(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5905780
(24)【登録日】2016年3月25日
(45)【発行日】2016年4月20日
(54)【発明の名称】粉末計量排出具
(51)【国際特許分類】
B65D 47/20 20060101AFI20160407BHJP
B65D 83/06 20060101ALI20160407BHJP
【FI】
B65D47/20 A
B65D83/06 N
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-133636(P2012-133636)
(22)【出願日】2012年6月13日
(65)【公開番号】特開2013-256319(P2013-256319A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2015年5月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000228442
【氏名又は名称】日本クロージャー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100075177
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 尚純
(74)【代理人】
【識別番号】100113217
【弁理士】
【氏名又は名称】奥貫 佐知子
(72)【発明者】
【氏名】杉山 尚
【審査官】
谿花 正由輝
(56)【参考文献】
【文献】
実開昭63−017052(JP,U)
【文献】
特開2003−040308(JP,A)
【文献】
特開2002−255211(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3109902(JP,U)
【文献】
米国特許第02898010(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 47/20,
B65D 83/06
A47G 19/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉末を計量して排出するための粉末計量排出具にして、
粉末を収容した容器に装着される本体、該本体に装着される計量部材、及び該本体に装着される蓋部材を具備し、
該本体は円筒壁を有し、該円筒壁には少なくとも1個の流通開口が形成され、該円筒壁の外周面上端部には雄螺条が形成され、該円筒壁の内周面には拘束手段が形成されており、
該計量部材は該本体の該円筒壁の内径よりも小さい外径を有する有底円筒壁を有し、該有底円筒壁の上部には少なくとも1個の流入開口が形成され、該有底円筒壁の外周面には被拘束手段が形成されており、
該蓋部材は天面壁及び該天面壁から垂下するスカート壁を有し、該スカート壁の内周面には雌螺条が形成され、該天面壁の内面には少なくとも下端部は該有底円筒壁の上部内周面より若干内側に位置する外周縁を有する少なくとも1個の摺り切り片と共に該本体の該円筒壁の上部内周面よりも内側に位置し、該有底円筒壁の内周面よりも外側に位置する外周縁を有する少なくとも1個の押し下げ片が付設されており、
該計量部材は、該流入開口と該流通開口とを軸線方向において少なくとも部分的に整合せしめて、該本体内に配設され、該被拘束手段が該拘束手段に当接せしめられる上昇位置に弾性手段によって弾性的に偏倚され、該上昇位置においては該流入開口の下端が該流通開口の上端よりも上方に位置し、
該蓋部材は、該スカート壁の該雌螺条を該本体の該雄螺条に螺合せしめて該本体に装着され、該摺り切り片は該計量部材の該有底円筒壁内に進入せしめられて下端が該流入開口の下端に整合して位置し、該押し下げ片は該計量部材の上端縁に作用して該弾性手段の弾性偏倚作用に抗して該有底円筒壁を下降位置に強制し、該下降位置においては該流入開口の下端が該流通開口の上端よりも下方に位置する、
ことを特徴とする粉末計量排出具。
【請求項2】
該摺り切り片と該押し下げ片とは該天面壁から垂下する垂下片として一体に形成されており、該垂下片の上部が該押し下げ片を構成し該垂下片の下部が該摺り切り片を構成する、請求項1記載の粉末計量排出具。
【請求項3】
該垂下片は中心軸線から等角度間隔をおいて放射状に複数個形成されている、請求項2記載の粉末計量排出具。
【請求項4】
該計量部材の該有底円筒壁の底下面には該弾性手段が一体に形成されており、該弾性手段は該底下面から下方に延びる螺旋状弾性部と該弾性部の先端に連結された環状部とから構成されており、該本体の該円筒壁の内周面下部には半径方向内方に突出する突条が形成されており、該弾性手段の該環状部が該突条に当接せしめられ、下方への移動が拘束される、請求項1から3までのいずれかに記載の粉末計量排出具。
【請求項5】
該流通開口及び該流入開口は、夫々、周方向に等間隔をおいて複数個形成されている、請求項1から4までのいずれかに記載の粉末計量排出具。
【請求項6】
該本体の該拘束手段は該円筒壁の内周面における該流通開口よりも上方に配設された下方を向いた環状肩面から構成され、該計量部材の該被拘束手段は該有底円筒壁の外周面における該流入開口の下端に整合せしめて或いはこれより下方に配設された環状突起から構成されている、請求項1から5までのいずれかに記載の粉末計量排出具。
【請求項7】
該計量部材の該環状突起には周方向に少なくとも一つの凹部が形成されており、該円筒壁の内周面には周方向に少なくとも一つの凸部が形成され、該凸部は軸線方向に延びており、該凸部と該凹部との協働によって該本体に対する該計量部材の回転が阻止される請求項6記載の粉末計量排出具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉末ココアの如き粉末を収容した容器に適用される、粉末を計量して排出するための粉末計量排出具に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、容器に収容されている内容物を計量して排出することができる計量排出具が開示されている。この計量排出具は中栓、計量カップ及び開閉板付きキャップから構成されており、開閉板を閉位置にせしめた状態で容器を倒立状態にせしめると、計量カップ内に内容物が進入する。容器を正立状態に戻した後に開閉板を開動せしめると計量カップ内が容器内と遮断され、従って計量カップ内に進入した内容物のみを排出することができる。
【0003】
また、下記特許文献2にも、容器に収容されている内容物を計量して排出することができる計量排出具が開示されている。この計量排出具は板底部材、注出キャップ、作動部材、押し込み部材及び外キャップから構成されており、外キャップを上昇せしめると作動部材が上昇せしめられ、これによって底板部材と注出キャップとによって区画された計量室内と容器内との連通を阻止していた弁手段が解放され、従って容器を倒立せしめることによって計量室内に内容物が進入する。次いで、外キャップを離脱せしめて押し込み部材を操作して作動部材を押し下げると、計量室内と外部とを阻止していた弁手段が下降され、従って計量室内に進入した内容物のみを排出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実願昭61−109071号のマイクロフィルム
【特許文献2】特許第4753233号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
而して、上記特許文献1に開示されているとおりの計量排出具には、特に容器の内容物が粉末である場合、計量カップ内に進入した内容物を適切に排出することができない、計量カップ内に進入する内容物量を充分精密に規制することができない、という問題がある。また、上記特許文献2に開示されている通りの計量排出具には、容器の内容物が粉末である場合、計量室内に適切に粉末を進入せしめることができず、そしてまた計量室内に侵入した粉末を排出することが実質上不可能である、という問題がある。
【0006】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、粉末を収容した容器に適用され、容器内の粉末を適切に計量して排出することができる、新規且つ改良された粉末計量排出具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によれば、上記主たる技術的課題を達成する粉末計量排出具として、粉末を計量して排出するための粉末計量排出具にして、
粉末を収容した容器に装着される本体、該本体に装着される計量部材、及び該本体に装着される蓋部材を具備し、
該本体は円筒壁を有し、該円筒壁には少なくとも1個の流通開口が形成され、該円筒壁の外周面上端部には雄螺条が形成され、該円筒壁の内周面には拘束手段が形成されており、
該計量部材は該本体の該円筒壁の内径よりも小さい外径を有する有底円筒壁を有し、該有底円筒壁の上部には少なくとも1個の流入開口が形成され、該有底円筒壁の外周面には被拘束手段が形成されており、
該蓋部材は天面壁及び該天面壁から垂下するスカート壁を有し、該スカート壁の内周面には雌螺条が形成され、該天面壁の内面には少なくとも下端部は該有底円筒壁の上部内周面より若干内側に位置する外周縁を有する少なくとも1個の摺り切り片と共に該本体の該円筒壁の上部内周面よりも内側に位置し、該有底円筒壁の内周面よりも外側に位置する外周縁を有する少なくとも1個の押し下げ片が付設されており、
該計量部材は、該流入開口と該流通開口とを軸線方向において少なくとも部分的に整合せしめて、該本体内に配設され、該被拘束手段が該拘束手段に当接せしめられる上昇位置に弾性手段によって弾性的に偏倚され、該上昇位置においては該流入開口の下端が該流通開口の上端よりも上方に位置し、
該蓋部材は、該スカート壁の該雌螺条を該本体の該雄螺条に螺合せしめて該本体に装着され、該摺り切り片は該計量部材の該有底円筒壁内に進入せしめられて下端が該流入開口の下端に整合して位置し、該押し下げ片は該計量部材の上端縁に作用して該弾性手段の弾性偏倚作用に抗して該有底円筒壁を下降位置に強制し、該下降位置においては該流入開口の下端が該流通開口の上端よりも下方に位置する、
ことを特徴とする粉末計量排出具が提供される。
【0008】
好ましくは、該摺り切り片と該押し下げ片とは該天面壁から垂下する垂下片として一体に形成されており、該垂下片の上部が該押し下げ片を構成し該垂下片の下部が該摺り切り片を構成する。該垂下片は中心軸線から等角度間隔をおいて放射状に複数個形成されているのが好都合である。該計量部材の該有底円筒壁の底下面には該弾性手段が一体に形成されており、該弾性手段は該底下面から下方に延びる螺旋状弾性部と該弾性部の先端に連結された環状部とから構成されており、該本体の該円筒壁の内周面下部には半径方向内方に突出する突条が形成されており、該弾性手段の該環状部が該突条に当接せしめられ、下方への移動が拘束されるのが好適である。該流通開口及び該流入開口は、夫々、周方向に等間隔をおいて複数個形成されているのが好都合である。該本体の該拘束手段は該円筒壁の内周面における該流通開口よりも上方に配設された下方を向いた環状肩面から構成され、該計量部材の該被拘束手段は該有底円筒壁の外周面における該流入開口の下端に整合せしめて或いはこれより下方に配設された環状突起から構成されているのが好ましい。該計量部材の該環状突起には周方向に少なくとも一つの凹部が形成されており、該円筒壁の内周面には周方向に少なくとも一つの凸部が形成され、該凸部は軸線方向に延びており、該凸部と該凹部との協働によって該本体に対する該計量部材の回転が阻止されるのが好都合である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の粉末計量排出具によれば、蓋部材を本体に所要とおりに装着した状態において容器を倒立せしめると、流通開口及び流入開口を通して容器内の粉末が計量部材と蓋部材との間に規定される空間に進入する。そして、容器を正立状態に戻した後に、蓋を開口回転方向に回転せしめると、計量部材における流入開口の下端縁を超えてこれよりも上方に存在する過剰な粉末が摺り切り片の作用によって摺り切られ、流入開口及び流通開口を通して容器内に戻される。この際には、蓋部材と共に計量部材も弾性手段の弾性偏倚作用によって上昇せしめられる故に、適切な摺り切り作用が継続して遂行される。蓋部材を更に開方向に回転せしめると、蓋部材の上昇と共に計量部材も上昇せしめられ、流入開口の下端が流通開口の上端よりも上方に位置するようになり、計量部材における流入開口よりも下方の空間に存在する適切に計量された粉末が容器内に戻ることが阻止され、それと共に排出時に容器内に残る粉末が出てくることも阻止される。従って、蓋部材を本体から離脱せしめると、計量部材内に存在する適切に計量された粉末のみを排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明に従って構成された粉末計量排出具の好適実施形態を示す分解斜面図。
【
図2】
図1の粉末計量排出具における本体を、一部を断面で示す正面図。
【
図4】
図1の粉末計量排出具における計量部材を、一部を断面で示す正面図。
【
図6】
図1の粉末計量排出具における蓋部材を、一部を断面で示す正面図。
【
図9】
図1に示す粉末計量排出具を、蓋部材を本体から離脱した状態で示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に従って構成された粉末計量排出具の好適実施形態を図示している添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
【0012】
図1を参照して説明すると、本発明に従って構成された粉末計量排出具は、本体2、計量部材4及び蓋部材6から構成されている。これらの本体2、計量部材4及び蓋部材6は適宜の合成樹脂から成形することができ、例えば本体2はポリエチレンから、計量部材4及び蓋部材6はポリプロピレンから成形することができる。
【0013】
図1と共に
図2及び
図3を参照して説明すると、本体2は円筒壁8を備えている。この円筒壁8には少なくとも1個、好ましくは複数個(図示の実施形態においては4個)、の流通開口10が形成されている。図示の実施形態においては実質上同一形状の流通開口10が等角度間隔をおいて形成されており、流通開口10の各々は円筒壁8の下端部から上方に延在する縦長矩形状である。円筒壁8の外周面上端部には後述する蓋部材6に形成される雌螺条と協働する雄螺条12が形成されている。円筒壁8の内周面には後述する計量部材4に形成される被拘束手段と協働する拘束手段14が配設されている。図示の実施形態における拘束手段14は流通開口10の上端よりも幾分上方に位置する、下方を向いた環状肩面16から構成され、円筒壁8は環状肩面16より上方の縮径内周面17aと環状肩面16より下方の拡径内周面17bから構成されている。円筒壁8の内周面下端部には円筒壁8の半径方向内方に突出する上面が略水平な環状突条18が形成されている。勿論、計量部材4が本体2内に保持可能であれば、肩面16及び突条18は環状に限らず弧状等であっても良い。また、円筒壁8の内周面において隣接する2個の流通開口10間には後述する計量部材4に形成される凹部と協働する凸部20が形成されている。
図2を参照することにより明確に理解される如く、凸部20は流通開口10の軸線方向略中間部より上記肩面16まで軸線方向に延在せしめられている。更に円筒壁8の外周面には流通開口10と雄螺条12の間に容器接続手段22が配設されている。本体2をパウチの開口部に接続するための容器接続手段22自体は本発明に従って構成された粉末計量排出具の新規な特徴を構成するものではなく、当業者には周知の形態でよく、それ故に本明細書においてはその詳細な説明を省略する。
【0014】
図1と共に
図4及び
図5を参照して説明すると、計量部材4は本体2の円筒壁8の内径よりも小さい外径を有する有底円筒壁24を備えている。この有底円筒壁24には少なくとも1個、好ましくは複数個(図示の実施形態においては4個)、の流入開口26が形成されている。図示の実施形態においては実質上同一形状の流入開口26が等角度間隔をおいて形成されており、流入開口26の各々は有底円筒壁24の上端部から下方に延在する矩形状である。有底円筒壁24の外周面には本体2に形成されている上記拘束手段14と協働する被拘束手段28が形成されている。図示の実施形態における被拘束手段28は流入開口26の下端に対応した位置から半径方向外方に水平に突出する環状突起30から構成されている。所望ならば環状突起30は流入開口26の下端よりも幾分下方に配設されることもできる。環状突起30の外周面には、本体2に形成されている上記凸部20と協働する凹部32が等角度間隔をおいて複数個、図示の実施形態においては4個、形成されている。所望ならば、本体2に凹部を形成しこれと協働する凸部を計量部材に形成することもできる。また、図示の実施形態においては、有底円筒壁24の底下面に弾性手段34が一体に形成されている。この弾性手段34は、有底円筒壁24の底下面より下方に延びる螺旋状弾性部36とこの螺旋状弾性部36の先端に形成された環状部38から構成されている。図示の実施形態において、螺旋状弾性部36は180度の間隔をおいて配設された2個の螺旋形状片から構成されている。螺旋状弾性部36の自然長は、計量部材4を後述通りにして本体2内に配設した際の有底円筒壁24の上昇位置及び下降位置の双方において有底円筒壁24を上方に弾性偏倚作用する長さであるのが好都合である。環状部38の外径は本体2の円筒壁8の拡径内周面17bの内径より幾分小さく且つ環状突条18で規定される内径よりも幾分大きい。図示の実施形態においては、弾性手段34は計量部材4と一体に形成されているが、所望ならば弾性手段34と計量部材4を別体に成形してもよい。
【0015】
計量部材4の有底円筒壁24における流入開口26の下端よりも下方の部分は所謂計量室39を構成する。即ち、後に更に言及する如く、有底円筒壁24における流入開口26の下端よりも下方の空間である計量室39のみに流入粉末が制限されて計量され、かように計量された粉末が排出される。
【0016】
図1と共に
図6及び
図7を参照して説明を続けると、蓋部材6は円形天面壁40及びこの天面壁40の外周縁から垂下する円筒形スカート壁42から構成される。スカート壁42の内周面には本体2に形成された雄螺条12と協働する雌螺条44が形成されている。天面壁40の内面には摺り切り片46及び押し下げ片48が形成されていることが重要である。図示の実施形態においては、天面壁40の内面から垂下する複数個、図示の実施形態においては4個、の垂下片50が形成されている。垂下片50の各々は天面壁40の内面から下方に垂下すると共に、
図7の底面図で明確に示されているように、直径方向に延在せしめられ、中心軸線から等角度間隔をおいて夫々放射状に延出している。垂下片50の各々の下部が摺り切り片46を構成し、垂下片50の各々の上部が押し下げ片48を形成する。垂下片50の下部即ち摺り切り片46の外周縁は計量部材4の有底円筒壁24の上部内周面より若干内側に位置し、垂下片50の上部即ち押し下げ片48の外周縁は本体2の円筒壁8の上部内周面よりも内側に位置し、有底円筒壁24の内周面よりも外側に位置する。図示の実施形態においては、摺り切り片46と押し下げ片48は一体で垂下片50として形成されているが、所望ならば摺り切り片46と押し下げ片48を別体で形成してもよい。また、摺り切り片46は、蓋部材6の中心から有底円筒壁24の内周面近傍まで延びる矩形或いは曲面からなる板状片であっても良い。また押し下げ片48を摺り切り片46の外側に環状或いは弧状に形成しても良い。更に、スカート壁42の外周面には蓋部材6に指の滑りを防止するためのナール52が形成されている。
【0017】
更に詳述すると、摺り切り片46は蓋部材6が本体2に装着された際に計量部材4の有底円筒壁24内に進入せしめられて、摺り切り片46の下端が流入開口26の下端に整合するような長さに形成されている。押し下げ片48は計量部材4の上端縁に作用して弾性手段34の弾性偏倚作用に抗して計量部材4を下降位置に強制した際に、流入開口26の下端が流通開口10の上端よりも下方に位置するような長さに形成されている。
【0018】
次に
図1と共に
図8及び
図9を参照して上述した粉末計量排出具の使用様式について説明する。図示の粉末計量排出具においては、容器に適用する前に本体2、計量部材4及び蓋部材6が所用どおりに組み合わされる。
【0019】
上記組み合わせに際し、先ず本体2の内部に計量部材4を配置する。即ち、最初に計量部材4の凹部32と本体2の凸部20を整合せしめて有底円筒壁24及び螺旋状弾性部36を本体2の円筒壁8の下端から挿入せしめ、次いで環状部38を幾分変形せしめながら円筒壁8の下端に形成されている環状突条18を通過させる。環状突条18を通過した環状部38が環状突条18の上面に位置せしめられると、弾性手段34の弾性偏倚作用によって有底円筒壁24が上方に偏倚され、被拘束手段28である環状突起30が拘束手段14である環状肩面16と協働する上昇位置(
図9参照)に弾性的に保持される。かかる状態において、凸部20と凹部32との協働によって本体2に対して計量部材4が円筒壁8内で回転することが阻止される。計量部材4の流入開口26の下端は本体2の流通開口10の上端よりも上方に位置し、流通開口10と流入開口26とは遮断されている。
【0020】
上記本体2と計量部材4との組み合わせに続いて、蓋部材6を組み合わせる。即ち、本体2の円筒壁8内に垂下片50を進入させて蓋部材6を本体2に被嵌し、蓋部材6の雌螺条44を本体2の雄螺条12に螺合せしめる。かくすると、蓋部材6の押し下げ片48が計量部材4の有底円筒壁24の上端縁に当接し、弾性手段34の弾性偏倚作用に抗して有底円筒壁24を下降位置(
図8参照)に下降せしめる。この下降位置においては、計量部材4の流入開口26の下端が本体2の流通開口10の上端よりも下方に位置し、流通開口10と流入開口26は連通せしめられる。
【0021】
上述した通りに組み合わされた粉末計量排出具は、本体2に形成された容器接続手段22が粉末を収容後或いは収容前に合成樹脂フィルム製パウチでよい容器54の開口部に加熱溶着の如き適宜の様式によって接続される。
【0022】
容器54内に収容されている粉末を消費する際には、粉末計量排出具が接続された容器54を倒立状態にせしめ、本体2の流通開口10および計量部材4の流入開口26を通して粉末計量排出具内、更に詳しくは倒立状態にある本体2の上半部と蓋部材6によって規定される空間内に粉末を導入する。しかる後に、粉末計量排出具を正立状態に戻す。かくすると、本体2と蓋部材6とにより規定される空間の容積が有底円筒壁24の上記計量室39の容積よりも大きいため、粉末は計量室39の容積を超えて、即ち計量部材4における流入開口26の下端を超えて存在する。しかる後、蓋部材6を開方向(
図8において上方から見て反時計方向)に回転せしめて雄螺条12と雌螺条44との螺合を漸次解除せしめる。かくすると蓋部材6の回転に伴って天面壁40の内面に形成された摺り切り片46を伴う垂下片50も同方向に回転せしめられる。これにより計量部材4における流入開口26の下端縁を超えてこれよりも上方に存在する過剰な粉末は弾性手段34の弾性偏倚作用、凸部20と凹部32の協働による回転制限作用及び摺り切り片46の作用によって摺り切られ、流入開口26及び流通開口10を通して容器54内に戻され、かくして計量部材4の計量室39には所定量の粉末が残留せしめられる。上記螺合解除が進行すると押し下げ片48も漸次上昇せしめられる。その際、有底円筒壁24は弾性手段34の弾性偏倚作用により上方に弾性的に偏倚せしめられている故に有底円筒壁24の上端縁と押し下げ片48の下端との当接は継続して維持され、上記摺り切り作用は継続して遂行される。この際、有底円筒壁24は環状突起30の外周面に形成された凹部32と円筒壁8の内周面に形成された凸部20との協働により周方向への回転が制限されるため、計量部材4が蓋部材6と共に円筒壁8内で回転せしめられることはない。凸部20は肩面16から軸線方向下方に少なくとも、蓋部材6が所要通りに装着された状態における凹部32の下降位置まで延びることが望ましい。有底円筒壁24の上昇により流入開口26の下端が流通開口10の上端よりも上方に位置するようになり、これによって流入開口26と流通開口10との連通が遮断される。本体2から蓋部材6が離脱されると、弾性手段34による弾性偏倚作用によって有底円筒壁24が更に上昇し、環状突起30の上面が円筒壁8の内周面に形成された環状肩面16に当接し、かかる当接によって流入開口26と流通開口10との連通が一層確実に遮断され、計量部材4の計量室39内の粉末が容器54内に戻ることが確実に阻止される。しかる後においては、粉末計量排出具及び容器54を傾動することによって、計量部材4内に存在する計量された粉末を排出することができる。この際、粉末計量排出具及び容器54を傾動せしめても、計量部材4は弾性手段34により上昇位置に維持されており、この上昇位置においては、流通開口10と流入開口26との連通は阻止されているので容器54内の粉末が計量室39に進入することはない。計量された適切量の粉末を排出した後は、蓋部材6を本体2に再度装着し、容器54を密封することができる。
【0023】
以上、本発明に従って構成された粉末計量排出具の好適実施形態について添付図面を参照して詳細に説明したが、本発明に従って構成された粉末計量排出具はパウチ以外の形態の容器にも適用することができる。
【符号の説明】
【0024】
2:本体
4:計量部材
6:蓋部材
8:円筒壁
10:流通開口
14:拘束手段
16:肩面
18:突条
20:凸部
24:有底円筒壁
26:流入開口
28:被拘束手段
30:突起
32:凹部
34:弾性手段
36:螺旋状弾性部
38:環状部
39:計量室
40:天面壁
42:スカート壁
46:摺り切り片
48:押し下げ片
50:垂下片
54:容器