調製された。
【0145】
厚さ1/8インチ(約0.3cm)の接合化合物の帯(2”×10”)(約5cm×約25cm)が、ボンドブレーカー膜、すなわち接合化合物が乾燥後に膜に付着しない、の上に載置された。試料は各環境条件向けに3部ずつ調製された。試料はその後、4つの異なる環境試験条件下で24時間乾燥された。2度目の試験が、条件下に28日間置いた後行われた。試料はボンドブレーカー膜から除去され、直径約1インチ(約2.5cm)の円筒形マンドレルの周囲という曲げ条件で、接合化合物の弾性及び柔軟性の評価が行われた。試料はその後、ASTM C711に記載された弾性柔軟性の度合いを判断するために、視覚的に3段階でランク付けされた。
【0146】
2009年発行のASTM C711は、試験に従ってマンドレル上に載置され、これに沿って曲げられた際の、満足な接合化合物と不満足な接合化合物との差異を、写真と共に示している点に注目されたい。1枚目は、亀裂又はあらゆる視認可能な損傷がないという理由で合格ランクを与えられる、満足な接合化合物の描写を提供する。他方は、重大な亀裂を原因として不合格−Aのランクを与えられる不満足な接合化合物を描写する。3枚目は、完全な亀裂と接着剤の損傷とを原因として不合格−Bのランクを与えられる不満足な接合化合物を示す。
【表9】
【表10】
【0147】
表9は、試料をASTM C711の4つの異なる条件に24時間置いた後の視認試験の結果を示す。配合1A及び2Eの試料は、配合AP及びLWによって代表される従来の接合化合物よりもはるかに良い性能を呈した。配合1A及び2Eは標準条件試験のいずれにおいても合格ランクを与えられた一方、配合AP及びLWは不合格−Bランクを与えられた。
【0148】
表10は、試料をASTM C711の4つの異なる条件に28日間置いた後の視認試験の結果を示す。配合1A及び2Eの試料は、配合AP及びLWによって代表される従来の接合化合物よりもはるかに良い性能を呈した。配合1A及び2Eは標準条件試験のいずれにおいても合格ランクを与えられた一方、配合AP及びLWは不合格−Bランクを与えられた。
【0149】
従来の接合化合物はこれらの試験条件下で、1/8インチ未満のたわみで曲げられた際にも損傷し、重大な損傷を起こすことなく円筒形マンドレルの周囲に沿って曲げることができないほどもろかった。これらの試験条件下における接合化合物の性能は、接合化合物の構造的適性と耐用年数を保証するのに役立つ。
【0150】
実施例6
本実施例は、実用において生じる条件を代表する現実世界の条件下における接合化合物及び接合システムの優れた性質を示す。これらの試験からのデータに基づく性能基準は、耐用年数にわたる接合化合物及び接合システムの構造的適性を保証する。
【0151】
本発明の接合システムと従来の接合システムは、以下の方法で、変形されたASTM E72を用いて試験された。本発明の壁アセンブリの接合システムは、配合1A及び2Eの化合物を用いて調製され、配合AP及びLWと比較された。配合1A及び2Eの試料が調製され、代表的な市販の接合化合物の配合AP−SHEETROCK(登録商標)Brand All−Purpose Joint Compound、及び配合LW−SHEETROCK(登録商標)Brand Lightweight All Purpose Joint Compoundが比較目的で用いられた。配合APは従来重量の汎用接合化合物を代表する。配合LWは軽量の汎用接合化合物を代表する。
【0152】
配合1A及び2Eは、平目地処理(直角端部/突合せ、及びテーパー付き端部の接合)で試験を調製するのに用いられた。当システムにおいて、接合ボードを接着剤で取り付けるために、接合継ぎ目は合成接合部補強テープを用いてテープ留めされた。テープ留めされた接合継ぎ目には、配合1A又は2Eの1層が塗布された。留め具は、本発明の接合化合物、配合1A又は2E、の1層を留め具の上に塗布することで調製された。
【0153】
配合AP又はLWの接合化合物によって接合ボードに適用された紙の接合補強テープを用いて、完全に平坦な接合継ぎ目をテープ留めすることで、従来の接合システムが通常の方法で比較用に調製された。テープ留めされた接合継ぎ目に、配合AP又はLWの3つの別個の層が塗布された。留め具は、配合AP又はLWの接合化合物の3つの別個の層を留め具の上に塗布することで調製された。
【0154】
図35A〜35Cは、建築における壁の強度を試験するための変形ASTM E72ラッキングアセンブリシステムを図示する。
【0155】
図35Aは、2”×4”(約5cm×約10cm)の木製スタッド(図示せず)から形成される8’×8’(約2.4m×約2.4m)のアセンブリを有する、変形ASTM E72ラッキングアセンブリシステムを示す。該アセンブリは、互い違いに構成された2枚の48”×64”(約1.2m×約1.6m)及び2枚の48”×16”(約1.2m×約0.4m)のボードから成る。2種類の主要な継ぎ目、すなわち高さ方向の中ほど(約4’もしくは約1.2m)にある水平接合部と、2枚のボードの継ぎ目に配置される2つの垂直接合部、が点線で示されている。
【0156】
図35Bは、16インチ(約0.4m)の間隔で配置される2”×4”(約5cm×約10cm)の木製スタッドで構成される、
図35Aの変形ASTM E72ラッキングアセンブリシステムを図示する。これは更に、2種類の継ぎ目、すなわち高さ方向の中ほど(約4’もしくは約1.2m)にある水平接合部と、木製スタッドに接合された2枚のボードの継ぎ目に配置される2つの垂直接合部、を示す。
【0157】
図35Cは、
図35Bの変形ASTM E72ラッキングアセンブリシステムであって、下部が構造に強固に固定され、様々な振幅で正弦波形を発生するようプログラムされた水圧ラムによって左上角に力を加えられたものを図示する。
【0158】
試験中、これらのラッキングアセンブリシステム内のボードの面は、壁の面と同一平面上でのみ移動可能とされた。コンピュータ制御された水圧ラムは、0.025”(約0.06cm)の振幅、0.5Hz(2秒/サイクル)の周波数、サイクル数500で正弦波形を発生し、アセンブリの左上角を打撃する用プログラムされた。このサイクルの完了後、振幅は0.050”(約0.12cm)に増やされ、サイクル数は500サイクルとされた。第2サイクルの完了後、振幅は0.075”(約0.18cm)に再び増やされ、サイクル数は500サイクルとされた。振幅が0.400”(約1cm)に達するまでこれが繰り返された。この厳密な試験中、アセンブリは継続的に観察され、損傷が観察された時のサイクル数が、損傷の位置と共に記録された。
【0159】
この結果は、配合1A及び2Eの弾性膜効果の大きな有利性を示した。壁アセンブリ内で留め具が破損した領域においてさえ、接合化合物は破壊や穿孔されなかった。その一方、従来の接合化合物、すなわち配合AP及びLW、によって調製された比較用の従来のシステムにおいては、留め具への付着の損失を含む、脆弱な破断効果が観察された。
【0160】
実施例7
本実施例は、本発明の接合システムの優れた乾燥性を示す。
【0161】
本明細書において説明されるとおり、既存の接合化合物は、留め具に3つの別個の層を塗布し、また、同一平面上のボード間の平坦な継ぎ目に複数の層を塗布することを必要とする。各層は、新規の層を塗布する前に別個に乾燥されなければならない。既存の層が完全に乾燥する必要がないが、第2層を受け入れるほど十分に強固になるためには、含水量の約75%が化合物から蒸発しなければならないことが判明している。これは、壁の仕上げが行われている間、通常は屋内で他の建設作業が行えない、多大なダウンタイムの期間を生む。
【0162】
一方、本発明の接合化合物は、一様な美観を提供するために、継ぎ目に1層しか必要としない。不完全な技巧等の理由で第2層が必要とされる場合、本発明の接合化合物は、含水量の約60%が化合物から蒸発すれば、第2層を受け入れるほど十分に強固になる。
【0163】
配合1A、2E、3A及び4Bの試料が調製された。また、従来の重量の汎用接合化合物(配合AP)、ならびに軽量の汎用接合化合物(配合LW)が比較目的で用いられた。配合APはSHEETROCK(登録商標)Brand All−Purpose Joint Compoundであり、配合LWはSHEETROCK(登録商標)Brand Lightweight All Purpose Joint Compoundであった。
【0164】
図36A〜36Cは、本発明の接合化合物を、厚塗り層、すなわち約3/16インチ(約0.5cm)、用の従来の接合化合物と比較した乾燥プロファイルを示し、蒸発した水分の百分率(Y軸)を、(X軸)に沿って表す経過乾燥時間に対して表示する。
図36Aは適度な環境、例えば75°F、相対湿度50%における乾燥プロファイルを示す。
図36Bは高温乾燥環境、例えば95°F、相対湿度10%における乾燥プロファイルを示す。
図36Cは低温多湿環境、例えば40°F、相対湿度80%における乾燥プロファイルを示す。
【0165】
厚塗り層(3/16インチ、約0.5cm)は、様々な用途、例えば角補強トリム上の第1層又は第2層;パネル/壁オフセット上の第1層又は第2層;直角端部の突合せ接合部上の第1層又は第2層;及びテーパー付端部の接合の第2のフィラー層、を代表する。
【0166】
図36Aに示すとおり、配合1A、2E、3A及び4Bの3/16インチ(約0.5cm)の層は、適度な環境において同様の乾燥プロファイルを示す。第2層が必要な場合、配合1A、2E、3A及び4Bの第1層は1.5〜4.5時間で準備が完了した。一方、配合LWの厚塗り層は約13〜15時間で第2層の受け入れ準備が整い、配合APの厚塗り層は24時間経っても準備が整わなかった。
【0167】
図36Bに示すとおり、配合1A、2E、3A及び4Bの3/16インチ(約0.5cm)の層は、高温乾燥環境において同様の乾燥プロファイルを示す。第2層が必要な場合、配合1A、2E、3A及び4Bの第1層は1〜3時間で準備が完了した。一方、配合LW及び配合APの厚塗り層は約4〜5.5時間で第2層の受け入れ準備が整った。
【0168】
図36Cに示すとおり、配合2E及び4Bの3/16インチ(約0.5cm)の層は、低音多湿環境において最も速い乾燥時間を示し、その後に配合1A及び3Aが続いた。第2層が必要な場合、配合1A、2E、3A及び4Bの第1層は5〜12.5時間で準備が完了した。一方、配合LW及び配合APの厚塗り層は、24時間経っても第2層の受け入れ準備が整わなかった。
【0169】
図37A〜37Cは、本発明の接合化合物と薄塗り層(約1/16インチ(約0.2cm))用の従来の接合化合物と比較し、蒸発した水分の百分率(Y軸)を、(X軸)に沿って表す経過乾燥時間に対して表示した乾燥プロファイルを示す。
図37Aは適度な環境、例えば75°F、相対湿度50%における乾燥プロファイルを示す。
図37Bは高温乾燥環境、例えば95°F、相対湿度10%における乾燥プロファイルを示す。
図37Cは低温多湿環境、例えば40°F、相対湿度80%における乾燥プロファイルを示す。
【0170】
薄塗り層(約1/16インチ(約0.2cm))は様々な用途、例えば入隅の仕上げ上の第1層又は第2層;平らな接合部の第1、第2、又は第3の仕上げ層;直角端部の突合せ接合部上の第3層;及び留め具上の第1、第2、又は第3層、を代表する。
【0171】
図37Aに示すとおり、配合1A、2E、3A及び4Bの1/16インチ(約0.2cm)の層は、適度な環境において同様の乾燥プロファイルを示す。第2層が必要な場合、配合1A、2E、3A及び4Bの第1層は0.5〜2時間未満で準備が完了した。一方、配合LW及び配合APの薄塗り層は約3.5〜10時間で第2層の受け入れ準備が整った。
【0172】
図37Bに示すとおり、配合1A、2E、3A及び4Bの1/16インチ(約0.2cm)の層は、高温乾燥環境において同様の乾燥プロファイルを示す。第2層が必要な場合、配合1A、2E、3A及び4Bの第1層は1時間以内に準備が完了した。一方、配合LW及び配合APの薄塗り層は約1.5〜2時間超で第2層の受け入れ準備が整った。
【0173】
図37Cに示すとおり、配合1A、2E、3A及び4Bの1/16インチ(約0.2cm)の層は、低温多湿環境において同様の乾燥時間を示す。第2層が必要な場合、配合1A、2E、3A及び4Bの第1層は0.5〜3時間未満で準備が完了した。一方、配合LW及び配合APの薄塗り層は約7〜10時間超で第2層の受け入れ準備が整った。
【0174】
したがって、この実施例は、本発明の接合化合物は異なる試験環境のそれぞれにおいて、従来の接合化合物よりも速い乾燥プロファイルを有したことを示す。
【0175】
本発明を記述する文脈(特に、以下の請求の範囲の文脈)における、用語「1つの(a)」及び「1つの(an)」及び「前記(the)」及び「1以上の(at least one)」及び同様の参照の使用は、本明細書において特に記載がない限り、もしくは文脈によって明らかに否定されない限り、単数及び複数の両方を包含するものとして理解されるべきである。後続する、1又は複数の要素の列挙を伴う用語「1以上の(at least one)」の使用(例えば「A及びBのうち1以上」)は、本明細書において特に記載がない限り、もしくは文脈によって明らかに否定されない限り、列挙された要素(A又はB)から選択された1の要素、もしくは列挙された要素(A又はB)のうち2つまたはそれ以上の任意の組み合わせを意味するものとして理解されるべきである。用語「含む(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含む(containing)」は、特に記載がない限り、無制限の用語(「含むが、これらに限定されない」を意味する)として理解されるべきである。本明細書における数値範囲の記載は、本明細書において特に記載がない限り、該範囲に含まれる個別の値をそれぞれ参照するための簡潔な方法として機能することのみを意図されており、個別の値それぞれが記載されているかのように本明細書に包含される。本明細書に記載の全ての方法は、本明細書において特に記載がない限り、もしくは文脈によって明らかに否定されない限り、任意の適切な順序で実行されてよい。本明細書における、任意の、もしくは全ての例、又は例示の表現(例えば「〜のような」)の利用は、本発明をより良く明らかにすることのみが意図され、請求の範囲に特に記載がない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる表現も、請求の範囲に記載がない何らかの要素が、本発明の実施にとって本質的であることを示すものとみなされるべきではない。
【0176】
本発明の好適な実施形態が本明細書において記載され、これには、発明者らによって知られる、本発明を実施する最適な方法が含まれる。これらの好適な実施形態の変形は、上記の説明を読むことにより当業者にとっては明白になり得る。発明者らは、当業者がそのような変形を適宜に用いることを期待する。また、発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されている以外の形で実施されることを意図する。したがって、本発明は、添付の請求の範囲に記載される主題の、適用法により認められるあらゆる変形及び等価物を包含する。更に、本明細書において特に記載がない限り、もしくは文脈によって明らかに否定されない限り、全ての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせが、本発明により包含される。