【文献】
古井 陽之助,Webブラウザ操作の検出・再生技術とそのマーケティングへの応用の検討,情報処理学会研究報告 Vol.2000 No.30,日本,社団法人 情報処理学会,2000年 3月22日,2000-DPS-97 , 2000-CSEC-8,P.73-78
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このようなインタビュー支援システムを使用したインタビューの結果に基づいて、建築設計を行う場合には、顧客がインタビュー支援システムをどのような順番で操作したか、インタビュー支援システムの操作においてどのような試行錯誤があったかなどを確認して、インタビューにおいて顧客が着眼点や重点をおいたポイント、試行錯誤の意味等を探求する必要がある。このためには、顧客がインタビュー支援システムを操作している状態を記録し、表示することが考えられ、この方式にはいくつか考えられる。
【0005】
まず、インタビュー支援システムを操作している状態を表示する動画像を録画し、その動画像をそのまま再生する方式が考えられる。この場合、表示内容が臨場感に溢れるものとなるが、インタビュー支援システムの操作者の操作間違いなどの余計な動作も表示される。また、インタビューを行った部屋や液晶表示画面の反射など、支援システムの操作以外の内容も表示されてしまう。また、インタビュー支援システムのマウスポインタの表示の大きさが小さくなるから、マウスポインタの動きを確認することが困難である。また、インタビュー支援システムを操作している状態をぶれずに撮影するためには、インタビューの現場でのセッティングに手間が掛かる。また、インタビュー支援システムの操作者が選択する内容について迷った場合であれば、試行錯誤の過程を確認することができ、試行錯誤の意味等を探求することができるが、操作者が操作自体に迷った場合(操作迷い)と選択する内容について試行錯誤をする場合(試行錯誤)とを区別することは困難である。
【0006】
ここで、操作迷いとは、インタビュー支援システムの使用中に実行したい操作を操作者が実行するまでの迷いである。この操作迷いの例としては、実行したい操作に対し、インタビュー支援システム内のどこで達成できるかの迷い、実行したい操作に対し、どの機能で達成できるかの迷いがある。インタビュー支援システム内のどこで達成できるかの迷いは、具体的には、メニュー構成や選択ウィンドウ内のどこに何があったか覚えきれず、何度か開いたりすることで、実行したい操作がどこで実行できるかを繰り返す様子である。このような操作迷いは、習熟操作(説明後述)でのインタビュー支援システムの全体像を把握するための操作が不十分な場合、インタビュー支援システムのメニュー構成や分類が明確でない場合、メニュー数や分類が膨大な場合などに起きてしまう。また、どの機能で達成できるかの迷いは、具体的には、機能のどこを操作すれば目的の操作が達成できるか迷う様子である。このような操作迷いは、習熟操作でのインタビュー支援システムの機能を把握するための操作が不十分な場合、インタビュー支援システムの機能の分類や変更可能な箇所が膨大な場合、機能の実行が完成するまでのインタビュー支援システムの階層が深すぎる場合などに起きてしまう。
【0007】
これに対して、試行錯誤とは、インタビュー支援システムを使用しながら、完成形に一番近づくための試行錯誤である。試行錯誤の例としては、たとえば操作を実行しながら、全体を確認する様子がある。具体的には、色を変更させる等の操作をしながら、自分の思い描くイメージや表現に最も近い完成形に近づけるための変更を繰り返す操作や、配置モード(説明後述)やパースモード(説明後述)の切替や、全体表示や拡大、縮小などの視点の変更等を実行しながら、全体を確認して操作を進める様子である。
【0008】
このため、インタビュー支援システムを操作している状態の全てを克明に記録することが考えられるが、この場合には記録容量を極めて大きくする必要がある。また、インタビュー支援システムの操作者には、通常インタビュー支援システムに不慣れな者が想定され、インタビュー支援システムについて習熟操作や操作迷いなどの操作がなされた場合には、顧客が着眼点や重点をおいたポイント等を探求することが困難となる。
【0009】
ここで、習熟操作とは、インタビュー支援システムを実際に使用する前に、インタビュー支援システムの全体像や機能を把握するための操作である。インタビュー支援システムの全体像を把握するための操作は、具体的には、各パーツを格納する一覧表示であるメニュー構成や選択ウィンドウを試しに開く等、どこに何の機能があるのかを把握するための操作である。ここで、選択ウィンドウの例としては、赤、青、黄等の色がパレット状に並んでおり、色を選択することでその色に変更可能な選択ウィンドウがある。また、インタビュー支援システムの機能を把握するための操作は、具体的には、メニュー内のたとえば色を選択する選択ウィンドウから試しに選択し、色のパレット状の一覧を確認することにより、その種類やバリエーションを確認し把握する操作や、どのような操作を行えば色のパレット状の一覧の中から色を変更できるかを把握するための操作、たとえばマウスのカーソルを選択したい色の上にのせてクリックする等の操作である。
【0010】
つぎに、操作者が動作したタイミングごとに動画像を記録し、所定の動作と次の動作との間の時間を10分の1に圧縮して記録し、あるいは所定の動作と次の動作との間の時間をたとえば0.5秒に固定して記録することが考えられる。この場合、記録容量を小さくすることができるが、やはり操作者が操作自体に迷った場合(操作迷い)と選択する内容について試行錯誤をする場合(試行錯誤)とを区別することは困難である。また、操作者がインタビュー支援システムに不慣れな者であって、実際に操作する前に操作者がどこに何があるのか把握し、操作内容を学習するとき(習熟操作)には、その学習風景も記録されるから、最初から動画像を再生すると、最初の習熟操作の状況から再生されてしまい、試行錯誤の記録を思い出すことができず、貴重なヒアリングの時間に不要な時間が割かれてしまう問題や、試行錯誤の過程以外に焦点が当たってしまい、意識が散ってしまう問題がある。
【0011】
さらに、操作者が動作したタイミング毎にではなく、操作者による入力毎に画像データを記録すること、すなわち入力毎画像データを記録することが考えられる。この場合、操作迷いなどの余計な動作が表示されることがない。しかし、入力毎画像データを記録した順番に入力毎画像が表示されるから、所望の入力毎画像をすぐに表示させることができない。このため、インタビューにおいて顧客が着眼点や重点をおいたポイント、試行錯誤の意味等を探求することが難しい。
本発明は上述の課題を解決するためになされたもので、インタビューにおいて顧客が着眼点や重点をおいたポイント、試行錯誤の意味等を探求することが容易である記録表示システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この目的を達成するため、発明の実施態様は、インタビュー支援システムの操作状態を記録、表示する記録表示システムにおいて、入力装置と、表示制御装置と、表示装置とを有し、上記表示制御装置は、画像データ記録制御部と、画像表示制御部と、記録部とを有し、上記画像データ記録制御部は、上記インタビュー支援システムにおいて入力操作が行われる毎の上記インタビュー支援システムの画面画像データ
を入力毎画像データ
として取得する画像データ取得部と、各上記入力毎画像データに画像特定符号を付与し、上記画像特定符号に関連付けて上記入力毎画像データを上記記録部に記録
する符号付与部と、上記画像表示制御部は、
出力指示画像データを保持する出力指示画像データ保持部と、上記出力指示画像データによる出力指示画像を用いて指定された上記画像特定符号に応じた上記入力毎画像データを検索する画像データ検索部と、上記
画像データ検索部によって検索された上記入力毎画像データによる入力毎画像を上記表示装置に表示
する表示装置制御部とを有し、上記出力指示画像が表示される出力指示画像表示領域に、バーと、上記入力装置操作によって上記バー上を移動するスライダと、上記バー近傍に設けられた目盛とが表示され、上記画像データ取得部が、上記入力毎画像データを取得した時点から次の上記入力毎画像データを取得した時点までの入力間隔時間を計測して、上記入力間隔時間を記録し、上記表示装置制御部が上記目盛の間隔を上記入力間隔時間に比例した間隔にすることを特徴とする。
【0013】
また、発明の実施態様は、上記画像データ記録制御部が、上記入力毎画像データを取得した時点から次の上記入力毎画像データを取得した時点までの入力間隔時間を計測して、上記入力間隔時間を記録し、上記画像表示制御部が、上記入力毎画像の表示が終了してから次の上記入力毎画像の表示が開始されるまでの画像間隔時間を、上記入力間隔時間に比例した時間とすることを特徴とする。
【0014】
また、発明の実施態様は、上記画像データ記録制御部は、上記インタビュー支援システムにおいて入力操作が行われる毎の画面画像データを入力毎画像データとして取得する画像データ取得部と、各上記入力毎画像データに画像特定符号を付与し、上記画像特定符号に関連付けて入力毎画像データを上記記録部に記録させる符号付与部とを有することを特徴とする。
【0015】
また、発明の実施態様は、上記画像表示制御部は、出力指示画像データを保持する出力指示画像データ保持部と、上記出力指示画像データによる出力指示画像によって指定された上記画像特定符号に応じた入力毎画像データを検索する画像データ検索部と、上記画像データ検索部によって検索された入力毎画像データによる入力毎画像を上記表示装置に表示する表示装置制御部とを有することを特徴とする。
【0016】
また、発明の実施態様は、上記出力指示画像が表示される出力指示画像表示領域に、バーと、上記入力装置操作によって上記バー上を移動するスライダと、上記バーの近傍に設けられた目盛とが表示され、上記画像データ取得部が、上記入力毎画像データを取得した時点から次の上記入力毎画像データを取得した時点までの入力間隔時間を計測して、上記入力間隔時間を記録し、上記表示装置制御部が上記目盛の間隔を上記入力間隔時間に比例した間隔にすることを特徴とする。
【0017】
また、発明の実施態様は、上記表示装置制御部が、上記スライダの近傍に、上記スライダの位置に応じた数字を表示することを特徴とする。
また、発明の実施態様は、上記表示装置の表示画面に、再生速度を選択するための再生速度選択ボタンを設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る記録表示システムにおいては、インタビュー支援システムにおいて入力操作が行われる毎の画面画像データである入力毎画像データのみを取得し、また任意の入力毎画像を表示装置に表示することができるから、所望の入力毎画像をすぐに表示させることができる。このため、インタビューにおいて顧客が着眼点や重点をおいたポイント、試行錯誤の意味等を探求することが容易である。
【0019】
また、画像間隔時間を入力間隔時間に比例した時間としたときには、インタビュー支援システムの操作者はどの入力をする場合に長時間考えたかを知ることができるから、インタビューにおいて顧客が着眼点や重点をおいたポイント、試行錯誤の意味等を探求することがより容易となる。
また、出力指示画像の目盛の間隔を入力間隔時間に比例した間隔にしたときには、再生時に入力毎画像を容易に選択することができる。また、出力指示画像のスライダの近傍に、スライダの位置に応じた数字を表示したときには、どの入力毎画像を再生しているのかが明確になる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
まず、施設計画を予定する顧客をインタビュー対象者とするインタビューにおいて使用するインタビュー支援システムを
図1により説明する。
インタビュー支援システム10は、マウス、キーボード、タッチインターフェース等の入力装置1、制御装置2、表示装置3を有する。制御装置2はCPU、ROM、RAM等を有するコンピュータによって構成されている。
【0022】
制御装置2は、設計空間データ保持部21、物品画像データ保持部22、物品画像配置部23、設計空間変更部24、物品画像変更部25、結果保存部26、操作画面データ保持部27、表示制御部28を有する。
設計空間データ保持部21は、施設計画を行う設計空間を表す設計データを記録保持する。物品画像データ保持部22は、設計空間に配置する物品の画像データである物品画像データを記録保持する。物品画像配置部23は、入力装置1からの操作入力に従って、表示装置3に表示された設計空間に物品画像を配置する。設計空間変更部24は、入力装置1からの操作入力に従って、表示装置3に表示された設計空間を構成する構成要素を変更する。ここで、設計空間を構成する構成要素とは、たとえば壁、天井、床、壁に設けられる窓などの開口部、天井に設けられる照明、壁等の材質、壁等の色である。物品画像変更部25は、入力装置1からの操作入力に従って、物品画像配置部23によって配置された物品画像を構成する構成要素を変更する。ここで、物品画像を構成する構成要素とは、たとえば机、椅子等の物品画像の形状、材質、色である。結果保存部26は一連の操作結果を記録保存する。操作画面データ保持部27は、操作画面(説明後述)の画面データを記録保持する。表示制御部28は設計空間を示す画像と結果保存部26に記録保存された一連の操作の結果を示す画像とが合成された結果表示画像の画面を選択するための結果表示画面選択画面と操作画面とを、入力装置1からの操作入力に従って、表示装置3に切り替えて表示する。
【0023】
図1に示したインタビュー支援システム10の表示装置3に表示される操作画面の一例を
図2により説明する。操作画面には壁(1)〜壁(4)に関しては「色」、「開口部」、「出入口」が表示され、床に関しては「材質」、「色」が表示され、天井に関しては「色」、「照明」が表示されており、壁(1)の「色」等の領域31〜46をマウスでクリックすると、壁(1)〜壁(4)の色、開口部、出入口、床の材質、色、天井の色、照明の選択画面に切り替わる。たとえば壁(1)〜壁(4)の色の領域34、37、40をマウスでクリックするもの色の選択画面には、複数の色が表示されている。
【0024】
結果表示画面選択画面の一例を
図3により説明する。結果表示画面選択画面には「配置モード」の領域51と「パースモード」の領域52とが設けられている。そして、領域51をマウスでクリックすると、
図4に示すような、結果表示画像を配置モードで表示する配置モード表示画面に切り替わる。ここで、「配置モード」とは、設計空間を二次元表示するモードである。また、配置モード表示画面には、結果表示画像表示領域61、「全体表示」の領域62、「拡大」の領域63、「縮小」の領域64、「操作画面へ」の領域65が設けられている。また、結果表示画面選択画面の領域52をマウスでクリックすると、結果表示画像をパースモードで表示するパースモード表示画面(図示せず)に切り替わる。ここで、「パースモード」とは、設計空間を三次元表示するモードである。また、パースモード表示画面においては、軸測投影図法(アクソノメトリック)、斜投影図法、透視図法等による結果表示画像を選択することができ、また結果表示画像における目線を変更することができる。
【0025】
このインタビュー支援システム10においては、入力装置1からの操作入力に従って、表示制御部28が表示装置3の表示画面を結果表示画像の画面に切り替えた場合には、入力装置1からの操作入力に従って、物品画像配置部23が表示装置3に表示された設計空間に物品画像を配置し、設計空間変更部24が表示装置3に表示された設計空間を構成する構成要素を変更し、物品画像変更部25が物品画像配置部23によって配置された物品画像を構成する構成要素を変更する。
【0026】
そして、入力装置1からの操作入力に従って、表示制御部28が表示装置3の表示画面を操作画面に切り替えた状態で、操作者がたとえば領域31をマウスでクリックすると、壁(1)の色の選択画面に切り替わる。そして、選択画面の色が表示された領域、たとえば緑色が表示された領域をマウスでクリックすると、緑色が表示された領域の枠部分の色が変化する。この状態で、選択画面の他の色例えば青色が表示された領域をマウスでクリックすると、緑色が表示された領域の枠部分の色が元に戻り、青色が表示された領域の枠部分の色が変化する。このようにして、操作者が最終的に壁(1)の色を決めて、選択画面の「決定」の領域をマウスでクリックすると、結果保存部26は操作者が決定した壁(1)の色、すなわち選択画面の「決定」の領域がマウスでクリックされたときに選択されていた色を記録する。この場合、表示装置3の画面が壁(1)の色の選択画面から操作画面に切り替わる。つぎに、操作者がたとえば領域34をマウスでクリックすると、壁(2)の色の選択画面に切り替わり、同様に壁(2)の色を決定することができる。このようにして、壁(1)〜壁(4)の色、開口部、出入口、床の材質、色、天井の色、照明を決定することができる。そして、どの時点においても、操作者が入力装置1により結果表示画面選択画面を選択し、さらに配置モード、パースモードのいずれかを選択すると、設計空間を示す画像とその時点において結果保存部26に記録保存された一連の操作の結果を示す画像とが合成された結果表示画像が、表示装置3の表示画面に表示されるから、操作者は現在における一連の操作の結果を確認することができる。
【0027】
すなわち、操作者が入力装置1により結果表示画面選択画面を選択すると、表示装置3に
図3に示す結果表示画面選択画面が表示される。この状態で、操作者がたとえば領域51をマウスでクリックすると、
図4に示す配置モード表示画面に切り替わる。この場合、結果表示画像表示領域61に結果表示画像が配置モードで表示される。そして、操作者が例えば結果表示画像表示領域61の特定点にカーソルが存在する状態でマウスをクリックした後に、領域63をマウスでクリックすると、結果表示画像が上記の特定点を中心として拡大される。この状態で、操作者が例えば領域62をマウスでクリックすると、結果表示画像の全体が結果表示画像表示領域61に表示される。そして、領域65をマウスでクリックすると、
図2に示す操作画面に切り替わる。
【0028】
つぎに、本発明の実施の形態に係る記録表示システム、すなわち
図1〜
図4により説明したインタビュー支援システム10の操作状態を記録、表示する記録表示システムを
図5により説明する。
記録表示システムは、入力装置101、表示制御装置102、表示装置103を有する。表示制御装置102はCPU、ROM、RAM等を有するコンピュータによって構成されている。
【0029】
表示制御装置102は、画像データ記録制御部111、画像表示制御部112、記録部113を有する。画像データ記録制御部111は画像データ取得部1111、符号付与部1112を有する。画像表示制御部112は、出力指示画像データ保持部1121、画像データ検索部1122、表示装置制御部1123を有する。
画像データ記録制御部111は、インタビュー支援システム10において入力操作が行われる毎のインタビュー支援システム10の表示装置3の表示画面の画面画像データである複数の入力毎画像データを記録部113に記録する。画像表示制御部112は、入力装置101からの操作入力により指定された入力毎画像データによる入力毎画像を表示装置103に表示する。
【0030】
画像データ取得部1111は、インタビュー支援システム10の操作者が入力装置1の入力操作を行う毎のインタビュー支援システム10の表示装置3の表示画面の画面画像データを入力毎画像データとして取得する。すなわち、画像データ取得部1111は、インタビュー支援システム10の操作者が操作画面および選択画面の所定の領域を入力装置1のマウスでクリックしたとき、そのクリックによって変化した操作画面、選択画面の画面画像データを入力毎画像データとして取得する。たとえば、インタビュー支援システム10の操作者が操作画面の領域31をクリックし、その結果壁(1)の色の選択画面に切り替わったとき、画像データ取得部1111は、壁(1)の色の選択画面の画面画像データを入力毎画像データとして取得する。符号付与部1112は、各入力毎画像データに画像特定符号を付与し、画像特定符号に関連付けて入力毎画像データを記録部113に記録する。
【0031】
出力指示画像データ保持部1121は、出力指示画像データすなわち表示装置103に表示される出力指示画像(説明後述)のデータを保持する。画像データ検索部1122は、出力指示画像を用いて指定された入力毎画像データを検索する。表示装置制御部1123は、再生ボタン137(説明後述)がマウスでクリックされたとき、画像データ検索部1122によって検索された入力毎画像データによる入力毎画像を表示装置103に表示する。
【0032】
図6により表示装置103の表示画面について説明する。表示装置103の表示画面には入力毎画像が表示される入力毎画像表示領域131と出力指示画像が表示される出力指示画像表示領域132とが設けられている。出力指示画像表示領域132には、バー133、目盛134、スライダ135、再生ボタン136、停止ボタン137が表示されている。目盛134の数は、特定のインタビューについて記録部113に記録された入力毎画像データの数と同一である。また、入力装置101のマウスの操作によって、スライダ135をバー133上に移動することができる。そして、画像データ検索部1122は、スライダ135の位置から画像特定符号を判断し、その画像特定符号に対応する入力毎画像データを検索する。すなわち、画像データ検索部1122は、出力指示画像データによる出力指示画像を用いて指定された画像特定符号に応じた入力毎画像データを検索する。
【0033】
つぎに、
図5に示した記録表示システムの記録動作について説明する。インタビュー支援システム10において、操作者がたとえば領域31を入力装置1のマウスでクリックすると、壁(1)の色の選択画面に切り替わる。この場合、画像データ取得部1111は、壁(1)の色の選択画面の画面画像データを入力毎画像データとして取得する。そして、符号付与部1112は、この入力毎画像データにたとえば「A01」の画像特定符号を付与し、付与した画像特定符号「A01」に関連付けて入力毎画像データを記録部113に記録させる。つぎに、たとえば壁(1)の色の選択画面の色が表示された領域、たとえば緑色が表示された領域をマウスでクリックすると、緑色が表示された領域の枠部分の色が変化する。この場合、画像データ取得部1111は、緑色が表示された領域の枠部分の色が変化した選択画面の画面画像データを入力毎画像データとして取得する。そして、符号付与部1112は、この入力毎画像データにたとえば「A02」の画像特定符号を付与し、付与した画像特定符号「A02」に関連付けて入力毎画像データを記録部113に記録させる。この状態で、選択画面の他の色例えば青色が表示された領域をマウスでクリックすると、緑色が表示された領域の枠部分の色が元に戻り、青色が表示された領域の枠部分の色が変化する。この場合、画像データ取得部1111は、緑色が表示された領域の枠部分の色が元に戻り、青色が表示された領域の枠部分の色が変化した選択画面の画面画像データを入力毎画像データとして取得する。そして、符号付与部1112は、この入力毎画像データにたとえば「A03」の画像特定符号を付与し、付与した画像特定符号「A03」に関連付けて入力毎画像データを記録部113に記録させる。つぎに、操作者がたとえば選択画面の「決定」の領域をマウスでクリックすると、表示装置3の画面が壁(1)の色の選択画面から操作画面に切り替わる。この場合、画像データ取得部1111は、操作画面の画面画像データを入力毎画像データとして取得する。そして、符号付与部1112は、この入力毎画像データにたとえば「A04」の画像特定符号を付与し、付与した画像特定符号「A04」に関連付けて入力毎画像データを記録部113に記録させる。
【0034】
つぎに、操作者が入力装置1により結果表示画面選択画面を選択すると、表示装置3に結果表示画面選択画面が表示される。この場合、画像データ取得部1111は、結果表示画面選択画面の画面画像データを入力毎画像データとして取得する。そして、符号付与部1112は、この入力毎画像データにたとえば「A05」の画像特定符号を付与し、付与した画像特定符号「A05」に関連付けて入力毎画像データを記録部113に記録させる。つぎに、操作者がたとえば領域51をマウスでクリックすると、配置モード表示画面に切り替わる。この場合、画像データ取得部1111は、配置モード表示画面の画面画像データを入力毎画像データとして取得する。そして、符号付与部1112は、この入力毎画像データにたとえば「A06」の画像特定符号を付与し、付与した画像特定符号「A06」に関連付けて入力毎画像データを記録部113に記録させる。このようにして、画像データ記録制御部111は、インタビュー支援システム10の操作者が入力装置1により入力操作を行う毎の画面画像データである複数の入力毎画像データを記録部113に記録する。
【0035】
つぎに、
図5に示した記録表示システムの表示動作について説明する。たとえば、スライダ135が
図6に図示する位置のときには、画像データ検索部1122は、スライダ135の位置から画像特定符号が「A04」と判断し、画像特定符号「A04」が付与された入力毎画像データを検索する。この状態で、再生ボタン136が入力装置101のマウスでクリックされると、表示装置制御部1123は、画像特定符号「A04」が付与された入力毎画像データによる入力毎画像を表示装置103にたとえば1秒間表示し、0.5秒後に画像特定符号「A05」が付与された入力毎画像データによる入力毎画像を表示装置103に1秒間表示し、0.5秒後に画像特定符号「A06」が付与された入力毎画像データによる入力毎画像を表示装置103に1秒間表示し、以降同様にする。したがって、スライダ135が一番左の目盛134に位置している状態で、再生ボタン136がマウスでクリックされると、一番目に記録した入力毎画像(画像特定符号「A01」が付与された入力毎画像データによる入力毎画像)が表示装置103に表示され、その後停止ボタン137がマウスでクリックされるまで、記録した順番に入力毎画像が表示装置103に表示される。そして、入力毎画像を再生している途中で、停止ボタン137をマウスでクリックし、たとえばスライダ135を
図6に図示する位置に移動して、再生ボタン136をマウスでクリックすると、画像特定符号「A04」が付与された入力毎画像データによる入力毎画像が表示装置103に表示され、その後停止ボタン137がマウスでクリックされるまで、記録した順番に入力毎画像が表示装置103に表示される。したがって、操作者は、スライダ135を移動することにより、任意の入力毎画像を表示装置103に表示することができる。
【0036】
このように、
図5に示した記録表示システムにおいては、操作者の入力状態を示す入力毎画像データのみを取得するから、記録すべきデータ量が少なくなるので、記録容量を大きくする必要がなく、また操作間違いや学習における試行錯誤などが表示されず、また画面サイズに囚われずに入力動作の最初から最後までを表示することが可能である。また、スライダ135を移動することにより、任意の入力毎画像を表示装置103に表示することができるから、所望の入力毎画像をすぐに表示させることができるので、インタビューにおいて顧客が着眼点や重点をおいたポイント、試行錯誤の意味等を探求すること容易である。
【0037】
さらに、
図5に示した記録表示システムにおいては、操作者が結果表示画像を確認するときに、配置モード、パースモードのどちらを選択したか、配置モードで結果表示画像を確認するときに、どの部分を拡大して確認したか、パースモードで結果表示画像を確認するときに、どのような目線で確認したかなどを知ることができるから、顧客が着眼点や重点をおいたポイント等を探求することが容易となる。
【0038】
なお、インタビュー支援システムを実際に使用する場合に、入力操作が行われる毎のインタビュー支援システムの画面画像データである複数の入力毎画像データを記録部113に記録し、また操作画面、結果表示画面等の画面切替操作を行ったときの画面画像データを記録部113に記録せず、操作画面における色の決定操作、配置モード表示画面における拡大の決定操作等の決定操作を記録部113に記録すれば、習熟操作における入力操作、操作迷いに起因する入力操作を示す画面画像データが記録部113に記録されず、試行錯誤に起因する入力操作を示す画面画像データが記録部113に記録されるから、ヒアリング時間をより有効に活用することができる。
【0039】
また、上述実施の形態においては、画像データ取得部1111は、インタビュー支援システム10の操作者が操作画面および選択画面の所定の領域を入力装置1のマウスでクリックしたとき、そのクリックによって変化した操作画面、選択画面の画面画像データを入力毎画像データとして取得したが、インタビュー支援システムの入力装置のキーボードによって文字、数字が入力されたときに、エンター(Enter)キーが押された時点で文字、数字が確定するようにし、画像データ記録制御部の画像データ取得部が、表示装置の選択画面に確定した文字、数字が表示されたときに、その選択画面の画面画像データを入力毎画像データとして取得してもよい。
【0040】
また、上述実施の形態においては、表示装置制御部1123は、入力毎画像を表示装置103にたとえば1秒間表示し、0.5秒後に次の入力毎画像を表示装置103に表示したが、画像データ記録制御部の画像データ取得部が、入力毎画像データを取得した時点から次の入力毎画像データを取得した時点までの入力間隔時間を計測して、その入力間隔時間を記録し、画像表示制御部の表示装置制御部が、入力毎画像の表示が終了してから次の入力毎画像の表示が開始されるまでの画像間隔時間を、入力間隔時間に比例した時間、たとえば入力間隔時間の10分の1の時間としてもよい。この場合には、インタビュー支援システム10の操作者はどの入力をする場合に長時間考えたかを知ることができるから、インタビューにおいて顧客が着眼点や重点をおいたポイント、試行錯誤の意味等を探求することがより容易となる。
【0041】
また、上述実施の形態においては、目盛134の間隔を等間隔としたが、画像データ記録制御部の画像データ取得部が、入力毎画像データを取得した時点から次の入力毎画像データを取得した時点までの入力間隔時間を計測して、その入力間隔時間を記録し、画像表示制御部の表示装置制御部が、表示装置の表示画面の出力指示画像表示領域に示される目盛の間隔を、入力間隔時間に比例した間隔にしてもよい。この場合には、再生時に入力毎画像を容易に選択することができる。
【0042】
また、表示装置制御部1123が、スライダ135の近傍に、スライダ135の位置に応じた数字を表示してもよい。この場合には、どの入力毎画像を再生しているのかが明確になる。また、表示装置103の表示画面に、再生速度(等速、2倍速、4倍速、16倍速等)を選択するための再生速度選択ボタンを設けてもよい。ここで、たとえば等速が上述の如く入力毎画像を表示装置103に1秒間表示し、0.5秒後に次の入力毎画像を表示装置103に表示するときには、2倍速では、入力毎画像を表示装置103に0.5秒間表示し、0.25秒後に次の入力毎画像を表示装置103に表示する。
【0043】
また、上述実施の形態においては、画像表示制御部112は、表示装置103に表示され、かつ入力装置101からの操作入力に従って移動するスライダ135の位置に応じて指定された入力毎画像データによる入力毎画像を表示装置103に表示したが、表示装置103の表示画面に並べられた複数の領域のうちの1つを入力装置101のマウスでクリックすることにより指定された入力毎画像データによる入力毎画像を表示装置103に表示してもよい。
また、表示装置としてマルチタッチディスプレイを用いることができる。この場合、数1式(R:解像度、L:バー133の長さ、n:入力毎画像データの数)により算出されたxが22[d]以上の場合には、目盛134を表示し、上記xが22[d]未満の場合には、目盛134を表示しないようにしてもよい。
【0045】
また、上述実施の形態においては、制御装置2と表示制御装置102とを別に設けたが、制御装置2と表示制御装置102とを同一のコンピュータによって構成してもよい。また、上述実施の形態においては、表示装置3と表示装置103とを別に設けたが、表示装置3と表示装置103とを共通としてもよい。
【0046】
本発明の範囲は、図示され記載された例示的な実施の形態に限定されるものではなく、本発明が目的とするものと均等な効果をもたらすすべての実施の形態をも含む。さらに、本発明の範囲は、各請求項により画される発明の特徴の組み合わせに限定されるものではなく、すべての開示されたそれぞれの特徴のうち特定の特徴のあらゆる所望する組み合わせによって画されうる。